JP2002508937A - Aur1および/またはaur2関連疾患の診断および治療 - Google Patents

Aur1および/またはaur2関連疾患の診断および治療

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Abstract

(57)【要約】 本発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードしている核酸、そのような核酸を含む細胞、組織および動物、そのようなポリペプチドに対する抗体、そのようなポリペプチドを利用するアッセイ、以上の全てに関する方法に関している。AUR1および/またはAUR2関連疾患、またはAUR1および/またはAUR2ポリペプチドおよびAUR1および/またはAUR2結合相手間の異常な相互作用により特徴付けられる状態のための処置、診断およびスクリーニング法が提供されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は、そのいずれもが図面を含め参照されここに取り込まれている、19
95年12月18日出願の米国特許出願通し番号第60/008,809に関連
し、1996年、11月25日Plowmanら出願の”AUR1および/また
はAUR2関連疾患の診断および治療”と題する米国特許出願通し番号第08/
755,728、および1996年8月14日出願の特許申請通し番号60/0
23,943らの一部継続である1998年1月9日、Plowmanら出願の
”AUR1およびAUR2関連疾患”と題する米国特許出願番号付与案件(Ly
on&Lyon Docket、第229/022号)の一部継続である。
【0002】 産業上の利用分野 本発明は、AURORA ONEおよびAURORA TWO(”AUR1お
よびAUR2”)と称する新規タンパク質、AUR1および/またはAUR2を
コードするヌクレオチド配列、並びに各種AUR1および/またはAUR2関連
疾患および状態の診断および治療に有用な各種製品および方法に関する。
【0003】 従来の技術 以下の従来技術の記述は本発明の理解の一助として提供されるものであり、本
発明に対する従来技術であることを認めるものではない。
【0004】 細胞シグナル伝達は、各種細胞プロセスを制御する外部刺激を細胞内部にリレ
ーするための基本的メカニズムである。シグナル伝達の重要な生物化学機序の一
つに、その構造と機能を変化させることで成熟タンパク質の活性を制御できるタ
ンパク質の可逆的リン酸化がある。
【0005】 真核生物で最も良く知られているタンパク質キナーゼはセリン、スレオニンお
よびチロシン残基のアルコール成分についてタンパク質をリン酸化する。これら
キナーゼは、セリンおよびスレオニンのリン酸化に特異的なものと、チロシンの
リン酸化に特異的なものの2グループに大別される。”二重特異性”キナーゼと
称される一部キナーゼはチロシンおよびセリン/スレオニン残基をリン酸化でき
る。
【0006】 プロテインキナーゼは、その細胞内局在によっても特徴付けられる。一部のキ
ナーゼは、リガンド結合の様な外部環境に対する反応によりその触媒活性を直接
変化できる膜貫通受容体型タンパク質である。その他のものは膜貫通ドメインを
欠いている非受容体型タンパク質である。これらは、細胞膜内面より核までの多
様な細胞コンパートメント内に見いだすことができる。
【0007】 多くのキナーゼが、その中ではキナーゼの基質がそのリン酸化部位によってそ
の活性が制御される別のキナーゼである制御カスケードに含まれている。最終的
に、一部の下流にある効果器の活性は、これら経路の活性化より生じるリン酸化
によって調節される。
【0008】 セリン/スレオニンキナーゼファミリーには、細胞増殖、移動、分化およびホ
ルモンの分泌、遺伝子発現を変化させる転写因子のリン酸化、筋収縮、糖代謝、
細胞タンパク質合成の制御および細胞周期の制御を含む様々なシグナル伝達カス
ケードのあらゆる段階に見いだされる要員を含む。
【0009】 染色体異常はヒトの癌のマーカーであり、遺伝子情報の獲得または消失による
有害な結果をもたらすものである(Mitelmanら、Nature Gen
et.15:417−474,1997;Hartwellら、Science
266:1821−1828,1994)。これら欠損の一部は、負の成長制
御因子の消失、遺伝子健全性の維持を司る遺伝子の消失、またはがん遺伝子の増
幅または活性化を介し、細胞の形質転換に原因的役割を果たしているだろう(K
inzlerら、Nature 386:761−763、1997;Hunt
er Cell 88:333−346,1997)。あるいはこれら異常は、
有糸分裂監視機構が破壊され、その結果異常な核、誤った染色体分離、および異
数化が起こる腫瘍進行の結果であろう(Elledge Science 27
4:1664−1672,1996;Sherr Science 273:1
672−1677,1996)。
【0010】 発明の要約 本発明は、一部はAUR1および/またはAUR2、これらポリペプチドをコ
ードする核酸、これら核酸を含む細胞、組織及動物、これらポリペプチドに対す
る抗体、これらポリペプチドを利用するアッセイおよび前記全てに関連する方法
に関する。本発明の利用には、細胞増殖阻害剤をスクリーニングし、癌治療を目
的とした小分子の治療薬の開発する能力を含む。
【0011】 即ち、第1の観点は、発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチドを
コードする単離され、濃縮され、または精製された核酸を特徴とする。 核酸に関して”単離された”とは、天然源より単離された、または合成された
DNAおよびRNAを含む6(好ましくは21、より好ましくは39、最も好ま
しくは75)またはそれ以上のヌクレオチドが互いに結合したポリマーを意味す
る。本発明の特定実施態様では、例えば300,600,900、またはそれ以
上のヌクレオチドおよび/または配列番号1または配列番号2に示す全長配列に
対し少なくとも50%、60%、75%、90%、95%または99%同一性を
有する、より長い核酸が好ましい。本発明の単離された核酸は、天然では純粋ま
たは分離した状態で見いだされないという意味で特異的である。”単離された”
という語を利用することは、天然に発生する配列がその正常な細胞性(即ち染色
体)の環境より取り出されることを意味している。言い換えれば、配列は無細胞
液中または異なる細胞性環境中に存在しているだろう。本用語は、その配列が存
在する唯一のヌクレオチド鎖であることを意味するのではなく、配列が天然に結
合している非ヌクレオチド成分に関し本質的にフリー(少なくとも純度約90−
95%)であること、即ち単離された染色体より区別されることを意味している
【0012】 核酸に関して”濃縮された”とは、特定のDNAまたはRNA配列が、正常ま
たは病的細胞中またはその配列を獲得した細胞中に比べて、該当する細胞または
溶液中に存在する総DNAまたはRNAの中で有意に高い(2−5倍)分画を形
成することを意味している。これは他のDNAまたはRNA量を優先的に減少す
る、または特定のDNAまたはRNA配列の量を優先的に増加する、またはその
2つの組み合わせにより人為的に実施できる。しかし、濃縮が他のDNAまたは
RNAが存在しないことを意味せず、所望の配列の相対量が有意に増加したこと
を意味していることに留意すべきである。有意にとの用語はここでは、増加レベ
ルが上記増加を行う人間にとって有用であることを意味するために用いられてお
り、又一般にはその他の核酸に比べて少なくとも2倍、より好ましくは少なくと
も5ないし10倍、またはそれ以上増加することを意味している。本用語はその
他資源由来のDNAまたはRNAが存在しないことを意味するものではない。そ
の他の資源DNAには、例えば酵母または細菌ゲノムまたはpUC19の様なク
ローニングベクター由来のDNAが含まれる。この用語は、ウイルス感染または
腫瘍型の増殖の様な1種類のmRNAレベルがその他の種類のmRNAに比べ自
然に増加する、天然に生成する事象とは区別される。即ち、本用語は所望する核
酸の割合を人為的に増加させる状況のみを範囲とすることを意味している。
【0013】 ある目的のためには、ヌクレオチド配列を精製された形状とすることも有益で
ある。核酸に関して”精製された”という用語は、絶対的な純度(均一化調製体
の様な)を条件としない。その代わりに、それは配列が自然環境に於ける純度よ
り相対的に高いことを表している(天然のレベルに比べ、そのレベルは例えばm
g/mLに於いて少なくとも2−5倍高くなければならない。)cDNAライブ
ラリーより単離された個々のクローンは電気泳動上では均一に精製されるだろう
。これらクローンより得た本発明のDNAは、全DNAまたは全RNAより直接
得ることができるだろう。cDNAクローンは天然には生成されず、むしろ部分
精製された天然に生成する基質(メッセンジャーRNA)の操作により得ること
が好ましい。mRNAからのcDNAライブラリー構築には、合成基質(cDN
A)の作製が含まれ、各精製cDNAクローンはcDNAライブラリーを含む細
胞をクローナルに選択することで、合成ライブラリーより単離することができる
。即ちmRNAからのcDNAライブラリーの構築および特定cDNAクローン
の選択を含む工程は、天然のメッセージを約106倍精製する。即ち、少なくと も1桁、好ましくは2桁または3桁、より好ましくは4または5桁の精製が明示
的に企図される。
【0014】 ”AUR1および/またはAUR2ポリペプチド”とは、配列番号3または配
列番号4記載の全長アミノ酸配列、または本明細書に記載されるその機能的誘導
体中の、隣接する25(好ましくは30,より好ましくは35,最も好ましくは
40)個またはそれ以上のアミノ酸を意味する。特定の観点では、100、20
0,300またはそれ以上のアミノ酸のポリペプチドが好ましい。AUR1およ
び/またはAUR2ポリペプチドは全長の核酸配列、または該ポリペプチドの機
能活性が保持される限り全長核酸配列の一部によりコードされる。
【0015】 更に、もとよりこれに限定されるものではないが、本明細書の実施例11に規
定されたものを含むAUR1および/またはAUR2の不活性化型および活性化
型突然変異体も包含される。”不活性化”とは、キナーゼ活性を消失したAUR
1および/またはAUR2ポリペプチドを意味する。ある実施態様では、必須リ
ジン(残基162)が変異している。ポリペプチドはその他の変化はないことが
好ましい。”活性化された”とは、in vitroでのキナーゼ活性を有する
AUR1および/またはAUR2ポリペプチドを意味しており、突然変異してい
ない状態では活性を持たないことが好ましい。AUR1および/またはAUR2
ポリペプチドは構成的リン酸化を模擬する様に変異することが好ましい。ある実
施態様では、活性ループ中の残基288のスレオニンがアスパラギン酸に変更さ
れている。
【0016】 アミノ酸配列は配列番号3または配列番号4記載の配列、またはその断片と実
質的に同等である。実質的に同等である配列は、配列番号3または配列番号4の
配列に対し少なくとも90%(より好ましくは95%および最も好ましくは99
−100%)の同一性を有する。
【0017】 ”同一性”とは、その類似性または関連性を表す配列の特性を意味する。同一
性は、残基全数で同一残基の数を除し、100を乗して表される。即ち、正確に
同一な配列の2コピーは100%の同一性を有するが、それほどよく保存されて
おらず、欠失、付加または置換を有する配列の同一性は低い。当業者は配列同一
性の決定に複数のコンピュータープログラムが利用できることがわかる。
【0018】 好適実施例では、本発明は;(a)配列番号3または配列番号4に記載の全長
アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする;(b)(a)のヌクレオチド
配列の相補体である;(c)非常に厳密な条件の下に(a)の核酸分子とハイブ
リダイズし、かつ天然のAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコード
する;(d)配列番号3のアミノ酸残基1−73、74−271、または272
−344、または配列番号4の1−129、130−274、または275−4
03のアミノ酸残基断片の1つまたはそれ以上を欠くことの除き、配列番号3ま
たは配列番号4記載の全長アミノ酸配列を有するAUR1および/またはAUR
2ポリペプチド核酸分子をコードする;(e)(d)のヌクレオチド配列の相補
体である;(f)配列番号3または配列番号4記載のアミノ酸配列の、配列番号
3のアミノ酸残基1−73、74−271または272−344、または配列番
号4の1−129、130−274、275−403を有するポリペプチドをコ
ードする;(g)(f)のヌクレオチド配列の相補体である;(h)C−末端ド
メイン、触媒ドメインおよびN−末端ドメインを含むグループより選択されたド
メインの1つまたはそれ以上を欠く以外の配列番号3または配列番号4記載の全
長アミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、または(i)(h)のヌク
レオチド配列の相補体であるヌクレオチド配列を包含する核酸分子を特徴とする
【0019】 ”相補体”という用語は、互いに複数の好適な相互作用を形成できる2つのヌ
クレオチドを意味する。例えば、アデニンとチミンは2つの水素結合を形成でき
ることから、アデニンはチミンに相補的である。同様に、グアニンとシトシンは
3つの水素結合を形成できることから、それらは相補的である。第1配列のヌク
レオチドの全てが第2配列のヌクレオチドの全てに相補的な場合、一方のヌクレ
オチド配列はもう一方の配列の相補体である。
【0020】 ”ドメイン”という用語は、特定機能を含むポリペプチド領域を意味する。例
えば、シグナル伝達タンパク質のN−末端またはC−末端ドメインは、シグナル
伝達分子を細胞の様々な領域に局在させる分子を結合し、または特定の細胞シグ
ナルの調製を直接担う別のシグナル分子を結合することを含む機能を提供できる
が、もとよりこれに限定されるものではない。一部のドメインは残りのタンパク
質とは独立に発現することができ、それ自体で機能できるが、その他のものは機
能を維持するためには一部無傷のタンパク質を保持する必要がある。後者はタン
パク質の機能領域と呼ばれ、ドメインにも関係する。
【0021】 ”N−末端ドメイン”という用語は、完全長アミノ酸配列の、アミノ末端から
触媒ドメインまでの部分を意味する。N−末端ドメインは、配列番号3記載の配
列のアミノ酸残基1−73または配列番号4記載の配列のアミノ酸1−130の
範囲である。する。
【0022】 ”触媒ドメイン”という用語は、完全長アミノ酸配列の、N−末端ドメインま
たはC−末端ドメインを含まず、触媒活性を有する部分を意味する。触媒ドメイ
ンは配列番号3記載の配列のアミノ酸残基73−271または配列番号4記載の
配列の残基130−274の範囲である。
【0023】 ”C−末端ドメイン”という用語は、完全長アミノ酸配列の、触媒ドメインの
末端より始まり核酸配列中の停止コドン前にコードされた最後のアミノ酸である
カルボキシル末端アミノ酸に終止する部分を意味する。C−末端ドメインは配列
番号3記載のアミノ酸残基272−344または配列番号4記載の配列のアミノ
鎖275−403の範囲である。
【0024】 好適実施例では、単離された核酸は配列番号1または配列番号2記載の核酸配
列を含み、本質的これより成り、またはこれより成り、配列番号3または配列番
号4の完全長アミノ酸配列、その機能的誘導体、またはその少なくとも25、3
0,35、40、50、100、200または300の隣接するアミノ酸をコー
ドする。AUR1および/またはAUR2ポリペプチドは、AUR1および/ま
たはAUR2ポリペプチドの少なくとも25、30、35または40の隣接する
アミノ酸を含み、または本質的これより成るか、あるいはこれより成る。核酸は
cNDAクローニングまたはサブトラクティブハイブリダイゼーションにより天
然源より単離できるだろう。天然源はほ乳類、ヒト、血液、精液または組織が好
ましく、核酸はトリエステル法により、または自動DNA合成装置を利用し合成
できるだろう。
【0025】 更に別の好適実施態様では、核酸は、例えば追加のポリペプチドの同定および
クローニングを促進するハイブリダイゼーションプローブの設計、追加のポリペ
プチドのクローニングを促進するPCRプローブの設計、ポリペプチド領域に対
する抗体の獲得およびアンチセンスオリゴヌクレオチドの設計に有用な、保存さ
れたまたは特異的な領域である。本発明のアミノ酸配列の例には、以下のアミノ
酸配列が含まれる(それらをコードする単離され、精製されまたは濃縮された核
酸も本発明の範囲内である):ENSYPEWPYGRO(配列番号3)、CI
SGP(配列番号6)、QFPQ(配列番号7)、WNSGQ(配列番号8)、
RKEPVTPSA−LV(配列番号9)、LMSRSNVQPTAAP(配列
番号10)、VQNQKQKQLQATSVPH(配列番号11)、PVSRP
LNNTQK(配列番号12)、VMENSSGTPD(配列番号13)、IL
TRHFTID(配列番号14)およびSKQPLPSAPENNPEEQLA
SKQK(配列番号15)。
【0026】 ”保存された核酸領域”は、厳密性が低い条件下で特定核酸配列がハイブリダ
イズできるAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードする2または
それ以上の核酸上に存在する領域を意味する。AUR1および/またはAUR2
ポリペプチドをコードする核酸のスクリーニングに好適な低厳密条件はAbeら
、J.Biol.Chem.19;13361−13368、1992(図面を
含めその全体がここに参照され取り込まれている)に提供されている。保存領域
では20ヌクレオチド中5以上異なるものでないことが好ましい。
【0027】 ”特異的核酸領域”とは、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコ
ードする完全長核酸に存在し、その他の天然に生成するポリペプチドをコードす
るいずれの配列中にも存在しない配列を意味する。この様な領域はAUR1およ
び/またはAUR2ポリペプチドをコードする完全長核酸中に存在する30ない
し45隣接するヌクレオチドを含むことが好ましい。特に、特異的核酸領域はほ
乳類起源であることが好ましい。
【0028】 好適実施態様では、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードす
る単離され、濃縮され、または精製された核酸分子は、宿主細胞内で転写開始に
効果的なベクターまたはプロモーターを含む。
【0029】 本発明は、サンプル中のAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコー
ドする核酸を検出するための核酸プローブも特徴とする。核酸プローブは、配列
番号1または配列番号2記載の配列、またはその機能的誘導体とハイブリダイズ
するヌクレオチド塩基配列を含む。
【0030】 好適実施態様では、核酸プローブは配列番号3または配列番号4記載の完全長
配列の少なくとも12、75,90、105、120、150、200、250
、300または350の隣接するアミノ酸をコードする核酸、またはその機能的
誘導体にハイブリダイズする。所望する特異性および選択性に応じて、各種の低
または高厳密条件が利用できるだろう。厳密条件下では、高い相補性を持つ核酸
配列のみがハイブリダイズする。この様な条件は、隣接する20ヌクレオチド中
1または2のミスマッチを有する核酸のハイブリダイゼーションを阻止すること
が好ましい。
【0031】 厳密ハイブリダイゼーションアッセイ条件とは、少なくとも以下の如くに厳密
であるハイブリダイゼーションアッセイ条件を意味する:50%フォルムアミド
、5×SSC、50mMNaH3PO4、pH6.8、0.5%SDS、0.1m
g/mL超音波処理済みサケ精子DNAおよび5×デンハルト(Denhart
)液中、42℃、一晩ハイブリダイズし;2×SSC、0.1%SDS、45℃
で洗浄;0.2×SSC、0.1%SDS、45℃で洗浄。
【0032】 プローブの利用方法は、ハイブリダイゼーションが起こる条件下にサンプルを
核酸プローブと接触させ、AUR1および/またはAUR2のRNAに結合した
プローブの存在または量を検出することにより、サンプル中のAUR1および/
またはAUR2RNAの存在または量を検出することを含む。プローブとAUR
1および/またはAUR2ポリペチドをコードする核酸配列との間に形成される
核酸二重鎖は、検出された核酸の配列同定に利用できるだろう(Nelsonら
、非アイソトープDNAプローブ技術(図面を含めその全体がここに参照され取
り込まれているNonisotopic DNA Probe Techniq
ues)、Academic Press、San Diego、Kricka
、編、p.275、1992)。この様な方法を実行するためのキットは、その
内部に核酸プローブが配置されている容器を含む様に作られるだろう。
【0033】 本発明はまた組み換え体核酸、好ましくは細胞または生体中のものを特徴とす
る。組み換え体核酸は配列番号1または配列番号2記載の配列、またはその機能
的誘導体および宿主細胞内での転写を促進するのに効果的なベクターまたはプロ
モーターを含むだろう。あるいは組み換え体核酸は細胞内で機能する転写開始領
域、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードするRNA配列に対
し相補的な配列、および宿主細胞内で機能する転写終止領域を含むことができる
【0034】 別の観点では、本発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコー
ドする核酸を含む組み換え体細胞または組織を記述する。この様な細胞では、核
酸はそのゲノム制御エレメントの制御下、または外来性プロモーターを含む外来
性制御エレメントの制御下にあるだろう。”外来性”とは、in vivoに於
いてAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードする配列と通常は転
写的に結合していないプロモーターを意味する。
【0035】 ポリペプチドは配列番号3または配列番号4記載の完全長アミノ酸配列により
コードされるタンパク質断片であることが好ましい。”断片”とは、その他の天
然に生成するポリペプチド中には存在しない完全長AUR1および/またはAU
R2ポリペプチド中に存在するアミノ酸配列を意味する。好ましくは、この様な
配列は完全長内に存在する6隣接アミノ酸を含む。より好ましくは、これら配列
は全配列内に存在する12隣接アミノ酸を含む。さらに好ましくは、これら配列
は全配列内に存在する18隣接アミノ酸を含む。
【0036】 本発明の別の観点では、本発明は単離された、濃縮された、または精製された
AUR1および/またはAUR2ポリペプチドを特徴とする。 ポリペプチドに関して、”単離された”とは天然源より単離された、または合
成されたポリペプチドを含む、互いに結合しあう2(好ましくは7,より好まし
くは13、最も好ましくは25)またはそれ以上のアミノ酸のポリマーを意味す
る。特定の観点では、配列番号3または4記載の402、407、413または
425近接アミノ酸の様な、より長いポリペプチドが好ましい。本発明の単離さ
れたポリペプチドは、これらが天然に於いては純粋または分離された状態では見
つからないと言う意味で特異的である。”単離された”という用語の使用は、天
然に生成する配列がその正常な細胞環境より取り出されていることを示す。即ち
、配列は無細胞液体内にあるか、または異なる細胞環境内にあるだろう。本用語
は、配列が存在する唯一のアミノ酸鎖であることを意味するものではなく、天然
にはそれに付随している非アミノ酸物質も本質含まない(少なくとも約90−9
5%純粋)ことを意味する。
【0037】 ポリペプチドに関して、”濃縮された”という用語を使用することは、正常ま
たは疾患細胞内または配列を得た細胞に比べ目的とする細胞または溶液中に於い
て、全アミノ酸の中の特定アミノ酸の割合が有意に高い(2−5倍)ことを意味
する。これは存在するその他アミノ酸の量を優先的に減少させること、または目
的とする特定のアミノ酸配列の量を優先的に増加させる、またはその両方を組み
合わせることで人為的に行う事ができる。しかし、濃縮されたことは他のDNA
またはRNAが存在しないことを意味せず、所望の配列の相対量が有意に増加し
たことを意味していることに留意すべきである。本用語はここでは、増加レベル
が上記増加を行う人間にとって有用であることを意味するために用いられており
、又一般にはその他のアミノ酸に比べて少なくとも2倍、より好ましくは少なく
とも5ないし10倍、またはそれ以上増加することを意味している。本用語はそ
の他資源由来のアミノ酸が存在しないことを意味するものではない。その他の資
源アミノ酸には、例えば酵母または細菌ゲノムまたはpUC19の様なクローニ
