JP2002514429A - 組換えα−L−イズロニダーゼ、その生成及び精製方法及びその欠損により引き起こされる疾病の治療方法 - Google Patents

組換えα−L−イズロニダーゼ、その生成及び精製方法及びその欠損により引き起こされる疾病の治療方法

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JP2002514429A JP2000548482A JP2000548482A JP2002514429A JP 2002514429 A JP2002514429 A JP 2002514429A JP 2000548482 A JP2000548482 A JP 2000548482A JP 2000548482 A JP2000548482 A JP 2000548482A JP 2002514429 A JP2002514429 A JP 2002514429A
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ディー. カッキス,エミル
ターナマチ,ベッキー
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ハーバー−ユーシーエルエー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、組換えα−L-イズロニダーゼ及びその生物学的活性フラグメント及び変異体、この酵素の生成及び精製方法、及びα−L-イズロニダーゼ欠失及びムコ多糖症I(MPS−I)を包含する一定の遺伝子障害を処理する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、分子生物学、酵素学、生化学及び臨床医学の分野に関する。特に、
本発明は、組換えα−L-イズロニダーゼ(iduronidase)、この酵素を生成及び精
製するための方法、及びある遺伝子障害、たとえばα−L-イズロニダーゼ欠失及
びムコ多糖症(mucopoly sacchari dosis) I型(MPS I)を処理する方法を提供
する。
【0002】 発明の背景 炭水化物は、生きている生物体の機能において多くの重要な役割を演じる。そ
れらの代謝役割の他に、炭水化物は、多くの他の存在物、たとえばタンパク質及
び脂質に共有結合されるヒト身体の構造成分(複合糖質と呼ばれる)である。た
とえば、ヒト結合組織及び細胞膜は、タンパク質、炭水化物及びプロテオグリカ
ンマトリックスを含んで成る。このプロテオグリカンマトリックスの炭水化物部
分は、身体の構造に重要な性質を付与する。
【0003】 炭水化物−分解性リソソーム(lysosom) 酵素α−L-イズロニダーゼの遺伝子
欠損は、ムコ多糖症I型(MPS I)として知られているリソソーム貯蔵障害を引き
起こす(Neufeld, E. F., and Muenzerl, J. (1989), The Mucopolysaccharidos
es in "The Metabolic Basis of Inherited Disease" (Scriver, C.R., Beaudet
, A.L., Sly, W.S., and Valle, D., Eds.), pp. 1565-1587, McGraw-Hill, New
York)。
【0004】 厳密な形においては、MPS Iは通常、Hurler症候群として知られており、そし
て複数の問題、たとえば精神遅滞、角膜の曇り、粗雑な顔面特徴、心疾患、肝臓
及び脾臓拡大、ヘルニア及び関節硬化に関連する。Hurler症候群を有する患者は
通常、10才前に死亡する。Hurler-Scheie症候群として知られる中間形において
は、精神機能は一般的に強く影響されないが、しかし物理的問題が十代又はニ十
代までに死亡を導く。Scheie症候群は、MPS Iの中間形である。それは正常な生
命期間と適合するが、しかし関節硬化、角膜の曇り及び心臓弁障害が実質的な問
題を引き起こす。
【0005】 MPS Iの頻度は、すべての新生児のBritish Columbia での調査によれば1:100,
000 (Lowryなど., Human Genetics 85:389-390 (1990))及びIrish研究によれば1
:70,000 (Nelson, Human Genetics 101:355-358 (1990))であることが評価され
ている。この疾患について民族的な先入観が存在するとは思われない。患者は診
断が行われる前、合併症で死亡するので、または軽い微候形が関節炎のために判
断を誤らせ、又は完全に誤られるので、それらの疾病は、世界中においては過少
診断されていると思われる。MPS Iについての効果的な新生児スクリーニングは
、たぶん、これまで検出されていないいくらかの患者を見出すであろう。
【0006】 骨髄移植を除いて、MPS Iについて利用できる有意な治療法は存在しない。骨
髄移植は、その障害の微候のいくつかを処理するには効果的であるが、しかしMP
S Iにおける高い罹病率及び死亡率を有し、そしてしばしば、適切なドナーの欠
乏のために、患者に利用できない。すべての病気の患者に利用できる他の治療法
は、この疾病の処理及び管理上重要な進歩を提供するであろう。
【0007】 酵素置換治療法は、α−L-イズロニダーゼが培養においてHurler細胞における
酵素欠損を適切にすることができる発見に続いて、MPR Iについての可能性ある
治療であると長く考えられて来た。この調整方法においては、マンノース−6−
ホスフェート残基を含む酵素が受容体−介在性エンドサイトーシスを通して細胞
中に摂取され、そしてリソソーム中に輸送され、ここでそれは、貯蔵された基質
、ヘパラン硫酸、及びデルマタン硫酸を清浄する。
【0008】 ヒトへのこの治療法の適用は、組織におけるα−L-イズロニダーゼの不適切な
源のために、これまで不可能であった。この酵素置換の概念は、最初に、修飾さ
れた胎盤グルコセレブロシダーゼにおいて、Gaucher患者に効果的に適用された
。Gaucher患者におけるグルコセレブロシダーゼの供給及び効果的な摂取は、酵
素が効果的な治療を提供するために十分な量でインビボで摂取され得ることを示
した。
【0009】 MPS Iにおけるα−L-イズロニダーゼ酵素に関しては、酵素の組換え源が、酵
素の治療的に十分な供給を得るために必要とされて来た。哺乳類酵素は、1990年
クローン化されており(Stoltzfusなど., J. Biol. Chem. 2670-6570 (1992))
、そしてヒト酵素は1991年クローン化されている(Moskowitzなど., FASEB J6:
A77 (1992))。
【0010】 発明の簡単な要約 1つの観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼを、その酵素を用い
て治療的に可能にする量で製造する方法を特徴とする。広い態様においては、前
記方法は、α−L-イズロニダーゼのすべて又は一部をコードするcDNAを、その発
現のために適切な細胞中にトランスフェクトする段階を含んで成る。いくつかの
態様においては、完全なα−L-イズロニダーゼ、好ましくはヒトα−L-イズロニ
ダーゼをコードするcDNAが使用される。
【0011】 しかしながら、他の態様においては、その生物学的活性フラグメント又は変異
体をコードするcDNAが使用され得る。特に、1又は複数のアミノ酸置換が、酵素
の生物学的活性を保存し又は増強しながら、行われ得る。他の好ましい態様にお
いては、発現ベクターが、その発現のために適切な細胞又は細胞系中にcDNAを移
行するために使用される。1つの特に好ましい態様においては、cDNAは、細胞系
2.131を創造するために、チャイニーズハムスター卵巣細胞中にトランスフェク
トされる。さらに他の好ましい態様においては、その生成方法は、特に高い生成
レベルを示した次の1又は複数の特徴を示す:
【0012】 (a)細胞増殖培養物のpHが生成工程の間、約6.5〜6.8に低下せしめ、 (b)培地の約2/3〜3/4がほぼ12時間ごとに変えられ得、 (c)酵素飽和が断続的純酸素スパージングを用いて、約80%で最適化され得
、 (d)約10%の血清を有する微粒子担体が最初に、生成のためのタンパク質不
含有への急速な流失により細胞マスを生成するために使用され得、
【0013】 (e)タンパク質不含有又は低タンパク質培地、たとえばJRH Biosciences PF-
CHO生成物が、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、リボヌクレオシド及
びデオキシリボヌクレオシドから成る群から選択された1又は複数の成分の充填
量を含むよう最適化され得、 (f)灌流棒、たとえばBellco灌流が、標準の意図された灌流方法よりもむし
ろ頻繁なバッチ供給工程に使用され得、そして (g)軽い酪酸ナトリウム誘発工程が、高められたα−L-イズロニダーゼ発現
を誘発するために使用され得る。
【0014】 第2の観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼを、その酵素の治療
的使用を可能にする量で生成する能力を特徴とするトランスフェクトされた細胞
系を提供する。好ましい態様においては、本発明は、組換えチャイニーズハムス
ター卵巣細胞系、たとえばα−L-イズロニダーゼの治療的使用を可能にする量の
その酵素を、安定し且つ信頼して生成する2.131細胞系を特徴とする。いくつか
の好ましい態様においては、前記細胞系は、発現構造体の少なくとも約10のコピ
ーを含むことができる。さらにより好まし態様においては、細胞系は、組換えα
−L-イズロニダーゼを、少なくとも20〜40μg/107細胞/日の量で発現する。
【0015】 第3の観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼの治療的使用を可能
にする量でその酵素を生成するために適切な新規ベクターを提供する。好ましい
態様においては、本発明は、サイトメガロウィルス プロモーター/エンハンサ
