JP2002513797A - 新規アンスラサイクリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

新規アンスラサイクリン誘導体及びその製造方法

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JP2002513797A
JP2002513797A JP2000547095A JP2000547095A JP2002513797A JP 2002513797 A JP2002513797 A JP 2002513797A JP 2000547095 A JP2000547095 A JP 2000547095A JP 2000547095 A JP2000547095 A JP 2000547095A JP 2002513797 A JP2002513797 A JP 2002513797A
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ヤング セ ノ
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    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前記した活性及び薬剤学的な安定性のために、本発明の化学物は抗腫瘍剤として薬剤学的な有効成分と利用することができる。 【解決手段】 本発明は次の化学式I(化学式から、R1及びR4は同一であり、異なるもので、それぞれは水素原子、メトキシ基又は水酸基;R2はL−アスパルテート又はピルベート;及びR3は水素原子又はフッ素原子を示す)に示される新規アンスラサイクリン誘導体に関するもので、前記誘導体は多様な腫瘍に対して強力な抗腫瘍活性を示すのみならず、心臓毒性も大きく減少されている。又は、本発明は前記化合物の製造方法に関するものである。本発明の化合物は生体内のNAD/NADH比率均衡を補完して酸素ラジカル−生成酵素の活性を調節するようになる。本発明の化学物は従来のアンスラサイクリングリコシド14番位置にエステル結合でL−アスパルテート又はピルベートを結合させて製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は新規アンスラサイクリン(anthracycline)誘導体及び
その製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は多様な癌に対して強
力な活性を有し、心臓毒性(cardiac toxicity)が著しく減小
された新規アンスラサイクリン誘導体及びその製造方法に関するものである。又
、本発明は前記新規アンスラサイクリン誘導体の薬剤的有効量を含む抗腫瘍剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロドマイシン、ダウノマイシン及びアドリアマイシンは全てアンスラサイクリ
ン系の物質として放射線菌の培養液から得られる。上記の物質の化学的な構造が
決定された後、アンスラサイクリン系の物質を化学的に合成するためのかなりの
努力があり、これは上記物質が広範囲の抗腫瘍活性スペクトルを有するもので公
知となっているからである。現在、多様なアンスラサイクリンが開発され、例え
ば、ダウノマイシン、アドリアマイシン、カルミノマイシン(carminom
ycin)、4´−エピ−アドリアマイシン(4´−epi−adiriamy
cin)、4´−メトキシアドリアマイシン、4´−デオキシアドリアマイシン
及びイダルビシン(idarubicin)がある。
【0003】 このような公知のアンスラサイクリン化学構造を有するキノン(quinon
e)系の化合物はリンパ性白血病、悪性リンパ腫を含み、多いの腫類の悪性腫瘍
に強力な抗癌作用を示すが、心臓障害、骨髄抑制、脱毛等の副作用を起こす。特
に、強い心臓毒性が上記物質の使用によって度々出現する。上記心臓毒性は急性
又は慢性で出現して心臓収縮機能低下、不整脈及び低血圧を起こす。酷い場合は
、上記化合物で治療された患者は心臓機能不全で死亡することまでもある。従っ
て、上記化合物の臨床的な利用は非常に限りがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者はアスパラギン酸(aspartic acid)とこの塩が生体内
のNADH/NADの比率を調節することで、ドキソルビシンによる心臓毒性を
軽減させることができるという内容が開示された本発明者の先行特許出願発明(
大韓民国特許出願第98−16349号、及び94−012769号)に基づき
、次の化学式1に示す新規アンスラサイクリノン−アスパルテート誘導体を発明
