JP2002527360A - ヘモグロビン代用血液の保存方法 - Google Patents

ヘモグロビン代用血液の保存方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、脱酸素化したヘモグロビン代用血液の保存方法および保存された脱酸素化した代用血液に関する。本発明は、脱酸素化したヘモグロビン代用血液を酸素遮断フィルム基本パッケージ中で維持する工程を含む、脱酸素化したホモグロビン代用血液を保存する方法に関し、該フィルムは、約25℃および約50%の外部相対湿度の雰囲気あたりの酸素透過性が24時間につき100平方インチあたり約1.0cc(または100平方センチメートルあたり約0.155cc)未満である。本発明はまた、保存された脱酸素化したヘモグロビン代用血液に関する。前記保存された代用血液は、脱酸素化したヘモグロビン代用血液および酸素遮断フィルム基本パッケージを含有する。前記酸素遮断フィルム基本パッケージは、25℃および約50%の外部の相対湿度の雰囲気下あたりの酸素透過性が、24時間につき、100平方インチあたり約1.0cc(または100平方センチメートルあたり0.155cc)未満である透明な積層材料を含有し、その中に、脱酸素化したヘモグロビン代用血液が封入され、それにより実質的に酸素を有さない雰囲気下で脱酸素化したヘモグロビン代用血液が保存される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本願は、1995年3月23日に提出された米国出願番号第08/409,3
37号(現在は米国特許第5,854,209号)の継続出願である1995年
6月2日に提出された米国特許出願番号第08/458,916号(現在は米国
特許第5,840,852)の一部継続出願である1995年6月7日に提出さ
れた米国特許出願第08/471,583号(現在は米国特許第5,691,4
52号)の継続出願である1997年11月19日に提出された同時継続中の米
国特許出願番号第08/974,658号(現在は放棄されている)の一部継続
出願である1998年10月14日に提出された同時継続中の米国特許出願第0
9/173,189号の継続出願であって、それらの全教示は参照により本明細
書に取り込まれる。
【0002】 発明の背景 血液損失(例えば急性出血からまたは外科手術の間に)から、貧血(例えば悪
性貧血または鎌状赤血球貧血から)から、あるいはショック(例えば循環血液量
減少性ショック、アナフィラキシーショック、敗血症ショックまたはアレルギー
性ショック)から生じる低酸素症を治療または予防するために代用血液が求めら
れている。これらの代用血液としての能力を有する血液および血液分画の使用に
は危険性が伴う。例えば、全血の使用は、しばしば、患者の回復を悪化させたり
、患者を死に至らしめることもある肝炎誘発ウイルスやAIDS誘発ウイルスの
伝播の危険性を伴う。さらに全血の使用は、免疫血液学的問題およびドナー間の
不適合性を回避するための血液型検査と交差適合試験を必要とする。
【0003】 代用血液としてのヒトヘモグロビンは、浸透作用ならびに酸素を輸送および移
入するための能力を有するが、腎経路によっておよび血管壁を通して循環から速
やかに除去されるという欠点を持ち、非常に短い、従って一般的には満足できな
い半減期をもたらす。さらに、ヒトヘモグロビンは、しばしば有毒なレベルのエ
ンドトキシン、細菌および/またはウイルスで汚染されている。
【0004】 非ヒトヘモグロビンもヒトヘモグロビンと同じ欠点を有する。さらに、非ヒト
供給源からのヘモグロビンもまた、一般的には抗体などのタンパク質で汚染され
ており、受容者において免疫系応答を引き起こしうる。
【0005】 これまで、ペルフルオロ化学物質、合成ヘモグロビン類似体、リポソーム被包
ヘモグロビンおよび化学修飾ヘモグロビンを含む、少なくとも4種類の他の代用
血液が使用されてきた。しかしながら、これらの代用血液の多くが一般的には血
管内貯留時間が短く、異物として循環系によって排除されるか若しくは肝臓や脾
臓および他の組織に停留してきた。また、これらの代用血液の多くは生体系とは
生物学的に不適合であった。
【0006】 従って、ヘモグロビンベース代用血液の調製における最近の進歩にも関わらす
、代用血液の注入から生じる免疫系応答および任意の毒性影響を一般に防止する
のに十分低いレベルのエンドトキシン、細菌、ウイルス、リン脂質および非ヘモ
グロビンタンパク質等の夾雑物を有する代用血液が引き続き必要とされている。
さらに、代用血液はまた、外界の条件下で適切な量の酸素を組織に運搬および伝
達することが可能でなければならず、良好な血管内保持時間を有さねばならない
【0007】 さらに、代用血液は、1)全血と概して等価な腫脹活性を有し、2)クロスマ
ッチングまたは感受性試験を必要とすることなく、ほとんどのレシピエントに注
入され得、3)冷蔵の最小量で長期間保存され得ることが好ましい。
【0008】 発明の要旨 本発明は、脱酸素化したヘモグロビン代用血液の保存方法および保存された脱
酸素化した代用血液に関する。
【0009】 本発明は、脱酸素化したヘモグロビン代用血液を酸素遮断フィルム基本(pr
imary)パッケージ中で維持する工程を含む、脱酸素化したホモグロビン代
用血液を保存する方法に関し、該パッケージは、約25℃および約50%の外部
相対湿度の雰囲気あたりの酸素透過性が24時間につき100平方インチあたり
約1.0cc(または100平方センチメートルあたり約0.155cc)未満
である。
【0010】 本発明はまた、保存された脱酸素化したヘモグロビン代用血液に関する。前記
保存された代用血液は、脱酸素化したヘモグロビン代用血液および酸素遮断フィ
ルム基本パッケージを含有する。前記酸素遮断フィルム基本パッケージは、25
℃および約50%の外部の相対湿度の雰囲気下あたりの酸素透過性が、24時間
につき、100平方インチあたり約1.0cc(または100平方センチメート
ルあたり0.155cc)未満である透明な積層材料を含有し、その中に、脱酸
素化したヘモグロビン代用血液が封入され、それにより実質的に酸素を有さない
雰囲気下で脱酸素化したヘモグロビン代用血液が保存される。
【0011】 本発明の利点の1つは、本発明の方法により製造および保存されたヘモグロビ
ンがより高い純度およびより長い貯蔵寿命を有することである。高い酸素遮断性
を有する基本パッケージにより、高遮断性うわ包装を施す前またはうわ包装を取
り除いた後の産物安定性を保護することが可能になる。また、透明基本パッケー
ジは、製造状態の目視による検査を可能にする。さらに、本発明は、ヘモグロビ
ン代用血液の保存におけるさらなる遮断体、うわ包装などのさらなる遮断体の必
要性をなくすことにより、プラスチックの医療廃棄物が減る。
【0012】 代用血液は、室温で2年またはそれ以上の間まで、安定な状態で維持すること
ができ、これまでの方法よりもかなり改善されている。さらに、本発明の精製ヘ
モグロビンにより、1つの種由来のヘモグロビンを、受容種が重要な副作用を被
ることなく、異なる種において代用血液として首尾良く使用することができる。
【0013】 発明の詳細な説明 本発明の工程の特徴およびその他詳細についてより詳しく記載し、特許請求の
範囲において指し示す。本発明の特定の態様は、例として示すものであり、本発
明を制限するものとしてでないことが理解されるであろう。本発明の主要な特徴
は、本発明の範囲から逸脱することなく様々な態様で使用することができる。
【0014】 一態様において、本発明は、脱酸素化ヘモグロビン代用血液の安定性を保持す
る方法に関する。この方法は、脱酸素化ヘモグロビン代用血液を酸素遮断フィル
ム基本パッケージ内に維持する工程を含む。一態様において、酸素遮断フィルム
基本パッケージは、約25℃、外部相対湿度約50%の雰囲気あたりの酸素透過
性が24時間につき100平方インチあたり約1.0cc未満(または、100
平方センチメートルあたり約0.155cc)である透明ポリマーフィルムを含
む。好ましくは、基本パッケージは、約25℃雰囲気あたりの酸素透過性が24
時間につき100平方インチあたり約0.6cc未満(または、100平方セン
チメートルあたり約0.093cc)である。別の態様において、ポリマーフィ
ルムは積層体である。
【0015】 別の態様において、本発明は、脱酸素化ヘモグロビン代用血液および酸素遮断
フィルム基本パッケージを含む保存された脱酸素化ヘモグロビン代用血液に関す
る。一態様において、酸素遮断フィルム基本パッケージは透明ポリマーフィルム
を含む。基本パッケージは、約25℃、外部相対湿度約50%の雰囲気あたりの
酸素透過性が24時間につき100平方インチあたり約1.0cc未満(または
、100平方センチメートルあたり約0.155cc)であり、その内部に脱酸
素化ヘモグロビン代用血液が封入されており、それにより脱酸素化ヘモグロビン
代用血液が実質的に無酸素環境下で保存される。別の態様において、ポリマーフ
ィルムは積層体である。
【0016】 酸素遮断フィルムは、適当な酸素遮断材料を、該材料が25℃、周囲湿度、例
えば相対湿度50%において好適な酸素遮断特性を有するように含む。本発明の
一態様では、酸素遮断材料は、少なくとも1つの層を有する透明ポリマーフィル
ムを含む。より具体的な態様では、フィルムは、ポリオレフィン外層(ポリエチ
レンまたはポリプロピレンなど)、酸素遮断層およびポリオレフィン内層の積層
体を含んでなり、内層はパッケージの内容物と接触している。本発明のポリオレ
フィンは、2種またはそれ以上のモノマーの共重合体を含み、モノマーは、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン(polyethethylene)または
ブチレンでありうる。別の態様では、エチレンビニルアセテートなどの他のモノ
マーをコポリマーに含めることができる。酸素遮断層の種類により、積層体は任
意に支持層を含みうる。理論に拘束されることを望まないが、支持層は、自動化
装置を用いるバッグの製造を容易にする。好ましい態様では、支持層はナイロン
などの二軸延伸材料である。一態様において、透明材料は、当該技術分野におい
て公知の方法を用いて、光分解を回避するよう作製することができる。
【0017】 一態様において、ポリオレフィン外層および酸素遮断層は共押出されている。
好ましい態様では、ポリオレフィン外層が中密度(medium density)ポリエチレ
ンであり、酸素遮断層がエチレンビニルアルコールである。
【0018】 本発明の別の態様では、酸素遮断フィルムは、約0.0022in.(または
約56マイクロメーター(μm))の厚みを有する共押出された中密度ポリエチ
レン/エチレンビニルアルコール層;約0.00048in.(または約12.
