JP2002504341A - ホスホジエステラーゼ10 - Google Patents

ホスホジエステラーゼ10

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JP2002504341A JP2000532536A JP2000532536A JP2002504341A JP 2002504341 A JP2002504341 A JP 2002504341A JP 2000532536 A JP2000532536 A JP 2000532536A JP 2000532536 A JP2000532536 A JP 2000532536A JP 2002504341 A JP2002504341 A JP 2002504341A
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JP2000532536A
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ケイト ラフニー,
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アイコス コーポレイション
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    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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    • AHUMAN NECESSITIES
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規のヒトPDE10ポリペプチド、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、当該ポリヌクレオチドを含む発現構築体、当該発現構築体で形質転換された宿主細胞、PDE10ポリペプチドを製造するための方法、アンチセンスポリヌクレオチド、およびPDE10ポリペプチドと特異的な免疫反応性を有する抗体を提供する。 本発明は、PDE10の結合パートナー、具体的には、PDE10酵素活性をモジュレートする結合パートナーを同定する方法をさらに提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願は、1998年2月23日に出願された米国特許仮出願第60/075,508号の優先権
を主張する。 本発明は、一般に、PDE10と命名された新規のホスホジエステラ ーゼ(PDE)に関する。 使用する命名法によっては、PDE10を、PDE9と称すること
もある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ホスホジエステラーゼ(PDEs)は、3',5'環状ヌクレオチドをそれに対応する5' モノホスフェートに加水分解する。 環状ヌクレオチドのcAMP及びcGMPはそれぞ
れ、アデニリル及びグアニリルシクラーゼによって合成され、そして数多くの細
胞シグナル伝達経路における第2メッセンジャーとして働く。 第2メッセンジ
ャーの持続時間及び強度は、環状ヌクレオチドの合成速度及び加水分解速度の関
数である。
【0003】 PDEのファミリーが複数同定されている。 命名のシステムには先ず、PDEファ
ミリーを示す数が含まれる。 今日までに、9つのファミリー(PDE1〜9)が知 られており、これらは(i)一次構造;(ii)基質選択性;(iii)異なるモジュレータ
ーに対する応答;(iv)特異的インヒビターに対する感受性;及び(v)調節の態様 によって分類される[Loughney及びFerguson、Phosphodiesterase Inhibitors
Schudtら(編集)Academic Press、ニューヨーク、ニューヨーク(1996)、1〜19 頁]。 ファミリーを示す数の後ろには、大文字が続き、これは異なる遺伝子を示してお
り、その大文字の後ろに第2の数字が続き、これは特異的なスプライス変異体ま
たは独特の転写開始部位を利用する特異的な転写物を示している。
【0004】 今日までに同定された哺乳動物のすべてのPDEのアミノ酸配列には、タンパク 質のカルボキシ末端半分に位置するおよそ270アミノ酸の高度に保存された領域 が含まれている[Charbonneauら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA) 83巻、9308〜9312
頁(1986)]。 保存されたドメインには、cAMP及び/またはcGMP加水分解に対す
る触媒活性部位と、2つの亜鉛結合部位と推定される部位と、さらにファミリー
に特異的な決定子が含まれる[Beavo、Physiol. Rev. 75巻、725〜748頁(1995) ;Francisら、J.Biol.Chem. 269巻、22477〜22480頁(1994)]。 様々なPDEのア
ミノ末端領域は、非常に多様であり、(i)カルモジュリン結合部位(PDE1):(ii
)非触媒性環状GMP結合部位(PDE2、PDE5、PDE6);(iii)膜標的部位(PDE4);(
iv)疎水性膜会合部位(PDE3);及び(v)カルモジュリン依存性キナーゼII(PDE1
)、cAMP依存性キナーゼ(PDE1、PDE3、PDE4)またはcGMP依存性キナーゼ(PDE5
)のいずれかに対するリン酸化部位など、といった他のファミリーに特異的な決
定子を含んでいる[Beavo、Physiol. Rev. 75巻、725〜748頁(1995);Manganiel
lo、Arch.Biochem.Acta 322巻、1〜13頁(1995);Contiら、Physiol. Rev. 75巻
、723〜748頁(1995)]。
【0005】 PDE1ファミリーのメンバーは、カルシウム−カルモジュリンによって活性化さ
れる。 3つの遺伝子が同定されており、PDE1A及びPDE1Bは主としてcGMPを加水
分解し、そしてPDE1CはcAMP及びcGMPの双方に対して高い親和性を呈することが 示されている。 PDE2ファミリーは、cGMPによって特異的に刺激されるものとし
て特徴付けられる[Loughney及びFerguson、前出]。 PDE2Aという遺伝子が1 つだけ同定されており、その酵素産物はエリスロ-9-(2-ヒドロキシ-3-ノニル)ア
デニン(EHNA)により特異的に阻害される。 PDE3ファミリーに属する酵素はcG
MPによって特異的に阻害される。 PDE3A及びPDE3Bの2つの遺伝子が知られてお
り、双方ともcAMP及びcGMPに対して高い親和性を有しているが、cGMP加水分解に
対するVmaxは十分に低いのでcGMPはcAMPに対する競合的インヒビターとして機能
する。 PDE3酵素は、ミルリノンによって特異的に阻害される[Loughney及びFe
rguson、前出]。 PDE4ファミリーはcAMP加水分解の働きをし、これにはPDE4A 、PDE4B、PDE4C及びPDE4Dの4つの遺伝子が含まれ、各々が複数のスプライス変 異体を有している。 このファミリーのメンバーは、抗うつ剤のロリプラムによ
って特異的に阻害される。 PDE5ファミリーのメンバーは、非触媒性部位にてcG
MPに結合し、そしてcGMPを優先的に加水分解する。 PDE5Aという遺伝子1つだ けが同定されている。 光受容体PDE6酵素は、cGMPを特異的に加水分解する[Lo
ughney及びFerguson、前出]。 遺伝子には、PDE6A及びPDE6B(そのタンパク質
産物は二量体化して、もっと小さなγ阻害性サブユニットの2つのコピーと結合
し、rod PDEを形成する)、加えてPDE6C(2つの小タンパク質と会合してcone P
DEを形成する)が包含される。 PDE7ファミリーはcAMP加水分解の働きをするが
、PDE4ファミリーとは違ってロリプラムによって阻害されない[Loughney及びFe
rguson、前出]。 PDE7Aという1つの遺伝子のみが同定されている。 PDE8フ ァミリーは、cAMPとcGMPの双方を加水分解することが知られており、また、PDEs
1〜5に特異的な阻害剤に対する反応性に乏しい。 使用する命名法によっては
、PDE8を、PDE10と称することもあるが、本明細書で使用するPDE10とは区別され
る。 PDE9ファミリーは、cAMPを選択的に加水分解し、また、PDE4に特異的な阻害剤で
あるロリプラム、または非特異性PDE阻害剤であるイソブチルメチルキサンチン(
IBMX)による阻害に対して非感受的である。 使用する命名法によっては、PDE9 を、PDE8と称することもあるが、上述したPDE8とは区別される。 今日までに、
PDE9ファミリーでは、2つの遺伝子が同定されている。
【0006】 様々なPDEタンパク質ファミリーでの特異性および非特異性阻害剤が、一部に 、cAMPやcGMPの異常レベルがみられる疾患を治療する際に効果的であることが、
知られている。 例えば、抗抑制薬として上述した、PDE4に特異的な阻害剤であ
るロリプラムは、リポ多糖によるTNFαの発現誘発を阻害し、また、動物モデル での多発性硬化症の処置において有効である。 抗炎症療法に用いるPDE4に特異
的な他の阻害剤が目下のところ研究されており、アレルゲンに対する遅滞性喘息
反応を和らげる上で効果的であることが実証されている[Harbinson et al., Eu
r. Respir. J. 10: 1008-1014 (1997)]。 PDE3ファミリーに特異的な他の阻害
剤が、鬱血性心不全の治療用に認可されている。 PDE5阻害剤は、目下のところ
、陰茎勃起機能不全の治療用に向けて評価中である[Boolen et al., Int. J. I
mpotence Res. 8: 47-50 (1996)]。 テオフィリンやペントキシフィリンのよ うな非特異的阻害剤はそれぞれ、現在のところ、呼吸器および管の疾患の治療に
用いられている。
【0007】 かくして、細胞内第2メッセンジャーシグナル伝達におけるcAMP及びcGMPの重
要性に鑑み、さらなるPDE種を同定することが当該技術分野において希求され続 けている。 これまでに知られていなかったPDEのファミリー、その遺伝子及び スプライス変異体の同定によって、環状ヌクレオチド経路が異常になっている状
態や、さらに特定の細胞型におけるcAMP及び/またはcGMPの細胞内レベルのモジ
ュレーションが望まれる状態を処置するための、さらなる薬理学的アプローチが
提供されることとなるはずである。 ファミリー特異的および酵素特異的阻害剤
の同定は、PDEsを発現する所望のタイプの細胞および/または定常状態濃度の環
状ヌクレオチド一燐酸によって調節された特定代謝経路で作用する治療剤や予防
薬を開発する上で役立つであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
要約すると、本願発明は、精製および単離したPDE10ポリペプチドを提供する 。 好ましいポリペプチドは、配列番号:2、配列番号:18、配列番号:20および配
列番号:22からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含む。
【0009】 本願発明は、本願発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供す
る。 好ましいポリヌクレオチドは、配列番号:1に記載の配列を含む。 本願
発明のポリヌクレオチドは、(a) 配列番号:1、配列番号:18、配列番号:20ま
たは配列番号:22に記載のポリヌクレオチド;(b) (a)のポリヌクレオチドの非 コード鎖と中程度のストリンジェント条件下でハイブリダイズするDNA;およ
び(c) 遺伝コードの縮重がなければ、(a)のポリヌクレオチドの非コード鎖とハ イブリダイズするはずであるDNA、よりなる群から選択されたヒトPDE10ポリ ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。 本願発明のポリヌクレオチド
は、配列番号:18、配列番号:20および配列番号:22に記載のポリヌクレオチド
ならびにそれらの断片のいずれかを含む。 本願発明は、DNA分子であるとこ
ろのポリヌクレオチドを提供する。 DNA分子として、cDNA、ゲノミックDN
A、および全体的または部分的に化学合成されたDNA分子がある。 本願発明
は、本願発明のポリヌクレオチドの補体と特異的にハイブリダイズするアンチセ
ンスポリヌクレオチドも提供する。
【0010】 本願発明は、本願発明のポリヌクレオチドを含む発現構築体、本願発明の発現
構築体で形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞、そして、(a) PDE10 ポリペプチドの発現のために適切な条件下で請求項18に記載の宿主細胞を生育し
、及び(b) 宿主細胞またはその生育培地からPDE10ポリペプチドを単離する、工 程を含む、PDE10ポリペプチドの製造方法も提供する。
【0011】 本願発明は、さらに、本願発明のポリペプチドと特異的な免疫反応性を有する
抗体を提供する。 好ましくは、この抗体は、モノクローナル抗体である。 本
願発明は、本願発明の抗体を分泌するハイブリドーマも提供する。 本願発明の
抗体と特異的な免疫反応性を有する抗イディオタイプ抗体も企図されている。
【0012】 本願発明は、PDE10ポリペプチドの特異的結合パートナー化合物を同定する方 法、すなわち、(a) ある化合物とPDE10ポリペプチドとの間の結合を許容する条 件下にPDE10ポリペプチドと化合物とを接触させ、(b) PDE10ポリペプチドへの化
合物の結合を検出し、及び(c) PDE10ポリペプチドの特異的結合パートナーとし て化合物を同定する、工程を含む方法も提供する。 好ましくは、本願発明の方
