JP2002509871A

JP2002509871A - 発毛促進用局所用液剤及びその製法

Info

Publication number: JP2002509871A
Application number: JP2000540806A
Authority: JP
Inventors: ヒュオスクパク
Original assignee: ヒュオスクパク
Priority date: 1998-04-01
Filing date: 1998-07-31
Publication date: 2002-04-02
Also published as: WO1999049839A1; DE69821654D1; KR19990079115A; DE69821654T2; CN1292673A; EP1066015B1; US20030113287A1; HK1036590A1; EP1066015A1; CA2326625A1; CA2326625C; CN1141930C; KR100259037B1

Abstract

(57)【要約】【課題】発毛促進及び脱毛防止効果に優れ、副作用がない発毛促進用局所用液剤を提供すること。【解決手段】半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁の抽出物を有効成分として含む発毛促進用局所用液剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、発毛促進及び脱毛防止の効果に優れ、副作用のない生薬成分を含む
発毛促進用局所用液剤に関するものである。より詳細には、半夏、丁香、覆盆子
、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁の粉末混合物を、油及びエタノールのそれぞれ
に浸漬し、一定期間熟成させて得られる抽出物を含有することを特徴とする発毛
促進用局所用液剤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般的に、脱毛症とは毛髪が脱落して透いたり、消失したりした状態であり、
禿髪症あるいは禿頭症ともいう。代表的な脱毛症の例としては円形脱毛症が挙げ
られる。毛髪は大概寿命があり、絶え間なく抜けた後に新たに生えてくるので、
１日に70〜80本ほどの脱毛は生理的なものであるといわれている。異常に多く抜
けたり、毛が疎らになったり、部分的に多くの毛が脱落して禿頭になることを脱
毛症という。重症の脱毛症になれば全身病の１つである場合もあるので、皮膚科
の診療を受けなければならない。このような脱毛症の原因としては、普通遺伝性の原因になる先天性脱毛症とそ
の他の環境の影響を受ける後天性脱毛症にわけられている。現在、直接的な原因
としては、過度なストレスや頭皮筋肉の緊張、男性ホルモンであるアンドロゲン
の過剰分泌(相対的に女性ホルモンの分泌減少)、脂漏性皮膚炎及びアトピー性体
質、物理的な刺激等が挙げられる。特に、過度の脂肪摂取及び公害等が主要な原
因として知られている。

【０００３】現在、脱毛症の予防及び治療剤として万病草抽出物を有効成分とする方法(大韓民国特許公開第91-106号)、松の葉を抽出物として利用した発毛促進剤(大韓民
国特許公開第96-40346号)、石英斑岩を利用した発毛促進剤(大韓民国特許公開第
90-64号)、また蚕を利用した発毛促進剤(大韓民国特許公開第90-2757号)が開示されている。しかし、上記の発毛促進剤は期待するほど発毛促進及び脱毛防止の効果が発揮
されないので、これに対する改善が要求されている実情である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】

このような研究の一環として、本発明は、各種の生薬成分を油とエタノールの
それぞれに浸漬し、その抽出物を混合して局所用液体を製造することにより発毛
促進及び脱毛防止の効果が優れるばかりでなく、生薬成分であるので人体に副作
用がない発毛促進用局所用液剤を提供することにその目的がある。

【０００５】

【発明の構成及び作用】

本発明は、半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁の抽出物を有
効成分として含む発毛促進用局所用液剤を提供するものである。また、本発明は、100重量部の油と100重量部のエタノールのそれぞれに、半夏
、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁を含む20〜40重量部の粉末を浸
漬し、5〜10日間熟成して得られた油抽出物及びエタノール抽出物を1:10~15の重
量比で混合することを特徴とする発毛促進用局所用液剤の製造方法を含む。

【０００６】本発明をさらに詳細に説明すれば次のとおりである。本発明は、油及びエタノールのそれぞれに、半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊
子、丹参及び柏子仁を浸漬して得られた抽出物の混合物を有効成分として含有す
る発毛促進用局所用液剤に関するものである。本発明は、先ず生薬成分である半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び
柏子仁を粉末形態として製造する。上記の生薬成分に対して詳細に説明する。

【０００７】半夏(Pinelliae Rhizoma)は、からすびしゃく[Pinellia ternate Breitenbach
(天南星科 Araceae)]のコルク層を除去した塊茎である。半夏は韓国全土に分布
し、夏と秋に採取して日干しにしたものを生半夏、明礬で調製したものを清半夏
、生姜と明礬で調製したものを薑半夏という。また、明礬、石灰、甘草及び生姜
を加えて包製したものを法半夏、薑半夏を粉として小麦粉、赤小豆及び杏仁等を
入れて麹として製造したものを半夏麹という。さらに、半夏は湿気を乾燥し、痰
を除去し、嘔吐を防止する等の効能を有するが、臨床では主に3〜10g/日の用量として適当量の軟練粗製薬として局所用に使用する。

