JP2002522081A - プロテアーゼ及び関連タンパク質 - Google Patents

プロテアーゼ及び関連タンパク質

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パターソン、チャンドラ
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シー、レオ・エル
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトプロテアーゼ及び関連タンパク質(PPRG)並びにPPRGを同定及びコードするポリヌクレオチドを提供する。また、本発明は発現ベクター、宿主細胞、抗体、アゴニスト、及びアンタゴニストを提供する。更に、本発明はPPRGの発現に関わる疾患の診断、治療、又は予防の方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、プロテアーゼ及び関連タンパク質の核酸配列およびアミノ酸配列、
並びに細胞増殖障害及び免疫異常症の診断・予防・治療におけるこれらの配列の
利用法に関するものである。
【0002】 発明の背景 タンパク質分解のプロセシングは、正常な細胞の増殖、分化、再構築、及び恒
常性の必須の構成要素である。細胞内におけるペプチド結合の切断は、前駆体タ
ンパク質の活性型への成熟、標的タンパク質からのシグナル配列の除去、不適切
に折畳まれたタンパク質の分解、並びに細胞内におけるペプチドの代謝回転の調
節に必要である。プロテアーゼは、胚発生における組織再構築、炎症、及びアポ
トーシス、創傷治癒、並びに通常の発達に関与する。それらは、宿主における細
菌、寄生虫、及びウィルスの侵入並びに複製に必要な構成要素である。活性部位
の構造、作用機序、全体的な3次元構造に基づき、哺乳類のプロテアーゼの主要
な4つの分類が認められている(Beynon, R.J. 及びJ.S. Bond (1994) Prot
eolvtic Enzymes: A Practical Approach, Oxford University Press,
New York NY, pp. 1-5)。
【0003】 セリンプロテアーゼ(SP)は、消化酵素トリプシン及びキモトリプシンを含む
タンパク質分解酵素の大きなファミリーであり、補体カスケード及び血液凝固カ
スケードの構成要素であり、更に細胞外マトリックスの巨大分子の分解および代
謝回転を調節する酵素である。SPは、タンパク質切断の触媒作用のための活性部
位におけるセリン残基に因んでそのように命名された。SPの活性部位は、前述の
セリン、アスパラギン酸、及びヒスチジンを含む3連構造の残基を含む。SPは広
範な基質特異性を有し、これらの特異性に基づきサブファミリーに細分される。
主なサブファミリーは、アルギニン及びリジンの後を切断するtrypases、フェニ
ルアラニン若しくはロイシンの後を切断するchymases、メチオニンの後を切断す
るmetases、並びにセリンの後を切断するserasesである。Clpプロテアーゼはセ
リンプロテアーゼファミリーの独特な構成要素であり、その活性はATPに結合し
て加水分解する調節サブユニットによって調節される。当初Clpプロテアーゼは
植物の葉緑体において発見されたが、原核生物および真核生物の細胞の双方に広
く存在していると考えられている(Maurizi, MR.ら (1990) J. Biol. Chem
. 265:12546-12552)。最近になって細菌のClp調節サブユニットの哺乳類の相
同体SKD3が、マウスにおいて同定された(Perier, F. ら (1995) Gene 152
:157-163)。
【0004】 システインプロテアーゼは、前駆体タンパク質のプロセシングから細胞内の分
解にわたる多様な細胞プロセスに関与している。哺乳類のシステインプロテアー
ゼには、リソソームのカテプシン及びサイトゾルのカルシウム依存性プロテアー
ゼであるカルパインが含まれる。特に注目すべきは、システインプロテアーゼが
単球、マクロファージ、及び他の免疫系の細胞によって産生されることであり、
それらは炎症部位に移動し、その保護的役割として損傷した組織を修復するため
の種々の分子を分泌する。これらの細胞が同一の分子を過剰産生し、一定の疾患
における組織破壊の原因となり得る。関節リウマチのような自己免疫疾患におい
ては、システインプロテアーゼ、カテプシンCの分泌によってコラーゲン、ラミ
ニン、エラスチン、並びに骨の細胞外マトリックスに見られる他の構造タンパク
質が分解される。リソソームプロテアーゼのカテプシンファミリーには、システ
インプロテアーゼ(カテプシンB、H、K、L、O2、及びS)並びにアスパルチルプ
ロテアーゼ(カテプシンD及びG)が含まれる。このエンドソームプロテアーゼフ
ァミリーの種々の構成要素は差次的に発現される。カテプシンDのようなものは
至るところに存在する組織分布を有し、一方でカテプシンLのようなものは単球
、マクロファージ、並びに免疫系の他の細胞においてのみ見られる。
【0005】 アスパラギン酸プロテアーゼには、細菌のペニシロペプシン、哺乳類のペプシ
ン、レニン、キモシン、及び所定の真菌のプロテアーゼが含まれる。アスパラギ
ン酸プロテアーゼの特徴的な活性部位残基は、例えばペニシロペプシンにおける
Asp33及びAsp213のような対をなすアスパラギン酸残基である。アスパラギン酸
プロテアーゼは、それらの活性の最適pHが2〜3なので、酸性プロテアーゼとも称
される。このpHの範囲において、アスパラギン酸残基の1つはイオン化し、もう
一方は中性のままである。アスパラギン酸プロテアーゼの強力なインヒビターは
、遷移状態において通常の基質と類似しているヘキサペプチドペプスタチンであ
る。
【0006】 カルボキシペプチダーゼA及びBは、主要な哺乳類の代表的メタロプロテアーゼ
ファミリーである。両者は、類似した構造および活性部位配置のエキソペプチダ
ーゼである。キモトリプシンのようなカルボキシペプチダーゼAは、C末端の芳香
族および疎水性の脂肪族の側鎖を選択し、一方でカルボキシペプチダーゼBは、
塩基性のアルギニン及びリジン残基の方へ向く。活性部位の構成要素には、タン
パク質における1つのヒスチジンと2つのグルタミン酸残基を配位させる亜鉛が含
まれる。
【0007】 プロテアソーム及びユビキチンプロテアーゼは、真核生物の細胞および幾つか
の細菌における細胞性タンパク質の分解の主要な経路であるユビキチン抱合系(
UCS)と関連する。プロテアソームは、基質認識およびプロテアソーム活性の調
節に役立つ末端基質、及び種々のプロテアーゼを含む触媒作用的中心部を含む大
きな(〜2000kDa)多サブユニット複合体である。UCSは、異常なタンパク質の除
去を媒介し、遺伝子の転写や細胞周期の進行のような細胞プロセスを調節する重
要な調節タンパク質の半減期を調節する。UCS経路において、分解の標的とされ
るタンパク質は、小さな熱安定性のタンパク質であるユビキチンに抱合される。
次にユビキチン化されたタンパク質がプロテアソームによって認識されて分解さ
れ、ユビキチンはUCSにおける再利用のためにユビキチンプロテアーゼによって
遊離される。UCSは、分裂周期のキナーゼ、潰瘍性タンパク質、p53のような癌抑
制遺伝子、ウィルスタンパク質、シグナル伝達に関連する細胞表面受容体、転写
制御因子、並びに変異若しくは損傷したタンパク質の分解に関与する(Ciechano
ver, A. (1994) Cell 79:13-21)。マウスの癌原遺伝子Unpは、過剰発現がN
IH 3T3細胞の発癌性の形質転換を誘発する核ユビキチンタンパク質をコードし
、この遺伝子のヒト相同体は、肺の腺癌および小細胞腫瘍において常に上昇して
いる(Gray, D.A. (1995) Oncogene 10:2179-2183)。
【0008】 他の多くのタンパク質分解酵素は、それらの作用機構及び/又は活性部位が明
らかにされていないので前述の主要な分類に当てはまらない。これらの中には、
アミノペプチダーゼ及びシグナルペプチダーゼが含まれる。アミノペプチダーゼ
は、ペプチド基質のアミノ末端からのアミノ酸残基の加水分解を触媒する。ウシ
のロイシンアミノペプチダーゼは亜鉛金属酵素であり、それは金属イオンの結合
における活性部位において少なくとも3つの反応性のシステイン残基からのスル
フヒドリル基を利用する(Cuypers, H.T.ら (1982) J. Biol. Chem. 257:
7086-7091)。
【0009】 シグナルペプチダーゼは、シグナルペプチドのプロセシングに役立つ全ての原
核生物および真核生物の細胞型に見られるプロテアーゼの特殊な種類である。シ
グナルペプチドは、リボソーム構築部位から特定の細胞もしくは細胞外の部位ま
でのタンパク質に配向するアミノ末端配列である。一旦タンパク質が移出される
と、シグナルペプチダーゼによるシグナル配列の除去および翻訳後のプロセシン
グによってタンパク質が活性化される。シグナルペプチダーゼは、酵母菌および
哺乳類において多サブユニット複合体として存在する。
【0010】 プロテアーゼインヒビター及びプロテアーゼ活性の他のレギュレータが、プロ
テアーゼの機能および活性を調節する。プロテアーゼインヒビターは、タンパク
質分解障害の動物モデルにおいて病原性を調節することが明らかにされている(
Murphy, G (1991) Agents Actions Suppl. 35:69-76)。低レベルのシス
タチン(システインプロテアーゼの低分子量のインヒビター)は、腫瘍の悪性の
進行に関連する(Calkina, C.ら (1995) Biol. Biochem. Hoppe Seyler 376:71-80)。また、インヒビター活性の低下に付随するシステインプロテアー
ゼの増大は、ヒトの関節炎および免疫疾患の症状に関連している。
【0011】 セルピン(serpins)は、哺乳類の血漿のセリンプロテアーゼである。多くのセ
ルピンが、哺乳類の血液凝固カスケード及び/又は補体カスケードの調節に役立
つ。Sp32は、哺乳類のアクロソームプロテナーゼであるアクロシンの正のレギュ
レータである。Sp32は酵素前駆体、プロアクロシンと結合して酵素の先体基質へ
のパッケージングを助長する(Baba, T.ら (1994) J. Biol. Chem. 269:1
0133-10140)。
【0012】 セリンプロテアーゼインヒビターのKunitzファミリーは、約50のアミノ酸残基
以上の規則的な間隔を空けられ且つ3つの内部鎖のジスルフィド結合を形成する
一連のシステイン残基を含む1又はそれ以上の「Kunitzドメイン」によって特徴づ
けられる。このファミリーの構成要素には、アプロチニン、組織因子経路インヒ
ビター(TFPI-1及びTFPI-2)、インター‐α‐トリプシンインヒビター、及びbi
kuninが含まれる(Marlor, C.W.ら (1997) J. Biol. Chem. 272:12202-12
208)。このファミリーの構成要素は、カリクレイン及びプラスミンのようなセ
リンプロテアーゼに対する強力なインヒビター(ナノモルの範囲)である。
【0013】 新規なプロテアーゼ及び関連タンパク質及びそれらをコードするポリヌクレオ
チドの開示は、細胞増殖障害及び免疫異常症の診断・治療・予防に役立つ新たな
組成物を提供して当業者の要求を満たすものである。
【0014】 発明の概要 本発明は、まとめて「PPRG」、また個別には「PPRG-1」、「PPRG-2」、「PPRG-3」、「P
PRG-4」、「PPRG-5」、「PPRG-6」、「PPRG-7」、「PPRG-8」、「PPRG-9」、「PPRG-10」、「PP
RG-11」、「PPRG-12」、「PPRG-13」、「PPRG-14」、「PPRG-15」、「PPRG-16」、「PPRG-17」
、「PPRG-18」、「PPRG-19」、及び「PPRG-20」と称される実質的に精製されたポリペ
プチドであるプロテアーゼ及び関連タンパク質を特徴とする。一実施態様におい
て、本発明はSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択され
たアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
【0015】 また、本発明はSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択
された少なくとも1つのアミノ酸配列に対して少なくとも90%以上のアミノ酸同一
性を有する実質的に精製された変異体を提供する。更に本発明はSEQ ID NO:1
−20並びにそれらの断片からなる一群より選択されたアミノ酸配列を含むポリペ
プチドをコードする単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。更に本発
明にはSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択されたアミ
ノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも
90%以上のポリヌクレオチド配列の同一性を有する単離され精製されたポリヌク
レオチドの変異配列が含まれる。
【0016】 更に、本発明はSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択
されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと厳密な
条件の下でハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する
。また本発明はSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択さ
れたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して相
補的な配列を有する単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0017】 また、本発明は核酸を含むサンプルにおけるポリヌクレオチドの検出方法を提
供し、その方法には(a)サンプルの少なくとも1つのポリヌクレオチドとポリ
ヌクレオチドの相補配列とをハイブリダイズさせて、ハイブリダイゼーション複
合体を形成する過程と、(b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過
程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の存在が前記生物学的サンプルに
おけるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在と相関性を有するよう
な検出過程とが含まれる。本発明の一実施態様では、ハイブリダイゼーションの
前にポリヌクレオチドを増幅する過程を更に含む。
【0018】 更に、本発明はSEQ ID NO:21−40並びにそれらの断片からなる一群より選択
されたポリヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチドを提供
する。また本発明はSEQ ID NO:21−40並びにそれらの断片からなる一群より選
択されたポリヌクレオチド配列に対して少なくとも90%以上のポリヌクレオチド
配列の同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチドの変異配列を提供す
る。更に本発明はSEQ ID NO:21−40並びにそれらの断片からなる一群より選択
されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに対して相補的な配列を有
する単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0019】 更に、本発明はSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択
されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの少なく
とも断片を含む発現ベクターを提供する。別の実施態様では、その発現ベクター
は宿主細胞に包含される。
【0020】 また、本発明はポリペプチドの製造方法を提供し、その方法には(a)前記ポ
リペプチドの発現に適した条件の下で、ポリヌクレオチドの少なくとも断片を含
む発現ベクターを含む宿主細胞を培養する過程と、(b)その宿主細胞の培地か
らポリペプチドを回収する過程とが含まれる。
【0021】 更に、本発明はSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選択
されたのアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを適切な製薬用
担体と共に含む医薬品成分を提供する。
【0022】 更に、本発明にはSEQ ID NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群より選
択されたポリペプチドに結合する精製された抗体が含まれる。また本発明は前記
ポリペプチドの精製されたアゴニストおよび精製されたアンタゴニストを提供す
る。
【0023】 更に、本発明はPPRGの活性または発現の低下に関連する疾患の治療又は予防の
方法を提供し、その方法には、そのような治療が必要な被験者に対してSEQ ID
NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を有す
る実質的に精製されたポリペプチドを適切な製薬用担体と共に含む医薬品組成物
を有効な量投与する過程が含まれる。
【0024】 更に、本発明はPPRGの活性または発現の増大に関連する疾患の治療又は予防の
方法を提供し、その方法には、そのような治療が必要な被験者に対してSEQ ID
NO:1−20並びにそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を有す
るポリペプチドのアンタゴニストを有効な量投与する過程が含まれる。
【0025】 発明を実施するための形態 本発明のタンパク質、核酸配列、及び方法について説明する前に、本発明は、
ここに開示した特定の装置、材料、及び方法に限定されるものではなく、その実
施形態は変更可能であることを理解されたい。また、ここで使用した専門用語は
、特定の実施例のみを説明する目的で用いたものであり、特許請求の範囲のみで
限定される本発明の範囲を限定することを意図したものではないことも理解され
たい。
【0026】 請求の範囲を含む本明細書において、単数形の「或る」及び「その(この)」
の表記は、文脈からそうでないことが明らかである場合以外は、複数の意味も含
むことに注意されたい。従って、例えば「或る宿主細胞」の表記には、複数のそ
のような宿主細胞が含まれ、この「抗体」の表記は、1またはそれ以上の抗体及
び当業者に周知のその等価物なども表している。
【0027】 特別に定義されていない限り、本明細書における全ての専門用語及び特定の用
語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に一般に理解され
るものと同じ意味を有する。ここで説明したものと類似あるいは等価な方法、装
置、及び材料を本発明の実施や試験において使用可能であるが、本明細書におい
ては好適な方法、装置、材料を説明する。本発明で言及した全ての文献は、文献
で報告された本発明に関して用いられ得る株化細胞、プロトコル、試薬、及びベ
クターを説明・開示するために引用したものである。本明細書のあらゆる開示内
容は、本発明が従来発明によるそのような開示に先行し得ないことを認めるもの
と解釈してはならない。
【0028】 定義 用語「PPRG」は、任意の種、詳細にはウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ、及び
好ましくをヒトを含む特定の哺乳類の種から得られたものであって、天然、合成
、半合成か、或いは組換え体を起源として得られた実質的に精製されたPPRGのア
ミノ酸配列を指す。
【0029】 用語「アゴニスト」は、PPRGと結合した場合にPPRGの効果を高めたり、その効果
の持続時間を延ばす分子を指す。アゴニストには、PPRGに結合してその作用を調
節するタンパク質、核酸、糖質、または任意の他の分子が含まれ得る。
【0030】 用語「アレル変異配列」は、PPRGをコードする遺伝子の対立形である。アレル変
異配列は、核酸配列における少なくともひとつの突然変異に起因し、変異したmR
NA或いはポリペプチドが生ずるが、それらの構造又は機能は変化する場合と変化
しない場合がある。与えられた任意の自然の遺伝子または組換え型の遺伝子には
、アレル形がないもの、1つ存在するもの、或いは多数存在するものがある。一
般にアレル変異配列が生じる通常の変異は、ヌクレオチドの自然な欠失、付加、
または置換に因るものである。これらのタイプの変化の各々は、単独または他の
変化と組み合わされて、所定の配列において1またはそれ以上の回数で生じ得る
【0031】 ここで用いるPPRGをコードする「変異(altered)」核酸配列には、結果として同
一のPPRGまたはPPRGの機能的特徴の少なくとも1つをともなうポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドをもたらす種々のヌクレオチドの欠失、挿入、または
置換をともなうそれらの配列が含まれる。この定義には、PPRGの特定のオリゴヌ
クレオチドプローブを用いて容易に検出可能な、或いは検出困難な多型と、また
PPRGをコードするポリヌクレオチド配列の正常の染色体の位置とは別の所定の位
置を有する、アレル変異配列に対する不適切な或いは予期しないハイブリダイゼ
ーションとが含まれる。コード化されたタンパク質もまた「変異」したものであり
得て、サイレント変化(silent change)を生ずるアミノ酸残基の置換、欠失、ま
たは挿入を含み、結果的に機能的に等価PPRGとなるものである。意図的なアミノ
酸置換は、PPRGの生物学的または免疫学的活性が保持される限りにおいて、残基
の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性の性質につい
ての類似性に基づき行なわれ得る。例えば、負に荷電したアミノ酸にはアスパラ
ギン酸およびグルタミン酸が含まれ、正に荷電したアミノ酸にはリジンおよびア
