JP2002508941A - 哺乳動物ナトリウムチャンネル蛋白質 - Google Patents

哺乳動物ナトリウムチャンネル蛋白質

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JP2002508941A JP2000536853A JP2000536853A JP2002508941A JP 2002508941 A JP2002508941 A JP 2002508941A JP 2000536853 A JP2000536853 A JP 2000536853A JP 2000536853 A JP2000536853 A JP 2000536853A JP 2002508941 A JP2002508941 A JP 2002508941A
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ヒック、キャロライン・アン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、感覚ニューロン特異的2a(SNS2a)という哺乳動物感覚ニューロンの小直径サブユニットで特異的に見出される電圧依存性ナトリウムイオンチャンネルに関する。それをコードするヌクレオチド、それを含有するベクターおよび宿主細胞も特許請求され、疼痛の軽減および/または過敏症病理の治療で使用できるモジュレーターを同定するための該チャンネルをスクリーニングする方法も含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、新規電圧依存性ナトリウムイオンチャンネル(ここに、「ナトリウ
ムチャンネル」という)、それをコードするヌクレオチド、それを含有するベク
ターおよび宿主ならびに疼痛の軽減のために該チャンネルのモジュレーターにつ
きスクリーニングする方法および過敏病理での使用に関する。
【0002】
【発明の背景】
電圧依存性ナトリウムチャンネルは活動電位の上昇期を担い、それ自体、興奮
性組織において電気的活性を媒介する鍵を演じる。ナトリウムチャンネルは膜の
脱分極に応答して活性化される。これは、休止する閉じた立体配座からの活性立
体配座へのチャンネルの電圧依存性立体配座変化を引き起こし、その結果はナト
リウムイオンに対する膜透過性を増大させる(1.2)。
【0003】 電圧依存性ナトリウムチャンネルは1または2のより小さなベータ(b)サブ
ユニット(b1およびb2)と通常は会合した大きな(230−270kDa)
高度にグリコシル化されたアルファ(α)サブユニットよりなるマルチ−サブユ
ニット複合体を含む(3)。電圧依存性ナトリウムチャンネルのアルファサブユ
ニットは近年増殖された大きなマルチジーンファミリーを形成し、少なくとも9
つの異なる遺伝子が今日哺乳動物で同定されている(4−10)。このアルファ
サブユニットは4つの相同ドメイン(DI−IV)よりなり、各々は、ポア形成
領域をなす6つの可能なα−らせん膜貫通セグメント(SI−S6)を含有する
。該チャンネルの機能に臨界的なドメインは電圧依存性ナトリウムチャンネルの
ファミリーを通じて高度に保存されている。これらはS4電圧センサー、該チャ
ンネルの不活化に関与するドメインIIIおよびIVの間のループおよびチャン
ネルの前庭およびイオン選択性を担う膜貫通領域S5およびS6の間の細胞外ル
ープのSS1およびSS2セグメントを含む(11−13)。bサブユニットは
ゲーティングの活性化および不活化の間にナトリウムチャンネルの動力学を変更
する役割を有するようである。bサブユニットの発現はピーク電流の増加および
膜へサブユニットを運ぶ役割に関連付けられてきた(14−17)。
【0004】 電圧依存性ナトリウムチャンネルのほとんどの優れたブロッカーはフグ毒、テト
ロドトキシン(TTX)である。ほとんどの電圧依存性ナトリウムチャンネルは
低いナノモル濃度のTTXによって阻害されるが、マイクロモル濃度のTTXに
よってのみ阻害される2つのチャンネルがある。これらは主要な心臓チャンネル
(h1またはSKM2)および感覚ニューロン特異的チャンネル(SNS/PN
3)である(3、6.7)。
【0005】 哺乳動物神経節後根(DRG)細胞の感覚ニューロンは感覚情報を末梢から中
枢神経系に伝達し、伝達依存性ナトリウム電流の少なくとも3つの区別される動
力学タイプを発現することが知られている。小さな直径のニューロンは迅速に不
活化する、速いTTX−感受性電流および遅く活性化し不活化するTTX−抵抗
性ナトリウム電流を共発現する。より大きな直径の細胞は中程度の活性化および
不活化動力学を有するTTX−感受性ナトリウム電流のみを発現する(19−2
0)。この電気生理学的分析は、今日、分子分布研究によって裏付けられており
、これは、負傷に応答しておよび炎症メディエーターへの暴露に際して、発生の
間に変化できるDRGニューロンにおける電圧依存性ナトリウムチャンネルの動
的発現があることを示唆する(21−24)。小さな直径のニューロンはミエリ
ン化されず、疼痛インパルスの伝達に関与し、これらはいわゆるc−繊維または
侵害受容ニューロンである(25)。
【0006】 最近の実験的証拠はナトリウム電流を炎症および神経障害起源双方の慢性疼痛
および過敏病理と関連付けた。例えば、小さな直径の侵害受容ニューロンにおい
ては、プロスタグランジンE2(PGE2)およびセロトニンのごとき痛覚過敏
剤はTTX抵抗性ナトリウム電流を増強し、不活化についての閾値を減少させる
(26−28)。ニューロン負傷はナトリウムチャンネル発現および分布の劇的
変化を生じ、例えば、病巣軸索の神経腫におけるTTX−感受性ナトリウムチャ
ンネルの蓄積は異所性放電の形成を担うと考えられている(29、30)。各場
合において、ニューロンの過剰興奮性の結果、その感受性化状態が誘導され維持
されるのに寄与するようである。それは、感覚ニューロンにおける電圧依存性ナ
トリウムチャンネルが新規な鎮痛剤および抗−過敏症剤の開発のための高度に制
御でき魅力的な標的を提供できるということになる。
【0007】 この仮定は、各々がナトリウムチャンネルブロッキング活性を持つ麻酔、抗痙
攣および抗不整脈薬物が痛覚脱失を生じ得るという観察によって支持される。例
えば、リグノカインおよびブピボカインのサブ麻酔用量はヒトにおいて疼痛閾値
を上昇させることが認識されている(31、32)。加えて、抗痙攣剤、フィニ
トイン、カルバマゼピンおよびクラスIa抗不整脈剤メキシリテンは神経障害疼
痛で臨床的に使用される(33−35)。抗痙攣剤ラモトリジンもまた弱く鎮痛
性である(36)。
【0008】
【発明の概要】
本発明は哺乳動物感覚ニューロンの小直径サブユニットで特異的に見出された
新規電圧依存性ナトリウムチャンネルを提供する。この新規なチャンネルは感覚
ニューロン特異的2a(SNS2a)と呼ばれるであろう。以後「SNS2a
と呼ぶ用語は主としてラットSNS2aを意味するが、また該チャンネルのヒト
形態もいうことができる。
【0009】 SNS2aラットcDNAのヌクレオチド配列分析(配列番号:1)は176
5アミノ酸蛋白質をコードする5298bpオープンリーディングフレームを明
らかにする(配列番号:2)。この推定蛋白質配列は電圧依存性ナトリウムチャ
ンネル遺伝子ファミリーに関連する特徴的特徴の多くを共有し、例えば、SNS
2aは、各々が6つの推定膜にわたるセグメントを含む4つの相同反復ドメイン
を含有する。セリン残基(S−355)はTTX感受性に臨界的な部位に見出さ
れ、SNS/PN3での実験に基づき、この残基はクローンSNS2aにTTX
抵抗性を付与するはずである(37)。第1および第2反復ドメインを結合する
予測された第1細胞内ループ領域は、SNS/PN3、心臓チャンネルおよび脳
チャンネルを含めた他の電圧依存性ナトリウムチャンネルの多くにおいて対応す
る領域よりもかなり短い。電圧依存性ナトリウムチャンネル遺伝子ファミリーの
他のメンバーに対するSNS2aのコンピューター生成整列は、このイオンチャ
ンネルが今日同定されているチャンネルのいずれとも区別されることを示す。
【0010】 従って、本発明の1つの態様は配列番号:2に記載された単離された哺乳動物
感覚ニューロンナトリウムチャンネル蛋白質を提供する。好ましくは、本発明の
該ナトリウムチャンネルは神経節後根のニューロンで見出される。該ナトリウム
チャンネル蛋白質はいずれの哺乳動物種、例えばラットまたはヒトからの得るこ
とができる。
【0011】 ナトリウムチャンネルSNS2aの変異体は本発明に含まれる。かかる変異体
は断片、アナログ、誘導体およびスライス変異体を含む。用語「変異体」とは、
SNS2aと同一の生物学的機能または活性を実質的に保持する蛋白質または蛋
白質の一部をいう。
【0012】 断片は例えばスクリーニングにおいて効果的な元の蛋白質の十分な同一性を保
持するSNS2aの一部を含む。かかる断片は全長蛋白質の同定のために後に記
載するもののごときプローブであり得る。断片は他のアミノ酸または蛋白質に融
合させることができる(いわゆる「融合」蛋白質)か、あるいはより大きな蛋白
質内に含ませることができる。かかる断片は宿主での発現のために設計された前
駆体蛋白質内に含ませることができる。従って、1つの態様において、用語断片
はSNS2aに由来する融合蛋白質またはポリペプチドの一部または複数の一部
を意味する。
