JP2002519626A - 電流コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に燃料噴射弁のためのニードル運動検出器での使用のための、金属製のコイルコア（３）を備えたコイル体（１）を有する電流コイルが提案され、その場合、コイル巻線（７）のための接続接触ワイヤ（１３）がコイル体にプレスばめされてコイル体の成形溝内で保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は請求項１の上位概念による有利には燃料噴射弁のためのニードル運動
検出器内での使用のための電流コイルから出発する。 WO ９０／０６４３９の明
細書から公知のこの種の電流コイルでは、円筒形状のコイル体が燃料噴射弁の弁
保持体の相応する受容孔内に挿入されており、かつその場所で、燃料噴射弁の軸
方向に摺動可能な弁ニードルの運動を検知するためのニードル運動検出器として
作用する。そのことのために、コイル体の、弁ニードルに向いた端部内に金属製
のコイルコアが挿入されており、このコイルコアが、コイル体に取付けられたコ
イル巻線によって同軸的に囲われている。その場合、コイル巻線ワイヤの端部は
それぞれ１つの接続接触ワイヤに結合されており、接続接触ワイヤは他方では外
部の電気的な接続導線のための電気的な接続部を有している。その場合、公知の
電流コイルにはさらに、コイル体のところで接続接触ワイヤに差しはめられて接
続接触ワイヤを位置固定するワイヤ案内体が設けられている。

【０００２】 しかしその場合、この公知の電流コイルの有する欠点は、コイルワイヤの巻き
付けの後に、巻線ワイヤ始端部および巻線ワイヤ終端部が引張負荷軽減ループを
介して接続接触ワイヤの端部に接触させられてろう接されなければならないこと
にある。その場合、このろう接過程は製作技術的に不経済な手作業で行われ、か
つ自動化されることができない。さらに、この公知の電流コイルの有する欠点は
、接続部のところの巻線および引張負荷軽減ループが電流コイルの搬送時および
組付け時に容易にずれ動き、その結果、電流コイルが容易に損傷を被り、このこ
とが電流コイルの搬送時およびニードル運動検出器内への組付け時の注意力の増
大をもたらす。

【０００３】 発明の利点 請求項１に記載した特徴を備えた本発明による電流コイルの有する利点は、電
流コイルが自動的に製作され、自動的にろう接され、次いで付加的に射出被覆さ
れることができ、その結果、すべてのワイヤ及び巻線が電流コイルの搬送中もし
くはニードル運動検出器内への挿入時にもはやずれ動かず、または損傷されない
ように固定されることにある。そのことのために電流コイルのコイル体は本発明
によれば、成形ワイヤとして形成された接続接触ワイヤのプレスばめを許容する
、有利には成形溝の形状の特別なワイヤ案内を備えている。その場合、有利には
溝プロフイールとしての形状付与によって、成形溝内への接続接触ワイヤの挿入
後すでに接続接触ワイヤの固定が保証されている。その場合、接続接触ワイヤの
形状はすべての方向での確実な固定を生ぜしめ、かつ高い保持力を可能ならしめ
る。その場合、接続接触ワイヤは、それぞれ１つの引張負荷軽減ループを備えて
、成形溝内へ挿入され、この引張負荷軽減ループは有利には完全にコイル体内へ
没入して接続接触ワイヤの長さ補償を可能ならしめる。別の１つの引張負荷軽減
ループが接続接触ワイヤへの固定に先立って有利な形式でコイル巻線ワイヤの端
部に設けられている。その場合、コイル巻線ワイヤのこの端部は有利な形式でコ
イル体の固定用ノーズに案内されている。コイル巻線ワイヤの端部と接続接触ワ
イヤとの間の結合はコイル体の軸線に対して斜めに延びる適当な溝内での案内を
介して行われる。ワイヤを完全に位置固定して不慮のずれ動きに対して安全にす
るために、コイル体はさらにプラスチック材料、有利には熱接着剤によって囲わ
れている。

【０００４】 その場合、本発明による電流コイルは特別有利な形式で自動化されて製作され
る。そのことのために、まず、成形ワイヤとして形成された接続接触ワイヤが引
張負荷軽減ワイヤを備えて、かつ半径方向に突出したワイヤ端部を備えてコイル
体の相応する成形溝内へプレスばめされる。次いで別の１つのプロセス段階で、
コイルワイヤが自動的に巻き付けられ、その際、コイルワイヤ始端部とコイルワ
イヤ終端部とが巻付け機械によって接続接触ワイヤの半径方向に突出した端部に
巻き付けられる。さらに別のプロセス段階で、両方のワイヤ端部が有利にはろう
接浴内で互いにろう接される。しかる後に、接続接触ワイヤが内向きにコイル体
へ向けて曲げられる。その際、コイル巻線ワイヤの端部のところに負荷軽減ワイ
ヤが形成され、この負荷軽減ワイヤが固定用ノーズにくせ取りされて固定される
。さらに別の作業工程で、電流コイルが全体的にプラスチック材料、有利には熱
接着剤によって射出被覆される。

【０００５】 その場合、電流コイルのこの新しい製作法の有する利点は、いまや可能な自動
的な製作過程によって、高い製作確実性が得られることができることにある。さ
らに、特に浸漬によるろう接過程が特別有利である。プラスチックによる電流コ
イルの付加的な射出被覆によって、電流コイルの搬送時もしくは組付け時の巻線
ワイヤ位置の不慮の変化に対する高い安全性が与えられる。その上、閉じられた
プラスチック外套は有害な周囲環境からのコイル領域およびろう接箇所の付加的
な保護を提供する。

【０００６】 本発明の対象の別の利点および有利な構成が図面、明細書本文および請求項か
ら明らかである。

【０００７】 実施例の説明 図１から図５までは本発明による電流コイルの１実施例を種々の方向からもし
くは種々の製造段階で見た図を示す。その場合、図１および図２に全体的に図示
された本発明による電流コイルはまず円筒形状のプラスチック製コイル体１を有
している。このコイル体はその場合２部分から構成されており、かつコア部分と
これを囲む外套部分とを有している。その場合、コイル体１の端部内に金属製の
コイルコア３が挿入されており、このコイルコアはその外側の端部に、コイル体
１に設けた円錐状の開口内へ移行している円錐状の開口５を有しており、この開
口内には、電流コイルが組み込まれる際に、燃料噴射弁の軸方向に摺動可能な弁
部材（弁ニードル）のピン形状のマグネット可動子が突入する。さらに、金属製
のコイルコア３の高さのところにはコイル巻線７がコイルコア３に対して同軸的
にコイル体１に取付けられている。その場合、コイル巻線７のコイル巻線ワイヤ
の端部９は引張負荷軽減ループを形成しつつコイル体１内の傾斜溝１１を介して
接続接触ワイヤ１３のそれぞれ１つの端部に結合されている。その場合、この接
続接触ワイヤ１３はそれぞれコイル体１に設けられた成形溝１５（図３参照）内
へプレスぱめされており、その場合、接続接触ワイヤ１３にはそれぞれ１つの引
張負荷軽減ループ１７が設けられており、この引張負荷軽減ループは完全にコイ
ル体１の外套内に没入している。接続接触ワイヤ１３はコイル巻線７とは逆の側
のその端部のところでコイル体１から軸方向に突出しており、かつこれにより、
別個の電気的な接続導線のためのそれぞれ１つの電気的な接続箇所を形成してい
る。さらに、コイル巻線７のコイル巻線ワイヤのループ端部９の良好な案内およ
び固定のために、ワイヤ端部９をその位置に保持する固定用ノーズがコイル体１
に設けられている。さらに、コイル体１は半径方向に突出したリングフランジ２
０を備えており、このリングフランジによって、コイル体１は燃料噴射弁に設け
た弁保持体の受容孔内で固定される。さらに、コイル巻線ワイヤおよび接続接触
ワイヤ１３の確実な位置固定のために、コイル体１の半径方向の周面はプラスチ
ック材料、有利には熱接着剤２１によって囲まれており、この熱接着剤は接続接
触ワイヤ１３の接続箇所までワイヤ構成部分全体および電流コイルの接触箇所を
囲んでいる。

【０００８】 次に、本発明による電流コイルの本発明による製作法を図３から図５までの部
分断面図を参照して詳細に説明する。その場合、まず成形ワイヤとして形成され
た接続接触ワイヤ１３がコイル体１の相応する成形溝１５内へプレスばめされ、
その場合、引張負荷軽減ループ１７が設けられる。その場合、接続接触ワイヤ１
３の、コイル巻線７に向いたワイヤ端部２３はまずコイル体１から半径方向に突
出させられている。次いで、別の作業工程でコイル巻線７の形成のためにコイル
ワイヤがコイル体１に巻き付けられる。しかる後に、コイル巻線ワイヤ７の端部
９が接続接触ワイヤ１３のそれぞれ１つの突出した端部２３に固定される。さら
に別の作業工程でコイル巻線ワイヤ端部９と接続接触ワイヤ端部２３との間のこ
のワイヤ接触箇所が有利にはろう接浴内で互いにろう接される。さらに、突出し
たワイヤ端部２３が適当に短縮され、かつコイル体１へ向かって半径方向で内向
きに曲げられる。その際、この内向きの曲げの際にコイル巻線ワイヤ端部９の引
張負荷軽減ループが生じ、次いでこのコイル巻線ワイヤ端部９が固定用ノーズの
ところで位置固定される。次いで、最終の作業工程で、電流コイルの、ワイヤを
案内する領域がプラスチック、有利には熱接着剤によって全体的に射出被覆され
る。