法は、DE10ポリペプチドの活性をモジュレートする特異的結合パートナーを同定
する。 ある態様によれば、この方法は、PDE10ポリペプチドの活性を阻害する 化合物を同定する。 他の態様によれば、この方法は、PDE10ポリペプチドの活 性を増強する化合物を同定する。
【0013】 本願発明は、本願発明のPDE10ポリヌクレオチドの特異的結合パートナー化合 物を同定する方法、すなわち、(a) ある化合物とPDE10ポリヌクレオチドとの間 の結合を許容する条件下にPDE10ポリヌクレオチドと化合物とを接触させ、(b) P
DE10ポリヌクレオチドへの化合物の結合を検出し、及び(c) PDE10ポリヌクレオ チドの特異的結合パートナーとして化合物を同定する、工程を含む方法も提供す
る。 好ましくは、この方法は、PDE10ポリヌクレオチドによってコードされたPDE10ポ
リペプチドの発現をモジュレートする特異的結合パートナーを同定する。 ある
態様によれば、この方法は、PDE10ポリペプチドの発現を阻害する化合物を同定 する。 他の態様によれば、この方法は、PDE10ポリペプチドの発現を増強する 化合物を同定する。
【0014】 本願発明の方法によって同定された結合パートナー化合物も、これら化合物を
含む組成物と共に企図されている。 本願発明は、さらに、PDE10-関連疾患の治
療のための医薬を製造する際における結合パートナー化合物の使用も企図してい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、PDE10と命名された新規PDEファミリーに対するポリペプチド及びそ
の基礎をなすポリヌクレオチドを提供する。 PDE10ファミリーは、既知のPDEフ
ァミリーにて予想されるより配列の相同性が小さく、また、すでに同定されたPD
Eファミリーに特異的であることが知られている阻害剤に対して感受的でない点 などからして、既知のPDEファミリーから区別される。 このタンパク質の触媒 領域の外側では、他の既知のPDEファミリーに対するPDE10の相同性は、ほとんど
認められない。 触媒領域に関してさえも、既知のPDEでの同じ領域を比較した 場合のPDE10アミノ酸配列の同一性は、40%にも満たない。 本願発明は、天然 に産するPDE10ポリヌクレオチドと天然に産しないPDE10ポリヌクレオチドの双方
と、そのポリペプチド産物をも包含する。 天然に産するPDE10産物は、PDE10フ
ァミリー内の異なる遺伝子とポリペプチド種を含み、これらポリペプチド種には
、同じ動物の細胞内で発現されるものと、他の動物の細胞内で発現される対応す
る相同物が包含される。 各PDE10種において、本願発明は、同じポリヌクレオ チドによってコードされたスプライス変異体をさらに提供するが、それらは異な
るmRNA転写によってもたらされる。 天然に産しないPDE10産物は、類似体(す なわち、一つ以上のアミノ酸が、追加、置換または削除された産物)や、電子対
を共有する修飾(すなわち、融合タンパク質、グリコシル化変異体など)のよう
な天然産物の変異体を含む。
【0016】 本発明は、ヒトPDE10をコードする新規の精製及び単離されたポリヌクレオチ ド(例えば、DNA配列及びmRNA転写物、双方ともセンス及び相補的アンチセンス 鎖、さらにそれらのスプライス変異体を含む)を提供する。 本発明のDNA配列 には、ゲノミック及びcDNA配列のみならず、全体的または部分的に化学合成され
たDNA配列が含まれる。 本願発明のゲノミックDNAは、本願発明のポリペプ チドのためのタンパク質コード領域を含み、そして、本願発明の好ましいポリヌ
クレオチドの対立変異体を包含する。 本願発明のゲノミックDNAは、これが
本願発明のPDE10 cDNAによって定義されたPDE10コード領域を含む点に関して、P
DE10以外のポリペプチドをコードするゲノミックDNAと区別できる。 従って
、本願発明は、ゲノミックPDE10 DNAの構造、物性および機能面での特徴を提供 するものである。 当該技術分野において、対立変異体は、野性型遺伝子配列の
形態を修飾したものであり、この修飾が、染色体分離または遺伝変異をもたらす
条件へ暴露する間の組み換えによるものであることは知られている。 野性型遺
伝子のような対立変異体は、本来、天然に産する配列である(これに対して、天
然に産しない変異体は、in vitro操作によってもたらされる)。 本明細書で用
いられ当該技術分野において理解される「合成された」の語は、ポリヌクレオチ
ドを製造するための、酵素的方法に対して純粋に化学的な方法を称するものであ
る。 「全体的に」合成されたDNA配列は従って、全体に及んで化学的手段によ り製造されたものであって、そして「部分的に」合成されたDNAは、得られるDNA
の一部分だけが化学的手段によって製造されたものである。 ヒトPDE10ポリペ プチドをコードする好ましいDNA配列は、配列番号:1に示される。 当業者で あれば、本願発明の好ましいDNAが、二本鎖分子、例えば、DNAに関するワ
トソン−クリック塩基対法則に従って配列番号:1の配列から推定できる配列を
有する、相補分子(「非コード鎖」または「相補体」)に沿った配列番号:1に
記載の配列をもった分子を含むことは容易に想到できるであろう。 配列番号:
2のPDE10ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも好ましい。
【0017】 PDE10ポリペプチドをコードする全長ポリヌクレオチドを開示することで、当 業者による、この全長ポリヌクレオチドから得られる各断片の取得を容易ならし
める。 それ故、本願発明は、少なくとも10〜20、そして、好ましくは、少なく
とも15個のヌクレオチドを含む本願発明のPDE10をコードするポリヌクレオチド の断片を提供するが、本願発明は、様々な長さの断片をも包含する。 好ましく
は、本願発明の断片ポリヌクレオチドは、PDE10をコードするポリヌクレオチド 配列に独特の配列を含み、それ故、ストリンジェント、または、好ましくは中程
度の条件下で、PDE10をコードするポリヌクレオチド、または独特の配列を含ん だPDE10ポリヌクレオチド断片にのみ(つまり、「特異的に」)ハイブリダイズ する。 本願発明のゲノミック配列のポリヌクレオチド断片は、コード領域に独特の配列
のみならず、イントロン、調節領域および/または他の未翻訳配列から誘導され
た全長配列の断片も含む。 本願発明のポリヌクレオチドに独特の配列は、他の
既知のポリヌクレオチドとの配列比較を介して認識され、そして、公の配列デー
タベースから入手可能な配列プログラムを使用することで同定できる。
【0018】 本願発明は、PDE10ファミリーのポリペプチドのメンバーをコードする一つ以 上のポリヌクレオチドに保存される、断片ポリヌクレオチドも提供する。 かよ
うな断片は、PDE10ポリヌクレオチドのファミリーに特徴的な配列を含み、これ らは「シグネーチャー配列」とも称されている。 保存されたシグネーチャー配
列は、容易に認識でき、次いで、PDE10ファミリーのメンバーをコードするポリ ヌクレオチドの単純配列比較に供される。 本願発明の断片は、それらが検出可
能となるよう標識付けでき、放射性および非放射性ラベルが含まれる。
【0019】 断片ポリヌクレオチドは、全長または他のPDE10ポリヌクレオチドの検出用プ ローブとして、特に有用である。 一つ以上の断片ポリヌクレオチドを、PDE10 をコードするポリヌクレオチドの存在の検出、またはPDE10をコードするポリヌ クレオチド配列での変異を検出するためのキットに用いることができる。
【0020】 本願発明は、ヒトPDE10 DNAの、好ましくは哺乳類、のタイプ相同物をさらに 包含する。 本願発明によってもたらされるポリヌクレオチド配列情報は、サザ
ンおよび/またはノザンハイブリダイゼーションや、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)を含む周知の技術を用いることで、関連する哺乳類PDE10分子をコードするポリ
ヌクレオチドの同定と単離を可能にする。 関連するポリヌクレオチドの例とし
て、対立変異体ならびにPDE10に相同なポリペプチドをコードするポリヌクレオ チド、それに、PDE10の生物学的、免疫学的、および/または物理的特性の一つ 以上を具備した構造的に関連するポリペプチドを含めた、ヒトおよびヒト以外の
ゲノミック配列がある。
【0021】 本発明はまた、配列番号:1、18、20及び22のいずれか一つのポリヌクレオチ
ドの非コード鎖、または相補体と中程度にストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするPDE10種をコードするDNA配列も含むものである。 遺伝コードの縮重
がなければそれとハイブリダイズするはずであるPDE10ポリペプチドをコードす るDNA配列が、本発明によって企図される。 中程度のハイブリダイゼーション 条件の例は、以下の通りである:3X SSC、0.1%サルコシル、及び20 mM リン酸 ナトリウム、pH 6.8で65℃にてハイブリダイゼーションを行い、0.1%SDSを含む
2X SSCで65℃にて洗浄する。 当該技術分野にあっては、Ausebelら、(編)Pro tocols in Molecular Biology 、John Wiley & Sons(1994) 6.0.3〜6.4.10頁に記
載されるように、温度及び緩衝液、または塩濃度を変更することによって同等の
ストリンジェンシーの条件にできることは理解されるはずである。 ハイブリダ
イゼーション条件の改変は、経験的に決定するか、またはプローブのグアノシン
/シトシン(GC)塩基対の長さ及び含有率に基づき正確に算定することが可能であ
る。 Sambrookら(編)、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(1989) 9.47〜9.51
頁に記載される通りに、ハイブリダイゼーション条件を算定できる。
【0022】 PDE10配列を組み込んだプラスミド及びウイルスDNAベクターなどの、自己複製
する組換え発現構築体も提供される。 PDE10をコードするポリヌクレオチドが 、内在性または外来性発現制御DNA配列及び転写ターミネーターに作動可能に連 結された発現構築体も提供される。
【0023】 本発明のさらなる特徴によれば、本発明のPDE10ポリペプチドの発現を許容す るように、本発明のDNA配列で安定にまたは一過性に形質転換された、原核細胞 及び真核細胞を含む宿主細胞が提供される。 本発明の発現系には、細菌、酵母
、真菌、ウィルス、無脊椎動物および哺乳類動物の細胞系がある。 本発明の宿
主細胞は、PDE10と特異的な免疫反応性を有する抗体の開発のための免疫原の貴 重な供給元である。 本発明の宿主細胞は、PDE10ポリペプチドの大量生産のた めの方法においてきわめて有用なものでもあり、かかる方法では、細胞が好適な
培地中で生育され、そして目的のポリペプチド産物が、細胞からまたは細胞が生
育される培地から、例えばイムノアフィニティー精製によって単離される。
【0024】 PDE10 DNA配列の知見により、内在性PDE10の発現を許容または増加させるよう
な細胞の修飾が可能となる。 細胞がより高いレベルでPDE10を発現するよう、 異種性のプロモーターのすべてまたは一部を用いて、天然に生じているPDE10プ ロモーターの全体または一部を置換することによって、PDE10の発現増大をもた らすように細胞を修飾することができる(例えば、相同組換えによる修飾)。
異種性プロモーターは、PDE10をコードする配列に作動可能に連結するように挿 入される。 例えば、PCT国際公開第WO 94/12650号、PCT国際公開第WO 92/20808
号、及びPCT国際公開第WO 91/09955号パンフレットを参照されたい。 本発明は
また、異種性プロモーターDNAに加えて、増幅可能なマーカーDNA(例えば、ada 、dhfr、ならびに及びカルバミルホスフェートシンターゼ、アスパルテートトラ
ンスカルバミラーゼ、及びジヒドロオロターゼをコードする多機能CAD遺伝子な ど)及び/またはイントロンDNAを、異種性プロモーターDNAと共に挿入してもよ
い。 PDE10コーディング配列に連結される場合、標準的な選択方法によるマー カーDNAの増幅の結果、細胞でのPDE10コーディング配列の共増幅が導かれる。
【0025】 本発明によって提供されるDNA配列情報はさらに、例えば、相同組換えまたは 「ノックアウト」戦略[Capecchi、Science、244巻、1288〜1292頁(1989)]によ
る、機能を有するPDE10を発現しない、またはPDE10の変異体を発現する動物の開
発も可能になる。 かかる動物は、in vivoでのPDE10及びPDE10のモジュレータ ーの活性を調べるためのモデルとして有用である。
【0026】 本発明はまた、配列番号:2、19、21および23に記載の精製及び単離された哺
乳動物PDE10ポリペプチドを提供する。 現在のところ好ましいPDE10ポリペプチ
ドは、配列番号:2に示すアミノ酸配列を含むPDE10ポリペプチドである。 本 発明は、(a) 配列番号:1、18、20または22に記載のDNA配列;(b) (a)のタ ンパク質コード部分の非コード鎖とストリンジェント条件下でハイブリダイズす
るDNA分子;および(c) 遺伝コードの縮重がなければ、(a)のDNAとハイブ リダイズするはずであるDNA分子、からなる群から選択されるDNAによって
コードされたPDE10ポリペプチドを包含する。 本発明はまた、配列番号:2、1
9、21および23に記載の配列のポリペプチド断片を包含し、これら断片は、PDE10
ポリペプチドの生物学的または免疫学的特性を維持している。 好ましいポリペ
プチド断片は、PDE10ファミリーのポリペプチドに独特または特異的な抗原性を 示す。 所望の生物学的または免疫学的特性を持った本発明の断片は、当該技術分野で周
