JP2002521573A - 鋼の表面処理 - Google Patents

鋼の表面処理

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JP2002521573A JP2000562586A JP2000562586A JP2002521573A JP 2002521573 A JP2002521573 A JP 2002521573A JP 2000562586 A JP2000562586 A JP 2000562586A JP 2000562586 A JP2000562586 A JP 2000562586A JP 2002521573 A JP2002521573 A JP 2002521573A
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Abstract

(57)【要約】 鋼製品は、その表面の少なくとも一部がコバルト、少なくとも1種類の三価以上の金属および少なくとも1種類のコロイド状無機材料に加えて少なくとも90%の亜鉛を備えた前処理被膜でめっきされている。さらに、本発明は耐食性鋼製品を製造する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (1)発明の分野 本発明は、塗料などの有機被膜を受け入れる新規な前処理被膜で被覆された鋼
製品とそのような前処理表面被膜を鋼に被着する処理方法に関する。
【0002】 (2)従来技術の説明 自動車の車体や他の構造体の構造には、鋼パネルやその他の構成部品が広範囲
に使用されている。環境的要因による鋼の腐食の問題はよく知られており、鋼に
被膜を設けて腐食を低減させるために多くの研究がなされてきた。鋼帯を腐食か
ら保護する場合、亜鉛被膜が広く使用されている。自動車業界では、リン酸塩お
よび/またはクロム酸塩処理加工並びに多重塗膜とともに亜鉛被膜を導入するこ
とにより、6年以上の保護を実現している。リン酸塩またはクロム酸塩処理は、
亜鉛被膜表面が十分に耐食性を有するとともに該被膜表面に十分に密着性のある
塗膜が電着被覆できるようにするために必要である。
【0003】 これらの被膜によりもたらされる遮断保護に加えて、鋼が引掻きや石による削
り取りによって大気に曝された場合、亜鉛が犠牲となって錆の形成を防止するよ
う作用することができる。亜鉛被覆鋼は所定形状に成形したり溶接することも可
能である。
【0004】 過去15年の間に、例えば、日本特許公告公報50−29821号に開示する
ように、亜鉛を合金化することにより亜鉛被膜の耐食性を向上させる試みが多数
なされてきた。亜鉛被膜に比べ、電着された亜鉛−ニッケル合金は耐食性が向上
し、鋼板製品の保護に幅広く使用されている。一般に、改良被膜を実現するため
に12重量%以上のニッケルが混ぜ込まれる。耐食性向上の他の試みとしては、
例えば、欧州特許0174019号に開示するように、亜鉛に無機物質を分散さ
せる方法がある。
【0005】 本発明の目的は、耐食性を向上させた、鋼下地用の亜鉛を基材とする前処理被
膜を提供することである。もう一つの目的は、リン酸塩またはクロム酸塩処理を
必要とすることなく、電着被覆に適した、亜鉛を基材とする前処理被膜を提供す
ることである。
【0006】 (発明の概略) 本発明の特徴によれば、コバルト、少なくとも1種類の三価以上の金属および
少なくとも1種類のコロイド状無機材料に加えて少なくとも90%の亜鉛を備え
た前処理被膜で少なくとも表面の一部がめっきされた鋼製品が提供される。
【0007】 特に指定しない限り、全ての百分率は重量を基準として示す。
【0008】 好ましい実施形態では、上記被膜は 92ないし99%の亜鉛と、 0.5ないし5%のコバルトと、 0.05ないし1.5%の少なくとも1種類の三価以上の金属と、 0.4ないし5%の少なくとも1種類のコロイド状無機材料とを備えている。
【0009】 上記鋼製品は自動車の車体を製造する際の使用に適した鋼帯であってもよい。