【０００９】 本発明による電流コイルはこの場合、燃料噴射弁の弁ニードルの軸方向の運動
を検知するために使用されるが、しかし、代替的にはその他の類型的な用途のた
めにも使用されることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 電流コイルの全体断面図である。

【図２】 図１に対して９０°回転させてみた図である。

【図３】 コイル体の前方の端面図とこのコイル体内に配置された成形溝とを示す図であ
る。

【図４】 電流コイルの１製作段階における部分断面を示す図である。

【図５】 電流コイルの別の製作段階における部分断面を示す図である。

【符号の説明】

１ コイル体、 ３ コイルコア、 ５ 開口、 ７ 巻線、 ９ 巻線ワイ
ヤの端部、 １１ 傾斜溝、 １３ 接続接触ワイヤ、 １５ 成形溝、 １９
固定用ノーズ、 １７ 引張負荷軽減ワイヤ、 ２１ 熱接着剤、 ２２
リングフランジ、 ２３ 接続接触ワイヤの端部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ローラント ツッカー ドイツ連邦共和国 ザクセンハイム メッ ターツィンメラーシュトラーセ 131 【要約の続き】

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有利には燃料噴射弁のためのニードル運動検出器のための電
   流コイルであって、円筒形状のコイル体（１）が設けられており、その１端に金
   属製のコイルコア（３）が挿入されており、コイルコアがコイル体（１）に取付
   けられたコイル巻線（７）によって同軸的に囲まれており、その場合、コイル巻
   線ワイヤの端部（９）がそれぞれ１つの接続接触ワイヤ（１３）に結合されてお
   り、他方では接続接触ワイヤに電気的な接続導線が接続可能である形式のものに
   おいて、接続接触ワイヤ（１３）がそれぞれ、コイル体（１）に設けた成形溝（
   １５）内にプレスばめされていることを特徴とする電流コイル。
2. 【請求項２】 接続接触ワイヤ（１３）に引張負荷軽減ループ（１７）が設
   けられており、引張負荷軽減ループが完全にコイル体（１）の内部に配置されて
   おり、かつ接続接触ワイヤ（１３）の長さ補償を可能にしていることを特徴とす
   る請求項１記載の電流コイル。
3. 【請求項３】 コイル巻線ワイヤが接続接触ワイヤ（１３）へのその固定用
   端部（９）のところに引張負荷軽減ループを有していることを特徴とする請求項
   １記載の電流コイル。
4. 【請求項４】 コイル巻線ワイヤの端部（９）がコイル体（１）の斜めに延
   びる案内溝（１１）内で案内されていることを特徴とする請求項１記載の電流コ
   イル。
5. 【請求項５】 コイル体（１）が少なくとも接続接触ワイヤ（１３）および
   コイル巻線ワイヤの領域内ではその半径方向の周面のところで全体的にプラスチ
   ック材料、有利には熱接着剤によって囲われていることを特徴とする請求項１記
   載の電流コイル。
6. 【請求項６】 請求項１による電流コイルの製作のための方法において、以
   下の段階：、 −成形ワイヤとして形成された接続接触ワイヤ（１３）を、負荷軽減ループ（１
   ７）を形成させつつ、かつワイヤ端部（２３）を半径方向に突出させながら、コ
   イル体（１）の相応する成形溝内へプレスばめること、 −コイルワイヤ（７）をコイル体（１）に巻付けること、 −コイル巻線ワイヤの端部（９）を接続接触ワイヤ（１３）のそれぞれ１つの突
   出した端部（２３）に固定すること、 −コイル巻線ワイヤ端部（９）と接続接触ワイヤ端部（２３）との間のワイヤ接
   触箇所を、有利にはろう接浴内でろう接すること、 −接続接触ワイヤ（１３）の突出したワイヤ端部（２３）をコイル体（１）へ向
   けて折り曲げること、 −電流コイルのワイヤを案内する領域を全体的にプラスチック材料で射出被覆す
   ること、 を特徴とする電流コイルを製作する方法。