ルギニンが含まれ、同様な親水性値を有する非電荷の極性頭基を有するアミノ酸
には、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、
グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、及びチロシンが含まれる
【0032】 ここで用いる「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド
、ポリペプチド、又はタンパク質の配列、またはそれらの何れかの断片であり、
自然発生又は合成の分子を指す。PPRGの断片は、好ましくは約5〜約15個のアミ
ノ酸の長さを有し、PPRGの生物的活性又は免疫学的活性を保持しているものであ
る。この文脈において、「断片」、「免疫原性の断片」、または「抗原性の断片」は、
好ましくは約5〜15のアミノ酸の長さ(最も好ましくは14のアミノ酸の長さ)で
あってPPRGの生物学的活性または免疫学的活性を保持するPPRGの断片を指す。こ
こで「アミノ酸配列」は、自然発生タンパク質分子のアミノ酸配列を指すものと
して挙げているが、「アミノ酸配列」や類似の用語は、列挙されたタンパク質分
子に関連する完全で元のままのアミノ酸配列にアミノ酸配列を限定する意味で用
いられるわけではない。
【0033】 ここで用いる「増幅」は、核酸配列の追加の複製物を生成することであり、通
常は当業者に周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて実施される。
【0034】 用語「アンタゴニスト」は、PPRGに結合した場合にPPRGの生物学的又は免疫学
的活性の効果の程度を低下させたり、効果の持続時間を短縮する分子を指す。ア
ンタゴニストには、タンパク質、核酸、糖質、或いはPPRGの作用を低下させる任
意の他の分子が含まれ得る。
【0035】 用語「抗体」は、完全な分子、並びに抗原決定基と結合し得るFa、F(ab)2、及
びFvフラグメントのようなそれらの断片も指す。PPRGポリペプチドに結合する抗
体は、無処置のポリペプチドを用いて、或いは免疫化する抗原として関与する小
型のペプチドを含むその断片を用いて調製することができる。動物(例えば、マ
ウス、ラット、またはウサギ)を免疫化するのに用いるポリペプチドまたはオリ
ゴペプチドは、RNAの翻訳または化学的に合成されたものから得られ、必要なら
ば担体タンパク質と結合可能である。ペプチドと化学的に結合する通常用いられ
る担体には、ウシ血清アルブミン及びサイログロブリン、キーホールリンペット
ヘモシアニン(KLH)が含まれる。次に、この結合したペプチドを用いて動物を
免疫化する。
【0036】 用語「抗原決定基」は、特定の抗体と接触する分子の断片(即ち、エピトープ
)を指す。タンパク質またはタンパク質の断片を用いてホストの動物を免疫化す
る場合、このタンパク質の多くの領域が、抗原決定基(タンパク質の所定の領域
または3次元構造)と特異的に結合する抗体の産生を誘発し得る。抗原決定基は
抗体への結合について元の抗原(即ち、免疫応答を誘発するために用いられる免
疫原)と競合し得る。
【0037】 用語「アンチセンス」は、特定の核酸配列の「センス」鎖と相補的な核酸配列を
含む任意の成分を指す。アンチセンス分子は、合成や転写を含む任意の方法で作
り出すことができる。この相補的ヌクレオチドは、一度細胞内に導入されると、
細胞によって作られた天然の配列と結合して2重鎖を形成し、転写や翻訳を妨げ
る。「マイナス(−)」なる表現がアンチセンス鎖を指し、「プラス(+)」な
る表現がセンス鎖を指すことがある。
【0038】 用語「生物学的に活性」は、自然発生の分子の構造的機能、調節機能、又は生
化学的機能を有するタンパク質を指す。同様に「免疫学的に活性」は、天然の、
組換え体の、又は合成のPPRG、若しくはその任意のオリゴペプチドの能力を指し
、適当な動物や細胞における特定の免疫応答を誘発し、特定の抗体に結合する。
【0039】 用語「相補的」または「相補性」は、任意の塩類及び温度条件の下での塩基対
によるポリヌクレオチド同士の自然な結合である。例えば、配列「5'A-G-T3'」
は相補的配列「3'T-C-A5'」に結合する。2つの一本鎖分子間の相補性は、幾つか
の核酸のみが結合しているような「部分的」なものも、或いは一本鎖分子間に完
全な相補性が存在するような「完全」なものもある。核酸鎖同士の相補性の程度は
、核酸鎖同士のハイブリダイゼーションの効率及び強さに大きな影響を与える。
このことは、核酸鎖同士の結合によって左右される増幅反応や、ペプチド核酸(
PNA)分子の設計及び使用において特に重要である。
【0040】 ここで用いる「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」または「所定のア
ミノ酸配列を含む組成物」とは、概して所定のポリヌクレオチド配列またはアミ
ノ酸配列を含む任意の組成物を指す。この組成物には、乾燥した製剤または水溶
液が含まれ得る。PPRGまたはPPRGの断片をコードするポリヌクレオチドを含む組
成物は、ハイブリダイゼーションプローブとして利用できる。このプローブは凍
結乾燥した形態で保存することができ、糖質のような安定化剤と結合させること
ができる。ハイブリダイゼーションにおいて、このプローブは、塩(例えば、Na
Cl)、界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))及び他の物質(例
えば、デンハート液、乾燥ミルク、サケ精子DNA等)を含む水溶液に分散させる
ことができる。
【0041】 用語「コンセンサス配列」は、再度配列決定して不要な塩基が分離された核酸
配列か、XL-PCR kit(The Perkin Elmer Corp., Norwalk, CT)を用いて5‘
方向及び/又は3’方向に伸長して再度配列決定した核酸配列か、或いはフラグ
メントの組み合わせのためのコンピュータプログラム(例えば、GELVIEWTM Fra
gment Assembly system, GCG, Madison WI)を用いて2種以上のインサイト
社クローンの重複した配列から組み合わせて作られた核酸配列である。いくつか
の配列が伸長され、かつ組み合わされてコンセンサス配列が作られる。
【0042】 用語「ポリヌクレオチドの発現と相関性を有する」とは、ノーザン解析による
PPRGをコードする核酸配列と同一か又は関連する核酸の存在の検出が、サンプル
内のPPRGをコードする核酸の存在を示しており、従ってPPRGをコードするポリヌ
クレオチドからの転写産物の発現と相関性を有している、ということを表してい
る。
【0043】 ここで用いる「欠失」は、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化
であり、結果的に1個またはそれ以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸残基が欠
けることである。
【0044】 用語「誘導体」は、ポリペプチド配列、又はポリヌクレオチド配列の化学修飾
を指す。ポリヌクレオチド配列の化学修飾には、例えば、水素からアルキル基、
アシル基、又はアミノ基への置換が含まれる。ポリヌクレオチド誘導体は、自然
発生の分子の生物学的又は免疫学的機能を保持しているポリペプチドをコードす
る。誘導体ポリペプチドは、グリコシル化、ポリエチレングリコール化(pegylat
ion)、または元のポリペプチドの生物学的又は免疫学的機能を保持する別の任意
のプロセスで修飾されたものである。
【0045】 用語「類似性」は、或る程度の相補性を意味する。部分的な類似性と、完全な
類似性の場合がある。用語「類似性」の代わりに「同一性」を用いることができる。
同一の配列が標的の核酸とハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害する
部分的に相補的な配列は、「実質的に類似な」ことを指す。完全に相補的な配列
と標的配列とのハイブリダイゼーションの阻害は、緩やかな厳密性のもとで、ハ
イブリダイゼーションアッセイ(サザン法またはノーザン法、溶液ハイブリダイ
ゼーション等)を用いて検定可能である。実質的に類似な配列またはハイブリダ
イゼーションプローブは、緩やかな厳密性の下で完全に類似(同一)な配列との
結合について標的の配列と競合し、それを阻害する。このことは、緩やかな厳密
性の条件が、非特異的な結合を許容するようなものであるということを意味する
わけではなく、緩やかな厳密性の条件では2つの配列の相互の結合が特異的(即
ち選択的)相互作用であることが必要である。非特異的結合が存在しないことを
、部分的な程度の相補性(即ち約30%未満の類似性又は同一性)さえも有してい
ない第2の標的配列を用いることにより検査することができる。非特異的結合が
存在しない場合、概ね類似な配列またはプローブは第2の非相補的な標的配列と
ハイブリダイズしない。
【0046】 用語「同一性のパーセント」又は「同一性の%」は、2以上のアミノ酸または核酸配
列の比較において見出された配列の類似性の百分率を指す。同一性のパーセント
は、例えばMEGALIGNプログラム(DNASTAR, Inc.,Madison WI)を用いることに
よって電子的に決定できる。MegAlignプログラムは、例えばclustal Methodの
ようなユーザーに選択された方法に従い、2以上の配列の間のアライメントを作
成することができる(例えば、Higgins,D.G.及びSharp,P.M.(1988)Gene 73:237
-244を参照)。各方法のパラメータは、MEGALIGNによって与えられたデフォルト
のパラメータか、或いはユーザによって規定されたものでもよい。clustalアル
ゴリズムは、全てのペアの間の距離を調べることによって配列をクラスターに分
類する。クラスターはペアでアライメントされ、次にグループにおいてアライメ
ントされる。2つのアミノ酸配列(例えば、配列A及び配列B)の間の類似性のパ
ーセンテージは、(配列Aと配列Bとの間で一致する残基の総数)/(配列Aの長
さ−配列Aにおけるギャップ残基(gap residues)の数−配列Bにおけるギャップ
残基の数)×100によって計算する。2つのアミノ酸の間の低い類似性または非類
似性のギャップは、類似性のパーセンテージの測定に含まれない。また、核酸配
列の間の同一性のパーセントは、例えばJotun Hein Methodのような当業者に
周知の他の方法により計算、即ちカウントできる(例えばHein, J.(1990) Met
hods Enzymol. 183:626-645参照)。更に配列間の同一性は、例えばハイブリ
ダイゼーション条件を変更することによる当業者に周知の別の方法によって測定
可能である。
【0047】 「ヒト人工染色体」(HAC)は6kb〜10MbのサイズのDNA配列を含んでおり、安定
した有糸分裂染色体の分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の小染色体
である。
【0048】 用語「ヒト化抗体」は、抗体が本来の結合能力をそのまま保持しながらヒト抗
体により近づくように、非抗体結合領域におけるアミノ酸配列配列を置換した抗
体分子を指す。
【0049】 用語「ハイブリダイゼーション」は、核酸の鎖が塩基対合を介して相補鎖と結
合する任意の過程を指す。
【0050】 用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補的な塩基の間の水素結合形成
の効力によって、2つの核酸配列で形成された複合体を指す。ハイブリダイゼー
ション複合体は、溶液中で形成されるか(例えば、C0t又はR0t解析)、或いは核
酸は溶液中に存在する一方の核酸と固体支持体(例えば、紙、メンブラン、フィ
ルタ、ピン、またはスライドガラス、ポリマー、または細胞やその核酸が固定さ
れる他の適切な基板)に固定されたもう一方の核酸との間で形成され得る。
【0051】 ここで用いる「挿入」或いは「付加」は、自然発生の分子にみられる配列に対
して、1個または2個以上のヌクレオチド、アミノ酸残基が各々加わるような、ヌ
クレオチド配列或いはアミノ酸配列の変化を指す。
【0052】 「免疫応答」は、炎症、心的外傷、免疫異常症、又は伝染性もしくは遺伝性の疾
患に関連する容態を指す。これらの容態は、細胞および全身の防御系に作用する
種々の因子(例えばサイトカイン、ケモカイン、及び他のシグナル伝達分子)の
発現によって特徴づけられる。
【0053】 用語「マイクロアレイ」とは、例えば紙、ナイロン、又は他のタイプのメンブ
ラン、フィルタ、チップ、スライドガラス、又は他の任意の適切な固体支持体の
ような基板上に配列された個々のポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを配
列したものを指す。
【0054】 用語「調節(modulate)」は、PPRGの活性の変化を指す。例えば、調節によって
、タンパク質活性の向上や低下、結合特性の変化、又はPPRGの生物学的、機能的
、免疫学的特性等の他の変化がもたらされる。
【0055】 ここで用いる「核酸」または「核酸配列」は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチ
ド、ポリヌクレオチド、又はそれらの任意の断片を指す。また、これらの用語は
、一本鎖または二本鎖の、センス鎖又はアンチセンス鎖のゲノム起源又は合成起
源のDNA若しくはRNAや、ペプチド核酸(PNA)や、任意のDNA様若しくはRNA様物
質も指す。用語「断片(フラグメント)」は、SEQ ID NO:21−40を特別に同定
する独特のポリヌクレオチド配列の領域を含む核酸配列(例えば、同じゲノム内
の任意の別の配列とは異なる)を指す。例えば、SEQ ID NO:21−40の断片は、
ハイブリダイゼーション及び増幅技術に有用であり、また、関連するポリヌクレ
オチド配列からSEQ ID NO:21−40を区別する類似性の測定にも有用である。SE
Q ID NO:21−40の断片は、少なくとも約ヌクレオチド15〜20個の長さである。
SEQ ID NO:21−40及びこの断片に対応するSEQ ID NO:21−40の領域の正確な
長さは、断片の所期の目的に基づいた当業者に周知の一般的な技術の1つを用い
てルーチン的に決定できる。或いは、断片が翻訳された際に、機能的特徴(例え
ば、完全長のポリペプチドの抗原性等)および構造的特徴(例えば、完全長のポ
リペプチドのATP結合部位等)を保持したポリペプチドを形成し得る。
【0056】 用語「機能的に関連する」、即ち「機能的に結合する」は、機能的に関係した核酸
配列を指す。プロモーターがコードされたポリペプチドの転写を制御する場合、
プロモーターはコード配列と機能的に関連する、即ち機能的に結合する。機能的
に関連した、即ち機能的に結合した核酸配列が、読み枠に存在あるいは近接する
際に、所定の遺伝因子(例えば、リプレッサー遺伝子)は、コードされたポリペ
プチドには連続的に結合せずに、それでもポリペプチドの発現を制御するオペレ
ーター配列に結合する。
【0057】 ここで用いる「オリゴヌクレオチド」は、PCR増幅又はハイブリダイゼーショ
ンアッセイ、またはマイクロアレイで用いることができる核酸配列であって、長
さが少なくとも約6ヌクレオチドから約60ヌクレオチド程度のもので、好適には1
5〜30ヌクレオチド、より好適には20〜25ヌクレオチドであるものを指す。ここ
で用いる「オリゴヌクレオチド」は、当技術分野において一般に定義されている用
語「アンプライマー」、「プライマー」、「オリゴマー」、及び「プローブ」と
概ね同義である。
【0058】 ここで用いる「ペプチド核酸」(PNA)は、リジンを末端とするアミノ酸残基
のペプチドバックボーンに結合した5ヌクレオチド以上の長さのオリゴヌクレオ
チドを含むアンチセンス分子又は抗遺伝子剤(anti-gene agent)を指す。末端の
リジンがその組成に溶解性を賦与している。PNAは相補的な一本鎖DNAやRNAに優
先的に結合して転写物の伸長を止め、またPNAをポリエチレングリコール化して
細胞におけるPNAの寿命を延ばすことが可能である。
【0059】 用語「サンプル」は、その最も広い意味で用いられる。PPRGをコードする核酸
、若しくはその断片、またPPRG自体を含む疑いのあるサンプルは、体液や、細胞
から分離された染色体、細胞小器官、又は細胞膜からの抽出物や、細胞や、(溶
液中の、或いは固体支持体に結合した)ゲノムのDNA、RNA、またはcDNAや、組織
や、組織プリントその他を含み得る。
【0060】 用語「特異的結合」または「特異的に結合する」は、抗体ならびにタンパク質
もしくはペプチド、抗体及びアンタゴニストの相互作用を指す。この相互作用は
、タンパク質の特定の構造(例えば、結合する分子が認識する抗原決定基、つま
りエピトープ)の存在に左右されることを意味している。例えば、抗体がエピト
ープ「A」に対して特異的である場合、標識された遊離した「A」及びその抗体を
含む反応において、エピトープA(つまり遊離し、標識されていないA)を含むポ
リヌクレオチドが存在することにより、抗体に結合した標識されたAの量が低下
する。
【0061】 用語「厳密(ストリンジェント)な条件」は、ポリヌクレオチドと特許請求の
範囲に記載されたポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能な条件を
指す。厳密な条件は、塩濃度、有機溶剤(例えば、ホルムアミド)の濃度、温度
、及び当業者に周知の他の条件によって規定される。特に、塩の濃度を低下させ
ることや、ホルムアミドの濃度を上昇させることや、ハイブリダイゼーション温
度を上昇させることによって厳密性が増す。
【0062】 用語「実質的に精製」は、天然の環境から取り除かれた核酸配列又はアミノ酸
配列であって、天然にはそれが結合して存在する他の構成成分から単離又は分離
されて、その構成要素が60%以上、好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上
除去された核酸配列又はアミノ酸配列である。
【0063】 用語「置換」は、1個または2個以上のヌクレオチド或いはアミノ酸を、別のヌ
クレオチド或いはアミノ酸にそれぞれ置換することを指す。
【0064】 ここで用いる「基板」とは、膜、フィルター、チップ、スライド、ウエハ、フ
ァイバー、磁気或いは非磁気のビーズ、ゲル、管、プレート、ポリマー、微細粒
子、毛管を含む適切な固体または半固体の支持体のことである。基板は、ポリヌ
クレオチドやポリペプチドが結合する壁、溝、ピン、チャンネル、及び孔などの
様々な表面形態をとることが可能である。
【0065】 用語「形質転換」の定義は、外来性のDNAが入り込みレシピエント細胞を変化
させるプロセスを意味する。形質転換は、当業者に周知の種々の方法を用いた天
然または人工の条件の下で起こり、また外来性の核酸配列を原核細胞または真核
細胞の宿主細胞に導入するための任意の既知の方法に基づき得る。形質転換の方
法は、形質転換される宿主細胞のタイプによって選択され、以下に限定はされな
いが、ウイルス感染、熱ショック、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、リ
ポフェクション、及び微粒子銃を用いる方法が含まれる。このような「形質転換
された」細胞には、挿入されたDNAを自律的に複製するプラスミドとして、また
は宿主の染色体の一部として複製が可能な安定的に形質転換された細胞が含まれ
、またそれは限られた時間で導入されたDNAやRNAを一過性に発現する細胞を指す
【0066】 ここで用いるPPRGポリペプチドの「変異体」は、1又は2以上のアミノ酸残基が
変異したアミノ酸配列である。この変異体は「保存的」変化を含むものであり得
、この場合、例えばロイシンをイソロイシンで置き換えるように、置換されるア
ミノ酸が類似な構造的及び化学的特性を有する。稀にではあるが、例えばグリシ
ンがトリプトファンで置換されるように、変異体が「非保存的」に変化する場合
もある。類似した小さい変化には、アミノ酸の欠失または挿入、或いはその両方
が含まれる。例えばLASERGENEソフトウエア(DNASTAR)のような周知のコンピュ
ータプログラムを用いて、何れのアミノ酸残基が生物学的或いは免疫学的活性を
損なわずに置換、挿入、又は除去可能であるということを決定するガイダンスを
提供することができる。
【0067】 ポリヌクレオチド配列の文脈の中で用いられる「変異配列」とは、PPRGに関連
したポリヌクレオチド配列を包含し得る。この定義には、例えば「アレル」(前
述)、「スプライス」、「種」、「多形性」変異配列も含まれる。スプライス変
異配列は基準分子と有意な同一性を有し得るが、一般にmRNAプロセッシングの際
のエキソンの交互のスプライシングによってポリヌクレオチドの数が増減する。
対応するポリペプチドは、付加的な機能的ドメインを有するか、或いはドメイン
を含まない。種変異配列は、種によって異なるポリヌクレオチド配列である。生
じたポリペプチドは、一般に互いに有意なアミノ酸同一性を有する。多形性変異
配列は、所定の個別の種の間の特定の遺伝子のポリヌクレオチド配列における変
異である。また、多形性変異配列には、ポリヌクレオチド配列の1つの塩基が変
化する「単一のヌクレオチド多形性」(SNP)が包含され得る。SNPの存在は、例
えば、或る集団、病状、又は病状の性向を表し得る。
【0068】 発明 本発明は、新規のプロテアーゼ及び関連タンパク質(PPRG)、PPRGをコードす
るポリヌクレオチド、並びに細胞増殖障害及び免疫異常症の予防、診断、又は治
療のためのこれらの組成物の利用法の発見に基づくものである。
【0069】 表1は、PPRGをコードする完全長のヌクレオチド配列を得るために用いたイン
サイト社クローンの表である。第1列及び第2列は、ポリペプチド及びヌクレオチ
ド配列のID番号(SEQ ID NO)を示す。第3列は、各PPRGをコードする核酸が同
定されたインサイト社クローンのクローンIDを示し、第4列は、これらのクロー
ンが単離されたcDNAライブラリを示す。第5列は、インサイト社クローン及びそ
れらに対応するcDNAライブラリーを示す。cDNAライブラリーが示されていないク
ローンは、プールされたcDNAライブラリーから得られた。第5列のクローンは、
各PPRGのコンセンサス核酸配列を構築するために用いられ、またハイブリダイゼ
ーション技術における断片として有用である。
【0070】 表2の各列は本発明の各ポリペプチドの種々の特性を示しており、第1列はSEQ
