JP2002502887A - オリゴ糖を含むアポトーシス異常の治療用薬剤 - Google Patents

オリゴ糖を含むアポトーシス異常の治療用薬剤

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JP2002502887A
JP2002502887A JP2000530215A JP2000530215A JP2002502887A JP 2002502887 A JP2002502887 A JP 2002502887A JP 2000530215 A JP2000530215 A JP 2000530215A JP 2000530215 A JP2000530215 A JP 2000530215A JP 2002502887 A JP2002502887 A JP 2002502887A
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ジャン・クロード・イヴァン
フローレンス・クルツ
ヴァレリー・デカン
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ヴェスナ・ティバル
パトリック・アリゴ
ベルナール・クローレック
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ラボラトワール・ゴエマー・ソシエテ・アノニム
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、活性成分として、アポトーシス異常の調整に適し、かつ単位の少なくともあるものに対し、硫酸、メチルおよびアセチル基を含む群の少なくとも一つの置換基を任意に含む、有効量の少なくとも一つのオリゴ糖物質を含む薬剤を対象とし、前記物質は、酵素または化学的方法によって、任意に(1→6)−β−分枝を含む(1→3)−β−グルカンを含むポリマー群から抽出されたオリゴ糖、および酵素または化学的方法によって、硫酸ガラクタン、特にカラゲナン、寒天およびポルフィランから抽出されたオリゴ糖、を含む群から選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、アポトーシス異常の治療用薬剤を対象とする。
【0002】 「アポトーシス」という用語は、プログラム細胞死または細胞自殺を指す。
【0003】 この死は、一定のプログラムに従った細胞の自動除去に対応する。
【0004】 この死は、まず原形質膜レベルの膨張によって現れ、この膨張は膜の構造的変
化を伴い、次に収縮し、かつ自己の上に崩壊するように見える細胞の体積減少に
よって現れる。
【0005】 核は凝縮し、かつDNAは小断片に断片化する(Raff,“Nature”
,356,397,1992; Bortner et al.,“Trend
s in Cell. Biol.”5,21,1995)。
【0006】 In vivoでは、アポトーシス細胞は、アポトーシス細胞を食細胞により
貪食し、いかなる炎症過程もなしに除去しようとするマクロファージによって認
識される。
【0007】 In vivoではまた、アポトーシスは核、特に活性化後のリンパ球の数を
制御するために、生物によって広く利用される。
【0008】 またアポトーシスは、生物の発育過程で、不要な胚組織除去(トカゲの尻尾、
一方または他方の性の生殖器の現れ)および生物の形成(将来の指と他の指の間
の指間水かき部分の除去)において最も重要な役割を果たす。
【0009】 生物内に存在する、ある種の化合物が特にアポトーシス現象を誘発する。この
ようにして、例えば哺乳類では、APO−1またはCD95によっても示される
Fas膜レセプターにFasリガンドが結合することが、特にアポトーシスを誘
発する。このアポトーシスは、リンパ球、特にTリンパ球の数を制御するために
生物が使用する。
【0010】 前記レセプターおよびリガンドは、生物内でもはや望まれない細胞を特別に除
去することにおいて起こる非常に興味深い生理学システムを表す。
【0011】 Tリンパ球の成熟および活性化過程の細胞除去を特に挙げることができる。実
際、Fasシステム、すなわちFasリガンド/Fasレセプターは、免疫シス
テムの恒常性において最も重要な役割を果たす。
