JP2002507124A - ヒト細胞外基質タンパク質 - Google Patents

ヒト細胞外基質タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規な2種のヒト細胞外基質タンパク質(ECMP)及びECMPを同定しコードするポリヌクレオチドを提供する。また本発明は、発現ベクター、宿主細胞、アゴニスト、抗体、及びアンタゴニストを提供する。また本発明は、ECMPの発現に関連する疾患の治療方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト細胞外基質タンパク質技術分野 本発明は、ヒト細胞外基質タンパク質の核酸及びアミノ酸配列、及び癌及び免 疫疾患の診断、予防、及び治療におけるこれらの配列の使用に関するものである 。発明の背景 多くの真核細胞は、タンパク質の細胞外基質に外被されており、この細胞外基 質はその環境内の細胞に対して構造的な支持をなし、細胞及び組織に同一性と、 自己分泌、傍分泌及び近傍分泌の特性を与えている(McGowan,S,E.(1992)FASEB J.6:2895-2904)。細胞外基質タンパク質(ECMP)の様々な生化学的作用は 、個々の分子によって生ずる、様々な、多くの場合重複した役割を示す(Grant, D.S.及びKleinman,H.K.(1997)E.X.S.79:317-333参照)。多種のECMPが単離 されたが、その多くがどのように他のECMPや、細胞膜内に存在する分子と相 互作用するかは依然として不明である。ECMPの多くは組織の成長及び細胞増 殖と関連を有しており、また組織や細胞の分化に関連を有するものや、細胞死に 関連を有するものもある(Taipale,J.及びKeski-Oja,J.(1997)FASEB J.11:51-59 ;Eleftheriou,C.S.等(1991)Mutat.Res.256:127-138参照)。 例えば、胎仔の骨形成プロセスでは、組織成熟の間にミネラル化する細胞外基 質が生ずる。ヒトは、一生の間、(ミネラル化骨を形成する)骨芽細胞及び(骨 の再吸収を行う)破骨細胞の作用の組み合わせによって、絶え間なく基質が再構 築される。ECMPの組成と、それによって生ずる骨の構造との間のバランスは 、先天性疾患、後成的疾患、又は感染症を原因とする生化学的変化によって動く ことがある(Francomario, C.A.等(1996)Curr.Opin.Genet.Dev.6:301-308)。 ECMPは、炎症反応の際に重要なメディエータ及び制御因子としても作用す る。白血球は、その血管外遊出の際にECMPに結び付くことによって、炎症性 メディエータ及びサイトカイン酸性のための準備刺激を受ける(Pakianathan,D. R.(1995)J.Leukoc Biol.57:699-702)。ECMPの沈着は、肺の障害による炎症 によっても誘起される(Roman,J.(1996)lmmunol.Res.15:163-178)。障害を受けた 肺において新たに沈着した基質の機能は未知であるが、これらのin vitroでの細 胞の移動、増殖、分化、及び活性化状態に影響を及ぼす能力は、in vivoでの炎 症性応答の開始及び維持における重要な役割を示唆している(Roman,J.前出) 。 細胞及び組織の分化を調節する最近同定されたECMPの幾つかの例は、S1-5 及びEcmlである。S1-5のmRNAは、早期老化のウェルナー症候群の患者から得 られた老化したヒト線維芽細胞、及び成長停止した正常なヒト線維芽細胞の双方 において過剰発現される(Lecka-Czernik,B.等(1995)Mol,Cell.Biol.15:120-128 )。このmRNAは、5個の上皮成長因子(EGF)様ドメインを有する387 個のアミノ酸残基からなるタンパク質をコードする。これらのドメインは、細胞 成長、発達、及び細胞情報伝達を促進する幾つかの既知の細胞外タンパク質内に あるEGF縦列反復コンセンサス配列と一致していた。このEGF縦列反復配列 は、規則的に分布する1個のシステイン残基を特徴とする。他のEGF様ファミ リーのメンバーの場合と同様に、S1-5遺伝子産物は、その最終的な活性が細胞の 環境によって変調される負の及び/又は正の因子を表し得る(Lecka-Czernik.B .前出)。 マウスのEcmlは、皮膚の発達障害に関連する或る遺伝子座位に位置決定された 559個の残基からなるタンパク質をコードする(Bhalerao, J.等(1995)J.BiOl.Chem.270:16385-16394)。胎仔の発達中に、この遺伝子は、主 として、皮膚又は軟骨組織においてスプライスバリアントの形態で発現される。 Ecml遺伝子の発現は、in vitroで増殖し分化してミネラル化基質を形成するマウ スの骨原性細胞系MN7の後期前合流期(late,pre-cofluence phase)の間にも 最高に達する(Bhalerao,J.等(1995)前出)。このマウスEcml遺伝子は、遺伝 子マッピングによりヒト染色体lq21の領域に相同性を有する領域であるマウス染 色体3に位置決定された(Bhalerao.J.等(1995)前出)。推定されるタンパク 質の分子構造は、内部の相同性を共有する一対のドメイン、及び1個のシステイ ン及び20のシステインの規則的な分布を特徴とする。後者の配列は、タンパク 質の血清アルブミンファミリーにおいて特徴的な「二重ループ」タンパク質を作 り出すと推定された(Soitysik-Espanola,M.等(1994)Der.Biol.165:73-85)。こ れらの二重ループ構造は、重要なリガンド結合機能に関与している(Kxagh-Hans en,U.(1990)Danish Med.Bull.37:57-84)。 新規なヒト細胞外基質タンパク質及びそれをコードするポリヌクレオチドの発 見は、癌及び免疫疾患の診断、予防、及び治療において役立つ新たな物質を提供 することにより、当分野における必要性を満たす。発明の要約 本発明は、それぞれ配列番号:1又は配列番号:3に示すアミノ酸配列を有す る実質的に精製されたヒト細胞外基質タンパク質(それぞれECMP−1及びE CMP−2と称し、集合的にECMPと称する)、又はその断片を提供する。 また本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする 単離され実質的に精製されたポリヌクレオチド配列又はその断片、及び前記ポリ ヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。また本発 明は、配列番号:1のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列と厳密な 条件の下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、又は前記ポリヌクレオチ ド配列の断片を提供する。更に本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列をコード するポリヌクレオチド配列の相補配列を含むポリヌクレオチド配列、又は前記ポ リヌクレオチド配列の断片又は変異配列を提供する。 また本発明は、配列番号:2の配列を含む単離され精製された配列又はその変 異配列を提供する。更に、本発明は、配列番号:2のポリヌクレオチド配列と厳 密な条件の下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を提供する。別の実施 態様では、本発明は、配列番号:2の相補配列を含む単離され精製されたポリヌ クレオチド配列、又はその断片若しくは変異配列を含む組成物を提供する。また 本発明は、配列番号:2の変異配列を含むポリヌクレオチド配列を提供する。 更に本発明は、クレームされたポリヌクレオチド配列の何れかの少なくとも断 片を含む発現ベクターを提供する。更に別の実施態様では、前記ポリヌクレオチ ド配列を含む前記発現ベクターは、宿主細胞内に含められる。 また本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチド又はその断片 の製造方法であって、(a)前記ポリペプチドの発現に適した条件の下で、EC MP−1をコードするポリヌクレオチド配列の少なくとも断片を含む発現ベクタ ーを含む宿主細胞を培養する過程と、(b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペ プチドを回収する過程とを含むことを特徴とする、配列番号:1のアミノ酸配列 を含むポリペプチド又はその断片の製造方法を提供する。 また本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列を有する実質的に精製されたEC MP−1を、適切な医薬用担体と共に含む医薬品組成物を提供 する。 また本発明は、配列番号:1のポリペプチドの活性を低下させる精製されたア ンタゴニストを提供する。或る実施態様では、本発明は、配列番号:1のアミノ 酸配列の少なくとも断片を含むポリペプチドに結合する精製された抗体を提供す る。 更に別の実施態様では、本発明は、配列番号:1のポリペプチドの活性を変調 する精製されたアゴニストを提供する。 また本発明は、癌の治療又は予防方法であって、そのような治療が必要な患者 に、ECMP−1の精製されたアンタゴニストを有効な量投与する過程を含む、 癌の治療又は予防方法を提供する。 また本発明は、免疫疾患の治療又は予防方法であって、そのような治療が必要 な患者に、ECMP−1の精製されたアンタゴニストを有効な量投与する過程を 含む、免疫疾患の治療又は予防方法を提供する。 また本発明は、生物学的サンプルにおけるECMP−1をコードするポリヌク レオチドの検出方法であって、(a)ECMP−1(配列番号:1)をコードす るポリヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列と、生物学的サンプル の核酸材料とをハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーション複合体を形成する 過程と、(b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前 記複合体の存在が、前記生物学的サンプルにおけるECMP−1をコードするポ リヌクレオチドの存在と相関性を有する、該過程とを含むことを特徴とする、生 物学的サンプルにおけるECMP−1をコードするポリヌクレオチドの検出方法 を提供する。好適実施例では、ハイブリダイゼーションの前に、前記生物学的サ ンプルの核酸材料を、PCR法により増幅する。 更に本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする 単離され実質的に精製されたポリヌクレオチド配列又はその断 片を、及び前記ポリヌクレオチド配列を含む組成物を提供する。また本発明は、 配列番号:3のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列と厳密な条件の 下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、又は前記ポリヌクレオチド配列 の断片を提供する。更に本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列をコードするポ リヌクレオチド配列の相補配列を含むポリヌクレオチド配列、又は前記ポリヌク レオチド配列の断片若しくは変異配列を提供する。 また本発明は、配列番号:4の配列を含む単離され精製された配列又はその変 異配列を提供する。更に本発明は、配列番号:4のポリヌクレオチド配列と厳密 な条件の下でハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を提供する。別の実施態 様では、本発明は、配列番号:4の相補配列を含む単離され精製されたポリヌク レオチド配列、又はその断片若しくは相補配列を含む組成物を提供する。また本 発明は、配列番号:4の相補配列を含むポリヌクレオチド配列を提供する。 更に本発明は、クレームされたポリヌクレオチド配列の何れかの少なくとも断 片を含む発現ベクターを提供する。更に別の実施態様では、前記ポリヌクレオチ ド配列を含む前記発現ベクターは、宿主細胞内に含められる。 また本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチド又はその断片 の製造方法であって、(a)前記ポリペプチドの発現に適した条件の下で、EC MP−2をコードするポリヌクレオチド配列の少なくとも断片を含む発現ベクタ ーを含む宿主細胞を培養する過程と、(b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペ プチドを回収する過程とを含むことを特徴とする、配列番号:3のアミノ酸配列 を含むポリペプチド又はその断片の製造方法を提供する。 また本発明は、配列番号:3のアミノ酸配列を有する実質的に精製さ れたECMP−2を、適切な医薬用担体と共に含む医薬品組成物を提供する。 また本発明は、配列番号:3のポリペプチドの活性を低下させる精製されたア ンタゴニストを提供する。或る実施態様では、本発明は、配列番号:3のアミノ 酸配列の少なくとも断片を含むポリペプチドに結合する精製された抗体を提供す る。 更に別の実施例では、本発明は、配列番号:3のポリペプチドの活性を変調す る精製されたアゴニストを提供する。 また本発明は、癌の治療又は予防方法であって、そのような治療が必要な患者 に、ECMP−2の精製されたアンタゴニストを有効な量投与する過程を含む、 癌の治療又は予防方法を提供する。 また本発明は、免疫疾患の治療又は予防方法であって、そのような治療が必要 な患者に、ECMP−2の精製されたアンタゴニストを有効な量投与する過程を 含む、免疫疾患の治療又は予防方法を提供する。 また本発明は、生物学的サンプルにおけるECMP−2をコードするポリヌク レオチドの検出方法であって、(a)ECMP−2(配列番号:3)をコードす るポリヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列と、生物学的サンプル の核酸材料とをハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーション複合体を形成する 過程と、(b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前 記複合体の存在が、前記生物学的サンプルにおけるECMP−2をコードするポ リヌクレオチドの存在と相関性を有する、該過程とを含むことを特徴とする、生 物学的サンプルにおけるECMP−2をコードするポリヌクレオチドの検出方法 を提供する。好適実施例では、前記生物学的サンプルの核酸材料を、ハイブリダ イゼーションの前にPCR法により増幅する。図面の簡単な説明 第1A図、第1B図、第1C図、第1D図、第1E図、第1F図、及び第1G 図は、ECMP−1のアミノ酸配列(配列番号:1)及び核酸配列(配列番号: 2)を示す。配列アライメントは、MacDNASIS PROTMソフトウェア(Hitachi Sof tware Engineering Co.,Ltd.,San Bruno,CA)を用いて作成した。 第2A図、第2B図、第2C図、第2D図、及び第2E図は、ECMP−2( 配列番号:3)、及び核酸配列(配列番号:4)を示す。配列アライメントは、 DNASTARTMソフトウェアを用いて作成した。 第3A図及び第3B図は、ECMP−1(配列番号:1)とヒトS1-5遺伝子 産物(GI 458228;配列番号:5)の間のアミノ酸配列アライメントを示す。こ の配列アライメントは、DNASTARTMソフトウェア(DNASTAR Inc,Madison WI)の マルチシーケンスアライメントプログラムを用いて作成した。 第4A図、第4B図、及び第4C図は、ECMP−2(配列番号:3)とEcml 遺伝子によってコードされるマウスの分泌タンパク質(GI496120;配列番号:6 )の間のアミノ酸配列アライメントを示す。この配列アライメントは、DNASTART M ソフトウェアのマルチシーケンスアライメントプログラムを用いて作成した。発明の実施の形態 本発明のタンパク質、核酸配列、及び方法について説明する前に、本発明は、 ここに開示した特定の方法論、プロトコル、細胞系、ベクター、及び試薬に限定 されず、その実施形態を変えて実施できることを理解されたい。また、ここで用 いられる用語法は、特定の実施例のみを説明する目的で用いられたものであり、 請求の範囲のみによって限定される本発明の範囲を限定することを意図したもの ではないということも理解されたい。 本明細書及び請求の範囲において、単数を表す「或る」及び「その(この)」 と形容されたものは、前後関係でそうでないことが明らかである場合以外は、複 数の意味も含んでいることに注意しなければならない。従って、例えば「或る宿 主細胞」なる表記が表すものには、複数のそのような宿主細胞が含まれ、この「 抗体」なる表記は、1種またはそれ以上の種類の抗体及び当業者に周知のその等 価物等も表している。 本明細書における全ての科学技術専門用語は、特別に定義されていない限り、 本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に一般に理解されるのと 同じ意味を有する。ここに説明したものと類似のまたは等価な方法や材料を本発 明の実施や試験において用いることができるが、好適な方法、装置、及び材料は ここに説明する。本明細書に記載された全ての文献は、本発明の関連において用 いられ得る文献で報告された細胞系、ベクター、及び方法論を説明し開示する目 的で引用されたものであり、この引用により本明細書の一部とする。この引用の 記載は、本発明がその権利を有していない、従来発明によって先行開示されたそ のような開示内容に対して本発明が優先することを本発明に許容するためのもの と解するべきではない。 定義 本明細書において、ECMPは、任意の種、特にウシ、ヒツジ、ブタ、マウス 、ウマ、及び好ましくはヒトを含む哺乳動物から得られる、天然の、合成の、半 合成の、又は組換え体を起源とする実質的に精製されたECMPのアミノ酸配列 である。 本明細書において、用語「アゴニスト」は、ECMPに結合したとき、ECM Pの効果を強めたり、その効果の持続時間を長くさせる分子である。アゴニスト には、ECMPに結合し、その効果を変調するタンパク 質、核酸、糖質や、任意の他の分子が含まれ得る。 本明細書において「アレル」或いは「アレル配列」とは、ECMPの対立形で ある。アレルは、核酸配列の少なくとも一箇所の変異によって生じ、変異mRN A或いはポリペプチドを生ずるが、そのmRNA或いはポリペプチドの構造或い は機能は、変わる場合もあれば変わらない場合もある。遺伝子によっては、アレ ル形が存在しないもの、1つ存在するもの、或いは多数存在するものがある。一 般にアレルを生じる変異はアミノ酸の自然な欠失、付加並びに置換に因るもので ある。このタイプの変化はそれぞれ単独で、或いは他の変化と同時に、所定の配 列内で1又は2箇所以上生じ得る。 本明細書において、ECMPをコードする「変異」核酸配列とは、異なるヌク レオチド残基の欠失、挿入並びに置換を含み、結果的に同一の、または機能的に 等価なECMPをコードするポリヌクレオチドとなるものである。