JPH0621055B2 - 発汗抑制組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は発汗抑制組成物に関する。

多数の化合物が発汗抑制剤として有用であると報告され
ている。これらの中で、塩基性ハロゲン化アルミニウム
が最も良く知られている。しかしながら、発汗抑制活性
物質の種類により発汗抑制製品の有効性が最終的に決定
されるわけではない。発汗抑制活性物質の効果を最大限
にデリバリーし、毎日便利に使用され且つ感覚的に好ま
しいビヒクルを見出すことが重要である。

多くのビヒクルは、他の点では満足できるが発汗抑制物
質を許容し得る程度にデリバリーしないことが知見され
る。十分な発汗抑制効果を発揮する処方を開発する場合
には、発汗抑制活性物質の使用量を最少にするように処
方を改良することが望ましい。

発汗抑制活性物質、揮発性シリコーンからなる溶媒及び
ベントン(Bentone)38のような有機改質クレーからなる
分散剤を組合せてなる発汗抑制剤が公知である。この発
汗抑制剤はある程度発汗抑制物質をデリバリーするが、
効果を高めるべく活性物質をより多くデリバリーし得る
製品の開発が望まれている。

米国特許第 4,659,571号明細書(Luba)には、本質的には
有機親和性クレーと少なくとも１種の局所剤とからなる
圧縮粉末製剤が開示されている。前記局所剤にはアルミ
ニウムジルコニウムクロロハイドレックス−グリ(chlor
ohydrex-gly)のような発汗抑制剤も含まれ得る。有機親
和性クレーのBentone SD-1は第 9欄に記載されており、
表１には良好な結果を与えると記載されている。

本発明者らは、ホットルーム試験で測定したときに優れ
た効果をデリバリーする改良発汗抑制剤を知見した。こ
の改良された発汗抑制剤は、発汗抑制活性化合物と揮発
性シリコーンを含む溶媒と有機改質クレーのBentone SD
-1を含む分散剤とからなる。ホットルーム試験の結果、
分散剤としてBentone SD-1を揮発性シリコーン及び発汗
抑制活性物質とともに配合した発汗抑制剤の効果は、従
来の揮発性シリコーンをベースとする発汗抑制剤よりも
優れており且つ化粧品としては余り望ましくないが高い
活性を示す水をベースとする発汗抑制剤と同等であるこ
とが判明した。

本発明の発汗抑制組成物は、各種形態の発汗抑制製品中
に使用され得る。特に、組成物は、ロールオン、スティ
ック、エアゾル及ポンプ製品中に使用され得る。

本発明組成物に使用される発汗抑制活性物質は任意の公
知物質であり得る。通常、塩基性塩化アルミニウム及び
アルミニウムジルコニウムクロロハイドレートである。
典型的には、アルミニウム及びジルコニウム化合物はア
ストリンゼント塩(astringent salts)の形態にある。活
性物質がグリシンや他のアミノ酸と複合化されていても
よい。本発明で使用される活性物質の例には、アルミニ
ウム−ジルコニウムテトラクロロハイドレックス−グリ
シン、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレ
ート、アルミニウム−ジルコニウムテトラクロロハイド
レート、アルミニウム−ジルコニウムクロロハイドレッ
クス−ダリシン、アルミニウムセスキクロロハイドレー
ト、アルミニウムクロロハイドレート及び塩化アルミニ
ウムが包含される。

通常、発汗抑制活性物質は約10〜25重量％、好ましくは
約20〜25重量％存在する。高活性製品を得るべく活性物
質の量を最大限にすることが望ましい。優れた発汗抑制
作用を保持しながら製品に添加する活性物質の量を最小
限にすべくヒヒクルの良好なデリバリーを利用してもよ
い。