ングベクター由来のアミノ酸が含まれる。本用語は所望するアミノ酸の割合を人
為的に増加させる状況のみを範囲とすることを意味している。
【0038】 ある目的にはアミノ酸配列を精製形状にすることも有益である。ポリペプチド
に関して”精製された”という用語は、完全な精製(均一調製体の様な)を条件
としない。それに代わり、配列が自然環境に於ける純度より相対的に高いことを
表している。天然のレベルに比べ、そのレベルは少なくとも2−5倍高くなけれ
ばならない(例えばmg/mL)。即ち、明らかに少なくとも1桁、好ましくは
2桁または3桁、より好ましくは4または5桁の精製が明示的に企図される。該
物質は機能的に有意なレベルに於いて汚染が無いことが好ましく、例えば90%
、95%または99%の純度である。
【0039】 好適実施態様では、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドは配列番号
3または配列番号4記載の完全長配列の少なくとも25、30,35,40、5
0、100、150、200、250、300または350の隣接アミノ酸、ま
たはその機能的誘導体を含む。
【0040】 更に、本明細書実施例11に規定されるAUR1および/またはAUR2の不
活性型および活性型突然変異体も含むが、もとよりこれに限定されない。”不活
性型”とは、キナーゼ活性を欠くAUR1および/またはAUR2ポリペプチド
を意味する。好適実施例では、必須リジン(残基162)が変異する。好ましく
は、ポリペプチドは他に変化しない。”活性型”とは、in vitroでキナ
ーゼ活性を有するAUR1および/またはAUR2ポリペプチドを意味し、好ま
しくは未変異型ポリペプチドは活性を有しない。好ましくは、AUR1および/
またはAUR2ポリペプチドは構成的リン酸化を模擬する様に変異する。ある実
施例では、活性化ループ中の残基288のスレオニンがアスパラギン酸に変化す
る。
【0041】 ポリペプチドは当分野に公知の天然源より単離できる。天然源にはほ乳類、特
にヒト、血液、精液または組織であり、ポリペプチドは自動ポリペプチド合成装
置により合成できる。
【0042】 好適実施態様に於いては、本発明は(a)配列番号3または配列番号4記載の
完全長アミノ酸配列;(b)次のアミノ酸残基断片の1またはそれ以上を欠くこ
とを除く配列番号3または配列番号4記載の完全長アミノ酸配列:配列番号3の
1−73,74−271または272−344、または配列番号4の1−129
、130−274または275−403;(c)配列番号3のアミノ酸残基1−
73、74−271または272−344、または配列番号4のアミノ酸残基1
−129,130−274または275−403に由来する配列番号3または4
記載のアミノ酸配列;または(d)C−末端ドメイン、触媒ドメインおよびN−
末端ドメインを含むグループより選択されるドメインの1またはそれ以上を欠く
ことを除く配列番号3または配列番号4記載の全長アミノ酸配列を有するアミノ
酸配列を含むポリペプチドを特徴とする。
【0043】 ある実施態様では、本発明は組み換え体AUR1および/またはAUR2ポリ
ペプチドを含む。”組み換え体AUR1および/またはAUR2ポリペプチド”
とは、組み換え体DNA技術により生成され、その局在(例えば天然に見つかる
以外の細胞または組織に存在する)、純度または構造が天然に生成するポリペプ
チドとは異なるポリペプチドを意味する。一般に、この様な組み換え体ポリペプ
チドは天然に通常認められる量とは異なる量で細胞内に存在するだろう。
【0044】 別の観点では、本発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチド、また
はAUR1および/またはAUR2ポリペプチドドメインまたは断片に対し特異
的結合親和性を有する抗体(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体
)を特徴とする。”特異的結合親和性”とは、特異的条件下に別のポリペプチド
への結合に比べより大きな親和性で標的(AUR1および/またはAUR2)ポ
リペプチドに抗体が結合することを意味する。抗体または抗体断片は他のポリペ
プチドと結合できる領域を含むポリペプチドである。”特異的結合親和性”とい
う用語は、特定条件下に於いてその他のポリペプチドと結合するよりも大きな親
和性をもってAUR1および/またはAUR2ポリペプチドと結合する抗体を意
味する。
【0045】 ”ポリクローナル”という用語は、抗原またはその抗原的に機能する誘導体に
て免疫された動物の血清に由来する抗体分子の不均質集団である抗体を意味する
。ポリクローナル抗体の産生では、各種宿主動物を抗原注射により免疫すること
ができる。宿主種によって、免疫反応を増加するために各種アジュバントが利用
できるだろう。
【0046】 ”モノクローナル抗体”とは、特定抗原に対する抗体の実質的に均質な集団で
ある。それらは継代細胞株培養より抗体分子を産生するために提供されるいずれ
かの技術により得ることができるだろう。モノクローナル抗体は、当業者公知の
方法により得ることができるだろう(Kohlerら、Nature 256:
495−497,1975、および米国特許第4,376,110号)。
【0047】 ”抗体断片”という用語は、抗体の一部、しばしば特定分子に対する特異的結
合親和性を提示する高可変領域および周辺の重鎖および軽鎖部分を意味する。高
可変領域はポリペプチドの標的に物理的に結合する抗体部分である。
【0048】 AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに対する特異的結合親和性を有
する抗体または抗体断片は、AUR1および/またはAUR2ポリペプチド−抗
体免疫複合体形成に好適な条件下にサンプルを抗体で探索し、AUR1および/
またはAUR2ポリペプチドに結合する抗体の存在および/またはその量を検出
することにより、サンプル中のAUR1および/またはAUR2ポリペチドの存
在および/または量を検出する方法に利用できる。これら方法を実施するための
診断キットは、AUR1および/またはAUR2に特異的な抗体または抗体断片
、並びに抗体の結合相手または抗体そのものの標識体を含むよう構築することが
できる。
【0049】 AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに対し特異的結合親和性を持つ
抗体または抗体断片は、原核生物または真核生物より単離し、濃縮し、または精
製できる。当業者公知の通常の方法により、原核および真核生物の両方にて抗体
または抗体断片を生成できる。ポリペプチド分子である抗体の精製、濃縮および
単離は上記に記載される。
【0050】 AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに対し特異的親和性を持つ抗体
は、免疫複合体が形成する様な条件下にサンプルと抗体を接触せしめ、AUR1
および/またはAUR2ポリペプチドに結合した抗体の存在、および/または量
を検出することにより、サンプル中のAUR1および/またはAUR2ポリペプ
チドの存在、および/または量を検出する方法に利用できるだろう。この様な方
法を実施するための診断用キットは、抗体を含む第1容器、および抗体の結合相
手の標識体および例えば放射性同位元素の様な標識物を有する第2容器を含む様
に構築されるだろう。診断用キットは又FDA承認した使用上の注意および使用
説明書も含むだろう。
【0051】 別の観点では、本発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチドまたは
AUR1および/AUR2ポリペプチドドメインに対し特異的結合親和性を持つ
抗体を産生するハイブリドーマを特徴とする。”ハイブリドーマ”とは、例えば
AUR1および/またはAUR2に対する抗体の様な抗体を分泌することができ
る不死化した細胞樹立株である。好適実施多様では、AUR1および/またはA
UR2に対する抗体は、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに特異的
に結合できるアミノ酸の配列を含む。
【0052】 別の観点では、本発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチドに結合
可能なAUR1および/またはAUR2ポリペプチド結合作用物質を特徴とする
。結合作用物質はAUR1および/またはAUR2ポリペプチド上に存在するエ
ピトープを認識する精製抗体であることが好ましい。その他の結合作用物質には
、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに結合する分子、およびAUR
1および/またはAUR2ポリペプチドに結合する類似分子が含まれる。これら
結合作用物質は、PDGFR活性を測定するアッセイの様な、AUR1および/
またはAUR2結合相手の活性を測定するアッセイを利用し、同定されるだろう
【0053】 本発明は、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドまたは等価配列を含
むヒト細胞をスクリーニングする方法を特徴とする。本方法は、ここにAUR1
および/またはAUR2の同定に関し記載されている方法(例えばクローニング
、サザンまたはノーザンブロット分析、in situハイブリダイゼーション
、PCR増幅法等)の様な、当分野にて通常的かつ標準的である技術を利用し、ヒ ト細胞内に於いて新規ポリペプチドを同定することを含む。
【0054】 別の観点では、本発明は(a)AUR1および/またはAUR2ポリペプチド
と試験物質を接触させ;(b)該ポリペプチドの活性を測定し;そして(c)該
物質が該ポリペプチドの活性を調節するか決定する工程を含む、AUR1および
/AUR2活性を調節可能な物質を同定するための方法を提供する。
【0055】 ”調節する”という用語は、AUR1および/またはAUR2の機能を変化さ
せる化合物の能力を意味する。調節因子は、AUR1および/またはAUR2に
暴露した化合物濃度に依存し、AUR1および/またはAUR2の活性を活性化
し、または阻害することが好ましい。
【0056】 ”活性化する”という用語は、AUR1および/またはAUR2の細胞活性を
増加させることを意味する。”阻害する”とは、AUR1および/またはAUR
2の細胞活性を減少させることを意味する。AUR1および/またはAUR2の
活性は、天然の結合相手との相互作用であることが好ましい。
【0057】 ”調節する”という用語はまた、AUR1および/またはAUR2と天然の結
合相手との間に複合体が形成される蓋然性を増加または減少させることにより、
AUR1および/またはAUR2の機能を変化させることを意味する。調節因子
は、AUR1および/またはAUR2と天然の結合相手間にこれら複合体を形成
する蓋然性を増加させることが好ましく、さらに好ましくはAUR1および/ま
たはAUR2に暴露する化合物の濃度に依存してAUR1および/またはAUR
2と天然の結合相手との間に複合体を形成する蓋然性を増加または減少させ、最
も好ましくはAUR1および/またはAUR2と天然の結合相手との間の複合体
形成の蓋然性を減少させる。
【0058】 ”複合体”という用語は、少なくとも2分子が相互に結合した集合を意味する
。シグナル伝達複合体は、相互に結合しあう2タンパク質分子を含むことが多い
。例えば、プロテインチロシンレセプタープロテインキナーゼ、GRB2、SO
S、RAFおよびRASが集合し、分裂促進リガンドに反応するシグナル伝達複
合体を形成する。
【0059】 ”天然の結合相手”という用語は、細胞中のAUR1および/またはAUR2
に結合するポリペプチドまたは核酸を意味する。AUR1および/またはAUR
2と天然の結合相手の間の相互作用の変化はそれ自体で、AUR1および/また
はAUR2/天然の結合相手複合体を形成し、またはその濃度を増加あるいは減
少させる蓋然性を増加、または減少することができる。
【0060】 ここで使用される”接触する”という用語は、試験化合物を含む溶液を、該方
法の細胞が浸されている液体培地と混合することを意味する。化合物を含む溶液
は更に別の成分、例えば方法の細胞内への試験化合物または化合物群の取り込み
を促進するジメチルスルホキシド(DMSO)を含むこともできる。試験化合物
を含む溶液は、ピペットを基本とした装置または注射器を基本とした装置の様な
供給装置を利用し、細胞が浸されている培地に添加できるだろう。
【0061】 別の観点では、本発明は治療を必要とする患者に対しAUR1および/または
AUR2の活性を調節する物質を投与することによる病気の治療法を提供する。
これら物質は、疾患または問題の障害の治療に対応する活性に関し、1またはそ
れ以上のin vitroアッセイにおいて正の結果を示すことが好ましい(こ
の様なアッセイは以下実施例13に記載)。好ましい活性に関しスクリーニング
可能な物質の例を下記XI章に示した。AUR1および/またはAUR2活性の
調節因子により治療可能と考えられる疾患には、大腸癌、乳癌、腎臓癌、卵巣癌
、膀胱癌、頭部癌および頚部癌、および神経膠腫、神経髄芽腫、軟骨肉芽腫およ
び膵臓腫瘍が含まれ、乳癌、大腸癌および腎臓癌に望ましく、更に大腸癌により
望ましい。AUR1および/またはAUR2の活性を調節する物質には、ここに
記載の様なアンチセンスオリゴヌクレオチド、および実施例内記載の方法および
スクリーニング法により決定されるプロテインキナーゼ阻害剤が好ましいが、も
とよりこれに限定されない。
【0062】 本発明の別の観点は疾患に関する診断手段としてサンプル中のaur1および
/またはaur2を検出する方法であって、(a)サンプルを、ハイブリダイゼ
ーションアッセイ条件下に、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコ
ードする核酸配列、その断片、または該配列あるいは断片の相補体を含み、au
r1および/またはaur2の核酸標的領域とハイブリダイズする核酸プローブ
と接触させる工程;および(b)プローブ:標的領域ハイブリッドの存在または
量を該疾患の指標として検出する工程を含む方法を特徴とする。
【0063】 aur1および/またはaur2”標的領域”は、核酸プローブが特異的にハ
イブリダイズする配列番号1または配列番号2記載のヌクレオチド塩基配列、そ
の機能的誘導体、またはその断片である。特異的ハイブリダイゼーションは、他
の核酸が存在する状態でプローブがaur1および/またはaur2標的領域と
のみ検出可能にハイブリダイズすることを意味する。推定上の標的領域は、デー
タベース中の最も関連性の高い配列とアラインメントし、比較することを含む当
業者公知の方法により同定できる。
【0064】 好適実施態様では、核酸プローブは配列番号3または配列番号4記載の完全長
配列の少なくとも12、75、90,105、120、150、200、250
、300または350隣接アミノ酸をコードするaur1および/またはaur
2の標的領域またはその機能的誘導体にハイブリダイズする。ハイブリダイゼー
ション条件は、ハイブリダイゼーションが他の核酸分子存在下にaur1および
/またはaur2とのみ生ずるものでなければならない。厳密なハイブリダイゼ
ーション条件下では、高い相補性を持つ核酸のみがハイブリダイズする。これら
条件が20隣接ヌクレオチド中に1または2ミスマッチがある核酸のハイブリダ
イゼーションを防ぐことが好ましい。この様な条件は上記に定義されている。
【0065】 サンプル中のaur1および/またはaur2の検出が診断となる疾患には、
aur1および/またはaur2の核酸(DNAおよび/またはRNA)が正常
細胞に比べ増幅されている疾患が含まれる。”増幅”とは、正常細胞に比べて細
胞中のaru1および/またはaur2DNAまたはRNAの数が増加している
ことを意味する。正常細胞では、aur1およびaur2は1コピー遺伝子とし
て認められる。特定の疾患では、aur1および/またはaur2の染色体部位
が増幅され、その結果遺伝子は複数のコピーを生じ、あるいは増幅される。遺伝
子の増幅によりaur1および/またはaur2RNAの増幅が起こるか、また
はaur1および/またはaur2RNAはaur1および/またはaur2の
DNA増幅なしに増幅される。
【0066】 RNAに関する場合”増幅”とは、一部正常細胞ではaur1および/または
aur2RNAの基礎発現は無いことから、細胞内のaur1および/またはa
ur2RNAが検出可能に存在しているこである。その他の正常細胞では、au
r1および/またはaur2は基礎レベル発現しており、従ってこれらの細胞で
は増幅とはこの基礎レベルに比べ、aur1および/またはaur2RNAが少
なくとも1−2倍、好ましくはそれ以上検出されることである。
【0067】 サンプル中のaur1および/またはaur2の検出により診断可能であろう
疾患には、大腸癌、乳癌、腎臓癌、卵巣癌、膀胱癌、頭部癌および頚部癌、およ
び神経膠腫、神経髄芽腫、軟骨肉芽腫および膵臓腫瘍が含まれ、乳癌、大腸癌お
よび腎臓癌に望ましく、更に大腸癌により望ましい。
【0068】 本発明の核酸プロービング法に好適な試験サンプルには、例えば細胞または細
胞の核酸抽出物、あるいは生体液がある。上記方法で使用されるサンプルは、ア
ッセイの形状、検出法およびアッセイする組織、細胞または抽出物の性質により
多様であろう。細胞の核酸抽出物の調製方法は当業者公知であり、使用する方法
に合せサンプルを得る様に、容易に適合できる。
【0069】 本発明の別の観点は、配列番号1および/または配列番号2に含まれるAUR
1および/またはAUR2ポリペプチド、およびその断片をコードする核酸配列
に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを特徴とする。好適発明では、アンチ
センスオリゴヌクレオチドはホスホロチオネートとして合成される。好適実施態
様では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは以下の配列を含む(5’−3’):
ヌクレオチドaur2の1743−1763:CAGGGCAGAGTGGTC
ACTTTC(配列番号30)、aur2のヌクレオチド42−62:CGTC
CGCCACTCCGACCAGCC(配列番号31)、aur2のヌクレオチ
ド1654−1674:TGCAGTCGAACCTTGCCTCCA(配列番
号32)。
【0070】 本発明のアンチセンスオリゴヌクオチドは、好ましくは正常および腫瘍細胞に
於けるAUR1および/またはAUR2タンパク質発現の阻害に用いられる。ア
ンチセンスオリゴヌクレオチドは、単独または組み合わせで利用することができ
る。好適実施多様では、配列番号30と配列番号32または配列番号31と配列
番号32のいずれかを一緒に用いる。好適実施態様では、AUR2の発現は有意
に低下し、より好ましくは検出限界以下に低下する。その他の好適実施態様では
、配列番号31および配列番号32による処置は増殖を阻害し、および/または
細胞内にアポトーシスを誘導する。アンチセンスオリゴヌクレオチドもまたヌー
ドマウスに於けるヒト腫瘍細胞外殖体中のAUR1および/またはAUR2タン
パク質発現の阻害にも利用できる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、過剰に
AUR2を発現している様々なヒト腫瘍内の治療に好ましく利用できる。
【0071】 別のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび有効な組み合わせは、当業者公知
の方法で同定できる。要約すれば、aur1および/またはaur2を過剰発現
している細胞または組織は、単独または組み合わせのいずれかによりアンチセン
スオリゴヌクレオチドと接触でき、またaur1および/またはaur2RNA
、および/またはAUR1および/またはAUR2ポリペプチドの発現は本明細
書記載の方法により決定できる。好ましくは、aur1および/またはaur2
RNA、および/またはAUR1および/またはAUR2ポリペプチドを減少し
、より好ましくは発現は有意(1ないし2倍)に減少し、最も好ましくは発現は
検出不可能なレベルまで減少する。
【0072】 上記発明の要約は非限定的であり、本発明のその他の特徴および優位点は好適
実施態様の以下の記述およびクレームより明瞭となるだろう。 発明の詳細な説明 本発明は、一部はAUR1および/またはAUR2ポリペプチド、この様なポ
リペプチドをコードする核酸、この様な核酸を含む細胞、これらポリペプチドに
対する抗体、これらポリペプチドを利用するアッセイおよび上記全てに関連する
方法に関する。本発明は、AUR1および/またはAUR2と命名された新規タ
ンパク質の単離および特性解析に基づく。ポリペプチドおよび核酸は、ここに提
示される配列が提供された場合には既知および標準の合成技術を利用し生成でき
る。 I.AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードする核酸 ここに記載された単離された核酸分子の機能的に等価なものは本発明の範囲に
含まれる。遺伝コードの縮重により、同一アミノ酸を特定する別のコドンにより
特定コドンを置換でき、従って同一タンパク質を生成することができる。メチオ
ニンおよびトリプトファンを除く既知アミノ酸は1以上のコドンによりコードで
きることから、核酸配列は本質的に変化できる。即ち、AUR1および/または
AUR2の一部または全てを合成し、配列番号1または配列番号2に示された核
酸配列とは本質的に異なる核酸配列を提供できる。しかし、そのコードされたア
ミノ酸配列は保存される。
【0073】 更に、核酸配列は配列番号1または配列番号2に示す核酸式またはその誘導体
の5’末端および/または3’末端に少なくとも1ヌクレオチドを付加、欠失ま
たは置換した結果生じたヌクレオチド配列を含むだろう。この点に関しては、そ
の付加、欠失または置換により、ヌクレオチド配列によりコードされる配列番号
3または配列番号4のアミノ酸配列を変化させないヌクレオチドまたはポリヌク
レオチドであれば何れも使用できるだろう。例えば、本発明は本発明の核酸配列
またはその誘導体の5’末端に開始コドンとしてATGを付加することで生ずる
、または本発明のヌクレオチド配列またはその誘導体の3’末端に終止コドンと
してTTA、TAGまたはTGAを付加し生ずる核酸配列を含むものである。更
に、本発明の核酸分子は、必要に応じてその5’末端および/または3’末端に
制限エンドヌクレアーゼ認識部位が付加される。
【0074】 ある核酸配列のそのような機能変更は、それに融合された外来核酸配列により
コードされた異種タンパク質の分泌および/または加工を促進する機会を提供す
る。従って、遺伝的コードにより可能であるAUR1および/またはAUR2遺
伝子のヌクレオチド配列の全変異体およびその断片は本発明に包含される。
【0075】 更に、1またはそれ以上のコドンを欠失させ、または縮重コドン以外のコドン
と置換し、構造的に変化しているが、利用性または活性は本質的に未変化の核酸
分子により産生されるポリペプチドと同一であるポリペプチドを産生することが
可能である。当分野公知の如く、2つのポリペプチドを生成する2つの核酸分子
間の違いが遺伝的コドンの縮重と無関係であっても、該核酸分子が機能的に等価
であれば、該ポリペプチドも機能的に等価である。 II.AUR1および/またはAUR2検出用核酸プローブ aur1およびaur2の特異的N末端領域に由来するプローブを用いたサザ
ンブロットは、これらがヒト細胞中には1コピー遺伝子として存在していること
を示している。しかし、厳密性の低い条件では、aur1プローブと弱くハイブ
リダイズする1.3kbおよび3.2kbのSacI断片が検出された。
【0076】 本発明の核酸プローブは、通常のハイブリダイゼーション法により適当な染色
体またはcDNAのライブラリーを探索し、本発明の別の核酸分子を得るのに利
用できるだろう。染色体DNAまたはcDNAライブラリーは当分野既知の方法
により、適当な細胞より調製することができる(”分子クローニング:研究室マ
ニュアル(Molecular Cloning;A Laboratory
Manual)”、第2版、Cold Spring Harbor Labo
ratory、Sambrook、Fritsch、& Maniatis、編
集、1989参照)。
【0077】 あるいは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列のN末端およびC末端に対応
する核酸配列を有する核酸プローブを得るために化学合成を行う。合成された核
酸プローブは、本質的に、PCRプロトコール、”方法と応用の指針(A Gu
ide to Methods and Applications)”、Ac
ademic Press、Michaelら、編集、1990に従う既知PC
R技術により実施されるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)にてプライマーとして
