JP2002520529A - フレキシブル製造システム、装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 フレキシブル組立セルは、規則的な配置位置に整列された固定負荷支持台座を組立領域全体にわたる同じメータ基礎上のコンクリートのサブフロア上に施して構成されている。そのエリアに必要なジグと他の組立器具は上記のメーター基礎上に基礎据付器具が設けられ、その基礎据付器具は先に述べた台座に連結されている。台座間の間隙には、負荷を支える長方形のフロアパネルが架けられて、上げ床を備え、付帯設備のルートための下床中空部分を設ける。先の付帯設備を取り外して、ジグを空の台座に移し、再び付帯設備を取りつけるだけで容易にジグを動かすことができ、作業時間と繰り返しかかるコストを最小限にすることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、組立工場ないし製造施設での部品変えや機械装置の配置変えを容易
にするためのフレキシブル製造システムと方法に関するものである。本発明はそ
れ専用ではないとはいえ、特に軍用航空機体の組立施設の自由に変えられる基礎
構造に関するものであるが、その装置と方法は他でも広い応用ができることは当
然考えられる。

【０００２】 典型的な従来の機体組立装置は、必要とされる作業に取りかかる前にジグがコ
ンクリートの床にボルト留めされレベルを設定しており、非常に融通性がない。
そのため転倒の危険を排除し、平らで整然とした作業環境に戻すよう、ジグの基
礎部分とその周辺領域は合板で囲われる。つまり後の段階でジグを動かすために
は、木工職人が合板の囲いを取り外し、付帯設備は熟練した職人に外させる必要
がある。その後に機械技師が、まずジグを物理的に動かし、新しい位置に水平に
置いてから、付帯設備を再接合し、合板を再設置して囲いをする必要がある。こ
の一連の手順はコストも手間もかかるため、主要な道具類は例外的な場合以外は
動かさないことになる。必要とされる付帯設備を組立領域に一連の整備溝を経由
して送り出し、接合と分離に熟練した人員を必要としない迅速離脱結合器を用い
ることにより、相当な改善が見られるはずである。しかしこの方法では、ジグが
付帯装置の溝を広げるか、あるいは後の付帯装置をある程度囲わなくてはならな
いので、全体的に自由に変えられない。

【０００３】 米国特許明細書第4,773,196号 (Yoshida 他)と米国特許明細書第4,905,437号
(Heather)等の先行技術による方式は、タイルがケーブル敷設などのために使わ
れる保持要素の間に空間のある保持要素上で支えられているフロ−リングを取り
入れている。

【０００４】 しかし、これらの特許による方式は軽量であるため、工業用の環境への使用に
は適さない。さらにこれらの方式では、つまり器具の実質的な部分をシステムに
固定させるため、それは容易に取り外すことができ、床上の別の位置に移せるの
に適した保持部材が備えられていない。これらのシステムでは、フロアタイルは
どの関連した装置の重量においても重要な部分を支える。

【０００５】 本発明の一つの目的は、製造または組立施設において機械装置や器具を配置変
えできるフレキシブル製造システムを提供することである。そのフレキシブル製
造システムは、床基礎領域に取り付けられた台座の列と上記の台座との間に配置
され、上げ床領域を画定しているフロアパネル部材の列を備えている。上記の台
座の上方部が使用時に上記の機械装置または器具の対応する下方負荷支持領域と
共働するようにされており、それによってその施設は使用時に、上記の台座の一
組に支えられた機械装置または器具の一つを、台座の別の組に支えられるように
、別の位置まで動かすことで再構成することができる

【０００６】 好ましくは、それらの台座は長方形や正方形などのような規則的な配列で配置
される。台座の各々は上記の機械装置の下方負荷支持領域と共働するための基準
領域を画定しており、好ましくはその基準領域が通常水平の共通面に設置される
。各々の基準領域は、好ましくは隣接するフロアパネル要素の一部を支える隣接
したさねはぎ部分を備えた基準領域を画定し、それによってその基準領域は通常
その床表面とつながっているか、あるいは床表面のすぐ下にあるようになってお
り、カバーで保護されている。好ましくはそれらの台座の少なくとも幾つかが高
さ調節装置を有しており、それによって、床基礎領域の上に保持手段を初めに設
置する時に高さを調節するようになっている。

