JP2002527734A - 加熱器具およびその被覆方法 - Google Patents

加熱器具およびその被覆方法

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Abstract

(57)【要約】 調理容器等の加熱器具は、その内側表面２に、温度の関数として変色する装飾物を含む内側表面コーティングを有する。熱安定性樹脂及び温度の関数として変色する化学物質をベースとする装飾物４が、容器１の内側のフルオロカーボン樹脂の層３の上に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、フルオロカーボン樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン等の熱
安定性樹脂からなる基礎コーティング付きの内側及び／または外側表面を持つフ
ライパン、ソースパン、深縁のフライパンまたは衣類アイロン等の加熱器具およ
びその被覆方法に関する。容器の内側表面の温度を指示する手段を含む調理容器
は当業界で知られている。これらの手段は、一般に、調理容器の底に集積され、
測定される温度を表示するスクリーンを含む電子モジュールに導体で接続された
温度センサーを含んでなる。
【０００２】 上記の手段は、容器の調理表面の温度を使用者に常時知らせる。それゆえ、使
用者は、調理表面が肉を「焼く」のに充分な温度に達した精確な瞬間を決定する
ことができる。
【０００３】 また、容器の内側表面の温度を指示することは、器具が熱くなり、火傷を起こ
すかもしれないことも使用者に警告する。
【０００４】 しかしながら、上記の従来技術の手段は、複雑であって、特に食器洗いの水に
対して電気絶縁の問題を生じる欠点を有する。
【０００５】 当業界で公知の実施形態においては、この把手は、特定温度で変色し得る化学
物質固有の温度及び調理容器近くの温度のインジケーターを含む。しかしながら
、上記領域の温度は、調理表面の実際の温度に対応せず、そこで、この物質の色
の変化は、調理表面の温度を実際に示さない。
【０００６】 本発明の目的は、器具の表面が熱くなり、使用するのに充分な温度に達したこ
とを使用者に警告する特に簡単な方法を提案することである。
【０００７】 本発明による加熱器具においては、少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える熱
安定性樹脂と温度の関数として変色する化学物質から構成される装飾物が少なく
とも２００°Ｃ迄の温度に耐え、器具の表面を被覆する熱安定性樹脂の上に施さ
れ、この装飾物が基礎コーティングの一部をカバーし、基礎コーティングの構成
樹脂と装飾物の構成樹脂が、好ましくは同時に、場合によっては引き続いて、硬
化されることにより、基礎コーティングに付着する。
【０００８】 少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える熱安定性樹脂は、好ましくは、フルオ
ロカーボン樹脂またはフルオロカーボン樹脂だけの混合物または他の熱安定性樹
脂とフルオロカーボン樹脂の混合物である。
【０００９】 この装飾物は、好ましくはポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）をベース
にしている。
【００１０】 この装飾物は、好ましくはスクリーン印刷により、あるいはスタンプ印刷によ
り施される。
【００１１】 この装飾物は、フランス特許２５７６２５３に記述されている方法により塗布
され得る。
【００１２】 上記物質は、単独で使用された酸化鉄であってもよく、あるいは、他の顔料ま
たは黒色顔料と結合されたペリレンレッド等の着色剤と混合された酸化鉄であっ
てもよい。
【００１３】 化学物資を埋め込む熱安定性樹脂の層は透明であるために、それを通して変色
を視認することができる。
【００１４】 基礎コーティングがＰＴＦＥ等のフルオロカーボン樹脂であり、装飾物もフル
オロカーボン樹脂ベースである場合には、基礎コーティングと装飾物を硬化する
ことにより、基礎コーティングの樹脂の粒子を装飾物の樹脂の粒子と共に焼結す
ることが可能となり、また、硬化が同時である場合には、同時焼結が起こり、基
礎コーティングに対する装飾物の優れた結合が確保される。
【００１５】 この化学物質の色の変化は、器具が熱くなっていて、火傷を起こすかもしれな
いこと、また器具の表面がその使用の適正な温度に達したことを使用者に指示す
る。
【００１６】 この基礎コーティング及び装飾物は、好ましくは透明フルオロカーボン樹脂の
連続層により被覆され、これは、基礎コーティングの樹脂及び装飾物の構成樹脂
と共に同時に硬化されて、すべての粒子の同時焼結が可能になる。得られた表面
は、装飾物の存在により影響を受けない最適な非粘着性を有する。
【００１７】 本発明の他の特徴及び利点は、次の説明の過程で更に明白になるであろう。
【００１８】 図１及び２に示される本発明の実施形態においては、調理容器はフライパン１
であり、熱安定性フルオロカーボン樹脂の層３により被覆された内側表面２を有
する。
【００１９】 本発明によれば、少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える熱安定性樹脂と温度
の関数として変色する化学物質をベースとする装飾物４が熱安定性樹脂層３の少
なくとも一部の上に形成され（applied）、次に装飾物の構成樹脂が基礎コーテ
ィングの構成樹脂と硬化される。これは、基礎コーティングの構成樹脂の後に硬
化され得るが、好ましくは、単一の同時硬化により硬化される。
【００２０】 好ましくはフルオロカーボン樹脂である熱安定性樹脂は、ＰＴＦＥ、ＰＦＡ、
ＦＥＰ等のフルオロカーボン樹脂だけの混合物、またはＰＡｌ、ＰＥＳ、ＰＰＳ
、ＰＥＫ、ＰＥＥＫ及びシリコーン等の少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える
他の熱安定性樹脂とフルオロカーボン樹脂の混合物とすることができる。
【００２１】 示される実施例においては、装飾物４は、一つあるいはそれ以上の形状からな
るが、勿論、装飾物４は、任意の他の形、例えば同心円をとることもできる。
【００２２】 装飾物４は、好ましくはポリテトラフルオロエチレンをベースとする。
【００２３】 装飾物４は、フランス特許２５７６２５３に記述されている方法を用いてスク
