JP2002525332A - 固相クエンチングシステム - Google Patents

固相クエンチングシステム

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JP2002525332A
JP2002525332A JP2000571930A JP2000571930A JP2002525332A JP 2002525332 A JP2002525332 A JP 2002525332A JP 2000571930 A JP2000571930 A JP 2000571930A JP 2000571930 A JP2000571930 A JP 2000571930A JP 2002525332 A JP2002525332 A JP 2002525332A
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quenching
agent
solid support
biological composition
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JP2000571930A
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アンドレイ エイ. パーマル
サミュエル ケイ. アッカーマン
Original Assignee
ブイ.アイ. テクノロジーズ インク.
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    • C07F9/02Phosphorus compounds
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Abstract

(57)【要約】 生物基質の汚染物質を不活化する方法を開示する。本方法は(a)生物基質を、アジリジノ部分を含む不活化剤と接触させる段階であって、薬剤の一部が汚染物質と反応してそれを不活化し、薬剤の一部が反応せずに残るような段階;(b)段階(a)の生成物を、共有結合によって固相支持体と結合したクエンチング部分を少なくとも1つ含む固相支持体と、反応していない薬剤がクエンチング部分と共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触させる段階;ならびに(c)固相支持体および反応していない薬剤を生物基質から分離する段階であって、反応していない薬剤が共有結合によって固相支持体と結合しているような段階、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、求電子剤のクエンチング(quenching)のための方法に関する。
【0002】 血液または血液製剤によるウイルス性疾患(例えば、A型、B型およびC型肝炎
、後天性免疫不全症候群ならびにサイトメガロウイルス感染症)の伝染は、医学
における重大な問題である。哺乳動物およびハイブリドーマの細胞株、細胞株の
産物、乳汁、初乳ならびに精子などのその他の生物学的組成物も感染性ウイルス
を含むおそれがある。ドナーとなる生物学的組成物をウイルス性マーカーに関し
てスクリーニングすることはレシピエントへのウイルスの伝染を減らすために役
立つと考えられるが、多くのスクリーニング法はわずかな種類の別個のウイルス
を対象としているに過ぎず、したがって不完全であり感度も100%未満であると
思われる。このため、ドナーとなる血液、血液製剤または他の生物学的組成物中
に含まれるウイルスを不活化することが重要である。
【0003】 血液中のウイルスを不活化しうる薬剤は数多く開発されている。例えば、エチ
レンイミンモノマーおよびエチレンイミンオリゴマー(二量体、三量体および四
量体を含む)は極めて有効なウイルス不活化剤である。生物学的組成物中のウイ
ルスを不活化するためにエチレンイミンオリゴマーを用いる方法は米国特許出願
第09/005,606号(1998年1月12日に提出)に記載されており、これは参照として
本明細書に組み入れられる。エチレンイミンオリゴマーにはそれ自体の化学的活
性があるため、血液などの製剤を臨床的に用いる前に無反応性にする必要がある
。一般には、組成物中に存在するおそれのある感染性ウイルスを不活化するため
に、エチレンイミンダイマーなどのウイルス不活化化合物を生物学的組成物に添
加する。続いて、ウイルス不活化が行われた後に残存するエチレンイミンダイマ
ーを不活化するためにクエンチング剤を添加する。その最終的な結果として、感
染性ウイルスは比較的少ないが、クエンチングがなされた不活化剤およびクエン
チング剤が混入している生物学的組成物が得られる。
【0004】発明の概要 1つの局面において、本発明は、生物学的組成物の汚染物質、例えばウイルス
などを不活化する方法を特徴とし、本方法は(a)生物学的組成物を、アジリジ
ノ部分(aziridino moiety)を含む不活化剤と接触させる段階であって、薬剤の
一部が汚染物質と反応してそれを不活化し、薬剤の一部が反応せずに残るような
段階、(b)段階(a)の生成物を、共有結合によって固相支持体と結合したクエ
ンチング部分を少なくとも1つ含む固相支持体と、反応していない薬剤がクエン
チング部分と共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触させ
る段階、ならびに(c)固相支持体および反応していない薬剤を生物学的組成物
から分離する段階であって、反応していない薬剤が共有結合によって固相支持体
と結合しているような段階、を含む。
【0005】 好ましいクエンチング部分は、チオリン酸基などの求核性部分を含む。チオリ
ン酸基はオリゴヌクレオチド配列のヌクレオチド間結合の一部であってもよい。