し、本発明の化合物はキノン誘導体の抗癌活性を保持しながら心臓毒性は非常に
減少されることを確認した。又、本発明者は生体内NADH/NADの比率を調
節することができるピルベートをアンスラサイクリンに適用してピルベート−結
合アンスラサイクリン誘導体を開発した。
【0005】 本発明の主な目的は下記の構造式Iに示め、強力な抗癌活性を有し、毒性が非
常に減少された。特にダウノマイシン、アドリアマイシン、カルミノマイシン及
びイダルビシンのような従来のアンスラサイクリングリコシド抗癌剤より心臓毒
性がさらに減少された新規アンスラサイクリングリコシドを提供することにある
【0006】
【課題を解決するための手段】
【化4】化学式I 化学式から、R1又はR4は同一であり、別のものであり、それぞれは水素原子
、メトキシ基又は水酸基; R2はL−アスパルテート又はピルベート基;及び R3は水素原子又はフッ素原子を示す。 又、本発明は上記新規アンスラサイクリン誘導体の薬剤学的に許される塩を提
供する。 アンスラサイクリン系抗癌剤の心臓毒性は薬物の代謝過程から生成される酸素
ラジカルが主要因として推測される。このような酸素ラジカルによって引き起こ
される問題点を解決するために、毒性が多少減少された新規抗癌抗生物質の誘導
体を開発したり、又は抗酸化剤又はラジカルの除去酵素の併用療法が提案された
。アメリカ特許第5、646、177号は抗酸化剤であるグルタチオンをアンス
ラサイクリンの7番の位置に直接結合したアンスラサイクリン誘導体を開示して
いる。しかしながら、ラジカルの除去に関連した酵素に対して適合した条件が構
築されておらず、ラジカルの損傷抑制に用いられる各腫の抗酸化剤はそれら自体
が高い反応性を有しているため、抗酸化剤及びラジカル−除去酵素は使用におい
て非常に制限される。
【0007】 酸素ラジカルの副作用を減少させることにおいて効果的な抗酸化活性を有しな
がら、安定性が高く、強力な抗癌活性を有する新規アンスラサイクリン系の抗癌
薬物の開発がさらに要求されており、従って本発明がなされたのである。 又、本発明の他の目的は化学式Iの新規アンスラサイクリングリコシド又はこ
の薬剤学的に許される塩を製造する方法を提供することにある。
【0008】 本発明の化学式Iの化合物は下記化学式IIを有する従来のアンスラサイクリン
グリコシド抗癌化合物の14番位置にL−アスパルテート又はピルベートをエス
テル結合で連結させ、製造する。
【0009】
【化5】化学式II 上記化学式から、R1、R2、R3及びR4のそれぞれは前記化学式Iで定義した
通りである。 上記化学式IIに示される公知のアンスラサイクリングリコシド系抗癌化合物は
本発明の新規アンスラサイクリン系化合物の製造方法に関する添付した図面の反
応式の出発物質1a−1fに該当する。本発明によると、化学式1に示される新
規アンスラサイクリングリコシド化合物の製造は図1にされた経路によって行わ
れる。 本発明の新規化合物を製造するため、公知の技術(Journal of M
edicinal Chemistry、17:335(1974))が利用さ
れた。 本発明は下記実施例でより詳しく説明するが、これに限られるものではない。
下記実施例で、典型的なアンスラサイクリン化合物であるダウノマイシン(1a
)から製造されるアドリアマイシン14−L−アスパルテート(3a)又はアド
リアマイシン14−ピルベート(4a)について詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態1】
【実施例】
(1)実施例1 14−ブロモダウノマイシン(bromodaunomycin)塩酸塩(2a
)の製造 乾燥ジオキサン50ml及びメタノール25mlの混合物にダウノマイシン塩酸塩
1gを溶解させ、オルトギ酸トリメチル10mlを添加した。室温で20分間攪拌
した後、反応溶液にクロロホルム3.3ml内のブロム0.37mlをゆっくり添加し
た。結果溶液を40分間定置した後、再結晶のためにエチルエテール600mlに
一度に注いだ。得られた沈殿物をエチルエテール及びアセトンで洗った後、真空
状態で乾燥させ、赤色の固体1.0gを得た:収率95%;m.p.176−17
7℃; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1690
−1720カルボニル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.04(bs, 1H, Ph-OH), 13.30(bs, 1H, Ph-OH), 7.91(bs, 2H, NH2), 7.91(bs,
2H, C1H, C3H), 7.89(bs, 1H, C2H), 5.55(bs, 1H, C1H), 5.28(bs, 1H, C7eqH)