ー要素、ネズミCaイントロから成る5'側イントロン、α−L-イズロニダーゼのす
べて、又はそのフラグメント又は変異体をコードするcDNA、及び3'側ウシ成長ホ
ルモンポリアデニル化部位を含んで成る発現ベクターを特徴とする。
【0016】 また、好ましくは、α−L-イズロニダーゼのすべて、又はそのフラグメント又
は変異体をコードするcDNAは、約2.2kbの長さである。発現ベクターは、複数の
コピー挿入を増強するために、いずれかの適切な通常の選択ベクター、たとえば
pSV2NEOにより50:1の比でトランスフェクトされ得る。他方では、遺伝子増幅
が複数コピーの挿入を誘発するために使用され得る。
【0017】 第4の観点においては、本発明は、本発明の方法に従って生成され、そしてそ
れにより、α−L-イズロニダーゼの治療的使用を可能にする量で存在する新規の
α−L-イズロニダーゼを提供する。本発明のα−L-イズロニダーゼの比活性は、
mgタンパク質当たり200,000単位以上で存在する。好ましくは、それは、mgタン
パク質当たり約240,000単位以上で存在する。本発明のα−L-イズロニダーゼの
分子量は約82,000ドルトンであり、約70,000ドルトンがアミノ酸であり、そして
約12,000ドルトンが炭水化物である。
【0018】 第5の観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼを精製する新規方法
を特徴とする。第1の態様によれば、細胞マスが約10%の血清を含む培地におい
て増殖され、続いて、製造のために高い比活性の出発材料を生成するために、い
ずれの有意な適合化も伴わないで、タンパク質を含まない改変された生産培地に
交換され得る。好ましくは、前記α−L-イズロニダーゼの組換え生成のために必
要とされ得る外因性材料、たとえばPluronics F-68、すなわち、スパージングに
よる損傷から細胞を保護するための通常使用される界面活性剤の除去を可能にす
る濃縮/ダイアフィルトレーションスキームが使用される。
【0019】 そのような外因性材料は、通常、カラムの汚れを妨げるために粗大量物から分
離されるべきである。もう1つの好ましい態様においては、最初のカラム充填物
は、タンパク質不含有配合物に見出されるウロン酸の競争阻害効果を最少にする
ために酸性化される。また、好ましくは、ヘパリン、フェニル及びサイジングカ
ラム精製スキームが、自動段階及び効果的培地を用いて、純粋な酵素を生成する
ために使用される。
【0020】 もう1つの好ましい態様においては、ヘパリン及びフェニルカラム段階が、傷
つけられ、又は分解される不所望のほとんどのα−L-イズロニダーゼを排除する
ために使用される。 もう1つの好ましい態様においては、酸pH処理段階が、酵素を傷つけないで、
可能性あるウィルスを不活性化するために使用される。
【0021】 第6の観点においては、本発明は、もっぱらの原因又は原因の一部分として、
α−L-イズロニダーゼの欠損により引き起こされる疾病を処理する新規方法を特
徴とする。1つの態様においては、本発明は、組換えα−L-イズロニダーゼ又は
その生物学的活性フラグメント又は変異体を、単独で又は医薬的に許容できるキ
ャリヤーと組合して投与することを特徴とする。他の態様においては、本発明は
、α−L-イズロニダーゼのすべて又は一部をコードする核酸を、インビボで1又
は複数の宿主細胞中にトランスフェクトすることを特徴とする。好ましい態様は
、疾病微候を効果的に改善するために、処理されるべき生物、好ましくは哺乳類
又はヒトへの投与量を最適化することを包含する。好ましい態様においては、疾
病は、ムコ多糖症I型(MPS I)、Huler 症候群、Hurler-Scheie 症候群又はSche
ie 症候群である。
【0022】 第7の観点においては、本発明は、もっぱらの原因又は原因の一部分として、
α−L-イズロニダーゼの欠損により引き起こされる疾病を処理するために有用な
、α−L-イズロニダーゼを含んで成る新規医薬組成物を特徴とする。そのような
組成物は、多くの手段、たとえば非経口、局部、鼻腔内、吸入又は経口投与での
投与のために適切である。α−L-イズロニダーゼにより影響される細胞中にイン
ビボ投与され得る、α−L-イズロニダーゼのすべて又は一部をコードする核酸配
列を特徴とする態様は、この観点の範囲内である。
【0023】 発明の特定の記載 1つの観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼの治療的作用を可能
にする量で前記酵素を生成する方法を特徴とする。一般的に、この方法は、α−
L-イズロニダーゼのすべて、又はその生物学的活性フラグメント又は変異体をコ
ードするcDNAにより適切な細胞系を形質転換することを特徴とする。当業者は、
それらによりトランスフェクトされた適切な細胞系におけるα−L-イズロニダー
ゼの最適な生成について本明細書に発現的に記載される構造体以外の発現構造体
を調製することができる。さらに、当業者は、天然に存在する十分な長さの酵素
に対して同じか又は類似する生物学的活性を有する、天然に存在するα−L-イズ
ロニダーゼの生物学的フラグメント及び変異体をコードするcDNAのフラグメント
を容易に企画することができる。
【0024】 α−L-イズロニダーゼのための組換え源を創造するために、多くの一連の発現
ベクターを構成し、そしてα−L-イズロニダーゼcDNAの発現について試験する。
過渡的トランスフェクション実験及び安定したトランスフェクションに基づいて
、特に高レベルの発現を提供する発現構造体が同定され得る。本発明の1つの態
様においては、α−L-イズロニダーゼ発現構造体のトランスフェクション及び高
い発現クローンについての選択により開発されたチャイニーズハムスター細胞系
2.131が特に高いレベルの発現を提供する。
【0025】 本発明のこの態様のそのようなチャイニーズハムスター細胞系は、正常な細胞
系よりも約5,000〜7,000倍、高くα−L-イズロニダーゼを分泌することができる
。それにより生成されるα−L-イズロニダーゼは、正しくプロセッシングされ、
高い親和性を伴って細胞中に取り込まれ、そしてα−L-イズロニダーゼ欠失細胞
、たとえばHurler's症候群を有する患者からの細胞に対して調整的である。
【0026】 治療的酵素の使用を可能にする量でα−L-イズロニダーゼを生成するための方
法は、多量の酵素を生成するような特別に企画された生成方法を特徴とする。そ
のような方法の好ましい態様によれば、付着性細胞を増殖する低費用の計量可能
な表面として微粒子担体が使用される。
【0027】 本発明のα−L-イズロニダーゼを生成するための方法の他の好ましい態様によ
れば、培養物システムが最適化される。第1の態様においては、培養物pHが、生
成工程の間、約6.5〜7.5, 好ましくは約6.7〜6.8に低められる。そのようなpHの
1つの利点は、酸性pHでより安定するリソソーム酵素の蓄積を増強することであ
る。 第2の態様においては、培地の約2/3〜3/4がおよそ12時間ごとに変えられる。
この方法の1つの利点は、組換えα−L-イズロニダーゼの分泌速度を増強し、そ
してより活性的な酵素を捕獲することである。
【0028】 第3の観点においては、酸素飽和が、連続的スパージングよりもむしろ断続的
純酸素スパージングを用いて約80%で最適化される。 第4の観点においては、約10%の血清を有するCytodex 2微粒子担体が最初に
、生成のためのタンパク質不含有培地への急速な流失(wash out shift)により
細胞マスを生成するために使用される。 第5の態様においては、増殖培地、たとえばJRH Biosciences PF-CHO 生成物
が、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシル、リボヌクレオシド及びデオキシ
リボヌクレオシドから成る群から選択された、補充量の1又は複数の成分を含む
よう最適化され得る。
【0029】 第6の態様においては、灌流棒(perfusion wand)、たとえばBellco灌流棒が
、標準の意図された灌流工程よりもむしろ頻繁なバッチ−供給工程において使用
され得る。 第7の態様においては、軽い酪酸ナトリウム誘発工程が、酵素の炭水化物プロ
セッシング及び細胞摂取に対して実質的な影響を及ぼさないで、高められたα−
L-イズロニダーゼ発現を誘発するために使用され得る。そのような誘発工程は、
翻訳後プロセッシングを有意に変更しないで、生産の約2倍の増加を提供するこ
とができる。
【0030】 本発明のα−L-イズロニダーゼを生成するための方法の特に好ましい態様は、
本明細書に記載される、1つの、1つより多く又はすべての最適化を特徴とする
。従って、本発明の生成方法は、次の特徴を有する生成培養方法を提供する:
【0031】 1.Cytodex 2ビーズ又はその同等物を用いての、微粒子担体に基づく培養が
、Bellco 灌流棒又はその同様物を用いて、オーバーヘッド棒撹拌による大規模
培養フラスコにおいて、好ましくは使用される。それらのビーズへの結合が、リ
ボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、ピルビン酸塩、非必須アミノ酸及
びHEPESを包含する成分により約6.7〜6.9のpHで変性されたDME/F12(1:1)培
地中、10%ウシ胎児血清においての培養により達成され得る。この培地での約3
日後、洗浄工程が開始され、ここでタンパク質不含有培地が、合計約3〜4回の
洗浄のために、およそ12時間ごとに培地の約2/3を置換される。連続的に、及び
残る全培養期間を通して、細胞がタンパク質不含有培地において培養される。
【0032】 2.培養条件は好ましくは、80%空気飽和の溶存酸素、約6.7のpH及び約37℃
の温度で維持される。これは、操作タワー、サービスユニット及び適切なプロー
ブ、たとえばWheatonにより製造されるそれらのプローブを用いて達成され得る
。しかしながら、当業者は、これが他の製造業者により生成される同等の制御シ
ステムにより容易に達成され得ることを容易に理解するであろう。約80%の空気