好ましくは固相支持体は少なくとも2mmol/gのチオリン酸部分を含む。
【0006】 もう1つの局面において、本発明は、生物学的組成物の汚染物質を不活化する
方法を特徴とし、本方法は(a)生物学的組成物を、アジリジノ部分を含む不活
化剤と接触させる段階であって、薬剤の一部が汚染物質と反応してそれを不活化
し、薬剤の一部が反応せずに残るような段階;(b)段階(a)の生成物をクエン
チング剤と、クエンチング剤が反応していない不活化剤のクエンチングを行って
それと共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触させる段階
;(c)段階(b)の生成物を、共有結合によって固相支持体と結合したアルデヒ
ド部分を少なくとも1つ含む固相支持体と、クエンチングがなされた不活化剤が
アルデヒド部分と共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触
させる段階;ならびに(d)(i)固相支持体、(ii)クエンチングがなされた不
活化剤および(iii)クエンチング剤を生物学的組成物から分離する段階であっ
て、不活化剤およびクエンチング剤が共有結合によって固相支持体と結合してい
るような段階、を含む。固相支持体には少なくとも2mmol/gのアルデヒド部分が
結合していることが好ましい。
【0007】 さらにもう1つの局面において、本発明は、求電子剤のクエンチングの方法を
特徴とし、本方法は、求電子剤を、共有結合によって固相支持体と結合したチオ
リン酸部分を少なくとも1つ含む固相支持体と、求電子剤がチオリン酸部分と共
有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触させることを含む。
固相支持体は好ましくは少なくとも2mmol/gのチオリン酸部分を含み、より好ま
しくは少なくとも100mmol/gのチオリン酸部分を含む。好ましい方法においては
、複数のチオリン酸部分が、非置換型であるかまたはヒドロキシル、アミノ、シ
アノおよびアジド部分からなる群より独立に選択された1個から4個までの置換基
を有する少なくとも1つのC1-12飽和または不飽和炭化水素骨格によって置換され
る。好ましくは、求電子剤はアジリジノ部分を含む。例えば、求電子剤はエチレ
ンイミンまたはエチレンイミンのオリゴマーでよい。
【0008】 もう1つの局面において、本発明は、生物学的組成物からウイルス不活化剤を
除去する方法を特徴とし、本方法は(a)不活化剤を、共有結合によって固相支
持体と結合したクエンチング剤と接触させる段階;ならびに(b)不活化剤、ク
エンチング剤および固相支持体を生物学的組成物から除去する段階、を含む。好
ましくは、段階(a)は、不活化剤とクエンチング剤との間に共有結合が生じる
のに十分な条件下および時間にわたって、不活化剤をクエンチング剤と接触させ
ることを含む。好ましいクエンチング剤は、チオリン酸部分などの求核性部分を
含む。
【0009】 さらにもう1つの局面において、本発明は、生物学的組成物の汚染物質を不活
化する方法を特徴とする。本方法は(a)生物学的組成物を、アジリジノ部分ま
たはそのハロ誘導体塩(haloderivative salt)を含む不活化剤と接触させる段
階であって、薬剤の一部が汚染物質と反応してそれを不活化し、薬剤の一部が反
応せずに残るような段階;(b)段階(a)の生成物を、クエンチング部分を含む
クエンチング剤と、不活化剤がクエンチング部分と共有結合を生じるのに十分な
条件下および時間にわたって接触させる段階;ならびに(c)クエンチング剤お
よびクエンチングがなされた不活化剤を生物学的組成物から分離する段階、を含
む。
【0010】 さらにもう1つの局面において、本発明は、生物学的組成物の汚染物質を不活
化する方法を特徴とする。本方法は(a)生物学的組成物を、アジリジノ部分ま
たはそのハロ誘導体塩を含む不活化剤と接触させる段階であって、薬剤の一部が
汚染物質と反応してそれを不活化し、薬剤の一部が反応せずに残るような段階;
(b)段階(a)の生成物を、共有結合によって分離部分と結合したクエンチング
部分と、不活化剤がクエンチング部分と共有結合を生じるのに十分な条件下およ
び時間にわたって接触させる段階;ならびに(c)分離部分、クエンチング部分
およびクエンチングがなされた不活化剤を生物学的組成物から分離する段階、を
含む。
【0011】 好ましい分離部分は、ビーズ、樹脂、抗体およびビオチン分子からなる群より
選択される。第2の局面の組成物は、好ましくはUV吸収性部分および蛍光性部分
からなる群より選択されるレポーター部分も含む。
【0012】 さらにもう1つの局面において、本発明は、求電子剤のクエンチングの方法を
特徴とする。本方法は、求電子剤がチオ硫酸またはチオリン酸部分と共有結合を
生じるのに十分な条件下および時間にわたって、求電子剤を、分離部分と結合し
たチオ硫酸またはチオリン酸部分を含む組成物と接触させることを含む。好まし
くは、求電子剤はアジリジノ部分またはそのハロ誘導体塩を含む。例えば、求電
子剤はエチレンイミン、エチレンイミンオリゴマー、エチレンイミンのハロ誘導
体塩、またはエチレンイミンオリゴマーのハロ誘導体塩であってよい。好ましい
求電子剤はN-アセチルエチレンイミンである。好ましくは、分離部分はビーズ、
樹脂、抗体およびビオチン分子からなる群より選択される。組成物がUV吸収性ま
たは蛍光性部分などのレポーター部分をさらに含んでもよい。
【0013】 もう1つの局面において、本発明は、生物学的組成物からウイルス不活化剤を
除去する方法を特徴とする。本方法は(a)不活化剤を、ビーズ、樹脂、抗体お
よびビオチン分子からなる群より選択される分離部分と結合したクエンチング部
分と接触させる段階;ならびに(b)不活化剤、クエンチング部分および分離部
分を生物学的組成物から除去する段階、を含む。好ましくは、段階(a)は、不
