JP2002507008A - 弦楽器をチューニングするチューニング手段、チューニング手段を備えるギター及び弦楽器をチューニングする方法 - Google Patents
弦楽器をチューニングするチューニング手段、チューニング手段を備えるギター及び弦楽器をチューニングする方法Info
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Abstract
Description
を有するギター、及び弦楽器、特に、非限定的にエレキギターをチューニングす
る方法に関する。
音(note)と、演奏する楽器の型式の特徴である音質とから成ると考えられ
る。音質の差は、例えば、ピアノ及びバイオリンが同一音を演奏するときの音の
ように、人間の耳で容易に識別することができる。これらの音質の差は、楽器の
構造に起因する複雑な倍音(harmonics)が混じるときの差に基づくも
のである一方、異なる楽器で演奏しているのに拘らず、人間の耳が2つの音を同
一と認識することは、基本周波数(その倍数が倍音である)が等しいからである
。
間に亙って、奏者の指定(場合によっては、技能)によって同一の音程及び音質
を確実に発生させる楽器が実現されるに至っている。しかしながら、温度又は湿
度の変化ため、或いは多分、単に年数又は使用期間といったその他の物理的変化
のため、楽器は、例えば、1日といった、より長い時間にわたって必ず同一の音
程を発生させるとは限らなくなる可能性がある。
意の音の周波数がその下のオクターブの周波数の2倍であるようにする。1つの
オクターブは、半音と称される等しい対数的度により周波数ごとに分けられた1
2の音程に分割され、これらの12の音は、アルファベットの最初の7文字によ
り識別された、7つの自然の音群と、次に高い半音(シャープ)又は次に低い半
音(フラット)の何れかである、5つの音群とに分割され、この5つの音群は、
他の7つの音に対するその位置により識別される。
にわたって異なる調節程度となるように変更し得るように楽器を調節することが
できることが望ましい。その主な理由は、訓練された耳は、実際に、所定の周波
数を発生させる、識別された所定の音を良く認識できるからである。または、同
一の楽器から発生された異なる音が互いに対し正確な関係を保つことを保証する
ため、または、合奏したとき、幾つかの楽器が、同一の音に対し正確に同一の周
波数を発生させることを保証するためである。これが実現されないならば、ビー
ト周波数が発生されるため、不快な音となる。楽器からの出力音程又は周波数を
調節するこの過程は、チューニング(tuning)として公知である。
音しか演奏できず、演奏可能な音間の関係は、基本的に、その楽器の実際の製造
メーカーにより決められ、チューニングの可能性は、その範囲の全体を細かく調
節することに限定される。特に、弦楽器群及び鍵楽器群のような他の楽器は、個
々にチューニングされた幾つか、場合によっては多数の構成要素を備えることさ
えもある。このため、これらの楽器のチューニング方法は、個々にチューニング
された楽器の構成要素の各々を正確な相対的音程にすることを含む。1つの弦に
より発生された音の音程は、その材料及び製造の物理的品質、その長さ及びその
張力に依存する。殆んどの場合、弦自体、及びチューニングした長さは、チュー
ニング過程中、変化しないため、変更される唯一の可変要素は張力である。
することが望ましいことのため、一般に、楽器の構造的な剛性は、弦の張力がそ
の構造体に検知可能な撓みを生じるように設定してある。その結果、任意の1つ
の弦の張力を調節するならば、楽器の構造体に加わる応力が変化し、これにより
、その応力を受けたときの形状を変化させ、その結果、他の弦のチューニングに
影響を与える。換言すれば、任意の1つの弦のチューニングは、他の弦のチュー
ニングから独立せず、その音程を高くする1つの弦の張力を増すならば、残りの
弦の張力は低下し、また、その逆となる。このことは、チューニング方法を繰り
返して行うことが必要とされ、これにより、奏者は、単一の弦のみにチューニン
グ狂いがある場合であっても、各弦を順次に、多分、数回、チューニングするこ
とになる理由である。
れらの楽器において、弦の末端はその前端縁の周りで回動自在であるブリッジプ
レート内に固着される。ブリッジプレートを一方向に回転させ勝ちの弦の張力は