, 4.85(m, 1H, C4H), 4.49(bs, 1H, C9OH), 4.21(q, J=6.6Hz, 1H, C5H), 4.00(
s, 2H, C14H), 3.97(s, 3H, OMe), 3.78(bs, 1H, C4OH), 3.60(bs, 1H, C3H), 3
.05(d, J=18.1Hz, 1H, C10eqH), 2.92(d, J=18.1 Hz, 1H, C10axH), 2.44(d, J=
14.2 Hz, 1H, C8eqH), 2.07(dd, J=14.2, 5.4 Hz, 1H, C8axH), 1.88(dd, J=12.
7, 9.0 Hz, C2H), 1.85(d, J=12.7, C2H), 1.65(d, J=6.6 Hz, 3H, C5Me)
【0011】 (2)実施例2 アドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩(3a)の製造 乾燥アセトン1リットルに14ーブロモダウノマイシン塩酸塩1.0g及びカ
リウムL−アスパルテート4.0gを溶解した後、2時間加温し、室温まで冷却
した。得た結晶を濾過し、同時に溶媒は真空下で除去した。生成物をテトラヒド
ロフラン200ml内で再溶解し、エーテル塩酸塩を添加した後、−20℃で2時
間反応させた。生成された固体を真空下で濾過した後、メタノール−塩化メチレ
ン内で再結晶してアドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩0.7g
を得た。収率64%;m.p.189−191℃ IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.01(bs, 1H, Ph-OH), 13.95(bs, 1H, Ph-OH), 8.01(bs, 2H, NH2), 7.90(dd
m, 2H, C1H, C3H), 7.64(t, J=8.0 Hz, 1H, C2H), 5.63(bs, 1H, C1H), 5.05(bs
, 1H, C7eqH), 4.82(m, 1H, C4H), 4.60(t, J=8.0 Hz, 1H, C17H), 4.05(q, J=6
.8 Hz, 1H, C5H), 4.02(s, 2H, C14H), 3.98(s, 3H, OMe), 3.80(d, J=8.0 Hz,
2H, C16H), 3.68(bs, 1H, C4OH), 3.28(bs, 1H, C3H), 2.85(d, J=18.5 Hz, 1H,
C10eqH), 2.58(d, J=18.5 Hz, 1H, C10axH), 2.47(d, J=14.0 Hz, 1H, C8eqH),
2.27(dd, J=14.0, 5.0Hz, 1H, C8axH), 2.06(dd, J=12.0, 8.0 Hz, 1H, C2H),
1.95(d, J=12.0 Hz, 1H, C2H), 1.26(d, J=6.3 Hz, 3H, C5Me)
【0012】 (3)実施例3 アドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩(4a)の製造 乾燥アセトン1リットルに14−ブロモダウノマイシン塩酸塩1.0g及びナ
トリウムピルベート3.0gを溶解した後、2時間加温し、室温まで冷却した。
得た結晶を濾過し、同時に溶媒は真空下で除去した。生成物をテトラヒドロフラ
ン200ml内で再溶解し、エーテル塩酸塩を添加した後、−20℃で2時間反応
させた。生成された固体を真空下で濾過した後、メタノール−塩化メチレン内で
再結晶してアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩0.6gを得た。収率5
8%;m.p.182−185℃ IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 13.99(bs, 1H, Ph-OH), 13.29(bs, 1H, Ph-OH), 8.00(bs, 2H, NH2), 7.90(m, 2
H, C1H, C3H), 7.69(bs, 1H, C2H), 5.31(bs, 1H, C1H), 5.30(bs, 1H, C7eqH),
4.81(m, 1H, C4H), 4.45(s, 1H, C9OH), 4.32(s, 2H, C14H), 4.10(q, J=6.8 H
z, 1H, C5H), 4.00(s, 3H, OMe), 3.76(bs, 1H, C4H), 3.69(bs, 1H, C3H), 3.1
2(d, J=18.2 Hz, 1H, C10eqH), 3.07(d, J=18.2 Hz, 1H, C10axH), 2.51(d, J=1
4.2 Hz, 1H, C8eqH), 2.27(dd, J=14.2, 5.1Hz, 1H, C8axH), 2.21(s, 3H, C17H
), 1.98(dd, J=13.2, 6.4 Hz, C2H), 1.89(d, J=13.2 Hz, C2H), 1.24(d, J=6.0
Hz, 3H, C5Me)
【0013】 (4)実施例4 カルミノマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩(3b)の製造 カルミノマイシンを用いて前記実施例1及び2と同様に実施してカルミノマイ
シン−14−L−アスパルテート塩酸塩を製造した。収率41%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1730
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.01(bs, 1H, Ph-OH), 13.95, 13.89(bs, 2H, Ph-OH), 8.04(bs, 2H, NH2), 7.
92(dd m, 2H, C1H, C3H), 7.60(t, J=8.0 Hz, 1H, C2H), 5.63(bs, 1H, C1H), 4
.95(bs, 1H, C7eqH), 4.88(m, 1H, C4H), 4.60(t, J=8.0 Hz, 1H, C17H), 4.02(
q, J=6.8 Hz, 1H, C5H), 4.00(s, 2H, C14H), 3.80(d, J=8.0 Hz, 2H, C16H), 3
.63(bs, 1H, C4OH), 3.23(bs, 1H, C3H), 2.85(d, J=18.5 Hz, 1H, C10eqH), 2.
55(d, J=18.5 Hz, 1H, C10axH), 2.47(d, J=14.0 Hz, 1H, C8eqH), 2.24(dd, J=
14.0, 5.0Hz, 1H, C8axH), 2.06(dd, J=12.0, 8.0 Hz, 1H, C2H), 1.95(d, J=12
.0 Hz, 1H, C2H), 1.20(d, J=6.3 Hz, 3H, C5Me)
【0014】 (5)実施例5 カルミノマイシン−14−パルベート塩酸塩(4b)の製造 カルミノマイシンを用い、前記実施例1及び3と同様に実施してカルミノマイ
シン−14−L−パルベート塩酸塩を製造した。収率37%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 13.93(bs, 1H, Ph-OH), 13.38, 13.29(bs, 2H, Ph-OH), 8.07(bs, 2H, NH2), 7.
93(m, 2H, C1H, C3H), 7.69(bs, 1H, C2H), 5.31(bs, 1H, C1H), 5.30(bs, 1H,
C7eqH), 4.70(m, 1H, C4H), 4.45(s, 1H, C9OH), 4.30(s, 2H, C14H), 4.10(q,
J=6.8 Hz, 1H, C5H), 3.75(bs, 1H, C4OH), 3.69(bs, 1H, C3H), 3.10(d, J=18.