【0010】 上記三価以上の金属はクロムまたはモリブデンであることが好ましい。適切な
コロイド状無機材料としては、シリカ、アルミナ、酸化鉄などがある。好ましい
コロイド状無機材料はシリカであり、特に5ないし30nm、好ましくは10な
いし20nmの粒径範囲を有するシリカである。以下、便宜上、コロイド状無機
材料がシリカである好ましい実施形態に基づいて本発明を説明するが、本発明が
これら実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0011】 好ましい実施形態では、上記被膜は 92ないし99%の亜鉛と、 0.5ないし5%のコバルトと、 0.05ないし0.5%のクロムと、 0.4ないし5%のシリカとを備えている。
【0012】 特に好ましい実施形態では、上記被膜は 93ないし97.9%の亜鉛と、 1ないし5%のコバルトと、 0.1ないし0.2%のクロムと、 1ないし3%のシリカとを備えている。
【0013】 本発明の別の特徴は、主としてコバルト、クロムおよび少なくとも1種類のコ
ロイド状無機材料に加えて亜鉛からなる耐食性被膜で少なくとも表面の一部がめ
っきされた鋼製品を提供する。
【0014】 驚くべきことに、適切に被覆された鋼下地は、塗膜形成後の鋼帯をより少ない
製造工程かつより低いコストで製造可能にするとともに、リン酸塩やクロム酸塩
で前処理する必要もなく塗料を受け入れることができることもわかった。
【0015】 被膜により得られる特性の向上を可能にする考えられるメカニズムとして、本
発明をいかなる点でも限定することなく、以下の理論が前提とされる。亜鉛の結
晶核形成および結晶成長は結果的に(約50nm厚の)各亜鉛結晶が4nm厚の
酸化亜鉛膜に包み込まれるようにして発生することが分かった。亜鉛がコバルト
と共析出される場合、その析出物には、大部分が酸化被膜と結合した他の元素の
不同分布が見られる。この場合、ニッケルが各亜鉛結晶を保護する遮断層として
作用していると考えられる。
【0016】 本発明は酸化亜鉛がn型半導体であることを利用する。酸化物内の亜鉛原子を
三価以上のイオン、例えばクロムで置き換えてもよい。これにより、酸化物の成
長を制限して下層の亜鉛地金に対する保護を高めることができる。ナノメータ寸
法厚の酸化物の厚みと安定性を上昇させるため、1種類以上のコロイド、例えば
、コロイドシリカが混ぜ込まれる。めっき浴のpH値がより弱酸性になるほど上
記酸化被膜は酸化亜鉛のコロイドからなると考えられる。近傍の陰極領域には、
ZnOコロイド懸濁系の状態でさらにコロイドが存在し、析出物内に吸蔵される
【0017】 三価以上の元素を被膜に添加することは、これらの元素のめっき浴内での溶解
度には限界があることから、単純な工程ではない。シリカの添加と一定濃度の二
価コバルトの存在により、吸収すべき三価元素の酸化亜鉛あるいは亜鉛地金と酸
化物との界面への吸蔵が促進するように見える。このことは、シリカと二価金属
(Co)および三価以上の金属の双方が被膜内に均一には分散しないことを意味
し、それらは各亜鉛結晶の周囲に(約3ないし10nm厚の)濃厚層として存在
する。これらの添加物は亜鉛結晶の大きさと形状を変える。このことは塗膜が固
着して効果的な結合を形成することができる結晶表面外形を作るのに役立つと考
えられる。
【0018】 被膜を形成するため、鋼製品は上記コロイド状無機材料の懸濁系を含んだ適切
な金属イオンの水溶液内で電気めっきされる。
【0019】 したがって、本発明のさらに別の特徴は、少なくとも90%の亜鉛を含んだ耐
食性被膜を鋼下地に被着させる処理方法であって、 0.2ないし2.5モル/リットルの範囲の濃度を有する亜鉛イオンと、 0.10ないし1.0モル/リットルの範囲の濃度を有する二価コバルトイオ
ンと、 0.004ないし0.05モル/リットルの範囲の総濃度を有する1種類以上
の三価以上の金属イオンと、 0.02ないし0.2モル/リットルの範囲の濃度を有するコロイド状無機材
料の懸濁系とを 含んだ酸性溶液内で上記鋼下地を電気めっきする工程を備えた処理方法を提供す