2μm)の厚みを有するナイロン層;および約0.0020in.(または約5
0.8μm)の厚みを有する低密度ポリエチレン層を含む。
【0019】 理論に拘束されることを望まないが、ポリオレフィンの外層および内層は、蒸
気遮断体である。どちらの層の蒸気遮断特性も、層の厚みを大きくすることによ
り増大しうる。パッケージの外側に蒸気遮断体を有する必要はないが、滅菌され
たバッグを自動製造する目的には、外層が滅菌工程の際に酸素遮断層の安定性を
保護するため、中密度ポリエチレン層などのポリオレフィン外層を有することが
望ましい。例えば、この層は、過酸化水素浴を通してフィルムを引き上げる工程
の際に酸素遮断層を保護する。他の好適な外層には、例えば、線状低密度(linea
r low density)ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンまたは
ポリプロピレンが含まれる。例えば、滅菌手順が必要とされない場合はポリオレ
フィン外層は必要ないことが理解される。また、酸素遮断層に影響しない異なる
滅菌技術を使用する、または滅菌工程に耐える酸素遮断層を使用する場合、ポリ
オレフィン外層は必要ない。
【0020】 本発明の別の態様では、酸素遮断層は、被覆された支持材料を含む本質的に酸
素不透過性のポリマーを含む。一態様では、支持材料は、例えばポリエステルま
たはポリアミド(ナイロンなど)でありえ、被覆は、例えば酸化ケイ素(SiO X )または金属酸化物などの支持体上に析出してそれを酸素不透過性としうる他
の材料でありうる。
【0021】 任意に、うわ包装を使用しうる。うわ包装は、ポリマーフィルム(例えば、本
質的に酸素不透過性のポリエステル、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコー
ル(EVOH)またはナイロン)などの適当な材料、またはホイル積層体(例え
ば、銀またはアルミニウムのホイル積層体)もしくは他の酸素遮断積層体などの
積層体から製造される。うわ包装がポリエステルフィルムなどのフィルムである
場合、フィルムは種々の適当な方法により本質的に酸素不透過性とされうる。一
態様では、製造されたフィルムは本質的に酸素不透過性である。あるいはまた、
ポリマー材料が所望の仕様に合うのに十分酸素不透過性でない場合、フィルムを
積層するか、またはそうしない場合は酸素透過性を低下または消去するために処
理しうる。好ましい態様では、ホイルがアルミニウム、銀、金またはその他の金
属であるホイル積層体を使用する。ホイル層は、好ましくは約0.0001〜0
.001インチ(または約2.54〜25.4μm)の厚みを有し、より好まし
くは約0.0003インチ(または約7.62μm)の厚みを有する。積層体は
、典型的には1つまたはそれ以上のポリマー層を含む。ポリマーは、例えばポリ
エステル層(例えば、48ゲージ、または約12.2μmポリエステル)、ナイ
ロン、エチレンビニルアルコール、塩化ポリビニリデンなどを含む、種々のポリ
マー材料を含有しうる。
【0022】 基本パッケージ、およびうわ包装(存在する場合)は、バイアル、シリンダー
、箱などを含む種々の構造でありうる。好ましい態様では、基本パッケージは、
バッグの形態である。好適なバッグは、例えば、1枚またはそれ以上(例えば2
枚)のシートをその外周部で連続的に結合して、中心部に内容物を充填しうる密
閉された酸素不透過性の構造を形成することにより形成することができる。結合
は、任意の好適な材料を用いて行うことができる。線状低密度、低密度、中密度
または高密度のポリエチレンを材料の内層として使用する場合、シートを適切な
条件下で加熱することにより封止することができる。ポリエチレンが適切な条件
下で熱により自身を封止しうることは当該技術分野において周知である。パラメ
ータを変更してフィルムのポリオレフィン表面の適正な結合を得ることは当該技
術分野において周知であり、これらのパラメータには温度、圧力および「滞留時
間」が含まれ、ここで滞留時間とはシートが圧力および温度下に置かれる時間で
ある。典型的には、線状低密度ポリエチレンはあまり熱を必要とせず、密度の高
いポリエチレンほどより多くの熱を必要とする。例えば、1.5ミル(0.00
15in.または38.1μm)の線状低密度ポリエチレンを2枚のシートの内
側表面に有する積層体材料を300°F(149℃)、50psi(34.47
ニュートン/cm2 )に1秒間曝すと、本発明の方法に適する封止部が得られる
。また、より高密度のポリオレフィンは、典型的には、結合プロセス中の高圧に
耐える。一般に、圧力が過度である場合、加熱された材料は接触領域から押し退
けられ、弱い封止部が生じる。ポリエステル/ホイル積層体材料の場合は、例え
ばポリエステル接着剤を用いることができる。
【0023】 好ましい態様では、代用血液は実質的に無酸素環境下でパッケージングされて
いる。好適な雰囲気の例には、窒素、アルゴンおよびヘリウムが含まれる。
【0024】 本明細書に規定する代用血液は、少なくとも生体臓器および組織に酸素を輸送
して移入することができ、十分な血管内膨張圧を維持することができる、ヒト、
哺乳動物および他の脊椎動物において使用するためのヘモグロビンベースの酸素
運搬組成物である。脊椎動物は古典的に定義されている通りであり、ヒトまたは
組織に酸素を運ぶために循環系の血液を使用する他のあらゆる脊椎動物を含む。
さらに、循環系の定義は、古典的に定義されている通りであり、心臓、動脈、静
脈および毛細血管のようなより小さな脈管構造を含む微小循環(microci
rculation)からなる。
【0025】 本発明の代用血液は、好ましくは、顕著な免疫応答をもたらさず、受容者にと
って非毒性であるレベルのエンドトキシン、リン脂質、外来タンパク質および他
の夾雑物を有する。好ましくは、代用血液は超高純度である。本文中で定義する
超高純度とは、0.5EU/ml未満のエンドトキシン、3.3nmol/ml
未満のリン脂質およびほとんどまたは全く検出できないレベルの血清アルブミン
または抗体などの非ヘモグロビンタンパク質を含むことを意味する。
【0026】 「エンドトキシン」の語は、多くの条件下で毒性である、グラム陰性菌細胞壁
の外層の一部として産生される細胞結合リポ多糖類をさす。動物に注入したとき
、エンドトキシンは発熱、下痢、出血性ショック、および他の組織損傷を引き起
こしうる。エンドトキシン単位(EU)は、1983年の米国薬局方協約、30
14ページにより、米国標準品ロットEC−5の0.1ナノグラムに含まれる活
性として定義された。EC−5の1バイアルは、10,000EUを含む。代用
血液中のエンドトキシン濃度を測定するための適当な手段の例としては、Ass
ociates of Cape Cod,Woods Hole,Massa
chusettsによって開発された方法「速度論的/比濁測定リムルスアメー
バ様細胞溶解産物〔Kinetic/Turbidimetric Limuu
s Amebocytic Lystate〕(LAL)5000法」が挙げら
れる。
【0027】 本明細書で規定する安定重合ヘモグロビンは、2年以上にわたる適当な保存温
度での保存期間中、好ましくは低酸素環境で保存したとき2年以上にわたって、
分子量分布および/またはメトヘモグロビン含有量を実質的に上昇または低下さ
せない、ヘモグロビンベースの酸素運搬組成物である。1年以上にわたる保存の
ための適当な保存温度は:約0℃〜約40℃である。好ましい保存温度範囲は、
約0℃〜約25℃である。
【0028】 適当な低酸素環境、あるいは実質的に無酸素である環境とは、少なくとも約2
ヵ月間、好ましくは少なくとも約1年間、あるいはより好ましくは少なくとも約
2年間の保存期間にわたって、代用血液中約15重量%未満のメトヘモグロビン
濃度をもたらす、代用血液と接触する酸素の累積量と定義される。酸素の累積量
は、代用血液パッケージ内への酸素の侵入および代用血液とパッケージの最初の
酸素含有量を含む。
【0029】 赤血球(RBC)の採集からヘモグロビン重合まで、本方法全体を通して、血
液溶液、RBCおよびヘモグロビンは、温度を約20℃より低く、0℃を超える
温度に保持することなど、細菌増殖あるいは生物負荷量(bioburden)
を最小限に抑えるのに十分な条件下に保持する。好ましくは温度を約15℃以下
に保持する。より好ましくは、温度を10±2℃に保持する。
【0030】 本方法においては、安定重合ヘモグロビン代用血液を調製する工程のための成
分の一部は、無菌産物を製造するに十分に衛生的にする。無菌は、当該分野にお
いて定義されている通りであり、具体的には、溶液がUSP XXII、第71
章、1483−1488頁に規定されている無菌性についての米国薬局方の要件
に合致することである。さらに、工程の流れにさらされる成分の部分は、通常、
工程の流れと反応しないまたは工程の流れを汚染しない物質で製造されるかまた
はおおわれる。かかる物質としては、ステンレス鋼およびインコネルなどの他の
鋼合金が挙げられうる。
【0031】 適当なRBC供給源は、ヒト血液、ウシ血液、ヒツジ血液、ブタ血液、他の脊
椎動物由来の血液、BIO/TECHNOLOGY,12:55−59(199
4)に述べられているトランスジェニックHbなどの遺伝子導入によって産生さ
れるヘモグロビンなどが挙げられる。
【0032】 血液は、生存ドナーまたは屠殺したばかりのドナーから採集することができる
。ウシ全血を採集するための1つの方法が、Rauschらに付与された米国特
許第5,084,558号明細書および同第5,296,465号明細書に述べ
られている。血液は衛生的に採集することが好ましい。
