JP2002510996A - コネクタ・アッセンブリと流体システム及び連結方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 コネクタ・アッセンブリと、流体システム又は装置とは、開口を各々有する第１及び第２の継手と、第１継手の開口内に配置されたステムを備えたコネクタ・アッセンブリとを備える。本発明の様々な実施例において、コネクタ・アッセンブリは、第１及び第２の継手の一方と協働するように構成されたソケットと、少なくとも一つの弾性シーリング部材と、ソケットに接合された少なくとも一つの弾性シーリング部材を覆う、シーリング層、及び／又は、変形自在の係止装置とを、更に有する。連結方法は、開口を備えた第１継手と、開口を備えた第２継手とを、第１及び第２の継手内に流体が存在しない状態で、噛み合わせる工程と、ヘッドを備えたステムを、第１継手の開口を通して第２継手の開口内に前進させることによって、第１及び第２の継手を通る流体流路を形成する工程と、流体遮断機構を開放することによって、第１及び第２の継手を通る流体流れを形成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】 コネクタ・アッセンブリと流体システム及び連結方法 この出願は、１９９７年５月９日付けでアメリカ合衆国に出願され、参考のた めに本件特許出願中にその全体が組み込まれた、仮特許出願第６０／０４６，０ ５１号（U.S．provisional patent application 60/046,051）に基づく優先権を 主張している。発明の分野 本発明は、コネクタ・アッセンブリと、このコネクタ・アッセンブリを含む流 体システム、即ち、流体装置と、種々の連結方法とに関する。更に詳細には、本 発明は、通過する流体の無菌性を維持するコネクタ・アッセンブリと流体システ ム及び装置と種々の無菌連結方法とに関するものである。発明の背景 流体、例えば、生物学的流体を、それらの流体の状態を保持したまま取り扱う ためのコネクタ・アッセンブリが開発されている。更に詳細には、流体の状態を 保持する、即ち、流体を汚染のない状態に維持するためのコネクタが開発されい る。汚染がないということの意味は、汚染物の相対的な量に関し、特定の産業、 流体及び／又は所期の使用によって、様々に定義される。例えば、生物学的流体 は、生存可能な微生物が実質的に存在しない場合に汚染がないと考えられ、代表 的には、「無菌」と呼ばれる。例えば、生物学的流体に関して使用されるコネク タ・アッセンブリは、流体の無菌性を保持するように製造されている。 流体を、コネクタの周囲環境から、そして周囲環境中の汚染物から隔離する、 コネクタ・アッセンブリを開発するための試みがなされてきた。このようなコネ クタは、代表的には、内部が周囲環境から隔離された流体導管を画成する。幾つ かの従来技術のコネクタ・アッセンブリは、互いに噛み合う雄コネクタと雌コネ クタとを含む。これらのコネクタは対向した表面を有し、接触する対向表面の各 々に、取り外し自在の保護カバーが設けられている。これらのカバーは、コネク タを実際に連結する前に取り外さなければならない。 連結前に保護カバーを取り外さなければならないような、これらの従来のコネ クタ・アッセンブリに関する問題点は、カバーを取り外すと、これらのアッセン ブリを通って流れる流体の保護が十分でなくなるということにある。カバーを緩 めて取り外すため、技術者は、取り外し自在のカバーをカバーの下の被保護領域 の極く近傍で手作業によって操作しなければならず、被保護領域に偶然に接触し て、これに汚染物を移す危険がある。 更に、保護カバーが、一旦、被保護面から取り外されると、被保護領域が汚染 物で一杯の周囲環境に露出される。例えば、コネクタを合わせるとき、これらの コネクタが迅速に嵌着された場合においても、塵埃や、微生物や、他の空気中に 漂う汚染物が、被保護領域に接触する。このため、これらの従来のコネクタ・ア ッセンブリは、無菌連結部を形成するように開発されてきたが、コネクタ・アッ センブリを通って流れる流体を適切に保護するものは一つとして存在しなかった 。 別の種類の従来のコネクタ・アッセンブリは、更に、各々の連結端に保護カバ ーが取り付けられた互いに噛み合う雄継手及び雌継手と、雄継手の内側に設けら れ、かつ、保護カバーを貫通して互いに噛み合った継手の内部を接合する、貫通 部材とを有する。これらの継手の一つの問題点は、継手を互いに連結する前に貫 通部材がカバーを早期に貫通することがあるということである。その結果、汚染 物がコネクタに進入する場合があり、その場合には、再度殺菌するか、或いは、 廃棄しなければならない。 貫通部材を備えた従来のコネクタ・アッセンブリによって引き起こされる別の 問題点は、継手を互いに連結するときに雄継手及び雌継手の連結端間において、 カバーの一方又は両方の一部を切断する場合があるということである。膜の切断 された部分は、継手の内部領域が画成する流体流路に進入し、システムを汚染す るか、或いは、コネクタを通る流体の流れの邪魔になる。 従来のコネクタ・アッセンブリに存在する別の問題点は、雄継手と雌継手との 間に良好なシールを得ることである。連結端を覆う保護カバーを取り外し、雄継 手及び雌継手の連結端を接合したとき、表面の不適合により、接合された連結端 間に隙間が生じる場合がある。この隙間から汚染物が入り、継手の内部領域の無 菌性を損なう。このようにして、雄継手と雌継手の対向した連結端の間に、良好 なシールを提供する、無菌コネクタ・アッセンブリが必要とされている。 保護カバーを有する従来のコネクタに関する別の問題点は、コネクタの組み立 て前に、保護カバーを露出させなければならないということである。従って、コ ネクタの取り扱い時に、保護カバーの損傷や破れが容易に生じ、あるいは、事故 によって、あるいは不時に、取り外される。その結果、汚染物がコネクタに進入 し、コネクタを廃棄しなければならない。また、保護カバーに対する損傷は容易 には発見できず、汚染されたコネクタを知らずに使用して、コネクタ・アッセン ブリを通って流れる流体を汚染してしまう場合がある。発明の概要 本発明の様々な特徴は、上述の問題点の多くを含む従来のコネクタ・アッセン ブリに関する多くの問題点を解決する。 本発明の一つの特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１継手と、第２ 継手と、ソケットと、弾性シーリング部材と、ステムとを含む。第１継手は開口 を有し、第１継手に連結することができる第２継手もまた開口を有する。側壁を 含むソケットは、第１継手又は第２継手に協働するように構成されている。弾性 シーリング部材はソケット内に配置されている。弾性シーリング部材は、ソケッ トの側壁と接触する第１部分と、ソケットの側壁から離間した第２部分とを含む 。ヘッドを含むステムは、第１継手内に配置されている。ステムは、ソケットと 弾性シーリング部材とを通って、第２継手の開口内に軸線方向に移動可能である 。 本発明の別の特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１継手と、第２継 手と、ソケットと、弾性シーリング部材と、ステムとを含む。第１継手は開口を 有し、第１継手に連結可能な第２継手もまた開口を有する。ソケットは、第１継 手又は第２継手に協働するように構成されている。ソケット内に配置された弾性 シーリング部材は、第１部分と、この第１部分よりも薄壁の第２部分とを含む。 ヘッドを備えたステムは、第１継手内に配置されている。ステムは、ソケットと 弾性シーリング部材とを通って、第２継手の開口内に軸線方向に移動可能である 。 本発明の更に別の特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１継手と、第 ２継手と、ステムと、ソケットと、弾性シーリング部材と、シーリング層とを含 む。第１継手は開口を有し、第１継手に連結可能な第２継手もまた開口を有する 。ステムは、第１継手内に配置されている。開放端を有するソケットは、第１継 手又は第２継手に協働するように構成されている。弾性シーリング部材は、ソケ ット内に配置され、シーリング層はソケットの開放端に接合されている。 本発明の他の特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１継手と、第２継 手と、ソケットと、弾性シーリング部材と、シーリング層と、ステムとを含む。 第１継手は開口を有し、第１継手に連結可能な第２継手もまた開口を有する。連 続した円筒形の壁を備えたソケットは、第１継手又は第２継手に協働するように 構成されている。弾性シーリング部材はソケット内に配置され、シーリング層は 弾性シーリング部材を覆う。ヘッドを備えたステムは、第１継手内に配置されて いる。ステムは、ソケットと弾性シーリング部材とを通って、第２継手の開口内 に軸線方向に移動することができる。 本発明の更に他の特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１継手と、第 ２継手と、ソケットと、第１弾性シーリング部材と、第２弾性シーリング部材と 、シーリング層と、ステムとを含む。