JP2002513506A - 低減された抽出分含有率及び改善された溶液清澄性を有する、弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとのコポリマー - Google Patents

低減された抽出分含有率及び改善された溶液清澄性を有する、弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとのコポリマー

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Abstract

(57)【要約】 弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとの、最大で約24重量%のヘキサフルオルプロピレンを含有する、改善された溶液清澄性及び流動性を有し且つ繰り返すのに充分詳細に合成が開示されている先行技術の匹敵するHFP含有率の弗化ビニリデン−ヘキサフルオルプロピレンコポリマーのものよりも長いゲル化時間及び低い抽出分含有率を有する新規のコポリマー、並びにかかるコポリマーを含有する新規の組成物及び製品が開示される。また、本発明の弗化ビニリデン/ヘキサフルオルプロピレンコポリマーの新規のコポリマー、2モード分子量分布を有する弗化ビニリデンホモポリマー及び実質的に均質のモノマー分布を有する弗化ビニリデン/クロルトリフルオルエチレンコポリマーを基とする新規の電池構造も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 低減された抽出分含有率及び改善された溶液清澄性を有する、 弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとのコポリマー 本発明は、1997年2月28日付で出願された暫定米国特許出願第60/0 38346号の恩典を主張するものである。発明の背景 本発明は、化学の分野においてフルオロポリマーとして分類される物質、より 特定的には弗化ビニリデン(VDF)のコポリマーとして分類される物質、より 特定的には弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレン(HFP)とのコポリマ ーして分類される物質、さらにより特定的には低減された抽出分含有率(溶剤に 抽出されてしまい得る成分又は部分の含有率)、長いゲル化時間及び改善された 溶液清澄性を有するVDFとHFPとのコポリマー、かかるコポリマーを含有す る新規の組成物及び製品並びに前記コポリマー、該コポリマーを含有する組成物 及び該コポリマーを含有する製品の製造方法及び使用方法に関する。 VDF/HFPコポリマーはよく知られており、それらの熱可塑性エンジニア リング特性、耐化学薬品性及び分解に対する不活性さのために、よく用いられて いる。これらは、耐化学薬品性の管、ガスケット材料、プレナムケーブル外被、 濾過及び抽出膜並びにリチウム電池構造のような用途を見出すことができる。 本発明は、約24重量%(12モル%)までのHFPを含有し、他にも改善さ れた性質があるが特に、実質的に改善された溶液清澄性、長いゲル化時間及び低 減された抽出分含有率(これらの用語は後に定義する)を有するVDF/HFP コポリマーを提供するものである。 本発明のコポリマーを製造するのに用いられる方法は、反応器の初期装填につ いてのVDF/HFP比と、続いてのモノマーの連続供給の間のVDF/HFP 比とで異なる比を採用することを必要とする。コポリマー製品中の所望の平均H FP含有率は、初期装填比及び続いての供給比に対応してとる。こうして製造さ れる組成の均一性は、従来技術において報告されているVDF/HFPコポリマ ーと比較して独特且つ有用な性質をもたらす。 本発明はまた、本発明のVDF/HFPコポリマーから作製されるリチウム電 池、並びにその他の、より特定的には以下に記載した既知の方法によって調製さ れるホモポリマー及びコポリマーであって本発明のVDF/HFPコポリマーの ものと類似の加工特性(これがそれらポリマーをリチウム電池構造に特に適した ものにする)を本発明者が認めた前記ホモポリマー及びコポリマーから作製され るリチウム電池をも提供する。先行技術の開示 Rexfordは米国特許第3051677号明細書に、HFP含有率30〜70重 量%(5〜50モル%)であってエラストマーとしての有用性を示すVDF/H FPコポリマーを記載している。このコポリマーを作るために、ある初期VDF /HFP比でのバッチ式プロセス及びプロセスを通じて一定VDF/HFP比で の連続式プロセスが記載されている。これらの記載された方法は、本発明の改善 された溶液清澄性、長いゲル化時間及び低い抽出分含有率という特徴を持たない ポリマーが作られるようなものである。 Loは米国特許第3178399号明細書に、HFP含有率2〜26重量%(1 〜13モル%)であって、製品について少なくとも1000000の回復可能伸 び率%及び引張強さ(psig)の数値を示すVDF/HFPコポリマーを記載 している。このコポリマーを作るために、ある初期VDF/HFP比でのバッチ 式プロセス又はプロセスを通じて一定VDF/HFP比での半連続式プロセスが 用いられている。議論されている方法は、本発明のコポリマーの改善された溶液 清澄性、長いゲル化時間及び低い抽出分含有率という特徴を持たないコポリマー が作られるようなものである。 Moggiらは「Polymer Bulletin」7、115〜122(1982年)において 、VDF/HFPコポリマーの微細構造及び結晶構造を核磁気共鳴及びX線回折 実験によって分析した。バッチ式乳化法においてHFP含有率31重量%まで( 16モル%まで)のコポリマーが作られたが、転化率が低かった。この低転化率 バッチ式プロセスは溶液清澄性及び低抽出分含有率を有するコポリマーを製造す ることができるが、このような特性は何ら記載されていない。このバッチ式プロ セスは転化率が低いので工業的に利用するのには実用的な方法ではない。さらに 、詳細な重合例は与えられていない。 Bonardelliらは「Polymer」第27巻、905〜909(1986年6月)に おいて、62重量%まで(41モル%まで)のHFP含有率を有するVDF/H FPコポリマーのガラス転移温度を研究している。ガラス転移温度は、コポリマ ーの全体的なHFP含有率と相関関係があった。分析のためにこのコポリマーを 作るに当たっては、反応器初期装填についてと続いての連続モノマー供給につい てとで異なるVDF/HFP比を用いての半連続乳化法が用いられている。初期 装填についてVDF/HFP比を設定するために反応性比を用いることが言及さ れてはいるが、詳細な重合例は何ら与えられておらず、本発明のコポリマーのも のに匹敵する溶液清澄性、ゲル化時間及び低い抽出分含有率を有するコポリマー は挙げられていない。 Piancaらは「Polymer」第28巻、224〜230(1987年2月)におい て、VDF/HFPコポリマーの微細構造を核磁気共鳴によって検査しており、 この微細構造の測定は、コポリマーのガラス転移温度における傾向を説明するた めに用いられている。コポリマーの合成には半連続式乳化法が用いられており、 これには初期反応器装填についてと続いての連続モノマー供給についてとで異な るVDF/HFP比が用いられている。詳細な合成例は与えられておらず、本発 明のコポリマーによって提供される改善された溶液清澄性、長いゲル化時間及び 低い抽出分含有率を有するコポリマーの議論は何らない。 Abuslemらはヨーロッパ特許公開第650982号において、弗素化オレフィ ンのポリマー及び弗素化オレフィンと1種以上の非弗素化オレフィンとのコポリ マーを作るための乳化法を示している。この方法は光化学的重合開始に頼るもの であり、熱開始法について用いられるものよりも低い温度及び圧力を用いること ができる。得られるポリマーの構造的規則性の一般的言及はあるが、規則性の唯 一の証拠はポリ(弗化ビニリデン)ホモポリマーに関するものであり、組成の規 則性については何ら主張されていない。VDF/HFP共重合の例は与えられて いるが、しかしコポリマーの溶液抽出特性の議論は何ら与えられておらず、VD F/HFPコポリマーの物理的特性と構造との間の関連づけは何ら行なわれて いない。 Morganは米国特許第5543217号明細書に、半連続乳化法によって作られ る均一テトラフルオルエチレン/ヘキサフルオルプロピレンコポリマー(TFE /HFPコポリマー)を開示している。均一性とは単に、ポリマー鎖中でHFP 単位同士が隣り合って存在する割合が低いことと定義されているだけである。他 にはTFE/HFP単位の配列の開示は何らなく、VDF/HFPコポリマーの 議論もそこから期待される性質の議論も何らない。 これらの文献はいずれも、本発明のVDF/HFPコポリマーに匹敵する溶剤 溶液清澄性及び流動性、長いゲル化時間並びに低抽出分含有率を有するVDF/ HFPコポリマーを得る方法や、VDF/HFPコポリマーからこのような性質 を得ることができるということを、教示も示唆もしていない。 米国特許第4076929号明細書には、分子鎖中に均一に分布された比較的 多くの欠陥構造を有するVDFホモポリマーの合成が記載されている。 