ID NO、第2列は各ポリペプチドのアミノ酸残基の数、第3列は潜在的リン酸化
部位、第4列は潜在的グリコシル化部位、第5列はサイン配列(signature sequen
ces)及びモチーフを含むアミノ酸残基、第6列は各ポリペプチドの識別、第7列は
配列相同性及びタンパク質モチーフによって各タンパク質を同定するために用い
た分析法である。
【0071】 表3の各列は、組織特異性、並びにPPRGをコードするヌクレオチド配列に関連
する疾患、障害、若しくは症状を示す。表3の第1列はポリヌクレオチドのSEQ ID NOを示す。第2列は、PPRGを発現する全体の組織分類区分の割合を表す組織
の分類を示す。第3列は、PPRGを発現する組織と関連する疾患、障害、症状を示
す。第4列はcDNAライブラリのサブクローニングに用いたベクターを示す。注目
すべきは、7個の中の5個(71%)のライブラリーにおけるSEQ ID NO:29の腎臓
特異性の発現、並びに頚部腫瘍ライブラリー(60%)におけるSEQ ID NO:34の
発現である。
【0072】 表4の列は、PPRGをコードするcDNAクローンが単離されたcDNAライブラリーを
構築するために用いた組織の説明を示す。第1列はヌクレオチドSEQ ID NO、第
2列はこれらのクローンが単離されたcDNAライブラリー、第3列は組織の起源およ
び第2列のcDNAライブラリーに関連する他の情報をそれぞれ示す。
【0073】 以下に示すPPRGをコードするヌクレオチド配列の断片は、SEQ ID NO:21−40
を同定するため並びにSEQ ID NO:21−40と関連するポリヌクレオチド配列とを
区別するためのハイブリダイゼーションまたは増幅技術において有用である。有
用な断片には、約1番目から約56番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:21の断
片と、約161番目から約213番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:22の断片と、
約110番目から約158番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:23の断片と、約117
番目から約174番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:24の断片と、約191番目か
ら約245番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:25の断片と、約204番目から約26
9番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:26の断片と、約181番目から約221番目
までのヌクレオチドのSEQ ID NO:27の断片と、約509番目から約553番目並びに
約1751番目から約1795番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:28の断片と、約32
6番目から約370番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:29の断片と、約1190番目
から約1234番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:30の断片と、約283番目から
約324番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:31の断片と、約380番目から約424
番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:32の断片と、約272番目から約316番目並
びに約1784番目から約1831番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:33の断片と、
約217番目から約261番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:34の断片と、約2397
番目から約2441番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:35の断片と、約218番目
から約262番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:36の断片と、約165番目から約
209番目並びに約651番目から約695番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:37の
断片と、約812番目から約856番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:38の断片と
、約541番目から約585番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:39の断片と、約16
3番目から約207番目までのヌクレオチドのSEQ ID NO:40とが含まれる。
【0074】 また、本発明はPPRGの変異体を含む。PPRG変異体は、PPRGアミノ酸配列に対し
て好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少
なくとも95%以上のアミノ酸配列の同一性を有し、またPPRGの機能的もしくは構
造的特徴の少なくとも1つを含む。
【0075】 更に、本発明はPPRGをコードするポリヌクレオチドを包含する。特定の実施例
において、本発明はPPRGをコードするSEQ ID NO:21−40からなる一群より選択
されたポリヌクレオチド配列を包含する。
【0076】 更に、本発明はPPRGをコードするポリヌクレオチドの変異配列を含む。特に、
そのようなポリヌクレオチドの変異配列は、PPRGをコードするポリヌクレオチド
配列に対して少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少
なくとも95%以上のポリヌクレオチド配列の同一性を有する。本発明の特定の態
様には、SEQ ID NO:21−40からなる一群より選択された配列を含むポリヌクレ
オチド配列の変異配列が含まれ、それはSEQ ID NO:21−40からなる一群より選
択された配列を含むポリヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、より好まし
くは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%以上のポリヌクレオチド配列
の同一性を有する。上記のポリヌクレオチドの変異配列は何れもPPRGの機能的ま
たは構造的特徴の少なくとも1つを含むアミノ酸配列をコードすることが可能で
ある。
【0077】 遺伝暗号の縮重の結果、既知の遺伝子及び自然発生の遺伝子のポリヌクレオチ
ド配列に対する最小の類似性を有する幾つかのものを含め、多数のPPRGをコード
するポリヌクレオチド配列が作り出されることが、当業者には理解されるであろ
う。従って、本発明は、可能なコドン選択に基づく組合せの選択により作り出さ
れ得るポリヌクレオチド配列の可能な全ての変異を考慮している。これらの組合
せは自然発生のPPRGのヌクレオチド配列に対し適用されるような標準のトリプレ
ット遺伝暗号に従い作り出されるものであり、また全てのそのような変異はここ
に明確に開示されると考えられたい。
【0078】 PPRGをコードするヌクレオチド配列及びその変異配列は、適切に選択された厳
密性の条件下に於いて、自然発生のPPRGのヌクレオチド配列に対してハイブリダ
イズ可能であることが好ましいが、それは非自然発生のコドンを含める等の実質
的に異なるコドンの用法を有するPPRG又はその誘導体をコードするヌクレオチド
配列を作り出すのに有利である。特定のコドンが宿主により利用される頻度に従
い、真核生物又は原核生物の宿主に於いてペプチドの発現が起こる割合を高める
ようにコドンを選択することができる。コードされるアミノ酸配列を変化させる
ことなしにPPRG及びその誘導体をコードするヌクレオチド配列を実質的に変更す
る別の理由は、自然発生の配列から作り出された転写物よりも長い半減期のよう
なより望ましい特性を有するRNA転写物を作り出すためである。
【0079】 また本発明は、PPRG及びPPRGの誘導体をコードするDNA配列、またはその断片
を専ら合成化学によって作り出すことを含む。作製の後に、合成配列を当業者に
よって周知の試薬を用いて任意の多数の利用可能な発現ベクター及び細胞系に挿
入することが可能である。更に、合成化学を利用してPPRGをコードする配列又は
それらの任意のフラグメントに突然変異を導入し得る。
【0080】 また本発明に包含されるものには、種々の厳密な条件の下で、請求項に記載さ
れたポリヌクレオチド配列、また特にSEQ ID NO:21−40並びにそれらの断片に
対してハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド配列が含まれる(例えば、Wahl,
G.M.及びS.L. Berger(1987) Methods Enzymol. 152:399-407;Kimmel, A
.R.(1987) Methods Enzymol. 152:507-511参照)。例えば、厳密な塩濃度は
、通常は約750mM未満の塩化ナトリウム及び約75mM未満のクエン酸3ナトリウムで
あり、好ましくは約500mM未満の塩化ナトリウム及び約50mM未満のクエン酸3ナト
リウムであり、最も好ましくは約250mM未満の塩化ナトリウム及び約25mM未満の
クエン酸3ナトリウムである。例えばホルムアミド等の有機溶剤の非存在下では
厳密性の低いハイブリダイゼーションとなり、一方で約35%以上のホルムアミド
、最も好ましくは約50%以上のホルムアミドの存在下において厳密性の高いハイ
ブリダイゼーションとなる。厳密な温度条件は、通常は約30℃以上であり、より
好ましくは約37℃以上であり、最も好ましくは約42℃以上である。例えば、ハイ
ブリダイゼーション時間、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等の薬品濃度、キャ
リアDNAの含有または排除等の変動する付加的なパラメーターは、当業者には周
知である。これらの必要とする種々の条件を組合わせることによって、様々なレ
ベルの厳密性が実現される。好適な実施例では、温度30℃、750mMの塩化ナトリ
ウム、75mMのクエン酸3ナトリウム、及び1%のSDSにおいてハイブリダイゼーショ
ンが実施される。より好適な実施例では、温度37℃、500mMの塩化ナトリウム、5
0mMのクエン酸3ナトリウム、1%のSDS、35%のホルムアミド、及び100μg/mlの変
性サケ精子DNA(ssDNA)においてハイブリダイゼーションが実施される。最も好
適な実施例では、温度42℃、250mMの塩化ナトリウム、25mMのクエン酸3ナトリウ
ム、1%のSDS、50%のホルムアミド、及び200μg/mlのssDNAにおいてハイブリダイ
ゼーションが実施される。これらの条件の有益な変更については、当業者には容
易に理解されるであろう。
【0081】 ハイブリダイゼーションの後の洗浄過程においても厳密性は変更し得る。洗浄
の厳密な条件は、塩濃度および温度によって規定できる。前述のように、塩濃度
を低下させるか、或いは温度を上昇させることで洗浄の厳密性が増大し得る。例
えば、洗浄過程の厳密な塩濃度の条件は、好ましくは約30mM未満の塩化ナトリウ
ム及び約3mM未満のクエン酸3ナトリウムであり、最も好ましくは約15mM未満の
塩化ナトリウム及び約1.5mM未満のクエン酸3ナトリウムである。洗浄過程の厳密
な温度の条件は、通常は約25℃以上であり、より好ましくは約42℃以上であり、
最も好ましくは約68℃以上である。好適実施例では、洗浄過程は、温度25℃、30
mMの塩化ナトリウム、3mMのクエン酸3ナトリウム、及び0.1%SDSにおいて実施さ
れる。より好適な実施例では、洗浄過程は、温度42℃、15mMの塩化ナトリウム、
1.5mMのクエン酸3ナトリウム、及び0.1%SDSにおいて実施される。最も好適な実
施例では、洗浄過程は、温度68℃、15mMの塩化ナトリウム、1.5mMのクエン酸3ナ
トリウム、及び0.1%SDSにおいて実施される。これらの条件の更なる変更につい
ては、当業者には容易に理解されるであろう。
【0082】 DNA塩基配列決定方法は周知のものであり、本発明の任意の実施例においても
利用され得る。その方法は、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、SEQUEN
ASE(US Biochemical, Cleveland,OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)
、耐熱性T7ポリメラーゼ(Amersham, Pharmacia Biotech, Piscataway NJ)
、或いはELONGASE増幅システム(Life Technologies, Gaithersburg MD)に
於いて発見されたようなプルーフリーディングエキソヌクレアーゼ及びポリメラ
ーゼの組合せのような酵素を使用する。配列の準備は、Hamilton MICROLAB 22
00(Hamilton,Reno,NV)、Peltier Thermal Cycler 200(PTC200; MJ Rese
arch,Watertown,MA)及びABI CATALYST 800(Perkin Elmer)のような装置に
よって自動化することが好ましい。次に、ABI 373若しくは377 DNAシークエン
シングシステム(Perkin-Elmer)、MEGABACE 1000 DNAシークエンシングシス
テム(Molecular Dynamics, Sunnyvale CA)、又は他の周知のシステムを用
いてシークエンシングを行う。結果として得られた配列を当業者に周知の種々の
アルゴリズムを用いて分析する(例えば、Ausubei, F.M. (1997) Short Pro
tocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York NY,
unit 7.7; Meyers, R.A. (1995) Molecular Biology and Biotechnolog
y, Wiley VCH, New York NY, pp. 856-853を参照)。
【0083】 PPRGをコードする核酸配列は、部分的なヌクレオチド配列を用いて先行技術に
於いて周知の種々のPCR法をベースとした方法で伸長し、プロモータ及び調節エ
レメントのような上流の配列を検出することができる。例えば、用いられる方法
の1つである制限部位PCR法は、一般的なプライマー及びネスト化プライマーを用
いてクローニングベクター内のゲノムDNAから未知の配列を増幅する(例えば、S
arkar, G. (1993) PCR Methods Applic. 2:318-322を参照)。逆PCR法を
用いる別の方法では、多岐に伸長して環状化鋳型から未知の配列を増幅するプラ
イマーを用いる。この鋳型は、既知のゲノム遺伝子座及びその周辺の配列を含む
制限酵素断片に由来する。(Triglia, T.ら(1988)Nucleic Acids Res. 16
:8186)。第3の方法として、キャプチャーPCR法(capture PCR)には、ヒト及び
酵母菌の人工染色体DNAの既知の配列に隣接するDNA断片のPCR増幅が含まれる(
例えば、Lagerstrom, M.ら(1991)PCR Methods Applic 1:111-119を参照)
。この方法では、多数の制限酵素の消化及びライゲ−ションを用いて、PCRを行
う前に未知の配列の領域に組換え二本鎖配列を挿入することができる。また、未
知の配列を回収するのに用いられ得る他の方法が当業者に周知である(例えば、
Parker, J.D. ら (1991)Nucleic Acids Res. 19:3055-306を参照)。更に
、PCR法、ネスト化プライマー、PROMOTERFINDERライブラリー(Clonetech, Pal
o Alto, CA)を用いて、ゲノムDNA内の歩行が可能である。この方法ではライ
ブラリをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エキソン移行部の発見に
有用である。全てのPCR法をベースとした方法については、プライマーは、OLIGO TM 4.06 Primer Analysis software(National Biosciences Inc., Plym
outh, MN)のような市販のソフトウェア又は別の適切なプログラムを用いて、
長さが22〜30ヌクレオチド、GC含有率が約50%以上、また約68℃〜72℃の温度で
鋳型に対してアニーリングするよう設計され得る。
【0084】 完全長cDNAをスクリーニングするとき、大きなcDNAを含むようにサイズ選択さ
れたライブラリーを用いることが好ましい。また、遺伝子の5’領域を配列を含
むことが多いランダムプライムド(random-primed)ライブラリーは、オリゴ d(T
)ライブラリーで完全な長さのcDNAを得られない場合に好適である。またゲノム
ライブラリーは、5’非転写領域における配列の伸長のために役立ち得る。
【0085】 配列決定やPCRの産物のヌクレオチド配列のサイズ分析または確認のために、
市販のキャピラリー電気泳動法システムを用いることができる。特に、キャピラ
リーシークエンシングでは、電気泳動分離のための流動性ポリマー、4つの異な
るヌクレオチドに特異的なレーザーで活性化される蛍光色素、及び放射された波
長の検出を行うCCDカメラを使用し得る。出力/光強度は適切なソフトウエア(
例えば、GENOTYPER及びSEQUENCE NAVIGATOR (Perkin Elmer))を用いて電気
信号に変換され、サンプルのローディングからコンピュータ解析及び電子データ
表示までの全過程がコンピュータ制御され得る。キャピラリー電気泳動法は、特
定のサンプル内に限られた量だけしか存在しないこともあるDNAの小片の配列決
定に特に好適である。
【0086】 本発明の別の実施例では、PPRGをコードするポリヌクレオチド配列またはその
断片を組換えDNA分子に用いて、PPRG、その断片またはその機能的等価物の適切
な宿主細胞内における発現を指向することができる。遺伝暗号の固有の縮重によ
って、実質的に同一、即ち機能的に等価なアミノ酸配列をコードする他のDNA配
列が作り出され、PPRGの発現のために用いることができる。
【0087】 限定はしないが遺伝子産物のクローニング、プロセシング及び/又は発現を改
変すること等の種々の理由により、PPRGをコードする配列を改変するために、本
発明のヌクレオチド配列を当業者に周知の方法を用いて操作可能である。ランダ
ムな断片化によるDNA混合や、遺伝子断片及び合成オリゴヌクレオチドのPCR再構
成を用いて、ヌクレオチド配列を操作できる。例えば、オリゴヌクレオチド媒介
の部位特異的変異誘発により、新しい制限部位を生成する突然変異の挿入、グリ
コシル化パターンの変更、コドン選好の変化、スプライシングバリアントの生成
等が可能である。
【0088】 本発明の別の実施例では、当業者に周知の化学的手法を用いて、PPRGをコード
する配列の全体、或いはその一部を合成することができる(例えば、Caruthers.
M.H.ら(1980)Nucl.Acids Res.Symp.Ser.215-223;Horn,T.ら(1980)Nucl.Acids
Res.Symp.Ser.225-232参照)。或いは、化学的手法を用いて、PPRGそのもの又
はその断片を合成することができる。例えば、種々の固相技術を用いてペプチド
合成を行うことができる(例えば、Roberge, J.Y.ら(1995) Science 269:202
-204参照)。また、ABI 431Aペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer)を用いて
合成の自動化を行なうことができる。更に、PPRGのアミノ酸配列もしくはその任
意の部分を、直接の合成において改変することにより、並びに/又は他のタンパ
ク質もしくはその任意の部分に由来する配列と結合させることにより、変異体ポ
リペプチドを生成可能である。
【0089】 そのペプチドは、分離用の高速液体クロマトグラフィにより実質的に精製する
ことができる(例えば、Chiez, R.M.およびRegnier. F.Z. (1990) Methods
Enzymol. 182:392-421参照)。合成されたペプチドの組成は、アミノ酸解析
或いは配列決定法により確認することができる(Creighton,T.(1983) Proteins
. Structures avd Molecular Properties,WH Freeman and Co.,New Yor
k,NY)。
【0090】 生物学的に活性なPPRGを発現させるために、PPRGをコードするヌクレオチド配
列またはその誘導体を、適切な発現ベクター(即ち、適切な宿主に挿入されたコ
ーディング配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含むベクター)に挿入す
る。これらのエレメントには、ベクター及びPPRGをコードするポリヌクレオチド
配列におけるエンハンサー、構成型及び発現誘導型のプロモーター、5’及び3’
の非翻訳領域等の調節配列が含まれる。このようなエレメントの長さ及び特異性
は変化し得る。特定の開始シグナルを利用して、PPRGをコードする配列のより効
果的な翻訳を行なうことが可能である。このようなシグナルには、ATG開始コド
ンや例えばコザック配列等の隣接する配列が含まれる。PPRGをコードする配列、
その開始コドン、及び上流の調節配列が、適切な発現ベクターに挿入された場合
は、付加的な転写調節シグナルや翻訳調節シグナルは不用となり得る。しかしな
がら、コーディング配列或いはその断片のみが挿入された場合は、読み枠の中の
ATG開始コドンを含む外来性の翻訳調節シグナルが発現ベクターよって与えられ
なければならない。外来性の翻訳エレメント及び開始コドンは、天然及び合成の
種々のものからなり得る。用いられる特定の宿主細胞株に適当なエンハンサーを
含むことにより、発現の効率を高めることが可能である(例えば、Scharf, D.