【０００７】 上記の台座は何であれ、ふさわしい物質で形成され得るが、好ましくは少なく
とも部分的に鋳鉄か、或いは合金を使って形成される。床基礎領域と床表面の間
の間隙に複数の引込みケーブルや導管などが収容されるのが好ましい。保持要素
に、あるいはそれと隣接して備えており、上記の機械装置に付随する接合装置各
々と共働するようになっているのが好ましい。フロアパネル部材は何であれふさ
わしい物質で形成され得るが、従来通り木製レイヤーと下部金属クラッディング
レイヤーから成る。機械装置または器具の大半は実質的に全体として台座によっ
て支えられている。

【０００８】 本発明の別の目的は、床基礎領域に取り付けられた台座の列と、 それらの台座の間に配置されて上げ床領域を画定しているフロアパネル要素の列
からなる床保持システムを提供することである。上記の台座は、使用時にその上
方領域で上記の機械装置または器具の対応する下方負荷支持領域と共働するよう
にされている。

【０００９】 好ましくは、保持要素は規則的な正方形の列に配置される。使用される器具は
台座の上方部分にぴったり嵌るように差込型基礎部のある下方負荷支持領域を備
えてもよい。機械装置または器具は、実質的に全体として台座により支えられる
。

【００１０】 前記に説明された本発明は、前述のまたは以下も記述で説明される特徴を、い
かに組み合わせても達成される。

【００１１】 本発明は様々な形で実施することができ、その一実施例を添付図面を参照して
以下に説明する。

【００１２】 これらの図面は機械類組立のための、自由に変えられるセル施設の基礎構造を
示しており、この例では軍用航空機機体組立施設10である。施設10には特定の配
列に配置された多くのジグが配置されており、それらはつまりＡ形フレーム保管
庫14、保管ユニット16、製造ジグ18、回転クレードルジグ20と作業台22である。
図解された施設10は、これらジグ14〜22を最小限の手間で且つ必要な専門職員を
減らして再構成するのを可能にしている。

【００１３】 この装置は、組立領域全体にわたり、コンクリートのサブフロア26にボルトで
固定された正方形の列の実質的に鋳鉄の台座24が、１m×1mの間隔で配列され、
その上にジグと他の組立器具14〜22が載せられている。サブフロア26上にある台
座24の間の空間は排水のために機能し、サブフロア26の表面に排水路を設けるこ
ともできる。台座24に保持される器具に付帯設備連結部を設けても良い。備えら
れた付帯装置には電気の供給装置（415〜240ボルト）、圧縮空気装置、情報科学
技術／通信情報装置と塵抽出装置があってもよい。台座24の上表面はジグ14〜22
の脚部30に正確な位置決めを施すように機械加工してある。台座24の間の領域は
、互いに直行するように配置された長方形のフロアパネル部材またはタイル32の
列が被せられている。代表的な例では、台座同士は直角に１m×1mの間隔で空間
を取り、フロアタイルは0.8m×1.2mのサイズである。ジグの脚部を保持していな
い各台座は、台座上部保護部材34を備えており、その保護部材の上表面はフロア
タイルの上表面と同じ高さになって、それにより段差のない平面が提供されてい
る。

【００１４】 このようにして、図１に示された装置は、ジグ18や作業台22等のような器具の
基部はサブフロア26の上方で台座24上に保持されるように、規格統一した製造施
設とみなすことができる。器具の基部は、望ましい位置に台座によって保たれる
ように、１m×1mの間隔で配列された一つか複数の台座上に嵌るようになってい
る。器具の重量は主にそれが直接取り付けられている台座によって支えられる。
製造施設で使用される器具は、台座の上方部分に適する基部を含んだ下方負荷支
持領域分を有するのに適切な器具として、既存のものでもよい。またはその器具
は、好ましい実施例中の製造システムへの使用のために特別に設計された標準セ
ル器具であってもよい。