本発明の組成物に使用される溶媒は、ジメチルシロキサ
ン（ジメチコン）の環式ペンタマー及びテトラマーであ
る“揮発性シリコーン”として当業界で公知の溶媒であ
る。

環式ペンタマーは揮発性の点で環式テトラマーに比べて
やや劣る化合物である。揮発性シリコーンは、例えばDo
w ChemicalからDow 344 又はDow 345 シクロジメチコン
として、Union Carbide Corportionから揮発性シリコー
ン7207又は7158として市販されている。本発明の組成物
は通常40〜89重量％、好ましくは45〜80重量％、より好
ましくは50〜70重量％の揮発性シリコーンを含む。

本発明の組成物に使用されるクレーはBenton SD-1であ
り、これはNL Industries(P.O.Box 700，Hightstown,Ne
w Jersey 08520)から市販されている分散性の優れた有
機改質(organomodifidd)クレーである。Benton SD-1は
四級アンモニウム化合物での処理により改質されたクレ
ーである。クレー中のナトリウムイオンは、四級アンモ
ニウム化合物で置換されている。Benton SD-1は通常 1
〜10重量％、より好ましくは 5〜10重量％、特に好まし
くは 8〜10重量％使用される。

本発明の組成物中に多少の水が存在していてもよいが、
本発明の組成物は実質的に無水（即ち含水量 3％未満）
であるのが好ましい。より好ましくは、本発明の組成物
は本質的に無水（即ち含水量0.5％未満）である。水は
発汗抑制活性物質を溶解する傾向にあるので、本発明の
組成物は無水であるのが望ましい。このことから、揮発
性シリコーンを溶媒と呼称しているが、実際には活性物
質が組成物中に溶解しているのではなく組成物中に分散
していると理解されたい。

発汗抑制組成物中に通常配合されている他の成分を本発
明の組成物に配合してもよい。例えば、特にロールオン
製剤の場合には軟化油を 0〜25重量％、好ましくは 1〜
23重量％、より好ましくは 5〜20重量％存在させ得る。
軟化油としてはジプロピレングリコールメチルエーテル
が適当である。組成物が発汗抑制スティックの形態にあ
るときには、ステアリルアルコール又は他のワックスを
10〜20重量％使用し得る。スティックが最高45重量％、
好ましくは 1〜40重量％のタルクを含んでいてもよい。

本発明の組成物は、イソブタン又はブタンのようなプロ
ペラントを用いて希釈されるエアゾル濃縮物(aerosol c
oncentrate)の形態でもよい。エアゾルとして使用する
ときには、通常プロペラントで希釈して各成分の量が下
記の範囲内となるように調整する。

発汗抑制活性物質： 最高10重量％、好ましくは 1〜10重量％、より好ましく
は 5〜10重量％、特に 8〜10重量％ 揮発性シリコーン： 0.5〜25重量％、好ましくは10〜20重量％ Bentone SD-1： 1〜 5重量％、好ましくは 1〜 3重量％ 発汗抑制剤がエアゾルの形態にあるときには、通常活性
物質としてジルコニウム化合物は適当でない。

発汗抑制組成物の形態に関係なく、香料を最高1重量
％、好ましくは0.05〜1 重量％使用し得る。

以下、本発明の非限定的実施例を示す。

実施例１ 下記成分を混合撹拌することによって本発明の発汗抑制
ロールオン組成物を製造した。

重量％ Bentone SD-1有機クレー 10.0 (NL Industries) Dow 344シクロジメチコン(Dow) 52.5 Dowanol DPMジプロピレン グリコールメチルエーテル(Dow)15.0 Reach AZP-703ミクロZr−Al テトラクロロハイドレックス 22.5 (Reheis) 実験１ 実施例１のロールオン組成物と市販の高い性能を有する
ロールオン製品(Bristol Meyers'Ultra Ban Extra Stre
ngth Roll-on)の発汗抑制効果を、26名の（ひどい汗っ
かきと分類される）女性を対象にして標準の重量ホット
ルーム試験(standard gravimetric hot room tst)で比
較した。前記試験は本質的に、Federal Register,Octob
er 10,1978,PartIII,Dept.of HEW,Food & Drug Adminis
tration,Antiperspirant Dry Products for O-T-C huma
n use,establishment of a monograph,proposued rule
に記載されているガイドラインに従った。結果は次の通
りである。