ら (1994) Results Probl. Cell Differ. 20:125-162.を参照)。
【0091】 PPRGをコードする配列および適切な転写や翻訳の調節領域を含む発現ベクター
を作製するために、当業者に周知の方法が用いられる。これらの方法には、in
vitro組換えDNA技術、合成技術、及びin vivo遺伝的組換え技術が含まれる(例 えば、Sambrook, J.ら(1989)Molecular Cloning, A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Press, Plainview, NY, ch.4,8,及び16-17;Ausubel
,F.M.ら(1995) Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley
& Sons, New York, NY, ch.9,13,及び16参照)。
【0092】 PPRGをコードする配列を包含し、発現するために、種々の発現ベクター/宿主
系が利用できる。これらには、以下に限定しないが、組換え型のバクテリオファ
ージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌のような
微生物や、酵母菌発現ベクターで形質転換した酵母菌や、ウイルス発現ベクター
(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発現ベクター
(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)またはタバコモザイクウイル
ス(TMV))或いは細菌の発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322プラスミド)
で形質転換した植物細胞系や、或いは動物細胞系が含まれる。本発明は、利用さ
れる宿主細胞によって限定されるものではない。
【0093】 細菌系では、多数のクローニングベクター及び発現ベクターを、PPRGをコード
するポリヌクレオチド配列の使用の目的に応じて選択できる。例えば、PPRGをコ
ードするポリヌクレオチド配列の日常的なクローニング、サブクローニング、及
び増殖は、PBLUESCRIPT(Stratagene, La Jolla CA)又はpSportl plasmid
(Life Technologies)等の多機能性E.coliベクターを用いて実施することが
可能である。ベクターの多数のクローニング部位へのPPRGをコードする配列のラ
イゲーションによりlacZ遺伝子が破壊され、組換え分子を含む形質転換された細
菌の同定のための比色スクリーニング法が可能となる。更に、これらのベクター
は、クローニングされた配列のin vitroでの転写、ジデオキシークエンシング
、ヘルパーファージによる一本鎖の救出、入れ子状態の欠失の生成に有用である
(例えば、Van Heeke. G.及びS.M. Schuster (1989) J. Biol. Chem. 2
64:5503-5509を参照)。例えば、抗体産生の目的等に多量のPPRGが必要な場合、
ハイレベルなPPRGの発現をもたらすベクターが用いられ得る。例えば、強力な誘
発性のT5又はT7バクテリオファージプロモーターを含むベクターが用いられ得る
【0094】 PPRGの生成に酵母の発現系を利用できる。酵母菌Saccharomyces cerevisiae
又はPichia pastorisにおいて、α因子、アルコールオキシダーゼ、及びPGHプ
ロモーターなどの構成型又は誘導型のプロモーターを含む多種のベクターを使用
可能である。更に、このようなベクターは、発現したタンパク質の分泌若しくは
細胞内保持の何れかを導き、安定した増殖のために宿主ゲノムの中に外来性の配
列を組込みを可能とする(例えば、上記のAusubel, 前出; 及び Grantら(198
7) Methods Enzymol.153:516-54;Scorer, C.A.ら(1994) Bio/Technology 12:181-184を参照)。
【0095】 植物系もPPRGの発現に使用できる。PPRGをコードする配列の転写は、ウイルス
性のプロモータ(例えば、CaMVの35S及び19Sプロモーター単独、又はTMV由来の
オメガリーダー配列との組合わせ)で促進され得る(Takamatsu, N.ら(1987)
EMBO J. 6:307-311)。これらの作製物は、直接のDNA形質転換または病原体媒
介の形質移入によって、植物細胞中に導入可能である。(例えば、The McGraw
Hill Yearbook of Science and Technology(1992) McGraw Hill, New
York; pp.191-196を参照)。
【0096】 哺乳動物の細胞においては、多数のウイルスベースの発現系を利用することが
できる。発現ベクターとしてアデノウイルスが用いられる場合、PPRGをコードす
る配列が、後発のプロモータ及び三連のリーダー配列からなるアデノウイルス転
写/翻訳複合体の中に結合され得る。ウイルスのゲノムの非必須E1又はE3領域に
おける挿入により、宿主細胞においてPPRGを発現する感染性のウイルスが得られ
る(例えば、Logan, J.及びShenk, T.(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:
3655-3659を参照)。さらに、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーのような
転写エンハンサーを、哺乳類の宿主細胞内の発現を増大させるために用いること
ができる。また、タンパク質の高レベルの発現のために、SV40またはEBVをベー
スとしたベクターを用いることができる。
【0097】 また、ヒト人工染色体(HAC)を用いることにより、プラスミドに含まれ発現
され得るものに比べてより大きなDNAの断片を供給することもできる。治療を目
的とし、6kb〜10MbのHACを構築して従来のデリバリー方法(リポソーム、ポリカ
チオンのアミノポリマー、又は小胞)を介して供給することができる(例えば、
Harrington, J. J.ら(1997) Nat Genet. 15:345-355)。
【0098】 哺乳類系の組換え型タンパク質の産生を長期間にわたり確保するためには、細
胞株におけるPPRGの安定した発現が好ましい。例えば、発現ベクターを用いてPP
RGをコードする配列を細胞株に形質転換することが可能であり、その発現ベクタ
ーには、ウイルス起源の複製及び/若しくは内在性の発現エレメント並びに同一
或いは個別のベクターの上の選択マーカー遺伝子が含まれる。ベクターの導入の
後、選択培地に切り替える前に濃縮培地内で細胞を1〜2日間増殖させる。選択可
能なマーカーの目的は、選択的な媒介物に対して耐性を与えることであり、また
その存在によって導入された配列をうまく発現する細胞の増殖および回収が可能
とすることである。安定的に形質転換された細胞の耐性クローンは、その細胞の
型に適した組織培養技術を用いて増殖することができる。
【0099】 形質転換された細胞株を回収するために任意の数の選択系を用いることができ
る。これらには、以下に限定しないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ
及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が含まれ、それぞれは、
tk及びapr細胞において用いられる(例えば、Wigler,M.ら(1977)Cell 11:2
23-32;Lowy,I.ら(1980)Cell 22:817-23参照)。また代謝拮抗剤、抗生剤或い
は除草剤への耐性を選択の基礎として用いることが可能で、例えばdhfrはメトト
レキセートに対する耐性を与え、neoはアミノグリコシドネオマイシン及びG-418
に対する耐性を与え、als或いはpatはクロルスルフロン(chlorsulfuron)、ホス
フィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(phosphinotricin acetyltransfer
ase)に対する耐性を与える(例えば、Wigler, M.ら(1980) Proc. Natl. Aca
d. Sci. 77:3567-70;Colberre-Garapin, F. ら(1981) J. Mol. Biol. 150:1-14を参照)。さらに選択可能な遺伝子として、例えば、代謝産物に対する
細胞の必要性を変更するtrpB及びhisDが文献に記載されている(例えば、Hartma
n, S.C.及びR.C. Mulligan(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. 85:8047-805
1参照)。例えば、アントシアニン、緑色蛍光タンパク質(GFP; Clontech)、
β-グルクロニダーゼ及びその基質β-グルクロニド、又はルシフェラーゼ及びそ
の基質ルシフェリン等の可視マーカーを利用できる。これらのマーカーは形質転
換体を同定するだけでなく、特定のベクター系による一過性の或いは安定的なタ
ンパク質発現の量を定量するために広く用いられる(例えば、Rhodes, C.A.ら(
1995)Methods Mol. Biol.55:121-131参照)。
【0100】 マーカー遺伝子発現の存在/非存在によって目的の遺伝子の存在も示唆される
が、その遺伝子の存在及び発現の確認を必要とすることもある。例えばPPRGをコ
ードする配列がマーカー遺伝子配列内に挿入された場合、PPRGをコードする配列
を含む形質転換された細胞は、マーカー遺伝子の機能が存在しないことにより同
定できる。或いは、単一のプロモータの制御下において、PPRGをコードする配列
とマーカー遺伝子を直列に配置することができる。選択または誘導に応じた標識
遺伝子の発現は、通常直列に配置された配列の発現も同様に示す。
【0101】 一般に、当業者に周知の様々な方法により、PPRGをコードする核酸配列を含み
PPRGを発現する宿主細胞を同定できる。このような方法には、以下に限定しない
が、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーション、PCR増幅、並びに核酸と
タンパク質配列を検出及び/若しくは定量するための技術に基づく膜、溶液、若
しくはチップを含むタンパク質バイオアッセイ又はイムノアッセイが含まれる。
【0102】 特異的なポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体のいずれかを用いる
PPRGの発現を検出・測定するための免疫学的手法は、当業者に周知のものである
。そのような技術の例には、酵素結合免疫検定法(ELISA)、ラジオイムノアッ
セイ(RIAs)及び蛍光細胞分析分離(FACS)が含まれる。PPRG上において2つの
非干渉エピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用する二部位のモノ
クローナルベースのイムノアッセイ(two-site, monoclonal-based immunoass
ay)が好ましいが、競合的結合実験も用いられうる。これらアッセイおよび他の
アッセイは、当業者によって開示されている(例えば、Hampton, R.ら(1990);S
erological Methods, a Laboratory Manual, APS Press,St Paul,MN Se
ction IV;Coligan, J. E.ら(1997) Current Protocols in Immunology,
Greene Pub. Associates and Wiley-lnterscience, New York, NY; 及びPound, J.D.(1998) Immunochemical Protocols, Humana Press, Toto
wa NJを参照)。
【0103】 多様なラベル及び結合技術が当業者には周知であり、そして種々の核酸及びア
ミノ酸のアッセイにおいて用いることができる。PPRGをコードするポリヌクレオ
チドに関係する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプロ
ーブやPCRプローブを作製するための手段には、オリゴ標識(oligolabeling)、ニ
ックトランスレーション法、末端標識(end-labeling)、或いは標識ヌクレオチド
を用いるPCR増幅などが含まれる。或いは、PPRGをコードする配列、又はその任
意の断片を、mRNAプローブの作製のためのベクターにクローン化できる。そのよ
うなベクターは当業者に周知で、また市販されており、これを用いて、例えばT7
、T3或いはSP6のような適切なRNAポリメラーゼ及び標識したヌクレオチドを加え
ることによってin vitroでRNAプローブを合成することができる。これらの方法
は、種々の市販のキット(Amersham Pharmacia Biotech、Promega (Madison
WI)、及びUS Biochemical提供)を用いて実施することができる。検出を容易
にするために用いる適切なレポーター分子、即ち標識には、放射性核種、酵素、
蛍光剤、化学発光剤或いは色素生産剤や、基質、コファクター、インヒビター、
磁性粒子等が含まれる。
【0104】 細胞培養からのタンパク質の回収および発現に適した条件下において、PPRGを
コードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞を培養することができる
。形質転換された細胞により産生されるタンパク質は、用いられる配列及び/ま
たはベクターに応じて分泌されるか、又は細胞内に保持され得る。当業者に理解
されるように、PPRGをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、原核
生物か真核生物の細胞膜を通してPPRG分泌を指向するシグナル配列を含むように
設計することができる。
【0105】 更に、宿主細胞株は、挿入した配列の発現の調節能力または発現したタンパク
質を所望の形にプロセシングする能力によって選択される。このようなポリペプ
チドの修飾には、以下に限定するものではないが、アセチル化、カルボキシル化
、グリコシル化、リン酸化、脂質化(lipidation)、及びアシル化が含まれる。タ
ンパク質の「prepro」形を切断する翻訳後プロセシングを用いて、タンパク質の
標的、折り畳み及び/又は活性を特定することができる。翻訳後の活性のための
特定の特徴的な機構及び細胞装置を有する種々の宿主細胞(例えば、CHO、HeLa
、MDCK、MEK293、WI38)は、American Type Culture Collection(ATCC, Be
thesda, MD)より入手可能であり、外来性のタンパク質の正しい修飾及びプロ
セシングを確実にするために選択され得る。
【0106】 本発明の別の実施例では、PPRGをコードする天然の核酸、改変された核酸、又
は組換えの核酸配列を、前述の任意の宿主系の融合タンパク質の翻訳となる異種
配列に結合させ得る。例えば、市販の抗体によって識別できる異種部分を含むキ
メラPPRGタンパク質が、PPRGの活性のインヒビターに対するペプチドライブラリ
のスクリーニングを促進し得る。また、市販の親和性の基質を用いて、異種タン
パク質及びペプチド部分が、融合タンパク質の精製を促進し得る。このような部
分には、以下に限定されるものではないが、グルタチオンSトランスフェラーゼ
(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン(Trx)、カルモ
ジュリン結合ペプチド(CBP)、6-His、FLAG、c-myc、赤血球凝集素(HA)が含
まれる。GST、MBP、Trx、CBP、及び6-Hisによって、固定されたグルタチオン、
マルトース、フェニルアルシン酸化物、カルモジュリン、及び金属キレート樹脂
の各々で同族の融合タンパク質の精製が可能となる。FLAG、c-mc、及び赤血球凝
集素(HA)によって、これらのエピトープ標識を特異的に識別する市販のモノク
ロナール抗体及びポリクロナール抗体を用いて、融合タンパク質の免疫親和性の
精製が可能である。また、PPRGをコードする配列と異種タンパク質配列との間に
位置するタンパク質切断部位を融合タンパク質が含むように、融合タンパク質が
操作されて、精製の後にPPRGが異種部分から切断され得る。融合タンパク質の発
現及び精製方法については、Ausubelの文献(1995, 前出, ch 10)に記載さ
れている。また、融合タンパク質の発現及び精製の促進のために、種々の市販の
キットを用いることができる。
【0107】 本発明の更に別の実施例では、TNTウサギ網状赤血球可溶化液またはコムギ胚
芽抽出系(Promega)を用いてin vitroで放射能標識したPPRGの合成を行なうこ
とができる。これらの系は、T7、T3、又はSP6プロモーターと機能的に結合した
タンパク質をコードする配列の転写と翻訳を結びつける。転写は放射能標識され
たアミノ酸前駆体(好ましくは35S-メチオニン)の存在の下で起こる。
【0108】 組換え体の生成だけでなく、固相技術を用いた直接のペプチド合成によって、
PPRGの断片を作り出すことができる(例えば、Creighton, 前出 pp.55-60を参
照)。タンパク質合成は手作業または自動で行なうことができる。自動化された
合成は、例えば、ABI 431Aペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer)を用いて行
うことができる。PPRGの種々の断片を個別に合成して、次に結合させて完全長分
子を作り出すことも可能である。
【0109】 治療 プロテアーゼ及び関連タンパク質とPPRGの領域との間には、(例えば、配列お
よびモチーフの前後関係において)化学的および構造的類似性が存在する。更に
、PPRGの発現は、癌を含めた細胞増殖状態、並びに炎症および免疫反応と密接に
関連する。従って、PPRGは、細胞増殖障害及び免疫異常症において所定の役割を
果たしていると考えられる。PPRGの発現または活性の増大と関連する細胞増殖障
害及び免疫異常症においては、PPRGの発現または活性を低下させることが望まし
い。PPRGの発現または活性の低下と関連する容態においては、PPRGの発現または
活性を増大させることが望ましい。
【0110】 従って、一実施例においては、PPRGの発現または活性の低下に関連する疾患の
治療または予防のためにPPRG又はその断片若しくは誘導体を被験者に投与するこ
とができる。そのような疾患には、以下に限定しないが、日光性角化症、動脈硬
化症、アテローム性動脈硬化症、滑液包炎、肝硬変、肝炎、混合型結合組織病(
MCTD)、骨髄線維症、発作性の夜間ヘモグロビン尿症、真性多血症、乾癬、原発
性血小板血症、並びに、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形
癌腫や、特に、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、頚、胆嚢、神経節、消化管、
心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、
皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌等の細胞増殖障害、並びに、後
天性免疫不全症候群(AIDS)、アジソン病、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、
強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫
性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性多腺性内分泌障害-カンジダ症-
外胚葉性ジストロフィー(APECED)、気管支炎、胆嚢炎、接触性皮膚炎、クロー
ン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リ
ンパ球減少症、胎児赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパ
スチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性
腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋若しくは心臓周囲の炎症、骨関節
炎、骨粗鬆症、膵炎、多発性筋炎、乾癬、ライター症候群、関節リウマチ、強皮
症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小板減少
性血栓性紫斑病、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、ウェルナー症候群や、癌、血液透
析、及び体外循環の合併症や、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫、原生動物、及び
寄生虫様の感染症や、心的外傷等の免疫異常症が含まれる。
【0111】 別の実施例においては、限定はしないが上述のものを含むPPRGの発現または活
性の低下に関連する疾患の治療または予防のために、PPRG又はその断片もしくは
誘導体を発現可能なベクターを被験者に投与してもよい。
【0112】 また別の実施例においては、限定はしないが上述のものを含むPPRGの発現また
は活性の低下に関連する疾患の治療または予防のために、精製されたPPRGを含む
医薬品組成物を適切な医薬用担体と共に被験者に投与してもよい。
【0113】 また別の実施例においては、限定はしないが上述のものを含むPPRGの発現また
は活性の低下に関連する疾患の治療または予防のために、PPRGの活性を調節する
アゴニストを被験者に投与してもよい。
【0114】 更に別の実施例においては、PPRGの発現または活性の増大に関連する疾患の治
療または予防のために、PPRGのアンタゴニストを被験者に投与してもよい。その
ような疾患の例には、限定はしないが前述のものが含まれる。一実施態様では、
PPRGと特異的に結合する抗体をアンタゴニストとして直接用いるか、或いはPPRG
を発現する細胞や組織に薬剤をもたらす送達機構またはターゲティングとして間
接的に用いることができる。
【0115】 別の実施例においては、限定はしないが上述のものを含むPPRGの発現または活
性の増大に関連する疾患の治療または予防のために、PPRGをコードするポリヌク
レオチドの相補配列を発現可能なベクターを被験者に投与してもよい。
【0116】 他の実施例においては、本発明のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニ
スト、相補的配列またはベクターの何れかを、他の適切な治療薬と組合せて投与
することもできる。当業者は従来の製薬の原理に基づいて併用療法で使用するた
めの適切な薬剤を選択することができるであろう。治療薬を組み合わせることに
より、上述の種々の反応の治療又は予防に効果を与えるように相乗剤的に機能し
得る。この方法を用いることにより、より少ない各薬剤の投与量で治療効果を上
げることができ、従って副作用の可能性を低下させることができる。 PPRGのアンタゴニストは、当業者に周知の方法を用いて製造することができる
。詳細には、精製されたPPRGを用いて抗体を作り出したり、或いはPPRGに特異的
に結合するものを同定するために、薬剤のライブラリーをスクリーニングするこ
とができる。PPRGの抗体は、当業者によく知られた方法を用いて産生することが
できる。このような抗体には、以下に限定されないが、ポリクローナル抗体、モ
ノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、及びFab発現ライ
ブラリーにより作られたフラグメントが含まれる。中和抗体(即ち、二量体形成
を阻害するもの)は治療の用途に特に好適である。
【0117】 抗体を産生するために、PPRGか、免疫学的特性を有するその任意の断片或いは
そのオリゴペプチドを注射することによって、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、
ヒト等を含む種々の宿主を免疫化することができる。ラット及びマウスは、モノ
クロナール抗体生成を含むダウンストリーム適用のための宿主として好ましい。
宿主の種に応じて、免疫学的反応を増強するために種々のアジュバントを用いる
ことができる。そのようなアジュバントには、以下に限定しないが、フロイント
のアジュバント、アルミニウムの水酸化物ようなミネラルゲル、リゾレシチンの
ような界面活性剤、プルロニックポリオール(pluronic polyols)、ポリアニオ
ン、ペプチド、オイルエマルジョン、KLH及びジニトロフェノールが含まれる。
ヒトで使用するアジュバントの中では、BCG(カルメット‐ゲラン杆菌)及びCor
ynebacterium parvumが特に好ましい。
【0118】 PPRGの抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド、またはそ
の断片は、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも14
個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。またこれらのオリゴペプチド、ペ
プチド、または断片は、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一部と同一で、小形
の自然発生の分子の全アミノ酸配列を含んでいることが好ましい。PPRGアミノ酸
の短い伸展部が、KLHのような別のタンパク質の伸展部と融合し、キメラ分子の
抗体が産生され得る。
【0119】 PPRGのモノクローナル抗体は、培養における持続的な細胞株によって抗体分子
を産生させる任意の技術を用いて調製できる。このような技術には、以下に限定
しないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及びEBV-ハイ
ブリドーマ技術が含まれる(例えば、Kohler, G.ら(1975) Nature 256:495-4
97;Kozbor, D. ら(1985) Immunol. Methods 81 :31-42;Cote, R.J. ら(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-2030;Cole, S.P. ら(1984)
Mol. Cell Biol. 62:109-120参照)。
【0120】 さらに、適切な抗原特異性および生物活性を備えた分子を得るために、ヒト抗
体遺伝子へのマウス抗体遺伝子のスプライシングする技術のような「キメラ抗体
」の産生のために開発された技術を用いることができる(例えば、Morrison,S.L
.ら(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855;Neuberger, M.S. ら(19
84)Nature 312:604-608;Takeda, S. ら(1985)Nature 314:452-454参照)。
或いは、当業者に周知の方法を用いて単鎖の抗体の生成のための技術を適用して
、PPRGに特異的な単鎖抗体を産生することができる。関連する特異性を有するが
イディオタイプ組成が異なる抗体は、ランダムな組み合わせの免疫グロブリンラ
イブラリーからの鎖混合(chain shuffling)によって産生することができる(例
えば、Burton D.R.(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. 88:10134-10137参照
)。
【0121】 抗体は、免疫グロブリンライブラリーまたは高度に特異的な結合試薬のパネル
をスクリーニングすることにより、或いはリンパ球集団でのin vivoの産生を誘
導することにより産生することができる(例えば、Orlandi,R.ら(1989), Proc.
