JP2002511782A - インプラント素子 - Google Patents

インプラント素子

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Abstract

(57)【要約】 骨組織への永久錨止用インプラント素子であって、少なくとも面が植込み領域において組織に面するよう意図される。素子は酸化チタン面を有するチタンから作られ、これは酸化物厚み約10ないし200nmが得られるように陽極酸化処理することにより改変されている。また骨とインプラントとの高程度の接触が得られるように増加した面酸化物結晶度及びサブミクロンメータースケールの粗さが得られた。

Description

【発明の詳細な説明】 インプラント素子 口腔用インプラントは合成材料から作られ、粘膜質の柔軟組織や骨に挿入され 補てつ構造体の錨止体として役立つ。骨錨止体の材料の選択は数年にわたり議論 され考察されてきた(Branemark,1996で再検討)。骨同化されたチタン製インプ ラント(ad modum Branemark)は30年間成功裡に使用されてきた。この処置の結 果に重要な役割を果たすものと考えられる幾つかのファクタがあり、例えば、適 正な機械特性と耐食性を備えたチタン(Williams,1981)の選択、表面形状、相対 的非外傷性外科手順がある。 術後の初期期間(3−6ヶ月)には負荷を掛けない2段階外科手順は、初期治 癒中のインプラント安定性にとって重要である。しかし、2段階外科技術は患者 にとって欠点となる恐れがあり、更なる方策が必要である。臨床慣行では、材料 と外科手順のみならず系統的局部的受容者ファクタにより処置の限界が設定され る。失敗率は上顎や後部下顎において高く、また成功率は骨の質に大いに依存す る(Esposito他,1997)ことが判明している。故にインプラント処置を最適化する にはインプラントや受容者の両方に関係する有益ファクタと否定的ファクタとを 識別することが重要である。故に治癒期間の短縮と臨床負荷状態中に長期安定性 の維持は必須であると思われる。 生体適合材料は生物システムと相互に作用するように意図される医療装置に用 いられる材料である(Black,1992)。人工構造体に使用される材料は3種類、即 ち、金属、セラミック、及び重合体、に分けられる。これらの種類は原子間結合 により区別される(Cook他,1996)。 金属は多くの小さい結晶から成る。各結晶は結晶構造中に規則的に配置された 原子の集積である。溶融金属(アモルファス)が固化すると、小さい結晶(粒子 )が成長し始める。不規則に配置された結晶は結局は相互に出会い、結晶間に境 界、即ち粒子境界を形成する。境界に原子を不完全に詰め込むことにより材料中 に弱い点が生じ、食刻又はプラズマ洗浄などの表面処理により非常に強く影響さ れ、暗線として溝が現れる。材料の表面特性はバルク特性とは異なる。 商業的に純粋な(CP)チタンなる語は非合金チタンに適用され、炭素、鉄、酸素 などの少量の不純元素を含んだ幾つかの等級がある。酸素の量は各種のレベルで 制御され、強度が増す。チタンに4つの等級があり、等級1(この論文で使用さ れる)は最低量の酸素を含む。CPチタンの微細構造は本質的に全てがHCP結晶構 造を持つαチタンである。 二酸化チタンTiO2は酸化チタンの中で最も普通のものでかつ安定であり、Ti2O3 とTiOは最も稀なものである(Lausmaa,1991)。 TiO2は3種類の結晶改変体が存在する。即ち、アナターゼ(正方晶系構造)、 ルチル(正方晶系)、板チタン石(斜方晶系)である。ルチルとアナターゼは最も 普通の形態であり、板チタン石は非常に稀である(Keesman,1966)。 技術が発展してインプラントの表面特性を機械的及び化学的手順により改変で きるようになっている(Lausmaa,1996;Smith他,1991a;Smith他,1991b)。プラ ズマ噴霧、スパッタ付着、酸化、蒸発、(グリット、砂)ブラスト、研磨、食刻 、プラズマ清掃及びイオン衝撃はこの目的に使用できる技術の例である。 電解研磨は金属の表面層の溶解を制御することにより表面仕上げを向上するた めにしばしば使用される電気化学技術である。インプラントの機械加工により生 じるアモルファス表面層は除去される。電解研磨後にX線光電子分光器(XPS)に より測定された典型的には厚さ3−5nmの主としてTiO2から成る表面酸化物を有 する多結晶面が面に見られる(Lausmaa,1996)。 陽極酸化は金属インプラントの酸化層の厚みを増すために使用される電気化学 的方法である。試料を陽極として電解槽に電流を通す。試料に電位が付与される と、陰イオンを含む酸素が電流により電解液を通じて移送され、金属試料に連続 した酸化物が形成される。チタン上の陽極酸化物は化学的量論上殆どがTiO2であ る。チタン上の陽極酸化物は多孔などの各種の構造的特色を含んでいる(Lausmaa ,1996)。 改変後の表面特性を特徴付けるために、以下の技術が用いられる。即ち、表面 形状と粗さに対してSEMとAFM、また表面組成と酸化物厚さに対してESCAとAESが 用いられる。 チタン面と蛋白質/細胞/組織の相互作用 文献を調べると、表面改変は生物応答に影響することが判る。生体内でのイン プラントの挿入後に生じる最初の出来事は材料面が水とプラズマ蛋白質を含む生 体分子に曝されることである。生体外及び生体内の条件で、血清蛋白質は数秒内 で異物質の表面に吸着することが知られている。各種の生体適合材料における吸 着と脱着の現象は鋭意研究されている。一作用仮説によると、生物応答は初期蛋 白質吸着により指令され、また初期蛋白質の吸着は次いで細胞/組織応答に影響 し、最終的にはインプラントの性能に影響する(Horbett,1996)。 三種類の吸着/脱着パターンが金属及びその酸化物について記載されている(W illiams及びWilliams,1988)。例えば、チタンは48時間は低レベルに留まる低 レベルのアルブミンを吸着することが判明した。なお、アルブミンは比較的に容 易に脱着した。バナジュウムなどの他の金属面は初期には少量のアルブミンを示 したが、その量が増加し、脱着は低速であった。金は初期に多量のアルブミンを 吸着する面の特徴を有し、またその量は実験全体にわたり増加した。 表面特性の改変と変化及びその結果としての表面への分子吸着に対する影響を 調べると、生物反応に対する表面特性の役割についての重要な洞察が得られるか もしれない。改変され特徴付けられた表面を用いて蛋白質の挙動及び吸着パター ンの差異が検出された(McAlarney他,1991;McAlarney他,1996;Nygren,1996;Sh elton他,1988;Sunny及びSharma,1990;Tengvall他,1992;Walivaara他,1994;W alivaara他,1992)。Sheleton他(1988)は正に帯電したビードよりも負に帯電し た重合体ビードへより多くの蛋白質が吸着されることを発見したが、表面の粗さ は蛋白質の吸着や細胞挙動に影響するようには見えなかった。一般に、粗い表面 は平滑な表面よりも濡れやすいと考えられ、このことは表面積の増加や表面の親 水性の増加による効果であるかも知れない(Curtis他,1983)。 Nygren(1996)は親水性及び疎水性のチタン表面が完全な血液に曝されたときの 二つの異なる反応を発見した。疎水性の面には付着性血小板及びフィブリノゲン が存在し、また親水性の表面には補体ファクタ1(C1)及びプロトロビン/トロン ビンが存在した。Baier他(1982)は種々のシステムの付着現象の原理を調べ、彼 は表面の湿潤性は蛋白質吸着パターンに影響する重要なパラメータであると指摘 した。 材料の表面エネルギは各種の洗浄手順と酸化物厚みの影響を受ける。Sunny及 びSharma(1990)によれば、アルミ上の酸化物の層の増加により表面の疎水性が増 加し、その結果フィブリノゲンの吸着が増す。さらに、グロー放電技術により表 面をより疎水性にしてフィブリノゲン吸着を少なくする。しかし、Walivaara他( 1994)により他の結果が得られており、彼らは酸化チタンの厚さや炭素汚染は蛋 白質吸着や接触活性化に影響しないことを発見した。興味深いことには、補体フ ァクタ3(C3)の増加した表面濃度は増加する酸化チタンフィルム厚さ及び/又は 結晶性と相関性があった。酸化物の結晶性は酸化物の厚さよりも重要であると思 われた(McAlarney他,1996)。他の研究では、McAlarney(1991)はC3は優先的に粒 子境界に吸着するが、これは粒子境界とバルク面との間の表面エネルギの差によ り説明できることを発見した。酸化チタン面は陽イオン、特に多価陽イオンを結 合することが知られている(Abe,1982)。 酸化層は高度に極性化されており、水及び水溶性分子を引き付ける。一般には 、故に、カルシウムイオンは酸素(O)との静電相互作用により酸素面へ引き付 けられる。Lausmaa他(1988)による研究では、臨床手順に従って用意された約1 00個の試料がESCAにより分析された。表面は主としてTiO2から成ることがスペ クトルにより示された。炭素及び少量のN,Cl,Ca,S,P,Na,Siが表面上に見 られたが、スパッタリング後には酸化物全体にわたり見られたCa以外は全てが除 去された。 瞬間的応答から数年を経た応答にいたるタイムスケールに基づいて、材料の特 性がどのように界面の細胞活動に影響するか、またその逆が生じるかを理解する ことは非常に興味深い。何故ならば、拒絶、線維組織による過度の傷形成/被包 、及び初期組織の回復はインプラントの性能に非常に影響するからである。