JP2002506011A - 濃厚除草剤組成物 - Google Patents

濃厚除草剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、グリホセート又はグルホシネート、クロロアセトアミド、及びトリアジンを含む除草剤組成物であって、当該組成物が水相、油相、及び、水相及び/又は油相に分散した粒子を有し、安定化量の1又はそれ以上の乳化剤によって安定化されている、除草剤組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、通常の保存条件下で許容される化学的及び物理的安定性を示し、適
量の水で希釈すると、広域スペクトルの除草剤として植物と土壌への散布に適す
る、液体濃厚除草剤組成物に関する。より特定すると、本発明は、少なくとも3
種類の除草性有効成分を含むそのような液体濃厚除草剤組成物に関する。
【0002】 (発明の背景) 圃場で作物を栽培するとき、圃場における好ましくない植物(雑草)の成長を
止める又は駆除することが重要である。駆除されなければ、雑草は土壌の養分、
水分及び日光のような重要な資源について作物と競合する。それ故、これらの資
源の一部を除去するか、あるいは作物がこれらの資源を利用できる可能性を低下
させることによって、雑草は食物の成長を制限し、作物の収量損失をもたらす。
駆除されない雑草は他の有害作用も及ぼしうる;例えば、食物の収穫のような食
物栽培における重要な操作の間に存在する雑草はこれらの操作を妨げ、それによ
って生産コストを上昇させる。
【0003】 除草剤を適切な時期に正しく使用することにより、作物の損失を避け、生産コ
ストを抑えるために必要な度合の雑草駆除が提供できる。雑草の葉面に付着した
ときに有効なグリホセートあるいはグルホシネートのような除草剤を、代表的に
は雑草の発生後に噴霧によって施用する。これらの除草剤は広域スペクトルを持
つ、すなわち市販の使用薬量で広い範囲の雑草種を駆除するのに有効である。そ
れらは同時に、作物が、伝統的な育種法あるいは遺伝的形質転換テクノロジーの
使用のいずれかを通して、重要な被害を伴わずにグリホセート又はグルホシネー
トに耐性であるように選択された品種である場合を除いて、これらの作物の葉面
に付着すると食物に非常な被害を与える。しかし、グリホセートとグルホシネー
トは一般に、これらの除草剤の葉面散布に耐性でない場合でも、作物がまだ土壌
から苗として出芽していない圃場では安全に使用できる。従ってグリホセート又
はグルホシネート除草剤の一般的な使用方法は「生育前」散布、すなわち作物の
植付け前か、あるいは「定植時」散布、すなわち植付けの直前、植付け中、ある
いは植付け後であるが作物の出芽前に、既に発生している雑草に散布する。
【0004】 雑草は作物生育シーズンの早期中広い期間にわたって発生する。グリホセート
あるいはグルホシネートの1回の生育前又は定植時散布は、散布の時点でまだ出
芽していない雑草を駆除するのには無効である。これらの除草剤は、代表的には
商業的に使用される薬量では土壌への残留作用がないからである。そのため、1
回の噴霧操作で、これらの葉面作用除草剤の1つの散布と、散布後に発生するこ
とになる雑草を駆除するための1又はそれ以上の土壌作用性の残効性除草剤の散
布を組み合わせることが知られてきた。そのような残効性除草剤は、好ましくは
、作物自体が十分に活力を持ち、遅れて発生する雑草の生育を抑制するのに十分
な草冠を発育させるときまで雑草の発生を抑制する、十分な期間の残効を有する
。葉面作用性と残効性除草剤の組合せは、タンク混合物として、すなわち各々が
少なくとも1つの有効成分を含む2又はそれ以上の濃厚組成物を、散布前に噴霧
器のタンク内で適当な容量の水と混合することによって、散布されてきた。
【0005】 特に栽培する作物がトウモロコシである場合、葉面作用除草剤と、クロロアセ
トアミドクラスの残効性除草剤及び/あるいはトリアジンクラスの残効性除草剤
のいずれか又は両方とのタンク混合物が知られている。例えば、有効成分として
クロロアセトアミド除草剤のアセトクロールとトリアジン除草剤のアトラジンを
含有する、Monsanto社のHarness(登録商標) Xtra 5.
6L除草剤は、製造者により、有効成分として葉面作用除草剤のグリホセートを
そのイソプロピルアンモニウム塩の形態で含む、Monsanto社のRoun
dup(登録商標)除草剤とのタンク混合物としての使用がラベルに記載されて
いる。同様に、有効成分として葉面作用除草剤のグリホセートをそのイソプロピ
ルアンモニウム塩の形態で含む、Monsanto社のRoundup(登録商
標) Ultra除草剤は、製造者により、それぞれ次のものとのタンク混合物
としての使用がラベル表示されている:アトラジン;有効成分としてアトラジン
及びクロロアセトアミド除草剤のメトラクロールを含む、NovartisのB
icep(登録商標)とBicep(登録商標) II除草剤;有効成分として
トリアジン除草剤のシアナジンを含む、American Cyanamidの
Bladex(登録商標)除草剤;有効成分としてクロロアセトアミド除草剤の
アラクロールとアトラジンを含む、Monsanto社のBullet(登録商
標)とLariat(登録商標)除草剤;有効成分としてメトラクロールを含む
、NovartisのDual(登録商標)とDual(登録商標) II除草
剤;有効成分としてアトラジンとシアナジンを含む、Du PontのExtr
azine(登録商標)除草剤;有効成分としてクロロアセトアミド除草剤のジ
メテナミドを含む、BASFのFrontier(登録商標)除草剤;有効成分
としてジメテナミドとアトラジンを含む、BASFのGuardsman(登録
商標)除草剤;有効成分としてアセトクロールを含む、Monsanto社のH
arness(登録商標)除草剤及びZenecaのSurpass(登録商標
)とTopNotch(登録商標)除草剤;有効成分としてアセトクロールとア
トラジンを含む、Monsanto社のHarness(登録商標) Xtra
とHarness(登録商標) Xtra 5.6L除草剤及びZenecaの
Surpass(登録商標) 100除草剤;有効成分としてアラクロールとト
リアジン除草剤のシマジンを含む、Monsanto社のLasso(登録商標
)、Micro−Tech(登録商標)及びPartner(登録商標)除草剤
【0006】 一般に、クロロアセトアミド除草剤は雑草スペクトル、中でも特に広葉(双子
葉)雑草種に弱点があり、これは混合物にトリアジン除草剤を含めることによっ
て改善できる。
【0007】 広域スペクトルの葉面作用除草剤、クロロアセトアミド除草剤及びトリアジン
除草剤のタンク混合物は満足しうる雑草駆除成績を生じるが、これらの3つの成
分すべてを相互に対して適当な量で含有する濃厚除草剤組成物が求められている
。そのような組成物は水に希釈するだけで直ちに散布でき、タンク混合の必要性
とそれに伴う問題が回避される。特に、容易に注入でき、容量で計量できる液体
濃厚除草剤組成物への需要が存在する。
【0008】 複数の有効成分を含む濃厚組成物は、代表的には種々の成分の物理特性が異な
るため、また場合によっては成分の物理的及び/あるいは化学的不適合性のため
に、製剤することが困難である。大部分の市販除草剤製品の場合のように、組成
物が通常の保存条件下で少なくとも約30日間、好ましくは少なくとも約6ヵ月
間許容される保存安定性を示さなければならないときには、製剤の困難さが増大
する。第1有効成分(例えばグリホセート塩)が高度に水溶性であり、第2有効
成分(例えばアセトクロール)が周囲温度で液体であって水への溶解度が非常に
低く、さらに第3有効成分(例えばアトラジン)が周囲温度で固体であって、水
にも、また第2の液体有効成分を含めた適当な有機溶媒にも溶解度が低い場合に
は、そのような保存安定性を達成することが特に難しい。
【0009】 Dreweらの米国特許第4,075,002号は、ビピリジリウム塩除草剤
、例えば二塩化パラクアットの水溶液に分散した固形粒子除草剤、例えばアトラ
ジン、シマジンあるいはアメトリンのようなトリアジンを含む除草剤組成物を開
示している。
【0010】 欧州特許願第0 268 574(’574)号は、その中に溶解したグリホ
セートの水溶性塩と、その中に分散した実質的に水不溶性の2つの有効成分、す
なわち各々固形粒子形態のシマジンとデューロンを保持する水性媒質を含む除草
剤組成物を開示している。開示されている組成物中には、同時にエトキシル化ア
ルアルキル化フェノールのリン酸エステルである第1界面活性剤と、ソルビタン
のエトキシル化C8−18アルカノイルエステル及び/あるいはエトキシル化C 14−20 アルコールである第2界面活性剤も増粘剤と共に存在する。
【0011】 欧州特許願第0 343 142号は、第1界面活性剤がプロピレンオキシド
/エチレンオキシドブロック共重合体であり、第2界面活性剤がソルビタンのエ
トキシル化C8−18アルカノイルエステルであって、さらに第3界面活性剤も
存在し、エトキシル化脂肪アミンであることを除いて、’574号と同様の除草
剤組成物を開示している。
【0012】 Albrechtらの米国特許第5,152,823号は、グリホセート又は
グルホシネートの塩のような少なくとも1つの水溶性除草剤と、分散形態で存在
する少なくとも2つの除草剤、例えばトリアジン除草剤(例えばアトラジン、シ
アナジン、シマジン)と尿素除草剤(例えばデューロン、クロルトルロン、イソ
プロチューロン、モノリヌロン、リヌロン)を含む水性除草剤組成物を開示して
いる。開示組成物中に存在する界面活性剤は、エトキシル化脂肪アルコールと組
み合わせた硫酸アルキルエーテル及びスルホコハク酸モノエステルを含む。
【0013】 Surgantらの米国特許第4,936,901号は、1つの被包された除
草剤と少なくとも1つの被包されていない除草剤を含む、固体の水分散性粒状除
草剤組成物を開示している。被包除草剤の例としてクロロアセトアミド除草剤、
アラクロール、被包されていない除草剤の例としてトリアジン除草剤、アトラジ
ンあるいはグリホセート塩が挙げられる。
【0014】 2つ以上の有効成分を含むものを含めて、使用されてきたあるいは除草性製品
と言われてきた液体濃厚組成物の形態はサスポエマルションである。サスポエマ
ルションを調製する原理は文献中に、例えばMulqueen,P.J.ら:「
サスポエマルション−1パックでのタンク混合テクノロジーの新しい展望」、P
esticide Science and Biotechnology,2
73−278(1987)London:Blackwell;Maulque
en,P.J.ら:「サスポエマルションの新しい開発」、Pesticide Science 29,451−465(1990);Seaman,D.:
「農薬の剤型における傾向−概説」、Pesticide Science 2
9,437−449(1990);Tadros,T.F.:「農薬製剤におけ
る分散系」、Advances in Colloid and Interf
ace Science 32,205−234(1990);Tadros,
T.F.:「分散と分散可能系」、Proceedings,8th Inte
rnational Congress of Pesticide Chem
istry,76−86(1995);Winkle,J.R.:「サスポエマ
ルションのテクノロジーと傾向」、Pesticide Formulatio
n Adjuvant Technology,175−185(1996)B
oca Raton:CRC;ならびにMemula,S.ら:「改善された安
定性を持つサスポエマルション及びゼータ電位と長期的安定性の相関」、Pes
ticide Formulations and Application
Systems 15,132−144(1996)。
【0015】 Fiardらの米国特許第5,362,707号は、アトラジンのような固形
粒子除草剤を含み、且つ乳化剤及び/あるいは分散剤としてスクログリセリドを
含む除草性サスポエマルション組成物を開示している。油相に油溶性除草剤が存
在することは開示されておらず、また水相に水溶性除草剤が存在することも開示
されていない。
【0016】 Dookhithらの米国特許第5,206,021号は、油相と水相の両方
に除草剤のような農薬物質を含む、安定な水中油型エマルションを開示している
。さらに、固体農薬物質を加えることによってそのようなエマルションからサス
ポエマルションが調製できることを開示している。開示されている組成物は二酸
化チタンベースの分散剤又は安定化剤を含む。
【0017】 Frischらの米国特許第5,074,905号は、除草剤のような2つの
有効成分を含むサスポエマルションを開示しており、1つは有機相又は油相であ
り、1つは固形粒子相である。「原則として、水溶性有効成分は水相にも溶解し
うる」と示唆されている。開示されている組成物は、有機相にエチレンオキシド
/プロピレンオキシドブロック共重合体を含む。
【0018】 Moucharafiehの米国特許第4,931,086号は、液体チオー
ルカルバメート除草剤を含む油相と固形粒子トリアジン除草剤が懸濁されている
水相を混合することによって調製される除草剤組成物を開示している。アルキル
ベンゼンスルホン酸カルシウムである陰イオン性乳化剤、定義された式を持つ非
イオン性又は修飾非イオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールで
ある水溶性湿潤剤、リグニン硫酸カルシウムである第1分散剤、燻蒸シリカであ
る第2分散剤、及び消泡剤も存在する。水相に水溶性除草剤が存在することは開
示されていない。
【0019】 Szegoらの米国特許第4,826,863号は、除草剤のような水不溶性
有効成分が懸濁しているサスポエマルション組成物を開示している。油相あるい
は水相の溶液中に除草剤が存在することは開示されていない。
【0020】 欧州特許願第0 503 989号は、例えばアトラジン、シマジンあるいは
アメトリンのようなトリアジン除草剤を含む固形粒子相を有するサスポエマルシ
ョンとして記述されている、除草剤組成物を開示している。油相はスクログリセ
リド界面活性剤を含むが、油相に除草剤が存在することは開示されていない。水
相に水溶性除草剤が存在することも開示されていない。
【0021】 日本特許願第06092801号は、Derwent Abstracts
94−147814から、周囲温度で液体であり、マイクロエマルションの形態
で水相に分散している水溶解度の低い除草剤と、周囲温度で固体であり、固形粒
子形態で組成物中に分散している水溶解度の低い除草剤を含む、水性「懸濁−エ
マルション」除草剤組成物を開示していると思われる。組成物は、ドデシルベン
ゼン硫酸カルシウム、エトキシル化スチリルフェニルエーテル及びエトキシル化
ヒマシ油を含む界面活性剤と、アンモニウムベントナイト又は微細粒状シリカ又
は酸化アルミニウムのような「揺変剤」を含む。水溶性除草剤が水相に存在する
ことは開示されていないと思われる。
【0022】 中国特許願第1076077号は、Chemical Abstracts
120:238296から、アセトクロールと「シントリアジン」除草剤を含み
、さらに乳化剤、分散剤、イソプロパノールのような比重調整剤、増粘剤、安定
化剤、浸透剤及び防霜剤を含む、水性サスポエマルションを開示していると思わ
れる。水相に水溶性除草剤が存在することは開示されていないと思われる。
【0023】 3つの相の各々に除草性有効成分を含む安定な液体濃厚三相組成物の調製が簡
単でないことは、一般的に使用される様々な成分の市販製剤を所望する比率で混
合すれば明らかにされる。例えば、6%グリホセート、22%アセトクロール及
び16%アトラジンを含む三相組成物は、適当な比率のMonsanto社のR
oundup(登録商標) Ultra除草剤(グリホセートイソプロピルアン
モニウム塩の製剤)、Monsanto社のHarness(登録商標) EC
除草剤(アセトクロールの製剤)及びアトラジンの市販の水性懸濁液性剤を適量
の水と共に十分に均質化することによって調製できる。この組成物は、24時間
以内にアトラジン粒子が綿状凝集し、水相と油相が分離することで示されるよう
に、深刻な製剤不安定性を示す。Roundup(登録商標) Ultra除草
剤をMonsanto社のHarness(登録商標) Xtra除草剤(アセ
トクロールとアトラジンの製剤)と十分に均質化しても同様の問題が起こる。
【0024】 (発明の要旨) グリホセート及びグルホシネートから選択される第1除草剤、クロロアセトア
ミドである第2除草剤、及びトリアジンである第3除草剤を含む組成物で、当該
組成物が水相、油相、及び水相及び/あるいは油相に分散した粒子を有し、安定
化量の1又はそれ以上の乳化剤によって安定化されているサスポエマルションで
ある、濃厚除草剤組成物を提供する。
【0025】 より詳細には、水相、油相、及び固形粒子相を有し、これらの相の各々に少な
くとも1つの除草性有効成分が存在する、サスポエマルションの形態の濃厚除草
剤組成物を提供する。当該組成物は次のものを含む: (i)水; (ii)水溶液中に、全体として組成物の約3重量%から約30重量%の酸当量
(a.e.)濃度で、グリホセートとグルホシネートから選択される1又はそれ