飽和が、40%及び60%の空気飽和よりも改良されたα−L-イズロニダーゼ分泌を
もたらす。
【0033】 しかしながら、90%の空気飽和は、80%の空気飽和よりも有意に増強された分
泌を提供しない。溶存酸素は、5ミクロンのステンレス鋼スパージャー又はその
同等物を用いて、断続的純酸素スパージングにより供給され得る。約6.7のpHが
、α−L-イズロニダーゼ酵素の蓄積のために最適である。酵素は特に、約7.0以
上のpHで不安定である。約6.7のpH以下で、特に約6.5のpH以下で分泌は低下する
。従って、培養物は、最適には、約6.6〜6.8のpHで維持される。
【0034】 3.生産培養培地は、Excell PF CHOと呼ばれるJRH Biosciencesからの市販の
培地の改変形であり得る。この培地は、細胞系、たとえば2.131細胞系を用いて
血清の分泌レベルに等しい分泌レベルを支持する。それは好ましくは、約6.7(
+/-0.1)の酸性pHを包含するよう変性され得、そしてそれは7.5mMでのHEPESに
より緩衝化され得る。培地は、0.05〜0.1%のPluronics F-68(BASF)、非イオ
ン性界面活性剤、又は散布に関連する剪断力から細胞を保護する利点を特徴とす
るその同等物を含むことができる。
【0035】 この培地はさらに、現在入手できる他のタンパク質不含有よりも培地の生産性
を高めることにおいて重要であることがわかっている市販のサプリメントを含む
ことができる。当業者は、培養培地選択が特定の時点で利用できる特定の市販の
態様に従って、連続的に最適化され得ることを容易に理解するであろう。そのよ
うな変化は、わずかな通常の実験を包含し、そして本発明の範囲内にあることが
意図される。
【0036】 4.生成培地は、出発培地と消費された培地とを比較するためアミノ酸分析機
を用いて分析され得る。そのような分析は、2.131細胞が標準PF CHO培地のグリ
シン、グルタミン酸及びアスパラギン酸を、出発濃度の約10%のレベルに消耗す
ることを示した。それらのアミノ酸の高レベルへの補充は、ベースラインでより
も2〜3倍高い生成を導く増強された培養密度及び生産性をもたらすことができ
る。当業者は、本発明の範囲内の他の細胞系が本発明に従ってα−L-イズロニダ
ーゼを生成するために同等に有用であることを理解するであろう。従って、多か
れ少なかれ、補充栄養物は培地を最適化するために必要とされ得る。そのような
最適化は、本発明の範囲内であることが意図され、そして過度の実験を伴わない
で行われ得る。
【0037】 5.培地は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ欠失細胞系2.131を支持するためにリ
ボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドにより補充され得る。当業者は、
本発明の範囲内の他の細胞系が本発明に従ってα−L-イズロニダーゼを生成する
ために同等に有用であることを理解するであろう。従って、多かれ少なかれ、リ
ボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドが、培地を最適化するために必要
とされ得る。そのような最適化は、本発明の範囲内であることが意図され、そし
て過度の実験を伴わないで行われ得る。
【0038】 6.約3〜4日の培養で集密性に達した後、培地の約2/3をおよそ12時間ごと
に変えることができる。培地の交換は、たとえば中央での中空及びその先端でス
クリーンフィルターを有する撹拌装置であるBellco灌流棒を用いて、40ミクロン
のスクリーンを通して前記棒の中空内部を通して培地を取り出すことによって達
成され得る。2.131細胞マスを有する微粒子担体が、前記酵素を含む上清液から
分離される。
【0039】 7.培地の急速且つ頻繁なターンオーバーは、細胞培養物からの酵素の改良さ
れた収集をもたらすために生産性研究により示されて来た。低頻度の交換ほど、
酵素の全体的な蓄積は低い。12時間の培養サイクル間での酵素の分泌速度の研究
は、細胞がその培養期間の大部分の間、酵素を活性的に分泌することを示す。よ
り頻繁な交換は、実質的により一層の酵素を生成する見込みはない。この態様の
方法は、培養物を灌流するには卓越し、そして完全なバッチ培養、又は毎日又は
1日おきでのバッチ/供給方法よりも相当に卓越していることがわかっている。
おおよそ12時間ごとでの交換を行えば、細胞は、高い程度の生存度及び高レベル
の生産性を有する卓越した条件で維持され得る。
【0040】 8.α−L-イズロニダーゼの生成は、遺伝子発現の酪酸ナトリウム誘発の使用
により増強され得る。2.131細胞系の系統的研究は、約2mMの酪酸塩が適用され得
、そして炭水化物プロセッシングに対する最少の効果を伴って、酵素生成の約2
倍又はそれ以上の誘導をもたらすことを示した。低レベルの酪酸塩はまた、誘導
することを示されておらず、そして実質的に高レベルが高い誘導性をもたらすが
、しかしα−L-イズロニダーゼ欠失を有する患者からの細胞に関して、生成され
た酵素の親和性の低下をもたらす。
【0041】 この結果は、2倍又はそれよりも高い誘導が炭水化物の低いプロセッシング及
び酵素へのリン酸塩の低い付加、並びに上昇する毒性をもたらすことを示唆する
。1つの特に好ましい方法は、培養系への48時間ごとでの2mMの酪酸塩添加を用
いる。この態様は、酵素の摂取親和性(30U/ml又は2.0mMよりも低いK−摂取)に
対する有意な効果を伴わないで、この方法を用いての酵素生成の約2倍の誘発を
もたらす。上記修飾及び誘発のすべてを特徴とする本発明の態様を用いれば、15
Lの培養系が、ピーク培養密度で、1日当たり25mg/l、又はそれ以上の培養物を
生成することができる。
【0042】 第2観点においては、本発明は治療的酵素の使用を可能にする量でα−L-イズ
ロニダーゼを生成するユニーク能力を有するトランスフェクトされた細胞系を提
供する。好ましい態様においては、本発明は、組換えチャイニーズハムスター卵
巣細胞系、たとえばα−L-イズロニダーゼを安定し且つ信頼して生成する2.131
細胞系を特徴とする。好ましい態様においては、前記細胞系は、CMVプロモータ
ー、Caイントロン、ヒトα−L-イズロニダーゼcDNAがウシ成長ホルモンポリアデ
ニル化配列を含んで成る発現構造体の少なくとも10のコピーを含むことができる
【0043】 さらにより好ましい態様においては、細胞系は、酵素置換治療のために適切な
、正しくプロセッシングされた、高い摂取形で、107個の細胞・1日当たり少な
くとも20〜30μgの量でα−L-イズロニダーゼを発現する。本発明のこの観点の
好ましい態様によれば、治療的酵素の使用を可能にする量でα−L-イズロニダー
ゼを生成するよう適合された、トランスフェクトされた細胞系は、1又は複数の
次の特徴を有する:
【0044】 1.好ましい態様の細胞系は、親細胞に由来し、ここで前記細胞は、それらが
より小さなサイズ及び急速な増殖速度を獲得するまで、及びそれらが基質に容易
に結合するまで、培養において継代される。
【0045】 2.好ましい態様の細胞系は、前記2及び3、約2.2kbの長さのヒトcDNA、及
び3'側ウシ成長ホルモン サイトメガロウィルス プロモーター/エンハンサー
要素、エキソンポリアデニル化部位間のネズミCaイントロンから成る5'側イント
ロンを含む発現ベクターによりトランスフェクトされる。この発現ベクターはた
とえば、いずれかの通常の選択ベクター、たとえばpSV2NEOにより、50:1の比
でトランスフェクトされ得る。前記選択ベクターpSV2NEOは、都合良くトランス
フェクトされた細胞に対してG418耐性を付与する。
【0046】 特に好ましい態様においては、約5:1の比が、複数のコピー数の挿入体の獲
得を増強するので使用される。チャイニーズハムスター卵巣細胞系2.131が提供
される1つの態様によれば、α−L-イズロニダーゼのための発現ベクターの約10
のコピーが存在する。そのような細胞系は、多量のヒトα−L-イズロニダーゼを
生成する能力を示した(最少20μg/106細胞/日)。特に好ましい態様、たとえば
2.131細胞系は、6位置でリン酸により修飾された高いマンノース鎖を含むN−結
合されたオリゴ糖を、高い親和性を有する酵素(3nM以上のK−摂取)を生成する
のに十分な量で含む、正しくプロセッシングされた酵素を生成する能力を有する
【0047】 3.本発明の細胞系、たとえばチャイニースハムスター卵巣細胞系2.131から
生成される酵素は、細胞中に急速に同化され、グリコサミノグリカン貯蔵を排除
し、そしてα−L-イズロニダーゼ欠失を有する患者からの細胞において約5日の
半減期を有する。 4.好ましい態様の細胞系、たとえば2.131細胞系は、大規模培養に適合し、
そしてそれらの条件下でヒトα−L-イズロニダーゼを安定して生成する。好まし
い態様の細胞は、増殖することができ、そしてα−L-イズロニダーゼの増強され
た蓄積が生じ得る約6.6〜6.8の酸性pHでα−L-イズロニダーゼを分泌する。
【0048】 5.本発明の細胞系、たとえば2.131細胞系の特に好ましい態様は、特別に配
合されたタンパク質不含有を用いて1日当たり2度、1ml当たり2,000単位(8μ
g/ml)以上のレベルでヒトα−L-イズロニダーゼを分泌することができる。
【0049】 第3の観点においては、本発明は、治療的酵素の使用を可能にする量でα−L-
イズロニダーゼを生成するのに適切な新規ベクターを提供する。適切な量の組換
えα−L-イズロニダーゼの生成は、その酵素の構造についての研究、及び酵素置
換療法のための決定的な先行条件である。本発明の細胞系は、摂取のために適切
にプロセッシングされる、有意な量の組換えα−L-イズロニダーゼの生成を可能
にする。
【0050】 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における過剰発現が、3種の他のリ
ソソーム酵素、すなわちα−ガラクトシダーゼ(Ioannouなど., J. Cell. Biol.