【０００８】他の生薬成分である丁香(carophylli Flos)は、丁香[Eugenia caryophyllata
Thumb (丁香科 Myrtaceae)]のつぼみを利用し、中国では慣習的に公丁香といわれている。一般的に、丁香はタンザニア、マレーシア、インドネシアのような地
域で主に生産され、中国の広東でも栽培される。普通９月から翌年３月の間、つ
ぼみが緑色から赤色に変わる時にこれを摘み取って花梗等を除去し、日干したも
のをそのまま使用する。丁香は解熱作用、解毒作用等の効能を有するが、臨床で
は１〜３gの用量として使用する。また、他の生薬成分として使用される覆盆子(Rubi Fructus)は覆盆子苺[Rubis
coreanus Miq.(薔薇科 Rosaceae)]の未成熟の実である。夏に未成熟の実を採取
して沸騰水に入れ、日干したものを使用する。覆盆子は補腎固精、縮尿止遺等の効能を有するが、臨床では3〜10gの用量として使用する。

【０００９】山椒(Zanthoxyli Fructus)は草皮(Zanthoxylum piperitum D.C.)、あるいはそ
の他の同属近縁植物(山椒科 Rutaceae)の果皮である。この果皮から種子を除去したものであり、秋に成熟した実を採り入れ、日干したものをそのまま使用した
り、抽出したりして使用する。一般的に、山椒は鎮痛作用、駆虫作用、咳止め作
用、喘息止め作用等の効能を有するが、臨床では3〜６gの用量で局所用として使
用される。

【００１０】蔓荊子(Viticis Fructus)は、蔓ごう[Vitex rotundifolia L. fil.(馬鞭草科
Verbenaceae)の実である。一般的に、夏に採取して陰干し、又は黄色くなるまで
煎って使用する。蔓荊子は解熱、清利頭目等のような効能を有する。普通、５〜
１０g/日の用量で局所用として使用される。丹参(Salviae Radix)は主に中国の安徽、江蘇、四天で生産されるもので、血液を新鮮にし、鬱血をなくし、血液を冷し、吹き出物を軽減し、心臓の熱を下げ
、被刺激性を和らげる等の効能を有する。普通5~15gを煎じて服用する。最後に、柏子仁(Thujae Semen)は、側柏[Thuja orientalis Linne(側柏科 Cup
ressaceae)]の種子であり、初冬に成熟した時に採取して種皮を除去し、種仁だけを取って日干したものを使用する。普通、韓国と中国の全国各地に分布し、特
に韓国で忠北の堤川と中国の山東、河南、河北が主産地である。上記の薬剤は滋
養物として優れ、肝臓の働きを良くする効能を有する。一般的に10〜20gを服用する。

【００１１】本発明は、上記７種の生薬成分を、先ずビードミル(bead mill)により80〜100
メッシュ(mesh)の範囲の粉末にした後、100重量部の油と100重量部のエタノール
のそれぞれに上記の生薬成分を含む20〜40重量部の粉末を浸漬し、5〜10日間充分に熟成することを特徴とする。この際、上記の生薬成分の総含量を、100重量部の油と100重量部のエタノール
のそれぞれに対して20〜40重量部とする。その理由は、これらの含量が20重量部
未満であれば生薬の抽出効能が減少し、40重量部を超えても薬効の向上は期待さ
れず、非経済的となるからである。

【００１２】上記の各生薬成分の混合比は、全抽出物に対して1：10の範囲とすることが望ましい。それぞれ同一の重量で混合することも望ましい。この時に、油は通常の
方法により製造した胡麻油、荏胡麻油及び柏子仁油の中から選ばれた１種以上の
植物油を混合することが望ましい。特に、50重量%の胡麻油、20重量%の荏胡麻油
及び30重量%の柏子仁油を混合することが最も望ましい。本発明の局所用溶液は、上記した方法により有効成分として抽出した油抽出物
とエタノール抽出物を1:10〜15の混合比で混合することにより製造される。

【００１３】油抽出では、揮発性である丁香と山椒のような成分が抽出され、エタノール抽
出では、半夏、覆盆子、蔓荊子、丹参及び柏子仁のような成分が抽出される。こ
れらの抽出物の混合物である発毛促進用局所用液剤は発毛促進及び脱毛防止の効
果が優れるばかりでなく、生薬成分であるので人体に副作用がない本発明の製剤は局所用として使用される液体形態であり、その使用が非常に便
利である。また、本発明の製剤は、１日当たり1,000〜3,000 mg適用することが望ましい。1〜3ccの用量を1日１〜２回、皮膚に塗布することが最も望ましい。本発明を次の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに
限定されるものではない。

【００１４】実施例半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁を、それぞれ80〜100メッシュの大きさで粉末化した後、それぞれの同じ量を取って攪拌機内で均一に混
合した。このように混合された生薬粉末混合物(30g)を100ccの植物油(50重量%の
胡麻油、20重量%の荏胡麻油及び30重量%の柏子仁油の混合物)に７日間浸漬した。これとは別に、上記と同様に、生薬粉末混合物(30g)を100ccのエタノールに７
日間浸漬した。つづいて、５重量%の油抽出物、55重量%のエタノール抽出物及び
40重量%の精製水を攪拌機内で充分に混合して局所用液剤を製造した。