この定義には 、ECMPをコードするポリヌクレオチド配列の正常な染色体上の遺伝子座以外 の位置における、アレルとの不適切又は予期しないハイブリダイゼーション、及 びECMPをコードするポリヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプローブ を用いて容易に検出可能な、或いは検出が困難な多形性が含まれている。コード されたタンパク質も同様に「変異」したものであり得、サイレント変化を生ずる アミノ酸残基の欠失、挿入並びに置換を含み、結果的に機能的に等価なECMP となるものであり得る。意図的なアミノ酸置換は、ECMPの生物学的活性が保 持される限りにおいて、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性並びにまた 両親媒性についての類似性に基づいてなされ得る。例えば負に荷電したアミノ酸 にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれ、正に荷電したアミノ酸にはリジ ン及びアルギニンが含まれ、近い親水性値を持つ荷電していない極性頭基を有す るアミノ酸には、ロ イシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミ ン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン並びにチロシンが含まれる。 本明細書において「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプ チド、又はタンパク質の配列及びその断片であり、自然発生又は合成の分子であ る。ECMPの断片は、好ましくは約5〜約15個のアミノ酸からなる長さを有 し、ECMPの生物学的活性又は免疫学的活性を保持しているものである。ここ では「アミノ酸配列」が、自然発生タンパク質分子のアミノ酸配列を指すものと して用いられているが、「アミノ酸配列」や類似の用語は、アミノ酸配列を、列 挙されているタンパク質分子に関連する完全で元のままのアミノ酸配列に限定す る意味で用いられるわけではない。 本明細書において「増幅」は、核酸配列の更なる複製物を生成することであり 、通常は当業者に周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて行われる(D ieffenbach,C.W.及びG.S.Dveksler(1995)PCR Primer.a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview,NY)。 本明細書において、用語「アンタゴニスト」は、ECMPに結合したとき、E CMPの生物学的又は免疫学的効果の大きさを低下させたり、持続時間を短縮さ せる分子である。アンタゴニストは、ECMPの作用を低下させるタンパク質、 核酸、糖質や、任意の他の分子を含んでいることがある。 本明細書において、用語「抗体」は、完全な抗体分子及び例えばFa、F(ab')2 、及びFvのようなその断片であって、抗原決定基と結合し得るものである。EC MPポリペプチドに結合する抗体は、完全なポリペプチド、或いは免疫化する抗 原としての目的の小型のペプチドを含むその 断片を用いて調製することができる。動物を免疫化するのに用いられるポリペプ チドまたはペプチドは、翻訳されたcDNAまたは化学的合成物を起源とするも のであり得、必要ならば担体タンパク質と結合することができる。ペプチドに化 学的に結合する、通常用いられる担体には、ウシ血清アルブミン及びサイログロ ブリンが含まれる。次にこの結合したペプチドを用いて動物(例えばマウス、ラ ット、またはウサギ)を免疫化する。 本明細書において、用語「抗原決定基」は、特定の抗体と接触する分子の一部 分(即ちエピトープ)である。タンパク質またはタンパク質の断片を用いてホス トの動物を免疫化すると、このタンパク質の種々の領域が、該タンパク質上の所 定の領域または三次元構造に特異的に結合する抗体の産生が誘発され得る。この ような領域または構造を抗原決定基と称する。抗原決定基は、抗体への結合につ いて、元の抗原(即ち免疫応答を引き出すために用いられる免疫原)と競合し得 る。 本明細書において用語「アンチセンス」は、特定のDNAまたはRNA配列に 対して相補的なヌクレオチド配列である。「アンチセンス鎖」は、「センス」鎖 に対して相補的な核酸鎖の意味で用いられる。アンチセンス分子はペプチド核酸 を含み、合成や転写を含む任意の方法で作ることができる。この相補的ヌクレオ チドは、一度細胞内に導入されると、細胞によって作られた天然の配列と結合し て二重鎖を形成し、この二重鎖は更なる転写や翻訳を阻害する。「ネガティブ( −)」なる表現はアンチセンス鎖の意味で時折用いられ、「ポジティブ(+)」 はセンス鎖の意味で用いられることがある。 本明細書において、用語「生物学的に活性」は、自然発生の分子の構造的機能 、調節機能、又は生化学的機能を有するタンパク質を表す。同様に「免疫学的に 活性」は、天然の、組換え体の、又は合成のECMP、 若しくはその任意のオリゴペプチドの、適当な動物や細胞における特定の免疫応 答を誘発し、特定の抗体に結合する能力を指す。 本明細書において、用語「相補的」または「相補性」は、許容的な塩及び温度 条件の下での塩基対によるポリヌクレオチド同士の自然の結合である。例えば、 配列「A−G−T」は相補的配列「T−C−A」に結合する。2つの二本鎖分子 間の相補性は、幾つかの核酸のみが結合している「部分的」なものであるか、若 しくは一本鎖分子間に完全な相補性が存在する場合は完全に相補的なものであり 得る。核酸鎖同士の相補性の程度は、核酸鎖同士のハイブリダイゼーションの効 率及び強度に有意な影響を与える。このことは、核酸鎖同士の結合によって左右 される増幅反応や、PNA分子の設計及び使用において特に重要である。 本明細書において「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」とは、広く所 定のポリヌクレオチド配列を含む任意の物質をさす。この組成物は、乾燥した製 剤又は水溶液を含み得る。ECMP(配列番号:1、配列番号:3)をコードす るポリヌクレオチド配列又はその断片(例えば配列番号:2または配列番号:4 又はその断片)を含む組成物は、ハイブリダイゼーションプローブとして利用す ることができる。このプローブは凍結乾燥した形態で保存することができ、糖質 のような安定化剤と結合させることができる。ハイブリダイゼーションにおいて 、このプローブは、塩(例えばNaCl)、界面活性剤(例えばSDS)及び他 の物質(例えばデンハート液、乾燥ミルク、サケ精子DNA等)に展開すること ができる。 本明細書において「コンセンサス」は、再度シークエンシングされて不要な塩 基が分離された核酸配列か、XL-PCRTM(Perkin Elmer,Norwalk,CT)を用いて5 ’方向及び/または3’方向に延長されて、再度シークエンシングされた核酸配 列か、フラグメントの組み合わせの ためのコンピュータプログラム(例えばGELVIEWTM Fragment Assembly system,G CG,Madison WI)を用いて2種以上のインサイト社クローンの重複した配列を組 み合わせて作られた核酸配列である。延長と組み合わせの双方によってコンセン サス配列が作られることもある。 本明細書において、「ポリヌクレオチドの発現と相関性を有する」なる表現は 、ノーザン解析により配列番号:2または配列番号:4に類似なリボ核酸の存在 が検出されることが、サンプル内のECMPをコードするmRNAの存在を表し ており、従って該タンパク質をコードする遺伝子からの転写物の発現と相関性を 有しているということを表している。 本明細書において「欠失」は、1個以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸残基 が欠けることになる、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化である 。 本明細書において、用語「誘導体」は、ECMPをコードする核酸或いはそれ に相補的な核酸又はコードされたECMPを化学的に修飾したものを意味する。 このような修飾の例には、水素からアルキル基、アシル基、又はアミノ基への置 換がある。核酸誘導体は、未修飾のECMPの生物学的又は免疫学的機能を保持 しているポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドは、元のポリペプチド の生物学的又は免疫学的機能を保持しており、グリコシル化、ポリエチレングリ コール化(PEGylation)、又は他の任意のプロセスで修飾されたものである。 本明細書において、用語「相同性」は、或る程度の相補性を意味する。部分的 な相同と、完全な相同(即ち同一)の場合があり得る。部分的に相補的な配列は 、同一の配列が標的の核酸とハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害す るものであり、このことを機能的な表現「実質的に相同な」で表す。完全に相補 的な配列と標的配列とのハイブリダイゼーションの阻害は、低い厳密性条件の下 で、ハイブリダイゼーション アッセイ(サザンブロット法またはノーザンブロット法、溶液ハイブリダイゼー ション等)を用いて検定することができる。実質的に相同な配列またはプローブ は、低い厳密性条件の下で標的の配列と、完全に相同な配列またはプローブとの 結合(即ちハイブリッド形成)について競合し、それを阻害する。このことは、 低い厳密性の条件が、非特異的な結合を許容するようなものであるということを 意味するわけではない。低い厳密性条件では、2つの配列の相互の結合が特異的 (即ち選択的)相互作用であることが必要である。非特異的結合が存在しないこ とは、部分的な程度の相補性(即ち約30%未満の同一性)も有していない第2 の標的配列を用いることにより調べることができる。非特異的結合が存在しない 場合、プローブは第2の非相補的標的配列とハイブリダイズしない。 ヒト人工染色体(HAC)は10K〜10MのサイズのDNA配列を含んでお り、安定した分裂染色体の分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の小染 色体である(Harrington,J.J.等(1997)Nat Genet.15:345-355)。 本明細書において、用語「ヒト化抗体」は、元の結合能力をそのまま保持しつ つ、ヒトの抗体により近づけるために非抗体結合領域においてアミノ酸を置換し た抗体分子である。 本明細書において、用語「ハイブリダイゼーション(ハイブリッド形成)」は 、核酸の鎖が塩基対合を介して相補鎖と結合する過程である。 本明細書において、用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補的なG塩 基とC塩基の間及び相補的なA塩基とT塩基の間での水素結合の形成によって、 2つの核酸配列で形成された複合体である。これらの水素結合は、塩基スタッキ ング相互作用(base stacking interaction)により更に安定化し得る。この2 つの相補的核酸配列は水素結合して、 逆平行構造をなす。ハイブリダイゼーション複合体は、溶液中で形成されるか( 例えばC0t又はR0t解析)、或いは核酸は溶液中に存在する一方の核酸と、固 体支持体(例えば細胞やその核酸が固定される紙、メンブラン、フィルター、ピ ン、またはスライドガラスまたは他の適切な基板)に固定されたもう一方の核酸 との間で形成され得る。 本明細書において「挿入」或いは「付加」は、自然発生の分子と比較して、1 個または2個以上のヌクレオチド、アミノ酸残基がそれぞれ加わるような、ヌク レオチド配列或いはアミノ酸配列の変化を指す。 「マイクロアレイ」とは、基板上に、合成された個々のポリヌクレオチド又は オリゴヌクレオチドを高密度で配列したものである。基板には例えば紙、ナイロ ン又は他のタイプのメンブラン、濾紙、チップ、スライドガラス、又は他の任意 の適切な固体支持体が用いられる。 本明細書において、用語「変調」は、ECMPの活性の変化である。例えば、 変調によって、タンパク質活性の上昇や低下、結合特性の変化、又はECMPの 生物学的、機能的、免疫学的特性の他の変化がもたらされる。 本明細書において「核酸配列」は、一本鎖か二本鎖の、センス鎖又はアンチセ ンス鎖である、ゲノム起源又は合成起源のDNA、RNAや、オリゴヌクレオチ ド、ヌクレオチド、又はポリヌクレオチド、及びその断片又は一部分である。「 断片(フラグメント)」は、長さが60ヌクレオチド以上の核酸配列であり、最 も好ましくは、長さが100ヌクレオチド以上又は1000ヌクレオチド以上、 及び10000ヌクレオチド以上の断片を含む。 本明細書において「オリゴヌクレオチド」は、PCR増幅又はハイブリダイゼ ーションアッセイ、若しくはマイクロアレイで用いることができる核酸配列であ って、長さが約6ヌクレオチド以上、最大60ヌクレ オチド程度、好適には15〜30ヌクレオチド、より好適には20〜25ヌクレ オチドであるものを指す。本明細書において、オリゴヌクレオチドは、当分野に おいて一般に定義されている用語「アンブリマー」、「プライマー」、「オリゴ マー」、及び「プローブ」と実質的に同義である。 本明細書において「ペプチド核酸」PNAは、末端がリジンであるアミノ酸残 基のペプチドバックボーンに結合した5ヌクレオチド以上の長さのオリゴヌクレ オチドを含むアンチセンス分子又は抗遺伝子剤を意味する。末端のリジンがこの 物質に安定性を賦与している。PNAをポリエチレングリコール化して細胞にお けるPNAの寿命を延ばすことができる。このような細胞では、PNAが相補的 な一本鎖DNAやRNAに優先的に結合して、転写物の伸長を止める。(Nielse n,P.E.等(1993)Anticancer Drug Des.8:53-63)。 本明細書において、(「所定のタンパク質の一部分」と用いられるような)タ ンパク質に関連する用語「一部分」は、そのタンパク質の断片である。この断片 のサイズは5個のアミノ酸残基から、(全アミノ酸配列−1)個のアミノ酸の範 囲に亘る。従って、「配列番号:1、配列番号:3のアミノ酸配列の少なくとも 一部分を含む」タンパク質は、完全長ヒトECMPとその断片を含む。 本明細書において、用語「サンプル」は、その最も広い意味で用いられている 。ECMPをコードする核酸またはその断片またはECMP自体を含む疑いのあ る生物学的サンプルは、体液や、細胞から単離された染色体、細胞小器官、又は 細胞膜からの抽出物や、細胞や、(溶液中の、または例えばサザンブロット解析 用に固体支持体に結合した)ゲノムのDNA、RNA、またはcDNAや、組織 や、組織プリントその他を含み得る。 本明細書において、用語「特異的結合」または「特異的に結合する」は、抗体 及びタンパク質またはペプチドの相互作用が、タンパク質上の特定の構造(即ち 抗原決定基、つまりエピトープ)の存在に左右されることを意味している。つま り、この抗体はタンパク質全体ではなく、特定のタンパク質構造を認識して結合 する。例えば、抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、標識した「A 」及びその抗体を含む反応において、エピトープA(つまり結合していない、無 標識のA)を含むタンパク質が存在すると、抗体に結合した標識Aの量が低下す る。 本明細書において、用語「厳密な条件」又は「厳密性」は、核酸、塩、及び温 度によって定義されるようなハイブリダイゼーションの条件をさす。これらの条 件は当分野でよく知られており、同一のポリヌクレオチド配列の同定や検出のた めであるか、或いは近縁なポリヌクレオチド配列の同定や検出のためであるかに よって変えることができる。低い厳密性条件か高い厳密性条件の何れかを含む名 目上の等価な条件は、例えば配列の長さ及び性質(DNA、RNA、塩基組成) 、標的の性質(DNA、RNA、塩基組成)、環境(溶液中に存在するか或いは 固定されているか等)、塩や他の成分の濃度(例えばホルムアミド、デキストラ ン硫酸、及び/またはポリエチレングリコールの有無)、及び反応の温度(プロ ーブの融解温度(Tm)より5℃下からTmの約20〜25℃下までの範囲内) のような要素によって決まる。1又は2以上の因子を変更することによって、上 に列挙した条件とは異なるが等価である低い厳密性または高い厳密性の何れかの 条件を作り出すことができる。 本明細書において、用語「実質的に精製」は、天然の環境から取り除かれ、天 然にはそれが結合して存在する他の構成要素から単離又は分離されて、その構成 要素が60%以上、好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上除去され た核酸配列又はアミノ酸配列である。 本明細書において「置換」は、それぞれ1個または2個以上のヌクレオチド或 いはアミノ酸を、異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置換することによって生 ずる変化である。 本明細書の定義では、「形質転換」は、外来DNAが入り込みレシピエント細 胞を変化させるプロセスを意味する。このプロセスは、よく知られた種々の方法 を用いた天然または人工の条件の下で生じ得る。形質転換は、外来核酸配列を原 核細胞または真核細胞の宿主細胞に導入するための何らかの既知の方法に基づい ている。この方法は形質転換される宿主細胞によって選択され、以下のものに限 定されないが、ウイルス感染による方法、電気穿孔法(エレクトロポレーション )、リポフェクション、及び微粒子銃を用いる方法が含まれ得る。このような「 形質転換された」細胞は、そのなかで挿入されたDNAが、自律的に複製するプ ラスミドとして、または宿主の染色体の一部として複製が可能な安定的に形質転 換された細胞を含む。またこのような細胞は、限られた時間の導入DNAやRN Aの一過性の発現をする細胞も含む。 本明細書においてECMPの「変異体」は、1又は2箇所以上のアミノ酸が変 異したアミノ酸配列である。この変異体は「保存的」変化を含むものであり得、 この保存的変化の場合は、例えばロイシンをイソロイシンで置き換える場合のよ うに置換されるアミノ酸が類似な構造的及び化学的特性を有する。稀に、変異体 が「非保存的」に変化する場合もあり、この非保存的変化の場合は、例えばグリ シンがトリプトファンで置換される。類似した小変化には、アミノ酸の欠失か挿 入、若しくはその両方も含まれる。例えばDNASTARソフトウエアのような良く知 られたコンピュータプログラムを用いて、何れのアミノ酸が生物学的或いは免疫 学的活性を損なわずに置換、挿入、又は除去できるものであるかということ、及 びそのようなアミノ酸がいくつかということを決定すること ができる。 発明 本発明は、新規なヒト細胞外基質タンパク質(集合的に(ECMP)と称し、 それぞれECMP−1及びECMP−2と称する)、ECMPをコードするポリ ヌクレオチド、及び癌及び免疫疾患の診断、予防、又は治療のためのこれらの物 質の使用法の発見に基づくものである。 本発明のECMP−1をコードする核酸は、角膜線維芽細胞cDNAライブラ リー(CORNNOT01)を起源とするインサイト社クローンNo.45517において、ア ミノ酸配列アライメントのコンピュータ検索によって始めに同定された。