柔軟 組織では線維カプセルがインプラントの周りに形成される(材料を生物環境から 仕切る現象)(Thomsen及びEricson,1991)。骨に線維組織によるインプラントの 被包が生じてもよいが必須ではなく、その代わり無機質化した骨がインプラント に直接接触することができ、これは所謂骨同化作用と呼ばれるものである(Brane mark他,1969)。細胞材料相互作用の研究は近年強化されているが、材料の特性 が生物反応に影響を及ぼす機構は未だ明らかでない。 生体外の研究。 生体内でのインプラントへの組織の付着は複雑な事柄であるが、それは多くの 場合異なる面で異なる挙動を示す各種の組織が含まれるからである。培養基体の 形状変動に対する細胞の応答は、マクロファージ(Rich及びHarris,1981;Saltho use,1984)、線維芽細胞(van der Valk他,1983)、歯周細胞(Cochran他1994)、 上皮細胞(Chehroudi他1989;Chehroudi他1990)、骨芽細胞(Bowers他,1992;Marti n他,1995)及び軟骨細胞(Schwartz他,1996)などの各種の細胞毎に異なる。 Rich及びHarris(1981)はマクロファージは親水性の低い基体ならびに面の層に 好んで付着することを発見した。Murray他(1989)はマクロファージが親水性の面 に付着するとき、PGE2が解放され、骨の再吸収が疎水性面に比較して刺激される ことを示した。さらに、粗面は平滑面よりも骨再吸収をより刺激することが判明 した。各種面の粗さと表面エネルギは数量化されていないが、これはマクロファ ージとインプラントとの相互作用により細胞が浮遊状態にあるときよりも大きい ファクタの放出が生じることを示すものである。チタン面と人の単核細胞の研究 により、細胞によるインターロイキン−1放出は蛋白質脱着と材料粒子の存在と により調整されることが示されている(Gretzer他,1996)。 興味深いことには、線維芽細胞を用いて異なる結果が得られている。人の線維 芽細胞は粗なチタン面へよりも平滑なチタン面へよく付着した(粗い面に対して 1μmダイヤモンドペーストで研磨した;240又は600のグリット炭化珪素 金属組織紙で作った)(Keller他,1989)。線維芽組織の広がりは極性面自由エネ ルギに依存することが判明している(van der Valk他,1983)。少なくとも様々な 重合体面上で、低度の細胞の広がりが低極性部分に見られるからである。Sukeni k他(1990)は各種の共有結合した自己構築単層(4つの異なる化学末端基CH3;C=C ;Br;ジオール)でチタン面を改変した。各種の面に対する神経芽細胞腫の付着 は類似のものであったが、細胞の広がりは殆どの疎水性面(CH3及びC=C)で少なく とも顕著であった。 骨芽細胞は表面粗さや表面化学特性の僅かな変化に敏感であり、増殖、細胞外 マトリックス合成、及び分化を変化することによって変化した表面化学特性に応 答する(Boyan他,1995)。骨芽細胞はルチル又は非晶質TiO2面上で培養されると き様々な表現型を示したが、同じ酸化物厚さ及び粗さを示した。故に、違いは結 晶性だけに帰因することが示唆されている(Boyan他,1995)。 骨芽細胞は不規則な形態を持つ粗いサンドブラストされたチタン面に対する付 着が最初は大きいが、平均粗さ(Ra)パラメータは細胞付着と生体外広がりを予 測しなかった(Bowers他,1992)。 骨芽細胞における増殖と分化のパラメータは、粗さが増加した(15−18μ m)チタンディスク上で細胞を生長させることにより改変された(Martin他,199 5)。興味深いことには、分化の各種段階における細胞は同じ面に対して応答が異 なった(Boyan他,1995;Schwartz他,1996)。 細胞機能に対する表面特性の役割についての殆どの生体外研究の基準は培養皿 の面に対する細胞の付着である。吸着分子を伴う又は伴わない、細胞と面との間 に生じる相互作用は、故に、実験装備の基本的な自明の部分である。この点で、 細胞における刺激又は抑制ファクタとしての材料面の特性は他のポテンシャルに 関して強調され過ぎであり、生体内の複雑な生物環境における細胞と面の近くに 存在する等しく重要な調和ファクタであるかもしれない。 骨におけるチタンインプラントの研究(Sennerby他,1993a;Sennerby他,1993b )は骨芽細胞はインプラント面へ付着しないこと、及び骨の形成は面で開始され ないことを指摘した。この観察は生体外の骨芽細胞とチタン面との相互作用の研 究はあまり重要でないことを示唆している。それでもやはり、生体外の研究は、 生体内環境における複雑性の各種側面を詳細に観察できるものであり、非常に価 値があるが、生体外システムを設計するとき、生体内条件を考察する必要がある 。 発表された生体外研究に基づいて、表面粗さは、細胞の成熟度に応じて異なる ものではあるが、細胞の増殖に影響するものと思われる。表面特性の差異は、機 構は明らかではないが、細胞の付着と増殖に影響する。細胞の型が異なると表面 特性により異なった影響を受けることも明らかである。しかし、細胞挙動に対す る改変チタン面の影響についての研究はこれまでのところ数が少ない。故に、チ タンインプラントに対する生体内応答の文献を再検討するのが適切である。 一般に、組織学、組織化学、及び免疫組織化学技術は柔軟組織の反応の評価に 用いられている。自然のままの金属組織界面の薄い区分を得ることが技術的に困 難であるから、界面組織の超微細構造は研究するのが困難である(Ericson及びTh omsen,1995)。しかし、柔軟組織の金属については、薄い表面酸化層ではなくて 金属塊を除去する電解研磨法(Bjursten,1990)によりこのような研究が可能にな っている。 マクロファージはインプラントの周りの柔軟組織の治癒期間中に枢要の役目を 果たす。ラットにおけるチタンインプラントに対する柔軟組織の応答はThomsen とEricsonにより述べられている(Branemark他,1995)。細胞と蛋白質とを含む流 体スペースが柔軟組織におけるチタンインプラントの導入後初期の期間(1−2 週間)存在した(Johansson他,1992;Rostlund他,1990)。流体スペース中の白血 球の濃度とPMNの比率は1と7dの間で減少した(Eriksson他,1994)。1週間後 、流体スペースにおける炎症性の細胞(これは主として単核細胞とマクロファー ジである)は流体スペースと再編組織との間の境界で、インプラント面よりもむ しろフィブリン・マトリックスに付着した。6週間後、流体スペースが大きくな くなり、マクロファージはインプラント面との接触を確立した(Johansson他,19 92;Rostlund他,1990)。マクロファージはチタン面で最も普通の細胞型を構成し 、各種の表現型を呈したが、これはその超微細構造で判断された(Johansson他, 1992)。免疫組織化学的観察(Rosengren他,1993)は、植え込み後1週間してチタ ンインプラントの周りの流体スペースはアルブミン、補体ファクタC3c、免疫グ ロブリン、フィブリノゲン、フィブロネクチンを含んでいたことを示す。アルブ ミンとC3cは最初の1週間は流体スペース及び組織間質全体にわたり分布してい た。フィブリノゲンとフィブロネクチンは流体スペースと組織との間に優先 的に共同局部集中し、このようにしてマクロファージと線維芽細胞が付着する仮 のマトリックスを形成した。 6週間及び12週間後に、周囲組織にフィブリノゲンは検出されなかったが、 フィブロネクチンのストランドが周囲カプセル中に発見された(Rosengren他,19 96)。周囲組織中のコラーゲンの束と一致するコラーゲン型I免疫反応性はフィ ブロネクチンと同様に分布し、チタン面に非常に接近するも、12週間後には1 層乃至数層それからいつも離れていた。 一般的な一連の細胞移動と蓄積並びにインプラント面の近傍の組織へのプラズ マの漏洩が、金属を含む幾つかの異なる材料の柔軟組織への植え込み直後に観察 された(Thomsen及びEricson,1991)。ラットの腸壁に挿入された窒素イオン植え 込みされたチタンディスクの周りの組織応答は純チタンインプラントの周りで観 察されたものとそれ程違っていなかった。しかし、6週間後にマクロファージと 多核巨大細胞とが窒素イオン植え込みディスクの周りに目立っていた(Rostlund 他,1990)。同じラットの腸壁モデルにおいて1週間、6週間、12週間後のチ タンとTi6A14Vとを比較しても界面における細胞の型と数とに関して差異は見ら れなかった(Johansson他,1992)。更に、著者等は線維カプセル幅に差異を発見 しなかった。ここで他において(1991)、チタン、TiO2被覆されたチタン、Ti6A14 V,TiO2被覆されたTi6A14V、TiN被覆されたTi6A14V,Ti5A12.5Fe、及びステンレ ス鋼(316L)の場合についてカプセル厚みを比較したとき、同様の結果が示された 。 重合体(Chehroudi他,1989;Chehroudi他,1990)と対照的に、金属インプラン トの改変面形状と粗さとの生物学的効果に集中した柔軟組織における研究は比較 的に数が少ない。 しかし、チタン及びステンレス鋼の表面粗さの影響についての広範な光学顕微 鏡による研究では(Ungersbock他,1994)、平滑なインプラントは介在流体スペー スを持つ厚い柔軟組織カプセルを誘発したことが示された。これとは対照的に、 ブラストされ陽極酸化処理された粗さパラメータ(Ra 0.75)が比較的に高いチタ ン板は、連続した液体スペースなしに非常に薄い柔軟組織に包囲されていた。