【発明の詳細な説明】
データを受信する回路及び方法発明の分野
本発明は、データを受信する回路及び方法に係り、より詳細には、移動テレコ
ミュニケーションネットワークのようなテレコミュニケーションネットワークに
使用するのに適したデータを受信する回路及び方法に係るが、これに限定される
ものではない。先行技術の説明
データがある回路からデータバスを経て別の回路へ送信される既知の構成にお
いては、2つの回路の各々がそれ自身のクロック信号を有している。第1のクロ
ック信号は、データバスへデータを調時供給するために送信回路によって使用さ
れる。第2のクロック信号は、データバスから例えばシフトレジスタへデータを
調時供給するために受信回路によって使用される。これら2つのクロック信号は
同じ周波数を有する。しかしながら、送信回路のクロック信号と受信回路のクロ
ック信号との間の有効位相差は未知である。この有効位相差は、一般に、2つの
主たるファクタに依存する。第1に、送信回路のクロック信号と受信回路のクロ
ック信号との間には位相差がある。第2に、送信回路と受信回路との間のデータ
バスの送信遅延が有効位相差に影響する。2つの回路の2つのクロック信号間の
有効位相差が未知であるために、これが問題を引き起こす。
一般に、送信回路からのデータは、受信回路のクロック信号の立上り縁におい
て受信回路へ調時供給される。受信回路に使用されるクロック信号と同じ周波数
を有するクロック信号を使用して送信回路によりデータがデータバスへ調時供給
される場合には、受信回路のクロック信号は、実際上、到来するデータと同じ周
波数を有する。信号レベルの移行が生じ得る点において受信回路が到来信号の読
み取りを試みる場合には、受信回路が送信回路からデータを確実に読み取ること
ができない。例えば、「1」が「0」と読み取られたり又はその逆に読み取られ
たりすることがある。これは、望ましくないことである。
この問題を取り扱うために、送信回路に使用されるクロック信号の2倍の周波
数を有するクロック信号を受信回路に使用することが提案されている。しかしな
がら、これは回路を複雑にし、従って、送信回路及び受信回路のクロック信号が
同じ周波数を有することが一般に望ましい。又、受信回路と送信回路との間にハ
ンドシェークプロトコルを使用することも提案されている。しかしながら、これ
は、送信回路と受信回路との間のワイヤの本数を増加する必要があるという欠点
がある。ある用途では、これは、構成を複雑化しそしてコストの増加を招くので
望ましくない。発明の要旨
そこで、本発明の目的は、これらの問題を低減し又は少なくとも緩和すること
である。
本発明の第1の特徴によれば、データを受信するための回路において、データ
を受信するための入力手段及び第1クロック信号を受信するための入力を有する
第1受信手段を備え、上記データは上記第1クロック信号によってこの第1受信
手段へ調時供給され;更に、上記データを受信するための入力手段及び第2クロ
ック信号を受信するための入力を有する第2受信手段を備え、上記第1及び第2
クロック信号は同じ周波数を有し且つ互いに位相シフトされ、これにより、上記
データは上記第2クロック信号により上記第2受信手段へ調時供給され;更に、
上記受信手段の少なくとも一方が上記データを正しく受信したかどうかを決定す
るための決定手段と;この決定手段によりなされた決定に基づいて一方の受信手
段の第1出力を選択的にイネーブルするための手段とを備えた回路が提供される
。
周波数は同じであるが互いに位相がシフトしたクロック信号を用いて入力デー
タを各々受信する2つの受信手段を使用することにより、受信回路の受信データ
とクロック信号との間の有効位相差が不確実であることにより生じる問題を回避
することができる。特に、一方のクロック信号と受信データとの間の有効位相差
が例えば実質的にゼロ(nを整数とすれば、nx360°)であるために一方の
受信手段がデータを正しく受信できない場合には、他方の受信手段がデータを正
しく受信できねばならない。本発明のある用途においては、ここに提供する解決
策は、受信回路と送信回路との間のラインの本数を増加する必要性を回避すると
いう点でコスト効率が良い。付加的な受信手段を設けることに関連したコスト及
び複雑さは、例えば、ハンドシェークプロトコルのために付加的なラインが必要
とされる状態に比して最小とすることができる。
上記受信データは、1ビットのデータが1つのクロックサイクルに受信される
ように第1及び第2のクロック信号の周波数の半分であるのが好ましい。
第1及び第2のクロック信号の一方は、第1及び第2のクロック信号の他方の
反転信号であるのが好ましい。これは、共通のクロック信号及び例えばインバー
タを使用して2つのクロック信号が簡単に得られるという点で特に効果的である
。しかしながら、本発明のある実施形態では、第1及び第2のクロック信号は、
その位相差が180°以外であってもよいことが明らかである。
好ましくは、受信データは、既知のパターンを含み、そして上記決定手段は、
少なくとも一方の受信手段により受信されたデータが上記既知のパターンを含む
かどうか決定するように構成される。この既知のパターンは、送信されるべき実
際のデータと混合されてもよい。これは、データが各受信回路により正しく受信
されたかどうかチェックするための容易で且つ簡単な方法を与える。
好ましくは、上記データは、そのデータの開始を指示するデータを含み、上記
決定手段は、少なくとも一方の受信手段により受信されたデータがデータの開始
を指示する上記データを含むかどうか決定するように構成される。
好ましくは、上記決定手段は、データの開始を指示する上記データが検出され
た場合にのみ少なくとも一方の受信手段により受信されたデータが上記既知のパ
ターンを含むかどうか決定するように構成される。
好ましくは、上記決定手段は、第1受信手段の第2出力に接続された第1比較
手段と、第2受信手段の第2出力に接続された第2比較手段とを備えている。受
信データが既知のパターンを含む場合には、各比較手段は、既知のパターンを、
各受信手段により受信された実際のパターンと比較する。
1つの実施形態において、上記決定手段は、第1及び第2の受信手段の一方が
データを正しく受信したかどうか決定するように構成され、そして上記イネーブ
ル手段は、データが正しく受信されたことを決定手段が決定した場合に上記第1
及び第2の受信手段の上記一方の第1出力をイネーブルし、そして上記一方の受
信手段によりデータが正しく受信されなかったと決定手段が決定した場合に上記
第1及び第2の受信手段の他方の第1出力をイネーブルするように構成される。