るものである。
【0020】 上記めっき溶液は、以下の濃度範囲、すなわち 亜鉛、0.5ないし0.8モル/リットル、 コバルト、0.1ないし0.3モル/リットル、 三価以上の金属、0.01ないし0.03モル/リットル、 コロイド状無機材料、0.05ないし0.1モル/リットルで 構成成分を含んでいることが特に好ましい。
【0021】 上記の処理方法は、例えば、帯鋼に対する連続処理として、あるいは回分処理
として実行されてもよい。
【0022】 (実施例の詳細な説明) 実施例1 表1で示す組成を有するめっき溶液を作成した。
【表1】
【0023】 約10×10mmの寸法の加熱硬化鋼パネルに対して、静的めっき浴内で表1
の溶液を用いてめっきを施した。作業条件は、 温度:50ないし60℃、 電流密度:120mA/cm2、 pH値:2 であった。
【0024】 めっき処理を90秒間実行して5μm厚の被膜を形成した。
【0025】 実施例2 表2で示す組成を有するめっき溶液を作成した。
【表2】
【0026】 10×10mmの寸法の加熱硬化鋼パネルに対して、静的めっき浴内で表2の
溶液を用いてめっきを施した。作業条件は、 温度:−50℃、 電流密度:100mA/cm2、 pH値:1.5 であった。
【0027】 めっき処理を90秒間および130秒間実行してそれぞれ5μm厚および7μ
m厚の被膜を形成した。
【0028】 これらの被膜の組織を透過電子顕微鏡で分析した結果、亜鉛微結晶が直径10
0ないし200nmの六角小板を形成しているナノ組織のパターンが明らかにな
った。小板は、モリブデン、コバルトおよびシリカが富化された(10nm厚ま
での)ZnO薄膜に封入されている。ミクロ組織を透過電子顕微鏡で分析する詳
細技術は、フィロソフィカルマガジンA(Philosophical Magazine A)の第70巻
2号373ないし389ページ(1994年)のH. yan, J. Downes, P. J. Bod
enおよびS. J. Harrisによる論文に記載されている。
【0029】 実施例1および2から得られた被膜形成パネルを塩水噴霧法(米国材料試験協
会(ASTM)B117仕様)を用いて試験した。同じ方法で作成された別の被
膜との比較結果を表3に示すとともに、図1にグラフ形式で示す。図1の被膜は
全て5μm厚である。
【0030】 腐食耐性比較
【表3】
【0031】 本発明にかかる両被膜は、従来の被膜に比べて高い腐食耐性を示している。Zn
-Co-Cr-SiO2を使用した10×10mmのパネルによる600時間という腐食到
達時間は極めてそして驚くほど長いものである。この値は複数のめっきパネルか
ら得られた結果の平均値であり、その結果の広がりは540時間から656時間
までのばらつきがある。Zn-Co-Cr-SiO2 (Co:2.4%; Cr:0.2%; SiO2:1.9%)で被覆
された100×50mmサイズのパネルに対して同じ試験を実行したところ、(
220時間から248時間まで広がる)240時間という腐食到達時間の結果を
得た。それは、前者より低いが、比較としての公知の被膜よりははるかに良い値
である。
【0032】 7μmの膜厚を有するZn-Co-Mo-SiO2被覆パネルは5%の赤錆までの到達時間
が504時間であった。
【0033】 電着塗膜に対する付着 4つの鋼パネル(約50×150mm)に対して、本発明にしたがって被膜が
めっきされた。その膜厚をフィッシャー(Fischer)社のPERMASCOPE(商標)型番M10
を使用して測定し、4つのパネル間で9ミクロンから12ミクロンの間でばらつ
く値が求められた。各パネルの被膜は以下のおおよその%組成を有していた。
【0034】 Zn: 96.7 Co: 1.1 Cr: 0.2 SiO2: 2.0 上記のパネルのうち2つには電着被覆の前に標準的なリン酸塩処理を施し、他
の2つには電着被覆前に処理を行わなかった。塗料は被膜に直接被着された。
【0035】 エポキシ樹脂とケイ酸鉛防食顔料ペーストを含む市販の被膜剤調合物を使用し