こ れらの結果に基づいて増加表面粗さとカプセル厚みとの間に簡単な関係があると 結論することは困難である。例えば、Al2O3ブラストされた表面粗さの大きい(Ra 1.5)チタン板のカプセル厚さはブラストされ陽極酸化処理されたチタン試料の ものと同様であった。さらに、タンブルされたチタン板(Ra 0.15)のカプセル厚 さは、タンブルされ陽極酸化処理された平滑なチタン(Ra 0.33)と同様であった 。粗さはプロフィロメータ(profilometer)で測定され、またインプラント面の元 素組成は報告されなかった。故に、サブミクロンレベルの表面化学組成及び/又 は粗さは試料間で異なっていたという可能性はある。うさぎの柔軟組織に植え込 まれたチタンディスクの各種表面粗さ(1乃至10μmの平滑対各種微小表面組 織)の効果についての研究は、幾つかの材料の周りの線維カプセルにコラーゲン 型IIIが検出されたが、コラーゲン型Iはチタンの周りのカプセルにおいてのみ 確実に染色されることを示した(von Recum他,1993)。 一般に、柔軟組織における実験研究では、金属はマクロファージが表面に最接 近した線維カプセルにより包囲され、線維芽細胞を表面から分離することが指摘 される。これまでのところ、チタン面改変体の周りの界面構造についての形態学 的データは殆ど入手できなかった。どのように材料の表面特性が生体内の条件で 蛋白質吸収に影響するか、またどのように表面特性が表面に近い細胞に影響する かの問題は未解決である。更には、どのように包囲線維カプセルの組成及び構造 が材料面マクロファージ相互作用により影響を受けるかは理解されていない。金 属イオンの浸出、負荷条件、及びインプラント面と組織との間の微小移動を含む 幾つかの追加のファクタを考慮しなければならないかも知れない。 損傷に対する骨の応答は再生に続いて新しく形成された骨を応力の方向に整形 することである。類推して、インプラントが骨に挿入されると、傷場所への間葉 性細胞の漸増、骨芽細胞への同化、骨組織の合成、及び細胞外マトリックスの石 灰化を含む同様の一連の現象が生じるものと期待される。間葉性原種細胞は多能 性であり、分化して骨芽細胞、軟骨細胞、筋肉細胞、脂肪細胞になることができ る(Caplan及びBoyan,1994)。間葉性細胞の分化やインプラントの周りの骨の再 生への路は、外傷の程度、局部的及び系統的ファクタ並びにインプラントの特性 と安定性を含むファクタの組み合わせに依存することが最も確からしい。 金属インプラントと骨との相互作用についての先の研究の概要を以下に述べる 。非金属インプラントの性能は他の場所で再検討される(de Groot他,1994)。 on他,1991)及びジルコニューム(Albrektsson他,1985;Johansson他,1994)を含 む金属の各種インプラントの性能を比較した研究は、主要な定性的な差異を明ら かにしていない。螺入されたチタンインプラントは他の型の金属よりも、無機質 化された骨により接触することが一般に判明した。この機構は明らかでなく、ま たチタンの特性が周期系中の近くの金属を含む他の金属と比べて生物学的用途に 何故有利であるのかも解明されていない。チタンの良好な生物学的性能は表面を 覆う酸化チタン層に因るものとされているが、この見解に対する説得力のある証 拠は提出されていない。 幾つかの研究はインプラント面の粗さを(ある範囲内で)増すと、インプラン トの生体力学的性能を向上することを示している。しかし、骨の応答はその差異 を示すことは稀である。ただし、幾つかの研究は表面粗さの増加に伴って骨−イ ンプラント接触が増すことを示している(Buser他,1991;Goldberg他,1995;Gotf redsen他,1995)。殆どの研究はこのような相関を示さなかった(Carlsson他,19 88;Gotfredsen他,1992;Thomas及びCook,1985;Thomas他,1985;Thomas他,1987 ;Wennerberg,1996;Wilke他,1990;Wong他,1995)。Branemark(1996)は螺入され たチタンインプラントの骨同化の形態学的パラメータと各種生体力学的試験との 相関を作成し、引き抜き試験は主として周囲の骨の力学を反映し、一方除去トル ク試験は骨−インプラント界面の塑性変形に至るせん断を反映することを発見し た。恐らく、骨に挿入された粗面を有するインプラントについて行われた生体力 学的試験は骨−材料の機械的相互作用(インターロック)を主として反映する。 ただし、光学顕微鏡で解像されない界面の構造の差異が重要であるということは 除外できない。 本研究で使用されたものと同様の動物モデルを用いて、Sennerby他(1993b)は ねじ形チタンインプラントの挿入後3乃至180日後の骨応答を研究した。3日 目に、間葉性細胞はインプラント周りの傷部域へ移動していた。インプラント面 は多核巨大細胞により一時的に覆われ、この細胞は時間とともに消え、また骨− インプラント接触が増すと消える。新しく形成された骨は骨内膜面からインプラ ントの方へ延び、またインプラントのねじ内に島としても形成された。 時間と共に、二つの型の新しく形成された骨は融合した。最初は骨髄空洞へ突 入していたねじは整形により完成される骨で次第に満たされる。新しい骨が直接 にチタン面に形成されるのはどの期間でも見られなかった。 骨−金属界面組織の超微細構造についての研究は入手可能な数が限られている 。このことは透過型電子顕微鏡TEMによる解析用の界面組織の調製が、特に脱石 灰工程が省略されるとき,要件が厳しいことを反映している。 Albrektsson他(1982)は金属インプラントのモデルとして蒸発金属の薄い層で 被覆されたポリカーボネートプラグを導入した。プラグはうさぎの脛骨に植え込 まれた。一部脱石灰状の試料のTEMにより、チタンインプラントに接近したコラ ーゲン束の存在(3ヶ月後)が示されたが、インプラントヘ100乃至500n m接近した最後のものはランダムに配置されたフィラメントから成るものであっ た。ムコ蛋白質から成ると示唆された一部石灰化したアモルファス物質の20乃 至40nm厚さの層はインプラント面に接触していることが判明した。インプラ ント面へ向かう減少する無機質化作用の勾配もまた記載された。これと対照的に 、多数のマクロファージと骨細胞が金被覆されたプラグに見つかった。プラスチ ックプラグ技術に基づくより最近の研究では、ジルコニウムを含む他の金属被覆 がチタンと比較された(Albrektsson及びHansson,1986;Albrektsson他,1985)。 Linder他(1989)はチタンのプラグの界面の形態学を研究した。チタン、Tivani の観察(観察期間11ヶ月)により、全ての金属面の500乃至1000nm以 内に界面の超微細構造における予期しない変化が見られた。三つの主な型の界面 構造が判明した。即ち,a)多少とも規則的に配置されたコラーゲンのフィブリ ルであって、型−Iコラーゲンに特有の縦方向クロスバンディング(cross-bandi ng)が68nmであり、金属面へ50nm以内に近づく、b)型−Iコラーゲンフ ィブリルであって不明瞭な構造の帯域によりインプラントから分離されているが 、フィラメント状材料を有し、これは殆どの場合厚さ約500nmであるが、と きには1000nmにもなる、c)型−Iコラーゲンフィブリルであり、薄いフ ィラメント状構造の500乃至600nm帯域によりインプラントから分離され 、bの場合よりも明らかに稠密である。特定材料に特有の構造上の特色はなかっ た(Linder他1989)。 Sennerby他(1992)は、うさぎの脛骨に12ヶ月挿入されたチタンインプラント の界面の形態学を調べ、インプラント面へ向かう骨の無機物濃度勾配の明らかな 減少を伴わずにインプラント面に非常に接近して無機質化した骨が存在すること を発見した。アモルファス非無機質化材料の薄い層(幅100乃至200nm)が 無機質化した骨の周囲に存在した。さらに、無機質化が低いときは目視できるが 、約100nm幅の電子稠密ラミナ境界膜が無機質化した骨とアモルファス層と の間の境界を形成することが判明した。このラミナ境界膜は直接連続しているの がしばしば見られ、境界膜は骨細胞小管の境を形成し又は各種無機質化グレード の骨を分離する。 SteflikはTEM及び高電圧TEMを用いて犬の下顎の各種型のインプラントの界面 形態学を研究し、インプラント面に約50nm幅の電子稠密堆積を発見した(Ste flik他,1992a;Steflik他,1992b)。負荷されたインプラントと無負荷のインプ ラントとの間には差異が見られなかった(Steflik他,1993)。Nanci他,1994)は ラットの脛骨と大腿骨に1日乃至5ヶ月挿入されたチタンインプラントに対する 組織の応答を研究した。界面組織の形態学は変化した。骨とチタンインプラント との界面は薄い電子稠密層から成る場合が殆どであった。この界面層は無機質化 した骨と非無機質化コラーゲンのいずれにも隣接していることが発見された。免 疫細胞化学の技術により、ラミナ境界膜として記述された電子稠密層はオステオ ポンティン(osteopontin)に対する免疫反応であることが発見された。インプラ ント面でしばしばラミナ境界膜と連続した周囲の骨におけるセメントラインは同 様のオステオポンティンに対する免疫反応を示した。オステオカルシン、フィブ ロネクチン、及びアルブミンは優先的に界面に堆積することはなかった。最近の 研究でMcKee及びNanci,(1996)はオステオポンティンは無機質化した組織の形成 、転換、及び修復中に細胞−マトリックス及びマトリックス−マトリックス/無 機物付着の仲介として機能することを示唆している。