本発明の1つの実施形態において、2つの受信手段の一方のみにより受信された
データが正しいかどうか調べるべくチェックされる。そのデータが正しくない場
合には、他方の受信手段が自動的にイネーブルされる。これは、どの受信手段を
イネーブルすべきかを決定するために必要とされる処理時間を短縮できるという
効果を有する。又、本発明のある実施形態では、一方の受信手段がデータを正し
く受信しなかった場合に、他方の受信手段がそのデータを正しく受信したことが
合理的に仮定される。
本発明の別の実施形態では、上記決定手段は、上記一方の受信手段が上記デー
タを正しく受信しなかったことが上記決定手段により決定された場合にのみ第1
及び第2の受信手段の他方が上記データを正しく受信したかどうか決定するよう
に構成される。本発明のある実施形態では、他方の受信手段によりデータが正し
く受信されたかどうか調べるべくチェックすることにより、受信回路により受信
されたデータが破壊されたかどうかについて決定できることが明らかである。2
つの受信手段のいずれもデータを正しく受信しない場合には、データが破壊され
たと仮定することができる。
本発明の更に別の実施形態では、上記決定手段は、第1及び第2の受信手段が
上記データを正しく受信したかどうか決定するように構成され、そして上記イネ
ーブル手段は、データを正しく受信した一方の受信手段の第1出力をイネーブル
するように構成される。従って、この変形構成において、第1及び第2の両受信
手段により受信されたデータが正しいかどうか調べるべくチェックされる。受信
データのこのチェックは、第1及び第2の受信手段に対して同時に行なわれる。
上記第1受信手段又は第2受信手段によってデータが正しく受信されない場合
には、上記イネーブル手段は、エラー出力を与える。これは、受信回路により受
信されたデータが破壊されたという指示を与える。
好ましくは、第1及び第2の受信手段の一方は、デフォールト受信手段として
指定され、上記イネーブル手段は、上記第1及び第2の両受信手段が上記データ
を正しく受信した場合に上記デフォールト受信手段をイネーブルするように構成
される。一方の受信手段のみにより受信されたデータがチェックされる実施形態
では、デフォールト受信手段により受信されたデータがチェックされることが明
らかである。
一方の受信手段は、デフォールト受信器であり、このデフォールト受信器がデ
ータを正しく受信しない場合には、他方の受信手段がデフォールト受信器となる
。
好ましくは、上記データは、フレームデータであり、そして上記デフォールト
受信手段は、以前のデータフレームに対してイネーブル手段によってイネーブル
された受信手段である。本発明の別の実施形態では、受信手段の所与の1つが常
にデフォールト受信手段として指定される。
上記受信手段の少なくとも1つが所定の時間周期中にイネーブルされる回数を
監視するための監視手段が設けられるのが好ましい。これは、受信回路と更に別
の回路との間の接続の信頼性に関する指示を与える。接続が確実な場合には、全
ての所定時間周期ではなくともそのほとんどの間に1つの受信手段がイネーブル
されねばならない。しかしながら、接続が信頼できない場合には、両方の受信手
段が所定の時間周期に著しい回数イネーブルされることになる。
上記データは、エラーチェックデータを含み、そして上記回路は、更に、受信
データをエラーに対してチェックする手段も含むのが好ましい。
クロックレートは、20ないし30MHzであるのが好ましく、本発明の1つ
の実施形態では、26MHzである。
好ましくは、本発明の実施形態は、上述したような受信回路と、送信回路と、
これら受信回路と送信回路との間のデータバスとを結合して備え、上記受信回路
は、上記送信回路から上記データバスを経て上記データを受け取るように構成さ
れる。監視手段が設けられているときには、この監視手段がデータバスの信頼性
を効果的に監視することが明らかである。
送信回路は、上記データバスにデータを調時供給するのに使用されるクロック
信号を有するのが好ましく、送信回路のクロック信号は、受信回路の第1及び第
2のクロック信号と同じ周波数を有する。2つの受信手段の使用により、送信回
路と受信回路との間の有効位相差が末知であることにより生じる公知問題が解消
される。又、本発明の実施形態は、送信回路のクロック信号の周波数が第1及び
第2の受信手段のクロック周波数と同じでない状態にも適用できることが明らか
である。
好ましくは、送信回路と受信回路との間にデータがリアルタイムで送信される
。しかしながら、本発明のある変形においては、より高速なデータレートを取り
扱うためにバッファを使用することができる。このときには、送信レートはリア
ルタイムではない。
バスは、シリアルバスでもよいしパラレルバスでもよい。しかしながら、ある
実施形態では、パラレルバスより信頼性が高いという点でシリアルバスが好まし
い。データは、回路間をデジタル形態で通過するのが効果的であるが、アナログ
データを送信することもできる。デジタルデータの使用は、信頼性の高い結果を
もたらす。
本発明の実施形態は、移動(セルラー)テレコミュニケーションネットワーク
に含まれるのが好ましい。特に、本発明の実施形態は、移動テレコミュニケーシ
ョンネットワークのベースステーションに含まれるのが好ましい。例えば、本発
明の実施形態は、ベーストランシーバステーションの受信部又はベーストランシ
ーバステーションの送信部に含まれる。
好ましくは、上記第1回路は、上記移動テレコミュニケーションネットワーク
のステーションからデータを受信するように構成され、そして上記第2回路は、
上記ベーストランシーバステーションのデジタル信号プロセッサに接続される。
本発明の第2の特徴によれば、データを受信するための方法において、第1ク
ロック信号を使用してデータを第1受信手段へ調時供給し、第2クロック信号を
使用して上記データを第2受信手段へ調時供給し、第1及び第2のクロック信号
は同じ周波数を有するが、互いに位相がシフトされており、上記受信手段の少な
くとも一方が上記データを正しく受信したかどうか決定し、そしてこの決定段階
でなされた決定に基づいて上記受信手段の一方の出力をイネーブルするという段
階を含む方法が提供される。図面の簡単な説明
本発明及び本発明をいかに実施するかを良く理解するために、添付図面を参照
して本発明を一例として詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態のブロック図である。