、ギター本体内に配置された1つ以上の弦の張力により対抗され、このため、ブ
リッジプレートは、形成されるトルクが釣合う平衡位置となる。このため、奏者
がビブラートアームを動かすと、ブリッジプレートは平衡位置から離れるように
動き、全体として、弦の張力を低下させ、その結果、特徴的な音効果が得られる
。レバーを離すと、ブリッジプレートは、その平衡位置となり、摩耗が存在しな
いことを条件として、正確なチューニング状態が回復できる。任意の弦における
張力が少しでも変化するならば、ブリッジプレートの平衡位置が変化し、このた
め、他の弦の音程が変化することは明らかである。
供することである。 本発明の第一の特徴に従い、我々は、1つ以上の弦を有する弦楽器用のチュー
ニング手段であって、当該弦又は各弦の張力を変化させる作動手段を備える、チ
ューニング手段を提供する。
手段と、上記信号に応答して上記作動手段を制御する分析手段とを備えることが
できる。
る。 ギアボックスは、2000対1乃至20000対1の範囲の減速比を有するよ
うにすることができる。
ることができる。
タル信号に変換するアナログ対デジタル変換器を備えることができる。 分析手段は、上記信号が上記第一のフィルタに送られる前に、該信号を漉すア
ナログ帯域通過フィルタを備える、第二のフィルタ手段を更に備えることができ
る。
モード、及び分析手段が上記信号に応答して各弦のチューニング状態を示す視覚
的ディスプレイを作動させる作動モードの少なくとも1つを備えることができる
。作動モードは、操作する人が選択可能である。
第一の色を示し、弦の周波数が所望の周波数範囲以下である場合、第二の色を示
す発光ダイオードを備えることができる。
02範囲までチューニングするように作動可能とすることができる。 弦楽器が複数の弦を備える場合、上記チューニング手段は、弦の各々が順次に
チューニングされる、複数回のチューニングサイクルを実行し得るように作動可
能である。これと代替的に、各チューニングサイクル中に同時に弦をチューニン
グしてもよい。
よるチューニング手段を備える、ギターを提供する。 検知手段は、上記ギターに設けられたピックアップを備えることができる。
的に、ピックアップは、各々が上記弦の1つに応答可能な複数のコイルを備える
ようにしてもよい。
にてブリッジプレートに接続し、該ブリッジプレートは、ギターに回動可能に取
り付けられ且つ弦の張力を変化させるように可動であり、上記モータ又は上記モ
ータ及び上記ギアボックスを収容する機械的ブロックが上記ブリッジプレートに
取り付けられ且つ該ブリッジプレートと共に回動可能である。
動手段を作動させることを含む、1つ以上の弦を有する弦楽器をチューニングす
る方法を提供する。
にチューニングされ、該楽器は、1つ以上の上記弦の振動に応答して信号を提供
する検知手段と、上記信号に応答して分析手段により作動可能な、上記弦の張力
を調節する作動手段とを有するチューニング手段を備える。この方法は、楽器の
全ての弦を振動させるステップと、上記1つの弦の振動周波数を測定することと
、上記1つの弦の上記周波数を変化させ得るように上記1つの弦の張力を調節す
べく上記作動手段を作動させることと、上記弦の各々に対し上記過程を繰り返す
こととを含む、チューニングサイクルを実施するステップとを備えている。
できる。 上記複数のチューニングサイクルの第一のもの以外のチューニングサイクルの
各々は、その前のチューニングサイクル中の上記作動手段の作動に応答して上記
1つの弦の上記周波数の変化を測定するステップと、これに応じて、上記作動手
段の作動を変化させるステップとを更に備えることができる。
可能なフィルタを上記弦の1つの所望の周波数に対応する中央周波数と、上記周
波数範囲に対応する幅とを有するように調節するステップを更に備えることがで
きる。
記方法は、上記1つ以上の弦の1つを振動させるステップと、上記フィルタを中
央周波数を有するように調節するステップと、上記1つの弦の周波数を識別し得
るように上記中央周波数を増大させるステップと、上記弦のチューニング状態を
視覚的に表示するステップという事前のステップを備えることができる。
ことができる。 弦楽器は本発明の第二の特徴によるギターを含むことができる。
示した、典型的な中実本体を有する6弦のエレキギターの部分断面図が図示され