コンセ ンサス配列の配列番号:2は、以下の重複及び/又は延長された核酸配列、即ち インサイト社クローンNo.45517(CORNNOT01を起源)、424333(BLADNOT01を起源 )、1322651(BLADNOT04を起源)、198548(KIDNNOT02を起源)、944281(ADREN OT03を起源)、及び953977(SCORNON01を起源)から構成されたものである。 或る実施例では、本発明は、第1A図、第1B図、第1C図、第1D図、第1 E図、第1F図、及び第1G図に示すような配列番号:1のアミノ酸配列を含む ポリペプチドを包含する。ECMP−1は449個のアミノ酸からなる長さを有 し、C(113番)とC(341番)の間に5個のEGF様縦列反復配列を有し、その 内の4つは、Cx{11-12}Cx(5)Cx(4-6)Cx{3or5}Cx(8)CxCのコンセンサス反復配列 を有する(ここでxは任意のアミノ酸を表し、(n)は残基の数を表す)。EG F様ドメイン内には、N(146番)、N(183番)、N(223番)、及びN(264番 )に4つのNヒドロシル化可能部位、N(283番)、及びN(296番)に2カ所の Nグリコシル化可能部位が存在する。 N末端の19個のアミノ酸は、シグナルペプチド配列を構成し、またR(54番) には、細胞付着可能配列RGDが存在する。T(48番)、S(154番)、T(197 番)、S(204番)、S(246番)、S(252番)、S(285番)、及びS(385番 )には8カ所のカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位が存在し、S(357番) 及びT(371番)には2カ所のプロテインキナーゼCリン酸化可能部位が存在す る。L(180番)とC(190番)との間には原核細胞の細胞膜リポタンパク質付着 可能部位が存在する。第3A図及び第3B図に示すように、ECMP−1は、ヒ トS1-5遺伝子産物(GI 458228;配列番号:5)と化学的及び構造的相同性を有 する。詳述すると、ECMP−1は、ヒトS1-5遺伝子産物と53%の配列同一性 、EGF様縦列配列モチーフ、及びNヒドロキシ化可能部位を共通に有する。ノ ーザン解析の結果から、種々のライブラリーにおけるこの配列の発現が分かる。 この配列を発現するライブラリーの20%以上は不死化組織又は癌性組織関連の もので、28%以上は免疫応答に関連するものである。 本発明のECMP−2をコードする核酸は、脳腫瘍cDNAライブラリー(BR AITUTI3)を起源とするインサイト社クローンNo.1621777において、アミノ酸 配列アライメントのコンピュータ検索によって始めに同定された。コンセンサス 配列の配列番号:4は、以下の重複及び/又は延長された核酸配列、即ちインサ イト社クローンNo.1621777(BRAITUT13を起源)、865787(BRAITUT03を起源)、 1867044(SKINBIT01を起源)、1901493(BLADTUT06を起源)、1957753(CONNNOT 01を起源)から構成されたものである。 別の実施例では、本発明は、第2A図、第2B図、第2C図、第2D図、及び 第2E図に示すような、配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドを包含 する。ECMP−2は540個のアミノ酸からなる長 さを有し、C(181番)とC(498番)の間に1個システイン及び20システイン の6カ所のシステイン反復配列を有する。これらの反復配列は、タンパク質の血 清アルブミンファミリーのドメインに特徴的である(Soltyslk-Espanola,M.等( 1994)前出)。M(1番)とA(20番)との間にはN末端シグナルペプチドが存 在し、C(151番)〜Y(279番)、C(284番)〜Y(405番)には2つの内部相 同性ドメインが存在する。更に、ECMP−2は、N(354番)、N(444番)、 及びN(530番)に3つのNグリコシル化可能部位を有し、S(138番)、S(29 3番)、T(391番)、S(490番)、及びS(533番)に5カ所のカゼインキナー ゼIIリン酸化可能部位を有し、T(4番)、T(227番)、S(250番)、T(3 58番)、及びT(446番)に5カ所のプロテインキナーゼCリン酸化可能部位を 有し、Y(374番)に1個のチロシンキナーゼリン酸化可能部位を有する。 第4A図、第4B図、及び第4C図に示すように、ECMP−2は、マウスEc ml遺伝子によってコードされる分泌タンパク質(GI 496120;配列番号:6)と化 学的及び構造的相同性を有する。詳述すると、ECMP−2は、マウス分泌タン パク質と81%の配列同一性を共有する。両タンパク質は、1個のシステイン及 び20システイン反復ドメインを共有している。また両者は2つのNグリコシル 化可能部位、3つのプロテインキナーゼII部位、4つのプロテインキナーゼC 部位を共有している。また両者は、Ecmlの2つの内部配列相同ドメインを共有し ている。ノーザン解析の結果から、種々のライブラリーにおけるこの配列の発現 が分かる。この配列を発現するライブラリーの32%以上は不死化または癌性組 織関連のものであり、39%以上は免疫応答に関連するものである。 また本発明は、ECMP変異体を包含する。好適なECMP変異体は、 ECMPアミノ酸配列(配列番号:1又は配列番号:3)と80%以上、より好 適には90%以上のアミノ酸配列同一性を有し、ECMPの生物学的、構造的、 又は他の機能的特徴の少なくとも1つを保持しているものである。最も好適なE CMP変異体は、配列番号:1又は配列番号:3の配列と95%以上のアミノ酸 配列同一性を有しているものである。 また本発明は、ECMPをコードするポリヌクレオチドを包含する。従って、 ECMPのアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を用いて、ECMPを発現 する組換え分子を作り出すことができる。特定の実施例では、本発明は、第1A 図、第1B図、第1C図、第1D図、第1E図、第1F図、及び第1G図、及び 第2A図、第2B図、第2C図、第2D図、及び第2E図にそれぞれ示すような 配列番号:2又は配列番号:4の核酸配列を含むポリヌクレオチドを包含する。 当業者には理解されるように、遺伝暗号の縮重の結果、任意の既知の自然発生 遺伝子のヌクレオチド配列と最小限の相同性しか有していないものも含めて、多 種のECMPコーディングヌクレオチド配列が作り出され得る。従って本発明は 、可能なコドン選択に基づく組み合わせを選択することにより作り出され得る、 全ての可能な核酸配列の変異をその範囲に含んでいる。それらの組み合わせは、 自然発生のECMPのヌクレオチド配列に適用されるような標準的なトリプレッ ト遺伝暗号に基づいて作り出されるものであり、このような全ての変異は、ここ に具体的に示されたものと考えられたい。 ECMP及びその変異体をコードするヌクレオチド配列は、適切に選択された 厳密性条件の下で自然発生配列のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可能なも のであるのが好ましいが、実質的に異なるコドンを使用しているECMP又はそ の変異体をコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益であり得る。コド ン選択では、特定のコドンが宿主に よって使用される頻度に従って、特定の原核細胞又は真核細胞の発現宿主におけ るペプチド発現の発生率を高めるように選択することができる。ECMP及びそ の誘導体をコードするヌクレオチド配列を、コードされるアミノ酸配列を変えな いように実質的に変更する理由は、例えば自然発生配列から作り出される転写物 より長い半減期のような、より望ましい特性を有するRNA転写物を作り出すた めである。 本発明の範囲には、ECMP又はその誘導体をコードするDNA配列又はその 一部の、完全な合成ケミストリによる作製も含まれる。作製したこの合成遺伝子 を、この出願時点において周知の試薬を用いて任意の入手可能なDNAベクター 及び細胞系に挿入することができる。更に、合成ケミストリを用いてECMPを コードする配列又はその任意の一部分に突然変異を誘発させることができる。 また本発明の範囲に含まれるものとして、種々の厳密性条件の下で請求項に記 載のヌクレオチド配列、特に配列番号:2または配列番号:4のヌクレオチド配 列とハイブリダイズし得るポリヌクレオチド配列がある。ハイブリダイゼーショ ン条件については、Wahl,G.M.及びS.L.Berger(1987;Methods Enzymol.152:399- 407)及びKimmel,A.R.(1987;Methods in Enzymol.152:507-511)に記載されてい る。 当業者が一般に利用可能な周知のDNA配列決定のための方法を、本発明の実 施において用いることができる。この方法では酵素、例えばD Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)、熱安定性T7ポリメラーゼ (Amersham,Chicago IL)、或いはGibco BRL(Gaithersburg MD)Methods社から市 販されているELONGASE増幅システムのような校正エキソヌクレアーゼと組換え体 ポリメラーゼとの組み合わせのような酵素を使用する。このプロセスは、Hamilt on Micro Lab2200(Hamilton,Reno,NV)、Peltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Reserch,W atertown MA)並びにABI377 DNAシーケンサ(Perkin Elmer)のような装置を用 いて自動化するのが好ましい。 ECMPをコードする核酸配列は、部分的なヌクレオチド配列と、プロモータ ー及び調節エレメントのような上流配列を検出するための当業者には周知の様々 な方法とを用いて伸長させることができる。例えば、使用可能の方法の一つであ る「制限部位」PCR法では、汎用プライマーを用いて既知の位置に隣接する未 知の配列を得る(Sarkar,G.(1993)PCR Methods Applic 2:318-322)。詳述する と、まずゲノムDNAを、既知の領域に対して特異的なプライマー及びリンカー 配列に対するプライマーの存在下で増幅する。増幅された配列を、その同じリン カープライマー及び最初のプライマーの内部に含まれる別の特異的プライマーを 用いてPCRの2巡目にかける。PCRの各回の生成物を、適切なRNAポリメ ラーゼを用いて転写させ、逆転写酵素を用いて配列決定する。 逆PCR法を用いて、既知領域に基づく多様なプライマーを利用した配列の増 幅、または伸長を行うことができる(Triglia,T.等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186)。プライマーは、OLIGO 4.06(National Biosciences社,Plymouth MN )や他の適切なプログラムを用いて、長さが22〜30ヌクレオチドで、50% 以上のGC含量を有し、かつ約68〜72℃の温度で標的配列にアニールするよ うに設計する。この方法ではいくつかの制限酵素を用いて遺伝子の既知領域の適 当な断片を作り出す。次にこの断片を分子内ライゲーションにより環状にし、P CR用の鋳型として使用する。 使用できる別の方法にはキャプチャPCR法があり、この方法ではヒト及び酵 母菌人工染色体DNA内の既知の配列に隣接するDNA断片をPCR増幅する( Lagerstrom,M.等(1991)PCR Methods Applic 1:111-119)。この方法では、PCR処理の前に、DNA分子の未知の部分に、 複数の制限酵素による消化及びライゲーションによって組換え二本鎖配列を配置 しておくこともできる。 未知の配列を得るために用いることができる別の方法は、Parker,J.D.等の方 法(1991;Nucleic Acids Res 19:3055-3060)である。更に、PCR、ネスト化 プライマー、PromoterFinderTMライブラリーを用いて、ゲノムDNA内歩行を行 うことができる(Clontech,Palo Alto CA)。このプロセスは、ライブラリーを スクリーニングする必要がなく、イントロン/エクソン接合部を探し出すのに有 用である。完全長cDNAをスクリーニングするときに好適なライブラリーは、 サイズ選択された、より大きなcDNAを含むライブラリーである。またランダ ムプライミングした(random primed)ライブラリーは、遺伝子の5’及び上流 領域を含む配列をより多く含むという点で好適である。ランダムプライミングし たライブラリーは、オリゴd(T)ライブラリーで完全長cDNAが得られない 場合に特に有用である。またゲノムライブラリーは、5’及び3’非翻訳領域へ の配列の伸長のために役立つことがある。 配列決定やPCRの産物のヌクレオチド配列をサイズ分析したり確認するため には、市販のキャピラリー電気泳動システムを用いることができる。特に、キャ ピラリーシークエンシングでは、電気泳動による分離のための流動性ポリマー、 レーザーで活性化される4つの異なる蛍光色素(各ヌクレオチドに対して1つ) を使用し、CCDカメラにより放射線の波長の検出を行う。出力/光強度は適切 なソフトウエア(例えばPerkin elmer製のGenotyperTM及びSequence NavigatorT M )を用いて電気信号に変換され、サンプルの負荷からコンピュータ解析及び電 子データ表示までの全過程がコンピュータ制御される。キャピラリー電気泳動法 は、特定のサンプル内に限られた量だけ存在するDNA小片の配列 決定に特に適している。 本発明の別の実施例では、ECMPをコードするポリヌクレオチド配列または その断片を組換えDNA分子において用いて、ECMP、融合タンパク質或いは その機能的等価物の適切な宿主細胞内での発現を誘導することができる。遺伝暗 号固有の縮重のために、実質的に同一であるか機能的に等価なアミノ酸配列をコ ードする他のDNA配列も作り出され得、これらの配列をECMPのクローニン グや発現のために用いることができる。 当業者には理解できるように、非自然発生コドンを有するECMPコードディ ングヌクレオチド配列を作り出すことは有益であり得る。特定の原核細胞或いは 真核細胞の宿主において選好されるコドンを選択して、例えば、ECMP発現率 を増大させたり、或いは自然発生配列から生成された転写物より長い半減期のよ うな望ましい特性を有する組換えRNA転写物を生成することができる。 本発明のヌクレオチド配列は、ECMPをコードする配列を改変する目的で既 知の方法を用いて組換えることができる。組換えの目的には、例えば、限定はし ないが遺伝子産物のクローニング、プロセシング及び/又は発現を改変すること が含まれる。無作為断片によるDNA再編成や遺伝子断片及び合成オリゴヌクレ オチドのPCR再会合によって、ヌクレオチド配列を組換えることができる。例 えば、特定部位突然変異誘発のような当業者には周知の技術を用いて突然変異を 誘発させることによって、新しい制限部位の挿入、グリコシル化パターンの変更 、コドン選好の変化、スプライスバリアントの生成等をもたらすことができる。 本発明の別の実施例では、未改変ECMPコーディング配列、変異ECMPコ ーディング配列、又は組換えECMPコーディング配列を異種の配列に結合して 、融合タンパク質をコードする配列にすることができ る。例えば、ECMP活性のインヒビターをペプチドライブラリーからスクリー ニングする場合、市販の抗体により認識される異なるペプチドを発現するキメラ ECMPタンパク質をコードすることが有用である。融合タンパク質はECMP 配列と異種のタンパク質配列との間の位置に切断部位を有するように設計するこ ともでき、これによってECMPを切断して、ヘテロの部分から分けて精製する ことが可能となる。 本発明の別の実施例では、当業者によく知られた化学的方法(Caruthers.M.H. 等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 7:215-223;Horn,T.等(1980)Nucl.Acids Res Symp.Ser.225-232参照)を用いて、ECMPコーディング配列の全体、或いは その一部を合成することができる。或いは、化学的方法を用いてタンパク質自体 を作り出して、ECMPアミノ酸配列の全体或いはその一部を合成することがで きる。例えば、種々の固相技術(Roberge,J.Y.等(1995)Science 269:202-204) でペプチド合成を行うことができ、合成の自動化は、例えばABI 431Aペプチドシ ンセサイザ(Perkin Elmer)を用いることにより達成することができる。 この新たに合成されたペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィにより実 質的に精製することができる(例えばCreighton T.(1983)Proteins Structure And Molecular Principles ,WH Freeman and Co.,NY参照)。合成されたペプチ ドの組成は、アミノ酸解析或いはシークエンシングにより確認することができる (例えばエドマン分解法;Creighton,前出)。さらにECMPのアミノ酸配列 或いはその任意の部分を、その直接の合成の際の改変することにより、及び/又 は化学的方法を用いて他のタンパク質或いはその任意の部分に由来する配列との 結合することにより、変異体ポリペプチドを作り出すことができる。 生物学的に活性なECMPを発現させるためには、ECMPをコード するヌクレオチド配列或いはその機能的等価物を、適切な発現ベクター、すなわ ち挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳に必要な要素を含むベクターに挿 入する。 ECMPをコードする配列及び適切な転写や翻訳の調節領域を含む発現ベクタ ーを作製するために当業者に周知の方法が用いられる。これらの方法には、in v itro組換えDNA技術、合成技術、並びにin vivo組換え技術、又は遺伝子組換 え技術が含まれる。このような技術は、Sambrook,J.等(1989)Molecular Cloning ,A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Press,Planview NY及びAusubel,F.M .等Current Protocol in Molecular Biology,John Wiley &Sons,New York,NYに 記載されている。 種々の発現ベクター/宿主系を、ECMPコーディング配列を保持し、かつ発 現するために利用することができる。このようなものには、以下に限定するもの ではないが、組換えバクテリオファージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現 ベクターで形質転換した細菌のような微生物や、酵母菌発現ベクターで形質転換 した酵母菌や、ウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)を感染させた 昆虫細胞系や、ウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルスCa MV、タバコモザイクウイルスTMV)をトランスフェクトした、或いは細菌の発現 ベクター(例えばTi、或いはpBR322プラスミド)で形質転換した植物細胞系や、 或いは動物細胞系が含まれる。 