使用され、適当な染色体またはcDNAライブラリーを利用し本発明の断片を得
る。
【0078】 当業者は、当分野既知のコンピューターアラインメントと配列分析の方法を利
用して、ここに開示された配列に基づき容易にこれらプローブを設計することが
できる(”分子クローニング(Molecular Cloning):研究室
マニュアル”、1989、上記)。本発明のハイブリダイゼーションプローブは
、放射線標識、酵素標識、蛍光標識、ビオチン−アビジン標識、化学発光物質等
の様な標準的標識技術により標識することができる。ハイブリダイゼーション後
、プローブは既知方法により視覚化できるだろう。
【0079】 本発明の核酸プローブには、当分野既知の技術を用いて作られるRNAおよび
DNAプローブが含まれる。核酸プローブは固相支持体上に固定できる。これら
固相支持体の例には、ポリカーボネートの様なプラスチック、アガロースとセフ
ァロースの様な複合炭水化物、ポリアクリアミドやラテクッスビーズの様なアク
リル樹脂が含まれるが、もとよりこれに限定されるものではない。これら固相へ
核酸プローブを結合させる技術は当分野で良く知られている。
【0080】 本発明の核酸プロービング法に好適な試験サンプルには、例えば細胞または細
胞の核酸抽出物、あるいは生体液がある。上記方法に使用されるサンプルはアッ
セイの形状、検出方法、アッセイ対象の組織、細胞または抽出物の性質により変
わるだろう。細胞の核酸抽出物の調製方法は当分野で良く知られており、使用す
る方法に合ったサンプルを得るために容易に適合させることができる。 III.AUR1および/またはAUR2を検出するためのプローブを基本とする 方法およびキット Aur1RNAは、正常および腫瘍組織に由来する急速に分裂している細胞の
中に広く発現される。Aur2RNAはより制限されたパターンで発現され、多
くの正常組織では発現は低いか無く、腫瘍由来の細胞株のサブセットでのみ豊富
に発現しており、特に大腸、腎臓、メラノーマおよび乳房を起源とする株では2
.4kbのaur2転写体が96%で発現している(25例中24例)。この2
4個の腫瘍細胞株では、1.4kbのaur1転写体がaur2と同様レベルで
同時発現している。
【0081】 原発性ヒト結腸直腸腫瘍41例中約54%(22/41)では、正常の直腸結
腸コントロールに比べAur2RNAの発現も増加していた。Aur2RNAは
、腫瘍組織では正常組織に比べ4−28倍過剰に発現している。
【0082】 ヒトaur1は染色体17p13.1上に局在しており、ヒトaur2は染色
体20q13.2上に局在している。Aur2は第20染色体上の0.825−
0.83Flpter(fractional length from pt
er)にある(Tannerら、Cancer res.54:4257−42
60、1994;Tannerら、Cancer Res.56:3441−3
445,1996)ビタミンD脱水素酵素(CYP24)遺伝子およびコスミッ
ドプローブRMC20C001に隣接しマップされる。これらマーカーは共に多
くのヒト悪性腫瘍、特に乳房、膀胱および大腸に由来する悪性腫瘍に共通の20
a13アンプリコン内に存在するという特徴を持っている(Tanner 19
94、上記;Tanner 1996、上記;Kallioniemiら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA91:2156−2160、199
4;Yaseenら、Cancer Genet.Cytogenet.44:
83−97,1990;Mulerisら、Cancer Genet.Cyt
ogenet.29:289−301,1987;Schlegelら、Can
cer Res.55:6002−6005、1995;Jamesら、Onc
ogene 14:1059−1065,1997;Solinas−Told
oら、Cancer Res.56:3803−3807、1995;Bock
muhlら、Laryngorhinootologie 75:408−41
4,1996;Larramendyら、Am.J.Pathol.150:6
85−691,1997;Reznikoffら、Semin.Oncol.2
3:571−584、1996;Courjalら、Br.J.Cancer
74:1984−1989,1996;Iwabuchiら、Cancer R
es.55:6172−6180;Bignerら、Cancer Genet
.Cytogenet.30;91−101,1988)。aur2−特異バン
ドは腫瘍サンプル中で増幅されていることを示した。
【0083】 遺伝子型判定に好適なDNAが得られた原発性直腸結腸癌79例中41例(5
2%)でAUR2DNAが増幅された。12サンプル中9例が、組織内のAUR
2のDNAは正常組織に比べ2−8倍増幅していた。11例のサンプルは、DN
A増幅とRNA過剰発現の間に直接の相関性が示された。
【0084】 ヒト乳癌中で最も一般的な高いコピー増幅領域は17q22および20q13
.2に局在している(Tanner 1994,上記;Tanner 1996
、上記;Kallinoiemi 1994,上記)。原発性乳癌例の6−18
%および乳癌細胞株の40%については20qの低い増幅レベルが報告されてい
る。BRCA2陽性乳癌例では頻度は60%まで増加した(Tanner 19
94,上記;Tanner 1996、上記; Kallioniemi 19
94,上記;Tirkkonenら、Cancer Res.57:1222−
1227,1997)。高レベルの20q増幅は、リンパ節陰性乳癌患者の予後
不良と相関している(Isolaら、Am.J.Pathol.147:905
−911,1995)。低レベルの20q増幅は大腸癌、卵巣癌、膀胱癌、神経
膠腫、神経髄芽腫、軟骨肉芽腫、膵臓癌および頭部並び頚部癌でも報告されてい
る(Yaseen 1990、上記;Muleris 1987、上記;Sch
legel 1995、上記;James 1997、上記; Solinas
−Toldo 1996、上記;Bockmuhl 1996、上記; Lar
ramendy 1997,上記;Reznikoff 1996、上記;Co
urjal 1996,上記; Iwabuchi 1995,上記;Bign
er 1998、上記)。複数の研究はまた原発性直腸結腸癌の約60%に20
qの染色体増加を見いだしている(Yaseen 1990,上記;Muler
is 1987,上記;Schlegel 1995、上記)。細胞培養モデル
からは、不死化には20qの低レベル増幅が関連し、高レベル増幅には染色体不
安定と相関することが示唆されている(Savalievaら、Oncogen
e 14:551−560,1997)。
【0085】 AUR2DNAは原発性結腸癌79例中41例(52%)で増幅していた。C
YP24遺伝子は適合させた41ペア中37ペアでaur2と同時に増幅され、
aur2増幅を認めない増幅例は1例のみであった。Aur2DNA増幅および
RNAの過剰発現は強く相関していた(r=0.695)。DNA増幅がaur
2活性化のメカニズムであり、aur2はその高レベル増幅が各種固形癌に於け
る不良な臨床帰結と相関する20q13の発癌遺伝子であろう(Isola 1
995,上記)。
【0086】 サンプル中のaur1および/またはaur2の存在を検出する方法の一つは
、(a)該サンプルをハイブリダイゼーションが起こる条件の下に上記核酸プロ
ーと接触せしめ、そして(b)該核酸分子と結合した該プローブの存在を検出す
ることを含む。当業者は上記当分野既知の技術により、核酸プローブを選択する
だろう。試験対象のサンプルにはヒト組織のRNAサンプルが含まれるが、これ
に限定されるものではない。
【0087】 サンプル中のaur1および/またはaur2の存在を検出するためのキット
は、その中に上記核酸プローブを含む容器を少なくとも1つ含む。キットは更に
以下のものを1またはそれ以上含むその他の容器を含む:洗浄剤および結合した
核酸プローブの存在を検出できる試薬。検出試薬の例には、放射線標識プローブ
、酵素標識プローブ(西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ
)および親和性標識プローブ(ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジン)
があるが、もとよりこれに限定されるものではない。
【0088】 詳しくは、コンパートメント化されたキットは、試薬が別々の容器内に含まれ
ているいずれかのキットを含む。この様な容器には小ガラス製容器、プラスチッ
ク製容器または、プラスチックまたは紙の小片を含む。これら容器により、1つ
のコンパートメントから別のコンパートメントに試薬を効果的に移すことができ
、サンプルおよび試薬は相互汚染せず、各容器の試薬または液体をあるコンパー
トメントから別のコンパートメントに定量的様式で加えることができる。これら
容器は、試験サンプルを受ける容器、アッセイに使用するプローブまたはプライ
マーを含む容器、洗浄剤(リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝液等)を含む容器
、およびハイブリダイズしたプローブ、結合抗体、増幅産物等の検出に使用され
る試薬を含む容器を含むだろう。当業者は、本発明記載の核酸プローブが当分野
既知の確立したキット形態の1つに簡単に組み込めることを容易に理解するだろ
う。
【0089】 IV. Aur1および/またはAur2核酸分子を含むDNA構築体およびこ れら構築体を含む細胞 本発明は、5’から3’方向に、宿主細胞内での転写を開始するのに有効なプ
ロモーターおよび上記核酸分子を含む組み換え体DNA分子にも関する。更に、
本発明はベクターおよび上記核酸分子を含む組み換え体DNA分子に関する。本
発明は更に細胞内で機能する転写領域、上記ポリペプチドに対応するアミノ酸配
列をコードするRNA配列に相補的な配列、および該細胞内で機能する転写終止
領域を含む核酸分子にも関する。上記分子は単離されたおよび/または精製され
たDNA分子であろう。
【0090】 本発明は、上記核酸分子を含み、それによりペプチドを発現できる細胞または
生物体にも関する。ポリペプチドは、ポリペプチドを発現するように変更された
細胞より精製されるだろう。遺伝的操作により正常には産生しないまたは通常細
胞は低レベルに産生するタンパク質を産生するように作られる場合、細胞は”所
望ポリペプチドを発現する様に変化した”と呼ばれる。当業者はゲノム、cDN
Aまたは合成配列を真核または原核細胞内に導入し、発現させるための方法を容
易に適合できる。
【0091】 DNAの様な核酸分子は、それが転写および翻訳制御情報を含む核酸配列を含
む場合には、ポリペプチドを”発現できる”と呼ばれ、又これら配列はポリペプ
チドをコードするヌクレオチド配列に”作動可能に結合”される。作動可能な結
合は、制御DNA配列と発現を所望するDNA配列が遺伝子配列が発現可能な様
式に接続された結合である。遺伝子配列発現に必要な制御域の正確な性質は生物
毎に異なるだろうが、一般的には原核生物ではプロモーター(RNA転写の開始
を目的とする)およびRNAに転写された時に合成開始を伝達するであろうDN
A配列を含むプロモーター領域を含むだろう。これら領域は通常TATAボック
ス、キャッピング配列、CAAT配列等の転写開始および翻訳に関与する5’非
コーディング配列を含むだろう。
【0092】 必要に応じて、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードする配
列の3’側の非コーディング領域は上記方法により得ることができる。本領域は
、その停止およびポリアデニレーションの様な転写終止制御配列のために保持さ
れるだろう。即ち、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードする
DNA配列に隣接する天然の3’領域を保持することによって、転写終止シグナ
ルが提供されるだろう。転写終止シグナルが発現宿主細胞内で十分に機能しない
場合、宿主細胞で機能する3’領域に置換することができる。
【0093】 2種類のDNA配列(プロモーター領域配列、およびaur1および/または
aur2配列)間の結合特性が、(1)フレームシフト変異を誘導せず、(2)
aur1および/またはaur2遺伝子配列の転写を指示するプロモーター領域
配列の能力を妨害せず、または(3)プロモーター領域配列により転写されるa
ur1および/またはaur2遺伝子配列の能力を妨害しない場合、これらの2
つのDNA配列は作動可能に結合していると称される。換言すれば、プロモータ
ーがDNA配列の転写に影響可能な場合、該プロモーター領域は上記DNA配列
と作動可能に結合している。即ち、aur1および/またはaur2遺伝子を発
現させるには、適当な宿主により認識される転写および翻訳のシグナルが必要で
ある。
【0094】 本発明は、原核細胞または真核細胞中のaur1および/aur2遺伝子(ま
たはその機能的誘導体)の発現を包含する。一般的に原核生物宿主は組み換え体
タンパク質の産生に極めて有効かつまた便利であり、従ってaur1および/ま
たはaur2遺伝子の好適発現システムの1つである。最も頻繁に用いられる原
核生物は各種大腸菌株である。しかし、その他の細菌株を含む微生物株も利用で
きる。
【0095】 原核システムでは、宿主に適合した種に由来する複製部位と制御配列を含むプ
ラスミドベクターが利用される。好適プラスミドベクターの例にはPBR322
、pUC118、pUC119等が含まれる;好適なファージまたはバクテリオ
ファージベクターにはγgt10、γgt11等を含み;又好適ウイルスベクタ
ーはpMA−neo、pKRC等を含むだろう。
【0096】 知られている原核生物宿主には大腸菌、枯草菌、放線菌、シュードモナス、サ
ルモネラ菌、セラチア菌等を含む。しかし、この様な条件ではペプチドはグリコ
シル化されないらろう。原核生物宿主は発現プラスミドのレプリコンおよび制御
配列に適合していなければならない。
【0097】 aur1および/またはaur2(またはその機能誘導体)を原核生物細胞内
で発現させるためには、aur1および/またはaur2配列を機能的原核生物
プロモーターに作動可能に連結する必要がある。この様なプロモーターは構成的
、またはより好ましくは制御可能(即ち誘導可能または抑制可能)であろう。構
成的プロモーターの例には、バクテリオファージλのintプロモーター、pB
R322のβ−ラクタマーゼ遺伝子配列のblaプロモーター、pBR325の
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子配列のCATプロモー
ター等がある。誘導可能な原核生物プロモーターには、バクテリオファージλの
主要左および右プロモーター(PLおよびPR)、大腸菌のtrp、recA、λ
acZ、λacIおよびgalプロモーター、枯草菌のα−アミラーゼ(Ulm
anenら、J.Bactreriol.162:176−182、1985)
およびζ−2B−特異プロモーター(Gilmanら、Gene Sequen
ce 32:11−20,1984)、桿菌のバクテリオファージのプロモータ
ー(Gryczan、桿菌の分子生物(The Molecular Biol
ogy of the Bacilli)内、Academic Press,
Inc.,NY、1982)、および放線菌プロモーター(Wardら、Mol
.Gen.Genet.203:468−478,1986)がある。原核生物
プロモーターはGlick(Ind.Microbiot.1:277−282
,1987)、Cenatiempo(Biochimie 68:505−5
16,1986)およびGottesman(Ann.Rev.Genet.1
8:415−442,1984)により概説されている。
【0098】 原核生物細胞での適切な発現には、遺伝子配列をコードする配列の上流にリボ
ソーム結合部位が存在することも必要である。この様なリボソーム結合部位は、
例えばGoldら(Ann.Rev.Microbiol.35:365−40
4,1981)により開示されている。制御配列、発現ベクター、形質転換方法
等は遺伝子発現に利用する宿主細胞の型に依存する。ここでいう”細胞”、”細
胞株”および”細胞培養”とは相互に交換可能に利用され、そのいずれの定義も
子孫を含んでいる。即ち、”形質転換細胞”という用語には、元の対象細胞と継
代回数に関わらずそれに由来する培養体が含まれる。計画的又偶発的変異のため
、全ての子孫がDNA含有に関して正確に同一である必要はないことも理解され
る。しかし定義されるように、変異体子孫は元の形質転換細胞と同一の機能を持
っている。
【0099】 本発明の発現系に利用できる宿主細胞は厳密には制限されていないが、目的と
するAUR1および/またはAUR2ペプチドの発現の利用に好適なものである
。好適な宿主は真核生物細胞を含む事が多いだろう。好適な真核生物宿主には、
in vivoまたは組織培養いずれかの例えば酵母、真菌、昆虫細胞、哺乳動
物細胞がふくまれる。宿主として有用であろう哺乳動物細胞には、HeLa細胞
、VEROまたはCHOL−K1の様な繊維芽細胞起源の細胞、あるいはリンパ
細胞起源の細胞やそれらの誘導体が含まれる。好ましい哺乳動物宿主細胞には、
SP2/0およびJ558L、並びにIMR322の様な神経芽腫細胞株が含ま
れており、これらは正確な翻訳後のプロセッシングに関し優れた能力を提供する
だろう。
【0100】 更に、植物細胞も宿主細胞として利用でき、またカリフラワーモザイクウイル
ス35Sおよび19Sやノパリン合成酵素プロモーターやポリアデニレーション
シグナル配列の様な植物細胞に適した制御配列も利用可能である。別の好適宿主
は例えばショウジョウバエ幼虫の様な昆虫細胞である。昆虫細胞を宿主として用
いる場合、ショウジョウバエのアルコールデヒドロゲナーゼプロモーターが利用
できる(Rubin、Science 240:1453−1459、1988
)あるいは、バキュロウイルスベクターを操作して昆虫細胞内に於いて大量のA
UR1および/またはAUR2を発現することができる(Jasny,Scie
nce238:1653m1987;Millerら、Genetic Eng
ineering、Vol.8、Plenum、Setlowら、編集、pp.
277−297、1986内)。
【0101】 酵母をグルコースに富んだ培地中で培養した時に大量に産生される糖分解酵素
をコードする、活発に発現している配列からのプロモーターと終止要素を取り込
んだ一連の酵母発現系が利用可能である。既知の糖分解遺伝子の配列は極めて効
率的な転写制御シグナルも提供できる。酵母は翻訳後修飾も実施可能であるとい
う大きな優位点を提供する。酵母中で所望タンパク質の生産に利用可能な強力な
プロモーター配列と高コピー数プラスミドを利用した組み換え体DNA法は多数
存在している。酵母はクローン化された哺乳動物遺伝子上にあるリーダー配列を
認識し、リーダー配列を持つペプチド(即ちプレペプチド)を分泌する。哺乳動
物宿主細胞内でのaur1および/またはaur2発現に利用可能と考えられる
複数のベクター系がある。
【0102】 宿主の性質により、広範囲の転写および翻訳制御配列が利用できるだろう。転
写および翻訳制御シグナルは、制御シグナルが特定の遺伝子配列と結合して高レ
ベルに発現するアデノウイルス、ウシパピローマウイルス、サイトメガロウイル
ス、シミアンウイルス等のウイルス源に由来するだろう。あるいは、アクチン、
コラーゲン、ミオシン等の哺乳動物発現産物由来のプロモーターが利用される。
抑制または活性化を可能にする転写開始制御シグナルは、遺伝子配列の発現が調
節可能な様に選択される。目的とする制御シグナルには、温度を変化させること
で発現を抑制または開始できる温度感受性のシグナル、または化学物質(代謝物
の様な)制御の対象となるシグナルがある。
【0103】 真核生物宿主でのaur1および/またはaur2の発現には、真核生物の制
御域の利用が必要である。この様な領域には、一般にRNA合成の開始を指示す
るのに十分なプロモーター領域が含まれる。好ましい真核生物プロモーターには
、例えばマウスメタロチオネインI遺伝子配列(Hamerら、J.Mol.A
ppl.Gen.1:273−288,1982);ヘルペスウイルスのTKプ
ロモーター(McKnight、Cell 31:355−365,1982)
;SV40初期プロモーター(Benoistら、Nature(London
)290:304−31,1981);および酵母gal4遺伝子配列プロモー
ター(Johnstonら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA
)79:6971−6975,1982:Silverら、Proc.Natl
.Acad.Sci.(USA)81:5951−5955,1984)が含ま
れる。
【0104】 真核生物のmRNAの翻訳は最初のメチオニンをコードするコドンで開始され
る。このため、真核生物プロモーターとAUR1および/またはAUR2(また
はその機能的誘導体)をコードするDNA配列間の結合にはメチオニンをコード
可能な介在コドン(例えばAUG)を含まないことが好ましい。この様なコドン
が存在すると、融合タンパク質(AUGコドンがaur1および/またはaur
2をコードする配列と同一の読みとり枠にある場合)またはフレームシフト変異
体(AUGコドンがaur1および/またはaur2をコードする配列と同一の
読みとり枠にない場合)が形成される。
【0105】 aur1および/またはaur2核酸分子と作動可能に結合したプロモーター
がレシピエントの原核生物細胞または真核生物細胞内に、直線状分子、あるいは
より好ましくは閉環状分子のいずれかである非複製DNAまたはRNA分子とし
て取り込まれる。この様な分子は、自律的に複製できないため、これら遺伝子の
発現は導入配列の一過性発現によって起こる。あるいは、宿主染色体内へ導入D
NA配列が組み込まれることにより永続的に発現される。
【0106】 宿主細胞染色体内に所望遺伝子を組み込む事ができるベクターが使用できる。
導入されたDNAをその染色体内に安定し組み込まれた細胞は、発現ベクターを
含む宿主細胞の選択を可能にする1またはそれ以上のマーカーを導入することで
も選択できる。マーカーは栄養要求宿主に対し原栄養性、例えば抗生物質または
銅の様な重金属といった殺菌剤に対する耐性等を提供する。選択可能なマーカー
遺伝子配列は、発現されるDNA遺伝子配列と直接結合されるか、またはコトラ
ンスフェクションにより同一細胞内に導入される。最適なmRNA合成には追加
の要素も必要となるだろう。そのれら要素には、スプライスシグナル並びに転写
プロモーター、エンハンサー、終止シグナルが含まれる。これら要素を含むcD
NA発現ベクターには、Okayamaにより記載された(Mol.Cell.
Biol.3:280−7、1983)発現ベクターが含まれる。
【0107】 導入された核酸分子はレシピエント宿主内で自立複製可能なプラスミドまたは
ウイルスベクター内に取り込ませることができる。この目的には、数多くあるベ
クターのどれでもが利用可能であろう。特定のプラスミドまたはウイルスベクタ
ーを選択する上で重要な因子には:ベクターを含むレシピエント細胞の認識、お
よびベクターを含まないレシピエント細胞からの選別の容易さ;特定宿主内で望
まれるベクターのコピー数;および各種宿主細胞間でベクターを”行き来き”可
能であることが望ましいか否かがある。
【0108】 好ましい原核生物ベクターには、大腸菌内で複製可能なプラスミド(例えばp
BR322、ColE1、pSC101、pACYC184、πVX;”分子ク
ローニング:研究室マニュアル(Molecular Cloning:A L
aboratory Manual)”、1989、上記)の様なプラスミドを
含む。桿菌プラスミドにはpC194、pC221、pT127等がある(Gr
yczan、桿菌の分子生物学(The Molecular Biology
of the Bacilli)、Academic Press、NY,p
p.307−329、1982内)。好適な放線菌プラスミドにはp1J101
(Kendallら、J.Bacteriol.169:4177−4183、
1987)を含み、又放線菌バクテリオファージにはφC31(Chaterら
、第6回国際放線菌目生物学シンポジウム(International Sy
mposium on Actinomycetales Biology)、
Akademiai Kaido、Budapest、Hungary,pp.
45−54,1986)等が含まれる。シュードモナスプラスミドはJohnら
に(Rev Infect.Dis.8:693−704,1986)およびI
zaki(Jpn.J.Bacteriol.32:729−742,1978
)によりレビューされている。
【0109】 好ましい真核生物プラスミドには、例えばBPV、ワクシニア、SV40、2
−ミクロサークル等、またはそれらの誘導体が含まれる。そのようなプラスミド
は当業者公知である(Botsteinら、Miami Wntr.Symp.