知かつ常法の手順に従って調製することができる。
【0027】 本発明は、本発明において好ましいPDE10ポリペプチドに対して、少なくとも9
9%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少 なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも
55%および少なくとも50%が同一および/または相同であるポリペプチドをも包
含している。 本発明の好ましいポリペプチドに関するアミノ酸配列の「同一」
率とは、配列の同一性を最大ならしめるために、必要に応じて、双方の配列を整
列し、かつギャップを導入した後のPDE10配列の残基と同一の候補配列でのアミ ノ酸残基に対する百分率として定義され、また、いかなる保存置換も配列同一性
の一部として考慮しない。 本発明の好ましいポリペプチドに関する配列の「相
同」率とは、配列の同一性を最大ならしめるために、必要に応じて、双方の配列
を整列し、かつギャップを導入した後のPDE10配列の残基と同一の候補配列での アミノ酸残基に対する百分率として定義され、また、保存置換も配列同一性の一
部として考慮する。 保存置換は、後述するようにして、定義できる。
【0028】 本発明のPDE10ポリペプチドは、天然の細胞供給源から単離されても、あるい は化学合成されてもよいが、好ましくは本発明の宿主細胞を用いた組換え法によ
って製造される。 様々な宿主細胞の使用によって、本発明の組換え発現産物に
対する至適な生物学的活性を付与するのに必要かもしれない転写後修飾(例えば
、グリコシレーション、トランケーション、リピデーション及びリン酸化など)
が提供されることが予測される。 本発明のPDE10産物は、全長のポリペプチド 、生物学的または免疫学的に活性を有するその断片、またはPDE10特異的な生物 学的または免疫学的活性を保持している変異体であってもよい。 変異体には、
(1)PDE10に特異的な生物学的活性もしくは免疫学的特性を損失することなく、ま
たは(2)PDE10の特定の生物学的活性の無力化を伴って、1以上の特定の(すなわ
ち、天然にコードされている)アミノ酸が欠失もしくは置換されているか、また
は1以上の不特定のアミノ酸が付加されているPDE10ポリペプチド類似体が含ま れうる。
【0029】 本発明の変異体産物には、成熟PDE10産物、すなわち、リーダーまたはシグナ ル配列が除去され、天然には生じない、さらなるアミノ末端残基を有するPDE10 産物が含まれる。 −1位にさらなるメチオニン残基を有するPDE10産物(Met-1
-PDE10)が企図され、同様に、−2及び−1位にさらなるメチオニン及びリジン
残基を有するPDE10産物(Met-2-Lys-1-PDE10)も企図される。 これらのタイプ
の変異体は、細菌細胞型での組換えタンパク質の生産に対して特に有用である。
【0030】 本発明はまた、特異な発現系の使用に起因したさらなるアミノ酸残基を有する
PDE10変異体をも含むものである。 例えば、グルタチオン-S-トランスフェラー
ゼ(GST)融合タンパク質などの所望のポリペプチドを発現する市販のベクター の使用によって、その所望のポリペプチド由来のGST成分の切断の結果、−1位 にさらなるグリシン残基を有する目的のポリペプチドが提供される。 他のベク
ター系での発現から得られる変異体もさらに、本発明で企図される。
【0031】 変異ポリペプチドには、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
の修飾によって、保存置換が導入されたポリペプチドも含まれる。 当該技術分
野において、保存置換は、それらが関連する物理特性に応じてアミノ酸を分類す
るためのものであると認識され、また、以下の表I(1997年3月13日発行のWO97
/09433、第10頁(1996年9月6日出願のPCT/GB96/02197))に記載の通り定義する
ことができる。
【0032】
【表1A】
【0033】 あるいは、保存アミノ酸は、以下の表IIに記載の通り、Lehninger, [Biochemi
stry、第2版、Worth Publishers, Inc. NY:NY(1975), pp.71-77]で定義してい るように分類できる。
【0034】
【表1B】
【0035】 本発明はさらに、1以上の水溶性ポリマー接着物を含むよう修飾されたPDE10 産物が包含される。 特に好ましいのは、ポリエチレングリコール(PEG)サブ ユニットで共有結合修飾されたPDE10産物である。 水溶性ポリマーは、例えばP
DE10産物のアミノ末端などの特定の位置に結合させても、あるいはポリペプチド
の1以上の側鎖に無作為に接着させてもよい。
【0036】 さらに本発明によって企図されるのは、PDE10産物またはその断片に対して特 異的な抗体(例えば、モノクローナル及びポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメ
ラ抗体、CDR移植抗体、あるいは「ヒト型化」抗体、Fab、Fab'、F(ab')2、Fvま たは単一可変ドメインを含む抗原結合抗体ドメイン、など)ならびに他の結合タ
ンパク質である。 特異的な結合タンパク質は、単離されたPDE10産物もしくは 組換えPDE10産物、PDE10変異体、またはこのような産物を発現している細胞を使
用して開発することができる。 「特異的」なる語は、抗体の可変領域が、PDE1
0ポリペプチドに独占的に認識および結合する(つまり、PDEポリペプチドの超フ
ァミリーから、ポリペプチドファミリー内で認められる配列の同一性、相同性ま
たは類似性にかかわらず、PDE10ポリペプチドを区別可能である)ことを指すが 、抗体の可変領域の外側、特に、分子の定常領域内の配列との相互作用を介して
、他のタンパク質(例えば、S. aureusタンパク質AまたはELISA法での他の抗体
)とも相互作用を及ぼす。 本発明の抗体の結合特性を決定するためのスクリー
ニング法は、当該技術分野では周知でかつ常套手段でもある。 かようなスクリ
ーニング法の総合的な解説については、Harlow et al., (編纂)、Antibodies: A Laboratory Manual ; Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N
Y (1988)、第6章を参照されたい。 本発明のPDE10ポリペプチドの断片を認識 および結合する抗体は、それらが最初のものであり、かつ、先に定義したように
して、PDE10ポリペプチドに対して特異的であれば、それら抗体も本発明に包含 される。 全長PDE10ポリペプチドに特異的な抗体に関して、PDE10断片を認識す
る本発明の抗体は、ポリペプチドファミリー内で認められる配列の同一性、相同
性または類似性にもかかわらず、PDEポリペプチドの超ファミリーからPDE10ポリ
ペプチドを区別することができる抗体である。
【0037】 結合タンパク質は、PDE10産物を精製するため、そして既知の免疫学的方法を 使用して体液及び組織試料中のPDE10産物を検出または定量するために有用であ る。 結合タンパク質はまた、PDE10の生物学的活性、特にシグナル伝達経路に関与す る活性をモジュレートする(すなわち、ブロッキング、阻害する、または抑制す
る)上で極めて有用である。 抗PDE10抗体に対して特異的な抗イディオタイプ 抗体もまた、さらに企図される。
【0038】 本発明のDNA及びアミノ酸配列の開示を通じて寄与される情報の価値は、明白 である。 一連の実験にて、PDE10に対するcDNAの配列の知見から、PDE10や、プ
ロモーター、オペレーター、エンハンサー、リプレッサー等のPDE10発現制御配 列をコードするゲノミックDNA配列の同定が、サザンハイブリダイゼーションま たはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用によって可能となる。 中程度から高 度のストリンジェント条件下に本発明のDNA配列を用いて行ったDNA/DNAハイブリ
ダイゼーション法で同様に、PDE10の対立変異体をコードするDNAの単離が可能と
なることが予測され;対立変異体は、当該技術分野においてPDE10に特異的な生 化学的及び/または免疫学的特性の1以上持つ構造的に関連するタンパク質を含
むことが知られるものである。 同様に、PDE10と相同なタンパク質をコードす る非ヒト種の遺伝子も、サザン分析及び/またはPCR分析によって同定すること ができる。 選択手段として、PDE10の1以上の生物学的特性を持つ、非ヒトタ ンパク質、さらには他のヒトPDE10産物、そのタンパク質をコードするDNAを同定
するために相補性試験が有用でありうる。
【0039】 本発明のポリヌクレオチドは、細胞がPDE10を発現する能力を検出するための ハイブリダイゼーションアッセイにおいても有用である。 本発明のポリヌクレ
オチドは、1以上の疾患の原因となっているPDE10遺伝子座における遺伝的変化 を同定するための診断方法に対する基礎をなすものとなりうる。
【0040】 本発明によってもたらされるDNAとアミノ酸配列の情報は、PDE10の構造と 作用に体系的分析をも可能ならしめる。 PDE10に関するDNAとアミノ酸配列 の情報は、PDE10ポリペプチドまたはポリヌクレオチドが相互作用するであろう 結合パートナー化合物をも同定するであろう。 結合パートナー化合物には、タ
ンパク質や、小分子のようなおよび非タンパク質がある。 PDE10活性または発 現をモジュレート(すなわち、増大、減少またはブロック)する薬剤は、被験モ
ジュレーターを、PDE10ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと共にインキュベ ートし、そして、PDE10ホスホジエステラーゼ活性または発現に関する被験モジ ュレーターの効果を決定することによって同定されよう。 PDE10の活性をモジ ュレートする化合物の選択性は、PDE10に関するその結合性と、他のPDE酵素に関
するその結合性とを比較することによって評価することができる。 結合化合物
をコードするDNAを同定するためのジ−ハイブリッド法や、既知の結合ポリペ
プチドとPDE10ポリペプチドとの相互作用阻害剤を同定するためのスプリットハ イブリッド法のような細胞に基づいた方法や、PDE10ポリペプチド、PDE10ポリヌ
クレオチド、または結合パートナーが固定化されてなる分析法を含むin vitro法
、および溶液アッセイ法までもが、本発明において企図されている。
【0041】 選択性モジュレーターとして、例えば、PDE10ポリペプチドまたはPDE10をコー
ドする核酸に特異的に結合する抗体および他のタンパク質またはペプチド、PDE1
0ポリペプチドまたはPDE10遺伝子配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチド、
および、PDE10ポリペプチドまたはその構成核酸と特異的に反応する他の非ペプ チド化合物(例えば、単離した、または合成の有機および無機分子)がある。
野性型PDE10の酵素活性または細胞の局在化に影響を与える変異体PDE10ポリペプ
チドもまた、本発明において企図されている。 現在のところ、選択性モジュレ
ーターの開発に好ましい標的として、例えば、(1) 他のタンパク質および/また
は細胞内にPDE10ポリペプチドを局在化せしめるPDE10ポリペプチドの領域、(2)
基質に結合するPDE10ポリペプチドの領域、(3) PDE10ポリペプチドの環状ヌクレ
オチド結合部位、(4) PDE10ポリペプチドの燐酸化部位、および(5) PDE10ユニッ
トの多重構成に関与するPDE10ポリペプチドの領域がある。 さらに他の選択性 モジュレーターとして、コードする特異的なPDE10と調節ポリヌクレオチド配列 を認識するモジュレーターがある。 PDE10活性のモジュレーターは、PDE活性の
関与が知られている様々な疾患や生理学的状態の処置における治療的用途におい
て有用である。
【0042】 本発明のPDE10ポリペプチドは、結合パートナー、特に、好ましくは、モジュ レーターを同定するための高速スループットスクリーニング法での使用に適して
いる。 酵母に基づいたアッセイシステムならびにJayawickreme and Kost, Cur
r. Opin. Biotechnol. 8: 629-634 (1997)に記載されたような哺乳類細胞発現系
を含めた、細胞に基づいたアッセイも企図されている。 あるいは、Houston an
d Banks, Curr. Opin. Biotechnol. 8: 734-740 (1997)に記載されたような、高
密度フリーフォーマット高密度スクリーニングのような、自動化および小型化し
た高速スループットスクリーニング(HTS)アッセイがある。 複合ライブラリー は、高速スループットスクリーニングアッセイにおいて、特に有用である。
【0043】 小分子モジュレーターの同定のために用いる多様なライブラリー、すなわち、
(1) 化学ライブラリー、(2) 天然物ライブラリー、および(3) ランダムペプチド
、オリゴヌクレオチドまたは有機分子からなる複合ライブラリーなどがある。
【0044】 化学ライブラリーは、既知の化合物の構造類似体、または天然物スクリーニン
グを経て「ヒット(Hits)」または「リーズ(Leads)」として同定される化合物か らなる。 天然物ライブラリーとは、(1) 土壌、植物または海洋微生物からの培
養物の発酵および抽出、または(2) 植物または海洋微生物の抽出によって、スク
リーニングのための混合物を調製するために用いられる、微生物、動物、植物ま
たは海洋生物のコレクションである。 天然物ライブラリーには、ポリケチディ
ス(polyketides)、非リボソームペプチド、およびその変異(天然に産しない) 変異体が含まれる。 参考までに、Science 282:63-68 (1998)を参照されたい。