第１継手は開口を有し、第１継手に連結す ることができる第２継手もまた開口を有する。第１弾性シーリング部材は、第１ 継手の開口のところで第１継手に連結され、第２弾性シーリング部材は、第２継 手の開口のところで第２継手に連結されている。シーリング層は、第１及び第２ の弾性シーリング部材間に配置され、ステムは第１継手内に配置されている。 本発明の別の特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１継手と、第２継 手と、ステムと、変形自在な係止装置とを含む。第１継手は開口を有し、第１継 手に連結可能な第２継手もまた開口を有する。ヘッドを備えたステムは、第１継 手内に配置されている。ステムは、第２継手の開口内に軸線方向に移動すること ができる。変形自在の係止装置は、ヘッドが第１継手の開口を通って移動しない ようにするために、第１継手とステムとの間に配置された軸線方向に延在する部 材を有する。 本発明の更に別の特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは、第１及び第２の 継手と、第１キャップと、ステムとを含む。第１継手は開口と基端とを有する。 第１継手に連結可能な第２継手は、開口と基端とを有する。第１キャップは、第 １及び第２の継手のうちの一方の基端に関連して動作し、第１及び第２の継手の うちの一方の基端を保護する。ヘッドを備えたステムは、第１継手内に配置され 、第１継手の開口を通って第２継手の開口内に軸線方向に移動することができる 。 本発明の他の特徴によれば、流体システム、即ち、流体装置は、上述のコネク タ・アッセンブリのうちの任意のコネクタ・アッセンブリと、流体容器又は導管 とを含む。容器又は導管は、コネクタ・アッセンブリの第１及び第２の継手のう ちのいずれか一方に連結されている。 本発明の更に他の特徴によれば、連結方法は、開口を備えた第１継手と、開口 を備えた第２継手とを、これらの第１及び第２継手内に流体が存在しない状態で 、噛み合わせる工程と、ヘッドを備えたステムを第１継手の開口を通して第２継 手の開口内に前進させることによって、第１及び第２の継手を通る流体流路を形 成する工程と、流体遮断機構を開放することによって、第１及び第２の継手を通 る流体流れを形成する工程とを含む。 本発明の別の特徴によれば、連結方法は、それぞれに開口を有する第１継手及 び第２継手のうちの一方の基端に関連して動作するキャップを、取り外す工程と 、第１継手と第２継手とを噛み合わせる工程と、第１及び第２の継手の開口をそ れぞれ覆うストリップ・アウト層を取り外す工程と、ヘッドを備えたステムを第 １継手の開口を通して第２継手の開口内に前進させることによって、第１及び第 ２の継手を通る流体流路を形成する工程とを含む。 本発明の新規な特徴は、添付の請求の範囲に詳細に記載されている。しかしな がら、本発明は、以下に説明する添付図面を参照して、添付した好ましい実施例 の詳細な説明を読むことによって、最もよく理解されるであろう。図面の簡単な説明 第１図は、本発明の一実施例によるコネクタ・アッセンブリの側面図である。 第２図は、第１図のコネクタ・アッセンブリの部分断面側面図である。 第３図は、ストリップ・アウト層を取り外し、ステムを雌継手に挿入した状態 のコネクタ・アッセンブリの部分断面側面図である。 第４図は、外した状態での雄コネクタの端面図である。 第５図は、外した状態での雌コネクタの端面図である。 第６図は、雄シーリング部材の断面図である。 第７図は、雌シーリング部材の断面図である。 第８ａ図は、雄コネクタ・キャップの部分断面側面図である。 第８ｂ図は、雌コネクタ・キャップの部分断面側面図である。 第８ｃ図は、雄コネクタ・キャップ又は雌コネクタ・キャップの平面図である 。 第９図は、本発明の別の実施例によるコネクタ・アッセンブリの部分断面側面 図である。 第１０図は、第９図の雄コネクタの部分断面底面図である。 第１１図は、本発明の別の実施例による流体システムの取り外した構成要素の 部分断面側面図である。 第１２図は、本発明の別の実施例による流体システムの取り外した構成要素の 部分断面側面図である。 第１３図は、本発明の別の実施例による流体システムの側面図である。 第１４図は、第１１図の流体システムの取り外した構成要素の部分断面側面図 である。 第１５図は、乾燥連結を形成するのに使用された第１図のコネクタ・アッセン ブリの概略図である。発明の詳細な説明 本発明の一実施例によるコネクタ・アッセンブリは、流体流路、例えば液体流 路を画成する、様々な流体導管区分を連結するために連結できる噛み合いコネク タを含む。コネクタ・アッセンブリは、流体流路を周囲環境から及び周囲環境中 に存在する汚染物から隔離し、好ましくは無菌状態にある。従って、本発明によ るコネクタ・アッセンブリは、開放システムや、閉鎖システムや、閉鎖無菌シス テムで使用するのに適している。 第１図乃至第７図に示す実施例では、コネクタ・アッセンブリは、二つのコネ タタ、好ましくは、雌コネクタ１００と雄コネクタ２００とを含む。これらのコ ネクタは、それぞれ、任意の適当な流体容器又は導管に取り付けることが可能で あり、又は、このような流体容器又は導管の部分として形成される。任意の適当 な流体容器又は導管は、例えば、チューブの一区分や、フィルタ・ハウジングや ドリップ・ハウジング等のハウジングの入口又は出口、又は、血液袋等の可撓袋 である。各コネクタは、流体連通、好ましくは、液体連通に適した任意の構造、 例えば、流体を収容できる任意の形態のハウジングを備えている。例示の雌コネ クタ１００は、一般的に、好ましくは、一体構造の継手１２０を含む。例示の雄 コネクタ２００は、一般的に、ステム２１０と継手２２０とを含む。雌コネクタ １００と雄コネクタ２００の継手１２０、２２０は、好ましくは、ポリマー材料 で形成されている。例えば、継手１２０、２２０は、ポリ・カーボネートやポリ ・プロピレン等のポリマー材料で成形されているのがよい。 以下の議論の方向性を定めるため、各コネクタは、反対側のコネクタに近い方 の基端と、反対側のコネクタから遠い方の先端とを有する。更に、第１図に例示 したコネクタ１００、２００は、全体として細長い本体を有するため、軸線方向 という用語は、それらの軸線方向に沿った変位を表すこととする。 更に、雌コネクタ１００と雄コネクタ２００は、雌コネクタ１００を雄コネク タ２００に所定の関係で相互に係止するように構成された相互係止機構を含む。 この相互係止機構は、相互係止スリーブや、あるいは、ねじ山を備えた連結部等 の、任意の適当な形態を備えているのが好ましい。好ましい実施例では、雌継手 １２０に設けられた相互係止機構の部分は、ブラケット１４０を含む。ブラケッ ト１４０は、様々な形態をとることができる。ブラケット１４０は、例えば、矩 形又は円形の任意の適当な平面形態を備えたソケット１４５又はカップを含むの が好ましい。例示の実施例では、ブラケット１４０は全体的にＣ形の部材を含む 。例示のブラケット１４０は、ソケット１４５を画成するフランジ１４２と、全 体的に円筒形の側壁１４４とを含む。フランジ１４２は、第５図で最もよくわか るように、例えば半径方向に延在する環状の平らな形態を採る。第３図の実施例 では、側壁１４４は、フランジ１４２からこのフランジと同心に延在し、雄コネ クタ２００に面する環状基端面１４３を含む。 一つ又はそれ以上のフォーク１４６が、フランジ１４２から延在している。こ れらのフォーク１４６は、フランジ１４２と一体に形成されているのがよい。雌 コネクタ１００を雄コネクタ２００に連結するとき、好ましくは、これらのフォ ーク１４６は、雄コネクタ２００の上フランジ２４２に形成されたスロット２４ ０に整合する。例示の実施例では、フォーク１４６は、雌コネクタ１００から延 在し、スロット２４０は雄コネクタ２００に設けられているが、フォーク及びス ロットを雄コネクタ及び雌コネクタの夫々と関連して形成してもよい。フォーク １４６は、第５図に最もよく示してある。スロット２４０は第４図に最もよく示 されている。各フォーク１４６は、好ましくは第１及び第２のプロング１４７を 含み、これらのプロングは、好ましくは、スロット２４０に進入して、これに係 止できるように可撓性である。スロット２４０を通過して上フランジ２４２の先 端面に当接するフォーク１４６のプロング１４７には、キャッチ１４８が形成さ れている。このようにして、フォーク１４６は、スロット２４０を通過して雄コ ネクタ２００に設けられたフランジ２４２に係合し、コネクタ１００、２００を 相互係止する。 雌コネクタ１００は、好ましくは、流体を収容し且つ流体連通を導くように構 成され、好ましくは流体流路の隔離された部分を画成し、例えば、隔離された流 体連通を収容し、又は、導く。雌継手１２０は、内部チャンバ、即ち、開口１３ ２を画成する。この内部チャンバは任意の適当な形態を備えるのが好ましく、開 放した基端を有するのが望ましい。雌継手１２０の先端１２６は、任意の適当な 流体容器又は導管に、第１１図乃至第１４図に最もよく示されているように、連 結することができる。例えば、雌継手１２０の先端１２６は、チューブ１０の一 区分に、又は、容器の頂部や、底部や、又は、壁に、任意の適当な結合技術を使 用して結合することができる。別の態様では、雌継手１２０は、チューブ１０又 は容器と一体成形されているのがよい。