JP2004520416A - 固体で、カプセル封入されたd−パントテン酸塩を含有する無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物 - Google Patents
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Abstract
約0.1重量%〜約30重量%の腋窩活性物質(underarm active)(制汗剤活性物質及び/又は防臭剤活性物質);約0.01重量%〜約10重量%のパントテン酸塩カルシウムのような固体で、カプセル封入された水溶性のd−パントテン酸塩;約0.1重量%〜約40重量%の懸濁剤;及び約10重量%〜約99重量%の無水キャリア液を含む無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物を開示する。腋窩、特に剃毛した腋窩に対しての腋窩活性物質及び固体パントテン酸塩の局所適用を通して、発汗による湿気及び/又は臭気を制御する方法も開示する。この無水の組成物は皮膚に対して低刺激であり、特に時折又は日常的な腋窩の剃毛による刺激及び損傷等の際の、刺激又は損傷を受けた腋窩皮膚の鎮静化又は治癒を助けることができる。
Description
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2001年3月5日に出願された米国特許出願番号09/799,367号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、無水マトリックス中の固体でカプセル封入されたd−パントテン酸塩を含有する無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に関する。本組成物は、創傷治癒の改良及び皮膚刺激の減少等、皮膚の健康利益を提供する。
【背景技術】
【0003】
数多くの制汗剤製品及び防臭剤製品が、腋窩の発汗による湿気及び臭気を制御あるいは抑制するのに用いられることは既知である。これらの製品は、固体スティック、軟固体又はクリーム、回転塗布液体及びエアゾール又は非エアゾールスプレー等、様々な製品形態で入手可能である。しかしながら、これらの製品のほとんどはアルミニウム塩及び/又はジルコニウム塩、懸濁剤又は濃厚化剤、及び好適な液体キャリア等の制汗剤活性物質を含有するベース配合を有する点が類似している。
【0004】
制汗剤製品及び防臭剤製品は、特に消費者が腋窩を剃毛し、剃毛した領域に制汗剤製品及び防臭剤製品を適用することにおいて、腋窩皮膚への刺激を鎮静化及び最少化するのを助ける物質を含むように配合され得る。剃毛プロセスは腋窩皮膚を刺激し損傷する可能性があり、そのような理由から、制汗剤製品及び防臭剤製品は、アロエ、アラントイン、パントテン酸及びこれに関連する物質等の物質と時折配合され、皮膚刺激及び皮膚損傷等を最少化又は治癒する。パントテン酸及び類似の他の物質は、制汗剤製品及び防臭剤製品を包含する様々なパーソナルケア製品において創傷治癒剤として使用され得ることは周知である。
【0005】
パントテン酸及びこれに関連する物質は水性の制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質と配合され得、適用される皮膚の領域に創傷治癒及び皮膚鎮静化利益を提供する。これらの皮膚鎮静化物質の例は、パントテン酸及びパントテン誘導体、並びにd−パンテノール、dl−パンテノール、及びパントテン酸カルシウムのようなパントテン酸塩が包含される。パントテン酸塩は特に、制汗剤活性物質及び防臭剤活性物質と組み合わせる場合であっても創傷治癒及び皮膚鎮静化利益を提供するのに有用である。これらの非常に好ましいパントテン酸塩は、無水若しくは水性の制汗剤製品マトリックスのどちらかに配合され、その際この塩は水又は他の溶媒によって該製品マトリックス中に可溶化される。可溶化塩を含有する製品マトリックスは皮膚の所望な領域に適用されるため、この可溶化塩は適用された表面に広がる又は流れるのを可能とし、従って、適用された域内の皮膚においていずれかの刺激された領域を鎮静化又は治癒するのを助ける。
【0006】
無水の制汗剤製品及び防臭剤製品は固体分散粒子としてパントテン酸塩と配合され得、さらに皮膚の腋窩域、特に剃毛によって刺激又は損傷された腋窩皮膚の鎮静化及び治癒効果を提供することが分かっている。固体パントテン酸塩は腋窩の汗又は他の湿気に容易に溶解し、それによってこの固体が適用後に溶解すると考えられている。製品マトリックスが腋窩領域に適用されると、固体のパントテン酸塩は皮膚の汗又は他の湿気中に溶解し、腋窩の適用表面に流出又は拡大し、従って、腋窩におけるいずれかの皮膚刺激又は創傷、特に腋窩の剃毛によって創傷又は刺激を受けた皮膚を鎮静化、治癒又は緩和するのを助ける。製品適用後までパントテン酸塩の溶解を延長することで、これらの固体粒子は、適用前の製品マトリックス中でのアルミニウム及びジルコニウム制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質との相互作用を含む、適用前の製品マトリックス中での他の物質との相互作用が溶解された粒子より少ないとも考えられる。
【0007】
パントテン酸塩は加工中及び保存中に組成物中の制汗剤活性物質又は他の成分との反応性があり得ることも分かっている。この種の反応を最少化するのに、パントテン酸塩がカプセル封入されるか又はさもなければ実質的に制汗剤活性物質又は組成物と反応する他の成分から分離されることが可能であることが分かっている。カプセル封入又は分離は、いずれかのカプセル封入物質又はパーソナルケア製品に使用する既知の方法又はさもなければ好適な方法によって達成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は、刺激を受けた腋窩皮膚、特に剃毛によって刺激又は損傷を受けた腋窩皮膚を鎮静化又は治癒する物質を含有する新規な無水の制汗剤組成物又は防臭剤組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、無水の制汗剤マトリックス及び防臭剤マトリックス中の分散粒子としての固体パントテン酸塩、特に固体パントテン酸カルシウム塩を含有する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、約0.1重量%〜約30重量%の制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質;約0.01重量%〜約10重量%の固体であって、カプセル封入された水溶性のd−パントテン酸塩;約0.1重量%〜約40重量%の懸濁剤;及び約10重量%〜約99重量%の無水キャリア液を含む無水の制汗剤組成物又は防臭剤組成物を指向する。無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、特に剃毛後の腋窩に適用される際に、皮膚に対して低刺激であり、皮膚鎮静化又は治癒利益を提供する。
【0010】
d−パントテン酸塩は無水の制汗剤組成物又は防臭剤組成物中の固体粒子として配合され得、及びさらに腋窩への優れた皮膚鎮静化利益及び皮膚治癒利益を提供することが分かっている。固体のd−パントテン酸塩は制汗剤製品及び防臭剤製品中に溶解するパントテン酸塩の使用に関して、成分の非相溶を最少化するのを助けると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、必須成分として、制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質、固体のd−パントテン酸塩、懸濁剤、及び無水の液体キャリアを含む。本発明のこれらの各必須成分は、後に詳細に記載される。
【0012】
本明細書で使用される用語「無水の」とは、本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物、及びその必須成分又は任意成分が実質的に添加水又は遊離水を含まないことを意味する。配合の観点から、これは、本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物が好ましくは、配合前のいずれかの粒子状固体に典型的に結合している水和物水以外に、約5重量%未満、さらに好ましくは約3重量%未満、よりさらに好ましくは約1重量%未満、最も好ましくはゼロパーセントの遊離水又は添加水を含有することを意味する。
【0013】
特に記載のない限り、本明細書で参照される全融点値は、周知の示差走査熱量計(DSC)技術に従って測定及び決定される。種々の物質の融点値を決定するDSC技術の例は、米国特許第5,306,514号(レットン(Letton)ら)に記載されており、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0014】
本明細書で使用される用語「周囲条件」とは、特に指示がない限り、約1気圧、約50%の相対湿度及び約25℃のもとでの周囲の条件を言う。本明細書に記載された全ての値、量及び測定は、特に明記しない限り、周囲条件下で得られる。
【0015】
本明細書で使用される用語「揮発性」とは、25℃で測定可能な蒸気圧を有する物質を言う。このような蒸気圧は、通常では約0.01mmHg〜約6mmHg、さらに通常では約0.02mmHg〜約1.5mmHgの範囲であり、1気圧(atm)で約250℃未満、さらに通常では1気圧で約235℃未満の平均沸点を有する。逆に、用語「非揮発性」とは、本明細書で定義するような「揮発性」ではない物質を言う。
【0016】
本明細書で使用される用語「皮膚温」とは、一般的に約37℃の典型的な体温又はそれよりやや低い脇の下域の皮膚の体温を言う。
【0017】
本明細書で使用される用語「水溶性」とは、本明細書に記載される水溶性皮膚活性化剤を包含し、37℃さもなければ周囲条件において脱イオン水に溶解され得、少なくとも0.1重量%の溶解物質、好ましくは少なくとも約0.5重量%の溶解物質を含有する水溶液を形成する物質を言う。
【0018】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び限定、並びにかかる組成物で使用するのに周知の、又はさもなければ有効ないかなる追加成分又は任意成分、構成成分、又は限定を含むか、これらよりなるか、又は本質的にこれらよりなることができる。
【0019】