て陰極電着被覆浴を調製した。これを、被膜形成されたパネル上に塗料被膜を電
着させるために使用した。
【0036】 使用したパネル析出物と得られた結果を以下に示す。
【0037】 パネルは全て175℃の有効金属温度(EMT)で15分間硬化された。
【0038】 リン酸塩前処理なしパネル a)100オーム直列抵抗。初速度電流0.43A(最大)で260Vまで到
達。浴温度29.5℃、総析出時間135秒。流れた電流:10.6クーロン。
前被覆膜厚:12μm。これにより、平均塗膜厚24μmの滑らかな外観の膜を
形成した。ピンホール欠陥は見られなかった。
【0039】 b)100オーム直列抵抗。初速度電流0.42A(最大)で260Vまで到
達。浴温度29.5℃、総析出時間135秒。流れた電流:9.7クーロン。前
被覆膜厚:9μm。これにより、平均塗膜厚24μmの滑らかな外観の膜を形成
した。ピンホール欠陥は見られなかった。
【0040】 リン酸塩前処理ありパネル c)100オーム直列抵抗。初速度電流0.36A(最大)で280Vまで到
達。浴温度29.5℃、総析出時間135秒。流れた電流:10.0クーロン。
前被覆膜厚:12μm。これにより、平均塗膜厚22μmの滑らかな外観の膜を
形成した。並みのピンホールからひどいピンホールまで含んだ小領域がパネルの
一辺に沿って見られた。280Vでのピンホール欠陥は珍しいことではなく、こ
れに類似する欠陥はガルバニーリング前被覆鋼に電着被膜を付着させた際に通常
見られる。
【0041】 d)100オーム直列抵抗。初速度電流0.33A(最大)で260Vまで到
達。浴温度31.5℃、総析出時間135秒。流れた電流:10.4クーロン。
前被覆膜厚:11μm。これにより、平均塗膜厚24μmの滑らかな外観の膜を
形成した。ピンホール欠陥は見られなかった。
【0042】 膜付着力 各パネルをフォード研究所(Ford Laboratory)試験方法B1 106-01方法B(塗料
付着力試験)を用いて付着した電着被膜の膜付着力を試験した。図2に示すよう
に、各被膜に対して(超硬付刃けがき針を用いて)直角および斜め一方向の三方
けがき切込みを行った。平行するけがき線は3mm間隔である。けがき領域に対
して、スリーエム社の898番接着テープを常時圧力で貼り付けた。貼付けの9
0±30秒以内に、テープをできる限りパネル表面に対して180度に近い角度
で急激に(ぎくしゃくさせずに)引き剥がし元の状態に戻した。
【0043】 4つのパネルは全て非常に良い結果をもたらした。全てが塗料の剥がれもなく
優れた付着力を有していた。
【0044】 さらに、5μm被膜に対し、様々な温度と電流の下で表1に示す調合物を使用
してめっきを施した。その変数と結果得られた被膜の組成を以下の表3に示す。
【表4】
【0045】 めっきが実行される温度を変えることにより、被膜中の各成分の比率を変える
ことができることが分かった。コバルトの濃度は特に温度に敏感で、温度の上昇
とともに高くなった。これら被膜の全てが従来の被膜に比べて高い耐食性を示し
た。
【0046】 さらに、表4から選択された被膜と表1に示す被膜溶液中の亜鉛とコバルトの
濃度を2倍にして得られた別の被膜とに関して行った腐食試験の結果を以下の表
5に示す。
【表5】
【0047】 (A)= 表1の被膜溶液 (B)= 表1の被膜溶液と同じで硫酸亜鉛および硫酸コバルトの濃度が2倍 全ての値は静的めっき処理の場合である。当業者であれば、連続めっき処理時
の使用に適しためっき処理条件を容易に決定することができるであろう。
【0048】 図3において、左側の写真は従来の亜鉛被膜(上面)と表3のZn-Co-Cr-SiO2
被膜(“新亜鉛被膜”)の走査電子顕微鏡ミクロ組織である。中央部の図は被膜
の透過電子顕微鏡検査から得た概略ミクロ組織であり、右側のグラフは透過電子
顕微鏡検査から得たエネルギー分散型X線分析結果を示す。従来の亜鉛被膜は亜
鉛と酸化亜鉛からなる層状組織を有している。新被膜は同様の組織を示している