2 Hz, 1H, C10eqH), 3.05(d, J=18.2 Hz, 1H, C10axH), 2.50(d, J=14.2 Hz, 1H
, C8eqH), 2.25(dd, J=14.2, 5.1Hz, 1H, C8axH), 2.20(s, 3H, C17H), 1.98(dd
, J=13.2, 6.4 Hz, C2H), 1.87(d, J=13.2 Hz, C2H), 1.24(d, J=6.0 Hz, 3H, C 5 Me)
【0015】 (6)実施例6 イダルビシン−14−L−アスパルテート塩酸塩(3c)の製造 イダルビシンを用い、前記実施例4と同一に実施してイダルビシン−14−L
−アスパルテート塩酸塩を製造した。収率39%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1730
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.00(bs, 1H, Ph-OH), 13.95(bs, 1H, Ph-OH), 8.01(bs, 2H, NH2), 7.90(m, 3
H, C1H, C3H, C4H), 7.64(t, J=8.0 Hz, 1H, C2H), 5.60(bs, 1H, C1H), 5.15(b
s, 1H, C7eqH), 4.90(m, 1H, C4H), 4.67(t, J=8.0 Hz, 1H, C17H), 4.10(q, J=
6.8 Hz, 1H, C5H), 4.02(s, 2H, C14H), 3.80(d, J=8.0 Hz, 2H, C16H), 3.65(b
s, 1H, C4OH), 3.28(bs, 1H, C3H), 2.80(d, J=18.5 Hz, 1H, C10eqH), 2.50(d,
J=18.5 Hz, 1H, C10axH), 2.45(d, J=14.0 Hz, 1H, C8eqH), 2.25(dd, J=14.0,
5.0Hz, 1H, C8axH), 2.10(dd, J=12.0, 8.0 Hz, 1H, C2H), 1.90(d, J=12.0 Hz
, 1H, C2H), 1.22(d, J=6.3 Hz, 3H, C5Me)
【0016】 (7)実施例7 イダルビシン−14−L−ピルベート塩酸塩(4c)の製造 イダルビシンを用い、前記実施例5と同一に実施してイダルビシン−14−L
−ピルベート塩酸塩を製造した。収率42%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 13.90(bs. 1H, Ph-OH), 13.39(bs, 1H, Ph-OH), 8.00(bs, 2H, NH2), 7.93(m, 3
H, C1H, C3H, C4H), 7.65(bs, 1H, C2H), 5.30(bs, 1H, C1H), 5.30(bs, 1H, C7 eq H), 4.70(m, 1H, C4H), 4.45(s, 1H, C9OH), 4.30(s, 2H, C14H), 4.10(q, J=
6.8 Hz, 1H, C5H), 3.76(bs, 1H, C4OH), 3.65(bs, 1H, C 3H), 3.12(d, J=18.2
Hz, 1H, C10eqH), 3.07(d, J=18.2 Hz, 1H, C 10axH), 2.51(d, J=14.2 Hz, 1H
, C8eqH), 2.27(dd, J=14.2, 5.1Hz, 1H, C 8axH), 2.21(s, 3H, C 17H), 1.98(
dd, J=13.2, 6.4 Hz, C2H), 1.89(d, J=13.2 Hz, C2H), 1.24(d, J=6.0 Hz, 3H,
C5Me)
【0017】 (8)実施例8 4´−メトキシアドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩(3d)の
製造 4´−メトキシダウノマイシンを用い、前記実施例4と同一に実施して4´−
メトキシダウノマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩を製造した。収率3
2%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.09(bs, 1H, Ph-OH), 13.95(bs, 1H, Ph-OH), 8.01(bs, 2H, NH2), 7.90(dd m
, 2H, C1H, C3H), 7.65(t, J=8.0 Hz, 1H, C2H), 5.63(bs, 1H, C1H), 5.05(bs,
1H, C7eqH), 4.96(m, 1H, C4H), 4.60(t, J=8.0 Hz, 1H, C17H), 4.05(q, J=6.
8 Hz, 1H, C5H), 4.02(s, 2H, C14H), 3.98(s, 3H, OMe), 3.81(s, 3H, C4OMe),
3.80(d, J=8.0 Hz, 2H, C16H), 3.28(bs, 1H, C3H), 2.80(d, J=18.5 Hz, 1H,
C10eqH), 2.55(d, J=18.5 Hz, 1H, C10axH), 2.46(d, J=14.0 Hz, 1H, C8eqH),
2.25(dd, J=14.0, 5.0Hz, 1H, C8axH), 2.04(dd, J=12.0, 8.0 Hz, 1H, C2H), 1
.95(d, J=12.0 Hz, 1H, C2H), 1.23(d, J=6.3 Hz, 3H, C5Me)
【0018】 (9)実施例9 4´−メトキシアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩(4d)の製造 4´−メトキシダウノマイシンを用い、前記実施例5と同一に実施して4´−
メトキシアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩を製造した。収率38%;
IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 13.95(bs, 1H, Ph-OH), 13.27(bs, 1H, Ph-OH), 8.05(bs, 2H, NH2), 7.90(m, 2
H, C1H, C 3H), 7.67(bs, 1H, C 2H), 5.31(bs, 1H, C 1H), 5.30(bs, 1H, C7eq H), 4.85(m, 1H, C4H), 4.45(s, 1H, C9OH), 4.30(s, 2H, C 14H), 4.10(q, J=6
.8 Hz, 1H, C5H), 4.00(s, 3H, OMe), 4.10(s, 3H, C4OMe), 3.67(bs, 1H, C3H)
, 3.12(d, J=18.2 Hz, 1H, C10eqH), 3.07(d, J=18.2 Hz, 1H, C10axH), 2.50(d
, J=14.2 Hz, 1H, C8eqH), 2.24(dd, J=14.2, 5.1Hz, 1H, C8axH), 2.20(s, 3H,
C17H), 1.98(dd, J=13.2, 6.4 Hz, C2H), 1.86(d, J=13.2 Hz, C2H), 1.20(d,
J=6.0 Hz, 3H, C5Me)
【0019】 (10)実施例10 4´−デオキシアドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩(3e)
の製造 4´−デオキシダウノマイシンを用い、前記実施例4と同一に実施して4´−
デオキシアドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩を製造した。収率
34%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.05(bs, 1H, Ph-OH), 13.95(bs, 1H, Ph-OH), 8.01(bs, 2H, NH2), 7.90(dd m
, 2H, C1H, C3H), 7.64(t, J=8.0 Hz, 1H, C2H), 5.63(bs, 1H, C1H), 5.05(bs,
1H, C7eqH), 4.60(t, J=8.0 Hz, 1H, C17H), 4.05(q, J=6.8 Hz, 1H, C5H), 4.