【0012】 Fasレセプターは、細胞の表面でレセプターとして作用し、かつTNF(腫
瘍壊死因子)およびNGF(神経成長因子)レセプターも含むたんぱく質ファミ
リーの一員である。
【0013】 Fasレセプターは、多数の細胞中に表れる。Fasレセプターは、ゴルジ体
のレベルで蓄積されるであろう。
【0014】 Fasシステムが細胞死を誘発するメカニズムは、不明であるがICE様(英
語の「インターロイキン−1 β−変換酵素」)またはカスパーゼ(caspa
ses)という名称で知られているプロテアーゼの活性化に助けを求めている。
【0015】 Fasリガンドは、細胞の適正な自殺を誘発するために細胞から分泌され得る
ことに注目できる。しかしこのリガンドが活性化させる細胞の表面にもまた存在
するので、それにより活性化させる細胞は、単純接触により対象となる細胞の自
殺を誘発する。一旦活性化すると、Fasレセプターは、アポトーシスを開始す
る信号を伝達するために多数の細胞内たんぱく質と相互作用を及ぼす。
【0016】 In vitroでは、アポトーシスを誘発する他の手段が存在する。例えば
ある種のキナーゼ、特にキナーゼCの活性化を抑制することによる。この場合、
スタウロスポリン(staurosporine)に頼ることもできる。
【0017】 この生成物はアポトーシスによる細胞死を誘発するのに非常に有効である。
【0018】 それでもスタウロスポリンによって誘発されるシグナル伝達は、Fasレセプ
ターに作用するシグナル伝達とは相違することに注意すべきである。
【0019】 しかしながら、アポトーシス活性手段が相違するものの、これら二通りの活性
形式によって誘発される死のプログラム実行は、等価値であり、カスパーゼカス
ケードの活性化および細胞のプログラム破壊を促進する化合物(例えばチトクロ
ームC)を有利するミトコンドリアの異常を特徴とする。この現象は、エネルギ
ー依存性ではあるが、新規のたんぱく質合成を必要としない。実際、適正な破壊
を確保するために、細胞の中には全てが準備されている。
【0020】 In vivoでは、アポトーシス現象の調節は、非常に重要である。
【0021】 実際、多数の病理学は、その異常に結び付けられる。
【0022】 例えば、アポトーシスがFasシステムを通じて調整される二つのアポトーシ
ス異常:アポトーシスが不充分である自己免疫疾患およびアポトーシスが過度に
活発なHIV−1に感染したTリンパ球CD4+破壊、が挙げられる。
【0023】 例えば板硬化症で見つかったニューロンの変質などの他の場合では、アポトー
シスはまだ不明である方法によって活性化する。
【0024】 アポトーシスが不充分である他の病理学も存在する。この点に関して、アポト
ーシスがFasシステムに依存しているように見えるであろう癌細胞の蓄積を挙
げることができる(“Green”,Science,vol.278,124
6,1997)。
【0025】 出願人は、上記に述べた事項を確認した上で、自己免疫疾患および癌の病理学
を含む群の病理学の場合の活性化の観点からも、AIDSを含む群の病理学の場
合の抑制の観点からも、アポトーシス異常の調整が可能な薬剤を使用した時から
、これらの疾患と闘うことが可能になることを発見する功績を挙げた。
【0026】 また出願人はそれに劣らぬ、その単位の少なくともあるものおいて、硫酸、メ
チルおよびアセチル基を含む群の少なくとも一つの置換基を任意に含む、ある種
のオリゴ糖および単糖類物質は、アポトーシス異常を調整するのに適しているこ
とを発見する功績を挙げた。
【0027】 本発明は、従って活性成分として、アポトーシス異常の調整に適し、かつ単位
モチーフの少なくともあるものに対し、硫酸、メチルおよびアセチル基を含む群
の少なくとも一つの置換基を任意に含む、オリゴ糖物質の少なくとも一つの有効
量を含むことを特徴とする薬剤を対象とし、前記物質は、 − 酵素または化学的方法によって、任意に(1→6)−β−分枝を含む(1→
3)−β−グルカンを含むポリマー群から抽出されたオリゴ糖、 − 酵素または化学的方法によって、硫酸ガラクタン、特にカラゲナン、寒天お
よびポルフィラン(porphyrane)から得られたオリゴ糖、 を含む群から選択される。
【0028】 好ましい実施様態によれば、本発明の薬剤は、アポトーシス異常の調整に適し