以上の葉面作用除草剤の1又はそれ以上の塩; (iii)油相中に、全体として組成物の約5重量%から約40重量%の濃度で
、1又はそれ以上のクロロアセトアミド除草剤; (iv)固形粒子相中に、全体として組成物の約5重量%から約25重量%の濃
度で、1又はそれ以上のトリアジン除草剤; (v)組成物が20−25℃での24時間の保存後、実質的に相分離、沈殿ある
いは凝集を呈さないように、水相への油相の分散及び水相及び/あるいは油相へ
の固形粒子相の分散を安定させるために有効な量の安定化系であって、約5から
約13の親水性−親油性比(HLB)を持つ少なくとも2つの界面活性剤を含み
、界面活性剤の少なくとも1つが非イオン性で、他が非イオン性又は陰イオン性
である安定化系;そして (vi)既に安定化系の一部として含まれていなければ、酸当量で表した葉面作
用除草剤の10重量部に対して約1から約30重量部の総量で、下記に定義され
るような界面活性剤から選択される活性化剤; ここで、組成物中の約5から約13のHLBを持つ界面活性剤の総量は、組成物
中のすべての界面活性剤の60重量%以上である。
【0026】 本文中「クロロアセトアミド」という用語は下記の部分を含む構造式を持つ除
草性化合物をさす
【0027】
【化3】
【0028】 式中、波線は環構造の一部である炭素原子への結合を表し、Xは直鎖又は分枝C 1−4 アルキレン基であり、nは0又は1であり、RはC1−4の直鎖又は分枝
アルキル又はアルケニル基である。そのような化合物は、限定を伴わずに、アセ
トクロール、アラクロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、メ
トラクロール、プレチラクロール、プロパクロール及びプロピソクロールを含む
。また「クロロアセトアミド」という用語には、メタザクロール及びテニルクロ
ールも包含される。
【0029】 一部のクロロアセトアミド除草剤はキラリティを示すため、一部の鏡像異性体
は除草剤として活性であるが、また別の一部は実質的に不活性である。メトラク
ロール及びジメテナミドを含むそのような除草剤において、ラセミ混合物は、除
草活性のある鏡像異性体を含むため、除草剤として活性である。文脈から異なる
解釈が求められないかぎり、本文中でキラリティを示すことが知られている除草
剤に言及するときには常に、そのような言及がラセミ混合物と除草剤として活性
な鏡像異性体の両方に適用されると理解される。特に、文脈から異なる解釈が求
められないかぎり、本文中「メトラクロール」への言及はすべて、1S−及び1
R−鏡像異性体と、時として「S−メトラクロール」と称される除草剤として活
性な1S−鏡像異性体に適用される。
【0030】 本文中「トリアジン」は、置換1,3,5−トリアジン環を含み、且つスルホ
ニル尿素部分を含まない構造式を持つ除草性化合物をさす。そのような化合物は
、限定を伴わずに、アメトリン、アトラジン、シアナジン、デスメトリン、ジメ
タメトリン、プロメトン、プロメトリン、プロパジン、シマジン、シメトリン、
テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン及びトリエタジンを含む。
【0031】 安定化系の成分は、上述したように、20−25℃で24時間の保存したとき
サスポエマルション組成物が実質的に相分離、沈殿あるいは凝集を呈さないよう
に選択され、そのような量で包含される。本文中「相分離」は、組成物中での水
相及び油相あるいはこれらの相の成分の別々の層としての分離を意味する。本文
中「沈殿」は、液(水及び油)相からの固形粒子相の全部又は一部の分離と、組
成物の下部における固形粒子相の蓄積を意味する。本文中「凝集」とは、凝集物
が沈殿によって組成物の下部に蓄積するか否かにかかわらず、凝集物を形成する
固形粒子の凝集を意味する。
【0032】 本文中で使用するとき「実質的に相分離、沈殿あるいは凝集がない」という語
句は、本発明から周知の上部透明化あるいは下部透明化の現象を示す組成物を排
除するものではない。「上部透明化」は組成物の上部の領域における組成物の透
明度の目に見える上昇であり、相分離及び/あるいは沈殿の初期指標でありうる
。「下部透明化」は組成物の下部の領域における組成物の透明度の目に見える上
昇であり、相分離の初期指標でありうる。しかし上部透明化も下部透明化も、不
都合ではあるが、上部透明化あるいは下部透明化を生じた組成物は、そのような
組成物を保持する容器の単なる撹拌、再循環あるいは倒置によって容易に再均質
化されるので、商業慣例において克服できない問題ではない。大部分の市販の農
薬の水性懸濁液及びサスポエマルション濃厚製剤は、長期間保存したときある程
度の上部透明化あるいは下部透明化を示す。
【0033】 本発明の組成物の安定化系の成分として有用な非イオン性界面活性剤は、約5
から約13のHLBを持ち、限定を伴わずに、ポリオキシアルキレン第1及び第
2C8−20アルキルエーテル、アルコキシル化アセチレンジオール、ポリオキ
シアルキレンモノ−及びジ(C8−20アルキル)フェニルエーテル、ポリオキ
シアルキレンジ−及びトリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンC 8−20 脂肪酸エステル、アルコキシル化植物油、エチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドのブロック共重合体及びそのC2−6アルキル付加物、グリセロール
8−20脂肪酸エステル、ソルビタンC8−20モノ−、ジ−及びトリ(C −20 脂肪酸)エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンモノ−、ジ−及びト
リ(C8−20脂肪酸)エステル、スクロースエステル、及びC8−20アルキ
ルポリグリコシドを含む。
【0034】 本発明の組成物の安定化系の成分として有用な陰イオン性界面活性剤は、約5
から約13のHLBを持ち、限定を伴わずに、脂肪酸を含むC8−20アルキル
カルボキシレート、C8−20アルコールスルフェート、C8−20アルコール
ホスフェートモノ−及びジエステル、C8−20アルコール及び(C8−20
ルキル)フェノールポリオキシエチレンエーテルカルボキシレート、スルフェー
ト及びスルホネート、C8−20アルコール及び(C8−20アルキル)フェノ
ールポリオキシエチレンホスフェートモノ−及びジエステル、C8−20アルキ
ルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネートならびにそのホルムアルデヒ
ド縮合物、リグノスルホネート、C8−20アルキルスルホスクシネート及びス
ルホスクシナメート、C8−20アルキルポリオキシエチレンスルホスクシネー
ト及びスルホスクシナメート、ならびにC8−20アシルグルタメート、サルコ
シネート、イセチオネート及びタウレートを含む。本発明の組成物中の陰イオン
性界面活性剤に付随する陽性対イオンは、特に葉面作用除草剤がグリホセートで
ある場合には、二価陽イオンがグリホセートと水不溶性塩を形成する傾向がある
ため、好ましくは一価である。従って、本発明の組成物中の陰イオン性界面活性
剤についての好ましい対イオンは、水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
及び一価有機アンモニウム陽イオンを含む。安定化系において有用な界面活性剤
に関して「陰イオン性」という用語は、陰イオン部分を持つすべての界面活性剤
を含み、それ故一般に両性又は双性イオン性と呼ばれる界面活性剤を包含し、か
かる対イオンは界面活性剤分子の内部にある。しかし、両性及び双性イオン性界
面活性剤を除く陰イオン性界面活性剤が好ましい。
【0035】 本文中「アルコキシル化」及び「ポリオキシアルキレン」という用語は、C −4 アルキレンオキシド単位の1又はそれ以上の重合あるいは共重合鎖を含む界
面活性剤に関する。「アルキル」という用語は、不飽和ならびに飽和ヒドロカル
ビル鎖を含むように界面活性剤関連技術において慣例的に使用される意味で使用
され、直線及び分枝鎖を含む。
【0036】 本文中での必要に応じて「活性化剤」は次のものを含む分子構造を有する界面
活性剤である: (1)0から約7のエーテル結合によって互いに結合された、1又は複数の独立
した飽和又は不飽和、分枝又は非分枝、脂肪族、脂環式又は芳香族C3−20
ドロカルビル又はヒドロカルビレン基を持ち、且つ合計で約8個から約20個の
炭素原子を有する疎水性部分;及び下記のいずれか (2)疎水性部分が基本的に脂肪族C16−20ヒドロカルビル又はヒドロカル
ビレン鎖から成る場合には、基本的に界面活性剤分子につき平均で約10から約
50個のオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレン鎖から成る親水性部分
;もしくは (3)疎水性部分が基本的に脂肪族C16−20ヒドロカルビル又はヒドロカル
ビレン鎖から成るか否かに関わらず、次のものを含む親水性部分: (a)陽イオン性であるか、又は陽イオン性となるようにプロトン化すること
ができ、0から3個のオキシエチレン基又はポリオキシエチレン鎖が直接結合さ
れているアミノ基で、これらのオキシエチレン基及びポリオキシエチレン鎖は界
面活性剤分子につき平均で0から約50個のオキシエチレン単位を含む;及び/
あるいは (b)界面活性剤分子につき平均で約2個のグリコシド単位だけを含むグリコ
シド又はポリグリコシド基。
【0037】 そのような界面活性剤においては、疎水性部分が次の方法のいずれかで親水性
部分に結合している:(i)存在する場合には直接アミノ基に、(ii)存在す
る場合にはオキシエチレン基の1つ、又は存在する場合にはポリオキシエチレン
鎖の1つの末端オキシエチレン単位の酸素原子に結合するエーテル結合によって
、あるいは(iii)存在する場合にはグリコシド単位の1つへのエーテル結合
によって。
【0038】 本発明により、次の段階を含む除草方法も提供される: (i)本発明の濃厚サスポエマルション組成物を噴霧タンクにおいて適量の水で
希釈し、噴霧組成物を生成する、及び (ii)噴霧タンクから供給した噴霧器によりTの時点で噴霧組成物を圃場の
土壌表面及び土壌表面上に発生した雑草の葉面に散布する、 これにより発生した雑草が枯れるか又は駆除され、さもなければTより後で発
生するであろう雑草がT直後から約10日間にわたって発生を阻止される。
【0039】 本文中で使用するとき「雑草」という用語は、作物を育成するために圃場に慎
重に播かれた又は植付けられた種子から生じた植物以外の、既に土壌表面より上
に発生しているか否かに関わらず、苗の段階にある植物を含むすべての植物を包
含する。従って「雑草」は、同じ圃場で成長した以前の作物の植物からこぼれ落
ちた種子、あるいは以前の作物の収穫の間に失われた種子から生じる「自生」植
物のような、慎重に播かれた又は植付けられたのではない種子から成長する作物
種の植物を含む。
【0040】 (発明の詳細な説明) 本発明組成物の全般的特徴 本発明の組成物は、一般に連続相である液体水相、一般に上記水相に分散した
不連続相である液体油相、および上記液体相の一方または両方に分散した不連続
相である固体粒子相を持つサスポエマルションである。
【0041】 本発明のサスポエマルション組成物は、上記三相のそれぞれに少なくとも1つ
の活性成分、具体的には少なくとも1つの除草活性成分を含む点で、これまでに
記述された農薬のサスポエマルション製剤の大部分と相違する。粒子成分が粒子
相に含まれると述べることで、少量のその成分が他の相の一方または両方に存在
する可能性が排除されるわけでないことはわかるだろう。
【0042】 本発明組成物では、グリホセートとグルホシネートから選択される葉面作用除
草剤の塩である第1の除草活性成分の実質的に全てが、水相に水溶液として存在
する。任意にこれら除草剤のうちの1つの2種類以上の塩とこれら除草剤のうち
の2つ以上の塩が水相に存在してもよい。しかし好ましい組成物では、ただ1つ
の上記葉面作用除草剤が、全てまたは実質的に全て、1種類の塩の形で存在する
。その塩は、できるだけ高濃度の葉面作用除草剤を水相に、そして組成物全体に
収容できるように、高い水溶性を持つことが好ましい。
【0043】 本発明組成物では、クロロアセトアミド除草剤である第2の除草活性成分の実
質的に全てが油相に存在する。クロロアセトアミド除草剤が周囲温度で液体であ
る場合、すなわち約0℃未満の融点を持つ場合は、油相は本質的または実質的に
クロロアセトアミド除草剤そのものからなりうる。言い換えると、有機溶媒は任
意に含まれてもよいが、必要ではない。周囲温度で液体であって、有機溶媒を必
要としないで本発明組成物に処方できるるクロロアセトアミド除草剤の例には、
アセトクロール、ブタクロール、メトラクロールおよびプレチラクロールがある
。有機溶媒が望ましい場合やそれが必要な場合は、クロロアセトアミド除草剤が
十分に溶解する、農薬製剤化技術分野で既知の任意の適当な溶媒を使用できる。
有機溶媒は、できるだけ高濃度のクロロアセトアミド除草剤を油相に、そして組
成物全体に収容できるように、クロロアセトアミド除草剤がきわめて溶けやすい
ものであることが好ましい。任意に2つ以上のクロロアセトアミド除草剤が油相
に存在してもよい。しかし好ましい組成物にはただ1つの上記クロロアセトアミ
ド除草剤が存在する。
【0044】 本発明組成物では、トリアジン除草剤である第3の除草活性成分の実質的に全
てが固体粒子相に存在する。任意に2つ以上のトリアジン除草剤が固体粒子相に
存在してもよい。しかし好ましい組成物にはただ1つの上記トリアジン除草剤が
存在する。
【0045】 本発明組成物は任意に1つまたは複数の追加の除草活性成分を含んでもよい。
そのような追加の除草剤成分はサスポエマルションの3つの相のうちの1つまた
は複数に存在しうる。水溶性除草剤は通例、主として水相に存在するが、低水溶
性の除草剤は通例、油相または固体粒子相に存在するだろう。
【0046】 本発明組成物に任意に含まれうる追加の水溶性除草活性成分の例としては、ア
シフルオルフェン、アスラム、ベナゾリン、ベンタゾン、ビアラホス、ビスピリ
バック、ブロマシル、ブロモキシニル、クロラムベン、クロピラリド(clop
yralid)、2,4−D、2,4−DB、ダラポン、ジカンバ、ジクロルプ
ロップ、ジクロホップ、ジフェンゾクワット、ジクワット、エンドタール、フェ
ナック、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フラムプロップ(fl
amprop)、フルアジホップ、フルオログリコフェン(fluorogly
cofen)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フォメサフェン(f
omesafen)、フォサミン(fosamine)、ハロキシホップ(ha
loxyfop)、イマザメス(imazameth)、イマザメタベンズ(i
mazamethabenz)、イマザモックス、イマザピック(imazap
ic)、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル(imazethapyr)、
アイオキシニル、MCPA、MCPB、メコプロップ、メチルアルソン酸、ナプ
タラム、ノナン酸、パラコート、ピクロラム、スルファミン酸、2,3,6−T
BA、TCAおよびトリクロピルの水溶性型または水溶性誘導体(水溶性塩など
)が挙げられるが、これらに限るわけではない。
【0047】 本発明組成物に任意に含まれうる追加の水不溶性除草剤の例としては次の除草
剤が挙げられるが、これらに限るわけではない:アクロニフェン(acloni
fen)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アニロホス、ア
ザフェニジン、アジムスルフロン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスル
フロンメチル、ベンスリド、ベンゾフェナップ、ビフェノックス、ブロモブチド
、ブロモフェノキシム、ブタミホス、ブトラリン(butralin)、ブトロ
キシジム(butroxydim)、ブチラート、カフェンストロール、カルベ
タミド(carbetamide)、カルフェントラゾンエチル(carfen
trazone−ethyl)、クロメトキシフェン、クロルブロムロン、クロ
リダゾン(chloridazon)、クロリムロンエチル、クロルニトロフェ
ン、クロロトルロン、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタルジメチ
ル(chlorthal−dimethyl)、クロルチアミド、シンメチリン
、シノスルフロン、クレトジム、クロジナホッププロパルギル(clodina
fop−propargyl)、クロマゾン(clomazone)、クロメプ
ロップ、クロランスラムメチル(cloransulam−methyl)、シ
クロアート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロホップブチル(c
yhalofop−butyl)、ダイムロン、デスメジファム(desmed
ipham)、ジクロベニル、ジクロホップメチル、ジフルフェニカン、ジメフ
ロン(dimefuron)、ジメピペラート(dimepirate)、ジニ
トラミン、ジノテルブ、ジフェナミド、ジチオピル、ジウロン、EPTC、エス
プロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロンメチル(ethamets
ulfuron−methyl)、エトフメサート(ethofumesate
)、エトキシスルフロン、エトベンザニド、フェノキサプロップエチル(fen
oxaprop−ethyl)、フェヌロン、フラムプロップメチル(flam
prop−methyl)、フラザスルフロン、フルアジホップブチル、フルク
ロラリン(fluchloralin)、フルメトスラム(flumetsul
am)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac−pentyl)
、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルオロクロリドン(fluoroch
loridone)、フルオログリコフェンエチル(fluoroglycof
en−ethyl)、フルポキサム、フルレノール、フルリドン(flurid
one)、フルロキシピル−1−メチルヘプチル(fluroxypyr−1−
methylheptyl)、フルルタモン(flurtamone)、フルチ
アセトメチル(fluthiacet−methyl)、フォメサフェン(fo
mesafen)、ハロスルフロン、ハロキシホップメチル(haloxyfo
p−methyl)、ヘキサジノン、イマゾスルフロン、インダノファン、イソ
プロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール(isoxafl
utole)、イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、ラクトフェ
ン(lactofen)、レナシル、リヌロン、メフェナセット、メタミトロン
(metamitron)、メタベンズチアズロン(methabenzthi
azuron)、メチルダイムロン、メトベンズロン(metobenzuro
n)、メトブロムロン(metobromuron)、メトスラム(metos
ulam)、メトクスウロン(metoxuron)、メトリブジン、メトスル
フロン、モリネート、モノリヌロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラ
ム、ネブロン、ニコスルフロン、ノルフラゾン、オルベンカルブ(orbenc
arb)、オリザリン、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジ
アゾン、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキシフルオルフェン
、ペブラート(pebulate)、ペンジメタリン、ペンタノクロール(pe
ntanochlor)、ペントキサゾン、フェンメジファム、ピペロホス、プ
リミスルフロン(primisulfuron)、プロジアミン、プロパニル、
プロパキザホップ(propaquizafop)、プロファム、プロピザミド
、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロスルフロン(pros
ulfuron)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen−ethyl
)、ピラゾリナート(pyrazolynate)、ピラゾスルフロンエチル、
ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、ピリデート、ピリミノバックメチル、キン
クロラック、キンメラック(quinmerac)、キザロホップエチル、リム
スルフロン、セトキシジム、シデュロン、スルコトリオン(sulcotrio
ne)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホメツロン
(sulfometuron)、スルホスルフロン、テブタム(tebutam
)、テブチウロン、テルバシル、チアゾピル(thiazopyr)、チフェン
スルフロン、チオベンカルブ、チオカルバジル(tiocarbazil)、ト
ラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアラート、トリアスルフロン
、トリベヌロン、トリフルラリン、トリフルスルフロンおよびベルノラート。
【0048】 水相と葉面作用除草剤 水相がグルホシネートの塩を含有する場合、好ましい塩はグルホシネートのア
ンモニウム塩である。
【0049】 しかし現在、水相中の葉面作用除草剤は、さもなければN−ホスホノメチルグ
リシンとも呼ばれるグリホセートの水溶性塩であることが好ましい。塩型のグリ
ホセートは3つの酸部位を持ち、それゆえに三塩基性塩を形成できるが、考えら
れる組成物の水相のpHは約8を超えないことが好ましく、そのpH値では三塩
基性塩として存在するグリホセートの割合が無視できるほど小さい。したがって
ここでは、pH8で有意に脱プロトンされる2つの酸部位だけを考慮する。これ
らのうちの一方はグリホセートのホスホネート部分にあり、他方はカルボキシレ
ート部分にある。7〜8付近のpH値では、二価グリホセート陰イオンが優勢で
あるので、グリホセートは主として二塩基性塩の形で存在するとみなすことがで
きる。4付近のpH値では、一価グリホセート陰イオンが優勢であるので、グリ
ホセートは主として一塩基性塩の形で存在するとみなすことができる。
【0050】 グリホセートは、分子量が約100未満の陽性対イオンを持つ一塩基性または
二塩基性塩もしくはその混合物として、またはそのような塩の混合物として存在
することが好ましい。とりわけ好ましい塩では、陽性対イオンが一価であり、ア
ルカリ金属陽イオン、アンモニウム陽イオン、合計で1〜6個の炭素原子を有す
る有機アンモニウムとスルホニウム陽イオンである。本発明組成物での使用に適
したグリホセート用の陽性対イオンの実例は、ナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム、ジメチルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、モノエタノールアン
モニウムおよびトリメチルスルホニウム陽イオンである。
【0051】 葉面作用除草剤がグリホセートである場合、組成物全体におけるグリホセート
の濃度は約3重量%〜約30重量%a.e.である。通例、好ましい量の他の活
性成分を収容できるように、グリホセート濃度は約20重量%a.e.を超えず
、例えば約5%〜約15重量%a.e.である。好ましい一実施形態では、グリ
ホセート濃度が少なくとも11重量%a.e.である。グリホセートに関するも
う1つの典型的濃度範囲は3.6重量%〜10.8重量%a.e.である。グリ
ホセートの重量/容量濃度は組成物の比重に依存するが、好ましい組成物では例
えば約60〜約180g a.e./lに範囲にある。
【0052】 上述のように、水相は1つまたは複数の追加の水溶性除草剤を含有しうる。水
相に任意に添加してよい他の成分には無機塩がある。例えば、一定の雑草種に対
するグリホセートの除草効力を増加させたり、やはり組成物中に存在するクロロ
アセトアミドおよび/またはトリアジン除草剤によるグリホセート除草効力の拮
抗を軽減させたりすることが知られている硫酸アンモニウムなどの無機アンモニ
ウム塩も、有益に含めることができる。存在しうる無機塩の実例は、炭酸アンモ
ニウム、重炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、フッ化アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、アンモニウム重リン酸、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、重硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム
、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウ
ム、重リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、重硫酸カリウム
、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩
化ナトリウム、硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、重リン酸ナトリウム、リン
酸二水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムお
よび重亜硫酸ナトリウムである。
【0053】 水相の成分として任意に添加できるもう1つのタイプの成分は組成物のpHを
調節するための有機または無機の酸または塩基である。好ましい塩基は水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、およびイソプロピルアミンな
どの有機アミンである。
【0054】 油相とクロロアセトアミド除草剤 油相は(a)クロロアセトアミド除草剤と(b)クロロアセトアミド除草剤用
の有機溶媒(上述のようにクロロアセトアミド除草剤が周囲温度で液体の場合は
この有機溶媒は任意である)を含み、任意に(c)他の油溶性成分を含む。
【0055】 本発明組成物に含められる好ましいクロロアセトアミド除草剤はトウモロコシ
(Zea mays)で選択的出芽前残効性雑草駆除に使用できるものである。
これらのうちアセトクロール(2−クロロ−N−(エトキシメチル)−N−(2
−エチル−6−メチルフェニル)アセトアミド)とメトラクロール(2−クロロ
−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)−N−(2−メトキシ−1−メチル
エチル)アセトアミド)はとりわけ好ましく、これらはどちらも0℃より低い融
点を持ち周囲温度で液体である。アセトクロールまたはメトラクロールを用いて
本発明の組成物を製造する場合、実質的な量(例えば組成物全体の約1重量%よ
り多い量)の有機溶媒は存在しないことが好ましい。
【0056】 有機溶媒を含めることが望ましい場合やその必要がある場合、個々の事例で好
適でありうる有機溶媒の実例は、水不混和性の脂肪族および芳香族炭化水素およ
びヒドロカルビルアルコール、アルデヒドおよびケトン、リン酸モノ−、ジ−お
よびトリ−ヒドロカルビル、シリコーンおよびシロキサン油、脂肪酸とそのアル
キルエステルおよびアルキルアミド、分画されたまたは未分画の天然植物油であ
る。低揮発性の溶媒(特に少なくとも約100℃の引火点を持つもの)が好まし
い。
【0057】 クロロアセトアミド除草剤がアセトクロールまたはメトラクロールである場合
、組成物全体におけるクロロアセトアミド除草剤の濃度は約5重量%〜約40重
量%である。クロロアセトアミド除草剤の典型的濃度範囲は8.65重量%〜2
6重量%である。好ましい範囲は約15重量%〜約30重量%である。クロロア
セトアミド除草剤の重量/容量濃度は組成物の比重に依存するが、好ましい組成
物では例えば約180〜約360g/lの範囲にある。
【0058】 上述のように油相は1つまたは複数の追加の水不溶性除草剤を任意に含有して
よい。含まれるとすれば主として油相に存在するもう1つの任意の成分は、クロ
ロアセトアミド除草剤のセーフナーである。セーフナーはクロロアセトアミド除
草剤が作物(とくに施用時に土壌表面より上に出芽していない作物)に与える損
傷を軽減する化合物である。セーフナーはアセトクロールまたはメトラクロール
を含有する除草剤製品には広範囲にわたって使用され、アセトクロールまたはメ
トラクロールによるトウモロコシへの出芽前損傷の軽減に効果がある。本発明の
組成物に任意に含めてよいセーフナーの実例は、ベノキサコル(benoxac
or;((±)−4−(−ジクロロアセチル)−3,4−ジヒドロ−3−メチル
−2H−1,4−ベンゾオキサジン)と、フリラゾール(furilazole
)((±)−3−(ジクロロアセチル)−5−(2−フラニル)−2,2−ジメ
チルオキサゾリジン)である。その組成物がメトラクロールを含有する場合はベ
ノキサコルがとりわけ好ましく、その組成物がアセトクロールを含有する場合は
フリラゾールがとりわけ好ましい。
【0059】 セーフナーが存在する場合、それはクロロアセトアミド除草剤によって引き起
こされる作物への損傷を軽減するのに有効な量で含まれるべきである。通例、ク
ロロアセトアミド除草剤とセーフナーが約5:1〜約100:1(例えば約20
:1〜約40:1)の重量比で存在すると、そのような量になる。
【0060】 クロロアセトアミド除草剤がアセトコールであり、セーフナーがフリラゾール
である場合、組成物全体におけるフリラゾールの濃度は0〜約1.5重量%(例
えば0〜約1重量%)である。セーフナーが存在する場合、その典型的濃度範囲
は0.26重量%〜0.78重量%である。フリラゾールの重量/容量濃度は組
成物の比重に依存するが、好ましい組成物では例えば0〜約12g/lの範囲に
ある。
【0061】 固体粒子相とトリアジン除草剤 固体粒子相はトリアジン除草剤を含む。本発明の組成物には、他の固体粒子物
質、例えば1つまたは複数の追加の固体粒子状除草活性成分や、後述するような
安定化系の一部を形成しうるシリカ、二酸化チタンまたは粘土などのコロイド粒
子状無機物質などが、任意に存在してもよい。
【0062】 好ましいトリアジン除草剤は、トウモロコシでの出芽前残効性雑草駆除に選択
的に使用できるもの、例えばアメトリン、アトラジン、シアナジン、シマジンお
よびテルブチラジンである。とりわけ好ましいトリアジン除草剤はアトラジン(
6−クロロ−N−エチル−N’−(1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジ
ン−2,4−ジアミン)である。
【0063】 組成物全体におけるトリアジン除草剤の濃度は約5重量%〜約25重量%であ
る。トリアジン除草剤の典型的濃度範囲は6.2重量%〜18.7重量%である
。好ましい範囲は約8重量%〜約20重量%である。トリアジン除草剤の重量/
容量濃度は組成物の比重に依存するが、好ましい組成物では例えば約90〜約1
80g/lの範囲にある。
【0064】 本発明組成物の固体粒子相として組み込まれるトリアジン除草剤の中央粒子サ
イズはそれほど決定的な問題ではない。しかし粒子サイズが大きすぎると、粒子
を懸濁状態に保ちうる安定化系を見つけることが困難になりうる。粒子サイズが
小さすぎて多少の沈殿が起こると、粒子は容器の底に固まって、その後は粒子を
再懸濁することが極めて困難になりうる。一般に約3〜約30μmの中央粒子サ
イズが好適である。約50μmより大きい粒子は<10%であり、>90%が約
0.5μmより大きいことが好ましい。
【0065】 安定化系 本明細書における「安定化系」という用語の使用は、そのような系またはその
成分が濃厚組成物の水相における油相および固体粒子相の分散を安定化する機能
だけを持つことを意味すると解釈してはならない。安定化系の成分は、他にも、
例えば噴霧組成物を形成させるために水で希釈した時の油相と粒子相の迅速かつ
均一な分散を助けるなどの、有用な機能を果たしうる。以下により詳細に説明す
るように、本安定化系の一定の成分は、葉面作用除草剤にとって活性化剤として
も働きうる。
【0066】 本発明組成物は、20〜25℃で24時間の貯蔵後に組成物が相分離、沈殿ま
たは凝集を実質的に示さないように水相における油相と固体粒子相の分散を安定
化するのに有効な量の安定化系を含む。好ましい組成物では、その安定化系が、
約0℃から約40℃までの範囲の任意の温度または任意の温度シーケンス(より
好ましくは約−10℃から約50℃までの範囲の任意の温度または任意の温度シ
ーケンス)での少なくとも7日間(より好ましくは少なくとも30日間、最も好
ましくは少なくとも6ヶ月間)の貯蔵後に、相分離、沈殿または凝集を実質的に
起こさないのに十分なものである。
【0067】 濃厚組成物の物理的安定性を評価する有用な方法は、選択した高温(例えば4
0〜50℃)で所定の期間(例えば1〜100日)にわたって適当な容器でその
組成物を貯蔵した後、相分離、沈殿または凝集についてそれを調べることである
。そのような貯蔵の効果は、周囲温度でのはるかに長い期間の効果を模倣するの
に役立つ。例えば、通常範囲の貯蔵条件での長期間安定性のとりわけ正確な予測
が、40℃で12週間または50℃で8週間の貯蔵によって得られることを、我
々は見出した。
【0068】 上部透化または底部透化は、初期不安定性を示すものであるとしても、一般に
それ自体が許容できないものではない。しかし本発明のとりわけ好ましい組成物
では、上部透化または底部透化でさえ、起こったとしても極めて軽度にしか起こ
らない。
【0069】 本安定化系は約5〜約13のHLBを持つ少なくとも1つの非イオン界面活性
剤と、約5〜約13のHLBを持つ少なくとも1つの陰イオン界面活性剤を含む
ことが好ましい。本安定化系は任意に、例えばすぐ上に述べた基準に合致しない
界面活性剤や増粘剤などの非界面活性剤物質などといった追加の成分をさらに含
んでもよい。
【0070】 HLBに関して「約5〜約13」および「約8〜約13」という表現は13.