活化剤とクエンチング部分との間に共有結合が生じるのに十分な条件下および時
間にわたって、不活化剤をクエンチング部分と接触させることを含む。好ましい
クエンチング部分は、チオ硫酸またはチオリン酸部分などの求核性部分を含む。
【0014】 もう1つの局面において、本発明は(a)分離部分、および(b)チオ硫酸また
はチオリン酸部分を含む化合物を特徴とする。好ましくは、分離部分はビーズ、
樹脂、抗体およびビオチン分子からなる群より選択される。本化合物がUV吸収性
または蛍光性基などのレポーター部分をさらに含んでもよい。チオリン酸部分は
オリゴヌクレオチド配列のヌクレオチド間結合の一部でもよい。
【0015】 本発明の不活化剤は、例えば、エチレンイミン、エチレンイミンオリゴマー、
エチレンイミンのハロ誘導体塩、またはエチレンイミンオリゴマーのハロ誘導体
塩であってよい。好ましい不活化剤はN-アセチルエチレンイミンである。生物学
的組成物は、哺乳動物全血、精製または部分精製された血液蛋白質、血球蛋白質
、乳汁、唾液、血漿、多血小板血漿、濃縮血漿、血漿の何らかの画分からの沈殿
物、血漿の何らかの画分からの上清、血清、凍結沈殿物、凍結上清、細胞可溶化
物、哺乳動物培養細胞、哺乳動物培養上清、胎盤抽出物、発酵産物、血小板濃縮
液、白血球濃縮液、精液、赤血球、およびトランスジェニック哺乳動物の体内で
産生される組換え蛋白質含有組成物からなる群より選択しうる。好ましくは、生
物学的組成物はヒト全血またはヒト血漿である。汚染物質はウイルスでありうる
【0016】 好ましいクエンチング部分は、チオリン酸またはチオ硫酸部分などの求核性部
分を含む。チオリン酸部分はオリゴヌクレオチド配列のヌクレオチド間結合の一
部でもよい。
【0017】 「生物学的組成物」とは、蛋白質、核酸、脂質および炭水化物などの生体巨大
分子を含む組成物を意味する。
【0018】 「クエンチング部分」または「クエンチング剤」とは、求電子性化合物と反応
し、それによってその活性を低下させることが可能な部分または薬剤を意味する
【0019】 「レポーター部分」とは、クエンチング剤およびクエンチングがなされた不活
化剤の除去を観測するためにクエンチング剤に添加されるUV吸収性または蛍光性
の基を意味する。
【0020】 「分離部分」とは、化合物に対して、生物学的組成物中の大部分の他の化合物
からのその分離を可能にするような少なくとも1つの性質を付与する固相部分を
意味する。好ましい性質には、生物学的組成物中に通常は存在しない化合物に対
する選択的な高親和性、濾過、遠心または磁場中に置くことによってその部分が
生物学的組成物から分離可能であることが含まれる。ビーズ、樹脂、抗体および
ビオチン分子はそれぞれ好ましい分離部分である。
【0021】 本発明は、ウイルス不活化剤のクエンチングを行い、その後にクエンチング剤
および不活化剤を生物学的組成物から除去するための新たな方法を提供する。こ
の方法により、汚染ウイルスが比較的少ないだけでなく、クエンチングがなされ
た(すなわち、無反応性の)不活化剤および反応していないクエンチング剤も比
較的少ない生物学的組成物が得られる。本発明は、溶媒/界面活性剤法によって
ウイルスが不活化された蛋白質含有製剤から溶媒および界面活性剤を除去する方
法と共用できる方法を提供する。
【0022】 本発明のその他の特徴および利点は以下の説明および特許請求の範囲によって
明らかになると考えられる。
【0023】詳細な説明 本発明は、固相支持体と結合したチオリン酸部分などのクエンチング剤による
求電子剤のクエンチングのための一般的な方法を提供する。このような固相クエ
ンチングシステムの例は図1、2、3および4に示されている。単一のチオリン酸部
分を含む固相支持体は図1に示されており、共有結合によって支持体と結合した
多数のチオリン酸部分を有する支持体は図2、3および4に示されている。
【0024】 支持体と結合しうるクエンチング部分の数は一部には、支持体の表面にある官
能基の数に依存する。クエンチング部分の総数は、各官能基と結合したクエンチ
ング部分の数にも依存する。例えば、あるポリマー支持体が2mmol/gのヒドロキ
シル基を含み、これらのヒドロキシル基のそれぞれに150個ものチオリン酸基が
結合できる。この場合、この固相支持体は300mmol/gのチオリン酸基を含むと考
えられる。
【0025】 チオリン酸基は固相支持体と直接結合することもでき、またはリンカーを介し
てそれらを固相支持体と結合することもできる。リンカーは100個もの原子を有
することが可能である。連結基の例は図1に示されており、この図ではチオリン
酸部分がエチレンリンカーと共有結合し、エチレンリンカーが固相支持体と結合
している。
【0026】 また、本発明は、求電子剤およびクエンチング剤を生物学的組成物から除去し
うるように改変されたチオ硫酸またはチオリン酸部分などの求核性クエンチング
剤による求電子剤のクエンチングのための一般的な方法も提供する。
【0027】 クエンチング剤およびクエンチングがなされたウイルス不活化剤を生物学的組
成物から除去する方法は、固相支持体と結合しているか、もしくはクエンチング
剤をクエンチングがなされた不活化剤とともに生物学的組成物から完全かつ確実
に分離しうるようにクエンチング剤に特定の性質を付与する第2の部分(分離部
分)が結合している、チオ硫酸またはチオリン酸基などの求核剤の使用によるも
のである。これらの改変されたクエンチング化合物は、エチレンイミンオリゴマ
ーまたはN-アセチルエチレンイミンなどの求電子剤と反応してそのクエンチング
を行うことが可能である。この方法には、ブドウスキー(Budowsky)ら、米国特
許出願第09/005,719号に記載された溶媒/界面活性剤法によってウイルスが不
活化された蛋白質含有製剤から溶媒および界面活性剤を除去する方法と共用でき