チタンインプラントに対す る柔軟組織の応答についての資料を再検討することは重要である。何故ならば、 皮膚及び粘膜を貫通することは外部補てつ物(例えば、歯やエピセシス(episthe ses))の取り付けに必要だからである。貫通素子への柔軟組織の適切な適応のた めの前提条件に興味の焦点があてられた。経験的に、下部の骨への柔軟組織の強 固な付着による界面における動きを最小にした慎重な外科技術により、臨床経皮 及び経粘膜インプラント/錨止ユニットに対する適正な条件を提供できる。 チタン面と立方上皮と接続組織との関係についての研究では、人における観察 の大部分は口腔から(Sanz他,1991;Seymour他,1989;Tonetti他,1993)及び再検 討(Holgers,1994)された頭蓋・顔面区域(骨誘導補聴器)からの資料で行われた 。口腔インプラントの光学顕微鏡及び超微少構造の研究において(Sanz他,1991) 、炎症性浸潤物は非感染インプラント周囲組織には稀であった。しかし、歯肉炎 が観察されると、炎症性浸潤物は大きく、単核細胞及びプラズマ細胞により支配 される。(Seymour他,1989)はBranemark骨同化されたチタンインプラントの周り の粘膜の特徴を調べた。試料は健康な粘膜から又は炎症の臨床徴候により得られ た(歯肉炎)。著者等は両状況(健康な歯肉又は歯肉炎)に炎症が存在すること を報告したが、歯肉炎の臨床徴候があると、炎症浸潤物が大きく、また細胞の数 が多いことを発見した。著者等は粘膜の反応は安定し良好に制御された応答であ ると結論した。同様の知見は臨床的に機能する骨−錨止された経皮インプラント についても報告され(Holgers,1994)、これはバリア機能の喪失に対する免疫学 的補償がインプラントにおける臨床的に刺激された皮膚に存在することを示唆し ている。上皮細胞とインプラントの面との関係並びに上皮の下方成長の一般観察 は口腔及び経皮用途においてインプラントの機能に重要な役割を演じることを示 唆している。歯科用インプラントの観察(Listgarten及びLai,1975;Schroeder他 ,1981)と対照的に、上皮/コラーゲン組織と経皮チタンインプラントとの間 の密接な関係は見られなかった(Holgers他,1995)。 結論として、これらの観察は人の柔軟組織における機械加工されたチタンイン プラントは炎症性細胞に囲まれ、これは最適でない上皮バリアの補償となる保護 バリアを提供するものと思われる。 回収された骨同化した臨床チタンインプラント(3ヶ月)(Lausmaa J.1988) を調べると、植え込まれない試料に比べて酸化物の厚さが増す(2−3倍)こと が判明した。同様に生体内の酸化物成長が早期に報告されている。オージェ電子 分光法によりMcQueen他(1982)は人の顎骨に植え込んで6年後に、チタンインプ ラント面の最初の厚さが50Åの酸化層が2000Å厚さの酸化層に増加したこ とを観察した。 Sundgren他(1986)は人における骨−チタン及び骨−ステンレス鋼の界面を調べ 、インプラント上の酸化層の厚みと性質が植え込み期間に変化したことを発見し た。場所に応じて、厚さは影響を受けなかったり(骨皮質部)、3−4倍に増え たりした(骨髄)。両方の場合、CaとPが酸化物に取り入れられた。チタンイン プラントでは、酸化は長期(数年)にわたり生じた。 Sennerby他(1991)による光学顕微鏡使用の研究では、7個の臨床的に安定した (1−16年)骨同化した歯科インプラントが形態計測により検討された。イン プラントの大部分は観察期間に拘わらず無機質化した骨と接触していた(85% )。Carlsson他(1994)は関節炎にかかったひざに試験的に挿入された各種粗さの インプラントの周りの組織を調べた。ブラストされたチタン及びヒドロキシアパ タイトで被覆されたインプラントは骨と接触したのに対し、平滑なチタンインプ ラントは線維組織により囲まれることが多かった。 Sennerby他(1991)は7個の臨床的に安定した歯科インプラント(1−16年)の 周りの界面の構造を形態計測により調べた。チタン面に密接した無機質化した骨 の部域に、無機質化していないアモルファス層が観察された。電子稠密ラミナ境 界膜状層が無機質化した骨と100−400nm幅のアモルファス帯域との間に 観察された。 超微細構造の観察が関節疾患及びリウマチ様関節炎(7−20ヶ月)の患者の 脛骨に挿入されたインプラントの金属−骨界面について行われた(Serre他,1994 )。インプラントは全てねじ形純チタンインプラントであり、全て“骨同化”し ていた。正常の骨とインプラントとの界面の超微細構造は、関節疾患及び関節炎 の骨の界面に比べて差異は認められなかった。界面の不均質性もこの研究で確認 されたが、Sennerby他(1991)により報告された100−400nm幅のアモルフ ァス帯域は発見されなかった。 人に挿入されたプラズマ噴霧されたチタン歯科インプラントの界面の超微細構 造の研究では(ITI),(Hemmerle及びVoegel,1996)、二つの異なる界面構造が注 目された。プラズマ噴霧された被覆と骨との間に挿入された粒状電子稠密物質及 びインプラント面に直接並置した骨結晶が観察された。Rohrer他,(1995)は一患 者から12個の骨同化したチタンプラズマ噴霧被覆された(TPS)及びヒドロキ シアパタイトでTPS処理したインプラント(IMTEC)から脱石灰していない組織構造 の区分を調べた。全てのインプラントは1年後に試料を回収したとき満足かつ安 定していた。両インプラント型が同じ成功裡に使用され、二つのインプラント型 の間には形態学的差異は見られなかった。 下記の発明は各種に改変されたチタン面を用いた広範な実験研究に基づく。以 下に実験手順を要約する。詳細は論文(C.Larsson:各種表面特性を持つ骨と金属 との間の界面)に見ることができ、以下の資料を含む。 I.C.Larsson,P.Thomsen,J.Lausmaa,M.Rodahl,B.Kasemo及びL.E.E ricson。表面改変したチタンインプラントに対する骨の応答。各種酸化物厚みと 形態学の電解研磨されたインプラントの研究。Biomaterials 1994(15)13,106 2-1074。 II.C.Larsson,P.Thomsen,B-O Aronsson,M.Rodahl,J.Lausmaa,B.Ka semo及びL.E.Ericson。表面改変したチタンインプラントに対する骨の応答。 各種酸化物厚みを持つ機械加工及び電解研磨されたインプラントに対する応答の 研究。Biomaterials 1996(17)6,605-616。 III.C.Larsson,P.Thomsen及びL.E.Ericson。骨と表面改変されたチタン との間の界面帯域の超微細構造。(原稿で)。 IV.C.Larsson,P.Thomsen,B-O Aronsson,M.Rodahl,J.Lausmaa,B.Ka semo及びL.E.Ericson。表面改変したチタンインプラントに対する骨の応答。 各種酸化物厚みを持つ機械加工及び電解研磨されたインプラントに対する一年後 の組織応答の研究。Journal of Material Science:Materials in Medicine,提 出。 V.C.Larsson,P.Thomsen,J.Lausmaa,P.tengvall,B.Walivaara,M.R odahl,B.Kasemo及びL.E.Ericson。表面改変したチタンインプラントに対す る骨の応答。各種表面特性に対する初期組織の応答の研究。(原稿で)。 純チタン(グレードI、99.7%)(Permascand,Ljungaverk、スエーデン) から機械加工により製造されたねじきりされたねじ形インプラントが製造された 。 各種調製技術によりインプラントの面が改変された。(表Iに要約)。各種面 の改変は資料(I−V)に見られる。全てのインプラントは長さ4mm、直径3 .75mmであった。 チタンロッド(99.7%)を機械加工することにより円形のディスク形イン プラント(φ10mm、厚さ1.8mm)が製造された(Permascand,Ljungaver k、スエーデン)。これらのインプラントは生体外蛋白質吸収、及び柔軟組織の炎 症の研究に使用された。 追加の実験a)及びb)に使用された3つの型のインプラント(機械加工、電 解研磨、及び電解研磨プラス陽極酸化処理)の調製と表面改変の技術は資料Iと IIに詳述されている。 電解研磨中に試料は電気化学槽内で陽極として使用された。槽中の電解組成と プロセスパラメータ(温度、電圧、電流)を変化することにより、電気化学研磨 (電解研磨)又は陽極酸化(陽極酸化処理)を含む各種表面処理を遂行できる。 表面の制御された電気化学溶解として作用する電解研磨技術(Landolt,1987) はメタノール540−600ml、ブタノール350ml、及び過塩素酸60m lから成る−30℃に保たれた混合物から成る電解液中で22.5Vで行われた 。各試料は5分間研磨されたが、これは100μm以下の材料を面から除去する ものと推定される。平滑で鏡状面仕上げを行うために電解研磨手順が行われた。 またこれは材料の機械加工から生じた塑性変形したアモルファス面層を除去する 効果を有する。電荷研磨後に試料は電解液の残渣を除去するためにメタノールで 慎重に洗浄された。 陽極酸化(陽極酸化処理)(Ross,1975)は室温で1M酢酸電解液で80Vで行 われた。この手順により形成された厚い酸化物における光の干渉により鮮やかな 灰紫色の面が得られた。酸化物の厚さは成長係数で適用電圧に比例することは確 立されている。実験条件に応じてチタンの場合にはαÅ2−3nm/Vである。 