流体導管又は容器は、雌継手１２０の内 部チャンバ１３２に流体連通状態で連結可能である。内部チャンバ１３２は、基 端が座ぐり１３６によって拡開されたボア１３４を備えているのがよい。座ぐり １３６の内径は、ボア１３４よりも大きい。円筒形側壁１４４がチャンバ１３２ の基端を取り囲み、座ぐり１３６を画成する。 雌コネクタ１００は、好ましくは、雌継手１２０の開口１３２の開放した基端 をシールするシーリング層を更に有する。例えば、このシーリング層は、好まし くは、雌継手１２０の基端に取り外し自在に取り付けられた雌ストリップ・アウ ト層３００等の、取り外し自在のシーリング層を有する。例示の実施例では、雌 ストリップ・アウト層３００は、側壁１４４の開放した基端に取り付けられてい る。例えば、雌ストリップ・アウト層３００は、任意の適当な技術、例えば超音 波溶接で雌継手１２０の基端面１４３に結合されているのが好ましい。ストリッ プ・アウト・シーリング層３００は、好ましくは、雌コネクタ１００のチャンバ １３２を周囲の大気からシールする。雌ストリップ・アウト・シーリング層３０ ０は、好ましくは、コネクタ１００、２００の接続時に取り外すことができるよ うに、コネクタ１００、２００の周囲を越えて延在するプル・タブを含む。 雄コネクタ２００もまた、好ましくは、雄継手２２０の開口２３２の開放した 基端をシールするためのシーリング層を有する。例えば、このシーリング層は、 好ましくは、雄継手２２０の基端に取り外し自在に取り付けられた雄ストリップ ・アウト層３１０等の取り外し自在のシーリング層を含む。例示の実施例では、 雄ストリップ・アウト層３１０は、雄継手２２０の基端の全体に円筒形の側壁２ ４４の開放端の基端面２４３に取り付けられている。雄側壁２４４の内径及び外 径は、雌側壁１４４の内径及び外径とほぼ同じであるのがよい。雄ストリップ・ アウト・シーリング層３１０は、任意の適当な技術、例えば超音波溶接で雄コネ クタの基端面２４３に結合されているのがよい。雄ストリップ・アウト・シーリ ング層３１０は、好ましくは、雄コネクタ２００の内部を周囲環境からシールす る。雄ストリップ・アウト・シーリング層３１０は、好ましくは、コネクタ１０ ０、２００の周囲を越えて延びるプル・タブを含み、このプル・タブは、コネク タ１００、２００の接続時に取り外すことができる。 雌コネクタ１００及び雄コネクタ２００が最初に連結されている場合には、雌 ストリップ・アウト・シーリング層３００及び雄ストリップ・アウト・シーリン グ層３１０は、好ましくは、互いに面と面とを接触して当接している。例えば、 雌側壁１４４及び雄側壁２４４の直径及び位置、及びフォーク１４６及び側壁１ ４４、２４４の長さは、コネクタ１００、２００の連結時に側壁１４４、２４４ の端面１４３、２４３間でストリップ・アウト層３００、３１０の面と面とを接 触させるように定められる。これらの寸法は、端面１４３、２４３間で接触を生 じるばかりでなく、ストリップ・アウト層３００、３１０をこれらの端面間で僅 かに圧縮するように定められているのがよい。しかしながら、圧縮は、側壁１４ ４、２４４間からのストリップ・アウト層３００、３１０の取り外しの邪魔にな る程大きくはない。勿論、雌コネクタ１００及び雄コネクタ２００が、ストリッ プ・アウト層３００、３１０でなく、取り外し不能のシーリング層を含む場合に は、圧縮を幾分大きくすることができる。別の態様では、フォーク１４６及び側 壁１４４、２４４の寸法及び位置は、雌ストリップ・アウト層３００と雄ストリ ップ・アウト層３１０との間に僅かな空間を提供するように定めることができる 。例えば、側壁１４４、２４４の組み合わせ長さは、フランジ１４２、２４２間 の距離よりも小さいのがよい。好ましくは、この空間は、コネクタ１００、２０ ０が互いに連結されたときにこれらのコネクタを軸線方向に大きく移動させない のに十分である。 ストリップ・アウト層３００、３１０は、グラシンペーパー、金属箔、又は不 透過性ポリマーフィルム等の不透過性材料、又は細菌性汚染物の通過を予防する タイベック（タイベック（Ｔｙｖｅｋ）は登録商標である）紙や多孔質ポリマー フィルムを含む透過性材料で形成されているのがよい。好ましい不透過性材料は 、継手１２０、２２０を取り外し自在にシールするアルミニウム箔である。透過 性材料即ち多孔質材料は、エチレンオキシドを含む殺菌ガスを通過させて雌コネ クタ１００及び雄コネクタ２００の内部に拡散することによって、これらのコネ クタの殺菌をストリップ・アウト層３００、３１０を取り外す必要なしに行うこ とができるという利点を提供する。透過性材料及び不透過性材料のいずれもγ線 殺菌又は加熱殺菌に適している。更に、静菌性又は殺菌性の化合物又は層（図示 せず）をストリップ・アウト層３００、３１０のいずれか又は両方に置くことが できる。雌ストリップ・アウト層３００は、雄ストリップ・アウト層３１０と同 じであってもよいし異なっていてもよい。 例示の実施例では、雌コネクタ１００及び雄コネクタ２００の両方の連結端が 取り外し自在のシーリング層３００、３１０によってシールしてあるが、取り外 し不能であり且つストリップ・アウト層の下のコネクタにシールされた貫通可能 な膜層等の別のシーリング層をコネクタ１００、２００の一方又は両方に追加に 設け、無菌状態を確実にする追加の手段を提供してもよい。別の態様では、コネ クタ１００、２００の両方の基端を取り外し不能のシーリング層でシールし、ス トリップ・アウト層を省略してもよいし、一方のコネクタにストリップ・アウト ・シーリング層を設けると同時に他方のコネクタに取り外し不能のシーリング層 だけを設けてもよい。 更に、コネクタ１００、２００の基端を保護し、コネクタ１００、２００の組 み立て前にストリップ・アウト層３００、３１０が不時に貫通されたり取り外さ れたりすることがないようにする装置が、コネクタ１００、２００のうちの一方 、好ましくは両方に設けられているのがよい。この装置は、好ましくは、コネク タ１００、２００の基端と作動的に関連しており、コネクタ１００、２００の組 み立て前に容易に取り外すことができる。第８ａ図、第８ｂ図、及び第８ｃ図に 示すように、装置の例示の実施例は、カバー１８９、２８９、このカバーに取り 付 けられたタブ１８６、２８６、円筒形スリーブ１８４、２８４、及び複数のリブ １８５、２８５を含むキャップ１８３、２８３である。好ましくは、カバー１８ ９、２８９はドーム状形態を有するが、カバー１８９、２８９は、円筒形形態等 の任意の他の適当な形態を備えていてもよい。スリーブ１８４、２８４の端部の 一方がカバー１８９、２８９の内面に取り付けられている。キャップ１８３、２ ８３をコネクタ１００、２００の基端に取り付けた場合、スリーブ１８４、２８ ４の他端が側壁１４４、２４４の端部１４３、２４３に当接し、リブ１８５、２ ８５がコネクタ１００、２００のフランジ１４２、２４２と係合する。かくして 、スリーブ１８４、２８４及びリブ１８５、２８５により、キャップ１８３、２ ８３をコネクタ１００、２００のキャップにしっかりと取り付けることができる 。更に、スリーブ１８４、２８４は、ストリップ・アウト層３００、３１０を側 壁１４４、２４４の端部１４３、２４３に押し付け、ストリップ・アウト層３０ ０、３１０を所定位置に保持し、剥がれないようにする。好ましくは、カバー１ ８９、２８９の高さ及びスリーブ１８４、２８４の長さは、コネクタ１００、２ ００の基端にあるストリップ・アウト層３００、３１０及びフォーク１４６等の コネクタ１００、２００の部品を収容し、キャップ１８３、２８３によって保護 するように選択される。更に、カバー１８９、２８９の外周に取り付けられたタ ブ１８６、２８６は、好ましくは、引っ張りタブ３００、３１０を収容し且つこ れらのタブをタブ１８６、２８６によって保護するのに十分長い。キャップ１８ ３、２８３を容易に取り外すことができるようにするため、これらのキャップ１ ８３、２８３は、ミシン目線１８８、２８８によって画成されたストリップ１８ ７、２８７を含む。これらのストリップはタブ１８６、２８６に連結されている 。従って、キャップ１８３、２８３は、タブ１８６、２８６を引っ張ってストリ ップ１８７、２８７をミシン目線１８８、２８８に沿って千切ることによって、 コネクタ１００、２００から容易に取り外すことができる。ストリップ１８７、 ２８７を千切り離し、キャップ１８３、２８３に取り付けられたままにすると、 キャップ１８３、２８３をコネクタ１００、２００から容易に取り外すことがで きる。 キャップ１８３、２８３は、これらのキャップに十分な構造的一体性を賦与す るがストリップ１８７、２８７をミシン目線１８８、２８８に沿って容易に千切 ることができるように十分柔軟な任意の適当な材料から形成されているのがよい 。好ましくは、キャップ１８３、２８３は、プラスチック材料又はアルミニウム やアルミニウム合金等の金属材料から形成される。更に好ましくは、キャップ１ ８３、２８３は、ポリ・カーボネートやポリ・プロピレン等のポリマー材料から 形成される。 本発明の一つの特徴によれば、コネクタ・アッセンブリは雄コネクタ２００の 基端に配置された雄シーリング部材２７０等の少なくとも一つの弾性シーリング 部材を含む。