JP2002503465A - ヒト受容体タンパク質 - Google Patents

ヒト受容体タンパク質

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ラル、プリーティ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒト受容体タンパク質(HURP)と、そのHURPを同定及びコードするポリヌクレオチドとを提供する。また、本発明は、発現ベクター及び宿主細胞、抗体、アゴニスト、アンタゴニストを提供する。更に、本発明はHURPの発現に関連する疾患の治療方法または予防方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の技術分野 本発明は、ヒト受容体タンパク質の核酸配列及びアミノ酸配列、並びにこれら
の配列を癌及び自己免疫/炎症性疾患、生殖障害(reproductive disorder)、胃 腸疾患、発生障害(developmental disorder)の診断及び予防、治療に関連する
【0002】 発明の背景 「受容体」とは、他の分子を特異的に認識するタンパク質である。その範囲は
広く、様々な機能をもつタンパク質を含む。受容体と呼ばれるタンパク質の大部
分は細胞表面タンパク質であり、細胞外配位子と結合して、成長及び分化、エン
ドサイトーシス、免疫応答を含む細胞反応をする。他の受容体と呼ばれるタンパ
ク質は、小胞体へのタンパク質の特異的な運搬を促し、細胞内の特定の位置に酵
素を局在させる。
【0003】 細胞表面受容体は、通常、形質膜の多層膜タンパク質である。これらの受容体
は、以下に列記するホルモンを認識する。その中には、例えばエピネフリン及び
ノルエピネフリン、ヒスタミンなどのカテコールアミンと、例えばグルカゴン及
びインシュリン、ガストリン、セクレチン、コレシストキニン、副腎皮質刺激ホ
ルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺
ホルモン、バソプレッシンなどのペプチドホルモンと、例えば上皮細胞成長因子
及び線維芽細胞成長因子、腫瘍成長因子、インシュリン様成長因子、血小板由来
成長因子、神経成長因子、コロニー刺激因子、エリスロポエチンなどの成長/分
化因子と、例えばケモカイン及びインターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊
死因子などのサイトカインと、例えばボンベシン及びオキシトシン、エンドセリ
ン、アンジオテンシンII、血管作用性小腸ペプチド、ブラジキニンなどの小ペプ
チド因子と、例えばニューロペプチドY及びニューロテンシン、ニューロメディ
ンN、メラノコルチンなどの神経伝達物質と、例えばエンケファリン及びエンド
ルフィン、ダイノルフィンなどのオピオイドと、例えばガラニン及びソマトスタ
チン、タキキニン、アンジオテンシン、補体、カルシトニン、エンドセリン、ホ
ルミル−メチオニルペプチドなどの循環系由来の情報伝達分子とがある。免疫系
細胞の細胞表面受容体は、抗体及び抗原、主要組織適合性複合体(MHC)と結
合したペプチドを認識する。別の細胞表面受容体は配位子と結合して、細胞によ
って細胞の中に取り込まれる。この受容体仲介エンドサイトーシスは、低密度リ
ポタンパク質(LDL)及びトランスフェリン、グルコース−或いはマンノース
−終末糖タンパク質(mannose-terminal glycoprotein)、免疫グロブリン、ホ スホビテロジェニン(phosphovitellogenin)、フィブリン、プロテイナーゼイ ンヒビター複合体、プラスミノーゲン活性化因子、トロンボスポンジンの取りこ
みにおいて役割を果たす。(Lodish, H.他による. (1995) Molecular Cell Biolo gy , Scientific American Books, New York, NY, p. 723; 及びMikhailenko, I.
他による. (1997) J. Biol. Chem. 272:6784-6791.) 多くの細胞表面受容体は、配位子と結合する細胞外N末端とGタンパク質と相
互作用する細胞室C末端とを有する7つの膜貫通領域を有する(Strosberg, A.D.
による(1991) Eur. J. Biochem. 196:1-10.)。システインリッチ領域が、LD L受容体ファミリーと腫瘍壊死因子受容体/神経成長因子(TNFR/NGFR
)受容体ファミリーの2つの細胞表面受容体ファミリーに見られる。LDL受容
体のN末端細胞外領域における約40のアミノ酸からなる7つの連続したシステ
インリッチ反復が、LDLとカルシウムの結合部位を形成する。類似の反復が、
脊椎動物の超低密度リポタンパク質受容体、及び脊椎動物低密度リポタンパク質
受容体関連タンパク質1(LRP1)(α2−マクログロブリン受容体とも呼ば れる)、脊椎動物低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質2(gp330ま
たはmegalinとも呼ばれる)で発見された(ExPASy PROSITE 書類 PDOC00929; 及
びBairoch, A. 他による. (1997) Nucl. Acids. Res. 25:217-221)。反復の構 造は、βヘアピンの後に一連のβターンが続き、各反復の中に6つのジスフィル
ド結合したシステインがある。
【0004】 TNFR及びNGFRの細胞外領域には、それぞれが約40の残基からなるモ
ジュール3つから4つで構成された複数のシステインリッチ領域がある。それぞ
れのモジュールは、6つの保存されたジスフィルド結合したシステインを含む。
これらの反復は多くの受容体に見られ、その中には、TNFRタイプI及びII、 リンホトキシンα/β受容体、低親和性NGFR、サイトカイン受容体CD40
及びCD27、CD30も含まれる(ExPASy PROSITE 書類 PDOC00561; 及び上 記Bairoch, 他)。
【0005】 キイロショウジョウバエに見られる縮れ細胞(frizzled cell)表面受容体が 、発育中の虫の羽部及び脚部、胸部、腹部における適正な剛毛及び発毛極性に重
要である(Wang, Y. 他による. (1996) J. Biol. Chem. 271 : 4468-4476.)。こ の縮れ遺伝子(frizzled gene)は、1つのN末端シグナル配列と7つの推定上 の膜貫通領域とを含む587個のアミノ酸からなるタンパク質をコードする。こ
のN末端はシステインリッチであり、細胞外に位置する可能性が高いが、C末端
はサイトゾルに位置する可能性が高い。多数の縮れ遺伝子の相同体が、ラット及
びマウス、ヒトに見られる。縮れ受容体(frizzled receptor)は、他の7−膜 貫通領域の受容体と相同ではない。縮れ受容体を結合する配位子は未だわかって
いない。
【0006】 カルシトニン遺伝子関連ペプチドは、血管拡張及び神経調節、及び子宮を含む
平滑筋の収縮の阻害を含む多数の作用をもつ神経ペプチドである(Luebke, A.E.
他による. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:3455-3460; 及びNaghashpou
r, M. 他による. (1997) Endocrinology 138:4207-4214.)。このカルシトニン遺
伝子関連ペプチド受容体成分タンパク質(CGPR−RCP)は、CGPR応答
性をアフリカツメガエル卵母細胞に与えるタンパク質としてモルモットの蝸牛(
聴覚器官)からクローニングされた(上記、Luebke他)。モルモットの蝸牛にお
いて、CGPR−RCPは遠心神経終末を含むCGRPと共に局在する。高度に
関連したマウスCGPR−RCPのレベルが分娩中に低下することから、それが
妊娠中に子宮の収縮の調節をすることがわかった(上記、Naghashpour他)。研 究者は、CGPR−RCPが疎水性であることから、それ自体が受容体ではなく
他のタンパク質と結合して受容体を形成すると推測する。7−膜貫通領域タンパ
ク質の2つが、CGRP受容体として機能することがわかった(上記、Naghashp
our他)。
【0007】 T細胞が、作用因子及び制御因子として免疫系で主な役割を果たす。即ち抗原
認識と結合し、感染した細胞の死を誘発して他の免疫細胞を活性化させる信号を
伝達する。T細胞は広範囲の様々な抗原を認識するが、T細胞の特定のクローン
株は1つの抗原のみ認識する。T細胞は、抗原提示細胞の表面上の主要組織適合
複合体(MHC)と結合したペプチドとしてT細胞受容体(TCR)に提示され
た場合にのみ抗原を認識する。ほとんどのT細胞上のTCRは、分子量が近いα
とβの2つのポリペプチドサブユニットを含む免疫グロブリン様多層膜糖タンパ
クからなる。このTCRのβサブユニットは、可変領域及び不変領域の両方をも
つ細胞外領域と、膜を1回通す膜貫通領域と、短い細胞内領域とを有する(Saito
, H. 他. (1984)Nature 309:757-762.)。TCRサブユニットの遺伝子は、様々 な遺伝子節(gene segment)の体細胞の再配置によって形成される。MHCと正
しい位置にある抗原とTCRの相互作用によって、免疫系の細胞成分の増殖及び
成熟、その機能を引き起こす情報伝達カスケードが開始される(Weiss, A. (1991
)Annu. Rev. Genet. 25: 487-510.)。
【0008】 TCR抗原の種類は、発生的に調整されたTCR遺伝子の再配置によって確立
される。未成熟なT細胞は胸腺を出る前に選別され、抗原結合に基づいて分化過
程を経る。胸腺内にある内に自己抗原と結合するT細胞はアポトーシスによって
取り除かれて免疫寛容が確率される。自己に反応する細胞集団の排除ができない
と免疫疾患となる(Olive, C. (1995) Immunol. Cell Biol. 73: 297-307.)。変 異体TCRβユニット或いはαユニットをもつマウスは、ヒトの潰瘍性大腸炎に
類似した炎症性腸疾患を発病する(Mombaerts, P, et al. (1993) Cell 75:275-2
82.)。TCR遺伝子の再配置及びTCR発現の変化が、リンパ腫及び白血病、自
己免疫疾患、免疫不全病に見られる(Aisenberg, A.C. 他. (1985) N.Engl. J. M
ed. 313:529-533; Weiss, 前出; 及び Olive, 前出)。
【0009】 4スパン(tetraspanins)に関連しない4−膜貫通タンパク質のファミリーが
、免疫系の受容体として存在する。このファミリーには、高親和性免疫グロブリ
ンE(IgE)受容体βサブユニット、及びCD20タンパク質、HTm4タン
パク質が含まれる。アレルゲンに曝されると、応答性のそれぞれのB細胞が、ア
レルゲンに特異的なIgE分子を分泌する。IgE分子は、肥満細胞及び好塩基
球にある高親和性IgE受容体(FcRI)と結合する。IgEの結合により、
アレルギー反応及び炎症反応を促進する様々な血管作動性の媒介物の遊離が活性
化される(Beaven, M.A.及び Baumgartner, R.A. (1996) Curr. Opin. Immunol.
8:766-772.)。
【0010】 このFcRIは、α鎖及びβ鎖、同一のジスルフィド結合したγ鎖の二量体と
からなる四量体複合体である。IgE分子は、Fc領域を介してFcRIα鎖と
一対一の化学量論で結合する。受容体複合体がIgEの結合によって活性化され
た際に、FcRIのα鎖及びβ鎖がシグナル伝達のために必要となる。このβ鎖
はチロシンキナーゼLynと結合し、γ鎖はチロシンキナーゼSykと結合する
(上記、Beaven 及び Baumgartner)。FCRIβのアミノ末端及びカルボキシ末 端の両方が、細胞質にあると推測される(Kinet, J.P.他. (1988) Proc. Natl. A
cad.Sci. USA 85: 6483-6487.)。
【0011】 関連した4−膜貫通領域タンパク質であるCD20は、B細胞表面で発現して
、そこで細胞内信号を惹起し、B細胞の成長及び分化を変える(Tedder, T.F. 他
. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:208-212.)。CD20は、チロシンキ
ナーゼLyn及びチロシンキナーゼFyn、チロシンキナーゼLck、p75/
p80タンパク質と結合する。研究者は、CD20が受容体複合体のシグナル伝
達成分であると仮説をたてた(Deans, J.P. 他. (1995) J. Biol. Chem. 270:226
32-22638.)。ヒトHTm4は造血細胞で特異的に発現する(Adra, C. N.他. (199
4) Proc.Natl. Acad. Sci. USA 91 10178-10182.)。ヒトTTm4遺伝子及びC D20遺伝子、FcRI遺伝子は染色体11q12−13.1に遺伝子座が決定
され、CD20及びLy−44のマウスの相同体とマウスのFcRIβサブユニ
ットがマウスの染色体19の同じ場所に遺伝子座が決定された(上記、Adra他)
。遺伝子連鎖の研究により、この領域の遺伝子がアトピー及び持続性のIgEの
アレルゲンへの反応、気管支反応性亢進と密接な関係にあることがわかった(San
dford, A. J. 他.(1993) Lancet 341 332-334.)。
【0012】 分泌されたポリペプチド類と、血漿及び核、粗面小胞体(ER)、ゴルジ体、
リボソーム、エンドソーム膜の多層膜糖タンパクと、リソソーム及び粗面小胞体
、ゴルジ複合体の酵素とがサイトゾルリボソームのN末端シグナル配列と合成さ
れる。リボ核タンパク質であるシグナル識別粒子(SRP)がリボソームから現
れた後シグナル配列と結合する。新生の鎖/リボソーム/SRP複合体が、ER
膜のサイトゾル側のSRP受容体と結合する。このSRPがシグナル配列から解
離することにより、新生の鎖がER膜全体に転位置し始める。次ぎに、このSR
PがSRP受容体から解離し、その両方が新生の鎖標的を新たに触媒する。この
SRP受容体は、末梢膜タンパク質であるSRαと、1つの貫通幕領域をもつ多
層膜たんぱく質であるSRβとの2つのサブユニットで構成される(Miller, J.D
. 他. (1995) J.Cell Biol. 128:273-282.)。SRP受容体からのSRPの解離 はGTP加水分解によって起こる。SRα及びSRβ、SRP54タンパク質は
全て加水分解酵素である。
【0013】 異常なホルモン分泌は、尿崩症(バソプレッシン)及び高血糖、低血糖(イン
シュリン、グルカゴン)、グレーブス病及び甲状腺腫(甲状腺ホルモン)、クッ
シング病及び副腎機能不全(副腎皮質刺激ホルモン)を含む疾患に関係する。癌
細胞は、ホルモンや他の生物学的に活性なペプチドを過剰に分泌する。腫瘍細胞
による生物学的に活性なペプチドの過剰な分泌に関連する疾患には、膵島細胞腺
腫から分泌されるインシュリンの増加による空腹時低血糖と、副腎髄質及び交感
神経性傍神経節のクロム親和細胞腫から分泌されるエピネフリン及びノルエピネ
フリンの増加による高血圧症と、腸腫瘍から分泌される血管作動性物質(セロト
ニン及びブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジン、ポリペプチドホルモ
ン)の量が増加により起こる腹部の収縮及び下痢、弁膜性心疾患を含むカルチノ
イド症候群とが含まれる。腫瘍は、膵癌のACTH及びバソプレッシンと、肺癌
及び膀胱癌の副甲状腺ホルモンと、肺癌及び乳癌のカルシトニンと、甲状腺髄様
癌の甲状腺刺激ホルモンを含む生物学的活性ペプチドの異所性合成及び分泌を示
す。
【0014】 リガチン(ligatin)は、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ及びアセチ ルコリンエステラーゼ、β−ヘキソサミニダーゼを含むホスホグリコプロテイン
(phosphogrycoproteins:PGP)の情報交換受容体として作用する糸状の末梢膜タ
ンパク質及びレクチンである。リガチンは、PGPをエンドソーム内及び細胞末
梢に局在させ、そこではPGPが特定の代謝プロセス及び細胞内接着に関与する
(Jakoi, E.R. 他. (1976) J. Cell Biol. 70:97-111;Jakoi, E.R. 及び Marchas
e, R.B. (1979) J. Cell Biol. 80:643-650; Gaston, S.M. 他. (1982)J. Cell
Biochem. 18:447-459; 及び Malnar-Dragojevic, 他. (1997) Genomics 40:192-
193.)。結合パルミチン酸が、リガチンの膜の付着に関与し得る(Jakoi,E.R. 他.