実施例１の組成物及びUltra Ban発汗抑制剤は蓄汗(swea
r collected)の平均重量の点で有意な差はなかった。実
施例１の組成物とUltra Ban発汗抑制剤で得られた結果
を比較したところ、本発明組成物の高い有効性が証明さ
れた。また、実施例１の組成物は、シリコーンをベース
としているためUltra Banのような水をベースとする製
品でみられる水っぽさ／べとつき感がなく、化粧品とし
てもより好ましい。

実験２ 実施例１の組成物及び従来市販されている揮発性シリコ
ーンをベースとするロールオン製品について、本質的に
実験１に示したガイドラインに従って実施した重量ホッ
トルーム試験で比較した。市販製品にはBentone 38と実
施例１の組成物使用されている活性物質が同等量配合さ
れている。29名の女性を対象とし且つホットルームの湿
度を50％とした以外実験１と同様にして実施した。結果
は次の通りである。

蓄汗の平均重量から、本発明のBentone SD-1含有ロール
オン製品は従来の製品に比べて高い効果を有することが
判明した。

本明細書に記載した実施例は本発明を説明するためのも
のであり、本発明の範囲を逸脱しない限り各種変更が可
能である。

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】発汗抑制活性化合物10〜25重量％と、ジメ
   チコンの環式テトラマー及びペンタマーから選択された
   揮発性シリコーン流体40〜89重量％と、四級アンモニウ
   ム化合物での処理により改質されたクレー分散剤 1〜10
   重量％とからなることを特徴とする発汗抑制組成物。
2. 【請求項２】発汗抑制活性物質がアストリンゼント塩の
   形態のアルミニウム化合物及びジルコニウム化合物から
   選択される請求項１記載の組成物。
3. 【請求項３】発汗抑制活性物質が塩基性ハロゲン化アル
   ミニウム化合物及びアルミニウムジルコニウムテトラク
   ロロハイドレックス−グリシンから選択される請求項１
   または２記載の組成物。
4. 【請求項４】発汗抑制活性物質を組成物の20〜25重量％
   含む請求項１〜３のいずれかに記載の組成物。
5. 【請求項５】揮発性シリコーン流体を組成物の45〜80重
   量％含む請求項１〜４のいずれかに記載の組成物。
6. 【請求項６】四級アンモニウム化合物での処理により改
   質されたクレーを組成物の 5〜10重量％含む請求項１〜
   ５のいずれかに記載の組成物。
7. 【請求項７】更に軟化油を 0〜25重量％含む請求項１〜
   ６のいずれかに記載の組成物。
8. 【請求項８】ロールオンローションの形態にある請求項
   １〜７のいずれかに記載の組成物。
9. 【請求項９】発汗抑制スティックの形態にある請求項１
   〜７のいずれかに記載の組成物。
10. 【請求項１０】エアゾル濃縮物の形態にある請求項１〜
    ７のいずれかに記載の組成物。
11. 【請求項１１】エアゾル濃縮物を更にプロペラントで希
    釈して、組成物の 1〜10重量％の発汗抑制活性物質と組
    成物の 5〜25重量％の揮発性シリコーン流体と組成物の
    1〜 5重量％の四級アンモニウム化合物での処理により
    改質されたクレーを含むエアゾル組成物を提供する請求
    項10記載の組成物。
12. 【請求項１２】更に10〜20重量％のワックスを含む請求
    項１〜１１のいずれかに記載の組成物。
13. 【請求項１３】ワックスがステアリルアルコールである
    請求項１２記載の組成物。
14. 【請求項１４】更に 1〜40重量％のタルクを含む請求項
    １〜１３のいずれかに記載の組成物。