例えば、雄シーリング部材は、雄コネクタ２００の基端に形成され た、開放端を持つソケット２４５に入れることができる。例示の実施例では、例 えば第２図及び第３図に示す実施例では、ソケット２４５は、環状側壁２４４に よって雄コネクタ２００の連結端に形成され、開放端は、側壁２４４の基端面２ ４３を含む。ソケット２４５は、好ましくは、雄シーリング部材２７０を完全に 取り囲んでおり、例えば側壁２４４は、好ましくは、中断していない連続した円 筒形の壁であり、雄シーリング部材２７０を完全に取り囲んでいる。ソケット２ ４５及び雄シーリング層３１０は、好ましくは、弾性シーリング部材を密封をな して収容する。 雄シーリング部材２７０は、様々な形態で提供できる。例えば、雄シーリング 部材２７０は、両端が開放した中空本体を含み、第２図及び第３図に示すように 内部通路が開放端間を延びる弾性圧縮可能であり且つ膨張可能な部材でできてい るのがよい。雄シーリング部材２７０は、好ましくは、環状ベース部分２７１、 ネック部分２７２、及びヘッド部分２７３を含む。ベース部分２７１は、好まし くは、外径が側壁２４４の内径よりも僅かに大きく、雄コネクタ２００のソケッ ト２４５に挿入したときに側壁２４４にぴったりと摩擦嵌着するようになった環 状リムを含む。ベース部分２７１には、このベース部分をソケット２４５に挿入 してこのソケットの底部まで摺動できるように、その外径に沿って面取り面２７ ５が設けられている。 雄シーリング部分２７０のネック部分２７２は、好ましくは、ベース部分２７ １とヘッド部分２７３とを接合する環状壁を形成する。好ましくはベース部分２ ７１の壁よりも薄く且つヘッド部分２７３のヘッドよりも薄いネック部分２７２ の壁は、好ましくは、雄シーリング部材２７０を雄コネクタ２００のソケット２ ４５内で雄ストリップ・アウト層３１０によって圧縮できるように、弾性的に圧 縮可能である。例示の実施例では、雄シーリング部材２７０の長さは、側壁２４ ４の長さよりも大きく、薄壁ネック部分２７２の内径はベース部分２７１及びヘ ッド部分２７３の内径と等しく、薄壁ネック部分２７２の外径はベース部分２７ １及びヘッド部分２７３の外径よりも小さい。ネック部分２７２は弾性的に潰れ 、即ち半径方向外方に曲がってシーリング部材２７０を雄コネクタ２００のソケ ット２４５内で圧縮できるようにする。ネック部分２７２についての別の構造は 本発明の範疇に含まれる。例えば、ネック部分２７２の内径がベース部分２７１ 及びヘッド部分２７３の内径よりも大きく、半径方向内方に曲がることができて もよいし、ネック部分２７２が、雄シーリング部材２７０の圧縮時に多数の屈曲 部が形成されるベローズ状の部材でできていてもよい。 ヘッド部分２７３は、好ましくは面取りを施した内面２７７を有し、雄シーリ ング部材２７０のベース部分２７１とは反対側の端部に形成された環状リムを有 する。更に、ヘッド部分２７３並びにネック部分２７２の外径は、好ましくは、 ベース部分２７１の外径よりも小さく、ソケット２４５を形成する側壁２４４の 内径よりも小さい。ヘッド部分２７３及びネック部分２７２の外径がソケット２ ４５の内径よりも小さくソケット２４５の側壁２４４から離間されているため、 ヘッド部分２７３及びネック部分２７２は、側壁２４４に捕捉されることなく、 ソケット２４５内で軸線方向に容易に膨張する。かくして、ストリップ・アウト 層３００、３１０を取り外したとき、ヘッド部分２７３及びネック部分２７２は ソケット２４５内から弾性的に膨張して雌コネクタ１００に関してぴったりとし たシールを形成できる。 雄シーリング部材には多くの形成方法がある。例えば第９図に別の形態が示し てある。第９図に示す雄シーリング部材４７０は、第６図に示す雄シーリング部 材２７０と同様であるが、ヘッド部分４７３及びベース部分４７１の外径が実質 的に同じである。他方、ソケット４４５の内部には段が設けられ、ソケット壁４ ４４の先端部分の内径はソケット壁４４４の基端部分の内径よりも小さい連続し た円筒形の壁を有する。好ましくは、ソケット壁の先端部分の内径はベース部分 ４７１の外径よりも僅かに小さく、雄シーリング部材４７０をソケット４４５に 挿入したときにベース部分４７１とぴったりと摩擦嵌着するようになっている。 ソケット壁４４４の基端部分の内径は、好ましくは、ヘッド部分４７１及びネッ ク部分４７２の外径よりも大きく、ヘッド部分４７１及びネック部分４７２は、 ソケット壁４４４の基端部分に捕捉されることなく、ソケット４４５内で軸線方 向に容易に膨張できる。 例示の実施例では、一定の内径を持ち且つ外径が変化する部材として雄シーリ ング部材２７０、４７０を説明したが、外径が一定であり且つ内径が可変の雄シ ーリング部材は、本発明の範疇に含まれる。雄シーリング部材が弾性的に圧縮可 能であり且つ膨張可能である限り、雄シーリング部材は、外径でなく内径が変化 してもよい。別の態様では、雄シーリング部材は変化する内径及び変化する外径 を有してもよいし、一定の内径及び一定の外径を有してもよい。 第２シーリング部材、例えば雌シーリング部材１７０は、雌コネクタ１００の ソケット１４５に配置されているのがよい。ソケット１４５もまた開放端を有す る。ソケット１４５は、雌シーリング部材１７０を連続的に且つ完全に取り囲む 側壁１４４と、雌通路１２０の基端面１４３を含む。雌シーリング部材は、好ま しくは、ソケット１４５及び雌ストリップ・アウト層３００内に密封をなして収 容される。 雌シーリング部材１７０は、様々な形態で提供できる。例えば、雌シーリング 部材１７０は、第２図、第３図、及び第７図に示すように、両端が開放した中空 本体をみ、内部通路がこれらの開放端間を延びる弾性的に圧縮可能であり且つ膨 張可能な部材でできているのがよい。雌シーリング部材１７０は、好ましくは、 ベース部分１７１及びヘッド部分１７３を含む。ベース部分１７１は、好ましく は、外径が側壁１４４の内径よりも大きな環状リムを含み、雌コネクタ１００の ソケット１４５にぴったりと摩擦嵌着するようになっている。ベース部分１７１ は、好ましくは、ソケット１４５内への雌シーリング部材１７０の挿入を容易に する面取りを施した外面１７５を含む。 ヘッド部分１７３並びにベース部分１７１は、好ましくは、弾性的に圧縮可能 な材料でできており、そのため、雌コネクタ１００のソケット１４５内で雌シー リング部材１７０を圧縮できる。ヘッド部分１７３の外径は、好ましくはベース 部分１７１の外径よりも小さく、ソケット１４５を形成する側壁１４４の内径よ りも小さい。ヘッド部分１７３の外径がソケット１４５の内径よりも小さく、ソ ケット１４５の内壁１４４から離間されているため、ヘッド部分１７３は、側壁 １４４に対して捕捉されることなく、ソケット１４５内に軸線方向に容易に移動 する。かくして、ヘッド部分１７３は、ストリップ・アウト層３００、３１０を 取り外したとき、ソケット１４５内で弾性的に膨張し、雌コネクタ２００とぴっ たりとしたシールを形成する。ヘッド部分１７３の内径及び面取りを施した内面 １７７は、好ましくは、雌シーリング部材２７０の内径及び面取りを施した内面 ２７７と対応し、ストリップ・アウト層を取り外したとき、接合されたシーリン グ部材１７０、２７０の内面に環状の窪み１６３を形成する。更に、ヘッド部分 １７３は、ベース部分１７１よりも薄壁である。 雌シーリング部材には、この他の多くの様々な形成方法がある。例えば、別の 態様の形態が第９図に示してある。第９図に示す雌シーリング部材３７０は、第 ７図に示す雌シーリング部材１７０と同様であるが、外径が均等である。他方、 ソケット３４５は、内部に段を備えた連続した円筒形の壁を有し、ソケット壁３ ４４の先端部分の内径はソケット壁３４４の基端部分の内径よりも小さい。好ま しくは、ソケット壁３４４の先端部分の内径は雌シーリング部材３７０の外径よ りも僅かに小さく、雌シーリング部材３７０をソケット３４５に挿入したときに 雌シーリング部材３７０とびったりと摩擦嵌着するようになっている。ソケット 壁３４４の基端部分の内径は、好ましくは、雌シーリング部材３７０の外径より も大きく、雌シーリング部材３７０は、ソケット壁３４４の基端部分に捕捉され ることなく、ソケット３４５内で軸線方向に容易に膨張できる。 一つ又はそれ以上のシーリング部材により幾つかの利点が提供される。例えば 、各シーリング部材１７０、２７０は、継手１２０、２２０を形成する材料とは 異なる材料から形成されているのがよい。詳細には、各シーリング部材は、継手 １２０、２２０を形成する比較的剛性の材料よりも弾性であり、例えば更に弾性 的に圧縮可能であり且つ膨張可能な材料から形成できる。シーリング部材用の例 示の材料には、弾性的に圧縮可能であり且つ膨張可能なポリマー材料又はエラス トマー材料が含まれる。好ましい材料は、サントプレンＴＰＥ等のＴＰＥ（熱可 塑性エラストマー）である。シーリング部材の弾性を高めることによって、シー ルを大幅に改善する。一つ又はそれ以上のシール部材の別の利点は、ヘッド部分 １７３、２７３の端面を非常に均等に成形でき、優れたシールを提供できるとい うことである。好ましい実施例では、収容されたシーリング部材１７０、２７０ のヘッド部分１７３、２７３の端面は、ストリップ・アウト層３００、３１０に 当接しているけれども接合されておらず、即ちこれらのストリップ・アウト層は 円筒形の壁１４４、２４４の端面１４３、２４３だけに接合されている。