JP2002504214A - 圧縮ガス作動式銃砲 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は圧縮ガスで作動される銃砲（１）特にピストルに関し、これは多数の弾丸を収容するためのドラム（円盤形弾倉）を採用する際に、装填位置ないし発砲位置を得るために長手方向に直線的に移動可能な銃身（３）と、装填位置において作動を阻止するために自動的に鎖錠される引き金（４）とによって特徴づけられる。更に発射する際に圧縮ガスを衝撃的に放つために新しい弁装置（２５）が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 圧縮ガス作動式銃砲 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念部分に記載の圧縮ガス作動式銃砲、特 にピストルに関する。 この種の銃砲は、米国特許第５，１６０，７９５号明細書で知られている。こ の公知の銃砲は、銃身がその上に配置されている台枠（遊底）を有している。さ らに、多数の発射体ないし弾丸を収容するためのドラム（円盤状弾倉）が設けら れ、これはその回転軸を中心として回転可能に銃身装置に配置されている。この ドラムの回転軸は、銃砲の長手軸線に対して平行に延びている。ドラムの回転運 動および調整は、銃砲の引き金に連動接続されているリンク機構（レバー装置） によって行われる。銃身は、装填位置に置くためにドラムおよびリンク機構と共 に台枠から上向きに回動できる。この回動された位置において、ドラムに新たに 弾丸を補充することができる。 銃身装置を台枠から回動することは、一緒に回動されるリンク機構およびドラ ムが一方では位置がぴったり維持されねばならず、他方では発砲位置において一 直線となる機能位置から部品を損傷せずに且つ機能を害することなしに回動でき るように構成されねばならないので、問題がある。そのような構造は技術的に非 常に経費がかかる。更にガス圧が漏れて、銃砲の射撃能力を悪化させる恐れがあ る。 この米国特許第５，１６０，７９５号明細書および米国特許第５，４００，５ ３６号明細書から、冒頭に述べた形式の銃砲に対する弁装置が知られ、この弁装 置は台枠に銃身装置の後ろに設置されている。この弁装置は弁ハウジングを有し 、この弁ハウジングは端面が密封され、長手方向に移動可能に案内されている弁 棒 を受けている。弁棒の周囲の室は圧縮ガス・カートリッジに接続されている。弁 棒は銃砲の撃鉄によって付勢される後部ピンを有している。弁棒の前端面は、円 錐状接触面でドラムの孔開口に接するばねで荷重されたピンに作用する。この弁 棒は圧縮ばねの作用を受け、引き金が引かれたときに銃砲の撃鉄によって衝撃的 にその気密接触位置から前方に動かされ、これによって圧縮ガス用あるいは圧縮 空気用の通路が開かれる。この弁装置は、全体で多数のはめ合い部品を備えてい るので技術的に高い経費がかかる。これは銃身をドラムと共に回動することに基 づいて生ずる。 ドイツ特許第２９３８６００号明細書によって、携帯火器用の点火器安全装置 が開示されている。この携帯火器はピストルとして形成され、銃身および明瞭に 直線的に移動できるスライダを有している。銃身には、引き金がばねの作用に抗 して回動可能に支持されている。この引き金は、点火器の前進経路に入り込む係 止装置を同時に作動する。 本発明の課題は上述の従来技術から出発し、冒頭に述べた形式の圧縮ガス作動 式銃砲を、単純な構成で非常に安価な構造部品により、銃砲の簡単且つ確実な操 作が保証されるように作ることにある。 本発明によれば、この課題は請求の範囲第１項の特徴事項によって解決される 。本発明の有利な形態は各従属請求の範囲に記載されている。 本発明の課題解決において大きな特徴事項は、従来において公知の圧縮ガス作 動式銃砲が、発砲位置から装填位置にあるいはその逆に移動できるようにするた めに、直線的に移動できる銃身装置を有していることにある。もう一つの特徴事 項によって、銃砲の引き金が装填位置において自動的に鎖錠されることが保証さ れる。後で詳述するように、銃身装置が直線的に移動でき、これによりドラムが 銃身から取り外せることによって、部品が単純な形となり、同時に最良の銃砲安 全性において高い射撃能力が生ずることが、新たに明らかになった。 銃身の装填位置への移動は、銃砲の遊底（台枠）における錠レバーが手動で解 錠位置に回動されるや否や、ばね力で行われる。