(1987) J. Biol. Chem. 262:1300-1304.)。リガチンは初めに乳のみラットの回
腸の表面の規則原繊維アレイ(ordered fibrillar array)で発見され、次ぎに 胚が発生した初期の分化の段階における哺乳類の組織及び鳥類の組織から発見さ
れた。研究者は、乳のみラットの回腸におけるリガチンが母乳の炭水化物成分を
細胞外で消化するべくN−アセチル−β−グルコサミニダーゼを局在化するとい
う仮説をたてた。このリガチンはマウスからクローニングされる(上記、Malnar-
Dragojevic他)。
【0015】 新規の複数のヒト受容体タンパク質及びそれらをコードするポリヌクレオチド
の発見により、癌及び自己免疫/炎症性疾患、生殖障害、胃腸疾患、発生障害の
診断、予防、及び治療に役立つ新規の組成物を提供することで当分野のニーズに
答えることができる。
【0016】 発明の要約 本発明は、総称して「HURP」、個々には「HURP−1」及び「HURP
−2」、「HURP−3」、「HURP−4」、「HURP−5」、「HURP
−6」、「HURP−7」、「HURP−8」と呼ぶヒト受容体タンパク質であ
る実質的に精製されたポリペプチドを提供する。また本発明の一実施態様では、
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID
NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片
、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6 の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択され
たアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
【0017】 更に本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8のアミノ酸配列、或いはそれ
らすべての各断片のアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有する
実質的に精製された変異体を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO
:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ
ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、
SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断
片、SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含むポ リペプチドをコードする単離され実質的に精製されたポリヌクレオチドを提供す
る。本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SE
Q ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片 、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5 の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなる グループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドと少なくとも90%のポリヌクレオチド配列同一性を有する単離され精
製されたポリヌクレオチド変異配列を提供する。
【0018】 更に、本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SE
Q ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片 、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5 の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなる グループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドと厳密な条件の下でハイブリダイゼーションする単離され精製されたポ
リヌクレオチドと、SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、
SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8及びSEQ ID NO:1の断片 、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5 の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなる グループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドと相補的な配列を有する単離され精製されたポリヌクレオチドとを提供
する。
【0019】 本発明はまた、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、S
EQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、及びSEQ ID NO:9の
断片、SEQ ID NO:10の断片、SEQ ID NO:11の断片、 SEQ ID NO:12の断片、SEQ I
D NO:13の断片、SEQ ID NO:14の断片、SEQ ID NO:15の断片、SEQ ID NO:16の断 片からなるグループから選択されたポリヌクレオチド配列を含む単離され精製さ
れたポリヌクレオチドを提供する。更に、本発明は、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:1
0、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15 、SEQ ID NO:16、及びSEQ ID NO:9の断片、SEQ ID NO:10の断片、SEQ ID NO:11 の断片、 SEQ ID NO:12の断片、SEQ ID NO:13の断片、SEQ ID NO:14の断片、SEQ
ID NO:15の断片、SEQ ID NO:16の断片からなるグループから選択されたポリヌ クレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列と90%以上のポリヌクレオチド配
列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列と、SEQ ID NO:
9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14 、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、及びSEQ ID NO:9の断片、SEQ ID NO:10の断片 、SEQ ID NO:11の断片、 SEQ ID NO:12の断片、SEQ ID NO:13の断片、SEQ ID NO
:14の断片、SEQ ID NO:15の断片、SEQ ID NO:16の断片からなるグループから選 択されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと相補的な配列を有する
単離され精製されたポリヌクレオチドとを提供する。
【0020】 本発明は更に、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、S
EQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断
片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグル ープから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドの少なくとも断片を含む発現ベクターを提供する。別の実施態様では、発現
ベクターは宿主細胞の中に含まれる。
【0021】 本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、S
EQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断
片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグル ープから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを製造する方法であって、
(a)そのポリペプチドの発現に好適な条件の下、そのポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチドの少なくとも1つの断片を含む発現ベクターを含む宿主細胞
を培養する過程と、(b)その宿主細胞の培地からそのポリペプチドを回収する
過程とを含む製造方法を提供する。
【0022】 本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、S
EQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断
片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグル ープから選択されたアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含
む医薬品組成物を好適な医薬用担体と共に提供する。
【0023】 更に本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、S
EQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断
片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグル ープから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドと結合する精製された抗体
と、そのポリペプチドの精製されたアゴニスト及びアンタゴニストとを提供する
【0024】 本発明はまた、癌の予防及び治療が必要な患者にSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、
SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID
NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ
ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、
SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペ プチドのアンタゴニストを効果的な量投与することを含む、癌の治療または予防
方法を提供する。
【0025】 本発明はまた、自己免疫/炎症性疾患の予防及び治療が必要な患者にSEQ ID N
O:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SE
Q ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID
NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、S
EQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択されたアミノ 酸配列を含むポリペプチドのアンタゴニストを効果的な量投与することを含む、
自己免疫/炎症性疾患の治療または予防方法を提供する。
【0026】 本発明はまた、生殖障害の予防及び治療が必要な患者にSEQ ID NO:1、SEQ ID
NO:2、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ
ID NO:2の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片か
らなるグループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドのアンタゴニス
トを効果的な量投与することを含む、生殖障害の治療または予防方法を提供する
【0027】 本発明はまた、胃腸疾患の予防及び治療が必要な患者にSEQ ID NO:3、SEQ ID
NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、及びSEQ ID NO:3の断片、SEQ ID NO:4の断片
、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片からなるグループから選択されたアミ
ノ酸配列を含むポリペプチドのアンタゴニストを効果的な量投与することを含む
、胃腸疾患の治療または予防方法を提供する。
【0028】 本発明はまた、胃腸疾患の予防及び治療が必要な患者にSEQ ID NO:8及びSEQ I
D NO:8の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製
されたポリペプチドを含む医薬組成物を効果的な量投与することを含む、胃腸疾
患の治療または予防方法を提供する。
【0029】 本発明はまた、発生障害の治療が必要な患者にSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、及
びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片からなるグループから選択されたアミ
ノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬組成物を効果的な
量投与することを含む、発生障害の治療または予防方法を提供する。
【0030】 本発明はまた、核酸を含む生物学的サンプルにおいてSEQ ID NO:1、SEQ ID NO
:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ
ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、
SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断
片、SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含むポ リペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出する方法であって、(a)SEQ
ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6
、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SE
Q ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断 片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択されたア
ミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の相補配列と
、少なくとも1つの生物学的サンプルの核酸とをハイブリダイズして、ハイブリ
ダイゼーション複合体を形成する過程と、(b)ハイブリダイゼーション複合体
の存在と生物学的サンプルにおけるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
の存在とが相関性を有するハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを含
む方法を提供する。本発明の一実施態様では、ハイブリダイゼーションの前に生
物学的サンプルの核酸がポリメラーゼ連鎖反応によって増幅される。
【0031】 本発明の記載について 本発明のタンパク質及び核酸配列、方法について説明する前に、本発明は、こ
こに開示した特定の方法論及びプロトコル、細胞系、ベクター、試薬に限定され
ず、その実施形態を変更できることに理解されたい。また、ここで用いられる用
語法は、特定の実施例のみを説明する目的で用いられたものであり、後述の請求
の範囲によってのみ限定され、本発明の範囲を限定することを意図したものでは
ないということも理解されたい。
【0032】 本明細書及び請求の範囲において単数形を表す「或る」、「その(この等)」
は、文脈で明確に示していない場合は複数形を含むことに注意されたい。従って
、例えば「或る宿主細胞」は複数の宿主細胞を含み、その「抗体」は複数の抗体
は含まれ、当業者には周知の等価物なども含まれる。
【0033】 本明細書で用いた全ての科学技術用語は、別の方法で定義されていない限り、
本発明の属する技術分野の一般的な技術者が普通に解釈する意味と同じである。
本明細書で記述したものと類似、或いは同等の全ての方法及び材料は、本発明の
実施及びテストに使用できるが、好適な方法、装置、及び材料をここに記す。本
明細書に記載の全ての文献は、本発明に関連して使用する可能性のある文献に記
載された細胞系、ベクター、及び方法論を記述し開示するために引用した。従来
の発明を引用したからと言って、本発明の新規性が損なわれると解釈されるもの
ではない。
【0034】 定義 本明細書においてのHURPとは、天然、合成、半合成或いは組換え体など全
ての種(特にウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ及び好ましくは人類を含む哺乳
動物)から得られる実質的に精製されたHURPのアミノ酸配列のことである。
【0035】 本明細書において、「アゴニスト」とは、HURPと結合したとき、HURP
の効果を増大する、或いはその持続時間を延長する分子のことである。このアゴ
ニストには、HURPに結合してその効果を変調するタンパク質、核酸、糖質、
任意の他の分子を含み得る。
【0036】 本明細書において、「アレル」或いは「アレル配列」とは、HURPをコード
する遺伝子の別の形である。アレルは、核酸配列における少なくとも1つの変異
によって生じ、変異mRNA若しくは変異ポリペプチドになり、これらの構造や
機能は変わる場合もあれば変わらない場合もある。天然或いは組換え体のすべて
の遺伝子には、アレル形が存在しないもの、1つ或いは多数存在するものがある
。一般にアレルを生じる変異は、ヌクレオチドの自然な欠失、付加、或いは置換
による。これらの各変異は、単独或いは他の変異と同時に起こり、所定の配列内
で一回或いはそれ以上生じる。
【0037】 本明細書において、HURPをコードする「変異」核酸配列とは、異なるヌク
レオチドの欠失、挿入、或いは置換が起こっても、HURPと同じポリペプチド
或いはHURPの機能特性の少なくとも1つを備えるポリペプチドを指す。この
定義には、HURPをコードするポリヌクレオチド配列の正常の染色体の遺伝子
座ではない位置でアレルと不適当或いは予期せずハイブリダイゼーション、及び
HURPをコードするポリヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプローブを
用いて、容易に検出可能な或いは検出困難な多形性を含む。コードされたタンパ
ク質も変異され得り、サイレント変化を生じHURPと機能的に等価となるアミ
ノ酸残基の欠失、挿入、或いは置換を含み得る。意図的なアミノ酸置換は、生物
学的或いは免疫学的にHURPの活性が保持される範囲で、残基の極性、電荷、
溶解度、疎水性、親水性、及び/または両親媒性についての類似性に基づいて成
され得る。たとえば、負の電荷をもつアミノ酸は、アスパラギン酸及びグルタミ
ン酸を含み得り、正の電荷をもつアミノ酸は、リジン及びアルギニンを含み得り
、そして近い親水性値をもち非電荷極性頭基を有するアミノ酸は、ロイシン、イ
ソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン
、トレオニン、フェニルアラニン及びチロシンを含みうる。
【0038】 本明細書において、「アミノ酸」或いは「アミノ酸配列」とは、オリゴペプチ
ド、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質配列及びその断片であり、天然の
分子または合成された分子である。HURPの断片である「断片」及び「免疫原
性断片」、「抗原性断片」は、好ましくは約5〜約15個の長さのアミノ酸であ
り、HURPのある生物学的活性または免疫学的活性を保持する。ここでは、「
アミノ酸配列は自然発生タンパク質分子のアミノ酸配列であるが、アミノ酸配列
及び類似の用語は、列記したタンパク質分子に関連する完全で元のままのアミノ
酸配列に限定されるわけではない。
【0039】 本明細書において、用語「増幅」とは、核酸配列の付加的な複製を生成するこ
とに関連する。一般にはこの技術分野では公知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)技術を用いて行われる(例えば、Dieffenbach, C.W.及びG.S. Dveksler (1995)
PCR Primer, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press,Plainview, NY
, pp. 1-5.を参照)。
【0040】 本明細書において、「アンタゴニスト」とは、HURPと結合したとき、HU
RPの生物学的または免疫学的活性の効果の程度を低下させたり、その持続時間
を短縮する分子である。アンタゴニストは、タンパク質、核酸、糖質、抗体また
はHURPの効果を減少させるの他の分子である。
【0041】 本明細書において、「抗体」とは、Fa及びF(ab')2、及びそれらの断片、F
v断片などの無傷の分子であり、抗原決定基と結合可能である。HURPポリペ
プチドと結合する抗体は、抗体を免疫する目的の小さなペプチドを含む無傷の分
子またはその断片を用いて調整可能である。動物(例えば、マウス、ラット、若
しくはウサギ)を免疫化するのに使用されるポリペプチド或いはオリゴペプチド
は、RNAの翻訳から引き出されたり化学的に合成され得り、必要に応じて担体
プロテインと結合することも可能である。ペプチドと化学的に結合した一般に用
いられる担体は、ウシ血清アルブミン、チログロビン、及びキーホールリンペッ
トヘモニアン(KLH)を含む。次ぎに、この結合したペプチドを用いて動物を
免疫化する。
【0042】 本明細書において、「抗原決定基」とは、特定の抗体と接触する分子のフラグ
メント(即ちエピトープ)である。タンパク質或いはタンパク質の断片が、宿主
動物を免疫化するのに用いられるとき、このタンパク質の種々の領域は、抗原決
定基(タンパク質上の所定の領域或いは三次元構造体)に特異的に結合する抗体
の産生を誘発し得る。抗原決定基は、抗体と結合するために無傷の抗原(即ち、
免疫応答を引き出すために用いられる免疫原)と競合し得る。
【0043】 本明細書において、「アンチセンス」とは、特定の核酸配列と相補的な核酸配
列を含む全ての組成物である。「アンチセンス鎖」は、「センス」鎖と相補的な
核酸鎖のことである。アンチセンス分子は、合成や転写を含む任意の方法で作り
出すことができる。相補的ヌクレオチドは、一度細胞に導入されると、細胞によ
って作られた天然の配列と結合して二重鎖を形成し、転写や翻訳を阻害する。「
マイナス(−)」という表現はアンチセンス鎖と言え、「プラス(+)」という
表現はセンス鎖と言える。
【0044】 本明細書において、「生物学的活性」とは、自然発生分子の構造的、調節的、
或いは生化学的機能を有するタンパク質のことである。同様に、「免疫学的に活
性」とは、天然或いは組換え体のHURP、合成のHURPまたはそれらの任意
のオリゴペプチドが、適当な動物或いは細胞の特定の免疫応答を誘発して特定の
抗体と結合する能力のことである。
【0045】 本明細書において、「相補的」若しくは「相補性の」とは、許容の塩と許容の
温度条件の下で、塩基対の形成によってポリヌクレオチドが自然に結合すること
である。例えば、配列「A−G−T」と相補的な配列「T−C−A」と結合する
。2つの一本鎖分子間の相補性は、幾つかの核酸が結合するのみの部分的な場合
、或いは一本鎖間に完全な相補性が存在して完全な相補性となる場合があり得る
。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強
度に大きな影響を与える。このことは、核酸鎖間の結合に左右される増幅反応、
並びにペプチド核酸(PNA)分子の設計若しくは使用において特に重要である
【0046】 本明細書において、「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」または「所
定のアミノ酸配列を含む組成物」とは広い意味で、所定のヌクレオチド配列或い
はアミノ酸配列を含む任意の組成物のことである。この組成物は、乾燥した製剤
或いは水溶液、無菌組成物を含み得る。HURP若しくはHURPの断片をコー
ドするポリヌクレオチド配列を含む組成物は、ハイブリダイゼーションプローブ
として使用され得る。このプローブは、凍結乾燥状態で保存可能であり、糖質な
どの安定化剤と結合可能である。ハイブリダイゼーションにおいて、プローブは
、塩(例えば、NaCl)及び界面活性剤(例えば、SDS)、その他の物質(
例えば、デンハート液、乾燥ミルク、サケ精子DNA等)を含む水溶液に展開さ
れ得る。
【0047】 本明細書において、「コンセンサス配列」とは、不要な塩基を分離するために
再配列された核酸配列であって、XL−PCRTM(Perkinn Elmer, Norwalk, CT
)を用いて5'及び/または3'の方向に延長されて再配列された核酸配列、或い
はGELVIEWTM Fragment Assembly system(GCG, Madison, WI)などのフラグメン
トの構築のためのコンピュータプログラムを用いて2つ以上のインサイトクロー
ン社の重複配列から構築された核酸配列のことである。延長及び構築の両方によ
ってコンセンサス配列に構築されるものもある。
【0048】 本明細書において、「ポリヌクレオチドの発現と相関性を有する」とは、ノー
ザン分析によるHURPをコードする核酸配列と同じ或いは関連する核酸の検出
が、サンプル内のHURPをコードする核酸の存在を示すことから、HURPを
コードするポリヌクレオチドからの転写物の発現と相関性を有することを意味す
る。
【0049】 本明細書において、「欠失」とは、1個以上のアミノ酸残基若しくは核酸残基
が欠如するアミノ酸配列若しくは核酸配列の変化である。
【0050】 本明細書において、「誘導体」とは、HURP或いはHURPをコードするポ
リヌクレオチド、HURPをコードするポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレ
オチド配列の化学修飾のことである。ポリヌクレオチド配列の化学修飾には、例
えば、アルキル基、アシル基、或いはアミノ基による水素の置換がある。誘導体
ポリヌクレオチドは、未修飾の分子の生物学的或いは免疫学的機能を少なくとも
1つ保持するポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドとは、もとのポリ
ペプチドの生物学的機能、或いは免疫学的機能を少なくとも1つ保持する、グリ
コシル化、ポリエチレングリコール化、或いは任意の同様のプロセスによって修
飾されたものである。
【0051】 本明細書において、「相同性」とは、相補性の程度を表すものである。これに
は、部分的相同性と完全な相同性とがあり得る。この「相同性」は「配列同一性
」とも言える。同一の配列が標的の核酸とハイブリダイゼーションするのを少な
くとも部分的に阻止する部分的に相補的な配列は、「実質的に相補的な」と呼ば
れる。完全に相補的な配列と標的の配列とのハイブリダイゼーションの抑制は、
厳密性を低下させた条件の下ハイブリダイゼーションアッセイ(サザンブロッテ
ィング或いはノーザンブロッティング法、溶液ハイブリダイゼーション等)を用
いて検査される。実質的に相同な配列或いはハイブリダイゼーションプローブは
、厳密性を低下させた条件の下、完全に相補的な配列と標的の配列との結合のた
め競合して抑制する。これは、厳密性を低下させた条件の下では非特異的な結合
が許容されるということではなく、厳密性を低下させた条件には、2つの配列の
互いへの結合が特異的(即ち、選択的)相互作用である必要がある。部分的な相
補性にもならない(例えば、30%未満の相同性即ち同一性)第2の標的配列を
用いて、非特異的結合の不在の検査が可能である。非特異的結合が存在しないと
いうことは、実質的に相補的な配列或いはプローブが第2の非相補的標的配列と
ハイブリダイゼーションしない。
【0052】 本明細書において、「百分率同一性」又は「%同一性」とは、2つ以上のアミ
ノ酸配列或いは核酸配列の比較で見つかった配列類似性の百分率のことである。
この百分率同一性は、例えば、MEGALIGNTMプログラム(LASERGENETM ソフトウェ アパッケージ, DNASTAR, Inc., Madison Wl)など電子装置を用いて決定可能であ
る。このMEGALIGNTMプログラムは、様々な方法、例えば、クラスター方法(clus
tal method)(Higgins, D.G.及びP.M. Sharp (1988) Gene73:237-244.)に従って
、2つ以上の配列間のアライメントを作り出すことが可能である。クラスターア
ルゴリズムが、全ての組の間の距離を測って、配列を各クラスターに分類する。
これらのクラスターは、組によって整列され、次ぎにグループに分けられる。2
つのアミノ酸の配列間の百分率類似性、例えば配列Aと配列Bの百分率類似性は
、配列Aと配列Bの一致する残基の合計数を、配列Aの長さから配列Aのギャッ
プ残基数と配列Bのギャップ残基数とを差し引いたもので除し、それに100を
掛けることによって得られる。2つのアミノ酸配列間の低い相同性或いは非相同
性のギャップは、百分率類似性の決定には含まれない。核酸配列間の百分率同一
性はまた、クラスター法或いはJotun Hein法などの当分野で公知の別の方法によ
って計算することも可能である(例えば、Hein. J. (1990) Methods Enzymol. 18
3:626-645.を参照)。配列間の同一性はまた、例えば、ハイブリダイゼーション の条件を変えるなどの当分野で公知の別の方法によって決定することも可能であ
る。
【0053】 ヒト人工染色体(HAC)は、6Kb〜10MbのサイズのDNA配列を含み
得り、安定した分裂染色体の分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の微
小染色体である(Harrington, J.J.等 (1997) Nat Genet. 15:345-355を参照) 。
【0054】 本明細書において、「ヒト化抗体」とは、もとの結合能力を保持しつつよりヒ
トの抗体に似せるために、非抗原結合領域のアミノ酸配列が変異された抗体分子
である。
【0055】 本明細書において、「ハイブリダイゼーション」とは、核酸の一本鎖が相補的
な一本鎖と塩基対を形成して結合する全てのプロセスである。
【0056】 本明細書において、「ハイブリダイゼーション複合体」とは、相補的な塩基対
間の水素結合の形成によって、2つの核酸配列間に形成された複合体のことであ
る。ハイブリダイゼーション複合体は溶液中(例えば、C0tまたはR0t分析)
で形成されるか、或いは溶液中の1つの核酸配列と固体の支持物(例えば、紙、
膜、フィルター、チップ、ピン、或いはスライドガラス、または細胞及びその核
酸を固定する任意の適当な基板)に固定されたもう一つの核酸配列との間で形成
され得る。
【0057】 本明細書において、「挿入」或いは「付加」とは、自然発生の分子の配列に対
して、1個以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチドがそれぞれ追加されるアミノ
酸配列或いは核酸配列の変化のことである。
【0058】 本明細書において、「免疫応答」とは、炎症性疾患及び外傷、免疫異常、感染
症、遺伝病などと関係する症状である。これらの症状は、細胞系及び全身防衛系
に影響を及ぼすサイトカイン及びケモカイン、別の情報伝達分子などの様々な因
子の発現によって特徴づけられ得る。
【0059】 本明細書において、「マイクロアレイ」とは、紙、ナイロンまたは別のタイプ
の膜、フィルター、チップ、スライドガラス、或いはその他の好適な固体の支持
物などの基板上に配列されたポリヌクレオチド或いはオリゴヌクレオチドのそれ
ぞれのアレイのことである。
【0060】 本明細書において、「変調」とは、HURPの活性の変化のことである。変調
の例として、HURPのタンパク質活性の特性、或いは結合特性、またはその他
の生物学的特性、機能的特性或いは免疫学的特性の変化がある。
【0061】 本明細書において、「核酸」或いは「核酸配列」とは、オリゴヌクレオチド、
ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、或いはそれらの断片と、また一本鎖若しくは
二本鎖のセンス鎖或いはアンチセンス鎖であるゲノム若しくは合成起源のDNA
或いはRNAと、またペプチド核酸(PNA)や任意のDNA様物質、RNA様物 質とを指す。「断片(またはフラグメント)」とは60ヌクレオチドより長い核
酸配列である。最も好ましい断片の長さは、少なくとも約100ヌクレオチド以
上或いは約1000ヌクレオチド以上、または約10000ヌクレオチド以上で
ある。
【0062】 本明細書において、「機能的に関係した」或いは「機能的に結合した」とは、
機能的に関係する核酸配列のことである。コードされたポリペプチドの転写をプ
ロモータが制御する場合、そのプロモーターはコードする配列と機能的に関係す
る或いは機能的に結合する。機能的に関係した或いは機能的に結合した核酸配列
は近接して同じ読み枠内に存在し得るが、リプレッサー遺伝子などのある種の遺
伝子要素は、コードされたポリペプチドとは近接して結合していないが、ポリペ
プチドの発現を調節するオペレーター配列とは結合したままである。
【0063】 本明細書において、「オリゴヌクレオチド」とは、PCR増幅、ハイブリダイ
ゼーション、或いはマイクロアレイに使用可能な核酸配列のことであり、その長
さは少なくとも6ヌクレオチドから60ヌクレオチドである。好ましくは約15
から30ヌクレオチドであり、さらに好ましいくは約20から25のヌクレオチ
ドである。本明細書において、オリゴヌクレオチドは、当技術分野では同一と定
義される「アンプリマー」及び「プライマー」、「オリゴマー」と実質的に同じ
である。
【0064】 本明細書において、「ペプチド核酸」(PNA)とは、末端がリジンで終わる
アミノ酸残基のペプチドバックボーンに結合した、約5ヌクレオチド以上の長さ
のオリゴヌクレオチドを含むアンチセンス分子又は抗遺伝子剤のことである。こ
の末端のリジンにより、この組成物が溶解性を有する。PNAは、相補的な一本
鎖DNAやRNAに優先的に結合して転写物の伸長を止め、ポリエチレングリコ
ール化して細胞において寿命を延ばし得る。(例えば、Nielsen, P.E.他(1993)
Anticancer Drug Des. 8:53-63を参照)。
【0065】 本明細書において、「サンプル」とは、その最も広い意味で用いられている。
HURPをコードする核酸若しくはその断片、HURP自体を含むと推測される
生物学的サンプルには、体液と、細胞からの抽出物や細胞から単離された染色体
や細胞小器官、膜と、細胞と、溶液中又は固体の支持物に固定されたゲノムDN
A,RNA,cDNAと、組織又は組織プリント等も含まれ得る。
【0066】 本明細書において、「特異的結合」または「特異的に結合する」とは、タンパ
ク質或いはペプチドとアゴニスト或いは抗体、アンタゴニストとの間の相互作用
のことである。この相互作用は、結合する分子(即ち、抗原決定基つまりエピト
ープ)によって認識されるタンパク質の特定の構造の存在によって左右される。
例えば、抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、結合していない標
識した「A」及びその抗体を含む反応において、エピトープAを含むポリペプチ
ドが存在するか或いは結合していない無標識の「A」が存在すると、抗体と結合