ている。該ギター10は、ネック13が堅固に取り付けられた本体12を備えて
いる。ヘッド部14は、チューニングペグ15が配置されたネック13の端部に
堅固に取り付けられる。
ブリッジ11は、ブリッジプレート17を備えており、該ブリッジプレート17
の下側には、ブロック18が締結され、その頂側部には、6つ一組みのサドル1
9が締結されている。ブリッジプレート17の前端縁17aは当接部21に形成
された溝20内に受け入れられる。該当接部21は通常、2つの溝付きポストを
備えている。例えば、1つ以上のヘリカルばねのような弾性的に変形可能な要素
22は、ブロック18の下端と、開孔16の壁16aとの間に接続され、ビブラ
ートブリッジ11を付勢して、図1に図示するように時計回り方向に回転させる
作用を果たす。
ケット18a内に保持された拡張端24が設けられている。弦23の各々は、従
来通り、ブロック18及びブリッジプレート17の別個の通路を通って進み、適
当なサドル19の上を通り、ネック13に沿って下降し、以下に「ナット」24
と称するブリッジに設けられた適当な溝に入り、次に、適当なチューニングペグ
15に達している。該チューニングペグ15には、全体として、スピンドルを所
望に応じて回転させて弦23に張力を加えると同時に、ウォーム歯車によって、
弦の張力による後方への推進力に起因する緩みに対する抵抗性を備える、ウォー
ム歯車系が設けられている。このように、弦23の妥当な長さは、ナット24と
サドル19との間の長さであり、発生される音の音程は、弦23の構造、チュー
ニングした長さ、及びチューニングペグを巻くことにより弦23に加わる張力に
依存する。弦の組み合わさった張力は、ビブラートブリッジ11を図1に図示す
るように反時計回り方向に回転させる。この力は、要素22の作用による抵抗を
受ける。このように、ビブラートブリッジ11は、弦23により付与されたトル
クと要素22に起因するトルクとの間で平衡状態にある。ビブラートブリッジ1
1に取り付けられたビブラートハンドル25は、操作する人が動かしてビブラー
トブリッジのその前端縁11aの周りで回動させることができる。このように、
ビブラートハンドル25を操作すると、弦の張力が変化し、特徴的な音効果を発
生させる。従来型式の1つ以上のピックアップ26は、ギター本体に配置されて
おり、弦の振動を感知し且つこれに応じて電気信号を発生する。
1に代えて、図2に関して以下に説明するビブラートブリッジ30が使用される
。図1に図示した特徴部分に対応する特徴部分については、同一の参照番号を使
用する。ブリッジプレート31が設けられ、その前端縁31aは、従来と同様に
、通常、一対の溝付きポストを備える当接部21に設けられた溝20内に受け入
れられる。弦の各々に対する回転可能なスピンドル32は、ブリッジプレート3
1内に受け入れられ、該スピンドルは、弦の拡張端24を受け入れ、弦を確実に
固定し且つスピンドル32の周りに巻くことを可能にするソケット32aを備え
ている。スピンドル32の各々は、スピンドル32を多段の遊星ギアボックス3
4を介して駆動する直流モータ33を備える作動手段により電子的制御手段(図
示せず)の制御の下、回転可能である。スピンドル32が一方向に回転すると、
弦が巻かれ、このため、張力が増し、従って、音程が高くなる。スピンドルを反
対方向に回転させると、張力が低下し、このため、音程は低くなる。スピンドル
の回転方向は、適当な極性の制御信号にて直流モータを駆動することにより容易
に選択可能である。直流モータは、典型的に、極めて小さい出力トルクにて極め
て速い回転速度で回転する一方、弦23を巻くスピンドル32は、チューニング
を正確に制御する目的のため、極めて低速度にて回転し且つ比較的極めて大きい
トルクに抗して回転する必要があるから、ギアボックスの比は高減速比の範囲に
ある必要がある。かかる高減速比のギアボックス内に不可避的に存在する僅かな
程度の摩擦が弦の張力によってモータ33が逆方向に駆動するのを妨げるから、
正確なチューニング状態を保つために、何らかの特殊なスピンドル係止装置は必
要とされない。かかるモータ33及びギアボックス34は、6つ一組みとして取
り付けられる、すなわち、各弦に対し1つのモータ及びギアボックスがブリッジ
プレート31に取り付けられたブロック35内に並べて取り付けられる。遊星ギ