Natl. Acad. Sci. 86:3833-3837;Winter, G.ら(1991) Nature 349:293
-299参照)。
【0122】 またPPRGに対する特異的な結合部位を含む抗体フラグメントも作り出すことが
できる。例えばこのような断片には、以下に限定はしないが、抗体分子のペプシ
ン消化により生成することができるF(ab')2フラグメントや、F(ab')2フラグメン
トのジスルフィド架橋を減らすことにより生成することができるFabフラグメン
トが含まれる。或いは、所望の特異性を備えたモノクローナルFabフラグメント
を迅速かつ容易に同定可能なように、Fab発現ライブラリーを構成し得る(例え
ば、Huse,W.D.ら(1989) Science 246:1275-1281参照)。
【0123】 種々のイムノアッセイを、所望の特異性を有する抗体を同定するためのスクリ
ーニングに用いることができる。確立された特異性を有するモノクローナル抗体
またはポリクローナル抗体の何れかを用いる競合的結合アッセイ或いは免疫放射
線測定法の多数のプロトコルが、当技術分野で周知である。このようなイムノア
ッセイには、一般にPPRGとその特異的な抗体との間の複合体の形成の測定が含ま
れる。2つの非干渉PPRGエピトープに対して反応するモノクローナル抗体を用い
る2部位のモノクローナル抗体ベースのイムノアッセイ(two sites monoclona
l based immunoassay)が好適であるが、競合的結合アッセイも用いられ得る
(Pound, 前出)。
【0124】 ラジオイムノアッセイ技術と共にScatchard分析等の種々の方法を用いて、PPR
G抗体の親和性を評価する。親和性を結合定数Kaで表すが、このKaは、平衡状態
におけるOP抗体複合体のモル濃度を遊離抗体と遊離抗原のモル濃度で割ったもの
として定義される。多数のPPRGエピトープに対して親和性が不均一なポリクロナ
ール抗体試薬に対して測定されたKaは、PPRG抗体の平均親和性または結合活性を
表す。特定のPPRGエピトープに単一特異的なモノクロナール抗体試薬に対して測
定されたKaは、親和性の真の測定値を表す。Kaの値が109〜1012L/molの高い親和
性の抗体試薬は、PPRG抗体複合体が厳密な操作に耐えなければならないイムノア
ッセイに用いるのが好ましい。Kaの値が106〜107L/molの低い親和性の抗体試薬
は、最終的にPPRGが活性化状態で抗体から解離する必要がある免疫精製(immunop
urification)及び類似の処理に用いるのが好ましい。(Catty, D. (1988) An
tibodies, Volume I: A Practical Approach. IRL Press, Washington,
DC; Liddell, J. E.及びCryer, A. (1991) A Practical Guide to
Monocional Antibodies, John Wiley & Sons, New York NY)。
【0125】 ポリクロナール抗体試薬のタイター及び結合活性を更に評価して、ある一定の
ダウンストリーム適用に対するこのような試薬の品質及び適合性を判定する。例
えば、少なくとも1〜2mg/mlの特異的な抗体、好ましくは5〜10mg/mlの特異的な
抗体を含むポリクロナール抗体試薬は、PPRG抗体複合体の沈殿を必要とする方法
に使用することが好ましい。種々の適用における抗体の特異性、タイター、及び
結合活性に対する処理、並びに抗体の品質や使用法の指針は一般に入手可能であ
る (例えば、Catty, 前出、及びColiganら, 前出を参照)。
【0126】 本発明の別の実施例では、PPRGをコードするポリヌクレオチド、またはその任
意の断片や相補配列を、治療を目的として用いることができる。一態様では、mR
NAの転写を阻害することが望ましい状況において、PPRGをコードするポリヌクレ
オチドに対する相補配列を用いることができる。詳細には、PPRGをコードするポ
リヌクレオチドに相補的な配列で細胞を形質転換することができる。従って、PP
RGの活性を調節する、或いは遺伝子の機能を調節するために、相補的な分子また
は断片を用いることができる。現在このような技術は周知であり、センス又はア
ンチセンスオリゴヌクレオチド、或いはより大きな断片を、PPRGをコードする配
列のコード領域や調節領域に従って様々な位置から設計可能である。
【0127】 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスまたはワクシニアウイルスに由来
する、或いは種々の細菌性プラスミドに由来する発現ベクターは、標的の器官、
組織、即ち細胞群へのヌクレオチド配列の送達のために用いられ得る。当業者に
周知の方法を用いて、PPRGをコードするポリヌクレオチドに相補的な核酸配列を
発現するためのベクターを産生することができる(例えば、Sambrook, 前出
及びAusubel, 1995, 前出 参照)。
【0128】 PPRGをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を高レベルで発現する発現
ベクターで細胞または組織を形質転換させることによって、PPRGをコードする遺
伝子を作り出すことができる。このような作製物は、翻訳不能なセンス配列或い
はアンチセンス配列を細胞に導入するために用いることができる。DNAへ組み込
みが存在しない場合でも、このようなベクターは、それらが内在性のヌクレアー
ゼにより無能となるまで、RNA分子を転写し続け得る。一過性の発現は、非複製
ベクターでも1ヶ月以上、適切な複製エレメントがベクター系の一部である場合
にはさらに長い期間持続し得る。
【0129】 前述のように、PPRGをコードする遺伝子の制御、5’、又は調節領域に対する
相補配列、つまりアンチセンス分子(DNA、RNAまたはPNA)を設計することによ
って、遺伝子発現を変更することができる。転写開始点(例えば、開始部位から
+10〜-10の位置)に由来するオリゴヌクレオチドが好ましい。同様に、三重らせ
ん体の塩基対形成方法論を用いて、阻害を達成することができる。ポリメラーゼ
、転写制御因子、或いは調節分子の結合のために二重らせんが十分にほどける能
力を阻害するので、三重らせん対合は有用である(例えば、Gee, J.E.ら(1994)
In: Huber, B.E.及びB.I. Carr, Molecular and Immunologic Approache
s, Futura Publishing Co.,Mt.Kisco,NY,pp.163-177参照)。転写物のリボソ
ームへの結合を阻止することによりmRNAの転写を阻害するために、相補的配列、
即ちアンチセンス分子を設計し得る。
【0130】 リボザイム、つまり酵素RNA分子を用いてRNAの特異的切断を触媒することがで
きる。リボザイム作用機構は、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列の特異
的ハイブリダイゼーションに関与し、その後のヌクレオチド鎖切断が行なわれる
。例えば、操作されたハンマーヘッドモチーフリボザイム分子は、PPRGをコード
する配列のヌクレオチド鎖切断を特異的かつ効果的に触媒し得る。
【0131】 任意の潜在的なRNA標的物内の特異的なリボザイム切断部位は、最初、後続す
る配列GUA、GUU並びにGUCを含むリボザイム切断部位に対する標的分子を走査す
ることによって同定される。一度同定されると、切断部位を含む標的遺伝子の領
域に対応する15〜20個のリボヌクレオチドの間の短いRNA配列は、そのオリゴヌ
クレオチドを動作不能(inoperable)とする2次の構造的特徴について評価するこ
とができる。また候補の標的の適合性は、リボヌクレアーゼ保護アッセイ(ribon
uclease protection assay)を用い、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブ
リダイゼーションに対する接触性(accessibility)の検査により評価することが
できる。
【0132】 本発明の相補的リボ核酸分子及びリボザイムは、核酸分子を合成するのための
当技術分野で周知の方法により作り出すことができる。これらには、固相ホスホ
ラミダイト化学合成のようなオリゴヌクレオチドの化学的合成のための技術が含
まれる。或いは、RNA分子は、PPRGをコードするDNA配列のin vitro及びin viv
oの転写により作り出すことができる。このようなDNA配列は、T7或いはSP6のよ
うな適切なRNAポリメラーゼプロモーターを伴う多様なベクターに取り込むこと
ができる。或いは、構成的または誘導的に相補的なRNAを合成するこれらのcDNA
作製物は、株化細胞、細胞または組織内に導入することができる。
【0133】 細胞内の安定性を高め、また半減期を長くするために、RNA分子は修飾するこ
とができる。可能な修飾としては、以下に限定しないが、その分子の5′末端及
び/又は3’末端でのフランキング配列の付加や、分子のバックボーン内におけ
るホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオネート或いは2′O-メチルを
使用を含む。この概念はPNA生成において固有のものであり、内在性エンドヌク
レアーゼにより容易に認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミン、及
びウリジンの、アセチル−、メチル−、チオ−、及び類似の修飾形態だけでなく
、イノシン、クエオシン(queosine)、及びワイブトシン(wybutosine)のような従
来よりあまり用いられない塩基を含めることにより、これら全ての分子に拡張可
能である。
【0134】 細胞或いは組織内にベクターを導入するための多くの方法が利用可能で、同様
in vivoin vitro、及びex vivoでの使用にも適している。ex vivoでの
治療法のに対し、ベクターを患者から採取された幹細胞に導入し、自己移植して
同じ患者に戻すためにクローンとして増殖させることができる。トランスフェク
ションによるデリバリー、或いはリポソーム注入またはポリカチオンアミノポリ
マーによるデリバリーは、当技術分野でよく知られた方法を用いて実施すること
ができる(例えば、Goldman, C.K.ら(1997) Nature Biotechnology 15:462-
466参照)。
【0135】 前述の治療法は何れも、例えばイヌ、ネコ、雌ウシ、ウマ、ウサギ、サル、及
び最も好ましくはヒトのような哺乳類を含む治療が必要な任意の対象に適用する
ことができる。
【0136】 本発明の更なる実施例では、前述の任意の治療効果のために、医薬成分を薬剤
上受け入れられる担体とともに投与する。このような医薬成分は、PPRG、PPRGの
抗体、PPRGの模倣体、アゴニスト、アンタゴニスト、又はインヒビターからなる
ものでありうる。この成分は、単体或いは例えば安定化する配合ような1以上の
他の薬剤とともに、任意の無菌の生体適合性の医薬用担体に投与され、その担体
には、以下に限定しないが、生理食塩水、バッファー食塩水、ブドウ糖或いは水
が含まれる。このような組成物は、単体或いは他の薬剤、ドラッグやホルモンと
結合した形で患者に投与されうる。
【0137】 本発明で用いられる医薬品組成物の投与経路には、以下に限定されないが、経
口投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄内投与、くも膜下腔内投与、
脳室内投与、経皮投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、経腸投与、局所的
投与、舌下投与、或いは直腸投与が含まれ得る。
【0138】 有効成分に加えて、これらの医薬成分は、有効成分を医薬上使用できる製剤に
するための処理を容易にする医薬品添加物及び補助剤を含む、適切な医薬上認め
られる担体を含みうる。更に、製剤或いは投与に関する技術の詳細は、Remingto
ns Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co., Easton, PA)の最
新版に記載されている。
【0139】 経口投与のための医薬品組成物は、当技術分野でよく知られる医薬上認められ
る担体を用いて、経口投与に適当な投与量に配合される。このような担体により
、医薬品組成物を患者に摂取させるための錠剤、丸剤、糖衣丸、カプセル剤、液
体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液等に調剤できる。
【0140】 経口投与用の医薬製剤は、有効成分と固形の賦形剤とを配合して、(所望によ
り、粉砕した後に)得られた顆粒の混合物を処理して錠剤或いは糖衣剤コア(dra
gee core)を作ることによって得られる。必要ならば、適切な添加物が加えるこ
とができる。適切な賦形剤には、ラクトース、スクロース、マンニトール或いは
ソルビトールを含む砂糖のような糖質またはタンパク質賦形剤や、トウモロコシ
、コムギ、コメ、ジャガイモ等からのデンプンや、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムの
ようなセルロースや、アラビアゴム或いはトラガカントゴムのようなゴムや、並
びにゼラチン或いはコラーゲンのようなタンパク質が含まれる。必要ならば、架
橋したポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、又はアルギン酸ナトリウムの
ようなその塩のような崩壊剤または可溶化剤を加えてもよい。
【0141】 糖衣丸コアは、濃縮糖液のような適切な剤皮と共に用いられるが、それらには
アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル剤(carbopol g
el)、ポリエチレングリコール及び/又はチタンの二酸化物、ラッカー溶液及び
適切な有機溶剤或いは溶剤の混合物等が含まれる。錠剤の識別のため、或いは有
効成分の量(即ち投与量)を特徴づけるために、染料或いは色素を錠剤或いは糖
衣錠皮に加えることができる。
【0142】 経口投与できる製剤には、ゼラチンからなるプッシュフィット(push-fit)カプ
セル、ゼラチンからなる軟性のシールされたカプセル及びグリセロール或いはソ
ルビトールのような錠皮が含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトース
或いはデンプンのような賦形剤または結合剤、タルク或いはステアリン酸マグネ
シウムのような潤滑剤、及び所望により安定剤と混合された有効成分を含みうる
。軟性カプセルにおいて、有効成分は、安定剤とともに或いは安定剤なしに、脂
肪性の油、液体、または液状ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解
或いは懸濁される。
【0143】 非経口投与に適した医薬製剤は、水溶液中で、好適にはハンク溶液、リンゲル
溶液或いは生理緩衝食塩水のような生理学的に適合するバッファーの中で配合す
ることができる。水性の注射懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウ
ム、ソルビトールまたはデキストランのような懸濁液の粘性を高める物質を含み
うる。更に、有効成分の懸濁液は、適切な油性注入懸濁液として調製してもよい
。適切な親油性の溶媒或いは賦形剤には、胡麻油のような脂肪性の油や、オレイ
ン酸エチル、トリグリセリド或いはリポソームのような合成脂肪酸エステルが含
まれる。また非脂質ポリカチオンアミノポリマーが、送達のために用いられる。
所望により、懸濁液は化合物の溶解度を増加させて濃縮度の高い溶液の調製を可
能にする適切な安定剤または薬剤を含んでもよい。
【0144】 局所または経鼻投与用には、浸透する特定の障壁に対して適切な浸透剤が調合
に用いられる。このような浸透剤は、当技術分野において周知のものである。
【0145】 本発明の医薬組成物は周知の方法、例えば通常の混合処理、溶解処理、顆粒化
処理、糖衣形成処理、湿式粉砕処理(levigating)、乳化処理、カプセル化処理、
エントラップ処理(entrapping)或いは凍結乾燥処理により製造される。 この医薬組成物は塩類として提供されることもあり、以下に限定しないが、塩
酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む多くの酸とともに
形成することができる。塩は水性或いはプロトニック溶剤において、対応する遊
離塩基形態よりも溶解性が高くなる傾向がある。別のケースでは、好適な製剤と
しては、使用前に緩衝剤配合したpH4.5〜5.5の範囲にある1mM〜50mMのヒスチジ
ン、0.1%〜2%のショ糖、2%〜7%のマンニトールの何れか、或いは全てを含む凍結
乾燥粉末でもよい。
【0146】 医薬組成物は調製された後に適切な容器内に入れられて、指示された状態の治
療のためにラベル付けできる。PPRGの投与の場合では、このようなラベルには、
投与量、投与頻度、投与方法が表示される。
【0147】 本発明において使用するのに適する医薬品組成物は、所望の目的を達成するた
めに有効成分を効果的な量だけ含む成分を含んでいる。有効量の決定は、当業者
の能力の範囲内で十分行うことができる。
【0148】 任意の化合物の場合、治療に有効な量は、最初は例えばマウス、ウサギ、イヌ
、ブタのような動物モデルまたは腫瘍性細胞の何れかの細胞培養のアッセイにお
いて見積もることができる。また、適切な濃度範囲および投与経路を決定するた
めに動物モデルを用いることができる。次にこのような情報を利用して、ヒトに
おける投与量や投与経路を決定することができる。
【0149】 治療的に有効な量とは、例えば、症状や状態を回復させるPPRGまたはその断片
、PPRGの抗体、PPRGのアゴニスト、PPRGのアンタゴニスト、又はPPRGのインヒビ
ターの有効成分の量を指す。治療的な効力および毒性は、細胞培養或いは実験動
物における標準的な製薬方法により、例えばED50(母集団の50%における治療的な
有効投与量)またはLD50(母集団の50%の致死投与量)統計量を計算することによっ
て決定することができる。治療効果に対する毒性の用量比が治療指数であり、LD 50 / ED50比として表すことができる。医薬品組成物は大きな治療指数を示す
ことが好ましい。細胞培養のアッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒト
の使用のための投与量の範囲をまとめるのに用いることができる。そのような成
分の投与量は、毒性が少ないか或いは全く毒性がなく、ED50を含む循環する濃度
の範囲内にあることが好ましい。使用する剤形、患者の感受性並びに投与経路に
応じて、投与量はこの範囲内で変化する。
【0150】 正確な用量は、治療が必要な被験者に関連する要因を考慮して医師が決定する
。投与及び投薬量は、十分なレベルの有効成分を与える、即ち所定の効果を維持
するために調節される。考慮すべき要因としては、疾病状態の重症度、全般的な
被験者の健康、年齢、体重、性別や、食餌、投与の時間及び頻度や、併用する薬
剤、反応感受性、および治療への反応が含まれる。長時間作用性の医薬品組成物
は、半減期及び特定の製剤のクリアランス率に応じて3〜4日毎に、1週間毎に、或
いは2週間に1度投与してもよい。
【0151】 通常の投与量は0.1〜100,000μgの範囲であり、最大約1gの総投与量まで、投
与経路に応じて変化する。特定の投与量或いは送達の方法のガイダンスは文献に
おいて提供され、通常当技術分野の医師に利用可能である。当業者は、ヌクレオ
チドに対しては、タンパク質やインヒビター用の製剤とは異なる製剤を採用する
ことができる。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの送達は、特定の
細胞、状態、位置等に対して特異的でありうる。
【0152】 診断 別の実施例においては、PPRGに特異的に結合する抗体を、PPRGの発現によって
特徴づけられる状態や疾病の診断や、PPRG又はPPRGのアゴニスト、アンタゴニス
ト、インヒビターで治療を受けている患者のモニタリングのためのアッセイに用
いることができる。診断目的に対して有用な抗体は、前述の治療のためのものと
同様の方法で作製することができる。PPRGの診断のアッセイには、ヒトの体液、
細胞或いは組織の抽出物においてPPRGを検出するために抗体および標識を用いる
方法が含まれる。抗体は修飾しても、修飾なしでも用いることができ、また共有
結合或いは非共有結合かのいずれかによりリポーター分子と結合させて標識する
ことができる。当業者に周知の多様なリポーター分子が用いられ、そのうちの幾
つかについては前述の通りである。
【0153】 ELISA、RIA及びFACSを含む、PPRGを測定するための種々のプロトコルが当技術
分野では周知であり、またこれによりPPRG発現の変化や異常性のレベルを診断す
るための基礎が得られる。PPRGの発現の正常値、即ち標準値は、複合体形成に適
した条件下で、哺乳類、好ましくはヒトの正常な被験者から得られる体液或いは
細胞抽出物とPPRGの抗体を結合させることによって確立できる。標準の複合体形
成量は、種々の方法、好ましくは測光手段を用いて定量化できる。被験者の生検
組織からの対照サンプル及び患部サンプルにおいて発現されたPPRGの量を、標準
値と比較する。標準値と被験者の値との偏差によって疾病診断のためのパラメー
タを確立する。
【0154】 本発明の別の実施例において、PPRGをコードするポリヌクレオチドを、診断の
目的で用いることができる。用いられるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオ
チド配列、相補的RNA及びDNA分子、及びPNAが含まれる。このポリヌクレオチド
は、PPRGの発現が疾病と関連するであろう生検組織における遺伝子発現の検出や