【0033】 採集時または採集直後に、血液の顕著な凝固を防ぐために血液を少なくとも1
種の抗凝固薬と混合する。血液のための適当な抗凝固薬は当該技術において古典
的に知られている通りであり、例えば、クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン
四酢酸、ヘパリンなどが挙げられる。血液と混合する場合、抗凝固薬は、粉末な
どの固形形態または水溶液でありうる。
【0034】 血液溶液供給源は、採集されたばかりのサンプル由来または血液銀行の使用期
間終了後のヒト血液のような古いサンプル由来でありうることが理解される。さ
らに、血液溶液は、それまで凍結状態および/または液体状態で保持されていた
ものであってもよい。血液溶液は、本方法において使用する前に凍結されていな
いことが好ましい。
【0035】 他の態様では、血液溶液に抗凝固薬を導入する前に、ペニシリンなどの血液溶
液中の抗生物質のレベルを測定する。血液サンプルのドナーが抗生物質で治療さ
れていなかったことを確認することにより、抗生物質レベルを測定して、血液サ
ンプルが感染性生物を含まないというある程度の保証を与える。抗生物質に関す
る適当なアッセイとしては、例えば、「乳中のペニシリンの迅速検出」と題する
方法を用いるペニシリンアッセイキット(Difco,Detroit,MI)
が挙げられる。血液溶液は、約0.008単位/mlに等しいかまたはそれ以下
のペニシリンレベルを含むことが好ましい。一方、ウシにおいて疾患がないこと
あるいは抗生物質治療が行われていないことをモニターするための牛群管理プロ
グラムを使用してもよい。
【0036】 好ましくは、大きな凝集物や粒子を取り除くために、抗凝固ステップの前また
はその間に、例えば、濾過器を通すことによって血液溶液を濾す。600メッシ
ュスクリーンは適当なストレーナーの例である。
【0037】 次に血液溶液中のRBCを透析濾過(ダイアフィルトレーション)または等張
液などの少なくとも1種の溶液による個別の希釈と濃縮段階の組合せなどの適当
な手段によって洗浄し、血清アルブミンまたは抗体(例えば免疫グロブリン(I
gG))などの細胞外血漿タンパク質からRBCを分離する。RBCをバッチで
または連続的供給モードで洗浄できることが理解される。
【0038】 許容されうる等張液は、当該分野において知られている通りであり、RBCの
細胞膜を破壊せず、かつ全血の血漿部分を置換するpHと浸透圧モル濃度を有す
る、クエン酸塩/生理食塩水などの溶液が挙げられる。好ましい等張液は、中性
pHと約285−315mOsmの浸透圧モル濃度とを有する。好ましい態様で
は、等張液はクエン酸ナトリウム二水和物(6.0g/l)と塩化ナトリウム(
8.0g/l)との水溶液で構成される。
【0039】 本発明の方法において使用されうる水は、蒸留水、脱イオン水、注射用蒸留水
(WFI)および/または低発熱原性水(LPW)などが挙げられる。好ましい
WFIは、注射用蒸留水に関する米国薬局方規格(U.S.Pharmacol
ogical Specifications)に適合する脱イオン化された蒸
留水である。WFIはさらにPharmaceutical Engineer
ing,11,15−23(1991)の中に記述されている。好ましいLPW
は、0.002EU/ml未満を含む脱イオン水である。
【0040】 等張液は、血液溶液に加える前に濾過することが好ましい。適当なフィルター
としては、例えば、Millipore Cat #CDUF 050 G1フ
ィルターなどのMillipore 10,000ダルトン限外濾過膜あるいは
A/G Technology中空糸、10,000ダルトン(Cat #UF
P−10−C−85)などが挙げられる。
【0041】 好ましい態様では、血液溶液中のRBCを透析濾過によって洗浄する。適当な
ダイアフィルターとしては、0.1μm〜0.5μmのフィルター(例えば0.
2μm中空糸フィルター、Microgon Krosflo II−マイクロ
フィルトレーションカートリッジ)などの実質的により小さな血液溶液成分から
RBCを分離する孔サイズの微小孔膜などが挙げられる。同時に、ダイアフィル
ターを通して失われる濾液の割合(または容量)に等しい割合で相殺として濾過
した等張液を継続的に(またはバッチで)加える。RBC洗浄の際に、直径がR
BCよりも有意に小さい直径であるか、あるいは血漿のように液体である血液溶
液の成分はダイアフィルターの壁を通過して濾液中に入る。RBC、血小板およ
び白血球などの希釈血液溶液のより大きな物質が保持され、これらを等張液と混
合して、継続的にまたはバッチごとに加えて透析された血液溶液を形成する。
【0042】 より好ましい態様では、一定容量の濾過した等張液を透析濾過タンクに加えて
、透析濾過タンク中の血液溶液の容量を最初に希釈する。好ましくは、加える等
張液の容量は血液溶液の最初の容量にほぼ等しい。
【0043】 別の態様では、一連の連続的(または逆連続的)希釈と濃縮ステップを通して
RBCを洗浄し、ここで、少なくとも1種の等張液を添加することにより血液溶
液を希釈し、フィルターを通して濃縮し、それにより、透析された血液溶液を形
成する。
【0044】 RBCが混ざった血漿タンパク質のレベルが実質的に低下したとき(典型的に
は少なくとも約90%)、RBC洗浄を終了する。典型的には、ダイアフィルタ
ー34から排出される濾液の容量が、血液溶液を濾過等張液で希釈する前に透析
濾過タンク中に入っていた血液溶液の容量の約300%以上になったとき、RB
C洗浄を終了する。追加的RBC洗浄によってRBCから細胞外血漿タンパク質
をさらに分離してもよい。例えば、6容量の等張液による透析濾過は少なくとも
約99%のIgGを血液溶液から除去することができる。
【0045】 次に透析した血液溶液を、遠心分離などによる、透析血液溶液中のRBCを白
血球および血小板から分離するための手段に供する。
【0046】 RBCを他の血液成分から分離するために、当該技術分野において一般的に知
られる他の方法が使用できることが理解される。例えば沈殿が使用でき、かかる
分離方法は、他の血液成分からRBCを分離する前に、RBCの有意の量の細胞
膜を破壊しない、例えば約RBCの約30%未満しか破壊しない。
【0047】 RBCの分離後、RBCを溶解するための手段によってRBCを溶解し、RB
Cからヘモグロビンを放出させてヘモグロビン含有溶液を形成する。溶解手段は
、機械的溶解、化学的溶解、低張性溶解、あるいは酸素を運搬して放出するHb
の能力を有意に損傷することなくヘモグロビンを放出させる他の既知の溶解方法
のように、種々の溶解方法が使用できる。
【0048】 さらに他の態様では、Nature,356:258−260(1992)に
述べられている組換えによって生成されたヘモグロビンのような、組換えによっ
て生成されるヘモグロビンをRBCの代わりに本発明の方法において処理するこ
とができる。ヘモグロビンを含む細菌細胞を上記に述べられているように洗浄し
て、夾雑物から分離することができる。次にこれらの細菌細胞をボールミルのよ
うな当該技術分野において既知の手段によって機械的に破壊し、細胞からヘモグ
ロビンを放出させて溶解細胞相を形成する。その後この溶解細胞相を溶解RBC
相と同様に処理する。
【0049】 溶解後、溶解RBC相を限外濾過して、分子量約100,000ダルトンを超
えるタンパク質のようなより大きな細胞デブリを除去する。一般に細胞デブリは
、Hb、より小さな細胞タンパク質、電解質、補酵素および有機代謝中間体を除
く、すべての完全なおよび断片化された細胞成分を含む。許容される限外濾過器
としては、例えばMillipore(Cat #CDUF 050 H1)お
よびA/G Technology(Needham,MA.;Model N
o.UFP100E55)によって製造されている100,000ダルトンのフ
ィルターなどが挙げられる。
【0050】 溶解RBC相中のHbの濃度が8グラム/リットル(g/l)未満になるまで
限外濾過を継続し、重合に使用できるヘモグロビンの収率を最大にすることが好
ましい。溶解RBC相からHbを分離するためには、沈殿、遠心分離あるいはマ
イクロフィルトレーションを含めた他の方法が使用できる。
【0051】 次にHb限外濾液を限外濾過して、電解質、補酵素、代謝中間体および分子量
約30,000ダルトン未満のタンパク質のようなより小さな細胞デブリとHb
限外濾液からの水を除去することができる。好適な限外濾過器には、30,00
0ダルトンの限外濾過器(Millipore Cat #CDUF 050
T1および/またはArmicon,#540 430)が含まれる。
【0052】 次いで、濃縮Hb溶液を、1以上の平行(parallel)クロマトグラフ
ィーカラムに負荷し、高速液体クロマトグラフィーによって、抗体、エンドトキ
シン、リン脂質および酵素などのその他の夾雑物ならびにウイルスから、ヘモグ
ロビンをさらに分離する。適切な媒体の例としては、陰イオン交換媒体、陽イオ
ン交換媒体、疎水性相互作用媒体およびアフィニティー媒体が挙げられる。好ま
しい態様では、クロマトグラフィーカラムは、非ヘモグロビンタンパク質からH
bを分離するのに適した陰イオン交換媒体を含む。適当な陰イオン交換媒体とし
ては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニアゲル、架橋デキストラン、アガロー
ス、あるいはジエチルアミノエチルまたは第四アミノエチル基のような陽イオン
性化学官能基によって誘導体化された、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエ
チルメタクリレートまたはスチレンジビニルベンゼンのような誘導体化された部
分(moiety)が挙げられる。溶解RBC相に生じやすい他のタンパク質お
よび夾雑物に比してHbの選択的吸着と脱着のために適当な陰イオン交換媒体お
よび対応する溶出物は、通常の当業者によって容易に決定できる。
【0053】 より好ましい態様では、熱水処理して孔サイズを増大させ、γ−グリシドキシ
プロピルシランに曝露して活性エポキシド基を形成し、ついでC3 7 (CH3 2 NClに曝露させて第四アンモニウム陰イオン交換媒体を形成する、シリカ
ゲルから陰イオン交換媒体を形成するために方法を使用する。この方法は、Jo
urnal of Chromatography,120:321〜333(
1976)に記載されている。
【0054】 クロマトグラフィーカラムは、Hb結合を促進する第一の溶出液を流すことに
より最初に前処理される。次いで、濃縮Hb溶液がカラムの媒体にインジェクト
される。濃縮Hb溶液をインジェクトした後、クロマトグラフィーカラムは、種
々の溶出液で連続的に洗浄され、分離した精製Hb溶出物が作製される。
【0055】 好ましい態様では、酵素カルボニックアンヒドラーゼ、リン脂質、抗体および
エンドトキシンのようなタンパク質夾雑物をHbから分離するために、クロマト
グラフィーカラムにおいてpHグラジエントが使用される。異なるpH値を有す
る一連の緩衝液を逐次的にカラムにインジェクトして、クロマトグラフィーカラ
ムの媒体内にpHグラジエントをつくる。緩衝液を適当な10,000ダルトン
の脱発熱原性化(depyrogenation)膜などで濾過することが好ま
しい。Hbおよび非ヘモグロビン夾雑物の溶出が一般にpHに依存し、イオン強
度には有意に依存しないように、Hbを分離するために使用される緩衝液は低い
イオン強度を有さねばならない。一般的には、約50mM以下のイオン濃度の緩
衝液は、適切な低イオン強度を有する。
【0056】 第1の緩衝液は、濃縮されたHb溶液をクロマトグラフィーカラムの媒体に運
搬し、媒体へのHbの結合を促進する。次いで、第2の緩衝液は、媒体に結合し
たHbを維持しながら夾雑する非ヘモグロビン成分を溶出するために、カラム内
のpHを調整する。次いで、第3の緩衝液は、Hbを溶出する。次いで、Hb溶
出物を回収する。Hb溶出物を滅菌フィルターに通すことが好ましい。適当な滅
菌フィルターとしては、Sartorius Sartbran Cat #5
232507 G1PHフィルターなどの0.22μmフィルターが挙げられる
【0057】 好ましい態様では、Hb溶出物の純度を保証するためにHb溶出物の最初の3
%〜4%およびHb溶出物の最後の3%〜4%を廃棄する。
【0058】 クロマトグラフィーカラムを再使用する場合には、カラムに残存する夾雑非ヘ
モグロビンタンパク質とエンドトキシンとを第四の緩衝液によって溶出する。
【0059】 非ヘモグロビン夾雑物からHbを分離するためのpHグラジエントの使用は、
1995年6月7日に提出された米国特許第5,691,452号にさらに記載
されている。好ましい態様では、第1の緩衝液は、トリス−ヒドロキシメチルア
ミノメタン(トリス)溶液(濃度約20mM;pH約8.4〜約9.4)である
。第2の緩衝液は、第1の緩衝液と第3の緩衝液の混合物であり、第2の緩衝液
は約8.2〜約8.6のpHを有する。第3の緩衝液は、トリス溶液(濃度約5
0mM;pH約6.5〜約7.5)である。第4の緩衝液は、NaCl/トリス
溶液(約1.0M NaClと約20mMトリスの濃度;約8.4〜約9.4、
好ましくは約8.9〜9.1のpH)である。第2の緩衝液のpHは、約8.2
〜約8.4であることが特に好ましい。
【0060】 一般的には、使用する緩衝液は、約0℃〜約50℃の範囲の温度である。好ま
しくは、緩衝液の温度は、使用中約12.4±1.0℃である。さらに、緩衝液
は、一般的には約9℃〜約11℃の範囲の温度で保存する。
【0061】 次に、好ましくはHb溶出物を、変性あるいは酸化ヘモグロビン(metHb
)の形成から生じるであろうような、Hb溶出物中のHbが酸素を運搬し、放出
する能力を有意に低下させることなくHbを実質的に脱酸素化する手段によって
、重合の前に脱酸素化して脱酸素化されたHb溶液(以下、deoxy−Hbと
いう)を形成することが好ましい。
【0062】 1つの態様では、相の膜を越えて不活性ガスを移動させることによってHb溶
出物を脱酸素化する。そのような不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン
およびヘリウムが挙げられる。当該技術において既知の、ヘモグロビンの溶液を
脱酸素化するための他の手段を使用してHb溶出物を脱酸素化できることがわか
っている。そのような他の手段は、例えばHb溶出物の窒素スパージング、N−
アセチル−L−システイン(NAC)、システイン、亜ジチオン酸ナトリウムま
たはアスコルビン酸ナトリウムのような還元剤による化学的除去、あるいは光に
よる光分解を含みうる。
【0063】 クロマトグラフィーカラムからの溶出後、好ましくはHb溶出物を濃縮して工
程の効率を高める。Hb溶出物を限外濾過器を通して再循環させてHb溶出物を
濃縮し、濃縮Hb溶液を形成する。好適な限外濾過器には、例えば30,000
ダルトンまたはそれより小さい限外濾過器(例えばMillipore Hel
icon,Cat #CDUF050G1またはAmicon Cat #54
0430)が含まれる。典型的には、Hbの濃度が約100〜約120g/lに
なったとき、Hb溶出物の濃縮を終了する。Hb溶出物を濃縮する間、好ましく
はHb溶出物の温度を約8〜12℃に保持する。
【0064】 次に、好ましくは濃縮されたHb溶液に緩衝液を加えてHb溶液のイオン強度
を調整し、Hbの脱酸素化を強化する。イオン強度を約150meq/l〜約2
00meq/lに調整して、Hb溶液中のHbの酸素親和性を低下させることが
好ましい。適当な緩衝液は、Hbタンパク質の有意な変性を生じないが、Hbの
脱酸素化を促進するうえで十分に高いイオン強度を有するpHの緩衝液を含む。
適当な緩衝液としては、例えば、約6.5〜約8.9のpH範囲を有する生理食
塩水が挙げられる。好ましい緩衝液は、pH約8.9の1.0M NaCl、2
0mMトリス水溶液である。
【0065】 好ましくは、得られた緩衝Hb溶液を次いで限外濾過器を通して再循環させ、
再びHb溶液を濃縮して工程の効率を高める。好ましい態様では、Hbの濃度が
約100g/l〜約120g/lになったとき、濃縮を終了する。
【0066】 脱酸素化の間、適当な相間移動膜を通してHb溶液を循環させる。適切な相間
移動膜には、例えば0.05μmポリプロピレン中空ファイバーマイクロフィル
ター(例えばHoechst−Celanese Cat # 5PCM−10
7)が含まれる。同時に、相間移動膜を越えて不活性ガスの向流を通過させる。
適当な不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられ
る。相間移動膜を越えたガス交換によりHb溶液から酸素を取り除く。
【0067】 Hb溶液中の酸化Hb(オキシヘモグロビンまたはHbO2 )含有量が約20
%またはそれより小さいレベルにHb溶液のpO2 が低下するまで、脱酸素化を
続ける。好ましい態様では、Hb溶液中のHbO2 含有量は約10%またはそれ
より小さい。
【0068】 脱酸素化の間、Hb溶液の温度を、典型的にはメトヘモグロビン形成の速度に
対して脱酸素化の速度を釣り合わせるレベルに保持する。メトヘモグロビン含有
量を20%未満に制限するように温度を保持する。さらにHb溶液の脱酸素化し
ながら、至適温度によって約5%未満のメトヘモグロビン含有量、好ましくは約
2.5%未満のメトヘモグロビン含有量を生じさせる。典型的には、脱酸素化の
間、Hb溶液の温度を約19℃〜約31℃に保持する。
【0069】 脱酸素化の間、そしてその後本発明の方法の残りの段階を通して、Hbを低酸
素環境に保持してHbによる酸素吸収を最小限に抑え、約20%未満、好ましく
は約10%未満のHbO2 含有量を保持する。
【0070】 次に脱酸素化されたHbを、好ましくは、スルフヒドリル化合物を含む低酸素
含有量保存緩衝液で平衡させ、酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを形成
する。適当なスルフヒドリル化合物には、N−アセチル−L−システイン(NA
C)、D,L−システイン、γ−グルタミル−システイン、グルタチオン、2,
3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,4−ブタンジチオール、チオグリコ
レート、および他の生体適合性スルフヒドリル化合物のような非毒性還元剤が含
まれる。低酸素含有量保存緩衝液の酸素含有量は、緩衝液中のスルフヒドリル化
合物の濃度を有意に低下させず、酸化に対して安定化したdeoxy−Hb中の
オキシヘモグロビン含有量を約20%またはそれより低い、好ましくは約10%
未満に制限するのに十分な低さでなければならない。典型的には、保存緩衝液は
約50トル未満のpO2 を有する。
【0071】 好ましい態様では、保存緩衝液は、Hb重合とメトヘモグロビン形成を相殺す
るために適当なpH、典型的には約7.6〜約7.9のpHを有していなければ
ならない。
【0072】 deoxy−Hbと混合するスルフヒドリル化合物の量は、重合の際にHbの
分子内架橋を高めるのに十分多く、且つ高いイオン強度によってHb分子の分子
間架橋を有意に低下させることがない十分少ない量である。典型的には、約0.