これらの系の「調節領域」或いは「制御配列」は、転写及び翻訳を実行するた めに宿主細胞のタンパク質と相互作用するベクターの非翻訳領域、即ちエンハン サー、プロモーター及び3’非翻訳領域である。このようなエレメントの、作用 の強さ及び特異性は様々であり得る。利用されるベクター及び宿主に応じて、構 成的及び誘導的プロモーターを含む 任意の数の適切な転写及び翻訳エレメントを用いることができる。例え (Stratagene,LaJolla CA)またはpSportITMプラスミド(Gibco BRL)等のハイ ブリッドlacZプロモーターのような誘導的プロモーターを用いることができる。 バキュロウイルスポリヘドリンプロモーターは、昆虫細胞において用いることが できる。植物細胞のゲノムに由来するプロモーター或いはエンハンサ(例えば熱 ショック,RUBISCO及び貯蔵タンパク質遺伝子)、若しくは植物ウイルスに由来す るプロモーター或いはエンハンサ(例えばウイルス性プロモータ或いはリーダー 配列)を、ベクターにクローン化してもよい。哺乳動物細胞では、哺乳動物の遺 伝子或いは哺乳動物ウイルス由来のプロモーターが最適である。ECMPをコー ドする配列の多数の複製を含む細胞系を作る必要がある場合には、SV40或いはEB Vに基づくベクターを適切な選択マーカーと共に用いる。 細菌系では、ECMPの用途に応じて多数の発現ベクターを選択することがで きる。例えば抗体誘発のために大量のECMPが必要とされる場合は、容易に精 製される融合タンパク質を高レベルで発現できるベクターが望ましい。そのよう なベクターには、以下のものに限定はしない(Stratagene)(このベクターでは、ECMPをコードする配列を、アミノ末端 メチオニン及び後続のβ−ガラクトシダーゼの7残基の配列を備えたフレーム内 においてベクターに結合してハイブリッドタンパク質を生成できる)や、pINベ クター(Van Heeke,G.及びS.M.Schuster(1989)J.Biol.Chem.264:5503-5509) 等が含まれる。またpGEXベクター(Promage、Madison WI)も、グルタチオンS− トランスファーゼ(GST)を有する融合タンパク質として異種ポリペプチドを発 現するため用いることができる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性 であり、グルタチオンアガロースビーズへ吸着させた後、遊離グルタチオンの存 在下で溶出させることにより溶解した細胞から容易に精製できる。そのような系 において生成されるタンパク質は、ヘパリン、トロンビン或いはXA因子プロテ アーゼ切断部位を含めて、目的のクローン化ポリペプチドをGST部分から随意に 放出させることができるように設計することができる。 酵母菌、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)では、α因 子、アルコールオキシダーゼ及びPGHのような構成的或いは誘導的プロモーター を含む多数のベクターを用いることができる。その概要を知るには、Ausubel等 (前出)及びGrant等(1987)Methods Enzymol 153:516-544を参照されたい。 植物発現ベクターを用いる場合には、ECMPをコードする配列の発現は、多 数のプロモーターの何れかで促進される。例えばCaMVの35S及び19Sプロモーター のようなウイルスのプロモーターを、単独で、或いはTMV(Takamatsu,N.等(198 7)EMBO J 6:307-311)由来のオメガリーダー配列と共に用いることができる。 或いは、RUBISCOの小サブユニット、熱ショックプロモーターのような植物プロ モーターを用いてもよい(Coruzzi,G.等(1984)EMBO J 3:1671-1680);Brogli e,R.等(1984)Science 224:838-843;及びWinter,J.等(1991)Results Probl.Cell Differ.17:85-105)。これらの作製物は、直接のDNA形質転換或いは病原体に よるトランスフェクションにより植物細胞内に導入できる。このような技術の種 々の一般に入手可能な文献に記載されている(例えばHobbs,S.又はMurry,L.E.Mc Graw Hill Yearbook of Science and Technology(1992)McGraw Hill NY,pp191 -196を参照されたい)。 昆虫系もECMPの発現のために用いることができる。例えば、そのような系 の一つでは、Spodoptera frugiperda細胞或いはTrichoplusia の幼虫において外来遺伝子を発現するためのベクターとして、Autographa calif ornica 核多角体病ウイルス(AcNPV)を用いる。ECMPをコードする配列は、 ポリヘドリン遺伝子のようなウイルスの非必須領域にクローン化して、ポリヘド リンプロモーターの制御下に置くことができる。ECMPコーディング配列の挿 入が成功すると、ポリヘドリン遺伝子が不活性になり、コートタンパク質膜が欠 如した変異体ウイルスが生成される。次に、この変異体ウイルスを用いて、S.fr ugiperda 細胞或いはTrichoplusiaの幼虫へ感染させ、その中でECMPを発現さ せる(Engelhard,E.K.等(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.91:3224-3227)。 哺乳動物の宿主細胞では、多数のウイルス性発現系を利用することができる。 発現ベクターとしてアデノウイルスが用いられる場合には、ECMPをコードす る配列は、後期プロモータ及び三連リーダー配列からなるアデノウイルス転写物 /翻訳物複合体内に結合され得る。ウイルスのゲノムの非必須E1又はE3領域へ挿 入することにより、感染した宿主細胞でECMPを発現できる生ウイルスが得ら れる(Logan,J.及びShenk,T.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.81:3655-3659)。さ らに、哺乳類宿主細胞内の発現を増加させるためにラウス肉腫ウイルス(RSV) エンハンサのような転写エンハンサを用いることができる。 また、ヒト人工染色体(HAC)を用いることにより、プラスミドに含められ て発現され得るものより大きいDNAの断片を供給することもできる。6〜10 MのHACを構築し、治療の目的で、従来のデリバリー方法(リポソーム、ポリ カチオンのアミノポリマー、又は小胞)を利用して供給することができる。 また、ECMPをコードする配列の効率的な翻訳のためには、特定の開始シグ ナルも必要である。これらのシグナルには、ATG開始コドン及び隣接する配列が 含まれる。ECMP及びその開始コドン及び上流配列 が適切な発現ベクター内に挿入された場合には、別の転写または翻訳の制御シグ ナルは不要である。しかしながらコーディング配列又はその一部のみが挿入され る場合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制御シグナルを与えなければなら ない。さらに、全インサートの転写が確実に行われるようにするために、開始コ ドンは正しい読み枠に存在しなければならない。外来転写エレメント及び開始コ ドンは、自然及び合成両方の様々な起源に由来するものであり得る。例えば文献 (Scharf,D.等(1994)Results Probl.Cell Differ.20:125-162)に記載されて いるもののような、特定の細胞系に適切なエンハンサーを含めることにより、発 現の効率を高めることができる。 さらに宿主細胞株は、挿入された配列の発現を調節したり、発現したタンパク 質を望ましい形にプロセシングする能力で選択される。このようなポリペプチド の修飾には、以下のものに限定はしないが、アセチル化、カルボキシル化、グリ コシル化、リン酸化、脂質化(lipidation)並びにアシル化が含まれる。またタ ンパク質の「プレプロ」部分を切り離す翻訳後プロセシングも、正しい挿入、折 り畳み、及び/又は機能の発揮のために重要である。そのような翻訳後の作用の ための特定の細胞装置及び特徴的な機構を有している異なる宿主細胞(例えばCHO 、HeLa、MDCK、293、WI38)はAmerican Type Culture Collection(ATCC;Bethesd a,MD)より市販されており、導入される外来タンパク質の正しい修飾やプロセシ ングが確実に行われるようにするために、これを選択することができる。 長期間にわたって組換えタンパク質の高収率の産生を確保するためには安定し た発現が望ましい。例えば、ウイルスの複製起源及び/または内在性発現エレメ ント及び選択マーカー遺伝子を、同一のベクター上、或いは別のベクター上に含 む発現ベクターを用いて、ECMPを安定的 に発現する株細胞を形質転換することができる。ベクターの導入の後、細胞を、 選択培地に切り替える前に濃縮培地内で1〜2日間増殖させる。選択マーカーの 目的は、選択のための耐性を与え、その存在によって導入された配列をうまく発 現する細胞を増殖、回収できるようにすることである。安定的に形質転換された 細胞の耐性クローンは、その細胞の型に適した組織培養技術を用いて増殖するこ とができる。 形質転換された株細胞を回収するために任意の数の選択系を用いることができ る。選択系には、以下のものに限定はしないが、単純ヘルペスウイルスチミジン キナーゼ(tk)(Wigler,M.等(1977)Cell 11:223-32)及びアデニンホスホリ ボシルトランスフェラーゼ(aprt)(Lowy,I.等(1980)Cell 22:817-23)遺伝子 が含まれ、それぞれtk-及びaprt-細胞において用いられる。また代謝拮抗物質、 抗生物質或いは除草剤への耐性を選択の基礎として用いることができる。例えば dhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え(Wigler,M.等(1980)Natl Acad Sci 77:3567)、nptはアミノ配糖体のネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え( Colberre-Garapin,F.等(1981)J Mol Biol 150:1)、als或いはpatはクロルス ルフロン(chlorsulfuron)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ (phosphinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(Murry,前出) 。さらに選択に利用できる遺伝子として、例えば細胞がトリプトファンの代わり にインドールを利用できるようにするtrpB、細胞がヒスチジンの代わりにヒスチ ノール(histinol)を利用できるようにするhisDが文献に記載されている(Hartm an,S.C.及びR.C.Mulligan(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:8047-51)。最近にな って、形質転換体を特定するためばかりではなく、特定ベクター系による一過性 の或いは安定的なタンパク質発現の量を定量するために広く用いられる、例えば アントシアニン、β−グルクロニダーゼ及びその 基質、GUS、及びルシフェラーゼ及びその基質、ルシフェリンのような可視マー カーがよく利用されるようになった(Rhodes,C.A.等(1995)Methods Mol.Biol .55:121-131)。 マーカー遺伝子発現の存在/不存在によって目的の遺伝子の存在も示唆される が、その存在及び発現は確認すべきである。例えばECMPをコードする配列が マーカー遺伝子配列内に挿入された場合は、ECMPをコードする配列を含む組 換え体細胞をマーカー遺伝子の機能の存在により確認できる。或いは、マーカー 遺伝子をECMPをコードする配列と直列に配置して、両者が単一のプロモータ の制御下となるようにすることができる。誘導に応じてのマーカー遺伝子の発現 、つまり選択は、通常直列に配置された配列の発現をも同時に示すことになる。 或いは、当業者には周知の様々な方法により、ECMPをコードする核酸配列 を含みECMPを発現する宿主細胞を識別できる。このような方法には、以下の ものに限定はしないが、DNA-DNA或いはDNA-RNAハイブリダイゼーション及び、核 酸及びタンパク質を検出及び/又は定量するための膜ベース、溶液ベース或いは チップベースの技術を含むタンパク質バイオアッセイ或いはイムノアッセイが含 まれる。 ECMPをコードする配列のプローブ、一部分、或いは断片を用いるDNA-DNA 又はDNA-RNAハイブリダイゼーショまたは増幅により、ECMPポリヌクレオチ ド配列の存在を検出することができる。核酸増幅に基づくアッセイでは、ECM PをコードするDNA或いはRNAを含む形質転換体を検出するために、核酸配 列に基づくオリゴヌクレオチド或いはオリゴマーを用いる。 ECMPポリペプチドの発現を検出し、測定するための、このタンパク質に特 異的なポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれかを用いる種々のプ ロトコルが当業者には周知である。このようなプロト コルの例には、酵素結合免疫検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)及 び蛍光表示式細胞分取器法(FACS)を含まれる。ECMPポリペプチド上で2つ の非干渉なエピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用する二部位モ ノクローナルベースイムノアッセイ(two-site,monoclonal-based immunoassay )が好適であるが、競合的結合アッセイも用いられる。これらアッセイの並びに 他のアッセイは、他の文献、Hampton,R.等(1990;Serological Methods,a Labora tory Manual ,APS Press,St.PaulMN)及びMaddox,D.E.等(1983,J.Exp.Med.158:12 11-1216)に記載されている。 さらに多くの標識及び結合技術が当業者には周知であり、種々の核酸及びアミ ノ酸のアッセイにおいて用いることができる。近縁な配列を検出するための、標 識されたハイブリダイゼーションプローブやPCRプローブを作成するための手 段には、オリゴ標識、ニックトランスレーション法、末端標識、或いは標識ヌク レオチドを用いるPCR増幅などが含まれる。或いは、ECMPコーディング配 列、或いはその任意の部分を、mRNAプローブの作成のためのベクターにクロ ーン化する。そのようなベクターは当分野では周知で、市販されており、これを 用いて、例えばT7、T3、或いはSP6のような適切なRNAポリメラーゼ及び標識 されたヌクレオチドを加えることによってin vitroでRNAプローブを合成する ことができる。これらの方法は、種々の市販のキット(Pharmacia Upjohn(Kala mazoo,MI);Promega(Madison WI);及びU.S.Biochemical Corp.(Cleveland OH))を用いて実施することができる。適切なリポーター分子、すなわち標識に は、放射性核種、酵素、フルオレセント(蛍光剤)、化学発光剤或いは色素剤や 、基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子等が含まれる。 ECMPをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞を、 コードされたタンパク質を細胞培地で発現させ、そこから回収するのに適した条 件下で培養することができる。組換え体細胞により生成されるタンパク質は、用 いられる配列及び/またはベクターに応じて、細胞内に分泌、つまり細胞内に含 まれるようにすることができる。当業者には理解されるように、ECMPをコー ドするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを、原核細胞か真核細胞の細胞膜を 通してのECMP分泌を誘導するシグナル配列を含むように設計することができ る。また他の作製物を用いて、ECMPをコードする配列を、可溶性タンパク質 の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列に結合 することができる。そのような精製を容易にするドメインには、以下のものに限 定はしないが、固定化金属上での精製を可能にするヒスチジントリプトファンモ ジュールのような金属キレートペプチド、固定化免疫グロブリン上での精製を可 能にするプロテインAドメイン、並びにFLAGS延長/アフィニティ精製システム において用いられるドメイン(Immunex Corp.,Seattle WA)が含まれる。精製ド メインとECMPの間にXA因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen,San Die go CA)に対して特異的な配列のような切断可能なリンカー配列を含めるのは精 製を促進するのに役立つ。ECMPをコードする配列とともに、6個のヒスチジ ン残基、それに続くチオレドキシン及びエンテロキナーゼ切断部位をコードする 核酸配列を含むこのような発現ベクターの1つは、融合タンパク質を発現する。 ヒスチジン残基がIMIAC(Porath,J等(1992;Protein Exp.Purif.3:263-281)に記載 のような固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー)での精製を促進す るとともに、エンテロキナーゼ切断部位が融合タンパク質からのECMPの精製 のための手段となる。融合タンパク質を含むベクターについての解説は、Kroll, D.J.等(1993;DNA Cell Biol.12:441-453)に記載されている。 組換え体の産生に加えて、ECMPの断片を、固相技術を用いた直接的なペプ チド合成で作り出すこともできる(Merrifield J.(1963)J.Am.Chem.Soc.85:2149 -2154参照)。タンパク質合成は手作業で行えるが、自動化することもできる。 自動的な合成は、例えば、Applied Biosystem 431Aペプチドシンセサイザ(Perk in Elmer)を用いて行うことができる。ECMPの種々の断片を個別に化学的に 合成し、化学的方法を用いて結合して完全長分子を作り出しすことも可能である 。 治療 ECMP−1とヒトS1-5遺伝子産物(GI 458228)の間に化学的及び構造的相 同性が存在する。更に、ECMP−1は、癌及び免疫応答に関連する組織におい て発現される。従って、ECMP−1は、癌及び免疫疾患、特にECMP−1が 過剰発現されるような疾患において一定の役割を果たしていると考えられる。 従って、或る実施例では、癌の予防又は治療のために、ECMP−1のアンタ ゴニストを患者に投与し得る。癌には、以下に限定されないが、腺癌、白血病、 リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱、骨、 骨髄、脳、乳房、子宮頚、胆嚢、神経節、胃腸管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉 、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲 状腺、及び子宮の癌が含まれ得る。 