119: 1137-1150 (1992))、イズロネート2−スルファターゼ(Bielickiなど.,
Biochem. J. 289: 241-246 (1993))、及びN−アセチルガラクトサミン4−ス
ルファターゼ(Ansonなど., Biochem. J. 284: 789-794 (1992))について、種
々のプロモーター及び1つの場合、増幅を用いて、記載されている。
【0051】 本発明は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ欠失CHO細胞系を特徴とするが、しかし
本発明の好ましい態様によれば、増幅は必要ではない。さらに、本発明は、CMV
即座初期遺伝子プロモーター/エンハンサーを用いてのヒトα−L-イズロニダー
ゼの高いレベル発現を提供する。
【0052】 本発明は、好ましい態様においては、サイトメガロウィルスプロモーター/エ
ンハンサー要素、エキソン2と3との間のネズミ長鎖免疫グロブリンCα遺伝子
に由来するネズミCaイントロンから成る5'側イントロン、長さ約2.2kbのヒトcDN
A及び3'側ウシ成長ホルモンポリアデニル化部位を含んで成る発現ベクターを特
徴とする。この発現ベクターは、たとえばいずれかの適切な通常の選択ベクター
、たとえばpSV2NEOにより50:1の比でトランスフェクトされ得る。選択ベクタ
ー、たとえばpSV2NEOは、都合良くトランスフェクトされた細胞に対してG418耐
性を付与する。
【0053】 特に好ましい態様においては、約50:1の比での発現ベクター:選択ベクター
が、この比が複数コピー数の挿入体の獲得を増強するので使用される。チャイニ
ーズハムスター卵巣細胞系2.131が提供される1つの態様によれば、α−L-イズ
ロニダーゼのための発現ベクターの約10のコピーが存在する。そのような発現構
造体は、適切な細胞系、たとえばチャイニーズハムスター卵巣細胞系2.131にお
いて、多量のヒトα−L-イズロニダーゼを生成する能力(最少20μg/106個の細
胞/日)を示した。
【0054】 第4の観点においては、本発明は、本発明の方法に従って生成され、そしてそ
れにより、治療的酵素の使用を可能にする量で存在する新規α−L-イズロニダー
ゼを提供する。本発明の方法は、正しくプロセッシングされ、そして酵素置換治
療法のために適切である高い摂取形で存在し、そしてインビボ治療において効果
的であろう、実質的に純粋なα−L-イズロニダーゼを生成する。
【0055】 本発明のα−L-イズロニダーゼの比活性は、mgタンパク質当たり約200,000単
位以上である。好ましくは、mgタンパク質当たり約140,000単位以上である。本
発明の十分な長さのα−L-イズロニダーゼの分子量は、約82,000ドルトンであり
、その中で、約70,000ドルトンがアミノ酸であり、そして12,000ドルトンが炭水
化物である。
【0056】 本発明の組換え酸素は、尿酵素の部分的に精製された調製物についてこれまで
報告されて来たよりも、より一層効果的にエンドサイトーシスされる。本発明の
組換え酵素は、α−L-イズロニダーゼ欠失線維芽細胞における放射性S−ラベル
されたGAGの蓄積を低めることにおいて効果的であり、このことは、それがリソ
ソーム、すなわちGAG貯蔵の部位に輸送されることを示す。そのような補正のた
めに必要とされるα−L-イズロニダーゼの非常に低い濃度(0.7pMで最大補正値
の半分)は、酵素置換療法の成功のために非常に重要である。
【0057】 α−L-イズロニダーゼのヒトcDNAは、単一のペプチド分解の後、653個のアミ
ノ酸及び70.000の予測される分子量のタンパク質を予測する。アミノ酸配列決定
は、629個のアミノ酸の予測されるタンパク質を付与するN−末端でアラニン26を
示す。ヒト組換えα−L-イズロニダーゼは、成熟タンパク質の位置8でヒスチジ
ンを有する。予測されるタンパク質配列は、6個の可能性あるN−結合されたオ
リゴ糖修飾部位を含んで成る。
【0058】 それらのすべては、組換えタンパク質において修飾され得る。第3及び6の部
位は、細胞中への高い親和製摂取を担当する1又は複数のマンノース6−リン酸
残基を含むことが示されている。次のペプチドは、N−末端アラニン及び次の配
列を有するヒト組換えα−L-イズロニダーゼのアミノ酸26−45に対応する: ala-glu-ala-pro-his-leu-val-his-val-asp-ala-ala-arg-ala-leu-trp-pro-le
u-arg-arg
【0059】 本発明のα−L-イズロニダーゼの過剰発現は、マンノース−6−P標的化に依
存する他のリソソーム酵素の一般化された分泌をもたらさない。分泌された組換
えα−L-イズロニダーゼは、多くの点において、通常の分泌された酵素に類似す
る。77, 82, 84及び89kDaであることが種々の決定において見出されているその
分子サイズは、尿の補正因子に関して見出された87kDa(Bartonなど., J, Biol.
Chem. 246: 7773-7779 (1971))、及び培養されたヒト線維芽細胞により分泌さ
れる酵素について見出される76kDa及び82kDa(Myerowitzなど., J. Biol. Chem.