25モル〜約5モルのdeoxy−Hbを酸化に対して安定化するために約1モ
ルのスルフヒドリル官能基(−SH)が必要である。
【0073】 好ましい態様では、保存緩衝液は約25〜35mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.7〜7.8)を含み、さらに酸化に対して安定化したdeoxy−H
b中のNAC濃度が約0.003重量%〜約0.3重量%であるような量のNA
Cを含む。より好ましくは、酸化に対して安定化したdeoxy−Hb中のNA
C濃度は約0.05重量%〜約0.2重量%である。
【0074】 好ましくは、deoxy−Hbと混合する前に、10,000ダルトンの限外
濾過膜(Millipore Helicon Cat #CDUF050G1
またはA/G Technology Maxcell Cat #UFP−1
0−C−75)などを通して、保存緩衝液を濾過する。
【0075】 1つの態様では、酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを次いで任意のフ
ィルターに通過させる。適当なフィルターには、0.2μmポリプロピレンプレ
フィルターおよび0.5μm滅菌マイクロフィルター(Pall Profil
e II,Cat #ABIY005Z7またはGelman Supor)が
含まれる。deoxy−Hbを実質的に酸素不含の大気下に保持する。これは、
例えば工程の装置を酸化に対して安定化したdeoxy−Hbの充填前および充
填後に窒素のような不活性ガスで清掃し、おおうことによって実現できる。
【0076】 任意に、酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを重合に移す前に、適切な
量の水を重合反応器に加える。1つの態様では、水の適切な量は、酸化に対して
安定化したdeoxy−Hbを重合反応器に加えるとき約10〜約100g/l Hbの濃度の溶液を生じる量である。好ましくは水は酸素除去されている。
【0077】 重合工程で水のpO2 を、HbO2 含有量を約20%に制限するのに十分なレ
ベル、典型的には約50トル未満に低下したあと、重合反応器を窒素のような不
活性ガスでおおう。その後、酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを重合反
応器に移し、同時にそれを適切な流量の不活性ガスでおおう。
【0078】 重合反応器中の酸化に対して安定化したdeoxy−Hb溶液の温度を、架橋
剤と接触したとき酸化に対して安定化したdeoxy−Hbの重合を至適にする
温度まで上昇させる。典型的には、酸化に対して安定化したdeoxy−Hbの
温度は重合の間を通じて約25℃〜約45℃、好ましくは約41℃〜約43℃で
ある。重合反応器を加熱するための許容される熱伝達手段の例は、ジャケットを
通して高温のエチレングリコールを適用することによって加熱する、ジャケット
式加熱系である。
【0079】 次に酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを、約2時間〜約6時間にわた
って酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを重合させるのに十分な温度で適
当な架橋剤に曝し、重合ヘモグロビン(ポリ(Hb))の溶液を形成する。
【0080】 好適な架橋剤としては、例えば、特に、グルタルアルデヒド、スクシンジアル
デヒド、活性形態のポリオキシエチレンおよびデキストランのようなHbタンパ
ク質を架橋結合する多官能性薬剤、グリコールアルデヒドのようなα−ヒドロキ
シアルデヒド、N−マレイミド−6−アミノカプロイル−(2’ −ニトロ,4
’ −スルホン酸)−フェニルエステル、m−マレイミド安息香酸−N−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)
シクロヘキサン−1−カルボキシレート、スルホスクシンイミジル 4−(N−
マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、m−マレイミドベ
ンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、m−マレイミドベンゾイル
−N−ヒドロキシスルホスクシニミドエステル、N−スクシンイミジル(4−ヨ
ードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル(4−ヨードアセ
チル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル 4−(p−マレイミドフェニ
ル)ブチレート、スルホスクシンイミジル 4−(p−マレイミドフェニル)
ブチレート、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
ヒドロクロリド、N,N’ −フェニレンジマレイミド、ならびにビス−イミデ
ート類、アシルジアジド類またはアリール二ハロゲン化物類に属する化合物など
が挙げられる。
【0081】 架橋剤の好適な量は、分子内架橋がHbを安定化し、また分子間架橋がHbの
ポリマーを形成して、それによって血管内貯留を高めることができる量である。
典型的には、架橋剤の好適な量は、架橋剤対Hbのモル比が約2:1を超える量
である。好ましくは架橋剤対Hbのモル比は約20:1〜40:1である。
【0082】 好ましくは、重合は、約35ミリモル未満またはそれと等しい塩化物濃度を有
し、pHが約7.6〜約7.9である緩衝液中で実施する。
【0083】 好ましい態様では、適当な量の架橋剤を酸化に対して安定化したdeoxy−
Hbに加え、それを次いで低い剪断で混合するための手段によって混合する。好
適な低剪断混合手段にはスタティックミキサーが含まれる。好適なスタティック
ミキサーは、例えばChemineer,Inc.から入手される「Kenic
s」スタティックミキサーである。
【0084】 1つの態様では、スタティックミキサーを通して酸化に対して安定化したde
oxy−Hbと架橋剤を再循環させると、架橋剤と酸化に対して安定化したde
oxy−Hbの概して均一な混合を伴う乱流状態を生じ、それにより高濃度の架
橋剤を含むdeoxy−Hbのポケットを形成する潜在的可能性を低下させる。
架橋剤とdeoxy−Hbの概して均一な混合は、高分子量のHbポリマー、す
なわち500,000ダルトンより大きい重量のポリマーの形成を低減し、同時
に重合の際に架橋剤とdeoxy−Hbのより速やかな混合を可能にする。さら
に、スルフヒドリル化合物、好ましくはNACの存在により、Hb重合の間に有
意のHb分子内架橋が生じる。スルフヒドリル化合物とグルタルアルデヒドおよ
び/またはHbの相互作用の正確な機序は不明であるが、スルフヒドリル化合物
は、高分子量Hbポリマーの形成を少なくとも部分的に阻害し、安定化された四
量体Hbを選択的に形成するようにHb/架橋剤の化学結合に影響を及ぼすと考
えられる。
【0085】 ポリ(Hb)は、ポリ(Hb)においてHb分子の実質的な部分(例えば少な
くとも約50%)が化学結合しており、約15%未満のような小量だけが高分子
量の重合ヘモグロビン鎖内に含まれる場合、有意の分子内架橋を有すると定義さ
れる。高分子量のポリ(Hb)分子は、例えば約500,000ダルトンを超え
る分子量を有する分子である。
【0086】 好ましい態様では、グルタルアルデヒドを架橋剤として使用する。典型的には
、酸化に対して安定化したdeoxy−Hb1キログラムにつき約10〜約70
グラムのグルタルアルデヒドを使用する。より好ましくは、酸化に対して安定化
したdeoxy−Hb1キログラムにつき約29〜31グラムのグルタルアルデ
ヒドが添加されるまで、5時間かけてグルタルアルデヒドを加える。
【0087】 重合後、重合反応器中のポリ(Hb)溶液の温度を典型的には約15℃〜約2
5℃に低下させる。
【0088】 使用する架橋剤がアルデヒドでない場合には、形成されるポリ(Hb)は一般
に安定なポリ(Hb)である。使用する架橋剤がアルデヒドである場合には、形
成されるポリ(Hb)は、適当な還元剤と混合してポリ(Hb)中のあまり安定
でない結合を低減し、より安定な結合を形成するまでは一般に安定でない。適当
な還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナト
リウム(sodium cyanoborohydride)、亜ジチオン酸ナ
トリウム、トリメチルアミン、t−ブチルアミン、モルホリンボラン、ピリジン
ボランなどが挙げられる。還元剤を加える前に、任意にポリ(Hb)溶液の濃度
が約75〜約85g/lに上昇するまで、限外濾過によってポリ(Hb)溶液を
濃縮する。好適な限外濾過器の例は、30,000ダルトンフィルター(例えば
Millipore Helicon,Cat #CDUF050LTおよびA
micon,Cat #540430)である。
【0089】 次に、還元剤を保存するため、およびその後の還元の際にHbを変性させるこ
とがある水素ガスの発生を防ぐために、ポリ(Hb)溶液のpHをアルカリpH
の範囲に調整する。1つの態様では、pHを10より大きく調整する。重合の間
または重合後にポリ(Hb)溶液に緩衝液を加えることによってpHを調整する
ことができる。ポリ(Hb)内は、典型的には精製して非重合ヘモグロビンを除
去する。これは、透析濾過(dialfiltration)またはヒドロキシ
アパタイトクロマトグラフィーによって実施できる(例えば、米国特許第5,6
91,453号参照)。
【0090】 pHの調整後、典型的には脱酸素化ループを通して少なくとも1つの還元剤、
好ましくは水素化ホウ素ナトリウム溶液を重合工程に加える。典型的には、ポリ
(Hb)のHb四量体1モルにつき(64,000ダルトンのHbにつき)約5
〜約18モルの還元剤を加える。好ましい態様では、重合サブシステム98にお
いてポリ(Hb)溶液9リットルごとに0.25M水素化ホウ素ナトリウム溶液
1リットルを0.1〜0.12lpmの速度で加える。
【0091】 その後、安定なポリ(Hb)を適当なpHと生理的電解質レベルを有する透析
濾過液で透析濾過することにより、安定なポリ(Hb)のpHと電解質を生理的
レベルに回復させて、安定な重合ヘモグロビン代用血液を形成することができる
。好ましくは、透析濾過液は緩衝液である。
【0092】 ポリ(Hb)を還元剤で還元した場合、透析濾過液は酸性pH、好ましくは約
4〜約6のpHを有する。
【0093】 また、最終的な重合ヘモグロビン代用血液の安定性を高めるための酸素捕捉剤
として非毒性スルフヒドリル化合物を安定なポリ(Hb)溶液に加えることがで
きる。スルフヒドリル化合物は、透析濾過液の一部としておよび/または別途に
加えることができる。保存期間中、酸素を捕捉してメトヘモグロビン含有量を約
15%未満に保持するスルフヒドリル濃度を確立する量のスルフヒドリル化合物
を加える。好ましくは、スルフヒドリル化合物はNACである。典型的には、加
えるスルフヒドリル化合物の量は、約0.05重量%〜約0.2重量%のスルフ
ヒドリル濃度を確立するのに十分な量である。
【0094】 好ましい態様では、重合反応器および残りの輸送装置において不活性な実質的
に酸素不含の大気で圧を保持しながら、無菌取扱い条件下で代用血液を包装する
【0095】 本発明の方法によって形成される適当な安定な重合ヘモグロビン代用血液に関
する規格を表Iに提供する。
【0096】
【表1】
【0097】 その後安定な代用血液を、上記で詳述したような低酸素環境を有する、短期保
存容器または滅菌保存容器中で保存する。保存容器はまた、保存期間中の蒸発に
よる代用血液の有意の濃縮を防ぐために、水蒸気通過に対して十分に不透過性で
