JP2002528409A - 有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠剤、及びその製造方法 - Google Patents

有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠剤、及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠剤であって、少なくとも一のポリヒドロキシアルコールと少なくとも一の飽和脂肪酸(前記脂肪酸は8乃至22の炭素原子を含むものとする)との反応によって得られる脂質剤によって被覆された、個別の有効成分粒子;及び少なくとも一の崩壊結合剤を含む混合物からなることを特徴とする。本発明はまた、前記じょうざいの製造方法にも係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠剤に関する
。これはまた、前記錠剤の製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の有効成分は、かなりの苦味もしくは不快な味のために、チュアブル錠剤
タイプの薬剤形態に導入することが不可能である。これは、例えば、以下に限定
するものではないが、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、パラセタモール及
びシメチジン等の場合である。
【0003】 これらの有効成分の苦味を低減するために、チュアブル錠剤が、特に欧州特許
出願公報第459,695号に提案されており、これらの錠剤は、有機溶媒中の
、酢酸セルロースで、及び/またはヒドロキシプロピルセルロースと混合した酢
酸酪酸セルロースで、被覆された有効成分の粒子からなる。
【0004】 チュアブルアセトアミノフェン錠剤が、米国特許出願公報第4,851,22
1号に提案されており、これらの錠剤は、これもまた有機溶媒、例えばアセトン
及び/またはメタノール等に溶解されるポリビニルピロリドン(PVP)で被覆
された粒子から調製される。
【0005】 いずれの場合でも、こうして得られる粒子は、チュアブル錠剤の製造に一般的
な賦形剤、例えば増量剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、甘味料及び任意の染料等の混
合物と共に錠剤化される。
【0006】 しかしながら、これらの文献に記載されたチュアブル錠剤は、かなり多くの欠
点を有する。第一に、有効成分粒子の被覆を形成するため、多数の構成成分が必
要とされること、とりわけ、有機溶媒の存在が必須であることが挙げられる。し
かしながら、規定の制約により、環境保護のために有機溶媒を回収することが必
要とされ、これには、高額の出資が必然的に含まれる。同様に、規制機関は、製
薬調製物に有機溶媒が含まれないことをますます要求しており、少なくともその
極微量を定量している。しかしながら、検出しようとする溶媒が非常に微量であ
るため、これらの定量には、高性能且つ高価な装置が必要である。
【0007】 被覆剤が、有効成分の重量に対して約12重量%なる高割合であることもまた
、強調される。このことは、調製の費用を増大させる。 最後に、とりわけ、得られる錠剤が、有効成分の持続性放出のプロフィールを
を有するかもしれず、これは即時放出が所望の場合には適合しない。
【0008】 国際特許出願公報94/12180号には、チュアブルシメチジン錠剤が提案
されており、これは、シメチジンに対して少なくとも20重量%の、部分的に水
素化された植物油、例えば綿実油等で被覆された粒子からなる。被覆粒子は、そ
の後、好適な賦形剤、例えば増量剤(ラクトース、キシリトール等)、架橋ポリ
ビニルピロリドンもしくは架橋カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤などの混
合物と共に錠剤化される。
【0009】 しかしながら、上記のように、被覆剤の量が多量であると、これは製造コスト
及び有効成分の放出時間を増大させる。さらにまた、天然の油を使用することか
ら、バッチ毎に得られる結果に、常に再現性があるとは限らない。最後に、被覆
を構成する、部分的に水素化された油が疎水性の性質であるため、有効成分が親
水性である場合には、後者に油を正確に付着させることができず、このため一方
では風味のマスキングが不十分となり、他方では有効成分の放出が不規則となる
【0010】 本出願人による国際特許出願公報98/14176号は、脂質マトリックス剤
にで被覆された、有効成分粒子の製造方法に関する。前記文献は、チュアブル錠
剤に無関係であるのみならず、実施例3には、被覆された有効成分粒子が即時放
出プロフィールを有するが、錠剤形態の同様の粒子が、これとは対照的に持続性
放出プロフィールを有する旨が、明確に示されている。
【0011】 欧州特許出願公報第0322048号には、シメチジン、ポリヒドロキシアル