図2aは、図1に示された実施形態の第1回路から第2回路へ送られるデータ
信号を例示する図である。
図2bは、データバスへデータを調時供給するために第1回路に使用されるク
ロック信号を示す図である。
図2cは、図1の第2回路に使用されるクロック信号を示す図である。
図2dは、図2cに示すクロック信号の立上り縁により第2回路へ調時供給さ
れるときに第1回路から受け取られるデータを示す図である。
図2eは、図2cに示すクロック信号の立下り縁により第2回路へ調時供給さ
れるときに第1回路から受け取られるデータを示す図である。
図3aは、本発明の更に別の実施形態において第1回路に使用されるクロック
信号を示す図である。
図3b−dは、本発明の更に別の実施形態において3線パラレルデータバスの
3本のワイヤに送られる信号を示す図である。
図4は、本発明による回路を組み込んだベーストランシーバステーションにお
けるデータ経路を示す回路図である。好ましい実施形態の詳細な説明
本発明の実施形態を示す図1について説明する。第1回路即ち回路1は、デー
タバス4を経て第2回路即ち回路2に接続される。回路1は、回路2へフレーム
データを送信するように構成された送信回路である。データバス4は、シリアル
バスである。回路1からシリアルデータバス4へ送られるデータは、第1回路1
に対するマスタークロックCLK1によりデータバス4へ調時供給される。
受信回路である回路2は、シリアルデータバス4からデータを受信するように
構成される。回路2は、それ自身のマスタークロックCLK2を有する。2つの
個別の受信ブロック6及び8が回路2に設けられている。データバス4からのデ
ータは、入力6a及び8aを経て受信ブロック6及び8へ各々入力される。従っ
て、両方の受信ブロック6及び8が回路1から送られるデータを受信する。又、
各受信ブロック6及び8は、クロック信号に対してそれ自身の入力6b及び8b
も有している。第1の受信ブロック6は、入力6bを経て、受信回路2に対する
マスタークロック信号CLK2の非変更信号を受信する。第2の受信ブロック8
は、入力8bを経て、クロック信号CLK2の変更信号_CLK2を受信する。
特に、マスタークロック信号CLK2は、インバータ9を経て第2の受信ブロッ
ク8へ入力される。従って、第2の受信ブロック8は、クロック信号CLK2の
反転信号を受信する。2つの受信ブロック6及び8に使用されるクロック信号の
周波数は同じであるが、位相が互いに180°シフトされている。
受信ブロック6及び8の各々は、データバス4からのデータが記憶されるシフ
トレジスタより成る。第1の受信ブロック6のケースでは、データバス4からの
データが、クロック信号CLK2の立上り縁においてシフトレジスタへ調時供給
される(クロックされる)。第2の受信ブロック8のケースでは、データバス4か
らのデータは、第2の受信ブロック8へ入力されるマスタークロック信号CLK
2の反転信号の立上り縁においてシフトレジスタへ調時供給される。これは、マ
スタークロック信号CLK2の立下り縁において第2の受信ブロックのシフトレ
ジスタへデータを調時供給するのと同等であるとみなすことができる。
受信ブロック6及び8の各々は、一度に1つのデータフレームを記憶するよう
に構成される。以下のテーブルは、本発明の実施形態に使用される1つのフレー
ム構造を例示する。
テーブル1に示すフレーム構造は、同期フラグを与える8個の0で始まる。こ
れは、決定されるべきフレームの開始点を位置決めできるようにする。各8番目
のビットは、1となるように構成される。換言すれば、8番目、16番目、24
番目及び32番目のビットは、全て、1である。フレームの第1ビットは0ビッ
トであることが明らかである。従って、回路1から回路2へ送られるデータは、
フレームの既知の位置に1、1、1、1の既知のパターンを含む。この既知のパ
ターンは、回路2のメモリ容量10に予め記憶される。本発明の実施形態では、
8個の0の後に1が続く組合せは、実際に、フレームの開始点を指示する。1は
、実際に、既知のパターンの第1ビットである。実際に、隣接フレーム間には一
連の0が与えられる。従って、8つ以上の連続する0が生じることがある。既知
のパターンにおける最初の1は、フレームの開始点を位置決めできるようにする
。データは、一度に1つのデータフレームを記憶するシフトレジスタに記憶され
る。本発明の別の実施形態では、シフトレジスタは、一度に2つ以上のデータフ
レームを記憶することもできる。従って、シフトレジスタが、0から8番目のビ
ット位置において8個の0の後に1を有するときには、フレームの開始点が識別
される。
2つの比較ブロック12及び14が設けられている。各比較ブロック12、1
4は、2っの入力12a、12b及び14a、14bを各々有する。比較ブロッ
ク12及び14は、論理ゲートを含む。例えば、比較ブロック12及び14は、
少なくとも1つのANDゲート及び/又はNANDゲートを含む。第1入力12
a及び14aは、メモリ容量10から1、1、1、1の既知のパターンを受信す
るように各々構成され、一方、第2の入力12b及び14bは、各ブロック6及
び8の出力6c及び8cに各々接続される。より詳細には、各比較ブロック12
及び14の第2入力12b及び14bは、8番目、16番目、24番目及び32
番目のビットに対応する各受信ブロック6及び8のシフトレジスタからデータを
受信するように構成される。比較ブロック12及び14は、既知のパターンが各
受信ブロック6及び8によって受け取られるパターンに一致する場合には第1の
出力を与え、そして一致が生じない場合には第2の異なる出力を与える。
又、メモリ容量10は、フレームの始めの8つの連続する0より成る同期フラ
グを記憶するように構成される。又、各比較ブロック12及び14は、各受信ブ
ロック6及び8から、シフトレジスタの最初の8つのビット又はフレームの開始
点に対応する8つのビットを受け取るように構成される。従って、各比較ブロッ
ク12及び14は、各受信ブロック6及び8のシフトレジスタにおける最初の8
ビットと同期フラグとの間の比較を行うように構成される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、各比較ブロック12及び14は、第1
の比較回路即ち回路Aと、第2の比較回路即ち回路Bとで構成される。回路Aは
、
メモリ容量10から同期フラグを受け取ると共に、各受信ブロックのシフトレジ
スタから最初の8つのビットを受け取るように構成される。回路Aは、そのデー
タを比較して、回路Bへ出力を与える。回路Bは、回路Aが同期フラグと各シフ