これによって同時にドラム軸が ドラムから引き抜かれるので、ドラムを銃砲台枠ないし遊底から取り外して、簡 単に弾丸を補充することができる。そしてドラム軸がドラムから引き抜かれるこ とによって、双腕レバーの第１アームが半径方向にドラム軸中心線まで入り込ま される。これによって、第２アームも自動的にスライダの軸方向運動軌道の中に 入り込まされ、これによって引き金全体が拘束（ロック）される。 銃身装置が直線的に移動できることによって、弁装置のドラムに関する密封も 非常に簡単に行える。中空円筒状弁棒は、その前端面が発砲位置において発射の 際に衝撃によってドラムの孔開口に直接気密に接する。これは、供給された圧縮 ガスを利用することによって効果的に行われる。弁棒の端面において、密封を行 うための特別な構造的な処置を講ずる必要はない。 図に本発明の実施例が示されている。 図１は圧縮ガス作動式銃砲の側面図、 図２は図１のＩＩ部分の緩められ安全にされた状態の断面図、 図３は図１のＩＩ部分の発砲位置にある状態の断面図、 図４は銃砲が装填位置に置かれている状態の引き金の安全位置における部分図、 図５は図４のＶ−Ｖ線に沿った断面図、 図６は銃砲の弁装置の断面図である。 圧縮ガス作動式ピストル１は、主に遊底２（台枠とも呼ぶ）と、この遊底２内 に配置された銃身３と、引き金４および握り５とから成っている。銃身３を収容 する遊底２の前部６は、装填位置から発砲位置にあるいはその逆に長手方向に真 っ直ぐ移動可能に設置されている。図１に示されているように、銃砲１は発砲位 置に相当する閉鎖位置にある。錠レバー７は鎖錠位置にある。錠レバー７が軸８ を中心として下向きに回動されることにより、銃砲１の鎖錠が解かれ、これによ り装填位置に置かれる。即ち銃身３はばね力で支援されて前方に図１に示されて いる銃口９を越えて移動され装填位置に置かれる。 銃砲１の安全は安全レバー１０によって図られる。この安全レバー１０は、図 示された位置において、撃針１１をハンマあるいは撃鉄１２と突き棒１３（図６ における軸棒５７）ないし弁装置２５に対する弁棒５５との間の作用線上に置き 、これは発砲位置「Ｆ」に相応している。安全レバー１０を下向きに位置「Ｓ」 に手動で回転することによって、撃針１１は上述の作用線から外されて安全位置 に置かれる。 握り５の外殻の内部に、例えば炭酸ガスが詰められたカートリッジあるいはカ プセル１５が存在している。握り５の外殻は、そこにあるボタン１４によって開 かれる。なお相応して、圧力の別の適当なガスあるいは空気も利用できる。 一般に、銃砲１は銃身前部に照星１６が、後部台枠に照星１６と一直線に並ぶ 照尺１７を有している。 図２には、緩められて安全にされた銃砲１が断面図で示されている。この図に おいて、すべての機能および部品が明らかに理解できるようにするために、断面 図には主な構造部品が互いに重なり合って示され、種々の線だけで互いに分離さ れ、認識できる。この点において、この断面図は相互関係を良好に理解するため の最も単純な概略図である。特に制御アーム３５が明らかに見えており、実際に は部分的に他の構造部品によって覆われている状態を顧みずに明瞭にされている 。 遊底前部６の中に銃身３が存在し、この銃身３にＯリング６３がはめ込まれて いる。銃身３は、端面がドラム（円盤状弾倉）１８に隣接している。発射体ある いは弾丸２０を収容するためのドラム１８の孔１９は、銃孔２１に対して精確に 同軸的にされている。ドラム１８は、内部部品内に設置されているドラム軸２２ を中心として回転可能に配置されている。このドラム軸２２は、銃身３が移動す る際にドラム１８の中央軸受孔から引き抜かれる。ドラム１８の後端面に、駆動 要素２３例えば歯輪などが配置されている。ドラム１８の後ろに、図６において 後述する弁装置２５を設置するための空間２４が存在している。 引き金４は、引き金ハウジング２６の中で軸２７を中心として矢印２８の方向 に回転できる。引き金４は自由な短いアーム２９を有し、このアーム２９はヒン ジ継手３０によって、主に直線軌道上を移動できるスライダ３１に結合されてい る。そのスライダ３１の連動は、引き金４の短いアーム２９の軌道３２上で行わ れる。スライダ３１にカム軌道（曲がり長孔）３３が設けられている。このカム 軌道３３に軸ピン３４が滑り接触している。この軸ピン３４は制御アーム３５を 回動可能に受けている。この制御アーム３５は、その自由端にばね３６の圧力が かかり、ドラム１８をステップ的に回転運動させるためにドラム１８の駆動要素 ２３に作用している。この目的に応じて、制御アーム３５の自由端の尖端が成形 されている。 