、下記式に対応するオリゴ糖の少なくとも一つの有効量を活性成分として含む。
【化3】 式中、nは1から50、好適には5から10である整数を表し、また式中分枝数
は、反復単位によって0から3に変化する。
【0029】 他の好ましい実施様態によれば、本発明の薬剤は、活性成分として、有効量の
少なくとも一つの、アポトーシス異常の調整に適し、下記式に対応する反復二糖
(disaccharide de repetition)を含む。
【化4】 式中、nは1から50、好適には1から20である整数を表し、式(II)の反
復二糖の少なくともあるものは、一つ以上の硫酸基を含み得る。
【0030】 他の好ましい実施様態によれば、本発明の薬剤は、活性成分として、有効量の
、少なくとも部分的にアポトーシスを抑制するのに適し、かつイオタ−カラゲネ
ートナトリウムから加水分解によって得られる生成物を含み、この生成物は、I 9 によって示されるオリゴ−イオタ−カラゲナンの混合物からなり、[チルマンス
(Tillmans)およびフィリッピ(Philippi)によって測定され
た)全単糖類の濃度が62%であり、またザブラキス(Zablakis)およ
びペレツ(Perez)がポリアクリルアミド電気泳動で概算した寸法による分
布概要は、下記の通りである。 イオタ−ネオカラテトラオス (DP2) 8〜12% イオタ−ネオカラヘキサオス (DP3) 23〜27% イオタ−ネオカラオクタオス (DP4) 18〜22% イオタ−ネオカラデカオス (DP5) 13〜17% イオタ−ネオカラドデカオス (DP6) 8〜12% オリゴ−イオタカラゲナン (DP7) 3〜 7% 8から15の反復二糖からなるオリゴ− イオタカラゲナン (DP8〜15) 13〜17%
【0031】 上記方法は、Zablakis E.およびPerez J.のものに関して
は、“Botanica marina”,33,273−276(1990)
に、Tillmans J.およびPhilippi K.のものに関しては、
“Biochem.Z.”,215,30‐60(1930)に記載されている
【0032】 I9を製造するためには、以下の処理ができる。
【0033】 温度45〜50℃で部分的に精製したイオタカラゲナーゼ酵素の存在下でイオ
タカラゲナンを培養し、次に10000Daの膜で加水分解で生成物を限外ろ過
する。このようにして、I9を得る。
【0034】 より特別には、イオタカラゲナンポリマーは、大腸菌株内で過度に圧力を加え
られた組み換えイオタカラゲナーゼによって加水分解される。
【0035】 酵素の製造は、(培養1リットルに対応する)細菌底部の溶解によって10m
Mトリス緩衝液pH7.5、100mM NaCl、5mM CaCl2の50 mlの中で、最終的に500U/mlになるよう、行われる。
【0036】 実際的な観点からは、濃度が5g/lとなるようにイオタカラゲナン基質10
0gを熱した(80℃)蒸留水20lで溶解し、炭酸アンモニウムでpHを7.
5に調節する。
【0037】 加水分解を実行するために酵素は、50U/gポリマーで加えられる。連続の
限外ろ過は、30分後に開始される。接線限外ろ過のことである。
【0038】 この接線限外ろ過に関して、Millipore社の10000Da 0.4
6m2PTGCのカセットを含むPelliconマークの装置を使用すること ができる。この装置は入り口では2バールに、出口では0.5バールに調節され
ている。
【0039】 ろ過液の出口は、ろ過の流量を1時間あたり1リットルに保つために部分的に
閉鎖されている。
【0040】 反応室の特質は、溶液20lが使い尽くされるまで酵素を基質に供給すること
および2リットルの一定の体積を維持できるように選択されている。
【0041】 回転蒸留によって1リットルにまで濃縮される18lの限外ろ過液を得て、次
に濃縮液は、凍結乾燥される。このようにして得られた凍結乾燥物は、I9生成 物を含んでいる。
【0042】 このようにして得られたフラクションI9のオリゴカラゲナンは、バイオゲル カラムP6、次にセファデックスカラムG10で低圧クロマトグラフィーによる
補助分別を受ける。
【0043】 このようにして上記フラクションを得る。
【0044】 他の好ましい実施様態によれば、本発明の薬剤は、活性成分として、有効量の