米国特許第2752331号明細書には、分子鎖中のコモノマー分布の高い均 一性を有するVDF/クロルトリフルオルエチレン(CTFE)コポリマーの合 成が記載されている。 Baggett及びSmithは「High Polymers」第XVIII巻、Ham、John Wiley(196 4年)、第X章、『共重合』、第587頁以下、特に第593及び610頁に、 塩化ビニリデンと塩化ビニルとの及び塩化ビニルと酢酸ビニルとの均一組成分布 コポリマーの合成を記載している。 米国特許第5296318号明細書には、リチウム電池電極及びセパレーター の作製における用途にはHFP8〜25重量%を含有するVDF/HFPコポリ マーのみが適しており、その他のVDFホモ又はコポリマーはいずれも適さない と教示されている。 米国特許第5348818号明細書には、二次電池製造における用途のための 固体電極を形成させるのに、その他のポリマーと併記してVDFポリマーを用い ることができると挙げられている。弗化ビニリデンの特定的なタイプは同定され ておらず、いずれのタイプのそのコポリマーも示唆されていない。 1996年9月4日に発行されたヨーロッパ特許出願第95 120 660.6-1215号 明細書には、コモノマー含有率約7%〜25%の微孔質(連続気泡又は独立気泡 )VDFコポリマーをリチウム電池に用いること、並びにVDFホモポリマーを かかる電池のための外装材料として用いることが教示されている。本発明によっ て用いられるコポリマーを固体電解質に用いること及びそれによってもたらされ る改善された性質は、教示も示唆もされていない。同様に、本発明において用い られるタイプのVDFホモポリマーを固体電解質に用いることも、教示も示唆も されていない。 これらの文献はいずれも、本発明によって企図されるタイプのリチウムロッキ ングチェア電池を教示も示唆もしておらず、特に米国特許第5296318号明 細書は任意のタイプのVDFホモポリマー、HFP含有率8重量%未満のVDF /HFPコポリマー又はその他のVDF含有コポリマーを用いることからかけ離 れたことを教示している。 米国特許第5571634号明細書には、コポリマー中のCTFE含有率が8 重量%以上であるVDF−CTFEコポリマーを用いるリチウムイオン電池構造 が教示されている。発明の概要 本発明は、第一の物質局面において、弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピ レンとの、最大で約24重量%までのヘキサフルオルプロピレンを含有する、改 善された溶液清澄性及び流動性を有するコポリマーであって、 約8重量%までの公称HFP含有率を有するコポリマーについては (a)抽出分含有率(重量%)=1.7(HFPモル%)−3.2 及び (b)抽出分含有率(重量%)=−1.2+1.5(HFPモル%)−8×10-6(Mn) より成る群から選択される式によって計算される抽出分含有率(重量%)の±1 .5%以内の抽出分含有率(重量%)を有し、 約8重量%よりも高い公称HFP含有率を有するコポリマーについては先行技 術が詳細を与えている方法によって製造された同じ公称HFP重量%を有するコ ポリマーのDSC(示差走査熱量分析)融点よりも少なくとも2.5℃低いDS C融点を有する、前記コポリマーを提供する。 この第一の物質局面の具体例は、示差走査熱量分析(DSC)によって測定し て先行技術に詳細に報告されている方法によって製造された同じ公称HFP含有 率を有するVDF/HFPコポリマーよりも低い融点を有する淡黄色〜無色の半 結晶質固体にある。 この第一の物質局面の具体例はまた、先行技術に詳細に報告されている方法に よって製造された同じ公称HFP含有率を有するVDF/HFPコポリマーより も長い溶液からのゲル化時間をも有する。 前記の物理的特性と合成方法との組合せは、本発明の物質の構造及び新規性を 確認するのに明確に役立つ。 本発明の第一の物質局面の具体例は、塗料及び粉末コーティングビヒクル用に 好適な並びに耐化学薬品性成型物体及び支持された又は支持されていないフィル ムとして好適な固有の応用用途特性を有する。特に、約2重量%〜約8重量%の HFP含有率、さらにより特定的には約3〜6重量%のHFP含有率を有し、特 に電池用、特にリチウム電池用のポリマー系セパレーター及びポリマー系電極マ トリックスとして好適な固有の応用用途特性を有する本発明の第一の物質局面の コポリマーを挙げることができる。 先行技術(例えば米国特許第5296318号明細書を見よ)では、8〜25 重量%のHFPを含有するPVDF/HFPコポリマーから作られたリチウム電 池が報告されている。本発明のその範囲のHFP含有率を有するコポリマーはこ のような電池に用いるのに好適であり、その用途において改善を示す。このよう な改善された電池も本発明によって均等物として企図されるものである。 また、特に約7重量%〜約15重量%のHFP含有率、さらにより特定的には 約10重量%のHFP含有率を有し、電線ケーブル用の耐燃性絶縁材として好適 な固有の応用用途特性を有する本発明の第一の物質局面のコポリマーを挙げるこ ともできる。 さらに、約15重量%よりも高いHFP含有率、さらにより特定的には約16 重量%以上のHFP含有率を有し、透明な軟質耐化学薬品性フィルムとして好適 な固有の応用用途特性を有する本発明の第一の物質局面のコポリマーを挙げるこ ともできる。 本発明は、第二の物質局面において、正極、アブソーバー−セパレーターアブ ソーバー−セパレーター及び負極を有する電気化学的セル(cell)(素電池)を 含む改良型製品であって、前記電極の少なくとも一方が電解質材料と組み合わさ れた弗化ビニリデンポリマーを含み且つ(又は)前記アブソーバー−セパレータ ーが電解質材料と組み合わされた弗化ビニリデンポリマーを含み、前記弗化ビニ リデンポリマーが2モード(双峰)分子量分布を有する弗化ビニリデンホモポリ マー、実質的に均質のモノマー分布を有する弗化ビニリデン/クロルトリフルオ ルエチレンコポリマー及び本発明の第一の物質局面において規定された弗化ビニ リデン/ヘキサフルオルプロピレンコポリマーより成る群から選択される弗化ビ ニリデンポリマーから本質的に成る前記製品を提供する。 本発明の第二の物質の具体例としては、VDF/HFPコポリマー約2重量% 〜約8重量%のヘキサフルオルプロピレン含有率、特に約3重量%〜約6重量% のヘキサフルオルプロピレン含有率、さらにより特定的には約3重量%のヘキサ フルオルプロピレン含有率を有するものが特に挙げられる。 2モード分子量分布を有する弗化ビニリデンホモポリマーとは、米国特許第4 076729号明細書に記載されたようにして調製された弗化ビニリデンホモポ リマーを意味する。 実質的に均質のモノマー分布を有する弗化ビニリデン/クロルトリフルオルエ チレンコポリマーとは、米国特許第2752331号明細書に記載されたように して調製された弗化ビニリデン/クロルトリフルオルエチレンコポリマーを意味 する。 かかるVDF/CTFEコポリマーとしては、特に約2重量%〜約8重量%の CTFE含有率、より特定的には約3〜6重量%のCTFE含有率を有するもの を挙げることができる。 本明細書及び添付された請求の範囲において「本発明の弗化ビニリデンポリマ ー(又はVDFポリマー)」とは、前記の2モード分子量分布を有するポリ弗化 ビニリデンホモポリマー、前記の実質的に均一のモノマー分布を有するVDF/ CTFEコポリマー及び(又は)本発明の第一の物質局面であるVDF/HFP コポリマーを意味する。 本発明の第二の物質局面が改良をもたらす元の電気化学的セルは、国際公開W O95/06332号パンフレット、ヨーロッパ特許出願第95 120 660.6-1215 (1996年9月4日付けヨーロッパ特許公開第730316号)及び米国特許 第5296318号明細書に記載されている。必要ならばこの国際公開、ヨーロ ッパ特許公開及び米国特許明細書を参照されたい。 前記の文献に記載されたように電池構造において用いるためのフィルムを製造 するために溶液流延技術を用いることに加えて、かかるフィルムを製造するため に押出技術を用いること及びそれから作製される電池もまた企図される。 また、前記のVDFポリマー、特に本発明のVDF−HFPコポリマーから作 製された電池は、先行技術のVDF/HFPコポリマーから作製された電池より 高い使用温度及びより良好な電極の金属部分に対するポリマー付着性を有するこ ともわかった。また、本発明のVDF−HFPコポリマーは、先行技術のVDF /HFPコポリマーから作製された電池より高い放電率能力を含む改善された電 気的性質を有する電池を提供するということも観察された。本発明に従って作製 される電池は一般的にこのような高温使用及び高放電率能力を有するということ が本発明によって期待される。 本発明は、第三の物質局面において、本発明の第一の物質局面の物質の改善さ れた溶液清澄性及び流動性を有する溶液を提供する。 約24重量%までのヘキサフルオルプロピレン含有率を有する弗化ビニリデン /ヘキサフルオルプロピレンコポリマーは、有用な半結晶質熱可塑性樹脂である 。