るという別の利点もある。溶媒/界面活性剤法によるウイルス活性化は、エチレ
ンイミンモノマーおよびエチレンイミンオリゴマーなどの化合物によるウイルス
不活化と共用できる。したがって、2種類のウイルス不活化の方法を順に行うこ
とができる。または、溶媒/界面活性剤法を用いずに、例えばエチレンイミンオ
リゴマーの使用によるウイルスの不活化に続いて、本明細書に記載する方法を用
いてクエンチングおよびクエンチング剤と不活化剤の除去を行うこともできる。
クエンチング剤を容易に検出できることも、その除去を観測するためには有益で
ある。これは、260nmの吸光度によって容易に検出可能なチミジンの添加によっ
て実現可能である。
【0028】 固相支持体にはさまざまな材料を用いることができる。このような材料の例に
は、ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン)、ナイ
ロン(例えばダクロン(登録商標))、固体表面に沈着させたポリアクリルアミ
ドパッド、シリコン、シリコンガラスおよびガラスなどが含まれる。固相支持体
は、本発明における使用に適した任意の形態であってよい。例えば、固相支持体
はビーズ状、棒状またはフィルム状であってもよく、または固相支持体は透過性
および半透過性膜の形態であってもよい。固相支持体がカラムまたはカートリッ
ジなどの濾過装置に含まれていてもよい。
【0029】 ヒドロキシル基を含む固相支持体は、例えばアーゴノートテクノロジーズ社(
Argonaut Technologies、San Carlos、CA)から市販されている。固相支持体の
表面にヒドロキシルまたはアミノ基などの官能基がない場合には、それを誘導体
化することが可能である。官能基が結合した固相支持体が最終生成物である範囲
において、固相支持体の誘導体化には任意の数の薬剤を用いることができる。
【0030】 本発明に用いられるチオリン酸基は、1つの置換基によって置換されたもの(
例えば、[X]-OP(=S)(OH)2、チオホスホモノエステルとも呼ばれる)、2つの置換
基によって置換されたもの(例えば、[X]-OP(=S)(OH)(OAlk)、チオホスホジエス
テル)または3つの置換基によって置換されたもの(例えば、[X]-OP(=S)(OAlk)2 、ホスホチオトリエステル)であってよく、式中、Xは固相支持体または分離部
分である。置換基は例えば、炭素数が1〜40の線状、分枝状もしくは環状の飽和
もしくは不飽和炭化水素、ベンジル基、多環芳香族基、非置換アルキル基、また
はヒドロキシル、アミノ、アジドもしくはシアノ基によって置換されたアルキル
基であってよい。
【0031】 ポリチオリン酸部分(すなわち、2つまたはそれ以上の隣接リン酸基を有する
部分)を本発明において用いることもできる。例えば、リン酸基の1つまたは複
数がチオリン酸基であるようなグアノシン二リン酸(GDP)またはグアノシン三
リン酸(GTP)を本発明に用いることができる。グアノシン二リン酸の場合には
、リン酸基の一方または両方がチオリン酸基であってよい。グアノシン三リン酸
の場合には、リン酸基の1つ、2つまたは3つすべてがチオリン酸基であってよい
。GDPまたはGTPは、例えば、2'もしくは3'ヒドロキシル基または複素環状塩基の
箇所で分離部分と結合することができる。
【0032】 本発明の組成物は、以下の実施例で説明するようにして調製することができる
。また、オリゴヌクレオチドおよび類似体:実践的アプローチ(Oligonucleotid
es and Analogs: A Practical Approach)(Ecksteinら、IRE Press 1991)に記
載されたものなどの他の標準的な合成法によるオリゴヌクレオチド合成を用いて
それらを調製することも可能である。
【0033】 本発明のクエンチングシステムは、以下の通りに用いることができる。ブドウ
スキー(Budowsky)、米国特許出願第08/855,378号およびブドウスキー(Budow
sky)ら、米国特許出願第09/005,606号に記載された通りにエチレンイミンオリ
ゴマーなどのウイルス不活化剤を生物学的組成物に添加する。ウイルス不活化に
必要な時間を終えた時点で、生物学的組成物を、分離部分と結合した1つまたは
複数のチオ硫酸またはチオリン酸部分を含む化合物であるクエンチング剤と接触
させる。生物学的組成物およびクエンチング剤を室温およびpH 7.0で少なくとも
1時間接触した状態に保つ。エチレンイミンオリゴマー1当量に対して10倍過剰量
のチオ硫酸またはチオリン酸基を用いる。
【0034】 チオ硫酸またはチオリン酸部分はエチレンイミン化合物またはそれらのハロ誘
導体塩の高反応性部分と反応し、これらの化合物と共有結合を生じる。このため
、結合したチオ硫酸またはチオリン酸部分は生物学的組成物から除去され、クエ
ンチングがなされたエチレンイミン化合物も同じく除去される。その最終的な結
果として、感染性ウイルス、クエンチングがなされたエチレンイミン化合物およ
びクエンチング剤を実質的に含まない生物学的組成物が得られる。
【0035】 例えば、不活化剤としてエチレンイミンダイマーを含む生物学的組成物をチオ
硫酸ナトリウムによってクエンチングすることが可能である。生物学的組成物中
のウイルスの不活化およびチオ硫酸によるクエンチングのための方法は当技術分
野では周知であり、例えば、ブドウスキー(Budowsky)、米国特許出願第08/83
5,446号に記載されている。チオ硫酸はアジリジン環と反応し、クエンチングが
なされたエチレンイミンダイマーと共有結合した状態に保たれる。続いて、アル
デヒド基を有する固相支持体を反応混合物に添加することが可能である。このよ
うな支持体は、アーゴノートテクノロジーズ社(Argonaut Technologies)を含
む多くの供給元から市販されている。支持体および組成物を室温およびpH 7で少
