JP2002522206A - ディスペンサヘッド及びこのヘッドを含む流体用ディスペンサ装置 - Google Patents

ディスペンサヘッド及びこのヘッドを含む流体用ディスペンサ装置

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Abstract

(57)【要約】 流体用ディスペンサ装置に用いられるディスペンサヘッド（１０）であって、前記ヘッド（１０）は、投与開口部（１２）を終端とする放出チャネル（１１）と前記放出チャネル（１１）内に配置される挿入物（２０）とを有し、流体の流れる方向における前記挿入物（２０）の下流側端部（２１）は、前記放出チャネル（１１）の下流側端部と共に噴霧断面（１３、１４）を形成しており、当該ヘッドの特徴は、前記挿入物（２０）の前記下流側端部（２１）と前記放出チャネル（１１）の前記下流側端部とが両方とも円錐台状であって、円錐台状の噴霧断面（１３、１４）を形成している、ということである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、改良されたディスペンサヘッドに関し、そして、そのようなディス
ペンサヘッドを備える流体用ディスペンサ装置に関する。
【０００２】 流体を細かい霧状にして投与するために使われる、いくつかの種類の流体用デ
ィスペンサ装置については、ディスペンサ開口部の上流側に噴霧断面が設けられ
ており、その断面が通常、１以上の渦チャネルの接続された渦チャンバから成る
、という形で作られることが知られている。それらのタイプのスプレー装置は、
今日、多くの分野（特に、薬学、香水そして化粧品）で広く使われている。
【０００３】 特許公報EP-0 131 501には、スプレー用のプッシャーが開示されており、プッ
シャー内では、断面積が一定の円筒形挿入物が放出チャネルに挿入されている。
前記挿入物の軸に対して垂直な挿入物終端面が、放出チャネルの終端壁と共に、
渦チャンバを含む噴霧断面、及び、放出チャネルを前記渦チャンバに接続する１
以上の渦チャネルを形成している。特許公報EP-0 131 501に開示された実施の形
態では、前記噴霧断面は前記放出チャネルの終端壁に形成されており、挿入物の
終端面は平らになっている。
【０００４】 しかしながら、こうした種類の装置には、いくつかの場合で問題が発生する。
すなわち、特に鼻用プッシャーについては、半球形のチップを設けた形で前記プ
ッシャーを作ることが望ましい場合がある。このことは、特に渦チャンバの容積
が小さい場合には、成形処理における問題の発生要因となる。ヘッドの縦軸を横
切る形で延びる水平な噴霧断面に半球形チップを組み合わせる形では、特にヘッ
ドの終端壁の厚みに関して問題が生じる可能性がある。そのような状況において
、解決策の１つとして、放出チャネル及び挿入物の横サイズを小さくし、それに
よって噴霧断面のサイズも小さくする、というものがある。しかしながら、そう
したやり方では、プッシャーが前記噴霧断面内で詰まってしまう危険が大きくな
る。
【０００５】 本発明の目的は、上記の問題が生じることのないディスペンサヘッド及び当該
ディスペンサヘッドを組み込んだディスペンサ装置を提供することである。
【０００６】 そして、また、本発明の目的は、噴霧断面を有するディスペンサヘッドであっ
て、半球形のディスペンサヘッドチップを備えていても、動作が安全で信頼性の
高いものを提供することである。
【０００７】 本発明のもう一つの目的は、噴霧断面を有するディスペンサヘッドであって、
前記噴霧断面が詰まってしまう危険のより小さいものを提供することである。
【０００８】 本発明のもう一つの目的は、噴霧断面を有するディスペンサヘッドであって、
ヘッドのチップの品質に問題が生じることなく、容易に成形することができ、詰
まりの危険を更に低減する素材を用いることが可能なディスペンサヘッドを提供
することである。
【０００９】 このように、本発明は、流体用ディスペンサ装置に用いられるディスペンサヘ
ッドであって、前記ヘッドは、投与開口部を終端とする放出チャネルと前記放出
チャネル内に配置される挿入物とを有し、流体の流れる方向における前記挿入物
の下流側端部は、前記放出チャネルの下流側端部と共に噴霧断面を形成しており
、当該ヘッドの特徴は、前記挿入物の前記下流側端部と前記放出チャネルの前記
下流側端部とが両方とも円錐台状であって、両者が形作る噴霧断面も円錐台状と
なる、というディスペンサヘッドを提供する。
【００１０】 また、前記噴霧断面は、渦チャンバと少くとも1つの渦チャネルとを有し、前