アボックス用の内部の歯車部分は、ギアボックス34が受け入れられるブロック
35の開孔内に形成されている。モータ33は、例えば、必要な張力程度が著し
く相違するといったような、弦23の特徴が相違するにも拘らず、同一であるこ
とが都合良いが、必ずしも同一である必要はない。同様に、ギアボックス34は
同一であることが都合良いが、必ずしも同一である必要はない。ビブラートブリ
ッジ30は、通常のように、ギター本体12に形成された開孔16内に取り付け
られ、要素22による弦23の張力に抵抗する平衡位置に保たれる。モータ及び
ギアボックスはブロックビブラートブリッジ33内に完全に保持されているから
、ハンドル25を使用してビブラートの正常な作用が保持される。従って、ビブ
ラートブリッジ30を受け入れるためにギター本体12を改造する必要は全くな
い。
34は、ブロック35に設けられた開孔35a内に受け入れられ、この場合、該
ブロック35は、一部切欠いて図示されている。ギアボックス34は、直流モー
タにより駆動される入力軸36と、スピンドル32と駆動可能に接続された出力
軸37とを備えている。遊星ギアボックスは、6つの段Aを備えている。段の各
々は、好ましくは3つの遊星歯車38aとかみ合う太陽歯車38を備えている。
遊星歯車38aは、開孔35aの表面35bに設けられた雌ねじと係合すること
が好ましい。遊星歯車38aは、キャリア39の上に回転可能に保持される。該
キャリアは、出力軸39aにより後続の遊星段Aの太陽歯車37に駆動可能に接
続される。ギアボックスの各段Aは、速度を遅くし且つトルクを増大させる。所
望に応じて異なる数の遊星段Aを含めることができる。
図的な形態で図示されている。電子的制御手段40の各部分は、従来の電子的構
成要素を備え、各部分に対し所望の機能を持たせるため、所望に応じて、構成要
素を任意に配置することができる。
グ帯域通過フィルタ42を備える第二のフィルタ手段に供給される。このアナロ
グ帯域通過フィルタ42は、全ての弦の基本周波数を含む周波数の帯域幅のみを
通過させる一方、より高い倍音周波数を可能な限り多く排除することを可能にす
る。このアナログ帯域通過フィルタ42は、濾した信号を増幅し、その後、その
信号は、線43によりデジタル信号処理(DSP)マイクロコントローラ44に
供給される。各弦に対し、モータ33a、33b、33c、33d、33e、3
3fが提供される。そのモータの各々は、対応するモータの制御装置45a、4
5b、45c、45d、45e、45fに応答して作動し、対応する弦の張力を
変化させる。各弦のチューニング状態を視覚的に表示するため、複数の発光ダイ
オード(LEDs)(図示せず)を備えることが好ましい、ディスプレイ手段が
参照番号46で図示されている。電池47により電子的制御手段40に電力が供
給される。操作する人がマイクロコントローラ44の作動モードを選択すること
を可能にするべくモードスイッチ48が設けられている。
グ信号を量的なデジタル信号に変換するアナログ対デジタル変換器を備えている
。該アナログ対デジタル変換器は、所望であるならば、他のビット数を使用する
ことも可能であるが、8ビット信号を供給することが好ましい。該マイクロコン
トローラ44は、各弦に対応するデジタル化した信号の周波数成分を検知し且つ
測定する手段を更に備えている。次に、該マイクロコントローラは、線49a、
49b、49c、49d、49e、49fによって各モータに対応するモータ制
御装置45a、45b、45c、45d、45e、45fに制御信号を送ること
により、ピックアップ23からの信号に応答して、モータ33a、33b、33
c、33d、33e、33fの各々を制御する。
でき、或いは、実際上、所望に応じて任意のビット数を使用することができる。
これと代替的に、プログラム化可能な適宜の任意の装置を使用してもよい。
任意の1つに動かすことができる。モードスイッチ48が以下にオフモードと称
する第一のモードを選択する第一の位置にあるとき、チューニング手段を作動さ
ずにギターを演奏することができる。該ギターは、チューニング手段による何ら
かの支援を受けることなく手でチューニングすることもできる。以下に、チュー
ニングモードと称する第二のモードを選択したならば、操作する人は、全ての弦
を弾き、マイクロコントローラ44は、全ての弦を例えば、所望の音程の±0.