定量のために用いられる。診断アッセイは、PPRGが存在、非存在、過剰発現の何
れの状態かを識別したり、治療の処置の際にPPRGレベルの調節をモニタリングす
るために用いることができる。
【0155】 一態様では、PPRGまたは密接に関連分子をコードする、ゲノム配列を含むポリ
ヌクレオチド配列を検出可能なPCRプローブとのハイブリダイゼーションを用い
て、PPRGをコードする核酸配列を同定することができる。そのプローブの特異性
、つまりそのプローブが非常に高度に特異的な領域(例えば、5’調節領域)に
由来するか、或いはより特異性の度合いの低い領域(例えば、保存されたモチー
フ)の何れに由来するかによって、またハイブリダイゼーション或いは増幅の(
最大の、高い、中程度の、或いは低い)厳密性によって、そのプローブがPPRGを
コードする自然発生の配列のみを同定するか、或いはアレルや関連する配列も同
定するかが決定される。
【0156】 プローブは関連する配列を検出するためにも用いることができ、また好ましく
はPPRGをコードする任意の配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するべ
きである。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、DNA若しくはRNAか、ま
たSEQ ID NO:21−40の配列に由来するものか、或いはPPRG遺伝子のイントロン
、エンハンサー、及びプロモータを含むゲノムの配列に由来するものでもよい。
【0157】 PPRGをコードするDNAのための特異的なハイブリダイゼーションプローブを作
製するための手段には、mRNAプローブを作り出すためにPPRG又はPPRG誘導体をコ
ードするポリヌクレオチド配列をベクターにクローンニングする方法がある。こ
のようなベクターは当業者に周知で、また市販されており、適切なRNAポリメラ
ーゼや適切な標識されたヌクレオチドを付加することにより、in vitroでRNAプ
ローブを合成するために用いることができる。ハイブリダイゼーションプローブ
は種々のリポータグループにより標識され、例えば、その標識は、32Pや35Sのよ
うな放射性核種によるものや、アビジン/ビオチン結合系を介してプローブに結
合するアルカリホスファターゼのような酵素による標識等である。
【0158】 PPRGをコードするポリヌクレオチド配列を、PPRGの発現に関連する疾患の診断
のために用いることができる。そのような疾患の例としては、以下に限定はしな
いが、日光性角化症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、滑液包炎、肝硬変
、肝炎、混合型結合組織病(MCTD)、骨髄線維症、発作性の夜間ヘモグロビン尿
症、真性多血症、乾癬、原発性血小板血症、並びに、腺癌、白血病、リンパ腫、
黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形癌腫や、特に、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、
頚、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状
腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌等
の細胞増殖障害、並びに、後天性免疫不全症候群(AIDS)、アジソン病、成人呼
吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、アテロ
ーム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性多
腺性内分泌障害-カンジダ症-外胚葉性ジストロフィー(APECED)、気管支炎、胆
嚢炎、接触性皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気
腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、胎児赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性
胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺
炎、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋若し
くは心臓周囲の炎症、骨関節炎、骨粗鬆症、膵炎、多発性筋炎、乾癬、ライター
症候群、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス
、全身性硬化症、血小板減少性血栓性紫斑病、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、ウェ
ルナー症候群や、癌、血液透析、及び体外循環の合併症や、ウイルス、細菌、真
菌、寄生虫、原生動物、及び寄生虫様の感染症や、心的外傷等の免疫異常症が含
まれる。PPRGをコードするポリヌクレオチド配列を、患者の生検組織や体液を利
用するサザンブロット法またはノーザン分析、ドットブロット法或いは他の膜を
ベースとした技術や、PCR技術や、ディップスティック試験法(dipstick)、ピン
、マルチフォーマットELISA様アッセイや、マイクロアレイにおいて用いて、PPR
G発現の変化を検出することができる。このような定性的または定量的試験法は
当業者に周知のものである。
【0159】 特定の態様では、特に上述のような関連疾患の存在を検出するアッセイにおい
て、PPRGをコードするヌクレオチド配列は有用であり得る。PPRGをコードするヌ
クレオチド配列を標準的な方法で標識し、またハイブリダイゼーション複合体の
形成に適した条件下で、患者からの体液や組織サンプルに加えることができる。
適当なインキュベーション期間の後、そのサンプルを洗浄し、シグナルを定量し
て標準値と比較する。患者のサンプルにおけるシグナルの量が、対照サンプルに
比べて有意に変化している場合、サンプルのなかのPPRGをコードするヌクレオチ
ド配列のレベルの変化は、関連する疾患の存在を示している。また、このような
アッセイを用いて、動物実験、臨床試験、または個々の患者の治療のモニタリン
グにおける特定の治療学的な処置法の有効性を評価することもできる。
【0160】 PPRGの発現に関連する疾病の診断のための基礎を提供するために、正常な、即
ち標準の発現のプロフィールを確立する。これは、ハイブリダイゼーション或い
は増幅に適した条件下で、動物またはヒト何れかの正常な被験者から採取された
体液或いは細胞抽出物をPPRGをコードする配列又はその断片と結合させることに
より達成される。標準のハイブリダイゼーションは、正常な被験者から得られる
値と、既知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドを用いる実験から得られ
る値とを比較することにより定量することができる。このように正常なサンプル
から得られた標準値は、疾病の徴候がある患者のサンプルから得られる値と比較
することができる。標準値からの偏差を用いて疾病の存在を証明する。
【0161】 一旦疾患の存在が確認されて治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼ
ーションアッセイが定期的に繰り返され、患者の発現のレベルが正常な患者で観
察されるレベルに近づき始めたか否かを評価できる。連続的なアッセイから得ら
れる結果を用いて、数日から数ヶ月にわたる治療の効果を示すことができる。
【0162】 癌に関しては、個体からの生検組織における異常な量の転写物(不十分もしく
は過剰に発現されたもの)の存在が、疾病の発生の素因を示し、つまり実際の臨
床的症状が現れる前に疾病を検出するための手段となり得る。このタイプのより
決定的な診断により、健康の専門家が予防的処置を講じたり、より早期に積極的
な治療を行なうことが可能となり、故に癌の発生や更なる進行を予防することが
できる。
【0163】 PPRGをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドの更なる診断のため
の使用法には、PCR法の利用が含まれる。これらのオリゴマーは化学的に合成さ
れるか、酵素を用いて作製されるか、或いはin vitroで作製されてもよい。オ
リゴマーは、好ましくはPPRGをコードするポリヌクレオチドの断片、またはPPRG
をコードするポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドの断片を含み、特定
の遺伝子或いは状態を同定するための最適化された条件の下で用いられる。また
密接に関連するDNAまたはRNA配列の検出及び/又は定量のために、オリゴマーは
緩やかな厳密性の条件で用いることができる。
【0164】 またPPRG発現を定量するために用いられる方法には、放射標識或いはビオチン
化したヌクレオチドの利用、対照核酸の同時増幅(coamplification)の利用、及
び標準の検量線で補間する実験結果の利用が含まれる(例えば、Melby, P.C.ら
(1993) J. Immunol. Methods, 159:235-244;Duplaa, C. ら(1993) Anal
. Biochem. 229-236参照)。多数のサンプルの定量の速度は、目的のオリゴマ
ーが種々の希釈溶液中に存在し、分光光度法または比色定量応答により迅速に定
量するELISA形式のアッセイを実施することによって加速することができる。
【0165】 別の実施例においては、ここに開示した任意のポリヌクレオチド配列に由来す
るオリゴヌクレオチド又はより長い断片を、マイクロアレイにおける標的として
用いることができる。マイクロアレイを用いて、同時に多くの遺伝子の発現レベ
ルをモニタし、また遺伝子の変異配列、変異及び多形性を同定することができる
。この情報は、遺伝子機能の決定、疾病の遺伝的基礎の理解、疾病の診断、並び
に治療薬の開発およびその活性のモニタリングにおいて有用である。
【0166】 マイクロアレイが準備され、それを用いて当業者に周知の方法で分析してもよ
い(例えば、Brennan, T.M.ら(1995) U.S. Patent NO. 5,474,796; Schen
a, M.ら(1996) Proc. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619; Baldeschweil
erら(1995) PCT application WO95/251116; Shalom D.ら (1995) PCT a
pplication WO95/35505: Heller. R.A. ら(1997) Proc. Natl. Acad. S
ci. 94:2150-2155; 並びにHeller. M.J.ら(1997) U.S. Patent No.5,605,
662を参照)。
【0167】 本発明の別の実施例においては、PPRGをコードする核酸配列を用いて、自然発
生のゲノム配列をマッピングするのに有用なハイブリダイゼーションプローブを
作り出すことができる。この配列は、特定の染色体、染色体の特定の部分、又は
人工染色体作製物にマッピングすることができ、その人工染色体作製物には、例
えば、ヒト人工染色体(HACs)、酵母菌人工染色体(YACs)、細菌人工染色体(
BACs)、細菌性P1作製物又は一本鎖染色体cDNAライブラリーがある(例えば、Ha
rrington. J.J.ら(1997) Nat Genet. 15:345-355; Price, C.M. (1993)
Blood Rev. 7:I27-134; 並びにTrask. B.J. (1991) Trends Genet. 7
:149-154を参照)。
【0168】 蛍光性in situハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的な染色体マッ
ピング技術や遺伝地図データと関連し得る(例えば、Heinz-Ulrichら(1995)in Meyers, 前出, pp.965-968を参照)。遺伝地図データの例は、種々の科学誌、
またはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)に見られる。物理的
な染色体地図上のPPRGをコードする配列の位置および特定の疾病、もしくは特定
の疾病の素因との関連性が、疾患に関係するDNAの領域の範囲を定めるのに役立
つ。本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者とキャリア、また発症した個体
との間の遺伝子配列の違いを検出することができる。
【0169】 遺伝地図を拡大するために、染色体作製物のin situハイブリダイゼーション
及び確立された染色体マーカーを用いる連鎖解析のような物理的マッピング技術
を用いることができる。多くの場合、特定のヒト染色体の数やアームが未知であ
っても、マウスのような別の哺乳類の染色体上の遺伝子配置によって関連するマ
ーカーが明らかになる。物理的マッピングによって、新たな配列を染色体のアー
ム、或いはその一部へ割当てることができる。これにより、位置クローニングま
たは別の遺伝子発見技術を用いて、疾病遺伝子を検索する研究者に価値ある情報
を提供できる。ひとたび疾患或いは症候群が、特定のゲノム領域(例えば、11q2
2-23に対する毛細血管拡張性運動失調 )への遺伝連鎖による不完全な位置ぎめ
がなされると、その領域にマッピングされる任意の配列は、さらなる研究のため
の関連する遺伝子または調節遺伝子を表し得る(例えば、Gatti, R.A.ら(1988
)Nature 336:577-580参照)。また、本発明のヌクレオチド配列を用いて、正
常者の染色体の位置と、キャリア、又は発症した個体の、転座、逆位等によって
生じた染色体の位置との違いを検出することもできる。
【0170】 本発明の別の実施例においては、PPRGや、その触媒作用性または免疫原性断片
、又はそれらのオリゴペプチドを、種々の薬剤スクリーニング技術における化合
物のライブラリーのスクリーニングのために用いることができる。そのようなス
クリーニングにおいて用いられる断片は、溶液中で遊離しているか、固体支持体
へ付着しているか、細胞表面へ付着しているか、或いは細胞内に位置しているも
のであり得る。PPRGと試験する薬剤との結合複合体の形成を測定することができ
る。
【0171】 別の薬物スクリーニング技術によって、目的のタンパク質に対する適切な結合
親和性を有する化合物の高スループットスクリーニングが提供される(例えば、
Geysenら(1984) PCT出願WO84/03564参照)。この方法においては、多くの異な
る小形の試験化合物が固体基板において合成される。試験化合物をPPRG又はその
断片と反応させ、そして洗浄する。次に、当技術分野で周知の方法で結合PPRGを
検出する。また、前述の薬剤スクリーニング技術において使用するために、精製
されたPPRGをプレート上に直接コーティングすることもできる。或いは、非中和
性抗体を用いて、ペプチドを捕捉して固体支持体上に固定することができる。
【0172】 別の実施例においては、PPRGの結合のためにPPRGと結合可能な中和抗体が試験
化合物と特異的に競合する競合的薬物スクリーニングアッセイを用いることがで
きる。この方法において、抗体を用いて、1以上の抗原決定基をPPRGと共有する
任意のペプチドの存在を検出することができる。
【0173】 さらに別の実施例においては、その新技術が、以下に限らないが、トリプレッ
ト遺伝暗号及び特異的な塩基対相互作用のようなものを含め現在周知のヌクレオ
チド配列の特性に基づくものであれば、PPRGをコードするヌクレオチド配列を、
未だ開発されていない分子生物学的技術に用いることができる。
【0174】 当業者は、更なる説明がなくても前述の説明によって本発明を十分に利用でき
るであろう。従って、以下に記す特定の実施例は、単なる例示であって本発明を
限定するものではない。
【0175】 先に記載したもの及び以下に記載した全ての特許出願、特許、刊行物、並びに
米国特許出願第60/096,114号及び第60/119,768号については、ここで言及するこ
とにより本明細書の一部とする。
【0176】
【実施例】
1 cDNAライブラリーの作製 RNAはClontech社から購入したものか、表4に示した組織から単離したもであ
る。幾つかの組織を均質化してグアニジニウムイソチオシアネート溶液に溶解し
、一方で別の組織を均質化してフェノールに溶解するか、或いはTRIZOL(Life Technologies)、グアニジニウムイソチオシアネート及びフェノールの単相溶液
等の適切な変性剤の混合液に溶解した。結果として得られた溶解産物をCsClクッ
ションでの遠心分離またはクロロホルムで抽出した。イソプロパノール或いは酢
酸ナトリウムの何れかとエタノールで、或いは別の通常の方法でこの溶解物から
RNAを沈殿させた。
【0177】 RNAのフェノール抽出および沈殿を必要な回数繰り返してRNAの純度を高めた。
場合によっては、RNAをデオキシリボヌクレアーゼで処理した。大半のライブラ
リーでは、オリゴ d(T)結合常磁性粒子(Promega)、OLIGOTEXラテックス粒子
(QIAGEN, Chatsworth CA)、又はOLIGOTEX mRNA精製キット(QIAGEN)を用
いてポリ(A+) RNAを単離した。或いは、例えばPOLY(A)PURE mRNA精製キット(
Ambion, Austin TX)等の別のRNA単離キットを用いてRNAを組織溶解産物から
直接単離した。
【0178】 場合によっては、Stratagene社にRNAを提供してそれに対応するcDNAライブラ
リーを作製した。そうでない場合は、UNIZAPベクターシステム(Stratagene)又
はSUPERSCRIPT プラスミドシステム(Life Technologies)を用いて当業者に
周知の推奨された方法もしくは類似の方法でcDNAを合成してcDNAライブラリーを
作製した(例えば、Ausubel, 1997,前出, units 5.1-6.6を参照)。オリゴ
d(T)又はランダムプライマーを用いて逆転写を開始した。合成オリゴヌクレオチ
ドアダプターを二本鎖cDNAに結合させてから、適切な(複数の)制限酵素でcDNA
を消化した。殆どのライブラリでは、SEPHACRYL S1000、 SEPHAROSE CL2B、
若しくはSEPHAROSE CL4Bカラムクロマトグラフィー(Amersham Pharmacia Bi
otech)、又は分離用のアガロースゲル電気泳動法によってcDNAの大きさ(300〜
1000bp)を選択した。適切なプラスミド(例えば、pBLUESCRIPT (Stratagene)
、pSPORT1プラスミド(Life Technologies)、又はpINCY(Incyte Pharmaceutica
ls Inc., Palo Alto CA) 等)のポリリンカーの適合性制限酵素部位にcDNA
を結合させた。組換えプラスミドを、例えば、XL1-Blue、XL1-BlueMRF、若しく
はSOLR(Stratagene)、又はDH5α、DH10B、若しくはElectroMAX DH10B (Lif
e Technologies)等のコンピテントE.coli細胞に形質転換した。
【0179】 2 cDNAクローンの単離 UNIZAPベクターシステム(Stratagene)又は細胞溶解を利用して、in vivo
の切取りによって宿主細胞からプラスミドを回収した。Magic若しくはWIZARD M
inipreps DNA精製システム(Promega)、AGTC Miniprep精製キット(Edge Bi
osystems, Gaithersburg MD)、及びQIAGEN社のQIAWELL 8 Plasmid、QIAWEL
L 8 Plus Plasmid、QIAWELL 8 Ultra Plasmid 精製システム又はR.E.A.L
Prep 96プラスミドキット(QIAGEN)のうちの少なくとも1つを用いてプラス
ミドを精製した。沈殿の後、0.1mlの蒸留水に再懸濁して、凍結乾燥して或いは
凍結乾燥しないで4℃で保管した。
【0180】 或いは、高スループットフォーマットの直接結合PCR法によって宿主細胞溶解
産物からプラスミドDNAを増幅した(Rao, V.B. (1994) Anal. Blochem. 21
6:1-14)。宿主細胞の溶解及び熱サイクリング過程を単一反応混合液で実施した
。サンプルを処理して384-ウエルプレートで保管し、増幅したプラスミドDNAの
濃度をPICOGREEN色素(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)及びFluoros
kan II蛍光スキャナー(Labsystems Oy, Helsinki, Finland)を用いて蛍光
定量的に測定した。
【0181】 3 配列決定および分析 cDNA配列決定の反応は、標準的な方法或いはABI CATALYST 800 (Perkin-E
lmer)thermal cycler若しくはPTC-200 thermal cyclers(MJ Research)等
の高スループットの機器とHYDRAマイクロディスペンサー(Robbins Scientific
)若しくはMICROLAB 2200(Hamilton)liquid transfer systemとを共に用い
て処理した。cDNA配列決定の反応は、Amersham Pharmacia Biotech社によって
提供された試薬か、又はABI PRISM BIGDYE Terminator cycle sequencing
ready reaction kit(Perkin-Elmer)のようなABI配列決定キットに供給さ
れた試薬を用いて準備した。cDNA配列決定反応の電気泳動的な分別および標識し
たポリヌクレオチドの検出は、MEGABACE 1000 DNA配列決定システム(Molecul