キルエーテル及び乳化剤からなる粉末混合物を、真空中且つ高温にて粒子化し、
制酸剤及びカルボキシメチルセルロース等の崩壊剤からなる粉末混合物を、別途
湿式粒子化し、その後前記二群の粒子を周知の錠剤化補助剤の存在下で錠剤化し
て錠剤を得るという方法によって得られる、チュアブルシメチジン錠剤が開示さ
れている。
【0012】 前記方法によれば、有効成分粒子が、ポリヒドロキシアルキルエステル及び乳
化剤の存在を利用して凝集化され、やがて顆粒を生成する。高割合のエステル(
PrecirolRの場合には50%より多量)を更に要する、この製造方法により、得
られる粒子は緩慢な有効成分放出プロフィールを有する(60分間より長期間内
に90%)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術に鑑みて、本発明は、同時に以下の、五つの各問題点を解決す
ることを目標とする。 ・被覆された有効成分の実際の構成の観点から: −構成成分の数を低減すること; −被覆の割合を低減し、よって製造コストを低減すること; ・有効成分の放出の観点から: −有効成分の即時放出、すなわち、30分間未満で該有効成分の少なくとも
80%の放出(USP基準XXIIIに相当)を得ること; ・感覚刺激品質の観点から: −有効成分の苦味をマスクすること; −最終錠剤のチュアブル性質を向上させること。
【0014】 これらの問題点全てを解決するために、本発明では、有効成分を即時放出する
、味をマスクしたチュアブル錠剤を提案する。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
この錠剤は、 ・一方では、少なくとも一のポリヒドロキシアルコールと少なくとも一の遊離
もしくはエステル化飽和脂肪酸との反応によって得られる脂質剤によって被覆さ
れた、個別の有効成分粒子を含み、前記脂肪酸は8乃至22の炭素原子を含むも
のであり、 ・他方では、少なくとも一の崩壊結合剤を含む、 混合物からなることを特徴とする。
【0016】 以下の説明及び請求の範囲では、“ポリヒドロキシアルコール”なる語は、少
なくとも2のアルコール官能基を含むアルキル鎖、特に、限定するものではない
が、グリセロール、ポリエチレングリコール及びスクロースなどの糖類を示すこ
とを意図する。
【0017】 ヒドロキシアルコールと遊離もしくはエステル化脂肪酸との間の反応は、当業
者には周知であり、特にBailey's Industrial Oils and Fat Products, edited
by Daniel Swernには、エステル化反応(ポリヒドロキシアルコール+遊離の脂
肪酸)または、アルコーリシス(脂肪酸+アルコールのエステル)もしくはグリ
セローリシス(脂肪酸+グリセリンのエステル)を含む分子間エステル化(inte
resterification)に相当すると記載されている。
【0018】 換言すれば、本発明は、有効成分粒子が、有機溶媒中に溶解したフィルム−ポ
リマーによってではなく、いかなる溶媒も用いずに溶融状態の脂質剤によって被
覆され、結果として被覆に必要な構成成分の数を低減した、チュアブル錠剤を提
案することに係る。
【0019】 さらに、選択される脂質剤は、天然の出発物質から誘導される合成製品であり
、このため所定の融点及び所定の物理化学的特徴を有するため、バッチ毎の再現
性のあるものである。同様に、この脂質剤は、脂質の特性、特に水の動きの障壁
を構成するフィルム形成性の性質を有する一方で、ポリヒドロキシアルコール中
に未置換のヒドロキシル基が存在するために両親媒性の性質をも有する。結果と
して、該脂質剤は、親水性支持体及び疎水性支持体の両方に、優れた接着性を有
し、これは味を有効にマスクするのみならず、持続性作用効果無しに有効成分の
均等な放出を可能にする。
【0020】 さらにまた、有効成分粒子は、他の賦形剤と凝集させずに前記脂質剤で個別に
被覆され、よって、持続性放出作用が全くない、薄く均一なフィルムを得ること
が可能である。
【0021】 最後に、有効成分の即時放出はまた、有効成分粒子の被覆と、チュアブル錠剤
の製造に一般的な賦形剤混合物に導入される、崩壊結合剤との組み合わせによっ
て生じるものである。
【0022】 以下の説明及び請求の範囲において、“崩壊結合剤”なる語は、一方ではその
結合性性質によって、錠剤製造の工程中に混合される粉末の錠剤化を促進し、他
方ではその崩壊性の性質によって、水性液体培質と接触させられた際の該錠剤の
崩壊を促進する賦形剤を示すことを意図する。
【0023】 換言すれば、前記崩壊結合剤は、その結合性の性質によって処方中の賦形剤か
らなる粉末の凝集力を強化すると同時に、崩壊性の性質によって該錠剤を迅速に
崩壊させ、よって有効成分の放出及びその後の溶解を可能にする。
【0024】 錠剤の安定性に不利な影響を与えることなく、有効成分粒子への脂質被覆の接
着を向上させるためには、脂質剤の融点は、37乃至75℃である。
【0025】 脂質剤の融点が37℃未満であると、錠剤中で有効成分粒子を被覆する脂質フ