記渦チャンバは前記投与開口部に直接つながっている、とすることが望ましい。
【００１１】 また、少くとも１つの渦チャネルは、放出チャネルを前記渦チャンバに接続し
、当該チャネルは円錐台状の噴霧断面の円錐部分に形成されており、前記渦チャ
ンバは、円錐台状の噴霧断面の円錐台の頂上部分に形成されている、とすると効
果的である。
【００１２】 また、前記円錐台状の噴霧断面は、放出チャネルの壁に形成された溝によって
形成されており、前記挿入物は前記溝をカバーする、とすると効果的である。
【００１３】 また、前記挿入物は、実質的に放出チャネルの空間全てを占有し、それによっ
て、狭い放出チャネルを形作る、とするのが望ましい。
【００１４】 また、前記投与開口部が設けられている前記ヘッドのチップが半球形である、
としても効果的である。
【００１５】 そして、本発明は、また、上述したディスペンサヘッドを有する流体用ディス
ペンサ装置を提供する。
【００１６】 本発明は、主に、流体用ディスペンサ装置のディスペンサヘッドにおける特別
な噴霧断面の実現に関するものであるが、本発明は、こうした噴霧断面を有する
あらゆる流体用ディスペンサ装置に適応可能である。ただし、本発明が特に効果
を発揮する用例は、鼻用ディスペンサ装置である。そこで、本発明の説明は、鼻
用プッシャーを例に行う。しかし、本発明の対象がこの用途に限られるものでな
いことは、言うまでもない。
【００１７】 図に示す通り、ディスペンサヘッド１０には放出チャネル１１が設けられてい
る。チャネルは、前記ヘッド１０の内部を延びており、上流側の部分では、ヘッ
ドが取り付けられるディスペンサ装置のディスペンサ部材（例えば、ポンプ）に
接続されており、下流部分にはディスペンサ開口部１２が設けられている。放出
チャネル１１内の無駄な空間を小さくするため、及び、霧状での投与を実現する
ために、挿入物２０が前記放出チャネル内に配置されているが、これは、前記放
出チャネル１１のほぼ全体に渡る長さとなっていることが望ましい。また、前記
挿入物２０は、放出時の通り道となる狭い通過だけを残す形で、ほぼ放出チャネ
ル１１の全空間を占有していることが望ましい。
【００１８】 従来の方法（例えば、特許公報EP-0 131 501において述べられているもの）で
は、挿入物２０における、流体の流れる方向から見た下流側の端部は、放出チャ
ネル１１の下流側端部（または放出チャネルの終端壁部分）とともに噴霧断面を
形成し、それによって、さらに細かい霧状での投与を可能としている。この噴霧
断面はどのような種類のものでもよいが、おおよその形として、投与開口部のす
ぐ上流側に位置した渦チャンバに放出チャネルを接続する１以上の渦チャネルを
含むものである。
【００１９】 本発明においては、挿入物２０の前記下流側端部２１と放出チャネル１１の前
記下流側端部とは、いずれも形状が円錐台状となっているので、それによって円
錐台状の噴霧断面が形成される。この円錐台状の噴霧断面については、図２に示
すように、渦チャンバ１３と１以上の渦チャネル１４とを有し、前記渦チャンバ
１３が、前記投与開口部１２に直接つながっている、という構成が望ましい。通
常の形として、渦チャネル１４は、放出チャネル１１を渦チャンバ１３に接続し
ているが、先行技術の装置とは異なり、前記噴霧断面１３及び１４は、プッシャ
ーの縦軸に対してこれを横切る方向に広がる平面を占める形にはなっていない。
渦チャネル１４については、円錐台状の噴霧断面の円錐部分に形成されるのが効
果的であるが、前記渦チャンバ１３については、前記円錐台状の噴霧断面におけ
る円錐台の頂上部分に形成されるのが効果的である。幾何の基本規則の適用にお
いて、このような構成にしておけば、ヘッド１０を半球形にした場合でも、前記
渦チャネル１４をより長くすることが可能となり、それは、鼻用プッシャーの場
合と同様である。さらに、図２に示す通り、本発明のように円錐台状の噴霧断面
を設けることで、ヘッドのチップ成形処理の過程での品質上の問題を回避できる
ため、製造が容易となる。
【００２０】 本発明の円錐台状の渦断面（すなわち、渦チャンバ１３及び渦チャネル１４）
が放出チャネル１１の円錐台状終端壁の内側に形作られ、挿入物２０はなめらか
な外側面を有する、とするのが効果的である。放出チャネル内の所定の位置に入
れられた前記挿入物２０は、渦断面内の前記溝をカバーする役割を果たす。こう
した構成によって、放出チャネル内への挿入物の組み込み中に、渦断面が損傷を
受ける危険性は完全になくなる。
【００２１】 このように、本発明は、特に鼻用のプッシャーに適用できる、噴霧断面を含ん