19:265−274,1982;Broach,”酵母サッカロマイセスの分
子生物学:生活環と遺伝(The Molecular Biology of
the Yeast Saccharomyces:Life Cycle
and Inheritance)”内、Cold Spring Harbo
r Laboratory、Cold Spring Harbor、NY、p
.445−470、1981;Broach、Cell 28:203−204
、1982;Bollonら、J.Ctin、Hematol.Oncol.1
0:39−48,1980;Maniatis、細胞生物学:総論、第3巻、遺
伝子配列発現(Cell Biology:A Comprehensive
Treatise、Vol.3、Gene Sequence Express
ion)内、Academic Press、NY、pp.563−608、1
980)。
【0110】 発現のために構築体を含むベクターまたは核酸を調製したら、各種の適当な手
段、即ち形質転換、トランスフェクション、接合、プロトプラスト融合、エレク
トロポレーション、粒子ガン法、カルシウムリン酸沈殿法、直接マイクロインジ
ェクション等によりDNA構築体は適当な宿主細胞内に導入される。ベクター導
入後、レシピエント細胞はベクター含有細胞の増殖を選別する選択培地内で増殖
される。クローン化遺伝子を発現させるとAUR1および/またはAUR2、ま
たはその断片が産生される。上記発現はこの様な形質転換細胞の内で、またはそ
れら細胞を分化誘導した後に(例えば、神経芽腫細胞にブロモデオキシウラシル
等を投与することにより)行うことができる。各種インキュベーション条件を利
用し本発明のペプチドを形成することができる。最も好ましい条件は生理学的条
件を模擬したものである。
【0111】 V.精製AUR1および/またはAUR2ポリペプチド AUR1およびAUR2は短いN−末端延長を持つセリン/スレオニンキナーゼ
に関連する。ショウジョウバエおよび酵母の相同体は有糸分裂制御に関与してい
ると考えられている。同ヒトタンパク質は癌および/またはその他のシグナル伝
達障害に関与すると考えられている。
【0112】 ヒトaur1およびaur2遺伝子の一次配列分析からは、これら配列が全て
のセリン/スレオニンキナーゼに特徴的なモチーフを持つ、高度に保存されたC
−末端プロテインキナーゼドメインを持っていることが示された。更に、ヒトa
ur1およびaur2の73ないし129アミノ酸のN−末端ドメインには、あ
らゆるオーロラ(aurora)遺伝子の非触媒領域に存在し、制御機能または
基質結合モチーフとして機能すると考えられる2種類の保存モチーフが含んでい
る。
【0113】 第1モチーフには10アミノ酸ストレッチ、オーロラボックス1(Auror
a Box1)と呼ばれるKENX4PVKを含む。第2モチーフはオーロラボ ックス2と呼ばれる15アミノ酸ストレッチであるQX9AQRVL付近に中心 を於いている。これらタンパク質には、キナーゼの活性化ループ内にプロテイン
キナーゼAリン酸化モチーフであるRRXTを含むタンパク質では、潜在的セリ
ンおよびスレオニンリン酸化部位も保存されており、細胞周期により制御される
CDC2/CDK−関連タンパク質に類似する制御経路が示唆されている。
【0114】 酵母IPL1遺伝子の温度感受性変異体は、活性化ループ2内でThrからA
laへの置換を含んでおり、この部位のリン酸化が生物学的に関係することが示
唆されている。酵母(Chanら、Genetics 135:577−691
、1993)およびショウジョウバエ(Gloverら、Cell 81:95
−105,1995)のオーロラ相同体の別の変異は、N−末端オーロラボック
ス2NaI、Asp47の変異を含むソウジョウバエの変異体を除き、全てキナ
ーゼドメインにマップされている。これら変異の結果、異常な核、染色体の分離
異常および単極性紡錘体が生ずる。
【0115】 Aur2の発現は基本的には胎児の肝臓、成体の精巣および胸腺に限定されて
いることから、これらタンパク質の正常機能は有糸分裂に関係していることが示
唆されている。ヒトAur1も正常な精巣と胸腺で最も高いレベルで発現してお
り、肺や小腸では中位に発現している。極めて弱いAur2の発現は骨髄、リン
パ節および脾臓でも認められており、今のところその他の成人組織については発
現は認められていない。
【0116】 別の研究から、有糸分裂中のこれらの転写体の極めて厳密な一過性制御が示さ
れている(およびKimuraら、J.Biol.Chem.272:1376
6−13771、1997)。AUR1およびAUR2は共に核分裂を制御し、
そのシグナルの破壊は倍数体細胞を生ずると考えられている。この表現形は、酵
母相同体のIPL1に見られるように、染色体の分離異常に起因すると考えられ
ている。
【0117】 AUR2は細胞の形質転換に関係すると考えられている。in vitroに
てミエリン塩基性タンパク質をリン酸化できる活性化AUR2の異所性発現は、
野生型AUR2、キナーゼ不活性型AUR2およびベクターに比べ低血清状態で
のNIH3T3細胞の増殖に優位に働く。更に、活性化されたAUR2を発現す
るNIH3T3細胞だけが、ソフトアガー中に大きなコロニーを形成し、固定化
依存増殖を示した。
【0118】 しかしrat1繊維芽細胞系では、野生型および活性型AUR2(T288D
)タンパク質は共に人工基質であるαカゼインを、ベクターコントロール細胞株
で観察されたレベル以上にリン酸化することができた。更に、野生型および活性
型変異AUR2を発現している細胞はソフトアガー中にコロニーを形成したが、
キナーゼ不活性型AUR2を発現する細胞は増殖を欠いていた。
【0119】 本発明のペプチドを得るには、当分野既知の各種方法が利用できる。ペプチド
は天然に該ペプチドを産する組織または細胞より精製できるだろう。あるいは、
上記の単離された核酸断片を利用し、生物内にAUR1および/またはAUR2
タンパク質を発現させることができる。本発明のサンプルには、細胞、細胞のタ
ンパク質抽出物または膜抽出物mまたは生物液が含まれる。サンプルはアッセイ
形式、検出方法およびサンプルとして利用する組織、細胞、または抽出物の性質
によって異なるだろう。
【0120】 本発明のペプチド源としては、その源生物が天然にこれらペプチドを含むもの
であれば何れの真核生物でも利用できる。ここで言う”源生物”とは、生物種を
問わずサブユニットのアミノ酸配列が由来し、その中でサブユニットが発現し、
そして最終的にそれより単離される元の生物を指す。
【0121】 当業者は、天然汚染物の無いペプチドを得る為の既知タンパク質分離法を容易
に実施できる。これら方法には、サイズ排除クロマトグラフィー、HPLC、イ
オン交換クロマトグラフィーおよび免疫親和性クロマトグラフィーがあるが、こ
れに限定されるものではない。
【0122】 VI.AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに対し結合親和性を持つ抗
体、および該抗体を含むハイブリドーマ 本発明は、AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに対し結合親和性を
持つ抗体に関する。ポリペプチドは配列番号3または配列番号4記載アミノ酸配
列、またはその機能的誘導体、あるいは少なくとも9(好ましくはその近接アミ
ノ酸を少なくとも20、30、35または45)の隣接アミノ酸を持つ。
【0123】 本発明はさらにAUR1および/またはAUR2ポリペプチドに対し特異的結
合親和性を有する抗体にも関する。この様な抗体はAUR1および/またはAU
R2ポリペプチドに対するその結合親和性と、その他のポリペプチドに対するそ
の結合親和性を比較することで、単離できるだろう。AUR1および/またはA
UR2に選択的に結合する抗体は、AUR1および/またはAUR2と他ポリペ
プチドとの区別が必要な方法への利用を目的として選択されるだろう。この様な
方法には、他のポリペプチドを含む組織内でのAUR1および/またはAUR2
発現の変化の分析が含まれるが、もとよりこれに限定されるものではない。
【0124】 本発明のAUR1および/またはAUR2タンパク質は、抗体産生、医薬品成
分同定への利用やDNA/タンパク質相互作用の研究といった様々な作業および
方法に利用できる。
【0125】 本発明のAUR1および/またはAUR2ペプチドは抗体またはハイブリドー
マ産生に利用できる。当業者は、抗体が必要な場合にこれらペプチドはここに記
載の様にして産生され、免疫原として利用されることを認識するだろう。本発明
の抗体には、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、ならびにそれら抗体の
断片およびヒト化型体が含まれる。本発明の抗体のヒト化型体は、キメラ化また
はCDR移植の様な当分野既知の方法の一つを用い、産生されるだろう。本発明
は又上記モノクローナル抗体、またはその結合断片を産するハイブリドーマにも
関する。ハイブリドーマは特定モノクローナル抗体を分泌できる不死化した細胞
株である。
【0126】 一般にモノクローナル抗体およびハイブリドーマを調製する技術は当分野公知
である(Cambell、”モノクローナル抗体技術;生化学と分子生物学分野
の研究室技術(Monoclonal Antibody Technolog
y:Laboratory Techniques in Biochemis
try and Molecular Biology)、”Elsevier
Science Publishers、Amsterdam、The Ne
therlands,1984;St.Grethら、J.Immunol.M
ethods 35:1−21,1980)。抗体を産することが知られている
いずれの動物(マウス、ウサギ等)は、選択されたポリペプチドにより免疫でき
る。免疫化の方法は当分野で良く知られている。それら方法にはポリペプチドの
皮下または腹腔内注射が含まれる。当業者は、免疫化に用いられるポリペプチド
量が、免疫される動物、ポリペプヂドの抗原性、注射する場所によって多様であ
ることを認識するだろう。
【0127】 ポリペプチドは、ペプチドの抗原性を高めるために修飾され、またはアジュバ
ント中で投与される。ポリペプチドの抗原性を高める方法は当分野で良く知られ
ている。そのような方法には、抗原への異種タンパク質(グロブリンまたはβ−
ガラクトシダーゼ)の結合、または免疫中にアジュバントを加える方法がある。
【0128】 モノクローナル抗体の場合、免疫された動物の脾臓細胞を取り出し、SP2/
0−Ag14ミエローマ細胞の様なミエローマ細胞と融合させ、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマ細胞とする。当分野公知の数多くある方法のいずれか1
つを利用することで、所望する特性を持つ抗体を産するハイブリドーマ細胞が同
定できるだろう。それら方法には、ELISAアッセイ、ウエスタンブロット分
析または放射性イムノアッセイによるハイブリドーマのスクリーニングが含まれ
る(Lutzら、Exp.Cell Res.175:109−124、198
8)。所望の抗体を分泌するハイブリドーマをクローン化し、当分野既知の方法
でそのクラスとサブクラスを決定する(Cambell、”モノクローナル抗体
技術;生化学と分子生物学分野の研究室技術(Monoclonal Anti
body Technology:Laboratory Technique
s in Biochemistry and Molecular Biol
ogy)、上記、1984)。
【0129】 ポリクローナル抗体の場合は、抗体を含む抗血清を免疫した動物から単離し、
上記方法の1つを用いて所望の特異性を持つ抗体の存在をスクリーニングする。
上記抗体は検出可能に標識できる。抗体は、放射性同位体、親和性標識体(ビオ
チン、アビジン等)、酵素標識体(西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリフォ
スファターゼ等)、蛍光標識体(FITCまたはローダミン等)、常磁性原子等
を利用し、検出可能に標識できる。この様な標識を行う方法は当分野公知であり
、例えば(Stemergerら、J.Histochem.Cytochem
.18:315,1970;Bayerら、Meth.Enzym.62:30
8−,1979;Engvalら、Immunol.109:129−,197
2;Goding,J.Immunol.Meth.13:215−,1976
)を参照。本発明の標識抗体はin vitro、in vivoおよびin
situアッセイに利用し、特定ペプチドを発現する細胞または組織を特定する
ことができる。
【0130】 上記抗体は固相支持体に固定化することもできるだろう。この様な固相支持体
の例には、ポリカーボネートの様なプラスチック、アガロースやセファロースの
様な複合糖質、ポリアクリルアミドの様なアクリル樹脂、およびラテックスビー
ズがある。これら固相支持体に抗体を結合させる方法は当分野公知である(We
irら、”実験免疫学ハンドブック(Handbook of Experim
etnal Immunology)” 第4版、Blackwell Sci
entific Publications、Oxford、England、
Chapter10、1986;Jacobyら、Meth.Enzyme.3
4,Academic Press、N.Y.、1974)。本発明の固定化抗
体はin vitro、in vivoおよびin situアッセイ並びに免
疫クロマトグラフィーに利用できる。
【0131】 更に、当業者は現在実施可能な手順および抗体に関し上記に開示された技術、
方法およびキットを容易に適用し、合理的に設計された抗ペプチドペプチドを生
成するための特定ペプチド配列に結合可能なペプチドを生成できる(Hurby
ら、”合成ペプチドの応用:アンチセンスペプチド(Application
of Synthetic Peptides:Antisense Pepe
tides)”、合成ペプチド(Synthetic Peptides)中、
ユーザーガイド(A User’s Guide、W.H.Freeman、N
Y,pp.289−307、1992;Kaspczakら、Biochemi
stry 28:9230−9238、1989)。
【0132】 抗ペプチドペプチドは、親水性および無荷電極性基を維持しながらAUR1お
よび/またはAUR2ペプチド配列中にある塩基性アミノ酸残基を酸性アミノ酸
に交換することで産生できる。例えば、リジン、アルギニンおよび/またはヒス
チジン残基はアスパラギン酸あるいはグルタミン酸で置換され、グルタミン酸残
基はリジン、アルギニンまたはヒスチジンで置換される。
【0133】 VII.AUR1および/またはAUR2を検出するための、抗体を基本とする方
法およびキット AUR2タンパク質に対する抗体は、2例の原発性ヒト大腸癌中に約46kD
a(AUR2タンパク質の大きさ)のタンパク質を検出したが、正常組織である
近接サンプルには検出しなかった。内因性AUR2は培養腫瘍細胞株でも検出さ
れる。
【0134】 本発明は、(a)上記抗体を免疫複合体を形成する条件下にサンプルと接触せ
しめ、そして(b)ポリペプチドに結合した該抗体の存在を検出することを含む
、サンプル中のAUR1および/またはAUR2ポリペプチドを検出方法を包含
する。詳しくは、方法は試験サンプルを1またはそれ以上の本発明の抗体と反応
せしめること、および試験サンプルに抗体が結合するか否かをアッセイすること
を含む。サンプル中のAUR1および/またはAUR2のレベルが正常レベルに
対し変化することは、病気を示すだろう。
【0135】 抗体を試験サンプルと反応させる条件は多様である。反応条件はアッセイに使
用される様式、使用する検出方法、アッセイに使用される抗体の型および性質に
依存する。当業者は、市販の免疫アッセイ様式のいずれかの一つ(放射性免疫ア
ッセイ、酵素結合免疫吸収アッセイ、拡散を基本としたオクタロニー法、または
ロケット免疫蛍光アッセイの様な)が本発明の抗体の実施に容易に適応できるこ
とを認識するだろう。この様なアッセイの例はChard(”放射性免疫アッセ
イおよび関連技術序説(An Introduction to Radioi
mmunoassay and Related Techniques)”E
lsevier Science Publishers、Amsterdam
、The Netherlands、1986)、Bullockら、(免疫細
胞組織学の技術(Techniques in Immunocytochem
istry)”、Academic Press、Orlando,FL第1巻
、1982;第2巻、1983;第3巻、1985)、Tijssen(”酵素
免疫アッセイの実務と理論:生化学および分子生物学の研究室技術( Prac tice and Theroy of Enzyme Immunoaasa
ys:Laboratory Techniques in Biochemi
stry and Molecular Biology)”、Elsevie
r Science Publishers、Amsterdam、The N
etherlands、1985)に見いだされる。
【0136】 本発明の免疫アッセイ試験サンプルには、細胞、細胞のタンパク質または膜抽
出物、または血液、血清、血漿あるいは尿の様な生体液が含まれる。上記方法に
利用される試験サンプルは、アッセイ様式、検出方法の性質、ならびにアッセイ
対象のサンプルとして使用される組織、細胞または抽出物により変わるだろう細
胞のタンパク質抽出物または膜抽出物の調製方法は当分野で良く知られており、
使用するシステムにより試験可能なサンプルを得る為に容易に適合させることが
できる。
【0137】 キットは前記検出方法を実施する全ての試薬を含む。キットは、(i)上記抗
体を含む第1容器、および(ii)抗体の結合相手と標識体より構成される結合
体を含む第2容器を含むだろう。別の好適実施例に於いては、キットは更に以下
を1またはそれ以上含む1またはそれ以上の別の容器を含むだろう:洗浄試薬お
よび結合した抗体の存在を検出できる試薬。
【0138】 検出試薬の例には、標識された第2抗体、または第1抗体が標識されている場
合には、この標識抗体と反応可能な発色性、酵素性または抗体結合試薬を含むが
、もとよりこれに限定されるものではない。コンパートメント化されたキットは
、上記の核酸プローブキットと同様である。当業者は、本発明記載の抗体を当分
野公知の確立されたキット様式の1つに容易に取り込む事ができることを容易に
認識するだろう。
【0139】 VIII.AUR1および/またはAUR2と相互作用する化合物の単離 本発明は、AUR1および/またはAUR2と化合物を反応せしめることを含
むAUR1および/またはAUR2ポリペプチドと結合可能な化合物を検出する
方法、およびAUR1および/またはAUR2と結合する化合物の存在を検出す
る方法にも関する。化合物は例えば血清、体液または細胞抽出物の様な複雑な混
合体内に存在するだろう。
【0140】 本発明は、化合物存在下にAUR1および/またはAUR2を産する細胞をイ
ンキュベートし、そしてAUR1および/またはAUR2活性あるいはAUR1
および/またはAUR2結合相手活性のレベル変化を検出することを含む、AU
R1および/またはAUR2活性あるいはAUR1および/またはAUR2結合
相手活性のアゴニストまたはアンタゴニストを検出する方法にも関する。こうし
て同定された化合物は、化合物存在を示す活性変化を生ずるだろう。化合物は例
えば血清、体液または細胞抽出物の様な複雑な混合体中に存在するだろう。一度
化合物が同定されれば、化合物は当分野公知の技術を利用し単離できるだろう。
【0141】 本発明は、哺乳動物にAUR1および/またはAUR2を十分に作動し(agon
ize)(刺激し)または拮抗する(antagonize)量の、AUR1および/または AUR2に対するアゴニストまたはアンタゴニストを投与することを含む、該動
物に於けるAUR1および/またはAUR2関連活性を作動または拮抗する方法
も包含する。AUR1および/またはAUR2関連機能を作動し、または拮抗す
るに十分な量のアゴニストまたはアンタゴニストを哺乳動物に投与することを含
む、AUR1および/またはAUR2関連活性のアゴニストまたはアンタゴニス
トにより哺乳動物の病気を治療する方法も本発明に包含される。
【0142】 IX.トランスジェニック動物 本発明に関連したトランスジェニック動物の生産には各種方法が利用可能であ
る。DNAはオスおよびメスの前核が融合する前に受精卵の前核内、または細胞
分裂開始後に胚細胞(例えば2細胞胚の核)に注入できる(Brinsterら
、Proc.Nat.Acad.Sci.USA82:4438−4442,1
985)。胚をウイルス、特にレトロウイルスに感染させ、本発明の無機−イオ
ン受容体ヌクレオチド配列を持つように修飾できる。
【0143】 胚および内部細胞塊に由来し培養中に安定化された多分化能幹細胞を培養中に
操作し、本発明の核酸配列を取り込ませることができる。トランスジェニック動
物は、この様な細胞を胚盤胞内に移植し、これを代理母内に移植して満期に至ら
しめることで産することができる。トランスジェニック実験に好適な動物はCh
arles River社(Wilmington,NA)、Taconic(
Germantown,NY)、Harlan Sprague Dawley
(Indianapolis,IN)等の通常の業者より得ることができる。
【0144】 齧歯類胚の操作および接合体前核へのDNAの微量注入に関する方法は当業者
に良く知られている(Hoganら、上記)。魚類、両生類卵、鳥類に関する微
量注入法はHoudebineとChourroutに詳しい(Experie
ntia、47:897−905,1991)。動物組織内へのDNAの導入に
関するその他の方法は米国特許第4,945,050号(Sandfordら、
1990年7月30日)に記載されている。
【0145】 例示として、トランスジェニックマウスを調製するために、メスマウスを過剰
排卵させる。メスをオスと同居させ、交尾したメスをCO2で窒息させるか頸椎 脱臼させて屠殺し、取り出した卵管より胚を得る。周囲の卵丘細胞を取り除く。
次に前核胚を洗浄し、注入時まで保存する。各種周期にあるメスを精管切除した
オスとつがいにする。レシピエントのメスをドナーのメスと同時期につがわせる
。次に胚を手術により移す。トランスジェニックラットの作製方法はマウスと同
様である(Hammerら、Cell 63:1099−1112,1990)
【0146】 胚幹(ES)細胞を培養し、続いてエレクトロポレーション、リン酸カルシウ
ム/DNA沈殿法や直接注入法といった方法でES細胞内にDNAを導入しトラ
ンスジェニック動物を作製する方法は当業者公知である(Tetratocar
cinoma and Embryonic Stem Cells、A Pr
actical Approach,E.J. Robertoson編集、I
RL Press、1987)。
【0147】 無作為な遺伝子の組み込みを含む場合、本発明の配列を含むクローンは耐性を
コードする遺伝子とコトランスフェクトされる。あるいは、ネオマイシン耐性を
コードする遺伝子が本発明の配列と物理的に連結される。所望クローンのトラン
スフェクションおよび単離は、当業者公知の複数の方法のうちの1つにより実施
される(E.J.Robertson、上記)。
【0148】 ES細胞内に導入されるDNA分子は、相同的組み換えを介して染色体内に組
み込むことができる(Capecchi、Science244:1288−1
292,1989)。組み換え体の正の選別法(即ちネオマイシン耐性)および
正−負の二重選択(即ちネオマイシン耐性およびガンシクロビル耐性)の方法、
および続くPCRによる所望クローンの同定方法はCapecchi、上記およ
びJoynerら、(Nature 338:153−156,1989)によ
り報告されており、それらは図面を含めその教示全体がここに取り込まれている
。操作の最終段階は、ターゲットされたES細胞を胚盤胞内に注入し、その胚盤
胞を偽に妊娠したメス移すことである。得られたキメラ動物を出産させ、その子
孫をサザンブロット法で解析し、移入遺伝子を持つ個体を同定する。齧歯類外の
動物およびその他の動物に於ける作製方法は他の研究者により論じられている(
HoudebineとChourrout、上記;Purselら、Scien
ce 244:1281−1288,1989;およびSimmsら、Bio/
Technology 6:172−183,1988)。
【0149】 即ち、本発明はAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードする移
入遺伝子、またはAUR1および/またはAUR2ポリペプチドの発現に作用す
る遺伝子を含むトランスジェニック型のヒト以外の動物を提供する。この様なト
ランスジェニック型のヒト以外の動物は。AUR1および/またはAUR2ポリ
ペプチドを導入することの影響を研究するための、またはAUR1および/また
はAUR2ポリペプチドの発現を制御する(即ち、別の遺伝子、アンチセンス核
酸、またはリボザイムの導入を介し)ためのin vivo試験システムとして
特に有用である。
【0150】 ”トランスジェニック動物”は、細胞内に人工的に挿入されたDNAを含む細
胞を持つ動物であり、該DNAはその細胞から発生する動物のゲノムの一部とな
る。好ましいトランスジェニック動物は霊長類、マウス、ラット、ウシ、ブタ、
ウマ、ヤギ、ヒツジ、イヌおよびネコである。トランスジェニックDNAはヒト
AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードするだろう。動物の本来
の発現は、レセプターの発現を減少させるに有効な量のアンチセンスRNAまた
はDNAを提供することにより低下するだろう。
【0151】 X.遺伝子治療 ヒト腫瘍細胞株N1299でのAUR2タンパク質発現は、ヒトaur2mR
NA転写体の特異領域をターゲットとする3種類のアンチセンスホスホチオネー
トオリゴヌクレオチド(配列番号30、配列番号31および配列番号32)のい
ずれか1つが存在すると、有意にダウンレギュレートされる。組み合わせ使用す
る場合、オリゴヌクレオチド配列番号30と配列番号32、および配列番号31
と配列番号32はAUR2タンパク質の発現を検出限界以下に減少させた。H1
299細胞を配列番号31と配列番号32の組み合わせで処理すると、この腫瘍
細胞株の増殖は阻害され、FACsによる測定ではアポトーシスを誘導した。
【0152】 AUR1および/またはAUR2、またはその遺伝子配列もまた遺伝子治療に
有用である(Miller、Nature 357:455−460、1992
にレビューされている)。Millerは、進歩により最初の意味ある結果を示
すヒトの遺伝子治療の実務的アプローチが得られたと記している。遺伝子治療の
基礎科学はMuligan(Science 260:926−931,199
3)に記述されている。
【0153】 好適実施態様の1つでは、AUR1および/またはAUR2をコードする配列
を含む発現ベクターを細胞内に挿入し、該細胞はin vitroで増殖してか
ら大量に患者内に注入される。別の好適実施態様では、選択されたプロモーター
(例えば強力なプロモーター)を含むDNA断片を、内因性のaur1および/
またはaur2を含む細胞内に、該プロモーター断片が内因性aur1および/
またはaur2遺伝子の発現を促進する様式(例えばプロモーター断片は内因性
aur1および/またはaur2遺伝子と直接結合する様に細胞内に移入される
)に移入される。
【0154】 遺伝子治療は、腫瘍を標的としたaur1および/またはaur2cDNAを
含むアデノウイルスの利用、操作された細胞を移植し全身性にAUR1および/
またはAUR2を増加させること、aur1および/またはaur2ウイルスの
注入、または裸のaur1および/またはaur2DNAを適当な組織に注入す
ることも包含するだろう。
【0155】 標的細胞集団はタンパク質複合体の活性を調節させるために、該複合体の成分
の1またはそれ以上を変化させられ、修飾されるだろう。例えば、標的細胞内の
複合成分活性を減じまたは阻害することで、ある状態を導く異常なシグナル伝達
を減少させ、阻害し、あるいは逆行させる。タンパク質複合体の他の成分との相
互作用能力は維持するが、シグナル伝達は機能しない様な成分の欠失またはミス
センス変異体を利用し、異常で有害なシグナル伝達を阻害できるだろう。
【0156】 レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス
、ヘルペスウイルス、複数のRNAウイルス、またはウシパピローマウイルスの
様なウイルスに由来する発現ベクターは、組み換え体AUR1および/またはA
UR2タンパク質をコードするヌクレオチドの標的細胞集団内(例えば腫瘍細胞
)への運搬に利用できるだろう。当業者公知の方法を利用し、コーディング配列
を含む組み換え体ウイルスベクターを構築できる(Maniatisら、分子ク
ローニング:研究室マニュアル(Molecular Cloning)、Co
ld Spring Harbor Laboratory,N.Y.,198
9;Ausubelら、Current Protocols in Mole
cular Biology、Breene Publishing Asso
ciates and Wiley Interscience、N.Y.,1
989)。あるいは、タンパク質配列をコードする組み換え体核酸分子は裸のD
NAのまま、あるいは例えばリポソームまたはその他の脂質システムの様な再構
築システムの中に利用し、標的細胞に運搬できる(例えば、Felgnerら、
Nature 337:387−8、1989)。ヒトの遺伝子治療に関し、プ
ラスミドDNAを細胞内に直接運搬する複数のその他の方法が存在しており、ま
たタンパク質にプラスミドDNAを複合化させることで細胞上のレセプターにD
NAを標的化することも含まれる。
【0157】 最も簡単な様式では、遺伝子の運搬はマイクロインジェクションにより少量の