が、より微細な亜鉛結晶と酸化亜鉛層に沿ったコバルト、クロム及び二酸化ケイ
素添加物の富化も示している。これが新被膜に対して観察される優れた耐食特性
を与えていると推測される。
【0049】 透過電子顕微鏡分析によれば、新被膜は亜鉛微結晶が20ないし200nm径
で20ないし50nm厚の六角小板を形成しているミクロ組織を有している。亜
鉛微結晶は亜鉛以外の成分が富化された2ないし20nm厚の酸化亜鉛薄膜に封
入されている。被膜の表面形態には、以下に説明するような峰や岬を形成する小
板の積層によって明らかに引き起こされたと思われる表面粗さが見られる。
【0050】 図4は従来のリン酸塩処理を行った場合と行わなかった場合(左側)の亜鉛被
膜及び亜鉛合金被膜と表3の新Zn-Co-Cr-SiO2被膜の表面組織の走査電子顕微鏡
写真を示す。従来の亜鉛及び亜鉛合金は充分に密着性のある塗膜を受け入れるこ
とができるようリン酸塩処理または同様の表面処理を必要とする。新被膜は塗料
と直接結合することが可能であり、この特性は塗料が定着可能な峰や岬を有して
いる(図4の上部右側に示された)微小に粗い表面輪郭によるものであると考え
られる。
【0051】 さらに、図5に本発明にかかる新被膜のミクロ組織の証拠を示す。上部左側の
透過電子顕微鏡写真は、透過電子顕微鏡ビームの露光下でZn/ZnO板に沿った熱破
壊による亜鉛微結晶のZn-2.4Co-0.1Cr-2.1SiO2被膜からの分離を示している。下
部左側の透過電子顕微鏡写真は、亜鉛微結晶分離後の残存領域を示している。そ
れに対応するエネルギー分散型X線スペクトルは上記残存領域内の酸化亜鉛とと
もにコバルト、クロム、ケイ素の富化を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は様々な被膜の腐食耐性の比較を示すグラフである。
【図2】 図2は電着被膜の付着力を試験する際に使用されるけがき切込みの配置を示す
【図3】 図3は従来の亜鉛被膜及び亜鉛合金被膜並びに本発明の特徴にかかる被膜の走
査電子顕微鏡写真と概略表面輪郭図を示す。
【図4】 図4は従来の亜鉛被膜と本発明にかかる被膜の走査電子顕微鏡分析結果を示す
【図5】 図5は透過電子顕微鏡電子ビームの露光下での本発明にかかる被膜からの微結
晶の分離と微結晶および残存領域に対応するエネルギー分析型X線スペルクトル
を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年9月26日(2000.9.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン ユー イギリス国 ノッティンガム エヌジー7 2アールディー,ユニバーシティパーク (番地なし),ユニバーシティ オブ ノ ッティンガム内 (72)発明者 サミュエル ジェームズ ハリス イギリス国 ノッティンガム エヌジー7 2アールディー,ユニバーシティパーク (番地なし),ユニバーシティ オブ ノ ッティンガム内 (72)発明者 ハイボ ヤン イギリス国 ノッティンガム エヌジー7 2アールディー,ユニバーシティパーク (番地なし),ユニバーシティ オブ ノ ッティンガム内 (72)発明者 ローレンス チャールズ アーチボルド イギリス国 ノッティンガム エヌジー7 2アールディー,ユニバーシティパーク (番地なし),ユニバーシティ オブ ノ ッティンガム内 Fターム(参考) 4F100 AA01B AA20B AB03A AB13B AB15B AB18B AB20B AB31B BA02 DE01B EH71B EH712 GB32 JB02B JM01B JM02B

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルト、少なくとも1種類の三価以上の金属および少なく
    とも1種類のコロイド状無機材料に加えて少なくとも90%の亜鉛を備えた前処
    理被膜で少なくとも表面の一部がめっきされた鋼製品。