トレジスタの最初の8ビットとの間の一致を検出した場合にのみイネーブルされ
る。一致が生じない場合に、回路Aは、回路Bをディスエイブルする出力を回路
Bに与える。回路Bは、メモリ記憶容量10から既知のパターンを受け取ると共
に、各受信ブロックから受信パターンを受け取る。回路Bの出力は、各比較ブロ
ック12及び14の出力となる。回路Bは、既知のパターンと受信パターンとの
間に一致が生じた場合に第1出力を与える。又、この第1出力は、フレームの開
始点を指示する同期フラグも受信されたことも効果的に確認する。回路Bにより
与えられる第2出力は、既知のパターンと受信パターンとの間に一致が生じない
こと及び/又は同期フラグが受信されないことを指示する。
本発明の1つの実施形態においては、受信ブロックの1つがデフォールトブロ
ックとして指定される。この実施形態では、指定のデフォールト受信ブロックに
接続された比較ブロックのみがアクチベートされる。アクチベートされた比較ブ
ロックは、次いで、既知のパターンを受信パターンと比較する。既知のパターン
が受信パターンに一致する場合には、指定のデフォールト受信ブロックに接続さ
れた比較ブロックが第1の出力を与える。しかしながら、一致が生じない場合に
は、当該比較ブロックが第2の出力を与える。指定のデフォールトブロックに接
続されない比較ブロックは、アクチベートされず、それ故、出力を与えない。或
いは又、デフォールト受信ブロックに接続されない比較ブロックの出力は、比較
を行なわずに第2の出力を与えるように制御することができる。
各比較ブロック12及び14の出力は判断実行回路16に接続され、この回路
は、2つの比較ブロック12及び14のいずれがアクチベートされたかを調べる
ように構成される。換言すれば、判断実行回路16は、どの比較ブロックが出力
を与えるか決定することにより、どちらが指定のデフォールト受信ブロックであ
るかを確認する。上記変形においては、判断実行回路16は、2つの比較ブロッ
クのどちらがアクチベートされたか決定することによりデフォールト受信ブロッ
クを確認する。或いは又、デフォールト受信ブロックに接続された比較ブロック
は、それがデフォールト受信ブロックに接続された比較ブロックであることを示
す信号を判断実行回路に与えるように構成されてもよい。又、判断実行回路は、
デフォールト受信ブロックに接続された比較ブロックによりどんな出力が与えら
れるかも確認する。
判断実行回路16は、ライン16a及び16bを経て各々2つの受信ブロック
6及び8に接続される。判断実行回路16の出力は、デフォールト受信ブロック
に接続された各比較ブロックが既知のパターンと受信パターンとの間に一致があ
ることを指示する場合にデフォールト受信ブロック6又は8にイネーブル信号を
与える。しかしながら、デフォールト受信ブロックに接続された比較ブロックが
一致がないことを指示する場合には、判断実行回路は、他方の受信ブロック、即
ちデフォールト受信ブロック以外の受信ブロックをイネーブルする。
判断実行ブロック16は、デフォールト受信ブロックに接続された比較ブロッ
クが所定の時間周期内に第1出力を与えない場合に一致がないと決定する。その
所定の時間は、必要に応じて設定することができ、例えば、100クロックサイ
クルである。従って、デフォールト受信ブロックに接続された比較ブロックが、
所定の時間周期内に既知のパターンと記憶されたパターンとの間に一致があると
決定しない場合には、デフォールト受信ブロック以外の受信ブロックが新たなデ
フォールト受信ブロックとなる。1つの変形においては、新たなデフォールト受
信ブロックが自動的にイネーブルされる。
各受信ブロック6及び8は、更に別の出力ライン18及び20を各々有する。
受信ブロック6又は8が判断実行回路16によりイネーブルされると、データバ
ス4を経て受信されたデータが、その所与の受信ブロック6又は8により各出力
ライン18又は20に出力される。又、判断実行回路16は、イネーブルされな
かった受信ブロック6又は8をディスエイブルするディスエイブル信号も与える
。それ故、ディスエイブルされた受信ブロック6又は8が、各出力ライン18又
は20に受信データを出力することが防止される。従って、一方の受信ブロック
がイネーブルされ、他方がディスエイブルされる。
本発明の1つの変形において、指定のデフォールト受信ブロックに接続された
比較ブロックが、既知のパターンと受信パターンとの間に一致がないことを指示
する第2の出力を与える場合には、他方の比較ブロックがアクチベートされる。
デフォールト受信ブロックに接続されていない他方の比較ブロックが、既知のパ
ターンと受信パターンとの一致を指示する第1信号を与える場合には、他方の比
較ブロックが接続された受信ブロックがアクチベートされる。しかしながら、他
方の比較ブロックが、既知のパターンと受信パターンとの不一致を指示する第2
の信号を与える場合には、いずれの受信ブロックもイネーブルされず、判断実行
回路16は、出力21にエラーフラグを与える。
上記実施形態の更に別の変形においては、両方の比較ブロックが常に同時にア
クチベートされる。従って、各比較ブロックは、各受信パターンと既知のパター
ンを同時に比較する。一方の比較ブロックしか一致を指示しない場合には、一致
を表わす出力を与える比較ブロックが接続された受信ブロックが判断実行回路1
6によりイネーブルされる。しかしながら、両方の比較ブロック12及び14が
一致を表わす出力を与える場合には、指定のデフォールト受信ブロックがイネー
ブルされ、そして他方の受信ブロックがディスエイブルされる。比較ブロック1
2及び14のいずれもが既知のパターンと受信パターンとの間の一致を指示する
出力を与えない場合には、判断実行回路がその出力21にエラーフラグを出力す
る。
本発明のある実施形態では、例えば、第1回路と第2回路との間のバスに欠陥
が生じることがある。この状態において、第2回路への入力は、1つの論理レベ
ル1又は0に固定される。これらの状況において、比較回路12及び14のいず
れも、既知のパターンと受信パターンとの間に一致があることを指示する出力を
与えることができない。これは、同期フラグ又は既知のパターンが検出されない
からである。同期フラグ及び既知のパターンの両方が検出されない限り、比較ブ
ロック12も14も、第1出力を与えない。従って、本発明の構成体は、第1回
路と第2回路との間のバスにおけるエラーを検出するのにも使用できる。バスに
伴う問題は、例えば、回路1が存在せずそして第2回路がプルアップ抵抗に接続
されて、信号が実際にバスから受信されるかのように見える場合に生じる。