DNAを細胞核内に単純に注入することで実施できる(Capecchi、Ce
ll 22:479−88,1980)。組み換え体遺伝子が一度細胞内に導入
されれば、それらは転写および翻訳に関する細胞の正常機能により認識され、遺
伝子産物が発現されるだろう。大量の細胞にDNAを導入するための別の方法も
試みられている。これらの方法には、DNAをCaPO4と沈殿させ、ピノサイ トーシスにより細胞内に取り込ませるトランスフェクション法(Chenら、M
ol.Cell Biol、7;2745−52,1987);細胞を高電圧パ
ルスに曝し、膜に孔を開けるエレクトロポレーション法(Chuら、Nucle
ic Acids Res.15:1311−26,1987);DNAを親油
性小胞に包み込み、標的細胞と融合させるリポフェクション/リポソーム融合法
(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.84:
7413−7417,1987);およびDNAを小さな発射物に結合させるパ
ーティクル爆撃法(Yangら、Proc.Natl.Acad.Sci.87
:9568−9572,1990)がある。細胞内にDNAを導入するための別
の方法は、DNAを化学的に修飾したタンパク質に結合させるものである。
【0158】 アデノウイルスタンパク質はエンドゾームを不安定化し、DNAの細胞内への
取り込みを促進することが知られている。アデノウイルスのDNA複合体を含む
液と混合するか、またはタンパク質架橋剤を用いアデノウイルスが共有結合した
ポリスチレンにDNAを結合すると、組み換え体遺伝子の取り込み、および発現
は大きく改善される(Curielら、Am.J.Respir.Cell.M
ol.Biol.,6:247−52,1992)。
【0159】 ここで言う”遺伝子移入”とは、外来の核酸分子を細胞内に導入するプロセス
を意味する。遺伝子移入は、遺伝子にコードされた特定産物の発現を可能にする
ために一般的に実施されている。産物にはタンパク質、ポリペプチド、アンチセ
ンスDNAまたはRNA、あるいは酵素的に活性なRNAを含む。遺伝子移入は
培養細胞内、または動物内に直接投与し実施できる。一般に、遺伝子移入には、
非特異的またはレセプターを介した相互作用により核酸を標的細胞と接触させる
プロセス、膜またはエンドサイトーシスを介して細胞内に核酸を取り込ませるプ
ロセス、および原形質膜またはエンドゾームから細胞質内への核酸の放出のプロ
セスが含まれる。更に発現には核酸が細胞核内に移動し、転写に関する適当な核
因子と結合する必要あるだろう。
【0160】 ここでいう”遺伝子治療”とは、遺伝子移入の1形態であり、ここで言う遺伝
子移入の定義の中に含まれ、特にin vivoまたはin vitroに於い
て細胞より治療産物を発現させるため遺伝子移入を意味する。遺伝子移入は、そ
の後患者内に移植される細胞についてex vivoに実施でき、または核酸あ
るいは核酸−タンパク質複合体を患者に直接投与し実施できる。
【0161】 別の好適実施態様では、特定の組織内で核酸配列が発現される、AUR1およ
び/またはAUR2ポリペプチドをコードする核酸配列を有するベクターが提供
される。組織特異的遺伝子発現を達成する方法は1992年11月3日出願、1
993年5月13日公開の国際出願第WO 93/09236に記述されている
【0162】 上記ベクターの全てにおいて、本発明の別の観点はベクター内に含まれる核酸
配列が、上記規定の核酸配列の一部または全てに対し付加、欠失または修飾を含
むことである。
【0163】 別の好適実施態様では、遺伝子置換の方法が記述される。ここで言う”遺伝子
置換”とは、動物内でin vivoに発現可能な核酸配列を供給し、それによ
り動物内で消失しまたは不足している内因性遺伝子の機能を提供または強化する
ことを意味している。
【0164】 XI.AUR1および/またはAUR2タンパク質の機能を調節する化合物 新しい病気の治療法を発見する努力の中で、生化学研究者および科学者はタン
パク質キナーゼの機能を阻害する分子を設計し、合成し、試験してきた。一部の
小有機分子はタンパク質キナーゼの機能を調節する一群の化合物を形成している
。タンパク質キナーゼの機能を阻害することが報告されている分子の例にはビス
単環式、2環式または複素環式アクリル化合物(PCT WO 92/2064
2、1992年11月26日Maguireらにより公開)、ビニレン−アザイ
ンドール誘導体(PCT WO 94/14808、Ballinariらによ
り1994年、6月7日公開)、1−シクロプロピル−4−ピリジル−キノロン
(米国特許第5,330,992号)、スチリル化合物(米国特許第5,217
,999号)、スチリル置換ピリジル化合物(米国特許第5,302,606号
)、特定のキナゾリン誘導体(EP出願番号0 566 266 A1)、セレ
ノインドールおよびセレニド(PCT WO 94/03427、Dennyら
により1994年2月17日公開)、3環式ポリヒドロキシル化合物(PCT
WO 92/21660、Dowにより1992、12月10日公開)およびベ
ンジルフォスホン酸化合物(PCT WO 91/15495、Dowらにより
1991、10月17日公開)があるが、これに限定されるものではない。細胞
膜を貫通し酸加水分解に耐性である化合物は、患者に経口投与された後に生体利
用性が高まることから潜在的に優れた治療薬である。しかし、これらタンパク質
キナーゼ阻害剤の多くは、タンパク質キナーゼの機能を極弱くしか阻害しない。
更に、多くは様々なタンパク質キナーゼを阻害することから病気の治療薬として
複数の副作用を生じるだろう。
【0165】 しかし一部のインドリノン化合物は酸耐性かつ膜貫通性の有機分子群を形成す
る。Ballinariらにより1996年8月1日に公開されたWO 96/
22976は、テトラリン、ナフタレン、キノリノンおよびインドール置換基を
集めオキシインドール環に融合する水溶性インドリノン化合物を記述している。
これら2環式置換体は次にヒドロキシル化されたアルキル、リン酸およびその他
の成分を含む極性成分に置換される。その全てが図面を含めここに参照され取り
込まれている1996年8月23日申請、”インドリノンコンビナトリアルライ
ブラリーおよび関連産物と病気治療に関する方法”と題されたTangらによる
米国特許申請連番08/702,232(Lyon & Lyon Docke
t番号221/187)および1995年6月7日出願の”病気治療に関するベ
ンジリデン−Z−インドリン化合物”と題された08/485,323、並びに
1996年8月1日、Ballinariらによる国際特許出願WO 96/2
2976は、他の2環式成分並びにキシインドール環に融合させた単環式成分を
有するインドリノン化合物のインドリノン化学ライブラリーを記述している。1
996年8月23日に出願されたTangらによる”インドリノンコンビナトリ
アルライブラリーおよび関連産物、および病気治療に関する方法”と題された出
願08/702,232(Lyon&Lyon Docket番号221/18
7)、1995年6月7日にTangらにより出願された”病気治療に関するベ
ンジリデン−Z−インドリン化合物”と題された08/485,323(Lyo
n&Lyon Docket番号223/298)、およびBallinari
らにより1996年8月1日公開のWO 96/22976は、インドリノン合
成の方法、細胞内のインドリノン化合物の生物活性の試験方法およびインドリノ
ン誘導体の阻害パターンを教示する。
【0166】 AUR1および/またはAUR2活性を調節することができる物質のその他の
例には、チロフォスチン、キナゾリン、キノキソリンおよびキノリンが含まれる
が、これに限定されるものではない。
【0167】 上記参照のキナゾリン、チロフォスチン、キノリンおよびキノキソリンは、文
献記載の如く、良く知られた化合物である。例えばキノゾリンを記載する代表的
公開物には以下のものが含まれる:Barkerら、EPO公開番号0 520
722 A1;Jonesら、米国特許第4,447,608号、Kabbe
ら、米国特許第4,757,072号;KualおよびVougioukas、
米国特許第5,316,553号;KreighbaumおよびComer、米
国特許第4,343,940号;PeggおよびWardleworth、EP
O公開番号0 562 734 A1;Barkerら、Proc.of Am
.Assoc.for Gancer Research32:327(199
1);Bertino,J.R.,Cancer Research 3:29
3−304(1979);Bertino,J.R.,Cancer Rese
arch 9(2第1部):293−304(1979);Curtinら、B
r.J.Cancer 53:361−368(1986);Fernande
sら、Cancer Research 43:1117−1123(1983
);Ferrisら、J.Org.Chem.44(2):173−178;F
ryら、Science 265:1093−1095(1994);Jack
manら、Cancer Research 51:5579−5586(19
81);Jonesら、J.Med.Chem.29(6):1114−111
8;LeeおよびSkibo、Biochemistry 26(23):73
55−7362(1987);Lemusら、J.Org.Chem.54:3
511−3518(1989);LeyおよびSeng、Synthesis
1975:415−522(1975);Maxwellら、Magnetic
Resonance in Medicine 17:189−196(19
91);Miniら、Cancer Research 45:325−330
(1985);PhillipsおよびCastle、J.Heterocyc
lic Chem.17(19):1489−1596(1990)Reece
ら、Cancer Research 47(11):2996−2999(1
977);Sculierら、Cancer Immunol.and Imm
unother.23:A65(1986);Sikoraら、Cancer
Letters.23:289(1984);Sikoraら、Analyti
cal Biochem.172:344−355(1988);いずれも図面
を含めその全体が参照され、ここに取り込まれている。
【0168】 キノキサリンはKaulとVougioukasよる、図面を含めその全体が
参照され、ここに取り込まれている米国特許第5,316,553に記載されて
いる。
【0169】 キノリンはDolleら、J.Med.Chem.37:2627−2629
(1994);MaGuire,J.Med.Chem.37:2129−21
31(1994);Burkeら、J.Med.Chem.36:425−43
2(1993);およびBurkeら、BioOrganic Med.Che
m.Letters 2:1771−1774(1992)に記載されており、
何れもが図面を含めた全体が参照され、ここに取り込まれている。
【0170】 チロフォスチンはAllenら、Clin.Exp.Immunol.91:
141−156(1993);Anafiら、Blood 82:12:352
4−3529(1993);Bakerら、J.Cell.Sci.102:5
43−555(1992);Bilderら、Amer.Physiol.So
c.pp.6363−6143:C721−C730(1991);Brunt
onら、Proceedings of AMer.Assoc.Cancer
Rsch.33:558(1992);Bryckaertら、Experi
metntal Cell Research 199:255−261(19
92);Dongら、J.Leukocyte Biology 53:53−
60(1993);Dongら、J.Immunol.151(5):2717
−2724(1993);Gazitら、J.Med.Chem.32:234
4−2352(1989);Gazitら、”J.Med.Chem.36:2
556−3564(1993);Kaurら、Anti−Cancer Dru
gs 5:213−222(1994);Kaurら、Kingら、Bioch
em.J.275:413−418(1991);Kuoら、Cancer L
etters 74:197−202(1993);Levitzki,A.,
The FASEB J.6:3275−3282(1992);Lyallら
、J.Biol.Chem.264:14503−14509(1989)Pe
tersonら、The Prostate 22:335−345(1993
);Pillemerら、Int.J.Cancer 50:80−85(19
92);Psonerら、Molecular Pharmacology 4
5:673−683(1993);Renduら、Biol.Pharmaco
logy 44(5):881−888(1992);SauroとThoma
s、Life Sciences 53:371−376(1993);Sau
roとThomas、J.Pharm.and Experimental T
herapeutics 267(3):119−1125(1993);Wo
lbringら、J.BIol.Chem.269(36):22470−22
472(1994);およびYonedaら、Cancer Research
51:4430−4435(1991)に記載されており、何れもが図面を含
めその全体が参照され、ここに取り込まれている。
【0171】 調節剤として利用可能なその他の化合物には、図面を含め参照されここに取り
込まれている1996年8月23日出願の米国特許申請連番08/702,23
2がある。
【0172】 実施例 以下の実施例は本発明の各種観点および特徴を限定するものではなく、単に例
示するものである。以下の実施例により、新規タンパク質AUR1およびAUR
2の単離と特等付けを示す。
【0173】 実施例1:Aur1およびAur2のクローニングと構造モチーフ 材料と方法: 分子クローニング ChomocynskiとSacchi(Anal.Biochm.162:
156−159,1987)のグアニジン塩/フェノール抽出法を用いて、正常
ヒトの前立腺、大腸、卵巣、肝臓、脳下垂体、脳、胸腺および唾液腺、並びにヒ
トHEPM細胞(口蓋間充織)、原発性ヒトウィルムス腫瘍および卵巣癌、およ
び直腸/結腸(HT29、SW480、SW1463、SW1417、SW83
7、SW948、SW620、SW403、SW1116、T84、HTC15
、LS123およびCaco−2)、腎臓(CaKi−1、CaKi−2)、肝
臓(SK−HEP−1)、膵臓(HS766T,ASPC、Capan−1)、
および乳房(MCF7)に由来するヒト腫瘍細胞株より、全RNAsを単離した
【0174】 これらRNAsを鋳型とし、GibcoBRL社より購入したFirst S
trand SynthesisキットにSuperscript Pream
;ification System(Life Technologies,
U.S.A.;Gerard ら、1989,FOCUS 11,66)をメー
カー推奨の条件下に用い単鎖cDNAを作製した。典型的な反応では60μLの
反応容積の中、全RNA10μgまたはポリ(A)+RNA2μgを1.5μg
のオリゴ(dT)12-18と共に用いる。産物はRNaseHで処理し、H2Oで1
00μLに希釈した。続くPCRでは各反応毎に各sscDNAs1−4μlを
用いた。
【0175】 オリゴヌクレオチドは、確立されたフォスフォルアミダイト化学を利用したA
pplioed Biosystems 394 DNA合成装置を用いて合成
され、エタノールによる沈殿後精製せずに使用した。変性オリゴヌクレオチドプ
ライマーは: A=5’−GARTTYGGNGARGTNTTYYTNGC−3’(配列番号
16)(センス)と DVW=5’−AGNACNCCRAANGCCCACACRTC−3’(配列
番号17)(アンチセンス)である。
【0176】 これらプライマーはそれぞれペプチド配列EFGEVFLA(配列番号18)
(キナーゼドメインI由来のセンス鎖)およびDVW(A/S)FGVL(配列
番号29;キナーゼドメインIX由来アンチセンス鎖)に由来するものである。
変性ヌクレオチド残基の定義は;N=A、C,G,またはTであり;R=Aまた
はGであり;Y=CまたはTである。CCK4を鋳型に用いると、これらプライ
マーは567bpの産物を生ずる。
【0177】 PCR反応はプライマーAとDVWを上記掲載の単鎖源に用いて行った。10
mM Tris−HCl(pH8.3)、50mM KCl、1.5mM Mg
Cl2、200μMの各デオキシヌクレオチド3リン酸、0.001%ゼラチン
および1.5UのAmpliTaq DNAポリメラーゼ(Perkin−El
mer/Cetus)と1−4μLのcDNAを含む混合液に、各プライマーを
最終濃度5μMになるように加えた。3分間、95℃にて変性した後、94℃3
0秒、37℃1分、2分間かけて72度に上昇した後72℃で1分おくサイクル
を3回行い、続いて94℃30行、50℃1分、72℃1分45秒のサイクルを
35回行った。500−600bpの間に移動したPCR断片を2%アガロース
ゲルより、メーカーのプロトコールに従いGeneGlean(Bio101)
を用いて単離し、pCRIIベクター(Invitrogen Corp.U.
S.A.)内にT−Aクローン化した。
【0178】 Qiagenカラムを用いミニプラスミドDNA調製用にコロニーを選択し、
プラスミドDNAはAmpliTaqDNAポリメラーゼ、FS(ABI、Fo
ster City、CA)を利用したサイクルシークエンシングダイターミネ
ーターキットを用い配列決定した。シークエンシング反応の産物をAPI Pr
ism 377DNAシークエンサーにかけ、BLASTアラインメントアルゴ
リズム(Altshulら、J.Mol.Biol.215:403−410、
?)を利用して解析した。新規クローン(#43−43)を、ヒト胚口蓋間充織
(HEPMまたはCRL1486)を鋳型とし、プライマーAとDVWを用いた
PCRにより単離した。その後、このクローンはヒトaur1の断片と命名され
た。
【0179】 膵臓癌細胞株のプールのmRNAを第1鎖cDNA合成の鋳型として用い、ラ
ムダzapII(Stratagene Cloning Systems,L
a Jolla、CA)cDNAライブラリーを構築した。ファージはニトロセ
ルロースフィルター上、6×SSC、1×デンハルト試薬、0.1%SDS、並
びに0.1mg/mLの変性、断片化したサケ精子DNAを含むハイブリダイゼ
ーションバッファー中で、ヒトaur1をコードするp43−43に由来するラ
ンダムプライムした2×106cpm/mLの32P−標識インサートを用いスク リーニングした。一晩65℃でハイブリダイゼーションした後、フィルターを0
.1×SSC、0.1%SDS中に65℃で洗浄した。T7ポリメラーゼとオリ
ゴヌクレオチドプライマーを用いた手動による配列決定により(Taborら、
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:4767−477
1、1987)完全長のcDNAクローンの配列を両鎖について解析した。
【0180】 サザンブロット分析 通常の方法(Maniatisら、上記)を用いて、各種形質転換したヒト細
胞株(CaCO2、HTC15、LS147T、SKCO4、SW480、SW
403、SW620、SW948、SW1417、SW1116、MCF7、B
T474)よりゲノムDNAを単離した。細胞をトリプシン処理し、PBSで洗
浄、消化バッファー(100mM NaCl、10mM Tris pH8、2
5mM EDTA、pH8、0.5%SDS、0.1mg/mLプロテネースK
)中に〜108細胞/mLに再懸濁した。細胞を50℃で12時間反応させ、溶 解した後、フェノール/クロロフォルムで抽出、等量の7.5mM酢酸アンモニ
ウムと100%EtOHで沈殿した。DNAsはTEバッファー中に再懸濁した
。およそ20μgのゲノムDNAは、1%アガロースゲルで分画する前に、をH
indIIIまたはXhoIIにより37℃で少なくとも4時間消化した。DN
A断片は毛細管転写法によりニトロセルロース膜上に移され(Southern
,J.Mol.Biol。98:503−、1975)、下記ノーザンブロット
分析同様にしてヒトaur1およびaur2特異プローブとハイブリダイズされ
た。aur1およびaur2のcDNAはHindIIIの認識部位を1つだけ
持つことから、DNAsはHindIIIにより制限酵素切断された。 結果: CCK4に示唆されている複数のアラインメントはチロシンキナーゼの別のフ
ァミリーのレセプターと極めて近い関係にあることから、チロシンキナーゼの異
なるファミリーを代表するレセプターであるCCK4の相同体を特定するために
ROSのサブドメインIおよびIX内とチロシンキナーゼレセプターのTRK−
ファミリーに保存された配列に対する変性プライマーを設計した。サブドメイン
IはキナーゼドメインのN−末端に位置し、あらゆる分類のキナーゼに於いて触
媒ユニットに対しATPを固定するコンセンサスモチーフGXGXXGXV(配
列番号26)を持つ。サブドメインIXはサブドメインVIB内にある残基と結
合することで触媒ループを安定化させるほぼ不変体であるAspを含む。既知プ
ロテインキナーゼとの比較より、CCK4およびそのニワトリ相同体であるKL
GのみをPCRで拾い上げると思われるサブドメインIおよびIXに対する変性
オリゴヌクレオチドプライマーが設計された。
【0181】 変性プライマーAおよびDVWはCCK4のキナーゼドメイン内にある保存残
基に基づき、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた新規キナーゼ同定用に設
計された。鋳型としてHEPM細胞のsscDNAを用いた場合、CCK4の複
数のコピーと他のキナーゼに相同性を持つ567bpの新規DNA断片(43−
43)が単離された。新規配列は殆どショウジョウバエのオーロラ(auror
a)キナーゼ(GeneBank受付番号X83465)に近似しており、クロ
ーンはヒトaur1と命名された。
【0182】 aur1プローブを用い、ヒト膵臓癌細胞株mRNAより構築されたcDNA
ライブラリーをスクリーニングし、aur1の完全なオープンリーディングフレ
ームを覆う、重複するクローンを単離した。単離した複数クローンの内、7クロ
ーンがヒトaur1に該当した。このスクリーニングでは弱くハイブリダイズす
る別の2クローンも単離されたが、配列解析の結果これらは関連した別のキナー
ゼに該当することが示され、我々はヒトaur2と命名した。
【0183】 Aur1は何れの資源より得たものでも均一に染色される4.3kbの1本の
バンドを示すことから、アッセイした複数の腫瘍では単一コピーの非再配置型遺
伝子であることが示唆された。しかし、厳密性に劣る条件では、aur1プロー
ブと弱くハイブリダイズする1.3kbと3.2kbのSacI断片が検出され
る可能性がある。Aur2は、何れの資源からも7.0kbと4.3kbのバン
ド、そして〜10kbの若干高分子のバンドを示した。これらのデータは、au
r2も単一コピー遺伝子であることを示唆している。aur2でプローブした時
にブロット上に複数のバンドが見られたのは、おそらく完全長のcDNAプロー
ブを使用したためであろう。
【0184】 ヒトaur1およびaur2の完全配列は、ヒト膵臓癌ライブラリー、正常ヒ
ト大腸、およびHEPM細胞より単離された部分的なヒトaru1より得たそれ
ぞれの完全長クローンから決定された。
【0185】 配列番号1には1,244bpのヒトaur1ヌクレオチド配列が示されてお
り、344アミノ酸のポリペプチドをコードする単一のオープンリーディングフ
レームが含まれる。AUR1をコードする領域には54ヌクレオチド長の5’非
翻訳域とポリAテールで終止する132ヌクレオチド長の3’非翻訳領域が連結
されている。
【0186】 2,198bpのヒトaur2ヌクレオチド配列は配列番号2に示されており
、403アミノ酸のポリペプチドをコードする単一のオープンリーディングフレ
ームを含んでいる。AUR2コーディング域には200ヌクレオチド長の5’非
翻訳域と768ヌクレオチド長の3’非翻訳域が連結している。
【0187】 aur1およびaur2cDNAsはヒト膵臓癌および正常ヒト大腸から配列
決定され、幾つかの推定多形部位を除き配列上に差は認められなかった。これら
の不確定性には次のものが含まれる: cDNA ヌクレオチド コメント aur1:1174 1クローンが挿入ポリAを持つ。
【0188】 873 大腸クローンでは全例T、膵臓癌ではC 469 1クローンでT、残りは全てC 848 1クローンでG、残りは全てA−アミノ酸がEか らGに変化 1097 1クローンでG、残り2クローンでT 956 1クローンでG、残り4クローンでA 29 5クローンで103までスプライス、5クローン にはスプライス無し aur2 349 1クローンでT、複数の残りのクローンではC (アミノ酸がPからLに変化) 369 3クローンでA、複数の他のクローンではG(ア ミノ酸はVからIに変化) AUR1およびAUR2のC末端部分は真核生物プロテインキナーゼに特徴的
な12のサブドメインすべてを保存している。このAUR1およびAUR2キナ
ーゼドメインの前にはN末端ドメインがあり、各々74および130のアミノ酸
である。AUR1およびAUR2ヌクレオチドおよび演繹されるアミノ酸配列(
配列ID番号:3または配列ID番号:4)と利用可能なDNAおよびタンパク
質配列データベースの比較は、いくつかの高い配列同一性を共有するEST配列
を除いて独特であることを示している。しかしながら、それらはN末端および触
媒ドメインの両方でショウジョウバエオーロラおよびサッカロミセス セレビジ
エIPL1遺伝子と著しい相同性を有する。さらに、二つの発表されていないデ
ータベース記載事項はアフリカツメガエルからの同族体に近いようである(p4
6APK−GB寄託番号#Z17206およびp46BPK−GB寄託番号#Z
17207)。
【0189】 ヒト、カエル、ショウジョウバエおよび酵母からのオーロラのN末端ドメイン
は限られた配列同一性しか共有していない。これらのタンパク質の触媒ドメイン
の比較は、AUR1はAUR2と70%のアミノ酸同一性を共有し、ショウジョ
ウバエオーロラとは61%および酵母IPL1遺伝子とは45%を共有している
ことを明らかにしている。AUR2キナーゼはショウジョウバエタンパク質と6
0%、酵母IPL1とは45%のアミノ酸同一性を有している。AUR1および
AUR2は両方とも他の既知のすべての哺乳類キナーゼとは45%未満の相同性
しか共有せず(最も近いのはcAMP依存性プロテインキナーゼである)、これ
らショウジョウバエおよび酵母キナーゼの同族体であることを示唆している。
【0190】 AUR1およびAUR2は両方とも、ショウジョウバエおよび酵母キナーゼの
同族体で保持されており、サイクリン依存性キナーゼp34cdc2中の既知の
制御部位であるcAMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位を含む(AUR
1のTHR232およびAUR2のTHR288)。AUR2は追加のPKA部
位をSER342に含む。両方のタンパク質はまた多数のカゼインキナーゼII
(AUR1およびAUR2に対し5および6)およびプロテインキナーゼC(A
UR1およびAUR2に対し4および10)リン酸化部位を有する。AUR2は
またTYR344にチロシンリン酸化共通部位も持っており、それはまたショウ
ジョウバエオーロラでは保存されているが、AUR1または酵母IPL1には存
在しない。
【0191】 ショウジョウバエオーロラAUR_dmおよび酵母IPL1遺伝子の天然の突
然変異体は、中心体誤分離および異型性単極紡錘体を導く非対照核分裂を生じる
。この表現型は中心体分離の失敗から生じるようである。関連する微小管構築は
影響されないようである。ショウジョウバエおよび酵母両方の天然の突然変異体
はヒトオーロラとの間で厳密に保存されているアミノ酸残基を標的としており、
さらにこれらが機能的同族体であることを支持している。AUR_dmまたはI
PL1の天然の突然変異体で観察されるAUR1中の対応する残基はGLU12
5、THR232、PRO312、HIS324である。これらの突然変異のす
べてが触媒ドメイン内に存在し、とりわけ一つは保存PKAリン酸化部位を示し
ている。ASP47でのAUR_dm中の別の突然変異はN−末端ドメインの非
保存残基に存在している。
【0192】 これらの発見は、この触媒活性が実際に、下等生物体の中心体複製または分離
の生物学に中心的役割を果たすであろうことを示唆し、およびヒトAUR1およ
びAUR2は哺乳類細胞において補足的な役割を果たすであろうことを示唆して
いる。実施例2:ヒト組織におけるAUR1およびAUR2発現 材料および方法 ノーザンブロット分析 荷電修飾ナイロン膜上の、16の異なった成人ヒト組織(脾臓、胸腺、前立腺
、睾丸、卵巣、小腸、結腸粘膜、心臓、脳、胎盤、肺臓、肝臓、骨格筋、腎臓、
膵臓および末梢血白血球)、4つの異なったヒト胎児組織(脳、肺臓、肝臓およ
び腎臓)、および8つのヒト癌細胞株(HL60、ヒーラー、K−562、MO
LT−4、Raji、SW480およびG361)からのノーザンブロット(レ
ーン当たり2μgのポリA+RNAを含む)はClontech(Palo A lto,CA)から入手した。追加のノーザンブロットはヒト腫瘍細胞株から単
離された10μgの全RNAを変性ホルムアルデヒド1.2%アガロースゲルで
泳動し、ナイロン膜に移すことにより調製された。
【0193】 ヒトaur1クローン43−43からの527bp挿入物かまたはpSG20
からの1162bpEcoRI断片、およびヒトaur2クローン11−1Aの
1kbEcoRI断片かまたはpS621からの1257bpBamHI−No
tI断片から合成されたランダムプライミング[32P]dCTP標識プローブで
フィルターをハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションは6xSSC、0.