なくとも1時間、接触した状態に保つ。エチレンイミンダイマー1当量に対して10
倍過剰量のアルデヒド基を用いる。アルデヒド部分はダイマーの一次アミノ基と
反応し、比較的安定なイミン複合体を形成する。このため、クエンチングがなさ
れた不活化剤およびチオ硫酸部分は固相支持体と共有結合した状態に保たれる。
固相支持体は、例えば濾過によって、クエンチングがなされた不活化剤およびク
エンチング剤とともに組成物から除去することができる。
【0036】 もう1つの例では、本発明の固相クエンチングシステムを以下の通りに用いる
ことができる。ブドウスキー(Budowsky)、米国特許出願第08/855,378号およ
びブドウスキー(Budowsky)ら、米国特許出願第90/005,606号に記載された通
りにエチレンイミンオリゴマーなどのウイルス不活化剤を生物学的組成物に添加
する。ウイルス不活化に必要な時間を終えた時点で、生物学的組成物をチオリン
酸基を含む固相支持体と接触させる。該組成物および固相支持体を室温およびpH
7で少なくとも1時間接触した状態に保つ。エチレンイミンオリゴマー1当量に対
して10倍過剰量のチオリン酸基を用いる。
【0037】 支持体を粒子の形態として組成物に添加することができる。これらの粒子は例
えば、不活化剤のクエンチング後に濾過によって除去することが可能である。ま
たは、生物学的組成物を、支持体と結合したチオリン酸基を含むカラムなどの濾
過装置に通すこともできる。
【0038】 感染性ウイルス、クエンチングがなされた不活化剤およびクエンチング剤を含
まない生物学的組成物を得るためのもう1つの方法は、上記の通り、エチレンイ
ミンダイマーなどの不活化剤によって組成物中のウイルスを不活化することであ
る。ウイルスが不活化された後に、チオ硫酸ナトリウムなどの従来のクエンチン
グ剤によって不活化剤のクエンチングを行うことができる。続いて求電子基を含
む固相支持体を添加して、支持体上の反応性基とクエンチングがなされた不活化
剤との共有結合を形成させることができる。クエンチングがなされた不活化剤お
よびクエンチング剤は共有結合によって固相支持体と結合しているため、組成物
から容易に除去することができる。
【0039】 生物学的組成物は任意の数の物質を含むことができる。組成物の例には、哺乳
動物全血、精製または部分精製された血液蛋白質、血球蛋白質、乳汁、唾液、血
漿、多血小板血漿、濃縮血漿、血漿の何らかの画分からの沈殿物、血漿の何らか
の画分からの上清、血清、凍結沈殿物、凍結上清、細胞可溶化物、哺乳動物培養
細胞、哺乳動物培養上清、胎盤抽出物、発酵産物、血小板濃縮液、白血球濃縮液
、精液および赤血球が含まれる。その他の生物学的組成物には、トランスジェニ
ック哺乳動物の体内で産生される組換え蛋白質を含むものが含まれる。例えば、
生物学的組成物には、トランスジェニック哺乳動物の乳中に発現された蛋白質が
含まれうる。このような蛋白質を産生させるための方法は、例えば、ライト(Wr
ight)ら、BioTechnology 9:830〜834(1991)およびそれに引用された参考文
献に記載されている。
【0040】 本発明のクエンチングシステムの調製およびウイルス不活化剤のクエンチング
のためのこれらのシステムの使用を説明した特定の実施例を以下に示す。これら
の実施例は本発明を例示するために提供されるものであり、これを制限するため
のものと解釈されるべきではない。
【0041】実施例1:チオリン酸基を含む固相クエンチング剤の調製 本発明の固相クエンチング剤の調製は図1に示されている。そこに示されてい
る通り、ヒドロキシル基を含む固相支持体(四角形で表記)をリン酸化剤によっ
て誘導体化する。リン酸化された固相支持体の亜リン酸基が酸化されてチオリン
酸エステルが形成され、これが酸によって切断されてチオリン酸部分が生じる。
この生成物は、共有結合によって固相支持体と結合したチオリン酸部分である。
【0042】実施例2:複数のチオリン酸基を含む固相クエンチング剤の調製 チオリン酸基を多く有する固相支持体の調製は図2に示されている。そこに示
されている通り、エチレングリコールを誘導体化して、ホスホルアミダイト基を
含むモノマー(I)を得る。重合開始剤としてヒドロキシル基を含む固相支持体
(アーゴノートテクノロジーズ社(Argonaut Technologies)から入手可能)を
用いて、このモノマーを重合させる。この結果生じたポリマーをリン酸化した後
に酸化させて、複数のチオリン酸エステルを含む固相支持体を得る。このエステ
ルを酸によって切断して、(n+1)個のチオリン酸部分が結合した固相支持体を
得る。
【0043】実施例3:固相支持体と結合したチオリン酸基によるアジリジノ化合物のクエン
チング 図3の図式1に示されている通り、固相支持体と結合した求核性チオリン酸基は
アジリジノ化合物を攻撃してそのクエンチングを行う。このアジリジノ化合物は
不活化されるだけでなく、共有結合によって固相支持体と結合した状態に保たれ
る。
【0044】 図3の図式2に示されている通り、(n+1)個のチオリン酸基を有する固相支持
体は、(n+1)個のアジリジノ部分をクエンチングする能力をもつ。
【0045】実施例4:ホスホチオジエステルおよびホスホチオモノエステル基を含む固相ク
エンチング剤によるオリゴエチレンイミンのクエンチング 図4に示されている通り、固相支持体上のチオリン酸基は、4つの原子を含む連
鎖によって隔てられている。固相支持体がエチレンイミンオリゴマーを含む組成
物と接触すると、固相支持体上のすべてのチオリン酸基がオリゴマーと反応しう
る。
【0046】実施例5:チオホスホモノエステル基を含む固相クエンチング剤によるエチレン
イミンダイマーのクエンチング 12mMエチレンイミンダイマー(計2.4μモル)を含む100mM MOPS緩衝液(pH 7.