0よりわずかに高いHLBを持つ界面活性剤(例えば界面活性剤1分子あたり約
1.6個のグルコース単位を持ち、したがって13.1のHLBを持つC9−1 アルキルポリグルコシドなど)も包含すると理解すべきである。しかし「約5
〜約13」という用語は、14以上のHLBを持つ界面活性剤(例えばポリオキ
シエチレン(15)獣脂アミン(tallowamine)(HLB=14)な
ど)を除外すると理解すべきである。
【0071】 安定化系の成分として有用な好ましい非イオン界面活性剤には、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドのブロック共重合体およびそのC2−6アルキル付加
物、ポリオキシエチレンソルビタンモノ−、ジ−およびトリ−(C12−20
ルキル)エステル、およびC8−20アルキルポリグルコシドがある。
【0072】 安定化系の成分として有用な好ましい陰イオン界面活性剤には、(C8−12 アルキル)フェニルポリオキシエチレンエーテルスルフェートと(C8−12
ルキル)フェニルポリオキシエチレンホスフェートモノ−およびジ−エステルが
あり、それらはそれぞれ一価の対イオンを伴う。ある実施形態では、(C8−1 アルキル)フェニルポリオキシエチレンエーテルスルフェートまたは(C8− 12 アルキル)フェニルポリオキシエチレンホスフェートの一価の対イオンが、
プロトン化されたポリオキシエチレンC12−20アルキルアミン界面活性剤で
ある。この実施形態では、そのポリオキシエチレンC12−20アルキルアミン
界面活性剤が好ましくは約5〜約13(より好ましくは約8〜約13)のHLB
を持つ。
【0073】 とりわけ好ましい本発明組成物は、(i)エチレンオキシドとプロピレンオキ
シドのブロック共重合体のC2−6アルキル付加物、(ii)ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノ−、ジ−、またはトリ−(C12−20アルキル)エステルお
よび(iii)(C8−12アルキル)フェノールポリオキシエチレンエーテル
スルフェートのポリオキシエチレンC12−20アルキルアミン塩の混合物から
なる安定化系を有する。もう1つのとりわけ好ましい本発明組成物は、すぐ上に
述べた(i)と(ii)のブレンドを(iii)(C8−12アルキル)フェノ
ールポリオキシエチレンホスフェートエステル(任意にポリオキシエチレンC 2−20 アルキルアミンを伴うもの)と共に含む安定化系を有する。
【0074】 本安定化系で有用な具体的界面活性剤の実例は、12のHLBを持つエチレン
オキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体のブチル付加物、ポリエチレ
ン(20)ソルビタントリオレイン酸エステル(HLB=11)、ノニルフェノ
ールポリオキシエチレンエーテルスルフェート(HLB=8)のポリオキシエチ
レン(5)獣脂アミン塩、ノニルフェノールポリオキシエチレン(3〜9)ホス
フェート(HLB=8〜13)、例えばノニルフェノールポリオキシエチレン(
6)ホスフェート、および上記ノニルフェノールポリオキシエチレン(3〜9)
ホスフェートとポリオキシエチレン(5)獣脂アミン(HLB=9)のブレンド
である。
【0075】 後述するように葉面作用除草剤の活性化剤として含まれる界面活性剤は、安定
化系の成分として二次的な役割を果たしうる。一例として、界面活性剤1分子あ
たり平均約1.6個のグルコース単位を持ち約13のHLBを有するC9−11 アルキルポリグルコシドは、活性化剤としても安定化系の非イオン成分としても
有用である。もう1つの例として、ポリオキシエチレン(5)獣脂アミンは有用
な活性化剤であり、上述のように安定化系の陰イオン成分の対イオンとしても役
立ちうる。
【0076】 安定化系の各成分の量は、その組成物のために選択した具体的活性成分と、所
望するそれらの絶対量および相対量に依存する。本明細書に記載の種類または具
体例から選択される安定化系成分の適切な量は、20〜25℃で24時間の貯蔵
後に、また好ましい実施形態では上述したようなより広い温度範囲にわたるより
長期間の貯蔵後に、その組成物が相分離、沈殿または凝集を実質的に示さないこ
とを試験する日常的な実験によって決定できる。通例、約5〜約13のHLBを
持つ全ての非イオン界面活性剤の組成物全体における総濃度は、約1重量%〜約
10重量%、例えば約1.5重量%〜約5重量%である。通例、約5〜約13の
HLBを持つ全ての陰イオン界面活性剤の組成物全体における総濃度は、対イオ
ンの重量を除いて、約1重量%〜約10重量%、例えば約2重量%〜約6重量%
である。
【0077】 約5〜約13のHLBを持つ全ての種類の界面活性剤の組成物全体における総
濃度は約7重量%を超えないことが好ましい。
【0078】 とりわけ好ましい一実施形態では、安定化系が約15より高いHLBの陰イオ
ン界面活性剤であるエマルション安定化剤をさらに含む。そのようなエマルショ
ン安定化剤の適当な例はラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸アンモニウ
ムであり、これらはどちらも、例えば組成物全体に、そのエマルション安定化剤
が供給される際の媒体である水または他の希釈剤を除いて、0〜約5重量%(例
えば0〜約1重量%)の濃度で存在しうる。
【0079】 本発明の好ましい実施形態の組成物では、上述のように、その組成物中に存在
する全ての種類の全ての界面活性剤の60重量%を超える量が、約5〜約13の
HLBを持つ界面活性剤によって占められる。とりわけ好ましい一実施形態では
その組成物全体に存在する全ての種類の全ての界面活性剤の少なくとも約70重
量%が約5〜約13のHLBを持つ界面活性剤によって占められる。我々は、や
や低いHLBの界面活性剤がこのように優勢であって、より高いHLB(約14
以上)を持つ界面活性剤が相応に少量であることが、とりわけ良好な貯蔵安定性
と関係することを見出した。我々は、グリホセートまたはグリホシネート塩に起
因する発芽後除草効力が、意外なことに、組成物中の比較的少量の高HLB界面
活性剤によって許容できない程度に犠牲にされたり弱められたりしないことも見
出した。
【0080】 組成物中に存在する異なるHLB範囲の界面活性剤の相対量を計算する場合、
界面活性剤と一緒に供給される水または他の希釈剤の重量は、わかるのであれば
、除外すべきである。例えば、Stepan社のStepanol(登録商標)
WACは29%のラウリル硫酸ナトリウムを含有する。1%Stepanol(
登録商標)WACを含有する組成物では、ラウリル硫酸ナトリウムの濃度は0.
29%と計算されるべきである。
【0081】 さらに本安定化系は、当技術分野で知られる任意の粘度増加剤または揺変剤を
含む1つまたは複数の増粘剤を任意に含んでもよい。一定の界面活性剤は、上に
挙げた非イオンおよび陰イオン界面活性剤種の代表例を含めて、増粘剤として働
きうる。増粘剤として有用な不活性固体粒子には、マイクロ粒子およびナノ粒子
状のシリカ、二酸化チタン、酸化アルミニウム、アタパルジャイト、モンモリロ
ナイト、ベントナイトおよび珪藻土がある。増粘剤として有用なゴムにはキサン
タンゴム、ゲランゴムおよびグアールゴムがある。増粘剤として有用なポリマー
には、ポリエチレンおよびポリプロピレングリコール、ポリアクリレート、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル
、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセ
ルロースとそれらの誘導体、澱粉とその誘導体などがある。
【0082】 増粘剤を含める場合、好ましい増粘剤は、コロイドアタパルジャイトなどのコ
ロイドマイクロ粒子状のシリカおよび粘土である。葉面作用除草剤を結合する性
質を持つか、葉面作用除草剤を他の形で水に不溶性にするまたは葉面取り込みに
利用できなくする性質を持つ粘土は、葉面除草活性の損失を避けるために、本組
成物では控え目に使用すべきである。コロイド状シリカおよび/またはアタパル
ジャイトは、例えば、組成物全体に0〜約5重量%、好ましい組成物では0〜約
1重量%の総濃度で存在しうる。
【0083】 活性化剤 本発明の組成物(特に葉面作用除草剤がグリホセートの塩である場合)では、
界面活性剤の2つのサブクラスが活性化剤としてとりわけ有用である。
【0084】 第1のサブクラスは約4のpHレベルで次の式を持つ: [R1-(XR2)m-(OCH2CH2)n-(NR3R4-(CH2)p)q-(glu)rOH]s[A]t (式中、Rは水素またはC1−18ヒドロカルビルであり、各Xは独立してエ
ーテル、チオエーテル、エステル、チオエステルまたはアミド結合であり、各R は独立してC3−6ヒドロカルビリデンであり、mは0〜約8の平均数であり
、R−(XR中の炭素原子の総数は約8〜約24であり、nは0〜約5
の平均数であり、RとRは独立して水素またはC1−4アルキルであり、p
は2〜4であり、qは0または1であり、gluは次式の単位:
【0085】
【化4】
【0086】 であり(本明細書ではグルコシド単位という)、rは1〜約2の平均数であり、
Aは陰イオン体であり、sは1〜3の整数であって、tは電気的中性が保たれる
ように0または1である)。
【0087】 第2のサブクラスは約4のpHで次の式を持つ:
【0088】
【化5】
【0089】 (式中、Rは水素またはC1−18ヒドロカルビルであり、各Xは独立してエ
ーテル、チオエーテル、エステル、チオエステルまたはアミド結合であり、各R は独立してC3−6ヒドロカルビリデンであり、mは0〜約9の平均数であり
、R−(XR中の炭素原子の総数は約8〜約24であり、nは0〜約5
の平均数であり、Rは水素、C1−4アルキル、ベンジル、陰イオンオキシド
基または陰イオン基−(CHC(O)O(ここにuは1〜3である)であ
り、RとRは独立して水素、C1−4アルキルまたはC2−4アシルであり
、xとyはx+yが0〜約30になるような平均数であり、Aは陰イオン体であ
り、sは1〜3であって、tは電気的中性が保たれるように0または1である)
【0090】 上述の2つのサブクラスの界面活性剤が、非限定的に、アルキルポリグルコシ
ド、アルキルアミノグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルアミン、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アル
キルジメチルベンジルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンN−メチルアルキル
アンモニウム塩、ポリオキシエチレンN−メチルアルキルエーテルアンモニウム
塩、アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキ
シド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアミンオキシド、アルキルベタイン
、アルキルアミドプロピルアミンなどと記述できるものを包含することは理解さ
れるだろう。
【0091】 オキシエチレン単位またはグルコシド単位などの構造上の特徴に関して本明細
書で最大または最小の「平均数」を挙げる場合、ある界面活性剤調製物中の個々
の分子におけるそのような単位の整数値が、通例、最大「平均数」より大きい整
数または最小「平均数」より小さい整数を含みうる範囲にわたって変動すること
は当業者には理解されるだろう。ある組成物中に「平均数」で規定した範囲を超
える整数個の上記の単位を持つ個々の界面活性剤分子が存在しても、「平均数」
が規定した範囲内にあり他の要件が満たされている限り、その組成物は本発明の
範囲から除外されない。
【0092】 本発明の組成物で活性化剤として役立ちうる界面活性剤タイプの実例には次の
ものがある。 (A)上に定義した第1のサブクラスの界面活性剤であって、RがC8−18 脂肪族、飽和または不飽和、直線状または分枝状のヒドロカルビル鎖であり、m
、nおよびqが0であり、sが1であり、tが0であるもの。このグループには
、当技術分野で集合的に「アルキルポリグルコシド」または「APG」として知
られ、または本明細書でそのように総称する、いくつかの市販の界面活性剤が含
まれる。適当な例はHenkel社からAgrimul(登録商標)PG−20
69およびAgrimul(登録商標)PG−2076として販売されている。 (B)上に定義した第2のサブクラスの界面活性剤であって、RがC8−18 脂肪族、飽和または不飽和、直線状または分枝状のヒドロカルビル鎖であり、m
が0であるもの。このグループではRだけがその界面活性剤の疎水性部分を形
成し、アルキルアミンの場合のようにアミノ官能基に直接結合しているか、ある
種のアルキルエーテルアミンの場合のようにオキシエチレン基の酸素原子または
ポリオキシエチレン鎖の末端酸素原子によって形成されるエーテル結合によって
結合している。異なる親水性部分を持つサブタイプの実例には、次のものが含ま
れる: (B−1)xとyが0であり、R、RおよびRが独立して水素またはC −4 アルキルであり、tが1である界面活性剤。このサブタイプには(R、R およびRがそれぞれメチルであり、Aが塩化物イオンである場合)当技術分
野で「アルキルトリメチルアンモニウムクロリド」として知られ、または本明細
書でそのように呼ぶ、いくつかの市販の界面活性剤が含まれる。適当な例は、例
えばAkzo社からArquad(登録商標)Cとして入手できるココアルキル
トリメチルアンモニウムクロリドである。このサブタイプには(RとRがそ
れぞれメチルであり、Rが水素であり、Aがグリホセートイオンである場合)
非プロトン化状態では当技術分野で「アルキルジメチルアミン」として知られ、
または本明細書でそのように呼ぶ、いくつかの市販の物質も含まれる。適当な例
には、ココアルキルジメチルアミンと獣脂アルキルジメチルアミン(tallo
walkyldimethylamine)がある。 (B−2)x+yが2〜約30であり、RとRが水素であり、tが1である