1%SDS、1xデンハルト試薬、100mg/mL変性ニシン精子DNA中、
1−2x106cpm/mLの32P−標識DNAプローブを加え、60℃にて一 夜実施された。フィルターは65℃にて0.1xSSC/0.1%SDSで洗浄
し、Kodak XAR−2フィルムに一夜暴露した。aur1の半定量的PCR検出 RNAは種々のヒト細胞株、新鮮な凍結組織および原発腫瘍から単離された。
一本鎖cDNAは、Superscript Preamplificatio
nシステム(GibcoBRL)を使用し、上記のように10mgの各々のRN
Aから合成された。これらの一本鎖鋳型は次に二つのaur1−特異的オリゴヌ
クレオチド(3476:5’−TTTGGCTCGGGAGAAGAAAAGC
CAT−3’(配列ID番号:19)および3506:5’−CAATCATC
TCTGGGGGCAGGTAGT−3’(配列ID番号:20))とともに3
5サイクルのPCR反応で使用した。反応生成物は2%アガロースゲルで電気泳
動し、エチジウムブロミドで染色してUV光箱上で写真を撮った。各々の試料に
対して〜475bpaur1特異的バンドの相対強度が見積もられた。結果 約1.4kbの単一のaur1 mRNA転写体が同定され、胸腺および小腸
に最も豊富にあり、睾丸、卵巣、結腸、胎盤および脾臓は弱い信号を与えること
が観察された。前立腺および末梢血白血球は陰性であった。ヒト胎児肝臓および
腎臓もまた陽性であり、より弱い信号が胎児肺で観察され、胎児脳での発現は観
察されなかった(表)。
【0194】 ヒトaur2発現の同様な分析はより制限された発現プロフィールを示した。
単一の2.4kb aur2転写体が成人睾丸および胸腺で検出され、心臓、胎
盤、骨格筋および胎児肝臓および腎臓では弱く、一方、他の正常組織では陰性で
あった(表参照)。
【0195】 ノーザン分析およびaur1キナーゼドメイン中の配列からのプライマーを用
いる半定量的PCRアッセイにより、いくつかの原発腫瘍および多様な新生物起
源の多数の細胞株でaur1 mRNA発現プロフィールが決定された。結果は
表に含まれている。aur1転写体はアッセイされたすべての腫瘍株で検出され
、いくつかのヒト結腸癌細胞株(SW480、Colo320、SW620、S
W1417、Caco2、SW12417)および肺癌腫(Calu3)、乳癌
腫(T47D、MCF7)、メラノーマ(A375)、腎臓癌腫(Caki−1
、Caki−2)、肝臓癌腫(SK−HEP−1)および神経腫瘍(SF767
、T98G)で最も高く発現されていた。aur1のより低い発現は他の結腸癌
腫(HTC15、T84、SW948、SW1116、HT29)、神経腫瘍(
Daoy)、卵巣癌腫(Ovcar3、原発腫瘍)、膵臓癌腫(HS766T)
および原発腎臓癌腫で観察された。
【0196】 腫瘍細胞株におけるaur2発現プロフィールは、aur1よりも著しくより
限られていた。aur2の強い発現は結腸癌腫細胞株(Caco2、SW480
、SW1417、SW620)に限られる一方、弱い信号は他の結腸(HTC1
5、Colo320)、乳腺(T47D、MCF7)および肺(Calu3)腫
瘍細胞株で観察された。いくつかの他の腫瘍株は検出可能なaur2転写体を持
っていなかった。
【0197】
【表1】 ヒト正常組織および癌細胞におけるAUR1およびAUR2ノーザン分析 細胞型 起源 AUR 1 AUR 2 胸腺 正常組織 5 4 胎児肝臓 正常組織 4 2 胎児腎臓 正常組織 4 1 肺 正常組織 3 0 十二指腸 正常組織 2 1 結腸 正常組織 2 0 胎児肺 正常組織 2 0 卵巣 正常組織 2 0 睾丸 正常組織 2 2 脳 正常組織 0 0 小脳 正常組織 0 0 唾液腺 正常組織 0 0 心臓 正常組織 0 0 肝臓 正常組織 0 0 膵臓 正常組織 0 0 腎臓 正常組織 0 0 脾臓 正常組織 0 0 胃 正常組織 0 0 子宮 正常組織 0 0 前立腺 正常組織 0 0 骨格筋 正常組織 0 0 胎児の脳 正常組織 0 0 PBL 正常組織 0 0 唾液腺 正常組織 0 0 胎盤 正常組織 0 0 SF−268 CNS腫瘍 4 ND CCRF−CEM 白血病 4 ND K−562 白血病 4 ND HCC−2998 結腸腫瘍 4 ND SW620 結腸腫瘍 4 2 KM−12 白血病 4 ND MCF7/ADR−RES 乳房腫瘍 4 2 MDA−N 乳房腫瘍 4 ND BT−549 乳房腫瘍 4 ND SW480 結腸腫瘍 4 4 SW48 結腸腫瘍 4 ND Calu−3 肺腫瘍 4 ND Calu3 肺腫瘍 4 2 T47D 乳房腫瘍 4 2 A375 メラノーマ 4 0 SF767 CNS腫瘍 4 0 SW1417 結腸腫瘍 4 4 Caki2 腎臓腫瘍 4 0 Caki1 腎臓腫瘍 4 0 Caco2 結腸腫瘍 4 4 SW1417 結腸腫瘍 4 0 T98G CNS腫瘍 4 0 SF−539 CNS腫瘍 3 ND SK−MEL−2 メラノーマ 3 ND SK−MEL−5 メラノーマ 3 ND R−48 胃腫瘍 3 ND RF−1 胃腫瘍 3 ND SW948 結腸腫瘍 3 ND AGS 胃腫瘍 3 ND HFL1 正常肺 3 ND OVCAR−8 卵巣腫瘍 2 ND HT−29 結腸腫瘍 2 ND MDA−MB−231 乳腺腫瘍 2 ND MDA−MB−435 乳腺腫瘍 2 ND SK−MEL−5 メラノーマ 2 ND Kato−3 胃腫瘍 2 ND Colo 205 結腸腫瘍 2 ND Colo 320DM 結腸腫瘍 2 2 WiDr 結腸腫瘍 2 ND HT−29 結腸腫瘍 2 ND SNU−C2B 結腸腫瘍 2 ND HTC15 結腸腫瘍 2 2 T84 結腸腫瘍 2 0 SW948 結腸腫瘍 2 0 Daoy CNS腫瘍 2 0 OVCAR3 卵巣腫瘍 2 0 HS766T 膵臓腫瘍 2 0 SW1116 結腸腫瘍 2 0 Wilms腫瘍 腎臓腫瘍 2 0 UO−31 腎臓腫瘍 0 ND実施例3:aur1およびaur2の組換え体発現 材料および方法 発現ベクター構築 発現構築物がPCR補助突然変異発生により生成され、そこでaur1および
aur2の全コードドメインはそのカルボキシ末端がインフルエンザ菌ヘマグル
チニン(HA)エピトープYPYDVPDYAS(配列ID番号:21)(Pa
ti,Gene 114:285−288,1992)で標識された。これらの
構築物は二つの哺乳類発現ベクター内へ導入された:ウイルス産生株の生成のた
めのpLXSN(Miller et.al.,Biotechniques
7,980−988,1989);および過渡的発現分析のためのpRK5。挿
入物は特異的BamHIおよびNotI部位が隣接するように設計され、5’−
BamHIおよび3’−NotI部位でpLXSNまたはpRK5内へ直接クロ
ーン化された。
【0198】 BamHI−NotI完全長aur1およびaur2構築物はまたpRS31
6(Liu,et.al,Genetics 132:665−673,199
2)内にも結合された。このベクターはサッカロミセス セレビジエでの発現の
ための動原体シャトルベクター中にガラクトース誘導可能プロモーターを含む。
これらはヒト遺伝子が関連する温度感受性酵母IPL1突然変異体(aur1に
密接に関連している)と相補体形成するかどうかを評価するものである。加えて
、aur1およびaur2のC−末端キナーゼドメインへ融合された酵母IPL
1のN−末端ドメインを含む融合構築物を生成させた。これらはキナーゼのキナ
ーゼドメインの5’末端にある人工的ClaI部位を保存Asp−Asp−Ph
e−Glu配列に挿入して生成させた。
【0199】 優性陰性aur1およびaur2構築物はまた、PCR突然変異発生による不
変Lys(AUR1およびAUR2の各々アミノ酸位置106および162)か
らMetへの突然変異によりpLXSNおよびpRK5の両方で作製された。構
築物はAUR1KMおよびAUR2KMと名付けられた。AUR1およびAUR
2の構成的活性形はリン酸化部位(232および288)をコードしているDN
A先頭をAspに突然変異させることにより生成され、AUR1TDおよびAU
R2TDが得られた。
【0200】 pLXSNおよびpRK5両方の発現構築物はまた、AUR1およびAUR2
のN−末端、非触媒ドメインのみを含むようにしても作製された。これらは親構
築物からPCRにより生成され、AUR1のN−末端の77アミノ酸およびAU
R2の132のアミノ酸を含む。
【0201】 開始メチオニンを除いた全aur1およびaur2読み取り枠(HA標識なし
)はPCRにより生成され、抗体産生のためのウサギの免疫化のため、GST融
合タンパク質の細菌産生のためのpGEXベクター内へ結合された。ウイルス産生AUR細胞株の生成 高力価ウイルス貯蔵物を作るため、aur1かまたはaur2を含むpLXS
N組換え構築物がCaCl2媒介トランスフェクションを用いて両栄養性ヘルパ ー細胞株PA317内へトランスフェクトされた。G418での選択後、細胞は
G418を含んでいない通常培地に播種された(500μg/ml)。耐性細胞
からの上清液が環境栄養性ヘルパー細胞株GP+E86を感染させるのに使用さ
れ、細胞は再びG418上で選択された。耐性細胞は再びG418を除き、上清
液を8−12時間毎に採取してウイルス貯蔵物としてプールした(Redema
nn et.al.,Mol.Cell.Biol.12,491−498,1
992)。ウイルス貯蔵物力価は典型的には〜106/mLであった。aur1および/またはaur2によるNIH−3T3細胞のレトロウイルス感 NIH−3T3およびBALB/3T3細胞は100mmのプレート中、10
%ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEM(Gibco)で増殖させた。細胞は
、約3mLのウイルス上清液を15mLの培養培地に約24時間加えることによ
りaur1およびaur2レトロウイルスで重感染させた。レトロウイルス構築
物を発現している細胞は、500μg/mLのG418を補給したDMEM/1
0%FCSで増殖させることにより選択された。哺乳類細胞におけるaur1および/またはaur2の過渡的発現 細胞 HA−標識aur1およびaur2遺伝子を含むpRK5発現プラスミド(1
0μgDNA/100mmプレート)がリポフェクタミン(Gibco BRL
)でCOSおよび293細胞内へ導入された。72時間後、細胞を0.5mLの
可溶化緩衝液(20mM HEPES pH7.35、150mM NaCl、
10%グリセロール、1%トリトンX−100、1.5mM MgCl2、1m M EGTA、2mMフェニルメチルスルホニル フルオリド、1μg/mLア
プロチニン)に採取した。試料の一部を15%アクリルアミド/0.5%ビス−
アクリルアミドゲルでのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に
より分け、電気泳動的にニトロセルロースに移した。非特異的結合はBlott
o(5%w/v脱脂乾燥ミルクおよび0.2%v/vノニデットP−40(Si
gma)を含むリン酸緩衝液)中でブロットを前もってインキュベートすること
により阻止し、組換えタンパク質はHAデカペプチド標識に対するマウスMab
を用いて検出した。もしくは、組換えタンパク質は種々のAUR1−またはAU
R2−特異的抗血清を用いて検出できる。結果: COS細胞中で発現された組換え体AUR1およびAUR2は39,000お
よび46,000の見かけのMrで移動し、それらの一次アミノ酸配列に基づい
て予期される39264および46700の分子量と一致した。この分析で、組
換えタンパク質が哺乳類細胞で安定に産生できることが確認された。
【0202】 AUR1およびAUR2の優先陰性および構成的活性形は、これらの推定セリ
ン/スレオニンキナーゼのオブレーション(oblation)または過剰発現の生物学
的結果を詳細に叙述するために有用であろう。改変DNA構築物を用いた最初の
研究は、aur1およびaur2レトロウイルス貯蔵物でNIH3T3またはB
ALB/3T3細胞を感染させたちょうど2時間後に細胞が多核化していること
を示している。この表現型は持続し、感染2日後にはいくつかの細胞は20ほど
の核を有することが観察された。多核化細胞は典型的には増加した細胞質および
広がった細胞境界を持っていた。アクチンおよびDAPI両方での免疫染色によ
り、これらの核はすべて一つの細胞内に含まれており、およびアクチン細胞骨格
は見かけ上正常であることが確認された。実施例4:AUR特異的免疫試薬の生成 材料および方法: オーロラ特異性免疫試薬は、AUR2のN−末端領域(104SAPENNPE EQLASK117)(配列ID番号:22)および(90RPLNNTQKSKQ PL102)(配列ID番号:23)またはヒトAUR1のN−末端またはN−末 端ドメイン(1MAQKENSYPWPYG13)(配列ID番号:24)および (53PGQKVMENSSGTP65)(配列ID番号:25)に対応するKLH
−結合合成ペプチドに対してウサギで生成させた。別の免疫試薬は細菌で発現さ
れた完全長AUR1およびAUR2 GST−融合タンパク質でウサギを免疫す
ることにより生成させた。結果: 特異的免疫試薬はAUR1およびAUR2のN末端ドメインからのペプチド配
列に対してウサギで生成され、内因性および組換えAURの発現を細胞内に局在
化させた。これらの試薬はまた、AURの基質を同定するためにも使用できる。 実施例5:ミエリン塩基性タンパク質はAUR1およびAUR2キナーゼの人工 基質である 方法: ヒト結腸直腸腺癌SW480細胞は10%ウシ胎児血清、L−グルタミン、ペ
ニシリンおよびストレプトマイシンを加えたRPMI1640で培養された。S
W480細胞のコンフルエント培養物は氷冷リン酸緩衝液(PBS)で3回洗浄
した後、1mlの氷冷PBS内へこすり落とした。細胞は4℃、1,000rp
mで遠心分離し、PBSを吸引して除き、得られたペレットは−80℃で保存し
た。3つの15cmプレートからのペレットを氷上で融解し、総計で1mlのキ
ナーゼ溶解緩衝液(50mM HEPES pH7.4、100mM KCl、
25mM NaF、1mM NaVO3、0.5%NP40、1mM DTT、 2μg/mLアプロチニンおよび1μg/mLロイペプチン)に再懸濁し、4℃
で20分間穏やかに回転させた。試料は次に4℃にて10分間10,000xg
で遠心分離し、得られた上清をきれいな1.5mL遠心管へ移し、氷上に保った
。タンパク質濃度はブラッドフォード分析により決定した。1ミリグラムのタン
パク質を総タンパク質は4℃にて15分間、10μLのプロテインA−セファロ
ース(Boehringer)で前もって妨害物を取り除き、続いて2μLのウ
サギ前免疫血清、アフィニティー精製オーロラ1ペプチド抗血清、アフィニティ
ー精製AUR1ペプチド抗血清と6μgの競合AUR1ペプチド、アフィニティ
ー精製AUR2ペプチド抗血清、または、アフィニティー精製AUR1ペプチド
抗血清と6μgの競合AUR2ペプチドを加え4℃にて30分インキュベートし
た。
【0203】 その後、10μLのプロテインA−セファロースを加えてインキュベーション
をさらに4℃で45分間続けた。遠心管は軽く遠心して抗体−プロテインA−セ
ファロース複合体をペレット化し、生じた上清は吸引して取り除いた。抗体−プ
ロテインA−セファロースペレットは2回0.5mLのキナーゼ溶解緩衝液で洗
浄し、続いて0.5mLのキナーゼ緩衝液(20mM HEPES pH7.4
、125mM KCl、10mM MgCl2、1mM NaF、1mM Na VO3および1mM DTT)で洗浄した。抗体−プロテインA−セファロース ペレットは5μCiの[γ−32P]ATPおよび0.5mg/mLのミエリン塩
基性タンパク質(Sigma)を含む20μLのキナーゼ緩衝液に再懸濁し、3
7℃で20分間インキュベートした後、10μLのタンパク質試料緩衝液(20
0mMトリス−Cl pH6.8、40%グリセロール、730mMβ−メルカ
プトエタノール、0.4%SDSおよび0.05%ブロモフェノールブルー)を
加えた。遠心管はよく混合し、100℃で5分間インキュベートした。試料は1
8%SDSポリアクリルアミドゲルで分離し、オートラジオグラフィーにより可
視化された。結果: AUR1およびAUR2免疫複合体はミエリン塩基性タンパク質をリン酸化す
ることができた。免疫沈降に競合ペプチドが使用された場合、AUR1またはA
UR2抗血清免疫複合体は前免疫血清対照より以上にミエリン塩基性タンパク質
をリン酸化することはできなかった。このことは、観察された活性はAUR1お
よびAUR2によるものであり、免疫複合体に存在する他のタンパク質によるも
のではないことを示唆している。
【0204】 この観察の結果から、キナーゼ活性を追うための基質としてミエリン塩基性タ
ンパク質を使用することで活性AUR1およびAUR2キナーゼの精製が可能に
なるあろう。また、組換えAUR1およびAUR2タンパク質を用いたインビト
ロキナーゼアッセイの開発が可能になるであろう。さらに、AUR1およびAU
R2インビトロキナーゼアッセイは、ミエリン塩基性タンパク質のリン酸化の阻
害を測定することにより、AUR1およびAUR2キナーゼ阻害剤についての低
分子採集物のスクリーニングが可能になるであろう。実施例6:AUR同族体の構造比較 材料および方法: cDNAクローニング 縮重オリゴヌクレオチドプライマーは、広範囲の正常および形質転換された上
皮細胞で発現されるレセプターチロシンキナーゼ、CCK4のキナーゼドメイン
IおよびIX(GenBank:U33635;Cowley et al.,
Cell 77:841−852,1994)に基づいたPCRクローニングの
ために設計された。センスプライマーは5’−GARTTYGGNGARGTN
TTYYTNGC−3’(配列ID番号:16)であり、アミノ酸EFGEVF
LA(配列ID番号:18)をコードし、およびアンチセンスプライマーは5’
−AGNACNCCRAANGCCCACACRTC−3’(配列ID番号:1
7)であり、アミノ酸DVWAFGVL(配列ID番号:33)の相補鎖をコー
ドしていた。これらのプライマーは、いくつかの結腸癌細胞株ならびにその他の
腫瘍起源から単離されたRNAから生成されたsscDNAへ適用された。50
0−600bpのPCR生成物はサブクローン化および配列決定され、ショウジ
ョウバエオーロラに関連する断片が明らかにされた。この断片は、いくつかのヒ
ト膵臓癌細胞株RNAプールから構築されたラムダライブラリーを探査するため
に使用され、ヒトaur1の完全長クローンの単離に至った。二つの弱くハイブ
リダイズするクローンもまた単離され、配列決定によりそれらはaur2と名付
けられた、関連はしているが異なったcDNAであることが明らかにされた。ま
た、正常ヒト十二指腸cDNAからも両方の遺伝子に関する完全長クローンが単
離された。すべてのクローンは、T7ポリメラーゼマニュアルシークエンシング
およびABI Prism 377上のAmpliTaq DNAポリメラーゼ
による色素ターミネーターサイクルシークエンシングを用いる内部オリゴヌクレ
オチドプライマーで両方の鎖が配列決定された。完全aur2コード配列もまた
10の原発結腸直腸腫瘍試料から確認された。プライマー5’−CGCCTTT
GCATCCGCTCCTG−3’(配列ID番号:34)および5’−GAT
TTGCCTCCTGTGAAGAC−3’(配列ID番号:35)は、腫瘍R
NAから生成されたsscDNAとのRT−PCR反応で使用された。PCR生
成物はGeneCleanで精製され、いくつかのオリゴヌクレオチドプライマ
ーを用いる色素ターミネーターサイクルシークエンシングにより直接配列決定さ
れた。正常または腫瘍起源のものから単離されたクローン間には配列の相違は観
察されなかったが、腫瘍試料の二つから残基31でのFのIへの変化をコードし
ているであろう単一のヌクレオチド多形が同定された。縮重ヌクレオチド残基の
略号は:R=AまたはG;Y=CまたはT;N=A、C、GまたはTである。結果: PCRに基づいたスクリーニングが新規結腸癌関連キナーゼを同定するために
開始された。これらのクローンの一つはドロソフィア メラノガスターのオーロ
ラタンパク質キナーゼおよびサッカロミセス セレビジエのIPL1キナーゼ(
Francisco et al.,Mol.Cell.Biol.14:47
31−4740,1994;Glover et al.,Cell 81:9
5−105,1995)と相同性を持つタンパク質をコードしていた。完全長c
DNAクローンをスクリーニングするためにこの断片を用いた場合、弱くハイブ
リダイズするクローンが関連キナーゼをコードしていることが観察された。これ
らの遺伝子は、お互いのおよびドロソフィア オーロラキナーゼとの相同性を反
映させてaur1およびaur2と称される。
【0205】 aur1 cDNAは39.3kDaの予想分子量を持つ344アミノ酸ポリ
ペプチドをコードしている1032bpの読み取り枠を含んでいた。aur2
cDNAは45.8kDaの予想分子量を持つ403アミノ酸ポリペプチドをコ
ードしている1209bpの読み取り枠を含んでいた。二つの追加のヒトaur
偽遺伝子もまた、各々のが単一のエキソンを含み、aur1かまたはaur2に
対して著しいDNA相同性を維持しているが、多フレームシフトを示す転写体を
発現するものとして同定された。
【0206】 乳腺腫瘍キナーゼ、BTAKの部分配列がヒトaur2の断片であるらしいと
報告されている(Sen et al.,Oncogene14:2195−2
200,1997)。第二の文献では、紡錘体に局在化している細胞周期調節タ
ンパク質、ヒトaikの配列が報告されており(Kimura et al.,
J.Biol.Chem.272;13766−13771,1997)、それ
はヒトAUR2と92%のアミノ酸同一性を共有しているが、配列決定のエラー
に起因する6つのフレームシフトの取り込みが異なるようである。第三の文献は
、有糸分裂調節遺伝子、AYK1の配列を提供しており(Yanai et a
l.Oncogene 14:2943−2950,1997)、それはAUR
2のマウスオーソロガス体であるようである。本発明はヒトaur1およびau
r2両方についての最初の完全配列を記載している。
【0207】 ヒトaur1およびaur2の演繹されるアミノ酸配列が、酵母およびショウ
ジョウバエ同族体IPL1およびオーロラと並べて図1に示されている。ヒトA
UR2タンパク質はその全長を通してヒトAUR1、ショウジョウバエオーロラ
およびIPL1と各々57%、43%および41%の同一性を共有している。4
つの配列はすべてセリン/スレオニンキナーゼの特徴的モチーフを持つC末端ド
メインを含む。ヒトAUR2のキナーゼドメインは、ヒトAUR1、ショウジョ
ウバエオーロラ、およびIPL1と74%、62%および49%のアミノ酸同一
性を、アフリカツメガエル中に存在する両生類同族体[p46Eg22 (PI
R:S53342)およびp46Eg265(PIR.S53343)]と83
