JP2002523347A - カルシウム塩を含有する制汗組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は効力が強化された制汗組成物を包含する。これらの組成物は、アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩と、水溶性カルシウム塩とを含み、どちらの塩も皮膚科的に許容可能な無水担体ビヒクル中に懸濁される。本発明はさらに、有効量の上記制汗組成物を皮膚に局所適用して、発汗を抑制または低減させる方法をも包含する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】発明の背景 本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩および水溶
性カルシウム塩を含む制汗組成物に関するものである。本発明はさらに、有効量
の上記制汗組成物を皮膚に局所適用することにより発汗を抑制する方法に関する
ものである。

【０００２】 アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩を含む制汗組成物は周
知であり、長年にわたって使用されている。そのような組成物の制汗効力を改良
するための努力が続けられてきた。現在、最も有効な制汗組成物は、無水担体中
に懸濁された、いわゆる「効力強化」アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコ
ニウム制汗塩を含んでいる。効力強化アルミニウムおよびアルミニウム−ジルコ
ニウム制汗塩は周知であり、例えば、ＧＢ２，０４８，２２９号およびＵＳ４，
７７５，６２８号明細書に記載されている。これらの塩は一般に、比較的希薄な
アルミニウム塩水溶液（例えば、約１０重量％）を加熱処理してそのＨＰＬＣピ
ーク４：ピーク３比を増大させ、アルミニウム−ジルコニウム塩が望ましい場合
にはジルコニウム塩を添加し、次いで、噴霧乾燥により粉末化して製造する。こ
れらの塩は、典型的には、０．７以上のＨＰＬＣピーク４：ピーク３面積比を有
し、アルミニウムの少なくとも７０％が上記ピークに含まれる。しかし、これら
の効力強化アルミニウムおよびアルミニウム−ジルコニウム塩を用いること以外
には、今日の制汗組成物の効力（すなわち、発汗抑制）を強化する方策を提供す
ることはできなかった。

【０００３】 ＵＳ２，５７１，０３０号明細書には、塩基性塩化アルミニウム(chlorhydrox
ide)よりも織物に対する劣化作用が少ない塩基性塩化アルミニウムカルシウム制
汗塩が開示されている。これらの塩は、炭酸カルシウムと、アルミニウムクロル
ハイドロキシドもしくは塩化アルミニウムおよびアルミニウム粉末とを反応させ
るか、またはアルミニウムクロルハイドロキシドに塩化カルシウム二水和物を添
加して製造する。この特許明細書には、制汗塩が、各１００重量部のアルミニウ
ムに対して０．２〜１５重量部のカルシウムを有してよいことが示唆されている
。これらの塩は、クリームエマルションを製造するために水性形態で用いられる
。

【０００４】 ＵＳ３，９７９，５１０号明細書には、ｐＨを高めるためのアルミニウム緩衝
剤を含むアルミニウム−ジルコニウム制汗組成物が開示されている。アルミニウ
ム緩衝剤には、水和硫酸アルミニウムマグネシウムなどの周知の制酸性錯体や、
水酸化アルミニウムと炭酸マグネシウムまたは炭酸カルシウムとの共沈殿物が含
まれる。例ＶＩＩＩおよびＸＩには、それぞれ０．６％および０．２％のカルシ
ウムを含むＡｌ−Ｚｒ塩錯体の製造法が記載されている。ＵＳ３，９９６，３４
６号明細書には、酸化亜鉛および水酸化カルシウムを含むがアルミニウム塩は含
まない脱臭および制汗組成物が開示されている。

【０００５】 ＵＳ３，９９８，７８８号明細書には、微量のアルカリ土類金属塩、特にカル
シウムもしくはマグネシウムまたはその両方、好ましくはマグネシウムを含むア
ルミニウム−ジルコニウム制汗錯体が開示されている。一般に、これらの錯体は
、３０〜１，０００重量部のアルミニウム＋ジルコニウムに対して１重量部のア
ルカリ土類金属を含んでいる。５〜１５％のアルミニウム＋ジルコニウム（およ
び１０〜３０％活性）を含む溶液は、約０．００１〜０．１％のアルカリ土類金
属を含んでいる。カルシウムを含む組成物は例示されていない。