【0013】 また、断片は蛋白質の構造的または機能的属性によって特徴付けられるSNS
2aの一部も含む。これらは同様のまたは改良された化学的または生物学的活性
あるいは減少した副作用活性を有し得る。例えば、断片はアルファらせんまたは
アルファ−らせん形成領域、ベータシートおよびベーターシート形成領域、ター
ンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル−形成領域、親水性領域、疎水性
領域、両親媒性領域(アルファまたはベータ)、柔軟性領域、表面−形成領域、
基質結合領域および高抗原性指標の領域を含み得る。
【0014】 断片または一部はペプチド合成によって対応する全長蛋白質を生産するのに使
用することができる。
【0015】 誘導体は天然に生じる対立遺伝子変異体を含む。対立遺伝子変異体は当該蛋白
質の機能を改変しない1以上のアミノ酸の置換、欠失、挿入、転位または付加を
有し得る蛋白質配列の別の形態である。また、誘導体は、多数のアミノ酸が置換
、欠失または付加された非天然蛋白質または断片でもあり得る。SNS2aに対
して少なくとも70%の同一性を有する蛋白質または断片は本発明に含まれる。
好ましくは、同一性は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、な
おより好ましくは少なくともまたは95%を超える同一性、例えば、SNS2a
に対して97%、98%または99%同一性である。
【0016】 アナログは限定されるものではないが活性成熟蛋白質またはポリエチレングリ
コールまたはリーダー/分泌配列のごとき化合物との融合を生じさせて精製を助
ける前駆体蛋白質の切断によって達成することができる前駆体蛋白質を含む。
【0017】 スプライス変異体はコーディング領域内に付加または欠失を含有する、mRN
Aの別のスプライシングによって生じた、同一遺伝子の蛋白質産物である(Le
win N(1995)Genes V Oxford University Press,Oxford,イングランド)。本発明は天然に生じ、ナトリウ
ムチャンネルの活性化閾値を変化させるにおいて役割を演じ得るSNS2aナト
リウムチャンネルのスプライス変異体を提供する。
【0018】 本発明の蛋白質または変異体は組換え蛋白質、天然蛋白質または合成蛋白質、
好ましくは組換え蛋白質であり得る。
【0019】 本発明のさらなる態様は、前記した哺乳動物ナトリウムチャンネルをコードす
る単離されたおよび/または精製されたヌクレオチド配列、例えば、DNAまた
はRNAまたはその変異体を提供する。また、アンチセンスヌクレオチドまたは
相補的ストランドも本発明に含まれる。
【0020】 好ましくは、ヌクレオチド配列はラットまたはトナトリウムチャンネルをコー
ドする。ヌクレオチド配列は配列番号:1に示されたヌクレオチド配列のコーデ
ィング部分の配列を含み得る。
【0021】 本発明のナトリウムチャンネルをコードするヌクレオチド配列は哺乳動物感覚
ニューロン、好ましくは神経節後根に由来するcDNAまたはゲノムライブラリ
ーに由来し得る。
【0022】 ヌクレオチド配列は、ラットまたはヒトナトリウムチャンネル配列に由来する
プローブでスクリーニングすることによって、あるいは例えばラットまたはヒト
ナトリウムチャンネル配列および/または公知の電圧依存性ナトリウムチャンネ
ルの比較的保存された領域に由来するまたはそれに基づいて設計された適当なオ
リゴヌクレオチドプライマーでゲノムDNAに対して、ポリマー鎖反応(PCR
)のごとき当該分野で知られた他の方法によって哺乳動物細胞(好ましくは、ヒ
ト細胞)から単離することができる。細菌人工染色体ライブラリー(BAC)は
スクリーニング目的でラットまたはヒトDNAを用いて生成させることができる
【0023】 本発明のヌクレオチド配列はRNA形態、あるいはそのDNAがcDNA、ゲ
ノムDNAおよび合成DNAを含むDNAの形態であってもよい。DNAは二本
鎖または一本鎖であってよく、もし一本鎖であれば、コーディングストランドま
たは非コーディング(アンチセンス)ストランドでよい。ナトリウムチャンネル
またはその変異体をコードするコーディング配列は配列番号:1に記載されたコ
ーディング配列と同一であってよく:あるいは遺伝暗号の縮重の結果、そこに記
載された配列と同一の蛋白質をコードする異なるコーディング配列であってもよ
い。
【0024】 SNS2aナトリウムチャンネルをコードするヌクレオチド配列は、全長蛋白
質のためのコーディング配列またはそのいずれかの変異体;全長蛋白質のための
コーディング配列またはそのいずれかの変異体およびリーダーまたは分泌配列ま
たはプロ配列のごときさらなるコーディング配列:全長蛋白質のためのコーディ
ング配列またはその変異体(および所望によりさらなるコーディング配列)なら
びにイントロンまたは全長蛋白質のためのコーディング配列の5’および/3’
側の非コーディング配列を含み得る。
【0025】 また、本発明は、SNS2aをコードするヌクレオチド変異体、アナログおよ
び断片を提供する。好ましくは、SNS2aに対してその全長にわたり少なくと
も70%の同一性を有するヌクレオチドが含まれる。より好ましいものはSNS
2aに対してその全長にわたり少なくとも80%の同一性を有する配列であるる
なおより好ましいものは、SNS2aに対しその全長にわたり少なくとも90%
、例えば、95%、97%、98%または99%の同一性を示すポリヌクレオチ
ドである。
【0026】 また、本発明は、SNS2aナトリウムチャンネル蛋白質またはその変異体の
ヌクレオチド配列から構築されたヌクレオチドプローブに関する。かかるプロー
ブはSNS2aナトリウムチャンネルをコードするヌクレオチド配列を単離する
ために神経節後根cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするのに
利用することができる。ヌクレオチドプローブはSNS2aナトリウムチャンネ
ルの発現を検出し、または実施例に記載されたごとくに例えば蛍光イン・サイチ
ュハイブリダイゼーション(FISH)を用いて染色体上の存在を突き止めるた
めのアッセイにおいてmRNAまたはDNAとハイブリダイズさせるのに有用な
SNS2aナトリウムチャンネルまたはその変異体のヌクレオチド配列の一部を
含むことができる。
【0027】 また、本発明のヌクレオチド配列は、ヘキサ−ヒスチジンタグまたはヘマトグ
ルチニン(HA)タグのごとき本発明の蛋白質の精製を可能とする、あるいはS
NS2aの効果的ブロックまたはその変調のスクリーニングアッセイでの測定を
可能とするマーカー配列にインフレームで融合したコーディング配列を有し得る
【0028】 SNS2aにあるいはそれに対して相補的なヌクレオチドにハイブリダイズす
るヌクレオチド配列もまた本発明の一部を形成する。時々使用されるストリンジ
ェントハイブリダイゼーション条件の1つの例は試みられたハイブリダイゼーシ
ョンが約0.9モラーである塩溶液を用いて約35℃ないし約65℃の温度で行
われる場合である。しかしながら、当業者であれば、適当にはかかる条件を変化
させてプローブ長さ、塩基組成、存在するイオンのタイプ等のごとき変数を考慮
することができる。
【0029】 本発明のヌクレオチド配列は組換え技術によってSNS2aナトリウムチャン
ネル蛋白質またはその変異体を生産するのに使用することができる。かくして、
例えば、該ヌクレオチド配列は種々の発現ビーイクルまたはクローニングビーイ
クル、特に蛋白質を発現させるためのベクターまたはプラスミドのうちのいずれ
か1つに含ませることができる。かかるベクターは染色体、非染色体および合成
DNA配列を含む。適当なベクターの例は細菌プラスミド:ファージDNA:酵
母プラスミド:プラスミドおよびファージDNAおよびウイルスDNAの組合せ
に由来するベクターを含む。しかしながら、いずれの他のプラスミドまたはベク
ターも、それが宿主で複製可能であり、生きている限り使用することができる。
【0030】 より具体的には、また、本発明は前記したヌクレオチド配列の1以上を含む組
換え構築体も提供する。該構築体は、その中に本発明の配列が順方向または逆方
向に挿入されたプラスミドまたはウイルスベクターのごとき発現ベクターを含む
。この実施形態の好ましい態様において、該構築体は、さらに、例えば、当該配
列に作動可能に連結されたプロモーターを含めた、mRNA合成を指令するため
の1以上の調節配列を含む。適当なプロモーターは:CMV、LTRまたはSV
40プロモーターおよび原核生物または真核生物細胞またはそのウイルスにおい
て遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターを含む。発現ベ
クターはエンハンサーおよび翻訳開始のためのリボソーム結合部位およびターミ
ネーターを含有することができる。
【0031】 非常に多数の適当なベクターおよびプロモーター/エンハンサーが当業者に知
られているが、いずれのプラスミドまたはベクター、プロモーター/エンハンサ
ーもそれが宿主内で複製可能であり機能的である限り使用することができる。
【0032】 原核生物および真核生物で使用される適当なコローニングおよび発現ベクター
は哺乳動物発現ベクター、昆虫発現ベクター、酵母発現ベクター、細菌発現ベク
ターおよびウイルス発現ベクターを含み、これらはSambrookらのMol