【００１５】 図４〜図６を参照して、台座とフロアタイルの構造を更に詳しく説明する。図
５と図６中の台座24は、通常正方形の下部フランジ36のある機械加工された鋳型
と、四つの直立壁部分38、頂部プレート40と正方形の周辺保持板42からなってい
る。図５で更に詳しく示されるように、二対の壁部分38は下部フランジ36の端部
へ真直ぐに突出する補強伸張壁39を備え、それら下部の他の側面には各々途中に
腹板部分44がある。同様に、親板40と周辺保持板42の間に伸張腹板46と腹板部分
48を備えている。

【００１６】 壁部分38の下方部分付近には水平の固定プレート50があり、それには固定部材
54を収容するための開口52が設けられている。親板40は、据付時の調整を容易に
し、固定部材54の頭部に接近できるようにするため、機械加工された中央孔56を
備えている。親板40は基準面を画定しており、図５に見られるように、組立ツー
ルと他の器具のボルト締めを容易にするため、同型のねじ穴58を複数持っている
。下部フランジ36にはたくさんのねじ切り孔60があり、それらは初期の調整と、
その後の必要に応じた調節を容易にするためにジャッキボルト（図示せず）を組
み入れることができ、また設置孔62を持っている。

【００１７】 使用時に、コンクリートのサブフロア26は、固定ボルトを受容するため、組立
領域に適切な深さを備え、適切な公差内で平らにされる。それから台座24はサブ
フロア上に正方形の配置で、中心間を1メートルずつあけて配置される。各台座
２４は、セメント質の非収縮グラウト64の層に配置されて、水平に調節され、頂
部表面48を孔60におけるジャッキボルト（図示せず）を利用して、他の台座と等
しい高さにする。台座24は固定部材54によってサブフロア26に固定されており、
その固定部材はここではサブフロア26に化学的に固定された植込みスタッドであ
り、固定プレート50を固定するナット68を受容するためにサブフロアの上方端部
にねじが切られている。それから台座が安全に据えられ且つ、固定されるように
、グラウト64で養生される。

【００１８】 図４を参照すると、フロアパネル32は図示されている通り直交の配列で配置さ
れる。各フロアパネル32は、防火のために亜鉛めっきされた鋼鉄製下部トレー70
を備える木製パネルで構成され、そのパネルは例えば接着された樺材の合板のよ
うな素材からなっている。フロアパネル32の各長辺に沿って封塵または封煙にな
っている。フロアパネルの幾つかには、フロアタイルに埋め込まれたケーブル/
管運用ソケット72が設けられている。

【００１９】 タイルの表面は滑り止め構造であり得る。各下部トレー20は長方形で、それぞ
れの側面の範囲外に直立壁とＶ形カットアウトがあり、曲がりを限定するように
なっている。図６に示されているように、フロアパネル32は周辺保持板42の端部
にあり、台座頂部保護部材34が必要個所に取り付けられている。

【００２０】 台座24に加えて、サブフロア26は、例えば防風防火壁の形で、一定の間隔を空
けて配置された防火帯をも備えている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるフレキシブル製造システムの全体的な斜視図である。

【図２】 図１の装置を別の角度から捉えた全体的な斜視図である。

【図３】 ジグの基部とそれに対応する台座の間の共働を詳細に示した全体的な斜視図で
ある。

【図４】 本発明によるフレキシブル製造システムの一実施例であり、台座の列とフロア
タイルの細部にわたる斜視図である。

【図５】 図４に示された形式の台座の全体的な斜視図である。

【図６】 図５に示された台座の縦断面である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，Ｚ Ａ，ＺＷ (72)発明者 ドブソン，ジヨナサン イギリス国 ランカシヤー エル40 ４ビ イユー，オームスカーク，ラトム，サッチ レーン 20 (72)発明者 マクマナス，アイアン デービッド イギリス国 ランカシヤー ビイビイ２ ５エヌイー，ブラックバーン，ザ クレセ ント 12 Ｆターム(参考） 5G363 AA13 AA16 DB11