02半音範囲内にチューニングするように作動する。チューニングモードを良好
に選択し得るよう弦をチューニングすることができるようにするため、以下に設
定モードと称する第三のモードを選択することができる。このモードにおいて、
操作する人はギターのヘッド部におけるキーを使用して従来の方法で個々の弦を
チューニングし、また、チューニングモードを選択することのできる予め設定し
た周波数範囲に弦がチューニングされたことを視覚的表示が為される。
イクロコントローラ44内に設けられた手段は、形態変更可能なデジタル帯域通
過フィルタを有する第一のフィルタ手段を備えることも好ましい。アナログ帯域
通過フィルタ42の帯域幅は、デジタル帯域通過フィルタのサンプリング周波数
を排除し得るように選択されることが好ましい。この実施例において、デジタル
帯域通過フィルタのサンプリング周波数は、低E、A、D、G弦を試験するとき
、2kHzに設定され、B及びより高いE弦を試験するとき、4kHzに設定さ
れる。デジタル帯域通過フィルタの中央周波数及び幅を設定して、チューニング
すべき弦の所望の周波数に対応する中央周波数と、設定モード又はチューニング
モードの何れかが選択されるかに対応した幅とを有するようにデジタル帯域通過
フィルタを設定することを可能にする。デジタル帯域通過フィルタの周波数範囲
内に属する信号に含まれる周波数のみが、デジタル帯域通過フィルタを通過する
ようにする。通過した周波数は、デジタル化した正弦波形の形態をし、波形の「
零クロス」間の時間を測定することにより、周波数の測定が為される。零クロス
に隣接する信号値の間にて線形補間を行うことにより、零クロスの各々の時間を
より正確に設定することができ、従って、零クロスの時間をより正確に計算する
ことができる。所望であるならば、必要とされる周波数を識別し且つ測定するた
めにフーリエ分析のような、その他の技術を使用することができる。
ば、操作する人は、そのときにチューニング中の弦のみをかき鳴らす。デジタル
帯域通過フィルタが信号を通過させる迄、周波数を増大させることにより、デジ
タル帯域通過フィルタの中央周波数が最小の周波数から走査される。このように
して、中央周波数を走査することにより、弦の基本周波数が検知され、より高い
倍音が回避される。通過した信号の周波数は、上述した零クロス方法を使用して
測定される。チューニング中の弦は、その通過した信号が属する周波数範囲から
識別され、通過した信号の周波数をその弦に必要とされる周波数と比較する。次
に、1つが弦の各々に対応する、6つのLEDを備える、LEDパネル20によ りその弦のチューニング状態が視覚的に表示される。LEDは、弦の周波数が高
過ぎるとき、例えば、赤のような第一の色を表示し、弦の周波数が低過ぎるとき
、例えば、黄色のような第二の色を表示し、マイクロコントローラがチューニン
グモードにて弦をチューニングすることのできる予め設定した周波数範囲の周波
数であるとき、例えば、緑のような第三の色を表示することができる、3色LE
Dであることが好ましい。従って、操作する人は、チューニングモードを選択し
、チューニングを自動的に完了することができることを示す、LEDの全てが第
三の色を表示する迄、LEDにより表示されたチューニングの情報に対応して弦
を手でチューニングすることができる。各弦に対する所望の周波数及び形態変更
可能なデジタル帯域通過フィルタ用のパラメータは、マイクロコントローラ44
内に設けられた記憶装置内に保持することができる。多数の異なるチューニング
モードがマイクロコントローラ44により保持され且つ操作する人が選択可能で
あるようにすることができる。適当な検知手段及び分析手段を設ければ、勿論、
全ての弦を同時にかき鳴らす設定モードを提供することが可能である。
ステップを行う。形態変更可能なデジタルフィルタは、低E弦に設定され、装置
は、限界値1と称する、所定の閾値を超える大きさの信号を待つ。操作する人は
、ギターの全ての弦を弾き、信号はピックアップ26からマイクロコントローラ
44に送られる。信号が検知されたならば、マイクロコントローラは、続行する
前に、全ての過渡的信号を除去するため、第一の設定期間だけ待つ。
周波数にて振動する。このより高い周波数の時間及び振幅は、弦を弾く強さに依
存する。かき鳴らすときの強さは、勿論、その弦から信号の最初の大きさから計
算することができる。この低E弦からの最初の信号以降に第一の設定時間が経過
したならば、更なる遅延時間を許容し、最初のより高い周波数振動が消衰し、弦
がその基本周波数に「安定する」ことを許容する。更なる遅延時間は、例えば、
2秒に設定することができ、又はこの時間は、検知された最初の大きさに依存し
て変更することができる。
する、所定の最大の閾値よりも小さくなったときに限り、各弦に対する周波数成
分の測定を開始する。所望であれば、任意の弦を試験することができるが、より
高周波数の最初の振動が消衰するのに必要な時間は、低E弦の場合に最大である
から、この低E弦からの信号の大きさを試験することが好ましい。