【0045】 複合ライブラリーは、ペプチド、オリゴヌクレオチド、または混合物としての
有機化合物を数多く含んでなる。 これらは、伝統的な自動合成方法、PCR、
クローニングまたは特許された合成方法によって、容易に調製することができる
。 特に興味を引くのは、ペプチドとオリゴヌクレオチドの複合ライブラリーで
ある。 他に興味を引く他のライブラリーとして、タンパク質、模造ペプチド、
多重合成コレクション、組み換え、およびポリペプチドのライブラリーがある。
【0046】 これらから調製した複合化学およびライブラリーの参考までに、Mayers, Curr
. Opin. Biotechnol. 8: 701-707 (1997)を参照されたい。 本明細書に記載し た様々なライブラリーを使用したモジュレーターの同定は、活性をモジュレート
するための「ヒット」の能力を至適化ならしめるための、「ヒット」(または「
リーズ」)の候補物の修飾を可能ならしめる。
【0047】 さらに本発明によって実現されるのは、PDE10をコードするポリヌクレオチド を認識する、またはハイブリダイズするアンチセンスポリヌクレオチドである。
【0048】 全長及び断片のアンチセンスポリヌクレオチドが提供される。 当業者であれ
ば、本発明の断片のアンチセンス分子が、(i) PDE10 RNAを特異的に認識し、そ れにハイブリダイズする(PDE10をコードするDNAと他の既知の分子をコード するDNAとの配列比較によって決定した)分子、ならびに(ii) PDE10ファミリ
ータンパク質での変異体をコードするRNAを特異的に認識し、それにハイブリ
ダイズする分子を含むことは想到されるであろう。 PDE10ファミリーのタンパ ク質の他のメンバーをコードするRNAにハイブリダイズするアンチセンスポリ
ヌクレオチドも、分子のファミリーに関する特徴配列またはシグネーチャー配列
を同定するための配列比較を介して同定することができる。 アンチセンスポリ
ヌクレオチドは、PDE10 mRNAを発現している細胞によるPDE10の発現調節に特に 関連するものである。
【0049】 PDE10発現調節配列またはPDE10 RNAに特異的に結合することができるアンチセ
ンス核酸(好ましくは、10〜20塩基対オリゴヌクレオチド)は、細胞に(例えば
、ウィルスベクター、あるいはリポソームのようなコロイド分散系によって)導
入される。 このアンチセンス核酸は、細胞内のPDE10標的核酸配列に結合し、 標的配列の翻訳または転写を防ぐ。 ホスホロチオエートおよびメチルホスホネ
ートアンチセンスオリゴヌクレオチドは、本発明による治療用途での使用を特に
企図している。 これらアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ポリ-L-リジン、 トランスフェリンポリリシン、またはコレステロール部分によって、その5'端を
さらに修飾される。
【0050】 本発明は、リボザイムの使用を通して、PDE10の発現をモジュレートする方法 をさらに企図している。 参考までに、Gibson and Shilitoe, Mol. Biotech. 7
:125-137 (1997)を参照されたい。 リボザイム技術は、(i) 相補性RNAと標的mR
NAとのハイブリダイゼーションと(ii)相補鎖に固有のヌクレアーゼ活性を利用す
るハイブリダイズしたmRNAの開裂との一連の工程において、PDE10 mRNAの翻
訳を阻害するために利用することができる。 リボザイムは、実験室的方法で同
定することができるが、より好ましくは、標的mRNAの結合可能部位に基づいてデ
ザインしたものとする[Bramlage, et al., Trends in Biotech 16: 434-438 (1
998)]。 標的細胞へのリボザイムの誘導は、当該技術分野で周知かつ常法の、
外因的または内因的いずれかの誘導技術に従って行うことができる。 外因的誘
導方法として、標的リポソームまたは局所注射の使用がある。 内因的誘導方法
として、ウィルスベクターまたは非ウィルス性プラスミドの使用がある。
【0051】 リボザイムは、PDE10をコードするポリヌクレオチドに独特の領域に相補的に なるようデザインすると、PDE10の発現を特異的にモジュレートできる。 従っ て、「特異的なモジュレート」とは、本発明のリボザイムが、PDE10をコードす るポリヌクレオチドだけを認識することを意味する。 同様に、PDE10ファミリ ーのタンパク質の全部または一部の発現をモジュレートするように、リボザイム
をデザインすることができる。 この種のリボザイムは、このファミリーのタン
パク質をコードするポリヌクレオチドの全部または一部に保存されたポリヌクレ
オチド配列を認識するようデザインされる。
【0052】 本発明はさらに、オリゴヌクレオチド特異的トリプルへリックス形成を使用す
る、PDE10の翻訳をモジュレートする方法も包含する。 参考までに、Lavrovsky
, et al., Biochem. Mol. Med. 62: 11-22 (1997)を参照されたい。 トリプル へリックス形成は、ワトソン−クリックのモデルで定義された主要な溝内にある
二本鎖DNAにハイブリダイズする、配列特異性のオリゴヌクレオチドを用いて
行うことができる。 配列特異性のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーショ
ンは、その後、例えば、転写因子とポリメラーゼを含む、DNA結合性タンパク
質の活性をモジュレートすることができる。 ハイブリダイゼーションに適した
標的配列として、PDE10発現の転写調節を許容するプロモーターおよびエンハン サー領域がある。 トリプルへリックス形成が可能であるオリゴヌクレオチドは
、標的DNA配列の部位特異的電子対共有修飾においても有用である。 電子対
共有修飾に有用なオリゴヌクレオチドは、Lavrovsky, et al.[前出]に記載さ れたような様々なDNA損傷物質に結合される。
【0053】 本発明は、PDE10遺伝子産物の標準機能の喪失と、PDE10の欠如が関与するヒト
疾患状態を招く変異をも含む。 PDE10活性を回復せしめるための遺伝子治療は 、これら疾患状態の処置を示唆するものである。 好適な細胞への機能性PDE10 遺伝子の誘導は、ベクター、より好ましくはウィルスベクター(例えば、アデノ ウィルス、アデノ関連ウィルスあるいはレトロウィルス)を用いて、ex vivo、i
n situ または in vivoで、あるいは物理的なDNA転移方法(例えば、リポソ ームまたは化学処理)を用いて、ex vivoで行うことができる。 例えば、Ander
son, Nature, vol.392の増補版、no.6679, pp.25-20 (1998)を参照されたい。
さらに、遺伝子治療の参考までに、Friedmann, Science, 244: 1275-1281 (1989
); Verma, Scientific American: 68-84 (1990); およびMiller, Nature, 357:
455-460 (1992)を参照されたい。 さらに、他のヒトの疾患状態において、PDE1
0の発現および活性阻害の予防が、これら疾患状態を処置する上で有用であると 企図している。 アンチセンス治療または遺伝子治療が、PDE10の発現を押さえ 込む方向で適用することも企図している。
【0054】 PDE10発現および/または生物学的活性のモジュレーターの同定は、異常なPDE
10活性から生じる疾患状態を処置する方法を提供する。 モジュレーターは、投
与用組成物の形態で調製でき、好ましくは、薬学的賦形剤、補剤または媒体とし
て機能する、薬学的に許容される(すなわち、無菌で無毒の)液体、半固体また
は固体希釈剤のような、薬学的に許容される担体を一つ以上を含む。 当該技術
分野で周知のいかなる希釈剤でも使用できる。 希釈剤の例として、ポリオキシ
エチレンモノラウリル酸ソルビタン、ステアリン酸マグネシウム、メチル−およ
びプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、アルギン酸塩、澱粉、ラクトース
、スクロース、デキストロース、ソルビトール、マニトール、アラビアゴム、燐
酸カルシウム、鉱油、ココアバター、およびカカオ油などがあるが、これらに限
定されない。 モジュレーター組成物は、誘導に便利な形態にパッケージするこ
とができる。 これら組成物は、カプセル、サシェ、カシェ剤、ゼラチン、紙ま
たは他の包材で包み込むことができる。 これら組成物を適用対象生物に導入し
た時に適合性が認められ、また、特に、これら組成物が単位投与量で誘導される
場合には、このような誘導形態は好ましい。 投与単位ごとに、例えば、錠剤、
カプセル、坐薬またはカシェ剤のような形態にパッケージすることができる。
これら組成物は、従来の方法、例えば、静脈注射、皮内注射、筋内注射、乳内注
射、腹膜内注射または皮下注射、あるいは、経口、舌下、経鼻、経肛門、経膣ま
たは経皮誘導によって、あるいは、外科的移植、例えば、脾嚢または角膜内への
埋設など、のいずれの方法によっても投与対象に導入される。 治療処置は、単
回の服用または所定期間にわたる複数回の服用から構成される。
【0055】 本発明は、PDE10ポリペプチド、PDE10ポリヌクレオチド、またはその結合パー
トナーの、PDE10関連生物学的疾患の治療のための医薬の製造での使用も包含す る。
【0056】
【実施例】
本発明は、PDE10ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの単離、さらに は、その発現に関する。 実施例1には、部分PDEポリペプチドをコードするEST
の同定と、全長PDE10をコードするクローンの単離を記載する。 実施例2は、P
DE10発現のノザン分析に関する。 実施例3には、PDE10のクロモソームマッピ ングを記載する。 実施例4には、組換えPDE10の発現及び特徴付けを述べる。
【0057】 実施例5には、抗PDE10抗体の製造を詳説する。 実施例6には、in situハイ
ブリダイゼーションによるPDE10発現の分析を記載する。 実施例7には、PDE10
阻害剤を同定するための高速スクリーニングに関する。
【0058】 実施例1 ヒトPDEに関連するESTの同定および 全長PDE10をコードするポリヌクレオチドの単離 既知のヒト3',5'環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼの配列を使用して、 新規ホスホジエステラーゼ(PDE)遺伝子の同定のために潜在的に有用でありう るcDNA断片を同定することを目的として、National Center for Biotechnology
Information(NCBI)発現配列タグ(EST)データベースの検索を実行した。 こ
のデータベースは、様々な組織供給源から集められたcDNAの一端または両端を示
すDNA配列を含んでいる。 そのcDNAの一端または両端についての、単回の配列 決定操作が実施されており、DNA配列の質は非常に多様である。 PDE検索が実施
された時点では、EST配列データベースは、様々な器官に由来する600,000を越え
るcDNA配列を含んでいた。
【0059】 新規PDE配列の検索には、3つの工程が含まれていた。 第1は、NCBIより入 手可能なBLASTNプログラムを用いて、既知のヒトPDEをコードするcDNA配列と相 同性を有するEST配列データベース内のDNA配列を同定した。 このプログラムで
は、ヌクレオチド配列データベースに対して照会ヌクレオチド配列が比較される
。 15の既知ヒトPDEのcDNA配列が検索に付され、そして15件のBLASTN検索が実 施された。 照会PDE配列には、PDE1A3[Loughneyら、J.Biol.Chem.271巻、796〜
806頁(1996)]、PDE1B1[Yuら、Cell Signaling、9巻、519〜529頁(1997)]、PDE
1C2[Loughneyら、J.Biol.Chem.271巻、796〜806頁(1996)]、PDE2A3[Rosmanら
、Gene 191巻、89〜95頁(1997)]、PDE3A[Meacciら、Proc.Natl.Acad,Sci.(USA
) 89巻、3721〜3725頁(1992)]、PDE3B[Mikiら、Genomics 36巻、476〜485頁(1
996)]、PDE4A5[Bolgerら、Mol.Cell.Biol. 13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE
4B2[Bolgerら、Mol.Cell.Biol. 13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE4C[Bolger ら、Mol.Cell.Biol. 13巻、6558〜6571頁(1993)]、PDE4D1[Bolgerら、Biochem
. J. 328:539-548 (1997)] 及びPDE4D3[Bolgerら、Mol.Cell.Biol. 13巻、6558
〜6571頁(1993)]、PDE5A、PDE6A[Pittlerら、Genomics 6巻、272〜283頁(1990
)]、PDE6B[Collinsら、Genomics 13巻、698〜704頁(1992)]、PDE6C[Piriev ら、Genomics 28巻、429〜435頁(1995)、]ならびにPDE7A1[Michaeliら、J.Bio
l.Chem. 17巻、12925〜12932頁(1993)]が含まれていた。 BLASTNの結果を検証
し、そして15の既知PDE cDNAの各々に対応すると判断されたEST配列を同定して 表にまとめた。 照会配列として用いられたPDE6A及びPDE6B配列は、cDNAの3'非