上記実施形態においては、各比較ブロックは、各受信ブロックによりフレーム
全体が受信されたときだけ第1信号を与えることができればよいことが明らかで
ある。これは、同期フラグと既知のパターンが分離された場合しか第1信号が与
えられないからである。各比較ブロックは、既知のパターンと受信パターンとの
間で2進AND演算を実行できる回路Bを形成する簡単な構造でよい。同様に、
各比較ブロックの回路Aは、同期フラグとシフトレジスタの当該ビットとの間で
2進AND演算を実行できる簡単な構造でよい。
デフォールト受信ブロックと指定される受信ブロックは、時々変更することが
できる。例えば、手前のデータフレームに対してイネーブルされる受信ブロック
は、現在データフレームに対するデフォールト受信ブロックである。或いは又、
受信ブロックの1つが常にデフォールト受信ブロックとして指定されてもよい。
次に、図2について説明する。図2aは、データバス4を経て回路1から回路
2へ送られるデータを例示する。図2aに示すデータは、テーブル1に示すフレ
ーム構造を有する。より詳細には、最初の8ビットが0であり、フレームの開始
点であることを受信ブロック6及び8に指示する。8番目、16番目、24番目
及び32番目のビットは全て1であり、既知のパターンを定義する。残りのビッ
トは、送信されるべきデータを定義する。回路1に使用されるマスタークロック
信号CLK1が図2bに示されている。図2a及び2bから明らかなように、デ
ータは、クロック信号CLK1の立上り縁において回路1から調時供給される。
図2から明らかなように、各クロックサイクルごとに1ビットのデータが受け取
られる。
図2cは、回路2のマスタークロック信号CLK2を示す。第2回路即ち回路
2のクロック信号CLK2は、第1回路のクロック信号CLK1と同じ周波数を
有する。明らかなように、2つのクロック信号CLK1及びCLK2は、実質的
に同相である。図2に示す実施形態は、バスに沿った回路1から回路2へのデー
タの送信により遅延が生じないと仮定した簡単な実施形態であることが明らかで
ある。図2dは、回路1から第1の受信ブロック6により受け取られるデータを
示すもので、このデータは、クロック信号CLK2の立上り縁において各シフト
レジスタへ調時供給される。これに対して、図2eは、第1回路から第2の受信
ブロック8により受け取られるデータを示し、このデータは、反転クロック信号
_CLK2の立上り縁において各シフトレジスタへ調時供給される。これは、ク
ロック信号CLK2の立下り縁においてシフトレジスタへデータを調時供給する
のと同等である。
図2dから明らかなように、クロック信号CLK2の立上り縁は、回路1から
のデータの値に変化が生じる点に一致する。例えば、クロック信号CLK2の立
上り縁は、第1回路により送られたデータの第8ビットに対しレベル0とレベル
1との間の移行が生じる点に一致する。クロック信号CLK2の立上り縁を使用
する受信ブロック6は、移行が生じる点においてデータを決定するよう試みると
きに、データを確実に読み取ることができない。図2dから明らかなように、例
えば、24番目のビットは、1ではなく0と誤って読み取られる。従って、第1
の受信ブロック6により受け取られるパターンは、既知の1、1、1、1ではな
く、1、1、0、1となる。従って、この誤ったパターンは、レベル0と1との
移行が生じる点において受信ブロックが受信データを読み取ろうと試みた結果に
よるものである。これらの移行点において、回路1からのデータは、確実に読み
取ることかできない。データ信号と、クロック信号9例えばCLK2とが同時に
立上る場合には、受信データが「1」と読み取られ、他のときには、「0」と読
み取られる。立上る受信データは、当然、「1」と読み取られねばならない。ク
ロック信号が立上るのと同時にデータ信号が立下がる場合にも、同様の問題が生
じる。第1の受信ブロック6に接続された比較ブロック12は、受信データと既
知のパターンとの間に一致がないことを指示する第2信号を与える。
図2eを参照すれば、受信信号は、クロック信号CLK2の立下り縁において
第2の受信ブロック8のシフトレジスタへ調時供給される。クロック信号CLK
2の立下り縁は、レベル0とレベル1との間の移行が生じた後に生じる。換言す
れば、回路1からのデータが第2の受信ブロック8へ調時供給される点において
そのデータの値にあいまいさはない。従って、第2の受信ブロック8は、回路1
から送られたデータを正しい状態で受け取る。第2の受信ブロックにより受け取
られるパターンは、1、1、1、1であり、既知のパターンに一致する。従って
、第2の受信ブロック8に接続された比較ブロック14は、受信パターンと既知
のパターンとの間に一致があることを指示する第1出力を与える。
上述したように、データ信号がクロック信号の立上りと同時に立上るか又は立
下るときには到来データの読み取りに問題が生じる。これは、例えば、温度変化
によって生じ、これは、次いで、送信及び/又は受信回路に異なる遅延を生じさ
せる。それとは別に又はそれに加えて、例えば、他のワイヤとの間のクロストー
クによって生じる電気的な干渉がデータバスの立上り及び立下り時間に影響を及
ぼし得る。又、第1回路のクロック信号と第2回路のクロック信号との間の相対
的位相の変化が、回路の使用中に、例えば、使用による温度上昇によって生じ得
ることが明らかである。
上述したように、2つの比較ブロックは、常に、同時にアクチベートされるの
ではない。受信ブロック6がデフォールト受信ブロックである場合には、第1の
受信ブロックに接続された比較ブロック12が不一致を示す第2出力を与えると
きに、第2の受信ブロック8が自動的にイネーブルされる。上述したように、第
2の受信ブロック8に接続された比較ブロック14は、第2の受信ブロック8が
イネーブルされる前に比較を行ってもよい。或いは又、両比較ブロック12及び
14は、既知のパターンを受信パターンと同時に比較してもよい。この場合にも
、第2の受信ブロック8がイネーブルされることになる。
従って、判断実行回路16は、受信ブロック8にイネーブル信号を与えると共
に、受信ブロック6にディスエイブル信号を与える。従って、第2の受信ブロッ
ク8により受け取られるデータは、回路1から送られたデータを表わすと考えら
れ、従って、更に処理される。特に、第2の受信ブロック14により受け取られ
るデータは、出力ライン20を経て出力される。第1の受信ブロックにより受け
取られるデータは無視され、出力ライン18には出力が与えられない。