基本周波数に安定したかどうかを確認する。 遅延時間が経過し且つ/又は低E弦がその基本周波数に安定し、低E弦からの
信号の大きさが限界値2以下に低下したならば、チューニング手段は、複数回の
チューニングサイクルを行う。形態変更可能なデジタル帯域経過フィルタの中央
周波数は、低E弦から開始して、順々に、全ての弦の所望の周波数に設定される
。形態変更可能な帯域経過フィルタを通過した信号の大きさを測定する。その大
きさが限界値3と称する、所定の最小の閾値以下であるならば、チューニング手
段は、信号が存在しないと考え、その弦のチューニングを行わず、次の弦に移る
。所定の最小の閾値レベルは、デジタル帯域通過フィルタの不安定さに起因する
全てのスプリアス信号を除去し得るように設定される。
定し、その弦の所望の周波数からの距離を計算する。単一のパルスを有する信号
は、適当なモータ制御装置に送って、その弦に対するモータを回転させ、張力を
適宜に加減し、パルスの長さがモータの作動時間、従って、張力の変化の大きさ
を決定する一方、パルスの極性はモータが回転する方向、従って、張力が増して
いるか減少しているかを決定する。次に、この過程は、残る弦の各々について行
う。1つの弦の張力を変化させると、残る弦の張力が変化するから、全ての弦が
チューニングされるか、又は信号が限界値3以下となる迄、必要なだけチューニ
ングサイクルを繰り返す。幾つかの弦が正確にチューニングされたが、その弦に
対する信号の大きさが限界値3以下に低下するため、幾つかの弦は完全にチュー
ニングされないときに、チューニングが停止されることがあり、この場合、再度
、弾いて残る弦をチューニングする。
数が存在するのみならず、より高い倍音周波数もアナログ帯域通過フィルタ42
の帯域幅内に存在する。倍音周波数の幾つかは、他の弦の基本周波数により近く
に位置し、また、デジタル帯域通過フィルタの帯域幅は、チューニングモードに
て、各基本周波数に対し十分に狭小であるように選択され、全ての付近の倍音周
波数を排除する、従って、設定モードを使用して、弦を予め設定した周波数範囲
にチューニングすることを不要にする。B及び高E弦に対して、より低い弦の倍
音周波数は、基本周波数に過度に近い位置にあり、その代わり、B及び高E弦の
第一の周波数が測定される。B及び高Eストリングの張力を変化させて、第一の
倍音をその正確な値にすることにより、各弦の基本周波数もまた、所望の周波数
にチューニングされる。チューニングサイクルを行うとき、どの弦を試験するか
に依存して、サンプリング周波数をその適当な値に設定する。
、すなわち約半音の範囲内に設定する。 これと代替的に、形態変更可能な単一のデジタル帯域通過フィルタに代えて、
パラメータが一定であるか又は形態変更可能の何れかである、複数のフィルタを
使用することも可能であろう。形態変更可能な単一のフィルタを使用することは
、ハードウェアの要求を少なくし、従って、チューニング手段のコストを削減す
ることになる。
所定の規則に従って選択される。2回目、及びその後のチューニングサイクル時
、その前のチューニングサイクルにより発生されたパルスに起因する弦の周波数
の変化を測定し、所定のパルス長さにより発生されたその弦の周波数の変化を計
算する。次に、この較正情報を使用して、その後のチューニングサイクル中に発
生されたパルスの長さを変化させることができる。この学習過程は、チューニン
グ前に最初の別個の較正過程を行うことを不要にする。このことは、また、例え
ば、異なる製造メーカからのもののように特徴が僅かに相違する弦であるとき、
又は、弦が年数又は使用により劣化したとき、その弦を電子的制御手段にてチュ
ーニングすることを可能にする。所望であるならば、例えば、多数のパルスがモ
ータ制御装置に送られ、また、モータが動く距離がパルスの幅(パルス幅変調)
又はパルス数に依存する場合、その他のパルス方法を使用することができる。
。理想的には、弦をチューニングするために3回以上のチューニングサイクルは
必要ないようにする。ギターの弦を1回かき鳴らす時間は、少なくとも約5秒続
き、この時間は、少なくとも2回又は3回のチューニングサイクルを行うことを
可能にするのに十分である。各サイクル中に各弦をチューニングするのに必要な
時間は、その弦の周波数に逆比例し、従って、B及び高E弦に加えて、幾つか又
は全ての弦の基本周波数音ではなくて、第一の倍音を測定することにより、その
チューニングサイクルを速めることが可能となる。
ことができる。例えば、未チューニングの弦を赤LEDで示し、チューニング済
みの弦を緑LEDで示し、また、信号の大きさが限界値3以下に低下した弦は、
黄色LEDで示すことができる。
チューニングサイクル中にチューニングすべき最初の弦である。弦は、他の弦に
対するその効果に依存して連続的にチューニングされ、高E弦は最後にチューニ
ングされる。
ーラは、その可能性のある原因を識別することができる。このマイクロコントロ
ーラは、各モータに供給される電流を監視することができる。モータに電流が供