翻訳領域に反復エレメントが存在するため、3'端で切断(3'非翻訳領域の一部を
除去)したものであった。
【0060】 第2に、NCBI TBLASTNプログラムを用いて、15の既知ヒトPDE(前記のとおり )のタンパク質配列と、EST DNA配列の各々によってコードされた6つの可能な 異なるタンパク質との間の相同性を検証した。 この検索で、EST配列は6つの フレームで翻訳されており、そこで、作製されるアミノ酸配列を照会PDEのアミ ノ酸配列と比較する。 アミノ酸レベルで相同であるとして同定された配列を検
証し、そして前記のBLASTN検索において既知PDEに対応するものとして陽性に同 定されたEST配列はすべて破棄した。
【0061】 検索の第3工程には、既知のPDEではない配列を分析することが包含される。 これらのアミノ酸配列は、既知PDEと相同であったが、BLASTN検索の際に15の既 知遺伝子の1つとして同定されることはなかった。
【0062】 最初のBLAST検索で、X88347(配列番号:3)、X88467(配列番号:4)、及 びX88465(配列番号:5)と命名された3つのEST配列を同定したが、これらは クロモソーム21ゲノムDNAを使用したエクソントラッピング実験から得られたも ので、PDE照会配列の1以上の触媒領域と相同性を有するアミノ酸配列をコード することが認められた。X88347は、PDE1A、1B、1C、3A、3B、4A、4B及び4Dのア ミノ酸配列と相同性を示し;X88467はPDE1A、1B、1C、4A、4B、4C及びD4と相同 性を示し;そしてX88465はPDE1A及び1Bアミノ酸配列と相同であった。5'端で、E
ST X88465はX88467よりも58ヌクレオチド短く、さらなる検討は行わなかった。
【0063】 X88347をヌクレオチド1〜222から翻訳して、それにより得られたタンパク質を
PDE1Aと比較すると、2つのタンパク質は51アミノ酸部位のうち23アミノ酸部位 が同じであった(45%の一致度)。X88467をヌクレオチド3〜155から翻訳し、そ
れにより得られたタンパク質をPDE1Aと比較すると、36アミノ酸のうち15が同じ であった(42%の一致度)。EST X88347及びX88467はPDE1Aの触媒領域の2つの 相違する領域と相同性を示したので、それらは新規PDE遺伝子から2つの異なる エクソンを表す可能性があると思われた。
【0064】 X88347は、NCBI ESTデータベースのBLASTN検索における照会配列として使用さ
れた。それ自体に加えて、X88347から、それらの配列が同じ遺伝子に由来するこ
とを示唆するに充分なほど高い相同性を有する他の3つのヒトEST配列が同定さ れた。EST R00718(配列番号:6)は、X88347と91%の一致度を示した。R00719
(配列番号:7)は、R00718と同じcDNAの3'端を表していた。R45187(配列番号
:8)は、X88347と88%の一致度を示した。2つのマウスcDNAも同定され、それ
らはW82786(配列番号:9)及びW10517(配列番号:10)で、X88347のマウス
相同体を表していると思われた。W10517をプローブとして使用したBLASTN検索で
、別の配列H90802(配列番号:11)が同定され、これはヒトPDE遺伝子の一部 であり得る別のヒトESTを表すものと思われた。それらいくつかのヒトcDNAは互 いに同様ではなく、配列決定の優良性に乏しかった。R00719及びR00718 EST配列
によって表されるcDNAは、I.M.A.G.E., Lawrence Livermore National Laborato
ry(Livermore、カリホルニア州)によって同定及び配列決定されたESTの寄託物
を維持して公に入手可能としているAmerican Type Culture Collection(Rockvi
lle、メリーランド州)から入手した。そのcDNAは、胎児肝及び脾臓ライブラリ ーから単離されたもので、クロモソーム21にマッピングされていた。
【0065】 R00718/9は、受理後配列決定し、ESTデータベース配列に一致することが見出 された。R00718/9に対するアミノ酸配列のポリヌクレオチドは、それぞれ配列番
号:12及び13に示している。R00718/9クローンは、0.6 kbのインサートと3'
-端にポリAテイルを含んでいた。読み取り枠は、他のPDEと相同性を有するタン パク質をコードしていたが、cDNAの5'端に伸長はしていなかった。アミノ酸第9 位に始まるQSDRE配列が見出された。対応するD及びE残基が、照会配列すべての 中に見出された。照会配列はまた、保存されたD及びE残基のアミノ端に位置する
保存されたE(F/Y)配列も含んでいたが、この配列はEST R00718/9には認められな
かった。代わりにこのESTは、その後に終止コドンが続く8つのアミノ酸を含ん でいた。R00718/9 cDNAは、触媒領域内のPDE照会配列から分岐しているらしかっ
たが、読み取り枠は保持されていなかった。このように破壊された読み取り枠か
ら、除去されていなかったイントロンの存在が示唆され得、あるいはR00718/9は
なんらかの同定されていない異質ポリヌクレオチド配列に結合されていることが
示唆されているのかもしれない。R00718/9によって表される遺伝子をPDE10と命 名した。
【0066】 さらなるPDE10配列を同定するために、PDE10配列に基づいてプローブを作製し
、cDNAライブラリーをスクリーニングするために使用した。先ず、2つのプライ
マー、R71S100R(配列番号:14)及びR71A521H(配列番号:15)を、PCRで の使用のために合成して、R00718/9 DNA断片の420ヌクレオチド部分(ヌクレオ チド130〜550)を増幅した。プライマーR71S100Rで、増幅産物にEcoRI制限酵素 部位(下記下線部)が作られ、またプライマーR71A521HでHindIII部位(やはり 下記下線部)が作られた。PCR断片は、他のPDEに相同なR00718/9の領域を含むが
ポリAテイルは含まないように設計された。 R71S100R(配列番号:14) AGTCGAATTCACCGTGAGAAGTCAGAAG R71A521H(配列番号:15) GTCAAAGCTTACATGGTCTTGTGGTGCC PCR反応液は、50 pgのR00719 cDNA、10 ng/μlの各プライマー、0.2 mM dNTP、1
X PCR緩衝液(Perkin-Elmer)、2 mM MgCl2、及び1.25 U Taqポリメラーゼ(Pe
rkin-Elmer)を含むものであった。反応液は最初に94℃に2分間維持し、その後
94℃1分、50℃2分、そして72℃4分の30サイクルを実施した。PCR断片は、 低融点アガロースゲル電気泳動を用いて精製した。
【0067】 ライブラリーのスクリーニングのため、PCR断片をランダムプライミングキッ ト(Boehringer Mannheim)を用いて製造業者の使用説明書に従い、32Pでラベ ルし、そしてそれを用いてヒト心臓cDNAライブラリー(Stratagene、La Jolla、
カリホルニア州)から106のcDNA、ヒト海馬cDNAライブラリー(Clontech、Palo
Alto、カリホルニア州)から5 x 105のcDNA、及びヒト胎児脳cDNAライブラリー (Stratagene)から7.5 x 105のcDNAをスクリーニングした。ハイブリダイゼー ションは、3X SSC、0.1%サルコシル、20 mM リン酸ナトリウム、pH 6.8、10 X
デンハーツ溶液、及び50μg/ml サケ精子DNAを含有する緩衝液中で65℃にて終夜
行った。11の陽性クローンが胎児脳ライブラリーから得られ、3つが海馬ライ
ブラリーから得られた。部分配列決定によって、FB79cという1つのクローンを さらなる特徴解析用に選択することにした。FB79cに対するポリヌクレオチド及 び演繹された配列は、それぞれ配列番号:16及び17に示している。
【0068】 FB79cは、1.3 kbのインサートを含み、FB79cの3'端はR00718/9よりもさらに伸
長していて、またR00718/9のポリAテイルの12アデノシン残基、EcoRI部位(GGAA
TTC)、さらなる59ヌクレオチド及びポリA配列を含んでいた。5'端では、FB79c に対する配列は、R00718/9のヌクレオチド121位(FB79cのヌクレオチド第744位 に対応する)で始まりそれから続く5'において、R00718/9と相違していた。FB79
cにおける読み取り枠(照会PDEと相同性を有するタンパク質をコードする)は、
cDNAの5'端に伸長しておらず、ヌクレオチド第104位の終止コドンで終結してい た。
【0069】 R00718/9からの分岐点の上流に位置する(が、他のPDEとの相同性がある読み 取り枠の部分の中にある)FB79c DNA内の配列が、その後のライブラリースクリ ーニングのために選択された領域であった。選択された単離配列は、FB79cのヌ クレオチド308からヌクレオチド671に及ぶ0.36 kbのEcoRV断片であり、これを使
用して胎児脳cDNAライブラリー(Stratagene)から1.75 x 106 cDNAをスクリー ニングした。20以上のcDNAが同定され、12を部分的制限酵素マッピングとDN
A配列決定に付した。それらのうち6つについて、さらに広範囲の配列決定を行 い、完全な配列決定のためにクローンFB76.2及びFB68.2を選択することとした。
クローンFB76.2に対するポリヌクレオチド及びアミノ酸配列はそれぞれ、配列番
号:18及び19に示され、そしてクローンFB68.2に対するポリヌクレオチド及
びアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号:20及び21に示されている。
【0070】 FB76.2は1.9 kbのcDNAインサートを含み、cDNAの3'端はクローンFB79cで認め られたポリAテイルより1ヌクレオチド短いところで終結しており、その配列は クローンFB79cにおけるヌクレオチド109の5'からFB79cと分岐していた(FB76.2 のヌクレオチド725に対応する)。PDE照会配列と相同性を有するタンパク質をコ
ードするFB76.2配列の読み取り枠は、cDNAの5'端に伸長しており、第1のメチオ
ニンはヌクレオチド74で開始するようにコードされていた。この残基を開始のメ
チオニンと推定すれば、FB76.2の読み取り枠は533アミノ酸のタンパク質をコー ドしており、もって予測される分子量は61,708 kDである。
【0071】 クローンFB68.2は、2 kbのcDNAインサートを含んでいた。3'端で、このクロー
ンはFB79cに認められるポリAテイルにまで伸長しており、そして読み取り枠はcD
NAの5'端に伸長していた。FB68.2は、FB76.2のヌクレオチド335に対応する位置 に続いてさらに内部180ヌクレオチド(FB68.2のヌクレオチド225から404)が存 在するという点でFB76.2と異なっていた。FB68.2での挿入における付加的なヌク
レオチドの数は3で割り切ることができるので、かかる挿入によってFB76.2と比
べて読み取り枠が変化することはなかった。同じ読み取り枠の保持に関わるイン
サートの位置から、この配列がいくつかのPDE10 cDNA(すべてではない)に認め
られるエクソンを表すのかもしれないことが示唆された。あるいは、付加的な配
列が、FB68.2 cDNAから除去されていなかったイントロンである可能性もある。
【0072】 FB76.2及びFB68.2は相互に異なっていたので、さらなるPDE10 DNAを得て、PDE
10ヌクレオチド配列をより正確に特定すべく分析を行った。FB76.2の5' 0.3 kb 断片(ヌクレオチド1〜285に相当する)を単離して、胎児脳cDNAライブラリーか
ら7.5 x 105 cDNAをスクリーニングするためのプローブとして使用した。37の
陽性クローンが得られ、そのうち19を、先ず0.3 kbのEcoRIプローブとハイブ リダイズする断片サイズ(インサート)について調べた。続いて19クローンの
うち8つにつき、部分配列決定によってさらに調べた。2つのクローンFB93a及 びFB94aが、ハイブリダイズするそれぞれ0.5 kb及び1.6 kbのEcoRI断片を含んで
おり、完全配列決定のためにこれらを選択した。クローンFB93aに対するポリヌ クレオチド及びアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:22及び23に示し、また
クローンFB94aに対するポリヌクレオチド及びアミノ酸配列は、それぞれ配列番 号:1及び2に示す。
【0073】 FB93aはFB76.2の3'端に伸長しない1.5 kbインサートを含んでいなかったが、5
'端でFB76.2よりも90ヌクレオチド長かった。さらなるヌクレオチドは、前記 したFB76.2の最初のメチオニンを含む読み取り枠内の第47位で始まる終止コドン
をコードしていた(FB93aのヌクレオチド164)。終止コドンの位置は、完全な読
み取り枠の存在を示唆するものであり、そしてFB76.2はおそらく、全長のcDNAを
を表していることが示唆された。FB76.2と同様にFB93aは、FB68.2に存在してい た180ヌクレオチドのインサートを含んでいなかった。
【0074】 FB94aは1.5 kbのcDNAインサートを含み、そして終止コドンをほぼ0.1 kb超え るまで3'端が伸長していた。最初のメチオニンは、ヌクレオチド26で開始するよ
うにコードされており、この残基が開始のメチオニンであることが推定された。
FB94aは、予測される分子量が54,367 Daである466アミノ酸のタンパク質をコー ドしていた。FB94aは、FB76.2及びFB93aに対する配列と一致するならヌクレオチ
ド42の後に位置するはずの149ヌクレオチド領域がないという点において、FB76.