陽極酸化処理された試料は脱イオン水で慎重に洗浄され、次いでエタノールで洗 浄された。 走査用オージェ分光法(AES;Perkin-Elmer PHI 660,Eden Prairie,USA)を用 いて表面の元素組成を分析した。酸化厚さはAES深さプロフィール解析から推定 された。試料のねじ切り部分に位置する少なくとも2つの異なるスポット(φ1 00μm)が解析された。深さプロフィールは2点(φ10μm)で得られた。 ディスク形状に機械加工され、電解研磨され、及び電解研磨されかつ陽極酸化 処理されたチタンインプラントの一試料のφ200μmの部域からAES調査スペ クトルが得られた。 走査用電子顕微鏡(SEM;JEOL JSM-T-300,及びZeiss DSM 982 Gemini)を用いて 表面形状の全体の写真が得られた。原子力顕微鏡(AFM;Nanoscope III,Digita l Instruments,USA)を用いて表面形状と粗さの特徴をより詳しく調べた。AFM計 器のコンピュータソフトウエアを用いて表面粗さ(Rrms)と表面積拡大(Adiff)を 計算した。 ラメーハート角度計モデル100を用いて接触角を測定した。チタン(対照標 準)、電解研磨された、及び電解研磨され且つ陽極酸化処理された試料の前進及 び後退接触角を測定し、その両方にミリポア(Millipore)濾過水及びヨー化メチ レンを用いた。液の1滴(5μl)を各試料の3つの異なる箇所に滴下した。液 滴の左右の角度を測定し、平均値を計算した。試料は分析に先立って95%エタ ノールで洗浄し(トリクロルエチレン、アセトン、及びエタノールによる従来の 洗浄工程に加えて)、30分以内で空気乾燥した。表面エネルギを計算し、室温 (Wu,1982)で液の表面張力の好適値を水及びヨー化メチレンに用いた。 インプラントはトリクロルエチレン;アセトン;メタノールで超音波洗浄した 。表面改変(電解研磨及び/又は陽極酸化)後に、全てのインプラントはエタノ ール(70%)で最終超音波洗浄工程を受けた。最後に、インプラントは120 ℃で15分間オートクレイブ処理されるか、28.9kGyで25時間30℃でγ 照射された。過酸化水素で処理したインプラントは超音波洗浄後に10mMのH2O2を 用いて40時間8℃で処理した。追加の滅菌は実施されなかった。 ディスク形インプラントはトリクロルエチレン;アセトン;エタノールで超音 波洗浄した。表面改変(電解研磨及び/又は陽極酸化)後に、全てのインプラント はエタノールで最終超音波洗浄工程を受けた。 2匹のラットからラットのプラズマを得てこれを蛋白質吸着実験に用いた。 重さ約250gの15匹のSprague-dawleyラットを用いて細胞の漸増と柔軟組 織におけるチタン面への付着について研究した。 手術は先に述べた手順(資料I-V)により行い、植え込みは基端脛骨に両側に行 った。皮膚と骨膜を切開した後に、フラップを持ち上げて骨部域を露出した。こ のように、各動物は各型のインプラントを一本づつ受けた。 動物を殺した後にインプラントと周囲組織とを一まとめに除去し、グルタアル デヒドに一晩浸漬し、次いで1%の四酸化オスミウム中で二時間後固定した。脱 、英国)に埋設した。 生体外蛋白質吸着の研究において、面吸着蛋白質を収集し,分離(SDS-PAGE)し 、可視化(Western blot)した。要約すると、ディスクを99.5%エタノール中 に保ち、99.5%エタノールで超音波処理し、3回洗い、使用するまで99. 5%エタノール中に保存した。蛋白質で培養する前に、試料をカルシュームによ る殺菌濾過HBBS中に置いた。ラットのプラズマを各種類(機械加工、電解研磨、 及び電解研磨プラス陽極酸化処理されたチタン)の三つの面で1分間37℃で培 養した。その後、ゆるく付着した蛋白質を洗い流し、表面吸着蛋白質を酵素抑制 剤と共に洗剤SDS(2%)により除去した。収集された蛋白質の総量はラットの アルブミンを基準として分光測光法(562nm)を用いてBCA Protein Assay Re agent(Pierce,USA)により分析した。プリキャストされたTris-グリシン(4− 15%)勾配アクリルアミドゲル(BioRad,Miniprotean II)を用いたゲル電気泳 動を行って蛋白質を分離した。分離後、蛋白質はニトロセルロス膜(70V、3 時間、Tris−グリシン−SDSバッファ)へ移送され、次いでpH7.5のTris-Na Clバッファに3%のゼラチンを入れたもので培養することにより不特定の抗体結 合の遮断を行った。膜3の特定蛋白質を検出するために、Tris-NaCl-Tweenバッ ファ中で培養工程を行った(60分、室温)。 一次工程はうさぎアンチ−ラットフィブロネクチン(FN);ヤギアンチ−ラ ットフィブロノーゲン(画分1)(FBN);ヒツジ−アンチ−ラットアルブミ ン(Alb);ヒツジ−アンチ−ラット免疫グロブリンG(IgG)を含んでい た。二次工程はビオチン化された(biotinylated)ロバアンチ−ヒツジIgG;ビ オチン化されたヤギアンチ−ウサギIgGを含んでおり、また三次工程はTris-N aCl-Tween(TTBS)バッファ中でアルカリホスファターゼへ結合されたストレプタ ビディン(streptavidin)を含んでいた。ラベル付けされた蛋白質(試料及び標準 )の可視化はBCIP/NBTでの培養により行った。 柔軟組織へのインプラントの植え込みは先に述べた手順により行った(Lindbla d M.他,1997)。簡単に述べると、重さ約250gの15匹のSprague-Dawleyラ ットに、ナトリウムペントバルビタール(Apoteksbolaget,スエーデン;60m orium AS,ノルウエー;5mg/ml)の1:1:2溶液のi.p注射液(0.1m l/100g b.wt)で麻酔をかけた。ラットは背面の毛を剃られ、エタ を背面の皮膚にその中央線に沿って形成した。鈍い切断により皮下にポケットを 形成し、チタンピンセットを用いてインプラントディスクをポケットに入れた。 6匹のラットに3本の切開部を中央線の各側に沿って形成した。これらのラット は各型のインプラントを2個収容し、これら2個のインプラントの内の1つを殺 菌HBSSバッファ(CaCl22.9g/lを含むHanks平衡塩水、pH7.4)で洗浄し、 他方のインプラントは殺菌塩水で洗浄した。他の9匹は、それぞれ各型から1個 づつ、挿入前に塩水で洗浄した、合計3個のインプラントを収容した。皮膚は非 溶解性縫合糸で閉じられた。1(n=6)、3(n=6)及び7(n=3)日後に、 麻酔をかけたラットの背面の皮膚を洗浄し、ペントバルビタールのi.p致死量に よりラットを殺した。縫合糸を除去し、傷面をピンセットで丁寧に広げた。イン プラントを除去し、殺菌HBSS(カルシウム入り)500μlを含有する、殺菌済み ポリスチレンの組織培養皿に入れ、氷上に保存した。空洞の残留内容物(滲出物 )は500μl(総量)のHBBS(カルシウム入り)の反復吸引(5回)を用いて洗浄 により収集される。 各回収された滲出物は細胞計算及び細胞型の決定まで氷の上に保たれた。滲出 物はTurk溶液で着色され、各種細胞型の比率が決められる。滲出物中に発見され た細胞の数の総平均値が単位時間当たりの6匹(1及び3d)及び3匹(7d) のラットから計算され、各種細胞型の平均パーセント値が同様に計算された。 インプラント面に関連したDNAの量のカウントの決定が蛍光アッセイにより行 われた(Labarca C.及びPaigen K.1980)。簡単に述べると、回収手順の後に、各 インプラントが2×10-3M EDTA及び2M NaClを有する500μl 5×1 0-2Mの燐酸ナトリウムバッファに入れられた。その後、インプラントを−20 ℃で冷凍した。インプラント上の細胞の解凍と超音波処理(インプラントの各側 で約15秒)の後に、200μlの溶液を2M NaClを有する5×10-2M燐酸 ナトリウムバッファへ添加し、1μg ml-1の蛍光マーカーHoechst33258(Sig ma,USA)を室温で補充した(15−30分)。試料はそれぞれ360nmと45 0nmの励起及び発光波長で蛍光分光計により測定した。DNAの総量は標準カー ブから測定された(1mlあたり0.025-2.5μg DNA)。インプラント面に関連した DNA量の総平均は単位時間当たり6匹(1及び3d)及び3匹(7d)のラットから 計算した。 厚さ10−15μmの研磨区分をインプラント/骨試料(Donath及びBreuner,1 982)から準備し、パソコンへ接続されたLeitz Microvid装置を用いて検査した 。測定は顕微鏡で直接行なった。インプラントと骨組織との接触比を計算した。 同様に、インプラントに沿うねじ内の骨組織の割合を計算した。データはインブ ラントと直接接触する骨のパーセント(骨接触と称される)で、また無機質化し た骨により占有されるねじ内の総面積のパーセント(骨面積と称される)で与え られる。全ての5個の連続するねじ(皮質内に配置された数字1及び2)を評価 した。1年間の研究で、3個の最良の連続するねじの値も提示されている。各期 間の各インプラント型の平均値を計算し比較した。重合後に、埋設されたインプ ラントを鋸により長手方向に分割した。その半分を用いて研磨区分(Donath及びB reuner,1982)を調製し、それを用いて上述のように形態解析(資料I-II,IV-V) が行われた。他の半分は光学顕微鏡及び電子顕微鏡で調べる区分の調製に使用さ れた(資料I,IV)。インプラントはプラスチック埋設組織から慎重に分離された( Sennerby他,1992;Thomsen及びEricson,1985)。