別の実施例では、限定されないが上に列挙したタイプの癌を含む癌の治療又は 予防のために、ECMP−1をコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現す るベクターを患者に投与し得る。 別の実施例では、免疫疾患の予防又は治療のために、ECMP−1のアンタゴ ニストを患者に投与し得る。このような疾患には、以下に限定 されないが、AIDS、アジソン病、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、貧血症 、喘息、アテローム性動脈硬化症、気管支炎、胆嚢炎、クローン病、潰瘍性大腸 炎、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、結節性紅斑、萎縮性胃炎、 腎炎、痛風、グレーブス病、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、エリテマトーデ ス、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋又は心膜の炎症、変形性関節炎、骨粗鬆 症、膵臓炎、多発筋炎、リウマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、ウェ ルナー症候群、及び自己免疫性甲状腺炎;癌、血液透析、体外循環の合併症;ウ イルス、細菌、真菌、寄生虫、原虫、及び蠕虫の感染症、及び外傷が含まれ得る 。 別の実施例では、限定されないが上に列挙したものを含む免疫疾患の治療又は 予防のために、ECMP−1をコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現す るベクターを患者に投与し得る。 或る実施態様では、ECMP−1に特異的に結合する抗体を、アンタゴニスト として直接的に用いたり、或いはECMP−1を発現する細胞又は組織に薬物を 送達するためのターゲティング又はデリバリー機構として間接的に用いることが できる。 ECMP−2とEcml遺伝子によってコードされるマウス分泌タンパク質(GI 4 96120)との間に化学的及び構造的相同性が存在する。更に、ECMP−2は、 癌及び免疫応答に関連する組織において発現される。従って、ECMP−2は、 癌及び免疫疾患、特にECMP−2が過剰発現されるような疾患において一定の 役割を果たすと考えられる。 従って、別の実施例では、癌の予防又は治療のために、ECMP−2のアンタ ゴニストを患者に投与し得る。このような癌には、以下に限定されないが、腺癌 、白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、 膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、子宮頚、胆嚢、神経節、胃腸管、心臓、腎臓、肝臓 、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、 陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌が含ま れ得る。 別の実施例では、限定されないが、上に列挙したタイプの癌を含む癌の治療又 は予防のために、ECMP−2をコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現 するベクターを患者に投与し得る。 別の実施例では、免疫疾患の予防又は治療のために、ECMP−2のアンタゴ ニストを患者に投与し得る。このような疾患には、以下に限定されないが、AI DS、アジソン病、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、貧血症、喘息、アテロー ム性動脈硬化症、気管支炎、胆嚢炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮 膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、結節性紅斑、萎縮性胃炎、腎炎、痛風、グレ ーブス病、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症 、重症筋無力症、心筋又は心膜の炎症、変形性関節炎、骨粗鬆症、膵臓炎、多発 筋炎、リウマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、ウェルナー症候群、及 び自己免疫性甲状腺炎;癌、血液透析、体外循環の合併症;ウイルス、細菌、真 菌、寄生虫、原虫、及び蠕虫の感染症、及び外傷が含まれ得る。 別の実施例では、限定されないが上に列挙したものを含む免疫疾患の治療又は 予防のために、ECMP−2をコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現す るベクターを患者に投与し得る。 或る実施態様では、ECMP−2に特異的に結合する抗体を、アンタゴニスト として直接的に用いたり、或いはECMP−2を発現する細胞又は組織に薬物を 送達するためのターゲティング又はデリバリー機構として間接的に用いることが できる。 他の実施例では、本発明の治療用タンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニ スト、相補的配列(アンチセンス配列)、又はベクターの何れかを、他の適切な 治療薬と組み合わせて投与し得る。当業者は、併用療法 で使用するための適切な薬剤を、従来の医薬上の原理に基づいて選択することが できよう。治療薬を組み合わせることにより、上述の種々の疾患の治療又は予防 に効果のある相乗作用を与え得る。この方法を用いることにより、低い用量の各 薬剤で同じ治療効果を上げることができ、従って副作用の可能性を低下させるこ とができる。 ECMPのアンタゴニスト又はインヒビターは、当分野において周知の方法を 用いて製造することができる。詳述すると、精製されたECMPを用いて、抗体 を製造したり、或いはECMPに特異的に結合するものを同定するべく治療薬の ライブラリーをスクリーニングすることができる。 ECMPに対する抗体は、従来より周知の方法を用いて製造することができる 。このような抗体には、以下に限定されないが、ポリクローナル抗体、モノクロ ーナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント、及びFab発現ライブラ リーから作られたフラグメントが含まれる。中和抗体(即ち二量体形成を阻害す るもの)は治療の用途に特に好適である。 抗体を産生するため、ECMPか、免疫学的特性を有するその任意の一部分、 断片或いはオリゴペプチドを注射することによって、ヤギ、ウサギ、ラット、マ ウス等を含む種々の宿主を免疫化することができる。免疫学的反応を増強するた めに、ホストの種に応じた種々のアジュバントを用いることができる。そのよう なアジュバントには、限定するものではないが、フロイントのアジュバント、水 酸化アルミニウムのような無機質ゲルアジュバント、リゾレシチンのような界面 活性剤アジュバント、プルロニックポリオールアジュバント、ポリアニオンアジ ュバント、ペプチドアジュバント、油性乳剤アジュバント、キーホールリンペッ トヘモシニアンアジュバント並びにジニトロフェノールアジュバントが含 まれる。ヒトで使用するアジュバントのなかでは、BCG(カルメット-ゲラン 杆菌)及びコリネバクテリウム−パルヴム(Corynebacterium parvum)は特に好 適である。 ECMPに対する特異的抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペ プチド、またはその断片は、好ましくは5個以上のアミノ酸、より好ましくは1 0個以上のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。またこれらの配列は、自然 タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であり、小形の自然発生の分子の全アミ ノ酸配列を含んでいるのが好ましい。ECMPアミノ酸の短いストレッチを、キ ーホールリンペットヘモシアニンやキメラ分子に対して産生された抗体のような 他のタンパク質の配列に融合してもよい。 ECMPのモノクローナル抗体は、培地内の連続株細胞に抗体分子を産生させ る任意の技術を用いて作製できる。このような技術には、以下のものに限定はし ないが、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及びEBV−ハ イブリドーマ技術(Kohler,G.等(1975)Nature 256:495-497;Kozbor,D.等(1983) Immunol Methods 81:31-42;Cote,R.J.等(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.80:2026-203 0;Cole,S.P.等(1984)Mol.Cell Biol.62:109-120)が含まれる。 さらに、適切な抗原特異性並びに生物活性を有する分子を得るための「キメラ 抗体」の産生、即ちヒト抗体遺伝子へのマウス抗体遺伝子の結合のために開発さ れた技術が用いられる(Morrlson,S.L.等(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851-685 5;Neuberger,M.S.等(1984)Nature 312:604-608;Takeda,S.等(1985)Nature 314:452-454)。或いは、一本鎖抗体の生成のための周知技術を適用して、EC MP特異的一本鎖抗体を作り出すことができる。関連する特異性を有するがイデ ィオタイプの構成が異なる抗体は、無作為の免疫グロブリン組み合わせライブラ リーからの鎖再編成(chain shuming)によって作り出すことができる(Burton D.R.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.88:11120-3)。 また抗体は、文献(Orlandi,R.等(1989),Proc.Natl.Acad.Sci.86:3833-3837; Winter,G.等1991,Nature 349:293-299)に開示されているように高度に特異的な 結合試薬のパネルや組換え免疫グロブリンライブラリーをスクリーニングするこ とにより、或いはリンパ球集団でのin vivo産生を誘導することにより作り出す こともできる。 ECMPに対する特異結合部位を含む抗体フラグメントも生成することができ る。このようなフラグメントには例えば、限定はしないが、抗体分子のペプシン による消化で生成することができるF(ab')2フラグメントや、F(ab')2フラグメン トのジスルフィド架橋を減らすことにより生成することができるFabフラグメン トが含まれる。別法として、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメ ントを迅速かつ容易に同定できるように、Fab発現ライブラリーを作製してもよ い(Huse,W.D.等(1989)Science 256:1275-1281)。 種々のイムノアッセイを、所望の特異性を有する抗体を同定するためのスクリ ーニングに利用することができる。確立された特異性を有するモノクローナル抗 体或いはポリクローナル抗体のいずれかを用いる競合的結合アッセイ或いは免疫 放射線測定法の種々のプロトコルが当分野ではよく知られている。このようなイ ムノアッセイでは、ECMPとその特異的抗体との複合体の形成、並びに複合体 形成の測定が行われる。特定のECMPタンパク質上の2つの互いに非干渉なエ ピトープに対して反応するモノクローナル抗体を用いる二部位モノクローナル抗 体ベースイムノアッセイ(two sites monoclonal based immunoassay)が好適で あるが、競合的結合アッセイも用いられる(Maddox,前出)。 本発明の別の実施例では、ECMPをコードするポリヌクレオチド、 またはその任意の断片やアンチセンス配列を、治療上の目的で用いることができ る。或る実施態様では、mRNAの転写を阻害することが望ましいような状況に おいて、ECMPをコードするポリヌクレオチドに対する相補配列を用いること ができる。詳述すると、ECMPをコードするポリヌクレオチドに相補的な配列 で細胞を形質転換することができる。従って、相補分子または断片を用いて、E CMPの活性を変調したり、遺伝子機能を調節することができる。このような技 術は現在周知となっており、センス又はアンチセンスオリゴマー、若しくはより 大きな断片を、ECMPコーディング配列のコード領域や調節領域の様々な位置 から設計することができる。 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス或いはワクシニアウイルス由来の 発現ベクター、或いは種々の細菌性プラスミドに由来する発現ベクターは、標的 の器官、組織、または細胞群へのヌクレオチド配列の送達のために用いられる。 当業者によく知られた方法を用いて、ECMPをコードする遺伝子のポリヌクレ オチドに相補的な核酸配列を発現するベクターを作製することができる。これら の技術はSambrook等(前出)及びAusubel等(前出)に記載されている。 ECMPをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を高レベルで発現する 発現ベクターで細胞または組織を形質転換させることにより、ECMPをコード する遺伝子の機能を停止させることができる。このような作製物は、翻訳不可能 なセンス配列或いはアンチセンス配列を細胞に導入するために用いることができ いる。このようなベクターは、DNAへ組み込みがなされない場合ですら、その ベクターが内在性ヌクレアーゼにより機能停止状態となるまで、RNA分子を転 写し続ける。このような一過性の発現は、非複製ベクターでも1ヶ月以上、適当 な複製エレメントがベクター系の一部である場合には更に長い期間継続し得る。 上述のように、ECMPをコードする遺伝子の制御5’領域、つまり調節領域 (シグナル配列、プロモーター、エンハンサー、及びイントロン)に対する相補 配列、つまりアンチセンス分子(DNA、RNAまたはPNA)を設計することに より遺伝子発現を変化させることができる。転写開始部位、例えばリーダー配列 の+10〜−10領域の間に由来するオリゴヌクレオチドが好適である。同様に 、「三重らせん」塩基対合法を用いて阻害を達成することができる。三重らせん 対合が有用なのは、それが、ポリメラーゼ、転写因子、或いは調節分子が結合す るために二重らせんが十分にほどける能力を阻害するからである。三重らせんD NAを用いた最近の治療上の進歩については、文献(Gee,J.E.等(1994)In:Huber ,B.E汲びB.I.Carr,Molecular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co,MtKisco NY)に記載されている。転写物がリボソームへ結合しないようにす ることによって、mRNAの転写を阻害するために、相補的配列、つまりアンチ センス分子を設計することもできる。 リボザイムはRNAの特異的切断を触媒することができる酵素性RNA分子で ある。リボザイムの作用機構では、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列 特異的ハイブリダイゼーションが行われ、その後エンドヌクレアーゼによる切断 (endonucleolytic cleavage)がなされる。使用され得る実施例には、ECMP をコードする配列のエンドヌクレアーゼによる切断を特異的かつ効果的に触媒し 得る人工合成のハンマーヘッド型リボザイム分子も含まれている。 任意の標的可能RNA内の特異的なリボザイム切断部位を、初めに、配列GUA 、GUU並びにGUCが後続するリボザイム切断部位に対する標的分子を調べることに よって同定する。ひとたびその同定がなされると、切断部位を含む標的遺伝子の 領域に対応する15〜20個のリボヌ クレオチドの間の短いRNA配列を、そのオリゴヌクレオチドの機能を停止させ る2次構造の特徴について評価することが可能となる。候補の標的部分の適切性 も、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて相補的なオリゴヌクレオチドとのハ イブリッド形成に対する接触性(accessibility)をアッセイすることにより評 価することもできる。 本発明の相補的リボ核酸分子及びリボザイムは、RNA分子を合成するのため の当分野で周知の方法により作製することができる。これらの技術には、固相ホ スホラミダイト(phosphoramidite)化学合成法のようなオリゴヌクレオチドの 化学的合成技術が含まれる。或いは、RNA分子を、ECMPをコードするDN A配列のin vivo及びin vitroでの転写により作り出すことができる。このよう なDNA配列は、T7或いはSP6のような適切なRNAポリメラーゼプロモー ターを有する多種のベクターに組み込むことができる。或いは、構成的に或いは 誘導的にアンチセンスRNAを合成するアンチセンスcDNA作製物を、株化細 胞、細胞或いは組織内に導入することができる。 RNA分子はその細胞内安定性を高め及び半減期を長くするために修飾するこ とができる。可能な修飾には、限定はしないが、その分子の5’末端か3’末端 、或いはその両方へのフランキング配列の付加や、分子のバックボーン内におい てホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオネート(phosphorothioate) 或いは2’O−メチルを使用することが含まれる。このコンセプトは、PNA生 成固有のものであり、内在性エンドヌクレアーゼにより容易に認識されないアデ ニン、グアニン、シチジン、チミン、及びウリジンの、アセチル−、メチル−、 チオ−形態、及び類似の改変形態とともに、イノシン、キュエオシン(queosine )、及びワイブトシン(Wybutosine)のような従来あまり用いられなかった塩基 を含めることによって、これら全ての分子に拡張することができる。 細胞或いは組織内にベクターを導入するための多くの方法が利用可能であり、in vivoin vitro、及びex vivoの使用に対しても同様に適切なものである。ex vivo治療法の場合には、患者から採取された幹細胞にベクターを導入し、自家 移植用のクローンとして増殖して同じ患者に戻す方法がある。またトランスフェ クションによるデリバリー、リポソーム注入またはポリカチオンアミノポリマー によるデリバリー(Goldman,C.K.等(1997)Nature Biotechnology 15:462-66;こ こで引用することにより本明細書と一体にされたものとする)は、当分野でよく 知られた方法を用いて実施することができる。 上述の治療法の何れも、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、及び 最も好ましくはヒトのような哺乳類を含む、任意の適切な被験体に適用すること ができる。 