ecular Cloning:A Laboratory Manual.第
2版、Cold Spring harbor,NY(1989)に記載されて
いる。好ましいベクターはpBK−CMVである。
【0033】 また、ベクターは発現の選択および/または増幅のための適当な配列を含む。
このため、ベクターは1以上の表現型選択/増幅マーカーを含むであろう。かか
るマーカーもまた当業者によく知られている。
【0034】 さらなる実施形態において、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を発現する
ことができる宿主細胞を提供する。宿主細胞は、例えば、哺乳動物細胞のごとき
高等真核生物細胞または酵母細胞のごちき下等真核生物細胞または細菌細胞のご
とき原核生物細胞であり得る。形質転換のための適当な原核生物宿主はE.co
liを含む。適当な真核生物はHEK293細胞を含む。
【0035】 無細胞翻訳系を使用して、本発明のDNA構築体に由来するRNAを用いてか
かる蛋白質を生産することもできる。
【0036】 硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交
換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィーおよびレクチンク
ロマトグラフィーを含めた、当該分野で知られた方法によって組換え細胞培養か
らSNS2aナトリウムチャンネル蛋白質を回収し、精製する。要すれば、成熟
蛋白質の競合立体配置において、蛋白質再折り畳み工程を使用することができる
。最後に、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程で使用す
ることができる。
【0037】 本発明の蛋白質およびヌクレオチド配列は、好ましくは、単離された形態で提
供される。用語「単離された」は、当該物質が元の環境から取り出されたことを
意味する(例えば、天然に生じるヌクレオチド配列または生きた動物に存在する
蛋白質は単離されないが、それが天然系で共に存在する物質のいくらかまたは全
てから分離された、同ヌクレオチド配列または蛋白質は単離される)。かかるヌ
クレオチド配列はベクターの一部であり得るかおよび/またはかかるヌクレオチ
ド配列または蛋白質は組成物の一部であり得、かかるベクターまたは組成物がそ
の天然環境の一部ではないように依然として単離されている)。また、本発明の
蛋白質およびヌクレオチド配列は、好ましくは、精製された形態で提供され、好
ましくは、少なくとも50%純度、より好ましくは約75%、最も好ましくは9
0%純度または95%、98%純粋のごときそれ以上まで精製される。
【0038】 また、本発明は、SNS2aナトリウムチャンネルにつき特異的な抗体も提供
する。本明細書で用いる用語抗体は全ての免疫グロブリンおよび本発明の蛋白質
の抗原決定基のための認識部位を含有するその断片を含む。本発明の抗体はポリ
クローナルであるか好ましくはモノクローナルであってよく、無傷抗体分子また
は抗体の活性結合領域、例えば、FabまたはF(ab)2を含有する断片であ
ってよい。また、本発明はキメラ一本鎖およびヒト化抗体および非免疫グロブリ
ン分子との融合を含む。当該分野で知られた種々の手法をかかる抗体および断片
の生産で用いることができる。
【0039】 蛋白質、その変異体、特にその断片、誘導体またはアナログ、またはそれを発
現する細胞を、それに対する抗体を生産するための免疫原として用いることがで
きる。SNS2aナトリウムチャンネルに対して生成する抗体を、動物、好まし
くは非ヒト哺乳動物へのポリペプチドの直接的注入によって得ることができる。
次いで、かく得られた抗体は蛋白質それ自体に結合するであろう。このようにし
て、次いで、本発明の断片のみをコードする配列でさえ全天然蛋白質に結合する
抗体を創製するのに使用することができる。次いで、かかる抗体を用いてその蛋
白質を発現する組織において蛋白質を突き止めることができる。
【0040】 また、本発明の抗体はSNS2a蛋白質を精製するのに興味深く、従って、S
NS2aまたはそのいずれかの一部を精製する方法が提供され、その方法は本発
明の抗体を使用することを含む。
【0041】 また、本発明はナトリウムチャンネルのモジュレーターを同定する方法を提供
する。非常に多数の化合物を研究するのを可能するスクリーニングがSNS2a
につき確立されている。高スループットスクリーニングは後記にてより詳細に記
載する14Cグアニジンフラックスアッセイおよび蛍光ベースアッセイに基づく
ことができる。二次スクリーニングはナトリウムチャンネルを阻害し、ブロック
し、またはそうでなければそれと相互作用する小分子、抗体、ペプチド、蛋白質
または他のタイプまたは化合物を同定するためにパッチクランプ技術または2電
極電圧クランプを利用する電気生理学的アッセイを含むことができる。三次スク
リーニングは、よく特徴付けられたラットおよびマウスモデルにおけるモジュレ
ーターの研究を含むことができる。疼痛のこれらのモデルは限定されるものでは
ないがカラギーナン、ホルマリンおよびフロイントの完全アジュバント(CFA
)のごとき炎症剤の足底内注入を含む。座骨神経の緩い結紮のごとき神経障害疼
痛のモデルもまた含まれる。
【0042】 従って、本発明は、テスト化合物をナトリウムチャンネルと接触させ、ナトリ
ウムチャンネルの活性または不活性を検出することを特徴とするモジュレーター
につきアッセイする方法を提供する。好ましくは、モジュレーターを同定する方
法またはスクリーニングアッセイは、ナトリウムチャンネルを発現する形質転換
宿主細胞を使用する。典型的には、かかるアッセイはテスト化合物によるナトリ
ウムチャンネルの活性の変化を検出し、かくして、ナトリウムチャンネルのモジ
ュレーターを同定する。
【0043】 例えば、ナトリウムチャンネルを発現する宿主細胞を、実施例および当該分野
で記載された、22Na+イオンフラックスおよび14Cグアニジンイオンアッ
セイのごときイオンフラックスアッセイ、ならびにLeviら(1994)J.
Crdiovascular Electrophysiology −24
1−257に記載されたSFBI蛍光ナトリウムチャンネルインキュベーターア
ッセイおよびDiBACのごとき電圧検知染料で使用することができる。SNS
2aナトリウムチャンネルを発現する宿主細胞を、Sheldonら(1986
)Molecular Pharmacology 30:617−623に記
載された3−H−バトラコトキシン結合アッセイ;Rogartら(1983)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:1106−1110に
記載された3−H−サキシトキシンアッセイ;およびWestら(1992)N
euron :59−70に記載されたスコルピオントキシンアッセイのごと
き結合アッセイで使用することができる。
【0044】 一般に、テスト化合物をアッセイに添加し、ナトリウムフラックスに対するそ
の効果を測定するか、あるいはナトリウムチャンネルに競合的に結合するテスト
化合物の能力を評価する。次いで、ナトリウムチャンネルに対して所望の効果を
有するテスト化合物を選択する。
【0045】 ナトリウムチャンネルのモジュレーターは感覚ニューロンに沿ってインパルス
の伝達を妨害しまたは妨げ、それにより、急性、慢性または神経神経障害性疼痛
の治療で、すなわち、鎮痛効果の生産で、および過敏症病理の治療で有用である
。本発明のモジュレーターおよびそれを含む医薬もまた炎症性疾患、例えば、慢
性関節リウマチのごとき関節炎疾患に関連する疼痛の治療で特に有用であり得る
。従って、本発明は、治療で使用される前記方法によって同定可能な前記蛋白質
またはその変異体のモジュレーターを提供する。さらに、本発明は、鎮痛または
抗−過敏症医薬の製造のための前記方法によって所望により同定可能なナトリウ
ムチャンネル蛋白質のモジュレーターの使用を提供する。かかる医薬は、典型的
には、知られており、許容される医薬プラクティスで要求される安定化剤、保存
剤等と共に有効量のモジュレーターを含む医薬組成物である。有効量のモジュレ
ーター、すなわち、治療上有効量は当業者に知られたルーチン的方法に従って決
定することができる。本発明は、さらに、有効量の前記した蛋白質のモジュレー
ターを患者に投与することを特徴とする治療方法を提供する。治療プロトコルは
、治療すべき疾患の重症度を含めた多数の考慮に依存し、かかる考慮は主治医の
考慮の範囲内のものである。また、本発明のモジュレーターは、出典明示してそ
の全内容を本明細書の一部とみなし、読者が特に言及するPCT/GB96/0
1523に開示されたイオンチャンネルのモジュレーターと組み合わせて、例え
ば、それと同時に、順次にまたは別々に使用することもできる。
【0046】 前記定義のヌクレオチド配列の相補的またはアンチセンスストランドを遺伝子
治療で用いることができる。例えば、cDNA配列またはその断片を遺伝子治療
戦略で用いて、ナトリウムチャンネルを下降調節し得る。アンチセンス技術を用
いて、アンチセンスDNAまたはRNAの三重らせん形成を介して遺伝子発現を
制御することができる(その方法の双方はDNAまたはRNAのヌクレオチド配
列の結合に基づく)。
【0047】 転写に関与する遺伝子の領域と相補的となり、それにより、転写およびナトリ