インプラント除去後に形成され た空洞は、LM(厚さ約1μm)の区分をガラスナイフで切断する前に、プラスチ ック樹脂が充填され重合された。これらの区分において、適正な部域が超顕鏡組 織標本切片法のために選択された。超薄区分は、酢酸ウラニル及びクエン酸鉛で コントラストをつけて、フィリップスEM400又はツァイスCEM902電子 顕微鏡で調べた。 結果 各種試料(資料I−V)の表面特性から得られた結果の要約が表Iに示されて いる。機械加工された(対照標準)、電解研磨され、電解研磨プラス陽極酸化処 理され(厚み21nmの酸化物)、及び電解研磨プラス陽極酸化処理されたもの( 厚み180nmの酸化物)が資料I及びIIIで使用された。機械加工されたチタン インプラント(対照標準)は1ないし10μmの幅で典型的な機械加工溝を備え ていた。電解研磨されたインプラントは非常に平滑で、鏡状面を有し、いろいろ な倍率で調べてもはっきりした表面の特異性は見られなかった。陽極酸化処理さ れた試料(21nm)は平滑な外観を示したが、陽極酸化処理された試料(180 nm)はインプラントの表面粗さを不均質化(1μmスケール)する平滑面にわた り不規則に分配された多孔領域を有した。AFMにより得られたRrms値を表Iに示 す。 機械加工したもの(対照標準)、機械加工プラス陽極酸化処理したもの(厚み 180nmの酸化物)電解研磨、及び電解研磨プラス陽極酸化処理したもの(厚み 180nmの酸化物)が資料I及びIIIで使用された。 機械加工した(対照標準)及び機械加工プラス陽極酸化処理した面は幅1ない し10μmの典型的な機械加工溝に類似した面外観を有した。機械加工プラス陽 極酸化処理した面は追加の不規則面がサブミクロンレベルで粗いことを示した。 電解研磨された面は非常に平滑であったが、電解研磨プラス陽極酸化処理された 面は、平滑部域及び粗状の部域(大きさ10ないし100μm)が不規則に分布 した不均一な面を示した。電解研磨された二種類のインプラントの面上に機械加 工溝は見られなかった。AFMにより得られたRrms値を表Iに示す。走査型電子顕 微鏡写真が図1に示される(電解研磨プラス陽極酸化処理インプラント、a-c; 機械加工プラス陽極酸化処理インプラント、d)。AFM像は図2に示される(電 解研磨プラス陽極酸化処理インプラント、aは粗状部分、bは平滑部分;機械加工 プラス陽極酸化処理インプラント、c)。 資料V: この資料では、機械加工されたインプラント、グロー放電洗浄化され且つ熱酸 化されたインプラント、グロー放電洗浄され且つ窒化されたインプラント、及び 過酸化水素処理されたインプラントが使用された。 機械加工された(対照標準)面は上記の如く幅1ないし10μmの特徴溝を有 した。二種類のプラズマ洗浄され続いてそれぞれ酸化された及び窒化されたもの は類似した面形状を有した。下地の粒子構造を見ることができた、但し機械加工 による溝ははっきりと目視できた。過酸化水素処理されたインプラントは機械加 工によるはつきりとした痕跡を示し、またその処理の食刻作用に影響を及ぼす羊 毛状の面を有した。 面構成及び面層の厚み AES分析の結果を表Iに要約する。 資料I、III 全試料は準備とは無関係に比較的一定した表面組成を有した。全スペクトルは 強いTi、O及びC信号が多く、微量Ca、S、Si、P、Cl及びNaが検出された。Ca及び Sは対照標準試料の方が電気化学的処理されたものにおけるよりも多く見られる 。より低いレベルのC及び他の異物が陽極酸化処理された(80V)試料に見られ た。深さプロフィル分析の結果、対照標準インプラント、電解研磨インプラント 、電解研磨/陽極酸化処理(10V)のインプラント、及び電解研磨/陽極酸化処 理(80V)のインプラントに対して酸化物厚みはそれぞれ、4、4ないし5、2 1及び180nmであった。 資料II、IV 面の準備にかかわらず、全試料はスペクトルにおいて強いTi、O及びC信号を含 んだ比較的類似した表面組成を有した。炭素汚染は各種試料の間で機械加工、機 械加工−陽極酸化処理試料に対してÅ34%から、二種類の電解研磨された試料 に対してÅ25%までの幅であった。微量のCa、S、P、Siが検出された(数パー セント)。 資料V 全試料上で、Ti、O又はN/O及びCは優勢な元素であった。全試料は他の研究( 典型的には30%又はそれ以上)(Lausmaa J.1996)と比べて面上には比較的低 レベル(10〜15%)の炭素汚染を示した。対照標準の酸化物、グロー放電酸 化物及びH2O2処理された試料はそれぞれ、ほぼ化学量論的な二酸化チタンであり 、同様の厚みであった(4ないし7nm)。 追加実験: 柔軟な組織内の蛋白質吸着及び燃焼における研究に対して使用されたディスク 形状インプラントは炭化水素及び他の微量の不純物の量を変えることにより覆わ れるTiO2表面酸化物からなった。機械加工された対照標準試料に対して、約 50%の炭素レベル、及び約4%Ca及び微量のS及びPが検出された。電解研 磨試料では約30%のCが検出され、また微量のCa、S、Clも検出された。 電解研磨プラス陽極酸化処理試料は約20%の炭素レベルであり、Caは約6% 、及びS、Cl、Si、Feは微量であった。炭素レベルでの変動は別にして、 ディスク形状の試料は前の研究(資料IないしV)で使用されるねじ切りされた インプラントの対応表面と同様の表面組成を有した。 接触角及び面エネルギー 接触角はねじ形状インプラントの接触角を測定することができないので、円形 のディスク形状インプラント上で測定された(表II及びIII)。接触角(H2O前進 )は機械加工及び電解研磨試料におけるよりも電解研磨プラス陽極酸化処理イン プラントの方が低かった。電解研磨プラス陽極酸化処理面の多孔性に起因して、 毛管作用力は水を広げ、より低い水の接触角を付与する(Andrade,1985)。電 解研磨プラス陽極酸化処理面はヨー化メチレンで測定すると最大ヒステリシス( 前進角と後退角との差異)を示した。形状における増加した面粗さ及び差異はヒ ステリシスの増加をもたらす。全表面は同様の化学組成を有するので、面形状は 測定値に影響を及ぼすが、全表面は同じ“実際の”接触角を有する。 組織応答 生体外蛋白質吸着 本発明者等の観察によると機械加工、電解研磨及び電解研磨プラス陽極酸化処 理チタン面間の蛋白質吸着パターンには差異が少しだけしかなかった。吸着プラ ズマ蛋白質の全量は三つの面において同様であった。得られた蛋白質濃度はそれ それ機械加工チタンは1.15mg/ml、電解研磨チタンは1.05mg/ml、及び電解研磨プ ラス陽極酸化処理ディスクは1.25mg/ml、であった。選ばれたプラズマ蛋白質、 アルブミン、フィブリノゲン、フィブロネクチン及びIgGの含有量は同様であっ た。 柔軟組織の炎症性応答 植込みの各種時間後に機械加工、電解研磨及び電解研磨プラス陽極酸化処理デ ィスクの表面に関連した、滲出物の細胞の全数量は図3及び図4にそれぞれ示さ れる。全インプラントの形式で観察時間が増すにつれて細胞数は減少する。絶対 的な全細胞数の主要な差異は面間で検出されなかった。塩水中であらかじめ保温 (培養)された機械加工チタンは全試料中の最高細胞数を示した主な例外の一つ であった。 一つの主な例外において、単核細胞(単球/マクロファージ、リンパ球)は全 期間でインプラントのまわりの滲出物において際立った(1d:機械加工Ti33 %(HBSS)及び33%(塩水)、電解研磨47%(HBSS)及び50%(塩水、電解研 磨プラス陽極酸化処理)47%(HBSS)及び55%(塩水);3d:機械加工Ti 81%(塩水)、電解研磨87%(塩水)、電解研磨プラス陽極酸化処理82% (塩水);7d:機械加工Ti89%(塩水)、電解研磨100%(塩水)、電解 研磨プラス陽極酸化処理94%(塩水))。他のインプラントと対照をなして、 機械加工チタンは1dの後は単核細胞の割合が著しく低く、それに比例してPMN の割合は高かった。この不一致は他の期間には観察されなかった。滲出物の細胞 の割合における差異はHBSS又は塩水で保温(培養)されたインプラント間では観 察されなかった。 組織及び形態計測 光学顕微鏡観察 資料I 7週間後、wowen characterをもった未成熟骨は全インプラントのまわりの皮 質ねじを満たした。この期間、電解研磨のみのインプラントは骨の骨内の髄層間 の下方成長が機械加工インプラント、電解研磨プラス陽極酸化処理(酸化物厚み 180nm)インプラントよりも少なかった。電解研磨プラス陽極酸化処理インプラ ントは骨接触割合が高く、単なる電解研磨だけのものに対して50%対20%で あった。12週間後、インプラントのまわりの骨の一般組織は7週間後に観察され たものと同じであった。7週間と12週間との間の骨接触の増加は電解研磨プラス 陽極酸化処理インプラントではほんの少しであることが判明したが、薄い酸化物 をもつ二種類の電解研磨試料では骨接触の増加レベルは厚い酸化物をもつ電解研 磨試料と同じレベルであった。 資料II、IV 1週間後、皮質骨は一般に機械加工及び機械加工/陽極酸化処理インプラント 形式と緊密な接触をした。両方の電解研磨インプラント形式はこの期間で骨イン プラント接触に対する値は低かった(<5%)。 3週間では骨内膜から新しく形成された骨はインプラントに達し、髄穴内に初 期には突出していたねじを満たした。量的差異はグループ間で検出されなかった 。 6週間では電解研磨インプラントは電解研磨プラス陽極酸化処理インプラント ならびに機械加工インプラントよりも骨の接触は少なかった(図5)。また電解 研磨インプラントはねじ内の骨の量が最低であった。機械加工インプラントの二 つの形式は電解研磨インプラントよりも幅広の鎖骨(bone collar)により包囲さ れた。一般に、骨はインプラント面とかなりの部分、直接接触した。 