【００１５】実験例１：薬物服用及び放射能治療による脱毛部位に適用した場合上記の実施例で製造した発毛促進用局所用液剤を、薬物投与及び／又は放射能
被爆による10人の脱毛患者を対象とし、その脱毛部位にそれぞれ１日２回、3cc ずつ６か月にわたって適用した。その結果、８人の脱毛患者から毛根が新たに生
え、極めて優れた発毛効果を発揮することが認められた。

【００１６】比較実験例１：薬物服用及び放射能治療による脱毛部位に適用した場合現在、国内で市販されている発毛剤は、頭皮毛根周囲の血流を改善させて治療
する製品である。これらの製品としては、米国の食品医薬庁(FDA)により1979年に発毛促進剤として市販許可されたたミノキシジル製剤が挙げられ、国内ではボ
ルジュミン(中外製薬)、モキシジル(韓美薬品)、ミノキシジル(現代薬品)、ドッ
タモ(太平洋製薬)、グロビス(京仁製薬)と中国の101（華佗生髮精が販売している）が挙げられる。上記の製品を同じ条件下で、薬物投与及び／又は放射能被爆
による10人の脱毛患者を対象とし、その脱毛部位に適用したが、治療効果は認め
られなかった。

【００１７】実験例２：アトピー性皮膚炎による脱毛部位に適用した場合一般的に、アトピー性体質の人々はアトピー性皮膚炎ばかりでなく、アトピー
性脱毛症も発病しやすい特性を有している。上記の実験例１と同一条件下、上記
の実施例で製造した局所用液剤をアトピー性皮膚炎による脱毛部位に適用した。
その結果、本発明の局所用液剤は、アトピー性皮膚炎の治療に有効であるばかり
でなく、新たな毛嚢が着根する効果が認められた。

【００１８】比較実験例２：アトピー性皮膚炎による脱毛部位に適用した場合上記の比較実験例１で使用した発毛剤を、上記の実験例１と同一の条件下、ア
トピー性皮膚炎による脱毛部位に適用した。その結果、アトピー性皮膚炎の治療
効果は認められなかった。

【００１９】実験例３：円形脱毛症による脱毛部位に適用した場合上記の実験例１と同一の条件下、円形脱毛症による脱毛部位に上記の実施例で
製造した局所用液剤を適用した。その結果、肉眼による観察でも顕著な治療効果
が認められた。

【００２０】比較実験例３：円形脱毛症による脱毛部位に適用した場合上記の比較実験例１で使用した発毛剤を、上記の実験例１と同一の条件下、円
形脱毛症による脱毛部位に適用した。その結果、上記の発毛剤は、肉眼による観
察でも円形脱毛症に対して治療効果は全く認められなかった。

【００２１】実験例４：皮膚毒性試験本発明の発毛促進用局所用液剤は、半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参
及び柏子仁のような漢方生薬成分を含むものであり、副作用及び毒性は全く認め
られなかった。

【００２２】

【発明の効果】

上に述べた実験結果は、本発明の発毛促進用局所用液剤を患者の皮膚に適用し
て15日後に、脱毛現象が著しく低減したことを示している。また、薬物投与及び
／又は放射能治療による副作用で脱毛した部位に優れた効果があった。アトピー性皮膚炎による脱毛部位に適用すると、アトピー性皮膚炎を治療するばかりで
なく、アトピー性脱毛現象も防止されることが認められた。また、円形脱毛症に
よる脱毛部位に適用しても極めて有効であることが認められた。さらに、本発明の発毛促進用局所用液剤は生薬成分を有効成分として使用する
ので、その使用による副作用が殆どないという長所をもつ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】半夏、丁香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁の抽出物を
有効成分として含むことを特徴とする発毛促進用局所用液剤。
【請求項２】上記の有効成分が、それぞれ同一の重量比で含まれていることを
特徴とする請求項１記載の発毛促進用局所用液剤。
【請求項３】上記の有効成分を含む、油抽出物及びエタノール抽出物が、1:10
〜15の重量比で混合されていることを特徴とする請求項１又は２記載の発毛促進
用局所用液剤。
【請求項４】上記の油抽出物の油成分の１種又は２種以上が、胡麻油、荏胡麻
油及び柏子仁油の中から選ばれたものであることを特徴とする請求項３記載の発
毛促進用局所用液剤。
【請求項５】 100重量部の油と100重量部のエタノールのそれぞれに、半夏、丁
香、覆盆子、山椒、蔓荊子、丹参及び柏子仁を含む20〜40重量部の粉末を浸漬し
、5〜10日間熟成した後、1:10〜15の重量比で混合することを特徴とする発毛促進用局所用液剤の製造方法。
【請求項６】上記の有効成分が、同一の重量比で含まれていることを特徴とす
る請求項５記載の発毛促進用局所用液剤の製造方法。