ウムチャンネルの産物を妨げるようにDNAオリゴヌクレオチドを設計する。ア
ンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはイン・ビボでmRNAにハイブリダイズ
し、mRNAのナトリウムチャンネルへの翻訳をブロックする。標的感覚ニュー
ロンで発現された強力な構成的プロモーターによって駆動されたアンチセンスオ
リゴヌクレオチドまたはアンチセンス構築体は、所望により、最小限に侵害的、
例えば、内視鏡手段によって末梢にまたは脊髄にデリバーされるであろう。
【0048】 ナトリウムチャンネル遺伝子の発現を制御する調節領域を遺伝子治療で用いて
、ナトリウムチャンネルを発現する細胞で治療的構築体の発現を制御し得る。
【0049】 本発明のさらなる態様において、神経節後根、特に哺乳動物、例えば約1μM
のTTXについてのIC50を有するラットまたはヒトの神経節後根の侵害受容
ニューロンから得ることができる単離されたナトリウムチャンネルが提供される
【0050】 さらに、配列番号:2の蛋白質の一次アミノ酸配列と少なくとも90%以上の
同一性を持つ一次アミノ酸配列を有する蛋白質が提供される。
【0051】 また、配列番号:3ないし17の各々で確認される配列を含む配列を含み、こ
こに、増加する数字の順番が、配列番号:3ないし17が5’から3’方向に読
まれる順番わ表す組換えポリヌクレオチドが提供される。該組換えポリヌクレオ
チドは、さらに、該ポリヌクレオチドが宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞で発現
された場合に、機能的ナトリウムチャンネルがコードされるように、配列番号:
3ないし17で定義された(読みの方向の点で)配列の間の前または後にスペー
スを置いた配列を含むことができる。
【0052】
【実施例】
以下の例は説明目的のものであり、本発明を限定するものではない。
【0053】 例 1:DRG cDNAライブラリースクリーニング 例1a:プローブを得ること ナトリウムチャンネルプローブを創製して、DRGに存在する新規ナトリウム
チャンネルを同定する目的でラットDRG cDNAライブラリーのスクリーニ
ングを可能とした。パン特異的ナトリウムチャンネルプローブが、鋳型としての
ラットゲノムDNAおよび脳II、心臓、骨格筋および神経膠電圧依存性ナトリ
ウムチャンネルの3’コーディング領域内から設計された縮重PCRプライマー
を用いるポリメラーゼ鎖反応(PCR)実験から得られた。この分析で用いたオ
リゴヌクレオチドプライマーは以下の通りであった:順方向プライマー(5’C
CTG/VGTCATGTTCATCTAC3’)および逆方向プライマー(5
’CTCATAA/GGAA/GAC/TCTTGGAG/AGGG3’)。使
用したPCR条件は30秒間の94℃、1分間の50℃および2分間の72℃で
あった。これらの条件を35サイクルのPCRで用いた。得られたPCR産物を
1%アガロースゲルで分離し、製造業者の指示に従ってTAクローニングキット
テ(Invitrogen)にクローン化した。得られたクローンを配列分析の
ために採取し、別々のクローンを、公表されたラット脳II、心臓、骨格筋およ
び神経膠電圧依存性ナトリウムチャンネルに対し同一配列で同定した。
【0054】 ラットDRG cDNAライブラリーを、λZAP Express バクテ
リオファージ系(Dtratagene)で構築し、それがpBK−CMV切除
ベクター内で方向的にクローン化されるようにした。略言すれば、腰DRG組織
を成体ラットから摘出し、加工する準備ができるまで液体窒素中で凍結した。製
造業者の指示に従って、全RNAをRNazolB(Biogenetics)
を用いて抽出した。この方法は、ChomczynskiおよびSacchi、
Analytical Biochemistry(1987)162 156
−169によって開発されたグアニジンイソチオシアネートおよびフェノール/
クロロホルム抽出方法に基づく。次いで、ポリ(A+)RNAを製造業者の指示
に従ってオリゴdTセルロースクロマトグラフィー(Invitrogen)に
よって全RNAプールから単離した。5μgのこのポリ(A+)ラットDRG
RNAをcDNAライブラリー合成のための出発鋳型として用いた。これは、G
ipapack III Goldクローニングキットを用い、ZAP発現cD
NAライブラリーの構築のためのStratagene支持マニュアルに記載さ
れたごとくに正確に行った。
【0055】 最初に、このライブラリーからの200万プラーク形成単位を(DNA導入お
よびハイブリダイゼーションおよびプロービングに概説したごとく)パン特異的
チャンネルプローブでスクリーニングした。得られた陽性プラークを(Gipa
pack III Goldクローニングキットを用いるZAP発現cDNAラ
イブラリーの構築用のStratagene指示マニュアルに概説されているご
とく)均一に精製し、配列分析に付した。電圧依存性ナトリウムチャンネルに関
して新規配列を示すいくつかのクローンを得た。これらのクローンの最長を図1
にLARI/QFLとして呼んだ。図1はDRG cDNAライブラリースクリ
ーニングから得られた鍵となるクローンを示す。この新規な配列は本発明ではS
NS2aというナトリウムチャンネルの断片であった。
【0056】 引き続いて、さらなるものおよび50万プラークを、この新規ナトリウムチャ
ンネルに特異的なプローブ(LARI/QFL)を用いてスクリーニングした。
さらなる陽性クローンが得られ、配列分析によって証明した。図1でクローン6
3.1と命名したこれらのクローンの最大のものは長さが3.6kbであった。
縮重オリゴヌクレオチドプライマーを設計してDRG RNAにつきRT−PC
R反応を行った。用いたプライマーは以下の通りであった: 5’AGGGAGGTCACCGGCCTGAAA/C3’:および 5’AGTGGATA/CGAGAA/CCATGTGGG3’。
【0057】 用いた条件は30秒間の94℃、1分間の50℃および2分間の72℃であった
。これらの条件をPCRの35サイクルで使用した。得られたPCR産物を1%
アガロースゲルで分離し、製造業者の指示に従ってTAクローニングキット(I
nvitrogen)にクローン化した。得られたクローンを配列分析のために
採取した。この結果、部分的SNS2aクローン18/14が得られた。これを
図1で18/14と命名し、これは、SNS2aの全長配列に対するこのクロー
ンの位置を示す。18/14と命名されたこのプローブを用い、200万プラー
クを第3まcDNAライブラリースクリーニングでスクリーニングした(ハイブ
リダイゼーションおよびプロービングにおけるごとくプローブ標識)。このスク
リーニングからの得られた陽性クローンの分析の結果、16/14、31/42
および3.4kbクローン71/72として図1に命名された断片が発見された
。71/72および63.1(図1)と命名された2つのクローンは相互に重複
し、かくして、それらがSNS2aの位置2895bpないし2900bpから
のユニークBgl II(New England Biolabs)制限部位
を用いて一緒に接合されることを可能とする。この工程により、配列番号:1に
示される全長SNS2aクローンが得られた。
【0058】 SNS2aは、哺乳動物発現ベクターpBluescript(Strata
gene)のSalI/NcoI部位、哺乳動物発現ベクターpCI−neo(
Promega)のSalI/NcoI部位で組み立てられた。また、SNS
をClontech IRESベクターpIRESneoにクローン化し、こ
のベクターの多重クローニング部位を修飾してNsiI/NcoI部位を含ませ
、これを正しい向きのクローニングSNS2aで用いた。これは、HEK293
細胞(ATCC)のごとき哺乳動物において一過性および安定な発現実験を可能
とする。
【0059】 配列番号:1のヌクレオチド配列分析は、1765アミノ酸蛋白質をコードす
る5298bpオープンリーディングフレームを明らかとする(配列番号:2)
。この推定蛋白質配列は電圧依存性ナトリウムチャンネルファミリーの特徴的敷
く長の多くを共有するが、第1および第2反復ドメインに関する好ましい第1分
子内ループ領域は、SNS/PN3、心臓チャンネルおよび脳チャンネルを含め
た他の電圧依存性ナトリウムチャンネルの多くにおける対応する領域よりもかな
り短い。
【0060】 例1b:DNA導入 ファージ感染プレートの表面に1分間置くことによって、DNAをGeneS
creenTMハイブリダイゼーション導入膜(DUPONT)に導入した。該
膜を1M NaOHで2分間2回洗浄し、続いてさらに2分間、1Mトリス(p
H7.4)で2回中和工程を行った。洗浄工程に先立って、さらなる複製リフト
を5分間、プレート上のフィルターで行った。次いで、該膜を一晩風乾し、UV
Straralinker(Stratagene)を用いて架橋させた。
【0061】 例1c:ハイブリダイゼーションおよびプロービング 該膜を4時間ハイブリダイズさせ、10%デキストラン硫酸、1%硫酸ラウリ
ル(SDS)(溶液および培地参照)および1M NaCl溶液中、60℃で震
盪させた。使用したプローブは、33bの5’および中央領域からの、各々、L
ARI&QFLおよび18/14であった。プローブをRediprimeTM