なければならない。代用血液の有意の濃縮とは、代用血液の1またはそれ以上の
パラメータが規格から逸脱して高くなる濃縮である。
【0098】 本発明の方法に従って形成される安定な重合ヘモグロビン代用血液の合成は、
さらに米国特許第5,296,465号明細書に述べられている。
【0099】 本発明の方法によって形成される代用血液を受容することができる脊椎動物と
しては、ヒト、ヒト以外の霊長類、イヌ、ネコ、ラット、ウマまたはヒツジなど
の哺乳動物が挙げられる。さらに、当該代用血液を受容することができる脊椎動
物としては、胎児(出生前脊椎動物)、出生後脊椎動物、出生時の脊椎動物など
が挙げられる。
【0100】 本発明の代用血液は、1以上の注入法により、代用血液を直接および/または
間接的に脊椎動物の循環系に注入することによって循環系に投与することができ
る。直接注入法としては、例えば、静脈内および動脈内注射のような血管内注射
、ならびに心臓内注射などが挙げられる。間接注入法としては、例えば、腹腔内
注射、代用血液がリンパ系によって循環系に輸送される皮下注射、トロカールま
たはカテーテルによる骨髄への注射などが挙げられる。好ましくは、代用血液を
静脈内投与する。
【0101】 治療する脊椎動物は、代用血液の注入の前、注入中、および/または注入後に
正常血液量、血液量過多あるいは血液量減少でありうる。代用血液は、トップロ
ーディングのような方法および交換法によって循環系に投与することができる。
【0102】 代用血液は、循環系の一部または全体を通じてのRBC流の低下、貧血および
ショックを含めた多くの異なる原因から生じる脊椎動物内の酸素欠乏組織を処置
するために治療的に投与することができる。さらに代用血液は、脊椎動物の組織
への、あるいは脊椎動物の循環系全体でのRBC流の起こりうるまたは予想され
る低下から生じうる、脊椎動物内の組織の酸素枯渇を防ぐために予防的に投与す
ることができる。さらに、1995年3月23日に提出された同時係属の米国特
許出願番号第08/409,337号、現在は米国特許第5,854,209号
に、特に部分的動脈閉塞由来または微小循環における部分的遮断由来の低酸素症
を処置するために治療的または予防的にヘモグロビンを投与すること、ならびに
その場合に使用する用量を記述している。
【0103】 典型的には、代用血液の好適な用量または用量の組合せは、血漿中に入ったと
き、脊椎動物の血液中で約0.1〜約10グラムHb/dl、あるいは大量の血
液喪失を補うために必要であればそれ以上の総ヘモグロビン濃度を生じる量であ
る。
【0104】 下記の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0105】 実施例1 安定な重合Hb代用血液の合成 米国特許第5,296,465号明細書に述べられているように、ウシ全血の
サンプルを採集し、クエン酸ナトリウム抗凝固薬と混合して血液溶液を形成した
【0106】 各々の血液溶液サンプルは採集後約2℃の温度に保持し、次いで、600メッ
シュスクリーンで漉して大きな凝集物と粒子を除去した。
【0107】 プールする前に、血液溶液中のペニシリンレベルが<0.008単位/mlで
あることを確認するため、「乳中のペニシリンの迅速検出(”Rapid De
tection of Penicillin in Milk”)」と題する
方法を用いる、ミシガン州デトロイトのDifco社から購入したアッセイキッ
トで各血液溶液サンプル中のペニシリンレベルを測定した。
【0108】 その後血液溶液サンプルをプールし、脱発熱原性化した(depyrogen
ated)クエン酸ナトリウム水溶液と混合して、ウシ全血中0.2重量%クエ
ン酸ナトリウム溶液(以下「0.2%クエン酸ナトリウム血液溶液」)を形成し
た。
【0109】 次に0.2%クエン酸ナトリウム血液溶液を連続的に800μmと50μmの
ポリプロピレンフィルターに通して、直径約50μmまたはそれより大きい大き
な血液溶液デブリを除去した。
【0110】 次いでRBCを洗浄して、BSAあるいはIgGのような細胞外血漿タンパク
質をRBCから分離した。血液溶液に含まれるRBCを洗浄するために、最初に
透析濾過タンク中の血液溶液の容量を、等容量の濾過等張液を透析濾過タンクに
加えることによって希釈した。等張液をMillipore(Cat #CDU
F 050 G1)10,000ダルトン限外濾過膜で濾過した。等張液は、注
射用蒸留水(WFI)中6.0g/lのクエン酸ナトリウム二水和物および8.
0g/l塩化ナトリウムを含有した。
【0111】 その後、希釈した血液溶液を、0.2μm中空ファイバー(Microgon
Krosflo IIマイクロフィルトレーションカートリッジ)ダイアフィ
ルターを通して透析濾過することにより、もとの容量まで濃縮した。同時に、0
.2μmダイアフィルターによる濾液損失の割合に等しい割合で、相殺として濾
過等張液を継続的に加えた。透析濾過の間に、直径がRBCより有意に小さかっ
た、または血漿のような液体である希釈血液溶液の成分は、濾液と共に0.2μ
mダイアフィルターの壁を通過した。RBC、血小板、および白血球のような希
釈血液溶液のより大きな物質は、継続的に添加する等張液と共に保持され、透析
された血液溶液を形成した。
【0112】 RBC洗浄の間、希釈血液溶液を約10〜25℃の温度に保持し、ダイアフィ
ルターの入口での流体圧を約25psi〜約30psiにして工程の効率を高め
た。
【0113】 ダイアフィルターから排出される濾液の容量が濾過等張液で希釈する前の血液
溶液の容量の約600%に等しくなったとき、RBC洗浄を終了した。
【0114】 次に透析した血液溶液を、#28リングダムを取り付けたSharples
Super Centrifuge、Model#AS−16型に約4lpmの
速度で継続的にポンプで送り込んだ。同時に透析血液溶液を供給しながら遠心分
離操作を実施し、白血球および血小板からRBCを分離した。操作中、RBCを
重いRBC相に分離し、同時に白血球(WBC)と血小板の大部分を軽いWBC
相に分離するのに十分な速度、具体的には約15,000rpmで遠心分離機を
回転させた。操作の間、RBC相とWBC相の分画を別々に且つ継続的に遠心分
離機から排出した。
【0115】 RBCの分離後、RBCを溶解してヘモグロビン含有溶液を形成した。RBC
を遠心分離機から排出しながら、RBCの実質的な部分を機械的に溶解した。R
BCの細胞膜を、遠心分離機からのRBC相の流出に対し角度を為してRBC相
排出ラインの壁に衝突させて破壊し、それによりRBCからのヘモグロビン(H
b)をRBC相に放出した。
【0116】 次に溶解したRBC相をRBC相排出ラインを通してスタティックミキサー(
6エレメントのKenics 1/2インチ、Chemineer,Inc.)
に流入した。RBC相のスタティックミキサーへの移動と同時に、等量のWFI
もスタティックミキサーに注入して、WFIをRBC相と混合した。RBC相と
WFIのスタティックミキサーへの流速は、それぞれ約0.25lpmである。
【0117】 スタティックミキサーにおいてRBC相とWFIを混合すると、溶解RBCコ
ロイドが生じた。次いで、溶解RBCコロイドをスタティックミキサーから、H
bを非ヘモグロビンRBC成分から分離するのに適したSharples Su
per Centrifuge(Model#AS−16型、Sharples
Division of Alfa−Laval Separation,I
nc.)に移した。溶解RBCコロイドを軽いHb相と重相に分離するのに十分
な速度で遠心分離機を回転させた。軽相はHbを含み、またHbの密度にほぼ等
しいかまたはそれより小さい密度を有する非ヘモグロビン成分も含んだ。
【0118】 0.45μm Millipore Pellicon Cassette,
Cat #HVLP 000 C5マイクロフィルターを通して、Hb相を遠心
分離機からHb精製に備えて保持タンクに連続的に排出した。次いで、細胞支質
を保持物質とともにマイクロフィルターから保持タンクに戻した。マイクロフィ
ルトレーションの間、保持タンク内の温度を10℃またはそれ以下に保持した。
効率を高めるため、マイクロフィルター入口の流体圧が約10psiの初期圧か
ら約25psiに上昇したとき、マイクロフィルトレーションを終了した。その
後Hbマイクロフィルトレートをマイクロフィルターからマイクロフィルトレー
トタンクに移した。
【0119】 その後、Hbマイクロフィルトレートをポンプで100,000Millip
ore Cat #CDUF 050 H1限外濾過器に通した。Hbマイクロ
フィルトレートに含まれるHbと水の実質的な部分が100,000ダルトンの
限外濾過器を透過してHb限外濾液を形成し、一方分子量が約100,000ダ
ルトンを超えるタンパク質のような大きな細胞デブリは保持され、マイクロフィ
ルトレートタンク内に再循環された。同時に、限外濾液中の失われた水を補うた
めにWFIを継続的にマイクロフィルトレートタンクに加えた。一般に細胞デブ
リは、Hb、より小さな細胞タンパク質、電解質、補酵素および有機代謝中間体
を除く、すべての完全なおよび断片化した細胞成分を含む。マイクロフィルトレ
ートタンク中のHb濃度が8グラム/リットル(g/l)未満になるまで限外濾
過を継続した。Hbを限外濾過する間、マイクロフィルトレートタンクの内部温
度を約10℃に保持した。
【0120】 Hb限外濾液を限外濾液タンクに移し、次いで30,000ダルトンのMil
lipore Cat #CDUF 050 T1限外濾過器を通してHb限外
濾液を再循環させて、電解質、補酵素、代謝中間体および分子量約30,000
ダルトン未満のタンパク質などのより小さな細胞成分と、Hb限外濾液からの水
を除去し、それによって約100g Hb/lを含む濃縮Hb溶液を生成した。
【0121】 次に濃縮Hb溶液を限外濾液タンクから、平行するクロマトグラフィーカラム
(長さ2フィート、内径8インチ)に含まれる担体に移して、高性能液体クロマ
トグラフィーによってHbを分離した。クロマトグラフィーカラムは、非ヘモグ
ロビンタンパク質からHbを分離するのに適した陰イオン交換担体を含んだ。陰
イオン交換担体はシリカゲルから形成された。シリカゲルをγ−グリシドキシプ
ロピルシランに接触させて活性エポキシド基を形成し、さらにC3 7 (CH3 2 NClに接触させて第四アンモニウム陰イオン交換担体を形成した。シリカ
ゲルを処理するこの方法は、Journal of Chromatograp
hy,120:321−333(1976)に述べられている。
【0122】 Hb結合を促進する第一緩衝液でクロマトグラフィーカラムを洗い流して、各
々のカラムを前処理した。次に濃縮Hb溶液4.52リットルを各クロマトグラ
フィーカラムに注入した。濃縮Hb溶液の注入後、クロマトグラフィーカラムに
3種の異なる緩衝液を連続的に通過させてクロマトグラフィーカラムを洗浄し、
カラム内にpHグラジェントを作製することによりHb溶出物を調製した。使用
時の各緩衝液の温度は約12.4℃であった。クロマトグラフィーカラムに注入
する前に、緩衝液を10,000ダルトン限外濾過膜に通して前濾過した。
【0123】 第一緩衝液である20mMトリス−ヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)
(pH約8.4から約9.4)は、濃縮Hb溶液をクロマトグラフィーカラムの
媒体(medium)中に運搬し、Hbを結合させた。第一緩衝液と第三緩衝液との混
合物であり、約8.3のpHを有する第二緩衝液でクロマトグラフィーカラム内
のpHを調整し、Hbを保持しながら、夾雑する非ヘモグロビン成分をクロマト
グラフィーカラムから溶出した。カラム当り約3.56lpmの流速で約30分