する標識Aの量が減少する。
【0067】 本明細書において、「厳密な条件」とは、ポリヌクレオチド配列と請求項に記
載されたポリヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションが可能な条件である
。好適である厳密な条件は、例えばプレハイブリダイゼーション溶液及びハイブ
リダイゼーション溶液における塩またはホルムアミドの濃度、或いはハイブリダ
イゼーション温度によって定義され、当分野で公知である。詳細には、塩の濃度
を下げたり、ホルムアミドの濃度を上げたり、またハイブリダイゼーションの温
度を上げることで厳密性を高めることができる。
【0068】 例えば、高度な厳密性条件の下でのハイブリダイゼーションは、ホルムアミド
の濃度が約50%、温度が約37℃〜42℃で起こり得る。厳密性条件を下げて
のハイブリダイゼーションは、ホルムアミドの濃度が約35%〜25%、温度が
約30℃〜25℃で起こり得る。詳細には、温度が45℃、濃度が50%のホル
ムアミド、5X SSPE、0,3%のドデシル硫酸ナトリウム、200μg/ mlのせん断されて変性されたサケ精子DNAの高い厳密性条件の下でハイブリ
ダイゼーションが起こり得る。上述したように、35%のホルムアミドで温度を
35℃に下げて厳密性条件を下げてもハイブリダイゼーションは起こり得る。目
的の核酸のプリンとピリミジンとの比率及び温度をしかるべく調節することによ
って、特定のレベルの厳密性に対応する温度範囲をさらに狭めることが可能であ
る。上記の範囲及び条件の変更は当分野ではよく知られている。
【0069】 本明細書において、「実質的に精製された」とは、自然の環境から取り除かれ
てから、単離或いは分離された核酸配列或いはアミノ酸配列であって、自然に結
合している構成要素が少なくとも約60%以上除去されたものであり、好ましく
は約75%以上の除去、最も好ましいのは約90%以上除去されたものである。
【0070】 本明細書において、「置換」とは、一つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドを
それぞれ別のアミノ酸またはヌクレオチドに置き換えることである。
【0071】 本明細書において、「形質転換」とは、外来DNAが入り込み受容体細胞を変
化させるプロセスのことである。形質転換は、当分野で公知の種々の方法により
、自然或いは人工の条件の下で起こり得り、原核宿主細胞若しくは真核宿主細胞
の中に外来核酸配列を挿入する任意の公知の方法によって行うことができる。こ
の形質転換の方法は、形質転換される宿主細胞のタイプによって選択される。こ
の方法には、ウイルス感染、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、リポフェ
クション、及び微粒子照射が含まれるが、限定されるものではない。「形質転換
された」細胞には、導入されたDNAが自律的に複製するプラスミドとして或い
は宿主染色体の一部として複製可能である安定的に形質転換された細胞が含まれ
る。さらに、限られた時間に一時的に導入DNA若しくは導入RNAを発現する
細胞も含まれる。
【0072】 本命鎖書において、「変異体」とは、一つ以上のアミノ酸が変異したアミノ酸
配列である。この変異体には、例えばロイシンとイソロシンとの置換のような、
置換されたアミノ酸が類似の構造或いは類似の化学特性を有する「保存的」変異
が含まれる。稀ではあるが、変異体には、グリシンをトリプトファンで置換する
「非保存的」変異も含まれる。また、類似の小さな変異には、アミノ酸の欠失、
挿入、或いはその両方が含まれる。当分野で公知の例えばDNASTARソフト
ウエアを用いて、生物学的或いは免疫学的活性を損なうことなく、どのアミノ酸
残基を置換、挿入、或いは欠失させるかを決めることができるであろう。
【0073】 発明 本発明は、新規のヒト受容体タンパク質(HURP)、HURPをコードする
ポリヌクレオチドの発見、並びに癌及び自己免疫/炎症性疾患、生殖障害、胃腸
疾患、発生障害の診断、予防、または治療におけるこれらの組成物の使用法に基
づく。下の表1は、本明細書に記載のヒト受容体タンパク質のそれぞれの、配列
のID番号、及びインサイト社クローンのID番号、cDNAライブラリを示す
【0074】
【表1】
【0075】 本発明のHURP−1をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、胎児の脾臓組織のcDNAライブラリ(SPLNFET01)を 起源とするインサイト社クローン番号29167において初めて同定された。SEQ ID
NO:9のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号29167(SPLNFET01)、3629
4(HUVENOB01)、1458963(COLNFET02)、2263065(UTRSNOT02)、2693656(LUNGNOT23)
の重複及び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0076】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−1はアミノ酸584個の長さを有し、N181における
1つのN−グリコシル化可能部位と、S313及びS318、S404、T50
5における4つのcAMP及びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化可能
部位と、S88及びS152、T171、S237、T259、T366、S4
04における7つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と、S17及びS24
6、S313、S500における4つのプロテインキナーゼCリン酸化可能部位
を有する。HURP−1は、マウスのリガチン(GI 1377880)と化学的及び構造
的相同性を有する。詳細には、HURP−1とマウスリガチンとの相同性は78
%である。最も有用なSEQ ID NO:9の断片は、概ねヌクレオチドの275から7 39までである。ノーザン分析によれば、種々のライブラリにおけるこの配列の
発現は、少なくとも64%が不死化即ち癌化、少なくとも18%が炎症性組織か
らであり、少なくとも11%が胎児/増殖性細胞からである。また、ライブラリ
のHURP−1の発現は生殖組織から44%である。
【0077】 本発明のHURP−2をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、毛細管拡張性運動失調線維芽細胞株cDNAライブラリ
(FIBRANT01)を起源とするインサイト社クローン番号150629において初めて同 定された。SEQ ID NO:10のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号1506
29 (FIBRANT01)、639489(BRSTNOT03)、878146 (LUNGAST01)、995140 (KIDNTUT01
)、及びショットガン配列SAAB00536、SAIA03775の重複及び/又は伸長された核 酸配列に由来する。
【0078】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−2はアミノ酸706個の長さを有し、N38及びN35
2における2つのN−グリコシル化可能部位と、T150及びS316における
2つのcAMP及びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化可能部位と、T
84及びT499、T576、T585、T591、S596、S641、S6
73における8つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と、S496及びS5
19、S548、S596、T607、S645、S653、S679における
8つのプロテインキナーゼCリン酸化可能部位と、Y103におけるチロシンキ
ナーゼリン酸化可能部位とを有する。HURP−2は、M1から概ねG18に潜
在シグナル配列を有する。HURP−2はまた、マウス縮れ6−推定膜貫通受容
体(GI 1151256)と化学的および構造的相同性を有する。詳細には、HURP−
2はマウス縮れ6−推定膜貫通受容体と83%の同一性を有する。マウス縮れ6
−推定膜貫通受容体との相同性により、HURP−2の細胞外領域は、アミノ酸
残基1からアミノ酸残基約199までであり、膜貫通領域は、アミノ酸残基約2
00からアミノ酸残基約496までであり、細胞内領域は、アミノ酸残基約49
7からアミノ酸残基706までである。最も有用なSEQ ID NO:10の断片は、概ね
ヌクレオチドの178から198までである。ノーザン分析によれば、種々のラ
イブラリにおけるこの配列の発現は、少なくとも42%が不死化即ち癌化、少な
くとも32%が炎症性組織からであり、少なくとも16%が胎児/増殖性細胞で
ある。また、ライブラリのHURP−2の発現は、生殖組織から32%、心臓血
管組織から26%である。
【0079】 本発明のHURP−3をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、非腫瘍性の大腸組織cDNAライブラリ(COLNNOT01) を起源とするインサイト社クローン番号611082において初めて同定された。SEQ
ID NO:11のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号611082 (COLNNOT01)
、776770 (COLNNOT05)、904152(COLNNOT07)、908496 (COLNNOT09)、1866665 (SK
INBIT01)の重複及び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0080】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−3はアミノ酸267個の長さを有し、N13及びN22
8、N232、N260における4つのN−グリコシル化可能部位と、S8及び
S115、S210における3つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と、S
3及びS115、S198における3つのプロテインキナーゼCリン酸化可能部
位とを有する。HURP−3は、ラットIgE受容体βサブユニットタンパク質
(GI 204117)及びヒトCD20タンパク質(GI 179308)と化学的相同性および
構造的相同性を有する。詳細には、HURP−3はラットIgE受容体βサブユ
ニットタンパク質と23%、ヒトCD20タンパク質と19%の同一性を有する
。ラットIgE受容体βサブユニットタンパク質及びヒトCD20タンパク質と
の相同性により、HURP−3のN末端細胞内領域は、アミノ酸残基1からアミ
ノ酸残基約89までであり、膜貫通領域は、アミノ酸残基約90からアミノ酸残
基約224までであり、C末端細胞内領域は、アミノ酸残基約225からアミノ
酸残基267までである。最も有用なSEQ ID NO:11の断片は、概ねヌクレオチド
の278から301までである。ノーザン分析によれば、種々のライブラリにお
けるこの配列の発現は、少なくとも57%が不死化即ち癌化、少なくとも43%
が炎症性組織からである。また、ライブラリのHURP−3の発現は、小腸及び
大腸組織から93%である。
【0081】 本発明のHURP−4をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、大腸腫瘍組織cDNAライブラリ(COLNTUT02)を起源 とするインサイト社クローン番号1223275において初めて同定された。SEQ ID NO
:12のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号34843 (THP1NOB01)及び12
23275 (COLNTUT02)、2445731(THP1NOT03)、1724713(PROSNOT14)、1773030 (MENT
UNON3)の重複及び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0082】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−4はアミノ酸248個の長さを有し、N8及びN20、
N74における3つのN−グリコシル化可能部位と、T110における1つのc
AMP及びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化可能部位と、S22及び
T193における2つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と、S36及びT
105、S316、T177、S223における5つのプロテインキナーゼCリ
ン酸化可能部位と、Y242における1つのチロシンキナーゼリン酸化可能部位
とを有する。HURP−4は、M1から約A24に潜在シグナル配列を有する。
HURP−4は、ラットIgE受容体βサブユニットタンパク質(GI 204117) 及びヒトCD20タンパク質(GI 179308)と化学的および構造的相同性を有す る。詳細には、HURP−4はラットIgE受容体βサブユニットタンパク質と
22%、ヒトCD20タンパク質と19%の同一性を有する。ラットIgE受容
体βサブユニットタンパク質及びヒトCD20タンパク質との相同性により、H
URP−4のN末端細胞内領域は、アミノ酸残基1からアミノ酸残基約46まで
であり、膜貫通領域は、アミノ酸残基約47からアミノ酸残基約204までであ
り、C末端細胞内領域は、アミノ酸残基約205からアミノ酸残基248までで
ある。最も有用なSEQ ID NO:12の断片は、概ねヌクレオチドの約215から約2
32までである。ノーザン分析によれば、種々のライブラリにおけるこの配列の
発現は、少なくとも45%が不死化即ち癌化、少なくとも53%が炎症性組織か
らである。また、ライブラリのHURP−4の発現は、造血性/免疫組織から2
1%であり、胃腸組織から20%である。
【0083】 本発明のHURP−5をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、脳膜腫組織cDNAライブラリ(MENITUT03)を起源と するインサイト社クローン番号1255202において初めて同定された。SEQ ID NO:1
3のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号348357 (LVENNOT01)及び125
5202 (MENITUT03).の重複及び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0084】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−5はアミノ酸130個の長さを有し、S30における1
つのcAMP及びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化可能部位と、S1
2及びT79、T93における3つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と、
S30及びT49、S75、T128における4つのプロテインキナーゼCリン
酸化可能部位とを有する。HURP−5は、マウスCGRP受容体成分タンパク
質(GI 2599066)と化学的および構造的相同性を有する。詳細には、HURP−
5はマウスCGRP受容体成分タンパク質と85%の同一性を有する。最も有用
なSEQ ID NO:13の断片は、概ねヌクレオチドの274から297までである。ノ
ーザン分析によれば、種々のライブラリにおけるこの配列の発現は、少なくとも
67%が不死化即ち癌化、少なくとも17%が炎症性組織からである。
【0085】 本発明のHURP−6をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、膝膜液組織cDNAライブラリ(SYNORAT05)を起源とす るインサイト社クローン番号1261646において初めて同定された。SEQ ID NO:14 のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号1261646 (SYNORAT05)及び、1
419057 (KIDNNOT09)、1651262 (PROSTUT08)、1704186 (DUODNOT02)、3394566 (L
UNGNOT28)の重複及び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0086】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−6はアミノ酸271個の長さを有し、S63における1つ のcAMP及びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化可能部位と、S95
及びT114、S213における3つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と
、S6及びT25、S59、S63、S75、S123、S135、S189、
T203、S247における10個のプロテインキナーゼCリン酸化可能部位と
、Y160における1つのチロシンキナーゼリン酸化可能部位と、G71LCDSGKTか
らのモチーフA(P-loop)におけるATP/GTP結合可能部位とを有する。HURP −6は、マウスシグナル認識粒子受容体βサブユニット(GI 600886)と化学的お よび構造的相同性を有する。詳細には、HURP−6はマウスシグナル認識粒子
受容体βサブユニットと90%の同一性を有する。マウスシグナル認識粒子受容
体βサブユニットとの相同性により、HURP−6のER−ルーメン−フェイシ
ング(ER-lumen-facing)は、アミノ酸残基1からアミノ酸残基約35までであり 、膜貫通領域は、アミノ酸残基約36からアミノ酸残基約54までであり、細胞
質領域は、アミノ酸残基約55からアミノ酸残基271までである。最も有用な
SEQ ID NO:14の断片は、概ねヌクレオチドの約128から約148までである。
ノーザン分析によれば、種々のライブラリにおけるこの配列の発現は、少なくと
も38%が不死化即ち癌化、少なくとも38%が炎症性組織からである。また、
ライブラリのHURP−6の発現は、生殖組織から23%であり、胃腸組織から
21%である。
【0087】 本発明のHURP−7をコードする核酸が、子宮組織cDNAライブラリ(UT
RSNOT08)を起源とするインサイト社クローン番号2083528において、アミノ酸配
列アライメントのコンピュータ検索を用いて初めて同定された。SEQ ID NO:15の
コンセンサス配列は、インサイト社クローン番号757728 (BRAITUT02)及び827431
(PROSNOT06)、917601 (BRSTNOT04)、1314605(BLADTUT02)、1334893 (COLNNOT13
), 1346609(PROSNOT11)、2083528 (UTRSNOT08)、2880867 (UTRSTUT05).の重複及
び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0088】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを含む。HURP−7はアミノ酸591個の長さを有し、N56及びN11
1、N193、N299における4つのN−グリコシル化可能部位と、S96及
びT195、T237、T348、S481における5つのカゼインキナーゼII
リン酸化可能部位と、T70及びS82、T86、T183、S258、T46
3、T570における7つのプロテインキナーゼCリン酸化可能部位と、Y41
3における1つのチロシンキナーゼリン酸化可能部位とを有する。HURP−7
は、M1から約A16に1つの潜在シグナル配列、C140からC174とC3
81からC418のそれぞれにTNFR/NGFRシステインリッチ領域、L1
38からS176とR313からG355とR397からY435のそれぞれに
潜在LDL受容体クラスA領域を有する。最も有用なSEQ ID NO:15の断片は、概
ねヌクレオチドの280から297までである。ノーザン分析によれば、種々の
ライブラリにおけるこの配列の発現は、少なくとも51%が不死化即ち癌化、少
なくとも37%が炎症性組織からである。また、ライブラリのHURP−4の発
現は、生殖組織から30%、胃腸組織から16%、心臓血管組織から15%であ
る。
【0089】 本発明のHURP−8をコードする核酸が、アミノ酸配列アライメントのコン
ピュータ検索を用いて、陰茎腫瘍組織cDNAライブラリ(PENITUT01)を起源 とするインサイト社クローン番号1451415において初めて同定された。SEQ ID NO
:16のコンセンサス配列は、インサイト社クローン番号1451415 (PENITUT01 )1、
2918942 (THYMFET03)、 3603481(DRGTNOT01)、及びショットガン配列SBJA02297 の重複及び/又は伸長された核酸配列に由来する。
【0090】 或る実施例において、本発明は、SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含むポリペプ
チドを含む。HURP−8はアミノ酸314個の長さを有し、N205における
1つのN−グリコシル化可能部位と、S312における1つのcAMP及びcG
MP依存性プロテインキナーゼリン酸化可能部位と、T101及びT133、S
152、S239における4つのカゼインキナーゼIIリン酸化可能部位と、S2
6及びS81、T95、T159、S212における5つのプロテインキナーゼ
Cリン酸化可能部位とを有する。HURP−8は、ヒトT細胞受容体βと化学的
および構造的相同性を有する。詳細には、HURP−8はヒトT細胞受容体βと
87%の同一性を有する。ヒトT細胞受容体βとの相同性により、HURP−8
の細胞外領域は、アミノ酸残基1からアミノ酸残基約285までであり、膜貫通
領域は、アミノ酸残基約286からアミノ酸残基約307までであり、細胞内領
域は、アミノ酸残基約308からアミノ酸残基314までである。最も有用なSE
Q ID NO:16の断片は、概ねヌクレオチドの106から129までである。ノーザ
ン分析によれば、種々のライブラリにおけるこの配列の発現は、少なくとも35
%が不死化即ち癌化、少なくとも57%が炎症性組織からである。また、ライブ
ラリのHURP−8の発現は、造血/免疫組織から30%、胃腸組織から22%
である。
【0091】 本発明はまた、HURPの変異体を含む。HURPの変異体は、好ましくはH
URPのアミノ酸配列と約80%以上の配列の同一性、更に好ましくは約90%
以上の配列の同一性、最も好ましくは約95%以上の配列の同一性を有し、HU
RPの機能的特性或いは構造的特性のうちの少なくとも1つを保持している。
【0092】 本発明はまた、HURPをコードするポリヌクレオチドを含む。特定の実施例
において、本発明は、HURPをコードするSEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、SEQ
D NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ IDN
O:16からなるグループから選択された配列を含むポリヌクレオチド配列を含む。
【0093】 本発明はまた、HURPをコードするポリヌクレオチド配列の変異配列を含む
。詳細には、このポリヌクレオチド配列の変異配列は、好ましくはHURPをコ
ードするポリヌクレオチド配列と80%以上の配列の同一性を有し、更に好まし
くは90%以上の配列の同一性を有し、最も好ましくは95%以上の配列の同一
性を有する。また本発明の或る実施態様では、SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、S
EQD NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ I
DNO:16からなるグループから選択されたポリヌクレオチド配列と少なくとも約8
0%の配列同一性、好ましくは約90%以上の配列同一性、最も好ましくは約9
5%以上の配列同一性を有するSEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、SEQD NO:11、SEQ
ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ IDNO:16からなる
グループから選択されたポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。
【0094】 遺伝暗号の縮重により、作り出され得るHURPをコードする種々のポリヌク
レオチド配列には、既知の自然発生する任意の遺伝子のポリヌクレオチド配列と
最小の相同性しか有しないものも含まれることを、当業者は理解するであろう。
したがって本発明には、可能なコドン選択に基づいた組み合わせの選択によって
作り出され得る可能なポリヌクレオチド配列の変異の全てが含まれ得る。これら
の組み合わせは、自然発生のHURPのポリヌクレオチド配列に適用される標準
的なトリプレット遺伝暗号を基に作られ、全ての変異が明確に開示されていると
考慮する。
【0095】 HURPをコードするヌクレオチド配列及びその変異は、好適に選択された厳
密性の条件の下で、自然発生のHURPのヌクレオチドとハイブリダイズ可能な
ことが望ましいが、実質的に異なったコドンの使用法を備えるHURP又はその
誘導体をコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益となり得る。特定の
コドンが宿主によって利用される頻度に基づいてコドンを選択して、ペプチドの
発現が特定の真核細胞又は原核宿主に発生する割合を高めることが可能である。
コードされたアミノ酸配列を変えないで、HURP及びその誘導体をコードする
ヌクレオチド配列を実質的に変更する別の理由は、自然発生の配列から作られる
転写物より例えば長い半減期など好ましい特性を備えるRNA転写物を作ること
にある。
【0096】 本発明はまた、HURP及びその誘導体をコードするDNA配列又はそれらの
断片を完全に合成化学によって作り出すことも含む。作製後にこの合成配列を、
当分野で良く知られた試薬を用いて、種々の入手可能な発現ベクター及び細胞系
の何れの中にも挿入可能である。更に、合成化学を用いて、HURPまたはその
任意の断片をコードする配列の中に突然変異を導入することも可能である。
【0097】 更に本発明には、種々の厳密性条件の下で、請求項に記載されたポリヌクレオ
チド配列とハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド配列が含まれ、詳細には、厳
密性条件の下で、SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、SEQD NO:11、SEQ ID NO:12、S
EQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ IDNO:16またはそれらの断片に
示されているヌクレオチド配列とハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド配列が
含まれる。については、に記載されている(例えば、Wahl, G.M.及びS.L. Berger
(1987) Methods Enzymol. 152:399-407; and Kimmel. A.R. (1987) Methods En
zymol. 152:507-511.を参照)。
【0098】 当分野で良く知られ一般的に入手可能なDNAのシークエンシング方法を用い
て、本発明の何れの実施例も実行可能である。この方法には酵素が用いられる、
例えばDNAポリメラーゼIのクレノウ断片であるSequenase(US Biochemical社
, Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)、熱安定性T7ポリメラー ゼ(Amersham, Chicago IL)、或いはELONGASE増幅システム(GIBCO/BRL,Gaither
sburg, MD)にみられるような校正エキソヌクレアーゼとポリメラーゼとの組み合
わせである。このプロセスは、以下の装置を用いて自動化するのが好ましい。Ha
milton Micro Lab2200(Hamilton, Reno, NV)、Peltier Thermal Cycler(PTC2
00;MJ Reserch, Watertown MA)並びにABI Catalyst及び373及び377 DNAシーケ
ンサ(Perkin Elmer)等。
【0099】 部分的なヌクレオチド配列を利用し、当分野で既知の種々の方法を用いてHU
RPをコードする核酸配列を伸長し、プロモーターや調節エレメントなどの上流
にある配列を検出する。例えば「制限部位」PCR法を利用する1つの方法では
、一般的なプライマーを用いて既知の遺伝子座近傍の未知の配列を検索する(Sa
rkar, G. (1993) PCR Methods Applic 2:318-322を参照)。詳しくは、ベクター
内のリンカー配列と相補的なプライマー及びその遺伝子をコードするとされる領
域に対して特異的なプライマーの存在の下、ゲノムDNAを初めに増幅する。次
ぎに、増幅された配列は、同じリンカープライマーと初めのプライマーの中に含
まれる別の特異的プライマーを用いて、PCRの2回目を行う。PCRによる各
回の作製物を、好適なRNAを用いて転写し、逆転写酵素を用いて配列決定する
【0100】 既知の領域に基づく多岐にわたるプライマーを用いた配列の増幅或いは伸長は
、逆PCR法を用いて行うことが可能である(Triglia, T.等(1988)Nucleic A
cids Res 16:8186)。プライマーは、市販のOLIGO 4.06 Primer Analysis softw
are(National Biosciences社, Plymouth MN)或いは別の好適なプログラムなど
を用いて、長さが22〜30ヌクレオチド、GC含有率が50%以上、約68℃
〜72℃の温度で標的配列に対してアニールするよう設計される。この方法は幾
つかの制限酵素を用いて、遺伝子の既知の領域の好適な断片を作製する。次ぎに
この断片を分子内のライゲーションにより環状にし、PCRの鋳型として利用す
る。
【0101】 使用され得る別の方法にキャプチャPCR法がある。この方法には、ヒト及び
酵母菌人工染色体DNAの既知の配列に隣接するDNA断片のPCR増幅が含ま
れる(Lagerstrom, M.他(1991)PCR Methods Applic 1:111-119を参照)。また
この方法では、多数の制限酵素による消化及びライゲ−ションを用いて、PCR
を行う前にそのDNA分子の未知の断片の中に組換え二本鎖配列を配置すること
が可能である。また、未知の配列を得るために用い得る当分野で公知の別の方法
もある(例えば、 Parker, J.D. 他 (1991)Nucleic Acids Res. 19:3055-3060を 参照)。更に、PCR、ネスト化プライマー、PromoterFinderTMライブラリを用 いれば、ゲノムDNA内の歩行が可能である(Clontech, Palo Alto CA)。この
プロセスはライブラリをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エクソン
接合部を探すのに都合が良い。
【0102】 完全な長さのcDNAのスクリーニングの際は、サイズが選択された大きなc
DNAを含むライブラリを用いるのが好ましい。ランダムに初回抗原刺激を受け
たライブラリは、遺伝子の5'領域を含む配列をより多く含むという点で好適で ある。特にオリゴd(T)ライブラリが完全な長さのcDNAを産生できない場
合、ランダムに初回抗原刺激を受けたライブラリの使用が有用であろう。ゲノム
ライブラリは、5'非転写調節領域への配列の伸長に有用であろう。
【0103】 市販のキャピラリー電気泳動システムを用いて、シークエンシングまたはPC
R産物のヌクレオチド配列のサイズの分析、または確認が可能である。詳しくは
、キャピラリーシークエンシングは、電気泳動による分離のための流動性ポリマ
ー、及びレーザーで活性化される4つの異なった蛍光色素(各ヌクレオチドに1
つ)、CCDカメラによる放出された波長の検出に利用する。出力/光強度は、
適切なソフトウエア(例えばPerkin Elmer社のGenotyperTM及びSequence Naviga
torTM)を用いて電気信号に変換され、サンプルのローディングからコンピュー タ分析までのプロセス及び電子データ表示がコンピュータ制御可能である。キャ
ピラリー電気泳動法は、特定のサンプルに少量しか存在しないDNAの小片のシ
ークエンシングに特に適している。
【0104】 本発明の別の実施例では、HURPをコードするポリヌクレオチド配列または
その断片を組換えDNA分子に用いて、適切な宿主細胞内にHURP、その断片
または機能的等価物を発現させることが可能である。遺伝暗号固有の宿重により
、実質的に同じ或いは機能的に等価のアミノ酸配列をコードする別のDNA配列
が作られ得り、これらの配列をHURPのクローン化及び発現に利用可能である
【0105】 当業者が理解するように、非自然発生のコドンを有するHURPをコードする
ヌクレオチド配列を作り出すことは有益となり得る。例えば、原核細胞または真
核細胞の宿主に好ましいコドンが選択されて、タンパク質の発現の比率を高めた
り、好ましい特性例えば自然発生の配列から生成される転写物より半減期の長い
RNA転写物を作り出すことが可能である。
【0106】 種々の目的でHURPをコードする配列を変えるために、当分野で一般的に知
られている方法を用いて、本発明のヌクレオチド配列を組換え可能である。この
目的には、遺伝子産物のクローン化、プロセッシング及び/または発現を変える
変更が含まれるが、これらに限定されるものではない。ランダムな断片によるD
NAの混合や遺伝子断片と合成オリゴヌクレオチドのPCR再組み立てを用いて
、ヌクレオチド配列の組換えが可能である。例えば、部位特異的変異誘発によっ
て、新しい制限部位の挿入、グリコシル化パターンの変更、コドン優先の変更、
スプライスバリアントの生成、突然変異の誘発等が可能である。
【0107】 本発明の別の実施例によれば、自然発生のHURPをコードするの核酸配列、
変更されたHURPをコードするの核酸配列、または組換えHURPをコードす
る核酸配列を異種の配列に結合して、融合タンパク質をコードする配列にするこ
とが可能である。例えば、HURPの活性のインヒビターをペプチドライブラリ
からスクリーニングするとき、市販の抗体によって認識され得るキメラHURP
タンパク質をコードすることが役に立ち得る。融合タンパク質は、HURPをコ
ードする配列と異種のタンパク質配列との間の位置する切断部位を含むように設
計可能であり、これによってHURPを切断し、異種部分から離れて精製される
【0108】 別の実施例によれば、HURPをコードする配列は、当分野で周知の化学的方
法を用いて、全体或いは一部が合成可能である(Caruthers. M.H.等(1980)Nuc
Acids Res Symp Ser 7:215-223; Horn, T.他(1980)Nucl. Acids Res Symp. S
er.225-232を参照)。別法として、化学的方法を用いてタンパク質自体を作り出
して、HURPのアミノ酸配列またはその一部を合成することが可能である。例
えば、ペプチド合成は種々の固相技術(Roberge, J.Y.等(1995) Science 269:20
2-204を参照)を用いて実行可能である。また、合成の自動化は例えばABI 431A ペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer)を用いて達成し得る。
【0109】 この新しく合成されたペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィー(例え ば、Chiez, R.M. 及び F.Z. Regnier (1990)Methods Enzymol. 182:392-421を参
照)を用いて実質的に精製可能である。合成されたペプチドの組成は、アミノ酸 分析或いはシークエンシングにより確認することができる(例えば、Creighton.