256: 3044-3048 (1991);Taylorなど., Biochem. J. 274: 263-268 (1991))に
比較できる。
【0060】 それらの研究内の及びそれらの研究間の差異は、測定の不正確性に寄与する。
組換え酵素の細胞内プロセッシングのパターン、すなわち分子サイズのゆっくり
した低下及び9kDa小さな追加のバンドの結果的な出現は、ヒト線維芽細胞酵素に
関して同じせある。この早いバンドは、80個のN−末端アミノ酸のタンパク質分
解により生じる。
【0061】 第5の観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼを精製する新規方法
を特徴とする。好ましい態様においては、本発明は、確認できるクロマトグラフ
ィー樹脂、及び容易な充填、洗浄及び溶出操作により急速且つ効果的な精製を行
うために最適化された、組換えα−L-イズロニダーゼの精製方法を特徴とする。
本発明のα−L-イズロニダーゼを精製するための方法は、タンパク質不含有生成
培地からの酵素の高い精製を可能にする一連のカラムクロマトグラフィー段階を
包含する。
【0062】 第1の態様によれば、細胞マスが約10%の血清を含む培地において増殖され、
続いて、精製のための高い比活性の出発材料を生成するために、いずれの有意な
適合も伴わないで、タンパク質不含有改変生産培地に交換される。 第2の態様においては、カラムの汚れを妨げるために粗大量物からのPluronic
s F-68のような外因性材料の除去を可能にする濃縮/ダイアフィルトレーション
スキームが使用される。
【0063】 第3の態様においては、第1のカラム充填物が、タンパク質不含有配合物に見
出されるウロン酸のような化合物の競争阻害効果を最少にするために酸性化され
る。 第4の態様においては、ヘパリン、フェニル及びサイジングカラム精製スキー
ムが、自動段階を用いて純粋な酵素を生成するために使用される。 第5の態様においては、ヘパリン及びフェニルカラム段階は、ニックされ又は
分解される低い所望のα−L-イズロニダーゼを排除するために使用される。 第6の態様においては、酸性pH処理段階が、酵素を害さないで、可能性あるウ
ィルスを不活性化するために使用される。
【0064】 本発明のα−L-イズロニダーゼを精製するための方法の特に好ましい態様は、
次の特定の態様に従って、1つよりも多くの又はすべての最適化を特徴とする。
従って、本発明の精製方法は、本明細書に記載される特徴を有する精製されたα
−L-イズロニダーゼを提供することができる。
【0065】 1.濃縮/ダイアフィルトレーション:粗上清液が、流体体積を約75%減じる
ために、中空繊維濃縮機(A/G Technologies, 30Kカッとオフ)により処理され
、そして次に、ヘパリン充填緩衝液(10mMのNaPO4、pH5.3、200mMのNaCl)によ
りダイアフィルトレーションを行う。ダイアフィルトレーションは、上清液から
所望しない化合物、たとえばPluronics F-68, すなわちカラムを汚す本発明の多
くの細胞培養物に必要とされる界面活性剤を排除する重要な段階である。ダイア
フィルトレーションはまた、ヘパリンカラムへの結合を妨げることができる競争
インヒビターを一部排除することもできる。それらのインヒビターは、PF−CHO
培地に見出され得、そしてこの特定培地に存在する大豆加水分解物に由来するウ
ロン酸であると思われる。
【0066】 2.ヘパリンカラム:充填物は、Heparin Sepharose CL-6B上負荷する前、約5
.0のpHに調節され得る。他のタイプのヘパリンカラム、たとえばヘパリンFF(Ph
armacia)は、異なった結合を有し、そして効果的には、α−L-イズロニダーゼ
を結合しない。低いpHは、それらの競争効果を低くする程度まで、ウロン酸を中
和する。ダイアフィルトレーション及びpH調節を伴わなければ、ヘパリンカラム
は、実質的な酵素の流れを有さないPF−CHO培地を用いて行われ得ない。カラム
は、約5.3のpHの緩衝液により洗浄され、そして次に、0.6MのNaClにより溶出さ
れ得る。狭い範囲の結合及び溶出塩濃度は、効果的な精製段階、及び1つの段階
の後、しばしば90%よりも高い純度の酵素を導く。
【0067】 3.フェニルカラム:Phenyl-Sepharose BP (Pharmacia)が次の段階に使用さ
れ得る。ヘパリン溶出物は、約1.5MのNaClに調節され、そしてカラム上に負荷さ
れ得る。樹脂の選択は、酵素が完全に結合し(流れは存在しない)、そしてさら
に、約0.15MのNaClにより容易に且つ完全に溶出することを確保する上で、その
塩濃度と同じように重要である。得られる溶出物はほぼ純粋なα−L-イズロニダ
ーゼである。
【0068】 4.pH不活性化は、可能性あるウィルスの除去のための強力な段階を提供する
ために行われ得る。フェニルプールがpH3.0のクエン酸塩を用いて、約3.3のpHに
調節され、そして室温で約4時間、維持される。次に酵素が中和される。この段
階を特徴とする態様は、最少約5の対数単位で、ウィルスを排除することが示さ
れている。この段階は、酵素活性を実質的に不活性化せず又は影響を及ぼさない
【0069】 5.次に酵素が濃縮され、そしてSephcryl S-200カラム上に注入され、そして
ピークの酵素が収集され得る。 この態様で精製された酵素は、ml酸素(2nM以下の)当たり30単位以下の酵素
摂取親和性を付与するためには、N−結合された糖の位置3及び6で十分な量の
マンノース−6−リン酸残基を含むことが示されている。酵素は、グリコサミノ
グリカン貯蔵障害のために実質的に調整的であり、そして約5日の細胞内半減期
を有する。
【0070】 第6の観点においては、本発明はα−L-イズロニダーゼの欠失によりすべての
又は部分的に引き起こされる疾病を処理するための新規方法を特徴とする。組換
えα−L-イズロニダーゼは、MPS 1のイヌにおいて、酵素置換治療法を提供する
。このイヌモデルは、遺伝子突然変異のためにα−L-イズロニダーゼを欠失して
おり、そしてヒトMPS Iに類似する。精製され、正しくプロセッシングされたα
−L-イズロニダーゼが、11匹のイヌに静脈内投与された。
【0071】 Kg当たり25,000〜125,000単位の用量により、3, 6, 又は13ヶ月間、毎週、処
理されたそれらのイヌにおいては、酵素が種々の組織において取られ、そして多
くの組織においてリソソーム貯蔵を低めた。疾病の長期の処理は、表情、関節の
硬さ、被膜及び成長における臨床的改良に関連した。より高い容量の治療(125,
000単位/kg/週)は、良好な効能をもたらし、そして表情、関節の硬さ及び被膜
におけるより急速な臨床学的改良の他に、尿GAG排泄の標準化をもたらす。
【0072】 25,000単位(0.1mg/kg/週)の低い用量での酵素療法は、いくつかの組織への
有意な酵素分布及びGAG貯蔵の低下をもたらした。1年にわたって続けられる場
合、治療の有意な臨床学的効果は、活性、移動度、成長及び全体的な健康に関し
て明白であった。この用量での治療は、この存在物、たとえば軟骨及び脳におけ
る疾病のための重要な部位である他の組織を改良しなかった。2週間にわたって
5回、与えられた125,000単位(0.5mg/kg)のより高い用量は、改良された組織
浸透が達成され得、そして組織レベルでの治療効果が2週間ほどで達成されたこ
とを示す。
【0073】 この高められた用量での研究が、2匹のイヌに行われた。それらのMPS Iのイ
ヌは、有意な臨床学的改良、及び尿GAG排泄の正常な範囲への実質的な低下を示
す。変更され投与技法により制御される免疫反応以外の酵素療法は、有意な臨床
学的又は生化学的毒性を示さなかった。毎週のこの高い用量での酵素療法は、MP
S Iのいくつかの臨床学的特徴の改良、及び有意な毒性を伴わないでの貯蔵の低
下において効果的である。
【0074】 第7の観点においては、本発明は、α−L-イズロニダーゼの欠失を治療するの
に有用なヒトα−L-イズロニダーゼを含んで成る新規医薬組成物を特徴とする。
組換え酵素は、多くの手段、たとえば非経口、局所、鼻腔内、吸収又は経口投与
により投与され得る。本発明のもう1つの観点は、酵素を、固体、半固体又は液
体又は摂取できるカプセルであり得る医薬的に許容できるキャリヤーと共に配合
することによって、酵素の投与を提供することである。
【0075】 医薬的に許容できる組成物の例は、錠剤、ドロップ、たとえば鼻腔内ドロップ
、局部投与のための組成物、たとえば軟膏、ジェリー、クリーム及び懸濁液、吸
収のためのエアロゾル、鼻腔内スプレー、及びリポソームを包含する。通常、組
換え酵素は、組成物の0.05〜99重量%を占め、たとえば注射のために意図された
組成物に関しては、0.5〜20重量%及び経口投与に関しては、0.1〜50重量%であ
る。
【0076】 治療用酵素を含む、経口投与のための用量単位の形での医薬組成物を生成する