本発明の更に別の実施例では、上述の治療効果のいずれかをあげるために、医 薬品組成物を医薬上許容される担体とともに投与する。このような医薬品組成物 は、ECMP、ECMPに対する抗体、ECMPの擬似物、アゴニスト、アンタ ゴニスト、又はインヒビターからなるものであり得る。この医薬品組成物は、単 体で、或いは例えば安定剤のような1種以上の他の薬剤と組み合わせて、任意の 滅菌した生体適合性の医薬用担体に含めて投与される。このような担体には、限 定はしないが、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖或いは水が含まれる。これら の分子は、患者に対して、単体で、或いは他の薬品やホルモンと結合して投与さ れ得る。 本発明で用いられる医薬品組成物の投与経路には、以下の経路に限定されない が、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、髄内投与、くも膜下内投 与、心室内投与、経皮投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、経腸投与、局 所投与、舌下投与、或いは直腸内投与が含ま れ得る。 これらの医薬品組成物は、活性成分に加えて、医薬上使用可能な製剤内への活 性化合物の処理を容易にし、賦形剤及び補助剤を含む適切な医薬上許容される担 体を含み得る。調合或いは投与に関する技術の詳細は、“Remington's Pharmace utical Sciences”(Maack Publishing Co,Easton PA)の最新版において見るこ とができる。 経口投与用の医薬品組成物は、当分野でよく知られる製薬学的に許容される担 体を用いて適切な剤形に製剤される。このような担体により、医薬品組成物は、 治療を受ける患者による経口及び鼻腔摂取のための、錠剤、丸剤、カプセル剤、 液体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液或いは類似の製剤として処方 される。 経口投与するための製剤は、活性化合物と固形の賦形剤とを結合することによ って作製できるが、所望に応じて、必要なら適切な補助剤を添加した後、得られ た混合物を粉砕し、顆粒の混合物を処理して錠剤或いは糖衣剤コアを作ることが できる。適切な賦形剤は、ラクトース、スクロース、マンニトール或いはソルビ トールを含む砂糖のような糖質或いはタンパク質充填剤、とうもろこし、小麦、 米、じゃがいも等からのでんぷん、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ ルセルロース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムのようなセルロー ス、アラビアゴム或いはトラガカントのようなゴム、並びにゼラチン或いはコラ ーゲンのようなタンパク質である。必要ならば、架橋結合したポリビニルピロリ ドン、寒天、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸或いはアルギン酸ナトリ ウムや、その塩のような、崩壊剤或いは可溶化剤が加えられる。 糖衣剤コア(dragee core)は、濃縮砂糖溶液のような適切な錠皮を与えられ るが、溶液はアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カ ルボポルゲル剤、ポリエチレングリコール並びにまた二酸化チタン、ラッカー溶 液及び適切な有機溶剤或いは溶剤混合物が含み得る。錠剤の識別のため、すなわ ち活性化合物の量、すなわち投与量を特徴付けるために染料或いは色素が錠剤或 いは糖衣錠皮に加えられてもよい。 経口投与可能な製剤は、ゼラチンからなるプッシュフィットカプセル及びゼラ チンからなる柔らかい、密封されたカプセル、並びにグリセロール或いはソルビ トールのような錠皮を含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトース或いはで んぷんのような充填剤或いは結合剤、タルク或いはステアリン酸マグネシウムの ような潤滑剤、並びに付加的には安定剤と混合された活性処方組成物を含み得る 。柔らかいカプセルでは、活性化合物は、安定剤とともに或いは安定剤なしで、 脂肪油、液体パラフィン、液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶 解或いは懸濁される。 非経口投与用の製剤は、水溶性の活性化合物の水溶液を含む。注射用として、 本発明の薬品組成物を水溶液、好適にはハンクの溶液、リンゲル溶液或いは生理 緩衝食塩水のような生理学的に適合性の緩衝液に入れて製剤することができる。 水性の注入懸濁剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール 或いはデキストランのような懸濁剤の粘性を高める物質を含み得る。更に、活性 成分の懸濁液は、適切な油性注入懸濁剤として調製される。適切な親油性の溶媒 或いは媒介物は、胡麻油のような脂肪油や、オレイン酸エチル、トリグリセリド 或いはリポソームのような合成脂肪酸エステルを含む。また懸濁剤は、所望に応 じて、溶解度を増加し濃縮度の高い溶液の調製を可能にする適切な安定剤或いは 薬剤を含んでもよい。 局所的投与または経鼻粘膜投与用には、浸透される特定の障壁に対して適切な 浸透剤を用いて調合が行われる。このような浸透剤は、当技術 分野において周知である。 本発明の医薬品組成物は周知の方法、例えば従来の混合処理、溶解処理、顆粒 化処理、糖衣形成処理、研和処理、乳化処理、封入処理(entrapping)処理或い は凍結乾燥処理により製造される。 この医薬品組成物は塩類として提供されることもあり、限定はしないが、塩酸 、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む、多くの酸とともに 形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態である水性或いはプロトニ ック溶剤において、より可溶性が高くなる傾向がある。他の場合には、好適な製 剤は、1mM〜50mMのヒスチジン、0.1%〜2%のショ糖、使用前に緩衝 剤と結合させたpH4.5〜5.5の範囲にある2%〜7%のマンニトールにお ける凍結乾燥粉末である。 医薬上に許容される担体内に製剤された本発明の化合物を含む組成物は、調製 された後、適切な容器内に入れて、さらに提示した疾病状態の治療のためにラベ ル付けすることができる。ECMPの投与の場合、このようなラベルには、投与 の量、頻度、方法が表示される。 本発明において使用するために適切な医薬品組成物は、活性成分を所望の目的 を達成するための有効量含む組成物である。有効量の決定は、当業者の能力の範 囲内で十分行うことができる。 任意の化合物について、治療上有効な量は、初めに、新生物細胞、或いは通常 マウス、ウサギ、イヌ、ブタのような動物モデルの何れかの細胞培地のアッセイ から推定される。次に、このような情報を利用して、ヒトにおける有効な量や投 与経路を決定することができる。 治療上有効な量とは、症状や状態を改善するタンパク質、その抗体、アンタゴ ニスト、またはインヒビターの量である。そのような化合物の毒性及び治療上の 有効性は、例えばLD50(個体群の50%の致死投 与量)及びED50(個体群の50%における治療上の有効量、50%有効量) を決定するための、細胞培地或いは実験動物における標準的な製薬学的方法によ り決定することができる。毒性と治療有効性との間の投与量比は治療指数であり 、LD50/ED50の比として表すことができる。 大きな治療指数を示す医薬品組成物が好ましい。これらの細胞培地のアッセイ 及び付加的な動物研究から得られるデータは、ヒトへの使用に対する投与量の範 囲を決める際に用いることができる。そのような化合物の投与量は、毒性がほと んど或いは全くなく、ED50を達成する循環濃度の範囲内にあることが望まし い。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性並びに投与経路に応じてこの範囲 内で変化する。 正確な投与量は、治療が必要な患者に関連する要因群を考慮して担当医師が選 択する。投与量及び投薬量は、十分なレベルの活性成分を与え、かつ所定の効果 を維持するために調節される。考慮すべき付加的な要因は、疾患状態の重症度、 または患者の年齢、体重並びに性別、食事、投与の時間及び頻度、併用する薬剤 、反応感受性、並びに治療への耐性/反応を含む。長期的に作用する薬品組成物 は3〜4日毎に、1週間毎に、或いは半減期及び特定の処方のクリアランス速度 に応じて2週間に1度投与してもよい。 通常の投与量は0.1〜100,000μgの範囲にあって、全投与量は最大約1gであり 、投与経路に応じて変わってくる。特定の投与量或いは送達の方法に関する手引 きは、当分野の実施者が通常入手できる文献において見出すことができる。当業 者であれば、ヌクレオチドに対しては、タンパク質やインヒビター用の剤形とは 異なる剤形を採用するであろう。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド の送達方式は、特定の細胞、状態、位置等によって決まってくる。 診断 別の実施例では、ECMPに特異的に結合する抗体を、ECMPの発現によっ て特性化される状態や疾病の診断や、ECMPで治療を受けている患者のモニタ リングのためのアッセイにおいて用いることができる。診断のために有用な抗体 は、上述の治療用のものと同一の方法で作製することができる。ECMPの診断 検査法には、ヒトの体液、細胞或いは組織の抽出物においてECMPを検出する ために抗体或いは標識を利用する方法が含まれる。本発明のポリペプチド及び抗 体は、修飾しても、修飾なしでも用いることができ、共有結合、或いは非共有結 合かのいずれかでリポーター分子と結合させることにより標識することができる 。種々のリポーター分子が周知となっており、その幾つかについては上記した。 例えばELISA(酵素結合免疫測定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)並びにFA CS(蛍光表示式細胞分取器法)を含む、ECMPを測定するための種々のプロト コルが当分野では周知であり、これによってECMP発現の変化や異常を診断す るための基礎が得られる。ECMPの発現の正常値、つまり標準値は、哺乳動物 、好ましくはヒトの正常な被験者から得られる体液或いは細胞抽出物とECMP に対する抗体とを、複合体形成に適した条件の下で結合させることによって得る ことができる。標準の複合体形成量は、種々の方法、好ましくは測光手段を用い ることにより定量することができる。被験者の、生検組織の患部組織サンプル及 び対照サンプルにおいて発現されたECMPの量を、標準値と比較する。標準値 と被験者の値との偏差から、疾病の診断のためのパラメータが確立される。 本発明の別の実施例では、ECMPをコードするポリヌクレオチドを、 診断目的で用いることができる。使用できるポリヌクレオチドには、オリゴヌク レオチド配列、相補的RNA及びDNA分子、及びペプチド核酸(PNA)が含 まれる。このポリヌクレオチドは、ECMPの発現が疾病と関係がある可能性が ある生検組織における遺伝子発現を検出し、定量するために用いられる。診断ア ッセイは、ECMPが存在する状態か、存在しない状態か、過剰発現している状 態の何れの状態にあるかを区別したり、治療上の介入の際にECMPレベルの調 節をモニタリングするのに役立つ。 或る実施態様では、ECMPまたは近縁な分子をコードする、ゲノム配列を含 むポリヌクレオチド配列を検出できるPCRプローブとのハイブリダイゼーショ ンを利用して、ECMPをコードする核酸配列を同定することができる。そのプ ローブの特異性、即ちそのプローブが非常に高度に特異的な領域(例えば5’調 節領域における10個の独特のヌクレオチド)、或いは特異性の度合いの低い領 域(例えば特に3’領域におけるコーディング領域)の何れに由来するのかとい うことによって、及びハイブリダイゼーション或いは増幅の(高い、中程度の或 いは低い)厳密性によって、そのプローブが自然発生ECMPのみを同定するも のであるか、或いはアレル配列や近縁な配列も同定するものであるかということ が決まってくる。 プローブは、近縁な配列を検出するためにも用いることができ、好ましくは、 ECMPをコードする任意の配列から得られるヌクレオチドを少なくとも50% 含むべきである。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、配列番号:2ま たは配列番号:4のヌクレオチド配列か、自然発生ECMPのイントロン、プロ モータ、及びエンハンサーエレメントを含むゲノムの配列に由来するものであり 得る。 ECMPをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーショ ンプローブを作製するための他の手段には、ECMPやECMP誘導体をコード する核酸配列を、mRNAプローブ生成のため、ベクターにクローン化する方法 がある。このようなベクターは周知で市販されており、適切なRNAポリメラー ゼや適切な標識ヌクレオチドを付加することにより、in vitroでのRNAプロー ブ合成のために用いることができる。ハイブリダイゼーションプローブは種々の リポータ分子により標識することができ、この標識には、32Pや35Sのような放 射性核種や、アビジン/ビオチン結合系を介してプローブに結合するアルカリホ スファターゼのような酵素標識等が含まれる。 ECMPをコードするポリヌクレオチドを、ECMPの発現が関連する状態ま たは疾患の診断のために用いることができる。このような状態または疾患には、 例えば副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、子宮頚、胆嚢、神経節、胃腸管、心臓 、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚 、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、及び子宮の癌のような癌や;例えばAIDS、ア ジソン病、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、貧血症、喘息、アテローム性動脈 硬化症、気管支炎、胆嚢炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、皮 膚筋炎、糖尿病、肺気腫、結節性紅斑、萎縮性胃炎、腎炎、痛風、グレーブス病 、過好酸球増加症、過敏性腸症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋 無力症、心筋又は心膜の炎症、変形性関節炎、骨粗鬆症、膵臓炎、多発筋炎、リ ウマチ性関節炎、強皮症、シェーグレン症候群、ウェルナー症候群、及び自己免 疫性甲状腺炎のような疾患や:癌、血液透析、体外循環の合併症や;ウイルス、 細菌、真菌、寄生虫、原虫、及び蠕虫の感染症や、外傷が含まれる。ECMPを コードするポリヌクレオチド配列を、患者の生検組織や体液を利用する、サザン ブロット法或いはノーザンブロット法、ドットブロット法或いは他の膜ベース技 術や、PCR 技術、ディップスティック試験法(試験紙法)、ピン或いはチップ技術及びELIS Aアッセイまたはマイクロアレイにおいて用いて、ECMP発現の変化を検出す ることができる。このような定性的或いは定量的試験法は当分野では周知である 。 特定の実施態様では、種々の癌、特に上述の癌の活性化、つまり誘発を検出す るアッセイにおいてECMPをコードするヌクレオチド配列を用いることができ る。ECMPをコードするヌクレオチド配列を標準的な方法で標識し、ハイブリ ダイゼーション複合体の形成に適した条件の下で患者の体液や組織サンプルに加 え得る。適当なインキュベーション時間の経過後、このサンプルを洗浄しシグナ ルを定量して、標準値と比較する。生検サンプルまたは抽出サンプルにおけるシ グナルの量が、比較できる対照サンプルのシグナル量と有意に異なっている場合 、このヌクレオチド配列はサンプルのヌクレオチド配列とハイブリダイズしてお り、サンプルのなかのECMPをコードするヌクレオチド配列のレベルの変化が 存在することは、関連する疾患の存在を示している。このようなアッセイは、動 物実験、臨床試験、または個々の患者の治療のモニタリングにおける特定の治療 上の処置の有効性を評価するために用いることもできる。 ECMPの発現に関連する疾病の診断の基礎とするために、正常な、つまり標 準の発現プロフィールを確立する。この標準プロフィールは、動物或いはヒト何 れかの正常な被験者から採取された体液或いは細胞抽出物を、ハイブリダイゼー ション或いは増幅に適した条件下でECMPをコードする配列又はその断片と結 合することにより確立する。標準のハイブリッド形成量は、既知の量の実質的に 精製されたECMPが用いられる実験で得られる値と、正常被験者で得られる値 とを比較することにより定量することができる。正常なサンプルから得られた標 準値は、 疾病の症状を呈する患者のサンプルから得られる値と比較することができる。標 準値と被験者値との偏差を用いて疾病の存在を確認する。 ひとたび疾患が確認され、治療プロトコルが開始されると、このようなアッセ イを定期的に反復して行い、患者における発現のレベルが正常な患者において観 察されるレベルに近づき始めたか否かを評価することができる。継続的なアッセ イから得られる結果を用いて、数日間或いは数ヶ月にわたる期間での治療の効果 を知ることができる。 癌については、患者の生検組織において転写物が比較的多量に存在することが 、疾病の発生の素因を示し、つまり実際の臨床的症状が現れる前に疾病を検出す る手段となり得る。このタイプのより確定的な診断により、医療従事者が予防的 処置を講じたり、より早期に積極的な治療を開始し、癌の発生や更なる進行を予 防することが可能となる。 ECMPをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドの別の診断目的 の使用法では、PCR法を利用することがある。このようなオリゴマーは化学的 に合成したり、酵素を用いて作製したり、或いはin vitroで作製してもよい。オ リゴマーは、特定の遺伝子或いは状態を識別するために最適な条件下で用いられ る2種のヌクレオチド配列、即ちセンス方向(5’→3’)のヌクレオチド及び アンチセンス方向(3’←5’)のヌクレオチドからなるのが好ましい。同一の 2種のオリゴマーや入れ子オリゴマーの組、或いはオリゴマーの縮重プールでも 、近縁なDNAまたはRNA配列の検出及び/または定量のため低めの厳密性条 件の下で用いることができる。 さらにECMP発現の定量のために用いることができる方法には、放射標識( radiolabeling)或いはビオチン標識したヌクレオチドの利用、対照の核酸の同 時増幅(coamplification)の利用、並びに実験結果を補完して引かれた標準の グラフ曲線の利用も含まれる(Melby,P.C.等 (1993)J.Immunol.Methods,159:235-44;Duplaa,C.等(1993)Anal.Biochem.229-23 6)。多数のサンプルの定量は、目的のオリゴマーが様々な希釈溶液中に存在し、 分光光度計を用いたり比色定量により迅速に定量することができるELISA形式で アッセイを行うことによって一層迅速に実施することができる。 