【０００６】 ＵＳ４，０１７，５９９号明細書には、ヒドロキシアルミニウムグリシン塩や
、アルカリおよびアルカリ土類グリシン塩を含むアミノ酸の塩で緩衝したアルミ
ニウム−ジルコニウム制汗錯体が開示されている。この特許明細書には、ナトリ
ウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウムおよびカルシウムを含めた種々の
アルカリ塩が等しく適当であることが示唆されている。この特許明細書の例Ｖに
は、２．２４％のＡｌと、３１．２％のＺｒと、２８．６％のＢｒと、４．２６
％のグリシンと、１．１０％のＣａとを含む固体のアルミニウム−ジルコニウム
ヒドロキシブロミド錯体が記載されている。この塩は極めて低いＡｌ：Ｚｒ比を
有しているために、完全に現在のＦＤＡモノグラフの範囲外に置かれる。ＵＳ４
，０２１，５９６号には、マグネシウム塩を含む収斂性ジルコニウム組成物が開
示されており、そのような組成物は、酸化物として表して、約３０：１〜１：１
のジルコニウム：マグネシウム含量を有している。この特許明細書の例には、ア
ルミニウムまたはカルシウムを含む組成物は開示されていない。

【０００７】 ＣＡ１，０６７，２１５号明細書には、５〜２０％のステアリン酸マグネシウ
ムと、１〜５％の炭酸カルシウムと、０〜１％の鉱油と、０．１〜５％のグリシ
ンと、０．０１〜１％の脱臭剤と、２０〜７７．８％のアルミニウムクロルハイ
ドロキシドと、１〜１０％のカオリンと、１０〜４０％のコメデンプンと、０〜
３％の水と、０．００１〜１％の香料とを含む高効果(high pay-off)制汗スティ
ックが開示されている。この制汗スティックは、アルミニウム塩と鉱油との第１
ブレンドをつくり、コメデンプンと水との第２ブレンドをつくり、残りの成分の
第３ブレンドをつくり、次いで３種のブレンドを混合し、混合物をスティックと
して圧縮して製造する。

【０００８】 ＷＯ９６／１９２２８号明細書には、１０ｍＭ〜３，０００ｍＭの量中、局所
ビヒクル、皮膚刺激成分および抗刺激発生量の水溶性二価カルシウムカチオンを
含む局所組成物が開示されている。この刊行物には、一般に、サンスクリーン、
駆虫剤、シェービングクリーム、脱毛剤、シャンプー、パーマネントウェーブお
よびストレートヘア剤(hair straightener）製品、洗剤、医薬品、制汗剤および
脱臭剤製品、トローチ剤、うがい剤、座薬などを含めた多岐にわたる局所組成物
が提案されている。制汗組成物は例示されておらず、カルシウム塩の添加により
制汗組成物の効力を改良するという提案もなされていない。

【０００９】 ＵＳ５，３４６，６９４号明細書には、特定のｐＫ_３を有するゲル化剤安定剤
を含むゲルスティック形態の制汗組成物が開示されている。この安定剤は、ある
種のカルボン酸の塩基性金属塩であってよい。適当な塩形成カチオンとしては、
ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛が含ま
れる。好ましい塩は、安息香酸ナトリウムおよびカリウムならびにオクタン酸ナ
トリウムおよびカリウムである。ＵＳ５，５３４，２４６号明細書には、油相と
水相の屈折率がマッチしている清澄な油中水滴型制汗エマルションが開示されて
いる。多様な屈折率調整化合物が開示されており、そのうちの１種は塩化カルシ
ウムである。実施例５および６には、それぞれ、３２．９４％および３６．２５
％のアルミニウムクロロハイドレート(chlorohydrate)と、１１．９４％および
６．８８％の塩化カルシウムとを含む水溶液が開示されている。

【００１０】 ＵＳ５，６７６，９３６号明細書には、制汗塩がアルコール担体に懸濁されて
いるアルコール基制汗組成物が開示されている。制汗塩を添加する前に、アルコ
ール中に溶解防止剤を添合して、制汗剤がアルコールに溶解するのを阻止する。
溶解防止剤は、塩基性窒素官能基または塩基性酸素官能基を有する化合物であっ
てよい。塩基性窒素官能基を有する化合物としてはアミノ酸がある。塩基性酸素
官能基を有する化合物には、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムおよ
びマグネシウムの水酸化物などの無機塩基が含まれる。