0)200μlを、25mg(チオリン酸基20μモル当量)のアーゴポア(ArgoPore)-チ
オリン酸固相支持体(実施例2の記載の通りに調製)に添加した。アーゴポア-チ
オリン酸支持体上のホスホチオモノエステル基の荷重量は約0.8mモル/mgであっ
た。この反応混合物を攪拌しながら23℃で30分間インキュベートした。溶液の2
つのアリコート(5μl)を10および30分間のインキュベーション後に採取し、エ
チレンイミンダイマーの残存濃度をHPLCによって決定した(図5)。そこに示さ
れている通り、30分間後に溶液中に残存していたのはダイマーの0.18%に過ぎな
かった。この実施例は、支持体と結合したチオリン酸基がエチレンイミンダイマ
ーを不活化する能力をもつことを示している。
【0047】実施例6:固相クエンチング剤を用いたヒトCPD全血におけるエチレンイミンダイ マーのクエンチング 0.25M NaH2PO4中の120mMエチレンイミンダイマー(EID、PEN102)溶液50μlを
、0.9mlのヒトCPD全血(EIDの最終濃度は6mM、計6μモル)に添加し、23℃で4時
間インキュベートした。4時間のインキュベーション期間を終えたところで68mg
(ホスホチオモノエステル基50μモル当量)のアーゴポア-チオリン酸支持体(
実施例2の記載通りに調製)を添加した。平行して行った試験では、50μlの1M N
a2S2O3(最終濃度50mM)を同量のEID処理血液に添加した。両方の試料を23℃で2
時間インキュベートした。血液の赤血球(RBC)および血漿画分を遠心分離し(1
0,000rpm、5分間)、9倍容積の水を添加することによってRBCを開裂させた。血
液のRBC画分および血漿画分におけるEID濃度をHPLCによって決定した(図6)。
【0048】 図6に示されている通り、チオ硫酸ナトリウムおよび固相に結合したチオリン
酸基は、エチレンイミンダイマーのクエンチング能を有していた。2時間後には
、チオ硫酸によるクエンチングがなされた血漿が含むダイマーは6.8μg/mlに過
ぎず、チオ硫酸によるクエンチングがなされた赤血球が含むダイマーは2.2μg/
mlであった。チオリン酸基を含む固相クエンチング剤はさらに効果が大きかった
。2時間後に、このシステムによるクエンチングがなされた血漿が含むダイマー
は1.5μg/ml、赤血球が含むダイマーは0.9μg/mlに過ぎなかった。
【0049】実施例7:チオホスホジエステルおよびチオホスホモノエステル基を含む固相ク
エンチング剤によるエチレンイミンダイマーのクエンチング 12mMエチレンイミンダイマー(PEN102、計2.4μモル)を含む100mM MOPS緩衝
液(pH 7.0)200μlを、10mg(チオリン酸基20μモル当量)のアーゴゲル(Argo
Gel)-7BuTPhまたは21mg(チオリン酸基20μモル当量)のアーゴゲル-3BuTPh固
相支持体(図4に示す)に添加した。この反応混合物を攪拌しながら23℃で30分
間インキュベートした。溶液の2つのアリコート(各5μl)を10および30分間の
インキュベーション後に採取し、エチレンイミンダイマーの残存濃度をHPLCによ
って決定した(図7)。
【0050】 そこに示されている通り、アーゴゲル-3BuTPhおよびアーゴゲル-7BuTPhシステ
ムにはいずれもエチレンイミンダイマーのクエンチングに有効であった。アーゴ
ゲル-7BuTPhを用いた場合には10分後にはダイマーの11%、30分後には5.2%しか
残存していなかった。アーゴゲル-3BuTPhを用いた場合には10分後に15.4%、30
分後には14.4%が残存していた。
【0051】実施例8:チオリン酸基を含む固相クエンチング剤の調製 本発明の固相クエンチング剤の調製は図1に示されている。そこに示されてい
る通り、ヒドロキシル基を含むアルデヒド活性化セファロース(Sepharose)(
登録商標)ビーズ(四角形で表記)をリン酸化剤によって誘導体化する。リン酸
化されたビーズの亜リン酸基が酸化されてチオリン酸エステルが形成され、これ
が酸によって切断されてチオリン酸部分が生じる。この生成物は、共有結合によ
ってセファロース(登録商標)ビーズと結合したチオリン酸部分である。
【0052】実施例9:分離部分と結合したチオ硫酸またはチオリン酸部分によるアジリジノ
化合物のクエンチング 分離部分と結合した求核性チオリン酸基はアジリジノ化合物を攻撃してそのク
エンチングを行う。このアジリジノ化合物は不活化されるだけでなく、共有結合
によってクエンチング剤と結合した状態に保たれる。
【0053】実施例10:濾過による、生物学的組成物からのクエンチング剤およびクエンチン グがなされた不活化剤の分離 本発明の1つの好ましい方法では、クエンチング部分(例えば、1つまたは複数
のチオ硫酸またはチオリン酸部分を含むもの)を、セファロース(登録商標)ま
たはセルロースなどのビーズまたは樹脂と共有結合させる。
【0054】 これらのビーズには、それを生物学的組成物から分離することを可能とする特
有の性質がある。例えば、適切な孔径(すなわち、生物的に重要な分子が通過し
うる程度には大きいが、ビーズの通過を妨げる程度には小さい孔)を有するフィ
ルターまたはカラムを用いた濾過によって、セファロース(登録商標)ビーズを
クエンチング剤およびクエンチングがなされた不活化剤とともに分離することが
できる。適したフィルターおよびカラムは、例えばミリポア社(Millipore Corp
.)(Bedford、MA)から購入可能である。
【0055】実施例11:濾過による、生物学的組成物からのクエンチング剤およびクエンチン グがなされた不活化剤の親和性に基づく分離 1つの好ましい変形形態において、本発明の方法は、2つの成分を結合させるこ
とを含む。第1の成分は、第2の部分と結合した第1のクエンチング部分を含む。
第2の成分は、ビーズと結合した第2の部分と特異的に結合する第3の部分を含む
。1つの例においては、クエンチング部分をビオチン分子と結合させた後に生物
学的組成物(例えばエチレンイミンオリゴマーによって事実上不活化されたもの
)に添加し、ウイルス不活化剤のクエンチングが起こるのに十分な時間おいてお
く。続いて、この生物学的組成物をストレプトアビジン結合セファロース(登録
商標)を含むカラムに通す。このストレプトアビジンはビオチンを含むクエンチ
ング剤と特異的に結合する。このため、ビオチン化されたクエンチング剤ならび
にクエンチングがなされた不活化剤は固定化されたストレプトアビジンと結合す
るが、不活化剤およびクエンチング剤を含まなくなった生物学的組成物はそのま
ま通過する。ストレプトアビジン結合セファロース(登録商標)を生物学的組成
物に添加した後に、上記の実施例9に記載した通りに濾過によって除去すること
も可能であることが理解される。同じく、ストレプトアビジン-ビオチン対の代
わりに他の分子対(例えば、抗原-抗体対、相補的核酸配列など)を用いる、親
和性に基づく他の方法を用いることもできる。
【0056】実施例12:その他の方法による、生物学的組成物からのクエンチング剤およびク エンチングがなされた不活化剤の分離 当業者は、その他の数多くの変形形態を行うことができ、これらの変形形態も
本発明の精神に含まれることを理解すると考えられる。鉄を含むビーズと結合し
たクエンチング部分は、生物学的組成物を磁場に置くことにより、クエンチング
がなされた不活化剤とともに分離することができる。生物的に重要な分子と比べ
て質量が実質的に大きいビーズと結合したクエンチング部分は、遠心によって分