ィルムの安定性が、特に熱によって、貯蔵中に変質する可能性があり、これは望
ましくない。 その一方、75℃より高い融点については、前記融点が37℃とは離れすぎて
、有効成分の溶解が延長される恐れがあり、これは望ましくない。
【0026】 脂質剤は、グリセリンと、ステアリン酸及びパルミチン酸の混合物とのエステ
ル、PrecirolR ATO 5の商標名で本出願人により市販され、欧州薬局方モノグラ
フ2000.1428に相当し、米国登録21CFR(US registry 21 CFR)にGRAS
(一般に安全と認定)として記載されたものであると有利である。
【0027】 既述の通り、本発明の錠剤では、その構成のために、被覆の割合を相当に低減
し、よって有効成分の迅速な放出と共に、崩壊結合剤の存在により崩壊を促進す
ることが可能となる。
【0028】 この理由は、実際には、前記脂質剤が、有効成分の重量の10重量%以下を占
めることである。 被覆が10%を越える場合には、米国薬物方USP XXIIIによって規定されたin
vitro溶解試験によれば、有効成分の持続性の放出が観察される。 有利には、前記脂質剤が、有効成分の重量の2乃至5%を占める。
【0029】 本発明の別の特徴によれば、崩壊結合剤は、弱置換セルロースヒドロキシプロ
ピルエーテルを含む群から選択される。 弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルなる語は、セルロースのβ-O-
グルコピラノシル鎖に含まれる三つのヒドロキシル基が、低割合で、プロピレン
オキシドとエステル化された、セルロースヒドロキシプロピルエーテルを示すこ
とを意図する。
【0030】 実際に、弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルは、7乃至16%のヒ
ドロキシプロピル単位を含む。 有利には、前記の弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルは、Shin Ets
u社により市販の“LH21”として周知の弱置換セルロースヒドロキシプロピ
ルエーテルに相当する、7乃至12.9%のヒドロキシプロピル単位を含むもの
である。
【0031】 同様に、本発明の別の特徴によれば、前記崩壊結合剤は、錠剤の重量の0.1
乃至5重量%を占める。
【0032】 本発明はまた、有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠剤の製
造方法にも関する。
【0033】 前記方法には、下記の各工程: ・被覆工程: −まず、個別の有効成分粒子からなる粉末を、後に使用する脂質剤の、融点近
傍の温度に加熱すると同時に流体化させ; −その後、少なくとも一のポリヒドロキシアルコールと、少なくとも一の遊離
もしくはエステル化飽和脂肪酸であって、前記脂肪酸は8乃至22の炭素原子を
含むものとの反応により得られる脂質剤を、溶媒の非存在下において、依然高温
条件下での溶融状態にて、個別の粒子上にスプレーし; −被覆粒子を室温にまで冷却する工程; ・成形工程: −こうして被覆された粒子を、室温にて、少なくとも一の崩壊結合剤と予備混
合し; −得られた混合物を、その後実際の成形工程にかけて錠剤を得る工程; が含まれる。
【0034】 本発明の第一の実施態様によれば、前記成形工程が、錠剤化操作からなる。 本発明の第二の実施態様によれば、前記成形工程が、押出操作からなる。
【0035】 換言すれば、本発明の方法は、熱時条件下で有効成分粒子上に脂質物質を被覆
することを本質とする、“ホットメルトコーティング”として周知の技術を、そ
の後に続く、被覆粒子及び賦形剤からなる混合物の錠剤化もしくは押出の工程の
前に実行することにあり、前記賦形剤は、一方では特定の、例えば崩壊結合剤で
あり、他方ではチュアブル錠剤の製剤に一般的なものである。
【0036】 言うまでもないが、崩壊結合剤と通常の製剤賦形剤との両方を、特に湿式粒状
化によって個別に粒状化し、これらを、被覆した有効成分粒子と直接混合するこ
とが可能である。
【0037】 しかしながら、この方法は、付加的工程を必要とするためにかなり面倒である
ため、これとは対照的に、後続の錠剤化もしくは押出の工程に先立ち、前記賦形
剤を被覆した有効成分粒子に直接導入することが好ましい。
【0038】 “ホット−メルトコーティング”の技術及びこれを実行する装置は、周知であ
り、Achante A. S. et al., "Development of hot-melt coating methods" in D
rug Dev. Ind. Pharm., Volume 23, number 5, 1997, pages 441 to 449 及び J
ozwiakowski M. J. et al., "Characterization of hot-melt fluid-bed coatin