【００１１】 Michniak, Int'l. J. Cosm. Sci. 第３巻，２９〜３６ページ（１９８１年）
は、ラットの脚のパッドテスト（rat foot pad test)を用いて汗の生成に対する
種々の多価カチオンの効果を記載している。塩化カルシウム溶液が発汗を促進す
ることが判明した。塩化カルシウムが、アルミニウム溶液、ランタン溶液および
ジルコニウム溶液の有効性を低減させることも判明した。

【００１２】 現在入手可能な制汗組成物より有効である、つなわち、より高度に発汗を抑制
する制汗組成物を提供することが極めて望ましい。

【００１３】発明の要旨 本発明は効力が強化された制汗組成物を包含する。これらの組成物は、アルミ
ニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩および水溶性カルシウム塩を含
み、どちらの塩も皮膚科的に許容可能な無水担体ビヒクル中に懸濁される。本発
明はさらに、有効量の上記制汗組成物を皮膚に局所適用することにより発汗を抑
制または低減させる方法を包含する。

【００１４】発明の詳細な説明 本発明の制汗組成物は、アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗
塩および水溶性カルシウム塩を懸濁した皮膚科的に許容可能な無水担体ビヒクル
を含む。制汗組成物中の制汗塩およびカルシウム塩の量は、広範なパラメータ範
囲内で変動してよいが、実質的に発汗を抑制または低減させる量、すなわち、発
汗低減有効量でなくてはならない。一般に、制汗組成物中のアルミニウムまたは
アルミニウム−ジルコニウム制汗塩の量は、約５〜約３０重量％、好ましくは約
８〜約２５重量％、の範囲内である。制汗組成物中の水溶液カルシウム塩の量は
、典型的には約０．５〜約１５重量％、好ましくは約１〜約１２重量％、最も好
ましくは約２〜約９重量％、の範囲である。

【００１５】 好ましいアルミニウム塩は、一般式Ａｌ_２（ＯＨ）_６−ａＸ_ａ〔式中、Ｘは、
Ｃｌ、Ｂｒ、ＩまたはＮＯ_３であり、ａは、（ＡｌとＸのモル比が約０．９：１
〜約２．１：１になるように）約０．３〜約５、好ましくは約０．８〜約２．５
、より好ましくは約１〜約２である〕を有するものである。これらの塩は一般に
、それらの塩と結合している典型的には塩１モル当たり１〜６モルのオーダーの
水和水を有している。アルミニウム塩がアルミニウムクロロハイドレート（すな
わち、上記式中、ＸがＣｌである）、特に、（上記式中、アルミニウムと塩素の
モル比が約１．９：１〜２．１：１になるように、ａが約１である）５／６アル
ミニウムクロロハイドレートであるのが最も好ましい。アルミニウムクロロハイ
ドレートは本明細書では「ＡＣＨ」と称される。

【００１６】 好ましいアルミニウム−ジルコニウム塩は、上述のアルミニウム塩と、式Ｚｒ
Ｏ（ＯＨ）_２−ｐｂＹ_ｂ（式中、Ｙは、Ｃｌ、Ｂｒ、Ｉ、ＮＯ_３またはＳＯ_４、
ｂは約０．８〜２、ｐはＹの原子価である）のジルコニウム塩との混合物または
錯体である。ジルコニウム塩も一般に、それらと結合している典型的には塩１モ
ル当たり１〜７モルのオーダーの水和水を有している。ジルコニウム塩は、式Ｚ
ｒＯ（ＯＨ）_２−ｂＣｌ_ｂ〔場合によって、Ｚｒ（ＯＨ）_４−ｂＣｌ_ｂで表され
る〕（式中、ｂは、約１〜２、好ましくは約１．２〜約１．９である）を有する
ジルコニルヒドロキシクロリドであるのが好ましい。本発明に包含されるアルミ
ニウム−ジルコニウム塩は、約２〜約１０のＡｌ：Ｚｒモル比、および約０．７
３〜約２．１、好ましくは約０．９〜１．５の金属：Ｘ＋Ｙ比を有する。好まし
い塩は、約２〜約１０のＡｌ：Ｚｒ比、約０．９〜約２．１の金属：Ｃｌ比を有
するアルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレート（すなわち、ＸおよびＹが
Ｃｌである）である。したがって、用語アルミニウム−ジルコニウムクロロハイ
ドレートには、トリ−、テトラ−、ペンタ−およびオクタ−クロロハイドレート
形態が包含されるものとし、アルミニウム−ジルコニウムテトラクロロハイドレ
ートが最も好ましい。アルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートは、本明
細書では「ＡＣＨ／ＺＨＣ」または「ＡＺＣＨ」と称される。一般に、アルミニ
ウム−ジルコニウム制汗塩は、典型的には約１のＺｒ：Ｇｌｙ比を与える量のグ
リシンなどの中性アミノ酸をさらに含んでいる。