離可能である。さらに、これらの方法を実施例11に記載した親和性に基づく方法
と併用することもできる。1つの例においては、ビオチン分子と結合したクエン
チング剤を生物学的組成物(ウイルス的に不活化されたもの)に添加し、ウイル
ス不活化剤のクエンチングが起こるのに十分な時間おいておく。この生物学的組
成物に対して、ストレプトアビジンをコーティングした鉄含有ビーズを添加する
。続いて、生物学的組成物を磁場中に置いて生物学的組成物を第2の容器に移行
させることにより、クエンチングがなされた不活化剤を含む複合体全体が生物学
的組成物から分離される。
【0057】 もう1つの例においては、クエンチングがなされた不活化剤ならびにクエンチ
ング剤を透析によって除去することができる。透析の利点は、クエンチング剤が
分離部分と結合しているか否かにかかわらず、チオ硫酸またはチオリン酸分子な
どのクエンチング剤を、クエンチングがなされた不活化剤とともに分離できるこ
とである。一方、欠点は、本明細書に記載した他の分離方法とは異なり、不活化
剤およびクエンチング剤は透析によっては選択的に除去されないと考えられるこ
とである。
【0058】 本明細書で言及したすべての刊行物および特許は、それぞれの個々の刊行物ま
たは特許が参照として組み込まれるように明確かつ個別に示されている場合と同
程度に、参照として本明細書に組み入れられる。
【0059】その他の態様 以上の説明から、本発明を種々の用法および条件に適合させるために、本発明
に種々の変更および修正を加えられることは明らかであると考えられる。このよ
うな態様も添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、チオリン酸基を含む固相クエンチング剤の調製を示した
模式図である。
【図2】 図2は、複数のチオリン酸基を含む固相クエンチング剤の調製を
示した模式図である。
【図3】 図3は、固相支持体と共有結合したチオリン酸基を有するアジリ
ジノ化合物のクエンチングを示した模式図である。
【図4】 図4は、ホスホチオジエステルおよびホスホチオモノエステル基
を含む固相クエンチング剤によるオリゴエチレンイミンのクエンチングを示した
模式図である。
【図5】 図5は、固相クエンチング剤を用いたヒトCPD全血におけるエチレ
ンイミンダイマーのクエンチングを示したグラフである。
【図6】 図6は、チオホスホモノエステル基を含む固相クエンチング剤に
よるエチレンイミンダイマーのクエンチングを示したグラフである。
【図7】 図7は、チオホスホジエステルおよびチオホスホモノエステル基
を含む固相クエンチング剤によるエチレンイミンダイマーのクエンチングを示し
たグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW Fターム(参考) 4C087 AA01 AA05 DA06 DA08 NA07 ZA52

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の段階を含む、生物学的組成物の汚染物質を不活化する
    方法: (a)該生物学的組成物を、アジリジノ部分(aziridino moiety)を含む不活
    化剤と接触させる段階であって、該薬剤の一部が該汚染物質と反応してそれを不
    活化し、該薬剤の一部が反応せずに残るような段階、 (b)段階(a)の生成物を、共有結合によって該固相支持体と結合したクエン
    チング部分を少なくとも1つ含む固相支持体と、反応していない薬剤が該クエン
    チング部分と共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触させ
    る段階、ならびに (c)該固相支持体および該反応していない薬剤を該生物学的組成物から分離
    する段階であって、該反応していない薬剤が共有結合によって該固相支持体と結
    合しているような段階。
  2. 【請求項2】 下記の段階を含む、生物学的組成物の汚染物質を不活化する
    方法: (a)生物学的組成物を、アジリジノ部分またはそのハロ誘導体化塩を含む不
    活化剤と接触させる段階であって、該薬剤の一部が該汚染物質と反応してそれを
    不活化し、該薬剤の一部が反応せずに残るような段階、 (b)該不活化剤が該クエンチング部分と共有結合を生じるのに十分な条件下
    および時間にわたって、段階(a)の生成物を、クエンチング部分を含むクエン
    チング剤と接触させる段階、ならびに (c)該クエンチング剤および該クエンチングがなされた不活化剤を生物学的
    組成物から分離する段階。
  3. 【請求項3】 分離が透析の段階を含む、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 下記の段階を含む、生物学的組成物の汚染物質を不活化する
    方法: (a)該生物学的組成物を、アジリジノ部分を含む不活化剤と接触させる段階
    であって、該薬剤の一部が該汚染物質と反応してそれを不活化し、該薬剤の一部
    が反応せずに残るような段階、 (b)段階(a)の生成物をクエンチング剤と、該クエンチング剤が反応してい
    ない不活化剤のクエンチングを行ってそれと共有結合を生じるのに十分な条件下
    および時間にわたって接触させる段階、 (c)段階(b)の生成物を、共有結合によって該固相支持体と結合したアルデ
    ヒド部分を少なくとも1つ含む固相支持体と、クエンチングがなされた不活化剤
    が該アルデヒド部分と共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって
    接触させる段階、ならびに (d)(i)該固相支持体、(ii)該クエンチングがなされた不活化剤および(
    iii)該クエンチング剤を生物学的組成物から分離する段階であって、該不活化
    剤および該クエンチング剤が共有結合によって該固相支持体と結合しているよう
    な段階。
  5. 【請求項5】 固相支持体が少なくとも2mmol/gのアルデヒド部分を含む、
    請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 固相支持体が少なくとも100mmol/gのアルデヒド部分を含む
    、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 下記の段階を含む、生物学的組成物の汚染物質を不活化する
    方法: (a)生物学的組成物を、アジリジノ部分またはそのハロ誘導体塩(haloderiv
    ative salt)を含む不活化剤と接触させる段階であって、該薬剤の一部が該汚染
    物質と反応してそれを不活化し、該薬剤の一部が反応せずに残るような段階、 (b)段階(a)の生成物を、共有結合によって分離部分(separation moiety
    )と結合したクエンチング部分を含むクエンチング剤と、該不活化剤が該クエン
    チング部分と共有結合を生じるのに十分な条件下および時間にわたって接触させ
    る段階、ならびに (c)該分離部分、該クエンチング部分および該クエンチングがなされた不活
    化剤を生物学的組成物から分離する段階。
  8. 【請求項8】 下記の段階を含む、生物学的組成物からウイルス不活化剤を
    除去する方法: (a)該不活化剤を、分離部分と結合したクエンチング部分と接触させる段階