全ての百分率、割合、及び比率は、特に指定しない限り、全組成物の重量を基準とする。特に指定しない限り、列挙した成分に関連する重量は、全て具体的な成分のレベルを基準としたものであり、従って市販の物質に包含されていることのある溶媒、キャリア、副生成物、充填剤、又はその他の微量成分は包含されない。
【0020】
(制汗剤活性物質)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、ヒトの皮膚への適用に好適な腋窩活性物質(underarm active)を含む。制汗剤活性物質及び/又は防臭剤活性物質となり得るこの腋窩活性物質の濃度は、選択される無水の配合から発汗による所望な湿気又は臭気制御を提供するのに十分であるべきである。
【0021】
本発明の無水の制汗剤の実施形態は好ましくは、組成物の約0.1重量%〜約30重量%、さらに好ましくは約5重量%〜約30重量%の濃度範囲で制汗剤活性物質を含む。これらの重量百分率は、水、及び、グリシン、グリシン塩、又は他の錯化剤等のあらゆる錯化剤を除く無水の金属塩に基づいて計算される。制汗剤活性物質は好ましくは分散固体粒子として、可溶化されるか又は固体であり得る。組成物中で配合される場合、制汗剤活性物質は約100μm未満、好ましくは約1μm〜約40μmの好ましい平均粒径又は直径を有する分散粒子状の固形物の形態が好ましい。
【0022】
本発明の無水の制汗剤の実施形態で使用するための制汗剤活性物質には、制汗活性を有するいずれかの化合物、組成物又はその他の物質が挙げられる。好ましい制汗剤活性物質には、収れん性金属塩、特にアルミニウム、ジルコニウム、及び亜鉛の無機塩及び有機塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。特に好ましくは、ハロゲン化アルミニウム、アルミニウムクロロヒドレート、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、オキシハロゲン化ジルコニル、ヒドロキシハロゲン化ジルコニル、及びそれらの混合物等の、アルミニウム含有塩及び/又はジルコニウム含有塩又は物質である。
【0023】
本発明における無水の制汗剤の実施形態において好ましいアルミニウム塩は、次の式に一致するものが挙げられる:
Al2(OH)aClb・xH2O
式中、aは約2〜約5であり、aとbの合計は約6であり、xは約1〜約6であり、ここでa、b、及びxの値は非整数の場合もあり得る。特に好ましいのは、a=5である「5/6塩基性クロロヒドロキシド」、及びa=4である「2/3塩基性クロロヒドロキシド」と呼ばれるアルミニウムクロロヒドロキシドである。アルミニウム塩を調製する過程は、米国特許第3,887,692号(ギルマン(Gilman)、1975年6月3日発行);米国特許第3,904,741号(ジョーンズ(Jones)ら、1975年9月9日発行);米国特許第4,359,456号(ゴズリング(Gosling)ら、1982年11月16日発行);及び英国特許明細書2,048,229(フィツジェラルド(Fitzgerald)ら、1980年12月10日発行)に開示されており、それら全ては本明細書に参考文献として組み込まれる。アルミニウム塩の混合物は英国特許明細書1,347,950(シン(Shin)ら、1974年2月27日発行)に記載されており、この記載も又本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0024】
本発明の無水の制汗剤の実施形態において好ましいジルコニウム塩は、次の式に一致するものが挙げられる:
ZrO(OH)2-aCla・xH2O
式中、aは約1.5〜約1.87であり;xは約1〜約7であり;a及びxの値は両者とも非整数の場合もあり得る。これらのジルコニウム塩は、1975年8月4日発行のシュミッツ(Schmitz)のベルギー特許825,146に記載されており、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。特に好ましいジルコニウム塩は、アルミニウム及びグリシンを付加的に含有し、通常ZAG錯体として知られている錯体である。これらのZAG錯体は、上述の式に適合するアルミニウムクロロヒドロキシド及びジルコニウムヒドロキシクロリドを含有する。このようなZAG錯体は、1974年2月12日発行のレダーズ(Luedders)らの米国特許第3,679,068号、1985年3月20日発行のカラグハン(Callaghan)らの英国特許出願第2,144,992号、及び1978年10月17日発行のシェルトン(Shelton)の米国特許第4,120,948号に記載されており、これらは全て本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0025】
組成物中に使用するのに好適な制汗剤活性物質としては、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイドレックスプロピレングリコール錯体、アルミニウムジクロロハイドレックスプロピレングリコール錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレックスプロピレングリコール錯体、アルミニウムクロロハイドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムジクロロハイドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスグリシン錯体、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシン錯体、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレックスグリシン錯体、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレックスグリシン錯体、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム緩衝物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
(抗菌防臭剤活性物質)
本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、制汗剤活性物質に加えて又はその代わりに、抗菌防臭剤物質の形態での腋窩活性物質(underarm active)とも配合され得る。組成物中の防臭剤活性物質の濃度は、組成物の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、よりさらに好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の範囲であり得る。これらの防臭剤活性物質には、ヒトの皮膚に局所適用するのに好適な、いずれかの既知の又はさもなければ安全且つ効果的な抗菌防臭剤活性物質を包含し、これは発汗に伴う悪臭の防止又は除去に効果的である。
【0027】
本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用するのに好ましい抗菌防臭剤活性物質の非限定的な例には、セチルトリメチル臭化アンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジル塩化アンモニウム、N−ラウリルサルコシンナトリウム、N−パルメチルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、N−ラウリルサルコシンカリウム、トリメチル塩化アンモニウム、クロロヒドロキシ乳酸アルミニウムナトリウム、クエン酸トリエチル、トリセチルメチル塩化アンモニウム、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、L−リシンヘキサデシルアミドのようなジアミノアルキルアミド、並びにクエン酸、サリチル酸、及びピロクトース(piroctose)の重金属塩、特に亜鉛塩、及びその酸、ピリチオンの重金属塩、特にピリチオン亜鉛、フェノール硫酸亜鉛、ファルネソール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいのは、トリクロサン、トリクロカルバン、及びこれらの組み合わせである。
【0028】
本明細書において使用するのに好適な他の防臭剤活性物質は、米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)に記載されており、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0029】
(D−パントテン酸塩)
本発明の無水の制汗剤組成物は、組成物中に懸濁するか又はさもなければ完全に分散する固体粒子を含み、ここで該固体粒子は水溶性であって、組成物内で固体粒子形態をとるカプセル封入されたd−パントテン酸塩である。本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用される固体のd−パントテン酸塩は、このパントテン酸塩が組成物中で固体粒子形態であるという前提でいずれかのd−パントテン酸の塩又はいずれかのd−パントテン酸誘導体の塩を包含することができる。
【0030】
本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物中で使用するd−パントテン酸塩は、組成物中でカプセル封入される。いずれかのカプセル封入物質又は組成物中の他の反応性成分からd−パントテン酸塩をカプセル封入する又は実質的に分離する既知の方法又はさもなければ好適な方法が使用できる。いずれかのカプセル封入物質又は分離物質、又はパーソナルケア成分と共に使用する既知の方法又はさもなければ好適な方法は、組成物中のd−パントテン酸塩に所望のカプセル封入を提供するのに使用され得る。
【0031】
d−パントテン酸塩は、本明細書で記載されるように、制汗剤活性物質成分の存在下において、最も典型的にはアルミニウム含有制汗剤活性物質の存在下において処方される際に反応し得ることが分かっている。カプセル封入は、加工及び保存中にd−パントテン酸塩が制汗剤活性物質と反応するのを保護するのに役立つが、その後腋窩への局所適用後に適切な時間で製品マトリックスから塩の放出を可能とするべきである。この活性物質の放出は、湿気又は汗の接触のような事象によって活発となる際、又は製品マトリックスの剪断力が腋窩に適用される際に最も有用である。