、少なくとも部分的にアポトーシスを抑制するのに適し、かつ生成物I9のフラ クションDP7からなる生成物を含む。
【0045】 他の好ましい実施様態によれば、本発明の薬剤は、活性成分として、有効量の
、アポトーシス異常を活性化するのに適し、ラミナリア・デジタータ(Lami
naria digitata)と呼ばれる褐色の海藻から酸性水抽出によって
得られた生成物を含み、この生成物は、L11と示されるオリゴ(1→3)−β−
グルカンの混合物からなり、かつ糖質単位1から50、好適には20から30を
含み、当該の生成物は図1に示されるRMNスペクトルを呈する。
【0046】 生成物L11は、ラミナリア・デジタータが代表である褐色の海藻一般から水抽
出によっても得られることに注目すべきである。
【0047】 生成物L11の製造は、以下の通り実行し得る。
【0048】 新鮮なまたは乾燥した形の8月に収穫したラミナリア・デジタータ型の新鮮な
海藻300gに0.3%の硫酸1lを徐々に加える。
【0049】 この作業は、温度約70℃の湯煎鍋で2時間30分攪拌しながら行う。
【0050】 この作業は、2回繰り返す。
【0051】 得られた抽出物は、孔隙率1.2μmのろ過器でろ過することによって精製す
る。
【0052】 このろ過で生じた液体は、孔隙率50000ダルトンの膜で接線限外ろ過を受
ける。
【0053】 限外ろ過は、圧力1バールを保ち、行われる。
【0054】 このようにして、体積が約0.8リットルを呈する、pHを5.5にした限外
ろ過物が得られる。この限外ろ過物は、孔隙率が500ダルトンに等しいセルロ
ースエステル膜で透析を受ける。
【0055】 ROTOVAPOR型の装置を使用して、80℃で蒸発することによって体積
100mlに濃縮し、次に凍結乾燥した透析物を得る。
【0056】 生成物L11を構成するクリーム色の粉7gが得られる。
【0057】 電流測定器に連結され、かつDIONEX社が販売しているイオン交換樹脂を
使用したイオンクロマトグラフィーによる分析は、上記粉を構成するオリゴ(1
→3)−β−グルカンは実際に糖質単位1から50、好適には20から30であ
ることを示す。
【0058】 クロマトグラフィーの条件(HPLC、すなわち“高圧での液体クロマトグラ
フィー”、と呼ばれる方法)は、下記の通りである。 カラム Carbopac PA1 流量 1ml/min 検出 電流測定 − 金の電極 注入 50μl 溶離傾度 ソーダ50mM/酢酸ナトリウム500mM − 脱塩水 分析時間 15分 保留時間 = 9〜10分 図16に示された、生成物L11を識別する曲線が得られた。
【0059】 D20中の溶液80mg/mlから行われ、図1に示した生成物L1113Cの RMNスペクトル検査では、文献(Williams et al.,1992
“サッカロミセス−セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)から抽出した水溶
性、硫酸化(1→3)−β−D−グルカン生物反応改質剤の発展”、Carbo
hydr. Res. 235:247:25を参照)の値に比較して、異なる
炭素の共鳴が識別できた(下記表A中にまとめる)β−D−(1→3)‐グルカ
ンの骨格構造を示した。
【0060】
【表1】
【0061】 以上に説明した本発明の薬剤は、保持されている投与方式および薬量学に対応
する従来の処方の補助剤を含む。
【0062】 本発明は、上述の活性成分の少なくとも一つを薬学的組成物に含ませることを
特徴とするアポトーシス異常の治療用薬剤の製造方法も対象とする。
【0063】 好適な実施態様では、前記薬学的組成物は、静脈内経路の投与に適している。
【0064】 本発明は、アポトーシス異常の治療用薬剤製造のために、任意に(1→6)−
β−分枝を含む(1→3)−β−グルカンおよび、硫酸ガラクタン、特にカラゲ
ナン、寒天およびポルフィランから酵素または化学的方法によって抽出されたオ
リゴ糖を含む群のポリマーの酵素または化学的方法によって抽出されたオリゴ糖
を含む群の糖類物質の使用も目的としている。
【0065】 より特別には、本発明は、アポトーシス異常の治療用薬剤製造のために、式(
I)のオリゴ糖および式(II)のオリゴ糖の使用を目的としている。
【0066】 また更に特別には、本発明は、アポトーシス異常の治療用薬剤製造のために、