材料中のHFP含有率が高くなるにつれて、結晶性が低下し、それに対応して 軟質性及び溶剤敏感性が高くなる。最終融点のようなその他の性質も同様に変化 し、これはHFP含有率が高くなるにつれて低くなる。膜濾過又は抽出、リチウ ム電池構造、溶液流延からの高透過性フィルム並びに流体貯蔵及び輸送のような 低い汚染物レベルを要求する高純度用途においては、抽出分含有率レベルが低く 、溶剤の存在下においてほとんどゲル形成がなく且つ良好な清澄性を有する材料 を得ることが望まれる。ここで提供されるVDF/HFPコポリマーは、先行技 術において製造方法が知られている同様のHFP含有率を有する不均一VDF/ HFPコポリマーと比較して低い抽出分含有率、改善された溶液特性、改善され た清澄性及び流動性並びに低い融点を示す。図面の説明 図1は、本発明のコポリマーの最終示差走査熱量分析(DSC)融点と合成が 詳細に報告されている先行技術の化合物のDSC融点との比較である。 図2は、本発明のコポリマー及び合成が詳細に報告されている先行技術の化合 物の、40℃の炭酸ジメチル(DMC)中におけるポリマー抽出分含有率に対す るHFP含有率の影響を示す。 図3は、本発明のコポリマー及び再現するのに充分な合成詳細がある先行技術 の化合物の、HFP含有率と溶液(プロピレンカーボネート中20重量%)から のゲル化時間の対数(log)との間の関係を示す。 図4は、本発明に従う電気化学的セルの断面図である。詳細な説明 本発明は、弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとの、約24重量%ま でのヘキサフルオルプロピレン含有率を有し且つ改善された溶液清澄性及び流動 性並びに低減された抽出分含有率を有するコポリマーを提供する。このコポリマ ーは乳化重合法によって首尾よく作られるが、懸濁法及び溶液法もまた用いるこ とができる。乳化重合法においては、脱イオン水、重合の間反応塊を乳化させて おくことができる水溶性界面活性剤、パラフィン系防汚剤、弗化ビニリデン、ヘ キサフルオルプロピレン、コポリマーの分子量を制御するための連鎖移動剤及び 重合を開始させ且つ維持するための開始剤を反応器に装入する。本発明のVDF /HFPコポリマーを得るためには、VDFモノマー及びHFPモノマーの初期 装入は、HFPの量が最初に装入されるモノマーの合計重量の48%までになる ようにする。次いでVDF及びHFPを反応を通じて連続的に供給する。この連 続供給は、HFPの量が連続的に供給されるモノマーの合計重量の24%までに なるようにする。VDF/HFP比は初期装入と連続供給の間とで異なるもので あり、それぞれの最終ポリマー組成は、初期装入及び連続供給について一定の関 連した比を有する。本方法は、HFPの使用量がモノマーの合計重量の約24% までになるようなVDFモノマー及びHFPモノマーの合計量を用いる。 反応器は、撹拌機及び熱制御手段を備えた加圧重合反応器である。重合温度は 用いる開始剤の特性に応じて変えることができるが、典型的には65〜105℃ の範囲にし、75〜95℃の範囲にするのが特に都合がよい。しかしながら、温 度はこの範囲に限定されるものではなく、高温又は低温開始剤を用いる場合には もっと高く又はもっと低くしてもよい。重合において用いるVDF/HFP比は 、反応のために選択した温度に依存するだろう。重合圧力は典型的には2750 〜6900kPaの範囲にするが、装置が高圧操作を許容するのならばもっと高 くすることもできる。この圧力は、3790〜5860kPaの範囲にするのが 特に好都合である。 重合において用いられる界面活性剤は、水溶性のハロゲン系界面活性剤、特に 弗素系界面活性剤、例えは過弗素化又は部分的弗素化アルキル炭酸、過弗素化又 は部分的弗素化モノアルキル燐酸エステル、過弗素化又は部分的弗素化アルキル エーテル又はポリエーテルカルボン酸、過弗素化又は部分的弗素化アルキルスル ホン酸、及び過弗素化又は部分的弗素化アルキル硫酸のアンモニウム、置換アン モニウム、第四級アンモニウム又はアルカリ金属塩である。いくつかの特定的な しかし非限定的な例は、米国特許第2559752号明細書に記載された式X( CF2)nCOOM{ここで、Xは水素又は弗素であり、Mはアルカリ金属、アン モニウム、置換アンモニウム(例えば1〜4個の炭素原子を有するアルキルアミ ン)又は第四級アンモニウムイオンであり、nは6〜20の整数である}の酸の 塩;式X(CF2)nCH2OSO3M(ここで、X及びMは前記の通りである)のポ リフルオルアルカノールの硫酸エステル;並びに式CF3(CF2)n(CX2)mSO3 M(ここで、X及びMは前記の通りであり、nは3〜7の整数であり、mは0〜 2の整数である)の酸の塩、例えばペルフルオロオクチル硫酸カリウムである。 界面活性剤装入量は、用いられる合計モノマー重量の0.05〜2重量%、特に 好ましくは界面活性剤装入量は0.1〜0.2重量%にする。 パラフィン系防汚剤は慣用的なものであり、任意の長鎖飽和炭化水素ワックス 又はオイルを用いることができる。パラフィンの反応器装填量は、用いられる合 計モノマー重量の0.01〜0.3重量%にする。 反応器に脱イオン水、界面活性剤及びパラフィン系防汚剤を装填した後に、反 応器を窒素でパージするか又は排気して酸素を除去する。この反応器を所定の温 度にし、随意に連鎖移動剤を添加してもよい。次いでこの反応器を弗化ビニリデ ンとヘキサフルオルプロピレンとの混合物によって加圧する。 連鎖移動剤としては、弗素系モノマーの重合においてよく知られたものを用い ることができる。アルコール、カーボネート、ケトン、エステル及びエーテルは 、連鎖移動剤としての働きをする酸素系化合物である。特定的な、しかし非限定 的な例には、米国特許第4360652号明細書に記載されたようなイソプロピ ルエーテル、米国特許第3857827号明細書に記載されたようなアセトン及 び特開昭58−65711号公報に記載されたような酢酸エチルがある。弗素系 モノマーの重合において連鎖移動剤としての働きをするその他の類の化合物は、 ハロカーボン及びヒドロハロカーボン類、例えばクロロカーボン、ヒドロクロロ カーボン、クロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボンである。 特定的な、しかし非限定的な例には、米国特許第4569978号明細書に記載 されたようなトリクロルフルオルメタン、及び1,1−ジクロル−2,2,2− トリフルオルエタンである。連鎖移動剤は、反応の開始時に全部一度に添加する こともでき、小分けして反応全体を通じて少量ずつ添加することもでき、反応が 進行するにつれて連続的に添加することもできる。連鎖移動剤の使用量及び添加 態様は、連鎖移動剤の活性及び望まれる生成物の分子量特性に依存する。連鎖移 動剤の使用量は、用いるモノマーの合計重量の0.05〜5%、好ましくは0. 1〜2重量%にする。 反応器は、ヘキサフルオルプロピレンが最初に装入されるモノマーの合計重量 の48%までの範囲となるような一定比(第一の有効比)の弗化ビニリデンモノ マー及びヘキサフルオルプロピレンモノマーを添加することによって加圧される 。この用いられる第一の有効比は、選択した重合温度における2種のモノマーの 相対的反応性に依存するだろう。弗化ビニリデン及びヘキサフルオルプロピレン の反応性は、Bonardelliらによって「Polymer」第27巻、905〜909(1 986年6月)に報告されている。この相対的反応性によれば、特定の均一のコ ポリマー組成を得るためには、ヘキサフルオルプロピレンをコポリマー中に組み 込まれる割合よりも多い割合で初期装填における反応器に装入しなければならな い。本発明の都合のよい重合温度範囲においては、ポリマー中に見られる割合の ほぼ2倍多い割合のヘキサフルオルプロピレンを初期装填における反応器に装入 しなければならない。 反応は、弗素系モノマーの重合のための任意の既知の好適な開始剤、例えば無 機過酸化物、酸化剤と還元剤との「レドックス」組合せ物又は有機過酸化物を添 加することによって開始させて維持することができる。典型的な無機過酸化物の 例には過硫酸のアンモニウム又はアルカリ金属塩があり、これは65℃〜105 ℃の温度範囲において有用な活性を有する。「レドックス」系はさらに低い温度 において操作することができ、その例には、過酸化水素、t−ブチルヒドロペル オキシド、クメンヒドロペルオキシド又は過硫酸塩のような酸化剤と、還元され た金属塩(鉄(II)が特定的な例である)のような還元剤との組合せ(随意にホ ルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム又はアスコルビン酸のような活性剤と 組み合わされたもの)が包含される。重合用に用いることができる有機過酸化物 としては、過酸化ジアルキル、ペルオキシエステル及びペルオキシジカーボネー トの類のものがある。過酸化ジアルキルの例には過酸化ジ−t−ブチルがあり、 ペルオキシエステルの例にはペルオキシピバル酸t−ブチル及びペルオキシピバ ル酸t−アミルがあり、ペルオキシジカーボネートの例にはジ−(n−プロピル )ペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ− (sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート及びジ−(2−エチルヘキシル) ペルオキシジカーボネートがある。