【0032】
好ましいカプセル封入物質又はカプセル封入方法にはデンプンカプセル封入が挙げられるが、他の多くのカプセル封入物質又はカプセル封入方法も使用され得る。カプセル封入物質には種々のタンパク質、ゼラチン、カゼイン塩類、ヒドロコロイド類、デキストリン類及びマルトデキストリン類、デンプン及び変性デンプン、糖類、寒天、又はいずれかの他の既知のカプセル封入物質が挙げられる。
【0033】
カプセル封入物質を除外した固体d−パントテン酸塩の濃度は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約1.0重量%の範囲である。
【0034】
本発明の無水の組成物に使用されるd−パントテン酸塩は、周囲条件のもとで組成物中に固体粒子の形態で存在しなければならず、及び本明細書で定義されるように水溶性でもなければならない。組成物中のこれらの固体粒子は、好ましくは約3μm〜約100μm、より好ましくは約5μm〜約40μmの平均粒径を有する。
【0035】
d−パントテン酸塩は純d−鏡像体の形態で入手及び使用されて良く、又はd−lラセミ混合物の一部分として使用されてもよいが、これらの物質によって可能となる皮膚鎮静化及び皮膚治癒利益の大部分又は全ては、比較的に不活性なl−鏡像体よりもd−鏡像体から由来すると考えられる。
【0036】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用される好ましいパントテン酸塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、及びこれらの混合物が挙げられる。最も好ましいのはパントテン酸カルシウムである。
【0037】
(懸濁剤)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、所望の粘度、レオロジー、組織及び/又は製品硬度を有する組成物を提供する助けとして、又はいずれかの分散固体又は液体を組成物中に懸濁する助けとして、固体の懸濁剤又は濃厚化剤を含む。
【0038】
本明細書で使用される用語「懸濁剤」とは、特に指示されない限り、組成物に懸濁、ゲル化、増粘、固化及び/又は濃厚化特性を与えるのに有効であるか、又はさもなければ最終製品形態に構造を提供するいかなる物質も意味する。これらの懸濁剤には、ゲル化剤、及びポリマー性又は非ポリマー性又は無機の濃厚化剤又は増粘剤が挙げられる。そのような物質は、典型的には周囲条件で固体であり、有機固体、シリコーン固体、結晶又はその他のゲル化剤、粘土又はシリカのような無機粒子、又はそれらの組み合わせを包含する。
【0039】
制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用するのに選択される懸濁剤の濃度及び種類は、所望の製品硬度、レオロジー、配合(例えば、制汗剤配合又は防臭剤配合)及び/又は他の関連する製品特性に依存して変動する。本明細書に用いるのに好適なほとんどの懸濁剤について、全懸濁剤濃度は、組成物の約0.1重量%〜約40重量%、より典型的には約0.1重量%〜約35重量%の範囲である。懸濁剤濃度は、液体実施形態(例えば、エアゾール、回転塗布剤等)に対しては低くなり、半固体(例えば、軟固体又はクリーム)又は固体スティック実施形態に対しては高くなる傾向がある。
【0040】
好適な懸濁剤の非限定的な例としては、硬化ヒマシ油(例えばカストロワックス(Castorwax)MP80、カストロワックス(CastorWax)等)、脂肪族アルコール類(例えば、ステアリルアルコール)、固体パラフィン類、トリグリセリド類及び他の類似の固体懸濁エステル類又は他の微晶性ワックス類、シリコーン及び変性シリコーンワックス類が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な任意の懸濁剤の非限定的な例には、米国特許第5,976,514号(ガスキー(Guskey)ら)、米国特許第5,891,424号(ブレッツラー(Bretzler)ら)に記載されており、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0041】
他の好適な懸濁剤には、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の濃度範囲のシリコーンエラストマー類が挙げられる。本明細書の懸濁剤として使用するのに好適なかかるシリコーンエラストマー物質の非限定的な例は、米国特許第5,654,362号(シュルツ,ジュニア.(Schulz,Jr.)ら);米国特許第6,060,546号(パウエル(Powell)ら)及び米国特許第5,919,437号(リー(Lee)ら)に記載されており、これらの記載は本明細書中に参考文献として組み込まれる。
【0042】
本発明の防臭剤実施形態で使用されるのに好適な懸濁剤の非限定的な例としては、ステアリン酸ナトリウムのような脂肪酸塩及び米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)に記載されるような他の類似する物質が挙げられ、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0043】
(無水キャリア液)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、組成物の約10重量%〜約99重量%、好ましくは約20重量%〜約70重量%の濃度範囲で無水キャリア液を含む。このような濃度は、製品形態、所望な製品硬度、組成物中の他成分の選択等の可変物に依存して変動する。組成物に使用される無水キャリア液は、パーソナルケア適用に使用するのに既知であるか、さもなければ皮膚への局所適用に好適であるいずれかの無水の液体であり得る。
【0044】
無水キャリア液体は、好ましくは揮発性シリコーン液を含み、これには環状、直鎖及び/又は分枝鎖シリコーン類を包含してもよい。本発明の制汗剤組成物における揮発性シリコーンの濃度は、組成物の約5重量%〜約80重量%、好ましくは約20重量%〜約60重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%の範囲で好ましく変動する。揮発性シリコーンは好ましくは、約3〜約7、さらに好ましくは約5〜約6のケイ素原子を有する環状シリコーンである。最も好ましいのは、次式に一致するものである:
【0045】
【化1】
式中、nは約3〜約7、好ましくは約5〜約6、最も好ましくは5である。これらの揮発性の環状シリコーン類は一般に約10センチストーク未満の粘度を有する。本明細書に用いるのに好適な揮発性シリコーンには、シクロメチコンD5(G.E.シリコーンズ(G.E.Silicones)から市販されている);ダウ・コーニング344、及びダウ・コーニング345(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から市販されている);並びにGE7207、GE7158及びシリコーン液SF−1202及びSF−1173(ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Co.)から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な揮発性シリコーン類の非限定的な例は、トッド(Todd)らの「化粧品用揮発性シリコーン流体(Volatile Silicone Fluids for Cosmetics)」、コスメティクス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)、91:27−32(1976年)に記載され、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0046】
無水の液体キャリアは、不揮発性シリコーン液を含んで良く、好ましい濃度は組成物の約1重量%〜約35重量%、より好ましくは約5重量%〜約30重量%の範囲である。不揮発性シリコーンキャリアは好ましくはヒトの皮膚温以下で液体であるか、又はさもなければ、局所適用の間又は直後、無水の制汗剤組成物の中で液体の形態である。好ましいのは、次式のいずれかに一致する不揮発性の液状シリコーン類である:
【0047】
【化2】
式中、nは、周囲条件下で測定した場合約100,000センチストークまでの、好ましくは約500センチストーク未満の、さらに好ましくは10センチストーク〜約200センチストーク、よりさらに好ましくは10センチストーク〜約50センチストークの粘度を提供するのに十分大きい。好適な非揮発性の直鎖シリコーンキャリア類の具体的な非限定的な例には、ダウ・コーニング200、ヘキサメチルジシロキサン、ダウ・コーニング225、ダウ・コーニング1732、ダウ・コーニング5732、ダウ・コーニング5750(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から入手可能);並びにSF−96、SF−1066及びSF18(350)シリコーン液(G.E.シリコーンズ(G.E.Silicones)から入手可能)が挙げられる。
【0048】
パーソナルケア製品に使用されることで知られる多くの他のキャリア液は、制汗剤組成物中で、単独又は本明細書でより詳細に記載されるキャリア液と組み合わせて使用され得る。このような他の多くのキャリア液は、米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)及び米国特許第5,968,489号(スワイル(Swaile)ら)に記載されており、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0049】
(任意成分)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、さらに、制汗剤製品及び防臭剤製品又はパーソナルケア製品に使用するのに既知であるか、又はさもなければヒトの皮膚に局所適用するのに好適であるいずれかの任意成分を含んでよい。
【0050】
任意成分の非限定的な例としては、染料又は着色料、乳化剤、香料、噴射剤、脱臭香料、保存剤、ビタミン類、非ビタミン栄養物、皮膚軟化剤、カップリング剤又は他の溶媒、界面活性剤、粘度調節のような加工助剤、洗浄助剤等が挙げられる。このような任意物質の例は、米国特許第4,049,792号(エルスナウ(Elsnau));米国特許第5,019,375号(タナー(Tanner)ら);及び米国特許第5,429,816号(ホフリヒター(Hofrichter)ら)に記載されており;それらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0051】