第1の受信ブロック6がデフォールト受信ブロックである場合に、第2の受信
ブロック8は、次のデータフレームに関して新たなデフォールト受信ブロックと
なる。
上述した実施形態の1つの変形において、判断実行回路16は、次々の各フレ
ームに対し2つの受信ブロック6又は8のいずれがイネーブルされるかの情報を
記憶するメモリ容量も含む。これは、シリアルバスの信頼性に関する指示を与え
る。従って、1つの受信ブロックが大部分の時間中に連続的にイネーブルされる
か又はディスエイブルされる場合には、シリアルバスの信頼性が高いと決定する
ことができる。しかしながら、受信ブロック6及び8の両方が規則的にイネーブ
ルされる場合には、シリアルバス4の信頼性が特に高くないと決定することがで
きる。
本発明の1つの変形においては、シリアルバスに代わってパラレルバスを使用
することができる。パラレルバスは、第1回路即ち回路1と、第2回路即ち回路
2との間に設けられる。このようなバスを用いて回路1と回路2との間に送られ
るデータを示した図3について説明する。図3に示すデータバスはパラレルであ
り、3ビット巾である。回路1から回路2へ送られる最初の17個のデータワー
ドが、回路1に対するクロック信号CLK1と共に図3に示されている。DAT
A2は最上位ビット(MSB)であり、一方、DATA0は最下位ビット(LS
B)である。DATA1は、各ワードの中間ビットを与える。図3について説明
する変形に使用されるフレーム構造は、次の通りである。 上記構造は、完全なフレーム構造であってもよいし、もちろん、必要に応じて
選択することのできるフレーム構造の一部分のみであってもよい。
上記テーブルから明らかなように、最初の8個のワード(ワード0ないし7)
は全て0、0、0であり、同期フラグを与える。これは、最初に述べた実施形態
に関連して使用されたフレーム構造において0であった最初の8ビットと同様で
ある。8番目及び16番目のワードは、どちらも、1、1、1であり、これは、
第1実施形態の既知のパターンに対応する。各ワードは3ビットで構成されるの
で、8番目及び12番目のワードのみが既知のパターンを構成する。しかしなが
ら、既知のパターンは、例えば、もしあれば、24番目及び32番目のワードを
含んでもよいことが明らかである。
最終的に、回路1から回路2へ送信されるべきデータは、データワード番号9
ないし15に含まれる。もちろん、1つのフレームに8個より多いデータワード
を設けてもよいことが明らかである。
ここに示す実施形態では、受信回路に使用される2つのクロック信号の一方は
、受信回路2に使用される他方のクロック信号の反転信号である。換言すれば、
受信回路使用される2つのクロック信号間の位相差は、180°である。別の実
施形態では、受信回路2に使用される2つのクロック信号は、他の適当な位相差
を有してもよい。
上述した本発明の実施形態の別の変形においては、受信回路2が、3つ以上の
受信ブロックを有してもよい。より詳細には、いかなる数の受信ブロックを設け
ることもできる。各受信ブロックごとにクロック信号が与えられ、全てのクロッ
ク信号は互いに位相シフトされる。例えば、3つの受信ブロックが設けられ、各
クロック信号は、互いに120°位相シフトされる。別の変形においては、受信
ブロックの複数のセットが設けられる。例えば、各セットは上述した2つの受信
ブロックを含む。受信ブロックの多数のセットが設けられる場合には、データは
、関連データフィールド内にアドレスフィールドを含むことができる。アドレス
が与えられる場合には、各データフィールドが受信ブロックの各アドレスされた
セットによって受信される。換言すれば、受信ブロックの異なるセットによって
異なるデータフィールドが受信される。アドレスフィールドがある場合には、受
信
ブロックの各セットは、フレーム全体を受信し、既知のビットと受信ビットとの
間の比較を実行する。一致が生じた場合には、アドレスがチェックされ、もし正
しいものであれば、そのアドレスに関連したデータが記憶されそして他のデータ
が破壊される。アドレスが与えられないときには、受信ブロックのセットがそれ
ら自身のデータフィールドを取り上げる。例えば、受信ブロックの第1セットは
、最初の16ビットを取り上げ、そして受信ブロックの第2セットは、残りのビ
ットを取り上げる。
本発明の実施形態は、テレコミュニケーションネットワーク、特に、移動テレ
コミュニケーションネットワークに適用できる。移動テレコミュニケーションネ
ットワークにおいては、本発明の実施形態は、移動通信ネットワークのベースス
テーションに設けられるのが効果的である。移動通信ネットワークは、アナログ
又はデジタルであり、例えば、GSMネットワークである。本発明の実施形態は
、ベースステーションの多数の異なる位置に使用することができる。例えば、第
1回路は、移動電話からデータを受信する受信回路の一部分を形成することがで
きる。このデータは、第1回路によって操作され、受信データが変更される。第
2回路は、受信データを更に変更しそしてベースステーションの主部分に信号を
通すように構成される。第1及び第2回路は、ベーストランシーバステーション
の受信部分に配置されたデジタルボードに設けられる。これに対し、本発明の実
施形態は、ベーストランシーバステーションの送信部分に配置されてもよい。従
って、第1回路は、ベーストランシーバステーションの主部分からデータを受信
するように構成され、一方、第2回路は、ベーストランシーバステーションの送
信部分に設けられる。
図4は、本発明の実施形態を組み込んだセルラーテレコミュニケーションネッ
トワークのベーストランシーバステーションのデータ経路を示す回路図である。
移動ステーションにより送信されるデータは、搬送波周波数で搬送され、これは
、ベーストランシーバステーションのアンテナ構成体50により受信される。受
信された高周波信号は、搬送波周波数成分を除去するように処理され、受信信号
が基本帯域周波数へと下げられる。受信信号は、アナログ/デジタルコンバータ
52へ通され、これは、アナログ信号をデジタル信号に変換する。アナログ/デ
ジ
タルコンバータ52の出力は、上述したように回路1に接続される。
回路1の出力は、上述した回路2の入力へ接続される。第1回路即ち回路1と
、第2回路即ち回路2との間のバスは、これら回路間の信号に未知の遅延を導入
する。回路2の出力は、デジタル信号プロセッサ54へ接続され、このプロセッ
サは、通常、信号を処理してスピーチを回復する。
回路1から回路2へ送信されるデータは、「リアルタイム」である。しかしな