DNAラベリング系(Amersham)を用いて[α32P]dCTP(Am
ersham)で標識して、1mlのプレハイブリダイゼーション溶液当たりほ
ぼ500,000cpmの標識プローブを得た。略言すると、100ngの各プ
ローブを3分間沸騰させ(変性)、次いで、45μlの全容量中で2分間氷上で
冷却した。これを3μlのdCTPと共にキットからの標識チューブに添加し、
続いて37℃で30分間インキュベートした。400μgの50mlの濃度の4
00μlのHerring Sperm DNA(Sigma)を標識プローブ
に添加し、99℃で3分間加熱し、続いて氷上で迅速に冷却した。標識プローブ
を添加し、プレハイブリダイゼーション溶液中で十分に混合した。膜を55℃で
一晩ハイブリダイズさせた。
【0062】 次いで、該膜を、まず、2×SSC(3M塩化ナトリウムおよび0.3Mクエ
ン酸ナトリウム、pH7)および1%SDS(硫酸ドデシルナトリウム)中で5
分間室温で、続いて50℃で30分間2×SSCおよび1%SDS中で洗浄し、
および要すれば、さらに、同温度で30分間、1×SSCおよび0.1%SDS
または0.1×SSCおよび0.1%SDSで洗浄した。次いで、−70℃で一
晩増感スクリーンを用いScientific Imaging Film A
r(Kodak)に該膜を暴露し、該フイルムを現像した。
【0063】 例1d:サザーンブロット分析 アガロースゲル電気泳動を用いて分離したPCR産物を、ゲルを1.5M N
aCl中で10分間、続いて0.5M NaOH溶液中で30分間ゆっくりと震
盪することによってイン・サイチュにて変性させた。毛管作用によるGeneS
creenTMハイブリダイゼーション導入膜(DUPONT)へのDNA導入
は一晩起こり、続いて2×SSC中で2分間洗浄し、風乾させた。ハイブリダイ
ゼーションおよびプロービングは、ライブラリースクリーニングに関してと同様
に行った。
【0064】 例 2:イン・ビボ切除分析 ほぼ6ファージプラグをアガロースゲルから除去し、500μlのSM緩衝液
に入れた。ファージ粒子の溶出は、2−3時間温和に震盪しつつ、室温で起こっ
た。1μlのExAssistTMHelperファージ(Stratagen
e)をSM緩衝液(培地および溶液参照)中の100μlのファージストックに
添加し、37℃で15分間インキュベートした。3mlの液体ブロス(培地およ
び溶液参照)を添加し、続いて37℃にて3時間225rpmで震盪した。70
℃での15分間の加熱ショックに続いて、4℃にて15分間4000rpmで遠
心した。上清を注意深く滅菌50mlfalconチューブにデカントし、必要
となるまで4℃で貯蔵した。
【0065】 10μlおよび100μlの救済された組換えプラスミド(前記工程からの上
清)を用いて、OD6001.0で200μlのXLOLA細胞(Strata
gene)を形質転換し、37℃で15分聞インキュベートした。試料を、30
0μlのL−ブロス(培地および溶液参照)の添加後に37℃でさらに45分間
インキュベートし、続いて、kan−プレート(15μg/ml)(培地および
溶液参照)上に広げ、37℃で一晩インキュベートする。XhoIおよびEco
RI制限酵素を用いる消化分析によって陽性クローンを分析し、続いてサザーン
ブロット分析を行った。
【0066】 例 3:哺乳動物細胞におけるSNS2aの一過性発現 それらがトランスフェクション手法のために50−80%密集となるように、
トランスフェクションに24時間先立って、HEK293細胞のごとき哺乳動物
細胞を平板培養した。トランスフェクションの日に、新鮮な培地を細胞に添加し
た。使用すべきトランスフェクションプロトコルはリン酸カルシウム方法(Ca
lPhosマキシマー、Clontech)に頼るものであったが、いずれの一
過性トランスフェクション方法も使用することができる。略言すると、4×10
5細胞当たり2−4μgプラスミド、5−30μlのCalPhosマキシマー
、12.4μlの2Mカルシウム溶液、滅菌水を含有する溶液Aと呼ばれる溶液
を100μlに作成した。また、100μlのHEPES緩衝化セーラインを含
有する溶液Bと呼ばれる以下の溶液も作成した。溶液Aを滴下しつつ、溶液Bを
注意深く撹拌した。混合した溶液を室温で20分間インキュベートした。この時
点後に、溶液を温和に撹拌し、細胞培養培地に添加した。200μlの溶液を、
4×105細胞を含む35mm2容器当たりで用いた。次いで、容器を温和に揺
らして、溶液を分配した。細胞を37℃で2−6時間インキュベートし、しかる
後、培地を吸引によって取り出し、細胞をリン酸緩衝化セーラインで洗浄した。
次いで、新鮮な培地を細胞に添加した。トランスフェクション24−74時間後
に分岐生理学的アッセイを行い、あるいは、安定な細胞系の創製のために24時
間後に抗生物質選択を適用した。
【0067】 例 4:ノーザンブロット分析 NGFで予備処理した、DRG、心臓、脊髄、副腎、PC細胞(ATCC)お
よびPC12細胞からの20μgの全RNAを8%ホルムアルデヒドを含有する
1%アガロースゲル上の電気泳動に付した。(全RNAの調製はラットDRG
cDNAライブラリーの構築で記載したごとくに行った)。次いで、該ゲルを実
施例1dに記載されたごとくにGenescreenTM膜にブロットし、実施
例1cに記載されたごとくに18/14プローブでプローブした。Kodak
X−ARフイルムへの暴露は一晩起こった。
【0068】 SNS2aに特異的な18/14プローブを用いるこのノーザンブロット分析
の結果はDRG細胞中のほぼ9kbの転写体サイズを示し、他方、神経成長因子
(MGF)の存在下または不存在下で、脊髄、脳、副腎、心臓およびラット・フ
ェノクロモサイトーマ細胞系(PC12)で発現は観察されなかった(図4)。
DRGセクションで行ったイン・サイチュハイブリダイゼーション実験は、SN
2a発現は小直径細胞に限定されたことを示した(図5)。同様のイン・サイ
チュハイブリダイゼーション実験を脊髄および全脳セクションで行い、特異的標
識は観察されず、ノーザン分析仕事が確認された。
【0069】 疼痛の2つの別々のラットモデル、すなわち、フロイントの完全アジュバント
(CFA)モデルおよび座骨神経切断(軸索切断)モデルから摘出されたDRG
組織で、DRGにおけるSNS2aの発現を実験した。本セクションに前記した
プローブ18/14を用いるノーザンブロット分析によってSNS2aの発現を
実験した。24時間の時点におけるCFAモデルにおいて、SNS2aの発現の
有意な増加があったが、軸索切断モデルにおいて48時間および7日の時点でS
NS2amRNAのレベルの有意な減少があった(図7)。この重要なシリーズ
の実験は、疼痛のよく特徴付けられたモデルにおいてこの新規チャンネルSNS
2aの異なる調節を示した。
【0070】 例 5:リボプローブ創製 ノーザンブロット分析でSNS2aに特異的であった18/14プローブを用
いて、リボプローブを創製した。該18/14プローブをベクターpCR−II
(Invitrogen)にクローン化した。標識されたRNAストランドを、
DIG RNA標識キット(Boehringer Manheim)を用いて
ベクタープロモーターSP6およびT7からイン・ビトロで転写した。1μgの
線状化鋳型DNAを用いて、ランオフ転写体を得た。DIG−UTPを基質とし
て用い、転写体に取り込んだ。創製されたDIG標識RNAの量は、DIG定量
および制御テストストリップ(Boehringer Manheim)を用い
て測定した。DIG標識センスおよびアンチセンスRNAプローブをイン・サイ
チュハイブリダイゼーションで用いて、DRGセクションを染色した(抗体創製
についてのセクション参照)。
【0071】 例 6:抗体創製 供給業者によって推奨された条件下で固相Fmoc化学を用い、SNS2a
アミノ酸残基1748ないし1765に関するオクタデカペプチドCNGDLS
SLDVAKVKHND、およびSNS2aのアミノ酸残基2ないし15に関す
るペプチドEERYYPVIFPDERNCをBiosearch9500ペプ
チド合成器で合成した。切断されたペプチドをゲル濾過によって精製し、スルホ
−SMCCを用いチューバークリン(PPD)の精製された蛋白質誘導体にコン
ジュゲートさせた。BCGに対して予備感作させたダッチウサギをフロイントの
不完全アジュバント中で乳化させた得られたコンジュゲートで免疫化させた。3
週間間隔でウサギにブースター注射し、各注射の7日後にテスト出血から血清を
調製した。特異的抗体反応に続いて、抗原として遊離合成ペプチドを用いて間接
的ELISAを行った。高力価抗血清をさらなる実験で用いた。
【0072】 SNS2aに向けられたこれらの抗−ペプチド抗体を免疫化学実験で用いるこ
とができる。また、いくつかの融合蛋白質抗体をSNS2aに対して創製させた
。融合ペプチドを創製するのに使用したPCRプライマーは以下の通りであった 融合ペプチド1 5’GATCGAATTCAAGGAGAAAATGTTT
CAGGA3’および5’GATCGTCGACTCATTTGGTCTGCT
CAAGGA3’ 融合ペプチド2 5’GATCGAATTCGGCGGTGCCCTACCC
ACCTC3’および5’GATCGTCGACTCATTCCATTTCAA
CCCC%%3’ 融合ペプチド3 5’GATCGAATTCAAGCACAACTGTGGC