(製造法)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、所望の制汗剤製品又は防臭剤製品形態を形成するのに好適ないずれかの既知な又はさもなければ効果的な技術によって調製されてよい。
【0052】
本発明の制汗剤固体及び制汗剤半固体実施形態は、例えば、周囲条件下又は混合物を流体又は液体にするのに十分な条件で揮発性及び不揮発性シリコーンキャリア液(又はいずれかの他の所望な無水キャリア液)を混合し、次に混合物にいずれかの懸濁剤を加え、得られた混合物を加えられた懸濁剤が十分に液化するように、例えば多くのワックス固体においては約85℃に加熱し、単一相の液体を形成することで配合し得る。次いで、典型的に加熱した単一相の液体に制汗剤活性物質及び他の水溶性固体(例えば、固体のパントテン酸塩)を加え、全体に分散させた後、得られた組み合わせをおよそ78℃に冷却させ、その時点で香料及び類似のその他の物質(あれば)を組み合わせに混合し、懸濁剤の凝固点(例えば、通常約60℃)のすぐ上まで冷却し、次いで分配包装容器に注ぎ、周囲条件下にて固化させる。
【0053】
本発明の制汗剤液体実施形態は、例えば、無水キャリア液と好適な懸濁剤及び懸濁剤の活性化剤とを組み合わせ、組み合わせ物を所望の粘度に濃厚化させた後、制汗剤活性物質及び他の水溶性固体を攪拌しながら加えることで配合し得る。得られた混合物は、所望の凝縮粘度を達成するために好適なホモジナイザーで剪断する。エアゾール液体実施形態において、得られた液体を次に、選択された噴射装置に好適な噴射剤比に濃縮された適当な噴射剤と共にエアゾール容器に梱包する。
【0054】
制汗剤組成物を作成する他の好適な方法は、制汗剤技術において既知及び記載されており、本発明の制汗剤組成物の作成に用いることができる。固体の制汗剤実施形態においては、このような方法には米国特許第4,822,603号(ファリス(Farris)ら及び4,985,238号(タナー(Tanner)ら)に記載のものが挙げられる。エアゾール制汗剤実施形態においては、このような方法は米国特許第6,136,303号(ルエブッシュ(Ruebusch)ら);米国特許第4,904,463号(ジョンソン(Johnson)ら)及び米国特許第4,840,786号(ジョンソン(Johnson)ら)に記載のものが挙げられる。軟固体又はクリームの実施形態においては、このような方法は米国特許第5,902,571号(プットマン(Putman)ら)及び米国特許第5,902,570号(ブレッズラー(Bretzler)ら)に記載される。上記に示された特許公報における全てのこのような方法の記載は、本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0055】
本発明の防臭剤実施形態を作成する好適な方法は、例えば米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)及び米国特許第5,902,572号(ルエベ(Luebbe)ら)に記載され、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0056】
(好ましい製造方法)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、好ましくは組成物を、固体のパントテン酸塩が制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質と固体の粒子形態で組み合わされた際に形成し得る比較的大きな固体の粒塊を減少又は削除する粉砕工程にかけて製造する。
【0057】
固体のパントテン酸塩はいずれかの固体制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質、特に制汗剤活性物質と凝集する傾向があり、組成物内で望ましくない大きな凝集した固体を形成することも分かっている。この配合を冷却するのに容器に注入する前に中間体の配合を粉砕することで、粒塊は減少又は削除され得、それによってさらに無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物の化粧品としての適用を改良することも分かっている。
【0058】
より具体的には、本発明の好ましい製造方法は次の工程を含む:
(a)次の構成成分を一緒に混合することで中間体組成物を調製する:
(i)約0.1重量%〜約30重量%の制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質;
(ii)約0.01重量%〜約10重量%の固体で水溶性のパントテン酸塩;
(iii)約0.1重量%〜約40重量%の懸濁剤;及び
(iv)約10重量%〜約99重量%の無水キャリア液;及び
(b)上記の懸濁剤の融点を超えるまで中間体組成物を加熱し、固体の制汗剤活性物質及び固体で水溶性のパントテン酸塩、及びこれらの固体凝集体を含有する液体中間体組成物を形成し;
(c)固体凝集体の平均粒径を50μm未満にまで減少させるのに十分な時間で、液体中間体組成物を粉砕し;次に
(d)粉砕された液体中間体を分配梱包容器に注入し、梱包された組成物を周囲温度まで冷却し、無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物を形成する。
【0059】
本明細書で参照される粉砕工程は、剪断力が粒子のいずれかの凝塊形成を効果的に破壊又は減少させ、組成物中に粒子を分散するいずれかの工程である。このような粉砕又は高剪断混合工程の非限定的な例としては、コロイド粉砕、高圧均質化が挙げられる。粉砕工程後の固体凝集体の平均粒径は、種々の化学技術分野で周知の偏光顕微鏡法によって測定又はさもなければ決定され得る。
【0060】
カプセル封入d−パントテン酸塩は、好ましくは変性食物デンプン(例えばナショナルスターチブランドカプセル(National Starch brand Capsul)(登録商標)を使用して調製する。デンプンを70℃(160°F)で水に溶解して30%溶液を形成し、次に室温まで冷却する。次に、パントテン酸カルシウムをデンプンとパントテン酸カルシウムの重量比が3:1の冷却溶液に加え、25%のカプセル負荷を達成し、次にこれを吸気温度が200℃及び吐気温度100℃でブチラボモデル噴射乾燥機(Buchi lab model spray drier)を使用して噴射乾燥する。噴射乾燥製品を収集サイクロンに収集し、本明細書の組成物に使用するのに好ましいカプセル封入パントテン酸塩を形成する。次に、それを本発明の組成物に組み込む。
【0061】
(使用方法)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、発汗による湿気及び/又は悪臭を処置又は減少するために有効量にて脇の下又は皮膚のその他の領域に局所的に適用されてもよい。好ましくは該組成物は、皮膚の所望の領域に対し、約0.1g〜約20g、より好ましくは約0.1g〜約10g、よりさらに好ましくは約0.1g〜約1gの範囲の量で適用される。組成物は好ましくは1日に1〜2回、好ましくは1日に1回適用して有効な制汗及び悪臭制御を達成する。
【0062】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、種々の製品形態で配合され得、次に本明細書で記載の方法によって脇の下又は皮膚の他の領域に適用し、このような種々の製品形態には固体(例えばスティック状)、半固体(例えばローション、クリーム、軟固体)、又は液体(例えばエアゾール、非エアゾールスプレー、回転塗布剤、多孔質ドーム液体)が挙げられる。
【実施例】
【0063】
次に挙げる表1〜5に記載される非限定的な実施例は、製造法及び使用法を包含する本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物の詳細な実施形態について説明している。本明細書に記載される使用方法に従って、例示される各組成物を剃毛された腋窩への適用を包含する皮膚の脇の下域へ局所的に適用する。適用される組成物は皮膚に対して低刺激であり、剃毛された腋窩の皮膚を包含する刺激を受けた腋窩の皮膚の治癒又は鎮静化を助ける。
【0064】
特に明記しない限り、例示した量は全て、制汗剤スティック状組成物の全重量基準の重量百分率である。
【0065】
(実施例1〜3):制汗剤軟固体/クリーム、ワックススティック、低残留スティック
表1〜3の実施例は、各々次のようにして調製する。まず、ゲル化剤(完全に水素添加されたHEAR及びC18〜C36酸トリグリセリド)を、ゲル化剤とシリコーン物質とを共にIKA攪拌プレート上で攪拌しながら85℃まで加熱することによりシリコーン液、シクロペンタシロキサン及びジメチコーンに溶解する。次に、固体の制汗剤活性物質をこの加熱された混合物に攪拌しながらゆっくりと加え、加えたら得られた混合物を85℃まで再度加熱する。この時点で、全カプセル封入パントテン酸塩及び他のあらゆる残りの水溶性固体(例えばニコチン酸アミド)を任意のトコフェロールアセテートと一緒に加える。この混合物をS25N−25Fアタッチメントを使用してIKAブランドのT25ウルトラトラックスディスパーサー(T 25 Ultra-Turrax disperser)を使用し速度設定を4にして粉砕する。固体の水溶性固体及び/又は固体の制汗剤活性物質のあらゆる粒塊を減少及び破壊するのに十分な時間で製品を粉砕する。十分な粉砕が行われたかを判断するために、熱混合物から粉砕された製品の小さな試料を金属へらに回収し、偏光顕微鏡で調べる。水溶性固体及び/又は制汗剤活性物質がはっきりと10ミクロンを超えて目に見える粒塊がなくなるまで製品を粉砕する。粉砕が完了したら、次に製品を冷却し約60℃で制汗剤容器に注入し、ここで周囲温度まで冷却し所望の製品形態とする。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2001年3月5日に出願された米国特許出願番号09/799,367号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、無水マトリックス中の固体でカプセル封入されたd−パントテン酸塩を含有する無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に関する。本組成物は、創傷治癒の改良及び皮膚刺激の減少等、皮膚の健康利益を提供する。