1年後、殆ど全ねじは層状骨で満たされ、インプラント面は周囲骨と緊密に接 触した(60ないし70%)(図6)。各種インプラント形式に対する骨応答は 同様であった。電解研磨インプラントグループのまわりでの骨の応答は1年後の 他のグループと同等であった。 資料V 1週間後、皮質の切断縁で新しい骨形成は見られなかったが、皮質骨はしばし ばインプラントと緊密に接触した。グルーブ間で量的な差異は見られなかった。 3週間では骨内膜から新しく形成された骨はインプラントに到達し、最初髄組 織で占められたねじを満たした。再吸収の際立った徴候及び類骨は皮質及びイン プラント面に面した梁状骨の面を特徴付ける。またこの期間、骨接触又は骨部域 の差異はグループ間で検出されなかった。 6週間では質的又は量的差異はグループ間で見られなかった。骨は大部分、イ ンプラント面と直接接触し、これらの観察は資料IIに記載したものと同様であっ た。 超微細構造観察 資料III 電解研磨インプラントのまわりでは一般に無機質化の程度が低いことが判明し 、平滑な破面外観と共に、超薄型区分の生成並びに界面の解釈はより容易になっ た。無機質化した骨とインプラント面間にアモルファス材料層(幅0.2μm)が 常にあった。プラスチック埋め込み組織からインプラントを分離することが結果 的に界面組織の破壊となるので、電解研磨プラス陽極酸化処理インプラント(厚 い酸化物)は(機械加工インプラントの場合と同様に)検査がより困難であった 。電解研磨プラス陽極酸化処理インプラントのまわりの骨は一般に電解研磨だけ のインプラントよりも多くの骨無機物を含んだ。またアモルファス層はこれらの インプラントのまわりでは一般に電解研磨だけの場合よりも一般に幾分厚いこと が判明した。インプラントに向かう無機質化した骨の境界を形成するラミナ境界 膜の存在が厚い酸化物を持つ電解研磨プラス陽極酸化処理インプラントのまわり で通常見られた。 論考 植え込まれた生態適合物質の生物学的能力に関する各種面特性が比較的重要な ことは多くは知られていない。作業における戦略的選択はチタンインプラントの 面特性を組織的に変えることであり、次いで動物モデルでの生物応答を評価する ことであった。 チタン面の表面化学、形態及び微細構造はこの論文では十分な制御態様で変え られている。全パラメータを制御維持することが困難であるが、各種特性を改変 するためのいくつかの方法がある。 生態適合性及び改変されたチタン面 生物包囲体に非生物材料を植え込むことは経時的及び一部材料依存的な一連の 炎症及び修復過程をもたらすが、但し導入部(introduction)で論じられたように 、これらの応答に影響を及ぼす各種材料関連ファクタが十分には理解されておら ず、材料面への蛋白質吸着及び細胞質接着は組織応答の本質的な構成要素である ことは明らかである。(導入部で論じられた)この実験における先の研究で、機 械加工チタン面のまわりの柔軟組織応答は、実験及び人間への適用における細胞 分布及びチタン金属界面の構造などを特徴としている。 生体内での及び各種生体外でのモデルでの実験研究において、面湿潤性、化学 的組成、蛋白質吸着のパターン及び外因性刺激の影響は炎症性細胞の漸増、分布 及び分泌応答に影響することが判明していた。更に、(Sennerby他,1993a;Senn erby他,1993b)界面への骨形成に先行する炎症発生中に機械加工チタン面の単 核及び多核細胞の初期の(及び過渡的な)分布の背景において、蛋白質吸着及び 細胞質漸増についての研究及び面改変チタンインプラントへの接着は開始された 。 生体外プラズマ蛋白質吸着及び細胞質漸増及びラットの柔軟組織における付着 における本発明の実験からの観察は、機械加工、電解研磨及び電解研磨チタンデ ィスクにより示された各種表面特性とは関係なく選択された2,3の期間で大き な差異は観察されなかった。本発明者等は1日後に機械加工チタンにおける細胞 数が比較的高いことは説明することができない。他の最近の観察に一致したこと であるが(Thomsen他、原稿で)、機械加工チタン試料は比較的大きい流入に関 連し、また他の材料の1日後の面上の細胞に関連した。更に本発明者等のデータ はこの炎症応答がもしインプラントが塩水に予め保温(培養)されるならばHBSS (カルシウムを含む)よりも高いことを示している。更に、機械加工インプラン トのまわりの炎症滲出物は、PMNの割合が非常に高いことに関連した。興味深い ことに、金インプラント、更にはヒドロキシル化され且つメチル化された金にお ける滲出物中の炎症細胞が少ないことは、1日後に同様の比較的大きいPMNが優勢 なことに関連付けられた(Lindblad他、1997)。 柔軟な組織に機械インプラントを使用した先の実験及び皮質研究と共に生じた 本発明の結果は電解研磨及び電解研磨プラス陽極酸化処理インプラントが柔軟組 織生体適合特性を有する材料のグループに属することを示した。 骨同化過程 骨同化過程及び改変チタニウム面 資料IないしVの系統的アプローチは金属インプラント面特性の変化が光学顕 微鏡形態測定及び超微細構造分析により評価されたような、骨応答の変化を引き 起こすかどうか及びどのように引き起こすかを評価する目的で着手された。この ように、面層の厚さ、組織、形態及び化学組成は多かれ少なかれ意図的に変える ことができよう。機械加工チタンは面改変がなされたインプラントを構成するの で、更にはある量の科学的データが機械加工チタンインプラントの材料、生物学 的及び臨床的特性に存在するので、これらのインプラントは常に個々の実験の基 準として含まれていた。 骨内の機械加工チタンインプラントが広く使用されているにも拘らず、骨同化 を達成するための機構はあまり十分には理解されていない。先の実験研究はイン プラント面が骨芽細胞に対する取り付け体として役立たなかったことを示すこの 論文(Sennerby他,1993a;Sennerby他,1993b)と同じ実験モデルを使用し、ま た無機質化が面上で起きたことを示す証拠は得られなかった:その代わり骨形成 は3日後に骨内膜中で観察され、そこから骨海綿質が7日後にねじ内の孤立島と してインプラントの方へ突出した。両位置においてコラーゲンマトリクス中の無 機物付着により無機質化が生じた。このように、骨はインプラント面の方へ成長 し、界面帯域のコラーゲンマトリクスは無機質化した周囲骨の最後の部分であっ た。長期間後に、動物実験及び人における回復の研究(導入部で論じられた)か らの観察は非機能的及び機能的に負荷された機械加工ねじ付きチタンインプラン トの骨同化がねじ内の改作された骨量が高いこと、高い骨インプラント接触及び アモルファス材料の薄い帯域によりインプラント面からの無機質化骨の分離によ り形態学的に特徴付けられていることを示した。 要約すると、本発明の研究(資料IないしV)で評価された面改変チタンイン プラントは生物学的特性を機械加工チタンと本質的に共有することが判明した。 即ち、初期の骨形成はインプラント面の方へ進行し、その後で全インプラントは 骨同化した。 主な例外は初期の相(資料I及びII)の電解研磨インプラントで観察された比 較的低い骨接触であった。この観察に対する可能な説明は電解研磨インプラント と周囲組織との間の初期の大きなギャップの存在であったろう(電気化学工程中 のインプラント面の100μm(Å50μm)以下の除去に起因する)。しかしながら 、電解研磨プラス陽極酸化処理試料と比較して6週間後の電解研磨だけの試料の まわりの骨形成率が低いことはインプラント面とその組織との間の可能な初期ギ ャップにおける差異により説明することができない。電解研磨プラス陽極酸化処 理面上の異種のサブミクロンの粗さ(平滑/粗い;75%/25%)、増加酸化物厚み (180nm)及びそれにより増加した結晶度の組み合わせは電解研磨プラス陽極酸 化処理インプラントに関連して有利な特性であることが提案されている。この特 性の組み合わせはインプラント素子の一部として予め利用されなかったが、文献 における報告は例えば結晶度が細胞機能に(単一特性として)影響を及ぼすこと を示す。 生体外での研究において、増加した結晶度(酸化物厚み及び粗さパラメータを 一定に保ちながら)は骨芽細胞の表現型に影響を及ぼすことが判明した(Boyan 他,1995)。生体外での研究は培養基体の粗さは骨芽細胞状細胞増殖、分化及び マトリクス生成に影響を及ぼす(Martin他,1995)。更に、生体外の分化の各種 段階での細胞は同一面に対して異なる反応をする(Boyan他,1995;Schwartz他, 1996)。故に、もし生体内条件にあてはめて推定すると、チタン−骨相互作用は 存在する細胞の形式の界面における経時変化に及びそれらの成熟段階に依存して 初期の及び後の期間で異なる可能性がある。 相矛盾するデータが文献にあるが、生体内の先の研究では増加面粗さ(>1μ mレベルで)がチタン面への骨適合を促進できることを示している(Buser他,1 991;Goldberg他,1995;Gotfredsen他,1995)。故に、本発明の1年間のデータ( 資料IV)に基づいて、第1に、サンドブラストされた又はプラズマ噴霧された面 と比較して比較的平滑である全ての面(機械加工、機械加工プラス陽極酸化処理 、電解研磨、電解研磨プラス陽極酸化処理)が骨とインプラントとの接触の高程 度及びねじ内の骨の高割合を示したこと、また第2に、同じ実験モデルを使用し た他の研究において形態計測値が比較的粗い面に対して付与された値と等しいか 又はそれよりも高かったことは興味深い(Wennerberg,1996)。我々はこれらの 研究結果を明瞭に説明することができない。一つの可能性としては平滑な電解研 磨面がより厚い酸化物を得たことにより長い植込み期間(1年間)中に形態が変 化したということである。