ためには、酵素は、固体微紛キャリヤー、たとえばラクトース、サッカロース、
ソルビトール、マンニトール、スターチ、たとえばジャガイモスターチ、コーン
スターチ、アミロペクチン、コンブ粉末又はミカン果肉粉末、セルロース誘導体
又はゼラチンと共に混合され得、そしてまた、滑剤たとえばステアリン酸マグネ
シウム又はカルシウム、又はCarbowax又は他のポリエチレングリコールを含むこ
とができ、そして錠剤又は糖剤のためのコアを形成するために圧縮され得る。
【0077】 糖剤が必要とされる場合、コアは、たとえばアラビアゴム、タルク及び/又は
二酸化チタンを含むことができる濃縮された糖溶液により、又は他方では、容易
に発揮する有機溶媒又は有機溶媒の混合物に溶解されたフィルム形成剤により被
覆され得る。色素が、たとえば異なった含有量の活性物質間を区別するために、
それらの被膜に添加され得る。ゼラチン及び可塑剤としてのグリセロールから成
る軟質ゼラチンカプセル、又は類似する密封されたカプセルの組成物のためには
、活性物質は、Carbowax(商標)、又は適切な油、たとえばゴマ油、オリーブ油
、又はピーナッツ油と共に混合され得る。硬質ゼラチンカプセルは、活性物質の
粒質物、並びに固体微紛キャリヤー、たとえばラクトース、サッカロース、ソル
ビトール、マンニトール、スターチ、たとえばジャガイモスターチ、コーンスタ
ーチ又はアミロペクチン、セルロース誘導体又はゼラチンを含むことができ、そ
してまた、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸を滑剤として含むことが
できる。
【0078】 本発明の治療用酵素はまた、非経口、たとえば皮下、筋肉内又は静脈内注射に
より、又は持効性皮下移植物により投与され得る。皮下、筋肉内及び静脈注射に
おいては、治療用酵素(活性成分)は、液体キャリヤービークルに溶解され、又
は分解され得る。非経口投与のためには、活性材料は、許容できるビークル、好
ましくは植物油、たとえばピーナッツ油、綿花種子油及び同様のものと共に適切
に混合され得る。他の非経口ビークル、たとえばソルケタール、グリセロール、
ホルマール及び水性非経口配合物を用いての有機組成物がまた使用され得る。
【0079】 注射による非経口投与のためには、組成物は、本発明の活性酸の医薬的に許容
できる水溶性塩(所望には、0.5〜10%の濃度での)の水溶液、及び任意には、
また水溶液における安定化剤及び/又は緩衝物質を含むことができる。その溶液
の用量単位は、好都合には、アンプルに密封され得る。 治療用酵素が皮下移植物の形で投与される場合、化合物は、当業者に知られて
いるゆっくりと分散される材料に懸濁又は溶解され、又は一定の駆動力、たとえ
ば浸透ポンプの使用を通して活性材料をゆっくりと開放する装置で投与され得る
。そのような場合、延長された時間にわたっての投与が可能である。
【0080】 局部適用のためには、医薬組成物は適切には、軟膏、ゲル、懸濁液、クリーム
又は同様のものの形で存在する。活性物質の量は、0.05〜20重量%であり得る。
局部適用のためのそのような医薬組成物は、活性物質と既知のキャリヤー材料、
たとえばイソプロパノール、グリセロール、パラフィン、ステアリルアルコール
、ポリエチレングリコール、等とを混合することによって、既知の態様で調製さ
れ得る。医薬的に許容できるキャリヤーはまた、既知の化学的吸収プロモーター
を包含することができる。
【0081】 吸収プロモーターの例は、たとえばジメチルアセトアミド(アメリカ特許第3,
472,931号)、トリクロロエタノール又はトリフルオロエタノール(アメリカ特
許第3,891,757号)、一定のアルコール及びそれらの混合物(イギリス特許第1,0
01,949号)である。破壊されていない皮膚への局部適用のためのキャリヤー材料
はまた、イギリス特許第1,464,975号は明細書にも記載されており、それは、40
〜70%(v/v)のイソプロパノール及び0〜60%(v/v)のグリセロールから成る
キャリヤー材料を開示しており、そして存在する場合、残りは、溶媒の合計体積
の40%を超えない希釈剤の不活性成分である。
【0082】 治療用酵素を含む医薬組成物が投与される用量は、広範囲内で変化することが
でき、そして種々の要因、たとえば疾病の重症度、患者の年齢、等に依存し、そ
して個々に調節されるべきである。1日当たり投与され得る治療用酵素の量につ
いての可能な範囲として、約0.1mg〜約2000mg、又は約1mg〜約2000mgが言及さ
れる。
【0083】 治療用酵素を含む医薬組成物は、それらが単一投与量単位又は複数投与量単位
としてそれらの範囲内で用量を提供するよう適切に配合され得る。治療用酵素(
又は複数の治療用酵素)を含む他に、本発明の配合物は、組成物における治療用
酵素により触媒される反応のための1又は複数の基質又は補因子を含むことがで
きる。治療用酵素を含む組成物はまた、1つ以上の治療用酵素も含むことができ
る。
【0084】 本発明の方法及び組成物に使用される組換え酵素はまた、組換えα−L-イズロ
ニダーゼをコードする核酸により患者細胞を形質転換することによっても投与さ
れ得る。そのようなコードの核酸配列は、処理される対象の細胞の形質転換のた
めのベクター中に組み込まれ得る。そのようなベクターの好ましい態様は、本明
細書に記載される。ベクターは、対象、たとえばレトロウィルスベクターの染色
体中に組み込み、又は宿主細胞において自律的に複製するよう企画され得る。α
−L-イズロニダーゼヌクレオチド配列をコードするベクターは、酵素の連続した
又は調節された発現を提供するよう企画され得る。
【0085】 さらに、酵素をコードする遺伝子ベクターは、細胞ゲノム中に安定して組み込
むか、又は単に、過渡的に存在するよう企画され得る。従来の遺伝子療法の一般
的方法論は、α−L-イズロニダーゼをコードするポリヌクレオチド配列に適用さ
れ得る。従来の遺伝子療法技法の再考は、Friendman, Science 244: 1275-1281
(1989); Ledley, J. Inherit. Metab. Dis. 13: 587-616 (1990);及びTolstoshe
vなど., Curr Opinions Biotech. 1:55-61 (1990)に見出され得る。
【0086】 組換え酵素を投与する特に好ましい方法は、静脈内投与である。特に好ましい
組成物は、組換えα−L-イズロニダーゼ、通常の塩溶液、約5.8でpHを維持する
ためのリン酸緩衝液、及びヒトアルブミンを含んで成る。それらの成分は、次の
量で提供され得る: α−L-イズロニダーゼ :0.05-0.2mg/mL又は12,500-50,000単位/mL 塩化ナトリウム溶液 :IVバッグにおいて150mM, 50-250ccの合計体積 リン酸ナトリウム緩衝液 :10-50mM, pH5.8 ヒトアルブミン :1mg/mL 本発明が記載されてきたが、次の例は本発明を例示するものであって、制限す
るものではない。
【0087】 実施例 例1組換えイズロニダーゼの生成 標準技法、たとえばSambrookなど. (1987) "Molecular Cloning: A Laborator
y Manual", 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N
.Y. により記載されるそれらの技法を用いて、ヒトα−L-イズロニダーゼをコー
ドするcDNAをクローン化することができる。前もってクローン化されたヒトα−
L-イズロニダーゼcDNAを、Bluescript KSサブクローンからのHind III-XbaIフラ
グメントとして、PRCCMV (Invitrogen) 中にサブクローン化した。エキソン2と
3との間のネズミ免疫グロブリンCotイントロンに由来するイントロンカッセト
を、クローンpRIR14.5 (Kakkisなど., Nucleic Acids Res. 16: 7796 (1988))の
塩基788−1372のPCR増幅を用いて構成した(Tuckerなど., Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 78: 7684-7688 (1991))。
【0088】 そのカッセトは、正しくスプライシングされたcDNAに残存するであろう、エキ
ソン2の3'末端の136bp及びエキソン3の5'末端の242bpを含んだ。ATG配列は、
イントロンカセットのコード領域に存在する。イントロンカセットを、α−L-イ
ズロニダーゼcDNAの5'側Hind III部位中にクローン化した。neo遺伝子を、XhoI
による消化により欠失し、続いてベクターを再環化し、pCMVhlduを製造した。
【0089】 マスター細胞バンクの1つのバイアルを融解し、そしてDME/F12+サプリメント
+10%FBS及び500 11g/mlのG418を含む、3個のT150フラスコに配置する。3〜4