界面活性剤。このサブタイプには、当技術分野で「ポリオキシエチレンアルキル
アミン」(nが0であり、Rが水素である場合)、ある種の「ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルアミン」(nが1〜5であり、Rが水素である場合)、
「ポリオキシエチレンN−メチルアルキルアンモニウムクロリド」(nが0であ
り、Rがメチルである場合)およびある種の「ポリオキシエチレンN−メチル
アルキルエーテルアンモニウムクロリド」(nが1〜5であり、Rがメチルで
ある場合)として知られ、または本明細書でそのように呼ぶ、市販の界面活性剤
が含まれる。適当な例は、例えばAkzo社からそれぞれEthomeen(登
録商標)C/12、Ethomeen(登録商標)T/15、Ethomeen
(登録商標)C/20およびEthomeen(登録商標)T/25として入手
できるポリオキシエチレン(2)ココアミン、ポリオキシエチレン(5)獣脂ア
ミン、ポリオキシエチレン(10)ココアミンおよびポリオキシエチレン(15
)獣脂アミン(これらは、米国特許第5,750,468号に開示されているよ
うに、そのアミン基が非プロトン化型の場合は、次式に従う界面活性剤である:
【0093】
【化6】
【0094】 (式中、RはC12−15アルキルであり、x+yは5である))と、例えば
Akzo社からそれぞれEthoquad(登録商標)C/12、Ethoqu
ad(登録商標)18/12およびEthoquad(登録商標)C/25とし
て入手できるポリオキシエチレン(2)N−メチルココアンモニウムクロリド、
ポリオキシエチレン(2)N−メチルステアリルアンモニウムクロリドおよびポ
リオキシエチレン(15)N−メチルココアンモニウムクロリドである。R
水素である場合、すなわち4級ではなく3級アンモニウム界面活性剤である場合
、陰イオンAは通例、界面活性剤と共に供給されない。しかし、pH約4〜5で
のグリホセート含有製剤では、陰イオンAが二塩基性塩を形成できるグリホセー
トでありうることはわかるだろう。 (B−3)Rが陰イオンオキシド基であり、tが0である界面活性剤。このサ
ブタイプには、当技術分野で「ジメチルアルキルアミンオキシド」(n、xおよ
びyが0であり、RとRがメチルである場合)、ある種の「ジメチルアルキ
ルエーテルアミンオキシド」(nが1〜5であり、xとyが0であり、RとR がメチルである場合)、「ポリオキシエチレンアルキルアミンオキシド」(n
が0であり、x+yが2以上であり、RとRが水素である場合)およびある
種の「ポリオキシエチレンアルキルエーテルアミンオキシド」(nが1〜5であ
り、x+yが2以上であり、RとRが水素である場合)として知られ、また
は本明細書でそのように呼ぶ、市販の界面活性剤が含まれる。適当な例はAkz
o社がAromox(登録商標)DMCとして販売しているジメチルココアミン
オキシドと、Akzo社がArmox(登録商標)C/12として販売している
ポリオキシエチレン(2)ココアミンオキシドである。 (B−4)Rが陰イオン基−CHC(O)O(アセテート)であり、xとy
が0であり、tが0である界面活性剤。このサブタイプには、当技術分野で「ア
ルキルベタイン」(nが0であり、Rがアセテートであり、RとRがメチ
ルである場合)およびある種の「アルキルエーテルベタイン」(nが1〜5であ
り、Rがアセテートであり、RとRがメチルである場合)として知られる
、または本明細書でそのように呼ぶ、市販の界面活性剤が含まれる。適当な例は
、例えばHenkel社がVelvetex(登録商標)AB−45として販売
しているココベタインである。 (A)第2のサブクラスの界面活性剤であって、RがC8−18脂肪族、飽和
または不飽和、直線状または分枝状のヒドロカルビル鎖であり、mが1であり、
Xがエーテル結合であり、Rがn−プロピレンであり、nが0であるもの。こ
のグループではRがORと共に、R結合によってアミノ官能基に直接結合
したその界面活性剤の疎水性部分を形成する。これらの界面活性剤は、米国特許
第5,750,468号に開示されているように、アルキルエーテルアミンの1
つのカテゴリーを形成する。実例となるサブタイプは上記(B−1)〜(B−4
)に例示した様々な親水性部分を持つ。適当な例は、米国特許第5,750,4
68号に開示されているように、そのアミン基が非プロトン化型の場合に、式:
【0095】
【化7】 に従う界面活性剤、式:
【0096】
【化8】 に従う界面活性剤、および式:
【0097】
【化9】
【0098】 に従う界面活性剤である(直前に挙げた3つの式のそれぞれにおいて、RはC 12−15 アルキルであり、x+yは5である)。 (B)第2のサブクラスの界面活性剤であって、RがC8−18脂肪族、飽和
または不飽和、直線状または分枝状のヒドロカルビル鎖であり、mが1〜5であ
り、各XRが−OCH(CH)CH−基であり、nが0であるもの。この
グループでは、Rが−OCH(CH)CH−基と共に、アミノ官能基に直
接結合されるその界面活性剤の疎水性部分を形成する。これらの界面活性剤は米
国特許第5,750,468号に開示されているように、アルキルエーテルアミ
ンのさらにもう1つのカテゴリーを形成する。実例となるサブタイプは上記(B
−1)〜(B−4)に例示した様々な親水性部分を持つ。適当な例は、米国特許
第5,750,468号に開示されているように、そのアミノ基が非プロトン化
型である場合に、式:
【0099】
【化10】
【0100】 に従う界面活性剤である(式中、RはC12−15アルキルであり、mは2で
あり、x+yは5である)。 (C)第2のサブクラスの界面活性剤であって、RがC8−18脂肪族、飽和
または不飽和、直線状または分枝状のヒドロカルビル鎖であり、mが1であり、
Xがアミド結合であり、Rがn−プロピレンであり、nが0であるもの。この
グループでは、RがXRと共に、R結合によってアミノ官能基に直接結合
されるその界面活性剤の疎水性部分を形成する。このグループの好ましい界面活
性剤では、xとyが0であり、Rが水素またはC1−4アルキルであり、R とRが独立してC1−4アルキルであり、tが1である。適当な例は、例えば
McIntyre社がMackalene(登録商標)117として販売してい
るココアミドプロピルジメチルアミンプロピオネートである。 (D)第2のサブクラスの界面活性剤であって、Rが水素であり、mが3〜8
であり、各XRが−OCH(CH)CH−基であるもの。このグループで
は、−OCH(CH)CH−基のポリエーテル鎖(ポリオキシプロピレン鎖
)が、直接もしくは1つまたは複数のオキシエチレン単位を介してアミノ官能基
に連結されるその界面活性剤の疎水性部分を形成する。このグループの好ましい
界面活性剤では、xとyが0であり、R、RおよびRが独立してC1−4 アルキルであり、tが1である。これらの界面活性剤は米国特許第5,652,
197号に開示されているポリオキシプロピレン4級アンモニウム界面活性剤の
サブクラスである。適当な例では、mが7であり、nが1であり、R、R
よびRがそれぞれメチルであり、Aが塩化物イオンである。
【0101】 どちらのサブクラスの界面活性剤でも、tが1である場合、Aは任意の適当な
陰イオンでありうるが、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオ
ン、硫酸イオン、エト硫酸イオン(ethosulfate)、リン酸イオン、
酢酸イオン、プロピオン酸イオン、コハク酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオ
ン、酒石酸イオン、または上述したようにグリホセートである。
【0102】 本発明組成物では、安定化系にも寄与する界面活性剤を含めて、活性化剤の組
成物全体における総濃度が、酸当量として表して、葉面作用除草剤の濃度の約1
0分の1〜約3倍である。通例、活性化剤は組成物全体の約0.5重量%〜約2
0重量%を占めるが、好ましい組成物では、約0.5重量%〜約3重量%でしか
ない。我々は意外にも、比較的低濃度の活性化剤を含む本発明のグリホセート含
有組成物の葉面除草活性は、はるかに高い濃度の活性化剤を含むが他の点では同
様の組成物と少なくとも同程度に強いことを見出した。活性化剤の濃度が増加す
るにつれてグリホセート除草活性が増加するという当技術分野で周知の一般的観
察は、ここで考えられる組成物については全く当てはまらない。
【0103】 他の成分 本発明組成物は上述した成分に加えて任意に不活性成分または賦形剤成分を含
有してもよい。例えば、グリコール類(例:ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、約200〜約1000の範囲の分子量を
持つポリエチレングリコール)などの不凍剤または流動点変更剤が有用であるこ
とがわかる。グリコール類の組成物全体における典型的濃度は0〜約5重量%で
ある。濃度が約0.5%〜約3%のプロピレングリコールはとりわけ好適である
ことがわかった。
【0104】 本発明組成物中に安定化系の成分としてまたは活性化剤として存在する界面活
性剤の一部は組成物の包装、調合および/または希釈中に過剰な量の泡または過
剰に安定な泡を生成しうるので、例えば有機シリコーン消泡剤などの消泡剤を含
めることがしばしば望ましい。消泡剤の組成物全体における典型的濃度は0〜約
0.5重量%である。
【0105】 本発明組成物を製造する方法 文献に記載のサスポエマルション製造法は一般に本発明組成物の製造に適して
いる。本発明は本明細書に説明する方法によって製造される組成物に限定されな
い。
【0106】 好ましい方法では、まず(a)水、(b)通例、濃水溶液の形で添加される水
溶性葉面作用除草剤塩、(c)安定化系の非イオン成分としても役立つまたは安
定化系の陰イオン成分の対イオンとしても役立つ界面活性剤以外の活性化剤、(
d)無機塩、グリコール類、pH調節用の酸または塩基などの他の任意の水溶性
成分および(e)消泡剤(含まる場合)を第1の容器で撹拌しながら1つに混合
することによって、水性予備混合液が調製される。水性予備混合液の他の全ての
成分を加えた後に葉面作用除草剤塩を加えることが、必要ではないものの、とり
わけ好ましい。水性予備混合液の成分は、完成した組成物でそれらの成分が所望
の割合になるように計算された相対量で添加される。
【0107】 また、(a)有機溶媒(含める場合)、(b)クロロアセトアミド除草剤、(
c)セーフナー(含める場合)、(d)安定化系の陰イオン成分(対イオンを含
む)および(e)安定化系の非イオン成分を第2の容器で撹拌しながら、好まし
くはこの順序で、1つに混合することによって、有機予備混合液も調製される。
有機予備混合液の成分は、完成した組成物でそれらの成分が所望の割合になるよ
うに計算された相対量で添加される。活性化剤またはその任意の成分が約13よ
り低いHLBを持つ場合は、任意にそれを水性予備混合液ではなく有機予備混合
液に含めてもよい。
【0108】 その組成物にコロイド粒子増粘剤を含める場合は、それを第3の容器で高剪断
力下に水と混合することによって、その増粘剤のスラリーが調製される。
【0109】 有機予備混合液は、完成した組成物で各成分が所望の割合になるように計算さ
れた相対量で、撹拌しながら水性予備混合液に加えられる(またはその逆)。こ
れによって水−有機混合物が形成される。この混合物の撹拌を続け、それが均一
なエマルションを形成するまで、ホモジナイザーを通してその混合物を再循環さ
せる。
【0110】 次に、完成した組成物で各成分が所望の割合になるように計算された量の前も
って適当な粒子サイズに摩砕しておいたトリアジン除草剤を、撹拌と再循環を続
けながら上記エマルションにゆっくりと加えて、サスポエマルションを形成させ
る。
【0111】 最後に、エマルション安定化剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)および/ま
たはコロイド粒子スラリー(含める場合)を、撹拌とホモジナイザーを通した再
循環とを続けながら上記サスポエマルションに添加して、完成した本発明組成物
を形成させる。その後、本組成物を包装と貯蔵の前に篩にかけて凝集物と他の過
剰な粒子サイズの不溶性物質を除去することができる。
【0112】 本発明組成物の使用法 本発明組成物を使用する除草法では、噴霧タンクで本組成物を適量の水に希釈
して噴霧組成物を形成させ、次にそれを、時刻Tに噴霧器を使って噴霧タンク
から圃場の土壌表面と土壌表面より上に発芽している雑草の葉群に施用する。施
用される噴霧組成物の希釈度と量は、(i)出芽した雑草の枯死または駆除と、
(ii)Tの直後の約10日間、好ましくは約30日間にわたって、施用しな
ければこの期間中に出芽したであろう雑草の出芽の抑制とが起こるようなものと
する。
【0113】 トリアジン除草剤も発芽した雑草の枯死または駆除の一因になりうるが、この
効果は主として水溶性葉面作用除草剤(グリホセートまたはグルホシネート塩)
が担っている。T後の上記期間中に雑草の発芽を抑制する効果(すなわち残効
性雑草駆除)は、実質的にその全てが、クロロアセトアミド除草剤とトリアジン
除草剤による。
【0114】 本方法の一実施形態として、本噴霧組成物は、施用のすぐ前またはすぐ後には
作物が植えられない圃場に使用される。この実施形態では、どの種類の作物も存
在しないか、リンゴ、セイヨウナシ、サクランボ、プラム、アーモンド、ラズベ
リー、柑橘類果実、つる植物、イチゴ、オリーブ、ホップ、サトウキビ、コーヒ
ー、ゴム、ギネアアブラヤシなどの多年生または既存の作物が圃場にある。その
ような作物が存在する場合、施用は、しぶきが土壌と雑草葉群に向けられ、作物
の葉群には有意な量のしぶきがかからないような方法で行なわれることが好まし
い。
【0115】 本方法のもう1つの実施形態では、作物がTのすぐ前からTの約30日後
までの期間に植えられる。この実施形態では、雑草の残効性駆除が作物の草冠閉
鎖まで持続することが好ましい。「草冠閉鎖」とは、土壌表面の実質的に全て(