T. (1983)Protein.s, Structures and Molecular Properties, WH Freeman and
Co., New York, NYを参照)。更にHURPのアミノ酸配列または任意のその一部
は、直接的な合成の際の変更、及び/または化学的方法を用いた他のタンパク質
または任意のその一部からの配列との組み合わせにより、変異体ポリペプチドを
作ることが可能である。
【0110】 生物学的に活性のHURPを発現するために、HURPをコードするヌクレオ
チド配列またはその誘導体が、好適な発現ベクター即ち挿入されたコーディング
配列の転写及び翻訳に必要なエレメントを含むベクターに挿入する。
【0111】 当業者に周知の方法を用いて、HURPをコードする配列、好適な転写及び翻
訳調節エレメントを含む発現ベクターを作製することが可能である。これらの方
法には、in vitro組換えDNA技術、合成技術、及びin vivo遺伝子組換え技術 が含まれる(例えば、 Sambrook, J. 他. (1989) Molecular Cloning. A Laborat
om Manual, Cold Spring Harbor Press,Plainview, NY, ch. 4, 8, 及びI6-17;
及び Ausubel, F.M. 他. (1995, and periodicsupplements) Current Protocols
irt Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York,NY. ch. 9, 13, 及び
16を参照)。
【0112】 種々の発現ベクター/宿主系を利用して、HURPをコードする配列の保持及
び発現が可能である。これらには、限定するものではないが、組換えバクテリオ
ファージ、プラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細
菌などの微生物や、酵母菌発現ベクターで形質転換された酵母菌や、ウイルス発
現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発
現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイ
クウイルス、TMV)または細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR32
2プラスミド)で形質転換された植物細胞系や、動物細胞系などが含まれる。
【0113】 「調節エレメント」或いは「調節配列」は非翻訳領域であり、例えば、転写及
び翻訳を実行するために宿主細胞タンパク質と相互作用するエンハンサー及びプ
ロモーター、ベクターの5'及び3'非翻訳領域、HURPをコードするポリヌク
レオチドなどである。このようなエレメントのその強さ及び特異性は、様々であ
る。使用するベクター系及び宿主によって、構成プロモーター及び誘導生プロモ
ーターを含む好適な転写及び翻訳エレメントが任意の数利用される。例えば、細
菌系にクローニングする場合は、Bluescript ファージミド(Stratagene, LaJol
la CA)またはpSportITMプラスミド(Gibco BRL)等のハイブリッドlacZプロモ ーターなどの誘導的プロモーターを用いることができる。バキュロウイルスポリ
ヘドリンプロモーターは、昆虫細胞に使用され得る。植物細胞由来のプロモータ
ー又はエンハンサー(例えば、熱ショック RUBISCO及び貯蔵タンパク質遺伝子)
又は植物ウイルス由来のプロモーター又はエンハンサー(例えば、ウイルス性プ
ロモータ或いはリーダー配列)は、ベクターの中にクローニング可能である。哺
乳動物細胞系においては、哺乳動物遺伝子或いは哺乳動物ウイルス由来のプロモ
ーターが好ましい。HURPをコードする配列の多数の複製を含む細胞系を作り
出す必要がある場合は、SV40またはEBVベースのベクターを好適な選択可能なマ ーカーと共に用いる。
【0114】 細菌系では、多数の発現ベクターがHURPの使用目的に応じて選択可能であ
る。例えば、抗体の誘発に多量のHURPが必要な場合には、精製が容易な融合
タンパク質のハイレベルな発現を誘導するベクターが使用される。このようなベ
クターには、Bluescript(Stratagene)(HURPをコードする配列が、アミノ
末端メチオニン及び後続のβ−ガラクトシダーゼの7残基の配列を備えたフレー
ム内のベクターに結合可能であり、ハイブリッドタンパク質が生成される)など
の多機能の大腸菌クローニング及び発現ベクターや、pINベクター等が含まれる が、これらに限定されるものではない(例えば、Van Heeke, G.及びS.M. Schust
er(1989)J. Biol. Chem. 264:5503-5509を参照)。またpGEXベクター(Amersha
m Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)も、グルタチオンS−トランスフェラー
ゼ(GST)との融合タンパク質として外来ポリペプチドを発現するために用いる ことができる。一般に、このような融合タンパク質は可溶性であり、グルタチオ
ンアガロースビーズへ吸着させた後にフリーのグルタチオンの存在下で溶出させ
ることによって溶解した細胞から容易に精製できる。そのような系において生成
されるタンパク質は、ヘパリン、トロンビン或いはXA因子プロテアーゼ切断部
位を含むように設計され、目的のクローン化ポリペプチドがGST部分から自由に 放出され得る。
【0115】 酵母菌サッカロミセス−セレビジエでは、α因子やアルコールオキシダーゼや
PGHなどの構成的或いは誘導的プロモーターを含む多種のベクターが使用可能
である(例えば、Ausubel, 前出; 及び Grant他 (1987) Methods Enzymol. 153:5
16-544を参照)。
【0116】 植物発現ベクターが用いられる場合、HURPをコードする配列の発現は、多
種のプロモーターの内の任意のプロモーターによって促進される得る。例えば、
CaMV由来の35S及び19Sプロモーターなどのウイルスプロモーターが単
独で、或いはTMV(Takamatsu, N.等(1987)EMBO J 6:307-311)由来のオメ ガリーダー配列との組み合わせで用いられ得る。別法では、RUBISCOの小
さなサブユニットまたは熱ショックプロモーターなどの植物プロモーターが用い
られる(例えば、Coruzzi, G.他(1984)EMBO J 3:1671-1680); Broglie, R.他
(1984)Science 224:838-843; 及びWinter, J.他(1991)Results Probl. Cell
Differ. 17:85-105を参照)。これらの作製物は、直接のDNA形質転換或いは
病原体を介したトランスフェクションによって、植物細胞の中に導入可能である
。このような技術は、多数の一般に入手可能な文献に記載されている(例えば、
Hobbs, S.又はMurry, L.E. in McGraw Hill Yearbook of Science and Technolo gy (1992)McGraw Hill NY, pp.191-196を参照)。
【0117】 昆虫系もHURPの発現に用いられ得る。例えば、そのような1つの系では、 Spodoptera frugiperda細胞或いはTrichoplusiaの幼虫において外来遺伝子を発 現するためのベクターとして、Autographa californica核多角体病ウイルス(Ac
NPV)を用いる。HURPをコードする配列は、ポリヘドリン遺伝子などのウイ ルスの非必須領域にクローニングされ、ポリヘドリンプロモーターの制御下に置
くことが可能である。HURPをコードする配列の挿入の成功により、ポリヘド
リン遺伝子が不活性化され、コートタンパク質が欠けている組換えのウイルスが
生成される。次ぎに、組換えのウイルスが、例えば、HURPを発現し得るS. f rugiperda 細胞或いはTrichoplusiaの幼虫を感染させるのに用いられ得る(例えば
、Engelhard. E.K. 他. (1994) Proc. Nat. Acad. Sci.91:3224-3227を参照)。
【0118】 哺乳動物宿主細胞では、多種のウイルスベースの発現系が利用され得る。アデ
ノウイルスが発現ベクターとして用いられる場合、後発プロモーター及び3連リ
ーダー配列からなるアデノウイルス転写物/翻訳複合体にHURPをコードする
配列を結合し得る。ウイルスのゲノムの非必須のE1またはE3領域への挿入に
より、感染した宿主細胞にHURPを発現できる生ウイルスを得ることが可能で
ある(Logan, J.及びShenk, T.(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:3655-3659 を参照)。さらに、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハ ンサーを用いて、哺乳動物宿主細胞における発現を増大させることが可能である
【0119】 ヒト人工染色体(HACs)を用いて、プラスミドで発現し含まれているものより
大きなDNAの断片を供給可能である。治療のために約6kb〜10MbのHA
Csを作製し、従来の方法(リボソーム、ポリカチオンアミノポリマー、または
ベシクル)で供給する。
【0120】 HURPをコードする配列のより効率的な翻訳を達成するために、特定の開始
シグナルが利用可能である。このようなシグナルには、開始コドン及び隣接する
配列も含まれる。HURPをコードする配列、その開始コドン、及び上流の配列
が好適な発現ベクターの中に挿入される場合、追加の転写または翻訳制御シグナ
ルを必要としない。しかしながら、コーディング配列、またはその断片のみが挿
入される場合は、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制御シグナルを供給しなけ
ればならない。さらに、全ての挿入の翻訳を確実にするために、開始コドンが正
しい読取り枠になければならない。外来の翻訳エレメント及び開始コドンには、
天然及び合成の両方の起源をもつ様々なものが可能である。細胞系に用いるのに
好適なエンハンサーが含まれると、こ発現の効率が高まる(例えば、Scharf. D.
他(1994) Results Probl. Cell Differ. 20:125-162を参照)。
【0121】 さらに、挿入した配列の発現調節能力またはタンパク質の発現を所望の形にプ
ロセシングする能力によって宿主細胞株が選択される。このようなポリペプチド
の修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(
lipidation)、及びアシル化が含まれるが、これらに限定されるものではない。
タンパク質の「prepo」形を切断する翻訳後のプロセシングを、正しい挿入、折 りたたみ及び/または機能を高めるために用いることが可能である。修飾語の活
性のための特定の細胞装置及び特徴のある機構をもつ異なった宿主細胞(例えば
、CHO、HeLa、MDCK、MEK293、WI38)がAmerican Type Culture Collection(ATC
C; Bethesda, MD)より入手可能であり、外来のタンパク質の正しい修飾及びプ ロセシングを確実にするために選択される。
【0122】 組換えタンパク質の長期にわたる高収率の産生のためには、安定した発現が望
ましい。例えば、安定してHURPを発現する細胞系が、発現ベクターを用いて
形質転換が可能である。この発現ベクターは、ウイルス起源の複製及び/または
内在性の発現エレメントや、同じ或いは別のベクターの上の選択マーカー遺伝子
を含む。ベクターの導入の後、細胞を選択培地に移す前に、強化培地で約1〜2
日の間増殖させる。選択マーカーの目的は選択に対する抵抗性を与えるとともに
、その存在により導入された配列をうまく発現する細胞の増殖及び回収が可能と
なる。安定的に形質転換された細胞の耐性クローンは、その細胞型に好適な組織
培養技術を用いて増殖可能である。
【0123】 任意の数の選択系を用いて、形質転換された細胞系を回収することが可能であ
る。選択系には、以下のものに限定はしないが、単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ遺伝子及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が含まれ
、それぞれtk-又はaprt-細胞において用いることが可能である(例えば、Wigler,
M. 他 (1977) Cell 11:223-232; and Lowy. I. 他(1980) Cell 22:817-823を参
照)。また代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を選択のベースとして 用いることができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え、npt はアミノグリコシッドネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え、als或いはpa
tはクロルスルフロン(chlorsulfuron)、ホスフィノトリシンアセチルトランス
フェラーゼ(phosphinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(例え
ば、Wigler, M. 他. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. 77:3567-3570; Colbere-G
arapin, F. 他(1981) J. Mol. Biol. 150:1-14; 及び上記のMurryを参照)。さら
に選択に利用できる遺伝子、例えば、細胞がトリプトファンの代わりにインドー
ルを利用できるtrpB、または細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノール(histin
ol)を利用できるhisDが文献に記載されている(Hartman, S.C.及びR.C. Mullig
an(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. 85:8047-51を参照)。アニトシアニン、β グルクロニダーゼ及びその基質GUS,ルシフェラーゼ及びその基質ルシフェリ
ンなどのマーカーによって、最近、可視マーカーの使用が一般的になってきた。
緑色蛍光タンパク質(GFP)(Clontech, Palo Alto, CA)も使用される(例えば
、Chalfie, M.他(1994) Science 263:802-805を参照)。これらのマーカーを用い
て、トランスフォーマントを特定するだけでなく、特定のベクター系に起因する
一過性或いは安定したタンパク質発現を定量することが可能である(例えば、Rh
odes, C.A.他(1995)Methods Mol. Biol. 55:121-131を参照)。
【0124】 マーカー遺伝子の発現の存在/不在によって目的の遺伝子の存在が示されても
、その遺伝子の存在及び発現の確認が必要な場合もある。例えば、HURPをコ
ードする配列がマーカー遺伝子配列の中に挿入された場合、HURPをコードす
る配列を含む形質転換された細胞は、マーカー遺伝子機能の欠落により特定可能
である。または、1つのプロモーターの制御下でマーカー遺伝子がHURPをコ
ードする配列と一列に配置することも可能である。誘導または選択に応答したマ
ーカー遺伝子の発現は、通常タンデム遺伝子の発現も示す。
【0125】 または、HURPをコードする核酸配列を含むと共に、HURPを発現する宿
主細胞は、当業者に周知の種々の方法を用いて特定することが可能である。これ
らの方法には、DNA−DNA或いはDNA−RNAや、核酸或いはタンパク質
の検出及び/または数量化のための膜系、溶液ベース、或いはチップベースの技
術を含むタンパク質生物学的試験法または免疫学的アッセイが含まれるが、これ
らに限定されるものではない。
【0126】 HURPをコードするポリヌクレオチド配列の存在は、HURPをコードする
ポリヌクレオチドのプローブや断片或いは一部を用いた、DNA−DNAまたは
DNA−RNAハイブリダイゼーションや増幅によって検出可能である。核酸増
幅に基づいたアッセイでは、HURPをコードするDNA或いはRNAを含む形
質転換体を検出するために、HURPをコードする配列に基づいたオリゴヌクレ
オチド或いはオリゴマーを使用する。
【0127】 HURPの発現の検出及び計測のための種々のプロトコルには、当分野で周知
のタンパク質に特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちら
かを用いる。このような技法には、酵素に結合したイムノソルベントアッセイ(
ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光標示式細胞分取器(FACS)などが
ある。HURP上の2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用
いた、2部位のモノクローナルベースイムノアッセイ(two-site, monoclonal-b
ased immunoassay)が好ましいが、競合の結合アッセイも用いることもできる。
これらのアッセイ及びその他のアッセイは、当分野では十分に知られている(例 えば、Hampton, R.他(1990) Serological Methods, a Laboratory Manual, APS
Press. St Paul, MN, Section-37-IV; 及び Maddox, D.E. 他 (1983) J. Exp. M
ed. 158:1211-1216を参照)。
【0128】 種々の標識方法及び結合方法が当業者には周知であり、様々な核酸アッセイお
よびアミノ酸アッセイに用いられ得る。HURPをコードするポリヌクレオチド
に関連する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブ
或いはPCRプローブを生成する方法には、オリゴ標識化、ニックトランスレー
ション、末端標識化、または標識されたヌクレオチドを用いるPCR増幅が含ま
れる。別法として、HURPをコードする配列、またはその任意の断片をmRN
Aプローブを生成するためのベクターにクローニングすることも可能である。当
分野では周知であり市販されているこのようなベクターを、T7,T3,または
SP6などの好適なRNAポリメラーゼ及び標識されたヌクレオチドの追加によ
って、in vitroでのRNAプローブの合成に用いることができる。これらの方法
は、例えば、Pharmacia&Upjohn(Kalamazoo, MI)及びPromega(Madison WI) 、U.S. Biochemical Corp(Cleveland OH)が市販する種々のキットを用いて行 うことができる。容易な検出のために用い得る好適なレポーター分子或いは標識
には、基質、コファクター、インヒビター、磁気粒子、及び放射性核種、酵素、
蛍光剤、化学発光剤、色素産生剤などが含まれる。
【0129】 HURPをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培
地でのこのタンパク質の出現及び回収に好適な条件の下で培養される。形質転換
された細胞で作製されたタンパク質が分泌されるか細胞内に留まるかは、使用さ
れるその配列及び/またはそのベクターによる。HURPをコードするポリヌク
レオチドを含む発現ベクターは、原核細胞膜及び真核細胞膜を通ってHURPの
分泌を誘導するシグナル配列を含むように設計できることは、当業者には理解さ
れよう。別の作製物を用いて、HURPをコードする配列を、可溶性タンパク質
の精製を促すポリペプチド領域をコードするヌクレオチド配列と結合させること
も可能である。このような精製を促す領域には、固定された金属上での精製を可
能とするヒスチジントリプトファンモジュールなどの金属キレートペプチド、固
定された免疫グロブリンでの精製を可能とするタンパク質A領域、FLAGS伸
長/アフィニティー精製システム(Immunex Corp., Seattle WA)に用いられる 領域が含まれるが、これらに限定されるものではない。精製領域と配列をコード
するHURPとの間のXA因子或いはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego,
CA)に特異的なものなどの切断可能なリンカー配列を含むものを用いて、精製が 促進され得る。このような発現ベクターの1つは、HURPと、チオレドキシン
或いはエンテロキナーゼ切断部位に先行する6ヒスチジン残基をコードする核酸
とを含む融合タンパク質を発現させる。ヒスチジン残基は、固定された金属イオ
ンアフィニティクロマトグラフィー上で精製を促進する(IMAC)(例えば、Porath
, J他(1992); Protein Exp. Purif. 3:263-281を参照)。エンテロキナーゼ切
断部位が、融合タンパク質からHURPを精製する手段を提供する(例えば、Kro
ll, D.J.他(1993); DNA Cell Biol. 12:441-453を参照)。
【0130】 HURPの断片は、組換え生成物だけでなく固相技術を用いて直接的なペプチ
ド合成によって作製され得る(例えば、Creighton, T.E.(1984) Protein: Struct
ures and Molecular Properties, pp. 55-60. W.H. Freeman and Co.,New York.