弗化ビニリデンの重合及び弗化ビニリデンと その他の弗素系モノマーとの共重合のためにジイソプロピルペルオキシジカーボ ネートを使用することは米国特許第3475396号明細書に教示されており、 弗化ビニリデン/ヘキサフルオルプロピレンコポリマーを作るのにこれを使用す ることはさらに米国特許第4360652号明細書に例示されている。弗化ビニ リデンの重合においてジ−(n−プロピル)ペルオキシジカーボネートを使用す ることは、特開昭58−65711号公報に記載されている。重合に必要な開始 剤の量は、その活性及び重合に用いた温度と関係がある。用いられる開始剤の合 計量は、用いられる合計モノマー重量に対して0.05〜2.5重量%の範囲に するのが一般的である。典型的には、出発時に反応を開始させるのに充分な量の 開始剤を添加する。次いで、都合のよい速度で重合を維持するために、随意に追 加の開始剤を添加してもよい。この開始剤は、選択した開始剤に応じて、純粋な 形、溶液状、懸濁液状、又はエマルション状で添加することができる。特定的な 例として、ペルオキシジカーボネートは水性エマルションの形で添加するのが都 合がよい。 反応が進行するにつれて、弗化ビニリデンモノマーとヘキサフルオルプロピレ ンモノマーとの混合物を反応圧力を維持するような一定比(第二の有効比)で供 給する。この用いられる第二の有効比は、コポリマーの最終組成において望まれ るモノマー単位比に対応し、反応を通じて連続的に供給されるモノマーの合計重 量の24%までの範囲であることができる。弗化ビニリデン、ヘキサフルオルプ ロピレン並びに随意としての開始剤及び連鎖移動剤の供給を、所望の反応器装填 量が得られるまで続ける。 所望の反応器装填量に達したら、モノマー供給を終わらせる。最適な溶液清澄 性及び最小の抽出分含有率を有するコポリマーを達成するためには、モノマー供 給の停止と同時にその他のすべてのものの供給を停止し、できるだけ早く反応器 をガス抜きする。他方、溶液清澄性及び抽出分含有率を犠牲にして最高の収率を 達成するためには、残留モノマーを消費するための反応完了期間を設ける。この 反応完了期間の間、随意に開始剤の供給を継続してもよい。反応完了のためには 、反応温度及び撹拌を20〜30分間維持するが、反応圧力がもはや有意の程度 で落ちなくなるという点までモノマーを消費させるために必要ならば、もっと長 い時間を採用することもできる。反応完了期間の後に、典型的には10〜40分 間の鎮静化期間を設けることができる。鎮静化期間の間は温度を維持するが、開 始剤の供給は行なわない。次いで反応器を冷却してガス抜きする。 生成物はラテックスとして回収される。乾燥樹脂を得るためには、ラテックス を凝固させ、凝塊を分離し、分離された凝塊を洗浄することができる。粉末を提 供するためには、凝塊を乾燥させる。 凝固工程のためには、凍結、酸若しくは塩の添加、又は随意に加熱しながらの 機械的剪断を含むいくつかのよく知られた方法を用いることができる。所望なら ば粉末をさらに加工してペレット又はその他の都合のよい樹脂形態にすることが できる。 本発明の電気化学的セルは、互いに関連して機能する正極、アブソーバー−セ パレーター(本明細書においては固体電解質と言うこともある)及び負極を基と し、電極の少なくとも一方又はアブソーバー−セパレーター、好ましくは両方の 電極及びアブソーバー−セパレーターが本発明の弗化ビニリデンポリマーを含み 、本発明の弗化ビニリデンポリマー電極は電解質材料を組み合わせて有し、本発 明の弗化ビニリデンポリマーアブソーバー−セパレーターは電解質材料を組み合 わせて有する。電圧及び(又は)アンペア数を高めるために、セル構造中に複数 の電極及びアブソーバー−セパレーター要素を当技術分野において周知の態様で 組み合わせて用いることができる。 本発明の弗化ビニリデンポリマーは、操作可能性のために連続又は独立多孔質 構造を有する必要は必ずしもない。この弗化ビニリデンポリマーは、初期状態が 多孔質であるか非孔質であるかに拘らず、高められた電解質移動性とポリマーの 固有イオン伝導率効果とを組み合わせて提供する。多孔質ポリマーの細孔の表面 において電極又は電解質材料と組み合わされて弗化ビニリデン電極又はアブソー バー−セパレーターを存在させたものは従来、活性材料(電極材料又は電解質材 料)の利用をもっと効率的にし、有効な電極及びアブソーバー−セパレーター構 造の容易な製造のための方法を提供すると信じられていた。しかしながら、本発 明のポリ弗化ビニリデンポリマーについては多孔質ポリマー構造を用いることに もろもろの利点がある。 また、活性細孔上への活性材料の凝離は、セルの性能に対する最小の影響でア ブソーバー−セパレーターの電極中のバインダーの量を変化させて強度を高める ことを可能にすると信じられる。従って、こうして形成される電気化学的セルは 改善された機械的性質を有し、自立させることができ、即ち金属その他の慣用の 電池ケーシング材料のような二次強化構造を用いなくてもよい。 これはまた、多孔質の電極及び(又は)アブソーバー−セパレーター構造に付 着する弗化ビニリデンホモポリマー中に電気化学的セルが包まれ又は封入される 場合の作製の容易さをももたらす。付着は、単純な熱接着若しくは高周波(rf )溶接又は当技術分野においてよく知られたその他の同様の方法によって得るこ とができる。接着剤は必要ではないが、電気化学的セルの外側部分(即ち外被) を電極及びアブソーバー−セパレーターと同じタイプ又は実質的に同様のタイプ の材料のものにして、それらとより適合性であり且つより接着性であるようにし 、それによってセルの構造部材用に一つのタイプの材料だけが用いられるという 点で慣用の乾電池又は二次電池構造と比較して製造を簡単にして製造費用を下げ ることが重要である。 ポリ弗化ビニリデンは一般的にrf周波を吸収し、また、誘電技術によって加 熱することもできる。また、ポリ弗化ビニリデン表面をシールするために加圧下 でヒートガンを用いることもできる。また、より大きいポリ弗化ビニリデン構造 の作製において行なわれるように容易に2つのピースをヒートシールするために 溶接棒を用いることもできる。得られる接合部は通常用いた基本樹脂と同じぐら いの強さである。ポリ弗化ビニリデンポリマーは耐摩耗性であり、強靱であり且 つ耐化学薬品性であるので、電池の内部及び外部要素において有用であり、前記 のように熱接着による非接着剤手段によって組み立てることができる。 極度に軟質の又は多少剛性の本発明の弗化ビニリデンポリマーを電極用に選択 し、極度に軟質の又は多少剛性のこのようなポリマー又は慣用のVDFポリマー を外装用に選択することによって、それ自体軟質の又は多少剛性の構造を作製す ることができる。これに関してはさらに、一般的には化学的に、しかし好ましく は高エネルギー(約10〜約20Mrad)電子ビーム放射のような高エネルギ ー放射線を用いることによって、弗化ビニリデンホモポリマー又はコポリマーを 多少の脱弗化水素を付随しながら架橋させることによって、高められた剛性を得 ることができる。一つの潜在的な利点は、弗化ビニリデンポリマー中の非晶質領 域のさらなる安定化、即ち経時結晶化の禁止であり、このことは、電解質のイオ ン伝導性は主として非晶質領域又はオープン領域で起こると信じられるので、重 要なことである。 前記のように、弗化ビニリデンポリマーは一般的にそれらを電気化学的セルの 作製に適したものにする態様でイオン伝導性に影響を及ぼす。 電気化学的セルにおいては荷電化学種の移動性が必要とされるので、ポリ弗化 ビニリデンポリマー中における荷電化学種の移動は非晶質相を経るものと信じら れる。本発明の弗化ビニリデンポリマーはより安定な増大した非晶質相を有する と本発明者によって認識され、これらは特にHFP及びCTFEコポリマーにつ いてはより低いコモノマーレベルにおいて伝導率等のこの利益をもたらし、かく してホモポリマーのものに近い溶解性及び温度の利点をもたらす。 摩擦電気系列表において、殆どのポリマーは電子を安定化する。しかしながら 、弗化ビニリデンポリマーは正孔を安定化するという点で独特であり、この点に おいて最も有効な媒体の1つである。この性質はおそらく高度に陰性のgem−ジ フルオロカーボン基によるものであると思われる。 本明細書に記載されたロッキングチェア電池のようなリチウムイオン電池の特 別な場合においては、利用可能な非極性の陰性のgem−フルオロカーボン基の程 度を考えると、リチウムイオンの比電荷が高く且つイオン寸法が小さいという特 徴は母体の弗化ビニリデンポリマー環境において特異的な相互作用をもたらすこ とがあり得る。 伝導率はポリ弗化ビニリデンポリマーの結晶度に反比例するので、弗化ビニリ デンと約7〜約25%のヘキサフルオルプロピレンとの慣用的なコポリマーは機 械的性質を犠牲にすることなくポリマーの結晶構造を充分に低減させて許容でき るポリマーのイオン伝導効果を得ることができるようにすることが測定された。 本発明者は、本発明の弗化ビニリデンポリマーが8重量%以下、好ましくは6重 量%以下のコモノマーレベルにおいて前記の慣用のVDF/HFPコポリマーと 同等又はそれより良好な利益をもたらすということを見出した。 