g processes for fine granules" in Pharm. Res., Volume 7, number 11, 1990
, pages 1119-1126 の文献に広く記載されている。
【0039】 他の周知の技術の以下の説明においては、他の周知技術も採用可能ではあるが
、“ホット−メルトコーティング”は、流動化エアベッド技術によって詳説され
る。
【0040】 本発明の方法の有利な特性によれば、有効成分粉末の加熱温度は、被覆脂質の
融点より1℃低い温度から2℃高い温度の範囲内で選択されるが、その分析の際
に、毛管法もしくは滴点法のいずれかによって決定される。
【0041】 同様に、有効成分粒子上に脂質剤を被覆することを、より容易にするため、こ
の有効成分を、その融点と前記融点より50℃高い温度との間の温度に加熱し、
維持する。
【0042】 融点未満の温度であると、前記脂質剤は固体であってスプレー不可能である。 融点よりも50℃高い温度であると、被覆剤の固形化が遅すぎるため、粒子の
凝結が起きる。
【0043】 脂質被覆剤が、薄い、均一なフィルムの形態で得られると同時に、錠剤化工程
の間のこのフィルムの破損を回避するために、脂質剤のスプレーの流量は、被覆
しようとする有効成分の質量と流動化エアベッドのサイズとの関数として選択さ
れる。
【0044】 実際には、脂質剤のスプレーの流量は、毎分、5乃至500グラムである。 実際には、被覆しようとする活性剤の量の上限が10kgであるパイロットバッ
チの場合、脂質剤のスプレーの流量は、毎分5乃至20グラムであり、有利には
毎分8乃至13グラムである。
【0045】 バッチ毎の有効成分の量の上限が400kgである工業用バッチについては、脂
質剤のスプレーの流量は、毎分200乃至500グラムから、有利には毎分28
0乃至360グラムから選択される。
【0046】 本発明の方法の別の特徴によれば、スプレー圧は、いわゆる“被膜構成”条件
に相当し、2.5バールより大である。
【0047】 パイロットバッチに関しては、この圧力が、有利には3バールより大なる値か
ら選択される。 同様に、工業用バッチについては、流量がより多いため、スプレー圧は、4バ
ールより高圧から、有利には4乃至5バールから選択される。
【0048】 装置に関しては、ツインエアスプレーノズルの数及び開口を、スプレー速度及
び流動化エアベットのサイズの関数として適合させる。
【0049】 さらにまた、本発明の別の特徴によれば、有効成分の粒子サイズは5乃至50
0ミクロメーターであり、ほとんどの粒子が200ミクロメーターの範囲内であ
って、このため運動状態におかれ、且つ流動ベッドにおける均一な粒子表面を生
成することが促進されると理解される。
【0050】 本発明の好ましい実施態様によれば、脂質剤は、グリセリンと、ステアリン酸
及びパルミチン酸の混合物とのエステルであって、PrecirolR ATO 5の商標名で
本出願人により市販され、欧州薬局方モノグラフ2000.1428に相当する。
【0051】 既述の通り、脂質剤は、被覆された有効成分の重量の10%以下の割合で被覆
される。 換言すれば、既述の通り、特定の脂質剤の薄いフィルムによる、有効成分の被
覆及び、チュアブル錠剤における崩壊結合剤との組み合わせによって、有効成分
を迅速に、すなわち、30分間に80%より多量に放出すると同時に、有効成分
の苦味をマスクすることが可能である。
【0052】 本発明の方法に別の特徴によれば、崩壊結合剤は、セルロースヒドロキシプロ
ピルエーテルを含む群から選択される。 有利には、該セルロースヒドロキシプロピルエーテルは、7乃至12.9%の
ヒドロキシプロピル単位を含む。
【0053】 既述の通り、該被覆粒子は、崩壊結合剤の他に、チュアブル錠剤の製造におい
て一般的な、増量剤、滑剤、香料及び甘味料を含む群から選択される賦形剤と混
合される。
【0054】 さらにまた、本発明は、上記方法によって得られるチュアブル錠剤にも関する
。 本発明及びこれにより生じる利点は、添付の図面に補助される、下記の実施例
からより明らかに示される。
【0055】 以下の実施例においては、パラセタモールの投薬量80mgを含有するチュアブ
ル錠剤のバッチ二つ−それぞれバッチ番号1及び2−を調製した。これらの各バ
ッチを成す、錠剤の組成を、下記の表に示すが、ここでは、パーセンテージは、
錠剤重量のパーセンテージとして表示した。
【0056】
【実施例】
【表1】 GattaphenR T:Gattefosse社により市販 EmdexR:Mendell社により市販 PearlitolR、NeosorbR及びXylisorbR:Roquette Freres社により供給 LH 21:Shin Etsu社により供給 AcdisolR:SEPPIC社により供給 NutrasweetR:Arnaud Etablissement社により供給 SunettR:Nutrinova France社により供給 Vanilla flavouring 22b249:IFF社により供給 Grape flavouring FL SD ART D 1439500及び Chroma-tone DDB 8297-P dye:Crompton & Knowles社により供給