NYを参照)。タンパク質の合成は、手動或いは自動で行われ得る。自動合成は、
例えばApplied Biosystem 431Aペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer)を用いて
行うことが可能である。HURPの種々の断片は別々に合成して、次ぎに結合さ
せて完全長分子を生成する。
【0131】 治療 HURP−1とマウス由来のリガチン(GI 1377880)との間に、化学的及び構造
的相同性が存在する。更に、HURP−1は、癌性組織及び炎症性組織、胎児/
増殖性組織、生殖組織において発現する。従って、HURP−1は、癌及び自己
免疫/炎症性疾患、生殖障害、発生障害において一定の役割を果たしていること
が明らかである。
【0132】 HURP−2とマウス由来の縮れ6推定膜貫通受容体(GI 1151256)との間に、
化学的及び構造的相同性が存在する。更に、HURP−2は、癌性組織及び炎症
性組織、胎児/増殖性組織、生殖組織において発現する。従って、HURP−2
は、癌及び自己免疫/炎症性疾患、生殖障害、発生障害において一定の役割を果
たしていることが明らかである。
【0133】 HURP−3とラット由来のIgE受容体βサブユニットタンパク質(GI 2041
17)とヒト由来のCD20タンパク質(GI 179308)との間に、化学的及び構造的相
同性が存在する。更に、HURP−3は、癌性組織及び炎症性組織、小腸組織、
大腸組織において発現する。従って、HURP−3は、癌及び自己免疫/炎症性
疾患、胃腸疾患において一定の役割を果たしていることが明らかである。
【0134】 HURP−4とラット由来のIgE受容体βサブユニットタンパク質(GI 2041
17)とヒト由来のCD20タンパク質(GI 179308)との間に、化学的及び構造的相
同性が存在する。更に、HURP−4は、癌性組織及び炎症性組織、造血/免疫
組織、胃腸組織において発現する。従って、HURP−4は、癌及び自己免疫/
炎症性疾患、胃腸疾患において一定の役割を果たしていることが明らかである。
【0135】 HURP−5とマウス由来のCGRP受容体成分タンパク質(GI 2599066)との
間に、化学的及び構造的相同性が存在する。更に、HURP−5は、癌性組織及
び炎症性組織において発現する。従って、HURP−5は、癌及び自己免疫/炎
症性疾患、生殖障害において一定の役割を果たしていることが明らかである。
【0136】 HURP−6とマウス由来のシグナル認識粒子受容体βサブユニット(GI 6008
86)との間に、化学的及び構造的相同性が存在する。更に、HURP−6は、癌 性組織及び炎症性組織、生殖組織、胃腸組織において発現する。従って、HUR
P−6は、癌及び自己免疫/炎症性疾患、生殖障害、胃腸疾患において一定の役
割を果たしていることが明らかである。
【0137】 HURP−7は、癌性組織及び炎症性組織、生殖組織、胃腸組織において発現
する。従って、HURP−7は、癌及び自己免疫/炎症性疾患、生殖障害、胃腸
疾患において一定の役割を果たしていることが明らかである。
【0138】 HURP−8とヒト由来のT細胞受容体β(GI 1100182)との間に、化学的相同
性及び構造的相同性が存在する。更に、HURP−8は、癌性組織及び炎症性組
織、造血/免疫組織、胃腸組織において発現する。従って、HURP−8は、癌
及び自己免疫/炎症性疾患、胃腸疾患において一定の役割を果たしていることが
明らかである。
【0139】 従って、或る実施例によれば、癌の予防及び治療のため患者にHURPのアン
タゴニストを投与可能である。上記の癌には、腺癌、白血病、リンパ腫、黒色腫
、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、
頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲
状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、子宮の癌が含まれ得る
が、これらに限定されるものではない。或る実施態様では、特異的にHURPと
結合する抗体が、直接的にアンタゴニストとして、或いはHURPを発現する細
胞または組織に薬物を運ぶための標的或いは運搬機構として間接的に使用され得
る。
【0140】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の癌の治療または
予防のために、HURPをコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現するベ
クターを患者に投与することもできる。
【0141】 別の実施例では、HURPのアンタゴニストを、自己免疫/炎症性疾患の予防
及び治療のために患者に投与し得る。このような疾患には、AIDS,副腎機能
不全、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、
喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、
気管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖
尿病、肺気腫、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群
、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、エ
リテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋又は心膜炎症、骨関節炎、
骨粗しょう症、膵炎、多発性筋炎、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症
候群、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、潰瘍
性大腸炎、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環と、ウィルス及び
細菌、真菌、寄生虫、原虫、蠕虫の感染症、外傷が含まれ得るが、これらに限定
されるものではない。一実施態様によれば、HURPと特異的に結合する抗体が
、直接アンタゴニストとして、或いはHURPを発現する細胞または組織に薬剤
を運ぶ標的機構或いは運搬機構として間接的に用いられ得る。
【0142】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の自己免疫/炎症
性疾患の治療または予防のために、HURPをコードするポリヌクレオチドの相
補配列を発現するベクターを患者に投与することもできる。
【0143】 別の実施例では、HURP−1及びHURP−2、HURP−5、HURP−
6、HURP−7のアンタゴニストを、生殖障害の予防及び治療のために患者に
投与し得る。このような疾患には、プロラクチンの産生異常と、卵管病及び排卵
異常、子宮内膜症、発情期異常、月経周期異常、多嚢胞卵巣症候群、卵巣過剰刺
激症候群、子宮内膜癌及び卵巣癌、自己免疫疾患、異所性妊娠、奇形発生を含む
不妊症と、乳癌、線維嚢胞性乳癌、溢乳と、精子形成異常、生理学上の精子異常
、精巣癌、前立腺癌、良性の前立腺過形成、前立腺炎、男性乳房及び女性化乳房
癌とが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。一実施態様によれば、
HURP−1及びHURP−2、HURP−5、HURP−6、HURP−7と
特異的に結合する抗体が、直接アンタゴニストとして、或いはHURP−1及び
HURP−2、HURP−5、HURP−6、HURP−7を発現する細胞また
は組織に薬剤を運ぶ標的機構或いは運搬機構として間接的に用いられ得る。
【0144】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の生殖障害の治療
または予防のために、HURP−1及びHURP−2、HURP−5、HURP
−6、HURP−7をコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現するベクタ
ーを患者に投与することもできる。
【0145】 別の実施例では、HURP−3及びHURP−4、HURP−6、HURP−
7のアンタゴニストを、胃腸疾患の予防及び治療のために患者に投与し得る。こ
のような疾患には、嚥下障害、消化性食道炎、攣縮食道炎、食道狭窄、食道癌、
消化不良、消化障害、胃炎、胃癌、食欲不振症、吐き気、嘔吐、胃不全麻痺、洞
性浮腫または幽門浮腫、腹部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、イレウス、腸管感染、
消化性潰瘍、胆石症、胆嚢炎、膵臓炎、膵臓癌、胆管疾患、肝炎、ビリルビン過
剰血症、硬変、肝臓受動性うっ血、ヘパトーム、感染性大腸炎、潰瘍性大腸炎、
潰瘍性直腸炎、クローン病、ウィップル病、マロリー‐ヴァイス症候群、結腸癌
、結腸閉塞、過敏性腸症候群、短小腸症候群、下痢、便秘、胃腸出血、エイズ腸
症が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。一実施態様によれば、H
URP−3及びHURP−4、HURP−6、HURP−7と特異的に結合する
抗体が、直接アンタゴニストとして、或いはHURP−3及びHURP−4、H
URP−6、HURP−7を発現する細胞または組織に薬剤を運ぶ標的機構或い
は運搬機構として間接的に用いられ得る。
【0146】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の胃腸障害の治療
または予防のために、HURP−3及びHURP−4、HURP−6、HURP
−7をコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現するベクターを患者に投与
することもできる。
【0147】 従って、一実施例によれば、HURP−8或いはその断片、その誘導体を、胃
腸疾患の予防及び治療のために患者に投与し得る。このような疾患には、嚥下障
害、消化性食道炎、攣縮食道炎、食道狭窄、食道癌、消化不良、消化障害、胃炎
、胃癌、食欲不振症、吐き気、嘔吐、胃不全麻痺、洞性浮腫または幽門浮腫、腹
部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、イレウス、腸管感染、消化性潰瘍、胆石症、胆嚢
炎、膵臓炎、膵臓癌、胆管疾患、肝炎、ビリルビン過剰血症、硬変、肝臓受動性
うっ血、ヘパトーム、感染性大腸炎、潰瘍性大腸炎、潰瘍性直腸炎、クローン病
、ウィップル病、マロリー‐ヴァイス症候群、結腸癌、結腸閉塞、過敏性腸症候
群、短小腸症候群、下痢、便秘、胃腸出血、エイズ腸症が含まれ得るが、これら
に限定されるものではない。
【0148】 別の実施例によれば、限定するものではないが上に列記した種類の胃腸障害の
治療または予防のために、HURP−8或いはその断片、その誘導体を発現し得
るベクターを患者に投与することもできる。
【0149】 更に、別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の胃腸障害
の治療または予防のために、実質的に精製されたHURP−8を含む医薬用組成
物を好適な医薬用担体と共に患者に投与することもできる。
【0150】 更に、別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の胃腸障害
の治療または予防のために、HURP−8の活性を強めるアゴニストを患者に投
与することもできる。
【0151】 従って、一実施例では、発生障害の治療または予防のために、HURP−1及
びHURP−2及びそれらの断片、それらの誘導体を患者に投与することもでき
る。このような疾患には、尿細管性アシドーシス、貧血、クッシング症候群、軟
骨形成不全性小人症、デュシェンヌ型筋ジストロフィ、ベッカー型偽肥大性筋ジ
ストロフィ、性腺無形成、WAGR症候群、スミス‐マジェニス症候群(Smith- Mage
nis- syndrome)、異形成脊髄、遺伝性粘膜上皮異形成、遺伝性角皮症、シャルコ
ー‐マリー‐ツース病及び神経線維腫症などの遺伝性神経病、甲状腺機能低下症
、水頭症、舞踏病(Syndenham's chorea)及び脳性小児麻痺などの発作、脊髄2分
裂、先天性緑内障、白内障、感覚神経性聴力損失が含まれ得るが、これらに限定
されるものではない。
【0152】 別の実施例によれば、限定するものではないが上に列記した種類の発生障害の
治療または予防のために、HURP−1及びHURP−2、或いはそれらの断片
、それらの誘導体を発現し得るベクターを患者に投与することもできる。
【0153】 更に、別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の発生障害
の治療または予防のために、実質的に精製されたHURP−1及びHURP−2
を含む医薬用組成物を好適な医薬用担体と共に患者に投与することもできる。
【0154】 更に、別の実施例では、限定するものではないが上に列記した種類の発生障害
の治療または予防のために、HURP−1及びHURP−2の活性を強めるアゴ
ニストを患者に投与することもできる。
【0155】 別の実施例では、本発明の治療用タンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニ
スト、相補的な配列、ベクターの何れかを別の好適な治療薬と組み合わせて投与
することもできる。当業者は、従来の医薬原理にしたがって併用療法で用いる好
適な治療薬を選択可能である。治療薬との組み合わせにより、上に列記した種々
の疾患の治療または予防に相乗効果をもたらし得る。この方法を用いて少ない量
の各薬剤で医薬効果をあげることが可能であり、広範囲な副作用の可能性を低減
し得る。
【0156】 HURPのアンタゴニストは、当分野で一般的な方法を用いて製造することが
可能である。詳しくは、精製されたHURPを用いて抗体を作ったり、治療薬の
ライブラリをスクリーニングしてHURPと特異的に結合するものを同定が可能
である。HURPの抗体も、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能
である。このような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメ
ラ抗体、一本鎖、Fabフラグメント、及びFab発現ライブラリによって作ら
れたフラグメントが含まれる。但し、これらに限定されるものではない。治療用
には、中和抗体(即ち、二量体の形成を阻害するもの)が特に好ましい。
【0157】 抗体の作製のためには、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト及びその他のも
のを含む種々の宿主が、HURPまたは任意の断片、または免疫原性の特性を備
えるそのオリゴペプチドの注入によって免疫化され得る。宿主の種に応じて、種
々のアジュバントを用いて免疫応答を高めることもできる。このようなアジュバ
ントにはフロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲルアジ
ュバント、リゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油
性乳剤、キーホールリンペットヘモシニアン、及びジニトロフェノールなどの界
面活性剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。ヒトに用いられるア
ジュバントの中では、BCG(bacilli Calmette-Guerin)及びCorynebacterium parvum が特に好ましい。
【0158】 HURPに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド
、または断片は、約5以上のアミノ酸からなるアミノ酸配列が望ましく、更に望
ましいのは約10以上のアミノ酸からなるものである。これらのオリゴペプチド
或いはペプチド、またはそれらの断片は、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一
部と同一であることが望ましく、小さな自然発生の分子のアミノ酸配列全体も含
む。HURPアミノ酸の短い伸展部は、KLH(キーホールリンペットヘモシニ アン)などの別のタンパク質の配列と融合し、キメラ分子に対する抗体が産生さ れ得る。
【0159】 HURPに対するモノクローナル抗体は、培地内の連続した細胞株によって、
抗体分子を産生する任意の技術を用いて作製することが可能である。これらの技
術には、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及びEBV−ハ
イブリドーマ技術が含まれるが、これらに限定されるものではない(例えば、Ko
hler, G. 等. (1975) Nature 256:495-497; Kozbor, D. 等. (1985) .J. Immuno
l. Methods 81.:31-42; Cote, R.J. 等. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:20
26-2030; Cole, S.P. 等. (1984) Mol. Cell Biol. 62:109-120を参照)。
【0160】 更に、「キメラ抗体」の作製のために発達したヒト抗体遺伝子にマウス抗体遺
伝子をスプライシングするなどの技術が、好適な抗原特異性及び生物学的活性を
備える分子を得るために用いられる(例えば、Morrison, S.L.他. (1984) Proc.
Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855; Neuberger, M.S.他. (1984) Nature 312:604
-608; Takeda, S.等. (1985) Nature 314:452,454を参照)。別法では、当分野 で周知の方法を用いて、一本鎖抗体の産生のための記載された技術を適用して、
HURP特異性一本鎖抗体を生成する。関連する特異性を備えるが別のイディオ
タイプの組成の抗体は、ランダムな組み合わせの免疫グロブリンライブラリから
鎖混合によって生成することもできる(例えば、Burton D.R. (1991) Proc. Nat
l. Acad. Sci. 88:11120-3を参照)。
【0161】 抗体は、in vivoでのリンパ球集団の中の生成を誘発することによって、また は免疫グロブリンライブラリのスクリーニング又は文献に示されているような、
高度に特異的な結合試薬のパネルをスクリーニングすることによって、作製する
こともできる(例えば、Orlandi, R. 他. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 86:
3833-3837; Winter, G. 他. (1991) Nature 349:293-299を参照)。
【0162】 HURPに対する特異的な結合部位を含む抗体も作製することができる。例え
ば、このような断片には、抗体分子のペプシン消化によって生成されるF(ab
’)2断片と、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を減じることによって生
成されるFab断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。別法では
、Fab発現ライブラリを作製することによって、所望の特異性とモノクローナ
ルFab断片の迅速且つ容易な同定が可能となる(例えば、Huse, W.D. 等. (19
89) Science 254:1275-1281を参照)。
【0163】 種々のイムノアッセイを用いてスクリーニングし、所望の特異性を有する抗体
を同定する。隔離された特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体の何れかを用いる競合的な結合、または免疫放射線活性のための数々のプ
ロトコルが、当分野では周知である。通常このようなイムノアッセイには、HU
RPとその特異性抗体との間の複合体調整の計測が含まれる。二つの非干渉性H
URPエピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を用いる、2部位モノク
ローナルベースのイムノアッセイが好ましいが、競合的結合アッセイも利用する
ことができる(Maddox, 前出)。
【0164】 本発明の別の実施例では、HURPをコードするポリヌクレオチド、または任
意の断片またはその相補配列が、治療目的で使用することができる。ある実施形
態では、HURPをコードするポリヌクレオチドの相補配列がmRNAの転写を
阻止するのに好適である場合、これを使用することができる。特に細胞は、HU
RPをコードするポリヌクレオチドと相補的な配列で形質転換することもできる
。したがって、相補的分子または断片は、HURPの活性の調節、または遺伝子
機能の調節のために使用することができる。このような技術は当分野では周知で
あり、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは大きな断片が、HU
RPをコードする配列の制御領域から、またはコード領域に沿ったさまざまな位
置から設計可能である。
【0165】 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス又はワクシニア、又は様々な細菌
性プラスミド由来の発現ベクターを用いて、ヌクレオチド配列を標的の器官、組
織又は細胞集団に運ぶこともできる。当業者に周知の方法を用いてHURPをコ
ードする遺伝子のポリヌクレオチドと相補的な核酸配列を発現するベクターを作
製することができる(例えば、前出のSambrook 他、及び前出のAusubel 他による
ものを参照)。
【0166】 HURPをコードする遺伝子は、HURPをコードするポリヌクレオチド又は
その断片を高いレベルで発現する発現ベクターで、細胞又は組織を形質転換する
ことによって止めることができる。このような作製物を用いて翻訳できないセン
ス又はアンチセンス配列を細胞の中に導入することができる。DNAの中に組み
入れられない場合でも、このようなベクターは内在性のヌクレアーゼによって機
能が損なわれるまでmRNA分子を転写し続ける。非複製ベクターでも一過性の
発現を一ヶ月以上に亘って続け、好適な複製エレメントがベクター系の一部であ
る場合はさらに長く持続し得る。
【0167】 上記した通り、遺伝子の発現は、HURPをコードする遺伝子の制御5’また
は調節領域に対する相補的な配列またはアンチセンス分子(DNA或いはRNA
、PNA)を設計することによって調節することができる。転写開始部位、即ち
開始部位から−10と+10との間の領域に由来するオリゴヌクレオチドが好適
である場合と同様に、「三重らせん」と塩基対合法を用いて阻止することができ
る。三重らせん構造は、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、または調節分子
の結合のために十分に広がるのを阻止するため有益である。三重式DNAを用い
る最近の治療の進歩は文献に記載されている(例えば、Gee, J.E. 等. (1994) I
n: Huber, B.E. 及び B.I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Fut
ura Publishing Co., Mt. Kisco, NYを参照)。相補的な配列またはアンチセン ス分子もまた、転写物がリボソームに結合するのを阻止することによってmRN
Aの翻訳を阻止するように設計できる。
【0168】 酵素性RNA分子であるリボザイムは、RNAの特異的切断を触媒するために
用いることができる。リボザイム作用の機構には、相補的な標的RNAへのリボ
ザイム分子の配列特異性ハイブリダイゼーションが含まれ、ヌクレオチド鎖切断
が続く。例えば、HURPをコードする配列のヌクレオチド鎖切断を、特異的且
つ効果的に触媒する組換え型のハンマーヘッド型リボザイム分子が含まれる。
【0169】 任意の潜在的RNA標的の中の特異的なリボザイム切断部位が、後続の配列G
UA、GUU、及びGUCを含むリボザイム切断部位に対して、標的分子をスキ
ャニングすることによって初めに同定される。一度同定されると、切断部位を含
む標的遺伝子の領域に対応する15個から20個のリボヌクレオチドの短いRN
A配列を、オリゴヌクレオチドの機能を不全にする二次的な構造の特徴について
評価することが可能である。候補標的の適合性も、リボヌクレアーゼ保護アッセ
イを用いて、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの容易性
をテストすることによって評価することが可能である。
【0170】 本発明の相補的なリボ核酸分子及びリボザイムは、当分野で周知の方法を用い
て、核酸分子の合成のために作製することができる。これらの方法には、固相ホ
スホラミダイト化合物などのオリゴヌクレオチドを化学的に合成する方法が含ま
れる。別法では、RNA分子がin vitro及びin vivoでHURPをコードするD NA配列の転写によって生成され得る、このようなDNA配列はT7またはSP
6等の好適なRNAポリメラーゼプロモータを用いて、種々のベクターの中に組
み入れることが可能である。別法では、相補的なRNAを構成的または誘導的に
合成するこれらのcDNA作製物は、細胞株、細胞、または組織の中に導入する
ことができる。
【0171】 RNA分子を修飾することによって、細胞内の安定性を高め、半減期を長くす
ることができる。可能な修飾には、分子の5’及び/または3’端部でのフラン
キング配列の追加、または分子のバックボーン内でのホスホジエステラーゼ結合
よりむしろホスホロチオネート又は2’Oメチルの使用が含まれる、がこれらに
限定されるものではない。PNAの生成に固有のこの概念は、内在性のエンドヌ
クレアーゼによって容易には認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミ
ン、及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び同様の修飾形態だけで
なく、イノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブトシン(wybutosine)
などの従来のものでない塩基を含めるこによって、これらの分子の全体に拡大す
ることができる。
【0172】 ベクターを細胞又は組織に導入する多数の方法が利用でき、in vivoin vitr o 、及びex vivoでの使用に等しく適している。ex vivoでの治療の場合、患者か ら採取された肝細胞の中にベクターを導入して、自家移植で同じ患者に戻すため
にクローニング増殖される。トランスフェクション、リボソーム注入またはポリ
カチオンアミノポリマーによる運搬は、当分野で周知の方法を用いて実行するこ
とができる(例えば、Goldman, C.K. 他. (1997) Nature Biotechnology 15:462
-66:を参照)。
【0173】 上記したいかなる治療方法も、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル
、及び最も好ましいヒトなどの哺乳動物を含む、治療が必要な全ての被験者に適
用できる。
【0174】 本発明の別の実施例は、上記した全ての治療効果のために、医学上認められる
担体と共に医薬品或いは無菌組成物の投与に関連する。このような医薬品組成物
は、HURP、HURPに対する抗体、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト、又
はHURPのインヒビターなどからなる。この組成物は、単体で、或いは安定剤
などの1種類以上の別の薬剤と共に、無菌の生体適合性医薬品担体に投与するこ
とができる。このような医薬品担体には、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖、
及び水などが含まれるがこれらに限定されるものではない。この組成物は、単独
或いは薬物又はホルモンなどの別の薬剤と共に投与することができる。
【0175】 本発明に用いられる医薬品組成物は、任意の数の経路を用いて投与することも
できる。この経路には、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、もく膜下腔内
、心室内、経皮性、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、異所性、舌下、または直腸が
含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0176】 活性処方成分に加えて、これらの医薬品組成物には、活性化合物を医薬的に使
用可能な薬剤にするのを容易にする、医薬品添加物及び補助剤を含む好適な薬学
的に認められる担体が含まれ得る。製剤及び投与についての詳しい技術について
は、最新版のRemington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co., E
aston, PA)に記載されている。
【0177】 経口投与用の医薬品組成物が、経口投与に好適な投与量において当分野で周知
の薬学的に許容される担体を用いて、製剤することができる。このような担体に
より、医薬品組成物が患者が摂取するために、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、
液体、ゲル状、シロップ剤、泥状物、懸濁液として製剤される。
【0178】 経口用に用いられる医薬品は、活性化合物と固体の薬品添加物とを混合し、得
られた顆粒の混合物を処理して、(所望に応じてすりつぶした後)タブレット或
いは糖衣錠コア(dragee cores)にする。好適な医薬品添加物とは、ラクトース
、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類、トウモロコシ、小
麦、米、ジャガイモ、又はその他の植物からのでんぷん、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなどのセルロース、アラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム、ゼラチン
及びコラーゲンなどのタンパク質などの炭水化物又はタンパク質賦形剤である。
必要に応じて、例えば、架橋結合したポリビニルピロリドン、かんてん、アルギ
ン酸、またはその塩であるアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤が
加えられる。
【0179】 糖衣錠コアは、濃縮糖溶剤などの好適なコーティングと共に用いられる。この
ような濃縮糖溶剤には、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボ
ポルゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタ
ン、ラッカー溶剤、及び好適な有機溶媒または混合溶剤などが含まれ得る。染料
または色素が、製品の識別又は活性化合物の量、即ち薬用量を示すため、錠剤ま
たは糖衣錠に加えられる。
【0180】 経口用に用いられる医薬品製剤には、ゼラチンから作られたプッシュ−フィッ
ト型のカプセル、グリセロールまたはソルビトールなどのコーティングとゼラチ
ンからなる封入されたカプセルが含まれる。プッシュ−フィット型のカプセルに
は、ラクトース又はスターチなどの賦形剤や結合材、タルク又はステアリン酸マ
グネシウムなどの潤滑剤、所望に応じて安定剤と混合された活性処方成分が含ま
れる。ソフトカプセルでは、活性化合物が、安定剤と共に或いは安定剤なしで、
脂肪油、溶液、またはポリエチレングリコール溶液などの好適な溶液に溶解或い
は懸濁され得る。
【0181】 非経口投与用に好適な医薬品剤が、水溶液で製剤されるが、ハンクス液、リン
ガー液、生理緩衝食塩水などの生理学的に適合性のある緩衝剤が好ましい。水性
懸濁注射液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデ
キストランなどの懸濁液の粘性を高める物質を含み得る。更に、活性化合物の懸
濁液は、好適な油性注入懸濁液として製剤され得る。好適な親水性溶液または媒
体には、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチル、トリグリセリド又はリボソー
ムなどの合成脂肪酸が含まれる。非脂質ポリカチオンアミノポリマーが、運搬目
的で使用される。随意選択により、懸濁液は高濃度の溶液が可能となるよう化合
物の溶解性を高める好適な安定剤または薬剤を含み得る。
【0182】 局部または鼻腔投与のため、特定の障壁に浸透する好適な浸透剤が製剤に用い
られる。このような浸透剤は当業者には周知である。
【0183】 本発明の医薬品組成物は、当分野で周知の方法、例えば従来の混合、溶解、顆
粒化、糖衣化、溶離(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥
処理を用いて製造され得る。
【0184】 医薬品組成物は塩類として製剤され、限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等の多くの酸と共に形成可能である。塩分は対
応する遊離塩基系よりも、水溶剤または他のプロトン溶剤に溶けやすい。別の場
合の好ましい薬剤の形態には、1から50mMヒスチジン、0.1%〜2%スク
ロース、及び2〜7%マンニトールの幾つか或いは全てを含み、pHの範囲が4
.5〜5.5であり、使用前に緩衝剤と結合する凍結乾燥粉末を用いることがで
きる。
【0185】 医薬品組成物が調合された後、それらは適当な箱に詰められ、指定した症状の
薬としてラベルが貼られる。HURPの投与のため、このようなラベルには、量
、頻度、及び投与の方法が含まれるであろう。
【0186】 本発明に用いる好適な医薬品組成物には、目的を達成するため、効果的な量の
活性処方成分を含む組成物が含まれる。当業者は、自分の能力で十分に効果的な
服用量を決めることができる。
【0187】 どのような組成物であっても、治療に効果的な薬用量は、初めは、例えば腫瘍
細胞の腫瘍細胞アッセイで、或いは動物モデルのどちらかで推定することができ
る。通常、動物モデルには、マウス、ウサギ、イヌ、又はブタなどが用いられる
。動物モデルはまた、好適な濃縮範囲及び投与の経路を決めるのに用いることが
できる。このような治療をもとに、ヒトへの有益な薬用量及び投与経路を決定す
ることができる。
【0188】 医学的に効果的な薬用量は、症状や容態を回復させる、たとえばHURP又は
その断片、HURPの抗体、HURPのアゴニストまたはアンタゴニスト、イン
ヒビターなどの活性処方成分の量に関連する。薬用有効度及び毒性は、たとえば
、ED50(服用に対して集団の50%に医薬的効果がある。)またはLD50
(服用に対して集団の50%に致命的である)統計を計算するなど、細胞培養ま
たは動物実験における標準的な薬剤手法によって決定することができる。治療効
果と毒性効果との薬用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比率で示す
ことができる。高い治療指数を示す医薬品組成物が望ましい。細胞培養アッセイ
及び動物実験から得られたデータが、ヒトへの適用のために、薬用量の範囲を調
剤するのに用いられる。このような組成物が含まれる薬用量は、毒性を殆ど或い
は全く含まず、ED50を含む血中濃度の範囲であることが望ましい。薬用量は
、用いられる投与形態及び患者の感受性、投与の経路にによって、この範囲内で
様々である。
【0189】 正確な薬用量は、治療が必要な患者に関する要素を考慮して、実務者によって
決められるであろう。薬用量及び投与は、効果的なレベルの活性成分を与えるた
め或いは所望の効果を維持するために調節される。薬用量の要素として考慮され
るものには、疾患の重症度、患者の一般的な健康状態、年齢、体重、及び患者の
性別、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感受性、及び治療に対する応答
が含まれる。作用器官が長い医薬品組成物は、三日か四日に一度、一週間に一度
、二週間に一度、特定の製剤の半減期及びクリアランス率によって左右され、投
与され得る。
【0190】 通常の薬用量は投与の経路によって異なるが、約0.1〜100,000μg
までの最大約1グラムまでである。特定の薬用量及び運搬の方法に関するガイダ
ンスは文献に記載されており、一般に当分野の実務者はそれを利用することがで
きる。当業者は、タンパク質またはインヒビターとは異なったヌクレオチドの製
剤を利用するであろう。同様に、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの運搬は、
特定の細胞、状態、位置などに対して特異的であろう。
【0191】 診断 別の実施例では、特異的にHURPと結合する抗体が、HURPの発現によっ
て特徴づけられる疾患の診断、或いはHURPやHURPのアゴニストまたはア
ンタゴニスト、インヒビターで治療を受ける患者を監視するためのアッセイに用
いられる。診断に有益な抗体は、治療のところで記載した方法と同じ方法で製剤
される。HURPの診断アッセイには、抗体及び標識を用いてヒトの体液或いは
細胞や組織から採取されたものにおけるHURPを検出する方法が含まれる。こ
れらの抗体は、修飾をして或いはしないで使用され、レポーター分子の共有結合
か非共有結合によって標識化され得る。当分野で周知の幅広いレポーター分子が
用いられるが、その内の幾つかは既に記述した。
【0192】 HURPを測定するためのELISA,RIA,及びFACSを含む種々のプ
ロトコルは、当分野では周知であり、変わった或いは異常なレベルのHURPの
発現を診断する元となるものを提供する。正常或いは標準的なHURPの発現の
値は、複合体の形成に適した条件の下、正常な哺乳動物、好ましくはヒトである
被験者から採取した体液または細胞とHURPに対する抗体とを結合させること
によって決定する。標準的な複合体形成の量は種々の方法で定量され得るが、測
光法(photometric)が好ましい。被験者のHURPの発現の量、制御及び疾患 、生検組織からのサンプルが標準値と比較される。標準値と被験者との間の偏差
が、疾患を診断するパラメーターとなる。
【0193】 別の実施例によれば、HURPをコードするポリヌクレオチドを診断のために
用いることもできる。用いられるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配
列、相補的なRNA及びDNA分子、及びPNAが含まれる。ポリヌクレオチド
を用いて、疾患と相関し得るHURPを発現する生検組織における遺伝子の発現
を検出及び定量する。この診断アッセイを用いて、HURPの不在、存在、及び
過度の発現を調べ、治療中のHURPレベルの制御を監視する。
【0194】 ある実施形態では、HURPまたは近縁の分子をコードする遺伝子配列を含む
ポリヌクレオチド配列を検出可能なPCRプローブを用いたハイブリダイゼーシ
ョンによって、HURPをコードする核酸配列を同定することが可能である。例
えば5'調節領域である高度に特異的な領域か、例えば保存されたモチーフであ るやや特異性の低い領域から作られているかのプローブの特異性と、ハイブリダ
イゼーション或いは増幅の厳密性(最大、高い、中間、または低い)は、プロー
ブがHURPをコードする自然界の配列のみを同定するかどうか、或いはアレル
や関連配列コードする自然界の配列のみを同定するかどうかによって決まるであ
ろう。
【0195】 プローブはまた、関連する配列の検出に利用され、HURPをコードする任意
の配列からのヌクレオチドを50%以上含むのが望ましい。目的の本発明のハイ
ブリダイゼーションプローブは、DNAあるいはRNAが可能であり、SEQ ID N
O:9及びSEQ ID NO:10、SEQD NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:1
4、SEQ ID NO:15、SEQ IDNO:16の配列、或いはHURP遺伝子のプロモーター、
エンハンサー、イントロンを含むゲノム配列に由来し得る。
【0196】 HURPをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプロー
ブの作製方法には、HURP及びHURP誘導体をコードするポリヌクレオチド
配列をmRNAプローブの作製のためのベクターにクローニングする方法がある
。このようなベクターは市販されており、当業者には周知であり、好適なRNA
ポリメラーゼ及び好適な標識されたヌクレオチドを加えることによって、in vit ro でRNAプローブを合成するために用いられる。ハイブリダイゼーションプロ
ーブは、例えば32P或いは35Sなどの放射性核種、或いはアビジン/ビオチ
ン(biotin)結合系によってプローブに結合されたアルカリホスファターゼなど
の酵素標識等の種々のレポーターの集団によって標識され得る。
【0197】 HURPをコードするポリヌクレオチド配列を用いて、HURPの発現と関連
のある疾患の診断が可能である。このような疾患の例には、癌としては腺癌、白
血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱
、骨、骨髄、脳、乳房、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、
筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺
、子宮の癌が含まれ、自己免疫/炎症性疾患には、AIDS,副腎機能不全、成
人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、ア
テローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、気管支炎
、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺
気腫、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、
グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、エリテマト
ーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋又は心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょ
う症、膵炎、多発性筋炎、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症候群、全
身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、潰瘍性大腸炎
、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環、癌の合併症;ウィルス、
細菌、真菌、寄生虫、原虫、蠕虫感染症及び外傷が含まれ得るが、これらに限定
されるものではない。
【0198】 SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2、SEQD NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7をコー ドするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2、SEQD NO:5、SEQ
ID NO:6、SEQ ID NO:7のそれぞれの発現に関連する疾患の診断に用いることが 可能である。このような疾患には、プロラクチンの産生異常と、卵管病及び排卵
異常及び子宮内膜症、発情期異常、月経周期異常、多嚢胞卵巣症候群、卵巣過剰
刺激症候群、子宮内膜癌及び卵巣癌、自己免疫疾患、異所性妊娠、奇形発生を含
む不妊症と、乳癌、線維嚢胞性乳癌、溢乳と、精子形成異常、生理学上の精子異
常、精巣癌、前立腺癌、良性の前立腺過形成、前立腺炎、男性乳房及び女性化乳
房癌などの生殖障害が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0199】 SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4、SEQD NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8をコー ドするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4、SEQD NO:6、SEQ
ID NO:7、SEQ ID NO:8のそれぞれの発現に関連する疾患の診断に用いることが 可能である。このような疾患には、嚥下障害、消化性食道炎、攣縮食道炎、食道
狭窄、食道癌、消化不良、消化障害、胃炎、胃癌、食欲不振症、吐き気、嘔吐、
胃不全麻痺、洞性浮腫または幽門浮腫、腹部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、イレウ
ス、腸管感染、消化性潰瘍、胆石症、胆嚢炎、膵臓炎、膵臓癌、胆管疾患、肝炎
、ビリルビン過剰血症、硬変、肝臓受動性うっ血、ヘパトーム、感染性大腸炎、
潰瘍性大腸炎、潰瘍性直腸炎、クローン病、ウィップル病、マロリー‐ヴァイス
症候群、結腸癌、結腸閉塞、過敏性腸症候群、短小腸症候群、下痢、便秘、胃腸
出血、エイズ腸症などの胃腸疾患が含まれ得るが、これらに限定されるものでは
ない。
【0200】 SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID N
O:1及びSEQ ID NO:2のそれぞれの発現に関連する疾患の診断に用いることが可能
である。このような疾患には、尿細管性アシドーシス、貧血、クッシング症候群
、軟骨形成不全性小人症、デュシェンヌ型筋ジストロフィ、ベッカー型偽肥大性
筋ジストロフィ、性腺無形成、WAGR症候群、スミス‐マジェニス症候群(Smith-
Magenis- syndrome)、異形成脊髄、遺伝性粘膜上皮異形成、角皮症、シャルコー
‐マリー‐ツース病及び神経線維腫症などの遺伝性神経病、甲状腺機能低下症、
水頭症、舞踏病(Syndenham's chorea)及び脳性小児麻痺などの発作、脊髄2分裂
、先天性緑内障、白内障、感覚神経性聴力損失などの発生障害が含まれ得るが、
これらに限定されるものではない。
【0201】 HURPをコードするポリヌクレオチド配列は、サザーンブロット法やノーザ
ンブロット法、或いはその他の膜系の技術、PCR法、ディップスティック(di
pstick)、ピン(pin)、ELISAアッセイ、及び患者から採取した体液或い は組織を利用して変異HURPの発現の検出に用いられるマイクロアレイに使用
することが可能である。このような質的或いは量的方法は、当分野では周知であ
る。
【0202】 特定の形態において、HURPをコードするヌクレオチド配列は、関連する疾
患、特に上記した疾患を検出するアッセイにおいて有用であろう。HURPをコ
ードするヌクレオチド配列は、標準的な方法で標識化され、ハイブリダイゼーシ
ョン複合体の形成に好適な条件の下、患者から採取した体液或いは組織のサンプ
ルに加えることができるであろう。好適な培養期間の後、サンプルを洗浄し、シ
グナルを定量して標準値と比較する。患者のサンプルのシグナルの量が、制御サ
ンプルと較べて著しく変わっている場合は、サンプル内のHURPをコードする
ヌクレオチド配列の変異レベルにより、関連する疾患の存在が明らかになる。こ
のようなアッセイを用いて、動物実験、臨床試験、或いは個人の患者の治療を監
視における、特定の治療効果を推定することが可能である。
【0203】 HURPの発現に関連する疾患の診断の元となるものを提供するために、正常
あるいは標準的な発現の概要が確立される。この確立は、ハイブリダイゼーショ
ン或いは増幅に好適な条件の下、動物或いはヒトの何れかの正常な被験者から抽
出された体液或いは細胞と、HURPをコードする配列或いはその断片とを結合
させることにより達成され得る。標準的なハイブリダイゼーションは、正常な被
験者から得た値と周知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが用いられる
実験からの値とを比較することによって定量可能である。正常なサンプルから得
た標準的な値を、疾患の症状を示す被験者から得た値と比較可能である。標準値
と被験者の値との偏差を用いて疾患の存在を確定する。
【0204】 疾患の存在が確定され治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼーショ
ンアッセイを通常ベースで繰り返して、被験者における発現のレベルが正常な患
者に示される値に近づき始めたかどうかを推定することが可能である。繰り返し
行ったアッセイの結果を、数日から数ヶ月の期間の治療の効果を見るのに用いる
ことができる。
【0205】 癌において、個体からの生体組織における比較的多量の転写物は、疾患の発生
の素因を示し、また実際に臨床的症状が出る前に疾患を検出する方法を提供する
ことが可能である。この種のより明確な診断により、医療の専門家が予防方法或
いは積極的な治療法を早くから利用して、癌の発生または進行を防ぐことが可能
となる。
【0206】 HURPをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドのさらなる診断
への利用には、PCRの利用が含まれ得る。このようなオリゴマーは、化学的な
合成、酵素を用いた生成、或いはin vitroで生成され得る。オリゴマーは、好ま
しくはHURPをコードするポリヌクレオチドの断片、或いはHURPをコード
するポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドの断片を含み、最適な条件の
下、特定の遺伝子や条件を識別するために利用される。また、オリゴマーは、や
や緩い厳密性条件の下、近縁のDNA或いはRNA配列の検出及び/または定量
のため用いることが可能である。
【0207】 HURPの発現を定量するために用いられ得る方法には、ヌクレオチドの放射
標識或いはビオチン標識、調節核酸の相互増幅(coamplification)、及び標準 的な曲線に結果が加えられたものが含まれる(例えば、Melby, P.C.等(1993) J.