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床支持システムが、整列された台座が取り付けられた基礎床
   領域と、上記の台座の間に配列され、上げ床領域を画定して配列されたフロアタ
   イルから成る、製造または組立設備における機械装置や器具の配置変えをするた
   めのフレキシブル製造システムにおいて、 その台座の上方領域が、使用時に機械装置または器具に対応する下方負荷支持領
   域と共働するのに適しており、それによって使用時に上記の台座の一組で支えら
   れている機械装置や器具の一つを、別の組の台座で支えるように別の位置へ動か
   すことによって、設備を再構成し得ることを特徴とするフレキシブル製造システ
   ム。
2. 【請求項２】 台座が規則的な配置位置に配列されることを特徴とする、請
   求項1に記載のフレキシブル製造システム。
3. 【請求項３】 台座が長方形または正方形に配列されることを特徴とする、
   請求項2に記載のフレキシブル製造システム
4. 【請求項４】 各台座は、機械の下方負荷支持部分と共働するための基準部
   分を画定しており、その基準部分は通常水平の共通面になるように位置すること
   を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフレキシブル製造システム
   。
5. 【請求項５】 各基準部分が、上記のフロアパネル要素を支えるために隣接
   するさねはぎ部分を備えた基準表面を画定し、それによって基準表面が床表面と
   通常つながるか、その下方に空間をあけるようにされることわ特徴とする、請求
   項4に記載のフレキシブル製造システム。
6. 【請求項６】 機械装置または器具が、台座の上方部分に適切にかみ合うた
   めの底部分を含んだ下方負荷支持領域分を有することを特徴とする、請求項1か
   ら5のいずれか一項に記載のフレキシブル製造システム。
7. 【請求項７】 台座の少なくとも幾つかが、その高さを調整できるように高
   さ調整装置を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のフ
   レキシブル製造システム。
8. 【請求項８】 台座が少なくとも部分的に鋳鉄か合金で形成されていること
   を特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のフレキシブル製造システム
   。
9. 【請求項９】 複数の引込みケーブル、導管などが基礎床の上方の中空部分
   に延びることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のフレキシブル
   製造システム。
10. 【請求項１０】 ケーブル、導管などの少なくとも幾つかに取り外し可能な
    接合装置が、上記の台座部分、或いはそれに隣接して設けられ、機械に関した各
    接合装置と共働することを特徴とする、請求項8に記載のフレキシブル製造シス
    テム。
11. 【請求項１１】 フロアパネル要素が木製レイヤーと下部金属クラッディン
    グレイヤーから成ることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフ
    レキシブル製造システム。
12. 【請求項１２】 機械装置または器具の大半が、実質的に全体として台座に
    支えられていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフレキ
    シブル製造システム。
13. 【請求項１３】 床支持装置が、基礎床部分に取りつけられた台座の列と、
    その台座の間に配置されて上げ床領域を確定するフロアパネル部材の列を備えて
    おり、台座は上方部分が、使用時に機械装置または器具の対応する負荷支持領域
    分の下方部分と共働するのに適していることを特徴とする床支持システム。
14. 【請求項１４】 台座が規則的な長方形配列に配置されていることを特徴と
    する、請求項13に記載の床支持システム。
15. 【請求項１５】 機械装置または器具の大部分が、実質的に全体として台座
    によって支えられることを特徴とする、請求項13または14のいずれか一項に記載
    の床支持システム。
16. 【請求項１６】 実質的に、添付の図面のいずれかに図解され且つ、それを
    参照して前記で説明したことを特徴とするフレキシブル製造システム。