.5%の同一性を有する。ショウジョウバエオーロラはヒトAUR1と最も相関
しており、一方、酵母IPL1はAUR2に最も相関している。この構造評価は
酵母における相補性研究により支持され、それにおいてはヒトAUR2キナーゼ
のみがIPL1突然変異体と相補体を形成できた。酵母には単一のオーロラ様キ
ナーゼが存在するが,C.エレガンスにおいては少なくとも二つの該キナーゼが
存在する(GB:U53336、遺伝子K07C11.2およびGB:U971
96、遺伝子B0207.4)。これらのC.エレガンスタンパク質の演繹され
る触媒ドメインはヒトAUR2キナーゼドメインと55%および64%のアミノ
酸配列同一性を共有している。ショウジョウバエゲノムの特徴付けが完了に近づ
くと、ショウジョウバエにおける追加のオーロラ同族体が最終的に同定されるで
あろうことが予想される。
【0208】 ヒトAUR2およびAUR1の129および73アミノ酸N末端ドメインは、
お互いにおよび類似のショウジョウバエオーロラおよび酵母IPL1の160お
よび100アミノ酸ドメインとの相同性はあまりない。ヒトおよびマウスAUR
2のN末端領域はお互いに54%の、二つのアフリカツメガエルタンパク質とは
28−30%の同一性を共有しており、すべてのオーロラの非触媒領域に存在す
る二つの隔たった保存モチーフを規定するのを助けている(図1)。第一のモチ
ーフは10アミノ酸長、KENX4PVX(AURボックス1と称される)を含
んでおり、第二のモチーフは15アミノ酸長、QX9AQRVL(AURボック
ス2と称される)を中心としている(図1の上に引かれた線を参照されたい)。
ショウジョウバエオーロラはAURボックス2に36アミノ酸挿入物を含む。い
くつかの潜在的セリンおよびスレオニンリン酸化部位もまたこれらのタンパク質
に保存されており、キナーゼの活性化ループ中のタンパク質キナーゼAリン酸化
モチーフRPXTが含まれている。酵母IPL1遺伝子の温度感受性突然変異体
は活性化ループ内にThrからAlaへの置換が存在し(Gopalan et
al.,J.Cell Biol.138:643−656,1997)、こ
の部位でのリン酸化が生物学的に関連していることを示唆している。N末端AU
Rボックス2内にAsp47での突然変異を含む一つのショウジョウバエ突然変
異体(Glover 1995、前記文献)を別にして、酵母における別の突然
変異体(Chan 1993、前記文献)およびオーロラのショウジョウバエ同
族体(Glover 1995、前記文献)においてキナーゼドメインの集中的
な地図作製が行われた。これらの突然変異体は異常な核、染色体誤分離および単
極紡錘体を生じるので、これらの発見は、オーロラの触媒活性が中心体生物学に
おいて重要な役割を果たしていることを示唆している。実施例7:正常組織および腫瘍細胞株におけるaur1およびaur2 RNA の発現 材料および方法: ノーザンブロット 培養腫瘍細胞株からの細胞ペレットはNick Scuidero(Deve
lopmental Therapeutics Program,NCI)か
ら提供され、それはNCI腫瘍の一団(ウェブサイトリストhttp://ep
nwsl.ncifcrf.gov;2345/dis3d/cancer_s
creen/celllist.htmlを参照されたい)の一部である。正常
ヒト組織試料は協同ヒト組織ネットワーク(Cleveland,OH)から入
手した。ヒト結腸直腸組織試料は1988から1997にかけてUCLA−Ha
rbor、WadsworthおよびCedars Sinaiを含む Los
Angeles地域の病院から入手した。各々の試料からRNA、DNAおよ
びタンパク質溶解物を調製する前に腫瘍組織学的な確認が行われた。全細胞また
は組織RNAはChomczynskiおよびSacchiのグアニジン塩/フ
ェノール抽出法(Wolf et al.,Oncogene 14:543−
549,1997)を使用して単離された。ノーザンブロッティングはヒトau
r2 cDNAの無作為標識586bp BamHI−SspI断片を用いた標
準技術(Mossie et al.Oncogene11:2179−218
4,1995)を使用して実施された。レーン当たり2μgポリA mRNAを
含む多組織ノーザンブロットおよびヒト免疫系ブロット(Clontech)も
またaur2発現が探査された。ヒトβ−アクチンcDNAプローブ(Clon
tech)が無傷のRNAの等価な充填を確認するために使用された。SK−H
EP−1(HTB52)肝臓腺癌細胞株からのRNA(10μg)が各々のブロ
ットでのaur2発現検出の内部標準として使用された。ブロットはPhosp
horimagerおよびImageQuantソフトウェアー(Molecu
lar Dynamics,Mountain View,CA)を使用して定
量した。結果: 正常成人ヒト組織から単離されたmRNAのノーザンブロット分析は、aur
2発現は主として精巣、胸腺および胎児肝臓に限定されており、骨髄、リンパ節
および脾臓で非常に弱く発現し、試験された他のすべての成人組織において発現
は検出されないことを示している。別の研究は有糸分裂間のこれらの転写体の厳
格な一時的調節を示している(Kimura 1997、前記文献)。ヒトau
r1もまた正常精巣および胸腺で高レベルで発現され、肺および小腸で中程度で
発現される。
【0209】 これらの遺伝子は本来ヒト腫瘍から同定されているので、結腸、腎臓、メラノ
ーマおよび乳腺起源のヒト腫瘍細胞株のパネルについてのaur2のノーザンブ
ロット分析を実施した。2.4kb aur2転写体がこれらの形質転換細胞株
の96%(25中の24)で発現されており、UO−31腎臓癌腫細胞株のみが
例外であった。1.4kb aur1転写体は同じ24の腫瘍細胞株においてa
ur2と驚くほど同じ様なレベルで同時に発現されていた。実施例8:原発ヒト結腸直腸癌におけるaur2の増幅および過剰発現 材料および方法: 染色体局在化 Stanford G3放射線ハイブリッドパネルは Research
Genetics(Huntsville, Alabama)から入手した。
放射線ハイブリッド地図作製に使用されたプライマーは:aur1に対しては5
’−ATGCCTCCGGAAAGAGCCTGT−3’(配列ID番号:36
)および 5’−GTGTCCCACTGCTATTCTCCAT−3’(配列
ID番号:37)およびaur2に対しては5’−CAGGGCTGCCATA
TAACCTGA−3’(配列ID番号:38)および5’−CTAGCACA
GGCTGACGGGGC−3’(配列ID番号:39)であった。aur1プ
ライマーは遺伝子のN末端領域に方向付けられており、54℃のアニーリング温
度で25サイクルのPCR後に247bp断片を生成する。aur2プライマー
は54℃のアニーリング温度で25サイクルのPCR後に3’UTRからの25
5bp断片を増幅する。SHGCR G3パネルに対するaur1の粗点は00
000000000010000000000000000000000000
010000000100100100000000000100000000
001010101であり、aur2は100000000010001010
000001000100100000000000100000011000
01001001010000010010010010010である。サザンブロッティング ゲノムDNAはヒト結腸直腸組織試料から標準法(プロテイナーゼK分解、フ
ェノール:クロロホルム抽出およびエタノール沈殿)により単離された。サザン
ブロットは5μgのDNAをPstIで分解し、断片を1%アガロースゲルで分
離し、ナイロン膜(Nytran−Plus,Schleicher & Sc
huell)上へブロッティングし、ランダムプライマー標識1044bp a
ur2 cDNA断片(pSG19)およびCYP24遺伝子の1700bpク
ローン化断片(pKS−h24、ニューメキシコ大学のJ.Omdahlから)
で連続的に探査することにより調製した。等しい試料充填を確認するためにヒト
β−グロビンのプローブが使用された。最終洗浄は0.1X SSC、0.1%
SDS、60℃であった。オートラジオグラフはImageQuantソフトウ
ェアー(Molecular Dynamics,Mountaln View
,CA)を用いて、β−グロビンに対する値として定量された。結果: aur2発現は次に41の原発ヒト結腸直腸腫瘍および同一の患者からの対応
した正常結腸直腸組織パネルのノーザンブロット分析により特徴付けられた。試
料の約54%(22/41)は正常結腸対照と比較して腫瘍における2.4kb
aur2転写体発現の増加を示した。正常組織に対して腫瘍では4−28倍の
aur2 RNAの過剰発現を示した。
【0210】 aur1およびaur2遺伝子はStanford Human Genom
e Center G3放射線ハイブリッドパネルを用いて地図作製された。ヒ
トaur1は染色体17p13.1(関連マーカーSHGC−35513に対し
て9.555のLODスコア)に、ヒトaur2は染色体20q13.2(関連
マーカーSHGC−3245に対して17.26のLODスコア)に位置してい
る。地図作製はまた、ヒト−齧歯動物体細胞ハイブリッドパネル(Coriel
l Cell Repository,Camden,NJ)へのハイブリダイ
ゼーションによっても確認された。aur2は染色体20上の0.825−0.
83Flpter(pterからの分画長)にあるビタミンDヒドロキシラーゼ
(CYP24)遺伝子およびコスミドプローブRMC20C001に隣接して存
在する(Tanner 1994、上記文献;Tanner 1996、上記文
献)。これらのマーカーは両方とも、多くのヒト悪性腫瘍(特に乳腺、膀胱およ
び結腸癌からのもの)に共通する20q13アンプリコンに存在することが特徴
付けられている。
【0211】 サザンブロットハイブリダイゼーションがaur2 cDNAプローブならび
にアンプリコンのマーカーとして働くCYP24遺伝子の対照プローブを使用し
て実施された(Tanner 1994、上記文献;Tanner 1996、
上記文献)。aur2プローブは5.8、3.7、3.3、2.8、2.5およ
び1.3kbのPstI断片にハイブリダイズした。5.8、3.3、2.8お
よび2.5kbバンドはaur2に特異的であった。aur2特異的バンドのみ
が腫瘍試料における増幅を示した。
【0212】 aur2 DNAは79の原発結腸直腸腫瘍の内の41(52%)で増幅され
ており、そのための遺伝子型分類に適したDNAが利用可能であった。12試料
の内の9では、正常組織と比較して腫瘍中ではaur2 DNAの2−8倍の増
幅を示していた。試料の1つはDNA増幅なしでのRNA過剰発現を示したが、
他の11はDNA増幅およびRNA過剰発現の間に直接的な相関を示している。
CYP24遺伝子は41の対応した対の内の37(90%)でaur2と同時発
現されていることが観察されており、一つのみaur2増幅なしで増幅されてい
ることが観察された。
【0213】 一つの一致しない結果が得られたものの、aur2 DNA増幅とRNA過剰
発現の間には高い相関(ρ=0.695)が存在する。RNA過剰発現なしでa
ur2 DNAが増幅されるただ一つの場合において、aur2RNAは他の腫
瘍−正常対と比較して正常および腫瘍試料の両方で実際に上昇していた。考えら
れるのは、この正常結腸試料におけるaur2 RNAの高い発現は初期疾病素
質病変を示しているのであろう。逆に、5つの対試料は多分転写活性化によるも
のであろうが、DNA増幅なしでのRNA発現の上昇を示した。もしこれらの5
つの対が分析から除かれるとしたら、aur2 DNA増幅とRNA過剰発現間
の相関はρ=0.939に上昇する。これらのデータはDNA増幅がAUR2活
性化の機構であることを示唆しており、aur2はまた、その高レベル増幅が乳
癌における悪い臨床結果と相関する20q13の癌遺伝子であると暗示している
(Isola 1995、上記文献)。
【0214】 20q13アンプリコンからのaur2配列が正常起源からのものと同じであ
るかどうかを決定するため、10の原発結腸直腸腫瘍試料からの完全aur2コ
ード領域を含むRT−PCT生成物の直接配列決定を実施した。正常および20
q13アンプリコンの増幅されたレベルの両方を含む8つの試料でaur2配列
が確認された。N末端オーロラボックス1中の残基31のフェニルアラニンから
イソロイシンへの変化を生じる単一のヌクレオチド多形が2つの試料で同定され
た(図1で丸で囲われている)。この分析は、20q13アンプリコンは典型的
には無傷の、突然変異していないaur2コード領域の増やされたコピーを含む
ことを示している。実施例9:原発ヒト結腸直腸癌試料におけるAUR2タンパク質の検出 材料および方法 ウェスタンブロッティング 原発結腸直腸癌腫および隣接した正常組織からの対応したヒト組織試料は協同
ヒト組織ネットワーク(Cleveland,OH)および国際病理学連合(F
rederick,MD)から入手した。OCT包理組織の30ミクロンクライ
オスタット切片を氷上で20分間穏やかに撹拌することにより25μLの氷冷R
IPA緩衝液(50mMトリス−Cl、pH8.0、150mM NaCl、1
.0%NP−40、0.5%デオキシコール酸、0.1%SDS、1mM DT
T、およびプロテアーゼ阻害剤)に直接溶解させた。溶解液は次に4℃、10,
000xgで10分間遠心分離した。得られた上清はきれいな試験管に移し、全
タンパク質濃度をブラッドフォード分析により決定した。対応試料からの等量の
全タンパク質を12%ポリアクリルアミドゲルで分離し、ナイロン膜(BioR
ad)に移し、アフィニティー精製したAUR2に対する抗体の1:2,000
希釈液で探査した。免疫ブロットはECL試薬(Amersham)で発色させ
た。腫瘍細胞株からの溶解物も前記のように調製および分析した。結果: AUR2タンパク質発現を分析するため、GST−融合タンパク質として大腸
菌で発現される全読み取り枠に対するポリクローナル抗体をウサギで生成させた
。抗AUR2抗体は原発ヒト結腸癌腫または隣接した正常組織のクライオスタッ
ト切片から作製されたタンパク質溶解物ブロットの探査に使用された。AUR2
抗体は2つの原発ヒト結腸癌腫で約46kDaのタンパク質を検出したが、隣接
した正常組織殻に由来する試料では何も検出しなかった。これらの抗体はまた、
結腸直腸癌腫に由来する種々の培養腫瘍細胞株においてAUR2タンパク質の過
剰発現も検出した。 実施例10:aur1はRat1線維芽細胞を形質転換する 材料および方法 発現構築物 野生型、キナーゼを殺した(K162M)および活性化した(T288D)a
ur2のHA−タグ付けΔ2体を発現ベクターpLXSN内へサブクローン化し た。これらの構築物は両栄養性パッケージング細胞株PA317内へトランスフ
ェクトし、上清を採取して産生細胞株GP+E−86(Markowitz e
t al,Virology 167:400−406,1988)を感染させ
るために使用した。ネオマイシン耐性クローンを選択し、AUR2タンパク質発
現をアッセイした。陽性産生細胞株からの上清をRat1およびNIH3T3細
胞を感染させるために使用した。ネオマイシン存在下、安定クローンを選択し、
イムノブロチンGによりAUR2タンパク質発現をアッセイした。 インビトロキナーゼアッセイ 適切なaur2構築物を発現しているRat1およびNIH3T3細胞を氷上
で15分かけてキナーゼ溶解緩衝液(50mMヘペス、pH7.4、100mM
KCl、25mM NaF、0.5% NP−40、1mM NaVO4、1 mM DTTおよびプロテアーゼ阻害剤)に可溶化し、4℃、10,000xg
で10分間遠心分離した。得られた上清はきれいな試験管に移し、全タンパク質
濃度をブラッドフォード分析により決定した。等量のタンパク質(通常2mg)
を抗HAモノクローナル抗体12CA(Boehinger)で免疫沈降させた
。免疫複合体はキナーゼ溶解緩衝液で3回洗浄して1xレムリSDS試料緩衝液
に再懸濁するか、またはキナーゼ緩衝液(γ−32P−ATPおよびα−カゼイン
なし)で3回洗浄して30μLの1xキナーゼ緩衝液(20mMヘペス、pH7
.4、150mM KCl、5mM MnCl2、5mM NaF、1mM D TT、50μM ATP、20μCi γ−32P−ATPおよび0.5mg/m
Lα−カゼイン)に再懸濁した。インビトロキナーゼ反応は37℃で20分間実
施され、30μLの2xレムリSDS試料緩衝液の添加により停止させた。試料
は95℃で5分間インキュベートし、14%SDS−ポリアクリルアミドゲルで
分離した。 軟寒天アッセイ 寒天の3%溶液(56℃)を増殖培地(56℃)で0.6%の最終濃度に希釈
し、ピペットで組織培養皿に加え、室温で20−30分放置して固化させた。こ
の時点で50μL容量の2x105細胞を0.3%寒天(40℃で増殖培地で希 釈)と混合し、底寒天層上に穏やかにピペットで加え、室温で20−25分放置
して固化させた。固化したら、プレートは5%CO2雰囲気下、37℃でインキ ュベートした。新鮮な上層寒天を1週間に一度加えた。4週間後、プレートはニ
ュートラルレッドで染色した。 結果: もしaur2が20q13アンプリコン上の適切な標的であるならば、aur
2の過剰発現は形質転換を起こすであろうことが予測される。この問題を試験す
るため、ヒトaur2を発現する安定Rat1細胞株が確立された。Rat1細
胞はヘマグルチニン(HA)タグ付け(Pati 1992、前記文献)野生型
aur2または残基162の必須リジン(図1)がメチオニンに変更された(K
162M)キナーゼ不活性化突然変異体を発現するレトロウイルスで感染させた
。加えて、活性化ループ中の残基288のスレオニン(図1)がアスパラギン酸
に変更されている活性化突然変異体(T288D)が作製された。この突然変異
はこの部位での構成的リン酸化を模倣し、および実際にインビトロでキナーゼを
活性化するために設計された。安定Rat1株は同様な量のAUR2タンパク質
を発現した。インビトロキナーゼアッセイは安定細胞株により生成されたAUR
2タンパク質を使用して実施された。キナーゼ不活性化AUR2突然変異体(K
162M)は、インビトロにおいてベクター対照細胞株で観察されるレベルでは
α−カゼインをリン酸化することはできなかったが、野生型および活性化AUR
2(T288D)タンパク質はこの人工基質に対する高められた活性を持ってい
た。
【0215】 aur2の形質転換能力を特徴付けるため、Rat1クローンの軟寒天アッセ
イを行った。ベクター対照、K162M、野生型およびT288D AUR2発
現Rat1細胞を軟寒天に播種し、4週間後に増殖を評価した。野生型およびT
288D AUR2を発現している細胞は軟寒天中でコロニーを形成したが、対
照的に、キナーゼ不活性AUR2を発現している細胞は増殖しなかった。13の
野生型クローンの内の10および12のT288Dクローンの内の6が軟寒天中
で増殖したのに比較し、ベクターおよびK162Mクローンでは11の内の1つ
しか増殖しなかった。各々のトランスフェクションの2つの独立したクローンか
ら軟寒天中に形成されたコロニーの数が定量された。200,000細胞播種当
たりのコロニーの平均数は:K162M、32コロニー;野生型、470コロニ
ー;およびT288D、250コロニーであった。T288D Rat1安定株
は野生型AUR2 Rat1安定株よりも少ないコロニーを形成したが、T28
8Dコロニーは一般的により大きなサイズに成長していた。
【0216】 T288D AUR2突然変異体はまた軟寒天での増殖で測定した場合および
ヌードマウスでの腫瘍として、NIH3T3細胞を形質転換できた。対照的に、
野生型AUR2はNIH3T3細胞を形質転換できなかった。これらの構築物の
形質転換能力は触媒活性に相関していた、なぜなら、野生型AUR2はNIH3
T3細胞において触媒的に不活性であったが、T288Dは強いキナーゼ活性を
持っていた。これらのデータは細胞の遺伝子的背景がAUR2の形質転換能力の
決定に重要であることを示唆している。 実施例11:活性化AURはNIH3T3細胞を形質転換する ヒトAUR2を発現する安定マウスNIH3T3細胞株が確立された。NIH
3T3細胞はヘマグルチニン(HA)タグ付け(Chan 1993、前記文献
)野生型AUR2または残基162の必須リジン(図1)がメチオニンに変更さ
れた(K162M)キナーゼ不活性化突然変異体を発現するレトロウイルスで感
染させた。加えて、活性化ループ中の残基288のスレオニンがアスパラギン酸
に変更されている活性化突然変異体(T288D)が作製された。この突然変異
はこの部位での構成的リン酸化を模倣し、および実際にインビトロでキナーゼを
活性化するために設計された。安定Rat1株は同様な量のAUR2タンパク質
を発現した。インビトロキナーゼアッセイは安定細胞株により生成されたAUR
2タンパク質を使用して実施された。
【0217】 野生型およびキナーゼ不活性化AUR2突然変異体(K162M)はインビト
ロにおいてミエリン塩基性タンパク質をリン酸化できなかったが、活性化AUR
2突然変異体(T288D)はこの人工基質に対して顕著な活性を持っていた。
なぜ野生型AUR2がインビトロキナーゼアッセイにおいて触媒的に不活性であ
るようであるのかは明らかではない。多分、AUR2の想定アクチベーターがN
IH3T3細胞中では制限を受けているのか、またはAUR2ホスファターゼの
ような陰性調節因子の活性がこれらの細胞で高まっているのであろう。実際、S
.セレビジエ ホスファターゼPPIの妨害突然変異体はIPL1突然変異体表
現型を悪化でき、IPL1はこのホスファターゼにより陰性調節されているらし
いことを示唆している(Francisco et al.,Mol.Cell
.Biol.14:4731−4740)。活性化AUR2はミエリン塩基性タ
ンパク質をインビトロで人工基質として利用できるが、野生型キナーゼの基質選
択はより制限されているのかもしれない。
【0218】 活性化AUR2の外的発現がNIH3T3細胞の増殖を変えるかどうかを決定
するため、低(2%)血清を含む培地における増殖曲線を検討した。これらの条
件下で最初の24時間は活性化AUR2の発現は、野生株AUR2、キナーゼ不
活性AUR2またはベクター対照と比較してNIH3T3の優勢な増殖を行わせ
た。しかしながら、2%血清で48時間後ではすべての細胞が分裂を止め、活性
化AUR2単独では無限の細胞増殖を促進することができないことを示している
【0219】 活性化AUR2の形質転換能力を特徴付けるため、3T3クローンで軟寒天ア
ッセイが実施された。ベクター対照、野生型、キナーゼ不活性および活性化AU
R2発現NIH3T3細胞を軟寒天に播種し、3−4週間後に増殖を評価した。
活性化AUR2を発現している細胞は軟寒天で大きなコロニーに成長したが、は
っきりと対照的に、野生型およびキナーゼ不活性AUR2を発現している細胞は
増殖しなかった。活性化AUR2の外的発現は低血清でNIH3T3細胞に足場
依存性増殖を生じさせた。 実施例12:aur2アンチセンスオリゴはインビボでAUR2発現を阻害する