CCCAA3’および57GATCGTCGACTCACATTATGAAGT
CTTCGC3’ 抗−ペプチド抗体はHEK293細胞で発現された組換えSNS2aの特異的
染色によって証明されている(SNS2aの一過性発現についてのセクション参
照)。HEK293細胞をa)SNS2aDNAまたはb)対照としてのYFP
黄色蛍光蛋白質、DNAでトランスフェクトした。トランスフェクションから4
8時間後、RIPAで調製された全細胞溶解物を、非免疫ウサギIgGおよびプ
ロテインA−セファロースを用いて予備清澄化させ、続いて遠心した。次いで、
特異的抗体を得られた上清に添加することによって、免疫反応性蛋白質を沈殿さ
せた。溶解させた沈殿をSDS−PAGEに付し、抗−SNS2a抗体のカクテ
ルを用いて免疫ブロットした。HRP−標識二次抗体およびECL検出を用いて
結合した免疫グロブリンを明らかとした。抗−SNS2a抗体はSNS2aDN
Aでトランスフェクトされた細胞への特異的結合を示し、該抗体の特異性および
SNS2a蛋白質の存在が確認された(図10)。
【0073】 抗−ペプチド抗体およびリボプローブは、DIGセクションを染色するために
イン・サイチュハイブリダイゼーションおよび免疫組織化学で使用されてきた。
成体雄スプラグ・ドーレイラットからの新鮮な凍結1.4および1.5神経節後
根を20μmにて切断し、風乾し、固定し、アセチル化し、500mg/mlの
ジゴキシゲニン−標識リボプローブとハイブリダイズさせた(SNS2aリボプ
ローブについてのセクション参照)。センスプローブを対照として用いた。該セ
クションをSNS/PN3またはSNS2a抗体いずれか中で一晩インキュベー
トする前に写真を取った(1:2000)。染色はVectastatinエリ
ートABCキット(Vector)を用いて達成された。細胞プロフィール面積
分析については、SNS/PN3またはSNS2amRNAで染色したセクショ
ンをランダムに選択し、可視的核を持つ標識細胞を描き(SNS/PN3:n=
212;SNS2a;n=206)、NIH Image1.61を用いて面積
を計算した。もう一度、抗体およびリボプローブが末梢感覚ニューロンの小直径
細胞体を認識する(図10.DおよびE)。SNS/PN3 mRNA標識細胞
と比較したSNS2aのプロフィール面積頻度分布分析は、SNS2aの発現は
小さな(直径が15−30μm)の細胞体に限られることを示す(図9.Cおよ
びF)。
【0074】 この観察をヒトDIG組織まで拡大し、この実験は、ラット配列に対して生起
した抗体が事実ヒトSNS2aチャンネルと交差反応することを示す。
【0075】 同一セクションにおけるmRNAおよび蛋白質についての二重標識実験は、小
直径ニューロン細胞体のみで共局所化を示した(図9、G.H.I.J.)。大
きなニューロンは、SNS2a蛋白質またはmRNAが存在しないSNS/PN
3 mRNAまたは蛋白質についてのシグナルで頻繁に観察された。小直径細胞
体におけるSNS/PN3とのSNS2aの共局所化は機能的に重要であり得る
【0076】 例 6:アンチセンス アンチセンスオリゴヌクレオチドを合成して、SNS2aのDIGニューロン
中のTTX−R電流への寄与をさらに有効とした。アンチセンスおよびミスマッ
チオリゴを、塩基対45からのSNS2aヌクレオチド配列の5’領域に対して
設計し、配列は以下の通りであった: アンチセンス1 5’−AGT ACC TCT CCT CCA TCT−
3’ ミスマッチ1 5’−AGT ACT CAT CCC TCA TCT−3
’ アンチセンス2 5’−CAC CGG GTA GTA CCT CTC−
3’ ミスマッチ2 5’−CAC GCG CTA GTC ACT CTC−3
’ アンチセンス3 5’−GTC TTT GGA CTT CTT CCT−
3’ ミスマッチ3 5’−GTC TGG TGA CTC TTT CCT−3
’ アンチセンスオリゴヌクレオチドを培養したラットDRGニューロンと共にイ
ン・ビトロで用いて、DRGニューロンの電気生理学的特性に対するSNS2a
蛋白質のノックアウトの効果を調べることができる。ラットDRGニューロンに
おけるSNS2aのノックアウトの挙動的効果を、カニューレを通じての脊髄へ
のアンチセンスデリバリーを用いてイン・ビボで調べることができる。SNS
蛋白質レベルの低下は、定量的ウェスタンブロットによって測定することがで
きる。次いで、十分な電気生理学的分析を行うことができる。これは、ニューロ
ン侵害受容におけるおよび炎症および神経障害疼痛モデルにおけるSNS2a
役割の分析を可能とする。
【0077】 例 7:電気生理学 重要なことには、SNS2aは、全細胞パッチクランプ電気生理学的を用いて
測定されるごとく、哺乳動物細胞(例えば、HEK293T)で発現させると、
機能的電圧依存性Na+チャンネルを形成する。
【0078】 標準的電気生理学的技術を使用して、全細胞Na+電流を測定した(Hami
llら,1981)。電圧コマンドプロトコルを創製し、pCLAMP6 Cl
ampexソフトウェア(Axon Instruments)を用い、Axo
patch 200B増幅器、およびマイクロコンピューター(Viglen
Pentinum)によって制御されたデジデータ1200アナログ/デジタル
インターフェイス(Axon Instruments)を介して電流記録を保
存した。シグナルを5kHzバンド幅で予備濾過し、20kHzでサンプリング
した。キャパシタンストランジエントおよび直列抵抗誤差増幅器回路を用いて補
償し(80−85%)、市販のソフトウェアパッケージによって供給されたオン
−ライン「P−4」手法を用いて、直線的遺漏電流を差し引いた。ほとんどの場
合、誘導されたNa+電流は−600pAないし−4500pAの範囲であり、
かくして、補償された直列抵抗を横切る最大予測電圧降下は4mV未満に達する
であろう。マイクロピペットプーラー(SutterモドルP97)を用いて、
パッチピペットを1.5mm外径ボロシリケート毛管ガラス(Clark El
ectromedical)から製造し、火炎研磨(Narishige Mi
croforge)して、2−4mΩの最終先端抵抗を得た。浴参照電極として
銀/塩化銀ペレットを用い、この電極および記録電極の間の電位差を、シール形
成前にゼロ電流につき調整した。×400の最終倍率にて、変調コントラストオ
プティックスを備えたDiaphot200倒立顕微鏡を用いて細胞を可視化し
た。ピペットおよびニューロン細胞膜の間の高抵抗シール(1−10GΩ)は温
和な吸引によって達成され、「全細胞」立体配置はさらなる吸引を適用すること
によって達成される。
【0079】 SNS2aトランスフェクトHEK293細胞(トランスフェクション方法参
照)におけるNa+電流の測定では、NaCl 110、Cal2 1、D−グ
ルコース 20、MgCl2 5、KCl5、pH7.4、290−205mo
smを含有する浴溶液(mM濃度)を用いた。内部溶液(ピペット)溶液はCs
F 120、NaCl 15、Cs−EGTA 10、HEPES 10、pH
7.25、275−285mosmを含有した。細胞を−90mVの保持電位に
保持し、脱分極工程に先立って1秒間−140mVに予備パルスした。これらの
条件下で非トランスフェクト細胞で活動電位は観察されなかった。
【0080】 SNS2aトランスフェクト細胞においては、膜の脱分極は、−70mVより
正の電位において一過性の内向き電流が誘導され、これは−20mVでピークと
なり、逆にNa+平衡電位に近くなった(+57mV)。Na+コンダクタンス
を記載するベルツマン関数についてのV12および傾きパラメーターは、各々、
−45±1mVおよび5.3±0.2mV/e−倍であった(n=5)。ピーク
電流は0.2−0.8nAの範囲であった。単一の指数関数をピーク電流の不活
化相に適合させると、1.2±0.1msのt値が得られた(n=5)。SNS
2a電流はTTXに対してかなり抵抗性であった;見積もったIC50値は1m
Mであり、これは、組換え脳Na+チャンネルよりも1000倍感度が低かった
(Isomら,1995)。HEK細胞で発現された組換えSNS2a Naチ
ャンネルの鍵となる特徴は図11にまとめる。
【0081】 現在までに同定されている電圧依存性ナトリウムチャンネルの全て関するSN
2aの多重配列整列は、SNS2aが、TTX−RおよびTTX−Sナトリウ
ムチャンネル双方に関する、新しい遺伝子ファミリーであり得ることを示唆する
。これと合致して、SNS2aは、TTX−Sチャンネルにより特徴的な、TT
X抵抗(μM範囲のTTXについてのIC50)およびチャンネル生物物理学的
特性の組合せを呈する。
【0082】 SNS2aはHEK293T細胞で発現されると機能的電圧依存性ナトリウム
チャンネルをコードしており、これは、同一細胞で発現させたSNS/PN3で
観察されたもの(PCT/GB96/01523参照)よりも迅速な活性化およ
び不活化動力学および低い活性化閾値を呈した。小直径DRG細胞の従前の電気
生理学的実験は、TTX−R電流の不均一性に匹敵するデータを供した(Riz
zoら,1994;RushおよびElliot 1997;Scholzら,
1998)。我々もまた、TTX−R電流プロフィールが細胞間で変化すること
を見出し;少数の細胞では、TTX−R電流は生物物理学的特性は、HEK29