02(s, 2H, C14H), 3.97(s, 3H, OMe), 3.80(d, J=8.0 Hz, 2H, C16H), 3.26(bs,
1H, C3H), 2.85(d, J=18.5 Hz, 1H, C10eqH), 2.55(d, J=18.5 Hz, 1H, C10axH
), 2.46(d, J=14.0 Hz, 1H, C8eqH), 2.27(dd, J=14.0, 5.0Hz, 1H, C8axH), 2.
16(m, 2H, C2H, C4H), 2.05(m, 2H, C2H, C4H), 1.29(d, J=6.3 Hz, 3H, C5Me)
【0020】 (11)実施例11 4´−デオキシアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩(4e)の製造 4´−デオキシダウノマイシンを用い、前記実施例5と同一に実施して4´−
デオキシアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩を製造した。収率38%;
IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 13.97(bs, 1H, Ph-OH), 13.32(bs, 1H, Ph-OH), 8.00(bs, 2H, NH2), 7.90(m, 2
H, C1H, C3H), 7.65(bs, 1H, C2H), 5.30(bs, 1H, C1H), 5.30(bs, 1H, C7eqH),
4.45(s, 1H, C9OH), 4.30(s, 2H, C14H), 4.10(q, J=6.8 Hz, 1H, C5H), 3.75(
bs, 1H, C4H), 3.69(bs, 1H, C3H), 3.18(d, J=18.2 Hz, 1H, C10eqH), 3.06(d,
J=18.2 Hz, 1H, C10axH), 2.55(d, J=14.2 Hz, 1H, C8eqH), 2.27(dd, J=14.2,
5.1Hz, 1H, C8axH), 2.20(s, 3H, C17H), 2.07(m, C2H, C4H), 1.97(m, C2H, C 4 H), 1.24(d, J=6.0 Hz, 3H, C5Me)
【0021】 (12)実施例12 3´−フルオロアドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩(3f)
の製造 3´−フルオロダウノマイシンを用い、前記実施例4と同一に実施して3´−
フルオロアドリアマイシン−14−L−アスパルテート塩酸塩を製造した。収率
28%; IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 14.00(bs, 1H, Ph-OH), 13.95(bs, 1H, Ph-OH), 7.90(dd m, 2H, C1H, C3H), 7.