9およびL11で示される生成物、並びにI9のフラクションDP2およびDP7
の使用を目的としている。
【0067】 本発明は、以下に続く記載の補足および限定的では全くないが好適な実施態様
に対応する実施例によって更に良く理解されるであろう。
【0068】 以下に記載される実験では、細胞培養に関して作業し、当該細胞培養では、F
asシステムまたはスタウロスポリンに頼ってアポトーシス過程を開始し、次に
本発明の薬剤の活性成分を構成する生成物によって得られる調整効果を研究した
【0069】 これらの実験の枠内では、一方で、アポトーシス調整を探求する効果を得るた
めに適量の活性成分を測定し、他方で、探求する調整効果を得るために、活性成
分またはそれを含む薬剤を投与するに適した時期を測定した。
【0070】 (実施例1) Fasヒトレセプターを構成的に表現するために遺伝学的に変更した齧歯類(
murine)の繊維芽細胞の培養に関して作業した。検査された活性成分はI 9 によって示される生成物である。
【0071】 予めなされた実験では、齧歯類の繊維芽細胞がFasレセプターを認識し、か
つ以後FasAbと示されるFasリガンドか、あるいは主動筋抗体の存在下に
おかれた場合、齧歯類の繊維芽細胞はアポトーシスによって破壊されていること
が示された。
【0072】 他の予めなされた実験では、生成物I9は、細胞増加を変化させないこと、使 用した濃度では齧歯類の繊維芽細胞に対し有毒でないこと、かつ従って問題を生
じることなく細胞培地に加えられることが測定された。
【0073】 齧歯類繊維芽細胞の培養に使用された培地は“Dulbecco‘s Mod
ified Eagle Medium”という名称でLife Techno
logies社が販売しているものである。この培地は、Dulbecco e
t al.による“Virology”8,396(1959)に記載されてい
る。
【0074】 この培地に5体積%の牛胎児血清を加えた。
【0075】 次に、この培地は、汚染の可能性を除くために充分な量の抗生物質の存在下、
齧歯類の繊維芽細胞をもって接種された。培地中の繊維芽細胞の濃度は、培地1
mlにつき細胞105である。
【0076】 培養は、温度が37℃に保たれた培養器内部で行われた。培養器を満たした空
気にはCO25%が含まれていた。
【0077】 24時間培養した後、Fasリガンドか、あるいはFasAbを直接培地に加
えた。
【0078】 FasAbの加えられた量は、培地1mlにつき50μgであった。
【0079】 この条件で、約24時間の培養の後、約70%の培養細胞がアポトーシスによ
り破壊された。
【0080】 この破壊は、生き残った細胞に紫水晶の色が着いたことによって明らかにされ
た。
【0081】 次に、活性成分の働きを明らかにするために何回かテストを行った。
【0082】 これらのテストでは、FasAbを加えることに関して、活性成分の最適な濃
度および活性成分導入の最も都合の良い時期を測定できるように、一方では、活
性成分が培地に使用される濃度を、また他方では、活性成分がこの培地に加えら
れる時期を変化させた。
【0083】 活性成分の濃度を0.001から2mg/mlに変化させた。
【0084】 まず活性成分をFasAbより前に、次に同時にまた最後には後で加えて得ら
れた効果を相次いで研究した。
【0085】 最初のテストでは、活性成分はFasAbの24時間前に加えた。
【0086】 このテストの枠内で、培地1mlにつき0、次に5、次に10、次に50、次
に100および最後に500ngのFasAbを順に使用し、かつ各場合で、培
地1mlにつき活性成分の濃度が順に0.25、次に0.5および最後に1mg
に等しくして得られた効果を書き留め、また活性成分がない場合、すなわち濃度
0%で得られた効果も書き留めた。
【0087】 24時間の培養後、生き残りの分析を行った。
【0088】 分析の結果は図2のヒストグラムで表した。
【0089】 このヒストグラムの横軸にはng/mlで表現したFasAbの培地濃度が示
され、縦軸には%で表現した生存率が示される。
【0090】 縦軸に平行な4本の長方形で、各FasAbの濃度に対し、活性成分の4通り
の濃度、すなわち0mg/ml、0.25mg/ml、0.5mg/ml、およ
び1mg/ml、のそれぞれにつき生存率を表し、標準偏差は、対応する長方形