これに より、ヘッド部分１７３、２７３の端面を均等であり且つ清浄に維持でき、これ によって、滲出が全く生じないぴったりとしたシールを形成する。勿論、用途に よっては、ストリップ・アウト層を側壁及びシーリング部材の両方に接合しても よく、或いは、シーリング部材だけに接合してもよい。 例示の実施例は、雌ストリップ・アウト層３００によって雌コネクタ１００の ソケット１４５内にシールされた雌シーリング部材１７０及び雄ストリップ・ア ウト層３１０によって雄コネクタ２００のソケット２４５内で圧縮され且つシー ルされた雄シーリング部材を示すけれども、この他の構成も本発明の範疇にある 。例えば、雄シーリング部材２７０は、雌コネクタ１００のソケット１４５内に 配 置でき、雌シーリング部材１７０を雄コネクタ２００のソケット２４５内に配置 できる。別の態様では、雌シーリング部材１７０を省略してもよい。雌シーリン グ部材１７０を省略した実施例では、ストリップ・アウト層又は取り外し不能の シーリング層によって、雄シーリング部材２７０をいずれかのコネクタのソケッ ト内に配置できる。 単一のシーリング部材を含む実施例では、ストリップ・アウト層を取り外すと 、シーリング部材が向き合ったコネクタの連結端部の表面に当接し、コネクタ・ アッセンブリをシールする。例えば、雄シーリング部材２７０が雄コネクタ２０ ０のソケット２４５内に配置された場合、コネクタのヘッド部分２７３が雌コネ クタ１００の座ぐり１３６の表面１３５と接触する。別の態様では、雌コネクタ の側壁１４４を半径方向内方に厚くし、雄コネクタの側壁２４４を越えて内方に 延ばし、雄シーリング部材２７０用の接触面を提供してもよい。雄コネクタ２０ ０は、好ましくは、雄継手２２０内に開口２３２を構成する全体に円筒形の本体 ２２１内に入れ子式に収容されたステム２１０を含む。雄コネクタ２００は、更 に、好ましくは、流体を収容し且つ流体連通を行うようになっており、好ましく は流体流路の隔離部分を画成する、即ち隔離された流体を収容し且つ流体連通を 行う。従って、ステム２１０は、好ましくは、継手２２０が画成する開口２３２ 内にシールされる。例示の実施例では、ステム２１０は、ステム２１０の先端２ ２６と雄コネクタ２００の本体２２１との間に連結されたシール２５２を含む。 このシール２５２は、ステム２１０の周りに配置されたＯ−リングでできている のがよい。変形例では、シール２５２は、雄コネクタ２００の本体の内壁の溝に 配置されているのがよい。シール２５２は、好ましくは、開口２３２を周囲環境 からシールするため、及びステム２１０を軸線方向に移動できるようにするため 、内壁と密封をなして摺動自在に係合する。 ステム２１０は、雌コネクタ１００だけに関して軸線方向に移動し、雄継手２ ２０に関しては定置であるように構成されているのがよいが、ステム２１０は、 好ましくは、雌コネクタ１００及び雄継手２２０の両方に関して軸線方向に移動 するように構成される。例えば、ステム２１０は、好ましくは、雄継手２２０を 通って、例えば開口２３２及びこの開口２３２の開放した基端を通って、ソケッ ト２４５及びこのソケット２４５の開放端を通って、開放端及び内部通路を含む 雄シーリング部材２７０を通って、及び／又は任意の取り外し不能のシーリング 層を通って軸線方向に移動する。更に、ステム２１０は、好ましくは、例えば任 意の取り外し不能のシーリング層を通って、開放端及び内部通路を含む雌シーリ ング部材１７０を通って、ソケット１４５の開放端及びソケット１４５を通って 、開口１３２の開放端を通って、及び／又は開口１３２内に、雌コネクタ１００ 内に軸線方向に移動する。ステム２１０が雌シーリング部材及び／又は雄シーリ ング部材を通って移動するため、ステム２１０の最大外径は、好ましくはシーリ ング部材１７０、２７０の内部通路の最小内径よりも小さい。更に、ステム２１ ０の基端部分はテーパしており、第９図に示すように弾丸状形態を有する。これ により、シーリング部材１７０、２７０が形成するシールを損なうことなくステ ム２１０を軸線方向に容易に移動できる。別の態様では、ステム２１０とシーリ ング部材１７０、２７０との間にシールを形成するように、これらの径が適切に 等しいのがよい。 ステム２１０は好ましくは中空であり、その内部に内腔（図示せず）を画成す る。ステム２１０の基端にはヘッド２５０が形成されている。このヘッド２５０ には、ステム２１０の内腔と外部との間での流体のアクセスを提供する開口が設 けられていてもよい。ヘッド２５０は、シーリング層に取り外し不能の層が含ま れているかどうかに応じて、先が丸い部材又は貫通部材をなす。例えば、シーリ ング層がストリップ・アウト層の他に取り外し不能の層を含む場合には、ヘッド ２５０は、好ましくは、取り外し不能の層を貫通し、雄コネクタ２００及び雌コ ネクタ１００の内部領域間を流体連通するための貫通部材を含む。別の取り外し 不能の層が含まれていない場合には、ヘッド２５０は、先が丸い部材でできてい る。ヘッド２５０は先が丸い部材であるのがよい。これは、ストリップ・アウト 部材がひとたび取り外されると、雄コネクタ２００と雌コネクタ１００との間に 貫通を必要とする障害物がないためである。 更に、ステム２１０は、第１１図、第１２図、及び第１４図に最もよく示すよ うに、流体容器又は導管２０に連結できる。例えば、チューブの一区分等の導管 ２０を、ステム２１０の先端２２６に任意の適当な方法で、例えば溶剤、接着剤 、ホースクランプ、超音波溶接、ねじコネクタ、又は摩擦嵌めを使用することに よって連結できる。別の態様では、チューブ２０又は容器をステム２１０と一体 成形できる。 本発明の別の特徴によれば、ステム２１０は係止装置を含むのがよい。この係 止装置２６０は、ステム２１０が事故で又は不時に軸線方向に前進しないように 制限する任意の形態であるのがよい。第１図に示す実施例では、係止装置は、本 体２２１の下フランジ２２４からステム２１０のフランジ２２８まで軸線方向に 延びる二つの係止タブ２６０を含む。係止タブ２６０の数は本発明にとって重要 でない。例えば、単一の係止タブ２６０も含まれ、２つ以上係止タブ２６０も含 まれる。多数の係止タブ２６０が設けられている場合には、これらのタブは、好 ましくは、ステム２１０に加えられた力を均等に分配するため、ステム２１０を 中心として等間隔に間隔が隔てられた周方向位置に配置されている。 第１図に示す実施例では、係止タブ２６０は、フランジ２２４と２２８との間 で軸線方向に延びる半径方向に突出したフィンを含む。係止タブ２６０は、変形 自在であるのがよく、例えば、曲がって所定の経路から外れるか或いはフランジ ２２４、２２８の一方又は両方から壊れて外れるように構成されているのがよい 。例えば、係止タブ２６０は、湾曲可能な又は壊れ易い継手２６２のところでフ ランジ２２８及び／又はステム２１０のバレルに取り付けられている。係止タブ ２６０は、好ましくは、雄継手２２０の先端フランジ２２４に取り付けられてい ない。かくして、各係止タブ２６０を把持し、タブ２６０の平面に対して垂直方 向に曲げて壊れ易い継手を壊し、ステム２１０が軸線方向に自由に移動できるよ うにすることを容易に行うことができる。変形例では、係止装置は、ステム２１ ０に設けられた半径方向に延びるキー及び本体２１１に設けられたキー溝等の永 久 的に取り付けられた破壊不能の構成を含むのがよい。キーをキー溝と整合させた 後、キー及びステム２１０を軸線方向に移動できる。別の態様では、ステム２１ ０は、一つ又はそれ以上のキー溝を有し、本体２２１は一つ又はそれ以上のキー を含む。 係止装置４６０の好ましい実施例を第９図及び第１０図に示す。係止装置４６ ０は、ステム２１０の表面から半径方向に延びる一つ又はそれ以上のウイング４ ６１を含むが、第９図及び第１０図に示す係止装置４６０は二つのウイング４６ １を含む。ウイング４６１は、雄継手２２０の内径を越えて半径方向に延び、フ ランジ２２４の先端面に当接する。かくして、ステム２１０が雄継手２２０内で 不時に前進しないようにする。ステム２１０を前進するためには、ステム２１０ を回転させる。ステム２１０を回転すると、ウイング４６１が構造に接線方向に 押し付けられ、これによってウイング４６１に接線方向力を加えることができる 。その結果、ウイング４６１が接線方向に曲がり、フランジ２２４の先端面から 遠ざかる方向に折り曲げられ、かくしてステム２１０を雄継手２２０内で前進さ せることができる。例えば、第９図及び第１０図では、ウイング４６１の各々は 、フランジ２２４の先端面に設けられたスロット４６４内に配置されている。ス テム２１０を回転させると、ステム２１０の回転によりウイング４６１がスロッ ト４４６の側壁に押し付けられ、ウイング４６１を接線方向に曲げ、かくしてス テム２１０を雄継手２２０内で前進させることができる。別の態様では、フラン ジの先端面はスロットの代わりに突出部を有し、ステムを回転するとウイングが 突出部に押し付けられ、ウイングを接線方向に曲げ、かくしてステムを雄継手内 で前進させることができる。第９図及び第１０図に示す係止装置が好ましい。こ れは、壊して外す必要がなく、従って、係止装置と関連した緩い部品がないため である。 