Immunol. Methods, 159:235-44;Duplaa, C.等(1993) Anal. Biochem. 229-236
を参照)。多数のサンプルの定量の速度が、目的のオリゴマーが種々の希釈液に
含まれ、分光光度法或いは非色応答により迅速に定量するELISA型のアッセ
イを用いることによって加速された。
【0208】 別の実施例では、本明細書で記載した任意のポリヌクレオチド配列由来のオリ
ゴヌクレオチドまたはそれより長い断片を、マイクロアレイにおける標的として
用いる。マイクロアレイを用いて、同時に極めて多くの遺伝子の発現レベルを監
視し、遺伝子の変異、突然変異及び多形性を識別する。この情報は、遺伝子機能
の決定、疾患の遺伝的根拠の解釈、疾患の診断、及び治療薬剤の活性の監視及び
開発に有用である。
【0209】 ある実施例では、マイクロアレイを用意して以下に記載の当業者にはよく知ら
れた方法に基づいて行う。(例えば、Chee 他によるPCT出願WO95/11995(1995)、
Lockhart, D. J.他による(1996)Nat. Biotech. 14: 1675-1680、及びSchena,
M.他による(1996)Proc. Natl. Acad. Sci. 93: 10614-10619を参照)。
【0210】 このマイクロアレイは、通常は合成アンチセンスオリゴヌクレオチド或いはc
DNAの断片のどちらかである、極めて多数の独特の一本鎖核酸配列からなるの
が好ましい。オリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは6〜60ヌクレオチドで
あり、さらに好ましくは15〜30ヌクレオチドであり、最も好ましいのは約2
0〜25ヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドの長さが僅か7〜10ヌクレ
オチドが好ましい。マイクロアレイには、5'または3'として知られる配列を含
むオリゴヌクレオチド、或いは完全長の配列を含む連続したオリゴヌクレオチド
、配列の長さに沿った特定の領域から選択された独特のオリゴヌクレオチドを含
まれる。マイクロアレイに用いられるポリヌクレオチドには、目的の複数の遺伝
子或いは目的の1つの遺伝子に特異的であるポリヌクレオチドが可能である。マ
イクロアレイにオリゴヌクレオチドの対を用いることが好適な場合もある。各対
における初めのオリゴヌクレオチドと2番目のオリゴヌクレオチドとはヌクレオ
チド1個分異なる。このヌクレオチドは、配列の中心にあるのが好ましい。2番
目のオリゴヌクレオチドは調節として機能する。オリゴヌクレオチドのペアの数
は2個から100万個の範囲である。
【0211】 マイクロアレイで使用するオリゴヌクレオチドを生成するために、目的の遺伝
子が、ヌクレオチド配列の5'末端またはより好ましい末端3'から開始するコン
ピュータアルゴリズムを用いて検査される。このアルゴリズムは遺伝子に特有の
決まった長さのオリゴマーを同定し、ハイブリダイゼーションに好適な範囲にG
Cを含み、ハイブリダイゼーションを阻害し得る二次構造を含まない。或る実施
態様によれば、オリゴマーは、光誘導化学処理(light-directed chemical proc
ess)を用いて、基板上で合成される(例えば、上記のChee他によるものを参照 )。基板は、任意の好適な固体支持物、例えば、紙、ナイロン或いは他の種類の
膜、フィルター、チップ、スライドガラスなどである。
【0212】 別の実施態様では、化学的結合法及びインクジェット応用装置を用いて、オリ
ゴヌクレオチドを基板の表面で合成し得る(例えば、Baldeschweiler 他によるP
CT出願WO95/251116(1995)を参照)。ドット或いはスロットブロット(HYBRIDO
Tョ装置、GIBCO/BRL)と類似のアレイを用いて、真空システム、熱、UV機械式
または化学結合方法を使用し、基板の表面にcDNA断片或いはオリゴヌクレオ
チドを整列して結合させる。アレイはまた、手動で生産するか、利用可能な装置
、材料、及び機械、例えば、Birnkmannョマルチチャンネルピペッター、またはロ
ボット式の装置を用いて生産可能でありる。このアレイは、2〜100万のオリ
ゴヌクレオチド、或いは任意の数のオリゴヌクレオチドを含に得る。
【0213】 マイクロアレイを用いてサンプル分析を行うため、サンプルからポリヌクレオ
チドを得る。このサンプルは、例えば、血液、尿、唾液、粘液、胃液などの体液
、培養された細胞、生検材料、または任意の他の組織標本から得ることが可能で
ある。プローブを生成するためにサンプルから得たポリヌクレオチドを用いて、
マイクロアレイ上の核酸と相補的な核酸配列を生成する。マイクロアレイがcD
NAからなる場合は、アンチセンスRNA(aRNA)がプローブに好適である
。従って或る実施態様によれば、mRNAはcDNAに対して逆転写される。蛍
光性ヌクレオチドの存在の下、このcDNAを用いて、断片aRNAプローブま
たはオリゴヌクレオチドaRNAプローブを生成する。この蛍光標識したプロー
ブをマイクロアレイで培養して、これらのプローブをマイクロアレイのオリゴヌ
クレオチドとハイブリダイゼーションする。プローブとして用いられる核酸配列
には、当分野ではよく知られている制限酵素やPCR法、その他の方法を用いて
生成したポリヌクレオチドや断片、及び相補配列やアンチセンス配列が含まれ得
る。
【0214】 ハイブリダイゼーション条件を調節して、様々な程度にハイブリダイゼーショ
ンすることが可能である。ハイブリダイゼーションしなかったプローブを除去し
た後、スキャナーを用いて蛍光パターン及びそのレベルを決定することが可能で
ある。スキャンした画像を検査することにより、相補性の程度及びマイクロアレ
イ上の各オリゴヌクレオチド配列の相対量を調べることが可能である。検出装置
を用いて、任意の配列の全てのハイブリダイゼーションの有無、及びその程度を
測定することが可能である。(例えば、Heller, R. A.他による(1997) Pros. Na
tl. Acad. Sci. 94:2150-55を参照)。
【0215】 本発明の別の実施例ではまた、HURPをコードする核酸配列を用いて、自然
発生のゲノム配列をマッピングするのに有用なハイブリダイゼーションプローブ
を生成することが可能である。この配列は、以下のものに対してマッピングされ
る。特定の染色体、染色体の特定領域または人工生成の染色体、例えば、ヒト人
工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、
細菌P1生成物或いは単一染色体cDNAライブラリである。(例えば、Price,
C.M. (1993) Blood Rev. 7:127-134, 及びTrask, B.J. (1991) Trends Genet.
7:149-154を参照) In sit蛍光ハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的染色体マッピング
技術及び遺伝マップデータと相関するであろう(例えば、Heinz-Ulrich, 他によ
る(1995) in Meyers, R.A. (ed.) M91ecular Biology and Biotechnology, VCH
Publishers NewYork, NY, pp. 965-968.を参照)。遺伝子マップデータの例は、
種々の科学誌あるいはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)のサイト で見付けることができる。物理的な染色体マップ上のHURPをコードする遺伝
子の位置と特定の疾患との相関性、或いは特定の疾患に対する素因が、このよう
な疾患と関係するDNAの領域を決定するのに役立つ。本発明のヌクレオチド配
列を用いて、正常者と、保有者、及び感染した者との遺伝子配列における違いを
検出することもある。
【0216】 染色体標本のIn sitハイブリダイゼーション、及び確定した染色体マーカーを
用いた結合分析などの物理的マッピング技術を用いて、遺伝子マップを拡張する
こともできる。マウスなどの別の哺乳類の染色体上での遺伝子の配置により、た
とえ特定のヒト染色体の数或いはアームが分かっていなくても、関連するマーカ
ーが明らかになることが多い。新規の配列を、物理的なマッピングによって、染
色体アームに割り付けることもできる。このことは、位置クローニング或いは別
の遺伝子発見技術を用いて遺伝的疾患の研究をしている研究者にとって、価値あ
る情報である。疾患或いは症候群の位置が、例えばATは11q22-23という、特定の
遺伝子領域に遺伝子結合によって大まかに決定されると、その領域に対するどの
配列マッピングも、さらなる調査のための関連する遺伝子或いは調節遺伝子を表
す(例えば、Gatti, R.A.他による(1988)Nature 336:577-580を参照)。また 、目的の本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者、保有者、即ち感染者の間
の、転位置、反転などによる染色体位置の違いを検出することもある。
【0217】 本発明の別の実施例では、HURP、その触媒作用断片或いは免疫原断片また
はそのオリゴペプチドを、種々の任意の薬剤スクリーニング技術における化合物
のライブラリのスクリーニングに用いることができる。このようなスクリーニン
グに用いる断片は、溶液に遊離、固体支持物に固定、細胞の表面上に保持、或い
は細胞内に存在する。HURPとテストされる薬剤との複合体を結合することに
よる形成は計測されることもある。
【0218】 薬剤スクリーニングに用いる別の方法は、目的のタンパク質に対して、好適な
結合親和性を有する化合物のスクリーニング処理能力を高めるために用いられる
(例えば、Geysen,他による(1984) PCT出願番号 WO84/03564を参照)。この方法
では、相当な数の異なる小さな試験用化合物が、プラスチックピン或いは他の基
板の上に合成される。試験用化合物は、HURP、或いはその断片と反応してか
ら洗浄される。次ぎに、結合されたHURPが、当分野で周知の方法で検出され
る。精製されたHURPはまた、前記した薬剤をスクリーニングする技術に用い
られるプレート上で直接被覆することもできる。別法では、非中和抗体を用いて
、ペプチドを捕らえ、固体支持物に固定することもできる。
【0219】 別の実施例では、HURPと結合可能な中和抗体がHURPと結合するため試
験用化合物と特に競合する、競合的薬剤スクリーニングアッセイを用いることが
できる。この方法では、抗体が、HURPと1つ以上の抗原決定因子を共有する
どのペプチドの存在も検出する。
【0220】 別の実施例では、発展途上の分子生物学技術にHURPをコードするヌクレオ
チド配列を用いて、限定はされないが、現在知られているトリプレット暗号及び
特異的な塩基対相互作用などのヌクレオチド配列の特性に依存する新しい技術を
提供することができる。以下の実施例は、目的の発明を例示し、発明を限定する
目的のものではない。
【0221】
【実施例】
例示目的で、インサイト社クローン番号1255202が単離されたMENITUT03cDNAラ
イブラリのシークエンシング及び製造について記載する。LIFESEQTMデータベー スのライブラリのcDNAの製造及びシークエンシングは、時間の経過により変
化し、また、ライブラリが作られる特定の時期に使用したキット及びプラスミド
、機器によって徐々に変化してきた。
【0222】 1 MENITUT03cDNAライブラリ作製 MENITUT03cDNAライブラリは、右後頭下の頭蓋骨局部切除中に3
5歳の白人女性から得た脳の右小脳橋の角にある悪性の髄膜腫組織から作製され
た。
【0223】 Brinkman Homogenizer Polytron-PT 3000 (Brinkman Instruments社, Westbur
y, NY)を用いて、グアニジニウムイソチオシアネート溶液にこの凍結組織をホモ
ジナイズし、溶解する。この溶液を、Beckman L8-70M Ultracentrifuge (Beckma
n Instruments)のBeckman SW28のローターを用いて、室温で18時間、25,0
00rpmで、5.7Mの塩化セシウムクッションに対して遠心分離する。この
RNAをpH4.0の酸性フェノールで抽出し、0.3Mの酢酸ナトリウムと2
.5倍量のエタノールで沈殿させてから、RNA分解酵素を含まない水で再懸濁し 、37℃のデオキシリボヌクレアーゼで処理する。このRNAの抽出をpH4.
0の酸性フェノールで2回繰り返し、上記したように沈殿させる。mRNAをQi
agen Oligotex kit (QIAGEN, Inc.; Chatsworth, CA)で単離し、cDNAライブ
ラリの作製に用いる。
【0224】 このmRNAを、cDNA合成及びプラスミドクローニング用のスーパースク
リプトプラスミドシステム(Cat.#18248-013: Gibco/BRL)の推奨プロトコルに従 って処理する。cDNAをセファロースCL4Bカラム(Cat. #275105-01, Phar
macia)に分画し、400bpを超えるそのcDNAをpINCY1に結合させる。そ の後、プラスミドpINCY1をDH5aTMコンピテント細胞(Cat. #18258-012 Gibco/ B
RL)に形質転換する。
【0225】 2 cDNAクローンの単離及び配列決定 プラスミドDNAは、REAL Prep 96プラスミドキット(Catalog #26173; QIAGE
N)を用いて細胞から遊離させ、精製する。このキットによって、マルチチャンネ
ル試薬ディスペンサーを用いた96−ウエルブロックにおける96サンプルの同
時精製が可能になる。以下の変更点を除いて推奨プロトコルを用いた。1)細菌
は25mg/Lのカルベニシリン及び0.4%のグリセロールを有する1mlの
滅菌のTerrific Broth(Catalog #22711, Gibco/BRL)内で培養する。2)接種 後、その培養株を19時間インキュベートし、インキュベーション終了時にその
細胞を0.3mlの溶解緩衝液で溶解する。3)イソプロパノール沈殿後、プラ
スミドDNAペレットを0.1mlの蒸留水に再懸濁する。プロトコルの最終ス
テップを終了した後、サンプルを4℃で保管するために96−ウエルブロックに
移す。
【0226】 cDNAは、Peltier Thermal Cyclers (PTC200 from MJ Research, Watertow
n MA)及びApplied Biosystems 377 DNA Sequencing Systemsと共にHamilton Mic
ro Lab 2200 (Hamilton, Reno NV)を用いて、Sanger他(1975; J Mol Biol 94:44
1f)の方法により配列決定し、読み枠も決定する。
【0227】 3 cDNAクローン及び推定されたタンパク質の相同性検索 配列表のヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列を用いて、相同性(類似性)
の領域を調べるべく以前に同定された配列を含むそのデータベースを検索する。
幾つかの検索アルゴリズム及びデータベースを、非同一配列だけでなく同一配列
を同定する一助として用いる。
【0228】 HURP−1及びHURP−2 初めのアルゴリズムは、D.J. Lipman及びW.R. Pearsonによって開発された(19
85, Science 227:1435)。このアルゴリズムでは、ヌクレオチド配列の相同領域 を2段階で検索する。第1の段階では、最も高い相同領域が相同性スコア表を用
いて一致スコアを計算することによって決定する。パラメーター「Ktup」を
この段階で用いて、2つの配列を比較するために移動する最少のウインドウサイ
ズを決定する。Ktupはまた、配列間の最も高い相同領域を抽出するために一
致しなければならない塩基対の数を設定する。この段階では、挿入や欠失が行わ
れず、この相同性が初期値として表示される。
【0229】 第2の段階では、欠失したと推定される部分にギャップを挿入して、相同領域
を整列して最も高い一致スコアを得る。第1の段階で得られた一致スコアを、相
同性スコア表及び挿入スコア表を用いて最終出力で最適値(OPT)になるよう
再計算する。
【0230】 2つの配列間のDNA相同性は、ドットマトリクス相同プロットを作成するH
arr法を用いてグラフィックで検査することが可能である(Needleman, S.B. 及び Wunsch,C.O.による (1970) J. MOl. Biol 48:443.)。この方法は、相同領 域か反復領域かを決定するのに有用となり得る2次元プロットを作成する。
【0231】 第2のアルゴリズムは、Applied Biosystems Inc.によって開発され、インヘ リット670配列分析システム(Inherit 670 Sequence Analysis System)に組
込まれた。このアルゴリズムにおいては、相同な領域の決定に(TRW Inc.によっ て開発された)パターン表示言語を用いている。どのように配列の比較を行うか 決定するのために、ウインドウサイズ及びウインドウオフセット、誤差許容範囲
の3つの因子がある。3つのパラメーターの組み合わせを用いて、DNAデータ
ベースで相同の領域を含む配列を検索し、好適な配列が初期値で評点される。続
いて、これらの相同領域を、ドットマトリクス相同プロット(dot matrix homol
ogy plots)を用いて検査し、相同領域と反復配列とを区別する。Smith-Waterma
nアライメントを用いて相同性検索の結果を表示する。
【0232】 相同領域の検索の後、cDNAクローン由来の配列が、正確な一致(全く相同
の領域)か、相同性ヒト一致(高い類似性領域であるが、正確な一致ではない)
か、相同性非ヒト一致(ヒト以外の種においては高い類似性領域を示す)か、不
一致(前に同定された核酸配列に対して著しい相同領域がない)かの分類をする
【0233】 推定ポリペプチド及び推定ペプチドの検索を、cDNA配列で行ったのと類似
の方法で行う。このポリペプチドの配列を、問い合わせ配列として用い、Swiss/
ProtまたはNBRF Proteinデータベースなどのデータベースに含まれる先に同定さ
れた配列と比較して、相同なポリペプチドを見つけ出す。これらのポリペプチド
を、相同性スコア表(Orcutt, B.C.及び Dayhoff. M.O. Scoring Matrices, PIR
Report MAT - 0285 (February 1985))を用いて相同性として初めに評点し、IN
ITスコアとする。欠失したと推定される部分にギャップを挿入して、相同領域
を整列して最も高い一致スコアを得る。一致スコアを、相同性スコア表及び挿入
スコア表を用いて再計算し、最適スコア(OPT)にする。単離された配列の正
しい読み枠がわからなくても、3つ全ての読み枠を検索することによって上記し
たポリペプチド相同性検索が行うことが可能である。
【0234】 ペプチド及びタンパク質配列の相同性も、インヘリット670配列分析システ
ム用いて、DNA配列相同性で用いた方法に類似の方法で調べることが可能であ
る。パターン表示言語及びパラメーターウインドウを用いて、初めの値で評点さ
れた相同性領域を含む配列をポリペプチドデータベースで検索する。続いて、ド
ットマトリクス相同性プロットを用いた検査で相同領域か反復領域かを決定する
【0235】 HURP−3及びHURP−4、HURP−5、HURP−6、HURP−7
、HURP−8 配列表のヌクレオチド配列及び/またはアミノ酸配列を、GenBank、SwissProt
, BLOCKS及びPima IIのデータベースにある配列と照合する。以前に同定されて 注釈が付けられた配列を含むそのデータベースを、BLAST(Basic Local Al
ignment Search Tool)で相同性(類似性)領域の検索を行う(例えば、Altschul
, S.F. (1993) J. Mol. Evol. 36:290-300; 及び Altschul 他(1990) J. MOl. B
iol. 215:403-410を参照)。
【0236】 BLASTは、配列類似性を決定するためにヌクレオチド配列及びアミノ酸配
列の両方のアライメントを生成する。このアライメントが局部的な性質を有する
ため、BLASTは厳密な一致を判定する際、或いは原核(細菌)又は真核(動
物、真菌或いは植物)起源からなる相同体を同定する際に特に有用である。他の
アルゴリズムを、主要配列パターン及び副次的な構造の間隙の問題を取り扱う際
に用いることが可能である(例えば、 Smith, T. 他. (1992) Protein Engineeri
ng 5:35-51.を参照)。本明細書に開示している配列は、長さが少なくとも49ヌ
クレオチドであり、AまたはC、G、TではなくNが記録される不要な塩基の上
限は12%である。
【0237】 このBLAST法は、問合せ配列とデータベース配列との間の一致を検索し、
すべての見つかった一致配列の統計的有意性を評価し、ユーザが選択した有意性
の閾値を満足する一致のみを報告する。本明細書では、ヌクレオチドの閾値を1
-25、ペプチドの閾値を10-8に設定した。
【0238】 インサイト社ヌクレオチド配列が霊長類(pri)、齧歯類(rod)及び他
の哺乳動物(mam)配列の場合には、GenBankデータベースに対して検索した 。次ぎに、同じクローンに由来する推定されたアミノ酸配列の相同性が、GenBan
k機能タンパク質データベース及び哺乳動物(mamp)、脊椎動物(vrtp )、真核生物(eukp)に対して検索した。
【0239】 更に、ブロック2バイオ分析プログラム(Block 2 Bioanalysis Program (Inc
yte, Palo Alto, CA))などの好適な分析プログラムを用いて、cDNAライブ ラリ由来の同定された配列を分析して、保存されたタンパク質モチーフをコード
するそれらの遺伝子配列を同定する。Swiss-Prot Database 及び PROSITEに含ま
れている配列情報に基づいたこのモチーフ分析プログラムが、ゲノム配列或いは
cDNA配列から翻訳された特徴づけられていないタンパク質の機能を決定する
(例えば、Bairoch, A.他による(1997)Nucleic Acids Res. 25:217-221;及びAttw
ood, T. K. 他. (1997) J. Chem. Inf. Comput.Sci. 37:417-424.を参照)。PROS
ITEを用いて、様々なタンパク質における共通の機能的或いは構造的領域を同定 することが可能である。この方法は、重量マトリクスに基づく。一致部分の分布
の確率の程度を得るために、この方法によって同定したモチーフをSWISS-PROTデ
ータベースに対して較正する。
【0240】 別法では、共通の生物学的機能をもつタンパク質のデータセットによってそれ
ぞれが定義されるタンパク質領域を見つけ出すために、隠れたMarkovモデ
ル(Hidden Markov models (HMM))を用いることが可能である(例えば、Pearson
, W.R. 及び D.J. Lipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci.85:2444-2448; 及び
Smith, T.F. and M.S. Waterman (1981) J. Mol. Biol. I47:195-197を参照)。H
MMは当初、言語認識パターンとして開発されたが、現在は生物学的文脈に用いて
、モデルタンパク質構造だけでなくタンパク質及び核酸配列を分析する(例えば 、Krogh, A. 他(1994) J. Mol. Biol. 235:1501-1531;及びCollin, M. 他. (199
3) Protein Sci. 2:305-314)。また、HMMは正式な確率的根拠をもち、アミノ
酸或いはヌクレオチドに位置−特有スコアを用いる。このアルゴリズムは新しく
同定された配列の情報を組み入れ続け、モチーフ分析能力を高める。
【0241】 4 ノーザン分析 ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技
術であり、特定の細胞種或いは組織からのRNAが結合されている膜への標識さ
れたヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを伴う(例えば、Sambrook,上記
, ch. 7; 及び Ausubel. F.M. 他、上記, ch. 4 及び 16.を参照)。
【0242】 BLASTに用いる類似のコンピュータ技術を用いて、GenBank或いはLIFESEQ TM データベース(インサイト社)のようなヌクレオチドデータベース内の同一或
いは関連する分子を検索する。この分析は多くの膜系ハイブリダイゼーションよ
り非常に速度が速い。さらにコンピュータ検索の感度を変更して、任意の特定の
一致が、厳密な一致或いは相同的一致の何れとして分類されるかを確定すること
ができる。検索の基準は、 (%配列同一性×%最大BLASTスコア)/100 として定義される積スコアである。積スコアは、2つの配列間の類似度及び配列
一致の長さの両方を考慮する。例えば、積スコア40の場合、その一致は1−2
%誤差の範囲内で正確であり、70ではその一致は正確であろう。相同性分子は
通常、15−40間の積スコアを示す分子を選択することにより同定されるが、
それより低いスコアでも関連した分子が同定される場合もある。
【0243】 ノーザン分析の結果は、HURPをコードする転写物が発生するライブラリの
リストとして報告される。また存在量及び存在比も報告される。存在量は、特定
の転写物がcDNAライブラリ内に現れる回数を直接表し、存在率は、存在量を
cDNAライブラリ内で試験された配列の全数で割った値である。
【0244】 5 HURPをコードする配列の延長 インサイト社クローン番号29167及び150629、611082、1223275、1255202、126
1646、2083528、1451415の核酸配列を用いて、部分的ヌクレオチド配列を完全長
まで伸長させるためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計する。各核酸配列に
おいて、一方のプライマーはアンチセンスポリヌクレオチドの延長を開始するた
めに合成し、他方のプライマーはセンスヌクレオチドの延長を開始するために合
成する。これらのプライマーを用いて既知の配列の「外側への」延長を促進し、
目的の領域の新しい未知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを作り出す。開
始プライマーは、OLIGO 4.06(National Biosciences, Plymouth, MN
)或いは他の適切なプログラムを用いて、約22個から約30個のヌクレオチド
からなる長さで、約50%以上のGC含量を有し、かつ約68〜約72℃の温度
で標的配列にアニールするようにcDNAから設計する。ヘアピン構造及びプラ
イマー−プライマー二量体化を生ずるようなヌクレオチドのストレッチは避ける
【0245】 この配列の延長のために選択されたヒトcDNAライブラリー(Gibco/BRL) を用いる。2段階以上の延長が必要な場合、若しくは望ましい場合は、既知領域
をさらに延長するための別のプライマーの組を設計する。
【0246】 XL−PCRキット(Perkin Elmer)の説明書の指示に従って処理を行い、ま
た酵素と反応混合物とを徹底的に混合することにより、高い忠実度の増幅を行う
。それぞれ40pmolの各プライマーと、推奨された濃度のキットの他の全て
の成分とから増幅を開始する場合、Peltier Thermal Cycler(PTC200;M.J. Res
erch, Watertown MA)を用いて、以下のパラメータ、即ち、 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) でPCRを行う。