別の実施例では、ここに開示する任意のポリヌクレオチド配列を起源とするオ リゴヌクレオチドを、マイクロアレイにおける標的として用いることができる。 マイクロアレイを用いることにより、多くの遺伝子の発現レベルを同時にモニタ し(転写物イメージを生成する)、また遺伝子の変異体、変異及び多形性を同定 することができる。この情報は、遺伝子の機能の決定や、疾病の遺伝的な基礎の 理解、疾病の診断、及び治療薬の開発やその活性のモニタリングにおいて役立つ (Heller,R.等.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.94:2150-55)。 或る実施例では、PCT出願WO95/11995(Chee等.)、Lockhart,D.J.等.(1996 ;Nat.Biotech.14:1675-1680)及びSchena,M.等.(1996;Proc.Natl.Acad.Sci.93: 10614-10619)に記載の方法によりマイクロアレイを準備し、利用する。上記の文 献はここに引用することにより本明細書の一部とする。 マイクロアレイは、好ましくは、固形支持体に固定された、通常は合成アンチ センスオリゴヌクレオチドかcDNAの断片の何れかである、数多くの一義的な 一本鎖の核酸配列から構成される。このオリゴヌクレオチドの長さは、好ましく は6〜60個のヌクレオチドからなる長さ、より好ましくは15〜30個のヌク レオチドからなる長さ、最も好ましくは20〜25個のヌクレオチドからなる長 さである。マイクロアレイの一定のタイプでは、7〜10ヌクレオチドの長さし かないオリゴヌクレオチドを用いるのが好ましいことがある。マイクロアレイは 、既知の 5’又は3’配列をカバーするオリゴヌクレオチド、完全長配列をカバーする連 続的なオリゴヌクレオチド、又は配列の長さ方向に沿った特定の領域から選択さ れた一義的なオリゴヌクレオチドを含み得る。マイクロアレイにおいて用いられ るポリヌクレオチドは、少なくとも配列の断片が既知である標的の遺伝子又は遺 伝子群に特異的なオリゴヌクレオチド、或いは特定の細胞の型、発達又は疾病の 状態に対して共通な1種又は2種以上の未同定cDNAに特異的なオリゴヌクレ オチドであり得る。 マイクロアレイ用に既知の配列に対するオリゴヌクレオチドを作製するために 、ヌクレオチド配列の5’またはより好ましくは3’末端から、コンピュータア ルゴリズムを用いて目的の遺伝子を調べる。このアルゴリズムでは、その遺伝子 に独特でハイブリダイゼーションに適した範囲内のGC含量を有し、ハイブリダ イゼーションを妨げる可能性のある推定上の二次構造の無い、決まった長さのオ リゴマーを同定する。或る場合には、マイクロアレイ上でオリゴヌクレオチドの ペア(対)を用いるのが適切なことがある。この複数「ペア」は、好ましくは配 列の中央部に位置する一個のヌクレオチドを除いて同一のものである。(一個の ヌクレオチドだけが一致していない)ペアの第2のオリゴヌクレオチドが対照と しての役目を果たす。オリゴヌクレオチドのペアの数は、2個から100万個の範 囲であり得る。このオリゴマーは、光照射化学プロセスを用いて基板上の所定の 領域において合成される。この基板は、紙、ナイロン、又は他のタイプのメンブ ラン、濾紙、チップ、スライドガラス、又は他の任意の適切な固形支持体であり 得る。 別の実施態様では、オリゴマーを、PCT出願WO95/251116(Baldeschweiler 等.)に記載のように化学結合プロシージャ及びインクジェット装置を用いるこ とによって基板の表面上で合成することができる。上記PCT出願はここに引用 することにより本明細書の一部とす る。別の実施態様では、ドットブロット(又はスロットブロット)に類似した「 格子型」アレイを使用し、真空システム、熱、UV、機械的又は化学的結合プロ シージャを利用してcDNA断片又はオリゴヌクレオチドを基板の表面上に配置 し結合することができる。アレイは、手作業で製作するか、或いは市販の装置( スロットブロット又はドットブロット装置)、材料(任意の適切な固形支持体) 、及び機械(ロボット装置を含む)を用いることにより製作することができ、市 販の器具を効果的に使用できる、8、24、96、384、1536、又は6144個のオリゴヌ クレオチド、若しくは2個から100万個の範囲の任意の数のオリゴヌクレオチド を含み得る。 マイクロアレイを用いたサンプル解析を行うために、生物学的サンプルから得 られるRNA又はDNAをハイブリダイゼーションプローブにする。このmRN Aを単離し、cDNAを作製して、アンチセンスRNA(aRNA)を作るため の鋳型として用いる。aRNAを蛍光標識したヌクレオチドの存在下で増幅させ 、標識されたプローブをマイクロアレイと共にインキュベートすると、プローブ 配列がマイクロアレイの相補的なオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする。イ ンキュベーション条件は、ハイブリダイゼーションが正確な相補的一致をもって 起こるか、或いは種々のより低いレベルの相補性で起こるように調節する。ハイ ブリダイズしたプローブを取り除いた後、スキャナーを用いて、蛍光のレベル及 びパターンを決定する。スキャンされたイメージを調べて、マイクロアレイ上の 各オリゴヌクレオチド配列の相補性の程度及び相対的な量を求める。生物学的サ ンプルは、体液(例えば血液、尿、唾液、痰、胃液等)、培養された細胞、生検 組織、又は他の組織調製物から得ることができる。検出システムを用いることに より、全ての個別の配列について同時にハイブリダイゼーションの不存在、存在 、及び量を測定する ことができる。このデータは、サンプルにおける配列、突然変異、変異体、又は 多形体についてのラージスケールの相関性の研究のために用いることができる。 本発明の別の実施例では、ECMPをコードする核酸配列を用いて、自然発生 のゲノム配列マッピングのためのハイブリダイゼーションプローブを作り出すこ ともできる。この配列を、特定の染色体、染色体の特定の領域、又は人工染色体 作成物にマッピングすることができる。前記人工染色体作製物には、例えばヒト 人工染色体(HAC)、酵母菌人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC )、細菌性P1作製物又は一本鎖染色体cDNAライブラリーがあり、Price,C. M.(1993)Blood Rev.7:127-134,及びTrask,B.J.(1991)Trends Genet.7:149-154 にその概要が記載されている。 蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH、Verma等(1988)Human Chromosomes :A Manual of Basic Technioue ,Pergamon Press,New York,NY”に記載)は、他の 染色体マッピング技術及び遺伝子地図データと関係を有し得る。遺伝子地図デー タの例は、種々の科学誌や、Online Mendelian Inheritance in Man(OMIM)に 見ることができる。物理的染色体地図上でのECMPをコードする配列の位置と 、特定の疾病(または特定の疾病の素因)との相関関係を助けとして、ある遺伝 病が関係するDNAの領域の限界決定ができる。本発明のヌクレオチド配列を用 いて、正常者とキャリア、つまり患者との遺伝子配列の違いを検出することがで きる。 染色体作製物のin situハイブリダイゼーション及び確立された染色体マーカ ーを用いる連鎖解析のような物理的マッピング技術は、遺伝子地図を拡大するた めに用いることができる。多くの場合、特定のヒト染色体の数或いはアームが未 知であっても、マウスのような別の哺乳動物 の染色体上の遺伝子配置から、関連するマーカーがわかる。新たな配列は、物理 的マッピングにより染色体のアーム、或いはその一部へ割当てることができる。 これにより、位置クローニング或いは他の遺伝子発見技術を用いて疾病遺伝子を 調査する研究者に貴重な情報を提供できる。ひとたび毛細血管拡張性運動失調( AT)のような疾患或いは症候群が、特定のゲノム領域、例えばATならば11q22-23 (Gatti,R.A.等(1988)Nature 336:577-580)への遺伝子連鎖によって粗い局所 化がなされれば、その領域にマッピングされる任意の配列は、さらなる研究のた めの関連する遺伝子、或いは調節遺伝子を表し得ることになる。本発明のヌクレ オチド配列を、正常者の染色体の位置と、キャリアつまり患者の、転座、逆位等 によって生じた染色体の位置との違いを検出するために用いることもできる。 本発明の別の実施例では、ECMPや、その触媒作用性または免疫原性断片つ まりオリゴペプチドを、種々の薬物スクリーニング技術において治療用化合物の スクリーニングのために用いることができる。そのような試験において用いられ る断片は、溶液に遊離した形態で存在するか、固体支持体へ付着した形態で存在 するか、細胞表面へ付着した形態で存在するか、或いは細胞内に存在するもので あり得る。ECMPと試験対象の薬剤との結合複合体形成を測定することができ る。 ECMPポリペプチドへの適切な結合親和性を有する化合物の高スループット スクリーニングのために用いることができる別の薬物スクリーニング技術が、公 開されたPCT出願WO84/03564に詳細に記載されている。この方法をECMPに適 用する場合には、多数の異なる小形ペプチドの試験化合物を、プラスチックピン 或いは他の表面のような固体基質上で合成する。ポリペプチド試験用化合物をE CMP又はその断片と反応させ、洗浄する。次に結合ECMPを当分野で周知の 方法により検 出する。また、前述の薬物スクリーニング技術において使用するために、精製E CMPをプレート上に直接コーティングすることもできる。この他、ペプチドを 捕捉して固体支持体上にペプチドを固定するために非中和抗体を用いることがで きる。 別の実施例では、ECMPに結合し得る中和抗体が、ECMPとの結合につい て試験化合物と特異的に競合する競合的薬物スクリーニングアッセイを使用する ことができる。このように、抗体を用いて、1種または2種以上の抗原決定基を ECMPと共有する任意のペプチドの存在を検出することができる。 更に別の実施例では、ECMPをコードするヌクレオチド配列を、現在までに 開発されていない技術であって、その新技術が、以下に限らないが、例えばトリ プレット遺伝暗号及び特異的塩基対相互作用のような特性を含む現在周知のヌク レオチド配列の特性に基づく技術であれば、そのような分子生物学的技術におい ても用いることができる。 以下に示す本発明の実施例は、単なる例示であって、本発明をこの実施例に限 定しようとするものではない。実施例 1 cDNAライブラリーの作製 CORNNOT01 角膜線維芽細胞CORNNOT01 cDNAライブラリーを、Stratagene社に依頼して 、年齢76歳の被験者の角膜線維芽細胞から単離された基質RNAを用いてカス タム品として作製した。Stratagene社は、XhoIオリゴd(T)プライマを用いてcD NAライブラリーを作製した。二本鎖のcDNAを平滑末端化し、EcoRIにリゲ ートし、XhoIで切断し、サイズ選択して、Lambda UniZAPTMベクター(Stratagen e)のXhoI及び EcoR1部位にクローン化した。Lambda UniZAPTMのパッケージングの後、2×106 個の初代クローンを増幅し、長期間の保管のためにライブラリーを安定化した 。 このcDNAライブラリーを、DNAプローブを用いて質についてス した。次にカスタム品として作製したライブラリーファージ粒子を大腸 性ベクターには、以下に限定されないが、pcDNA1(Invitrogen,Carlsbad,CA)及び pSHlox-1(Novagen,Madison WI)が含まれる。 BRAITUT13 脳腫瘍BRAITUT13 cDNAライブラリーを、脳の左前部の脳膜腫と診断された 年齢68歳の白人男性から、脳脊髄膜切除の際に採取された癌性の組織から作製 した。外科手術の前に、この患者は、組織移植による大動脈弁の交換手術を受け ていた。 冷凍組織を、Brinkmann Homogenizer Polytron PT-3000(Brinkmann Instrume nts,Inc.,Westbury,NJ)を用いて、グアニジウムイソチオシアネート溶液の中で ホモジナイズし溶解した。この溶解産物を、Beckman L8-70M超遠心分離機におい てBeckman SW28ロータを用いて(Beckman Instruments)、外界温度で18時間、 1分当たり25000回転の回転速度で5.7Mの塩化セシウムクッションを用いて遠心 分離にかけた。RNAを酸性フェノールpH4.7で抽出し、0.3Mの酢酸ナトリウム 及び2.5倍量のエタノールを用いて沈殿させ、RNアーゼの無い水に再度懸濁し 、37℃でDNアーゼ処理した。次にQiagen Oligotex kit(QIAGEN,Inc.,Chatswo rth,CA)を用いてRNAを単離し、それを用いてcDNAライブラリーを作製し た。 このRNAは、SuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Cloning(Cat.# 18248-013,Gibco/BRL,Gaithersburg,MD)の推奨プロト コルに従って取り扱った。cDNAをSepharose CL4Bカラム(Cat.#275105,Phar macia)で分画化し、400bpを越えるcDNAをpSportIにリゲートした。次にこ のプラスミドpSportIをDH5aTMコンピテント細胞(Cat.#18258-012,Gibco/BRL) に入れて形質転換させた。 2 cDNAクローンの単離及び配列決定 CORNNOT01 ファージミドに組み込まれた個々のcDNAクローンを、in vivo切除プロセ スにより得た。このプロセスでは、宿主菌株、XPORT大腸菌(Stratagene、XLI B lue株)に、ラムダライブラリーファージ(Lambda Stratagene)を同時感染させた。ライブラリーを含むファージとヘルパーファー ジの双方に由来するポリペプチド、つまり酵素がDNAにニックを入れ、標的D NA上の決まった配列から新たなDNA合成を開始させ、小型の一本鎖環状ファ ージミドDNA分子が得られた。この分子は、pBluescriptファージミドとcD NAインサートの全てのcDNA配列を含んでいた。ファージミドDNAは細胞 から放出され、精製されて、これを用いて、新たな宿主細胞(SOLR,Stratagene )に再感染させ、そこで二本鎖のDNAが作られた。このファージミドはβラク タマーゼの遺伝子を有しているため、新たに形質転換された細菌は、アンピシリ ンを含む培地で選択された。 ファージミドDNAは、QIAwellTM-8 Plasmid Purification System、又はQIA well ULTRA DNA purification system(QIAGEN Inc,Chatsworth,CA)を用いて精 製した。ファージミドを精製するための代わりの方法では、Advanced Genetic T echnologies Corp.(Gaithersburg, MD)から市販されているMiniprep Kitを利用する。 BRAITUT13 プラスミドDNAはこの細胞から放出されるが、これをREAL Prep 96 Plasmid Kit(Catalog#26173,QIAGEN,Inc.)を用いて精製する。推奨プロトコルを利用 したが、以下の点を変更した。(1)25mg/Lのカルベニシリン及び0.4%のグリ セロールと共に1mlの滅菌Terrific Broth(Catalog#22711,Gibco/BRL)において 細菌を培養した。(2)植菌の後、培地を19時間インキュベートし、インキュベ ーションの終わりに0.3mlの溶解バッファーに溶解した。(3)イソプロパノー ル沈殿の後、プラスミドDNAペレットを0.1mlの蒸留水に再懸濁した。プロト コルの最終ステップの後、サンプルを96穴ブロックに移し4℃で保管した。 このcDNAの配列決定は、Peltier Thermal Cyclers(MJ Research社(Wate rtown,MA)製のPTC200)及びApplied Biosystems社製の377 DNA Sequencing Sys temsと組み合わせてHamilton Micro Lab 2200(Hamilton,Reno,NV)を用いて、San gerらの方法(1975,J.Mol.Biol.94:441f)により行った。 3 cDNAクローン及びそれらの類推されるタンパク質の相同性検索 配列表のヌクレオチド配列及び、それらから類推されるアミノ酸配列を問い合 わせ配列として用いて、例えばGenBank、SwissProt、BLOCKS、及びPima IIのよ うなデータベースを検索した。これらのデータベースには既に同定された配列が 注釈付きで含められており、BLAST(Basic Local Alignment Toolを表す)を用 いて相同性(類似性)を有する領域をこのデータベースのなかから検索した(Al tschul.S.F.(1993)J.Mol.Evol.36:290-300;Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:40 3-410)。 BLASTは、ヌクレオチド及びアミノ酸配列の両方のアライメントを 作成して配列の類似性を決定する。そのアライメントの局所性のために、BLAST は厳密な一致、すなわち原核生物(細菌)や真核生物(動物、菌類、又は植物) を起源とするホモログを求める際に特に有効である。一次配列パターンや二次構 造ギャップペナルティを処理する際には、本明細書に一体に引用されたSmith R. F.及びT.F.Smith(1992,Protein Engineering 5:35-51)に記載のもののような他 のアルゴリズムを用いることができる。本明細書に開示された配列の長さは少な くとも49ヌクレオチドであり、不必要な塩基は12%以下である(ここで、NはA 、C、G、又はT以外と記録されたものである)。 BLAST法は、本明細書に一体に引用されたKarlin.S.及びS.F.Altschul(1993:P roc.Nat.Acad.Sci.90:5873-7)に詳細に記載されているように、問い合わせ配列 とデータベースの配列の一致を検索する。BLASTは発見したあらゆる配列の一致 の統計的有意性を評価して、ユーザが選択した有意性の閾値を満たす一致のみを 報告する。本出願での閾値は、ヌクレオチドで10-25、ペプチドで10-14に設 定した。 インサイト社のヌクレオチド配列を、霊長類(pri)、げっ歯類(rod)、及び 他の哺乳類配列(mam)のGenBankデータベースで検索し、次に同じクローンから 類推されるアミノ酸配列を、GenBankの機能性タンパク質データベース、哺乳類 (mamp)、脊椎動物(vrtp)、及び真核生物(eukp)で、相同性について検索し た。特定の一致について関連するデータベースは、Gixxx±pという形式で報告さ れた(ここでxxxはpri;rod等であり、存在の場合はp=ペプチドである)。 4 ノーザン法による解析 ノーザン解析は、標識されたヌクレオチド配列と特定の細胞型または組織に由 来するRNAが結合したメンブランとのハイブリッド形成を行う、遺伝子の転写 物の存在を検出するために用いられる実験技術である (Sambrook等、前出)。 