例えば少なくとも約80%)が作物葉群で覆い隠される、圃場の作物の成長段階
を意味する。草冠閉鎖後に発芽する雑草は一般的には重大な問題を起こさず、し
ばしば無視できる。
【0116】 本方法のもう1つの実施形態では、葉面作用除草剤に対してその除草剤の施用
量で耐性を持つ作物が植えられる。本発明組成物を水に希釈することによって調
製される噴霧組成物は、出芽した雑草が枯死するか駆除され、発芽前の雑草の残
効性駆除が少なくとも約10日間、好ましくは少なくとも約30日間は達成され
、かつ、作物が有意に損傷されないように、作物と雑草の両方の葉群と、それら
の植物の間およびその周辺の土壌表面に施用される。
【0117】 この実施形態では、作物は、従来の品種改良法または遺伝的形質転換を伴う方
法によって、葉面作用除草剤に対して耐性であるように選択または育種されたも
のであることが好ましい。例えば組成物中の葉面作用除草剤がグリホセートであ
る場合、その組成物はグリホセート耐性作物の葉群に安全に施用できる。グリホ
セートに対して耐性を持つ作物の実例としてMonsanto社の商標Roun
dup Ready(登録商標)の下に販売されているものがあり、トウモロコ
シ、綿、大豆およびアブラナの品種が含まれる。
【0118】 作物がクロロアセトアミド除草剤とトリアジン除草剤に対して耐性を持たなけ
ればならいことはすぐに理解されるだろう。ある種のクロロアセトアミド除草剤
とトリアジン除草剤に対して高度な耐性を示す好ましい作物はトウモロコシであ
る。トウモロコシが施用時にまだ発芽していない場合、ある種のクロロアセトア
ミド除草剤は、トウモロコシで出芽前に一般に使用されるアセトクロールやメト
ラクロールなどのクロロアセトアミド除草剤でさえ、状況によってはトウモロコ
シに損傷を与えることがあり、そのような施用ではセーフナーを含有する本発明
組成物を使用することが好ましい。施用が葉面作用除草剤に対して耐性を持つト
ウモロコシ(例えばRoundup Ready(登録商標)トウモロコシ)に
対して出芽後になされる場合は、セーフナーは一般に不要である。
【0119】 施用量、水量および施用の条件に関して最大の注意を払う必要がある成分は葉
面除草剤(とりわけ葉面作用除草剤がグリホセート塩である場合)である。グリ
ホセート含有除草剤組成物の施用量は通常、単位処理面積あたりのグリホセート
の量(例えば1ヘクタールあたりのグラム酸当量数(g a.e./ha))と
して表される。グリホセート組成物の望ましい除草効果は、通例、例えば、グリ
ホセートが処理された植物においてその最大の除草または殺草効果を発揮する、
施用後のある期間後に成長の減少または枯損量によって測定されるある植物種の
駆除率が85%というものである。植物種と成長条件に依存してその期間は1週
間程度と短い場合もあるが、グリホセートがその最大の効果を発揮するには通常
は少なくとも2週間が必要である。
【0120】 本発明組成物に関して除草剤として有効な施用量の選択は、通常の農業科学者
の技術で十分に可能である。また当業者には、個々の植物条件、天候及び生育条
件と本組成物の特定の活性成分とそれらの重量比とが、本発明を実施して達成さ
れる除草有効性の程度に影響を及ぼすこともわかるだろう。グリホセート組成物
の使用については、適切な施用量に関して多くの情報が知られている。20年を
超えるグリホセートの使用とそのような使用に関する公表された研究によって豊
富な情報が提供されており、雑草駆除実施者は、そこから、特定の環境条件で特
定の成長段階にある特定の種に対して除草剤として有効なグリホセート施用量を
選択することができる。
【0121】 グリホセート塩の除草剤組成物は、極めて広範囲にわたる世界中の植物を駆除
するために使用できる。
【0122】 本発明の組成物を使って駆除できる特に重要な一年生双子葉植物種の例として
は、イチビ(velvetleaf)(Abutilon theophras
ti)、ピッグウィード(pigweed)(ヒユAmaranthus属の諸
種)、ボタンウィード(buttonweed)(Borreria属の諸種)
、ナタネ(oilseed rape)、キャノーラ、セイヨウカラシナなど(
アブラナBrasscia属の諸種)、ツユクサ(ツユクサCommelina
属の諸種)、オランダフロウ(Erodium属の諸種)、ヒマワリ(ヒマワリ
Helianthus属の諸種)、アサガオ(サツマイモIpomoea属の諸
種)、ホウキギ(Kochia scoparia)、マロウ(mallow)
(ゼニアオイMalva属の諸種)、ソバカズラ、タデなど(タデPolygo
num属の諸種)、スベリヒユ(スベリヒユPortulaca属の諸種)、ロ
シアン・シスル(russian thistle)(オカヒジキSalsol
a属の諸種)、サイダ(Sida属の諸種)(キンゴジカSida属の諸種)、
ノハラガラシ(wild mustard)(Sinapis arvensi
s)およびオナモミ(cocklebur)(オナモミXanthium属の諸
種)が挙げられるが、これらに限るわけではない。
【0123】 本発明の組成物を使って駆除できる特に重要な一年生単子葉植物種の例として
は、カラスムギ(Avena fatua)、カーペットグラス(carpet
grass)(アクソノプスAxonopus属の諸種)、ウマチャヒキ(Br
omus tectorum)、メヒシバ(メヒシバDigitaria属の諸
種)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)、オヒシバ
(Eleusine indica)、一年生ライグラス(Lolium mu
ltiflorum)、イネ(Oryza sativa)、オットクロア(o
ttochloa)(Ottochloa nodosa)、バヒアグラス(P
aspalum notatum)、クサヨシ(クサヨシPhalaris属の
諸種)、フォックステイル(foxtail)(エノコログサSetaria属
の諸種)、コムギ(Triticum aestivum)およびトウモロコシ
(Zea mays)が挙げられるが、これらに限るわけではない。
【0124】 本発明の組成物を使って駆除できる特に重要な多年生双子葉植物種の例として
は、ヨモギ(ヨモギArtemisia属の諸種)、トウワタ(トウワタAsc
lepias属の諸種)、エゾキツネアザミ(Cirsium arvense
)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)およびク
ズ(クズPueraria属の諸種)が挙げられるが、これらに限るわけではな
い。
【0125】 本発明の組成物を使って駆除できる特に重要な多年生単子葉植物種の例として
は、ブラチアリア(brachiaria)(ビロードキビBrachiari
a属の諸種)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、キハマス
ゲ(Cyperus esculentus)、ハマスゲ(purple nu
tsedge)(Cyperus rotundus)、シバムギ(Elymu
s repens)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ホ
ソムギ(Lolium perenne)、ギニアキビ(Panicum ma
ximum)、シマスズメノヒエ(Paspalum dilatatum)、
アシ(ヨシPhragmites属の諸種)、ヒメモロコシ(Sorghum
halepense)およびガマ(ガマTypha属の諸種)が挙げられるが、
これらに限るわけではない。
【0126】 本発明の組成物を使って駆除できる他の特に重要な多年生植物種の例としては
、トクサ(トクサEquisetum属の諸種)、ワラビ(Pteridium aquilinum)、クロイチゴ(キイチゴRubus属の諸種)およびハ
リエニシダ(Ulex europaeus)が挙げられるが、これらに限るわ
けではない。
【0127】 所望であれば使用者は施用組成物を調製する時に1つまたは複数の補助剤を本
発明の組成物および希釈水と混合できる。そのような補助剤は、除草効力をさら
に向上させる目的で、追加の界面活性剤および/または硫酸アンモニウムなどの
無機塩を含みうる。しかし本発明を使用する除草法は、ほとんどの条件で、その
ような補助剤がなくても満足できる効力を示す。
【0128】 植物処理組成物は本発明の濃厚組成物を水に希釈することによって簡単に調製
できる。植物処理組成物の葉群への施用は、液体を噴霧するための従来の任意の
手段(例えば噴霧ノズル、アトマイザーなど)を使って噴霧することによって達
成される。本発明の組成物は精密農業技術で使用でき、そこでは圃場の様々な部
分に施用する農薬の量をそこに存在する植物種、土壌組成などの変数に応じて変
更するために装置が利用される。そのような技術の一実施形態では、噴霧装置と
共に操作される全地球測位システムを利用して、圃場の様々な部分に所望の量の
組成物を施用できる。
【0129】 本発明の組成物は無耕農業システムまたは寡耕農業システムにとりわけ役立つ
が、従来の耕耘システムでも有用である。
【0130】 植物処理組成物は、標準的な農業用噴霧装置を使って容易に噴霧されるほど十
分に希薄であることが好ましい。本発明に関して有用な噴霧量は、約25ないし
約1000リットル/ヘクタール(l/ha)またはそれ以上に及びうるが、好
ましくは噴霧施用で約100〜約500 l/haである。
【0131】 一般に、グリホセート、アセトクロールおよびアトラジンを含む本発明組成物
の好ましい施用量は、約100〜約1500g a.e./ha(より好ましく
は約250〜約1000g a.e./ha)のグリホセート量、約400〜約
6000g/ha(より好ましくは約1000〜約4000g/ha)のアセト
クロール量および約300〜約4500g/ha(より好ましくは約750〜約
3000g/ha)のアトラジン量となるような量である。
【0132】 (実施例) 以下の実施例は説明を目的としたものであって、発明の範囲の限定を意図する
ものではない。
【0133】 実施例1 除草用サスポエマルション組成物は、活性成分としてセーフナーフリラゾール
を始めグリホセート、アセトクロールおよびアストラジンなどを有し、以下の手
順で調製する。「界面活性剤M」は、ポリオキシエチレン(15)タローアミン
(HLB=14)70%を含む活性剤で、組成の残りのほとんどはポリエチレン
グリコールである。
【0134】 攪拌手段を備えた容器に389gの水を加え、これにMonsanto社のM
ON0139を139g(グリホセートイソプロピルアンモニウム塩水溶液62
重量%)、界面活性剤Mを134g、プロピレングリコールを15g、亜硫酸ナ
トリウムを4g、BASFのMazuTMDF 100Sを1.5g(オルガノ
シリコン消泡剤)を加えて、水性予備混合液を調製する。この水性予備混合液に
約10μmの平均粒子サイズのアトラジン(純度97%)247g、炭酸カルシ
ウム1.5g、FloridinのMinugelTM400g(コロイドアタ
パルジャイトクレー)15gを加える。10分間、攪拌を続ける。
【0135】 攪拌手段を備えた容器に、アセトクロール(純度93%)706g、フリラゾ
ール21g、陰イオン界面活性剤(アルキルエーテル硫酸塩)と非イオン界面活
性剤(エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体)と、PPG社
のHiSilTM31g(コロイド水和シリカ)のブレンドを混合し、有機予備
混合液を調製する。5分間、攪拌を続ける。
【0136】 次いで、680gの水性予備混合液と有機予備混合液320gを合わせ、Wa
ringブレンダーにより、中速度でブレンドし、均質のサスポエマルションを
調製する。サスポエマルションは下記表に示される組成を有する。
【0137】
【表1】
【0138】 実施例2 下記表2に示される組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例1で述
べたのと同様の手順で調製する。安定化系は陰イオン界面活性剤、Stepan
社のToximalTMTANS−5(アルキルフェノールエーテル硫酸塩/H
LB=8を有するタローアミンエトキシレート塩)とStepan社のToxi
mulTM8320(HLB=12を有するブチルポリオキシアルキレンブロッ
ク共重合体)およびStepan社のToximulTMSEE−340(HL
B=11を有するポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレート)の二つ
の非イオン界面活性剤のブレンドから成る。実施例1と同じく、同様のコロイド
水和シリカ、コロイドアタパルジャイトおよび消泡剤が使用される。
【0139】
【表2】
【0140】 実施例2の組成物の全体の界面活性剤濃度は16.3重量%で、このうち10
.0重量%、すなわち全界面活性剤の61重量%をHLB5〜13を有する界面
活性剤が占めている。実施例2の組成物は、20〜25℃で少なくとも30日間
保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じないという許容可能な保存安定性を
示す。しかし、上部透明化が顕著であることから保存安定性は、それほど重要で
はない。サンプル採取と分析により組成物の上部透明域がアセトクロールとアト
ラジンがかなり不足し、グリホセートが多いことが判明している。転化、攪拌お
よび再循環によって組成物を容易に再均質化する。
【0141】 実施例3 除草用サスポエマルション組成物は、活性成分として、セーフナーフリラゾー
ルとともに、グリホセート、アセトクロールおよびアトラジンなどを有し、以下
の手順で調製される。
【0142】 最初の攪拌タンクで水364.9gにMON0139を131.5g、水酸化
ナトリウム50%溶液13.3g、プロピレングリコール10.0g、亜硫酸ナ
トリウム1.0gおよびHenkelのAghiqueTMDF6889を3.