60(t, J=8.0 Hz, 1H, C2H), 5.63(bs, 1H, C1H), 5.05(bs, 1H, C7eqH), 4.95(m
, 1H, C4H), 4.60(t, J=8.0 Hz, 1H, C17H), 4.05(q, J=6.8 Hz, 1H, C5H), 4.0
0(s, 2H, C14H), 3.90(s, 3H, OMe), 3.80(d, J=8.0 Hz, 2H, C16H), 3.67(bs,
1H, C4OH), 3.58(bs, 1H, C3H), 2.80(d, J=18.5 Hz, 1H, C10eqH), 2.58(d, J=
18.5 Hz, 1H, C10axH), 2.45(d, J=14.0 Hz, 1H, C8eqH), 2.25(dd, J=14.0, 5.
0Hz, 1H, C8axH), 2.00(dd, J=12.0, 8.0 Hz, 1H, C2H), 1.95(d, J=12.0 Hz, 1
H, C2H), 1.25(d, J=6.3 Hz, 3H, C5Me)
【0022】 (13)実施例13 3´−フルオロアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩(4f)の製造 3´−フルオロダウノマイシンを用い、前記実施例5と同一に実施して3´−
フルオロアドリアマイシン−14−ピルベート塩酸塩を製造した。収率32%;
IRスペクトル(cm-1) 3400−3550(水酸基)、3000−3050(フェニル基)、1725
(エステル基)1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6、ppm) 13.89(bs, 1H, Ph-OH), 13.25(bs, 1H, Ph-OH), 7.90(m, 2H, C1H, C3H), 7.65(
bs, 1H, C2H), 5.30(bs, 1H, C1H), 5.23(bs, 1H, C7eqH), 4.80(m, 1H, C4H),
4.45(s, 1H, C9OH), 4.32(s, 2H, C14H), 4.15(q, J=6.8 Hz, 1H, C5H), 4.05(s
, 3H, OMe), 3.78(bs, 1H, C4H), 3.70(bs, 1H, C3H), 3.12(d, J=18.2 Hz, 1H,
C10eqH), 3.05(d, J=18.2 Hz, 1H, C10axH), 2.50(d, J=14.2 Hz, 1H, C8eqH),
2.25(dd, J=14.2, 5.1Hz, 1H, C8axH), 2.20(s, 3H, C17H), 1.98(dd, J=13.2,
6.4 Hz, C2H), 1.92(d, J=13.2 Hz, C2H), 1.28(d, J=6.0 Hz, 3H, C5Me)
【0023】 本発明者は上記化学式Iに表示される化合物が従来のアンスラサイクリングリ
コシド抗癌剤と類似した抗腫瘍の活性を有しながら期待したように心臓毒性が減
少されたことを確認した。従って、本発明の化学式Iの化合物は低い心臓毒性と
優れた抗腫瘍活性を有するため、抗腫瘍剤としての用途が考えられる。
【0024】 生物学的な活性 下記試験例を通じて、本発明による化学式1の化合物は公知のアンスラサイク
リン系抗癌物質であるダウノマイシン及びアドリアマイシンと類似である抗腫瘍
活性を有しながら、心臓毒性が非常に軽減されることを確認した。
【0025】 試験例1 腫瘍試験動物に対する抗腫瘍の効果 (1)試験動物 Charles River Companyから購入した5週のBDF1マ
ウスの側部にB16の黒色腫の組織を皮下移植した。別途でルイス肺腫瘍、固形
癌を5週のBDF1マウスの鼠蹊部から脇の皮下組織内に移植した。
【0026】 (2)医薬製剤化及び投与 試験群及び対照群を試験するため、アドリアマイシンを注射用で製剤化するた
めに水に溶解し、製剤化された医薬を試験動物群2群、B16の黒色腫のマウス
及びルイス肺癌マウスに多様な投与量で腫瘍移植した後1日、8日、15日及び
22日、即ち、1週間おきに総4回を静脈投与した。 対照群には生理食塩水を1kg体重当たり10ml投与した。
【0027】 (3)体重測定 試験対象の各々のマウスの体重を試験群の分離日及び医薬投与日に測定した。
体重の変化に対するデータは試験後の1日及び8日に測定された体重に基いたも
のである。
【0028】 (4)腫瘍成長の抑制 生き残った試験動物の腫瘍の体積をルイス肺癌腫の癌腫の移植後16日目に、
そして、B16黒色腫の癌腫の移植した後18日目とに測定した。腫瘍の体積は
1/2ab2に従って計算し、上記aはデジタルキャリパスで測定された固形腫瘍
の長軸の長さ(mm)であり、bは短軸の長さである。 腫瘍成長の抑制(TGI)は次の数学式1に従って計算した。 数学式1 TGI(%)=(1− Vt/Vc)×100 上記数学式から、Vtは医薬が投与された試験群の平均腫瘍体積であり、Vc
溶媒が投与された対照群の平均腫瘍体積である。
【0029】 (5)生存度及び寿命延長(ILS)の観察 試験動物の生存如何を確認するため、毎日2回ずつ観察し、癌腫細胞を移植し
た後、死亡時までの生存期間は日と示した。60日間続いて観察し、その日の後
にも生き続けた動物は生存者として見なした。 それぞれの医薬の抗癌効果をILSで平価し、これは対照群に対する医薬−処
理動物での平均生存期間の比率(%)から得ることができた。ILSは腫瘍の移
植後、61日目に平価された。
【0030】 (6)インビボでの抗腫瘍活性に対する試験 B16黒色腫 BDF1マウスの皮下組織内に移植されたB16マウスの黒色腫に対する試験