【背景技術】
【0003】
数多くの制汗剤製品及び防臭剤製品が、腋窩の発汗による湿気及び臭気を制御あるいは抑制するのに用いられることは既知である。これらの製品は、固体スティック、軟固体又はクリーム、回転塗布液体及びエアゾール又は非エアゾールスプレー等、様々な製品形態で入手可能である。しかしながら、これらの製品のほとんどはアルミニウム塩及び/又はジルコニウム塩、懸濁剤又は濃厚化剤、及び好適な液体キャリア等の制汗剤活性物質を含有するベース配合を有する点が類似している。
【0004】
制汗剤製品及び防臭剤製品は、特に消費者が腋窩を剃毛し、剃毛した領域に制汗剤製品及び防臭剤製品を適用することにおいて、腋窩皮膚への刺激を鎮静化及び最少化するのを助ける物質を含むように配合され得る。剃毛プロセスは腋窩皮膚を刺激し損傷する可能性があり、そのような理由から、制汗剤製品及び防臭剤製品は、アロエ、アラントイン、パントテン酸及びこれに関連する物質等の物質と時折配合され、皮膚刺激及び皮膚損傷等を最少化又は治癒する。パントテン酸及び類似の他の物質は、制汗剤製品及び防臭剤製品を包含する様々なパーソナルケア製品において創傷治癒剤として使用され得ることは周知である。
【0005】
パントテン酸及びこれに関連する物質は水性の制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質と配合され得、適用される皮膚の領域に創傷治癒及び皮膚鎮静化利益を提供する。これらの皮膚鎮静化物質の例は、パントテン酸及びパントテン誘導体、並びにd−パンテノール、dl−パンテノール、及びパントテン酸カルシウムのようなパントテン酸塩が包含される。パントテン酸塩は特に、制汗剤活性物質及び防臭剤活性物質と組み合わせる場合であっても創傷治癒及び皮膚鎮静化利益を提供するのに有用である。これらの非常に好ましいパントテン酸塩は、無水若しくは水性の制汗剤製品マトリックスのどちらかに配合され、その際この塩は水又は他の溶媒によって該製品マトリックス中に可溶化される。可溶化塩を含有する製品マトリックスは皮膚の所望な領域に適用されるため、この可溶化塩は適用された表面に広がる又は流れるのを可能とし、従って、適用された域内の皮膚においていずれかの刺激された領域を鎮静化又は治癒するのを助ける。
【0006】
無水の制汗剤製品及び防臭剤製品は固体分散粒子としてパントテン酸塩と配合され得、さらに皮膚の腋窩域、特に剃毛によって刺激又は損傷された腋窩皮膚の鎮静化及び治癒効果を提供することが分かっている。固体パントテン酸塩は腋窩の汗又は他の湿気に容易に溶解し、それによってこの固体が適用後に溶解すると考えられている。製品マトリックスが腋窩領域に適用されると、固体のパントテン酸塩は皮膚の汗又は他の湿気中に溶解し、腋窩の適用表面に流出又は拡大し、従って、腋窩におけるいずれかの皮膚刺激又は創傷、特に腋窩の剃毛によって創傷又は刺激を受けた皮膚を鎮静化、治癒又は緩和するのを助ける。製品適用後までパントテン酸塩の溶解を延長することで、これらの固体粒子は、適用前の製品マトリックス中でのアルミニウム及びジルコニウム制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質との相互作用を含む、適用前の製品マトリックス中での他の物質との相互作用が溶解された粒子より少ないとも考えられる。
【0007】
パントテン酸塩は加工中及び保存中に組成物中の制汗剤活性物質又は他の成分との反応性があり得ることも分かっている。この種の反応を最少化するのに、パントテン酸塩がカプセル封入されるか又はさもなければ実質的に制汗剤活性物質又は組成物と反応する他の成分から分離されることが可能であることが分かっている。カプセル封入又は分離は、いずれかのカプセル封入物質又はパーソナルケア製品に使用する既知の方法又はさもなければ好適な方法によって達成することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は、刺激を受けた腋窩皮膚、特に剃毛によって刺激又は損傷を受けた腋窩皮膚を鎮静化又は治癒する物質を含有する新規な無水の制汗剤組成物又は防臭剤組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、無水の制汗剤マトリックス及び防臭剤マトリックス中の分散粒子としての固体パントテン酸塩、特に固体パントテン酸カルシウム塩を含有する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、約0.1重量%〜約30重量%の制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質;約0.01重量%〜約10重量%の固体であって、カプセル封入された水溶性のd−パントテン酸塩;約0.1重量%〜約40重量%の懸濁剤;及び約10重量%〜約99重量%の無水キャリア液を含む無水の制汗剤組成物又は防臭剤組成物を指向する。無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、特に剃毛後の腋窩に適用される際に、皮膚に対して低刺激であり、皮膚鎮静化又は治癒利益を提供する。
【0010】
d−パントテン酸塩は無水の制汗剤組成物又は防臭剤組成物中の固体粒子として配合され得、及びさらに腋窩への優れた皮膚鎮静化利益及び皮膚治癒利益を提供することが分かっている。固体のd−パントテン酸塩は制汗剤製品及び防臭剤製品中に溶解するパントテン酸塩の使用に関して、成分の非相溶を最少化するのを助けると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、必須成分として、制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質、固体のd−パントテン酸塩、懸濁剤、及び無水の液体キャリアを含む。本発明のこれらの各必須成分は、後に詳細に記載される。
【0012】
本明細書で使用される用語「無水の」とは、本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物、及びその必須成分又は任意成分が実質的に添加水又は遊離水を含まないことを意味する。配合の観点から、これは、本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物が好ましくは、配合前のいずれかの粒子状固体に典型的に結合している水和物水以外に、約5重量%未満、さらに好ましくは約3重量%未満、よりさらに好ましくは約1重量%未満、最も好ましくはゼロパーセントの遊離水又は添加水を含有することを意味する。
【0013】
特に記載のない限り、本明細書で参照される全融点値は、周知の示差走査熱量計(DSC)技術に従って測定及び決定される。種々の物質の融点値を決定するDSC技術の例は、米国特許第5,306,514号(レットン(Letton)ら)に記載されており、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0014】
本明細書で使用される用語「周囲条件」とは、特に指示がない限り、約1気圧、約50%の相対湿度及び約25℃のもとでの周囲の条件を言う。本明細書に記載された全ての値、量及び測定は、特に明記しない限り、周囲条件下で得られる。
【0015】
本明細書で使用される用語「揮発性」とは、25℃で測定可能な蒸気圧を有する物質を言う。このような蒸気圧は、通常では約0.01mmHg〜約6mmHg、さらに通常では約0.02mmHg〜約1.5mmHgの範囲であり、1気圧(atm)で約250℃未満、さらに通常では1気圧で約235℃未満の平均沸点を有する。逆に、用語「非揮発性」とは、本明細書で定義するような「揮発性」ではない物質を言う。
【0016】
本明細書で使用される用語「皮膚温」とは、一般的に約37℃の典型的な体温又はそれよりやや低い脇の下域の皮膚の体温を言う。
【0017】
本明細書で使用される用語「水溶性」とは、本明細書に記載される水溶性皮膚活性化剤を包含し、37℃さもなければ周囲条件において脱イオン水に溶解され得、少なくとも0.1重量%の溶解物質、好ましくは少なくとも約0.5重量%の溶解物質を含有する水溶液を形成する物質を言う。
【0018】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び限定、並びにかかる組成物で使用するのに周知の、又はさもなければ有効ないかなる追加成分又は任意成分、構成成分、又は限定を含むか、これらよりなるか、又は本質的にこれらよりなることができる。
【0019】
全ての百分率、割合、及び比率は、特に指定しない限り、全組成物の重量を基準とする。特に指定しない限り、列挙した成分に関連する重量は、全て具体的な成分のレベルを基準としたものであり、従って市販の物質に包含されていることのある溶媒、キャリア、副生成物、充填剤、又はその他の微量成分は包含されない。
【0020】
(制汗剤活性物質)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、ヒトの皮膚への適用に好適な腋窩活性物質(underarm active)を含む。制汗剤活性物質及び/又は防臭剤活性物質となり得るこの腋窩活性物質の濃度は、選択される無水の配合から発汗による所望な湿気又は臭気制御を提供するのに十分であるべきである。
【0021】
本発明の無水の制汗剤の実施形態は好ましくは、組成物の約0.1重量%〜約30重量%、さらに好ましくは約5重量%〜約30重量%の濃度範囲で制汗剤活性物質を含む。これらの重量百分率は、水、及び、グリシン、グリシン塩、又は他の錯化剤等のあらゆる錯化剤を除く無水の金属塩に基づいて計算される。制汗剤活性物質は好ましくは分散固体粒子として、可溶化されるか又は固体であり得る。組成物中で配合される場合、制汗剤活性物質は約100μm未満、好ましくは約1μm〜約40μmの好ましい平均粒径又は直径を有する分散粒子状の固形物の形態が好ましい。
【0022】