給されない場合、モータは接続されないか、又は別の弦の周波数が変化した場合
、モータは不正確に接続された可能性がある。モータに正常な電流が供給され、
別の弦の周波数が変化するならば、このことは、測定中の周波数範囲にて弦は、
不正確にチューニングされたことを示す。モータに異常に高電流が供給されるな
らば、このことは、モータが物理的に焼き付いたことを示す。その誤りの原因に
ついて操作する人の注意を引くため、適当な視覚的表示を提供することができる
。
各々が1つ以上の弦に対応した複数のピックアップコイルのような電子部品を適
宜に対応させ得ることができるのは明らかであろう。この場合、弦の各々は、別
個の信号を発生させ、また、複合的信号から、信号弦の周波数を選択する必要が
ないから、フィルタ手段は省くことができる。その部品がピックガードの下方に
てギターの本体内に受け入れられ、また、ビブラート30を使用するとき、ギタ
ー自体を物理的に変更する必要が全くないような、電子部品の物理的寸法とする
ことが好ましい。
たが、チューニング手段は、従来型式であるかどうかを問わずに、楽器を任意の
所望のチューニング状態にチューニングすることができることが明らかであろう
。このチューニング手段は、複数のチューニング状態を記憶し且つギターをチュ
ーニングしようとする、上記複数のチューニング状態の所望の1つを選択し得る
ように作動させることができる。このチューニング手段は、また、操作する人が
指定した特定のチューニング状態を記憶し且つその後に、そのチューニング状態
にギターをチューニングし得るようにすることもできる。
ことができることが明らかであろう。 開示した機能を実施するための特定の形態又は手段の表現として、上記の説明
、又は特許請求の範囲、或いは添付図面に開示された特徴、又は開示された結果
を実現するための方法又は過程は、適宜に別個に又はかかる特徴を組み合わせる
ことにより、利用して本発明をその異なる形態にて具体化することができる。
による概略図的な部分断面図である。
。
Claims (36)
- 【請求項1】 1つ以上の弦を有する弦楽器用のチューニング手段であって
、該弦又は各弦の張力を変化させる作動手段を備える、弦楽器用のチューニング
手段。 - 【請求項2】 請求項1によるチューニング手段において、該弦又は各弦の
振動に応答して信号を提供する検知手段と、前記信号に応答して前記作動手段を
制御する分析手段とを備える、チューニング手段。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2によるチューニング手段において、作
動手段が電気モータを備える、チューニング手段。 - 【請求項4】 請求項3によるチューニング手段において、モータが直流モ
ータである、チューニング手段。 - 【請求項5】 請求項3又は請求項4によるチューニング手段において、作
動手段が前記モータと前記弦との間に接続されたギアボックスを更に備える、チ
ューニング手段。 - 【請求項6】 請求項5によるチューニング手段において、ギアボックスが
遊星ギアボックスである、チューニング手段。 - 【請求項7】 請求項6によるチューニング手段において、遊星ギアボック
スが6つの遊星段を備える、チューニング手段。 - 【請求項8】 請求項5乃至7の何れか1つに記載のチューニング手段にお
いて、ギアボックスが2000:1乃至20000:1の範囲の減速比を有する
、チューニング手段。 - 【請求項9】 請求項1乃至8の何れか1つによるチューニング手段におい
て、分析手段が第一のフィルタ手段を備える、チューニング手段。 - 【請求項10】 請求項9によるチューニング手段において、前記第一のフ
ィルタ手段が複数のフィルタを備える、チューニング手段。 - 【請求項11】 請求項9又は請求項10によるチューニング手段において
、前記第一のフィルタ手段が形態変更可能なデジタル帯域通過フィルタを備える
、チューニング手段。 - 【請求項12】 請求項9乃至11の何れか1つによるチューニング手段に
おいて、分析手段が、前記信号が前記第一のフィルタ手段に送られる前に、前記
信号をデジタル信号に変換するアナログ対デジタル変換器を備える、チューニン
グ手段。 - 【請求項13】 請求項9乃至12の何れか1つによるチューニング手段に
おいて、分析手段が、第二のフィルタ手段を備え、該第二のフィルタ手段が、前
記信号が前記形態変更可能なデジタル帯域通過フィルタに送られる前に、信号を
濾すアナログ帯域通過フィルタを備える、チューニング手段。 - 【請求項14】 請求項1乃至13の何れか1つによるチューニング手段に
おいて、分析手段が、該分析手段が前記信号に応答して前記作動手段を作動させ
る作動モード、及び分析手段が前記信号に応答して各弦のチューニング状態を示
す視覚的ディスプレイを作動させる作動モードの少なくとも1つを有する、チュ
ーニング手段。 - 【請求項15】 請求項14によるチューニング手段において、作動モード