係止装置の目的は、ステム２１０が事故で又は不時に前進することがないよう にすることである。好ましくは、オペレータは、雄コネクタ２００及び雌コネク タ１００を接合し、ストリップ・アウト層３００、３１０を取り外するまで、係 止装置の係止解除を行わない。雄コネクタ２００及び雌コネクタ１００を接合し 、ストリップ・アウト層３００、３１０を取り外す前に係止装置が係止解除され ると、ステム２１０がストリップ・アウト層３００を損傷し、雄コネクタ２００ の無菌性を損なう。 雄コネクタ２００は、係止装置の他にラチェット構造を有する。例えば、第２ 図及び第３図に示すように、ステム２１０は、ステム２１０の外面を取り囲む面 取りが施された環状リブ２１２、２１４からなる第１及び第２の組を含むのがよ い。リブ２１２、２１４には、これらのリブがステム２１０の表面から突出し、 ステム２１０のフランジ２２８に向かって先端方向に延び、ステム２１０の外面 に関して鋭角を形成するように面取りが施こしてある。リブ２１２からなる第１ の組は、好ましくは、リブ２１４からなる第２の組から、ステム２１０に形成さ れた平滑面２１６によって離間されている。捕捉部材２８０が、好ましくは、雄 コネクタ２００の本体２２１の内壁に連結されている。捕捉部材２８０の先端に は、ステム２１０の外面に載るキャッチ２８２が設けられている。同様のラチェ ット構造が第９図に示してあり、マトコビッチの米国特許第５，３９３，１０１ 号に開示されている。同特許に触れたことにより、その特許に開示されている内 容は本明細書中に組入れたものとする。第９図に示すラチェット構造は、一組の 環状リブを含み、好ましくは平滑面を含まない。米国特許第５，３９３，１０１ 号のラチェット構造が好ましい。これは、ヘッドをひとたび雌継手に向かって前 進させるとステムを引っ込めるとができず、雌継手に向かって移動させることし かできないためである。 ステム２１０は、更に、ステム２１０を雄継手２２０内で前進させるときにス テム２１０を安定化させる装置を雄継手２２０とステム２１０との間に備えてい る。この装置の例示の実施例は、第９図に示すように、軸線方向に延びる複数の リブ４８０を含む。これらのリブ４８０は、例えば、Ｏ−リング２５２とフラン ジ２２８との間でステム２１０に設けられており、好ましくは、ステム２１０の 周囲に亘って等間隔に間隔が隔てられている。リブ４８０の外面４８１は、雄継 手２２０の内径と同じ直径を持つ円筒体を画成する。かくして、ステム２１０を 雄継手２２０内で前進させるとき、リブ４８０の外面４８１が雄継手２２０の内 面と接触し、これによりステム２１０が雄継手２２０内でこの継手に沿って移動 するときにステム２１０を安定化させる。 作動にあたっては、コネクタを接合するため、オペレータは、先ず最初に、タ ブ１８６、２８６を引っ張ってストリップ１８７、２８７をミシン目線１８８、 ２８８に沿って千切ることによって、コネクタ１００、２００の基端を保護する キャップ１８３、２８３を取り外す。オペレータは、次いで、コネクタを相互係 止する。例示の実施例では、コネクタの相互係止は、キャッチ１４８がフランジ ２４２の先端面に当接するまで、雌コネクタ１００のフォーク１４６を雄コネク タ２００のスロット２４０に滑り込ませることによって行われる。第１図に示す ように、フォーク１４６は、フォーク１４６の端部のキャッチ１４８がスロット ２４０を通って移動するときに僅かに曲がることができる。 相互係止機構は、コネクタ１００、２００を相互連結したときにストリップ・ アウト層３００、３１０の両方のタブが同じ方向に延びるように形成されている のがよい。例えば、フォーク１４６及びスロット２４０は、タブが同じ方向に延 びている場合にだけ、フォーク１４６がスロット２４０と係合するように組をな して構成されているのがよい。例示の実施例では、フォーク及びスロットの一方 の組は密接しており、この際、フォーク及びスロットの他方の組は比較的離れて いる。タブ、フォーク、及びスロットは、全て、密接したフォークが密接したス ロットと係合し、比較的離れたフォークが比較的離れたスロットと係合し、タブ がステムから同じ方向に延びている場合にだけ、コネクタ２００が相互連結する ように構成されている。 コネクタ１００、２００を連結した後、ストリップ・アウト層３００、３１０ を取り外すことによって、例示の実施例では、コネクタ１００、２００の開口１ ３２、２３２を互いに流体連通させる。ストリップ・アウト層３００、３１０の 外面の汚染物は、ストリップ・アウト層３００、３１０とともに除去される。 各ストリップ・アウト層３００、３１０を取り外したとき、雄ソケット２４５ 及び雌ソケット１４５内で圧縮されている雄シーリング部材２７０及び雌シーリ ング部材１７０の一方又は両方が膨張して互いに接触し、コネクタ１００、２０ ０をシールする。シーリング部材は、好ましくは、ストリップ・アウト層３００ 、３１０の取り外しプロセスに亘ってシールを維持する。更に詳細には、ストリ ップ・アウト層を引き抜くとシーリング部材１７０、２７０の露出部分が膨張し て互いに接触し、接触した膨張部分間にシールを形成する。シーリング部材間の 接触がストリップ・アウト層の引き抜きに続いて起こるため、シールは、ストリ ップ・アウト層の引き抜き時にストリップ・アウト層３００、３１０の後側で直 ちに形成される。 雌シーリング部材１７０を接触させるため、雄シーリング部材２７０の弾性的 に圧縮可能なヘッド部分２７３及び／又はネック部分２７２が圧縮状態から膨張 状態まで軸線方向に膨張し、ベース部分２７１とヘッド部分２７３との間の距離 を増大する。雌シーリング部材１７０のヘッド部分１７３もまた膨張する。雄シ ーリング部材２７０のヘッド部分２７３が雌シーリング部材１７０のヘッド部分 １７３に当接し、シールを形成する。雄シーリング部材２７０及び雌シーリング 部材１７０の各々が弾性的に圧縮可能であり且つ膨張可能な部材でできているた め、ひとたび雄コネクタ２００と雌コネクタ１００とを連結すると、雄コネクタ 又は雌コネクタの移動によってシールが低下することはない。雄シーリング部材 ２７０及び雌シーリング部材１７０は、コネクタ１００、２００の移動に対する 反作用として膨張し又は圧縮し、シールをぴったりと維持する。環状溝１６３に より、シーリング部材間の接触表面積が減少し、及びかくして一方のシーリング 部材に他方のシーリング部材が及ぼす軸線方向圧力が増大し、これによってシー ルを強化する。かくして、緊密な無菌連結部が形成され、維持される。 ひとたびストリップ・アウト層３００、３１０を取り外すと、好ましくは、ス テム２１０のヘッド２５０が雌コネクタ１００内に延びる。ヘッドを軸線方向に 移動するためには、オペレータは、例えば、第１図に示す実施例の場合には、係 止タブ２６０を摘んでステム２１０のフランジ２２８から壊して外すことによっ て、又は第９図及び第１０図に示す実施例の場合にはステム２１０を回転させて ウイング４８０を接線方向に変形させることによって、係止装置を係止解除する 。オペレータは、次いで、ステム２１０のフランジ２２８を雄コネクタ２００の 下フランジ２２４に向かって軸線方向に摺動させる。ステムを軸線方向に移動さ せると、上文中に説明したように、ヘッド２５０を含むステム２１０が雄継手２ ２０及び雌コネクタ１００を通って移動する。更に、シール２５２が雄コネクタ ２００の内壁に沿って摺動し、捕捉部材２８０がリブが設けられた第１面２１２ 及び平滑面２１６に沿って摺動した後、リブが設けられた第２面２１４に沿って ラッチ止めし、次いでヘッド２５０が雌コネクタ１００のボア１３４に進入する 。ボア１３４は、ヘッド２５０がボア１３４の壁と摩擦密封係合状態で進入する ように、好ましくは、テーパしている。その後、流体は、汚染を伴わずに、雌コ ネクタ１００及び雄コネクタ２００の無菌連結部を介して、雌コネクタ１００の 開口１３２及びステム２５０の内腔を通って自由に流れることができる。 コネクタ・アッセンブリは、可撓性及び／又は剛性の流体容器を含むシステム 又は装置、注射器、ドリップチャンバ、濾過装置、経静脈（ＩＶ）装置、又はこ れらの組み合わせ等の様々な流体システム又は装置と関連して使用できる。例え ば、コネクタ・アッセンブリは、経静脈（ＩＶ）装置と組み合わせることができ 、流体、例えば非経口的流体及び生物学的流体の供給に使用できる。本明細書中 に使用されているように、非経口的流体は、好ましくは無菌で生理学的に適合性 の流体である。非経口的流体の例には、生理食塩水即ち等張性（約０．９％）無 菌生理食塩水や電解質溶液が含まれ、例えば、５％ブドウ糖水溶液が含まれる。 生理学的流体は、本明細書中で使用されているように、生体由来の流体、例えば 血液及び血液成分である。本発明が適している生理学的流体の例には、全血、赤 血球パック、血小板量の高い血漿、血小板、及び血漿が含まれる。 コネクタ・アッセンブリを含む流体システムの例示の実施例を第１１図に示す 。この実施例では、等価の構成要素には第１図乃至第７図のコネクタ・アッセン ブ リと同じ参照番号が附してある。第１１図では、コネクタ・アッセンブリの雌コ ネクタ１００は、導管１０を介して容器６００に連結されている。導管１０は、 上文中に説明したように、例えば任意の適当な方法で、例えば溶剤、接着剤、ホ ースクランプ、超音波溶接、ねじ連結、又は摩擦嵌めによって、先端１２６が雌 コネクタ１００に連結されている。