医薬の抗腫瘍活性は次の表1の通りである。 TGIに対しては、本発明の全ての新規アンスラサイクリン誘導体は25mg/kg
の投与量又はそれ以上の投与量で有効な効果を示したが、アドリアマイシンは1
0mg/kgの投与量で効果を示し、上記結果は癌腫の移植した後の18日目の観察
によるものである。10mg/kgのアドリアマイシンが投与されたマウス群に対し
ては、最大TGIが58%であった。しかしながら、新規アンスラサイクリン誘
導体は50mg/kgの投与量で最大TGIが89%であった。従って、本発明の新
規アンスラサイクリン誘導体の全てはアドリアマイシンよりさらに強くB16黒
色腫の成長を抑制したことを確認することができた。 ILSに対しては、本発明の全ての新規アンスラサイクリン誘導体は25mg/k
g又はそれ以上が投与された群で効果的であり、アドリアマイシンは5.0及び1
0.0mg/kgが投与された群で効果的であり、上記結果は30%又はその以上のI
LSに基ついたものである。新規アンスラサイクリン誘導体の場合は50.0mg/
kgの投与量で、最大ILSが290−585%となり、アドリアマイシンの場合
は10.0mg/kgの投与量で最大ILSが119%となった。
【表1】
【0031】 ルイス肺癌腫 BDF1マウスの皮下組織内に移植されたルイス肺癌腫に対する本発明の新規
アンスラサイクリン誘導体の抗癌活性は次の表2の通りである。 TGIに対しては、本発明の全ての新規アンスラサイクリン誘導体は25mg/k
gの投与量、又はその以上が投与量で医薬的に有効な効果を示したが、アドリア
マイシンは10.0mg/kgの投与量で効果を示し、上記結果は癌腫移植の後18日
目の観察によるものである。10mg/kgのアドリアマイシンが投与されたマウス
群に対しては、最大TGIが58%であった。反面、腫瘍−不在の状態は本発明
の新規アンスラサイクリン誘導体が50mg/kgの投与量で投与されたマウスのみ
で観察された。 ILSに対しては、本発明の全ての新規アンスラサイクリン誘導体は25mg/k
gの投与量、又はその以上が投与された群で効果的であり、上記結果は30%又
はこの以上のILSに基づいたものである。新規アンスラサイクリン誘導体の場
合は50.0mg/kgの投与量で、最大ILSが245%となり、アドリアマイシン
の場合は10.0mg/kgの投与量で最大のILSが58%となった。 上記試験結果は、本発明の新規アンスラサイクリン誘導体が従来のアドリアマ
イシンと比べて、最大TGI及び最大ILSのような抗癌の効果がありながらも
、さらに減少された毒性を示し、より広い投与量の範囲で医薬的に有効な活性を
有するということを示している。
【表2】 上記の表1及び2のデータからわかるように、本発明の新規アンスラサイクリ
ン化合物は強力な抗癌活性を示し、これは単独で又は他の従来の抗癌剤と併用使
用され、臨床で利用される抗腫瘍剤として非常に有用である。 化学式1に示した本発明のアンスラサイクリン化学物は生体内で抗腫瘍作用が
行われるとき、細胞内のエステラーゼによってエステル結合が切断し、母化合物
と同一である形を有するため、母抗癌剤と類似した抗癌の効能を示すものと判断
される。例えば、番号1の本発明の化合物は生体内でエステラーゼによってアド
リアマイシン及びL−アスパルテートで分解され、生成されたアドリアマイシン
は抗癌の効果を表す。 一方、本発明の新規抗癌薬物に対する心臓毒性は次のように実施した。
【0032】 試験例2 心臓毒性の平価 (1)試験動物 試験動物として体重が約200gの雄性のスプラグー−ドルリー(Sprag
ue−Dawley)系のラットを使用した。環境及び感染によるストレスを排
除するため、動物室を22℃恒温とSPF条件で保持させた。上記ラットをエテ
ールで麻酔した後、1週間に一回ずつ5週間試験しようとする化合物を腹腔内に
注射した。 対照群として、アドリアマイシン及びダウノマイシンのそれぞれを4mg/kgの
投与量で投与し、アンスラサイクリンのアスパルテート誘導体及びピルベート基
誘導体のそれぞれを5mg/kg及び3.5mg/kgで投与して心臓毒性の試験をした。
【0033】 (2)心電図の試験 前記ラットをエテールで麻酔後、足を固定板に固定させた。心電計の二つの電
極をそれぞれ胸部の右上部位置及び左下部位置に連結して標準リムリード(Li
mb Lead)IIの心電図を記録した。記録はGrass Polygrap
h(Model 79E、Wide−Band AC、 preamplifi
er Model 7P5B)で実施し、拍動数、PQ期間、QRAコンプレッ
クス、ST期間、QT期間、TP期間及びT波を測定した。
【表3】
【0034】 (3)試験結果 アドリアマイシン及び新規アンスラサイクリン誘導体による体重変化 薬物処理をしない対照群は6週間徐々に体重が増加したが、アドリアマイシン
が投与された試験群では体重増加速度が非常に減少された。アドリアマイシン−
投与群は投与した後、2週から死亡する4週まで酷い毒性症状を示した。 これと逆に、本発明の新規アンスラサイクリン誘導体が投与された試験群では
同一な体重増加速度が観察された。しかしながら、表3に記載のように、投与量
を5倍増加した場合には、対照群より少し劣る体重増加状態を表した。特に、本
発明の誘導体がアドリアマイシンと同一である当量で投与されたラットは体の全
体として異状なく、正常的なラットと同一な行動を見せた。
【0035】 アドリアマイシン及び新規アンスラサイクリン誘導体によるECG変化 対照群にはEGCが変化されず、アドリアマイシン−投与群では典型的なEC