電極又はアブソーバー−セパレーターの製造に本発明の弗化ビニリデンポリマ ーを用いる場合には、結晶構造の影響を最小限にし且つイオン伝導率を促進する ために、有機カーボネート(例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ ート、炭酸ジメチル等)のような可塑剤が用いられる。また、ジエトキシエタン 、炭酸ジエチル、ジメトキシエタン、炭酸ジプロピル及びそれらの混合物、特に 2又は3成分混合物を含むその他の溶剤又は可塑剤を用いることもできる。 同様に、そして本発明に従えば、様々な多孔質又は非孔質構造をそれらの引張 強さに応じて引き延ばすことによって又は引張力を加えることによって機械的に 延伸することによって、ポリマー構造内のβ配座の量を増大させ、それによって 可能性として電解質及びボリ弗化ビニリデンの組成に応じてイオン伝導性を促進 することができる。 本発明のポリ弗化ビニリデンポリマーは、溶剤と非溶剤との組合せを用いて薄 膜に流延される。この方法はBenzingerらによって米国特許第4384047号 明細書に記載されている。必要ならばこれを参照されたい。ここに記載された電 極材料又は電解質材料は、ポリ弗化ビニリデン溶液を流延してフィルム又はシー トにする前にこの溶液中に組み込むことができ、その後に所望ならばこの溶液を 電極又は電解質材料と組み合わされた多孔質ポリ弗化ビニリデン膜に転化させる ことができる。これらのフィルム又はシートは、電極又は電解質材料と共に又は なしで、約0.25〜約100ミル、特定的には約0.5〜約10ミル、特に約 1〜約8ミルの厚さであることができ、ポリ弗化ビニリデンにおいて強誘電特性 を達成するのに必要なβ配座を促進するために引き延ばすことによって又は引張 力を加えることによってさらに処理するのに特に好適である。 弗化ビニリデンポリマーの溶液又は分散体を作るために用いることができる有 機液体には、3つの類のもの、即ち活性溶剤、潜溶剤及び非溶剤がある。活性溶 剤とは室温において弗化ビニリデンポリマーを溶解又は膨潤させる有機液体であ り、これは典型的には低級アルキルケトン、エステル及びアミドから成る。潜溶 剤とは室温においては弗化ビニリデンホモポリマー又はコポリマーを溶解させな いがしかし高温においてはポリ弗化ビニリデンを溶解させる有機液体であり、典 型的には中庸鎖長のアルキルケトン、エステル、グリコールエーテル及び有機カ ーボネートである。非溶剤とは弗化ビニリデンポリマーの液体の沸点又は結晶の 融点(どちらか先に出会う方の条件)まで弗化ビニリデンポリマーを溶解又は膨 潤させない有機液体である。これらの液体は典型的には芳香族炭化水素、脂肪族 炭化水素及び塩素化炭化水素又はその他の塩素化有機液体である。本発明のポリ 弗化ビニリデンフィルム及びシートの製造には、溶剤及び非溶剤が用いられる。 これらの有機液体の例を、以下の第A表に与える。 液体の適性は正確なPVDF樹脂タイプ及び等級に依存する。 所望により連続気泡フォーム多孔質ポリ弗化ビニリデンポリマーを製造するた めに、その他の方法が開発されている。これらポリマーは、吸収された二酸化炭 素のような化学的又は物理的発泡剤を含有するように処方される。フォーム構造 中の化学的発泡剤は痕跡量でもセルの機能に悪影響を及ぼすことがあるので、電 気化学的セルの製造には物理的発泡剤を用いるのが好ましい。二酸化炭素又は匹 敵する物理的発泡剤を用いる場合、それらは超臨界圧力においてポリ弗化ビニリ デン中に組み込まれ、次いで熱処理によって製造されるべき物品を膨張させる。 この態様で、優れた機械的団結性を有し且つ約1の比重を有する様々な厚さの連 続気泡フィルムが作られている(中実ポリ弗化ビニリデンは約1.76〜約1. 78の比重を有する)。 同様に、ポリ弗化ビニリデン粉末を、非溶剤スラリー中で又は向かい合った圧 盤の間で加圧下で、個々の粒子が充分に互いにメルトフローして所望の連続気泡 構造を形成するまで加熱することによって焼結して、多孔質構造を形成させるこ ともできる。また、Menassenらによって「A Polymer Chemist's View on Fuel C ell Electrode」、Proceeding of the 34th International Power Source Sympo sium、1990年6月25〜28日、第408〜410頁に記載されたような、 PTFEのような粉末ポリマーを焼結して連続気泡多孔質構造を形成させるため のその他の当技術分野において周知の方法を用いることもできる。 Benzingerらによって米国特許第4383047号明細書に記載されたような 溶剤と非溶剤との混合物から本発明のポリ弗化ビニリデンポリマーを流延させる ことによって作られ、流延用溶液から形成させた後に約10ミルの厚さを有する 多孔質フィルムを、電気化学的セルの製造に利用することができる。このポリマ ーは、後記の例1のコポリマーを含む。このフィルムは、エチレンカーボネート とプロプレンカーボネートとの重量比1:1の混合物中のLiPF6の溶液を作 り、これを約125℃に加熱し、この溶液が多孔質コポリマーフィルムと結合す るまで多孔質コポリマーフィルムをこの溶液中に浸漬することによって、固体電 解質のアブソーバー−セパレーターを作製するのに用いられる。 同様に、正極も同じ多孔質コポリマーから作られる。エチレンカーボネートと プロプレンカーボネートとの比1:1の混合物中にテトラヒドロフラン(THF )を含有させたものの中のLiMn24、SSカーボンブラック及びLiPF6 の分散体又は懸濁液を、この懸濁液中に多孔質フィルムを浸漬することによって 、このフィルムに結合させる。この懸濁液は、固体材料がフィルムと充分に結合 するまでこの固体材料を懸濁状態に保つために、振動ビーカー中で撹拌する。次 いでフィルムをアルミニウムホイル上に置く。 負極は、正極の調製について行なったのと同じ態様でエチレンカーボネートと プロプレンカーボネートとの比1:1の溶液中の石油コークス、SSカーボンブ ラック及びLiPF6の分散体又は懸濁液を作り、この懸濁液を多孔質フィルム と結合させた後にフィルム上に銅ホイルを置くことによって調製される。 電極及びアブソーバー−セパレーター又は固体電解質の各種の成分の割合は、 Gozdzらの米国特許第5296318号明細書の例1及び8に記載されたものと 実質的に同一である。 また、焼結ポリ弗化ビニリデンから電極又は電解質材料と粉末状ポリ弗化ビニ リデンとの乾燥ブレンドを形成させることによって電極又は電解質を作ることも できる。タンブラータイプの混合のような当技術分野において周知の乾式混合技 術を用いることができる。例えば、ポリ弗化ビニリデン粉末と電極又は電解質材 料との混合物を、良好な混合が得られることを保証するのに充分な時間タンブル 又はボールミル混合に付すことができる。スチール若しくはその他の金属容器又 はセラミック容器、特にポリ弗化ビニリデン又はPTFE層を裏打ちされた容器 が用いられる。ボールミル混合の場合、これもまたポリ弗化ビニリデン又はPT FE層でコーティングされたスチール若しくはその他の金属又はセラミック粉砕 用ボールが用いられる。ポリ弗化ビニル又はPTFEコーティングは、システム 中への不純物の導入を実質的に最小限にし又は実質的に取り除くために用いられ る。ミル粉砕混合物は本明細書に記載されたように熱及び圧力を加えることによ って電極及び電解質に成形される。 本発明の第一の物質局面の非孔質VDF/HFPコポリマー又は本発明のその 他の多孔質若しくは非孔質の弗化ビニリデンポリマーを例1の記載されたVDF /HFPの代わりに用いて類似の電池を作ることができるということは、当業者 ならば認識するだろう。 電極又は電解質に用いられるエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネー ト並びにそれらの均等物、特に本明細書に記載されたような均等物(それらの混 合物を含む)のような溶剤は後で添加して、かかる溶剤中に電極又は電解質構造 を浸漬することができる。浸漬は、これらの材料の溶媒和効果を最大限にし且つ 電極又は電解質に最適イオン伝導率をもたらすために、室温以上において実施す ることができる。 こうして調製された正極及び負極は、次いで前記のようにして調製されたアブ ソーバー−セパレーターを挟んで両側に配置され、図4に示したようにその外側 に銅及びアルミニウム面が設けられてセルを形成する。銅フィルム14は負極1 6の側に設けられ、電解質と組み合わされたアブソーバー−セパレーター18と 関連して機能する。アルミニウムフィルム22は正極20の側に設けられ、正極 20は吸収分離盤の負極16とは反対側に設けられる。これらすべての要素は互 いに関連して機能する。ポリ弗化ビニリデンホモポリマーの外被12はセルの周 りを完全に覆う。外被12は単一フィルムであっても複数のフィルム、例えば2 つ又は3つのフィルムであってもよく、すべての面の周りを覆い、セル10を完 全に囲むことができる。銅及びアルミニウム導線(図示せず)は外被10を貫通 し、それぞれフィルム14及び22との電気的接触を作り、負荷(load)(図示 せず)と接触して電気回路を形成する。 