【0247】 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度の(約0.6〜0.8%)
アガロースミニゲル上での電気泳動で解析して、何れの反応物が配列を延長する
ことに成功したかを決定する。最も大きな生成物を含むと考えられるバンドを選
択して、ゲルから切り出し、QIAQuickTM(QIAGEN Inc.)を用いて精製し、クレ ノウ酵素を用いて末端の延び出しを切り取って、再連結及びクローニングが容易
になる平滑末端を作る。
【0248】 エタノール沈殿の後、生成物を13μlの連結バッファーに再溶解し、1μl
のT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナー
ゼを加えて、その混合物を室温で2〜3時間、或いは16℃で終夜インキュベー
トする。(40μlの適切な培養液のなかの)コンピテントな大腸菌細胞を、3
μlの連結混合物を用いて形質転換し、80μlのSOC培養液で(例えば、Se
mbrook等、前出、Appendix A, p. 2を参照)で培養する。37℃で1時間インキ
ュベートした後、全ての形質転換した混合物を、2xカルベニシン(2x.carb)を 含むLuria Bertani(LB)アガー(Sembrook等、前出、Appendix A, p. 1)上 にプレートする。後日、いくつかのコロニーを各プレートから無作為に選択し、
適切な市販の滅菌96穴マイクロタイタープレートの各ウェル内に入れられた1
50μlの液状のLB/2xCarb培地で培養する。さらに後日、それぞれ5
μlの終夜培養した各培養物を非滅菌96穴プレート内に移し、水で1:10に
希釈した後、各サンプルの内の5μlをPCRアレイに移す。
【0249】 PCR増幅のため、4単位のrTthDNAポリメラーゼを含む18μlの濃
縮PCR反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用い
られる遺伝子特異的プライマーの一方或いは両方を各ウェルに加える。増幅は以
下の条件、即ち ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) で行う。
【0250】 PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で移動
させる。PCR産物のサイズを元の部分的なcDNAと比較して、適切なクロー
ンを選択し、プラスミドに連結して、配列決定を行う。
【0251】 同様に、SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、SEQD NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID
NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ IDNO:16のヌクレオチド配列を用いて
、上述の手順と、5′末端側の延長のために設計されたオリゴヌクレオチドと、
適切なゲノムライブラリーとを用いて5′調節配列を得る。
【0252】 6 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、SEQD NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、S
EQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ IDNO:16から導き出されたハイブリダイゼーシ
ョンプローブを用いて、cDNA、mRNA、またはゲノムDNAをスクリーニ
ングする。約20塩基対からなるオリゴヌクレオチドの標識について特に記すが
、より大きなcDNAフラグメントの場合でも基本的に同じ手順を用いる。オリ
ゴヌクレオチドを、OLIGO4.06(National Bioscience)のような最新式のソフト
ウェアを用いてデザインし、50pmolの各オリゴマーと、250μCiの[ γ‐32P]アデノシン三リン酸(Amersham, Chicago, IL)及びT4ポリヌクレオ
チドキナーゼ(DuPont NEN、Boston MA)とを組み合わせて用いることにより標 識する。標識されたオリゴヌクレオチドを、Sephadex G-25超精細樹脂カラム(
Pharmacia & Upjohn, Kalamazoo, MI)を用いて実質的に精製する。毎分107
ウントの標識されたプローブを含むアリコットを、次のエンドヌクレアーゼ、As
eI,Bgl II,EcoRI,Pst I,Xba1或いはPvuII(DuPont NEN)の1つを用いて切 断したヒトゲノムDNAの典型的な膜ベースのハイブリダイゼーション解析にお
いて用いる。
【0253】 各切断物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画して、ナイロン製
メンブラン(Nytran Plus, Schleicher & Schuell, Durham NH)に転写する。ハ
イブリダイゼーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り
除くため、ブロットを、段階的に厳密性が増す条件で最大0.1xクエン酸ナト
リウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウムまで順次室温にて洗浄する。
XOMAT ARTMフィルム(Kodak, Rochester, NY)を、フィルムに写すためにブロッ
トに数時間露光した後、ハイブリダイゼーションパターンを視覚的に比較する。
【0254】 7 マイクロアレイ 化学結合方法及びインクジェット装置を用いて、基板の表面上でアレイ要素を
合成することが可能である(例えば、上記Baldeschweilerを参照)。ドットブロ
ット法またはスロットブロット法に類似したアレイを利用し、要素を熱、UV、
機械的または化学的結合方法を用いて基板の表面に配置し結合させる。典型的な
アレイは、手作業または利用可能な方法や機械を用いて作製することができ、任
意の適正な数の要素を含み得る。ハイブリダイゼーションの後、ハイブリダイズ
していないプローブを取り除き、スキャナーを用いて蛍光のレベル及びパターン
を決定する。スキャンした画像を分析して、マイクロアレイ上で要素にハイブリ
ダイズする各プローブの相補性の程度及び相対的な量/発現レベルを調べること
が可能である。
【0255】 完全長のcDNA、発現配列タグ(EST:Expressed Sequence Tags)、或 いはそれらの断片が、マイクロアレイの要素を含み得る。ハイブリダイゼーショ
ンに好適な断片を、LASERGENETMTMなどの当分野で公知のソフトウェアを用いて 選択することが可能である。本発明の核酸配列の1つに対応する完全長のcDN
A、EST、或いはそれらの断片、或いは本発明に関連するcDNAライブラリ
から任意に選択されたcDNAを、ガラススライドなどの好適な基質に整列する
。cDNAは、例えばUV交差結合(UV cross-linking)を利用してスライドに
固定してから、熱処理及び化学処理を施し、最後に乾燥させる(例えば、 Schena
, M. 他. (1995) Science 270:467-470; 及び Shalon,D. 他. (1996) Genome Re
s. 6:639-645を参照)。蛍光プローブを準備して、基質上の要素にハイブリダイ ゼーションするために用いる。上記した方法によってこの基質を分析する。
【0256】 8 相補的ポリヌクレオチド HURPをコードする配列或いはその任意の一部に対して相補的な配列は、自
然発生のHURPの発現の低下即ち阻害するために用られる。約15〜約30個
の塩基対を含むオリゴヌクレオチドの使用について記すが、より小さな或いはよ
り大きな配列フラグメントの場合でも本質的に同じ方法を用いることができる。
Oligo4.06ソフトウェア及びHURPのコーディング配列を用いて、適切なオリ ゴヌクレオチドを設計する。転写を阻害するためには、最も独特な5′配列から
相補的なオリゴヌクレオチドを設計し、これを用いてプロモーターがコーディン
グ配列に結合するのを阻害する。翻訳を阻害するためには、相補的なオリゴヌク
レオチドを設計して、リボソームがHURPをコードする転写物に結合するのを
阻害する。
【0257】 9 HURPの発現 HURPの発現は、cDNAを適切なベクター内にサブクローニングし、その
ベクターを宿主細胞にトランスフェクトすることによって達成される。このベク
ターは、目的のcDNAと機能的に結合したクローニング部位の上流のβ−ガラ
クトシダーゼなどの好適なプロモーターを含む(例えば、Sambrook, supra, pp.
404-433; 及びRosenberg, M. 他 (1983) Methods Enzymol. 101:123-138を参照)
【0258】 単離されたトランスフェクト菌種を、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラ
ノサイド(isopropyl beta-D-thiogalactopyranoside:IPTG)を用いて標準的な方
法で誘導し、初めのβガラクトシダーゼの8つの残基、約5〜15残基のリンカ
ー、及び完全長タンパク質からなる融合タンパク質を作り出す。このシグナル配
列が細菌増殖培地へのHURPの分泌を誘導し、この培地は次の活性のアッセイ
において直接用いることができる。
【0259】 10 HURP活性の実証 例として、HURP−8の活性の実証を示す。HURP−8の活性は、アフィ
ニティクロマトグラフィーを用いてラットの脳のアセチルコリンエステラーゼと
HURP−8との結合を計測して示すことができる(Gaston, S.M. 他. (1982) J
. Cell.Biochem. 18:447-459.)。アセチルコリンエステラーゼ/リガチン複合体
は、ラットの脳膜から精製される。この複合体を、5mMのHEPES及び0.
5MのEGTA、pH8.0の緩衝剤に4℃で一晩透析することにより解離させ
、リガチンを含まないアセチルコリンエステラーゼを精製する。0.1MのNa
リン酸塩のpH7.0の緩衝剤において23℃で2時間、200−500μgの
HURP−8を、1−2mlのAffi-Gel 10レジン(Bio-Rad Laboratories)と共 有結合させる。結合しなかったAffi-Gel 10エステルが、0.1Mのグリシンの pH7.0の緩衝剤において23℃で1時間培養されて飽和される。アフィニテ
ィカラムが、10mMのHEPES及び3mMの塩化カルシウム、50mMの塩
化ナトリウム、1mMのアジ化ナトリウムのpH7.6の緩衝剤で平衡化される
。ラットの脳のアセチルコリンエステラーゼが、アフィニティカラムに加えられ
る。ラットの脳のアセチルコリンエステラーゼをそのカラムに適用する。HUR
P−8に結合したアセチルコリンエステラーゼが、10〜40mMのホスホヘキ
ソース糖(phosphohexose sugar)によって、アフィニティカラムから遊離され 得る。
【0260】 11 HURPに特異的な抗体の産生 PAGE電気泳動法(例えば、Harrington,M.G. (1990) Methods Enzymol. 182
:488-495を参照)または他の精製技術を用いて実質的に精製されたHURPを、 標準的なプロトコルによりウサギを免疫化し、抗体を作り出すために用いる。
【0261】 HURPアミノ酸配列をLASERGENETMソフトウエア(DNASTAR社)を用いて解析
して免疫原性の高い領域を決定し、対応するオリゴペプチドを合成してこれを用
いて当業者に周知の方法で抗体を産生させる。C末端付近の、或いは隣接する親
水性領域内のエピトープなどの適切なエピトープの選択については、当分野で周
知である(例えば、 Ausubel 他による.上記, ch.11を参照)。
【0262】 通常、このオリゴペプチドは約15残基の長さを有するもので、Applied Bios
ystemsのペプチドシンセサイザModel 431Aを用いてfmoc法のケミストリによ
り合成し、N−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル
(MBS)を用いた反応によりKLH(Sigma, St. Louis, MO)に結合させて、
免疫原生を高める(例えば、 Ausubel 他、前出を参照)。フロイントの完全アジ ュバントにおいてオリゴペプチド−KLH複合体を用いてウサギを免疫化する。
得られた抗血清の抗ペプチド活性を検査するには、例えばペプチドをプラスチッ
クに結合し、1%BSAを用いてブロックし、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し
、さらに放射性ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIgGと反応させる。
【0263】 12 特異的抗体を用いる自然発生HURPの精製 自然発生HURP或いは組換えHURPを、HURPに特異的な抗体を用いる
イムノアフィニティークロマトグラフィにより実質的に精製する。イムノアフィ
ニティーカラムは、CnBr-活性化Sepharose(Pharmacia Biotech社)のような活 性化クロマトグラフィー用レジンとHURP抗体とを共有結合させることにより
構築する。結合の後、そのレジンを製造者の使用説明書に従って、ブロックし洗
浄する。
【0264】 HURPを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムをH
URPを優先的に吸着できる条件下で(例えば、界面活性剤の存在下において高
イオン強度のバッファーで)洗浄する。このカラムを、抗体とHURPとの結合
を切るような条件下で(例えば、pH2−3のバッファー、或いは高濃度の尿素
またはチオシアン酸塩イオンのようなカオトロピックイオンで)溶出させ、HU
RPを回収する。
【0265】 13 HURPと相互作用する分子の同定 HURP又は生物学的に活性なその断片を、125Iボルトンハンター試薬(例 えば、Bolton他 (1973) Biochem. J. 133:529を参照)で標識する。マルチウェ ルプレートに予め配列しておいた候補の分子を、標識したHURPとともにイン
キュベートし、洗浄して、標識したHURP複合体を有する全てのウェルをアッ
セイする。様々なHURP濃度で得られたデータを用いて、候補の分子とHUR
Pの関係、親和性、数について数値を計算する。
【0266】 当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明の記載した方法
及びシステムの種々の改変を行うことができるであろう。特定の好適実施例に基
づいて本発明を説明したが、本発明の範囲が、そのような特定の実施例に不当に
制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、分子生物学或いは関連す
る分野の専門家には明らかな本明細書に記載の本発明の実施のための方法の様々
な改変は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 37/06 4H045 35/00 C07K 14/705 37/06 14/725 C07K 14/705 16/28 14/725 C12P 21/02 C 16/28 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/68 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 バンドマン、オルガ アメリカ合衆国カリフォルニア州94043・ マウンテンビュー・アンナアベニュー 366 (72)発明者 ユエ、ヘンリー アメリカ合衆国カリフォルニア州94087・ サニーベイル・ルイスアベニュー 826 (72)発明者 ゲグラー、カール・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・オークランドアベニュー 1048 (72)発明者 コーレイ、ニール・シー アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#30・デールアベニュ ー 1240 (72)発明者 オウ−ヤング、ジャニス アメリカ合衆国カリフォルニア州94702・ バークレイ・カインズアベニュー 1419 (72)発明者 タング、ワイ・トム アメリカ合衆国カリフォルニア州95118・ サンノゼ・ランウィックコート 4230 (72)発明者 シャー、パルビ アメリカ合衆国カリフォルニア州94087・ サニーベイル・#5・クイーンシャルロッ トドライブ 1608 (72)発明者 ラル、プリーティ アメリカ合衆国カリフォルニア州95054・ サンタクララ・ラスドライブ 2382 (72)発明者 ボーグン、マライア アメリカ合衆国カリフォルニア州94577・ サンレアンドロ・サンティアゴロード 14244 Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA36 FB02 FB03 FB05 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ08 QQ42 QR08 QR33 QR36 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4B064 AG20 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4C084 AA02 AA17 BA22 NA14 ZA662 ZB072 ZB112 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 EA20 EA50 FA74 GA26

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、
    SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の断 片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:
    5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からなる
    グループから選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、
    SEQ ID NO:7、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:5の断片
    、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片からなるグループから選択されたアミ
    ノ酸配列を含む請求項1の実質的に精製されたポリペプチド。
  3. 【請求項3】 SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、
    及びSEQ ID NO:3の断片、SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7
    の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含む請求項1の実質的に
    精製されたポリペプチド。
  4. 【請求項4】 SEQ ID NO8及びSEQ ID NO:8の断片からなるグループから 選択されたアミノ酸配列を含む請求項1の実質的に精製されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ
    ID NO:2の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含む請求項1の
    実質的に精製されたポリペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項1のアミノ酸配列と90%以上のアミノ酸同一性を
    有する実質的に精製された変異体。
  7. 【請求項7】 請求項1のHURPをコードする単離され精製されたポリ
    ヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項7のポリヌクレオチドと90%以上のポリヌクレオ
    チド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  9. 【請求項9】 厳密な条件の下で請求項7のポリヌクレオチドとハイブリ
    ダイズする単離され精製されたポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項7のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単
    離され精製されたポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO
    :12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、及びSEQ ID
    NO:9の断片、SEQ ID NO:10の断片、SEQ ID NO:11の断片、 SEQ ID NO:12の断片 、SEQ ID NO:13の断片、SEQ ID NO:14の断片、SEQ ID NO:15の断片、SEQ ID NO:
    16の断片からなるグループから選択されたポリヌクレオチド配列を含む単離され
    精製されたポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 請求項11のポリヌクレオチドと90%以上のポリヌク
    レオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  13. 【請求項13】 請求項11のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する
    単離され精製されたポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 少なくとも請求項7のポリヌクレオチドの断片を含む発
    現ベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14の発現ベクターを含む宿主細胞。
  16. 【請求項16】 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4
    、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、及びSEQ ID NO:1の 断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ ID NO:4の断片、SEQ ID N
    O:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、SEQ ID NO:8の断片からな
    るグループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドの製造方法であって
    、 (a)前記ポリペプチドの発現に好適な条件の下で、請求項15の宿主細胞を
    培養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと
    を特徴とする製造方法。
  17. 【請求項17】 好適な医薬用担体と共に請求項1のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  18. 【請求項18】 好適な医薬用担体と共に請求項4のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  19. 【請求項19】 好適な医薬用担体と共に請求項5のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1のポリペプチドと特異的に結合する精製された
    抗体。
  21. 【請求項21】 請求項1のポリペプチドの精製されたアゴニスト。
  22. 【請求項22】 請求項1のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  23. 【請求項23】 請求項2のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  24. 【請求項24】 請求項3のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  25. 【請求項25】 癌の予防及び治療が必要な患者に、請求項22のアンタ
    ゴニストを効果的な量投与する過程を含む、癌を予防及び治療する方法。
  26. 【請求項26】 自己免疫/炎症性疾患の予防及び治療が必要な患者に、
    請求項22のアンタゴニストを効果的な量投与する過程を含む、自己免疫/炎症
    性疾患を予防及び治療する方法。
  27. 【請求項27】 生殖障害の予防及び治療が必要な患者に、請求項23の
    アンタゴニストを効果的な量投与する過程を含む、生殖障害を予防及び治療する
    方法。
  28. 【請求項28】 胃腸疾患の予防及び治療が必要な患者に、請求項24の
    医薬品組成物を効果的な量投与する過程を含む、胃腸疾患を予防及び治療する方
    法。
  29. 【請求項29】 胃腸疾患の予防及び治療が必要な患者に、請求項18の
    医薬品組成物を効果的な量投与する過程を含む、胃腸疾患を予防及び治療する方
    法。
  30. 【請求項30】 発生障害の予防及び治療が必要な患者に、請求項19の
    医薬品組成物を効果的な量投与する過程を含む、発生障害を予防及び治療する方
    法。
  31. 【請求項31】 生物学的サンプルにおいてSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、
    SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID
    NO:8、及びSEQ ID NO:1の断片、SEQ ID NO:2の断片、SEQ ID NO:3の断片、 SEQ
    ID NO:4の断片、SEQ ID NO:5の断片、SEQ ID NO:6の断片、SEQ ID NO:7の断片、
    SEQ ID NO:8の断片からなるグループから選択されたアミノ酸配列を含むポリペ プチドをコードするポリヌクレオチドを検出する方法であって、 (a)請求項10のポリヌクレオチドを少なくとも生物学的サンプルの核酸の
    1つとハイブリダイズさせて、ハイブリダイゼーション複合体を形成する過程と
    、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記ハイ
    ブリダイゼーション複合体の存在が前記生物学的サンプルに前記ポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチドが存在することと相関性を有する、該過程とを含む
    ことを特徴とする検出方法。
  32. 【請求項32】 前記生物学的サンプルの核酸が、ハイブリダイゼーショ
    ンの前にPCR法により増幅されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
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