JP2002517194A - C.エレガンスのunc−53タンパク質のヒトホモログ - Google Patents

C.エレガンスのunc−53タンパク質のヒトホモログ

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ワルター・ヘルマン・マリア・ルイス・ライテン
マルク・カール・デ・レーイメーカー
ヨハン・ヨーゼフ・グスタフェ・ヘンドリク・ガイセン
ティエリー・ア・オ・ウ・ボゲール
リュック・ジャック・シモン・メルテン
ペーテル・フェルハッセルト
マルク・ファン・デ・クレーン
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ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
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Abstract

(57)【要約】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質のヒトホモログおよび該ホモログまたはその機能性の等価物をコードするcDNA配列が開示される。本発明はまた、細胞の挙動を制御する化合物の同定方法、同定した化合物、該化合物を含む医薬組成物、並びに該遺伝子またはタンパク質が機能不全である疾患状態を同定する方法およびアッセイにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、C.エレガンスC. elegans)のUNC−53タンパク質の脊椎動
物ホモログおよび該ホモログまたはその機能性の等価物をコードするcDNA配
列に関する。本発明はまた、細胞の挙動を制御する化合物の同定方法、同定され
た化合物、および該化合物を含む医薬組成物、さらには該遺伝子またはタンパク
質が機能不全である疾患状態を同定する方法およびアッセイにも関する。
【0002】 (背景技術) 細胞の運動性、細胞の形状および軸索の細胞増殖(outgrowth)または他の細
胞増殖の指向性(directionality)の制御は、単細胞および多細胞の両生物の形
態形成および機能において本質的な特性である。 細胞移動の指向性および潜在性(potential)を制御する幾つかの細胞表面タ
ンパク質および細胞外分子が同定されているが、それに関与するプロセスは一般
に理解されていない。一般に、細胞プロセスの長距離移動(成長円錐の伸長とし
ても知られる)は段階的な事象であり、その際、各伸長の前および後に細胞の先
導端に構造物が生成されると考えられている。アクチン細胞骨格の局所的な安定
化および微小管のプラス端領域との会合が、指向的な伸長の選択を支配している
一般的な細胞生物学的プロセスである。
【0003】 本発明者らは、驚くべきことに、微小管、とりわけ微小管のプラス端領域に結
合する、UNC−53ファミリーに属する新規なヒト遺伝子/タンパク質を見出
した。 「unc−53」と呼ばれる自由生活性線虫C.エレガンスCaenorhabditis
elegans)からの遺伝子は、以前に同定されクローニングされている(要約、In
ternational C. elegans Meeting、1991年6月1〜5日、マジソン、ウイス
コンシン、58、ボガート・アンド・ゴー)。本発明者らは以前に、C.エレガ
ンスにおいて細胞移動および/または細胞形状の指向性を制御するシグナルトラ
ンスデューサーまたはシグナルインテグレーターとしてUNC−53タンパク質
を同定した(WO96/38555)。
【0004】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質(Ceunc53)および以前に見
出されたそのヒトホモログ(hs−unc53/1およびhs−unc53/2
)は、細胞の移動、細胞の形状および増殖の伸長を制御するシグナルトランスデ
ューサーまたはシグナルインテグレーターをコードすることがわかった。証拠が
示すところによれば、現在見出されたhs−unc53/3と称するホモログは
細胞外シグナルをアクチン細胞骨格に連結させるアダプターとして作用するらし
い。第一に、hs−unc53/3は細胞質表層(cortical)アクチン結合タン
パク質とのホモロジーを示し、Ce−UNC−53タンパク質はインビトロでF
−アクチンと結合し、哺乳動物細胞中で発現されたときにインビボでのアクチン
の再構成に導き、糸状仮足および扇形の膜状物(lammelipodia)の数が増大する
という結果となることが示されている。さらに、神経突起の伸長の増大および細
胞の移動性の増大を観察することができた。hs−UNC−53−3は種々の疾
患の進展において重要な役割を果たしているのかもしれない。
【0005】 本発明の第一の側面によれば、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊
椎動物タンパク質ホモログが提供され、該タンパク質は、図4に示す配列ブロッ
クA、B、C、D、E、F、GまたはHの1またはそれ以上を有するアミノ酸配
列または保存的アミノ酸変化においてこれらブロックとは異なるものを有するア
ミノ酸配列を含む。
【0006】 本発明のさらなる側面によれば、図1(e)に示すヌクレオチド配列によって
コードされるアミノ酸配列を有する、C.エレガンスのUNC−53タンパク質
の脊椎動物タンパク質ホモログまたはその機能性の等価物、誘導体または生物学
的前駆体が提供される。 本発明の目的のためには、「誘導体」は変異誘導体、融合、内部欠失、スプラ
イス変異体およびミューテイン(muteins)を意味するものととるべきである。 好ましくは、該脊椎動物ホモログはヒトホモログであり、好ましくは哺乳動物
またはマウスタンパク質である。 本発明のさらなる側面は、図1(f)に示すアミノ酸配列またはその変異体、
または図1(f)に示すアミノ酸配列とは1またはそれ以上の保存的アミノ酸変
化においてのみ有意の程度に異なるアミノ酸配列を含む脊椎動物ホモログを包含
する。
【0007】 本発明のさらなる側面において、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の
脊椎動物ホモログ、または本発明による該ホモログの機能的に等価な誘導体、断
片または生物学的前駆体をコードする核酸分子(DNAが好ましい)も提供され
る。好ましくは該cDNAは、図1(f)に示すアミノ酸配列またはその変異体
、または該図に示す配列とは1またはそれ以上の保存的アミノ酸変化においての
み有意の程度に異なるアミノ酸配列をコードするヌクレオチドの配列を含む。好
ましくは、該DNAはcDNAであり、該cDNAは図1(e)に示す配列また
は該図に示した変異体を含む。また、本発明による核酸またはDNA配列に高ス
トリンジェンシー条件下(該条件は当業者にはよく知られている)でハイブリダ
イズし得る核酸配列も提供される。
【0008】 本発明によるcDNAは発現ベクター中に含まれていてよく、該発現ベクター
自体は宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするのに用いられ、該宿
主細胞はその起源が細菌または真核細胞であってよく、たとえば動物細胞、植物
細胞、真菌細胞または昆虫細胞を含む。それゆえ、有利にも、本発明によるC.
エレガンスのUNC−53の脊椎動物ホモログのゲノムに対応するcDNAがた
とえば逆転写酵素などを用いて合成されたら、該選択したcDNAクローンを適
当な発現ベクター中に導入した後に所定範囲の細胞、組織または生物体をトラン
スフェクションすることができる。本発明による発現ベクターは、C.エレガン
またはヒト、マウスまたはウイルス由来のプロモーター、および任意にたとえ
ば緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein)などのリポータータンパ
ク質をコードする配列を含んでいてよい。
【0009】 それゆえ、本発明はまた、本発明によるC.エレガンスのUNC−53タンパ
ク質の脊椎動物ホモログを発現しうるトランスジーンを含むトランスジェニック
細胞、組織または生物体をも包含する。本明細書において「C.エレガンスのU
NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログを発現しうるトランスジーン」とは、
同じ機能および/または活性を有する、本発明によるC.エレガンスのUNC−
53タンパク質の脊椎動物ホモログの発現へと導く適当な核酸配列を意味する。
トランスジーンとしては、たとえば、適当な脊椎動物から単離したゲノム核酸ま
たはcDNAを含む合成核酸が挙げられる。本明細書において「トランスジェニ
ック生物、組織または細胞」とは、ゲノム中に安定に組み込まれているかあるい
は染色体外の状態にある外来核酸を含む、適当な生物体および/または生物体の
一部、組織または細胞を意味する。
【0010】 好ましくは、トランスジェニック細胞は、COS細胞、HepG2細胞、MC
F−7またはN4神経芽細胞腫細胞、NIH3T3細胞、結腸直腸細胞、癌腫細
胞、または繊維芽細胞などのヒト由来細胞を含む。トランスジェニック生物は、
昆虫、非ヒト動物または植物、好ましくはC.エレガンスまたは関連する線虫で
あってよい。好ましくは、トランスジーンは本発明による脊椎動物ホモログをコ
ードする上記核酸またはcDNA配列を含む。トランスジーンは、好ましくは本
発明による発現ベクターを含む。
【0011】 本明細書において「機能性の断片」とは、本発明によるC.エレガンスのUN
C−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の断片を意味する。
たとえば、該遺伝子は欠失または突然変異を含んでいてよいが、依然としてUN
C−53タンパク質の機能性の脊椎動物ホモログをコードしている。
【0012】 本発明によりさらに提供されるのは、本発明によるUNC−53タンパク質の
脊椎動物ホモログをコードする野生型遺伝子に変異を有する変異体の脊椎動物非
ヒト生物を産生する方法であって、該変異は細胞の挙動または細胞運動性または
細胞の形状または細胞移動の方向性または微小管プラス端上に局在するタンパク
質複合体の微小管プラス端安定性または機能および局在性の制御に影響を及ぼし
、該生物においてUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログ中に突然変異を誘
発することを含む方法である。これら変異体生物は、これら細胞機能に対する化
合物の影響を同定するためのスクリーニングに用いることができる。
【0013】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログ、または該ホモ
ログまたは該ホモログの機能性の等価物、誘導体、断片または生物学的前駆体を
コードするcDNAまたはゲノムDNAは、有利にも本発明によるUNC−53
の脊椎動物ホモログの過剰発現の抑制に関連する疾患を治療または予防するため
の医薬として、またはかかる医薬の製造に用いることができる。そのような疾患
は、ニューロンの再生、血管再生または創傷の治癒を促進すること、または慢性
の神経変性疾患、精神病疾患または急性の外傷性障害または線維症疾患または細
胞もしくは上皮の極性を必要とする生理学的事象が異常に機能している疾患の治
療により軽減することができる。従って、本発明による脊椎動物ホモログ、その
優性の正もしくは負の変異体(dominant positive or negative mutants)、ま
たはそのインヒビターは、細胞の接触阻害を誘発または軽減するためにまたは癌
腫の進展を防ぐために有利に用いることができる。
【0014】 典型的に、上記医学的状態は、哺乳動物およびさらに好ましくはヒトにおいて
、UNC−53タンパク質のホモログかまたは本発明によるタンパク質またはタ
ンパク質自体をコードする核酸により治療することができる。あるいは、該UN
C−53脊椎動物ホモログに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いてそ
の発現を防ぐことができる。使用できる他の核酸配列の例としてはmRNAの3
'非翻訳領域が挙げられ、これは本発明によるUNC−53タンパク質の脊椎動
物ホモログをコードするゲノム配列の転写を防ぐのに用いることができる。
【0015】 本発明によるUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログは、適当な担体、希
釈剤または賦形剤とともに製薬学的に許容しうる組成物中に配合することができ
る。医薬組成物は、本発明による上記核酸配列をさらにまたは代わりに含んでい
るのが有利である。
【0016】 薬理学的手段によるhu−UNC−53/3の発現の誘発または抑制は、ニュ
ーロンの再生、血管再生または創傷の治癒を誘発するのに有利に用いることがで
き、または慢性の神経変性疾患、または急性の外傷性障害または線維症疾患、ま
たは細胞の極性を必要とする生理学的事象、または細胞の癌化(oncology)およ
び転移、またはアポトーシス経路に関与することができる。
【0017】 それゆえ、本発明はまた、ある化合物が細胞の挙動、増殖、形質転換、細胞の
形状または運動性または細胞移動の方向性、微小管プラス端上のタンパク質複合
体の微小管プラス端安定性または機能および局在性の制御のインヒビターまたは
エンハンサーであるか否かの決定方法であって、該化合物を本発明によるトラン
スジェニック細胞と接触させ、ついで該細胞の表現型変化をスクリーニングする
ことを含む方法をも提供する。それゆえ、該方法は、該化合物が該トランスジェ
ニック細胞のシグナル伝達経路(本発明によるUNC−53タンパク質の該脊椎
動物ホモログは該経路の成員である)のインヒビターまたはエンハンサーを含む
か否か、あるいは該化合物が該細胞において平行するまたは重複するシグナル伝
達経路のインヒビターまたはエンハンサーであるか否かを決定するのに用いるこ
とができる。本発明はまた、該シグナル伝達経路における該タンパク質が本発明
によるC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログであること
を決定する方法をも提供する。
【0018】 好ましくは、スクリーニングすべき表現型変化は、細胞の形状の変化または細
胞の移動性の変化を含む。トランスジェニック細胞を本発明の方法の一つの態様
に従って用いる場合には、N4神経芽細胞腫細胞を用いることができ、そのよう
な態様においてスクリーニングすべき表現型の変化は、神経突起増殖の長さ、糸
状仮足増殖の変化、波うち(ruffling)挙動または細胞接着の変化、微小管細胞
骨格の変化、微小管のプラス端領域上のタンパク質の局在性の変化またはアポト
ーシスのような細胞の変化であってよい。
【0019】 本発明の方法の他の態様において、トランスジェニック細胞はMCF−7乳癌
腫細胞を含む。典型的にそのような態様では、スクリーニングすべき表現型変化
はファゴキネシス(phagokinesis)の程度または糸状仮足の形成を含む。本発明
のこの側面の他の態様において、トランスジェニック細胞はNIH3T3細胞を
含む。典型的にそのような態様では、スクリーニングすべき表現型変化はフォー
カス形成の接触阻害の喪失を含む。本発明による方法はまた、本発明による上記
変異体細胞または変異体生物をも利用するものであり、その際、該変異体細胞は
組織培養またはインビボで増殖することができ、細胞かまたは生物体のいずれか
が野生型unc−53遺伝子中に変異を有している。
【0020】 本発明によれば、「表現型変化」は上記細胞、組織または生物体のライフサイ
クルのいずれかの適当な時点での変化の結果生じる表現型を含み、該変化は本発
明のトランスジーンの発現、たとえば増殖、生存能、形態、挙動、運動、細胞移
動または細胞プロセスまたは細胞の成長円錐の伸長に帰することができるもので
あり、体型、移動、走化性、接触阻害、つがい行動などの変化を含む。表現型変
化は、好ましくは細胞を全体として視覚で検査することによって直接、またはF
−アクチン細胞骨格微小管ネットワークおよび微小管または微小管上にあるタン
パク質の微小管プラス端安定性をモニターすることにより、あるいはたとえば内
生のまたはトランスジーンにより導入された組織化学的マーカーまたは他のリポ
ーター遺伝子(たとえば、β−ガラクトシダーゼまたは緑色蛍光タンパク質など
)を含む生存能の指標を測定することによってモニターすることができる。
【0021】 本発明による上記方法により、たとえば細胞の形状または運動性または細胞移
動の方向性の制御などの上記で同定されたプロセスのエンハンサーとして同定さ
れうる化合物は、ニューロン再生、血管再生または創傷の治癒を促進するための
、または慢性の神経変性疾患または急性の外傷性障害または線維症の治療のため
の医薬として、あるいは医薬の製造に用いることができる。ニューロン再生の促
進の例としては、たとえば、外傷および脊髄外傷後の末梢神経の再生が挙げられ
る。
【0022】 上記方法によりある化合物が細胞の形状または運動性または細胞移動の方向性
の制御のインヒビターとして同定される場合には、該化合物は、転移における癌
腫の広まりのような疾患誘発細胞の広まりを実質的に軽減するため、または接触
阻害の喪失を軽減するための医薬として、あるいは医薬の製造に用いることがで
きる。有利にも、上記方法に従ってインヒビターまたはエンハンサーとして同定
された化合物はまた、各化合物および製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または
賦形剤を含む医薬組成物中に含まれていてよい。
【0023】 細胞の運動性、形状、増殖または細胞移動の方向性または微小管またはそのプ
ラス端領域への会合のインヒビターかまたはエンハンサーのいずれかとして同定
された化合物の特定の作用機構は制限されるものではない。好ましくは該化合物
はシグナル伝達経路のインヒビターまたはエンハンサーとして作用する。これら
化合物はまた、平行経路に対してまたはC.エレガンスのUNC−53タンパク
質の脊椎動物ホモログに対して直接作用する。たとえば、該化合物の作用方法と
しては、UNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログとの直接相互作用、UNC
−53の脊椎動物ホモログのリン酸化または脱リン酸化の制御プロセスとの相互
作用、またはunc−53遺伝子の活性の制御プロセスとの相互作用または転写
後もしくは翻訳後修飾のプロセスとの相互作用などが挙げられる。
【0024】 好ましくは、該化合物は、本発明の方法により細胞、組織または生物体の表現
型の差異(可視化できるものである)を利用することにより、インヒビターまた
はエンハンサーとして同定される。あるいは、内生またはトランスジーンにより
導入した組織化学的マーカーまたはリポーター遺伝子を含む視覚化の指標を用い
ることもできる。