別の態様では、導管１０は雌コネクタ１００ にこのコネクタと一体であるように成形されているのがよい。 導管１０は、導管１０と容器６００との間を流体連通できる付属品（第１１図 には示さず）を通して容器６００に連結されている。付属品（第１１図には示さ ず）は、容器６００への又は容器からの流体の流れを制御するトランスファーレ ッグ閉鎖体（transfer leg closure）等のバルブを含む。雌コネクタ１００、導 管１０、及び容器６００を単一の一体のユニットとして形成してもよい。 コネクタ・アッセンブリの雄コネクタ２００に連結された導管２０は、流体シ ステム（図示せず）を構成する他の構成要素に連結できる。例えば、導管２０は 、注射器、ドリップチャンバ、患者、又は濾過装置に連結できる。更に、図示し てないけれども、コネクタ・アッセンブリの雄コネクタ２００を容器６００に連 結してもよい。即ち、雄コネクタ２００及び雌コネクタ１００の部分を逆にして もよい。このような実施例では、雄コネクタ２００、導管２０、及び容器６００ を単一の一体のユニットとして形成してもよい。 本発明のコネクタ・アッセンブリで使用できる容器６００並びに導管１０、２ ０は、非経口的流体及び生物学的流体に関して適合性の任意の材料で形成できる 。容器６００及び導管１０、２０の組成は、使用される特定の流体の性質に従っ て変えるのがよい。様々な適当な容器６００及び導管１０、２０が当該技術分野 で周知である。例示の容器６００は、注射器、可撓袋、及び剛性容器を含むが、 これらに限定されない。容器６００は、金属、ガラス、及びポリ塩化ビニル（Ｐ ＶＣ）を含むプラスチック等の様々な材料から形成できる。容器６００は、好ま しくは、可撓性及び強度のため、可塑化したＰＶＣでできている。代表的な導管 １０、２０は、使用を容易にするため、可塑化したＰＶＣ等の可撓性プラスチッ ク でできたチューブを含む。本発明は、使用される容器６００及び／又は導管１０ 、２０の種類又は組成によって限定されるべきではない。 第１２図に示す流体システムは第１１図に示す流体システムと同様であり、等 価の構成要素には同じ参照番号が附してある。しかしながら、この実施例では、 雌コネクタ１００が容器６００に直接連結してある。例えば、雌コネクタ１００ は、トランスファーレッグ閉鎖体等の付属品に装着できる。導管１０が雌コネク タ１００に連結された第１１図に示す雌コネクタ１００とは異なり、コネクタ１ ００は容器６００の付属品６０２に直接的に取り付けられているのがよい。雌コ ネクタ１００及び容器６００は、単一の一体のユニットとして形成されているの がよい。 上文中に説明したように、コネクタ・アッセンブリの雄コネクタ２００に連結 された流体導管２０は、流体システムの他の構成要素に連結できる。例えば、導 管２０は、注射器、ドリップチャンバ、患者、又は濾過装置に連結できる。更に 、図示してないけれども、コネクタ・アッセンブリの雄コネクタ２００を容器６ ００に直接連結してもよい。 使用にあたっては、第１１図及び第１２図の流体システムの雄コネクタ２００ 及び雌コネクタ１００を上文中に説明したように相互係止する。ひとたび相互係 止した後、ストリップ・アウト層３００、３１０を取り外し、ステム２１０を雄 継手２００及びシーリング部材２７０を通して、雌シーリング部材１７０を通し て、雌継手１２０の開口１３２内に移動することによって、流体システムを通る 無菌流路を形成する。 第１３図及び第１４図は、コネクタ・アッセンブリの変形例の雌コネクタ１０ ０が容器６００の壁に直接取り付けられた、流体システムの例示の実施例を示す 。この実施例においても、等価の構成要素には、第１図乃至第７図及び第１１図 及び第１２図で使用したのと同じ参照番号が附してある。この実施例では、雌コ ネクタ１００は上文中に説明した雌コネクタ１００と異なっている。本質的には 、この実施例では、雌継手１２０はブラケット１４０だけを含む。上文中に説明 し た実施例と同様に、ブラケット１４０は様々な形状であるのがよい。ブラケット １４０は、任意の適当な平面形態を持つソケット１４５即ちキャップを含む。例 示のブラケット１４０は、例えば、例示の実施例では、全体にＣ形の部材である 。雌シーリング部材１７０は、上文中に説明したように連結アッセンブリの無菌 連結を補助するため、ブラケット１４０のソケット１４５内に配置されている。 更に、雌コネクタ１００の基端には、コネクタ・アッセンブリの無菌連結を更に 補助するため、上文中に説明したストリップ・アウト層３００のようなシーリン グ層が設けられている。ブラケット１４０は、雌コネクタ１００の雄コネクタ２ ００との相互係止を補助するため、上文中に説明したように、フォーク１４６を 持つフランジ１４２を含む。雌コネクタ１００及び雄コネクタ２００の連結につ いての変形例の構成もまた可能であり、これには、例えばねじ連結が含まれる。 変形例では、雌コネクタ１００の継手１２０は、容器の壁を越えて容器６００の 内部内に延びている。 雌コネクタ１００は、容器６００の壁に様々な手段で連結できる。第１３図に 示す例示の実施例では、雌コネクタ１００は容器６００の主面に連結されている 。雌コネクタ１００は、容器６００に結合又は溶接されているのがよく、或いは 容器と一体成形されているのがよい。雌コネクタ１００が連結された壁の領域は 、雌コネクタ１００が壁の一部を裂いてしまうことがないように強化されている のがよい。強化は、グロメット又は任意の他の適当な強化手段の形態で行うこと ができる。 作動にあたっては、第１３図及び第１４図の流体システムの雄コネクタ２００ 及び雌コネクタ１００を上文中に説明したように相互係止できる。相互係止後、 ストリップ・アウト層３００、３１０を取り外し、ステム２１０を雄継手２２０ 及びシーリング部材２７０を通して、雌シーリング部材１７０及び雌継手１２０ の開口１３２ａを通して、及び容器６００の壁を通して移動することによって無 菌流路を形成する。容器壁の貫通を容易にするため、ステム２１０のヘッド２５ ０に貫通部材が設けられているのがよい。開口１３２ａは、ステム２１０のヘッ ド２５０に対してシールするような大きさになっている。ステム２１０のヘッド ２５０は、好ましくは、開口１３２ａを画成するブラケット１４０の壁に益々ぴ ったりと嵌着し且つシールするようにテーパしている。別の態様では、雌コネク タ１００は、ヘッド２５０と開口１３２ａとの間に液密シールを提供するため、 Ｏ−リングを含むのがよい。 上述の実施例のうちの任意の実施例のコネクタ・アッセンブリは、湿潤連結又 は乾燥連結のいずれにも使用できるが、好ましくは、乾燥連結を形成するのに使 用される。湿潤連結は、雄コネクタ１００及び雌コネクタ２００の一方又は両方 に液体が存在する状態でこれらのコネクタ１００、２００を接合する連結である 。乾燥連結は、コネクタ１００、２００内に液体がない状態でこれらのコネクタ １００、２００を接合し、コネクタ１００、２００の接合後にこれらのコネクタ １００、２００を通る流体流れを生じる連結である。 乾燥連結には様々な方法がある。例えば、流体源からコネクタ１００、２００ への流体流れをコネクタ１００、２００の接合前に遮断し、コネクタ１００、２ ００の接合後に流路を開放する流体遮断機構を使用できる。この流体遮断機構は 、コネクタ１００、２００への流体流れを遮断したり開放したりできる任意の装 置であるのがよい。流体遮断機構は、コネクタ１００、２００と作動的に関連し ており、コネクタ１００、２００と流体源との間に配置されており、或いは、流 体源と作動的に関連している。コネクタ１００、２００の一方だけが流体源に連 結されている場合には、使用される流体遮断機構は一つだけでよい。他方、両コ ネクタ１００、２００が流体源に連結されている場合には、二つの流体遮断機構 を使用するのがよい。 乾燥連結についての好ましい構成を第１５図に示す。この構成では、流体遮断 機構７１０、７２０は、雄コネクタ１００及び雌コネクタ２００の各々に取り付 けられたチューブ１０、２０と関連している。流体遮断機構７１０、７２０は、 好ましくは、雄コネクタ１００及び雌コネクタ２００から短い距離、例えば約１ ２．７ｃｍ（約５インチ）内又はそれ以上のところに配置される。流体遮断機構 ７１０、７２０は、コネクタ１００、２００への流体流れを選択的に開放し遮断 できる任意の装置、例えばバルブ、又はチューブ１０、２０の外側に取り付けら れており、これらのチューブ１０、２０を摘んで閉鎖するクランブである。更に 好ましくは、流体遮断機構７１０、７２０は、チューブ１０、２０の内部に配置 された容易に破壊できるブレークアウェイ型の機構である。このブレータアウェ イ型機構は、通常は流体流れを遮断する。しかしながら、オペレータが摘んだり 曲げたりする操作を行うと、機構の一部が移動し、例えば壊れ、流体を機構に流 すことができるようになる。ブレークアウェイ型機構は、米国特許第４，５８６ ，９２８号に開示されている。同特許に触れたことにより、その特許に開示され ている内容は、本明細書中に組み込まれたものとする。 雄コネクタ１００及び雌コネクタ２００の好ましい接合方法では、流体遮断機 構７１０、７２０は、これらの機構７１０、７２０を通過してコネクタ１００、 ２００に流れる流体がないように構成されている。