日後、細胞を、トリプシン−EDTAを用いて、同じ培地いおいて6個の高容量ロー
ラーボトルに継代する。2×109個の細胞の接種物を、60gのCytodex2微粒子担
体、及びDME/F12+サプリメント、10%FBS及び500 11g/mlのG418を13Lの最終体
積で含むWheaton微粒子担体フラスコに添加する。フラスコを、灌流棒撹拌機を
備えたBellcoオーバーヘッド駆動装置により撹拌する。
【0090】 培養物を、温度、DO及びpHプローブによりモニターし、そしてPCインターフェ
ース(BioPro software)を有するWheatonミニ−パイロットプラント制御システ
ムを用いて制御する。パラメーターを、加熱−ブランケット、酵素散布機及び基
本ポンプを用いて、整定値、37℃、80%の空気飽和及びpH6.7で制御する。培養
物を3〜4日間インキュベートし、この時点で、培養物は1〜3×106個の細胞/
mlで対数相増殖に達する。 この後、12時間の間隔で、培養物をPF-CHO培地(注文改良による、JRH Biosci
ences)により交換する。最初の2つの収集は、“洗浄物(washout)”として取
って置く。第3回目の収集が行われる生成の開始である。最終2mMでの酪酸ナト
リウムを48時間後とに添加し、イズロニダーゼ発現の上昇を誘発する。生成は、
12時間ごとに10Lの培地の交換を伴って継続し、そして収集を1ミクロンのフィ
ルターを通して濾過し、遊離細胞及び残骸を排除する。培養物を、温度、pH及び
DOを連続してモニターする。
【0091】 1日2度、培地の交換の前、培養物をサンプリングし、そして細胞状態及び微
生物を相対比顕微鏡により、グリコース含有量をポータブルグルコース計量計に
より、イズロニダーゼ活性を蛍光基質アッセイによりアッセイした。細胞マスを
、合計の細胞タンパク質アッセイを用いての実験の間、数回アッセイする。実験
中間までに、細胞マスは107個の細胞/mlに達する。次に、イズロニダーゼを含む
収集された生成培地を、30,000分子量カットオフを有するA/G Technolog社の中
空繊維分子フィルターを用いて、5倍に濃縮する。
【0092】 次にその濃縮物を、10mMのNaPO4 (pH5.8) 中、0.2MのNaClの最少3倍体積によ
り8時間にわたってダイアフィルトレーションする。この段階は、濃縮物からPl
uronics F68及びウロン酸を除去する。それらの分子は、ヘパリンカラムの機能
を阻害することができる。濃縮物をpH5.0に調節し、1.0及び0.2ミクロンのフィ
ルターを通して濾過し、そして次にHeparin-Sepharose CL-6Bカラム上に負荷す
る。カラムを、0.2MのNaCl, 10mMのNaPO4 (pH5.3)の溶液10カラム体積により洗
浄し、そして酵素を0.6MのI, 10mMのNaPO4 (pH5.8)により溶出する。
【0093】 溶出物を1.5MのNaClにより調節し、1ミクロンのフィルターを通して濾過し、
そしてPhenyl-Sepharose HPカラム上に負荷する。カラムを、1.5MのNaCl, 10mM
のNaPO4 (pH5.8)の溶液10カラム体積により洗浄し、そして酵素を、0.15MのNaCl
, 10mMのNaPO4 (pH5.8)により溶出する。
【0094】 ウィルス不活性化を、1Mのクエン酸(pH2.9)を用いて酵素画分をpH3.3に酸
性化し、そしてその酵素を室温で4時間、pH3.3でインキュベートし、そして1M
のリン酸緩衝液を用いてpHを5.8に再調節することによって行う。この段階は、
スパイキング実験において5対数又はそれよりも良好のレトロウィルスを除去す
ることが示された。不活性化された酵素を、0.2μのフィルターを通して濾過し
、A/G Technologies中空繊維濃縮装置(30,000分子量カットオフ)上で濃縮し、
そしてSephacryl S200 ゲル濾過カラム上にサイクル注入し、そしてピークを収
集する。プールされたピークを0.2μのフィルターを通して濾過し、0.1MのNaPO4 (pH5.8)に配合し、そしてバイアルに保存する。
【0095】 一組の研究を行い、酵素の品質、純度、能力を評価する。溶出物のSDS−PAGE
分析の結果は図2に提供される。 この方法から得られた1つの組換えヒトα−L-イズロニダーゼは、100,000単
位/mlの能力を示し、そして0.313mg/mlの合計タンパク質濃度を有する。
【0096】 例2組換えα−L-イズロニダーゼ療法は効果的である 精製されたヒト組換えα−L-イズロニダーゼの9匹のMPS Iイヌ及び6匹のMPS
Iネコへの短期間静脈内投与は、1回の投与の24時間後、推定される50%又はそ
れ以上の組織の回復率を伴って、種々の組織における酵素の有意な摂取を示した
。肝臓及び脾臓は、最大量の酵素を摂取し、そして最良の病理学的改良性を有す
るが、病理学及びグルコサミノグルカン含有率の改良は、すべてではないが多く
の組織に観察されている。特に、軟膏及び心臓弁は、有意な改良性を有さなかっ
た。
【0097】 臨床学的改良は、13ヶ月間の長期処理に基づいて1匹のイヌに観察されたが、
しかし他の研究は6ヶ月又はそれ以下に制限された。組換えヒト酵素を受けたす
べてのイヌ及びほとんどのネコは、ヒト生成物に対する抗体を進行せしめた。Ig
G抗体は、補体活性化タイプ(たぶん、イヌIgG同等物)のものである。この現象
はまた、少なくとも13%のアルグルセラーゼ処理されたGaucher患者においても
観察される。タンパク尿が、免疫複合疾病に関連する1匹のイヌに観察された。
抗体の他の効果は、他の処理された動物において観察されなかった。特定の毒性
は観察されず、そして臨床学的な実験研究(完全な血液の計数、電解質、BLJN/
クレアチニン、肝臓酵素、検尿)は他方では、正常であった。
【0098】 25,000単位(0.1mg/kg/週)の少ない用量での酵素療法は、いくつかの組織に
対して有意な酵素分布及びGAG貯蔵の低下をもたらした。1年間にわたって続け
られた場合、その療法の有意な臨床学的効果は、活性、移動度、成長及び全体的
な健康の点で明白であった。この用量での療法は、この存在物、たとえば軟膏及
び脳における疾病のための重要な部位である他の組織を改良しなかった。2週間
にわたって5度与えられた125,000単位(0.5mg/kg)の高い用量は、改良された
組織浸透が達成され得、そして組織レベルでの治療効果が2週間ほどで達成され
たことを示す。
【0099】 この高められた用量での研究は、現在まで、6ヶ月間、2匹のイヌにおいて進
められた。それらのMPS Iイヌは、有意な臨床学的改良性、及び尿GAG排泄の正常
な範囲への実質的な低下を示した。変更された投与技法により制御される免疫反
応以外の酵素療法は、有意な臨床学的又は生化学的毒性を示さなかった。この高
い用量での毎週の酵素療法は、MPS Iのいくつかの臨床学的特徴を改良する上で
有意な毒性を伴わないで貯蔵を低める上で効果的である。
【0100】 MPS Iイヌにおけるそれらの種々の研究、及びMPS Iネコにおける1つの研究の
結果は、ヒト組換えα−L-イズロニダーゼが安全であることを示す。それらの同
じ結果はまた、この組換え酵素がα−L-イズロニダーゼ欠失の処理において効果
的である有意な理論的解釈も提供する。
【0101】 例3ヒトにおいて効果的な組換えα−L-イズロニダーゼ療法 α−L-イズロニダーゼのヒトcDNAは、単一のペプチド分解の後、653個のアミ
ノ酸及び70.000の予測される分子量のタンパク質を予測する。アミノ酸配列決定
は、629個のアミノ酸の予測されるタンパク質を付与するN−末端でアラニン26を
示す。ヒト組換えα−L-イズロニダーゼは、成熟タンパク質の位置8でヒスチジ
ンを有する。
【0102】 予測されるタンパク質配列は、6個の可能性あるN−結合されたオリゴ糖修飾
部位を含んで成る。それらのすべては、組換えタンパク質において修飾され得る
。第3及び6の部位は、細胞中への高い親和製摂取を担当する1又は複数のマン
ノース6−リン酸残基を含むことが示されている。 このペプチドは、N−末端アラニン及び次の配列を有するヒト組換えα−L-イ
ズロニダーゼ3のアミノ酸26−45に対応する: ala-glu-ala-pro-his-leu-val-his-val-asp-ala-ala-arg-ala-leu-trp-pro-le
u-arg-arg
【0103】 その組換え酵素は、炭水化物修飾のために、SDS−PAGEに基づけば、82,000ド
ルトンの見掛け分子量を有する。精製された組換えα−L-イズロニダーゼは、UC
LA Protein Sequencing施設により配列決定されている。組換え酵素は静脈内投
与することが好ましい。ヒト組換えα−L-イズロニダーゼを、0.05−0.2mg/ml (
12,500-50,000単位/ml)の濃度で10mlのポリプロピレンバイアルに供給した。そ
の酵素の最終用量形は、ヒト組換えα−L-イズロニダーゼ、通常の塩溶液、pH5.