本発明の無水の制汗剤の実施形態で使用するための制汗剤活性物質には、制汗活性を有するいずれかの化合物、組成物又はその他の物質が挙げられる。好ましい制汗剤活性物質には、収れん性金属塩、特にアルミニウム、ジルコニウム、及び亜鉛の無機塩及び有機塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。特に好ましくは、ハロゲン化アルミニウム、アルミニウムクロロヒドレート、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、オキシハロゲン化ジルコニル、ヒドロキシハロゲン化ジルコニル、及びそれらの混合物等の、アルミニウム含有塩及び/又はジルコニウム含有塩又は物質である。
【0023】
本発明における無水の制汗剤の実施形態において好ましいアルミニウム塩は、次の式に一致するものが挙げられる:
Al2(OH)aClb・xH2O
式中、aは約2〜約5であり、aとbの合計は約6であり、xは約1〜約6であり、ここでa、b、及びxの値は非整数の場合もあり得る。特に好ましいのは、a=5である「5/6塩基性クロロヒドロキシド」、及びa=4である「2/3塩基性クロロヒドロキシド」と呼ばれるアルミニウムクロロヒドロキシドである。アルミニウム塩を調製する過程は、米国特許第3,887,692号(ギルマン(Gilman)、1975年6月3日発行);米国特許第3,904,741号(ジョーンズ(Jones)ら、1975年9月9日発行);米国特許第4,359,456号(ゴズリング(Gosling)ら、1982年11月16日発行);及び英国特許明細書2,048,229(フィツジェラルド(Fitzgerald)ら、1980年12月10日発行)に開示されており、それら全ては本明細書に参考文献として組み込まれる。アルミニウム塩の混合物は英国特許明細書1,347,950(シン(Shin)ら、1974年2月27日発行)に記載されており、この記載も又本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0024】
本発明の無水の制汗剤の実施形態において好ましいジルコニウム塩は、次の式に一致するものが挙げられる:
ZrO(OH)2-aCla・xH2O
式中、aは約1.5〜約1.87であり;xは約1〜約7であり;a及びxの値は両者とも非整数の場合もあり得る。これらのジルコニウム塩は、1975年8月4日発行のシュミッツ(Schmitz)のベルギー特許825,146に記載されており、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。特に好ましいジルコニウム塩は、アルミニウム及びグリシンを付加的に含有し、通常ZAG錯体として知られている錯体である。これらのZAG錯体は、上述の式に適合するアルミニウムクロロヒドロキシド及びジルコニウムヒドロキシクロリドを含有する。このようなZAG錯体は、1974年2月12日発行のレダーズ(Luedders)らの米国特許第3,679,068号、1985年3月20日発行のカラグハン(Callaghan)らの英国特許出願第2,144,992号、及び1978年10月17日発行のシェルトン(Shelton)の米国特許第4,120,948号に記載されており、これらは全て本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0025】
組成物中に使用するのに好適な制汗剤活性物質としては、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムクロロハイドレックスプロピレングリコール錯体、アルミニウムジクロロハイドレックスプロピレングリコール錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレックスプロピレングリコール錯体、アルミニウムクロロハイドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムジクロロハイドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスグリシン錯体、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシン錯体、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレックスグリシン錯体、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレックスグリシン錯体、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム緩衝物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
(抗菌防臭剤活性物質)
本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、制汗剤活性物質に加えて又はその代わりに、抗菌防臭剤物質の形態での腋窩活性物質(underarm active)とも配合され得る。組成物中の防臭剤活性物質の濃度は、組成物の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、よりさらに好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の範囲であり得る。これらの防臭剤活性物質には、ヒトの皮膚に局所適用するのに好適な、いずれかの既知の又はさもなければ安全且つ効果的な抗菌防臭剤活性物質を包含し、これは発汗に伴う悪臭の防止又は除去に効果的である。
【0027】
本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用するのに好ましい抗菌防臭剤活性物質の非限定的な例には、セチルトリメチル臭化アンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、ジイソブチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジル塩化アンモニウム、N−ラウリルサルコシンナトリウム、N−パルメチルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、N−ラウリルサルコシンカリウム、トリメチル塩化アンモニウム、クロロヒドロキシ乳酸アルミニウムナトリウム、クエン酸トリエチル、トリセチルメチル塩化アンモニウム、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、L−リシンヘキサデシルアミドのようなジアミノアルキルアミド、並びにクエン酸、サリチル酸、及びピロクトース(piroctose)の重金属塩、特に亜鉛塩、及びその酸、ピリチオンの重金属塩、特にピリチオン亜鉛、フェノール硫酸亜鉛、ファルネソール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいのは、トリクロサン、トリクロカルバン、及びこれらの組み合わせである。
【0028】
本明細書において使用するのに好適な他の防臭剤活性物質は、米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)に記載されており、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0029】
(D−パントテン酸塩)
本発明の無水の制汗剤組成物は、組成物中に懸濁するか又はさもなければ完全に分散する固体粒子を含み、ここで該固体粒子は水溶性であって、組成物内で固体粒子形態をとるカプセル封入されたd−パントテン酸塩である。本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用される固体のd−パントテン酸塩は、このパントテン酸塩が組成物中で固体粒子形態であるという前提でいずれかのd−パントテン酸の塩又はいずれかのd−パントテン酸誘導体の塩を包含することができる。
【0030】
本発明の制汗剤組成物及び防臭剤組成物中で使用するd−パントテン酸塩は、組成物中でカプセル封入される。いずれかのカプセル封入物質又は組成物中の他の反応性成分からd−パントテン酸塩をカプセル封入する又は実質的に分離する既知の方法又はさもなければ好適な方法が使用できる。いずれかのカプセル封入物質又は分離物質、又はパーソナルケア成分と共に使用する既知の方法又はさもなければ好適な方法は、組成物中のd−パントテン酸塩に所望のカプセル封入を提供するのに使用され得る。
【0031】
d−パントテン酸塩は、本明細書で記載されるように、制汗剤活性物質成分の存在下において、最も典型的にはアルミニウム含有制汗剤活性物質の存在下において処方される際に反応し得ることが分かっている。カプセル封入は、加工及び保存中にd−パントテン酸塩が制汗剤活性物質と反応するのを保護するのに役立つが、その後腋窩への局所適用後に適切な時間で製品マトリックスから塩の放出を可能とするべきである。この活性物質の放出は、湿気又は汗の接触のような事象によって活発となる際、又は製品マトリックスの剪断力が腋窩に適用される際に最も有用である。
【0032】
好ましいカプセル封入物質又はカプセル封入方法にはデンプンカプセル封入が挙げられるが、他の多くのカプセル封入物質又はカプセル封入方法も使用され得る。カプセル封入物質には種々のタンパク質、ゼラチン、カゼイン塩類、ヒドロコロイド類、デキストリン類及びマルトデキストリン類、デンプン及び変性デンプン、糖類、寒天、又はいずれかの他の既知のカプセル封入物質が挙げられる。
【0033】
カプセル封入物質を除外した固体d−パントテン酸塩の濃度は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約1.0重量%の範囲である。
【0034】
本発明の無水の組成物に使用されるd−パントテン酸塩は、周囲条件のもとで組成物中に固体粒子の形態で存在しなければならず、及び本明細書で定義されるように水溶性でもなければならない。組成物中のこれらの固体粒子は、好ましくは約3μm〜約100μm、より好ましくは約5μm〜約40μmの平均粒径を有する。
【0035】
d−パントテン酸塩は純d−鏡像体の形態で入手及び使用されて良く、又はd−lラセミ混合物の一部分として使用されてもよいが、これらの物質によって可能となる皮膚鎮静化及び皮膚治癒利益の大部分又は全ては、比較的に不活性なl−鏡像体よりもd−鏡像体から由来すると考えられる。
【0036】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用される好ましいパントテン酸塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、及びこれらの混合物が挙げられる。最も好ましいのはパントテン酸カルシウムである。