2及びFB93aと相違していた。その149ヌクレオチド配列が存在しないことにより 、FB76.2及びFB93aに認められるものと異なる読み取り枠内の開始メチオニンと 推定される残基が生じる。FB76.2及びFB93aと同様に、FB94aはFB68.2に認められ
る180ヌクレオチドの領域を含んでいなかった。
【0075】 FB94a及びFB93a配列を用いたESTデータベースの検索によって、PDE10 cDNAに 対するものという可能性を有する他の配列が同定された。EST A158300は、前述 した149ヌクレオチド及び180ヌクレオチド配列の双方を欠失していた。加えて、
A158300はまた、FB68.2配列に認められる180ヌクレオチドの領域の3'直近の55ヌ
クレオチドも欠失していた。A158300の読み取り枠は5'端に伸長し、そして最初 のメチオニンはFB76.2及びFB93aによって用いられるのと同じものに対応してい た。A158300から、さらなる55ヌクレオチドの欠失が存在することの結果、149ヌ
クレオチドが欠失している部位と180ヌクレオチドが欠失している部位との間の 配列に対して、相違する読み取り枠が生じることとなる。
【0076】 これらのcDNA配列に由来するPDE10に対しての配列情報は、下記の通りに要約 することができる。あるクローンには、149ヌクレオチド配列が存在する(配列F
B76.2、FB93a、FB68.2)が、すべてに存在するわけではない(配列FB94a、A1583
00)。149ヌクレオチド配列の後には、今日までに分析されたPDE10 cDNAのすべ てに存在する44ヌクレオチドの領域が続いている。44ヌクレオチドの領域の後は
、235ヌクレオチドの鎖長の配列である。その領域は全体が存在することも(FB6
8.2に対する配列で認められるとおり)あるいは、最初の180ヌクレオチドがない
ことも(FB76.2及びFB93aの配列で観察されるとおり)あり得る。さらに別の場 合には、領域全体が除去され得る(A158300に対する配列で認められるとおり) 。これらの可能性から、6つの相違するmRNA構造が予測され、それらのうち4つ
が単離されているのである。
【0077】 149ヌクレオチドの領域の有無は、エクソンの有無を反映するのかもしれず、 また235ヌクレオチドの領域のすべてか一部が存在することは、オルターナティ ブ3'スプライシングのアクセプター部位の使用を反映するのかもしれない。そう
ではなくて、235ヌクレオチドの領域が180及び55ヌクレオチドの鎖長の2つの別
々のエクソンを表す可能性もある。149ヌクレオチドの配列の有無は、コードさ れたタンパク質の読み取り枠を変化させ、それは55ヌクレオチドの配列の有無に
ついても同様である。
【0078】 様々なPDE10 cDNAの比較で、単一ヌクレオチドの相違が数多く観察されている
。R00718/9は第155位にシトシンを有するが、他のcDNAはこの位置にチミジンを 有しており、双方の配列によってコードされるのはプロリンであるから、かかる
相違は沈黙型(サイレント)の変化となっている。R00718/9はまた、第161位に シトシンを有しているが、他のcDNAは同じ位置にアデノシンを有しており、この
相違もまた、双方の配列がアラニンをコードするので沈黙型の変化となっている
。FB94aは第1383位にグアノシンを有し、一方他のcDNAはこの位置にアデノシン を有しており、この相違の結果、FB94aは同位置にてグルタミン酸でなくグリシ ンをコードしている。FB76.2は、第1809位にシトシンでなくアデノシンを有して
おり、かかるヌクレオチドの位置は3'非翻訳領域にあるので、その相違はアミノ
酸の相違をもたらすものではない。FB79cも、1204と1215との間の一連のヌクレ オチドにおいて、アデノシンが他のcDNAが有するよりも1つ少なくなっているが
、この相違もやはり、3'非翻訳領域内に存在している。
【0079】 他の既知PDEと、予測されるPDE10アミノ酸配列とを比較すると、照会配列間で
保存されているアミノ酸の、すべてとまではいかないがほとんどが、PDE10にも 認められることが示唆された。PDE10触媒領域をPDE4A、PDE5A、及びPDE7Aと比較
すると、それぞれ32%、30%及び34%の一致度であることが明らかになった。
【0080】 実施例2 ノザンブロット PDE10を発現する細胞と組織のタイプを決定するために、市販のヒト複数組織 ノザンブロット(Clontech、Palo Alto、カリホルニア州)を用いて行った。 F
B76.2の1〜883位のヌクレオチドに対応するEcoRI/BclI断片を、プローブとした
。 ハイブリダイゼーション条件は、以前に報告した通りである[Loughneyら、前出 、(1996)]。
【0081】 その結果、2.2〜2.4kbのバンドが認められ、腎臓において最もバンドが濃く、
また、心臓、膵臓および胎盤にもバンドが認められ、そして、脳、肺、骨格筋お
よび肝臓でのバンドが最も弱かった。 バンドの範囲は胎盤において顕著で、こ
のことは、大きさが若干異なる多数のmRNAを含んでいることを示唆している。
【0082】 実施例3 クロモソームマッピング 前記のとおり、クロモソーム21からのDNAを使用し、エクソントラッピング法 でX88347、X88467、及びX88465 ESTが同定された[Chenら、1996]。X88467は、
マウスカルシウム−、カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼQ01065のアミ
ノ酸52〜103と相同性を有する新しい配列として同定された。XD88347は、EST R0
0718と同じであり、且つドロソフィアcAMP依存性ホスホジエステラーゼP12252と
類似のものとして同定された。これらの配列の双方とも、既知タンパク質配列に
強い相同性を有するものとして記録される範疇に入れられた。
【0083】 NCBIでの配列タグ付け部位(STS)データベースの検索によって、PDE10の3'端
が、クロモソーム21の上端から220.72.cr.の領域にマッピングされているSTS WI
-13322に相同であることが明らかになった。このSTSが引き出されたcDNAは、FB6
8.2のヌクレオチド1899で始まり、ポリAテイルを有しておらず、またFB68.2より
もさらに3'に伸長していた。このSTS配列は、ポリ(A+)テイルが付加されていな いPDE10A転写物か、またはポリ(A+)付加の代替部位を使用するPDE10A転写物を表
しているらしいと考えられる。STS WI-13322は、SGC35805(シスタチオニンベー
タ−シンターゼ(CBS)に対する遺伝子に由来をもつもの)近傍のクロモソーム2
1のホワイトヘッドマップ上に位置付けられた。CBSはクロモソーム21の、21q22.
3にマッピングされている[Avramopolousら、Hum.Genet. 90:566-568(1993);Mu
nkeら、Hum.Genet.42:550-559(1988)]。
【0084】 クロモソーム21の本領域に、例えば、ダウン症候群[Delabarら、Eur.J.Hum.G
enet.1:114-124(1993)]などの数多くの異なる遺伝的疾患がマッピングされてい
る。PDE10Aがダウン症候群臨界領域(DSCR)の中にあるかどうかは明らかでない
が、クロモソーム21上の他の場所にある遺伝子もダウン症候群に寄与している可
能性もある[Korenbergら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)91:4997-5001(1994)]。 他の例として、あるファミリー内の双極性情動障害に関わる遺伝子座が、21q22.