0g(オルガノシリコン消泡剤)を加えて、水性予備混合液を調製する。水を最
初に加え、MON0139を最後に加えるのが好ましいが、加える順序は重要で
はない。
【0143】 二番目の攪拌タンクで、7.3gのフリラゾールを227.4gのアセトクロ
ールに十分攪拌しながら加え、アセトクロール中でフリラゾールを完全に溶解し
て有機予備混合液を調製する。次いで、攪拌を続けながらStepan社の陰イ
オン界面活性剤StepfacTM8171(ポリオキシエチレン(6)ノニル
フェノールリン酸塩エステル)27.0gを加え、次いでToximulTM
320とToximulTMSEE−340との非イオン界面活性剤ブレンド3
.3g、Henkelの非イオン界面活性剤と活性剤AgrimalTMPG−
2069(界面活性剤一分子当たり平均1.6単位のグルコシドを有するC9− 11 アルキルポリグルコシド、HLB=13.1)25.8gを加え完全に均質
化する。
【0144】 次いで、全水性予備混合液を全有機予備混合液に、または全有機予備混合液に
全水性予備混合液を加え、水性有機混合液を調製し、これをホモジナイザーで攪
拌を続け、均質なエマルションを得る。
【0145】 次いで、約10μmの平均粒子サイズのアトラジン(純度97%)164.8
gをこのエマルションに加え、完全にサスポエマルションとなるまでブレンドす
る。次にStepan社StepanolTMWAC(ラウリル硫酸塩ナトリウ
ム29%溶液)20.7gをエマルション安定化剤として加える。さらに、この
組成物を攪拌、均質化し、最後に大きな粒子および凝集物などを篩いかけして除
去する。
【0146】 完成したサスポエマルションは、表3に示す組成を有する。
【0147】
【表3】
【0148】 実施例3の組成物の全体の界面活性剤濃度は6.21重量%で、このうちの5
.61重量%、すなわち全界面活性剤の90重量%をHLB約5〜13を有する
界面活性剤が占めている。実施例3の組成物は、20〜25℃で少なくとも30
日間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じない点において、許容可能な保
存安定性を示す。温度をさらに上げた保存安定性テストにおいて、環境条件下で
の長期保存をシミュレートしたところ、実施例3の組成物は、50℃で8週間ま
たは40℃で12週間の保存で、相分離、沈殿または凝集を生じさせない。環境
条件下で12ヶ月間保存しても上部透明化が実質的に見られない。
【0149】 実施例4 上記表3の組成を有するサスポエマルションを大量に製造し、約450リット
ルのサスポエマルションをシャトル(農薬の散布に広く使用されている再充填型
大型容器)に詰めた。次いで、このシャトルをミズーリ州のセントルイスのある
場所に保存し、なんらの人工的加熱または冷却を加えず、一年間、外気温にさら
した。保存中は攪拌しなかった。活性成分の分離は組成物においてほとんど見ら
れないことを証明するために、充填一年後、組成物のサンプルをシャトルの上部
、中部および下部から採取した。アセトクロール、アトラジンおよびフリラゾー
ルについてもサンプルを分析した。表4は、その分析結果を示す。
【0150】
【表4】
【0151】 特にこの実施例の組成物の複雑性を考えると、このような高度の安定性が示さ
れたことは驚くべきことである。少なくともごくわずかな分離が生じ、サスポエ
マルションの固い粒状相が部分的に沈着するため、特に、アトラジンが上部で涸
渇し下部で多くなると予想されていた。この実施例では本発明の好ましい実施形
態の組成物の顕著な保存安定性を例示しており、少なくとも全界面活性剤の約7
0重量%(本例では約90重量%)が約5〜13のHLBを有する。
【0152】 実施例5 下記表5に示した組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3で述べ
たのと同様の手順で調製する。水酸化ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムを使
用する。
【0153】
【表5】
【0154】 実施例5の組成物における全体の界面活性剤濃度は6.21重量%で、このう
ちの5.61重量%、すなわち全界面活性剤の90重量%をHLB約5〜13を
有する界面活性剤が占めている。実施例3の組成物は、20〜30℃で少なくと
も24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存
安定性を示す。
【0155】 実施例6 下記表6に示した組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3で述べ
たのと同様の手順で調製する。水酸化ナトリウムの代わりに炭酸アンモニウムを
、StepanolTMWACの代わりにStepan社のStepanol AM=V(ラウリル硫酸アンモニウム28%溶液)を使用する。
【0156】
【表6】
【0157】 実施例6の組成物における全体の界面活性剤濃度は6.19重量%で、このう
ち5.59重量%、すなわち全界面活性剤の90重量%を5〜13のHLBを有
する界面活性剤が占めている。実施例6の組成物は、20〜25℃で少なくとも
24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存安
定性を示す。
【0158】 実施例7 表7の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3に述べたのと同様
の手順で調製する。
【0159】
【表7】
【0160】 実施例7の組成物における全体の界面活性剤濃度は6.21重量%で、このう
ち5.61重量%、すなわち全界面活性剤の90重量%を約5〜13のHLBを
有する界面活性剤が占めている。実施例7の組成物は、20〜25℃で少なくと
も24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存
安定性を示す。
【0161】 実施例8 下記表8の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3で述べたのと
同様の手順で調製する。StepfacTM8171とともに活性剤、界面活性
剤Mを加える。
【0162】
【表8】
【0163】 実施例8の組成物における全体の界面活性剤濃度は7.96重量%で、このう
ち5.61重量%、すなわち全界面活性剤の70重量%を約5〜13HLBを有
する界面活性剤が占めている。実施例8の組成物は、20〜25℃で少なくとも
24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存安
定性を示す。
【0164】 実施例9 実施例9の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3で述べたのと
同様の手順で調製する。
【0165】
【表9】
【0166】 実施例9の組成物における全体の界面活性剤濃度は9.75重量%で、このう
ち5.61重量%、すなわち全界面活性剤の58重量%を約5〜13のHLBを
有する界面活性剤が占めている。実施例9の組成物は許容可能な保存安定性を示
さず、比較の目的から含めた。理論に拘束されないが、本組成物では高度のHL
Bの界面活性剤が相対的比率が高い(40%以上)ことが、少なくとも本組成物
の不安定性の一因と考えられている。
【0167】 実施例10 下記表10の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3で述べたと
同様の手順で調製される。この実施例では、界面活性剤M20gに硫酸アンモニ
ウム10g、プロピレングリコール45g、水45gをあらかじめブレンドし、
この予備ブレンド5gを組成物調製過程で加える。
【0168】
【表10】
【0169】 実施例10の組成物における全体の界面活性剤濃度は6.83重量%で、この
うち5.61重量%、すなわち全界面活性剤の82重量%を約5〜13のHLB
を有する界面活性剤が占めている。実施例10の組成物は、20〜25℃で少な
くとも24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な
保存安定性を示す。
【0170】 実施例11 下記表11の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3で述べたの
と同様の手順で調製する。実施例10と同じように、界面活性剤M、硫酸アンモ
ニウム、プロピレングリコールおよび水の同様の予備ブレンド混合液を加えるが
、加える量はわずか2.5gとする。
【0171】
【表11】
【0172】 実施例11の組成物における全体の界面活性剤濃度は6.54重量%で、この
うち5.61重量%、すなわち全界面活性剤の86重量%を約5〜13のHLB
を有する界面活性剤が占めている。実施例11の組成物は、20〜25℃少なく
とも24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保
存安定性を示す。
【0173】 実施例12 実施例2、5〜8、10および11の組成物について、下記の標準的な手順に
従い、温室テストで出芽後の除草活性テストを行った。実施例9の組成物につい
ては安定性が不十分なため、信頼できるテストが出来ず、テストに含めなかった
【0174】 表示の植物種子を85mm四方のポットの混合土壌に植えるが、この土壌はあ
らかじめ蒸気殺菌し、14−14−14NPK徐放性肥料を3.6kg/m
割合であらかじめ施す。下部潅水の温室にポットを置く。出芽後約一週間に、必
要に応じて芽ばえを間引きし、不健全または異常な植物を除去し、試験用ポット
すべてを均一の状態とする。
【0175】 温室でのテスト期間中、植物が毎日、最低14時間日照の当たるように維持し
た。自然光が不充分で、この要件が達成できない場合は、およそ475マイクロ
アインシュタインの人工光で不足を補う。暴露温度は厳密に制御しないが、日中
は約27℃、夜間は約18℃とする。テスト期間中は土壌水を十分確保するため
植物に下部潅水を行う。同じく、テストを通じて湿度を約50%に維持する。
【0176】 レプリカ3の完全無作為実験計画において、ポットにそれぞれ異なる処置を施
す。一組のポットにはなんら処置を加えず、後に処置の効果を評価する基準とす
る。さらに別の3レプリカ一組のポットをRoundup(登録商標)除草剤(
イソプロピルアンモニウム塩としてグリホセートを含む)、Harness(登
録商標)EC除草剤(アセトクロールおよびフリラゾールを含む)およびアトラ
ジン(タンク混合液のグリホセートa.e.、アセトクロール、アトラジン、お
よびフリラゾールの比率が本発明のものと同じとなるように調製)のタンク混合
液に関わる処置の比較のために用意する。使用するRoundup(登録商標)
除草剤製剤はカナダのモンサント社が市販しているものである。
【0177】 噴霧組成物の茎葉への散布は、1ヘクタール当たり187リットル散布可能の
口径を持つTeeJetTM9501Eノズルの付いたトラック噴霧器で行う。
植付け16日後に散布を行う。処置後、ポットは温室に戻し、処置の22日後(
DAT)の評価を待つ。
【0178】 上記の実施例による濃厚組成物を水に希釈して調製した噴霧組成物を用いて処
置を行う。すべての比較は、同等のグリホセート酸相当量で行う。噴霧組成物製
造のための濃厚組成物の必要希釈度は、次の式から算出する。
【0179】 A=RS/VC 式中、Aは調製する噴霧組成物に加える濃厚組成物の量(ml)、Rはヘクタ
ール当たり酸相当量の希望グリホセート量のグラム(g a.e./ha)、S
は調製した噴霧組成物の総量(ml)、Vは噴霧組成物のヘクタール当たりの使
用率であって、従来、散布量と呼ばれていたもの、Cは濃厚組成物におけるリッ
トル当たり酸相当量のグリホセートのグラム(g a.e./l)濃度を表す。
【0180】 除草効果の評価については、一人の訓練を受けた技術者が実験植物のすべてを
検査し、抑制率や未処置植物との比較による各処置の効果の目視測定を記録する
。抑制率0%は、なんの効果も現れていないということを示し、抑制率100%
は全植物が完全に死滅していることを示す。抑制率85%以上は、ほとんどの場
合、通常の除草に使用可能と考えられているが、さまざまなレベルの効果をもつ
組成物を識別しやすくするために、この実施例で述べたような温室テストでは通
常、抑制率85%未満が予想されるような組成物も使用する。
【0181】 実施例12の結果は下記表12に示す。組成物のテストを行った植物は、一年
生広葉雑草モーニンググローリ(ヒルガオ科)(Ipomoea sp., I
POSS)、イネ科雑草ジャイアントフォックステール(Setaria fa
beri, SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus−g
alli, ECHCF)の一種、日本きびである。処置を行ったときのモーニ
ンググローリ植物は3葉期にあった。処置時にジャイアントフォックステールは
高さ22cm、イヌビエは17cmであった。各濃厚組成物のテストは、4.5
l/haと9.01l/haで行った。4.5l/haではグリホセートの割合
g a.e./ha、アセトクロールの割合1120g/haおよびアトラジン
の割合g/haとし、9.01l/haではグリホセートの割合628g a.
e./ha、アセトクロールの割合2240g/haおよびアトラジンの割合1
680g/haとする。
【0182】
【表12】
【0183】 このテストの結果を考慮すると、モーニンググローリ(IPOSS)の除草効
果観察結果にはアトラジンの影響が少ないようだが、現れた除草活性のほとんど
は組成物中のグリホセート成分によるものであることは認めなくてはならない。
また、タンク混合液のグリホセート成分には高度の除草効果をあげるRound
up(登録商標)除草剤の成分という形での活性剤が伴う。
【0184】 実施例13 セーフナーを含まず、グリホセート、アセトクロールおよびアトラジンを活性
成分として有する除草用サスポエマルション組成物は、以下の手順で調製される
【0185】 最初の攪拌タンクにおいて、水の第一部283.5g、MON0139 26
0.1g、プロピレングリコール10.0g、亜硫酸塩ナトリウム初量1.0g
、Henkel社のAgniqueeTMDF6889(オルガノシリコン消泡
剤)1.0gを一緒に加えて、水性予備混合液を調製する。最初に水を入れて最
後にMON0139を加えるのが好ましいが、加える順序は重要ではない。
【0186】 二番目の攪拌タンクにおいて、陰イオン界面活性剤ToximulTMTAN
S−5 28.0gをアセトクロール(純度95.5%)222.4gに加え、
次いでToximulTM8320とToximulTMSEE−340の非イ
オン界面活性剤ブレンド17.5g、Stepan社の活性剤Toximul TA−5(ポリオキシエチレン(5)タロ−アミン、HLB=9)10.0g
を加え、有機予備混合液を調製して、これを攪拌しつづけて完全に均質化する。
【0187】 別の容器で、水第二部、亜硫酸塩ナトリウム第二部およびMinugelTM 400 6.6gを15分間、高せん断により混合し、粘土スラリーを調製する
【0188】 全水性予備混合液をさらに全有機予備混合液に加え、またはその逆に加え水性
有機混合液を得て、これをホモジナイザーで15分間、攪拌を続け、再循環させ
て均質のエマルションを得る。
【0189】 さらに約10μmの平均粒子サイズのアトラジン(純度96.6%)159.