3T細胞において、および小群の他のものにおいて、SNS2aによって発現さ
れるプロフィールと同様であり、動力学はSNS/PN3によって発現されたプ
ロフィールとより同様であった。興味深いことには、我々は、SNS2aで当て
はまるような−60mVもと低い電圧で活性化されたDRGニューロンでTTX
−R電流を決して観察しなかった。これは、我々の分布データと合致し、これは
、SNS2aが単独では見出されないが、より高い閾値のSNS/PN3チャン
ネルと共に常に一緒に発現されることを示唆する。しかしながら、TTX−Rの
電流生物物理学的特性は2つの間の中間であり、これは、電流がSNS2aおよ
びSNS/PN3チャンネル双方の活性の組合せに由来することを示唆する。
【0083】 例 8:スクリーニング SNS2aが疼痛標的として有意な可能性を有することを確立したので、スク
リーニング戦略を決定してチャンネル機能のモジュレーターを同定した。高スル
ープットスクリーニングは、SBFIのごときナトリウム指示薬染料およびDi
BACのごとき電圧検知染料双方を用いる14Cガイドラインフラックスアッセ
イおよび蛍光ベースアッセイのごときアッセイに基づく。二次スクリーニングは
、パッチクランプ技術または2電極電圧クランプを利用する電気生理学的アッセ
イを含む。三次スクリーニングは疼痛のラットおよびマウスモデルにおけるモジ
ュレーターの研究を含む。
【0084】 SNS2a高スループットスクリーニングにおける鍵となる工程を描く臨界的
経路を以下に示す。該スクリーニングは一次スクリーニングで少なくとも200
,000化合物をカバーすることを狙うものであるべきであるが、100万化合
物と高くてもよく、ヒット化合物を次いで脳および/または心臓ナトリウムチャ
ンネルを発現している哺乳動物細胞系に対して再テストする。三次スクリーニン
グは優れており選択的である化合物を採用し、次いで、それらをイン・ビボ疼痛
モデルでテストする。
【0085】 一次 二次 三次 スクリーニング スクリーニング スクリーニング >200K 化合物 HTS: 選択性/ インビボ HLPR/ 用途依存性 単離された神経 G−フラックス 炎症性疼痛 組換えSNS2a 脳/心臓 神経病理学的疼痛 細胞系 (SKN−SH−SY5Y) HTパッチ N−タイプの さらなる選択性 カルシウム 詳細な電気生理学。
【0086】 G−フラックスモデルは選択された方法であり、それは、トリトン中での細胞
の消化およびシンチレーションバイアルへの移動の必要性を除去するCtost
ar−Tプレート(Amersham)の導入で改良されている。Ctosta
r−Tプレートは標準的フォーマットの組織培養処理プレートであり、ここに、
各ウエルの透明なベースはポリスチレンおよび接着請求項1記載の遺伝子発現お
よび送達系細胞単層の培養および観察を可能とするシンチラントよりなる。細胞
内の生物学的プロセスにより該ベースと近接した放射性同位体は、それにより、
光の生成をもたらす。
【0087】 ガイドラインフォーマット(G−フラックス)アッセイ SNS2aを安定に過剰発現する哺乳動物細胞は96ウェルプレートで培養さ
れるであろう。1つのT225cm3フラスコは、各ウェルに100μlの細胞
培養培地の容量を持つ10の96ウェルプレートを設定するのに十分である。各
アッセイを行う前夜にこれらのプレートを設定する。培養培地を取り出し、10
0μlのアッセイ緩衝液(125mM塩化ナトリウム、50mM HEPES、
5.5mMクルコース、0.8mM MgSO4、5mM KCl、pH7.4
)を添加する。次いで、テスト化合物をウェルに添加し、10分間プレ−インキ
ュベートする。サソリ毒(0.31mg ml−1)およびベナトリン(1.2
5mg ml−1)(Sigma)を次いで添加して、ナトリウムチャンネルを
活性化させ、これらの化合物を開いた立体配座の該チャンネルを保持する。細胞
を14Cグアニジン(Amersham)の添加に先立ってさらに10分間イン
キュベートする。これを3分間インキュベートし、しかる後、全プレートをシン
チレーションカウンターで読むことができる。
【0088】 例 9:ヒトSNS2aのクローニング ヒトSNS2a遺伝子はゲノムDNA断片としてクローン化されている。ラッ
トSNS2a配列から設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用い、PCR
実験をヒト・ゲノムDNAで行った。ヒトSNS2a遺伝子に対応する断片を引
き続いて単離し、配列決定した。次いで、ヒト配列から設計したPCRプライマ
ーを用い、ヒト細菌人工染色体(BAC)ライブラリー(Research G
enetics)をスクリーニングした。120kbのBACクローン(BAC
#4)を単離し、これをBACクローンからのランダムライブラリーの構築後に
十分に特徴付けた(以下のセクション参照)。このクローンはヒトSNS2a
コードする遺伝子を含有する。(配列番号:3ないし17)は、コーディング配
列が理想化された鋳型に対してBACクローンから単離されている領域を示す。
【0089】 蛍光イン・サイチュハイブリダイゼーション(FISH)によってヒトSNS
2aを含有するこのBACクローン(BAC#4)をヒト染色体にマップした(
図3)。ヒトSNS/PN3遺伝子も同一染色体遺伝子座にマップされている。
ヒト心臓チャンネルもまた染色体3p21にマップされていることは注目すべき
である。TTX−抵抗性ナトリウムチャンネルの新しい遺伝子クラスターは、従
って、ヒト染色体3上に同定されている。
【0090】 例 10:BAC DNAの精製 Qiagen BAC DNA方法に従ってBAC DNAを精製した。略言
すれば、12.5μg/mlクロラムフェニコール選択にて、BAC液体培養を
Lブロスの5ml培養培地に接種した。これを用いて200mlのLブロスを接
種し、次いで、(選択)それで激しく震盪しつつ37℃で14時間増殖させた。
次いで、培養を4500×gで20分間遠心した。細菌ペレットを20mlの緩
衝液plに再懸濁させた。20mlのP2を添加し、溶液を温和に混合し、21
℃で5分間インキュベートし、20mlの冷却された緩衝液P3を添加した。溶
液を温和に混合し、氷上で15分間インキュベートした。30分間の2000×
gでの遠心後に、上清を平衡化されたQiagen Tip100に適用した。
カラムを10mlの緩衝液QCで2回洗浄した。DNAを5回の1ml分の緩衝
液QCで溶出させ、65℃まで予備加温した。DNAを3.5mlのイソプロパ
ノールで沈殿させ、15000×gで15分間遠心した。上清を除去し、ペレッ
トを2mlの70%エタノールで洗浄し、1500×gで10分間遠心した。ペ
レットを最後に10分間風乾し、水に再懸濁させた。
【0091】 例 11:BACクローンからのランダムライブラリーの構築 これは、ヒトSNS2a遺伝子を含有する120kbのBACクローンを分析
するための重要な要件である。
【0092】 50μl容量中の5μgのBAC DNAを、パルス間に氷上で1分間冷却し
つつ、パワーレベル2にて1秒間の2パルスで、カップホーン中で音波処理した
。断片化されたDNA分子の、音波処理によって引き起こされた突出またはタグ
ド末端を、T4 DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼまたはポリメラーゼ
活性によって平滑末端とした。成分は以下の通りであった:47.5μl音波処
理DNA、20μlの5×T4 DNA緩衝液、10μlの2mMの各dTNP
、17.5μl二重蒸留水、5μlのT4 DNA pol(1単位/μl B
oehringer)。この反応ミックスを37℃で3時間インキュベートした
。該DNAをPharmaciaのSizeSep400スピンカラムでサイズ
選択した。得られたDNA断片をSmalIリン酸化pBluescriptI
I SKベクター(Stratagene)に連結し、引き続いて、XL1ブル
ーコンピテントE.coli(Strategene)に形質転換した。インサ
ートに近接するM13ベクターおよびM13−20プライマーで個々のクローン
をPCR増幅した。PCR産物をネステッドプライマーT3およびT7を用いて
配列決定した。
【0093】 以下のT4 DNAポリメラーゼ修復を除き前記したことくに第2の方法を使
用した。オリゴヌクレオチドリンカーをDNA断片に連結した。これらのオリゴ
内の部位に向けられたプライマーを用い、DNA断片をPCRによって増幅した
。リンカー連結反応ミックスを以下のごとくに設定し:1の音波処理BAC D
NA、5μlのT4 DNAリガーゼ(400単位/μl NEB)、5μlの
10×リガーゼ緩衝液、2μlのリンカー、37.5μlの二重蒸留水、次いで
、21℃で8時間インキュベートした。50ピコモルのリンカープライマー、1
×緩衝液(Promega)、1.5mM MaCl2、100μMの各dNT
P、taq(Promega)0.5単位を用いてPCR増幅を行った。反応容
量は50μlであり、PCRパラメーターは:2分間の94℃、30秒間の94
℃、1分間の55℃、2分間の72℃の40サイクル、10分間の72℃。得ら
れたPCR産物をTAクローニングベクター(Invitrogen)に連結し
、INVαF−コンピテントE.coli(Invitrogen)に形質転換