がら、本発明のある実施形態では、第1回路によるデータの受信レートが、第2
回路への送信レートより大きくてもよいことが考えられる。これらの状況におい
ては、データバッファが必要となる。
第1クロックCLK1及び第2クロックCLK2のクロックレートは、リアル
タイム送信が達成されるように選択される。図4に示す特定例では、選択された
クロックレートが26MHzである。これは、次のサンプルを送信しなければな
らなくなる前に第2回路即ち回路2へデータサンプルを送信するに充分な時間を
回路1に与える。クロックレートは、もちろん、送信されるべきデータサンプル
の長さと、テレコミュニケーションシステムの規格とに依存する。
又、回路1は、回路2に制御データを送信するように構成される。制御データ
として、HDLC(高レベルデータリンク制御)フレームを使用することができ
る。通常のデータとしては、HDLCフレームは、データサンプルを送信するの
に低速過ぎる。しかしながら、これらは、制御信号では、あまり時間的に厳密で
ない。
回路1と回路2との間のバスは、シリアルバスであるのが好ましい。というの
は、これは、パラレルバスが使用される場合に比して信頼性の高い結果を与える
ことができるからである。
図4に示す実施形態は、ベーストランシーバステーションに関連して説明した
が、本発明の実施形態は移動ステーションにも組み込めることが明らかである。
本発明の実施形態は、移動テレコミュニケーションネットワークに使用したと
きには、公知技術に比して、回路間のバスの本数を減少することができる。通常
、送信及び受信回路は、各々、アプリケーション指向の集積回路(ASIC)で
ある。例えば、送信回路は、ベーストランシーバステーションの受信部分に配置
さ
れるASICであり、一方、受信回路は、受信データを処理するのに使用される
ベーストランシーバの処理部分に配置することができる。第1回路と第2回路と
の間に通されるデータは、制御データ及びGSMデータサンプルである。
上述したシリアル又はパラレルバスは、2つのデジタルボード間に設けられる
。送信回路は、1つのボード上にあり、そして受信回路は、別のボード上にある
。送信及び受信回路は、各ボード上に配置されたASICである。
判断実行回路がデータバスの信頼性を監視するような本発明の実施形態におい
ては、通常、1つのGSMタイムスロット又は1つのGSMフレームに対応する
周期にわたって信頼性が監視される。通常、1つのタイムスロットが使用される
。1つのGSMタイムスロットにおいて第1回路と第2回路との間に多数のデー
タフレームを送信することができる。
本発明の実施形態に使用されるデータフィールドは、幾つかの既知のフレーム
構造を含むことができる。例えば、データフィールドは、HDLCフレーム(高
レベルデータリンク制御)であるか又はHDLCフレームの一部分であり、従っ
て、HDLCフレーム全体が多数のフレーム内に送信される。フレーム構造が使
用される場合には、フレームの長さが既知であることが明らかである。連続する
フレーム間にはスペーシングビットが設けられる。これらのスペーシングビット
は、例えば、5つの0である。同期フラグは、フレームの開始点を位置決めでき
るようにし、従って、フレームにおける8番目、16番目、24番目及び32番
目のビット値を考慮することができる。フレーム構造が使用される場合には、デ
ータフィールドは、幾つかのスペアビットを含むことができる。全てのデータビ
ットを使用する必要はないが、全ての既知のビット、即ち既知のパターンをフレ
ーム内の正しい位置において送信しなければならない。又、フレームのデータフ
ィールドは、ある既知のチェック和パリティチェックフィールド、例えば、CR
C和(繰り返し冗長度チェック和)を含むこともできる。これは、第2回路の信
頼性を高め、そしてCRC情報を使用して、受信回路の出力を修正することもで
きる。
第2回路即ち回路2は、受信データを処理して例えば繰り返し冗長度チェック
和を形成するプロセッサを含むことができる。このプロセッサは、エラーが検出
された場合に各受信器の出力を禁止し、或いはエラーを修正するように受信デー
タを変更するように構成される。このチェックは、各比較ブロックにより種々の
比較がなされるのと同時に又はその後に行うことができる。
本発明の好ましい実施形態において、2つの受信ブロックは同一の構成である
ことが明らかである。本発明の実施形態は、上述したように、デジタルのシリア
ルバス又はデジタルのパラレルバスと共に使用されるのが好ましい。しかしなが
ら、2つの回路間のバスは、無線リンクのようなワイヤレスリンクと置き換える
ことができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年6月5日(1999.6.5)
【補正内容】請求の範囲
1.データを受信するための回路において、
上記データを受信するための入力手段及び第1クロック信号を受信するため
の入力を有する第1受信手段を備え、上記データは上記第1クロック信号によ
ってこの第1受信手段へ調時供給され;
更に、上記データを受信するための入力手段及び第2クロック信号を受信す
るための入力を有する第2受信手段を備え、上記第1及び第2クロック信号は
同じ周波数を有し且つ互いに位相シフトされ、これにより、上記データは、上
記第2クロック信号により上記第2受信手段へ調時供給され;
更に、上記受信手段の少なくとも一方が上記データを正しく受信したかどう
かを決定するための決定手段と;
この決定手段によりなされた決定に基づいて一方の受信手段の第1出力を選
択的にイネーブルするための手段とを備え、上記決定手段は、データの開始の
指示を検出しそして上記受信手段の少なくとも一方により受信されたデータが
既知のパターンを含むかどうか決定するように構成され、そして上記決定手段
は、データの開始の指示が検出された場合だけ少なくとも一方の受信手段によ
り受信されたデータが既知のパターンを含むかどうか決定するように構成され
ることを特徴とする回路。
2.上記決定手段は、少なくとも一方の上記受信手段により受信されたデータが
、データの開始を指示するデータを含むかどうか決定するように構成される請
求項1に記載の回路。
3.上記第1及び第2クロック信号のクロックサイクルに上記受信データの1ビ
ットが受け取られる請求項1又は2に記載の回路。
4.上記第1及び第2のクロック信号の一方は、上記第1及び第2のクロック信
号の他方の反転信号である請求項1、2又は3に記載の回路。
5.上記決定手段は、第1受信手段の第2出力に接続された第1比較手段と、第