【0025】 本発明のさらなる態様によれば、リポーター分子をコードする核酸配列に作動
可能に連結した本発明によるC.エレガンスのUNC−53の脊椎動物ホモログ
をコードする遺伝子のプロモーター配列を含むように構築したトランスジェニッ
ク細胞または組織培養液もまた提供される。好ましくは、リポーター配列は、検
出可能なタンパク質、たとえば、抗生物質耐性、β−ガラクトシダーゼ、または
分光測光アッセイ、分光蛍光アッセイ、ルミネセントアッセイもしくは放射能ア
ッセイにより検出しうる分子などの視覚検査によりモニターしうるものをコード
している。
【0026】 本発明はまた、ある化合物が本発明によるC.エレガンスのUNC−53タン
パク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の転写のインヒビターまたはエン
ハンサーであるか否かを決定する方法をも提供し、該方法は、工程: (a)該化合物を本発明による上記トランスジェニック細胞と接触させ、ついで (b)該リポーター分子のレベルをモニターし、このモニター工程で得られた結
果を、該化合物の不在下のUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたは該
ホモログの機能性の断片をコードする遺伝子のプロモーター配列およびリポータ
ー分子を含む対照と比較すること を含む。 本発明のこの側面による方法の一つの態様において、リポーター分子はメッセ
ンジャーRNAを含む。
【0027】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたは該ホモロ
グの機能性の等価物、誘導体または生物学的前駆体をコードする遺伝子の転写の
エンハンサーとして同定された化合物はまた、ニューロン再生、血管再生または
創傷の治癒を促進するための、または慢性の神経変性疾患または急性の外傷性障
害または線維症の治療のための医薬として、あるいは医薬の製造に用いることが
できる。さらに、そのような化合物は、製薬学的に許容しうる担体、希釈剤また
は賦形剤を含む医薬組成物中に配合することができる。転写のインヒビターとし
て同定された化合物は、有利にも、癌腫などの細胞を誘発する疾患の広まりまた
は転移または接触阻害の喪失を軽減するために用いることができる。
【0028】 本発明はまた、ある化合物が細胞増殖、形質転換、細胞の運動性または形状ま
たは細胞移動の方向性の制御のエンハンサーかまたはインヒビターであるか否か
を決定するためのキットをも提供するものであり、該キットは本発明による上記
トランスジェニック細胞または変異細胞またはトランスジェニック非ヒト生物体
または変異非ヒト生物体の少なくとも一つおよび同じ型の複数の野生型細胞また
は野生型生物体、または細胞系または組織培養液および該化合物を該細胞または
生物体と接触させる手段を含む。
【0029】 また、ある化合物が本発明によるC.エレガンスのUNC−53タンパク質の
脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の転写インヒビターかまたはエンハンサー
であるか否かを決定するキットも提供され、該キットは、本発明による少なくと
も一つのトランスジェニック細胞、該化合物を該細胞と接触させる手段および本
発明による該トランスジェニック細胞の転写レベルをモニターする手段を含む。
【0030】 本発明の目的のためには、「UNC−53の脊椎動物ホモログまたは該ホモロ
グの機能性の断片をコードする遺伝子」は、図1に示す核酸配列またはその断片
(異なってスプライシングされるイソ型および該核酸配列の転写開始を含む)を
含み、該配列はUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたは該タンパク質
の機能性の等価物、誘導体、断片または生物学的前駆体をコードするものである
【0031】 本発明はまた、本発明によるUNC−53の脊椎動物ホモログがその成員であ
るシグナル伝達経路において活性であるタンパク質をコードする脊椎動物の遺伝
子または該遺伝子の断片を同定する方法をも提供する。好ましい方法は、適当な
cDNAライブラリーに上記核酸分子またはその断片を、本発明による上記cD
NA配列のいずれか一つのcDNAクローンと統計的に有意なホモロジーを有す
る遺伝子を同定するために適当なストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズ
させることを含む。
【0032】 さらに、細胞のシグナル伝達経路(本発明によるC.エレガンスのUNC−5
3タンパク質の脊椎動物ホモログがその成員である)において活性であるタンパ
ク質を同定する方法も提供される。本発明のこの側面によれば、該方法は、 (a)該細胞の抽出液をUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたは該タ
ンパク質の機能性の等価物、断片または生物学的前駆体に対する抗体と接触させ
、 (b)抗体/UNC−53の脊椎動物ホモログ複合体を同定し、ついで (c)該複合体を分析してUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログに結合し
た該抗体以外のタンパク質を同定する ことを含む。
【0033】 それゆえ、UNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログは、シグナル伝達経路
に関与する他のタンパク質の領域に結合する。シグナル伝達経路に関与するタン
パク質の全領域を連続的に同定することも可能である。 UNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログに対する抗体は、当業者に知られ
た方法により産生することができる。たとえば、マウスなどの宿主動物に本発明
によるタンパク質またはタンパク質のエピトープを接種し、ついで免疫血清を回
収することによりポリクローナル抗体を調製できる。
【0034】 本発明のこの側面は、細胞のシグナル伝達経路(UNC−53の脊椎動物ホモ
ログがその成員である)において活性であるさらなるタンパク質の同定方法をも
包含し、該方法は: (a)上記方法においてUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログに結合した
最初に同定されたタンパク質に対する抗体を生成させ、 (b)細胞の抽出液を該抗体と接触させ、 (c)抗体/タンパク質複合体を同定し、 (d)該複合体を分析して該第一のタンパク質に結合した該抗体以外のさらなる
タンパク質を同定し、ついで (e)任意に工程(a)〜(d)を繰り返して該経路においてさらなるタンパク
質を同定する ことを含む。
【0035】 本発明のこの側面によれば、該抗体がシグナル伝達経路または発癌経路におい
て本発明によるUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログに結合することによ
って該プロセスが開始される。ついで、該結合した抗体またはUNC−53タン
パク質と複合体を形成していることがわかった他のタンパク質を、該経路に関与
するさらなる相互作用タンパク質を同定するのに用いることができる。
【0036】 また、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログを用いる
ことにより、細胞のシグナル伝達経路(UNC−53の脊椎動物ホモログがその
成員である)に関与するタンパク質を同定することも可能である。本発明のこの
側面によれば、該方法は: (a)該細胞の抽出液をC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホ
モログまたは該ホモログの機能性の等価物、断片または生物学的前駆体と接触さ
せ、 (b)生成したUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログ/タンパク質複合体
を同定し、ついで (c)該複合体を分析してUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログに結合し
たUNC−53タンパク質の同脊椎動物ホモログ以外のタンパク質を同定する ことを含む。
【0037】 この方法はまた、有利にも、上記で用いた細胞の抽出液を、工程(c)におい
てUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログではないと同定されたタンパク質
と接触させ、ついで工程(b)および(c)を繰り返すことにより、細胞のシグ
ナル伝達経路におけるさらなるタンパク質を同定するのに用いることができる。
【0038】 細胞のシグナル伝達経路におけるタンパク質を同定するのに用いることのでき
る他の方法としては、たとえば、当業者によく知られたウエスタンブロット重層
(overlay)法が挙げられる。細胞抽出液をゲル上で処理してタンパク質を分離
し、その後、ナイロン膜上にブロッティングする。ついで、これら膜を、たとえ
ば、ビオチンや放射性標識などの標識を付着したUNC−53の脊椎動物ホモロ
グを含む培地中でインキュベートし、ついでタンパク質コンジュゲートをたとえ
ばストレプトアビジンまたはアルカリホスファターゼ結合抗体で視覚化する。
【0039】 本発明はまた、有利にも、上記方法のため、細胞移動の速度および方向性また
は細胞増殖または形状の制御に関与するタンパク質またはその断片を認識する結
合抗体の製造方法をも提供する。 UNC−53の適当な脊椎動物ホモログ(またはその機能性の等価物)に結合
するモノクローナル抗体は、Kohler R.およびMilstein C.,(1975)Nature 256,49
5-497に記載されているような公知の技術により製造できる。
【0040】 細胞のシグナル伝達経路(本発明によるC.エレガンスのUNC−53タンパ
ク質の脊椎動物ホモログがその成員である)に関与するタンパク質を同定するの
に用いることのできる他の方法は、ツーハイブリッドベクター法を用いてタンパ
ク質−タンパク質相互作用を調べることを含む。この方法は当業者によく知られ
たものであるが、Chienら(1991)によって最初に開発された。この技術は、リ
ポーター遺伝子を活性化する転写要素のインビボでの機能的な再構築に基づく。
さらに詳細には、この技術は、プロモーター(DNA結合ドメインおよび活性化
ドメインを有する転写要素により制御されている)の制御下でリポーター遺伝子
を含むDNA構築物を有する適当な宿主細胞を用意し、本発明による核酸配列の
断片またはすべてと該転写要素の該DNA結合ドメインかまたは該活性化ドメイ
ンとの第一の融合をコードする第一のハイブリッドDNA配列を宿主細胞中で発
現させ、該転写要素の該DNA結合ドメインかまたは活性化ドメインのいずれか
(第一の融合中に導入されたものでないもの)とともに調べようとする推定結合
タンパク質をコードする少なくとも一つの第二のハイブリッドDNA配列(ライ
ブラリーなど)を宿主細胞中で発現させ、宿主細胞中でのリポーター遺伝子産物
の存在を検出することにより本発明によるタンパク質への調べようとするタンパ
ク質の結合を検出し、ついで任意に該結合タンパク質をコードする第二のハイブ
リッドDNA配列を単離することを含む。
【0041】 そのような技術の一例では酵母におけるGAL4タンパク質を利用する。GA
L4は酵母におけるガラクトース代謝の転写アクチベーターであり、ガラクトー
ス代謝遺伝子の上流のアクチベーターに結合する別個のドメインおよびタンパク
質結合ドメインを有する。その一つがGAL4のDNA結合ドメインをコードす
るヌクレオチド残基を含むヌクレオチドベクターを構築することができる。これ
ら結合ドメイン残基は、知られたタンパク質コード配列、たとえばUNC−53
の脊椎動物ホモログをコードする配列に融合することができる。
【0042】 他のベクターは、GAL4のタンパク質結合ドメインをコードする残基を含む
。これら残基を、好ましくは当該脊椎動物のシグナル伝達経路からの被験タンパ
ク質をコードする残基に融合させる。UNC−53タンパク質の脊椎動物ホモロ
グと試験すべきタンパク質との間の相互作用は、これらベクターを形質転換した
GAL−4転写欠損酵母細胞でのリポーター分子の転写活性化へと導く。好まし
くは、β−ガラクトシダーゼなどのリポーター分子は、酵母のガラクトース代謝
遺伝子の転写の回復とともに活性化される。この方法は、調べようとするシグナ
ル伝達経路または平行もしくは重複経路に関与するタンパク質間の相互作用を可
能にする。
【0043】 細胞(たとえば、哺乳動物細胞であってよい)のシグナル伝達経路において同
定されたタンパク質はまた、製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤と
ともに医薬組成物中に配合することができる。
【0044】 本発明はまた、本発明によるC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎
動物ホモログの製造方法をも提供し、該方法は、本発明による上記cDNA配列
を有するcDNA発現ベクターで形質転換またはトランスフェクションした細胞
を培養し、ついで発現されたタンパク質ホモログを回収することを含む。該細胞
は、有利には細菌細胞、動物細胞、昆虫細胞または植物細胞であってよい。
【0045】 UNC−53タンパク質の該脊椎動物ホモログを製造するための特に好ましい
方法は昆虫細胞を用いる。従って、本発明は、本発明によるC.エレガンスのU
NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログの製造方法を提供するものであり、該
方法は、組換えバキュロウイルスベクターで形質転換またはトランスフェクショ
ンした昆虫細胞を培養し、その際、該ベクターは該バキュロウイルスのポリヘド
リンプロモーターの下流に本発明によるUNC−53タンパク質の該脊椎動物ホ
モログをコードするヌクレオチド配列を含み、ついで発現されたタンパク質を回
収することを含む。有利にも、この方法は、回収のために大量のタンパク質を産
生する。昆虫細胞は、たとえば、Spodoptera frugiperdaまたはDrosophila Mela
nogesterからのものであってよい。
【0046】 本発明によれば、定められた核酸配列は、同一の核酸のみならず保存的なアミ
ノ酸置換における縮重コードのために同義コドン(同じアミノ酸を指定する異な
るコドン)という結果となる天然核酸配列からのマイナーな塩基変異(とりわけ
塩基の置換を含む)をも含む。「核酸配列」なる語はまた、所定の一本鎖配列(
塩基変異に関する上記定義を含む)に相補的な配列をも包含する。
【0047】 さらに、本発明により定められたタンパク質、ポリペプチドまたはアミノ酸配
列は、同一のアミノ酸配列のみならず、保存的なアミノ酸置換(側鎖が関連した
アミノ酸による置換)を含む天然アミノ酸配列からのマイナーなアミノ酸変異を
も含む。また、天然のアミノ酸とは異なるが天然に存在する配列によってコード
されるポリペプチドと免疫学的に同一または類似のポリペプチドという結果とな
るアミノ酸配列も含まれる。そのようなポリペプチドは対応する核酸配列によっ
てコードされてよい。
【0048】 本発明のさらなる側面は、本発明による核酸の少なくとも15ヌクレオチド、
好ましくは15〜50ヌクレオチドの核酸配列を提供する。 これら配列は、有利にも複製等を開始するためのプローブまたはプライマーと
して用いることができる。そのような核酸配列は、組換え手段や合成手段などの
当該技術分野においてよく知られた方法に従って製造することができる。そのよ
うな核酸配列はまた、本発明による核酸の存在を検出するための診断キット等に
おいて用いることができる。これら試験は一般に、該プローブを試料とハイブリ
ダイズ条件下で接触させ、ついで該プローブと該試料中の核酸との間の二本鎖生
成の存在を検出することを含む。本発明による核酸配列はまた、Sambrookら(Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual,1989)により記載されているような組
換え手段または合成手段を用いて製造できる。有利にも、本発明によるDNAの
ヒトアレル変異体または多型は、たとえば、所定の範囲の個体からのDNA、た
とえば異なる集団からのものをプローブすることにより同定することができる。
さらに、本発明による核酸およびプローブは、当該技術分野でよく知られた技術
、たとえばサンガーのジデオキシチェインターミネーション法を用いて患者から
のゲノムDNAをシークエンシングするのに用いることができ、該方法は有利に
もある患者のある疾患への疾病素質を確認することができる。
【0049】 本発明に従い、ある化合物がC.エレガンスのUNC−53の脊椎動物ホモロ
グの発現のインヒビターまたはエンハンサーであるか否かを検出する方法もまた
提供され、該方法は、該ホモログを発現する細胞を該化合物と接触させ、ついで
該化合物と接触させていない対照細胞と比較した表現型変化をモニターすること
を含む。 好ましくは、細胞は上記トランスジェニック細胞である。あるいは該細胞は接
触阻害の喪失を受けていてもよい。
【0050】 本発明はまた、該化合物が該脊椎動物ホモログの発現のインヒビターであるか
否かを決定する方法をも提供する。一つの態様において、試験すべき化合物は核
酸である。 好ましくは、該核酸配列はアンチセンスDNA配列またはmRNA配列を含む
。 好ましくは、該mRNA配列は該脊椎動物ホモログをコードするmRNAの3
'非翻訳領域を含む。
【0051】 あるいは、試験すべき化合物はタンパク質であってよい。好ましくは、該タン
パク質は該脊椎動物ホモログの機能を阻害するのに潜在的に適したアミノ酸配列
を有するタンパク質を含み、好ましくは上記方法により同定したタンパク質を含
む。 本発明はまた、製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とともに化合
物、たとえば上記方法に従って同定したアンチセンス核酸を含む医薬組成物をも
提供する。
【0052】 本発明のこの側面に従って同定される核酸配列またはタンパク質は、癌の接触
阻害の喪失(UNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたは該ホモログの機
能性の等価物、断片、誘導体または生物学的前駆体によって媒体される)を治療
するための医薬として、または医薬の製造に用いることができる。 さらに本発明によって提供されるのは、C.エレガンスのUNC−53タンパ
ク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の発現を抑制するための医薬の製造
に使用するための上記核酸である。
【0053】 さらに本発明によって提供されるのは、脊椎動物細胞においてC.エレガンス
のUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログの発現を検出するためのアッセイ
であり、該アッセイは細胞またはその抽出液を該脊椎動物ホモログに対する抗体
(該抗体はリポーター分子に融合されている)と接触させ、未結合の抗体を除去
し、ついで該リポーター分子の存在をモニターすることを含む。 好ましくは、該リポーター分子は、たとえばフルオレセインなどの蛍光団(fl
uorophore)あるいはストレプトアビジンなどの酵素にコンジュゲートした抗体
である。
【0054】 本発明のUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の発
現を検出する方法もまた提供され、該方法は、本発明による該脊椎動物ホモログ
をコードするまたは該脊椎動物ホモログに対応するタンパク質配列の核酸に特異
的なプローブ(該プローブはリポーターに連結されている)を細胞抽出液と接触
させ、ついで該リポーターの存在を分析することを含む。 好ましくは、該プローブは本発明によるUNC−53タンパク質の該脊椎動物
ホモログをコードする該遺伝子から転写されたmRNAの所定の領域に相補的な
配列である。
【0055】 好ましくは、該相補的な配列は該mRNAの3'または5'非翻訳領域である。
好ましくは、該リポーターはディグ(dig)標識、蛍光団、ハプテンまたは放射
能標識であってよい。 好ましくは、該プローブは該UNC−53タンパク質の該脊椎動物ホモログに
特異的な抗体を含む。 好ましくは、該リポーター分子は、たとえばフルオレセインなどの蛍光団ある
いはストレプトアビジンなどの酵素にコンジュゲートした抗体である。
【0056】 上記のように、C.エレガンスのUNC−53タンパク質は微小管、とりわけ
微小管の(+)端に局在することがわかっている。それゆえ、本発明のさらなる
側面により、ある化合物が本発明のUNC−53ホモログの微小管またはそのプ
ラス端への会合のインヒビターまたはエンハンサーであるか否かを決定する方法
が提供され、該方法は、(a)該化合物を該脊椎動物ホモログ(該タンパク質は
リポーター分子に作動可能に連結されている)を発現するトランスジェニック細
胞、組織または生物体と接触させ、ついで(b)該化合物と接触させなかった工
程(a)による細胞と比較して該リポーター分子の局在をスクリーニングするこ
とを含む。
【0057】 上記方法によって同定される化合物もまた本発明の一部を構成する。該脊椎動
物ホモログと微小管またはそのプラス端との局在または会合のインヒビターとし
て同定されたそのような化合物は、疾患を誘発する細胞の広がりまたは移転また
は接触阻害の喪失を軽減するのに用いることができる。さらに、該脊椎動物ホモ
ログと微小管またはそのプラス端との会合のエンハンサーとして同定された化合
物は、たとえば、ニューロンの再生、血管再生または創傷治癒の促進、または慢
性の神経変性疾患または急性の外傷性障害または線維症の治療に用いることがで
きる。ついで、これら化合物は、製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形
剤とともに医薬組成物中に配合できる。
【0058】 さらに本発明により、ある化合物が本発明による脊椎動物ホモログと微小管ま
たはそのプラス端領域との会合のインヒビターまたはエンハンサーであるか否か
を決定するキットも提供され、該キットは、該UNC−53脊椎動物タンパク質
ホモログおよびリポーター分子を発現する少なくとも一つのトランスジェニック
細胞または本発明による宿主細胞またはトランスジェニック細胞および対照とし
て使用するための同じ細胞型の少なくとも一つの細胞および該化合物を該少なく
とも一つのトランスジェニック細胞の一つと接触させる手段を含む。上記のよう
にして微小管会合のインヒビターまたはエンハンサーとして同定された化合物は
、有利にも組成物中に配合され、本発明による該脊椎動物ホモログに連結させて
該化合物を微小管またはそのプラス端領域へターゲティングすることができる。
そのような組成物はまた、たとえば、適当なトランスフェクション剤または形質
転換剤をも含んでいてよい。
【0059】 本発明のさらなる側面によれば、タンパク質を微小管またはそのプラス端領域
へターゲティングする方法が提供され、該方法は、宿主細胞、組織または生物体
に本発明による該UNC−53脊椎動物ホモログを発現しうる配列を含むトラン
スジーンを導入することを含み、その際、キメラタンパク質が発現されてその結
果として該タンパク質の該微小管またはそのプラス端領域へのターゲティングと
なるように該配列はターゲティングしようとする該タンパク質をコードする配列
に作動可能に連結されている。
【0060】 本発明のさらなる側面は、本発明によるUNC−53の該脊椎動物ホモログを
共有結合的に修飾する分子の同定方法をも包含し、該方法は、(a)該脊椎動物
ホモログを発現する細胞からの抽出液と候補のUNC−53修飾酵素を含む酵素
混合物とをタンパク質の共有結合修飾の指標の存在下で接触させ、(b)工程(
a)の共有結合的に修飾したUNC−53タンパク質を同定し、ついで(c)該
修飾工程に関与した該分子を同定することを含む。そのような指標は32Pであっ
てよい。
【0061】 さらに本発明によって提供されるのは、本発明による該UNC−53脊椎動物
ホモログの毒性を軽減または促進する、またはアポトーシスを軽減または促進す
る化合物の同定方法である。前者の方法は、該化合物を本発明によるトランスジ
ェニック細胞、組織または生物体と接触させ、ついで該微小管またはそのプラス
端領域に隣接する該リポーター分子の存在をモニターすることを含む。アポトー
シスの場合は、該方法は細胞死に対する該化合物の効果をモニターすることを含
む。
【0062】寄託した材料 プラスミドpG13303およびpG13305は、1977年4月28日の
ブダペスト条約の規定に従い、ラボラトリウム・フォーア・モレキュレーレ・ビ
オロジー−プラスミデンコレクティブ(Laboratorium voor Moleculaire Biolog
ie - Plasmidencollective)(LMBP)B−9000ゲーント、ベルギーのベ
ルジアン・コーディネーテッド・コレクションズ・オブ・ミクロオーガニスムス
(Belgian Coordinated Collections of Microorganisms)(BCCM)にそれ
ぞれ受託番号LMBP3936およびLMBP3937にて1999年5月28
日に寄託してある。
【0063】Hs−UNC−53/3は真正のUNC−53である(図1;2;3) すでに知られている動物のUNC−53の配列を用いたBlastnおよびTblastn
EST−データベースマイニング(mining)は、新規なunc−53を示唆する
3つのESTの同定へと導いた(実験手順を参照)。適当なライブラリーを用い
た3'−および5'−RACE拡張により、これらESTがHs−unc−53/
3と称する新規なunc−53を同定したことが示された(図1e;f)。配列
AB023155の刊行物(Nagaseら、1999,DNA Res.6:63-70)は、Hs−un
c−53/3の3'末端の正しさおよびAB023155の5'末端を形成する一
つの新規なイントロンの存在を独立に確認した。C.エレガンスおよび3つのヒ
トUNC−53配列のアラインメント(図2)は、C.エレガンスUNC−53
タンパク質の第三のヒトホモログが真正のUNC−53であることを明らかに説
明しており、これはHs−unc−53/2と最も高い類似性を有し、Hs−u
nc−53/1ついで(C.エレガンスUNC−53)Ce−UNC−53の順
で低くくなる類似性を有している。
【0064】 Hs−UNC−53/3のドメインの多くは、他の動物のUNC−53の機能
性のドメインとの高い類似性を示す(図2)。このことは、Hu−UNC−53
/3が種々のアッセイ(F−アクチン結合、細胞培養におけるF−アクチン再構
成、培養細胞における微小管および微小管(+)端結合、SEM−5/GRB−
2やプロリンリッチアルファ−ヘリックスの他のタイプのバインダーなどのSH
3−ドメインアダプターの結合を含む)においてCe−UNC−53で観察され
る重要な機能を有している可能性が高いことを決定的に示唆している。これら結
果は、Ce−UNC−53と同様にHs−UNC−53/1、Hs−UNC−5
3/2、またはHs−UNC−53/3が診断アッセイにおいて機能するHs−
unc−53の組織特異的または疾患特異的なモデュレーターの発見を目指した
生化学的アッセイ、細胞アッセイおよび動物アッセイに用いることができること
を示している。
【0065】Unc−53ファミリーのさらなる拡張(図11、12) 上記3つのヒトUNC−53タンパク質配列でのデータベースサーチは、ヒト
UNC−53と有意の類似性を示す幾つかの発現配列タグ(expressed sequence
tags)(EST)およびゲノムDNA配列(BAC)を明らかにした。
【0066】C.ブリッグシエ(C. briggsiae) C.エレガンスゲノムの組合(consortium)は、C.ブリッグシエのunc−
53相同遺伝子の遺伝子座をシークエンシングした。遺伝子予測プログラムおよ
C.エレガンスのunc−53のcDNA配列により、C.ブリッグシエのタ
ンパク質配列について予測することができる。得られたC.ブリッグシエのアミ
ノ酸配列とC.エレガンスのアミノ酸配列との図3のアラインメントは、両タン
パク質の強いホモロジーを示している。
【0067】D.メラノガスター BACクローンBACR48M05(AC005719)はHs−unc−5
3/3に対して高いホモロジーを有する3つの異なるエクソンを明らかに含んで
いる(図11)。遺伝子構造予測プログラムFgene(Solovyevら、1995, Proceed
ings of the Third International Conference on Intelligent Systems for Mo
lecular Biology(Rawlingら編、ケンブリッジ、英国、AAAIプレス);Solo
vyevおよびLawrence,1993, Abstracts of the 4th annual keck symposium,ピッ
ツバーグ、47)を用い、Hs−unc−53/3に対してホモロジーを示すB
ACクローンBACR48M05によってコードされるORFを予測することが
可能であった(図11b)。
【0068】 しかしながら、BACクローンBACR48M05によって部分的または全体
的にコードされ、図11aに示されているように1またはそれ以上の配列ブロッ
クを含むすべてのDrosophila cDNAは、UNC−53ファミリーのファミリ
ー成員と考えなければならない。「BLAST 2 SEQUENCE」サーチは
、図11aに示す3つのホモロジーブロックの間に位置する配列がヒトとDrosop
hilaとの間で保存されていないことを示している(図11c)。Drosophila mel
anogasterのUNC53遺伝子の予測されたORFは、該ファミリーの新たな成
員を同定するのに用いることができる。
【0069】 ゼブラダニオ(zebrafish)のEST fc21d06(AI658309)は
、Hs−UNC−53/2に対して84%の同一性および92%のホモロジーを
示す。これは明らかにHs−UNC−53/2のゼブラダニオホモログの一部で
あると考えられる(図12)。最後に、ヒトESTの全系列を公的なドメインデ
ータベースに入れた。本発明者らの知見によれば、本明細書に記載するレベルま
でこれらESTを真正のHs−unc−53を記載するコンティグに配置するこ
とはこれまで誰にもできなかった。現在利用できるunc−53配列(発現され
たものかまたはゲノムの)、unc−53遺伝子ファミリーが動物界の3つの主
要な綱である蠕虫(helminths)、脊椎動物および節足動物における真正の動物
遺伝子ファミリーであることをさらに強調している。
【0070】アラインメントに基づくUNC−53ファミリーの正確な記載(図4) 3つのヒトUNC−53配列およびC.エレガンスUNC−53配列のアライ
ンメントは、UNC−53における保存領域の一層正確な定義を可能とする。図
4に4つの動物UNC−53かまたは3つのヒトUNC−53についての幾つか
のproSiteサイン(signatures)をまとめてある。
【0071】ノーザンブロットによるHu−UNC−53/3の特異な発現(図5) 脊椎動物のUNC−53がどの細胞および組織で役割を果たしているかを決定
するため、ノーザンブロット分析を行った。実験セクションに示したように、関
連するプローブを増幅し用いて、どの正常ヒト組織においておよびどの癌細胞株
において上記3つのヒトUNC−53が発現されるかを視覚化した。
【0072】 1.Hs−Unc53/1でプローブした癌細胞株RNAブロット 幾つかの癌細胞株(黒色腫G361、肺癌A549、結腸直腸腺癌SW480
、バーキットリンパ腫DRajii、白血病Molt4、リンパ性白血病K56
2、HeLa S3および前骨髄球性白血病HL60)からのポリA+RNAの
ノーザンブロットをpHH3bの全挿入を用いてプローブした。バーキットリン
パ腫DRajii、白血病Molt4および前骨髄球性白血病HL60細胞株で
は発現は検出されないかまたは弱かった。残りの癌細胞株では5つの異なる転写
物が検出される:転写物1および2は9.5kbよりも大きく、転写物3および
4は6〜7kbであり、第五の転写物は約6kbである。転写物1および2はす
べての発現細胞株に存在するが、異なるレベルにおいてである。転写物3および
4は黒色腫G361、肺癌A549(弱い)および結腸直腸腺癌SW480に限
られており、黒色腫G361および結腸直腸腺癌SW480における主たる転写
物である。転写物5はリンパ性白血病K562(弱い)およびHeLa S3(
優勢)に限られ、HeLa S3において主たる転写物である。
【0073】 2.Hs−Unc53/2でプローブした癌細胞株RNAブロット 癌細胞株ノーザンブロットの同様のセットを、プライマー
【化1】 および
【化2】 を用いることにより増幅したEST46037の652bp断片でプローブした
。Hs−Unc53/2は黒色腫G361、結腸直腸腺癌SW480、リンパ性
白血病K562およびHeLa S3で発現される。肺癌A549、バーキット
リンパ腫DRajii、白血病Molt4および前骨髄球性白血病HL60では
検出されなかった。興味深いことに、リンパ性白血病K562およびHeLa
S3で発現された約7kbと黒色腫G361および結腸直腸腺癌SW480およ
びHeLa S3(弱く)での>9.5kbの転写物という2つのみの転写物サイ
ズが検出された。注目すべきは黒色腫G361での非常に高い発現である。
【0074】 3.Hs−Unc53/1でプローブした正常ヒト組織 正常ヒト組織からのポリA+RNAのノーザンブロットをファージHH3bの
全挿入を用いてプローブした。発現レベルはすべての組織で低く、最も高いのは
心臓および胎盤であり、数倍低いレベルで脳および精巣、さらに低いレベルで骨
格筋、膵臓、胸腺、結腸、小腸、卵巣および前立腺である。末梢血白血球、肺、
肝臓、腎臓、脾臓での発現はわずかに検出しうる程度である。
【0075】 4.Hs−UNC53/2でプローブした正常ヒト組織 ブロットの同様のセットを、プライマー
【化3】 および
【化4】 を用いることにより増幅したEST46037の652bp断片でプローブした
。発現レベルはすべての組織で低く、最も高いレベルは腎臓、胎盤および膵臓、
より低いレベルは心臓および肺である。骨格筋、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵
巣、小腸、結腸、末梢血白血球、胃、甲状腺、脊髄、気管、副腎および骨髄では
わずかに検出されるかまたは検出できない。Hs−unc−53/2はまた異な
る転写物として発現されると思われる(図5a)。
【0076】 hs−UNC53/1およびhs−UNC−53/2ホモログは明らかに高度
に制御された遺伝子であり、強い組織特異性およびおそらく別の制御機構(すな
わち、異なるプロモーターの特異なスプライシング)を示している。プローブh
h15によって同定されたRNAに由来する異なるタンパク質は、おそらくカル
ボキシ末端のヌクレオチド結合ドメインを共通に有している。Ce−UNC−5
3は複雑な遺伝子座および複雑な転写ユニットであることが示された。異なる転
写物は、異なるシグナルおよびレセプター、異なる組織および異なる移動方向に
関して、このシグナル伝達経路の必要な特異性および機能的な多様性を確実にす
る機構であると考えられる。癌細胞株ブロットにおける新たな転写物の生成また
は発現レベルにおいて観察される変化は、これら細胞のトランスフォーメーショ
ン状態の確立または維持におけるhs−UNC−53/3の役割を示唆している
【0077】hs−UNC−53/3の発現パターン 幾つかの癌細胞株からのポリA+RNAのノーザンブロットを、Hs−unc
−53ファミリーからの3つの遺伝子の独特の断片でプローブした。Hs−un
c−53/3は肺癌細胞株A549において高い発現レベルを有するが、該細胞
株ではhs−unc−53/1の中くらいの発現しか検出されていない。さらに
、Hs−unc−53/3の中くらいの発現が黒色腫細胞株G361で観察され
たが、該細胞株では高発現のhs−UNC−53/1およびhs−UNC−53
/2が観察されている。このことは、hs−unc53/3が少なくとも2つの
癌細胞株に関与していることを示している。
【0078】 正常なヒト組織では、hs−unc−53/3の発現は明らかに新しく以前に
は観察されなかった発現パターンを示す。このようなhs−unc−53/3と
そのホモログであるhs−unc53/1およびhs−unc53/2との発現
の違いは、hs−unc−53/3に機能を割り当てるうえで重要である。
【0079】 Hs−unc−53/3は、ノーザンブロットに示されるように(図5a)脳
で高度に発現される。図5bに示されるように、Hs−unc−53/3はまた
脳の異なる部位で異なって発現されることがわかる。そのホモログは脳では発現
されないかまたは弱く発現される。このことは、細胞移動の方向性および成長円
錐の舵取り(steering)における機能が脳の特定の領域または細胞と関係してい
るであろうとの指標を与える。Hs−unc−53/3はニューロンの増殖、軸
索の誘導、およびシナプス連結の形成および維持へのシグナルを関連づける重要
なシグナルトランスデューサーまたはシグナルアダプターであろうことが導き出
される。Hs−unc−53/3の機能は、ニューロン−ニューロン相互作用、
ニューロンの増殖、ニューロンと筋肉の相互作用、およびシナプス後シグナル伝
達と関係していると思われる。さらに、Hs−unc−53/3は神経芽細胞腫
のようにニューロン由来の癌の進展に関与しているのかもしれず、あるいは腫瘍
の発生は網膜芽腫のような幾つかの眼疾患のように脳にその発生源を有している
であろう。
【0080】 脳組織におけるHs−unc−53/3の高発現の有意さは、脊髄(ニューロ
ン組織を含む)でも観察される高発現レベルと関係付けることができる。ここで
、ニューロン(軸索)増殖およびニューロン−ニューロン連結は重要である。こ
の経路に作用する薬理学的ツールの開発は、ニューロン細胞の増殖および移動、
および外傷後のニューロン連結の再生に関与する疾患の治療、または神経芽細胞
腫などのニューロン性癌の抑制へと導く。その特異的な発現のため、Hs−un
c−53/3に特異的なインヒビターおよび/またはエンハンサーはHs−un
c−53ファミリーの遺伝子およびタンパク質に作用する一層一般的な化合物に
比べて医薬化合物として有利であろう。
【0081】 hs−UNC−53/3が高度に発現され他のヒトホモログが発現されない第
二の組織は脾臓である。それゆえ、Hs−UNC−53/3は白血球の成熟に関
与するシグナル伝達経路の一部として機能しうる。この経路の機能不全は、白血
球の不正確な成熟および慢性関節リウマチや硬化症などの自己免疫疾患の進展へ
と導く。白血球の認識でのシグナル伝達機能のつぎに、Hs−UNC−53/3
はまた脾臓における白血球のアポトーシスを支配している機構の誘発および/ま
たはシグナル伝達経路において重要な役割を果たしているかもしれない。hs−
UNC−53/3経路が関与する医薬方法(たとえば、その発現の抑制および/
または促進という結果となるもの)は、これら疾患の治療へと導く。さらに、h
s−UNC−53/2は、一層特異的な仕方で作用するhs−unc53/3に
特異的なインヒビターまたはエンハンサーとして有利であるかもしれない。
【0082】 Hs−UNC−53/3タンパク質はまた卵巣でも高度に発現されるが、卵巣
では他の2つのヒトホモログもまた発現される。最後に、hs−unc53/3
の中くらいから低い発現が心臓、胎盤、精巣、胃および副腎で観察される。 Hs−unc−53/3の主たる転写物は>9kbであるが、しばしば不鮮明
が生じ、これは若干高い強度で5.5−6.5kBで終わる。この短い転写物はA
B023155に対応する。
【0083】 Hs−unc53/3遺伝子は高度に制御された遺伝子であり、これまでにそ
の知られたホモログで同定されたことのない強い組織特異性および別の制御機構
を示す。それゆえ、これら知見は、hs−UNC−53/3および/またはHs
−UNC−53/3経路の一層特異的なインヒビターまたはエンハンサーの開発
へと導く。ノーザンブロット研究は、これら3つのヒトunc−53が高度に制
御された組織特異性を有する複雑な転写ユニットであること、および長さの異な
る転写物が存在することを示している。
【0084】ヒトunc−53のスプライス変異体 Hs−unc−53/3をクローニングしている間に、Hs−unc−53/
3の少なくとも3つの発現変異体(おそらく別のスプライス)が存在することが
明らかとなった(図1e、f;小文字の領域)。他の2つのヒトUNC−53に
対するターゲティング努力は、他のヒトUNC−53が変異体を含むことを示し
た(図1a、cおよびe領域)。
【0085】 現在観察されるスプライス変異体は特定の領域に集中しているように思われる
。第一のもの(図2において位置1252から開始)(全体のアミノ酸類似性は
弱い)は、Ce−unc−53およびHs−unc−53/3の両者において2
つの(スプライス)変異体を含む。蠕虫(worm)では、これら2つのエクソンの
unc−53中での存在または不在は、細胞が細胞外シグナル勾配を誘引シグナ
ルまたは反発シグナルとして異なって翻訳するような仕方でUNC−53タンパ
ク質の機能を制御している。Hs−unc−53/2の最も3'側の変異体は、
2つのCe−unc−53変異体をほぼカバーしている。
【0086】 この領域でのHu−UNC−53/3の変化の複雑さは、線虫の状況と似てい
るかもしれない。Hs−unc−53/3では、たとえば、位置3795〜43
25(図1e)の領域は2つの隣接するブロック(図1eの3795〜4283
および4286〜4325)からなり、これらは独立に前頭皮質組織からのcD
NAに存在するかまたは存在しない。対照的に、Hs−UNC−53/1または
Hs−UNC−53/2ではこの領域において変異体が未だに観察されていない
【0087】 Hs−unc−53/3の第二の変異体(図2)はボックス(MQLDNRT
LPKKGLR)を欠き、これはすべてのヒトunc−53において高度に保存
されている(太字)。このような変異体が存在することは、異なって作用するH
s−unc53/3の機能性の変異体を示している。
【0088】 スプライス変異体が観察された第二の領域は、unc−53の主たる高度に保
存されたドメインを含む。Hs−unc−53/1は、この保存されたドメイン
の最もN末端側の部分(SGSFRD)を含む第一の変異体を有する。Hs−u
nc−53/1の第二のスプライス変異体(AEERMOSE)は、この高度に
保存されたドメイン内に存在する。ヒトunc−53におけるスプライス変異の
ための他の保存されたスポットが見出されている(図2):Hs−unc−53
/1{VYE};Hs−unc−53/2{VNE}およびHs−unc−53
/3{NSRGSEL}。これらのスプライスエクソンはすべて、2つの保存さ
れた荷電ドメイン(推定の核局在化シグナル)によりフランキングされている。
この保存を仮定して、本発明者らはC.エレガンスにおいてスプライス変異を調
べ、エクソン外(extra exon)(ALSVDSQ)の形態で存在することがわか
った(図2)。Hs−unc−53/3は他の変異体(SPLVWPPKKRQ
NGPVIYKHSR)を有する(図2)。 Hs−unc−53/3をクローニングする間にHs−unc−53/3の最
も3'側のスプライス変異体が見出され、ヒト心臓cDNAライブラリー中に唯
一存在することが示された。
【0089】単一ヌクレオチド多型 クローニングおよびPCR研究は、サイレントでない単一ヌクレオチド多型が
Hs−unc−53/1の位置1232およびHs−unc−53/2の位置9
29に存在することを示した。このことは、UNC−53タンパク質の正しい機
能、それゆえ(ある場合には)疾患に関連する変異がヒトunc−53に存在す
ることを示している。
【0090】RT−PCRによる正常細胞および腫瘍細胞での発現 クローニングの努力はヒトunc−53においてスプライス変異体の存在を示
し、ノーザンブロットは各ヒトunc−53に対してある範囲の転写物を明らか
にした。これらデータを組み合わせても観察された転写物の範囲を完全には説明
できない。それゆえ、ヒトunc−53の発現の複雑さに対する本発明者らの理
解は不完全であり、さらに詳細なRT−PCR研究を行った。
【0091】 曖昧にする因子の一つは、すべての研究が異なる割合で存在する異なる正常ヒ
ト細胞型から構築されている全組織のmRNAあるいはcDNAに対して行った
ことであった。この理由および皮膚がノーザンブロット研究に含まれていなかっ
たことから、正常なヒトの皮膚の異なる細胞のcDNA調製物:(1)表皮の角
質細胞、(2)メラノーマ細胞、(3)皮膚繊維芽細胞を用いてRT−PCR研
究を設定した。さらに、正常細胞と腫瘍細胞とを比較研究するため、系列をマッ
チさせた形質転換細胞株または腫瘍細胞を研究に含めた。ヒト臍静脈内皮細胞(
HUVEC)を内皮細胞株に対する正常ヒトマッチとして採用した。
【0092】 Hs−unc−53/1のRT−PCR研究は、最も5'側のスプライス変異
体が正常細胞株と腫瘍細胞株とで異なって発現されることを明らかにした。この
エクソンは7/7角質細胞、HUVECおよびメラノーマ細胞には存在するが、
HaCat、ECV304、2/7黒色腫細胞およびMCF−7細胞(乳癌)に
は欠如している。
【0093】 Hs−unc−53/2のRT−PCR研究はさらに驚くべき実態を明らかに
した。発癌性の内皮細胞株ECV304はHs−unc−53/2の発現を欠如
しているが、一方、その正常な対応物HUVECはHs−unc−53/2を発
現しており、ECV304における遺伝子欠失または発現の不活化が示唆された
。表皮の角質細胞および系列のマッチした自発的にトランスフォーメーションし
た角質細胞HaCaTおよびMCF−7はHs−unc−53/2の5'末端の
発現は欠如しているが、3'末端(微小管結合ドメインまたはその近傍から開始
)は発現する。このことは、Hs−unc−53/3のAB023155と同様
にHs−unc−53/2もまた、先端欠失した3'変異体として細胞特異的な
仕方で発現されうることを示唆している。
【0094】 Hs−unc−53/2のスプライス変異体もまた、正常から発癌につれて異
なると思われる:{VNE}エクソンはすべての角質細胞単離物に存在すること
が示されたが、HaCaTには存在せず、メラノーマ細胞もまた該エクソンを発
現するが2/7黒色腫またはMCF−7は発現しない。Hs−unc−53/3
のRT−PCR研究をAB023155の脳以外の組織での発現を示すことに集
中した。この記載した新たなエクソンは、角質細胞、HUVEC、皮膚の繊維芽
細胞、メラノーマ細胞およびそれらのトランスフォーメーションした/腫瘍変異
体に存在することが示され、ヒトの組織で広く発現されることが示された。
【0095】別の5'開始エクソン Hs−unc−53/2では5つの異なる開始エクソンがRT−PCRを用い
てクローニングされており、そのうちの3つは少なくとも2つの異なるcDNA
ライブラリーに存在することが確認されている(図1b、c)。同様に、Hs−
unc−53/3についても異なる5'エクソンが見出されており、そのうちの
2つは確認されている(図1e、f)。これら5'エクソンは、ヒトunc−5
3がこれら異なる5'エクソンの5'側にある別のプロモーターの制御により発現
される可能性の高いことを示している。また、線虫では異なる(イントロン性の
)プロモーターがC.エレガンスのunc−53の5'変異体の発現を駆動する
ことが示されている。
【0096】Hs−unc−53/1の5'末端 相当の努力にもかかわらず、またノーザンブロットが>9.5kbの転写物の
存在を示している事実にもかかわらず、クローニングはHs−unc−53/1
の真正の5'末端(F−アクチン結合ドメインを含む)の同定には至らなかった
。Hs−unc−53/2およびHs−unc−53/3がともに完全長および
先端欠失形態で発現されるとの仮定のもと、Hs−unc−53/1は短い形態
でも発現されないのか否かという疑問を掲げることができる。
【0097】 cDNAライブラリークローニングおよび5'−RACEは、C.エレガンス
のun−53中のドメイン(別の開始位置が存在する)とマッチする位置で終了
する隣接配列を提供している。この議論に基づき、Hs−unc−53/1は線
虫の該転写物のヒトにおける機能性の等価物でありうる。
【0098】 Hs−unc−53/1の「一層長い」変異体をさらに追跡するため、ゲノム
BAC DNAシークエンシングを行った。図1gにBAC 585E09からの
4984断片の配列を示す。この配列は、Hs−unc−53/1の現在知られ
ているcDNAの5'側の配列を含む。適任のものとして(to the qualified)
2つのグループの遺伝子構造予測コンピュータープログラムにより、4984b
pゲノム配列断片中の異なるが匹敵するエクソンを予測することができる(図1
4)。プログラムGENSCAN、HEXONおよびMZEFはすべてbp10
89とbp1880との間のエクソンを予測する。この予測されたエクソンの末
端(bp1880)はcDNA配列により確認される。それゆえ、この予測は正
しいエクソン長を表示するうえで大きな変化を与える。プログラムGRAIL、
GENEFINDERおよびHMMGENEはすべてbp1123とbp203
1との間のエクソンを予測する。予測したエクソンのいずれも、別の開始コドン
の5'側にインフレームで停止コドンを含んでいない。従って、別の開始コドン
を含むエクソンの5'側に未同定のエクソンが存在する可能性がある。
【0099】 本発明での実態は、線虫およびヒトのunc−53が複雑な転写ユニットと思
われることを決定的に示唆している。さらに、最も複雑なスプライス変異体の幾
つかがUNC−53タンパク質の同様の領域にマッピングされるという事実は、
たとえばシグナル源へ向けてのまたはシグナル源からの細胞の指向的な移動に関
してUNC−53の進化的に保存された機能性の変異体を指し示している。対照
的に、ヒトのUNC−53の変異体の幾つかは高度に保存されたドメインに位置
している;これら(および他の)変異体は、unc−53遺伝子の一つから転写
された別個の(未だ発見されていない)機能的に異なるUNC−53タンパク質
を生成しているのかもしれない。
【0100】 2つのおよびおそらく3つのヒトunc−53が完全長および先端欠失形態と
して細胞特異的な発現により存在するという事実、最終的に異なるプロモーター
によって制御される一連の別の5'開始エクソンが存在するという事実、および
スプライス変異体の幾つかの形態が線虫からヒトへ保存されているという事実、
これらはすべてunc−53の発現が極めて複雑であること、およびUNC−5
3タンパク質の生物学的機能の幾つかが極めて保存されていることを示している
【0101】 一方、ノーザンブロットでの異なる発現、正常細胞と系列のマッチした腫瘍細
胞との間でのスプライス変異の差異および3つのヒトunc−53の2つにおけ
るサイレントでない単一ヌクレオチド変化、これらはすべてヒトunc−53の
疾患における役割を深く理解するために広範囲の診断アッセイがいかに重要であ
るかを示している。
【0102】Genemap98によるHs−unc−53/2の染色体位置決定(図13および1(c )) AA115014(AA115015と同じESTを記載)は3'UTR中に
Hs−Unc53/2遺伝子の別のスプライス変異体を含んでいるが、ESTク
ローンAA918601、AI248585、AA115014およびAA11
5015は、明らかにHs−Unc−53/2 cDNAの3'−UTRに相同で
ある(図1(c))。genemap98データベース(1998年11月に公開(release
))において質問(query)としてEST AA918601、AI248585
、AA115014またはAA115015を用いた調査は、Hs−Unc53
/2遺伝子が第11染色体に位置していることを明らかにした(http.//www.ncb
i.nlm.nih.gov/genemap98/loc.cgi?ID=21224)。
【0103】 染色体上の位置決定に用いHs−Unc53/2遺伝子の3'UTR中に位置
するSTSは、SHGC−33456と称する(dbSTS Id:41891
.ジーンバンクAcc:G28036、ジーンバンクgi:1396755)(
図13a)。STSはNIGMSヒト/マウス体細胞ハイブリッドパネル上での
分析により位置決定された(dbSTS Id:41891)。放射性ハイブリ
ッドの結果を図13bにまとめてある。これらデータをまとめると、SHGC−
33456に関連するすべての疾患または表現型はHs−Unc−53/2遺伝
子によるものであることが示唆される。
【0104】Hs−unc−53/3の機能的特徴付け Hs−unc−53/3のF−アクチン再構成および微小管結合 その構造的な特徴に基づき、Hs−unc−53/3は真正のヒトunc−5
3として分類されうる。その機能をさらに理解するため、および薬理学的な化合
物スクリーニングアッセイを開発することを見込んで、Hs−unc−53/3
を実験セクションに記載し図7aに示した方法に従って物理的にクローニングし
た。完全長(A〜L)および3'側半分(G〜L)のHs−unc−53/3を
含む誘導Hs−unc−53/3クローンをさらに操作して緑色蛍光タンパク質
とのキメラを生成させ、ついで真核細胞のトランスフェクションに適した発現ベ
クター中にクローニングした。これら構築物の核酸配列およびアミノ酸配列を図
7b〜eに示す。これら構築物を細胞中にトランスフェクションし、F−アクチ
ン細胞骨格およびマウス神経芽細胞腫細胞N4の微小管への結合に対する効果(
線虫unc−53およびヒトunc−53/1について知られている機能)を評
定した。
【0105】 Hs−unc−53/3の3'側半分へのGFP融合物(pGI3303、図
7b)でトランスフェクションしたN4細胞は、顕著な糸状仮足および扇形の膜
状物の増殖を示し、これはF−アクチン細胞骨格の再構成を伴っていた(図8)
。この観察は、線虫unc−53およびヒトunc−53/1と同様にF−アク
チン結合ドメインはN4細胞のF−アクチン細胞骨格の再構成を誘発するのに必
要でないことを示している。さらに、pGI3303にコードされた融合タンパ
ク質は微小管とともに局在化されずN4細胞の細胞質に局在化され、微小管の会
合にとって重要なドメインがHs−unc−53/3のこのC末端断片で欠如し
ていることを示している。アラインメントにおいて、Hs−unc−53/3の
C末端側半分(およそKIAA0938)が保存された微小管結合ドメインを含
んでいないことが図2からわかる。
【0106】 対照的に、完全長のHs−unc−53/3へのGFP融合物(pGI330
5、図7d)を低レベルないし中くらいのレベルで発現したN4細胞は、GFP
融合タンパク質と微小管との同時局在化を示した(図9)。中心体でさえも幾つ
かのトランスフェクション細胞で明らかに検出できた。非常に低い量の融合タン
パク質を発現した細胞は、特異な微小管(+)端結合を示した(図9)。pGI
3305でトランスフェクションしたN4細胞の形態は対照のトランスフェクシ
ョン細胞と明らかな違いはないが、pGI3305でトランスフェクションした
細胞の集合(rounding up)および糸状仮足の増殖の傾向が認められる。
【0107】化合物スクリーンとしての機能アッセイの確認 R74288は以前にC.エレガンスにおいて線虫機能のインヒビターである
ことが示されている(Ce−unc−53でトランスフェクションしたN4細胞
において確認された活性であり、トランスジーンで誘発された効果のみがR74
288によって抑制された)。全哺乳動物システムでの化合物R74288の活
性を確認するため、プラスミドpGI3150の安定なトランスフェクションを
N4神経芽細胞腫細胞株でリポフェクタミン法(Gibco BRL)により行った。p
GI3150はHs−unc−53/1のC末端と融合したeGFPタンパク質
を発現する(図15a参照)。
【0108】 G418選択の2週間後、pGI3150プラスミドが安定に組み込まれた2
0のクローンを選択し、単離した。これらクローンのGFP発現について、蛍光
顕微鏡により、および抗GFP抗体を用いたウエスタンブロッティングにより試
験した(表1)。扇形の膜状物増殖の表現型は視覚によりチェックした(図15
b参照)。化合物R74288を、4つのランダムに選択したpGI3150で
安定にトランスフェクションされたクローン:8.1、8.2、8.3および10.