間、第二緩衝液での平衡化を継続した。第二緩衝液からの溶出物は廃棄した。次
いで、第三緩衝液の50mMトリス(pH約6.5から約7.5)で、クロマト
グラフィーカラムからHbを溶出した。
【0124】 次に滅菌0.22μ Sartobran Cat #5232507 G1
PHフィルターを通してHb溶出物をタンクに導入し、そこにHb溶出物を集め
た。Hb溶出物の最初の3〜4%とHb溶出物の最後の3〜4%は廃棄した。
【0125】 溶出物が0.05EU/ml未満のエンドトキシンを含み、3.3nmol/
ml未満のリン脂質を含む場合には、Hb溶出物をさらに使用した。100g
Hb/lの濃度を有する超高純度の溶出物60リットルに、1.0M NaCl
、20mMトリス(pH8.9)緩衝液9lを加えて160mMのイオン強度を
有するHb溶液を形成し、Hb溶液中のHbの酸素親和性を低下させた。その後
限外濾過器、具体的には10,000ダルトンのMillipore Heli
con,Cat #CDUF050G1フィルターを通して再循環させることに
より、Hb濃度が110g/lになるまでHb溶液を10℃で濃縮した。
【0126】 次に、0.05μm Hoechst−Celanese Corporat
ion Cat #G−240/40)のポリプロピレンマイクロフィルター相
転移膜を通して12lpmでHb溶液を再循環させることにより、Hb溶液のp
2 が、HbO2 含有量が約10%であるレベルに低下するまでHb溶液を脱酸
素化し、脱酸素化Hb溶液(以下「deoxy−Hb」)を生成した。同時に相
転移膜の反対側を通して60lpm流量の窒素ガスを適用した。脱酸素化の間、
Hb溶液の温度を約19℃〜約31℃に保持した。
【0127】 また、脱酸素化の間およびその後の工程全体を通して、Hbを低酸素環境に保
持してHbによる酸素吸収を最小限に抑え、deoxy−Hb中の酸化Hb(オ
キシヘモグロビンまたはHbO2 )含有量を約10%未満に保った。
【0128】 次に、0.2重量%のN−アセチルシステイン、50torr未満のpO2
有する33mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)を含む保存緩衝液180
lにより、限外濾過器を通してdeoxy−Hb 60lを透析濾過し、酸化に
対して安定化したdeoxy−Hbを生成した。deoxy−Hbと混合する前
に、保存緩衝液を10,000ダルトンのMillipore Helicon
,Cat #CDUF050G1脱発熱原性フィルターで脱発熱原性化した。
【0129】 限外濾過器を通しての液体損失にほぼ等しい割合で保存緩衝液を継続的に加え
た。限外濾過器での透析濾過を通して失われた液体の容量がdeoxy−Hbの
初期容量の約3倍になるまで透析濾過を継続した。
【0130】 酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを重合装置に移す前に、酸素除去W
FIを重合反応器に加えて、酸化に対して安定化したdeoxy−Hbの酸化を
防ぐために重合装置から酸素を一掃した。重合装置に加えたWFIの量は、酸化
に対して安定化したdeoxy−Hbを重合反応器に加えたとき、約40g H
b/lの濃度を有するHb溶液を生じる量であった。その後重合装置全体を通し
てWFIを再循環させ、0.05μmポリプロピレンマイクロフィルター相転移
膜(Hoechst−Celanese Corporation Cat #
5PCM−108、80平方フィート)を通して加圧窒素の向流に対して流すこ
とによりWFIを脱酸素化した。相転移膜を通るWFIと窒素ガスの流速は、そ
れぞれ約18〜20lpmと40〜60lpmであった。
【0131】 重合装置中のWFIのpO2 を約2torr pO2 未満に低下させたあと、
約20lpmの窒素を重合装置の上方空隙に流入して重合反応器を窒素でおおっ
た。その後酸化に対して安定化したdeoxy−Hbを重合反応器に移した。
【0132】 約35ミリモル濃度またはそれ以下の塩化物濃度を有するpH7.8の12m
Mリン酸緩衝液において重合を実施した。
【0133】 その後、Hb溶液を40℃に加熱し、6エレメントのKenics 1−1/
インチスタティックミキサー(Chemineer,Inc.)を通して再循環
させながら、酸化に対して安定化したdeoxy−HbとN−アセチルシステイ
ンを架橋剤であるグルタルアルデヒドと5時間にわたってゆっくり混合し、具体
的にはHb1キログラムにつきグルタルアルデヒド29.4グラムと混合して、
重合Hb(ポリ(Hb))溶液を生成した。
【0134】 酸化に対して安定化したdeoxy−Hbとグルタルアルデヒドをスタティッ
クミキサーを通して再循環させることにより、酸化に対して安定化したdeox
y−Hbとグルタルアルデヒドの概して均一な混合を伴う乱流条件を生じさせ、
それによって高濃度のグルタルアルデヒドを含むdeoxy−Hbのポケットが
形成される潜在的可能性を低下させた。グルタルアルデヒドとdeoxy−Hb
の概して均一な混合は、高分子量のポリ(Hb)(500,000ダルトンを超
える分子量を有する)の形成を低減し、同時に重合の際にグルタルアルデヒドと
deoxy−Hbのより速やかな混合を可能にした。
【0135】 さらに、Hbの重合の際にN−アセチルシステインが存在することの結果とし
て、Hb重合の間にかなりのHb分子内架橋が生じた。
【0136】 重合後、重合反応器中のポリ(Hb)溶液の温度を約15℃から約25℃の温
度に低下した。
【0137】 次に、ポリ(Hb)の濃度が約85g/lに上昇するまで限外濾過器を通して
ポリ(Hb)溶液を再循環させることにより、ポリ(Hb)溶液を濃縮した。適
切な限外濾過器は、30,000ダルトンフィルター(例えばMillipor
e Helicon,Cat #CDUF050LT)である。
【0138】 その後、ポリ(Hb)溶液を水素化ホウ素ナトリウム66.75gと混合して
再びスタティックミキサーで再循環させた。具体的には、ポリ(Hb)溶液9リ
ットルごとに、0.25M水素化ホウ素ナトリウム溶液1リットルを0.1から
0.12lpmの速度で加えた。
【0139】 ポリ(Hb)溶液に水素化ホウ素ナトリウムを加える前に、水素化ホウ素ナト
リウムを保存し、水素ガスの発生を防ぐために、pHを約pH10に調整するこ
とによってポリ(Hb)溶液のpHを塩基性にした。ポリ(Hb)溶液のpHは
、約10.4から約10.6のpHを有する、脱発熱原性化し、脱酸素化した1
2mMホウ酸ナトリウム緩衝液約215lでポリ(Hb)溶液を透析濾過するこ
とによって調整した。ポリ(Hb)溶液を30kD限外濾過器を通して重合反応
器から再循環させることにより、ポリ(Hb)溶液を透析濾過した。透析濾過に
よる限外濾過器を通しての液体損失の割合にほぼ等しい割合で、ホウ酸ナトリウ
ム緩衝液をポリ(Hb)溶液に加えた。透析濾過により限外濾過器を通して失わ
れた液体の容量が重合反応器中のポリ(Hb)溶液の初期容量の約3倍になるま
で透析濾過を継続した。
【0140】 pH調整後、水素化ホウ素ナトリウム溶液を重合反応器に加え、ポリ(Hb)
溶液中の結合を結合に還元して、溶液中に安定なポリ(Hb)を生成した。水素
化ホウ素ナトリウムを添加する間、重合反応器中のポリ(Hb)溶液をスタティ
ックミキサーと0.05μmポリプロピレンマイクロフィルター相転移膜を通し
て継続的に再循環させ、溶解した酸素および水素を除去した。スタティックミキ
サーを通して流すことはまた、水素化ホウ素ナトリウムとポリ(Hb)溶液を速
やかに且つ有効に混合する水素化ホウ素ナトリウム乱流条件を提供した。0.0
5μm相転移膜を通るポリ(Hb)溶液と窒素ガスの流速は、それぞれ約2.0
〜4.0lpmと約12〜18lpmであった。水素化ホウ酸ナトリウムの添加
が完了したあと、重合反応器において、その中に含まれる撹拌器を約75回転/
分で回転させながら、還元を継続した。
【0141】 水素化ホウ素ナトリウムの添加から約1時間後に、安定なポリ(Hb)溶液の
濃度が110g/lになるまで、30,000ダルトンの限外濾過器を通して重
合反応器から安定なポリ(Hb)溶液を再循環させた。濃縮後、WFI中27m
M乳酸ナトリウム、12mM NAC、115mM NaCl、4mM KCl
および1.36mM CaCl2 を含む、濾過して脱酸素化した低pH緩衝液(
pH5.0)で、30,000ダルトンの限外濾過器を通して安定なポリ(Hb
)溶液を透析濾過することにより、安定なポリ(Hb)溶液のpHと電解質を生
理的レベルに回復させて、安定な重合Hb代用血液を生成した。限外濾過器で透
析濾過により失われた液体の容量が、濃縮Hb産物の透析濾過前の容量の約6倍
になるまで透析濾過を継続した。
【0142】 pHと電解質を生理的レベルに回復させたあと、濾過して脱酸素化した低pH
緩衝液を重合反応器に加えることにより、安定な重合Hb代用血液を5.0g/
dlの濃度に希釈した。次いで、希釈した代用血液を、WFI中27mM乳酸ナ
トリウム、12mM NAC、115mM NaCl、4mM KClおよび1
.36mM CaCl2 を含む、濾過して脱酸素化した緩衝液(pH7.8)に
対してスタティックミキサーと100,000ダルトンの精製フィルターを通し
て重合反応器から再循環させることによって透析濾過した。代用血液が、解離条
件下で実施したGPCにより約10%またはそれより少ない改変四量体および非
改変四量体種を含むまで、透析濾過を継続した。
【0143】 精製フィルターは、制限透過ラインを有する低い膜内外圧の条件下で操作した
。実質的な量の改変四量体Hbと非改変四量体Hbを除去したあと、代用血液の
濃度が約130g/lになるまで30,000ダルトンの限外濾過器を通して代
用血液の再循環を継続した。
【0144】 その後、低酸素環境で且つ酸素侵入の少ない適切な容器中で安定な代用血液を
保存した。
【0145】 実施例3 ヘモグロビン代用血液の保存:基本パッケージ 実施例1で作製したヘモグロビン代用血液を酸素遮断基本パッケージ(E−1
3135およびE13242、American National Can)
内にパッケージングした。基本パッケージの構造は、先に詳細に記載している。
基本パッケージは、厚み約0.005インチ(または約127μm)の積層体材
料であり、中密度ポリエチレン/エチレンビニルアルコール層、ナイロン層およ
び線状低密度ポリエチレン密閉層を含む。積層体の酸素透過性は、0.0084
cc/100in2 /気圧−日(25℃、100%/50%RH)または1.3
×10-3cc/cm2 /気圧−日(25℃、100%/50%RH)である。水
蒸気透過性は、25.0mg/100in2 /気圧−日(25℃、100%/5
0%RH)(または3.87mg/100cm2 /気圧−日(25℃、100%
/50%RH)である。
【0146】 パッケージングされた代用血液を、促進された安定条件下でうわ包装なしで9
0日間維持した後、N−アセチル−L−システイン(NAC)、ビス−N−アセ
チル−L−システイン(NAC2 )、総Hb(THb)、酸化ヘモグロビン(H
bO2 )およびメトヘモグロビン(metHb)の濃度および/またはレベルの
サンプリングを行なった。促進された安定条件は、40℃、75%相対湿度(R
H)である。パッケージング材料の遮断性は、より高い温度および相対湿度で低
下するため、このような促進された安定条件は、周囲条件下(25℃および50
%RH)に少なくとも1年間で測定された安定性に匹敵する。結果を表IIに示
す。
【0147】
【表2】
【0148】 実施例4 重合ヘモグロビンの分析 ヘモグロビン産物中のエンドトキシン濃度を、Associates of
Cape Cod,Woods Hole,Massachusetts,J.