の上にある縦軸と平行な線分で毎回表している。
【0091】 活性成分0mg/mlに対応する長方形は、毎回一番左にある長方形であり、
活性成分0.25mg/mlに対応する長方形はその右にあり、0.5mg/m
lに対応する長方形は、0.25mg/mlの右にあり、以下同様である。
【0092】 4本の長方形は、固有の線影、点線、ぼかしによって毎回識別される。
【0093】 このようにして図2のヒストグラムに集められた結果を検討すると、活性成分
がない場合、FasAbの濃度の増加と共に、生存率が減少すること、および活
性成分を加えることによって生存率は著しく改善されることを示している。
【0094】 2回目のテストでは、培地にFasAbおよび活性成分を同時に加えた。
【0095】 この2回目のテストでは、1回目のテストと同一濃度のFasAbおよび活性
成分を相次いで使用して得られた効果を書き留めた。
【0096】 24時間培養した後、生き残りの分析をした。
【0097】 記録された結果は、図2のヒストグラムに関して説明した原則と同一の原則に
従って構成された図3のヒストグラムに集められている。
【0098】 これらの結果を検討すると、1回目のテストで書き留めた生存率と類似した様
子で生存率が変化することを示している。
【0099】 3回目の一連のテストでは、培養1mlにつきFasAbの濃度を0から50
0ngに同様に変化させて、活性成分をFasAbの後に、すなわち相次いで、 最初に、FasAbの1時間後、 次に、FasAbの3時間後、および 最後に、FasAbの6時間後、 に添加する。
【0100】 活性成分をFasAbの1時間後に加えた場合、 − 図4のヒストグラムに、I9の濃度0mg/ml、0.005mg/ml 、0.01mg/mlおよび最後に0.05mg/mlに関して書き留めた結果
を集め、 − 図5のヒストグラムに、I9の濃度0mg/ml、0.1mg/ml、0 .25mg/mlおよび最後に0.5mg/mlに関して書き留めた結果を集め
、かつ − 図6のヒストグラムに、I9の濃度0mg/ml、0.25mg/ml、 0.5mg/mlおよび最後に1mg/mlに関して書き留めた結果を集めた。
【0101】 図4から6のヒストグラムは、図2のヒストグラムに関して説明した原則と同
一の原則に従って構成されている。
【0102】 活性成分の添加がFasAb添加の3時間後に行われた場合、図7のヒストグ
ラムに、I9の濃度0mg/ml、0.25mg/ml、0.5mg/mlおよ び1mg/mlに関して書き留めた結果を集めた。
【0103】 活性成分の添加がFasAb添加の6時間後に行われた場合、図8のヒストグ
ラムに、I9の濃度0mg/ml、0.25mg/ml、0.5mg/mlおよ び1mg/mlに関して書き留めた結果を集めた。
【0104】 図7および8のヒストグラムは、図2のヒストグラムに関して説明した原則と
同一の原則に従って構成されている。
【0105】 図4から8のヒストグラムに集められた結果全体を検討すると、FasAb添
加後の活性成分添加の場合、生存率は、常に増加することが示される。しかしな
がらこの効果は、FasAbと活性成分の連続した添加の間に経った時間が増加
するときは、減少する傾向にある。また、この効果は活性成分の濃度が0.25
mg/ml未満であるときに、活性成分の濃度に影響されやすい。0.25mg
/mlを超える濃度に関しては、著しい改善は得られなかった。
【0106】 ここまで記載した実験では、アポトーシスはFasAbシステムによって誘発
された。
【0107】 スタウロスポリンによって構成されるキナーゼ抑制剤によってアポトーシスを
誘発して他の実験を行った。
【0108】 0.5から5μMに変化した分量で、大部分の細胞の場合、スタウロスポリン
がアポトーシス死を誘発することが想起される。
【0109】 この実験では、スタウロスポリンおよびI9の添加は同時であった。
【0110】 I9の分量は2通り、すなわち0.2mg/mlおよび0.5mg/mlが使 用された。
【0111】 スタウロスポリンは、0.5μM、次に1μMで、および最後に1.5μMの
割合で使用される。
【0112】 処理された細胞の生存率は、毎回18時間の培養後に測定された。