【0057】 前記錠剤の製造のために、当該方法を下記のように実行した。 粒子サイズが、50乃至500ミクロメートルである、有効成分粉末を、流動
化エアベッドを使用して、脂質剤の融点、すなわち53℃に加熱し、個別の粒子
を得た。
【0058】 グリセリンと、ステアリン酸及びパルミチン酸の混合物とのエステルであって
、PrecirolR ATO 5なる商標名の市販品を、別途、110℃にて液状化した。
【0059】 その後、脂質被覆剤を、加熱した有効成分粉末にスプレーして、パラセタモー
ル粒子の周囲に、脂質剤マトリックスの均一な分布を得た。この被覆工程の間、
毎分8グラムのPrecirolRのスプレー流量に対して、スプレー気圧を、少なくと
も2.5バールに設定した。
【0060】 こうして得られた粒子は、その後室温に冷却され、出願人によりGattaphenR
る商標名で市販の製品に相当するものとなった。該粒子を、室温にて、上記の表
に示した一連の賦形剤と混合した。
【0061】 最後に、得られた混合物を、定法の錠剤化工程にかけ、本発明のチュアブル錠
剤を得た。利用した機械は、Manesty, KillianもしくはKorchタイプの回転錠剤
機である。
【0062】
【発明の効果】
既述の通り、製造した錠剤の二つのバッチの溶解プロフィールは、図1(バッ
チ1は曲線1に相当し、バッチ2は曲線2に相当する)に表される。これらの曲
線が示すように、30分間において有効成分の80%が放出されるため、米国薬
局方の規定(USP XXIII)によって、即時放出と見なすべきパラセタモールの放
出が得られた。
【0063】 本発明及びこれから生じる利点は、これまでの説明により明確に与えられる。 前記製造方法の構成及び新規性、脂質剤で被覆した有効成分粒子の導入、及び
これによる溶媒の排除、及び特定の脂質が10%以下の割合であり、このために
当該錠剤の製造コストがかなり低減されることは、特筆すべきである。同様に、
有効成分粒子の周囲に、均一で、薄いフィルムを形成することにより: ・一方では、崩壊結合剤の崩壊作用と関連して、有効成分の即時放出を得る
ことが可能となり、 ・他方では、有効成分の粒子の部分的被覆及び、ひいては有効成分の苦味の即
時分散を回避することが可能となる。
【0064】 この方法では、有効成分の味が完全にマスクされ、その組成のため、チュアブ
ル錠剤は充分口に合うものであり、充分な噛みごたえを有する。
【0065】 さらに、とりわけ、崩壊結合剤を導入することにより、当該錠剤の崩壊及び、
被覆された有効成分の持続性作用を伴わない溶解によって、得られる有効成分の
即時放出が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法によって製造されたチュアブルパラセタモ
ル錠剤の溶解度プロフィールの図示である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月14日(2000.10.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA42 BB01 CC09 CC16 DD46 EE32 FF06 FF21 FF33 FF52 GG14 GG18

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠剤
    であって、 ・一方では、少なくとも一のポリヒドロキシアルコールと少なくとも一の遊離
    もしくはエステル化飽和脂肪酸との反応によって得られる脂質剤によって被覆さ
    れた、個別の有効成分粒子を含み、前記脂肪酸は8乃至22の炭素原子を含むも
    のであり、 ・他方では、少なくとも一の崩壊結合剤を含む、 混合物からなることを特徴とする錠剤。
  2. 【請求項2】 脂質剤の融点が、37乃至75℃であることを特徴とする
    、請求項1に記載のチュアブル錠剤。
  3. 【請求項3】 脂質剤が、グリセリンと、ステアリン酸及びパルミチン酸
    の混合物とのエステルであることを特徴とする、請求項3に記載の錠剤。
  4. 【請求項4】 脂質剤が、有効成分の重量の10重量%以下を占めること
    を特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 【請求項5】 脂質剤が、有効成分の重量の2乃至5重量%を占めること
    を特徴とする、請求項4に記載の錠剤。
  6. 【請求項6】 崩壊結合剤が、弱置換セルロースヒドロキシプロピルエー
    テルを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項
    に記載の錠剤。
  7. 【請求項7】 弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルが、7乃至