9gをエマルションに加え、十分に混合し、サスポエマルションを形成するまで
ブレンドする。次に、粘土スラリーを加える。さらに15分間、これを攪拌、均
質化し、最後に篩いかけして大きな粒子および凝集物を除去する。
【0190】 完成したサスポエマルションの組成は、表13に示す。
【0191】
【表13】
【0192】 実施例13の組成物の全体の界面活性剤濃度は5.55重量%で、この全部、
すなわち全界面活性剤の100重量%を約5〜13のHLBを有する界面活性剤
が占めている。実施例13の組成物は、20〜25℃で少なくとも24時間保存
しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存安定性を示す。
環境条件下での長期保存をシミュレートし、温度を上げた保存安定性のテストに
おいて、実施例13の組成物は、50℃で8週間、40℃で12週間の保存の結
果、なんらの相分離、沈殿または凝集も示さない。
【0193】 実施例14 下記表14の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例13で述べた
のと同様の手順で調製する。
【0194】
【表14】
【0195】 実施例14の組成物にける全体の界面活性剤濃度は5.75重量%で、これの
全部、すなわち全界面活性剤の100重量%を約5〜13のHLBを有する界面
活性剤が占めている。本実施例14の組成物は、20〜25℃で少なくとも24
時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存安定性
を示す。環境条件下での長期保存をシミュレートして、温度を上げた保存安定性
テストにおいて、実施例3の組成物は、50℃で8週間、40℃で12週間の保
存ではなんらの相分離、沈殿または凝集を示さない。
【0196】 実施例15 下記表15の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例13に述べた
のと同様の手順で調製する。
【0197】
【表15】
【0198】 実施例15の組成物における全体の界面活性剤濃度は5.65重量%で、これ
の全部、すなわち全界面活性剤の100重量%を約5〜13のHLBを有する界
面活性剤が占めている。実施例15の組成物は、20〜25℃で少なくとも24
時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存安定性
を示す。環境条件下での長期保存をシミュレートして、温度を上げた保存安定性
テストにおいて、実施例3の組成物は50℃で8週間、40℃で12週間の保存
でもなんら相分離、沈殿または凝集を示さない。
【0199】 実施例16 実施例12の手順後、温室テストを行い、実施例13〜15の組成物の除草効
果と活性成分同率のグリホセート(Roundup(登録商標)Ultra除草
剤)、アセトクロールおよびアトラジンのタンク溶液組成物とを比較した。
【0200】 下記表16に結果を示す。比較実験した種は一年生広葉ベルベットリーフ(A
butilon theophrasti, ABUTH)とイヌビエ(Enc
hinochloa crus−galli, ECHCF)の一種、一年生雑
草日本きびである。グリホセートが210、420、630および840g a
.e./haとなるよう計算した含有率で各濃厚組成物のテストを行った。
【0201】
【表16】
【0202】 上記結果から、本発明の3組成物のそれぞれが、対応するタンク混合処置に対
しきわめて類似の除草効果をあげていることが分かる。本発明の組成物における
これほど微量の活性剤により、はるかに大量の活性剤を投じている市販の製剤で
あるRoundup(登録商標)Ultra除草剤としてグリホセートを加えた
タンク溶液に対して、除草効果が同等であるというのは驚く。
【0203】 実施例17 下記表17の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例3に述べたの
と同様の手順で調製する。この組成においては葉面活性除草成分は、同組成中の
アンモニウム塩としてのグルフォシネートで、これは50重量%グルフォシネー
ト水溶液として加える。
【0204】
【表17】
【0205】 実施例17の組成物における全体の界面活性剤濃度は5.54重量%で、この
うち4.89重量%、すなわち全界面活性剤の88重量%を約5〜13のHLB
を有する界面活性剤が占めている。実施例17の組成物は、20〜25℃で少な
くとも24時間保存しても、相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な
保存安定性を示す。
【0206】 実施例18 下記表18の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例13で述べた
のと同様の手順で調製する。ただし、異なる点は、有機予備混合液にはアセトク
ロールと重量の割合を1:10としてExxon社のExxonTM−130の
有機溶媒を入れることである。
【0207】
【表18】
【0208】 実施例18の組成物における全体の界面活性剤濃度は5.55重量%で、この
全部、すなわち全界面活性剤の100重量%を約5〜13のHLBをもつ界面活
性剤が占めている。実施例18の組成物は、20〜25℃で少なくとも24時間
保存しても、なんらの相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存安
定性を示す。
【0209】 実施例19 下記表19の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例13で述べた
と同様の手順で調製される。アセトクロールの代わりにクロロアセトアミド除草
剤として、メトラクロール(1R−および1S−エナンチオマーのラセミ混合物
)を加える。
【0210】
【表19】
【0211】 実施例19の組成物における全体の界面活性剤濃度は5.55重量%で、この
全部、すなわち全界面活性剤の100重量%を約5〜13のHLBを有する界面
活性剤が占めている。実施例19の組成物は、20〜25℃で少なくとも24時
間保存しても、なんらの相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存
安定性を示す。
【0212】 実施例20 下記表20の組成を有する除草用サスポエマルションは、実施例13で述べた
のと同様の手順で調製する。アセトクロールの代わりにクロロアセトアミド除草
剤として、メトラクロロール(1R−および1S−エナンチオマーのラセミ混合
物)を加える。
【0213】
【表20】
【0214】 実施例20の組成物における全体の界面活性剤濃度は5.55重量%で、この
全部、すなわち全界面活性剤の100重量%を約5〜13のHLBを有する界面
活性剤で占めている。実施例20の組成物は、20〜25℃で少なくとも24時
間保存しても、なんらの相分離、沈殿または凝集を生じさせず、許容可能な保存
安定性を示す。
【0215】 実施例21 実施例3のサスポエマルション組成物のさまざまな取り扱い上の特性を実施例
2のサスポエマルション組成物の場合と比較した。まず、各組成物の粘度を10
℃で測定し、ポンプ速度を測定するため、Model SS6,Ingerso
ll−Dresserポンプをシャトルに装着し、同じ10℃でポンプテストを
行った。標準的市販製剤であるMonsanto社のHarness(登録商標
)Xtra5.6L(アセトクロール/アトラジン組成物)を比較のために試験
した。その結果を下記表21に示す。
【0216】
【表21】
【0217】 実施例3の組成物は実施例2の組成物に比べて粘度がかなり低い。粘度が低い
ということはポンプ速度が非常に速いということで、このことはサスポエマルシ
ョンの農業用組成物としての商業的用途において大きな利点である。
【0218】 実施例2および3の濃厚組成物から調製した噴霧組成物の特性を測定するに当
たって、各濃厚組成物を水道水で希釈した。いずれの場合も、2.5mlの濃厚
組成物を100mlの量に円筒形のバイアルで希釈する。希釈に当たっての製剤
の初期分散における速度および均一性の目視評価、固形粒状相および泡の高さを
完全に分散するのに必要なバイアルの回転数など、記録したパラメーターは豊富
だった。
【0219】
【表22】
【0220】 本発明の特定の実施形態について上述したが、これは本発明の可能な実施形態
をすべて列挙することを意図したものではない。当業者であれば、本発明の範囲
内である特定の実施形態に修正を加えることができることは、認識するであろう
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 カーター,デボラ・ジエイ アメリカ合衆国、ミズーリ・63040、ワイ ルドウツド、サーフビユー・コート・ 16058 Fターム(参考) 4H011 AB01 BA01 BA05 BB09 BB13 BB17 BC03 BC04 BC10 BC18 BC19 DA16 DD03 DD04 DH03 DH10

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリホセート及びグルホシネートから選択される第1除草剤
    、クロロアセトアミドである第2除草剤、及びトリアジンである第3除草剤を含
    む濃厚除草剤組成物で、当該組成物が水相、油相、及び、水相及び/又は油相に
    分散した粒子を有し、安定化量の1又はそれ以上の乳化剤によって安定化されて
    いるサスポエマルションである、濃厚除草剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記第2除草剤がアセトクロール及びメトラクロールから選
    択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 水相、油相、及び固形粒子相を有し、これらの相の各々に少
    なくとも1つの除草性有効成分が存在する請求項1に記載の組成物であって、当
    該組成物が: (i)水; (ii)前記水溶液中に、全体として組成物の約3重量%から約30重量%a.
    e.の濃度で、グリホセートとグルホシネートから選択される1又はそれ以上の
    葉面作用除草剤の1又はそれ以上の塩; (iii)前記油相中に、全体として組成物の約10重量%から約40重量%の
    濃度で、1又はそれ以上のクロロアセトアミド除草剤; (iv)前記固形粒子相中に、全体として組成物の約5重量%から約25重量%
    の濃度で、1又はそれ以上のトリアジン除草剤; (v)組成物が、20−25℃で24時間の保存後に実質的に相分離、沈殿ある
    いは凝集を呈さないように、前記水相への前記油相の分散ならびに前記水相及び
    /又は油相への前記固形粒子相の分散を安定させるために有効な量の安定化系で
    あって、当該安定化系が、約5から約13のHLBを持つ少なくとも2つの界面
    活性剤を含み、かかる界面活性剤の少なくとも1つが非イオン性で、他が非イオ
    ン性又は陰イオン性である、安定化系;そして (vi)既に安定化系の一部として含まれていない場合は、a.e.で表した葉
    面作用除草剤の10重量部に対して約1から約30重量部の総量の1又はそれ以
    上の、下記分子構造を有する界面活性剤である活性化剤: (1)0から約7のエーテル結合によって互いに結合された、1又は複数の独立
    した飽和又は不飽和、分枝又は非分枝、脂肪族、脂環式又は芳香族C3−20
    ドロカルビル又はヒドロカルビレン基を持ち、且つ合計で約8個から約20個の
    炭素原子を有する疎水性部分;及び下記のいずれか (2)疎水性部分が基本的に脂肪族C16−20ヒドロカルビル又はヒドロカル
    ビレン鎖から成る場合には、基本的に界面活性剤分子につき平均で約10から約
    50個のオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレン鎖から成る親水性部分
    ;もしくは (3)疎水性部分が基本的に脂肪族C16−20ヒドロカルビル又はヒドロカル
    ビレン鎖から成るか否かに関わらず、次のものを含む親水性部分: (a)陽イオン性であるか、又は陽イオン性となるようにプロトン化することが
    でき、0から3個のオキシエチレン基又はポリオキシエチレン鎖が直接結合され
    ているアミノ基で、これらのオキシエチレン基及びポリオキシエチレン鎖は界面
    活性剤分子につき平均で0から約50個のオキシエチレン単位を含む;及び/あ
    るいは (b)界面活性剤分子につき平均で約2個以下のグリコシド単位だけを含むグリ
    コシド又はポリグリコシド基 を含み、 ここで、組成物中の約5から約13のHLBを持つ界面活性剤の総量は、組成物
    中のすべての界面活性剤の60重量%以上である組成物。
  4. 【請求項4】 組成物中の約5から約13のHLBを持つ界面活性剤の総量
    が、組成物中のすべての界面活性剤の少なくとも約70重量%である、請求項3
    に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記安定化系において、約5から約13のHLBを持つ前記
    2つの界面活性剤の1つが非イオン性であり、1つが陰イオン性である、請求項
    4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記葉面作用除草剤が、グルホシネートのアンモニウム塩な
    らびにグリホセートのナトリウム、カリウム、アンモニウム、ジメチルアンモニ
    ウム、イソプロピルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム及びトリメチル
    スルホニウム塩から選択される、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記クロロアセトアミド除草剤が、アセトクロール、アラク
    ロール、ブタクロール、ジメタクロール、ジメテナミド、メタザクロール、メト
    ラクロール、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール及びテニル
    クロールから選択される、請求項5に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 クロロアセトアミド除草剤がアセトクロール又はメトラクロ
    ールである、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記アセトクロール又はメトラクロールのための実質的な量
    の有機溶媒を含まない、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記アセトクロール又はメトラクロールによって生じる作
    物への薬害を軽減するために有効な量のセーフナーをさらに含む、請求項8に記
    載の組成物。
  11. 【請求項11】 当該セーフナーがベノキサコール、フェンクロリン、フル
    ラゾール、フルキソフェニン、フリラゾール及びオキサベトリニルから選択され
    る、請求項10に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 当該セーフナーがベノキサコール又はフリラゾールであり
    、前記アセトクロール又はメトラクロールと前記セーフナーが約5:1から約1
    00:1の重量比で存在する、請求項10に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記トリアジン除草剤がアメトリン、アトラジン、シアナ
    ジン、デスメトリン、ジメタメトリン、プロメトン、プロメトリン、プロパジン
    、シマジン、シメトリン、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン及びト
    リエタジンから選択される、請求項5に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記トリアジン除草剤がアトラジンである、請求項5に記
    載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記安定化系が、ポリオキシアルキレン第1及び第2C −20 アルキルエーテル、アルコキシル化アセチレンジオール、ポリオキシアル
    キレンモノ−及びジ(C8−20アルキル)フェニルエーテル、ポリオキシアル
    キレンジ−及びトリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンC8−2 脂肪酸エステル、アルコキシル化植物油、エチレンオキシドとプロピレンオキ
    シドのブロック共重合体ならびにそのC2−6アルキル付加物、グリセロールC 8−20 脂肪酸エステル、ソルビタンC8−20モノ−、ジ−及びトリ(C8− 20 脂肪酸)エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンモノ−、ジ−及びトリ
    (C8−20脂肪酸)エステル、スクロースエステル及びC8−20アルキルポ
    リグリコシドから選択される、約5から約13のHLBを持つ1又はそれ以上の
    非イオン性界面活性剤を含む、請求項5に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記非イオン性界面活性剤がエチレンオキシドとプロピレ
    ンオキシドのブロック共重合体及びそのC2−6アルキル付加物、ポリオキシエ
    チレンソルビタンモノ−、ジ−及びトリ(C12−20アルキル)エステル、及
    びC8−20アルキルポリグリコシドから選択される、請求項15に記載の組成
    物。
  17. 【請求項17】 前記安定化系が、脂肪酸を含むC8−20アルキルカルボ
    キシレート、C8−20アルコールスルフェート、C8−20アルコールホスフ
    ェートモノ−及びジエステル、C8−20アルコール及び(C8−20アルキル
    )フェノールポリオキシエチレンエーテルカルボキシレート、スルフェート及び
    スルホネート、C8−20アルコール及び(C8−20アルキル)フェノールポ
    リオキシエチレンホスフェートモノ−及びジエステル、C8−20アルキルベン
    ゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート及びそのホルムアルデヒド縮合物、
    リグノスルホネート、C8−20アルキルスルホスクシネート及びスルホスクシ
    ナメート、C8−20アルキルポリオキシエチレンスルホスクシネート及びスル
    ホスクシナメート、ならびにC8−20アシルグルタメート、サルコシネート、
    イセチオネート及びタウレートから選択される、約5から約13のHLBを持つ
    1又はそれ以上の陰イオン性界面活性剤を含む、請求項5に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記陰イオン性界面活性剤がC12−20アルキルスルフ
    ェート、(C8−12アルキル)フェニルポリオキシエチレンエーテルスルフェ
    ート、及び(C8−12アルキル)フェニルポリオキシエチレンホスフェートモ
    ノ−及びジエステルから選択され、一価対イオンを伴う、請求項17に記載の組
    成物。
  19. 【請求項19】 前記一価対イオンが、約5から約13のHLBを持つプロ
    トン化ポリオキシエチレンC12−20アルキルアミン界面活性剤の形態である
    、請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 当該活性化剤が、約4のpHレベルで、次の式を持つ界面
    活性剤を含む、請求項5に記載の組成物: 【化1】 式中、Rは水素又はC1−18ヒドロカルビルであり、Xは各々独立してエー
    テル、チオエーテル、エステル、チオエステル又はアミド結合であり、Rは各
    々独立してC3−6ヒドロカルビリデンであり、mは0から約8の平均数であり
    、R−(XR中の炭素原子の総数は約8から約24であり、nは0から
    約5の平均数であり、RとRは独立して水素又はC1−4アルキルであり、
    pは2から4であり、qは0又は1であり、gluはグルコシド単位であり、r
    は1から約2の平均数であり、Aは陰イオン実体であり、sは1から3の整数で
    あり、tは電気的中性が維持されるように0又は1である。
  21. 【請求項21】 当該活性化剤が、約4のpHレベルで、次の式を持つ界面
    活性剤を含む、請求項5に記載の組成物: 【化2】 式中、Rは水素又はC1−18ヒドロカルビルであり、Xは各々独立してエー
    テル、チオエーテル、エステル、チオエステル又はアミド結合であり、Rは各
    々独立してC3−6ヒドロカルビリデンであり、mは0から約9の平均数であり
    、R−(XR中の炭素原子の総数は約8から約24であり、nは0から
    約5の平均数であり、Rは水素、C1−4アルキル、ベンジル、陰イオン性オ
    キシド基又は陰イオン性の−(CHC(O)O基であって、前記式中、u
    は1から3であり、RとRは独立して水素、C1−4アルキル又はC2−4 アシルであり、xとyはx+yが0から約30であるような平均数であり、Aは
    陰イオン実体であり、sは1から3の整数であり、tは電気的中性が維持される
    ように0又は1である。
  22. 【請求項22】 当該活性化剤が、アルキルポリグルコシド、アルキルアミ
    ノグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキ
    ルエーテルアミン、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベン
    ジルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンN−メチルアルキルアンモニウム塩、
    ポリオキシエチレンN−メチルアルキルエーテルアンモニウム塩、アルキルジメ
    チルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキシド、ポリオキシ
    エチレンアルキルエーテルアミンオキシド、アルキルベタイン及びアルキルアミ
    ドプロピルアミンから選択される界面活性剤である、請求項5に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 圃場における雑草を駆除する方法であって、請求項1−2
    2のいずれか一項に記載の組成物を噴霧タンクにおいて適量の水で希釈して噴霧
    組成物を形成し、噴霧器によりTの時点で噴霧タンクから供給した前記噴霧組
    成物を圃場の土壌表面及び土壌表面上に発生した雑草の葉面に散布することを含
    んでなり、これにより(i)発生した雑草が枯れるか又は駆除され、(ii)さ
    もなければ発生するであろう雑草がT直後から約10日間にわたって発生を阻
    止される、前記方法。
  24. 【請求項24】 噴霧組成物を、散布の直前又は直後に全く作物が植付けら
    れていない圃場に散布する、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 Tの直前からT後約30日までの期間内に作物を圃場
    に植付ける、請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 当該作物がトウモロコシである、請求項25に記載の方法
  27. 【請求項27】 噴霧組成物を作物と雑草の葉面及び土壌表面に散布するこ
    とを含んでなり、前記作物が前記葉面作用除草剤の除草作用に対する耐性を持つ
    、請求項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】 当該作物が遺伝的形質転換を含む方法によって育種された
    ものである、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 当該作物がトウモロコシである、請求項28に記載の方法
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