また、ロッキングチェアセル用に本明細書に記載されたその他の電解質をLi PF6塩の代わりに用いることもでき、前記の例におけるLiMn24材料の代 わりにLiNiO2又はLiCoO2材料を用いることもできる。追加的に石油コ ークスの代わりにグラファイトを正極の製造に用いることもできるが、石油コー クスが特に好ましい。 本発明の弗化ビニリデンポリマーはまた、リチウム有機電解質を有するセルに 用いることもでき、この場合にはこのポリマーは、特定の電極活性材料用のバイ ンダーとして、ポリマーセル用の固体電解質として、準固体状態のゲル電解質を 支持する多孔質メッシュとして及びセルベース材料としてのいずれかとして用い られる。 本明細書に記載された本発明の弗化ビニリデンポリマーはまた、リチウム/オ キシハロゲン化物セルにおいて底部絶縁体として用いることもできる。これらは また、臭化亜鉛セルにおいて二極式電極用のバインダーとして又はニッケル−金 属水素化物セルにおいて水素化物電極若しくはニッケル電極用のバインダーとし て用いることもできる。 本発明の弗化ビニリデンポリマーはまた、銀−亜鉛セルにおいて用いるのにも 好適であり、この場合には弗化ビニリデンポリマーは亜鉛電極用のバインダーと して用いられ、また、鉛−酸セルにおいて電極間のスペーサーとして及びセパレ ーターとして用いるのにも好適である。弗化ビニリデンポリマーはまた、熱電池 においてカソード活性材料用に用いることもできる。ニッケル−金属水素化物セ ルに加えて、弗化ビニリデンポリマーまた、その他のアルカリセル、例えばニッ ケル−カドミウムセル、及び亜鉛−空気セルにも、特にこれらのセルのアルカリ 媒体の脱ハロゲン化水素作用を打ち消すために緩衝電解質を用いる場合に、用い ることができる。 以下の実施例は、本発明を実施するための本発明者が考える最良の態様をさら に例示するものであり、これら実施例は例示として解釈されるべきであり、本発 明の限定として解釈されるべきではない。 溶融粘度測定は、ASTM法D−3835によって232℃及び100s-1に おいて行なった。 熱特性は、ASTM法D−3418に従って示差走査熱量分析(DSC)によ って測定した。 HFP含有率は、Piancaらによって「Polymer」第28巻、224〜230( 1987年2月)に記載された方法及び信号割当て(signal assignment)に従 って19F−NMRによって測定した。Unity 400分光計を376.3MHzにお いて用いた。スペクトルは、重水素化ジメチルホルムアミド中で50℃において 8.0マイクロ秒の励起パルス幅及び10秒のリサイクル遅延を用いて、重水素 化ジメチルスルホキシド中で80℃において6.0マイクロ秒の励起パルス幅及 び5秒のリサイクル遅延を用いて、又は重水素化アセトン中で50℃において8 .0マイクロ秒の励起パルス幅及び20秒のリサイクル遅延を用いてのいずれか において得られた。 分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定した。10 ミクロンのビーズ寸法のPLゲル2混合Bカラムセットを備えたWaters 150 Cク ロマトグラフィー装置を105℃の操作温度で用いた。溶離剤としてはHPLC 等級のジメチルスルホキシド(DMSO)を1.0ミリリットル/分の流量で用 いた。サンプルは、100℃においてDMSO中に5時間溶解させ、次いで濾 過することによって調製した。例1 7.5リットルのステンレス鋼製反応器に、脱イオン水4.799kg、ペル フルオルアルカン酸塩の混合物の1重量%溶液0.230kg及びパラフィンワ ックス0.004kgを装入した。この混合物を窒素でパージし、30分間撹拌 した。反応器を密閉し、80℃に加熱した。この反応器に、弗化ビニリデン0. 355kg、ヘキサフルオルプロピレン0.049kg(弗化ビニリデン/ヘキ サフルオルプロピレンの比88/12)及び脱イオン水中に5重量%の酢酸エチ ルの溶液0.120kgを装入した。反応条件を80℃、4480kPaで安定 化させ、次いで脱イオン水中に分散させた2重量%ジ−n−プロピルペルオキシ ジカーボネート及び0.15重量%混合ペルフルオルアルカン酸塩から成る開始 剤エマルション0.026kgを導入することによって重合を開始させた。開始 剤エマルションの添加と共に圧力が4550kPaに上昇した。開始剤エマルシ ョンを0.112kg/時間の速度で添加し且つ圧力を維持するために弗化ビニ リデン/ヘキサフルオルプロピレンの比95/5の混合物を添加することによっ て、重合を維持した。4.2時間で、合計で弗化ビニリデン1.890kg及び ヘキサフルオルプロピレン0.140kgを反応器に装入した。すべての供給を 停止し、反応器を冷却した。5分間の冷却の後に、撹拌速度を78%下げ、過剰 ガスを排気した。撹拌を停止し、さらに反応器を冷却し、次いでラテックスを取 り出した。このラテックスを凝固させ、得られた固体を沸騰水で洗浄し、この固 体を110℃において乾燥させて微粉末を得ることによってポリマー樹脂を単離 した。こうして作られた樹脂は、2770Pa・sの溶融粘度を有し、152℃ のDSC融点を有し、NMRによって測定して5.4重量%のヘキサフルオロプ ロピレン含有率を有していた。例2 7.5リットルのステンレス鋼製反応器に、脱イオン水4.913kg、ペル フルオルアルカン酸塩の混合物の1重量%溶液0.230kg及びパラフィンワ ックス0.004kgを装入した。この混合物を窒素でパージし、30分間撹拌 した。反応器を密閉し、80℃に加熱した。この反応器に、弗化ビニリデン0. 415kg、ヘキサフルオルプロピレン0.215kg(弗化ビニリデン/ヘキ サフルオルプロピレンの比66/34)及び酢酸エチル0.010kgを装入し た。圧力は4895kPaだった。反応条件を80℃で安定化させ、次いで脱イ オン水中に分散させた2重量%ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート及び 0.15重量%混合ペルフルオルアルカン酸塩から成る開始剤エマルション0. 040kgを導入することによって重合を開始させた。開始の際に圧力が低下し 、次いでそれを4825kPaに保った。開始剤エマルションを0.176kg /時間の速度で添加し且つ圧力を維持するために弗化ビニリデン/ヘキサフルオ ルプロピレンの比84/16の混合物を添加することによって、重合を維持した 。2.2時間で、合計で弗化ビニリデン1.585kg及びヘキサフルオルプロ ピレン0.445kgを反応器に装入した。モノマーの供給を停止し、開始剤エ マルションの供給及び80℃の温度を20分間維持することによって残留モノマ ーを消費させた。開始剤の供給及び撹拌を停止し、反応器を10分間放置して鎮 静させた。反応器を45℃に冷却し、ガス抜きし、次いでラテックスを取り出し た。このラテックスを凝固させ、得られた固体を沸騰水で洗浄し、この固体を8 0℃において乾燥させて微粉末を得ることによってポリマー樹脂を単離した。こ うして作られた樹脂は、1220Pa・sの溶融粘度を有し、114℃のDSC 融点を有し、NMRによって測定して17.2重量%のヘキサフルオロプロピレ ン含有率を有していた。例3 (例1に対する比較例) 7.5リットルのステンレス鋼製反応器に、脱イオン水4.799kg、ペル フルオルアルカン酸塩の混合物の1重量%溶液0.230kg及びパラフィンワ ックス0.004kgを装入した。この混合物を窒素でパージし、30分間撹拌 した。反応器を密閉し、80℃に加熱した。この反応器に、弗化ビニリデン0. 400kg、ヘキサフルオルプロピレン0.030kg(弗化ビニリデン/ヘキ サフルオルプロピレンの比93/7)及び脱イオン水中に5重量%の酢酸エチル の溶液0.120kgを装入した。反応条件を80℃、4480kPaで安定化 させ、次いで脱イオン水中に分散させた2重量%ジ−n−プロピルペルオキシジ カーボネート及び0.15重量%混合ペルフルオルアルカン酸塩から成る開始剤 エマルション0.026kgを導入することによって重合を開始させた。開始剤 エマルションを0.112kg/時間の速度で添加し且つ圧力を維持するために 弗化ビニリデン/ヘキサフルオルプロピレンの比93/7の混合物を添加するこ とによって、重合を維持した。3.1時間で、合計で弗化ビニリデン1.890 kg及びヘキサフルオルプロピレン0.140kgを反応器に装入した。モノマ ーの供給を停止し、開始剤エマルションの供給及び80℃の温度を20分間維持 することによって残留モノマーを消費させた。開始剤の供給及び撹拌を停止し、 反応器を10分間放置して鎮静させた。反応器を45℃に冷却し、ガス抜きし、 次いでラテックスを取り出した。このラテックスを凝固させ、得られた固体を沸 騰水で洗浄し、この固体を110℃において乾燥させて微粉末を得ることによっ てポリマー樹脂を単離した。こうして作られた樹脂は、2550Pa・sの溶融 粘度を有し、154℃のDSC融点を有し、NMRによって測定して6.0重量 %のヘキサフルオロプロピレン含有率を有していた。