    、ならびに (b)該不活化剤、該クエンチング剤および該分離部分を生物学的組成物から
    除去する段階。
  9. 【請求項9】 クエンチング剤が、UV吸収性部分および蛍光性部分からなる
    群より選択されるレポーター部分をさらに含む、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 段階(a)が、不活化剤とクエンチング部分との間に共有結
    合が生じるのに十分な条件下および時間にわたって、該不活化剤を該クエンチン
    グ部分と接触させることを含む、請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 クエンチング部分がチオリン酸部分およびチオ硫酸部分から
    なる群より選択される求核性部分を含む、請求項1、2、7または8記載の方法。
  12. 【請求項12】 チオリン酸部分がオリゴヌクレオチド配列のヌクレオチド間
    結合の一部である、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 下記の段階を含む、生物学的組成物からウイルス不活化剤を
    除去する方法: (a)該不活化剤を、共有結合によって固相支持体と結合したクエンチング剤
    と接触させる段階、ならびに (b)該不活化剤、該クエンチング剤および該固相支持体を生物学的組成物か
    ら除去する段階。
  14. 【請求項14】 段階(a)が、不活化剤とクエンチング剤との間に共有結合
    が生じるのに十分な条件下および時間にわたって、該不活化剤を該クエンチング
    剤と接触させることを含む、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 クエンチング剤が求核性部分を含む、請求項4または13記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 クエンチング剤がチオリン酸部分またはチオ硫酸部分を含む
    、請求項4または13記載の方法。
  17. 【請求項17】 不活化剤がエチレンイミン、N-アセチルエチレンイミン、エ
    チレンイミンオリゴマー、エチレンイミンのハロ誘導体塩およびエチレンイミン
    オリゴマーのハロ誘導体塩からなる群より選択される、請求項1、2、4、7、8ま
    たは13記載の方法。
  18. 【請求項18】 不活化剤がN-アセチルエチレンイミンである、請求項17記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 生物学的組成物が哺乳動物全血、精製または部分精製された
    血液蛋白質、血球蛋白質、乳汁、唾液、血漿、多血小板血漿、濃縮血漿、血漿の
    何らかの画分からの沈殿物、血漿の何らかの画分からの上清、血清、凍結沈殿物
    、凍結上清、細胞可溶化物、哺乳動物培養細胞、哺乳動物培養上清、胎盤抽出物
    、発酵産物、血小板濃縮液、白血球濃縮液、精液、赤血球、およびトランスジェ
    ニック哺乳動物の体内で産生される組換え蛋白質含有組成物からなる群より選択
    される、請求項1、2、4、7、8または13記載の方法。
  20. 【請求項20】 生物学的組成物がヒト全血またはヒト血漿である、請求項19
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 汚染物質がウイルスである、請求項1、2、4または7記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 求電子剤のクエンチングの方法であって、該求電子剤を、共
    有結合によって固相支持体と結合したチオリン酸部分を少なくとも1つ含む固相
    支持体と、該求電子剤が該チオリン酸部分と共有結合を生じるのに十分な条件下
    および時間にわたって接触させることを含む方法。
  23. 【請求項23】 求電子剤がアジリジノ部分またはそのハロ誘導体塩を含む、
    請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 固相支持体が少なくとも2mmol/gのチオリン酸部分を含む、
    請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 固相支持体が少なくとも100mmol/gのチオリン酸部分を含む
    、請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 複数の該チオリン酸部分が、非置換型であるかまたはヒドロ
    キシル、アミノ、シアノおよびアジド基からなる群より独立に選択された1個か
    ら4個までの置換基を有する少なくとも1つのC1-12飽和または不飽和炭化水素骨
    格によって置換されている、請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 求電子剤のクエンチングの方法であって、該求電子剤を、分
    離部分と結合したチオ硫酸またはチオリン酸部分を含むクエンチング剤と、該求
    電子剤が該チオ硫酸またはチオリン酸部分との共有結合を生じるのに十分な条件
    下および時間にわたって接触させることを含む方法。
  28. 【請求項28】 求電子剤がアジリジノ部分またはそのハロ誘導体塩を含む、
    請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 求電子剤がエチレンイミン、N-アセチルエチレンイミン、エ
    チレンイミンオリゴマー、エチレンイミンのハロ誘導体塩およびエチレンイミン
    オリゴマーのハロ誘導体塩からなる群より選択される、請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 求電子剤がN-アセチルエチレンイミンである、請求項29記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 クエンチング剤が、UV吸収性部分および蛍光性部分からなる
    群より選択されるレポーター部分をさらに含む、請求項27記載の方法。
  32. 【請求項32】 分離部分がビーズ、樹脂、抗体およびビオチン分子からなる
    群より選択される、請求項7、8または27記載の方法。
  33. 【請求項33】 (a)分離部分、および (b)チオ硫酸またはチオリン酸部分 を含む化合物。
  34. 【請求項34】 分離部分がビーズ、樹脂、抗体およびビオチン分子からなる
    群より選択される、請求項33記載の化合物。
  35. 【請求項35】 UV吸収性部分および蛍光性部分からなる群より選択されるレ
    ポーター部分をさらに含む、請求項33記載の化合物。
  36. 【請求項36】 チオリン酸部分がオリゴヌクレオチド配列のヌクレオチド間
    結合の一部である、請求項33記載の化合物。
  37. 【請求項37】 不活化剤を生物学的組成物から除去するための、固相支持体
    と結合したクエンチング剤の使用。
  38. 【請求項38】 不活化剤を生物学的組成物から除去するための、クエンチン
    グ部分および分離部分を含む化合物の使用。
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