【0037】
(懸濁剤)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、所望の粘度、レオロジー、組織及び/又は製品硬度を有する組成物を提供する助けとして、又はいずれかの分散固体又は液体を組成物中に懸濁する助けとして、固体の懸濁剤又は濃厚化剤を含む。
【0038】
本明細書で使用される用語「懸濁剤」とは、特に指示されない限り、組成物に懸濁、ゲル化、増粘、固化及び/又は濃厚化特性を与えるのに有効であるか、又はさもなければ最終製品形態に構造を提供するいかなる物質も意味する。これらの懸濁剤には、ゲル化剤、及びポリマー性又は非ポリマー性又は無機の濃厚化剤又は増粘剤が挙げられる。そのような物質は、典型的には周囲条件で固体であり、有機固体、シリコーン固体、結晶又はその他のゲル化剤、粘土又はシリカのような無機粒子、又はそれらの組み合わせを包含する。
【0039】
制汗剤組成物及び防臭剤組成物に使用するのに選択される懸濁剤の濃度及び種類は、所望の製品硬度、レオロジー、配合(例えば、制汗剤配合又は防臭剤配合)及び/又は他の関連する製品特性に依存して変動する。本明細書に用いるのに好適なほとんどの懸濁剤について、全懸濁剤濃度は、組成物の約0.1重量%〜約40重量%、より典型的には約0.1重量%〜約35重量%の範囲である。懸濁剤濃度は、液体実施形態(例えば、エアゾール、回転塗布剤等)に対しては低くなり、半固体(例えば、軟固体又はクリーム)又は固体スティック実施形態に対しては高くなる傾向がある。
【0040】
好適な懸濁剤の非限定的な例としては、硬化ヒマシ油(例えばカストロワックス(Castorwax)MP80、カストロワックス(CastorWax)等)、脂肪族アルコール類(例えば、ステアリルアルコール)、固体パラフィン類、トリグリセリド類及び他の類似の固体懸濁エステル類又は他の微晶性ワックス類、シリコーン及び変性シリコーンワックス類が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な任意の懸濁剤の非限定的な例には、米国特許第5,976,514号(ガスキー(Guskey)ら)、米国特許第5,891,424号(ブレッツラー(Bretzler)ら)に記載されており、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0041】
他の好適な懸濁剤には、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の濃度範囲のシリコーンエラストマー類が挙げられる。本明細書の懸濁剤として使用するのに好適なかかるシリコーンエラストマー物質の非限定的な例は、米国特許第5,654,362号(シュルツ,ジュニア.(Schulz,Jr.)ら);米国特許第6,060,546号(パウエル(Powell)ら)及び米国特許第5,919,437号(リー(Lee)ら)に記載されており、これらの記載は本明細書中に参考文献として組み込まれる。
【0042】
本発明の防臭剤実施形態で使用されるのに好適な懸濁剤の非限定的な例としては、ステアリン酸ナトリウムのような脂肪酸塩及び米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)に記載されるような他の類似する物質が挙げられ、この記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0043】
(無水キャリア液)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、組成物の約10重量%〜約99重量%、好ましくは約20重量%〜約70重量%の濃度範囲で無水キャリア液を含む。このような濃度は、製品形態、所望な製品硬度、組成物中の他成分の選択等の可変物に依存して変動する。組成物に使用される無水キャリア液は、パーソナルケア適用に使用するのに既知であるか、さもなければ皮膚への局所適用に好適であるいずれかの無水の液体であり得る。
【0044】
無水キャリア液体は、好ましくは揮発性シリコーン液を含み、これには環状、直鎖及び/又は分枝鎖シリコーン類を包含してもよい。本発明の制汗剤組成物における揮発性シリコーンの濃度は、組成物の約5重量%〜約80重量%、好ましくは約20重量%〜約60重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%の範囲で好ましく変動する。揮発性シリコーンは好ましくは、約3〜約7、さらに好ましくは約5〜約6のケイ素原子を有する環状シリコーンである。最も好ましいのは、次式に一致するものである:
【0045】
【化1】
式中、nは約3〜約7、好ましくは約5〜約6、最も好ましくは5である。これらの揮発性の環状シリコーン類は一般に約10センチストーク未満の粘度を有する。本明細書に用いるのに好適な揮発性シリコーンには、シクロメチコンD5(G.E.シリコーンズ(G.E.Silicones)から市販されている);ダウ・コーニング344、及びダウ・コーニング345(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から市販されている);並びにGE7207、GE7158及びシリコーン液SF−1202及びSF−1173(ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Co.)から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な揮発性シリコーン類の非限定的な例は、トッド(Todd)らの「化粧品用揮発性シリコーン流体(Volatile Silicone Fluids for Cosmetics)」、コスメティクス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)、91:27−32(1976年)に記載され、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0046】
無水の液体キャリアは、不揮発性シリコーン液を含んで良く、好ましい濃度は組成物の約1重量%〜約35重量%、より好ましくは約5重量%〜約30重量%の範囲である。不揮発性シリコーンキャリアは好ましくはヒトの皮膚温以下で液体であるか、又はさもなければ、局所適用の間又は直後、無水の制汗剤組成物の中で液体の形態である。好ましいのは、次式のいずれかに一致する不揮発性の液状シリコーン類である:
【0047】
【化2】
式中、nは、周囲条件下で測定した場合約100,000センチストークまでの、好ましくは約500センチストーク未満の、さらに好ましくは10センチストーク〜約200センチストーク、よりさらに好ましくは10センチストーク〜約50センチストークの粘度を提供するのに十分大きい。好適な非揮発性の直鎖シリコーンキャリア類の具体的な非限定的な例には、ダウ・コーニング200、ヘキサメチルジシロキサン、ダウ・コーニング225、ダウ・コーニング1732、ダウ・コーニング5732、ダウ・コーニング5750(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から入手可能);並びにSF−96、SF−1066及びSF18(350)シリコーン液(G.E.シリコーンズ(G.E.Silicones)から入手可能)が挙げられる。
【0048】
パーソナルケア製品に使用されることで知られる多くの他のキャリア液は、制汗剤組成物中で、単独又は本明細書でより詳細に記載されるキャリア液と組み合わせて使用され得る。このような他の多くのキャリア液は、米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)及び米国特許第5,968,489号(スワイル(Swaile)ら)に記載されており、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0049】
(任意成分)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、さらに、制汗剤製品及び防臭剤製品又はパーソナルケア製品に使用するのに既知であるか、又はさもなければヒトの皮膚に局所適用するのに好適であるいずれかの任意成分を含んでよい。
【0050】
任意成分の非限定的な例としては、染料又は着色料、乳化剤、香料、噴射剤、脱臭香料、保存剤、ビタミン類、非ビタミン栄養物、皮膚軟化剤、カップリング剤又は他の溶媒、界面活性剤、粘度調節のような加工助剤、洗浄助剤等が挙げられる。このような任意物質の例は、米国特許第4,049,792号(エルスナウ(Elsnau));米国特許第5,019,375号(タナー(Tanner)ら);及び米国特許第5,429,816号(ホフリヒター(Hofrichter)ら)に記載されており;それらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0051】
(製造法)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、所望の制汗剤製品又は防臭剤製品形態を形成するのに好適ないずれかの既知な又はさもなければ効果的な技術によって調製されてよい。
【0052】
本発明の制汗剤固体及び制汗剤半固体実施形態は、例えば、周囲条件下又は混合物を流体又は液体にするのに十分な条件で揮発性及び不揮発性シリコーンキャリア液(又はいずれかの他の所望な無水キャリア液)を混合し、次に混合物にいずれかの懸濁剤を加え、得られた混合物を加えられた懸濁剤が十分に液化するように、例えば多くのワックス固体においては約85℃に加熱し、単一相の液体を形成することで配合し得る。次いで、典型的に加熱した単一相の液体に制汗剤活性物質及び他の水溶性固体(例えば、固体のパントテン酸塩)を加え、全体に分散させた後、得られた組み合わせをおよそ78℃に冷却させ、その時点で香料及び類似のその他の物質(あれば)を組み合わせに混合し、懸濁剤の凝固点(例えば、通常約60℃)のすぐ上まで冷却し、次いで分配包装容器に注ぎ、周囲条件下にて固化させる。
【0053】