が操作する人により選択可能である、チューニング手段。 - 【請求項16】 請求項14又は請求項15によるチューニング手段におい
て、視覚的ディスプレイ手段が発光ダイオードを備える、チューニング手段。 - 【請求項17】 請求項16によるチューニング手段において、発光ダイオ
ードが、弦の周波数が予め設定した周波数範囲以上である場合、第一の色を示し
、弦の周波数が予め設定した周波数範囲以下である場合、第二の色を示す、チュ
ーニング手段。 - 【請求項18】 請求項1乃至17の何れか1つによるチューニング手段に
おいて、チューニング手段が該弦又は各弦を半音±0.02の範囲にチューニン
グするように作動可能である、チューニング手段。 - 【請求項19】 請求項1乃至18の何れか1つによるチューニング手段に
おいて、弦楽器が複数の弦を備え、前記チューニング手段が、各弦が順々にチュ
ーニングされる複数回のチューニングサイクルを行うように作動可能である、チ
ューニング手段。 - 【請求項20】 添付図面に関して明細書に説明したチューニング手段。
- 【請求項21】 請求項1乃至20の何れか1つによるチューニング手段を
有し、複数の弦を備える、ギター。 - 【請求項22】 請求項21によるギターにおいて、前記検知手段がピック
アップを備える、ギター。 - 【請求項23】 請求項22によるギターにおいて、ピックアップが前記弦
の全てに応答可能なコイルを備える、ギター。 - 【請求項24】 請求項22によるギターにおいて、ピックアップが、各々
が前記弦の1つに応答可能な複数のコイルを備える、ギター。 - 【請求項25】 請求項3乃至8の何れか1つに直接的に又は間接的に従属
する、請求項21乃至24の何れか1つによるギターにおいて、弦が一端にてブ
リッジプレートに接続され、該ブリッジプレートが、ギターに回動可能に取り付
けられ且つ弦の張力を変化させ得るように可動であり、機械的なブロックが前記
ブリッジプレートに設けられ且つ該ブリッジプレートと共に回動可能であり、前
記ブロックが、前記モータ又は前記モータ及び前記ギアボックスを収容する、ギ
ター。 - 【請求項26】 添付図面に関して明細書に説明したギター。
- 【請求項27】 1つ以上の弦を有する弦楽器をチューニングする方法にお
いて、該弦又は各弦の張力を変化させ得るよう作動手段を作動させることを含む
、方法。 - 【請求項28】複数の弦を備え、該弦の各々が最初に、予め設定した周波数
範囲内にチューニングされ、1つ以上の前記弦の振動に応答して信号を提供する
検知手段と、前記信号に応答して分析手段により作動可能な前記弦の張力を調節
する作動手段とを有するチューニング手段を備える楽器の請求項27によるチュ
ーニング方法において、楽器の全ての弦を振動させるステップと、前記弦の1つ
の振動の周波数を測定することと、前記作動手段を作動させ、前記1つの弦の張
力を調節し、該1つの弦の前記周波数を変化させることと、前記弦の各々に対し
前記過程を繰り返すこととを含む、チューニングサイクルを行うステップとを備
える、方法。 - 【請求項29】 請求項28による方法において、前記チューニングサイク
ルを複数回、行うことを含む、方法。 - 【請求項30】 請求項29による方法において、前記複数のチューニング
サイクルの第一のもの以外のチューニングサイクルの各々が、その前のチューニ
ングサイクルにおける前記作動手段の作動に応答して前記1つの弦の前記周波数
の変化を測定するステップと、これに応じて、現在のサイクルにおける前記作動
手段の作動を変化させるステップとを更に備える、方法。 - 【請求項31】 分析手段が形態変更可能なフィルタを備える、請求項28
乃至30の何れか1つによる方法において、該形態変更可能なフィルタを前記弦
の1つの所望の周波数に対応する中央周波数と、前記周波数範囲に対応する幅と
を有するように設定するステップを備える、方法。 - 【請求項32】 前記弦の1つ以上が最初に、前記予め設定した周波数範囲
外にある弦楽器の請求項31によるチューニング方法において、前記1つ以上の
弦の1つを振動させるステップと、前記フィルタを中央周波数を有するように設
定するステップと、前記中央周波数を増大させ、前記1つの弦の周波数を識別す
るステップと、前記弦のチューニング状態を視覚的に表示するステップという事
前のステップを備える、方法。 - 【請求項33】 添付図面に関して明細書に説明した方法。
- 【請求項34】 請求項27乃至33の何れか1つによる方法において、チ
ューニング手段が請求項1乃至20の何れか1つによるチューニング手段を備え
る、方法。 - 【請求項35】 請求項27乃至34の何れか1つによる方法において、弦
楽器が請求項21乃至26の何れか1つによるギターから成る、方法。 - 【請求項36】 本明細書に記載し且つ/又は添付図面に図示した任意の新
規な特徴又は新規な特徴の組み合わせ。
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