かかるプロセスが働いているという証拠は、人におけ る回復の研究での酸化物の厚みが時間と共に増加したという知見である(Lausmaa ,1988;McQueen他,1982;Sundgren他,1986)。今一つの可能性は機械加工及び面 改変チタンインプラントのまわりの骨形成及び無機質化の割合がイオン放出によ る影響を受けたことである。チタンイオン(Ti4+)は生体外での石灰化に対して 量に関連した抑制効果を及ぼす(Blumenthal及びCosma 1989)。生体 外でのチタン材料からのイオン放出率は自己パッシベーションに起因して時間と 共に減衰する(Healey及びDucheyne,1992a;Healey及びDucheyne,1992b)。故 に、比較的薄い酸化物に起因して、本発明者等は電解研磨インプラントがより高 いイオン放出に関連する可能性を除外できない。 他の仮説はチタン面酸化物がカルシウムを結合する能力を介して骨形成に有益 である無機質化を助けるということである(Hanawa,1990)。しかしながら、これ が骨芽細胞接着、増殖、細胞外マトリクスの分泌及びチタン界面帯域の無機質化 に効果を生じるとは示されていない。先の生体内でのデータ(Sennerby他,1993 a;Sennerby他,1993b)及び本発明のデータ(資料IないしV)はこれが生体内 条件下で有効であるとは示していない。 しかしながら、陰イオンのTiO2は例えばカルシウムのような陽イオンを引き付 け、カルシウム結合が一つの機構であり、それにより蛋白質がTiO2に吸着する( ハイドロキシアパタイトと同様)ことが提案されている(Ellingsen,1991)。 ランタンイオンの吸着によるTiO2の前処理は蛋白質吸着を増加させ、ラット及び ウサギにおける低い骨応答と一致する(Ellingsen及びPinholt,1995)。さらに 、フッ化物イオンでのチタンインプラントの前処理はプッシュアウト値(push-ou t value)を増加させることが判明した(Ellingsen,1995)。このように、チタ ン面の化学的改変はおそらくは面上への蛋白質の吸着により骨組織応答に影響を 及ぼす。この仮説はコンドロイチン−4−硫酸がカルシウムイオンの存在によっ てTiO2へ結合されることを示す生体外研究により主に支持されている。このよう に、仮にアモルファス帯域において、TiO2へ結合されたカルシウムは硫酸化グリ コサミノグリカンの吸着を促進できよう(Collis及びEmbery,1992)。 総合すると、酸化チタン面を化学的に改変すると面に対する巨大分子の吸着、 及び組織の応答に影響することが判明した。しかし骨の応答に対するプラスの影 響が骨の形成過程とTiO2面から外に向かう無機質化に起因するという証拠は未だ ない。骨応答を更に改変する今後のアプローチとしては、分子を選択的に面へ吸 着し/取り入れることができるが、これは骨の前駆細胞/骨芽細胞に影響し、ま た無機質化を促進するかもしれない。しかし、蛋白質、細胞、及びこのような化 学的に処理された面の間の相互作用は面の化学特性により影響されるだけでなく 、面のサブミクロンの粗さによっても影響されるから、新しいインプラントを設 計するときには、化学的及び表面粗さのパラメータを考慮すべきである。本発明 はこのようなインプラント面としての使用のみならず、このような目的の基盤と して利用できる。 入手できる文献(上で再検討した)及び知識に基づいて、チタンインプラント と骨の同化及びこの同化の維持は臨床的に証明された長期の機能及び高い成功率 に対する前提条件であると結論を下すことができる。しかし、上記骨同化の過程 の反応速度論は、適正な安定前の治癒の初期期間は悪い骨質その他の受容者の否 定的ファクタのある状況では特に重要である。多少とも妥協的な局部的インプラ ントベッド(組織の先の照射又は局部的炎症及び骨不足)におけるねじ切りされ たチタンインプラントの研究はこの仮定を支持している(Sennerby及びThomsen, 1993;Ohrnell他,1997)。更に、リウマチ様関節炎の患者における骨関節疾患の 患者に比べて骨−チタンユニットの機械的能力の減少(捩り強度の減少)が示さ れた(Branemark,1996)。 治癒の初期期間中に得られた本結果に基づき、多結晶性の厚い酸化物及びサブ ミクロンのレベルの微細孔粗さを持つ機械加工され電解研磨されたc.p.チタンイ ンプラントは臨床条件下で評価される興味ある材料であることが提案されている 。しかし、長期の安定性を向上するためにインプラントまわりの骨の適正な整形 が要求されることは明らかである。故に、本発明者等の長期(1年)の研究(資 料IV)において、実験結果は、全4種類のねじ切りされたチタンインプラントが 、表面の改変(機械加工;機械加工と陽極酸化処理;電解研磨、電解研磨と陽極 酸化処理)に拘わらず、骨とインプラントとの接触の程度が高く且つねじ内の薄 層状の骨の割合が高いことを示した。このように、化学組成が同様でありながら 酸化物の厚み、表面形状、及び粗さが異なるインプラントは、長期実験条件下で 等しく骨同化した。 上にあげた例は、酸化物の厚さ、組成、形状、粗さ、及び微小構造に関して変 化する表面改変を持つチタンインプラントを作ることが可能であることを示した 。Larsson(1997)による論文での結果に基づき、次のように要約できる。 *単に電解研磨されたインプラント(薄い非結晶性酸化物を持つ非常に滑らか な面を有する)及び機械加工されたインプラントと比較して、陽極酸化処理によ り表面改変されたインプラントは酸化物が厚く(180-200nm)、結晶性が増大し、 サブミクロンのスケールの粗さが増した。 *インプラントを包囲しこれと接触した高度の骨が表面改変に拘わらず全ての インプラントに見られた。総合すると、光学顕微鏡の形態及び超微細構造観察は 骨同化のプロセスが機械加工及び面改変されたチタンインプラントに対して基本 的に同じであることを示す。 *生物実験の結果、増大した酸化物の厚み、酸化物の結晶性、サブミクロンの スケールの粗さは、特に薄い平滑な非結晶性酸化面に比べて、初期の骨応答に有 利な特性であることが判明した。 *高度の骨−インプラント接触、及びインプラントのねじ内の高い割合の薄層 状の骨が、1年後に、表面改変(機械加工、機械加工プラス陽極酸化処理、電解 研磨、及び電解研磨プラス陽極酸化処理)に拘わらず観察された。この結果は、 陽極酸化処理されたインプラントの表面特性(増加した酸化物の厚み、増加した 結晶性、及びサブミクロンのスケールの粗さ)の組み合わせは、臨床で使用され た機械加工されたチタンインプラントのように骨における等しい長期的生物的特 性を有した。 総合すると、本発明者等の観察は、陽極酸化処理により本実験で獲得された表 面特性(機械加工された酸化物厚み、増加した結晶性、及びサブミクロンのスケ ールの粗さ)は植え込まれる装置の重要な要素を構成することを示している。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年12月15日(1998.12.15) 【補正内容】 請求の範囲 1. 少なくとも植え込み区域の組織に面するよう意図された面が酸化チタンの 面を備えたチタンから作られ、骨組織に永久錨止されるインプラント素子におい て、インプラント面を電気化学的工程、陽極酸化処理により改変して厚さ約10‐ 200nmの酸化物を設け、機械加工された酸化チタン面に比べて増した表面酸化物 結晶性などの変化した表面構造とし、サブミクロンメータースケールでの増大し た粗さ、即ち10nmないし数μmの範囲の増大した粗さ、を得て高度の骨−インプ ラント接触を達成することを特徴とするインプラント素子。 2. インプラント面を過酸化水素処理することにより改変することを特徴とす る請求の範囲1記載のインプラント素子。 3. 表面酸化物結晶性を多結晶構造に変化させることを特徴とする請求の範囲 1記載のインプラント素子。 4. 陽極酸化処理面は不規則に分布した滑らかな部位と粗い部域を有する不均 質面であることを特徴とする請求の範囲1記載のインプラント素子。 5. 粗い部域は10‐100μmの大きさであることを特徴とする請求の範囲3記載 のインプラント素子。 6. 滑らかな部域と粗い部域との比が1よりも大きく、好ましくは約3である ことを特徴とする請求の範囲3記載のインプラント素子。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも植え込み区域の組織に面するよう意図された面が酸化チタンの 面を備えたチタンから作られ、骨組織に永久錨止されるインプラント素子におい て、インプラント面を陽極酸化処理により改変して厚さ約10‐200nmの酸化物を 設け、表面酸化物結晶性を増し、サブミクロンメーターのスケールの粗さを得て 高度の骨−インプラント接触を達成することを特徴とするインプラント素子。 2. 表面酸化物の結晶度を機械加工チタン面に比べた増したことを特徴とする 請求の範囲1記載のインプラント素子。 3. 陽極酸化処理面は平滑な部域と粗い部域が不均一に分布した不均質面であ ることを特徴とする請求の範囲1記載のインプラント素子。 4. 粗い部域は10‐100μmの大きさであることを特徴とする請求の範囲3記載 のインプラント素子。 5. 表面の粗い部域は10nmないし数μmの範囲の粗さを有することを特徴とす る請求の範囲3記載のインプラント素子。 6. 平滑な部域と粗い部域との比が1よりも大きく、好ましくは約3であるこ とを特徴とする請求の範囲3記載のインプラント素子。
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