スライダ３１は、ヒンジ継手３０の上側およびカム軌道３３の上側にそれぞれ 調整縁３７、３８を有し、これらの調整縁３７、３８は互いに間隔を隔てて配置 されている。その間隔は、スライダ３１の両終端位置において常に一方の調整縁 ３７、３８がドラム１８の外周にある調整凹所３９に係合することを保証するよ うな大きさをしている。その調整凹所３９は、それぞれドラム孔１９間に存在し 、スライダ３１の調整縁３７ないし３８と共働して、ドラム１８が制御アーム３ ５によって回転された後で発砲位置において、ドラム孔１９と銃孔２１とが精確 に同軸的な位置を取るように作用する。 引き金４を矢印２８の方向に引くことによって、スライダ３１は前方に動かさ れ、これによって軸ピン３４がカム軌道３３に沿って滑り、制御アーム３５を上 向きに動かす。制御アーム３５の尖端がドラム軸２２の長手軸線４０から径方向 に離されているので、制御アーム３５の上昇運動はドラム１８をドラム軸２２上 においてステップ的に回転運動させる。 さらに、引き金４には引き金ロッド４１が連動接続されている。この引き金ロ ッド４１は、撃鉄１２にラチェット結合されている。撃鉄１２は軸４３を中心と して回転可能に配置され、撃鉄１２を撃針１１の方向に加速する働きをするばね ４２が掛けられている。別のばね４４および軸２７の周りの脚付きばねが、引き 金４の運動に対抗して作用する。 撃針１１は安全レバー１０の回転によって撃鉄１２の作用線から外され、従っ て安全位置「Ｓ」に置かれている。同時に、撃鉄１２は引き金ロッド４１と一緒 に緩められた状態にある。ばね４２、４４および軸２７の周りの脚付きばねは休 止位置にある。 双腕レバー４５は、銃砲１の引き金ハウジング２６内の固定軸ピン４６を中心 として、ばね５０の力のもとで所定の両終端位置まで回転できる。その第１アー ム４８は、図５（下側図）に明瞭に示されているように、ばね力のもとでドラム 軸２２に径方向に当接している。この位置において、第２アーム４９はスライダ ３１の運動軌道の外にある。従って、引き金は自由に作動できる。 図３は、発砲位置「Ｆ」にある圧縮ガス作動式銃砲１を示している。引き金４ は、矢印２８の方向に引かれている。これによって、スライダ３１は前方に移動 されている。制御アーム３５はカム軌道３３に沿って上向きに動かされ、ドラム １８を一ステップだけ回転し、これによって新たなドラム孔１９（場合によって は弾が込められている）が銃孔２１に合わされている。この位置は、いまや調整 縁３８がドラム１８の調整凹所３９に係合することによって精確に得られる。ば ね４２、４４および軸２７の周りの脚付きばねは張られている。撃鉄１２は回転 されて衝撃位置に置かれている。撃針１１は撃鉄１２と弁棒５５との作用線上に ある。引き金ロッド４１はラチェット結合を外されているので、発射が行える。 図４および図５は、銃砲１が装填位置を取っているときの引き金４の自動鎖錠 状態を概略的に示している。この装填位置において、銃身３は錠レバー７による 解錠後にばね力によって前方に移動され、これによって銃身３の前進運動によっ てこれに結合されたドラム１８のドラム軸２２も移動されるので、ドラム１８は 弾丸２０を補充する目的で引き金ハウジング２６から取り出せる。双腕レバー４ ５の第１アーム４８は、一方では第２アーム４９に他方では引き金ハウジング２ ６内に固定して支持されているばね５０の作用によって、ドラム１８の長手軸線 ４０に向けて径方向に入り込まされる。これは、発砲位置において第１アーム４ ８が径方向に当接しているドラム軸２２が、ドラム１８から引き抜かれたときに はじめて可能となる。第２アーム４９は軸ピン４６を中心としてスライダ３１の 運動軌道の中に入り込まされる。 これによって、スライダ３１はその後部突起５１が第２アーム４９に当たり、 そのスライダ３１の運動は阻止される。スライダ３１の拘束は引き金４にも及ぶ ので、この銃砲１の装填位置において、引き金４は作動できない。 発砲位置における発射の際に、弾丸２０に衝撃的に作用する大きな衝撃によっ て弾丸２０は発射される。弁装置２５に炭酸ガス・カプセル１５が、それ自体公 知の方式で接続されている。弁装置２５は弁ハウジング５２から構成され、その 底側開口を通して中空円筒状の弁棒５５が案内されている。この弁棒５５は、Ｏ リング５４付きの座金５３で密封されている。弁棒５５の前端面は、発砲位置に 配列されたドラム孔１９と一致している。この前端面の絶対的な気密接触は、発 射するとき以外は必要とされない。 