8でのリン酸緩衝液及び1mg/mlでのヒトアルブミンを含む。それらは通常の塩溶
液のバッグにおいて調製される。
【0104】 成分 組成 α−L-イズロニダーゼ :0.05-0.2mg/mL又は12,500-50,000単位/mL 塩化ナトリウム溶液 :IVバッグにおいて150mM, 50-250ccの合計体積 リン酸ナトリウム緩衝液 :10-50mM, pH5.8 ヒトアルブミン :1mg/mL
【0105】 白血球及び線維芽細胞において正常の1%以下のレベルのα−L-イズロニダー
ゼを有するMPS−I障害の臨床学的表現を示すヒト患者がこの研究に包含された。
すべての患者は、種々の程度の機能的欠陥を有する、グリコサミノグリカンの内
臓及び柔組織蓄積のいくつかの臨床学的証拠を示した。効力を、一定時間にわた
って尿GAG排泄における%低下を測定することによって決定した。図3は、正常
な排泄値に対する16人のMPS−I患者における尿GAGレベルを示す。未処理のMPS−
I患者には広範囲の尿GAG値が存在する。
【0106】 組換えα−L-イズロニダーゼによる治療に続いての分解されていないGAGの排
泄における50%以上の低下は、治療に対する個人の応答を測定するための効果手
段である。図4は、MPS−I患者における酵素療法の前及び後での白血球イズロニ
ダーゼ活性を示す。酵素療法の前及び後での口内イズロニダーゼ活性が図5に示
される。図6は、関節及び柔組織貯蔵における有意な臨床学的改良と共に、肝臓
及び脾臓の実質的な収縮が、組換え酵素によるわずか8週間の治療の後、分解さ
れていないGAGにおける65%以上の低下に関係していることを、3人の患者にお
いて示す。図7は、組換え酵素によるわずか12週間の治療の後、組換え酵素によ
り処理された患者において、肝臓及び脾臓の実質的な標準化が存在することを示
す。
【0107】 図8は、11人の患者において、組換え酵素による22週間の治療にわたって尿GA
G排泄の高い低下を示す。肝臓及ぶ脾臓サイズの臨床学的評価は、MPS−I患者に
おける好結果をもたらす骨髄移植処理を評価するための最も広く許容されている
手段であった(Hoogerbruggeなど., Lancet 345: 1398 (1995))。そのような測
定は、MPS−I患者におけるGAGの低められた内臓貯蔵に高く相互関係する。 本発明は現在好ましい態様により記載されて来たが、種々の修飾が、本発明の
範囲内で行われ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は請求の範囲
によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【図1−1】 図1−1は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図1−2】 図1−2は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図1−3】 図1−3は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図1−4】 図1−4は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図1−5】 図1−5は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図1−6】 図1−6は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図1−7】 図1−7は、α−L-イズロニダーゼをコードするcDNAのヌクレオチド及び推定
されるアミノ酸配列を示す。ヌクレオチド1〜6200が提供される。アミノ酸は、
読み取り枠において第1のメチオニンから出発して提供されている。
【図2】 図2は、例1に示される方法に従って得られた溶出物のSDS−PAGEからの結果
を示す。レーン1はブランクである。レーン2は高分子量標準を含んだ。レーン
3はブランクである。レーン4は50μgの濃度でウシ血清アルブミンを含んだ。
レーン5〜10は、それぞれ1μg、2μg、5μg、5μg、5μg及び5μgの量で
、組換え的に生成されたヒトα−L-イズロニダーゼを含む溶出物を示す。
【図3】 図3は、正常な排泄値に対する、16人のMPS−I患者における尿GAGレベルを示
す。処理されていないMPS−I患者において広範囲の尿GAG値が存在する。組換え
α−L-イズロニダーゼによる治療に続いての分解されていないGAGの排泄におけ
る50%以上の低下は、治療に対する個人の応答を測定するための効果的な手段で
ある。
【図4】 図4は、MPS−I患者における酵素治療の前及び後での白血球イズロニダーゼ活
性を示す。
【図5】 図5は、酵素治療の前及び後での口内イズロニダーゼ活性を示す。
【図6】 図6は、関節及び柔組織貯蔵における有意な臨床学的改良を伴っての肝臓及び
脾臓の実質的な収縮が、組換え酵素によるわずか8週間の処理の後、分解されて
いないGAGの65%以上の低下に関連していたことを、3人の患者において示す。
【図7】 図7は、わずか12週間の治療の後、組換え酵素により処理された患者における
肝臓及び脾臓の実質的な標準化が存在することを示す。
【図8】 図8は、6人の患者における組換え酵素による治療の22週間にわたっての尿GA
G排泄の高い低下を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月7日(2001.2.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】追加
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】追加
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】追加
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】追加
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】追加
【補正内容】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12R 1:91) 9/24 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 9/24 A61K 37/54 C12R 1:91) C12N 5/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ターナマチ,ベッキー アメリカ合衆国,カリフォルニア 90807, シグナル ヒル,ウォールナット アベニ ュ 3343

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−L−イズロニターゼのすべて、又はその生物学的活性フ
    ラグメント又は変異体をコードするcDNAにより適切な細胞系を形質転換する段階
    を含んで成るα−L−イズロニダーゼの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記適切な細胞系が、チャイニーズハムスター卵巣細胞系2.
    131である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記チャイニーズハムスター細胞系が、α−L−イズロニダ
    ーゼのすべて又はその生物学的活性フラグメントをコードするcDNAを導入する前
    にそれが分泌するよりも約5,000〜7,000倍以上のα−L−イズロニダーゼを分泌
    する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記トランスフェクトされた細胞が、微粒子担体上で増殖す
    る請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 培養系が、その培養物pHが生成工程の間、約6.7〜6.8に低下
    するよう最適化される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 培養系増植培地の約2/3〜3/4が約12時間ごとに交換される請
    求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 培養系酸素飽和が、約80%で最適化される請求項1記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記培養系酸素飽和が、断続的純酸素スパージングを用いて
    約80%で最適化される請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 約10%の血清を有する微粒子担体が最初に、培養系のための
    細胞マスを生成するために使用される請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 生成のためのタンパク質不含有への流失の段階をさらに含
    んで成る請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 JRH Biosciences PF-CHO増殖培地を含んで成る培養系が使
    用される請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記増殖培地が、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシ
    ン、リボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドから成る群から選択された
    1又は複数の成分の補充された量を含むよう最適化される請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 バッチ供給工程が灌流棒により行われる請求項1記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 酪酸ナトリウムが、培養系に添加される請求項1記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 α−L−イズロニダーゼを生成する能力を有するトランス
    フェクトされた細胞系。
  16. 【請求項16】 前記トランスフェクトされた細胞系が、組換えチャイニー
    ズハムスター卵巣細胞系である請求項15記載のトランスフェクトされた細胞系。
  17. 【請求項17】 前記トランスフェクトされた細胞系が、組換えチャイニー
    ズハムスター卵巣2.131細胞系である請求項15記載のトランスフェクトされた細
    胞系。
  18. 【請求項18】 前記トランスフェクトされた細胞系が、CMVプロモーター
    、Caイントロン、α−L−イズロニダーゼcDNA及びウシ成長ホルモンポリアデニ
    ル化配列を含んで成る発現構造体の少なくとも約10個のコピーを含む請求項15記
    載のトランスフェクトされた細胞系。
  19. 【請求項19】 前記トランスフェクトされた細胞系が、少なくとも約20〜
    40μg/107細胞/日の量でα−L−イズロニダーゼを発現する請求項15記載のトラ
    ンスフェクトされた細胞系。
  20. 【請求項20】 ヒトα−L-イズロニダーゼを、トランスフェクトされた細
    胞において生成するよう適合されたベクター。
  21. 【請求項21】 チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞においてヒトα
    −L-イズロニダーゼを生成するよう適合された請求項20記載のベクター。
  22. 【請求項22】 CMV即時初期遺伝子プロモーター/エンハンサーを含んで成
    る請求項20記載のベクター。
  23. 【請求項23】 サイトメガロウィルスプロモーター/エンハンサー要素、
    エキソン2と3との間のネズミCaイントロンから成る5'側イントロン、α−L-イ
    ズロニダーゼのすべて又は生物学的活性フラグメントをコードするcDNA、及び3'
    側ウシ成長ホルモンポリアデニル化部位を含んで成る請求項20記載のベクター。
  24. 【請求項24】 請求項1記載の方法に従って生成される組換えα−L-イズ
    ロニダーゼ。
  25. 【請求項25】 少なくとも約200,000単位/mgの比活性を有する請求項1記
    載の方法に従って生成されるα−L-イズロニダーゼ。
  26. 【請求項26】 少なくとも約240,000単位/mgの比活性を有する請求項25記
    載のα−L-イズロニダーゼ。
  27. 【請求項27】 α−L-イズロニダーゼの精製方法であって、 (a)濃縮/ダイアフィルトレーション工程を行うことにより、サンプルから1
    又は複数不所望の化合物を除去し; (b)前記段階(a)のサンプルを酸性にし; (c)前記段階(b)のサンプルをヘパリンカラムに流し; (d)前記段階(c)のサンプルをフェニルカラムに流し; (e)前記段階(d)のサンプルをSephacrylカラムに流し;そして (f)前記実質的に精製されたα−L-イズロニダーゼを流す段階を含んで成る
    方法。
  28. 【請求項28】 α−L-イズロニダーゼのすべて又は一部の欠損により引き
    起こされる疾病の治療方法であって、組換えα−L-イズロニダーゼを投与する段
    階を含んで成る方法。
  29. 【請求項29】 α−L-イズロニダーゼのすべて又は一部の欠損により引き
    起こされる疾病の治療方法であって、組換えヒトα−L-イズロニダーゼを投与す
    る段階を含んで成る方法。
  30. 【請求項30】 前記疾病がムコ多糖症である請求項28記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記疾病がムコ多糖症I型(MPS I)である請求項28記載の
    方法。
  32. 【請求項32】 前記疾病が、Hurler's病、Scheie症候群及びHurler-Schei
    e症候群から成る群から選択される請求項28記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記疾病を有する患者が、正常なα−L-イズロニダーゼ活
    性の約1%又はそれ以下の欠失を示す請求項28記載の方法。
  34. 【請求項34】 少なくとも約25,000単位又は0.1mg/kgの組換えα−L-イズ
    ロニダーゼが、それを欠失している患者に、週1度、投与される請求項28記載の
    方法。
  35. 【請求項35】 少なくとも約125,000単位又は0.5mg/kgの組換えα−L-イ
    ズロニダーゼが、それを欠失している患者に、週1度、投与される請求項28記載
    の方法。
  36. 【請求項36】 組換えα−L-イズロニダーゼ及び医薬的に許容できる担体
    を含んで成る医薬組成物。
  37. 【請求項37】 塩化ナトリウム溶液、緩衝液及びヒトアルブミンをさらに
    含んで成る請求項36記載の医薬組成物。
  38. 【請求項38】 前記組換えα−L-イズロニダーゼが、約0.05〜0.20mg/mL
    又は約12,500〜約50,000単位/mLの濃度で存在する請求項36記載の医薬組成物。
  39. 【請求項39】 前記ヒトアルブミンが、少なくとも約1mg/mLの濃度で存
    在する請求項36記載の医薬組成物。
  40. 【請求項40】 前記緩衝液が、約10〜50mMの濃度でのリン酸ナトリウム緩
    衝液である請求項36記載の医薬組成物。
  41. 【請求項41】 前記組成物のpHが約5.8で維持される請求項36記載の医薬
    組成物。
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