1、およびpEGFPC1で安定にトランスフェクションされたN4対照細胞の
プールで試験した。
【0109】 クローン8.2および10.1はクローン8.1および8.3に比べて扇形の膜状
物の増殖が少なかった。化合物および溶媒をこれら安定にトランスフェクション
された細胞に加えた(DMSO中に105M)。24時間インキュベートした後
、2人が独立にこれら細胞の処理の効果について評定した。表1に示すように、
両人はクローン8.2および10.1に対する化合物2の効果(弱いトランスジー
ン誘発された扇形の膜状物表現型を伴う)を認めた。この効果は、未処理細胞に
比べて処理細胞が一層平らな形状であることからなっていた。化合物2はR74
288であった。
【0110】表1.扇形の膜状物形成に対する化合物の効果
【表1】
【0111】細胞形状の測定による自動化化合物スクリーニング 化合物スクリーニングアッセイは、薬剤の発見に適した充分に高い処理量を有
していなければならない。この目的を達成するため、本発明者らは完全長または
3'側半分のHs−unc−53/3とGFPとのキメラでの一過性のトランス
フェクション後に細胞で誘発される形態学的変化の測定手順を自動化した。細胞
培養、トランスフェクション、蛍光染色および顕微鏡観察手順を96−ウエルプ
レート(オールインワン)で行う。蛍光染色法は、三重の蛍光標識手順を含む:
(1)細胞の核についてはHoechst 33342またはDAPIなどのDNA二重らせ
んインターカレート染料を使用、(2)キメラタンパク質のトランスフェクショ
ン効率および発現レベルについてはGFP蛍光を使用および(3)F−アクチン
の細胞骨格については蛍光標識したファロイジン(ミクロフィラメント染料)。
【0112】 これら3つの異なる蛍光像を電動ステージとステージドライバーおよびフレー
ムグラバーを用いて寄せ集め、ウエル中の細胞の継ぎ目のない合成像を形成させ
た。この操作を行うソフトプログラムは「SCIL」としてパブリックドメイン
(public domain)において知られている(ユニバーシティー・オブ・アムステ
ルダム)。ついで、これら継ぎ目のない像を操作者が培養の質を調べるための偽
彩色(pseudocolour)を用いて重ね合わせた。
【0113】 さらに、SCILプログラムは、(1)細胞をその核によって同定し、(2)
GFP蛍光強度を測定し、(3)核を取り囲むF−アクチン(ファロイジン)染
色の領域を線引きし、(4)個々の各細胞のF−アクチン染色パターンの特徴を
客観的に表す所定範囲のパラメーターを計算するような仕方で編集した。そのよ
うなパラメーターの一つの例は「形状因子(form factor)」と呼ばれる。これ
は細胞の樹状突起度(dendricity)を反映する恣意的な値である。これは、(A
)像中に認められる細胞のF−アクチン染色領域の真の円周および(B)該所定
細胞のF−アクチン染色の面積を計算することにより得られる。比4xPIx(
B)2=形状因子。円形の細胞では形状因子はおよそ1であるが、糸状仮足および
扇形の膜状物増殖の増大した細胞では真の円周は円の円周よりも遥かに大きくな
り、その結果、形状因子は<<1となるであろう。
【0114】 実際、実験では、一過性にトランスフェクションしたN4細胞集団は対照の細
胞に比べて異なる形状因子を示した。ウエル中の細胞集団の中間および平均の形
状因子は、Hs−unc−53/3の3'側半分でトランスフェクションした後
に低減した。さらに詳細には、最小の形状因子を示すトランスフェクション培養
液の細胞数が有意に減少し、Hs−UNC−53/3トランスジーンが円形の細
胞をとりわけ一層樹状の形状へと誘発したことが示唆された(図16)。
【0115】役割疾患(role disease)を示すFISHによるHs−unc−53/3の染色
体上の位置決定 hs−unc−53/3の唯一の断片を用いたFISH法により、本発明者ら
はhs−unc53/3遺伝子を12q21.1上に位置決定することができる
。染色体12q21.1は、常染色体優性の扁平角膜および閉塞角緑内障に関与
していることが示されている(Sigler-Villanuevaら、Ophthalmic Genetics 18:
55-62,1997)。このことは、hs−unc−53/3タンパク質が眼の発生、そ
れゆえ網膜芽腫などの眼の疾患に関与しているかもしれないことを示している。
神経芽細胞腫細胞株NPGおよび脂肪肉腫細胞株WDLPSおよび他の肉腫細胞
株は、この領域が増幅している。神経芽細胞腫の増幅はより遠位に位置している
(12q24)と思われるのに対し、脂肪肉腫細胞株は12q21に位置してい
る(Van Royalら、Cancer Genetics and Cytogenetics 82:151-4,1995)。
【0116】 表皮の棘細胞離開および角化不全を特徴とする常染色体優性の遺伝性皮膚疾患
であるダリエ病に関連する3つの遺伝子座もまた、領域12q21−q24中に
マッピングされている(Wrightら、Journal of Investigative Dermatology 103
:665-8)。12q21はまた、非ホジキンリンパ腫の病因と関連する脆弱な部位
であることがわかっている(Chary-Reddyら、Cancer Letter 86:111-7,1994)。
腎芽細胞腫の発癌に関連する重複が12q21−q23領域で一般に見出されて
いる(Austruyら、Genes Chromosomes Cancer 14:285-294,1995)。精神遅滞(
脳性麻痺に類似する終局の異常および臨床所見)を患う少女で、他の常染色体か
らのセグメントのバンド12q21への位置付けが見出された(Biedermanら、A
nn.Genet.19:257-260,1976)。
【0117】 骨髄性白血病の細胞遺伝学的分析は、12q21に染色体切断点(breakpoint
s)を有する複雑な核型を示した(Weinsteinら、Cancer Genet.Cytogenet.48:75
-81,1990)。最後に、奇形の子供および自然流産からの複雑な染色体再配置の分
析は、部位12q21での特定の切断点を示した(Gorskiら、Am.J.Med.Genet.2
9:247-261,1997)。これらの疾患の殆どは、細胞移動、異所性の発生、または細
胞−細胞接触およびニューロン組織またはニューロン発生に関与していることが
示されている。
【0118】放射性ハイブリッドパネルを用いたFISHの確認 ヒトunc−53の染色体上の位置決定を確認および正確にするため、別のF
ISH法を用いた。放射性ハイブリッド(RH)マッピングは、哺乳動物染色体
の高解像で隣接するマップを構築するために開発された体細胞ハイブリッド法で
ある。RHマッピングは、何百万もの塩基対のDNAにまたがるDNAマーカー
を他のマッピング法で容易に得られる解像度で順序付ける方法を提供する。RH
マッピングの幾つかの利点は、(1)この方法によって推定される距離は物理的
な距離に比例していること、(2)減数分裂マッピングでは使用できない非多型
DNAマーカーをこの方法では使用できること、および(3)他の方法では得る
ことのできない高解像マップが得られることである。
【0119】 3つのヒトunc−53についてのFISHおよびRHマッピングの結果を表
AAにまとめてある。公的に利用できるデータベース(実験セクションを参照)
を用いることにより、FISHとRHマッピングとの間の相関関係についての情
報を得ることができる。RHマッピングは、このようにして3つのunc−53
についてのFISHデータを確認するために示した。
【0120】表2.RHマッピングプライマーおよび結果
【表2】 (*)網羅的でないリスト
【0121】 パブリックドメインで利用できる配列情報もまた、下記の例のようにunc−
53遺伝子の位置付けを正確にするのに役立ちうる。ESTクローンAA918
601、AI248585、AA115014およびAA115015は、明ら
かにHs−Unc53/2 cDNAに相同である。しかしながら、AA115
014(AA115015と同じESTを記載)は3'UTR中にHs−Unc
53/2遺伝子の別のスプライス変異体を含む。ESTAA918601、AI
248585、AA115014またはAA115015を質問としてgenemap9
8データベース(1998年11月に公開)で調査したところ、Hs−unc5
3/2遺伝子が第11染色体に位置することが明らかとなった(http://www.ncb
i.nlm.nih.gov/genemap98/loc.cgi?ID=21224)。
【0122】 染色体上の位置決定に用いHs−Unc53/2遺伝子の3'UTR中に位置
するSTSは、SHGC−33456と称する(dbSTS id:41891
、ジーンバンクAcc:G28036、ジーンバンクgi:1396755)(
図13)。STSはNIGMSヒト/マウス体細胞ハイブリッドパネル上での分
析により位置決定された(dbSTS id:41891)。放射性ハイブリッ
ドの結果を図13にまとめてある。これらデータをまとめると、SHGC−33
456に関連するすべての疾患または表現型はHs−Unc53/2遺伝子によ
るものであることが示唆される。
【0123】実験手順 Hs−unc−53/3のクローニングおよびシークエンシング Hs−unc53/3をHs−unc−53/1またはHs−unc−53/
2に類似してはいるが同一ではない一連のESTから開始してクローニングした
。ESTは以下の通りであった:
【0124】 1.WashU−Merck EST767735 EST767735配列を含む形質転換細胞をResearch Geneticsから注文し
た。プラスミドDNAを標準プロトコール(キアゲン(Qiagen)プラスミドDN
A単離キット)を用いて単離し、挿入物の配列を決定した。
【0125】 2.ATCC cDNAクローン86459 cDNAクローン86459配列を含む形質転換細胞をATCCから注文した
。プラスミドDNAを標準プロトコール(キアゲンプラスミドDNA単離キット
)を用いて単離し、挿入物の配列を決定した。
【0126】 3.Geneexpress cDNAプログラムからのGenethon cDNAクローンc09
a03 cDNAクローンc09a03配列を含む形質転換細胞をGenethonから注文
した。プラスミドDNAを標準プロトコール(キアゲンプラスミドDNA単離キ
ット)を用いて単離し、挿入物の配列を決定した。
【0127】 これらESTを一つのORFを形成するように以下のようにして拡張した: 1.RACE(cDNA末端の迅速な増幅)によるEST 767735の5'拡
張 Marathon-Ready cDNA(Clontech)は、RACE実験に鋳型としてすぐに
使用できるアダプター結合した二本鎖cDNAの前以て調製した「ライブラリー
」である。5mlのMarathon-Ready cDNAを通例の50ml RACEにおい
て鋳型として用いた。RACE混合物は、1×KlenTaq PCR緩衝液、0.2m
Mの各dNTP、1×アドバンテージ(advantage)KlenTaqポリメラーゼ混合物
(Clontech)、0.15mMのAP1アダプタープライマーおよび0.15mMの
RACE遺伝子特異的プライマーを含んでいた。
【0128】 増幅条件は以下のとおりであった:94℃で30秒および68℃で4分間。1
00倍希釈のRACE生成物を、AP2アダプターおよび遺伝子特異的ネステッ
ドPCRプライマーとともにネステッドPCRに鋳型として用いた。特定のネス
テッドPCR断片をpCR2(TAクローニングキット、Invitrogen)中にクロ
ーニングし、挿入物の配列を決定した。遺伝子特異的プライマー(hh3UNC
53 97101702):
【化5】 ;ネステッド遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 97101701)
【化6】 Marathon cDNAライブラリー:ヒト胎盤、ヒト心臓、ヒト慢性骨髄性白血病
、ヒト結腸直腸腺癌。
【0129】 2.RACEによるEST 767735の3'拡張 上記に記載した方法。遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 9710
2702):
【化7】 ;ネステッド遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 97102703)
【化8】 Marathon cDNAライブラリー:ヒト胎盤、ヒト心臓、ヒトHeLa、ヒト黒
色腫。
【0130】 3.RACEによるcDNAクローンc09a03の3'拡張 上記に記載した方法。遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 9802
0401):
【化9】 ;ネステッド遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 98020402)
【化10】 Marathon cDNAライブラリー:ヒト胎盤、ヒト心臓、ヒトHeLa、ヒト黒
色腫、ヒト結腸直腸腺癌、ヒト慢性骨髄性白血病。
【0131】 4.RACEによるcDNAクローン86459の5'拡張(1) 上記に記載した方法。遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 9802
0403):
【化11】 ;ネステッド遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 98020404)
【化12】 Marathon cDNAライブラリー:ヒト胎盤、ヒト心臓、ヒトHeLa、ヒト黒
色腫。重複する配列を単一の隣接する配列で組み立てた。
【0132】 5.RACEによるcDNAクローン86459の5'拡張(2) 上記に記載した方法。遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 9802
2502):
【化13】 ;ネステッド遺伝子特異的プライマー(hh3UNC53 98022501)
【化14】 Marathon cDNAライブラリー:ヒト胎盤、ヒト心臓、ヒトHeLa、ヒト黒
色腫、ヒト結腸直腸腺癌、ヒト慢性骨髄性白血病。
【0133】cDNA配列の5'末端での変異体の確認 最後の5'RACE実験において、その配列がIYTDWANタンパク質配列
(図1eの位置289または図1fの位置82)の上流で異なる2つの変異体が
見出された。プライマー
【化15】 および
【化16】 をcDNAクローンに用いることにより、ランダムプライミングDNAラベリン
グキット(Roche Molecular Biochemicals)を用いて放射性標識したHs−un
c−53/3特異的PCR生成物が得られ、ヒトDNA BACフィルター(Res
earch Genetics)にハイブリダイズさせた。両プライマーはIYTDWANボッ
クスの近くに位置している。
【0134】 4つのBACが陽性であることがわかった(415J11、464C17、5
25C02および537B02)。IYTDWANタンパク質配列の上流の領域
がこれらBACへ直接DNAシークエンシングされたことは、読み取り枠中の複
数の停止コドンおよびコンセンサスAGイントロンアクセプター配列によって証
拠だてられるように、この領域が推定のイントロン配列によって先行されている
ことを示していた。シークエンシング目的のため、改変QiagenプラスミドDNA
法に従ってBAC DNAを調製した。
【0135】 図1eに完全に示すように変異体の5'末端を増幅するようにプライマーペア
を特別にデザインした(プライマー
【化17】 および
【化18】 )。これらプライマーを用いてBAC DNAに対して行ったPCRは、4つの
BACのうち3つにおいてこの変異体をコードするゲノム配列の存在を示した(
BAC 415J11には存在しない)。
【0136】 図1eに変異体として示すようにHs−unc−53/3の他の5'末端変異
体をコードするゲノム配列を含むBACを、Research Genetics ヒトDNA G
ACフィルターをプライマー
【化19】 (ガンマ−P32−ATPおよびポリヌクレオチドキナーゼを用いて放射性標識
)とハイブリダイズすることにより同定した。陽性BACは404F14、45
0K18および764L15であった。
【0137】 2つの別の5'エクソン内から3'方向での各BACへの直接シークエンシング
およびゲノムDNA配列と以前に決定されたcDNA配列との比較は、GTイン
トロンドナー部位を同定した。予測されたイントロン配列を除去した後に両5'
エクソンからのゲノム配列およびIYTDWANコード配列を連結させると、両
変異体についてオープンリーディングフレームの翻訳に影響を及ぼすことなく5
'RAC実験の配列が回復された。
【0138】Hs−unc−53/3構築物のクローニング Hs−unc−53/3の完全長オープンリーディングフレームをクローニン
グする目的で、サイズが1〜2kbpの範囲の6つの重複する断片でORFが増
幅されるようにプライマーペアを選択した。これら断片間の重複は、それらが完
全長の遺伝子のクローニングに適したエンドヌクレアーゼ制限酵素認識部位を含
むように選択した。5'断片については、下流方向に向いたプライマーを変異体
1中に第一の推定開始コドン(ATG)を含むように選択した(図1eに完全に
示すもの)。これら断片すべてについてExpand High Fidelity PCRシステム
(Roche Molecular Biochemicals)を用いるPCR条件は以下の通りであった。
最初の変性を95℃で5分;95℃で34秒の変性、55℃で45秒のプライマ
ーアニーリングついで72℃で1分(プライマーの組み合わせA+Bについては
3分)の伸長からなるサイクルを30サイクル;さらに72℃で7分のさらなる
インキュベーションおよび4℃で貯蔵。PCRはPE Biosystems 9700 PCR機で行
った。
【0139】
【表3】
【0140】 プライマーAは、それぞれ真核発現ベクター(pEGFPc3)および酵母ツ
ーハイブリッドベクター(pAS2−1)中での最終サブクローニングに適した
制限部位(XhoIおよびnheI)を含んでいた。 PCR生成物をアガロースゲル電気泳動により分析し、臭化エチジウム染色に
より可視化した。図1eに記載するスプライス変異体がアガロースゲル上に複数
のバンドとして観察された。単一バンドのPCR生成物はQiaquick PCR精製
キットを用いて精製し、一方、複数バンドのPCR生成物は個々のバンドとして
ゲルから切り出し、Qiaquickゲル抽出キットを用いて精製した。
【0141】 PCR生成物を供給者のプロトコール(Invitrogen)に従ってpCR2.1中
にクローニングした。各断片について複数のクローンを選択LB寒天プレートか
ら取り出し、biorot 9600(Qiagen)上かまたは手動で陰イオン交換交換カラム
(Qiagenチップ20またはチップ100)上のいずれかでDNA調製のための抗
生物質選択圧下で一夜増殖させた。挿入配列をBigdyeターミネーターレディーリ
アクションサイクルシークエンシングキット(PE Biosystems)を用いて決定し
た。各クローンについての個々のシークエンシング反応をSequencherソフトウエ
アパッケージ(GeneCodes)を用いて単一配列コンティグとして組み立てた。
【0142】 配列を以前に決定したコンセンサス配列とSeqEdソフトウエアパッケージフォ
ームPE Biosystemsを用いて比較した。各断片について正しい配列および所望の
スプライス変異体を含むクローンを選択した。I−J断片については、心臓特異
的な22アミノ酸のスプライス変異体を欠如したクローンを選択した(図1f)
。K−L断片クローンでは、完全長の遺伝子をそれぞれ酵母ツーハイブリッドベ
クター(pAS2−1)および真核発現ベクター(pEGFPc3)中へサブク
ローニングするのを容易にするため、pCR2.1のマルチプルクローニングサ
イトのBamHI部位にクローニングした。
【0143】 完全長遺伝子の全クローニング戦略を図7aに可視化してある。図7a(1)
は重複するPCR断片と断片およびプライマーペアの命名を示す。図7a(2)
はpCR2.1中での該遺伝子の3'側半分の組み立てを示す。内部のBamHI
(I−J断片)およびXhoI(K−L断片)部位並びにpCR2.1のマルチ
プルクローニングサイトからの制限部位(図に示す)を、Quickchange Site-Dir
ected突然変異誘発キット(stratagene)を用いて部位特異的突然変異誘発(S
DM)により除去した。NotI−EcoRI G−H断片およびEcoRI−
NheI I−Jd22(d22は22アミノ酸のスプライス変異体が存在しな
いことを示す)を、K−L断片クローンNotIおよびNheI部位に正しい方