弁ハウジング５２の頭部側にある開口は、ねじ付きナット５６によって閉じら れている。ねじ付きナット５６は中央孔を有し、この中央孔を通して弁棒５５が 長手方向に移動可能に案内されている。ねじ付きナット５６の内側面に環状パッ キン５８が着けられている。弁棒５５は、そのねじ付きナット５６側端に円錐状 の管広がり部５９を有し、この管広がり部５９の端面側の外縁で環状パッキン５ ８に気密に接している。弁棒５５を包囲するばね６０は、一方では弁ハウジング ５２の底に、他方では弁棒５５の円錐状管広がり部５９に接触支持され、これに よって弁棒５５は環状パッキン５８に気密接触されている。炭酸ガス・カプセル １５から弁ハウジング５２の圧縮ガス室６２まで通路６１が延びているので、こ の圧縮ガス室６２には炭酸ガス・カプセル１５からのガス圧が連続してかかって いる。 発射の際には、撃鉄１２が上述したように撃針１１に衝突する。この衝撃作用 は撃針１１から弁棒５５に直接伝えられる。弁棒５５は、瞬間的に環状パッキン ５８との気密接触が緩み、これによって衝撃的にガスが弁棒５５の内部室の中に 流入し、衝撃的に弾丸２０に作用する。この有効なガス衝撃の瞬間に、弁棒５５ の前端面は、ドラム１８にドラム孔１９と一直線となって気密に接触する。この 有効なガスによる気密接触は、弁装置に基づいて衝撃パルスに関連して生じさせ られる。この弁装置２５は安全な単発式発射を許し、また射撃能力を害すること なしに連発発射も許す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 銃砲台枠あるいは遊底と、この遊底に配置された銃身と、カートリッジ 、発射体、弾丸などを収容するための複数の孔が円環上に配置されているドラム （円盤形弾倉）とを備え、このドラムが銃身の長手軸線に対して平行な軸を中心 として回転可能に配置され、これを回転するためおよびドラム孔を銃口に精確に 一致させるために銃砲の引き金に連動接続されているリンク機構によって作動さ れるような圧縮ガス作動式銃砲特にピストルにおいて、銃身（３）がそれ自体公 知のように遊底（２）に発砲位置と装填位置との間を長手方向に直線的に移動可 能に配置され、装填位置において引き金（４）が作動を阻止するために自動的に 鎖錠されることを特徴とする圧縮ガス作動式銃砲。 ２． 軸ピンを中心として回転可能な双腕レバー（４５）の第１アーム（４８ ）がばね力によってドラム（１８）のドラム軸（２２）に径方向に当接し、その 第２アーム（４９）が装填位置において引き金（４）に接続されているリンク機 構（４、３１、３５、４１）の運動軌道内に入り込んでいることを特徴とする請 求の範囲第１項記載の圧縮ガス作動式銃砲。 ３． 錠レバー（７）が遊底（２）に軸（８）を中心として回動可能に配置さ れ、その回動によって発砲位置においてばね力がかかる銃身（３）を解錠するこ とを特徴とする請求項１又は２記載の圧縮ガス作動式銃砲。 ４． 軸（２７）を中心として回転可能な引き金（４）がスライダ（３１）に ヒンジ結合され、このスライダ（３１）がカム軌道（３３）を有し、このカム軌 道（３３）に倣って移動されるように制御アーム（３５）が設置され、この制御 アーム（３５）のばね力がかかっている自由端がドラム（１８）の駆動要素（２ ３）に回転を与えるように作用し、スライダ（３１）が銃砲（１）の発砲位置に おいてドラム（１８）の外周におけるそれぞれドラム孔（１９）間に配置して設 けられた調整凹所（３９）に係合して精確に位置調整されることを特徴とする請 求項１又は２記載の圧縮ガス作動式銃砲。 ５． ドラム（１８）の発砲位置にあるドラム孔（１９）が同軸的に配置され た中空円筒状の弁棒（５５）を通して気密に圧縮ガスを供給され、この弁棒（５ ５）が弁ハウジング（５２）内における弁ばね（６０）の力に抗して休止位置か ら発砲位置に移動でき、その弁ハウジング（５２）が圧縮ガスあるいは圧縮空気 を供給するための装置（１５）に接続できることを特徴とする請求の範囲第１項 ないし第４項のいずれか１項に記載の圧縮ガス作動式銃砲。 ６． 銃砲（１）の撃鉄（１２）で付勢される撃針（１１）が衝撃的に弁ばね （６０）の力に抗して弁棒（５５）に作用することを特徴とする請求の範囲第５ 項記載の圧縮ガス作動式銃砲。 ７． 弁棒（５５）が休止位置ないし装填位置においてばね力によって、ガス あるいは空気が詰められた室（６２）を閉鎖する弁ハウジング（５２）の端面側 の密封装置（５８）に接していることを特徴とする請求の範囲第５項又は第６項 に記載の圧縮ガス作動式銃砲。