BLAST(Altschul,S.F.1993及び1990,上述)を用いる類似のコンピュータ技術 で、GenBankまたはLIFESEQTMデータベース(Incyte Pharmaceuticals)のような データベースにおける同一のまたは近縁な分子を検索した。この解析は、多くの 膜ベースのハイブリダイゼーションと比較して極めて短時間で行うことができる 。更に、コンピュータ検索の感度を変更して、ある一致が正確な一致か、相同的 であるかの分類を決定することができる。 検索の基準値は、積スコア(product score)であり、これは以下の式で定義 されるものである。 (配列の一致(%)×最大BLASTスコア(%))/100 この積スコアでは、2つの配列間の類似性の程度、及び配列の長さの一致の双方 が考慮されている。例えば、積スコアが40の場合は、一致は誤差が1〜2%の 範囲で正確であり、スコアが70の場合は正確に一致している。相同な分子は、 通常積スコアとして15〜40を示すものを選択することにより同定されるが、 スコアの低いものは近縁関係にある分子として同定される。 ノーザン解析の検索の結果は、ECMPをコードする転写物が発生するライブ ラリーのリストとして報告される。配列の存在量(abundance)、及びパーセント 存在率(percent abundance)のリストも報告される。存在量は、特定の転写物 の検出回数を直接反映し、パーセント存在率は、存在量をcDNAライブラリー 内で検出された配列の総数で除したものである。 5 ECMPをコードする配列の延長 インサイト社クローンNo.45517または162177の核酸配列を用いて、部分的ヌク レオチド配列を完全長まで伸長させるためのオリゴヌクレオ チドプライマーを設計した。一方のプライマーはアンチセンス方向の延長を開始 するために合成し、他方のプライマーはセンス方向に配列を延長するために合成 した。これらのプライマーを用いて、周知のECMP配列を「外側に」延長し、 対象の領域の新しい未知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを生成した。初 めのプライマーは、OLIGO 4.06(National Biosciences社)、或いは他の適切な プログラムを用いて、約22個から約30個のヌクレオチドからなる長さで、5 0%以上のGC含量を有し、かつ約68〜約72℃の温度で標的配列にアニール するように設計した。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体化を生じ るような任意のヌクレオチドのストレッチは避けた。 選択されたヒトcDNAライブラリー(G1bco/BRL)を用いて配列を延長した 。2段階以上の延長が必要な場合は、既知領域をさらに延長するための追加のプ ライマーの組を設計する。 XL-PCRキット(Perkin Elmer)の説明書の指示に従って、酵素と反応混合物と を完全に混合することにより、高い忠実度の増幅がなされる。40pmolの各プライ マーと、推奨された濃度の、キットの他の全ての成分とから増幅を開始する場合 、Peltier Thermal Cycler(PTC200;M.J.Reserch,Watertown MA)を用いて、以下 のパラメータでPCRを行った。 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度(約0.6〜0.8%)アガロースミ ニゲル上での電気泳動で解析して、反応物が配列を延長することに成功したか否 かを決定した。最も大きな生成物或いはバンドを選択して、ゲルから切り出し、 QIAQuickTM(QIAGEN Inc.,Chatsworth,CA)を用いて精製し、クレノウ酵素を用 いて一本鎖ヌクレオチドの延び出し(overhang)を切り取って、再結合及びクロ ーニングを容易にする平滑末端を作った。 エタノール沈殿の後、生成物を13μlのライゲーション緩衝液内に再溶解し、 1μlのT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナ ーゼを加えて、その混合物を室温で2〜3時間、或いは16℃で一昼夜インキュベー トした。コンピテント大腸菌細胞(40μlの適切な溶媒内にある)を、3μlのラ イゲーション混合物を用いて形質転換し、80μlのSOC培地(Sembrook等、上 記)で培養した。37℃で1時間のインキュベーションの後、全ての形質転換混合 物を、2xCarbを含むLuria Bertani(LB)寒天(Sembrook等、上記)上にのせた 。後日、いくつかのコロニーを各プレートから無作為に選択し、適切な市販の無 菌の96穴マイクロタイタープレートの個々のウェル内に入れられた150μlの液状 LB/2xCarb培地で培養した。さらに後日、5μlの各一昼夜の培養物を非滅菌96穴 プレート内に移し、水で1:10に希釈した後、それぞれ5μlのサンプルをPCRア レイに移した。 PCR増幅のため、4単位のrTthDNAポリメラーゼを含む18μlの濃縮PC R反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用いられる遺伝 子特異的プライマーの一方或いは両方を各ウェルに加えた。増幅は以下の条件に 従って行った。 ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で移動 させた。PCR生成物のサイズを元の部分的なcDNAと比較して、適切なクロ ーンを選択し、プラスミドに結合して、配列決定を行った。 同様に、配列番号:2または配列番号:4のヌクレオチド配列を用いて、上述 の手順を用いて5’調節配列を得ること、5’延長のために設計されたオリゴヌ クレオチドを得ること、及び適切なゲノムライブラリーを得ることが可能である 。 6 ハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 配列番号:2または配列番号:4の配列に基づくハイブリダイゼーションプロ ーブを用いて、cDNA、mRNA並びにゲノムDNAをスクリーニングする。 約20個の塩基対からなるオリゴヌクレオチドの標識について特に記すが、大きな cDNAフラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを OLIGO4.06(National Bioscience)のような最新式のソフトウェアを用いてデザ インし、 50pmolの各オリゴマーと、250μCiの[γ-32P]アデノシン三リン酸 Boston MA)とを組み合わせて用いて標識する。標識されたオリゴヌクレオチド を、Sephadex G-25超精細樹脂カラム(Pharmacia & Upjohn)を用いて精製する 。毎分107カウントのセンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれ を含む部分を、エンドヌクレアーゼAseI, いて切断したヒトゲノムDNAの典型的な膜ベースのハイブリダイゼーション解 析において用いる。 各切断物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画化して、ナイロン膜 (Nytran Plus,Schleicher & Schuell,Durham NH)にトランスファーする。ハイ ブリダイゼーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り除くた め、ブロットを、0.1xクエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナトリ ウムまでの、段階的に厳密性が増す条件下で室温にて順次洗浄する。XOMAT ARTM フィルム(Kodak,Rochester,NY)を、Phosphoimager cassette(Molecular Dyna mics,Sunnyvale,CA)においてブロットに数時間露光した後、ハイブリダイゼーシ ョンパターンを視覚的に比較する。 7 マイクロアレイ マイクロアレイ用のオリゴヌクレオチドを作るために、ここに開示したヌクレ オチド配列を、ヌクレオチド配列の3’末端からコンピュータアルゴリズムを用 いて調べる。このアルゴリズムは、その遺伝子に独特な、ハイブリダイゼーショ ンに適した範囲内のGC含量を有し、且つハイブリダイゼーションを妨げるよう な推定される2次構造が存在しない、決まった長さの各オリゴマーを同定する。 このアルゴリズムは、長さ20ヌクレオチドの20個の配列特異的オリゴヌクレオチ ド(20量体)を同 定する。各配列の中央の1個のヌクレオチドだけが変化している点を除いて一致 しているオリゴヌクレオチドの組を作製する。このプロセスはマイクロアレイに おける各遺伝子について反復され、20個の20量体の二重の組が、光照射化学プロ セスを用いてシリコンチップの表面上で合成され配列される(Chee,M.等,PCT/W O95/11995、この引用により本明細書の一部とする)。 別形態では、化学結合プロシージャ及びインクジェット装置を用いて、基板の 表面上でオリゴマーを合成する(Baldeschweiler,J.D.等,PCT/WO95l25116、こ の引用により本明細書と一体にされたものとする)。更に別の形態では、ドット ブロット法(スロットブロット法)に類似した「格子型」アレイを用いて、真空 システム、熱、UV、機械的又は化学的結合プロシージャを利用してcDNA断 片又はオリゴヌクレオチドを基板の表面に配置し結合させる。アレイは、手を用 いることにより、又は市販の材料及び機械を用いることによって製造することが でき、8ドット、24ドット、94ドット、384ドット、1536ドット、又は6144ドッ トの格子を有し得る。ハイブリダイゼーションの後、マイクロアレイを洗浄して ハイブリダイズしていないプローブを取り除き、スキャナーを用いて蛍光のレベ ル及びパターンを求める。スキャンされた画像を調べて、マイクロアレイ上の各 オリゴヌクレオチド配列の相補性の程度及び相対的な量を求める。 8 相補的ポリヌクレオチド ECMPをコードする配列或いはその任意の一部分に対して相補的な配列は、 自然発生のECMPの発現を低下又は阻害するために用られる。約15〜約30 塩基対からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用について特に記すが、よ り小さな或いはより大きなcDNAフラグメントの場合でも概ね同じ方法を用い ることができる。Oligo4.06ソフトウ ェア及びECMPのコーディング配列(配列番号:1または配列番号:3)を用 いて、適切なオリゴヌクレオチドを設計することができる。転写を抑制するため には、最も独特な5’配列から相補的なオリゴヌクレオチドを設計し、これを用 いてプロモーターが結合するのを阻害する。翻訳を阻害するためには、相補的な オリゴヌクレオチドを設計して、リボソームがECMPをコードする転写物に結 合するのを阻害する。 9 ECMPの発現 ECMPの発現は、cDNAを適切なベクター内にサブクローニングし、その ベクターを宿主細胞にトランスフェクトすることによって行われる。この場合、 前にcDNAライブラリーの作製の際に用いたクローニングベクターを用いて、 大腸菌においてECMPを発現させる。クローニング部位の上流には、β−ガラ クトシダーゼに対するプロモータが存在し、その後ろにはアミノ基末端Met及び β−ガラクトシダーゼの7残基が存在する。後続のこれら8つの残基は、転写に 役立つバクテリオファージプロモーターであり、多くの独特の切断部位を含むリ ンカーである。 単離されたトランスフェクト菌株を、IPTGを用いて標準的な方法で誘導し、初 めのβガラクトシダーゼの7残基、約5〜15残基のリンカー、及び完全長タン パク質からなる融合タンパク質を作り出す。このシグナル配列は細菌増殖培地へ のECMPの分泌を誘導し、この培地は以下の活性の確認のためのアッセイにお いて直接用いることができる。 10 ECMP活性の確認 ECMP−1及びECMP−2の活性を、血清フリーの条件下で線維芽細胞及 び腫瘍細胞のin vitroでの増殖をサポートするECMPの特性に基づくアッセイ を利用して測定することができる(Chiquet-Ehrismann,R.等(1986)Cell 47:131- 139)。96穴クラスタプレート (Falcon,Fisher Scientific,Santa Clara,CA)のウエルを、50〜100μg/mlの溶 液と共に周囲温度で15分間インキュベートすることによりECMPでコーティン グする。コーティング溶液を吸引し、ダルベッコの培養液でウェルを洗浄した後 、細胞をプレートに播く。ラットの線維芽細胞の培養液又はラットの乳癌細胞を 、文献に記載のように調製し、10%のウシ胎仔血清を補充したダルベッコの培地 に104〜105細胞数/mlの密度でプレーティングする。 3日後に、培地を取り出し、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄した 後、0.25mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA,Fraction V,Sigma Chemical,St.Louis )を含む血清フリーのダルベッコの培養液を添加する。その2日後に、培養液を 吸引し、0.25mg/mlのBSAを含む新たなダルベッコの培養液において2μCi/mlの[ 3H]チミジン(NEN)を100μl加える。プレートを平行に固定し、染色して、細 胞数をカウントする。更に16時間後、培養液を吸引し、細胞層をPBSで洗浄し、1 0%のポリクロロ酢酸で沈殿した細胞層における細胞数を、液体シンチレーショ ンカウンターによるラジオアイソトープのカウントによって求める(標準化して 相対的細胞数を求める;Chiquet-Ehrismann,R.等(1986)前出)。 11 ECMP特異的抗体の産生 標準的なプロトコルを用いたウサギの免疫化及び抗体の産生には、PAGE電 気泳動法(Sambrook前出)を用いて実質的に精製されたECMPを用いる。配列 番号:2または配列番号:4から類推されるアミノ酸配列をDNAStarソフトウエ ア(DNASTAR社)を用いて解析して免疫抗原性の高い領域を決定し、対応するオ リゴペプチドを当業者には周知の手段により合成して、当業者に周知の方法で抗 体を産生するために用いる。C末端付近の、或いは隣接する親水性領域内のエピ トープのよ うな、適切なエピトープを選択するための解析法は、Ausubel等(前出)の論文 他に記載されている。 通常、約15残基の長さを有するオリゴペプチドを、Applied Biosystemsのペ プチドシンセサイザModel 431Aを用いてfmoc法のケミストリにより合成し、 M−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS: Ausubel等、上記)を用いた反応によりキーホールリンペットヘモシニアン(K LH、Sigma,St.Louis,MO)に結合する。フロイントの完全アジュバントにおい てオリゴペプチド−KLH複合体を用いてウサギを免疫する。得られた抗血清の 抗ペプチド活性を検査するには、例えばペプチドをプラスチックに結合し、1% BSAを用いてブロックし、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに放射性ヨウ 素標識されたヤギ抗ウサギIgGと反応させる。 12 特異的抗体を用いる自然発生ECMPの精製 自然発生ECMP或いは組換えECMPは、ECMPに特異的な抗体を用いる イムノアフィニティークロマトグラフィにより精製することができる。イムノア フィニティーカラムは、CnBr-activated Sepharose(Pharmacia Biotech社)の ような活性化クロマトグラフレジンとECMP抗体とを共有結合させることによ り構築される。結合後、そのレジンを使用説明書の指示に従って、ブロックし洗 浄する。 ECMPを含む培地をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムをEC MPを優先的に吸着できる条件下で(例えば界面活性剤の存在下において高イオ ン強度バッファーで)洗浄する。このカラムを、抗体/ECMP結合を切るよう な条件下(例えばpH2〜3のバッファー、或いは高濃度の尿素またはチオシアン酸 塩イオンのようなカオトロピックイオン)で溶出させ、ECMPを回収する。 13 ECMPと相互作用する分子の同定 ECMP又は生物学的に活性なその断片を、125Iボルトンハンター試薬(Bol ton,A.E.及びW.M.Hunter(1973)Biochem.J.133:529-38)で標識する。マルチウェ ルプレートに予め配列しておいた候補の分子を、標識したECMPとともにイン キュベートし、洗浄して、標識ECMP複合体を有する任意のウェルをアッセイ する。異なる濃度のECMPを用いて得られたデータを用いて、候補の分子とE CMPの会合、親和性、数の数値を計算する。 上記のすべての刊行物及び特許明細書は、引用により本明細書の一部とする。 当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明の記載した方法及 びシステムの種々の改変を行うことができるであろう。本発明は特に好適な実施 例に関連して記載されているが、本発明の請求の範囲は、そのような特定の実施 例に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、本発明を実 施するために記載された方法の種々の改変は、分子生物学或いは関連する分野の 専門家には明らかなように、請求の範囲内に含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AT ,AU,BR,CA,CH,CN,DE,DK,ES, FI,GB,IL,JP,KR,MX,NO,NZ,R U,SE,SG,US (72)発明者 ゲグラー、カール・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・オークランドアベニュー 1048

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単離され精製 されたポリヌクレオチド。 2.請求項1のポリヌクレオチドに完全に相補的な単離され精製されたポリヌク レオチド。 3.配列番号:2の配列からなる単離され精製されたポリヌクレオチド。 4.請求項3のポリヌクレオチド配列に完全に相補的な単離され精製されたポリ ヌクレオチド。 5.請求項1のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。 6.請求項5の発現ベクターを含む宿主細胞。 7.配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドの製造方法であって、 (a)前記ポリペプチドの発現に適した条件の下で請求項6の宿主細胞を培養 する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと を特徴とする配列番号:1のアミノ酸配列を含むポリペプチドの製造方法。
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