【００１７】 本発明の組成物に用いるのに好ましいアルミニウムおよびアルミニウム−ジル
コニウム塩は効力強化型のものである。「効力強化塩」とは、１０％水溶液とし
て再構成したとき、アルミニウムの少なくとも７０％、好ましくは少なくとも８
０％が、便宜上ピーク３およびピーク４と表示される２つの連続ピーク内に含ま
れ、かつピーク４の下の面積とピーク３の下の面積の比率が少なくとも０．５、
好ましくは少なくとも０．７、より好ましくは少なくとも０．９またはそれ以上
である（例えば、本明細書に文献援用されるＵＳ５，３３０，７５１号明細書に
記載のような）ＨＰＬＣクロマトグラムを生成する制汗塩を意味する。特に好ま
しいのは、アルミニウムの少なくとも３０％、より好ましくは少なくとも４０％
がピーク４に含まれる塩である。ピーク３およびピーク４に存在するアルミニウ
ムは、フェロン試験(ferron test)で分析したときに、Ａｌ^ｂ型のものではなく
、Ａｌ^ｃ型のものでなければならない。効力強化アルミニウムクロロハイドレー
トは、本明細書では「ＡＣＨ」と称される。効力強化アルミニウム−ジルコニウ
ムクロロハイドレートは、本明細書では「ＡＣＨ／ＺＨＣ」または「ＡＺＣＨ」
と称される。

【００１８】 現在使用されている最も有効な制汗塩は、効力強化アルミニウム−ジルコニウ
ム塩であり、本発明の組成物はそのような塩を含んでいるのが好ましく、効力強
化アルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートを含んでいるのが最も好まし
い。さらに、そのような組成物は、最終組成物の適用美学を損なわずにＦＤＡガ
イドラインの範囲内に妥当に包含され得るような塩を最大量含んでいるのが理想
的である。したがって、本発明の組成物は、〔約１７〜２０％活性（ＵＳＰ）に
相当する〕約２０〜約２５重量％のアルミニウム−ジルコニウム塩を含んでいる
のが理想的である。しかし、本発明の組成物をエアゾールとして配合する場合、
現在、エアゾール組成物はジルコニウムの含有が許可されていないので、エアゾ
ール組成物は、アルミニウムクロロハイドレートを含有するのが好ましく、効力
強化アルミニウムクロロハイドレートを含有するのが最も好ましい。エアゾール
配合物中に典型的に含まれる制汗塩の量は、約３〜約１５重量％、好ましくは約
８〜約１２重量％である。

【００１９】 本発明の制汗組成物は、水溶性カルシウム塩をさらに含む。水溶性とは、室温
下に水中で有意な溶解度を有する塩、例えば、水１００ｍｌ当たり少なくとも１
ｇ、好ましくは水１００ｍｌ当たり少なくとも１０ｇ、最も好ましくは水１００
ｍｌ当たり少なくとも２５ｇの塩を意味する。好ましいカルシウム塩としては、
塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ギ酸
カルシウム，酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウ
ム、乳酸カルシウム、グリシン酸カルシウムおよびそれらの混合物が挙げられる
。より好ましいカルシウム塩は、塩化カルシウムと硝酸カルシウムであり、塩化
カルシウムが最も好ましい。組成物中の水溶性カルシウム塩の量は、典型的には
組成物の約０．５〜約１５重量％、好ましくは約１〜約１２重量％、最も好まし
くは約２〜約９重量％、を構成する。

【００２０】 本発明の制汗組成物は、制汗塩およびカルシウム塩が懸濁される皮膚科的に許
容可能な無水担体ビヒクルをさらに含む。無水担体ビヒクルとは、遊離水（すな
わち、制汗塩と結合している水和水を除く水）を実質的に含まない（すなわち、
２重量％未満、好ましくは１重量％未満、最も好ましくは０．１重量％未満の遊
離水を含む）ビヒクルを意味する。担体は低級アルカノールをいくらか含んでい
てもよいが、担体ビヒクルは、エタノールなどの低級アルカノールを実質的に含
まない（すなわち、２％未満、好ましくは１％未満、最も好ましくは０．１％未
満含む）のが好ましい。

【００２１】 無水担体ビヒクルは、局所制汗組成物の配合に一般的に用いられているいずれ
の成分を含んでいてよい。担体ビヒクルは１種またはそれより多いシリコーンを
含んでいるのが有利である。揮発性シリコーンは急速に蒸発し、さらっとした感
触を与える。揮発性シリコーンには、シクロメティコーンとしても知られている
、約３〜約７個のケイ素原子を有する環状ポリジメチルシロキサンや、ジメチコ
ーンとしても知られている、約２〜約８個のケイ素原子を有する線状ポリジメチ
ルシロキサンが含まれる。揮発性線状シリコーンは一般に５ｃｓｔ未満の粘度を
有しているのに対し、揮発性環状シリコーンは１０ｃｓｔ未満の粘度を有してい
る。揮発性シリコーンの混合物を用いると有利である。

【００２２】 非揮発性シリコーンを担体ビヒクル中に含めるのも、それらが皮膚を軟化させ
、つけたときに美感を与えるので有利であろう。非揮発性シリコーンは典型的に
は、約５〜約５００ｃｓｔ、好ましくは１０〜５０ｃｓｔの粘度を有し、ジメチ
コーンなどのポリアルキルシロキサンや、フェニルトリメチコーンなどのポリア
ルキルアリールシロキサンを包含する。非揮発性シリコーンは一般に揮発性シリ
コーンと組み合わせて用いられる。

【００２３】 担体ビヒクルは、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールなどの
多水酸基アルコール；鉱油および水素化ポリイソブテンなどのパラフィン族炭化
水素；ステアリルアルコールおよびミリスチルアルコールなどの脂肪族アルコー
ル；Ｃ_{１２−１５}アルコールベンゾエートおよびミリスチルオクタノエートなど
の脂肪族アルコールエステル；イソプロピルパルミテート、ミリスチルミリステ
ートおよびオクチルイソノナノエートなどの脂肪酸エステル；ジイソプロピルセ
バケートなどのジカルボン酸エステル；Stearamide MEAおよびLauramide DEAな
どの脂肪族アミド；PEG-40およびPPG-20などのポリエチレングリコールおよびポ
リプロピレングリコール；PPG-10ブタンジオール、PPG-5-Butech-7、PPG-3-Myre
th-およびSteareth-20などのＣ_４−２０アルコールのポリエチレンおよび／また
はポリプロピレングリコールエーテル；PEG-8 DistearateおよびＰＥＧ−１０Ｄ
ｉｏｌｅａｔｅなどのＣ_４−２０酸のポリエチレンおよび／またはポリプロピレ
ングリコールエステルをさらに含む。担体ビヒクルは、水素化ひまし油などのろ
う（ひまし油ろう）；１２−ヒドロキシステアリン酸（およびそのエステルおよ
びアミド）、グリセリルトリベヘネート、Ｎ−ラウロイル−Ｌ−グルタミン酸−
ジ−ｎ−ブチルアミドなどのＮ−アシルアミノ酸および２−ドデシル−Ｎ，Ｎ′
−ジブチルスクシンアミドなどのアルキルアミドなどのゲル化剤；粘土〔例えば
、カタニウム−１８ヘクトライト(quaternium-18 hectorite)〕およびシリカな
どの懸濁化剤、ならびにタルク、ポリオレフィンおよび改質コーンスターチなど
の充填剤をさらに含む。

【００２４】 上述の材料リストは例示に過ぎず、制汗組成物に有用なすべての可能な材料の
包括的リストを意図したものではない。当業者が、製造される発汗組成物の特定
の形態の望ましい適用および美学的特性をもたらす材料を選択し得ることは明ら
かである。本発明の制汗組成物は、エアゾール、ポンプスプレー、液体、ロール
オン、ローション、クリーム、ゲル、（硬質および軟質）スティックなどのよう
な局所組成物として容易に配合し得る。

【００２５】 本発明はさらに発汗を抑制または低減させる方法をも包含し、この方法は、有
効量の本明細書記載の制汗組成物を、使用者によりそのような発汗の低減が望ま
れるヒトの皮膚、好ましくはわきのしたに局所適用することにより発汗を抑制ま
たは低減させるものである。有効量とは、標準的な高温室熱効力プロトコルにし
たがって試験したときに、汗を少なくとも２０％、好ましくは少なくとも４０％
低減させる量、最も好ましくは、使用者が認識し得る程度まで発汗を低減させる
量である。適用される制汗組成物の量は、典型的には、配合物に応じてわきのし
た当たり約０．１〜約１．０ｇの範囲であるか、またはわきのした当たり約０．
０１〜約０．２５ｇの制汗活性を送出するような量である。

【００２６】 本発明を以下の例によりさらに説明するが、諸例において部および百分率は重
量に基づいている。これらの例のいずれにおいても、制汗塩は効力強化型のもの
であり、０．７を越えるＨＰＬＣピーク４：ピーク３面積比を有し、これらのピ
ーク３およびピーク４にアルミニウムの少なくとも８０％が含まれる。さらに、
塩化カルシウム二水和物は、（例えば、０．０８ｍｍのふるいと１２歯ローター
とを有するRetsch ZM100を用いて）使用前に微粉末に粉砕する。塩化カルシウム
を含む組成物は、塩化カルシウムを含まない類似組成物に比べて改良された熱効
力を示す。

【００２７】 例１〜５ − 液体制汗剤 以下に記載の成分および量を有する液体制汗組成物を製造する。これらの組成
物はいずれも、下記成分をシクロメチコーンに添加し、混合して均質な懸濁液を
形成することにより製造する。成分 重量％ 例１ 例２ 例３ 例４ 例５ シクロメチコーン(DC344) 74.50 73.50 66.90 60.50 59.85 Ａｌ−Ｚｒテトラクロロ 20.00 20.00 20.00 20.00 ハイドレート−グリシン アルミニウムクロロハイドレート 23.51 塩化カルシウム二水和物 1.00 2.00 8.60 15.00 8.59 カタニウム−18ヘクトライト 3.50 3.50 3.50 3.50 プロピレン 1.00 1.00 1.00 1.00 カーボネート タルク 4.95シリカ 3.10

【００２８】 例６〜８ − エアゾール制汗剤 下記の成分および量を有するエアゾール制汗組成物を製造する。これらの組成
物はいずれも、推進剤を除くすべての下記成分をシクロメチコーンに添加し、混
合して均質懸濁液を形成することにより製造する。次いで、懸濁液をエアゾール
缶に入れ、推進剤を加える。推進剤は、推進剤１５２ＡとＡ３１の１：２ブレン
ドである。成分 重量％ 例６ 例７ 例８ シクロメチコーン(DC344) 24.60 26.13 23.1 アルミニウムクロロ 9.65 9.65 9.65 ハイドレート 塩化カルシウム二水和物 3.53 2.00 5.00 タルク 2.03 2.03 2.03 シリカ 1.27 1.27 1.27推進剤 58.92 58.92 58.92

【００２９】 例９〜１２ − 固体スティック制汗剤 下記の成分および量を有する固体スティック制汗組成物を製造する。これらの
組成物はいずれも、（フラグランスを除く）すべての下記成分をシクロメチコー
ンと混合し、混合物を加熱してゲル化剤を溶解し、混合物を冷却して固体スティ
ックを形成することにより製造するが、フラグランスは冷却ステップ時に固化前
に添加する。成分 重量％ 例９ 例１０ 例１１ 例１２ シクロメチコーン(DC344) 41.12 36.32 46.20 48.30 Ａｌ−Ｚｒテトラクロロ 22.68 22.68 23.50 23.50 ハイドレート−グリシン 塩化カルシウム二水和物 3.50 8.30 5.70 4.40 ステアリルアルコール 15.53 15.53 13.50 15.20 ＰＰＧ−１０ブタンジオール 4.80 4.80 C_12-15アルコールベンゾエート 3.84 3.84 水素化ひまし油 2.84 2.84 3.00 3.00 ミリスチルミリステート 1.92 1.92 4.00 PEG-8ジステアレート 0.92 0.92 1.00 シリカ 1.80 1.80フラグランス 2.85 2.85 2.30 2.80

【００３０】 例１３〜１５ − クリーム制汗剤 下記の成分および量を有するクリーム制汗組成物を製造する。これらの組成物
はいずれも、制汗塩、カルシウム塩、シリカおよびフラグランスを除くすべての
成分を均一になるまで混合し、５０℃に加熱し、次いで、高せん断攪拌下に２０
分間混合することにより製造する。シリカを加え、均一になるまで混合し、混合
物をSenolatorせん断装置（直径０．００４インチの孔を介して５００ｐｓｉで
走行するソーニック社、Ａモデル）を通過させて粘度を増大させる。制汗塩およ
びカルシウム塩を加え、均一になるまで混合し、次いで、フラグランスを加え、
均一になるまで混合する。成分 重量％ 例１３ 例１４ 例１５ シリコーンラテックス(DC 2-9065) 54.54 54.54 54.54 ジメチコーン(DC 225) 10.00 10.00 9.31 シクロメチコーン(DC 344) 1.31 7.31 Ａｌ−Ｚｒテトラクロロ 25.00 23.50 23.50 ハイドレート−グリシン 塩化カルシウム（無水物） 6.50 2.00 10.00 トリヒドロキシステアリン 0.40 0.40 0.40 水和シリカ(Sylox2) 1.00 1.00 1.00フラグランス 1.25 1.25 1.25

【００３１】 本明細書全体を通して、ＨＰＬＣ分析への言及は、アルミニウムポリマー分布
のクロマトグラムが以下のようにして得られることを意味している：制汗塩を約
１０％の濃度で水に溶解させる。溶離剤として０．０１Ｍ水性硝酸溶液を用いて
Nucleosil 100-5（キーストン・スペシフィック社）を充填した４．６ｍｍ×５
０ｃｍのカラムを介して１．０μＬの試料をポンプ送液する。Ｗａｔｅｒｓ １
００ユニットで移動相の流速を０．５ｍｌ／分にコントロールする。ＨＰＬＣプ
ロフィールを記録し、ミリポア／ウォーターズ社のMillennium 2010 Chromatogr
aphy Managerソフトウェアを含むコンピュータシステムで処理する。屈折率検出
器としてWaters 410示差屈折計を用いる。左から右に向かって（高分子量から低
分子量に向かって）ＨＰＬＣプロフィールを読み取る。この方法に従うと、ピー
ク３およびピーク４はそれぞれ、Ｋｄ＝０．３２〜０．３８およびＫｄ＝０．４
９〜０．５３の保持時間で現れる。当然、異なるカラム材料、溶離剤および流速
を用いる他のＨＰＬＣ法を用いてよいことは勿論であるが、但し、許容可能な精
密度でピーク３および４を完全に分離することを条件とする（すなわち、その方
法は、Ａｌを５つの大きなピークに分離できなければならない）。そのような他
の方法では、上記のものと異なる保持時間にピーク３およびピーク４が出現し得
ることは明らかである。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年８月２８日（２０００．８．２８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｄ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ， ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，Ｍ Ｋ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 クリスティナ、エヌ．プロドウズ アメリカ合衆国マサチューセッツ州、ボス トン、イースト、サード、ストリート、 452 Ｆターム(参考） 4C083 AA122 AB172 AB211 AB212 AB221 AB222 AB271 AB341 AB342 AB432 AB442 AC072 AC182 AC271 AC301 AC302 AC332 AC342 AC352 AC402 AC581 AC582 AD151 AD152 AD172 AD641 CC17 DD08 DD11 DD23 DD31 DD41