例4 293リットルのステンレス鋼製反応器に、脱イオン水200.0kg、ペル フルオルアルカン酸塩の混合物の10重量%溶液1.00kg及びパラフィンオ イル0.015kgを装入した。この反応器を排気し、装入の間91℃の温度に 加熱し、撹拌を行なった。この反応器に、弗化ビニリデン12.6kg、ヘキサ フルオルプロピレン0.8kg(弗化ビニリデン/ヘキサフルオルプロピレンの 比94/6)及び酢酸エチル0.5kgを装入して、反応器の圧力を4480k Paにした。加圧の間、圧力が3445kPaに達した時に、脱イオン水中に分 散させた2重量%ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート及び0.15重量 %混合ペルフルオルアルカン酸塩から成る開始剤エマルションの供給を開始し、 開始剤エマルション4.6kgが添加されるまで9.0kg/時間の速度で維持 した。さらなる開始剤エマルションの添加速度は、27.0kg/時間の全モノ マー供給速度が保たれるように調節した。この反応器に弗化ビニリデン/ヘキサ フルオルプロピレンの比94/6のモノマー混合物を、合計で弗化ビニリデン8 5,3kg及びヘキサフルオルプロピレン5.4kgが反応器に装入されるまで 圧力が4480kPaに保たれるようにして供給した。すべての供給を停止し、 91℃の温度及び撹拌を20分間維持し、次いで91℃の温度を35分間維持す ることによって残留モノマーを消費させた。反応器を冷却し、ガス抜きし、ラテ ックスを取り出した。このラテックスを凝固させ、得られた固体を水で洗浄し、 この固体を乾燥させて微粉末を得ることによってポリマー樹脂を単離した。こう して作られた樹脂は、1740Pa・sの溶融粘度を有し、155℃のDSC融 点を有し、NMRによって測定して4.7重量%のヘキサフルオロプロピレン含 有率を有していた。例5〜12 例5〜8のコポリマーは例1又は2のコポリマーと同様にして作り、例9〜1 2のコポリマーは例3又は4のコポリマーと同様にして作った。それらを第I表 に示す。 第I表中の[a]において、例5〜12におけるペルフルオルアルカン酸塩溶 液、ペルフルオルアルカン酸塩、パラフィンワックス及びパラフィンオイルは、 詳細に記載した同様の例におけるものと同じものだった。 本明細書及び請求の範囲において用語「改善された溶液清澄性及び流動性」と は、特定公称HFP含有率を有する本発明の任意の特定コポリマーが、先行技術 において詳細に報告された典型的な方法によって作られたほぼ同じ特定公称HF P含有率を有するコポリマーが例12について第II表に示された記述的性質と類 似した記述的性質を有する溶液を提供する濃度レベルと同じ濃度レベルにおいて 列挙された任意の溶剤中に溶解させた時に、第II表において例2によって示され た記述的性質と類似した記述的性質を有する溶液を提供するということを意味す る。実施例の溶液特性の評価 例2及び12の溶液特性を第II表に示す。ポリマーを完全に溶解させて清澄溶 液を形成させるのに必要な場合には加熱を用いて、示された重量濃度(%)の混 合物を調製した。次いで溶液を放置して冷却し、2週間にわたって毎日観察した 。例2のコポリマーは例12のコポリマーよりも低いゲル化傾向を示し、清澄性 も高かった。例2のコポリマーによる流動性及び清澄性の維持は、流延フィルム 及び膜の製造におけるようなポリマー溶液に頼る用途において有利である。 本発明のコポリマーによるゲル化傾向の低下を、第IIA表にさらに示す。いく つかの例のプロピレンカーボネート溶液のゲル化時間をその表に示す。Rheometr ics(登録商標)動応力レオメーターDSR-200を用いて、プロピレンカーボネート 中のポリマーの20重量%溶液のゲル化時間を測定した。プロピレンカーボネー トは公称99.7%の純度のものだった。レオメーターには、ペルティエ(Pelt ier)固定具(fixture)及び溶剤トラップを具備させた。40mm平行プレート を1mmの間隔で用いた。測定の日に固体コポリマーを室温においてプロピレン カーボネートと混合し、容器を密閉し、Pierce Reacti-Therm(登録商標)加熱 /撹拌モジュールセットを用いて120℃において密閉容器中の混合物を1.0 時間加熱撹拌することによって溶液を形成させた。溶解時間の終わりにこの溶液 を100℃に予備設定した試験器具中に素早く装填した。器具温度が100 ℃において再平衡化したらすぐに、1Hzの動的振動モードにおける温度冷却傾 斜が始められた。再平衡化は典型的には1分以下を要した。冷却傾斜は毎分30 ℃の割合で100℃から15℃までだった。15℃に達した時に、1分間の平衡 時間を用い、次いでタイムスウィープ測定(経時測定)が始められた。このタイ ムスィープ測定は1ラジアン/秒において果たされ、このタイムスウィープ測定 の間、サンプルを15℃に保った。ゲル化点に達するまでタイムスウィープを続 けた。溶液貯蔵モジュラスG’と損失モジュラスG”とが同等になる点をゲル化 点とする。ゲル化点に達するまでのタイムスウィープの時間をゲル化時間とする 。 HFP含有率と20重量%プロピレンカーボネート溶液のゲル化時間の対数と の間の関係を図3に示す。本発明に従って製造されたコポリマーは全HFP含有 率範囲にわたって先行技術の合成に従って調製されたコポリマーよりも長いゲル 化時間を有することがわかった。本発明のコポリマーによる低減されたゲル化傾 向は、フィルム流延及びその他の溶液用途のためにこのような溶液を加工するの に有利である。 第II表の脚注 [a]ポリマー濃度は、特に記載がない限り重量%である。MEKはメチルエチ ルケトンであり、MPKはメチルプロピルケトンであり、MiBKはメチルイソ ブチルケトンであり、CPOはシクロペンタノンであり、CHOはシクロヘキサ ノンであり、EtOAcは酢酸エチルであり、n−PrOAcは酢酸n−プロピ ルであり、i−PrOAcは酢酸イソプロピルであり、EGMEAはエチレング リコールモノメチルエーテルアセテートであり、DMCは炭酸ジメチルであり、 ブレンド2はMiBK35.4重量部とCHO29.8重量部とDMC30重量 部とから成る。 [a] プロピレンカーボネート中の15℃の20重量%溶液。ゲル化時間は秒 で表わしたものである。フィルム光沢及び透明性の評価 溶液特性試験からのいくつかのゲル化しなかった溶液を用いてフィルムを作り 、光沢及び透明性について試験した。250μmの間隔を有する0.127mド ローダウン塗布装置を用いてLeneta Form 2A不透明度チャートに対してフィルム を流延した。流延フィルムを室温において3日間乾燥させた。HunterLab Proglo ss PG-2光沢計を用いてフィルム光沢を測定した。その結果を第III表に示す。Hu nterLab Labscan 2比色計を用いて不透明度チャートの黒い部分上のフィルムの 白色度指数(CIELAB L*値)を測定することによってフィルム曇りを測定した。 その結果を第IV表に示す。例2のコポリマーからのフィルムは、例12のコポリ マーからのフィルムよりも広範囲の溶剤から高い光沢を示した。例2及び12の コポリマーからのフィルムの曇りは一般的に同等だったが、いくつかの場合にお いて例2からのフィルムで著しく低い曇りが観察された。これらの結果から、本 発明のVDF/HFPコポリマーが高光沢高透明度フィルム用途について高い有 用性を示すことが示された。 [a]ポリマー濃度は重量%を示し、溶剤はフィルムを流延させた溶剤である。 MEKはメチルエチルケトンであり、MPKはメチルプロピルケトンであり、C POはシクロペンタノンであり、EtOAcは酢酸エチルであり、n−PrOA cは酢酸n−プロピルであり、i−PrOAcは酢酸イソプロピルであり、DM Cは炭酸ジメチルであり、ブレンド2はメチルイソブチルケトン35.4重量部 とシクロヘキサノン29.8重量部とDMC30重量部とから成る。 [a]ポリマー濃度は重量%を示し、溶剤はフィルムを流延させた溶剤である。 MEKはメチルエチルケトンであり、MPKはメチルプロピルケトンであり、C POはシクロペンタノンであり、EtOAcは酢酸エチルであり、n−PrOA cは酢酸n−プロピルであり、i−PrOAcは酢酸イソプロピルであり、DM Cは炭酸ジメチルであり、ブレンド2はメチルイソブチルケトン35.4重量部 とシクロヘキサノン29.8重量部とDMC30重量部とから成る。 [b]曇りの指標 L*< 7 曇りなし 7<L*< 9 非常に僅かな曇り 9<L*<11 僅かな曇り 11<L*<15 中庸の曇り 15<L* ひどい曇り例の熱特性の評価 最終融点は、半結晶質ポリマーの使用及び加工における重要なパラメーターで ある。VDF/HFPコポリマーの最終融点はコポリマー中のHFP含有率と関 連があることが知られている。VDF/HFPコポリマー例のHFP含有率と最 終融点との間の関係を図1に示す。本発明のコポリマー及び詳細を入手可能な先 行技術の合成方法に従って調製されたコポリマーは異なる融点曲線上にあること がわかり、それらが異なる材料であることを示しており、所定のHFP含有率に おいて先行技術のコポリマーの方が高い融点を有することを示している。本発明 のコポリマーの低融点特性は、先行技術の合成コポリマーについてよりも低い加 工温度を可能にすることができる。