2受信手段の第2出力に接続された第2比較手段とを含む請求項1ないし4の
いずれかに記載の回路。
6.上記決定手段は、第1及び第2の受信手段の一方がデータを正しく受信した
かどうか決定するように構成され、そして上記イネーブル手段は、データが正
しく受信されたことを決定手段が決定した場合に上記第1及び第2の受信手段
の上記一方の第1出力をイネーブルし、そして上記一方の受信手段によりデー
タが正しく受信されなかったと決定手段が決定した場合に上記第1及び第2受
信手段の他方の第1出力をイネーブルするように構成される請求項1ないし5
のいずれかに記載の回路。
7.上記決定手段は、上記一方の受信手段が上記データを正しく受信しなかった
ことが上記決定手段により決定された場合にのみ第1及び第2の受信手段の他
方が上記データを正しく受信したかどうか決定するように構成される請求項6
に記載の回路。
8.上記決定手段は、第1及び第2の受信手段が上記データを正しく受信したか
どうか決定するように構成され、そして上記イネーブル手段は、上記データを
正しく受信した一方の受信手段の第1出力をイネーブルするように構成される
請求項1ないし5のいずれかに記載の回路。
9.上記第1受信手段又は第2受信手段によってデータが正しく受信されない場
合には、上記イネーブル手段がエラー出力を与えるように動作し得る請求項1
ないし8のいずれかに記載の回路。
10.第1及び第2の受信手段の一方は、デフォールト受信手段として指定され、
上記イネーブル手段は、上記第1及び第2の両受信手段が上記データを正しく
受信した場合に上記デフォールト受信手段をイネーブルするように構成される
請求項1ないし9のいずれかに記載の回路。
11.一方の受信手段は、デフォールト受信器であり、このデフォールト受信器が
データを正しく受信しない場合には、他方の受信手段がデフォールト受信器と
なるように動作し得る請求項1ないし10のいずれかに記載の回路。
12.以前のデータ部分に対し上記イネーブル手段によりどの受信手段がイネーブ
ルされたかに基づいてデフォールト受信手段を指定するように動作し得る請求
項10又は11に記載の回路。
13.上記受信手段の少なくとも1つが所定の時間周期中にイネーブルされる回数
を監視するための手段を更に含む請求項1ないし12のいずれかに記載の回路
。
14.上記回路は、更に、受信データをエラーに対してチェックする手段を含む請
求項1ないし13のいずれかに記載の回路。
15.上記クロックレートは、20ないし30MHzである請求項1ないし14の
いずれかに記載の回路。
16.受信回路と送信回路との間のデータバスによって送信回路に接続され、上記
送信回路から上記データバスを経て上記データを受け取るように構成された請
求項1ないし15のいずれかに記載のデータ受信回路。
17.上記送信回路及び受信回路は各デジタルボード上に配置される請求項16に
記載の回路。
18.上記送信回路には、上記バスにデータを調時供給するのに使用されるクロッ
ク信号が与えられ、送信回路のクロック信号は、受信回路の第1及び第2のク
ロック信号と同じ周波数を有する請求項16又は17に記載の回路。
19.上記バスは、シリアルバスである請求項16、17又は18に記載の回路。
20.上記バスは、パラレルバスである請求項16、17又は18に記載の回路。
21.上記データは、上記送信回路と受信回路との間をリアルタイムで送信される
請求項16ないし20のいずれかに記載の回路。
22.請求項16ないし21のいずれかに記載の回路を含むテレコミュニケーショ
ンネットワーク。
23.請求項16ないし21のいずれかに記載の回路を含む移動テレコミュニケー
ションネットワークのベーストランシーバステーション。
24.上記所定の時問周期はGSMタイムスロットである請求項13及び23に記
載のベーストランシーバステーション。
25.上記送信回路の一部分は、上記移動テレコミュニケーションネットワークの
移動ステーションからデータを受け取るように構成され、そして上記受信回路
の一部分は、上記ベーストランシーバステーションのデジタル信号プロセッサ
に接続される請求項23に記載のベーストランシーバステーション。
26.請求項16ないし21のいずれかに記載の回路を含む移動テレコミュニケー
ションネットワークの移動ステーション。
27.データを受信するための方法において、
第1クロック信号を使用して上記データを第1受信手段へ調時供給し、
第2クロック信号を使用して上記データを第2受信手段へ調時供給し、第1
及び第2のクロック信号は同じ周波数を有するが、互いに位相がシフトされて
おり、
データの開始の指示を検出し、
上記受信手段の少なくとも一方が上記データを正しく受信したかどうか決定
し、そして
この決定段階でなされた決定に基づいて上記受信手段の一方の出力をイネー
ブルし、上記受信手段の少なくとも一方が上記データを正しく受信したかどう
かの上記決定は、データの開始の上記指示が検出された場合にのみ行なわれる
ことを特徴とする方法。
28.データを受信するための回路において、
上記データを受信するための入力手段及び第1クロック信号を受信するため
の入力を有する第1受信手段を備え、上記データは上記第1クロック信号によ
ってこの第1受信手段へ調時供給され;
更に、上記データを受信するための入力手段及び第2クロック信号を受信す
るための入力を有する第2受信手段を備え、上記第1及び第2クロック信号は
同じ周波数を有し且つ互いに位相シフトされ、これにより、上記データは、上
記第2クロック信号により上記第2受信手段へ調時供給され;
更に、上記受信手段の少なくとも一方が上記データを正しく受信したかどう
かを決定するための決定手段と;
この決定手段によりなされた決定に基づいて一方の受信手段の第1出力を選
択的にイネーブルするための手段とを備え、上記回路は、以前のデータ部分に
対し上記イネーブル手段によりどの受信手段がイネーブルされたかに基づいて
デフォールト受信手段を指定するように動作し得ることを特徴とする回路。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
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SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
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CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU