JP2002512442A - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特にコンデンサバッテリーにおいて使用するためのアルミニウム電解コンデンサが、冷却リブ（２）の設けられたケーシング（１）に組み込まれており、この場合、このケーシング（１）はアルミニウム鋳造部材として形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、冷却リブの設けられたケーシングに組み込まれた、特にコンデンサ
バッテリーにおいて使用するためのアルミニウム電解コンデンサに関する。

【０００２】 ドイツ連邦共和国実用新案第９２０３７３９号明細書に基づき公知の電気的な
コンデンサのためのケーシングはプラスチックから成っており、しかも、このケ
ーシングの外側には、熱導出を改善するための長手方向リブが軸方向で配置され
ている。

【０００３】 重畳された交流電圧を有するアルミニウム電解コンデンサの作動時には、この
構成素子の比較的高い等価直列抵抗に基づき著しい損失出力が熱の形で生じる。
この損失出力は、ケーシングを介して導出しなければならない。アルミニウム電
解コンデンサのケーシングは、従来平滑な壁を備えた、押出し成形部材として製
作された円筒形のアルミニウム容器から成っている。電気的な絶縁体としては、
一般に収縮性チューブ又はプラスチック容器がアルミニウム容器の上に付与され
る。このことはやはり、むき出しのケーシングに比べてより良好な熱放射を結果
的に伴う。熱導出を更に改善するためには、コンデンサは冷却板若しくは例客体
に組み付けられ且つ／又は空気を吹き付けられる。この場合は、冷却体及び固定
材料に関する付加的な手間が発生する。多数の電解コンデンサが直列接続及び並
列接続を成すように一緒に組み込まれる場合（いわゆるコンデンサバッテリー）
は、必要とされるシャシのために更に相当のコストがかかる。

【０００４】 この付加的な高いコストに基づき、冷却体による促進された冷却に基づく比較
的高い負荷能力の利点は大抵利用されなかった。接続部の設定に際しては、一般
に自然冷却又はせいぜい空気冷却しか想定されなかった。

【０００５】 本発明の課題は、冒頭で述べた形式のコンデンサを改良して、製作及び組込み
費用を削減すると同時に効果的な熱導出を行うということである。

【０００６】 この課題は、本発明ではケーシングがアルミニウム鋳造部材として形成されて
いることによって解決される。

【０００７】 これにより、このようなケーシングは一方では廉価に製作可能であり且つ他方
ではコンデンサバッテリーにおける接続のために特に有利に適しているという利
点が得られる。この場合、冷却リブの他に、半径方向で熱抵抗を減少させるため
に不可欠な、比較的肉厚の壁厚さも実現可能である。

【０００８】 冒頭で述べた、電解コンデンサにはあまり適さない、冷却リブを備えたプラス
チックケーシングの他に、冷却リブを備えた金属ケーシングも公知であるが、こ
の金属ケーシングは薄板からなっており、しかも冷却リブは焼嵌めされているか
又は固定的に溶接されている（ドイツ連邦共和国特許第８６９５０９号明細書）
。冷却リブの焼嵌め若しくは固定的な溶接の特別な作業ステップに基づき、前記
のようなケーシングの製作は著しく高価になり、しかも、薄板から成る容器も、
アルミニウム鋳造部材を有する本発明によるコンデンサの場合よりも高い熱抵抗
を半径方向で有している。

【０００９】 本発明の有利な改良は、請求項２以下に記載されている。

【００１０】 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

【００１１】 図１にはアルミニウム電解コンデンサのためのケーシング１が示されており、
このケーシング１は、一体成形された複数の冷却リブ２を備えたアルミニウム鋳
造部材から成っている。ケーシング１の底部にはピン３が位置しており、このピ
ン３は、コンデンサコイルをセンタリングするために役立つ。更に、ケーシング
１の底部には半径方向で配置された複数のリブ４が配置されており、これらのリ
ブ４は、コンデンサコイルを耐振動式で位置固定するために働く。この場合、コ
ンデンサコイルからの熱流は、まず最初に突出した陰極及び容器底部を介して生
ぜしめられる。この場合、冷却リブ２の完全作用は、熱抵抗が小さな場合に初め
て容器壁に沿って得られる。ケーシング１の２つの向かい合う側面は平らに形成
されており、これにより、複数のコンデンサケーシングを、図２に示したように
スペース節約式で相並んで配置することができる。

【００１２】 図２では個々のケーシングがアウタケーシング７の内部に位置しており、これ
により、多重ケーシング７の特に簡単な組込みが保証されている。この場合、個
別ケーシング１は平らに形成された側面５，６を以て相対して配置されている。