向でクローニングした。複数のクローンを取り出し、DNAシークエンシングに
より確認した。図7a(3)は5'側半分の組み立てを示す。内部のXhoI(
C−D断片)およびSfiIおよびXhoI(E−F断片)部位をSDMにより
除去した。
【0144】 挿入物を適当な制限酵素(それぞれ、XhoI+SalI;SalI+Nar
IおよびNarI+BamHI)で制限消化することによりベクターから切り出
し、アガロースゲル電気泳動後にゲルから精製した。これら3つの断片をライゲ
ートし、XhoIおよびBamHIで再度切断し、ゲル上で分離した。予測され
たサイズのバンドをゲルから切り出し、精製し、ついで3'側半分(XhoIお
よびBamHIでの消化により開裂してあった)の前にクローニングした(図7
a(4))。複数のクローンを取り出し、シークエンシングにより確認した。
【0145】 図7aは、このクローニングプロジェクトのモジュール方式の性質を説明して
いる。構築ブロック断片内のスプライス変異体のすべての可能な組み合わせにつ
いて、一つの代表的なクローンを利用できる。機能的な分析の観点から、構築ブ
ロックをpCR2.1構築物中かまたは最終的な真核発現構築物または酵母ツー
ハイブリッド構築物中のいずれかで標準法により容易に交換することができる。
【0146】Hs−unc−53/3 GFPキメラの構築 哺乳動物発現ベクターpGI3303およびpGI3305の構築を図7a、
7bおよび7dの凡例に説明してある。pGI3303は、哺乳動物細胞または
動物においてeGFPとHs−unc−53/3の1128アミノ酸C末端断片
との融合タンパク質を過剰発現するのに用いることができる(図7c)。pGI
3305は、哺乳動物細胞または動物においてeGFPと2363アミノ酸完全
長Hs−unc−53/3との融合タンパク質を過剰発現するのに用いることが
できる(図7d)。pGI3303およびpGI3305中のHs−unc−5
3/3 cDNAは、これらベクター中の異なるタイプの別のスプライス変異体
を容易にサブクローニングできるように、特定の制限部位を導入もしくは除去す
るサイレント変異を含んでいる。
【0147】ゲノムDNAシークエンシング(BAC 585E09) プライマー
【化20】 および
【化21】 を用い、Hs−unc−53/1に特異的なPCRを開発した。PCR生成物を
Random Prime DNAラベリングキット(Roche Molecular Biochemicals)を用
いて放射性標識し、ヒトゲノムDNA BACフィルター(Research Genetics)
上でハイブリダイズした。陽性のシグナルがBACクローン366H21、48
3L14、471J09および585E09について得られた。BAC DNA
をQiagenプラスミドDNA調製法の変法に従って大腸菌ゲノムクローン585E
09から単離した。
【0148】 1920のクローンのショットガンライブラリーをGATCにて構築した(Ko
nstanz、ドイツ)。BAC DNAを調製し、霧状にし(nebulized)、ついで末
端修復した後にシークエンスベクターpTZ19R中にサブクローニングした。
JRFにてDNAを1440のクローンからBiorobot 9600(Qiagen)上で調製
した。M13フォアウォードプライマー(
【化22】 )およびリバースプライマー(
【化23】 )を用いた末端シークエンシング反応を768のクローンに対して行った。67
2のさらなるクローンをM13のみを用いてシークエンシングした。BigDye Ter
minator Ready Reactionシークエンシングキットを用い、5μlのDNAを15
μlの最終反応容量で用いた。シークエンシング反応をMJ Research PTC200 P
CR機上で行った。反応生成物をPE ABI 377 DNAシークエンサー上で処理し
、分析した。
【0149】 すべてのシークエンシング結果をSequencher(GeneCodes)ソフトウエアパッ
ケージ中に引き入れた。混入ベクター配列および低品質の付随(trailing)配列
は切り取った。個々の配列を標準ソフトウエアセッティングを用いてコンティグ
にて組み立てた。500bp未満から10kbpを超えるものにわたる範囲の多
数のコンティグを構築した。単一個体(singleton)も依然として存在する。一
続きの知られた配列を探すことにより、hUNC53h1の知られて信頼できる
5'末端を含みこの配列を5'方向に伸長するコンティグが見出された。この配列
およびそれに関連する特性を図1gおよびその凡例に記載してある。
【0150】ノーザンブロッティング 各レーンに8つの異なるヒト組織(心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓
、および膵臓)からの2mgのポリA+RNAを含むヒトマルチプル組織ノーザ
ン(MTN−1、Clontech)および各レーンに脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣
、小腸、結腸および末梢血白血球からの2mgのポリA+RNAを含むMTN−
IIヒトマルチプル組織ノーザンを製造業者の指示に従ってハイブリダイズさせ
、0.1×SSC:0.2%SDS中、55℃で洗浄した。同様にClontechから、
ヒト癌細胞株(黒色腫G361、肺癌A549、結腸直腸腺癌SW480、バー
キットリンパ腫Raji、白血病Molt4、リンパ性白血病K562、HeL
a S3および前骨髄球性白血病HL60)からのポリA+RNAブロットを試
験した。
【0151】Hs−unc−53/3でプローブした癌細胞株RNAブロット 癌細胞株のノーザンブロットのセットを、プライマー
【化24】 および
【化25】 を用いて増幅したHs−unc−53/3の665bp断片でプローブした。H
U−unc−53/3は黒色腫G361および肺癌A549で発現され、転写物
のサイズは>0.5kbと検出された。前骨髄球性白血病HL−60、HeLa
細胞S3、慢性骨髄性白血病K−562、白血病MOLT−4、バーキットリン
パ腫Rajiおよび結腸直腸腺癌SW480では発現は検出されなかった。
【0152】Hs−unc−53/3でプローブした正常ヒト組織RNAブロット 正常ヒト組織のノーザンブロットのセットを、プライマー
【化26】 および
【化27】 を用いて増幅したHs−unc−53/3の665bp断片でプローブした。高
発現レベルが脳、脾臓、卵巣および脊髄で検出され、低発現レベルが心臓、胎盤
、精巣、胃、および副腎で検出された。転写物のサイズは>=9.5kbであっ
た。FISH Hs−UNC−53/3は染色体12q21.1に位置決定される。
【0153】 スライドの調製: ヒト血液から単離した白血球を、10%ウシ胎仔血清およびフィトヘムアグル
チニン(PHA)を補充したα−最小必須培地(MEM)中、37℃で68〜7
2時間培養した。白血球の培養液をBrdU(0.18mg/ml、Sigma)で処
理して細胞集団の周期を合わせた。周期の合った細胞を血清不含培地で3回洗浄
してブロックを放出させ(release the block)、チミジン(2.5μg/ml:
Sigma)とともにα−MEM中で37℃にて6時間再度培養した。細胞を回収し
、スライドを低浸透圧処置、固定および空気乾燥を含む標準手順を用いることに
より調製した。
【0154】 インシトゥ(in situ)ハイブリダイゼーションおよびFISH検出: cDNAプローブをBRL BioNickラベリングキット(Hengら、1992)を用いて
dATPでビオチン化した(15℃、1時間)。FISH検出の手順はHengら、
1992およびHengおよびTsui,1993に従って行った(Hengら:Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 89:9505-9513(1992)、Hengら、Chromosoma. 102:325-332(1993))。簡単に
説明すると、スライドを55℃で1時間燒結した。RNase処理後、スライド
を2×SSC中の70%ホルムアミド中、70℃で2分間変性させ、ついでエタ
ノールで脱水した。
【0155】 プローブを50%ホルムアミドと10%硫酸デキストランとからなるハイブリ
ダイゼーション混合物中、75℃にて5分間変性した。プローブを変性した染色
体スライド上に負荷した。一夜ハイブリダイズした後、スライドを洗浄し、検出
および増幅した。FISHシグナルおよびDAPIバンドパターンを写真を撮る
ことにより別々に記録し、FISHマッピングデータの染色体バンドへの割り当
てを、FISHシグナルをDAPIバンド形成染色体と重ね合わせることにより
行った(Hengら、1993)。
【0156】結果 使用した条件下で、このプローブのハイブリダイゼーション効率は約67%で
あった(チェックした100の有糸分裂像のうち67が染色体ペア上にシグナル
を示した)。DAPIバンド形成は特定の染色体を同定するために用いたので、
プローブからのシグナルと第12染色体の長腕との割り当てが得られた。その詳
細な位置を、10の写真からの要約に基づく図表でさらに決定した。
【0157】放射性ハイブリッドマッピング 放射性ハイブリッド分析はPCR法であり、放射性ハイブリッドDNAのパネ
ルはこれら反応に適したTE緩衝液中に25ng/μlの濃度で提供される。典
型的には25ngのDNAを10μlのPCR反応に用いる。 放射性ハイブリッドパネルの幾つかはe−メールサーバーにより支持されてお
り、これはマーカーの染色体位置決定に役立ちうる。Stanford G3およびTNG
パネルを用いたマーカーの染色体位置決定のためのサーバーは、http://www-shg
c.stanford.eduで利用できる。カタログ刊行の時点ではStanford TNGサーバ
ーは第2、第4、第7および第21染色体でのみ染色体位置決定できた。
【0158】 GeneBridge4パネルからのマーカーの染色体位置決定は、サーバーにhttp://ww
w-genome.wi.mit.eduにてアクセスすることにより行うことができる。RHマッ
ピングは、マーカー同士の互いの相対的順序を決定するために数個から多数個の
マーカーの統計分析を含む。RHマッピングは統計的なプログラムを用いて行う
ことができ、一つの順序と他の順序との相対的な蓋然性の測定値とともに最適の
マップを提供するであろう。
【0159】 このタイプの分析は、RHマップ上にマーカーの順序(別の順序に比べて有意
に蓋然性が高いもの)を首尾よく生成することが示されている。RHマッピング
のための2つの統計的なプログラムをWorld Wide Webから無料でダウンロードす
ることができる。SAMapperはStanford Human Genome Centerで作成されたもので
あり、http://www-shgc.stanford.edu/Mapping/SAMapper/index.htmlにてダウン
ロードすることができる。RHMAPはUniversity of MichiganのMichael Boeh
nkeらによって書かれたものであり、http://www.sph.umich.edu/group/statgen/
softwareにてダウンロードすることができる。放射性ハイブリッドマッピングに
関する包括的なウエブページ(分析ソフトウエアおよび他の情報のウエブサイト
とリンク)は、http://linkage.rockefeller.edu/tara/rhmap/にて見出すことが
できる。
【0160】細胞のトランスフェクションプロトコール NS神経芽細胞腫細胞株をLab Tekチェンバード(chambered)カバーガ
ラス(Nalgene Nunc International)中に植え付け、リポフェクタミン(Life T
echnologies BRL)を用いてpEGFP(対照)、pGI3303およびpGI
3305でトランスフェクションした。24〜48時間後、チェンバードカバー
ガラスを倒立蛍光顕微鏡(GFP蛍光を生きた細胞で可視化することができる)
に置いた。この方法の詳細はPCT/EP96/02311に記載されている。
顕微鏡観察およびファロイジンを用いた蛍光染色 これは以前に記載されている(EP97/06956)。
【0161】配列表 配列番号1は、図1aに示す位置2873〜3043のヌクレオチドを欠失し
たHs unc−53/1の核酸配列である。 配列番号2は、図1aに示す位置3098〜3121のヌクレオチドを欠失し
たHs unc−53/1の核酸配列である。 配列番号3は、図1aに同定した配列の位置3518〜3526のヌクレオチ
ドを欠失したHs−unc−53/1の核酸配列である。
【0162】 配列番号4は、図1bに同定した配列の位置958〜1014のアミノ酸を欠
失したHs−unc−53/1タンパク質のアミノ酸配列である。 配列番号5は、図1bに同定した配列の位置1033〜1040のアミノ酸を
欠失したHs−unc−53/1タンパク質のアミノ酸配列である。 配列番号6は、図1bに同定した配列の位置1173〜1175のアミノ酸を
欠失したHs−unc−53/1タンパク質のアミノ酸配列である。
【0163】 配列番号7は、図1cに記載した配列の位置5425〜5433のヌクレオチ
ドを欠失したHs−unc−53/2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号8は、図1cに記載した配列の位置5924〜6024のヌクレオチ
ドを欠失したHs−unc−53/2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号9は、図1cに記載した変異体1の配列を有するHs−unc−53
/2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号10は、図1cに記載した変異体2の配列を有するHs−unc−5
3/2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号11は、図1cに記載した変異体3の配列を有するHs−unc−5
3/2をコードするヌクレオチド配列である。
【0164】 配列番号12は、図1cに記載した変異体1の配列を有し、図1cに記載した
配列の位置5425〜5433のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号13は、図1cに記載した変異体1の配列を有し、図1cに記載した
配列の位置5924〜6024のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
2をコードするヌクレオチド配列である。
【0165】 配列番号14は、図1cに記載した変異体2の配列を有し、図1cに記載した
配列の位置5425〜5433のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号15は、図1cに記載した変異体2の配列を有し、図1cに記載した
配列の位置5924〜6024のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
2をコードするヌクレオチド配列である。
【0166】 配列番号16は、図1cに記載した変異体3の配列を有し、図1cに記載した
配列の位置5425〜5433のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
2をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号17は、図1cに記載した変異体3の配列を有し、図1cに記載した
配列の位置5924〜6024のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
2をコードするヌクレオチド配列である。
【0167】 配列番号18は、図1dに同定した配列の位置1776〜1778のアミノ酸
を欠失したHs−unc−53/2タンパク質のアミノ酸配列である。 配列番号19は、図1dに記載したHs−unc−53/2配列の変異体1の
アミノ酸配列である。 配列番号20は、図1dに記載したHs−unc−53/2配列の変異体2の
アミノ酸配列である。 配列番号21は、図1dに記載したHs−unc−53/2配列の変異体3の
アミノ酸配列である。
【0168】 配列番号22は、図1dに同定した配列の位置1776〜1778のアミノ酸
を欠失した、図1dに記載したHs−unc−53/2配列の変異体1のアミノ
酸配列である。 配列番号23は、図1dに同定した配列の位置1776〜1778のアミノ酸
を欠失した、図1dに記載したHs−unc−53/2配列の変異体2のアミノ
酸配列である。 配列番号24は、図1dに同定した配列の位置1776〜1778のアミノ酸
を欠失した、図1dに記載したHs−unc−53/2配列の変異体3のアミノ
酸配列である。
【0169】 配列番号25は、図1eに記載したHs−unc−53/3をコードするヌク
レオチド配列である。 配列番号26は、図1eに同定した配列の位置3795〜4283のヌクレオ
チドを欠失した、図1eに記載したHs−unc−53/3をコードするヌクレ
オチド配列である。 配列番号27は、図1eに同定した配列の位置4284〜4325のヌクレオ
チドを欠失した、図1eに記載したHs−unc−53/3をコードするヌクレ
オチド配列である。
【0170】 配列番号28は、図1eに同定した配列の位置3795〜4325のヌクレオ
チドを欠失した、図1eに記載したHs−unc−53/3をコードするヌクレ
オチド配列である。 配列番号29は、図1eに同定した配列の位置5153〜5173のヌクレオ
チドを欠失した、図1eに記載したHs−unc−53/3をコードするヌクレ
オチド配列である。 配列番号30は、図1eに同定した配列の位置5343〜5408のヌクレオ
チドを欠失した、図1eに記載したHs−unc−53/3をコードするヌクレ
オチド配列である。
【0171】 配列番号31は、図1eに記載した変異体1の配列を有するHs−unc−5
3/3をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号32は、図1eに記載した変異体1の配列を有し、図1eに同定した
配列の位置3795〜4283のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
3をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号33は、図1eに記載した変異体1の配列を有し、図1eに同定した
配列の位置4284〜4325のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
3をコードするヌクレオチド配列である。
【0172】 配列番号34は、図1eに記載した変異体1の配列を有し、図1eに同定した
配列の位置3795〜4325のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
3をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号35は、図1eに記載した変異体1の配列を有し、図1eに同定した
配列の位置5153〜5173のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
3をコードするヌクレオチド配列である。 配列番号36は、図1eに記載した変異体1の配列を有し、図1eに同定した
配列の位置5343〜5408のヌクレオチドを欠失したHs−unc−53/
3をコードするヌクレオチド配列である。
【0173】 配列番号37は、図1fの配列において同定したHs−unc−53/3タン
パク質のアミノ酸配列である。 配列番号38は、図1fに同定した配列の位置1326〜1413のアミノ酸
残基を欠失した、図1fの配列において同定したHs−unc−53/3タンパ
ク質のアミノ酸配列である。 配列番号39は、図1fに同定した配列の位置1414〜1427のアミノ酸
残基を欠失した、図1fの配列において同定したHs−unc−53/3タンパ
ク質のアミノ酸配列である。
【0174】 配列番号40は、図1fに同定した配列の位置1703〜1709のアミノ酸
残基を欠失した、図1fの配列において同定したHs−unc−53/3タンパ
ク質のアミノ酸配列である。 配列番号41は、図1fに同定した配列の位置1768〜1788のアミノ酸
残基を欠失した、図1fの配列において同定したHs−unc−53/3タンパ
ク質のアミノ酸配列である。
【0175】 配列番号42は、図1fにおいて同定した変異体1のHs−unc−53のア
ミノ酸配列である。 配列番号43は、図1fに同定した配列の位置1326〜1413のアミノ酸
残基を欠失した、図1fにおいて同定した変異体1のHs−unc−53のアミ
ノ酸配列である。 配列番号44は、図1fに同定した配列の位置1414〜1427のアミノ酸
残基を欠失した、図1fにおいて同定した変異体1のHs−unc−53のアミ
ノ酸配列である。
【0176】 配列番号45は、図1fに同定した配列の位置1703〜1709のアミノ酸
残基を欠失した、図1fにおいて同定した変異体1のHs−unc−53のアミ
ノ酸配列である。 配列番号46は、図1fに同定した配列の位置1768〜1788のアミノ酸
残基を欠失した、図1fにおいて同定した変異体1のHs−unc−53のアミ
ノ酸配列である。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 Hs−UNC−53/1と命名されたUNC−53の第一のヒ
トホモログをコードするヌクレオチド配列およびそのさらなる変異体を示す。
【図1b】 図1(a)の配列によりコードされるhs−UNC−53/1の
アミノ酸配列を示す。
【図1c】 Hs−UNC−53/2と命名されたC.エレガンスのUNC
−53タンパク質の第二のヒトホモログをコードするヌクレオチド配列およびそ
のさらなる変異体を示す。
【図1d】 図1(c)の配列によりコードされるhs−UNC−53/2の
アミノ酸配列を示す。
【図1e】 Hs−UNC−53/3と命名された本発明によるUNC−5
3タンパク質の第三のヒトホモログをコードするヌクレオチド配列およびその変
異体を示す。
【図1f】 図1(e)の配列によりコードされるhs−UNC−53/3の
アミノ酸配列を示す。
【図1g】 Hs−unc−53/1の推定5'エクソンを含むゲノムDN
A断片のヌクレオチド配列を示す。
【図1h】 Hs−unc−53/3の3'半分を含む転写物であるタンパ
ク質KIAA0938をコードするヌクレオチド配列AB023155を示す。
【図1i】 クローニングしたC.エレガンスおよびヒトのUNC−53タ
ンパク質の概略を示す。5'側の先端欠失変異体および幾つかの知られたスプラ
イス変異体を示してある。
【図2】 Ce−UNC−53、Hs−UNC−53/1、Hs−UNC−
53/2およびHs−UNC−53/3のアミノ酸配列のアラインメントを示す
【図3】 C.エレガンスのUnc−53とC.ブリッグシエの予測された
アミノ酸配列とのアラインメントを示す。
【図4】 配列アラインメントに基づく脊椎動物UNC−53のProSiteサ
イン(signatures)のリストを示す。
【図5a】 ノーザンブロッティングにより調べた3つのヒトUNC−53
の発現を示す。
【図5b】 異なる脳部位でのHs−unc−53/3の特異な発現を示す
【図6a】 RT−PCRを用いたHs−unc−53/1の特異なスプラ
イス発現を示す。
【図6b】 RT−PCRを用いたHs−unc−53/2の特異なスプラ
イス発現を示す。
【図6c】 RT−PCRを用いたHs−unc−53/3の特異なスプラ
イス発現を示す。
【図6d】 RT−PCRを用いた脳以外の細胞でのAB023155発現
の配列確認を示す。
【図7a】 Hs−unc−53/3のクローニングを示す。
【図7b】 pGI3303発現ベクター(GFPと融合したC末端Hs−
unc−53/3断片)のプラスミドマップおよびヌクレオチド配列を示す。
【図7c】 GFP:C末端Hs−unc−53/3断片(pGI3303
の挿入物)のアミノ酸配列を示す。
【図7d】 pGI3305発現ベクター(GFPと融合した完全長のHs
−unc−53/3)のプラスミドマップおよびヌクレオチド配列を示す。
【図7e】 GFP:Hs−unc−53/3(pGI3305の挿入物)
のアミノ酸配列を示す。
【図8】 pGI3303でトランスフェクションしたN4マウス神経芽細
胞腫細胞の糸状仮足および扇形の膜状物の増殖を示す。
【図9】 pGI3305でトランスフェクションしたN4マウス神経芽細
胞腫細胞でのGFP:Hs−unc−53/3融合タンパク質と微小管との同時
局在化を示す。
【図11a】 Hs−unc−53/3とDrosophilia melanogasterBAC
クローンBACR48M05(AC005719)によって(部分的に)コード
される遺伝子との間のホモロジードメインを示す。質問としてHs−unc−5
3/3に対して非重複データベースに基づいて行ったTBLASTNサーチの結
果。
【図11b】 コンピュータープログラムFgeneによって予測されたDrosoph
ila melanogasterのBACクローンBACR48M05(AC005719)に
よってコードされるORFを示す。
【図11c】 質問としてのHs−unc−53/3と、Drosophila melan
ogasterのBACクローンBACR48M05のFgeneによって予測されたUNC
53ホモロジーORFとに対して「BLAST2 sequences」サーチを行った結
果を示す。
【図12】 Dr−unc−53/2をコードするゼブラダニオESTを示
す。
【図13】 Hs−unc−53/2についてのGenemap98の結果を示す。
【図14】 ヒトHs−unc−53/1の推定の別の開始コドンをエクソ
ンの配列の模式図を示す。
【図15】 pGI3150のヌクレオチド配列およびHs−Unc−53
/1のC末端断片とのeGFP融合のアミノ酸配列を示す。
【図16】 ESTクローンyk480b6とCe−unc−53とのアラ
インメントであり、Ce−unc−53の新規なスプライス変異体を示している
【図17】 N4細胞の形態要素(form factor)に対するHs−unc−
53/3GFPキメラ一過性トランスフェクションの効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 25/00 A61P 17/02 29/00 101 25/00 37/02 29/00 101 43/00 111 37/02 C07K 14/47 43/00 111 C12N 1/15 C07K 14/47 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C07K 16/18 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A61K 37/02 // C07K 16/18 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 マルク・カール・デ・レーイメーカー べルギー国ベー.−2340ベルセ、トルンハ ウッサーヴェヒ30、ヤンセン・ファーマシ ューティカ・エヌ.ベー. (72)発明者 ヨハン・ヨーゼフ・グスタフェ・ヘンドリ ク・ガイセン べルギー国ベー.−2340ベルセ、トルンハ ウッサーヴェヒ30、ヤンセン・ファーマシ ューティカ・エヌ.ベー. (72)発明者 ティエリー・ア・オ・ウ・ボゲール べルギー国ベー.−8500コルトレイク、ウ ォルフェンドレーフ26ヘー番 (72)発明者 リュック・ジャック・シモン・メルテン べルギー国ベー.−9052ズウェイナール デ、テヒノロヒーパルク・ズウェイナール デ9番、ブロック・デーエフ1.60.14、 デフヘン・エヌ.ベー. (72)発明者 ペーテル・フェルハッセルト べルギー国ベー.−2340ベルセ、トルンハ ウッサーヴェヒ30、ヤンセン・ファーマシ ューティカ・エヌ.ベー. (72)発明者 マルク・ファン・デ・クレーン べルギー国ベー.−9052ズウェイナール デ、テヒノロヒーパルク・ズウェイナール デ9番、ブロック・デーエフ1.60.14、 デフヘン・エヌ.ベー.

Claims (97)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図4に示す配列ブロックA、B、C、D、E、F、Gまたは
    Hの1またはそれ以上を有するアミノ酸配列を含むか、または該ブロックと保存
    的アミノ酸変化において異なることを特徴とする、C.エレガンスのUNC−5
    3タンパク質の脊椎動物タンパク質ホモログ。
  2. 【請求項2】 図1(e)に示すヌクレオチド配列、または位置1〜288の
    ヌクレオチド領域が図1(e)に示す変異体1の配列で置換された図1(e)の配列
    、および/または3795〜4283、4284〜4325、5153〜517
    3または5343〜5408の配列のいずれかがさらに欠如している配列によっ
    てコードされるアミノ酸配列を有する、C.エレガンスのUNC−53タンパク
    質の脊椎動物タンパク質ホモログまたはその機能性の等価物、誘導体または生物
    学的前駆体。
  3. 【請求項3】 図1(f)に示すアミノ酸配列、またはアミノ酸1〜81を図
    1(f)の変異体1の配列で置換することによっておよび/または位置1326〜
    1413、1414〜1427、1703〜1709もしくは1768〜178
    8の欠失を含むことによって図1(f)に記載するアミノ酸配列とは異なるアミノ
    酸配列、または1またはそれ以上の保存的アミノ酸変化において該配列とは異な
    るアミノ酸配列を有する、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物
    タンパク質ホモログ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのUN
    C−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードするcDNA分子。
  5. 【請求項5】 図1(e)に示すヌクレオチドの配列を含む、請求項4に記載
    のcDNA分子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のcDNA配列に高ストリンジェン
    シー条件下でハイブリダイズしうる核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載のcDNA分子を含むDNA発現ベ
    クター。
  8. 【請求項8】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質または請求項1な
    いし7のいずれかに記載のその脊椎動物ホモログのプロモーターを含む、請求項
    7に記載のベクター。
  9. 【請求項9】 該プロモーター配列が、C.エレガンスのUNC−53タン
    パク質のマウスまたはヒトホモログをコードする遺伝子に由来するものである、
    請求項8に記載のベクター。
  10. 【請求項10】 リポーター分子をコードする配列をさらに含む、請求項7
    ないし9のいずれかに記載のベクター。
  11. 【請求項11】 該リポーター分子が蛍光団である請求項10に記載のベク
    ター。
  12. 【請求項12】 請求項7ないし11のいずれかに記載のベクターで形質転
    換またはトランスフェクションした宿主細胞。
  13. 【請求項13】 請求項10または11に記載のベクターで形質転換または
    トランスフェクションした宿主細胞。
  14. 【請求項14】 細菌細胞などの原核細胞、または真菌細胞、動物細胞、植
    物細胞または昆虫細胞などの真核細胞を含む、請求項12または13に記載の宿
    主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし3のいずれかに記載のタンパク質を発現し
    うるトランスジーンを含む、トランスジェニック細胞、組織または生物体。
  16. 【請求項16】 COS細胞、Hep G2、MCF−7細胞、N4マウス
    神経芽細胞腫細胞、NIH3T3細胞、または結腸直腸癌またはヒト由来細胞の
    いずれかを含む、請求項15に記載のトランスジェニック細胞、組織または生物
    体。
  17. 【請求項17】 該トランスジーンが請求項7ないし11のいずれかに記載
    のベクターを含む、請求項15または16に記載のトランスジェニック細胞、組
    織または生物体。
  18. 【請求項18】 該トランスジーンが請求項10または11に記載のベクタ
    ーを含む、請求項15または17に記載のトランスジェニック細胞、組織または
    生物体。
  19. 【請求項19】 該生物体が昆虫、真菌、非ヒト哺乳動物、植物または線虫
    のいずれかを含む、請求項15ないし17のいずれかに記載のトランスジェニッ
    ク細胞、組織または生物体。
  20. 【請求項20】 変異脊椎動物非ヒト生物体の作製方法であって、該変異は
    細胞の挙動または細胞移動の制御または形状または細胞移動の方向性に影響を及
    ぼすものであり、UNC−53 C.エレガンスタンパク質の脊椎動物ホモログ
    をコードする野生型遺伝子に変異を誘発することを含む方法。
  21. 【請求項21】 医薬として使用するための請求項1ないし3のいずれかに
    記載のC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物タンパク質ホモログ
  22. 【請求項22】 ニューロン再生、血管再生または創傷治癒の促進ための、
    または慢性神経変性疾患または急性外傷性障害または線維症疾患または慢性関節
    リウマチもしくは硬化症などの自己免疫疾患の治療のための医薬を製造するため
    の、請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのUNC−53タンパ
    ク質の脊椎動物タンパク質ホモログの使用。
  23. 【請求項23】 製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とともに
    請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのUNC−53タンパク質
    の脊椎動物ホモログを含む医薬組成物。
  24. 【請求項24】 医薬として使用するための、請求項4ないし6のいずれか
    に記載の核酸分子またはcDNA分子またはその機能性の断片。
  25. 【請求項25】 ニューロン再生、血管再生または創傷治癒の促進ための、
    または慢性神経変性疾患または急性外傷性障害または線維症疾患または慢性関節
    リウマチもしくは硬化症などの自己免疫疾患の治療のための医薬を製造するため
    の、請求項4ないし6のいずれかに記載の核酸分子またはcDNA分子の使用。
  26. 【請求項26】 請求項4ないし6のいずれかに記載の核酸分子またはcD
    NA分子、および製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組
    成物。
  27. 【請求項27】 ある化合物が細胞の挙動、増殖、細胞の形状または移動性
    または細胞移動の方向性の制御のインヒビターまたはエンハンサーであるか否か
    を決定する方法であって、該化合物を請求項12または14に記載の宿主細胞ま
    たは請求項15ないし18のいずれかに記載のトランスジェニック細胞と接触さ
    せ、ついで該細胞の表現型の変化をスクリーニングすることを含む方法。
  28. 【請求項28】 スクリーニングすべき該表現型の変化が、細胞増殖の変化
    、または形状、または細胞移動性の変化または糸状仮足増殖、波うち挙動、細胞
    接着、接触阻害または神経突起増殖の長さである、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 該トランスジェニック細胞がN4神経芽細胞腫細胞であり
    、スクリーニングすべき該表現型の変化が神経突起増殖の長さである、請求項2
    7に記載の方法。
  30. 【請求項30】 該トランスジェニック細胞がMCF−7乳癌細胞株または
    NIH3T3細胞であり、スクリーニングすべき該表現型の変化がファゴキネシ
    スまたは接触阻害の程度である、請求項27に記載の方法。
  31. 【請求項31】 ある化合物が細胞の形状、細胞の増殖または移動性、また
    は細胞移動の方向性の制御のインヒビターまたはエンハンサーであるか否かを決
    定する方法であって、該化合物を請求項15ないし19のいずれかに記載のトラ
    ンスジェニック生物体または請求項20に記載の方法によって作製された変異生
    物体と接触させ、ついで該生物体の表現型の変化をスクリーニングすることを含
    む方法。
  32. 【請求項32】 医薬として使用するために請求項27に記載の方法により
    細胞の形状、または増殖または移動性または細胞移動の方向性の制御のエンハン
    サーとして同定された化合物。
  33. 【請求項33】 ニューロン再生、血管再生または創傷治癒の促進ための、
    または慢性神経変性疾患または急性外傷性障害または線維症疾患または慢性関節
    リウマチもしくは硬化症などの自己免疫疾患の治療のための医薬を製造するため
    の、請求項27に記載の方法により細胞の形状、または増殖または移動性または
    細胞移動の方向性の制御のエンハンサーとして同定された化合物の使用。
  34. 【請求項34】 請求項27ないし31のいずれかに記載の方法により同定
    された化合物、および製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含む医
    薬組成物。
  35. 【請求項35】 医薬として使用するために請求項17ないし31のいずれ
    かに記載の方法により細胞の移動性、増殖、または形状、または細胞移動の方向
    性の制御のインヒビターとして同定された化合物。
  36. 【請求項36】 疾患誘発細胞の広まりまたは転移または接触阻害の喪失を
    軽減するための医薬を製造するための、請求項35に記載の化合物の使用。
  37. 【請求項37】 請求項35に記載の化合物、および製薬学的に許容しうる
    担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
  38. 【請求項38】 ある化合物が請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エ
    レガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の転
    写のインヒビターまたはエンハンサーであるか否かを決定する方法であって、工
    程:(a)該化合物を請求項13または18に記載の細胞と接触させ、ついで(
    b)該リポーター分子のレベルをモニターし、該モニター工程で得られた結果を
    、該化合物と接触させていない請求項13または18に記載の細胞を含む対照と
    比較することを含む方法。
  39. 【請求項39】 検出する該リポーター分子がmRNAまたは緑色蛍光タン
    パク質である、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 医薬として使用するために請求項38または39に記載の
    方法により請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのUNC−53
    タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子または該遺伝子の機能性の断
    片の転写のエンハンサーとして同定された化合物。
  41. 【請求項41】 ニューロン再生、血管再生または創傷治癒の促進ための、
    または慢性神経変性疾患または急性外傷性障害または線維症疾患または慢性関節
    リウマチもしくは硬化症などの自己免疫疾患の治療のための医薬を製造するため
    の、請求項38または39に記載の方法により請求項1ないし3のいずれかに記
    載のC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする
    遺伝子または該遺伝子の機能性の断片の転写のエンハンサーとして同定された化
    合物の使用。
  42. 【請求項42】 請求項40に記載の化合物、および製薬学的に許容しうる
    担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
  43. 【請求項43】 医薬として使用するために請求項38または29に記載の
    方法により請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのUNC−53
    タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子または該遺伝子の機能性の断
    片の転写のインヒビターとして同定された化合物。
  44. 【請求項44】 疾患誘発細胞の広まりまたは転移または接触阻害の喪失を
    軽減するための医薬を製造するための、請求項38または39に記載の方法によ
    C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺
    伝子または該遺伝子の機能性の断片の転写のインヒビターとして同定された化合
    物の使用。
  45. 【請求項45】 請求項43に記載の化合物、および製薬学的に許容しうる
    担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
  46. 【請求項46】 ある化合物が細胞の移動性、増殖または形状、または細胞
    移動の方向性の制御のエンハンサーまたはインヒビターであるか否かを決定する
    ためのキットであって、該化合物と接触させる請求項13ないし17のいずれか
    に記載の少なくとも一つのトランスジェニック細胞および対照として使用する請
    求項12ないし19のいずれかに記載の少なくとも一つの細胞、および該化合物
    を該少なくとも一つのトランスジェニック細胞と接触させるための手段を含むキ
    ット。
  47. 【請求項47】 ある化合物がC.エレガンスのUNC−53タンパク質の
    脊椎動物ホモログをコードする遺伝子または該遺伝子の機能性の断片の転写のイ
    ンヒビターまたはエンハンサーであるか否かを決定するためのキットであって、
    請求項12ないし19のいずれかに記載の少なくとも一つの細胞および該化合物
    を該細胞と接触させるための手段を含むキット。
  48. 【請求項48】 ある化合物がC.エレガンスのUNC−53タンパク質の
    脊椎動物ホモログまたは該脊椎動物ホモログタンパク質の機能性の等価物、誘導
    体、断片または生物学的前駆体の活性のエンハンサーまたはインヒビターである
    か否かを決定するためのキットであって、請求項20に記載の方法によって作製
    された少なくとも一つの脊椎動物変異体非ヒト生物体または請求項15ないし1
    9のいずれかに記載のトランスジェニック生物体および該脊椎動物変異生物体の
    野生型を含むキット。
  49. 【請求項49】 C.エレガンスのunc−53遺伝子の脊椎動物ホモログ
    またはその機能性の断片を同定する方法であって、DNAライブラリーに、UN
    C−53またはその機能性の等価物、誘導体または生物学的前駆体をコードする
    核酸配列の15ないし50ヌクレオチドの適当なオリゴヌクレオチド配列を適当
    なストリンジェンシー条件下でハイブリダイズさせて、請求項4または5のいず
    れかに記載のcDNAと統計的に有意なホモロジーを有する遺伝子を同定するこ
    とを含む方法。
  50. 【請求項50】 請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのU
    NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログがその成員である細胞のシグナル伝達
    経路において活性なタンパク質を同定する方法であって、 (a)該細胞の抽出液をC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホ
    モログに対する抗体と接触させ、 (b)抗体/脊椎動物ホモログ複合体を同定し、ついで (c)該複合体を分析してC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物
    ホモログに結合した該抗体以外のタンパク質を同定する ことを含む方法。
  51. 【請求項51】 請求項1ないし3のいずれかに記載のUNC−53タンパ
    ク質の脊椎動物ホモログがその成員である細胞のシグナル伝達経路において活性
    であるさらなるタンパク質の同定方法であって、 (a)請求項50においてC.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物
    ホモログに結合した最初に同定されたタンパク質に対する抗体を生成させ、 (b)細胞の抽出液を該抗体と接触させて抗体/タンパク質複合体を同定し、 (c)該複合体を分析して該第一のタンパク質に結合した該抗体以外のさらなる
    タンパク質を同定し、ついで (d)任意に工程(a)〜(c)を繰り返して該経路においてさらなるタンパク
    質を同定する ことを含む方法。
  52. 【請求項52】 請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのU
    NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログがその成員である細胞のシグナル伝達
    経路において活性であるタンパク質を同定する方法であって、 (a)該細胞の抽出液をC.エレガンスのUNC−53タンパク質の該脊椎動物
    ホモログと接触させ、 (b)生成したUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログ/タンパク質複合体
    を同定し、ついで (c)該複合体を分析してUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログに結合し
    たUNC−53タンパク質の同脊椎動物ホモログ以外のタンパク質を同定する ことを含む方法。
  53. 【請求項53】 細胞の抽出液を、使用したUNC−53タンパク質の脊椎
    動物ホモログと同じではないと工程(c)において同定されたタンパク質と接触
    させ、ついで工程(b)および(c)を繰り返すことにより、該細胞のシグナル
    伝達経路に関与するさらなるタンパク質を同定することをさらに含む、請求項5
    2に記載の方法。
  54. 【請求項54】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモ
    ログがその成員である細胞のシグナル伝達経路に関与するタンパク質の同定方法
    であって、 (a)DNA結合ドメインおよび活性化ドメインを有する転写因子によって制御
    されるプロモーターの制御下にリポーター遺伝子を含むDNA構築物を有する適
    当な宿主細胞を用意し、 (b)請求項4または5に記載のDNA配列の断片またはすべてと該転写因子の
    該DNA結合ドメインかまたは該活性化ドメインのいずれかとの第一の融合物を
    コードする第一のハイブリッドDNA配列を該宿主細胞で発現させ、 (c)調べようとする推定の結合タンパク質と該第一の融合物には導入しなかっ
    た該転写因子の該DNA結合ドメインかまたは活性化ドメインのいずれかとをコ
    ードする少なくとも一つの第二のハイブリッドDNA配列を該宿主細胞で発現さ
    せ、ついで (d)該宿主細胞中にリポーター遺伝子産物の生成を検出することにより、調べ
    ようとするタンパク質と請求項1ないし3のいずれかに記載のタンパク質との結
    合を検出する ことを含む方法。
  55. 【請求項55】 医薬として使用するために請求項50ないし54のいずれ
    かに記載の方法により同定されたタンパク質。
  56. 【請求項56】 ニューロン再生、血管再生または創傷治癒の促進ための、
    または慢性神経変性疾患または急性外傷性障害または線維症疾患または慢性関節
    リウマチもしくは硬化症などの自己免疫疾患の治療のための医薬を製造するため
    の、請求項50ないし54のいずれかに記載の方法により同定されたタンパク質
    の使用。
  57. 【請求項57】 請求項50ないし54のいずれかに記載の方法により同定
    されたタンパク質、および製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含
    む医薬組成物。
  58. 【請求項58】 請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのU
    NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログの製造方法であって、請求項12ない
    し14のいずれかに記載の細胞を培養し、ついで発現されたUNC−53タンパ
    ク質の該脊椎動物ホモログを回収することを含む方法。
  59. 【請求項59】 請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのU
    NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログの製造方法であって、組換えバキュロ
    ウイルスベクターでトランスフェクションした昆虫細胞を培養し、その際、該ベ
    クターはバキュロウイルスのポリヘドリンプロモーターの下流にUNC−53タ
    ンパク質の該脊椎動物ホモログをコードするDNA挿入物を含んでおり、ついで
    発現されたUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログを回収することを含む方
    法。
  60. 【請求項60】 ある化合物が請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エ
    レガンスのUNC−53の脊椎動物ホモログの発現のインヒビターまたはエンハ
    ンサーであるか否かを検出する方法であって、該ホモログを発現する細胞を該化
    合物と接触させ、ついで該化合物と接触させなかった対照細胞と比較した表現型
    の変化をモニターすることを含む方法。
  61. 【請求項61】 該細胞が請求項12ないし19のいずれかに記載の細胞を
    含む、請求項60に記載の方法。
  62. 【請求項62】 該細胞が接触阻害の喪失を受けている請求項60に記載の
    方法。
  63. 【請求項63】 試験すべき該化合物が核酸を含む請求項60ないし62の
    いずれかに記載の方法。
  64. 【請求項64】 該核酸配列がアンチセンスDNAまたはRNA配列を含む
    、請求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 該mRNA配列が該脊椎動物ホモログをコードするmRN
    Aの3'非翻訳領域を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 試験すべき該化合物が、該脊椎動物ホモログの機能を阻害
    するのに潜在的に適したアミノ酸配列を有するタンパク質を含む、請求項60な
    いし62のいずれかに記載の方法。
  67. 【請求項67】 該タンパク質が請求項50ないし54のいずれかに記載の
    方法により同定されたタンパク質を含む、請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 製薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とともに
    請求項60ないし67のいずれかに記載の方法により同定された化合物を含む医
    薬組成物。
  69. 【請求項69】 医薬として使用するために請求項63ないし65のいずれ
    かに記載の方法により同定された核酸配列。
  70. 【請求項70】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモ
    ログによって媒体される接触阻害の喪失または癌の治療のための医薬を製造する
    ための、請求項63ないし65のいずれかに記載の方法により同定された核酸配
    列の使用。
  71. 【請求項71】 C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモ
    ログをコードする遺伝子の発現を抑制するための医薬を製造するための、請求項
    69に記載の核酸配列の使用。
  72. 【請求項72】 脊椎動物細胞中での請求項1ないし3のいずれかに記載の C.エレガンス のUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログの発現を検出する
    ためのアッセイであって、細胞またはその抽出液を該脊椎動物ホモログに対する
    抗体と接触させ、その際、該抗体はリポーター分子に結合されており、未結合の
    抗体を除去し、ついで該リポーター分子の存在をモニターすることを含む方法。
  73. 【請求項73】 該リポーター分子が適当な蛍光団または検出可能な酵素と
    コンジュゲートした抗体である、請求項72に記載のアッセイ。
  74. 【請求項74】 請求項1ないし3のいずれかに記載のC.エレガンスのU
    NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログをコードする遺伝子の発現を検出する
    方法であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の該脊椎動物ホモログをコー
    ドするまたは対応する核酸またはタンパク質配列に特異的なプローブを細胞抽出
    液と接触させ、その際、該プローブはリポーターに連結されており、ついで該リ
    ポーターの存在について分析することを含む方法。
  75. 【請求項75】 該プローブが、UNC−53タンパク質の該脊椎動物ホモ
    ログをコードする該遺伝子から転写されたmRNAの所定の領域に相補的な配列
    を含む、請求項74に記載の方法。
  76. 【請求項76】 該相補的な配列が該mRNAの3'または5'非翻訳領域で
    ある、請求項75に記載の方法。
  77. 【請求項77】 該リポーターが放射性標識を含む、請求項74または76
    に記載の方法。
  78. 【請求項78】 該プローブが請求項1ないし3のいずれかに記載の該UN
    C−53タンパク質の該脊椎動物ホモログに特異的な抗体を含む、請求項74に
    記載の方法。
  79. 【請求項79】 該リポーターが検出可能な蛍光団または酵素にコンジュゲ
    ートした抗体を含む、請求項78に記載の方法。
  80. 【請求項80】 ある化合物が請求項1ないし3のいずれかに記載の脊椎動
    物ホモログの微小管またはそのプラス端領域への会合のインヒビターまたはエン
    ハンサーであるか否かを決定する方法であって、 (a)該化合物をUNC−53タンパク質または該脊椎動物ホモログを発現する
    トランスジェニック細胞、組織または生物体と接触させ、その際、該タンパク質
    はリポーター分子に作動可能に連結されており、ついで (b)該化合物と接触していない工程(a)の細胞と比較して該リポーター分子
    の局在化をスクリーニングする ことを含む方法。
  81. 【請求項81】 請求項80に記載の方法によって同定した化合物。
  82. 【請求項82】 医薬として使用するための請求項81に記載の化合物。
  83. 【請求項83】 ニューロン再生、血管再生または創傷治癒の促進ための、
    または慢性神経変性疾患または急性外傷性障害または線維症疾患または慢性関節
    リウマチもしくは硬化症などの自己免疫疾患の治療のための医薬を製造するため
    の、該脊椎動物ホモログと微小管またはそのプラス端領域との会合のエンハンサ
    ーとしての請求項81に記載の化合物の使用。
  84. 【請求項84】 請求項81または82に記載の化合物、および製薬学的に
    許容しうる担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物。
  85. 【請求項85】 ある化合物が請求項1ないし3のいずれかに記載の脊椎動
    物ホモログの微小管またはそのプラス端領域への会合のインヒビターまたはエン
    ハンサーであるか否かを決定するためのキットであって、該ホモログおよびリポ
    ーター分子を発現する少なくとも一つのトランスジェニック細胞または請求項1
    2ないし19のいずれかに記載の細胞および対照として使用するための同じ細胞
    型の少なくとも一つの細胞、および該化合物を該少なくとも一つのトランスジェ
    ニック細胞と接触させるための手段を含むキット。
  86. 【請求項86】 請求項1ないし3のいずれかに記載の脊椎動物ホモログと
    微小管またはそのプラス端領域との会合のインヒビターまたはエンハンサーとし
    て同定された化合物に連結した該脊椎動物ホモログを含む、該化合物を該微小管
    またはそのプラス端領域へターゲティングするのに使用するための組成物。
  87. 【請求項87】 細胞形質転換剤または細胞トランスフェクション剤をさら
    に含む、請求項86に記載の組成物。
  88. 【請求項88】 タンパク質を細胞微小管またはそのプラス端領域にターゲ
    ティングする方法であって、宿主細胞、組織または生物体中に請求項1ないし3
    のいずれかに記載の脊椎動物ホモログを発現しうる配列を含むトランスジーンを
    導入することを含み、その際、キメラタンパク質が発現されてターゲティングす
    べき該タンパク質が該微小管またはそのプラス端領域にターゲティングされるよ
    うに、該配列が該タンパク質をコードする配列に作動可能に連結されていること
    を特徴とする方法。
  89. 【請求項89】 請求項1ないし3のいずれかに記載の脊椎動物ホモログを
    共有結合的に修飾する分子の同定方法であって、 (a)該脊椎動物ホモログを発現する細胞からの抽出液を候補の修飾酵素を含む
    酵素混合物とタンパク質の共有結合修飾のインヒビターの存在下で接触させ、 (b)工程(a)の共有結合的に修飾したUNC−53タンパク質を同定し、つ
    いで (c)該修飾工程に関与した該分子を同定する ことを含む方法。
  90. 【請求項90】 該指標が32Pを含む請求項89に記載の方法。
  91. 【請求項91】 請求項1ないし3のいずれかに記載の脊椎動物ホモログの
    毒性を軽減または増大させる化合物を同定する方法であって、該化合物を請求項
    18に記載の細胞、組織または生物体と接触させ、ついで該微小管またはそのプ
    ラス端領域に隣接する該リポーター分子の存在をモニターすることを含む方法。
  92. 【請求項92】 図1aに示すヌクレオチド配列によってコードされ、該ヌ
    クレオチド配列は位置2873〜3043、3098〜3121または3518
    〜3526のヌクレオチド領域のいずれかを欠如している、C.エレガンスのU
    NC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたはその機能性の等価物、誘導体ま
    たは生物学的前駆体。
  93. 【請求項93】 図1bに示すアミノ酸配列を有し、残基958〜1014
    、1033〜1040または1173〜1175のヌクレオチド領域の1または
    それ以上を欠如しており、または該アミノ酸配列と1またはそれ以上の保存的ア
    ミノ酸変化において異なる、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動
    物ホモログまたはその機能性の等価物、誘導体または生物学的前駆体。
  94. 【請求項94】 図1cに示すヌクレオチド配列によってコードされ、該ヌ
    クレオチド配列は配列位置1〜366が図1cの変異体1〜3として同定される
    配列で置換されており、および/または該配列は位置5624〜6024の領域
    を欠如している、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログ
    またはその機能性の等価物、誘導体または生物学的前駆体。
  95. 【請求項95】 図1dにおいて同定されるアミノ酸配列または図1dの配
    列の位置1〜89のアミノ酸配列が変異体1〜3の配列で置換された配列を有し
    、および/または該配列は位置1776〜1778のアミノ酸配列を欠如してい
    る、C.エレガンスのUNC−53タンパク質の脊椎動物ホモログまたはその機
    能性の等価物、誘導体または生物学的前駆体。
  96. 【請求項96】 受託番号LMBP3936で寄託されているプラスミドp
    G313303。
  97. 【請求項97】 受託番号LMBP3937で寄託されているプラスミドp
    G13305。
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