Claims (21)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発汗低減有効量のアルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩と水
   溶性カルシウム塩とを懸濁した皮膚科的に許容可能な無水担体ビヒクルを含んで
   なる局所制汗組成物。
2. 【請求項２】 前記制汗塩が前記組成物の約５〜約３０重量％を構成し、前記カルシウム塩が
   前記組成物の約０．５〜約１５重量％を構成する、請求項１に記載の組成物。
3. 【請求項３】 前記制汗塩が前記組成物の約８〜約２５重量％を構成し、前記カルシウム塩が
   前記組成物の約１〜約１２重量％を構成する、請求項１に記載の組成物。
4. 【請求項４】 前記制汗塩がアルミニウムクロロハイドレートまたはアルミニウム−ジルコニ
   ウムクロロハイドレートを含む、請求項２に記載の組成物。
5. 【請求項５】 前記制汗塩が効力強化アルミニウムクロロハイドレートまたは効力強化アルミ
   ニウム−ジルコニウムクロロハイドレートを含む、請求項２または３に記載の組
   成物。
6. 【請求項６】 前記制汗塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、クエン酸
   カルシウム、ギ酸カルシウム，酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、アスコ
   ルビン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グリシン酸カルシウムおよびそれらの混
   合物からなる群から選択される、請求項４に記載の組成物。
7. 【請求項７】 前記カルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウムおよ
   びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項５に記載の組成物。
8. 【請求項８】 前記制汗塩が効力強化アルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートからな
   り、前記カルシウム塩が塩化カルシウムからなる、請求項３に記載の組成物。
9. 【請求項９】 前記制汗塩が、少なくとも０．７のＨＰＬＣピーク４：ピーク３面積比を有し
   、アルミニウムの少なくとも８０％が前記ピーク３およびピーク４に含まれる、
   請求項６に記載の組成物。
10. 【請求項１０】 前記効力強化制汗塩が少なくとも０．７のＨＰＬＣピーク４：ピーク３面積比
    を有し、アルミニウムの少なくとも８０％が前記ピーク３およびピーク４に含ま
    れる、請求項８に記載の組成物。
11. 【請求項１１】 前記担体ビヒクルが揮発性シリコーンを含む、請求項２、６または９に記載の
    組成物。
12. 【請求項１２】 前記担体ビヒクルが非揮発性シリコーンをさらに含む、請求項１１に記載の組
    成物。
13. 【請求項１３】 エアゾール、ポンプスプレー、液体、ロールオン、ローション、クリーム、ゲ
    ルまたはスティックの形態の請求項１１に記載の組成物。
14. 【請求項１４】 アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩と水溶性カルシウム塩
    とを懸濁した皮膚科的に許容可能な無水担体ビヒクルを含む発汗低減有効量の制
    汗組成物をヒトの皮膚に局所適用することを含んでなるヒトの皮膚からの発汗を
    低減させる方法。
15. 【請求項１５】 前記制汗塩が前記組成物の約５〜約３０重量％を構成し、前記カルシウム塩が
    前記組成物の約０．５〜約１５重量％を構成する、請求項１４に記載の方法。
16. 【請求項１６】 前記制汗塩が、効力強化アルミニウムクロロハイドレートまたは効力強化アル
    ミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートを含む、請求項１５に記載の方法。
17. 【請求項１７】 前記カルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、ク
    エン酸カルシウム、ギ酸カルシウム，酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、
    アスコルビン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グリシン酸カルシウムおよびそれ
    らの混合物からなる群から選択される、請求項１６に記載の方法。
18. 【請求項１８】 アルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム制汗塩を含む無水制汗組成物
    の制汗効力を強化する方法であって、前記組成物に水溶性カルシウム塩を添加す
    ることを含んでなる方法。
19. 【請求項１９】 前記制汗塩が前記組成物の約５〜約３０重量％を構成し、前記カルシウム塩が
    前記組成物の約０．５〜約１５重量％を構成する、請求項１８に記載の方法。
20. 【請求項２０】 前記制汗塩が、効力強化アルミニウムクロロハイドレートまたは効力強化アル
    ミニウム−ジルコニウムクロロハイドレートを含む、請求項１９に記載の方法。
21. 【請求項２１】 前記カルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、硝酸カルシウム、ク
    エン酸カルシウム、ギ酸カルシウム，酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、
    アスコルビン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グリシン酸カルシウムおよびそれ
    らの混合物からなる群から選択される、請求項２０に記載の方法。