  2. 【請求項2】 上記被膜は 92ないし99%の亜鉛と、 0.5ないし5%のコバルトと、 0.05ないし1.5%の少なくとも1種類の三価以上の金属と、 0.4ないし5%の少なくとも1種類のコロイド状無機材料とを備えている請
    求項1記載の鋼製品。
  3. 【請求項3】 上記三価以上の金属はクロムである請求項1または2記載の
    鋼製品。
  4. 【請求項4】 上記三価以上の金属はモリブデンである請求項1または2記
    載の鋼製品。
  5. 【請求項5】 上記コロイド状無機材料はシリカである請求項1ないし4の
    いずれかに記載の鋼製品。
  6. 【請求項6】 上記コロイド状無機材料は5ないし30nmの粒径範囲を有
    している請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼製品。
  7. 【請求項7】 上記コロイド状無機材料は10ないし20nmの粒径範囲を
    有している請求項6記載の鋼製品。
  8. 【請求項8】 上記被膜は 92ないし99%の亜鉛と、 0.5ないし5%のコバルトと、 0.05ないし1.5%のクロムと、 0.4ないし5%のシリカとを備えている請求項1記載の鋼製品。
  9. 【請求項9】 上記被膜は 93ないし97.9%の亜鉛と、 1ないし5%のコバルトと、 0.1ないし0.2%のクロムと、 1ないし3%のシリカとを備えている請求項8記載の鋼製品。
  10. 【請求項10】 少なくとも90%の亜鉛を含んだ耐食性被膜を鋼下地に被
    着させる処理方法であって、 0.5ないし2.5モル/リットルの範囲の濃度を有する亜鉛イオンと、 0.1ないし1.0モル/リットルの範囲の総濃度を有する二価コバルトイオ
    ンと、 0.005ないし0.05モル/リットルの範囲の総濃度を有する1種類以上
    の三価以上の金属イオンと、 0.02ないし0.2モル/リットルの範囲の濃度を有するコロイド状無機材
    料の懸濁系とを含んだ酸性溶液内で上記鋼下地を電気めっきする工程を備えた処
    理方法。
  11. 【請求項11】 上記めっき溶液は、以下の濃度範囲、すなわち 亜鉛イオン、0.5ないし1.2モル/リットル、 コバルトイオン、0.1ないし0.4モル/リットル、 三価以上の金属イオン、0.01ないし0.03モル/リットル、 コロイド状無機材料、0.05ないし0.1モル/リットルで構成成分を含ん
    でいる請求項10記載の処理方法。
  12. 【請求項12】 上記三価以上の金属はクロムである請求項10または11
    記載の処理方法。
  13. 【請求項13】 上記三価以上の金属はモリブデンである請求項10または
    11記載の処理方法。
  14. 【請求項14】 上記コロイド状無機材料はシリカである請求項10ないし
    13のいずれかに記載の処理方法。
  15. 【請求項15】 上記コロイド状無機材料は5ないし30nmの粒径範囲を
    有している請求項10ないし14のいずれかに記載の処理方法。
  16. 【請求項16】 上記コロイド状無機材料は10ないし20nmの粒径範囲
    を有している請求項15記載の処理方法。
  17. 【請求項17】 請求項10ないし16のいずれかの処理方法によって得ら
    れる耐食性被膜で少なくとも表面の一部がめっきされた鋼製品。
  18. 【請求項18】 上記製品は帯鋼である請求項1ないし9または17のいず
    れかに記載の鋼製品。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし9または17ないし18のいずれかにかか
    る耐食性被膜でめっきされた鋼製品を塗装する方法であって、上記被膜に化成被
    覆を施すことなく塗料膜を電着させる工程を備えている塗装方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の方法で得られる塗装鋼製品。
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