した。次いで、得られたPCR産物を、ネステッドプライマーであるT3および
T7で配列決定した。
【0094】
【参考文献】
【0095】
【参考文献】
【0096】
【参考文献】
【0097】
【参考文献】
【0098】
【参考文献】
【表1】
【表1】
【表1】
【表1】
【表1】
【表1】
【表1】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【表2】
【表3】
【表3】
【表3】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は単離されたラットSNS2aイオンチャンネル断片、および分析に用い
たプローブの概要である。
【図2】 図2はラットSNS2aクローンに対する配列番号:3ないし配列番号:17
の位置を示す。
【図3】 図3はソト染色体3p21へのヒトSNS2aの位置決定を示す。
【図4】 図4はSNS2aでプローブした多重組織ノーザンブロットを示す。レーン1
=DRG、レーン2=脊髄、レーン3=全脳レーン4=副腎、レーン5=心臓、
レーン6=PC12、レーン7=PC12+NGF、レーン8=RNAマーカー
【図5】 図5はSNS2a特異的プローブを用いるラットDRG組織におけるイン・サ
イチュハイブリダイゼーションを示す。図5a)はセンスプローブを、5b)は
アンチセンスプローブを示す。
【図6】 図6はヒトDRGへのSNS2aの位置決定を示す。
【図7】 図7はラット疼痛モデルから採取したDRG組織を用いるSNS2aでプロー
ブしたノーザンブロットを示す。レーン1=対照DRG、レーン2=DRG+2
4時間フロイント完全アジュバント(CFA);レーン3=DRG+24時間座
骨神経切断;レーン4=DRG+48時間座骨神経切断;レーン5=DRG+7
日座骨神経切断。
【図8】 図8はラットSNS2aがクローン化された3つのベクター:pBluesc
ript、pC1−neoおよびpCIN5を示す。
【図9a】 図9aはmRNAおよび蛋白質についてのSNS2aおよびSNS/PN3染
色の顕微鏡写真を示す。D.E.F.はSNS2a標識が小ニューロン(19−
25μm直径)では専ら見出されることを確認する。SNS2aおよびSNS/
PN3
【図9b】 図9bはmRNAおよび蛋白質についてのSNS2aおよびSNS/PN3染
色の顕微鏡写真を示す。 mRNAおよび蛋白質についての二重標識(G.H.I.J.)は小ニュー
ロンにおける着色を示す(矢印):より大きなニューロンはSNS/PN3では
陽性に見ることができるが、SNS2aでは陰性に見ることができる(矢印頭部
)。
【図10】 図10はSNS2aに対して設計された2つの抗ペプチド抗体でのSNS2a
DNAでトランスフェクトした細胞からのレーンにおける特異的染色を示す免疫
沈殿ウェスタンブロットを示す。細胞を黄色蛍光蛋白質(YFP)でトランスフ
ェクトした対照レーンは染色を示さなかった。
【図11】 図11はHEK293T細胞で発現された組換えラットSNS2aNa+チャ
ンネルの生物物理学的および薬理学的特性を示す。代表的な電流の記録はそのピ
ーク電流−電圧関係で示される(A.B.)。キャパシタンストランジエントは
明瞭性のためブランクとしている。パネルCはSNS2aに対するTTXの効果
を示す。それはTTX感受性ナトリウムチャンネルのnM感度と比較したサブμ
M濃度のTTXに抵抗性である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年5月31日(2000.5.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/28 C12N 1/15 4H045 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12Q 1/02 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/68 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/68 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (71)出願人 Glaxo Wellcome Hous e,Berkeley Avenue G reenford,Middlesex UB6 0NN,Great Brita in (72)発明者 ヒック、キャロライン・アン イギリス国、エスジー1・2エヌワイ、ハ ートフォードシャー、スティーブンエイ ジ、ガンネルズ・ウッド・ロード、グラク ソ・ウェルカム・ピーエルシー内(番地な し) (72)発明者 テイト、サイモン・ニコラス イギリス国、エスジー1・2エヌワイ、ハ ートフォードシャー、スティーブンエイ ジ、ガンネルズ・ウッド・ロード、グラク ソ・ウェルカム・ピーエルシー内(番地な し) Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 CB01 CB17 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA04 GA11 4B063 QA01 QA05 QR48 QR73 QR80 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA46 4C084 AA17 NA14 ZA081 ZA211 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 DA76 EA50 FA72 FA74

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:2に示されたアミノ酸配列を含む単離された哺乳
    動物ナトリウムチャンネル蛋白質またはその変異体。
  2. 【請求項2】 鎮痛または抗−過敏症活性を持つ剤をスクリーニングする方
    法で使用される請求項1記載のナトリウムチャンネル蛋白質またはその変異体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のナトリウムチャンネル蛋白質またはその変異
    体をコードするヌクレオチド配列、例えば、DNA。
  4. 【請求項4】 該配列が配列番号:1に示される請求項3記載の単離された
    ヌクレオチド配列。
  5. 【請求項5】 請求項3または4いずれかにおいて言及されたヌクレオチド
    配列のいずれかの部分にハイブリダイズする単離されたヌクレオチド配列。
  6. 【請求項6】 配列番号:3ないし17のうちの1以上で定義されたヌクレ
    オチド配列またはその変異体を含む組換えポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号:3ないし17のうちの各々で定義された配列を含
    む配列をみ、ここに、増える数字の順序が、配列番号が5’から3’の方向で読
    まれる順序を表す組換えポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項7または7の配列によってコードされた単離されたア
    ミノ酸配列。
  9. 【請求項9】 約1μMのTTXについてのIC50を有する哺乳動物、例
    えば、ラットまたはヒトの神経節後根から誘導可能な単離されたナトリウムチャ
    ンネル。
  10. 【請求項10】 配列番号:2に定義された配列と少なくとも約90%同一
    性を有する第一級アミノ酸配列を含む蛋白質。
  11. 【請求項11】 請求項3ないし7いずれか1つに記載のヌクレオチド配列
    を含むベクター、例えば、プラスミド。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のベクターでトランスフェクトされた宿主
    細胞。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のナトリウムチャンネルまたはその変異体を
    認識しそれに結合する抗体またはその断片。
  14. 【請求項14】 当該チャンネルをテスト化合物と接触つせ、次いで、該チ
    ャンネルの活性または不活性を検出することを特徴とする請求項1記載のナトリ
    ウムチャンネルまたはその変異体のモジュレーターを同定する方法。
  15. 【請求項15】 宿主細胞において請求項1記載の蛋白質またはその変異体
    を発現させ;該蛋白質をテスト化合物と接触させ;次いで、ナトリウムフラック
    スを測定することを特徴とするナトリウムフラックスを変調するテスト化合物を
    アッセイする方法。
  16. 【請求項16】 請求項1または10に定義された蛋白質またはその変異体
    のモジュレーター。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のモジュレーターを含む医薬。
  18. 【請求項18】 疼痛または過敏症治療用の医薬を製造するための請求項1
    6記載のモジュレーターの使用。
  19. 【請求項19】 有効量の請求項17記載の医薬を患者に投与することを特
    徴とする治療方法。
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