従って、雄コネクタ１００に も雌コネクタ２００にも、接合時には液体が入っていない。コネクタ１００、２ ００は上文中に説明したように接合され、これらのコネクタは雌継手１００の開 口１３２内に固定的に挿入されたステム２１０のヘッド２５０と互いに係止する 。次いで、流体遮断機構７１０、７２０を開放し、流体がコネクタ・アッセンブ リを通って流れることができるようにする。 最も実際的で、且つ、好ましいと考えられる実施例を示し、且つ、説明したが 、当業者には、説明し且つ図示した特定の方法及び設計からの逸脱が明らかであ り、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用できる。これらの変形例の 多くの例のうちの一つは、取り外し不能で貫通可能な膜層がシーリング部材の一 方又は両方の内部に亘って延びるコネクタ・アッセンブリである。次いで、ステ ムは、ステムが雌継手内に軸線方向に移動するときに膜層を貫通する貫通部材を 含む。従って、本発明は、説明し且つ図示した特定の特徴に限定されず、添付の 請求の範囲の範疇の全ての変形及び変更を含むものと解釈されるべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 デルジャッコ，ジェラルド・アール アメリカ合衆国ニューヨーク州10705，ヨ ンカーズ，ティベッツ・ロード 196 (72)発明者 フラノヴィック，ムラデン アメリカ合衆国コネチカット州06807，コ ス・コブ，フーカー・レイン 15

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．開口を有する第１継手と、 第２の開口を有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 前記第１及び第２の継手のうちの一方に協働するように構成され、側壁を有す る、ソケットと、 前記ソケット内に配置され、且つ、前記ソケットの前記側壁に接触する第１部 分と前記ソケットの前記側壁から離間した第２部分とを有する、弾性シーリング 部材と、 ヘッドを有し、前記ソケットと弾性シーリング部材とを通って前記第２継手の 前記開口内に軸線方向に移動可能で、且つ、前記第１継手内に配置された、ステ ムと、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ２．開口を有する第１継手と、 開口を有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 前記第１及び第２の継手のうちの一方に協働するように構成された、ソケット と、 前記ソケット内に配置され、且つ、第１部分と前記第１部分よりも薄壁の第２ 部分とを有する、弾性シーリング部材と、 ヘッドを有し、前記ソケットと弾性シーリング部材とを通って前記第２継手の 前記開口内に軸線方向に移動可能で、且つ、前記第１継手内に配置された、ステ ムと、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ３．開口を有する第１継手と、 開口を有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 前記第１継手に配置されたステムと、 開放端を有し、且つ、前記第１及び第２の継手のうちの一方と協働するように 構成された、ソケットと、 前記ソケット内に配置された弾性シーリング部材と、 前記ソケットの前記開放端に接合されたシーリング層と、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ４．開口を有する第１継手と、 開口を有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 連続した円筒形の側壁を備え、且つ、前記第１及び第２の継手のうちの一方と 協働するように構成された、ソケットと、 前記ソケット内に配置された弾性シーリング部材と、 前記弾性シーリング部材を覆うシーリング層と、 ヘッドを備え、前記ソケットと弾性シーリング部材とを通って前記第２継手の 前記開口内に軸線方向に移動可能で、且つ、前記第１継手内に配置された、ステ ムと、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ５．開口を有する第１継手と、 開口を有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 前記第１継手の前記開口のところで前記第１継手に連結された、第１弾性シー リング部材と、 前記第２継手の前記開口のところで前記第２継手に連結された、第２弾性シー リング部材と、 前記第１及び第２の弾性シーリング部材間に配置されたシーリング層と、 前記第１継手内に配置されたステムと、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ６．開口を有する第１継手と、 開口を有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 ヘッドを備え、前記第１継手の前記開口を通って前記第２継手の前記開口内に 軸線方向に移動可能で、且つ、前記第１継手の前記開口内に配置された、ステム と、 前記ヘッドが前記第１継手の前記開口を通って移動しないように、前記第１継 手と前記ステムとの間に配置された軸線方向に延在する部材を有する、変形可能 な係止装置と、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ７．開口と基端とを有する第１継手と、 開口と基端とを有し、且つ、前記第１継手に連結可能な、第２継手と、 第１及び第２の継手のうちの一方の基端に関して作動し、これによって、前記 第１及び第２の継手のうちの一方の基端を保護する、第１キャップと、 ヘッドを備え、前記第１継手の前記開口を通って前記第２継手の前記開口内に 軸線方向に移動可能で、且つ、前記第１継手内に配置された、ステムと、 を有することを特徴とする、コネクタ・アッセンブリ。 ８．第１及び第２の継手のうちの他方の基端に関して作動し、これによって、前 記第１及び第２の継手のうちの他方の基端を保護する、第２キャップを更に有す る、請求項７に記載のコネクタ・アッセンブリ。 ９．流体システム又は装置において、 （ａ）請求項１乃至８のうちのいずれか一項に記載のコネクタ・アッセンブリと 、 （ｂ）第１及び第２の継手のうちの一方に連結された流体容器又は導管と、 を有することを特徴とする、流体システム又は装置。 １０．前記導管は、前記容器を前記第１及び第２の継手のうちの一方に連結する 、請求項９に記載の流体システム又は装置。 １１．前記導管は、可撓性プラスチッタチューブを含む、請求項９又は８に記載 の流体システム又は装置。 １２．前記導管及び前記第１及び第２の継手の一方が一体形態を構成する、請求 項９、１０、又は１１に記載の流体システム又は装置。 １３．前記容器は、前記チューブに連結された付属品を含む、請求項９乃至１２ のうちのいずれか一項に記載の流体システム又は装置。 １４．前記付属品は、トランスファーレッグ閉鎖体を含む、請求項１３に記載の 流体システム又は装置。 １５．前記容器及び前記第１及び第２の継手の一方が一体形態を構成する、請求 項９に記載の流体システム又は装置。 １６．前記容器は、前記第１及び第２の継手の一方に直接連結された付属品を有 する、請求項９乃至１５のうちのいずれか一項に記載の流体システム又は装置。 １７．前記容器は、前記第１及び第２の継手の一方が直接連結された壁を有する 、請求項９に記載の流体システム又は装置。 １８．前記ステムは、前記容器の壁を貫通可能な、請求項１７に記載の流体シス テム又は装置。 １９．前記第１及び第２の継手の一方が前記容器内に延在する、請求項９及び１ ５乃至１８のうちのいずれか一項に記載の流体システム又は装置。 ２０．前記第１及び第２のコネクタの一方に流れる流体を開放し、遮断すること ができる、流体遮断機構を更に有する、請求項９乃至１９のうちのいずれか一項 に記載の流体システム又は装置。 ２１．開口を有する第１継手と、開口を有する第２継手とを、前記第１及び第２ の継手内に流体が存在しない状態で、噛み合わせる工程と、 ヘッドを有するステムを、前記第１継手の前記開口を通して前記第２継手の前 記開口内に前進させることによって、前記第１及び第２継手を通る流体流路を形 成する工程と、 流体遮断機構を開放することによって、前記第１及び第２の継手を通る流体流 れを形成する工程と、 を有することを特徴とする、連結方法。 ２２．開口をそれぞれ有する第１継手と第２継手のうちの一方の基端に関して作 動するキャップを、取り外す工程と、 前記第１継手と前記第２継手とを噛み合わせる工程と、 前記第１及び第２の継手の前記開口をそれぞれ覆うストリップ・アウト層を、 取り外す工程と、 ヘッドを有するステムを、前記第１継手の前記開口を通して前記第２継手の前 記開口内に前進させることによって、前記第１及び第２の継手を通る流体流路を 形成する工程と、 を有することを特徴とする、連結方法。 ２３．前記第１継手と前記第２継手のうちの他方の基端に関して動作するキャッ プを、取り外す工程を更に有する、請求項２２に記載の連結方法。