本発明の制汗剤液体実施形態は、例えば、無水キャリア液と好適な懸濁剤及び懸濁剤の活性化剤とを組み合わせ、組み合わせ物を所望の粘度に濃厚化させた後、制汗剤活性物質及び他の水溶性固体を攪拌しながら加えることで配合し得る。得られた混合物は、所望の凝縮粘度を達成するために好適なホモジナイザーで剪断する。エアゾール液体実施形態において、得られた液体を次に、選択された噴射装置に好適な噴射剤比に濃縮された適当な噴射剤と共にエアゾール容器に梱包する。
【0054】
制汗剤組成物を作成する他の好適な方法は、制汗剤技術において既知及び記載されており、本発明の制汗剤組成物の作成に用いることができる。固体の制汗剤実施形態においては、このような方法には米国特許第4,822,603号(ファリス(Farris)ら及び4,985,238号(タナー(Tanner)ら)に記載のものが挙げられる。エアゾール制汗剤実施形態においては、このような方法は米国特許第6,136,303号(ルエブッシュ(Ruebusch)ら);米国特許第4,904,463号(ジョンソン(Johnson)ら)及び米国特許第4,840,786号(ジョンソン(Johnson)ら)に記載のものが挙げられる。軟固体又はクリームの実施形態においては、このような方法は米国特許第5,902,571号(プットマン(Putman)ら)及び米国特許第5,902,570号(ブレッズラー(Bretzler)ら)に記載される。上記に示された特許公報における全てのこのような方法の記載は、本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0055】
本発明の防臭剤実施形態を作成する好適な方法は、例えば米国特許第6,013,248号(ルエベ(Luebbe)ら)及び米国特許第5,902,572号(ルエベ(Luebbe)ら)に記載され、これらの記載は本明細書に参考文献として組み込まれる。
【0056】
(好ましい製造方法)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、好ましくは組成物を、固体のパントテン酸塩が制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質と固体の粒子形態で組み合わされた際に形成し得る比較的大きな固体の粒塊を減少又は削除する粉砕工程にかけて製造する。
【0057】
固体のパントテン酸塩はいずれかの固体制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質、特に制汗剤活性物質と凝集する傾向があり、組成物内で望ましくない大きな凝集した固体を形成することも分かっている。この配合を冷却するのに容器に注入する前に中間体の配合を粉砕することで、粒塊は減少又は削除され得、それによってさらに無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物の化粧品としての適用を改良することも分かっている。
【0058】
より具体的には、本発明の好ましい製造方法は次の工程を含む:
(a)次の構成成分を一緒に混合することで中間体組成物を調製する:
(i)約0.1重量%〜約30重量%の制汗剤活性物質又は防臭剤活性物質;
(ii)約0.01重量%〜約10重量%の固体で水溶性のパントテン酸塩;
(iii)約0.1重量%〜約40重量%の懸濁剤;及び
(iv)約10重量%〜約99重量%の無水キャリア液;及び
(b)上記の懸濁剤の融点を超えるまで中間体組成物を加熱し、固体の制汗剤活性物質及び固体で水溶性のパントテン酸塩、及びこれらの固体凝集体を含有する液体中間体組成物を形成し;
(c)固体凝集体の平均粒径を50μm未満にまで減少させるのに十分な時間で、液体中間体組成物を粉砕し;次に
(d)粉砕された液体中間体を分配梱包容器に注入し、梱包された組成物を周囲温度まで冷却し、無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物を形成する。
【0059】
本明細書で参照される粉砕工程は、剪断力が粒子のいずれかの凝塊形成を効果的に破壊又は減少させ、組成物中に粒子を分散するいずれかの工程である。このような粉砕又は高剪断混合工程の非限定的な例としては、コロイド粉砕、高圧均質化が挙げられる。粉砕工程後の固体凝集体の平均粒径は、種々の化学技術分野で周知の偏光顕微鏡法によって測定又はさもなければ決定され得る。
【0060】
カプセル封入d−パントテン酸塩は、好ましくは変性食物デンプン(例えばナショナルスターチブランドカプセル(National Starch brand Capsul)(登録商標)を使用して調製する。デンプンを70℃(160°F)で水に溶解して30%溶液を形成し、次に室温まで冷却する。次に、パントテン酸カルシウムをデンプンとパントテン酸カルシウムの重量比が3:1の冷却溶液に加え、25%のカプセル負荷を達成し、次にこれを吸気温度が200℃及び吐気温度100℃でブチラボモデル噴射乾燥機(Buchi lab model spray drier)を使用して噴射乾燥する。噴射乾燥製品を収集サイクロンに収集し、本明細書の組成物に使用するのに好ましいカプセル封入パントテン酸塩を形成する。次に、それを本発明の組成物に組み込む。
【0061】
(使用方法)
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、発汗による湿気及び/又は悪臭を処置又は減少するために有効量にて脇の下又は皮膚のその他の領域に局所的に適用されてもよい。好ましくは該組成物は、皮膚の所望の領域に対し、約0.1g〜約20g、より好ましくは約0.1g〜約10g、よりさらに好ましくは約0.1g〜約1gの範囲の量で適用される。組成物は好ましくは1日に1〜2回、好ましくは1日に1回適用して有効な制汗及び悪臭制御を達成する。
【0062】
本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物は、種々の製品形態で配合され得、次に本明細書で記載の方法によって脇の下又は皮膚の他の領域に適用し、このような種々の製品形態には固体(例えばスティック状)、半固体(例えばローション、クリーム、軟固体)、又は液体(例えばエアゾール、非エアゾールスプレー、回転塗布剤、多孔質ドーム液体)が挙げられる。
【実施例】
【0063】
次に挙げる表1〜5に記載される非限定的な実施例は、製造法及び使用法を包含する本発明の無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物の詳細な実施形態について説明している。本明細書に記載される使用方法に従って、例示される各組成物を剃毛された腋窩への適用を包含する皮膚の脇の下域へ局所的に適用する。適用される組成物は皮膚に対して低刺激であり、剃毛された腋窩の皮膚を包含する刺激を受けた腋窩の皮膚の治癒又は鎮静化を助ける。
【0064】
特に明記しない限り、例示した量は全て、制汗剤スティック状組成物の全重量基準の重量百分率である。
【0065】
(実施例1〜3):制汗剤軟固体/クリーム、ワックススティック、低残留スティック
表1〜3の実施例は、各々次のようにして調製する。まず、ゲル化剤(完全に水素添加されたHEAR及びC18〜C36酸トリグリセリド)を、ゲル化剤とシリコーン物質とを共にIKA攪拌プレート上で攪拌しながら85℃まで加熱することによりシリコーン液、シクロペンタシロキサン及びジメチコーンに溶解する。次に、固体の制汗剤活性物質をこの加熱された混合物に攪拌しながらゆっくりと加え、加えたら得られた混合物を85℃まで再度加熱する。この時点で、全カプセル封入パントテン酸塩及び他のあらゆる残りの水溶性固体(例えばニコチン酸アミド)を任意のトコフェロールアセテートと一緒に加える。この混合物をS25N−25Fアタッチメントを使用してIKAブランドのT25ウルトラトラックスディスパーサー(T 25 Ultra-Turrax disperser)を使用し速度設定を4にして粉砕する。固体の水溶性固体及び/又は固体の制汗剤活性物質のあらゆる粒塊を減少及び破壊するのに十分な時間で製品を粉砕する。十分な粉砕が行われたかを判断するために、熱混合物から粉砕された製品の小さな試料を金属へらに回収し、偏光顕微鏡で調べる。水溶性固体及び/又は制汗剤活性物質がはっきりと10ミクロンを超えて目に見える粒塊がなくなるまで製品を粉砕する。粉砕が完了したら、次に製品を冷却し約60℃で制汗剤容器に注入し、ここで周囲温度まで冷却し所望の製品形態とする。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
Claims (10)
- (a)0.1重量%〜30重量%の腋窩活性物質(underarm active);
(b)0.01重量%〜10重量%の固体で、カプセル封入された水溶性のd−パントテン酸塩;
(c)0.1重量%〜40重量%の懸濁剤;及び
(d)10重量%〜99重量%の無水キャリア液
を含む無水の制汗剤組成物及び防臭剤組成物。 - 前記d−パントテン酸塩はカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される請求項1に記載の無水の組成物。
- 前記d−パントテン酸塩がパントテン酸カルシウムである請求項2に記載の無水の組成物。
- 前記d−パントテン酸塩は前記組成物の0.1重量%〜5重量%を示す請求項2又は3のいずれかに記載の無水の組成物。
- 前記組成物が1重量%未満の遊離水又は添加水を含有する請求項1から4のいずれか一項に記載の無水の組成物。
- 前記腋窩活性物質は、ジルコニウム含有活性物質、アルミニウム含有活性物質、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される固体の制汗剤活性物質を含み、ここで前記固体の制汗剤活性物質は前記無水組成物の5重量%〜30重量%を示す請求項2、3、4又は5のいずれか一項に記載の無水の組成物。
- 前記腋窩活性物質は抗菌防臭活性物質を含み、ここで該抗菌防臭活性物質は組成物の0.1重量%〜5重量%を示す請求項2に記載の無水の組成物。
- 前記無水キャリアは前記組成物の5重量%〜80重量%を示す揮発性シクロメチコンを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の無水の組成物。
- 前記d−パントテン酸塩粒子の平均粒径が3μm〜100μmである請求項1から8のいずれか一項に記載の無水の制汗剤組成物。
- 前記パントテン酸塩はデンプンカプセル封入される請求項1から9のいずれか一項に記載の無水の制汗剤組成物。
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