ar Dynamics)、ABI PRISM 373若しくは377配列決定システム(Perkin-Elmer
)と標準的なABIプロトコル及び塩基対呼び出しソフトウェアとの組合せ、又は
当業者に周知の他の配列分析システムを用いて実施した。cDNA配列の中の読み枠
は、標準的な方法を用いて識別した(Ausubelのレビュー, 1997, 前出, unit
7.7)。cDNA配列の幾つかを選択して、本実施例の5に記載した方法で伸長し
た。
【0182】 cDNA配列決定から得られたポリヌクレオチド配列は、当業者に周知のアルゴリ
ズムを利用するソフトウェアプログラムを組合せて用いて構築および分析した。
表5は、利用したツール、プログラム、及びアルゴリズムの概要、並びに適切な
説明、引用文献、及び閾値パラメータを示す。表5の第1列は用いたツール、プ
ログラム、及びアルゴリズムであり、第2列はそれらの簡単な説明であり、第3列
は引用文献(それらの全てはここで言及することにより本明細書の一部とする)
であり、第4列は2つの配列間の一致の程度の評価に用いた適切なスコア、確率値
、及び他のパラメータである(スコアが高いほど2つの配列間の相同性が高い)
。配列は、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software Engineering, S
outh San Francisco CA)及びLASERGENEソフトウェア(DNASTAR)を用いて分
析した。
【0183】 ポリヌクレオチド配列の確証は、BLAST、動的計画法、及びジヌクレオチド最
近接分析に基づいたプログラム及びアルゴリズムを用いて、ベクター、リンカー
、及びポリA配列を取除き、多義性の塩基対をマスクすることによって実施した
。次に、配列をBLAST、FASTA、及びBLIMPSに基づいたプログラムを用いてGenBan
kの霊長類、げっ歯類、哺乳類、脊椎動物、及び真核生物のデータベースやBLOCK
Sデータベース等の公共のデータベースでから選択した配列に対して問合わせて
注釈を得た。Phred、Phrap、及びConsedに基づいたプログラムを用いて配列を完
全長のポリヌクレオチドに構築し、GeneMark、BLAST、及びFASTAに基づいたプロ
グラムを用いて読取り枠に対してスクリーニングした。完全長のポリヌクレオチ
ド配列を翻訳して対応する完全長のアミノ酸配列を引き出し、続いてその完全長
のポリヌクレオチド配列をGenBankデータベース(前述)、SwissProt、BLOCKS、
PRINTS、Prosite、及び隠れマルコフモデル(HMM)に基づくPFAMなどのタンパク
質ファミリーデータベースに問い合わせることによって分析した。HMMは、遺伝
子ファミリーのコンセンサス1次構造を解析する確率的アプローチである(例え
ば、Eddy, S.R. (1996) Cur. Opin. Str. Biol. 6:361-365を参照)。
【0184】 完全長のポリヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の構築および分析のための上
述のプログラムは、SEQ ID NO:21−40からのポリヌクレオチド配列の断片の同
定にも使用した。ハイブリダイゼーション及び増幅に有用な約20から約4000まで
のヌクレオチドの断片については、前述の「発明」の部分で説明した。
【0185】 4 ノーザン分析 ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技
術であり、特定の細胞種或いは組織に由来するRNAが結合している膜と、標識さ
れたヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションを伴う(例えば、Sambrookら
前出, ch.7;並びにAusubel, F.M.ら前出, ch.4および16.参照)。
【0186】 BLASTを使用する類似のコンピュータ技術を用いて、GenBank或いはLIFESEQTM データベース(インサイト社)のようなヌクレオチドデータベース内の同一或
いは関連する分子を検索する。この分析は、多くの膜をベースとしたハイブリダ
イゼーションに比べてより高速である。さらにコンピュータ検索の感度を変更し
て、任意の特定の一致が、厳密な一致或いは類似の何れとして分類されるかを決
定することができる。 検索の基準は、以下で定義される積スコア(product sc
ore)である。 (配列同一性%×最大BLASTスコア%)/100 積スコアは、2つの配列間の類似度および配列一致の長さの両方を考慮に入れる
。例えば、積スコア40の場合、その一致は1〜2%誤差の範囲内の正確さであり、積
スコア70の場合は正確な一致となる。類似の分子は通常15〜40間の積スコアを示
す分子を選択することにより同定されるが、それより低いスコアでは関連した分
子として同定される。
【0187】 ノーザン分析の結果は、PPRGをコードする転写物が発生したライブラリーの割
合の分布として報告される。分析には、器官/組織および疾患によるcDNAライブ
ラリの分類が含まれる。器官/組織のカテゴリーには、心血管、皮膚、発生、内
分泌、胃腸、造血/免疫、筋骨格、神経、生殖、泌尿が含まれる。疾病/障害/
症状のカテゴリーには、癌、炎症/心的外傷、細胞増殖、神経、及び貯留(poole
d)が含まれる。各カテゴリーについて、目的の配列を発現するライブラリーを数
えて、カテゴリー全体にわたるライブラリーの合計数で割った。各組織に特異的
な発現ならびに疾病、疾患、若しくは症状に特異的な発現の割合を表3に示した
【0188】 5 PPRGをコードするポリヌクレオチドの伸長 SEQ ID NO:21−27の完全長の核酸配列を、完全長分子の適切な断片の伸長に
よって、これらの断片から設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、
生成した。各核酸配列に対して、一方のプライマーはアンチセンスポリヌクレオ
チドの伸長を開始するために合成し、他方のプライマーはセンスポリヌクレオチ
ドの伸長を開始するために合成した。プライマーを用いることにより、既知の配
列を「外側に」伸長することを容易にし、対象の領域に対する新たな未知のヌク
レオチド配列を含むアンプリコンを生成した。初期のプライマーを、OLIGO 4.0
6 (National Biosciences)或いは他の適切なプログラムを用いて、約22〜30
個のヌクレオチドからなる長さであって50%以上のGC含有物を有し、且つ約68〜7
2℃の温度で標的配列にアニーリングするようにcDNAから設計した。ヘアピン構
造及びプライマー−プライマー2量体を生ずるようなヌクレオチドの如何なる伸
長も回避した。
【0189】 選択されたヒトcDNAライブラリー(Life Technologies)を用いてその配列を
伸長した。2以上の伸長が必要であるか、もしくは望ましい場合には、さらに別
のプライマーの組を設計して既知領域をさらに伸長させる。
【0190】 XL-PCRキット(Perkin Elmer Corp.)の取扱説明書に従って、酵素及び反応
混合物を完全に混合することで高い適合度の増幅が得られた。PCRはPTC-200 th
ermal cycler(MJ Reserch, Inc.)を用いて実施され、以下のパラメータで
、40pmolの各プライマーおよびキットの他の全ての成分は推奨された濃度で開始
した。 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル繰返す ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル繰返す ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(保持する) 反応混合物の5〜10μlのアリコットを低濃度(約0.6〜0.8%)アガロースミニ
ゲル上で電気泳動法により分析し、どの反応物が配列の伸長に成功したかを判定
した。最も大きな生成物を含むと考えられるバンドをゲルから切出し、QIAQUICK
キット(QIAGEN)を用いて精製し、クレノウ酵素を用いてオーバーハングを切除
して、再連結及びクローニングを容易にした。
【0191】 エタノール沈殿の後、その生成物を13μlの連結緩衝液中に再溶解し、1μlのT
4-DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼを加えて、そ
の混合物を室温で2〜3時間、或いは16℃で一晩インキュベートした。コンピテン
E.coli細胞(40μlの適切な培養液中の)を3μlの連結混合物を用いて形質転
換し、80μlのSOC培養液で培養した(例えば、Sambrook、前出,Appendix A, p.
2参照)。37℃で1時間インキュベートした後、E.coli混合物を、カルベニシリン
(2x carb)を含むLuria Bertani (LB)-agar(例えば、Sambrook、前出, Ap
pendix A, p.1参照)上で平板培養(plated)した。翌日、いくつかのコロニー
を各プレートから無作為に選択して、適切な市販の滅菌96穴マイクロタイタープ
レートの個々のウエル内に置かれた150μlの液体LB/2x carb培地で培養した。
その翌日、終夜培養した各5μlの培養物を非滅菌の96穴プレートに移し、水で1:
10に希釈した後、各サンプルから5μlをPCRアレイに移した。
【0192】 PCR増幅の場合、ベクタープライマー、伸長反応のために用いられる1つ或いは
両方の遺伝子特異性プライマー、及び4単位のrTth DNAポリメラーゼを含む18μ
lの濃縮PCR反応混合物(3.3x)が各ウエルに加えられた。増幅は、以下の条件で
実施した。 ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル繰返す ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(保持する) PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で移動さ
せた。PCR生成物の大きさを元の部分的なcDNAと比較し、適切なクローンを選択
し、プラスミドに結合させて配列決定した。
【0193】 同様に、SEQ ID NO:21−27のヌクレオチド配列を使用し、上記手順、5’伸
長用に設計されたオリゴヌクレオチド、及び適切なゲノムライブラリを用いて5
’調節配列を得た。
【0194】 SEQ ID NO:28−40の完全長の核酸配列は、完全長分子の適切な断片を伸長し
てこの断片から設計したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて作り出した。一
方のプライマーは既知の断片の5'の延長を開始するために合成し、他方のプライ
マーは既知の断片の3'の延長を開始するために合成した。開始プライマーは、OL
IGO 4.06ソフトウェア(National Biosciences)或いは他の適切なプログラム
を用いて、約22〜30個のヌクレオチドからなる長さであって50%以上のGC含有物
を有し、且つ約68〜72℃の温度で標的配列にアニーリングするようにcDNAから設
計した。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー2量体を生ずるようなヌクレ
オチドの如何なる伸長も回避した。
【0195】 選択されたヒトcDNAライブラリーを用いてこの配列を伸長した。2段階以上の
伸長が必要であるか、又は望ましい場合には、プライマーの付加的或いはネスト
化した組を設計する。
【0196】 当業者に周知の方法を利用したPCR法で高い忠実度の増幅を実施した。PCRは、
PTC-200 thermal cycler (MJ Research, Inc.)用いて96ウェルプレート
において行った。反応混合液には、DNA鋳型、200nmolの各プライマーと、Mg2+
(NH4)2SO4、及びβ−メルカプトエタノールを含む反応緩衝液と、Taq DNAポリ
メラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)と、ELONGASE酵素(Life Technolo
gies)と、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)とが含まれる。プライマーの組
PCI A及びPCI Bに対して以下のパラメータを用いた。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 60℃で1分間 ステップ4 68℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を20回繰り返す ステップ6 68℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 或いは、プライマーの組T7及びSK+に対して以下のパラメータを用いた。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 57℃で1分間 ステップ4 68℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を20回繰り返す ステップ6 68℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 各ウェルのDNA濃度は、1X TE及び0.5μlの希釈していないPCR生成物に溶解し
た100μlのPICOGREEN定量試薬(0.25% (v/v) PICOGREEN; Molecular Probes
, Eugene OR)を不透明な蛍光光度計プレート(Coming Costar, Acton MA
)の各ウェルに分配し、DNAが試薬と結合可能なようにして測定した。このプレ
ートをFluoroskan II (Labsystems Oy, Helsinki, Finland)でスキャン
して、サンプルの蛍光を計測し、またDNA濃度を定量化する。反応混合物の5〜10
μlの一定分量を1%のアガロースミニゲル上での電気泳動法によって解析し、何
れの反応物が配列の伸長に成功したかを決定する。
【0197】 伸長したヌクレオチドを脱塩および濃縮し、384ウェルプレートに移し、CviJI
コレラウィルスエンドヌクレアーゼ(Molecular Biology Research, Madison
WI)で消化し、pUC 18ベクター(Amersham Pharmacia Biotech)に再連結
する前に音波処理またはせん断を実施した。ショットガン配列決定のために、消
化したヌクレオチドを低濃度(0.6〜0.8%)のアガロースゲル上に分離し、断片
を切除し、寒天をAgar ACE(Promega)で消化した。伸長したクローンをT4リガ
ーゼ(New England Biolabs, Beverly MA)を用いてpUC 18ベクター(Amer
sham Pharmacia Biotech)に再連結し、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)
で処理して制限部位のオーバーハングを満たし、更にコンピテントE.coli細胞に
形質移入した。形質移入した細胞を抗生物質を含む培地で選択し、個々のコロニ
ーを選択してLB/2X carb培養液の384ウェルプレートに37℃で終夜培養した。
【0198】 細胞を溶解し、Taq DNAポリメラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)及び
Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて以下のパラメータでDNAをPCR増幅
した。 ステップ1 94℃で3分間 ステップ2 94℃で15秒 ステップ3 60℃で1分間 ステップ4 72℃で2分間 ステップ5 ステップ2、3、及び4を29回繰り返す ステップ6 72℃で5分間 ステップ7 4℃で保管 前述のようにPICOGREEN試薬(Molecular Probes)でDNAを定量化した。DNA回収
率の低いサンプルは、上記の条件で再度増幅した。サンプルを20%のジメチルス
ルホキシド(dimethysulphoxide)(1:2, v/v)で希釈し、DYENAMIC energy tr
ansfer sequencingプライマー並びにDYENAMIC DIRECTキット(Amersham Phar
macia Biotech)若しくはABI PRISM BIGDYE Terminator cycle sequencin
g ready reaction kit(Perkin-Elmer)を用いて配列決定した。
【0199】 同様に、SEQ ID NO:28−40のヌクレオチド配列を使用し、上記手順、5’伸
長用に設計されたオリゴヌクレオチド、及び適切なゲノムライブラリーを用いて
5’調節配列が得られる。
【0200】 6 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識化及び使用 SEQ ID NO:21−40から得られたハイブリダイゼーションプローブを用いて、
cDNA、ゲノムDNA、又はmRNAをスクリーニングする。約20の塩基対からなるオリ
ゴヌクレオチドの標識について特に記載するが、より大きなヌクレオチド断片に
も概ね同じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを、OLIGO4.06ソフトウェア(Nat
ional Biosciences)のような当技術分野のソフトウエアを用いて設計し、50pm
olの各オリゴマー、250μCiの[γ-32P]アデノシン3リン酸 (Amersham Pharma
cia Biotech)、及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN, Boston MA
)を結びつけることにより標識する。標識されたオリゴヌクレオチドを、SEPHAD
EX G-25超微細分子サイズ排除デキストランビーズカラム(Amersham Pharmaci
a Biotech)を用いて実質的に精製する。毎分107カウントの標識されたプロー
ブを含むアリコットを、以下のエンドヌクレアーゼ、Ase I、Bgl II、Eco RI
、Pst I、Xba1、又はPvu II(DuPont NEN)の中の1つで消化されたヒトゲノ
ムDNAの典型的な膜ベースのハイブリダイゼーション解析に用いる。
【0201】 各消化物からのDNAを、0.7%アガロースゲルに上で分画して、ナイロン膜(NyP
PRGlus, Schleicher & Schuell, Durham NH)に移す。ハイブリダイゼーシ
ョンは40℃で16時間実施する。非特異的シグナルを除去するために、0.1xクエン
酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウムまでの徐々に厳密性を増す
条件下で、ブロットを室温にて連続的に洗浄する。オートラジオグラフィを用い
てハイブリダイゼーションパターンを視覚化して比較する。
【0202】 7 マイクロアレイ 化学的結合プロシージャ及びインクジェット装置を用いることにより、基板の
表面上でアレイエレメントを合成することができる。(例えば、Baldeschweiler
, 前出 参照)。また、ドットブロット又はスロットブロット法に類似の所定
のアレイを用いて、熱、UV、化学的もしくは機械的結合プロシージャを利用して
、基板の表面にエレメントを配置及び結合させてもよい。標準的なアレイは、手
製で或いは手近な方法及び機械を用いて製作でき、また任意の適切な数のエレメ
ントを含む。ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイズしていないプローブを
取除き、スキャナーを用いて蛍光のレベル及びパターンを判定する。マイクロア
レイ上のエレメントとハイブリダイズする各プローブの相補性の度合及び相対的
な存在量は、スキャナーで読取られた画像を解析することにより評価する。
【0203】 完全長cDNA、発現された配列タグ(ESTs)、又はそれらの断片は、マイクロア
レイのエレメントを含み得る。ハイブリダイゼーションに適した断片は、当業者
に周知のLASERGENEソフトウェア(DNASTAR)のようなソフトウェアを用いて選択
可能である。本発明のヌクレオチド配列の1つに対応する完全長cDNA、EST、若し
くはそれらの断片を、又は本発明に関連するcDNAライブラリーから無作為に選択
されたものを、例えばスライドガラスのような適切な基板に配置する。そのcDNA
を、例えばUV架橋の後に熱的および化学的に処置し、さらに乾燥することによっ
て、スライドガラスに固定する(例えば、Schena, M.ら (1995) Science 27
0:467-470; 並びにShalon, D.ら(1996) Genome Res. 6:639-645参照)。蛍
光プローブを作製し、基板上のエレメントとのハイブリダイゼーションに用いる
。基板は前述の方法によって解析する。
【0204】 8 相補的ポリヌクレオチド PPRGをコードする配列に相補的な配列、或いはその任意の一部を、自然発生PP
RGの発現を検出し、低下させる、即ち抑制するために用いる。約15〜約30塩基対
を含むオリゴヌクレオチドの使用について記載するが、より小さな、或いはより
大きな配列フラグメントの場合でも本質的に同じ方法が用いられる。OLIGO 4.0
6ソフトウェア及びPPRGのコーディング配列を用いて適切なオリゴヌクレオチド
を設計する。転写を抑制するために、相補オリゴヌクレオチドを最も独特な5’ 配列から設計してコーディング配列へのプロモーターの結合を防止するために用
いる。翻訳を抑制するために、相補的なオリゴヌクレオチドを設計してPPRGをコ
ードする転写物へのリボソームの結合を防ぐ。
【0205】 9 PPRGの発現 PPRGの発現及び精製は、細菌またはウイルスに基づく発現系を用いて実施され