3にマッピングされている[Valladaら、J.Affect.Disord.41:217-221(1996)]。
別の例には、近視ならびに網膜変性及び剥離によって特徴付けられるクノブロッ
ホ症候群[Sertieら、Hum.Mol.Genet.5:843-847(1996)]、そして先天的劣性聴 覚障害の原因となる1以上の遺伝子(DFNB8、DFNB10)[Veskeら、Hum.Mol.Gene
t.5:165168(1996);Bonne-Tamirら、Am.J.Hum.Genet.58:1254-1259(1996)]が包
含される。PDE10Aはこれら疾患状態のいずれか、あるいはすべてで役割を果たし
ているのかもしれない。
【0085】 実施例4 PDE10の発現及び特徴付け PDE10A cDNA(クローンFB94a)の読み取り枠全体を、アルコールデヒドロゲナ
ーゼプロモーターを含む酵母ADHベクターに入れた。構築体は2つの工程によっ て形成された。
【0086】 5'端はPCRで鋳型としてFB94a DNAを使用して作製した。PCRは、下記5'プライ マー(配列番号:25)を3'プライマーR71A3(配列番号:26)と組み合わせ て用いて実施した。5'プライマーは、NcoI部位(下記配列番号:25の下線部)
と強調字体で示すFB94aの開始のメチオニンとを含んでいる。5'プライマーには 、コードされたタンパク質のアミノ末端に、FLAG(登録商標)エピトープタグ(
Eastman Kodak、Rochester、ニューヨーク)も付加されており、そのFLAG(登録
商標)タグは、モノクローナル抗体M2(Eastman Kodak)によって認識されるエ ピトープ(配列番号:24)である。 FLAG(登録商標)タグ (配列番号:24) Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys 5'プライマー (配列番号:25) TAGACCATGGACTACAAGGACGACGATGACAAGATGGACGCATTCAGAAGCACT R71A3 (配列番号:26) CGAGGAGTCAACTTCTTG PCRは、50μlの反応液容量で、5μlの各プライマー(100μg/mlストック)、5μ
lの10 X 緩衝液(Perkin-Elmer)、5μlの10 X ヌクレオチド(2 mM ストック)
、3μlのMgCl2(25 mMストック)、FB94a DNA、及び0.3μlのTaqポリメラーゼ(
Perkin-Elmer)を使用して行った。反応混合液を94℃にて4分間インキュベート
した後、94℃1分、50℃2分、そして72℃4分の30サイクルを実施した。PCR 産物はNcoI及びHincIIで切断し、アガロースゲル電気泳動を用いて精製した。PD
E10の3'配列は、FB94aから切断されたHincII/EcoRI断片として単離し、そしてア
ガロースゲル電気泳動によって精製した。2つの断片は組み合わせて、 予めYEpC-PADH2dベクター[Priceら、Meth.Enzymol.185:308-315(1990)]からSa c I/NcoI断片として取り出されたADHプロモーターの挿入によって予め修飾してお
いた、NcoI/EcoRIで消化されたBluescript(登録商標)ベクター(Stratagene、
La Jolla、カリホルニア州)へと連結し、プラスミドPDE10-1を作製した。PCRに
よって作製された新しい接合部及び配列は、配列決定によって確認した。
【0087】 プラスミド構築の第2工程では、ADHプロモーターとPDE10読み取り枠を含んで
いるPDE10-1からのSacI/SalI断片を、2回のアガロースゲル電気泳動で精製し、
SacI/SalIで切断したYEpC-PADH2dベクターへと連結した。
【0088】 内在性PDE活性を欠く酵母株であるBJ2-54への形質転換後、コロニーを選択し て、SC-leuプレート上に画線し、そしてPDE10構築体を担持する単一コロニーを さらなる特徴付けのために選択した。SC-leu培地中で終夜生育させた後、培養物
を新鮮なSC-leuにて1:250に希釈し、そして107細胞数/mlの密度になるまで30℃
にて終夜生育した。細胞を遠心分離によって集め、YEP 3%グリセロール培地で 1回洗浄し、3%グリセロールを含有するYEP培地に再懸濁してさらに24時間30℃
にて生育した。細胞を遠心分離によって回収し、水で洗浄して使用するまで−70
℃にて凍結した。使用する前に、SDS PAGEによって酵母抽出物のアリコートを分
析した。予測される易動度(55.5 kDa)にSDS PAGE上で移動する、PDE10発現構 築物を担持する酵母に特異的なタンパク質が、クーマシーブルー染色によって観
察された。
【0089】 酵母細胞(1 x 1010)はそれぞれ200μg/mlのペプスタチンA、ロイペプチン、
及びアプロチニン、1 mM DTT、ならびに20μg/mlのカルパイン阻害剤(I及びII )と共に融解させた。200μlのガラスビーズ(0.5 mm、酸洗浄済)を添加し、そ
して混合物をそれぞれ30秒間、8サイクル、ボルテックスした。試料は、サイ
クルの合間に4℃にて4.5分間冷却した。溶解後、0.8 mlの溶解用緩衝液を添加し
、溶解液をビーズから分離し、その溶解液はBeckman TL-100卓上遠心分離器で10
0,000 x gにて30分間遠心分離した。上清を分取し、ドライアイス/エタノー ルで凍結して、−70℃にて保存した。
【0090】 BIOMEK(登録商標)1000プログラマブル・ロボット・ステーション(Beckman
Instruments)で、動的アッセイを実施した。最終基質濃度の範囲は、cAMPに対 して0.2〜1000μM、そしてcGMPに対して0.6〜2000 nMとした。最高のヌクレオチ
ド濃度で、アッセイあたり32Pラベルの基質の100万〜150万チェレンコフカウン
ト数が含まれていた。酵素の調製は先ず、1:500(基質としてcAMPを用いた場合
)、または1:50,000(基質としてcGMPを用いた場合)に希釈された。酵素希釈 用緩衝液は、25 mM Tris-HCl pH 8.9、5μM ZnSO4、5 mM MgCl2、0.1 mM DTT、1
00 mM NaC1及び0.1 mg/ml BSA(Calbiochem、脂肪酸不含)からなるものであっ た。各基質濃度での活性は、プレート間で連続的に酵素を4倍希釈したものの線
形適合(linear fit)から引き出した。
【0091】 アッセイは30℃にて15分間実施した。12分後に、5μlのヘビ毒(Crotalus atrox 由来、15 mg/mlタンパク質)を各反応液に添加した。アッセイは200μlの
木炭懸濁液(0.1 Mリン酸二水素カリウム中に25 mg/mlの活性炭)を添加するこ とにより停止した。プレートを2600 rpmで遠心分離し、200μlの各懸濁液をMicr
obeta(登録商標)計数プレートに移して、チェレンコフ計数によりWALLAC Micr
obeta(登録商標)で計数した。データは予め設計されたMicrosoft Excel(登録
商標)表計算ソフトで評価し、動的パラメータをJandel Scientific(登録商標 )より入手したプログラムTable Curve(登録商標)を使用してミカエリス・メ ンテンモデルに手器具尾させた。
【0092】 その結果、cGMP加水分解に対するKmは5(±1)nMであり、cAMP加水分解に対す
るKmは160(±30)μMであることが示唆された。抽出物について、cGMP加水分解
活性は0.035(±0.01)μmol/分/mgであると定量され、一方cAMP加水分解は、0.
52(±0.06)μmol/分/mgであると測定された。このように、PDE10はcGMPに対し
て格段に強い親和性を有しており、cAMPに対するVmaxは15倍大きかった。
【0093】 他のPDEファミリーからPDE10を識別するために、所定のPDEファミリーに対し て活性を有する一団のPDE阻害剤で、基質としてcAMPを使用してPDE10阻害につき
試験をした。アッセイの結果は以下の表1Cに示すとおりである。
【0094】
【表1C】
【0095】 この結果から、PDEファミリー1〜5の酵素に対する特異的阻害剤がPDE10を阻
害するうえで有意に有効性が低いという点で、それらファミリーに属するPDEか らPDE10がさらに識別される。
【0096】 実施例5 抗PDE10抗体の製造 PDE10に対するモノクローナル抗体の製造のための抗原を提供すべく、大腸菌 でGST融合タンパク質を製造した。 FB76.2由来のEcoRI断片(配列番号:18のヌ
クレオチド280〜1829)をpGEX3X(Pharmacia)のEcoRI部位へ挿入し、得られた 構築体を大腸菌株XL1 Blueに形質転換した。 この構築体からIPTGで誘導した後
に、PDE10由来の464アミノ酸を含むGST−PDE10融合タンパク質を製造した。 SD
S-PAGEを用いて融合タンパク質を分離し、冷0.4M KClで染色した後ゲルから適切
なサイズのバンドを切り取って、電気的溶出によってアクリルアミドからタンパ
ク質を得た。 溶出産物は、PBSに対して透析し、そしてマウスに注射する前に 、Centriprep 10及びCentriconカラム(Amicon、Beverly、マサチューセッツ州 )を用いて濃縮した。
【0097】 第0日に、4匹のBalb/cマウスを予備採血し、200μlの総容量にて完全フロイ
ンドアジュバントに30μg/マウスのGST-PDE10融合タンパク質を含む抗原を皮下
注射した。 3週及び9週に、不完全フロインドアジュバントにて同様の注射を
繰り返した。 最後の免疫付与後10日目に、被験血液を採取して、抗原捕捉ELIS
A及びウェスタン分析によってスクリーニングした。
【0098】 ELISAでは、Immulon(登録商標)4プレート(Dynex、Cambridge、マサチュー
セッツ州)を、2μg/ml GST-PDE10を含有する50mMカーボネート緩衝液、pH 9.6 で、4℃にて被覆した。 プレートを30分間、0.5%フィッシュスキンゼラチン(
Sigma)でブロッキングし、そして0.5%Tween(登録商標)20を含むPBS(PBST) で希釈した50μlの血清加えた。 血清の希釈は、1:100から1:102,400の範囲 であり、これは一連の倍希釈によって得たものである。 37℃にて30分間インキ
ュベートし、PBSTで3回洗浄した後、50μlのセイヨウワサビペルオキシダーゼ 接合ヤギ抗マウスIgG(fc)抗体(Jackson)(PBSTで1:10000に希釈)を添加 した。 プレートを前記と同様にインキュベートし、PBSTで4回洗浄した。 テ
トラメチルベンチジン(Sigma Chemical、St. Louis、ミズーリ州)の添加によ って抗体を検出し、そして呈色反応は15%のH2SO4を50μl添加することにより5
分後に停止させた。 450nmにおける吸光度を、プレートリーダーで測定した。
【0099】 ウェスタン分析には、SDS-PAGEゲルにおよそ10μgの酵母PDE10抽出物をかけ、
そしておよそ200 ngのゲル精製されたGST-PDE10及びそのタンパク質をイモビロ ン-PVDFへ転写した。 標準的な、強化化学発光(ECL)ウェスタンブロットプロ
トコルを、二次抗体としてBioRadヤギ抗マウスIgGセイヨウワサビペルオキシダ ーゼを用いて実施した。
【0100】 ハイブリドーマの調製において、前記のELISA及び/またはウェスタンブロッ ティングプロトコルにより陽性の結果を与えたマウス由来の脾臓細胞を、ポリエ
チレングリコール1500(Boehringer Mannheim)[Harlow及びLane、Antibodies、
a Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、p.211 (1988)]を用い た標準法によって5:1の割合でNS-1細胞と融合した。 融合細胞は、15%FBS 、100mM ヒポキサンチンナトリウム、0.4mM アミノプテリン、16mM チミジン(HA
T)(Gibco)、25単位/ml IL-6(Boehringer Mannheim) 及び1.5×106個のネズミ胸 腺細胞/mlを含む、200mlのRPMI中に再懸濁して、96穴平底組織培養プレート(Co
rning、英国)に、ウェル当たり200μlで分配した。 細胞には融合後2、4、 及び6日目に、18Gの針(Becton Dickinson) を用いて各々のウェルからおよそ
100μlを吸引し、そしてウェル当たり100μlの培養用(plating)培地(10単位/
mlのIL-6を含み胸腺細胞を欠いている以外は、前記に同じ)を加えることによっ
て、栄養を供給した。 9日目から12日目に、融合物のウェルからの上清を、GS
T及びGST-PDE10を用いた抗原捕捉ELISAならびに前記のごときECLウェスタン分析
によってスクリーニングした。
【0101】 マウス血液を用いたウェスタンブロットの双方のレーンで期待されるサイズの
陽性シグナルが得られ、さらなる融合において酵母組換えタンパク質と非常に弱
い反応性を有するモノクローナル抗体が得られた。
【0102】 実施例6 in situハイブリダイゼーションによるPDE10発現の分析 下記のとおりのin situハイブリダイゼーションによって、組織切片でのPDE10
の発現を調べた。
【0103】 プローブの調製 cDNA FB93a由来のEcoRI/PstI制限酵素断片(配列番号:22のヌクレオチド第37
0から978位に対応している)を、Bluescript(登録商標)ベクター(Stratagene
、La Jolla、カリホルニア州)へとサブクローニングし、PDE10A3Aと命名された
発現プラスミドを作製した。 プラスミドはEcoRIで切断し、T3ポリメラーゼを 用いて転写して、アンチセンスプローブを作製した。 センスプローブは、その
プラスミドをBamHIで切断しT7ポリメラーゼを用いて転写することにより作製し た。 PDE10鋳型は、RNA転写キット(Stratagene、La Jolla、カリホルニア州)を用い
、5μlの5×転写緩衝液(Stratagene)、30mM DTT(Stratagene)、各々0.8mMの
ATP、CTP、GTP(10 mM(Stratagene))、40単位RNase Block II(Stratagene)、
12.5単位T3またはT7ポリメラーゼ(Stratagene)、及び300 ngの線状化プラスミ
ド鋳型、50μCi 35S-UTP(1000 Ci/mmolを越える、Amersham、Arlington Height
s、イリノイ州)を含有する反応液にて転写した。 混合液を、37℃にて1時間 インキュベートし、その後、1μlのRNase不含のDNase I(Stratagene)を添加し
て、37℃にて15分間インキュベートすることにより鋳型DNAを除去した。 60℃ にて4μlのNaHCO3及び6μlのNa2CO3を22分間添加することによりプローブを加水
分解し、そして100μlの3 M酢酸ナトリウム、5μlの酢酸(VWR、So.Plainfield 、ニュージャージー州)、及び395μlの蒸留水を添加することによって反応混液
を中和した。 クイックスピンG50 RNAカラム(5'→3'Inc.、Boulder、コロラド
州)を製造業者の示すプロトコルに従って調製した。 プローブをカラムの中心
に置き、卓上遠心分離器にてカラムを1,000rpmで4分間遠心した。 カラムから
のフロースルーは、50μlの蒸留水、2μlの10mg/ml tRNA溶液、10μlの3M酢酸ナ
トリウム、及び200μlの100%エタノール(VWR)と混合し、得られた混合液は−
20℃にて終夜インキュベートした。 プローブ溶液を、4℃にて15分間ミクロ遠