リーン印刷により、あるいはスタンプ印刷により、あるいは任意の他の手段によ
り形成され得る。
【００２４】 上述のフランス特許に記述されている方法に比較して、スクリーン印刷用ペー
ストと混合した着色顔料を、変色するように適合され、粉末とすることができる
化学物質と置き換えることで充分である。
【００２５】 本発明の有利な実施形態においては、この化学物質は酸化鉄とすることができ
る。
【００２６】 調理容器１の内側表面２が調理の最適温度に達すると、装飾物４中に存在する
酸化鉄が変色する。
【００２７】 上記の種類の化学物質は、従来技術の用途で使用されるカドミウム化合物とは
異り、食品グレード（food grade）である。
【００２８】 かくして、装飾物４中に存在する酸化鉄の変色は、フライパンが熱くなってい
ること、またこの内側表面が肉を調理するのに適正な温度に達したことを使用者
に示す。変色は、勿論可逆的である。
【００２９】 この化学物質は、酸化鉄等、温度が上昇するに従って、暗色化するものとする
ことができる。
【００３０】 代わりに、この化学物質は、温度が上昇するに従って、明色化するものとする
ことができる。これは、有機レッド（例えばペリレンレッド）と黒色顔料の混合
物の場合にあてはまる。
【００３１】 この装飾物は、好ましくは少なくとも２つのパターンを含んでなり、一方が温
度が上昇するに従って、暗色化する化学物質を含有し、他方が温度が上昇するに
従って、明色化する化学物質を含有する。このようにして、２つの顔料の間のコ
ントラストは、温度変化を見分けることを更に容易にする。
【００３２】 上述の化学物質の例においては、フライまたはローストの最適温度である２０
０°Ｃから２つの装飾物の間に極めて顕著なコントラストが存在する。
【００３３】 勿論、本発明は、いま説明したこの例に限定されたものでなく、本発明の範囲
をはずれることなく多数の変形を行うことができる
【００３４】 かくして、本発明は、いかなる加熱器具にも適用され、特に非粘着性コーティ
ング付きの衣類アイロンのソール、並びに調理器具、グリルプレートなどのいか
なる外側表面に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の調理容器の部分的な断面図である。
【図２】 その内側表面を示す本発明の調理容器の平面図である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年１０月３１日（２０００．１０．３１）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ， ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，Ｓ Ｌ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ガルダズ，クローディーヌ フランス国、74150 ブロイ、ル・プテ ィ・サラジン、 ヴィラ・ユット・ピュス Ｆターム(参考） 2F056 VA02 VA10 4B059 AA02 CA02 CA16 DA02 4L029 KA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える熱安定性樹脂からな
    る基礎コーティングにより被覆された表面を持つ加熱器具であって、少なくとも
    ２００°Ｃ迄の温度に耐える熱安定性樹脂及び温度の関数として可逆的に変色す
    る化学物質をベースとする装飾物が基礎コーティングを構成する熱安定性樹脂層
    の表面に施され、装飾物が基礎コーティングの一部分を被覆し、基礎コーティン
    グの構成樹脂と共に装飾物の構成樹脂を硬化することにより装飾物を基礎コーテ
    ィングに付着してなる加熱器具。
  2. 【請求項２】 少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える熱安定性樹脂が、フ
    ルオロカーボン樹脂またはフルオロカーボン樹脂だけの混合物または他の熱安定
    性樹脂とフルオロカーボン樹脂の混合物である請求項１に記載の加熱器具。
  3. 【請求項３】 装飾物（４）が、スクリーン印刷によりあるいはスタンプ印
    刷により施される請求項１または２に記載の加熱器具。
  4. 【請求項４】 上記物質が酸化鉄または黒色顔料と結合されたペリレンレッ
    ドから構成される請求項１から３のいずれかに記載の加熱器具。
  5. 【請求項５】 上記化学物質が、温度が上昇するに従って暗色化する請求項
    １から４のいずれかに記載の加熱器具。
  6. 【請求項６】 上記化学物質が、温度が上昇するに従って明色化する請求項
    １から４のいずれかに記載の加熱器具。
  7. 【請求項７】 この装飾物が、少なくとも２つのパターンを含んでなり、一
    方が温度が上昇するに従って暗色化する化学物質を含有し、他方が温度が上昇す
    るに従って、明色化する化学物質を含有する請求項１から６のいずれかに記載の
    加熱器具。
  8. 【請求項８】 装飾物及び基礎コーティングが実質的に透明なＰＴＦＥの連
    続層により被覆されている請求項１から７のいずれかに記載の加熱器具。
  9. 【請求項９】 調理容器の形の請求項１から８のいずれかに記載の加熱器具
    。
  10. 【請求項１０】 衣類アイロンのソールの形の請求項１から８のいずれかに
    記載の加熱器具。
  11. 【請求項１１】 加熱器具の少なくとも一つの表面を少なくとも２００°Ｃ
    迄の温度に耐える熱安定性樹脂からなる基礎コーティングにより被覆する方法で
    あって、少なくとも２００°Ｃ迄の温度に耐える熱安定性樹脂及び温度の関数と
    して可逆的に変色する化学物質をベースとする装飾物を基礎コーティングを構成
    する熱安定性樹脂層の表面に施し、装飾物によって基礎コーティングの一部分を
    被覆し、装飾物の構成樹脂を基礎コーティングの構成樹脂と共に硬化させる加熱
    器具の被覆方法。
  12. 【請求項１２】 装飾物の構成樹脂を基礎コーティングの構成樹脂と共に同
    時に硬化させる請求項１１に記載の加熱器具の被覆方法。
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