【００１３】 図３には、図２に示したケーシングに組み込まれたコンデンサコイル８，９，
１０の並列接続が示されている。この接続は、単純な「サンドイッチ」として形
成された帯状導体１１を介して行われる。２つの電極１２，１４間には絶縁体１
３が位置している。更に、付加的な絶縁体１５が電極１４の下位に配置されてい
る。前記電極１２，１４は、それぞれ陽極接続片１６若しくは陰極接続片１７に
接続されている。

【００１４】 図４には帯状導体１１の別の実施例が示されており、この帯状導体１１は同軸
的な構成を有している。その他の点では、図４は図３と同じ符号を有している。

【００１５】 更に、マイナス極をケーシング１を介して若しくは閉鎖板を介して案内してプ
ラス極を外部で接続することが可能である。

【００１６】 更に、金属ケーシング１にプラスチックから成る絶縁性の容器（深絞り加工部
材）を挿入するか、又は内壁を絶縁材料（例えばゴムコーティング）によってコ
ーティングするという可能性が生じる。

【００１７】 また、コイル接続を内部でアルミニウム金属帯材を介して行うか、又は外部で
（例えば銅板を介して）行うことも可能である。

【００１８】 更に、冷却リブを軸方向だけでなく半径方向で且つ／又は容器底部に配置する
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 アルミニウム鋳造部材から成るコンデンサケーシングを示した図である。

【図２】 多重ケーシングを備えた実施例を示した図である。

【図３】 帯状導体との接続を示した図である。

【図４】 帯状導体との接続を示した図である。

【符号の説明】

１ ケーシング、 ２ 冷却リブ、 ３ ピン、 ４ リブ、 ５，６ 側面
、 ７ アウタケーシング、 ８，９，１０ コンデンサコイル、 １１ 帯状
導体、 １２，１４ 電極、 １３ 絶縁体、 １５ 付加的な絶縁体、 １６
陽極接続片、 １７ 陰極接続片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユルゲン フェッツァー ドイツ連邦共和国 ゲルシュテッテン ミ ュールシュトラーセ 19 (72)発明者 マンフレート ガイヤー ドイツ連邦共和国 ヘムホーフェン モー ツァルトシュトラーセ 17 (72)発明者 ゲアハルト ニーダーベルガー ドイツ連邦共和国 ゲルシュテッテン ド ロッセルヴェーク ３ (72)発明者 シュテファン ノイマイスター ドイツ連邦共和国 ハイデンハイム アル ブレヒト−デューラー−シュトラーセ 99 (72)発明者 クリストフ ライブレ ドイツ連邦共和国 ヘルシング シラーシ ュトラーセ ４ (72)発明者 トーマス レーダー ドイツ連邦共和国 ニュルンベルク ピル クハイマーシュトラーセ 11 (72)発明者 ヴィルヘルム シュヴァイケルト ドイツ連邦共和国 ハイデンハイム キス テルベルクシュトラーセ 33 (72)発明者 ヴァルター シュプリングマン ドイツ連邦共和国 アーデルスドルフ オ ーベレ バッハガッセ 10ベー (72)発明者 ノルベルト ヴィル ドイツ連邦共和国 ハイデンハイム ノル マンネンヴェーク 16

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷却リブ（２）の設けられたケーシング（１）に組み込まれ
   た、特にコンデンサバッテリーにおいて使用するためのアルミニウム電解コンデ
   ンサにおいて、ケーシング（１）が、アルミニウム鋳造部材として形成されてい
   ることを特徴とする、アルミニウム電解コンデンサ。
2. 【請求項２】 向かい合った２つのケーシング側面（５，６）における冷却
   リブ（２）が平らに形成されている、請求項１記載のアルミニウム電解コンデン
   サ。
3. 【請求項３】 複数のコンデンサ（８，９，１０，・・・）を収容するため
   のケーシング（７）が形成されている、請求項１又は２記載のアルミニウム電解
   コンデンサ。
4. 【請求項４】 ケーシング（１）の内側に絶縁性コーティングが施されてい
   る、請求項３記載のアルミニウム電解コンデンサ。
5. 【請求項５】 ケーシング（１）内に、コンデンサを収容するための絶縁性
   容器が配置されている、請求項３記載のアルミニウム電解コンデンサ。
6. 【請求項６】 コンデンサバッテリーにおける複数のコンデンサ（８，９，
   １０，・・・）の接続が、サンドイッチ状に形成された帯状導体（１１）によっ
   って行われる、請求項１から５までのいずれか１項記載のアルミニウム電解コン
   デンサ。
7. 【請求項７】 帯状導体（１１）が同軸的に構成されている、請求項６記載
   のアルミニウム電解コンデンサ。