Levinら、J.Lab.Clin.Med.,75:903−911(19
70)によって開発された「速度論的/比濁測定LAL5000法」という方法
によって測定する。極微量の支質を調べるために様々な方法、例えば沈降アッセ
イ、免疫ブロッティング、および当業者に既知の特異的細胞膜タンパク質あるい
は糖脂質に関する固相酵素免疫測定法(ELISA)を使用した。
【0149】 「注入液中の微粒子物:単回用量輸注のための大容量注入液」、米国薬局方、
22:1596、1990の方法によって微粒子数を測定した。
【0150】 グルタルアルデヒド濃度を調べるため、ヘモグロビン産物の代表的サンプル4
00μlをジニトロフェニルヒドラジンで誘導体化し、その後誘導体溶液の10
0μlアリコートを、グラジエントに沿って1ml/分の速度で、27℃でYM
C AQ−303 ODSカラムに注入した。グラジエントは2つの移動相、水
中0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)およびアセトニトリル中0.08%TF
Aから成った。グラジエントの流れは、一定な60%のアセトニトリル中0.0
8%TFAを6.0分間、85%のアセトニトリル中0.08%TFAまでのリ
ニアグラジェントを12分間以上、100%のアセトニトリル中0.08%TF
Aまでのリニアグラジェントを4分間以上から成り、100%のアセトニトリル
中0.08%TFAで2分間保持し、45%の水中0.1%TFAで再平衡させ
た。360nmで紫外線検出を測定した。
【0151】 NAC濃度を調べるため、ヘモグロビン産物のアリコートを脱気したリン酸ナ
トリウム水溶液で1:100に希釈し、50μlを、グラジエントとともにYM
C AQ−303ODSカラムに注入した。グラジエント緩衝液は、リン酸ナト
リウム水溶液および水中80%アセトニトリルと0.05%TFAの混合物から
成った。グラジエントの流れは、100%の水中リン酸ナトリウムを15分間、
次に100%の80%アセトニトリルと0.05%TFA混合物までのリニアグ
ラジエントを5分間以上から成り、5分間保持した。その後系を100%リン酸
ナトリウムで20分間再平衡させた。
【0152】 次の2つの論文に述べられている手順に基づく方法によってリン脂質分析を実
施した:Kolarovicら、「生物学的供給源からリン脂質を分離するため
の抽出法の比較」Anal.Biochem.,156:244−250,19
86およびDuck−Chong,C.G.、「硝酸マグネシウムによる消化を
含む、リン脂質のリンを測定するための速やかで感受性の高い方法」Lipid
s,14:492−497,1979。
【0153】 Advanced Cryomatic Osmometer,#3C2型、
Advanced Instruments,Inc.,Needham,Ma
ssachusettsでの分析により、浸透圧モル濃度を測定した。
【0154】 Instrumentation Laboratory,Lexingto
n,MassachusettsのCo−Oximeter #482型で、総
ヘモグロビン、メトヘモグロビンおよびオキシヘモグロビン濃度を測定した。
【0155】 Na+ 、K+ 、Cl- 、Ca+ + 、pO2 濃度は、Novastat Pro
file 4,Nova Biomedical Corporation,W
altham,Massachusettsによって測定した。
【0156】 酸素結合定数P50は、Hemox−Analyzer,TCS Corpor
ation,Southhampton,Pennsylvaniaによって測
定した。
【0157】 温度とpHは、当業者に既知の標準的方法によって測定した。
【0158】 解離条件下でヘモグロビン産物に関するゲル透過クロマトグラフィー(GPC
)を実施することにより分子量(M.W.)を決定した。ヘモグロビン産物の代
表的サンプルを分子量分布に関して分析した。50mM ビス−トリス(pH6
.5)、750mM MgCl2 および0.1mM EDTAの移動相内でヘモ
グロビン産物を4mg/mlに希釈した。この緩衝液は、ポリ(Hb)からHb
四量体を、分子内あるいは分子間架橋を通して他のHb二量体に架橋結合してい
ない二量体に解離するのに役立つ。希釈したサンプルをTosoHaas G3
000SWカラムに注入した。流速は0.5ml/分で、280nmで紫外線検
出を記録した。
【0159】 本発明の方法に従って作製した動物用(OXYGLOBINTM)および人体用
Hb代用血液に関する上記の試験の結果をそれぞれ表III とIVに要約する。
【0160】
【表3】
【0161】
【表4】
【0162】 均等物 当業者は、単なる常套的な実験を使用して、ここで述べた本発明の特定態様の
多くの均等物を認識し、確認することができるであろう。これらやその他すべて
のそのような均等物は、下記の特許請求の範囲に包含されることが意図されてい
る。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年9月20日(2000.9.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ライト,ウィリアム,アール. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01760 ナティック,モヒーガン トレイ ル 3 Fターム(参考) 4H011 CA01 CB06 CC01 CD06 CD13

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの層を有する透明ポリマー材料を含み、約2
    5℃、外部相対湿度約50%の雰囲気あたりの酸素透過性が24時間につき10
    0平方インチあたり約1.0cc未満である酸素遮断フィルム基本パッケージ内
    で脱酸素化ヘモグロビン代用血液を維持する工程を含む、脱酸素化ヘモグロビン
    代用血液の保存方法。
  2. 【請求項2】 透明ポリマー材料が酸素遮断層を含有する請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 酸素遮断層がエチレンビニルアルコールを含有する請求項2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリマー材料が、ポリオレフィンを含む外層を含有する請求
    項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記外層が中密度ポリエチレンを含有する請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 外層および酸素遮断層が共押出しされている請求項5記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 酸素遮断層が、酸化ケイ素で被覆されたポリエステル層を含
    有する請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 ポリマー材料が、ポリオレフィンを含有する内層を含有する
    請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 内層が、線状低密度ポリエチレンを含有する請求項8記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 ヘモグロビン代用血液が窒素、アルゴンまたはヘリウム雰
    囲気下で維持される請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 a)脱酸素化ヘモグロビン代用血液;および b)少なくとも1つの層を有する透明ポリマー材料を含み、約25℃、外部相対
    湿度約50%の雰囲気あたりの酸素透過性が24時間につき100平方インチあ
    たり約1.0cc未満であり、その内部に脱酸素化ヘモグロビン代用血液が封入
    されており、それにより脱酸素化ヘモグロビン代用血液が実質的に無酸素環境下
    で保存される酸素遮断フィルム基本パッケージ、 を含有してなる保存された脱酸素化ヘモグロビン代用血液。
  12. 【請求項12】 透明ポリマー材料が酸素遮断層を含んでなるものである請
    求項11記載の保存された脱酸素化代用血液。
  13. 【請求項13】 酸素遮断層がエチレンビニルアルコールを含有してなるも
    のである請求項12記載の保存された脱酸素化代用血液。
  14. 【請求項14】 ポリマー材料が、ポリオレフィンを含む外層を含有してな
    るものである請求項12記載の保存された脱酸素化代用血液。
  15. 【請求項15】 前記外層が中密度ポリエチレンを含有してなるものである
    請求項14記載の保存された脱酸素化代用血液。
  16. 【請求項16】 中密度層および酸素遮断層が共押出しされている請求項1
    5記載の保存された脱酸素化代用血液。
  17. 【請求項17】 酸素遮断層が、酸化ケイ素で被覆されたポリエステル層を
    含有してなるものである請求項11記載の保存された脱酸素化代用血液。
  18. 【請求項18】 ポリマー材料が、ポリオレフィンを含有する内層を含有し
    てなるものである請求項11記載の保存された脱酸素化代用血液。
  19. 【請求項19】 内層が、線状低密度ポリエチレンを含有してなるものであ
    る請求項18記載の保存された脱酸素化代用血液。
  20. 【請求項20】 ヘモグロビン代用血液が、窒素、アルゴンまたはヘリウム
    雰囲気下で維持されてなるものである請求項11記載の保存された脱酸素化代用
    血液。
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