G変化が観察された。投与した後、3週乃至4週からECG変化が始め、回復の
段階で悪化された。投与した後3週から、非常にECG変化が起こし、この後は
アドリアマイシン−投与群のラットが心臓異状で死亡したからECG変化が観察
されなかった。 アドリアマイシン−投与によって激しい変化が発生されるECG要素であるQ
T、ST、TP期間及びT波の高さをアンスラサイクリン誘導体−投与群で調査
した。その結果、アンスラサイクリン誘導体−投与群のECG状態は正常的なラ
ットと殆ど同一であり、これは本発明の新規アンスラサイクリンの誘導体が殆ど
心臓毒性を示さないことがわかる。 本発明の化合物は薬剤学的に許される担体又は希釈剤と共に非経口又は経口投
与することができる。口腔投与の場合には、本発明の化合物は錠剤又は他の適合
した剤形として製剤化することができる。本発明の化合物の非経口投与の例は、
動物の場合は腹腔注射、皮下注射、静脈内注射及び動脈注射を含み、人の場合は
静脈内注射又は動脈注射及び局部注射を含む。本発明の新規化合物の投与量は投
与経路及び患者又は動物の状態、即ち年、体重、性、感受性、食餌、投与時間、
併用投与される薬物、症状の程度等によって決まる。本発明の化学物が抗腫瘍剤
として利用される場合には、アドリアマイシンより広い範囲の投与量で投与する
ことができ、望ましくは1日当たり5.0乃至25mg/kg体重の投与量である。 又、化学式1の化合物はグラム陽性のバクテリアに対して抗菌の活性を示すた
め、前記した投与経路を通して前記投与量でグラム陽性バクテリアによって起き
る病の治療に利用することができる。
【0036】
【産業上利用可能性】
以上のように、本発明による新規アンスラサイクリン化合物は公知のアンスラ
サイクリン薬物と類似した抗腫瘍活性を表しながら、公知のアンスラサイクリン
薬物よりさらに軽減された心臓毒性を表す。従って、本発明による新規アンスラ
サイクリン誘導体は臨床で抗腫瘍剤として利用することができる。又、化学式1
に示されるアンスラサイクリン化合物は塩状態で存在するため、水に対する溶解
度が非常に大きく、安定性も高いから化学的に扱いやすい。 本発明によって提供される化合物は低い心臓毒性を表しながら、白血病細胞及
び試験動物の腫瘍に対して優れた抗腫瘍活性を示し、これによって固形癌及び腹
水癌のような悪性腫瘍の治療のための抗腫瘍として利用することができる。 本発明において例示に上述し、使用された用語は本発明を制限するためのこと
ではなく、より詳しく説明するためのことである。本明細書の教示事項から本発
明の多い変形が可能である。従って、本発明は上述したものと異なって添付した
請求範囲の範囲内で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の新規アンスラサイクリングリコシド抗癌物質の製造経路を
示した図式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガング フン ス 大韓民国 463−070 ソンナン シティ, ブンダン−グ, ヤタプ−ドン, モク レン−マウル, ハソン ビレッジ, 707−101 (72)発明者 ノ ヤング セ 大韓民国 561−210 ゼンジュ シティ, ホソン−ドン 1−ガ, ドンシン ア パートメント, 3−1008 Fターム(参考) 4C057 BB02 CC03 DD01 JJ47 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA10 MA01 MA04 NA07 NA14 ZB26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の化学式Iの新規アンスラサイクリングリコシド誘導体: 【化1】化学式I 前記化学式から、R1及びR4は同一であり、別のものであり、それぞれは水
    素原子、メトキシ基又は水酸基; R2はL−アスパルテート又はピルベート基;及び R3は水素原子又はフッ素原子を示めす。
  2. 【請求項2】 前記アンスラサイクリングリコシド誘導体は薬剤学的に許さ
    れる担体又は希釈剤と混ぜて非毒性の薬剤学的に許される酸−付加塩の形で存在
    することを特徴とする請求項1に記載の新規アンスラサイクリングリコシド誘導
    体。
  3. 【請求項3】 有効成分として請求項1記載の化学式Iのアンスラサイクリ
    ングリコシド誘導体を含み、又は請求項2に記載の前記誘導体の酸−付加塩を含
    む抗癌剤。
  4. 【請求項4】 アドリアマイシンの公知の投与量より2乃至20倍の単位投
    与量を有する請求項3の抗癌剤を含む薬剤学的造成物を投与する段階を含む腫瘍
    の治療方法。
  5. 【請求項5】 微生物の成長を抑えることにおいて有効な量の請求項1の化
    学式1で示されるアンスラサイクリングリコシド又は請求項2の酸−付加塩を有
    効成分として含む抗生剤。
  6. 【請求項6】 次の化学式IIで示される化合物のエステル化反応の段階を含
    む次の化学式Iで示されるアンスラサイクリングリコシド誘導体の製造方法。 【化2】化学式I: 前記化学式から、R1又はR4は同一であり、別のものであり、それぞれは水素
    原子、メトキシ基又は水酸基;R2はL−アスパルテート又はピルベート基;及
    びR3は水素原子又はフッ素原子を示し、 【化3】化学式II: 前記化学式から、R1、R3及びR4は上述の通りである。
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