炭酸ジメチル中での抽出分の含有率の評価 一般的手順 ポリマー1g及び炭酸ジメチル9gを25ミリリットルの密閉容器中に入れた 。適宜手段によって所望の温度を維持しながら容器の内容物を適宜手段によって 24時間連続的に撹拌した。次いで容器の全内容物を遠心分離管に移し、遠心分 離して未溶解ポリマーを分離した。液相を好適な風袋容器に移し、溶剤を蒸発さ せた。容器の残留物を計量し、抽出分含有率を重量%として報告した。 40℃において炭酸ジメチル中に抽出されたポリマーの量を計量した。データ を第V表に示す。詳細が入手可能な先行技術の合成方法に従って調製されたコポ リマーを「N」とする。本発明の方法に従って調製されたコポリマーを「U」と する。 急ぎの検査は、すべてのNサンプルにおいて炭酸ジメチル中に抽出されるポリ マーの割合が高いことを示している。図2に、HFP含有率(モル%)の関数と して抽出分含有率をプロットしたグラフを示す。2種類の材料について2つのは っきり識別される曲線が描かれる。上の方の曲線(Nサンプル)はU曲線と比較 して所定のレベルのHFPについて有意に高い抽出分含有率レベルを示す。これ らの曲線の測定された勾配は、Nポリマーについては抽出分3%/HFP1モル %であり、Uポリマーについては抽出分1.7%/HFP1モル%である。 観察された抽出分含有率並びに一元及び二元関数モデルの両方の下で計算され た抽出分含有率を、Nポリマーについては第VI表に、Uポリマーについては第VI I表に示す。 (モデル1) 抽出分含有率(重量%)=2.9(HFPモル%)−0.4 (モデル2) 抽出分含有率(重量%)=46.4+1.7(HFPモル%)−0.00028(Mn)(モデル1) 抽出分含有率(重量%)=1.7(HFPモル%)−3.2 (モデル2) 抽出分含有率(重量%)=46.4+1.7(HFPモル%)−0.00028(Mn) 本明細書及び添付した請求の範囲において 「(a)抽出分含有率(重量%)=1.7(HFPモル%)−3.2 及び (b)抽出分含有率(重量%)=−1.2+1.5(HFPモル%)−8×10-6(Mn) より成る群から選択される式によって計算される抽出分含有率(重量%)の±1 .5%以内の抽出分含有率(重量%)を有する」という表現は、40℃における 炭酸ジメチル中での抽出分含有率(重量%)の測定値がいずれかの式によって特 定ポリマーについて計算された抽出分含有率値から1.5絶対百分率ポイント以 内でなければならないということを意味する。 即ち、もしも式(a)又は(b)のいずれかによる抽出分含有率の計算値が3.0で あり且つ観察値が1.5〜4.5%の間であれば、それは意図された保護値内に 入る。同様に、もしも観察値が8.0であれば、いずれかの式による計算値が6 .5〜9.5の範囲である場合に意図された保護内に入る。 前記の炭酸ジメチル中での抽出分の含有率を測定するための手順においては、 不溶性物質から溶液を分離するために周囲温度において1500rpmで30分 間の遠心分離を用い、分離された溶液中の固体の重量の測定には機械式ポンプ真 空下で50℃において70時間の乾燥を用いた。例13 :実質的に均質のモノマー分布を有するポリ弗化ビニリデン/クロルトリ フルオルエチレンコポリマー 例1のものと類似した手順に従い、弗化ビニリデン0.40kg及びクロルト リフルオルエチレン0.0124kgを含有する初期装入物(VDFとCTFE との比97/3)を用い、VDF及びCTFEを96/4の比で、開始剤エマル ションと共に連続供給することによって反応を維持し、反応器の寸法にとって都 合のよいVDF約1.9525kg及びCTFE約0.0775kgの合計供給 で、約4.0のCTFE含有率を有する標記のコポリマーを得た。例14 :例1において調製したVDF/HFPコポリマーのイオン伝導率と先行 技術に従って合成された典型的なVDF/HFPコポリマーのイオン伝導率との 比較 ポリマーAは、例1に記載したものと類似の方法によって調製したHFP6重 量%を含有するVDF/HFPコポリマーである。 ポリマーBは、商品として入手できるHFP10重量%を含有するVDF/H FPコポリマー{エルフ・アトケム・ノース・アメリカ・インコーポレイテッド からのKYNAR(登録商標)Flex 2801}である。 アセトン中のポリマーA又はポリマーB/シリカ/フタル酸ジブチル(DBP )(30/20/50重量部)の溶液から厚さ75μのフィルムを流延する。次 いでフィルムからジブチルエーテルを用いてDBPを抽出する。流延して抽出さ れたフィルムを次いで乾燥させ、グローブボックス中に導入し、重量比50:5 0のエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート中の1M濃度のLiPF6 電解質溶液を含浸させる。含浸された膜を次いで、この膜をステンレス鋼製阻 止電極の間に挟み、次いでこの組立体をボタン「タブ」中に入れ、シールする( クリンプ加工による)ことによって、ボタン型セル中に封入する。インピーダン ス分析機(Impedance Analyzer)を用いてセルの抵抗を測定する。 インピーダンスは、0.1Vの振幅及び13MHz〜5Hzの周波数範囲を用 いて測定する。得られたデータを次いでナイキストプロット[−Im(Z)対Re (Z)]でプロットする。次いでこのプロットから伝導率を計算する。 ポリマーAについての伝導率は2.4mS/cmであり、ポリマーBについて の伝導率は1.4mS/cmだった。 このことから、本発明の第一の物質局面のVDFポリマーを用いて作られた電 池は既知の先行技術のVDFポリマーから作られた電池よりも高い伝導率を示し 、高い放電率を可能にするということが確認された。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 正極、アブソーバー−セパレーター及び負極を有し、前記電極の少なくと も一方が電解質材料と組み合わされた弗化ビニリデンポリマーを含み且つ(又は )前記アブソーバー−セパレーターが電解質材料と組み合わされた弗化ビニリデ ンポリマーを含む改良型電気化学的電池であって、 前記弗化ビニリデンポリマーが ・2モード分子量分布を有する弗化ビニリデンホモポリマー、 ・実質的に均質のモノマー分布を有する弗化ビニリデン/クロルトリフルオルエ チレンコポリマー 及び ・弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとの、最大で約24重量%のヘキ サフルオルプロピレンを含有する改善された溶液清澄性及び流動性を有するコポ リマー より成る群から選択される弗化ビニリデンポリマーから本質的に成り、 前記の弗化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンとのコポリマーが、 8重量%までの公称HFP含有率を有するコポリマーについては (a)抽出分含有率(重量%)=1.7(HFPモル%)−3.2 及び (b)抽出分含有率(重量%)=−1.2+1.5(HFPモル%)−8×10-6(Mn) より成る群から選択される式によって計算される抽出分含有率(重量%)の±1 .5%以内の抽出分含有率(重量%)を有し、 約8重量%よりも高い公称HFP含有率を有するコポリマーについては先行技 術が詳細を与えている合成方法によって製造された同じ公称HFP含有率(重量 %)を有するコポリマーのDSC融点よりも少なくとも2.5℃低いDSC融点 を有する、前記電気化学的電池。 2. 弗化ビニリデンポリマーが2モード分子量分布を有する弗化ビニリデンホ モポリマーである、請求項1記載の電池。 3. 弗化ビニリデンポリマーが約20重量%までのクロルトリフルオルエチレ ンを含有し且つ実質的に均質のモノマー分布を有する弗化ビニリデン/クロルト リフルオルエチレンコポリマーである、請求項1記載の電池。 4. VDF/CTFEコポリマーが約8重量%までのCTFE含有率を有する 、請求項3記載の電池。 5. VDF/CTFEコポリマーが約2〜約6重量%のCTFE含有率を有す る、請求項4記載の電池。 6. 弗化ビニリデンポリマーがVDF/HFPコポリマーである、請求項1記 載の電池。 7. VDF/HFPコポリマーが約8重量%までのHFP含有率を有する、請 求項6記載の電池。 8. VDF/HFPコポリマーが約2〜約6重量%のHFP含有率を有する、 請求項7記載の電池。 9. 正極、アブソーバー−セパレーター及び負極を有し、前記電極の少なくと も一方が電解質材料と組み合わされた弗化ビニリデンポリマーを含み且つ(又は )前記アブソーバー−セパレーターが電解質材料と組み合わされた弗化ビニリデ ンポリマーを含む改良型電気化学的電池であって、 前記弗化ビニリデンポリマーが約8重量%までのヘキサフルオルプロピレンを 含有し且つ請求項1記載の式(a)又は(b)によって計算される抽出分含有率(重量 %)の±1.5%以内の抽出分含有率(重量%)を有するVDF/HFPコポリ マーから本質的に成る、前記電池。 10. VDF/HFPコポリマーのヘキサフルオルプロピレン含有率が約2〜 約6重量%である、請求項9記載の電池。
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