心し、上清を除いてそのペレットを1μlの0.1M DTTを含有する40μlの1×TBEに 再懸濁した。 プローブは、in situハイブリダイゼーションを実施するまで、 −70℃にて保存した。
【0104】 組織試料の調製及びin situハイブリダイゼーション 組織(National Disease Research Intercharge、Philadelphia、ペンシルバ ニア州及びCooperative Human Tissue Network、Philadelphia、ペンシルバニア
州)を6μmに切片化し、そしてSuperfrost Plusスライド(VWR)に載置した。 切片を、4%パラホルムアルデヒド(Sigma、St. Louis、ミズーリ州)にて4℃ で20分間固定した。 このスライドを1×カルシウム−、マグネシウム不含のリ ン酸緩衝液(CMF-PBS)を3回交換して濯ぎ、70%エタノール、95%エタノール及 び100%エタノールで連続的に洗浄して脱水し、次いで室温にて30分間乾燥した 。 スライドは、70%ホルムアミド(J.T.Baker)を含む2×SSC中に70℃にて2 分間載置し、4℃にて2×SSCで濯ぎ、70%、95%及び100%エタノールで洗浄して
脱水し、そして室温にて30分間乾燥した。
【0105】 プレハイブリダイゼーション工程は、50%ホルムアミド(J.T.Baker)を4×SS
C中に含むボックス緩衝液で飽和させた1枚のフィルターペーパーを入れた密封 箱にスライドを載置することによって実施した。 各切片を、10%デキストラン
硫酸塩(Sigma)、50%ホルムアミド(J.T.Baker、Phillipsburg、ニュージャー
ジー州)、100mM DTT(Boehringer Mannheim、Indianapolis、インディアナ州)
、0.3M NaCl(Sigma)、20mM Tris、pH 7.5、5mM EDTA(Sigma)、及び1×デン
ハーツ溶液(Sigma)からなる100μlのrHB2緩衝液で被覆し、そのスライドを42 ℃にて1時間インキュベートした。 前記のとおりのプローブは、4×105cpm/
組織切片を、切片1枚あたり5μlの10mg/ml tRNA溶液と混合し、そして当該混 合液を95℃にて3分間加熱することによって調製した。 氷冷rHB2緩衝液を加え
、最終容量を切片あたり20μlとした。 プローブを含有する溶液(20μl/切片
)を、予め適用していたrHB2緩衝液100μlに添加した。 スライドを55℃にて12
から16時間インキュベートした。 ハイブリダイゼーションに続き、スライドは
、10mM DTTを含有する4×SSCで、室温にて1時間1回、50%脱イオン化ホルムア
ミド(J.T.Baker)、1×SSC及び1 mM DTTで60℃にて40分間1回、2×SSCで室温 にて30分間1回、そして0.1×SSCで室温にて30分間1回洗浄した。 切片を、70
%、95%及び100%エタノールで洗浄して脱水し、そして30分間風乾した。 ス ライドをコダックNTB2核感光乳剤に浸し、暗所で室温にて1から3時間乾燥させ
、そして現像するときまで乾燥剤と共に4℃にて暗所に保存した。 次いで、ス
ライドは4℃のコダックDektol(登録商標)現像液にて4分間現像し、4℃の蒸留
水に4分間浸し、そして4℃のコダック固定液に4分間入れた。 スライドを蒸 留水で濯ぎ、標準H & E(ヘマトキシリンエオシン)染色を以下のごとくに実施 した。
【0106】 スライドを蒸留水で濯ぎ、そしてこのスライドを以下の一連の工程に付すこと
によってヘマトキシリン及びエオシンで染色した。 すなわち、ホルムアルデヒ
ド/アルコール(100 mlホルムアルデヒド、900 ml 80%エタノール)中で5分 ;合計2分間、水で3回濯ぎ;0.75%Harrisヘマトキシリン(Sigma)中で5分 間;合計2分間、水で3回濯ぎ;1% HCl/50%エタノールに1回浸漬;水で1 回濯ぎ;1%リチウムカーボネートに4回浸漬;流水中に10分間;0.5%エオシン
(Sigma)中に2分間;合計2分間、水で3回濯ぎ;70%エタノール中に2分間 ;95%エタノールで1分間濯ぎを3回;100%エタノールで1分間濯ぎを2回; 及びキシレンで2分間濯ぎを2回の工程を経るものであった。スライドをサイト
シール60(Stephens Scientific、Roverdale、ニュージャージー州)とマウン トした。
【0107】 アンチセンスPDE10プローブで得られたシグナルを、センスPDE10プローブによ
って産生された対照シグナルと比較し、そしてアンチセンスプローブに特異的な
シグナルのすべてが、PDE10発現に相当していると考えられた。 PDE10シグナル
は、小脳の多くの箇所にわたり、プルキニェ細胞でそのシグナルは特に強かった
【0108】 実施例7 PDE阻害剤に対するハイスループットスクリーニング 特異的阻害剤を同定する試みにおいて、既知構造の化合物を含有する化学ライ
ブラリーに対してPDE10をスクリーニングした。最初のスクリーニングは、化合 物のプール(プールあたり22の化合物)について実施し、各化合物は4.6μM存
在していた。50%を超えるまでPDE10活性を阻害したプールを選択し、プール中 の個々の化合物を20μMの濃度でスクリーニングした。酵素活性を阻害した化合 物に対するIC50値を定量した。
【0109】 抽出物は、内在性PDE活性を欠き、且つ32 nM cGMPを用いて49 nmol 被加水分 解cGMP/分/mlの活性でPDE10を有しているサッカロミセス・セレビシエ株BJ2-54 (実施例4に記載)から調製した。アッセイで使用するため、抽出物は1:21,00
0倍に希釈した。希釈用緩衝液は、25 mM Tris, pH 8.0、0.1 mM DTT、5.0 mM Mg
Cl2、100 mM NaC1、5μM ZnSO4、及び100μg/ml BSAを含んでいた。PDEアッセイ
用緩衝液(5倍)は、200 mM Tris, pH 8.0、5 mM EGTA、25 mM MgCl2及び0.5 m
g/ml BSAを含有していた。スクリーニングの直前に、5X PDEアッセイ用緩衝液、
脱イオン水、及び5'-ヌクレオシダーゼ(貯蔵液 20 mM Tris, pH 8.0中、15 mg/
ml ヘビ毒 5'-ヌクレオシダーゼ)を、4:4:1の割合で混合してアッセイ試薬混
液をつくった。
【0110】 Packard MultiPROBE(登録商標)を用いてアッセイ試薬混液の45μlと20μlの
化学化合物プールを添加した。BIOMEK(登録商標)1000(実施例4参照のこと)
を用いて、前記のとおりに希釈したPDE10抽出物10μlと、20μlの32P−cGMP(I
CN、比活性250μCi/mmol、脱イオン水中で、0.4μCi/ml、16 nMに希釈)を添加 した。アッセイ中の最終的なcGMP濃度は、0.08μCi/ml、3.2 nMであった。32P −cGMPを添加して10分後に、140μlの25 mg/ml木炭(0.1 M NaH2PO4中)を添 加して反応を停止した。室温で20分間インキュベートした後、アッセイプレー
トをBeckman GS-6R遠心分離器で3,500 rpmにて5分間遠心分離した。BIOMEK(登
録商標)1000を使用して、上清の140μlをWallac計数プレートに移し、Wallac M
icroBeta Counterにて、チェレンコフ放射線を測定した。
【0111】 前記の例証的な実施例に示す本発明に対する多くの修正や変更が、当業者に想
起されようことが予期される。 しかして、添付の特許請求の範囲に示される限
定によってしか、本発明の範囲は限定されるべきでない。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 C07K 16/42 4B065 C07K 16/40 C12N 1/15 4C084 16/42 1/19 4C085 C12N 1/15 1/21 4H045 1/19 9/16 C 1/21 C12P 21/08 5/10 C12Q 1/68 A 9/16 G01N 33/15 Z C12P 21/08 33/50 Z C12Q 1/68 33/566 G01N 33/15 C12N 15/00 A 33/50 A61K 37/02 33/566 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB10 BB14 BB20 BB24 BB48 BB50 CB01 FA29 FB01 FB02 FB08 GC10 4B024 BA11 BA44 CA01 4B050 CC03 DD11 LL01 4B063 QA18 QQ33 QQ42 QQ79 QQ96 QR32 QR48 QS33 QS34 QS36 QX02 4B064 AG27 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA93Y AB01 AC14 BA01 CA25 CA27 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA17 BA01 BA08 BA22 BA23 NA14 ZA022 ZA392 ZA402 ZA592 ZA812 ZB112 ZB132 ZC192 ZC202 4C085 AA13 AA14 AA15 CC32 EE01 GG01 4H045 AA10 BA10 CA40 DA76 DA89 EA20 EA50 FA74

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製及び単離されたPDE10ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号:2、配列番号:18、配列番号:20および配列番号
    :22からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリ
    ペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号:1に記載の配列を含む請求項3に記載のポリヌク
    レオチド。
  5. 【請求項5】 以下の群すなわち、 (a) 請求項4に記載のポリヌクレオチド; (b) (a)のポリヌクレオチドの非コード鎖と中程度のストリンジェント 条件下でハイブリダイズするDNA;および (c) 遺伝コードの縮重がなければ、(a)のポリヌクレオチドの非コード 鎖とハイブリダイズするはずであるDNA、 よりなる群から選択される、ヒトPDE10ポリペプチドをコードするポリヌクレ オチド。
  6. 【請求項6】 配列番号:18に記載のポリヌクレオチド配列を含む請求項5
    に記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 配列番号:20に記載のポリヌクレオチド配列を含む請求項5
    に記載のポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 配列番号:22に記載のポリヌクレオチド配列を含む請求項5
    に記載のポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 DNA分子である請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 cDNA分子である請求項9に記載のDNA。
  11. 【請求項11】 全体的または部分的に化学合成されたDNA分子である請
    求項9に記載のDNA。
  12. 【請求項12】 配列番号:1に記載の配列またはその断片を含むポリヌク
    レオチド。
  13. 【請求項13】 配列番号:18に記載の配列またはその断片を含むポリヌク
    レオチド。
  14. 【請求項14】 配列番号:20に記載の配列またはその断片を含むポリヌク
    レオチド。
  15. 【請求項15】 配列番号:22に記載の配列またはその断片を含むポリヌク
    レオチド。
  16. 【請求項16】 請求項5に記載のポリヌクレオチドの相補体と特異的にハ
    イブリダイズするアンチセンスポリヌクレオチド。
  17. 【請求項17】 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含む発現構築体。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の発現構築体で形質転換またはトランスフ
    ェクトされた宿主細胞。
  19. 【請求項19】 以下の工程すなわち、 (a) PDE10ポリペプチドの発現のために適切な条件下で請求項18に記載 の宿主細胞を生育し、及び (b) 宿主細胞またはその生育培地からPDE10ポリペプチドを単離する、 工程を含む、PDE10ポリペプチドの製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1または2に記載のポリペプチドと特異的な免疫反
    応性を有する抗体。
  21. 【請求項21】 モノクローナル抗体である請求項20に記載の抗体。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の抗体を分泌するハイブリドーマ。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の抗体と特異的な免疫反応性を有する抗イ
    ディオタイプ抗体。
  24. 【請求項24】 請求項1または2に記載のPDE10ポリペプチドの特異的結 合パートナー化合物を同定する方法で、 (a) ある化合物とPDE10ポリペプチドとの間の結合を許容する条件下にP
    DE10ポリペプチドと化合物とを接触させ、 (b) PDE10ポリペプチドへの化合物の結合を検出し、及び (c) PDE10ポリペプチドの特異的結合パートナーとして化合物を同定す る、工程を含む方法。
  25. 【請求項25】 前記特異的結合パートナーが、PDE10ポリペプチドの活性 をモジュレートする請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記化合物が、PDE10ポリペプチドの活性を阻害する請求 項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記化合物が、PDE10ポリペプチドの活性を増強する請求 項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項5に記載のPDE10ポリヌクレオチドの特異的結合パ ートナー化合物を同定する方法で、 (a) ある化合物とPDE10ポリヌクレオチドとの間の結合を許容する条件 下にPDE10ポリヌクレオチドと化合物とを接触させ、 (b) PDE10ポリヌクレオチドへの化合物の結合を検出し、及び (c) PDE10ポリヌクレオチドの特異的結合パートナーとして化合物を同 定する、工程を含む方法。
  29. 【請求項29】 前記特異的結合パートナーが、PDE10ポリヌクレオチドに よりコードされるPDE10ポリペプチドの発現をモジュレートする請求項28に記載 の方法。
  30. 【請求項30】 前記化合物が、PDE10ポリペプチドの発現を阻害する請求 項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記化合物が、PDE10ポリペプチドの発現を増強する請求 項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 請求項24または28に記載の方法によって同定された化合物
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の化合物と、医薬的に容認しうる担体とを
    含む組成物。
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