る。細菌におけるPPRGの発現の場合、抗菌性の耐性遺伝子とcDNAの転写レベルを
高める誘導性のプロモーターとを含む適切なベクターにcDNAをサブクローニング
する。このようなプロモーターの例としては、以下に限定しないが、lacオペレ
ーター調節エレメントに関連するT5またはT7バクテリオファージプロモーター及
びtrp-lac(tac)ハイブリッドプロモーターが挙げられる。組換えベクターを、BL
21(DE3)などの適切な細菌性の宿主に形質転換する。抗生物質耐性菌が、イソプ
ロピルβ−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)での誘発によりPPRGを発現する。
真核生物の細胞におけるPPRGの発現は、昆虫または哺乳動物の細胞株に、一般に
バキュロウイスルスとして知られているAutographica californica核多角体ウ
イルス(AcMNPV)を感染させることによって行う。バキュロウイルスの非必須ポ
リヘドリン遺伝子を、相同的組換え又は転移プラスミド中間体を含む細菌媒介の
遺伝子転移の何れかによって、PPRGをコードするcDNAと置換する。ウイルスの感
染力は維持され、強力なポリヘドリンプロモータによって高レベルのcDNAの転写
が行われる。多くの場合、組換え型バキュロウイルスは、Spodoptera frugiperd
a (Sf9)昆虫細胞の感染に用いられるが、場合によっては、ヒト肝細胞の感染
にも用いられる。後者の感染には、バキュロウイルスに対する更なる遺伝的変更
が必要となる。(例えば、Engelhard. E. K.ら(1994) Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 91:3224-3227; Sandig, V.ら(1996) Hum. Gene Ther. 7:19
37-1945.を参照)。
【0206】 殆どの発現系において、PPRGは、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(G
ST)、またはFLAG若しくは6-His等のペプチドエピトープ標識で融合タンパク質
として合成され、粗製の細胞溶解産物からの組換え型融合タンパク質の親和性ベ
ースの精製を迅速に1段階で行うことができる。Schistosoma japonicumからの2
6キロダルトンの酵素のGSTによって、タンパク質の活性及び抗原性を維持した条
件の下で固定化されたグルタチオにおける融合タンパク質の精製が可能となる(
Amersham Pharmacia Biotech)。精製の後に、特定の操作部位においてPPRGか
らGST部分をタンパク分解的に切断可能である。8個のアミノ酸のペプチドである
FLAGにより、市販のモノクロナール及びポリクロナール抗FLAG抗体を用いて免疫
親和性の精製が可能となる(Eastman Kodak)。6個の連続したヒスチジン残基
のストレッチである6-Hisによって、金属キレート樹脂(QIAGEN)における精製
が可能となる。タンパク質の発現及び精製の方法については、Ausubelが(1995
年, 前出, ch 10 and 16)論じている。これらの方法によって得られた精
製されたPPRGを、以下のアッセイで直接用いることができる。
【0207】 10 PPRG活性の実証 PPRGのプロテアーゼ活性は、種々の色素生産性分子と結合した適切な合成的ペ
プチド基質の加水分解によって測定する。ここで、加水分解の程度は、遊離した
発色団の分光光度的(又は蛍光定量的)吸収度によって定量化する(Beynon, R
.J.及びJ.S. Bond (1994) Proteolvtic Enzymes: A Practical Anoroach
, Oxford University Press, New York NY, pp.25-55)。プロテアーゼ
活性の分類に従ってペプチド基質を、エンドペプチダーゼ(セリン、システイン
、アスパラギン酸プロテアーゼ)、アミノペプチダーゼ(ロイシンアミノペプチ
ダーゼ)、又はカルボキシペプチダーゼ(カルボキシペプチダーゼA及びB、プロ
コラーゲンC-プロテイナーゼ)として計画する。通常用いられる色素原は、2-ナ
フチルアミン、4-ニトロアニリン、フリルアクリル酸である。アッセイは周囲温
度で実施し、また適切なバッファー中に適切な基質および一定量の酵素を含む。
反応は光学キュベット中で実施し、続いてペプチド基質の加水分解の際に遊離し
た色素原の吸光度の増大/減少を測定する。アッセイにおいて、吸光度の変化は
酵素活性に比例する。
【0208】 PPRGによるプロテアーゼ活性(作用又は拮抗作用)の調節は、活性のアゴニス
ト又はインヒビターとしてのPPRGの存在下または非存在下において、前述のよう
な適切なプロテアーゼアッセイを用いて測定する。プロテアーゼ活性は、PPRGの
非存在下(対照標準活性)及び可変の量のPPRGの存在下において測定する。対照
標準と比較したプロテアーゼ活性の変化は、アッセイにおけるPPRGの量と比例し
、またPPRGのプロテアーゼの調節性の活性の尺度である。
【0209】 例えば、PPRG-2の抑制的活性の場合、種々の濃度のPPRG-2の存在下およびその
非存在下においてアッセイされるカルパインのようなカルシウム依存性プロテア
ーゼを用いて、前述のようにPPRGに対してアッセイが実施される。アッセイにお
いて、カルパインプロテアーゼ活性の抑制は、PPRG-2の活性に比例する。同様に
、PPRG-4及びPPRG-9の抑制的活性の場合、種々の濃度のPPRG-4又はPPRG-9の存在
下およびPPRG-4又はPPRG-9の非存在下においてアッセイされる膵臓のトリプシン
を用いて、前述のようにPPRGに対してアッセイが実施される。アッセイにおいて
、膵臓のトリプシンプロテアーゼ活性の抑制は、PPRG-4又はPPRG-の活性に比例
する。
【0210】 11 機能的アッセイ PPRGの機能は、哺乳類細胞培養系における生理学的に高められたレベルでのPP
RGをコードする配列の発現によってアッセイする。高レベルでcDNAを発現する強
力なプロモーターを含む哺乳類の発現ベクターにcDNAをサブクローニングする。
選り抜きのベクターには、pCMV SPORT(Life Technologie)及びpCR3.1 (In
vitrogen, Carlsbad, CA)が含まれ、その各々にはサイトメガロウイルスプロ
モーターが含まれる。5〜10μgの組換えベクターを、リポソーム製剤或いは電気
穿孔法によって、好ましくは内皮若しくは造血由来のヒト細胞株に一過性に形質
移入する。また、標識タンパク質をコードする配列を含む1〜2μgの付加的なプ
ラスミドを同時形質移入する。標識タンパク質の発現により、形質移入された細
胞と形質移入されていない細胞とを区別することができ、また組換えベクターか
らのcDNAの発現を確実に予測できる。選り抜きの標識タンパク質には、緑色蛍光
タンパク質(GFP; Clontech)、CD64、又はCD64-GFP融合タンパク質が含まれる
。自動化されたレーザー光学に基づいた技術であるフローサイトメトリー(FCM
)を用いて、GFP又はCD64-GFPを発現する形質移入された細胞を同定し、また細
胞のアポトーシスの状態および他の細胞特性を評価する。FCMによって、先行す
る或いは同時の細胞死の現象を診断する蛍光分子の取込みを検出及び定量化する
。これらの現象には、プロピジウムヨウ化物でのDNAの染色によって測定される
核DNA内容物の変化、ブロモデオキシウリジンの取込み量の低下によって測定さ
れるDNA合成の下方制御、特異的抗体との反応性によって測定される細胞表面お
よび細胞内のタンパンク質の発現の変化、並びにフルオレセイン結合アネキシン
Vタンパク質の細胞表面への結合によって測定される原形質膜組成の変化が含ま
れる。フローサイトメトリーの方法については、Ormerod, M. G.の (1994) Flow Cytometry, Oxford, New York, NYに記載されている。
【0211】 遺伝子発現におけるPPRGの影響は、PPRGをコードする配列並びにCD64若しくは
CD64-GFPの何れかが形質移入された高度に精製された細胞集合を用いて評価する
ことができる。CD64及びCD64-GFPは、形質転換された細胞表面で発現し、ヒト免
疫グロブリンG(IgG)の保存された領域と結合する。形質転換された細胞を、ヒ
トIgG若しくはCD64の抗体の何れかで被覆された磁気ビーズを用いて、形質転換
されていない細胞から分離することができる(DYNAL, Lake Success, NY)。
mRNAは、当業者に周知の方法で細胞から精製することができる。PPRG及び目的と
する他の遺伝子をコードするmRNAの発現は、ノーザン分析やマイクロアレイ技術
で解析することが可能である。
【0212】 12 PPRG特異的抗体の産生 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)(例えば、Harrington, M.G. (
1990) Methods Enzymol. 182:488-495参照)、或いは他の精製技術を使用し
て実質的に精製されたPPRGを用いて、標準的なプロトコルに従ってウサギを免疫
化して抗体を生成する。
【0213】 或いは、PPRGのアミノ酸配列をLASERGENE software(DNASTAR)を用いて解析
して免疫原性の高い領域を判定し、対応するオリゴポリペプチドを合成し、これ
を用いて当業者に知られた方法により抗体を産生させる。C-末端付近または親水
性領域内のエピトープのような適切なエピトープの選択方法の詳細については当
業者の文献に記載されている(例えば、Ausubel, 1995, 前出, ch.11参照)
【0214】 通常、15残基の長さのオリゴペプチドを、fmoc法の化学作用を利用するABI 43
1A Peptide Synthesizer(Perkin-Elmer)を用いて合成し、MBS(N-maleimido
benzoyl-N-hydroxysuccinimide ester)を用いた反応によりKLH(Sigma, St.Lo
uis, MO)に結合させて免疫抗原性を増強させる(例えば、Ausubel前出 参照)
。ウサギをフロイント完全アジュバントにおけるオリゴペプチド-KLH複合体で免
疫化する。その結果生じる抗血清は、例えば、プラスチックにペプチドを結合さ
せ、1%BSAでブロッキングし、ウサギ抗血清と反応させ、洗浄し、さらに放射性
ヨウ素標識したヤギ抗ウサギIgGと反応させることにより、抗ペプチド活性に対
して検査される。
【0215】 13 特異的抗体を用いる自然発生PPRGの精製 PPRGに特異的な抗体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィにより、
自然発生或いは組換えPPRGを実質的に精製する。イムノアフィニティーカラムは
、PPRG抗体を、CNBr-活性化セファロース(Amersham Pharmacia Biotech)の
ような活性化されたクロマトグラフィー用樹脂に共有結合させることにより作製
する。結合の後、製造者の取扱説明書に従って樹脂をブロック及び洗浄する。
【0216】 PPRGを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、PPRGを優先的に吸着
させる条件下(例えば、界面活性剤の存在下における高イオン強度のバッファー
)でそのカラムを洗浄する。抗体/PPRG結合を分裂させる条件下(例えば、pH2
〜3のバッファー、又は尿素もしくはチオシアン酸塩イオンのような高濃度のカ
オトロープ(chaotrope))でカラムを溶出させ、PPRGを回収する。
【0217】 14 PPRGと相互作用する分子の同定 125I Bolton-Hunter試薬を用いて、PPRG或いはその生物学的に活性な断片を
標識する(例えば、Bolton, A.E. 及び W.M. Hunter (1973) Biochem.J.1
33:529参照)。マルチウエルプレートのウエル内に予め配置した候補分子を、標
識したPPRGと共にインキュベートし、洗浄し、標識したPPRG複合体を有する任意
のウエルをアッセイする。種々のPPRG濃度で得られたデータを用いて、PPRGと候
補分子との会合、親和性、及び数についての値を計算する。
【0218】 上記の刊行物および特許出願の全ては、ここで言及することにより本明細書の
一部とする。当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本明細書に
記載した方法及びシステムの種々の改変を行うことができるであろう。本発明を
特定の好適実施例に関して説明してきたが、請求する発明がそのような特定の実
施例に過度に制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、記載した本
発明の実施のための方法の種々の改変は、分子生物学或いは関連する分野の当業
者には明らかであり、請求の範囲内に含まれることを意図するものである。
【0219】 表の簡単な説明 表1には、PPRGをコードする完全長配列を構築するために用いたポリペプチド
配列およびヌクレオチド配列のID番号(SEQ ID NO)、クローンID番号、cDNA
ライブラリー、cDNA断片を示す。
【0220】 表2には、潜在的モチーフ、及び相同配列を含む各ポリペプチド配列の特徴、
及びPPRGの同定に用いた方法及びアルゴリズムを示す。
【0221】 表3には、ノーザン分析によって決定された各核酸配列の組織特異的発現パタ
ーンと、これらの組織に関連した疾患、障害、又は状態と、各DNAがクローニン
グされたベクターとを示す。
【0222】 表4には、PPRGをコードするcDNAクローンを単離したcDNAライブラリーを作製
するのに用いた組織を示す。
【0223】 表5には、PPRGの分析に用いたツール、プログラム、及びアルゴリズム、並び
に適切な説明、引用文献、パラメーター閾値を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/40 C12N 1/19 4C084 C12N 1/15 1/21 4H045 1/19 9/48 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/68 A 9/48 C12N 15/00 A C12P 21/08 5/00 A C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ヒルマン、ジェニファー・エル アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#12・モンロードライ ブ 230 (72)発明者 ボーグン、マライア・アール アメリカ合衆国カリフォルニア州94577・ サンレアンドロ・サンティアゴロード 14244 (72)発明者 アジムザイ、ヤルダ アメリカ合衆国カリフォルニア州94545・ ヘイワード・ロックスプリングスドライブ 2045 (72)発明者 ゲグラー、カール・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・オークランドアベニュー 1048 (72)発明者 コーレイ、ニール・シー アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#30・デールアベニュ ー 1240 (72)発明者 ユエ、ヘンリー アメリカ合衆国カリフォルニア州94087・ サニーベイル・ルイスアベニュー 826 (72)発明者 タング、ワイ・トム アメリカ合衆国カリフォルニア州95118・ サンノゼ・ランウィックコート 4230 (72)発明者 レディ、ルーパ アメリカ合衆国カリフォルニア州94086・ サニーベイル・ウェストマッキンレードラ イブ 1233 (72)発明者 パターソン、チャンドラ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・#1・シャーウッドウェイ 490 (72)発明者 オウ−ヤング、ジャニス アメリカ合衆国カリフォルニア州94702・ バークレイ・カインズアベニュー 1419 (72)発明者 シー、レオ・エル アメリカ合衆国カリフォルニア州94303・ パロアルト・アパートメント ビー・タン ランドドライブ 1081 (72)発明者 リュ、デュング・アイナ・エム アメリカ合衆国カリフォルニア州95136・ サンノゼ・パークベルモントプレイス 55 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA14 BA44 CA04 CA09 CA11 DA02 DA05 DA11 EA04 GA11 HA01 HA03 HA12 4B050 CC01 CC03 DD11 FF16 LL01 LL03 4B063 QA01 QA19 QQ01 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR56 QR62 QS25 QS34 QS36 QX02 4B064 AG27 CA10 CA20 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AB01 AB04 CA25 CA33 CA44 CA46 4C084 AA01 AA07 AA17 BA04 BA08 BA20 BA22 DC02 MA01 NA14 ZB072 ZB222 4H045 AA11 CA40 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:1乃至20並びにそれらの断片からなる一群よ
    り選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1のアミノ酸配列に対して少なくとも90%以上のア
    ミノ酸配列の同一性を有する実質的に精製された変異体。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリペプチドをコードする単離され精製された
    ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項3のポリヌクレオチドに対して少なくとも90%以上
    のポリヌクレオチド配列の同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド
    の変異配列。
  5. 【請求項5】 厳密な条件の下で請求項3のポリヌクレオチドとハイブリ
    ダイズする単離され精製されたポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3のポリヌクレオチド配列に対して相補的な配列を
    有する単離され精製されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 ポリヌクレオチドを検出する方法であって、 (a)請求項6のポリヌクレオチドをサンプルの少なくとも1つの核酸とハイ
    ブリダイズさせて、ハイブリダイゼーション複合体を形成する過程と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記ハイ
    ブリダイゼーション複合体の存在が前記サンプルにおけるポリヌクレオチドの存
    在と相関性を有するような検出過程とを含むことを特徴とする検出方法。
  8. 【請求項8】 前記ハイブリダイゼーションの前にポリヌクレオチドを増
    幅する過程を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 SEQ ID NO:21乃至40並びにそれらの断片からなる一群よ
    り選択されたポリヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチド
  10. 【請求項10】 請求項9のポリヌクレオチドに対して少なくとも90%以
    上のポリヌクレオチド配列の同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチ
    ド変異配列。
  11. 【請求項11】 請求項9のポリヌクレオチドに対して相補的な配列を有
    する単離され精製されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項3のポリヌクレオチドの少なくとも断片を含む発
    現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12の発現ベクターを含む宿主細胞。
  14. 【請求項14】 ポリペプチドの製造方法であって、 (a)前記ポリペプチドの発現に適した条件の下で、請求項13の宿主細胞を
    培養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと
    を特徴とする製造方法。
  15. 【請求項15】 適切な医薬用担体と共に請求項1のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1のポリペプチドに特異的に結合する精製された
    抗体。
  17. 【請求項17】 請求項1のポリペプチドの精製されたアゴニスト。
  18. 【請求項18】 請求項1のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  19. 【請求項19】 PPRGの活性若しくは発現の低下に関連する疾患の治療又
    は予防の方法であって、そのような治療が必要な患者に対して、有効な量の請求
    項15の医薬品組成物を投与する過程を含む方法。
  20. 【請求項20】 PPRGの活性若しくは発現の増大に関連する疾患の治療又
    は予防の方法であって、そのような治療が必要な患者に対して、有効な量の請求
    項18のアンタゴニストを投与する過程を含む方法。
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