だディスペンサヘッドを提供することを可能とし、当該ヘッドは以下の効果を発
揮する。 ・プッシャーは、半球形のチップを有する形に作ることができるので、大人でも
子供でも容易に使用することができ、しかも、ヘッドチップの成形時の品質の問
題は生じない。 ・挿入物と噴霧断面との接触面積は、座面が円錐状をしているために大きくなり
、それによって、この箇所で詰まりが発生する危険は小さくなる。 ・挿入物は、ポリプロピレンやアセタールなどの素材からなり、それによって、
プッシャーの詰まりが生じる危険を更に小さくすることができる。
【００２２】 本発明のディスペンサヘッド、特に、これまでに図を参照しながら説明してき
たヘッドは、適当な流体用ディスペンサ装置であれば、どんな種類のものにでも
取り付けることができる。
【００２３】 本発明については、その好適な実施の形態を例に説明してきたが、本発明の範
囲は、この特定の実施の形態に限定されるわけではない。むしろ反対に、添付の
特許請求の範囲によって定義される所の発明の範囲を越えることなしに、あらゆ
る種類の流体用ディスペンサ装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の特性及び効果は、本発明の好適な実施の形態（非制限的な例）の
詳細な説明を、添付の図面を参照しながら読めばいっそう明らかになるであろう
。その図面とは以下のものである。
【図１】 本発明の好適な実施の形態におけるディスペンサヘッドを示す概略縦断面図で
ある。
【図２】 図１に示したディスペンサヘッドの拡大詳細図である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年７月２４日（２０００．７．２４）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 流体用ディスペンサ装置に用いられるディスペンサヘッド（
    １０）であって、前記ヘッド（１０）は、投与開口部（１２）を終端とする放出
    チャネル（１１）と前記放出チャネル（１１）内に配置される挿入物（２０）と
    を有し、流体の流れる方向における前記挿入物（２０）の下流側端部（２１）は
    、前記放出チャネル（１１）の下流側端部と共に噴霧断面（１３、１４）を形成
    しており、当該ヘッドの特徴は、前記挿入物（２０）の前記下流側端部（２１）
    と前記放出チャネル（１１）の前記下流側端部とが両方とも円錐台状であって、
    円錐台状の噴霧断面（１３、１４）を形成している、ということであるようなデ
    ィスペンサヘッド。
  2. 【請求項２】 前記噴霧断面は、渦チャンバ（１３）と少くとも1つの渦チ
    ャネル（１４）とを有し、前記渦チャンバ（１３）は前記投与開口部（１２）に
    直接つながっていること を特徴とする請求項１に記載のディスペンサヘッド。
  3. 【請求項３】 前記少くとも１つの渦チャネル（１４）は、放出チャネル（
    １１）を前記渦チャンバ（１３）に接続し、当該チャネル（１４）は円錐台状の
    噴霧断面の円錐部分に形成されており、前記渦チャンバ（１３）は、円錐台状の
    噴霧断面の円錐台の頂上部分に形成されていること を特徴とする請求項２に記載のディスペンサヘッド。
  4. 【請求項４】 前記円錐台状の噴霧断面（１３、１４）は、放出チャネル（
    １１）の壁に形成された溝によって形成されており、前記挿入物（２０）は前記
    溝をカバーすること、 を特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載のディスペンサヘッド。
  5. 【請求項５】 前記挿入物（２０）は、実質的に放出チャネル（１１）の空
    間全てを占有し、それによって、狭い放出チャネル（１１）を形作ること を特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のディスペンサヘッド。
  6. 【請求項６】 前記投与開口部（１２）が設けられている前記ヘッド（１０
    ）のチップが半球形であること を特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載のディスペンサヘッド。
  7. 【請求項７】 請求項１乃至６のいずれかに記載されたディスペンサヘッド
    （１０）を含む流体用ディスペンサ装置。
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