材料および方法: ヒトH1299細胞を6ウェルプレート(Falcon)に〜40−50%コ
ンフルエントになるように播種した。次の日、リポフェクチン(Gibco)お
よびオリゴをリポフェクチンの最終濃度が100μg/mLおよび各々のオリゴ
の最終濃度が1μMとなるようにOptiMEM(Gibco)と混合して20
0μLの溶液を作製する。リポフェクチン/オリゴ/OptiMEM混合物は室
温(20−25℃)で15分インキュベートし、800μLのOptiMEMを
リポフェクチン/オリゴ/OptiMEM混合物に加え、穏やかに混合させた。
H1299細胞から増殖培地を除いた(細胞は〜80%コンフルエントであった
)。細胞をOptiMEMで1回洗浄した。OptiMEMを吸引し、リポフェ
クチン/オリゴ/OptiMEM混合物を加え、培養物は37℃で4時間インキ
ュベートした。リポフェクチン/オリゴ/OptiMEM混合物を除き、200
nM濃度のアンチセンスオリゴを含む通常増殖培地に置き換えた。プレートを3
7℃インキュベーターに戻して16−20時間後、細胞から増殖培地を除き、1
回OptiMEMで洗浄した。OptiMEMを再び吸引し、リポフェクチン/
オリゴ/OptiMEM混合物(前記のように調製)を加え、プレートは再び3
7℃で4時間インキュベートした。リポフェクチン/オリゴ/OptiMEM混
合物を再び除き、200nM濃度のアンチセンスオリゴを含む通常増殖培地に置
き換えた。プレートを37℃インキュベーターに16−20時間戻した。細胞を
採取し(最初の処理から〜40時間後)、ノーザンブロットによりaur2 m
RNAを、またはイムノブロットによりAUR2タンパク質発現を分析した。 結果: ヒトaur2 mRNA転写体の特異的領域を標的にする3つのアンチセンス
オリゴヌクレオチド(配列ID番号:16、17および18)がヒト腫瘍株H1
299中でAUR2タンパク質発現を著しくダウンレギュレートすることが観察
された。配列ID番号:30および配列ID番号:32および配列ID番号:3
1および配列ID番号:32の組み合わせを用いた場合、AUR2タンパク質発
現を検出限界以下に減少させた。配列ID番号:31および配列ID番号:32
の組み合わせによるH1299細胞の処理は、細胞増殖による測定でこの腫瘍細
胞株の増殖を阻害し、FACSによる測定ではアポトーシスを誘導しているよう
である。
【0220】 配列(5’−3’):オリゴ数ならびにaur2 cDNA内の配列の位置は
以下に示されている。注:これらのオリゴヌクレオチドはホスホロチオエートと
して合成された。 配列ID番号:30(ヌクレオチド1743−1763):CAGGGCAGA
GTGGTCACTTTC 配列ID番号:31(ヌクレオチド42−62):CGTCCGCCACTCC
GACCAGCC 配列ID番号:32(ヌクレオチド1654−1674):TGCAGTCGA
ACCTTGCCTCCA これらのアンチセンスヌクレオチドは低分子AUR2阻害剤の潜在的効果のプ
ロフィールを得るための、正常および腫瘍細胞でのAUR2発現阻害に有用であ
ろう。これらはまた、AUR2阻害剤の抗腫瘍性を決定するため、ヌードマウス
におけるヒト腫瘍細胞移植片のAUR2発現阻害にも使用できる。別の使用は、
aur2遺伝子の過剰発現により”誘導された”種々のヒト腫瘍における、AU
R2発現を阻害するための”薬”としての使用である。 実施例13:AUR2活性阻害剤同定のためのスクリーニング系 アッセイはインビトロまたはインビボで実施され、ここに詳細に説明されてい
るかまたは、Tangらにより”新規医薬化合物”と題して1995年6月7日
に出願された特許出願第08/487,088号(Lyon & Lyon出願
書類番号第212/276号)またはSeedorfらにより”TKA−1関連
疾患の診断および処置”と題して1995年10月13日に出願された特許出願
第60/005,167号(Lyon & Lyon出願書類番号第215/2
56号)(これらは図を含んで全文が本明細書において援用される)に記載され
ている増殖アッセイのような現存するアッセイを改良することにより行うことが
できる。本発明の遺伝子を使用するために改良できる別のアッセイは1994年
10月13日に公開された国際特許出願第WO94/23039号(これらは図
を含んで全文が本明細書において援用される)に記載されている。他の可能性に
は、自己リン酸化アッセイでキナーゼ活性を検出する、またはヒストン、ミエリ
ン塩基性タンパク質、ガンマチューブリンまたは中心体タンパク質のような標準
基質においてキナーゼ活性を試験するものが含まれる。結合相手はタンパク質の
N末端部分を入れることにより、または二重特異性キナーゼ(1994年2月1
日に公開されたFieldsおよびSongの米国特許第5,283,173号
、図を含んで本明細書において援用される)のホスホチロシンを検出することに
より同定される。
【0221】 AUR2活性の阻害剤が規定される一つの方法はChanおよびBotste
in(Genetics 135:677−691,1993)により記載され
ているような温度感受性酵母突然変異体を用いるスクリーニング系である;Fr
ancisco et al.(Mol.Cell.Bio.14:4731−
4740,1994)も参照されたい(これらは両方とも図を含んで全文が本明
細書において援用される)。
【0222】 簡単に説明すると、AUR2酵母同族体の温度感受性形(ip11)を発現す
る酵母株CCY72−3D−1(ipl 1−2)は26℃では生存可能である
が、37℃では増殖できない。この株を、推定基質相互作用ドメインを含むip
11のN末端部分、および触媒ドメインを含むAUR2のC末端部分から成るハ
イブリッドオーロラ遺伝子を含む発現プラスミドでトランスフェクションすると
、増殖温度に対する感受性を克服する。このAUR発現酵母株を試験物質存在下
、37℃で増殖させる。AUR触媒機能を阻害する物質存在下で増殖しないのは
明らかであろう。可能性のある阻害剤としてはアンチセンスオリゴヌクレオチド
、低分子量化学物質、および/または菌類、海洋生物体、植物などのような多様
な生物体から単離された天然物が挙げられる。
【0223】 当業者は、本目的を実施するために本発明が適用され、および説明された結論
および利点ならびにそれらに固有なものを得ることを容易に認識するであろう。
本明細書に記載された分子複合体および方法、過程、処置、分子、特定の化合物
は好適な態様の現時点での代表例であり、本発明の範囲の制限を意図しているも
のではない。当業者により思い浮かばれるであろうそれらの変更および他の使用
は本発明の精神に包含されており、特許請求の範囲により定義されている。
【0224】 本発明の範囲および精神から離れることなく本明細書に開示された発明に種々
の置換および変形が行えることは当業者には容易に明らかになるであろう。 本明細書で述べられたすべての特許および出版物は本発明が関与する当業者レ
ベルの指標である。各々の個々の出版物が本明細書において援用されると特別に
および個々に示されているごとく、同程度にすべての特許および出版物は本明細
書において援用される。
【0225】 本明細書に例示的に記載されている本発明は、本明細書では特別には開示され
ていない要素または制限なしで適切に実行されるであろう。従って、例えば、本
明細書の各々の例で用語”のみから成る”、”から本質的に成る”および”から
成る”はお互いに他の二つの用語と置き換えてもよい。用いられている用語およ
び表現は制限ではなく記述の用語として使用されており、そのような用語および
表現の使用は、示されおよび記載された態様の均等物またはそれらの一部を排除
することは意図されておらず、請求された本発明の範囲内の種々の修正が可能で
あると認識されている。
【0226】 加えて、本発明の特色または態様はマーカッシュ群の用語で説明されているが
、本発明はマーカッシュ群の個々の構成要素または構成要素の副群の用語でも記
載されることを当業者は認識するであろう。例えば、もしXが臭素、塩素および
ヨウ素から成る群より選択されると記載されているならば、Xが臭素であること
に対する請求の範囲およびXが臭素および塩素であることに対する請求の範囲は
十分に記述されている。
【0227】 遺伝子コードの縮重の点から見ると、核酸の他の組み合わせもまた本発明で特
許請求されたペプチドおよびタンパク質をコードしている。例えば、4つの核酸
配列GCT、GCC、GCAおよびGCGはすべてアミノ酸アラニンをコードし
ている。従って、もしアミノ酸に対して平均して3つのコドンが存在するとした
ら、100アミノ酸長のポリペプチドは平均して3100または5x1047の核酸 配列によりコードされているであろう。従って、通常用いられる方法を用いてお
よび過度の実験を行うことなく核酸配列は第二の核酸配列(最初の核酸配列によ
りコードされているものと同一のポリペプチドをコードしている)が形成される
ように修飾できることを理解しなければならない。従って、特許請求されたペプ
チドおよびタンパク質をコードしている全ての可能な核酸は、コドン使用(特に
ヒトにおいて好適である)を考えに入れてすべてが完全に略さずに書かれている
ように本明細書においても完全に記載されている。
【0228】 さらに、ポリペプチドのアミノ酸配列、またはそのようなポリペプチドをコー
ドしている対応する核酸配列における変化は、ポリペプチドの有意な活性が変化
しないで残る配列領域で起こるように設計または選択されている。例えば、アミ
ノ酸変化はポリペプチドの活性部位から離れているβ−ターン内で起こされてい
る。また、欠失(例えば、ポリペプチドのセグメントまたはそのようなポリペプ
チドをコードしている対応する核酸配列での除去が活性部位に影響を及ぼさない
ような)および付加(例えば、GST融合タンパク質の形成のような活性部位の
機能に影響することのないポリペプチドへのペプチドの付加、または活性部位の
機能に影響することのない、そのようなポリペプチドをコードしている対応する
核酸配列における付加)のような変化もまた本発明の範囲内である。ポリペプチ
ドへのそのような変更は通常用いられる方法を使用しておよび過度の実験を行う
ことなく当業者は実施できる。従って、本発明のペプチドまたはタンパク質の有
意な活性に影響しないように決定できる全ての可能な核酸および/またはアミノ
酸配列も完全に本明細書に記載されている。
【0229】 他の態様は以下の請求の範囲に包含されている。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、正常十二指腸、膵臓癌および原発性結腸直腸癌ライブラリ
ーより単離された完全長cDNAクローンより演繹されるヒトaur1およびa
ur2の配列を示す。Xenopus p46B(PIR:S53343)、D
rosophila aurora(RIP:A56220)およびS.cer
evesiae LPL1(SWISS−PROT:P38991)がアライン
メントに含まれている。アラインメントは、MasPar MP2216スーパ
ーコンピューター上で作動するパラレルコード多配列アラインメントプログラム
であるmsaへの入力に、2つのマウス配列(DDBJ:D21099およびG
B:U80932)、別のxenopus配列(PIR:S53342)および
2つのC.elegans配列(GB:U53336およびGB:U97196
)を含め作製した。四角に囲った残基は3またはそれ以上の配列に共通するもの
であり、影の付いた残基は2またはそれ以上の配列間にアミノ酸の類似性がある
ことを示しており、上線は保存されたAurora Box1およびAuror
a Box2配列に対応しており、矢印はC−末端セリン/スレオニンキナーゼ
ドメインの開始部位を、丸の付いた残基は本書に記載された単一ヌクレオチド多
形性の位置を示し、太丸は各種酵母およびショウジョウバエ変異体の位置に対応
しており、星印は本書に記載されたキナーゼ不活性化および活性化ポイントの部
位を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 4C084 1/19 1/21 4C086 1/21 9/12 4H045 5/10 C12P 21/08 9/12 C12Q 1/48 C12P 21/08 1/68 A C12Q 1/48 G01N 33/573 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/573 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 230 East Grand Avenu e,South San Francis co,California 94080,U nited States of Ame rica (72)発明者 モッシー,ケビン 南アフリカ共和国グローテング,1501,レ イクフィールド, レ シニルス アット レイクフィールド 11 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA10 BA21 BA43 CA04 DA02 EA02 GA14 HA01 HA14 HA15 4B050 CC03 DD11 LL01 LL03 4B063 QA01 QQ27 QQ42 QR32 QR55 QS25 QS33 QS34 4B064 AG02 AG27 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA93Y AB01 BA02 CA24 CA25 CA29 CA44 CA46 4C084 AA17 NA14 ZA362 ZA812 ZA962 ZB262 ZC202 4C086 AA01 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA66 ZA81 ZA96 ZB26 ZC20 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA01 DA76 EA28 EA51 FA74 【要約の続き】

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードして
    いる、単離され、濃縮されまたは精製された核酸分子。
  2. 【請求項2】 該核酸分子が以下のいずれかの配列: (a)配列ID番号:3または配列ID番号:4に示した完全長アミノ酸配列
    を有するポリペプチドをコードしている; (b)(a)のヌクレオチド配列の相補体である; (c)高いストリンジェント条件下で(a)のヌクレオチド配列にハイブリダ
    イズし、および天然に存在するAUR1および/またはAUR2ポリペプチドを
    コードしている; (d)一つまたはそれ以上の以下のアミノ酸残基のセグメントを欠いているこ
    と以外は配列ID番号:3または配列ID番号:4の完全長アミノ酸配列を有す
    るAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードしている:配列ID番
    号:3の1−73、74−271または272−344、または配列ID番号:
    4の1−129、130−274または275−403; (e)(d)のヌクレオチド配列の相補体である; (f)配列ID番号:3または配列ID番号:4に示したアミノ酸配列の、配
    列ID番号:3の1−73、74−271または272−344、または配列I
    D番号:4の1−129、130−274または275−403を有するポリペ
    プチドをコードしている; (g)(f)のヌクレオチド配列の相補体である; (h)C末端ドメイン、触媒ドメインおよびN末端ドメインから成る群より選
    択される一つまたはそれ以上のドメインを欠いていること以外は配列ID番号:
    3または配列ID番号:4に示した完全長アミノ酸配列を有するポリペプチドを
    コードしている;または (i)(h)のヌクレオチド配列の相補体である、 を含む請求項1に記載の核酸分子。
  3. 【請求項3】 さらに宿主細胞中で転写を開始するために有効なベクターま
    たはプロモーターを含む請求項1に記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】 該核酸分子が哺乳類から単離、濃縮または精製される請求項
    1または請求項2に記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 該核酸分子がヒトから単離、濃縮または精製される請求項4
    に記載の核酸分子。
  6. 【請求項6】 試料中のAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコ
    ードしている核酸を検出するための核酸プローブ。
  7. 【請求項7】 該ポリペプチドが配列ID番号:3または配列ID番号:4
    に示した完全長アミノ酸配列によりコードされているタンパク質の断片である請
    求項6に記載のプローブ。
  8. 【請求項8】AUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードしてい
    る核酸分子を含む組換え体細胞。
  9. 【請求項9】 該ポリペプチドが配列ID番号:3または配列ID番号:4
    に示した完全長アミノ酸配列によりコードされているタンパク質の断片である請
    求項8に記載の細胞。
  10. 【請求項10】 単離され、濃縮されまたは精製された、AUR1またはA
    UR2ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 該ポリペプチドが配列ID番号:3または配列ID番号:
    4に示した完全長アミノ酸配列によりコードされているタンパク質の断片である
    請求項10に記載のポリペプチド。
  12. 【請求項12】 該ポリペプチドが (a)配列ID番号:3または配列ID番号:4に示した完全長アミノ酸配列
    ; (b)一つまたはそれ以上の以下のアミノ酸残基セグメントを欠いていること
    以外は配列ID番号:3または配列ID番号:4に示した完全長アミノ酸配列:
    配列ID番号:3の1−73、74−271または272−344、または配列
    ID番号:4の1−129、130−274または275−403; (c)配列ID番号:3または配列ID番号:4に示したアミノ酸配列の、配
    列ID番号:3の1−73、74−271または272−344、または配列I
    D番号:4の1−129、130−274または275−403のアミノ酸残基
    ;または (d)C末端ドメイン、触媒ドメインおよびN末端ドメインから成る群より選
    択される一つまたはそれ以上のドメインを欠いている以外は配列ID番号:3ま
    たは配列ID番号:4に示した完全長アミノ酸配列 を有するアミノ酸配列を含む請求項10に記載のポリペプチド。
  13. 【請求項13】 該ポリペプチドが哺乳類から単離、精製または濃縮される
    請求項10に記載のAUR1またはAUR2ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 該ポリペプチドがヒトから単離、精製または濃縮される請
    求項13に記載のAUR1またはAUR2ポリペプチド。
  15. 【請求項15】 該ポリペプチドがAUR1ポリペプチドである請求項10
    に記載のAUR1またはAUR2ポリペプチド。
  16. 【請求項16】 該ポリペプチドがAUR2ポリペプチドである請求項10
    に記載のAUR1またはAUR2ポリペプチド。
  17. 【請求項17】 AUR1および/またはAUR2ポリペプチドまたはAU
    R1および/またはAUR2ドメインポリペプチドに特異的結合親和性を有する
    抗体または抗体断片。
  18. 【請求項18】 AUR1および/またはAUR2ポリペプチドに特異的結
    合親和性を有する抗体を産生するハイブリドーマ。
  19. 【請求項19】 AUR1および/またはAUR2活性を調節する物質を同
    定するための方法であって: (a)AUR1および/またはAUR2ポリペプチドと試験物質を接触させ; (b)該ポリペプチドの活性を測定し;および (c)該物質が該ポリペプチドの活性を調節したかどうかを決定する、 の工程を含む方法。
  20. 【請求項20】 細胞中でAUR1および/またはAUR2活性を調節する
    物質を同定するための方法であって: (a)細胞中でAUR1および/またはAUR2ポリペプチドを発現させ; (b)該細胞へ試験化合物を加え;および (c)細胞表現型またはAUR1および/またはAUR2ポリペプチドと天然
    の結合相手間の相互作用の変化をモニターする、 の工程を含む方法。
  21. 【請求項21】 AUR1および/またはAUR2の活性を調節する物質を
    そのような処置を必要としている患者に投与することにより疾患を処置する方法
  22. 【請求項22】 該疾患が結腸、乳腺、腎臓、卵巣、膀胱、頭部および頚部
    癌およびグリオーム、髄芽腫、軟骨肉腫および膵臓腫瘍から成る群より選択され
    る請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 該疾患が結腸、乳腺および腎臓癌から成る群より選択され
    る請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 該物質が配列ID番号:30、配列ID番号:31および
    配列ID番号:32から成る群より選択されるアンチセンスオリゴヌクレオチド
    である請求項21に記載の方法。
  25. 【請求項25】 該物質がプロテインキナーゼ阻害剤である請求項21に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 疾患の診断手段として試料中のAUR1および/またはA
    UR2を検出するための方法であって: (a)該試料を、ハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、aur1および
    /またはaur2の核酸標的領域にハイブリダイズする核酸プローブを接触させ
    、該プローブはAUR1および/またはAUR2ポリペプチドをコードしている
    核酸配列、それらの断片、および該配列および断片の相補体を含み;そして (b)該疾患の指標としてプローブ:標的領域ハイブリッドの存在または量を
    検出する、 の工程を含む方法。
  27. 【請求項27】 該疾患が結腸癌である請求項25に記載の方法。
  28. 【請求項28】 配列ID番号:30、配列ID番号:31および配列ID
    番号:32から成る群より選択されるヌクレオチド塩基配列を含むアンチセンス
    オリゴヌクレオチド。
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