    16%のヒドロキシプロピル単位を含むことを特徴とする、請求項6に記載の錠
    剤。
  8. 【請求項8】 弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルが、7乃至
    12.9%のヒドロキシプロピル単位を含むことを特徴とする、請求項7に記載
    の錠剤。
  9. 【請求項9】 崩壊結合剤が、錠剤の重量の0.1乃至5重量%を占める
    ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の錠剤。
  10. 【請求項10】 有効成分を即時放出する、味をマスクしたチュアブル錠
    剤の製造方法であって、下記の各工程: ・被覆工程: −まず、個別の有効成分粒子からなる粉末を、後に使用する脂質剤の、融点近
    傍の温度に加熱すると同時に流体化させ; −その後、少なくとも一のポリヒドロキシアルコールと、少なくとも一の遊離
    もしくはエステル化飽和脂肪酸であって、前記脂肪酸は8乃至22の炭素原子を
    含むものとの反応により得られる脂質剤を、溶媒の非存在下において、依然高温
    条件下での溶融状態にて、個別の粒子上にスプレーし; −被覆粒子を室温にまで冷却する工程; ・成形工程: −こうして被覆された粒子を、室温にて、少なくとも一の崩壊結合剤と予備混
    合し; −得られた混合物を、その後実際の成形工程にかけて錠剤を得る工程; を含む方法。
  11. 【請求項11】 前記成形工程が、錠剤化操作からなることを特徴とする
    、請求項10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記成形工程が、押出操作からなることを特徴とする、
    請求項10に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 有効成分粉末の加熱温度が、被覆脂質剤の融点よりも約
    1℃低い温度から、2℃高い温度温までの範囲内で選択されることを特徴とする
    、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 脂質剤が、その融点から前記融点より50℃高い温度ま
    での温度で溶融され、維持されることを特徴とする、請求項10乃至13のいず
    れか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 脂質剤のスプレーの流量が、毎分5乃至500グラムで
    あることを特徴とする、請求項10乃至14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 スプレー気圧が、2.5バールより大なることを特徴と
    する、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 脂質剤が、グリセリンと、ステアリン酸及びパルミチン
    酸の混合物とのエステルであることを特徴とする、請求項10乃至16のいずれ
    か一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 脂質剤が、有効成分の重量の10重量%以下の割合でス
    プレーされることを特徴とする、請求項9乃至17のいずれか一項に記載の方法
  19. 【請求項19】 脂質剤が、有効成分の重量の2乃至5重量%の割合でス
    プレーされることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 崩壊結合剤が、弱置換セルロースヒドロキシプロピルエ
    ーテルを含む群から選択されることを特徴とする請求項9乃至19のいずれか一
    項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルが、7乃
    至16%のヒドロキシプロピル単位を含むことを特徴とする、請求項20に記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 弱置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルが、7乃
    至12.9%のヒドロキシプロピル単位を含むことを特徴とする、請求項21に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 崩壊結合剤が、錠剤の重量の0.1乃至5重量%を占め
    ることを特徴とする、請求項9乃至22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項9乃至23のいずれか一項に記載の方法によって
    得られる、チュアブル錠剤。
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