【0113】 記録された結果は、スタウロスポリンの濃度に応じ、かつ上記に特定したI9 の分量について、図9に示されかつ%で表現された生存率を示すヒストグラムに
現れている。
【0114】 証拠となる実験が、スタウロスポリンの濃度0μMで行われた。
【0115】 ヒストグラムに現れている結果を検討すると、I9の使用は、スタウロスポリ ンに誘発されるアポトーシスを緩和することが示されている。
【0116】 ここまで記載した2回の実験の結果、本発明の薬剤は、アポトーシスが幾つか
の作用物から誘発されるとき、アポトーシスの意義深い緩和を得ることが可能に
なっている。
【0117】 (実施例2) この実施例では、研究した細胞培養は、Tリンパ球(Jurkat型)からな
る不死化したヒト細胞の培養である。
【0118】 使用された培地は“RPMI 1640 Medium”という名称でLif
e Technologies社が販売しているものである。この培地は、Mo
ore et al.による出版物“A.M.A.”199,519(1967
)に記載されている。
【0119】 この培地に10体積%の牛胎児血清および汚染の可能性を除くために抗生物質
を加えた。
【0120】 この培地を、培地1mlにつきTリンパ球106の量で接種した。
【0121】 培養温度は37℃であり、培養器を満たした空気にはCO25%が含まれてい る。
【0122】 24時間培養した後、FasAbおよび活性成分を同時に加えた。
【0123】 加えられるFasAb(Upstate Biotechnology社が製
造し、Euromedex社がカタログ05‐201号で販売しているものを指
す)の量は、培地1mlにつき50ngである。
【0124】 活性成分は、生成物I9および生成物L11から順次構成される。
【0125】 各場合で使用される量は、0.5mg/mlである。
【0126】 生き残りの分析は、実験開始後18時間で行われた。
【0127】 この生き残りの分析は、流動細胞計測法によって機能する型の装置に細胞10 4 を含む培養液を通すことからなり、この場合、Beckton Dickin son社が“FAC Scan cytometer”という名称で販売したも
のである。
【0128】 この装置は、細胞の表面におけるホスファチジルセリンの存在を検出するゾン
デを使用する。この生成物の存在することは、当該細胞がアポトーシスであるこ
とを示す。
【0129】 この分析の結果は図10から13に表し、各図には、異なる細胞の数を表象す
るために輪郭を定めた3個の多角形、それぞれA、BおよびCを表示する。多角
形Aは、生細胞の集団を、多角形Bは、アポトーシス細胞の集団を、また多角形
Cは、死細胞の集団を囲む。
【0130】 下記の表2では、以下に注釈を施す図10から13の各場合の生細胞、アポト
ーシス細胞の割合および死細胞の割合を集めた。
【0131】
【表2】
【0132】 図10は、FasAbも活性成分も添加しない培地試料に関して行われた生き
残りの分析を表す。これは証拠である。この場合、多角形A内にある生きた細胞
しか実質的にないのが見られる(表2の1行目参照)。
【0133】 図11は、FasAbのみ添加した培地試料に関して行われた生き残りの分析
を表す。この場合、多角形Bがアポトーシス細胞21%を含んでいることが見ら
れる(表2の2行目参照)。
【0134】 図12は、FasAbおよび活性成分I9(0.5mg/ml)が同時に加え られた培地試料に関して行われた生き残りの分析を表す。この場合、多角形Bが
事実上アポトーシス細胞(2%)を含んでいないことが見られ、多角形Aは多く
の生細胞を含み、また多角形Cは、死細胞の幾らかの集中(6%)を含んでいる
(表2の3行目参照)。
【0135】 図13は、FasAbおよび活性成分L11(0.5mg/ml)が同時に加え
られた培地試料に関して行われた生き残りの分析を表す。この場合、多角形Bが
大量のアポトーシス細胞(13%)を含んでいること、および多角形Cは無視で
きない量の死細胞(9%)を含んでいることが見られる(表2の4行目参照)。
【0136】 従って、図10から13の検査および異なる多角形に存在する細胞の割合の分
析から導き出し得る結論は、活性成分I9が、この実験の範囲で、FasAbア ポトーシスを抑制するということである(アポトーシス細胞が21%から2%に
なった)。しかしながら、死細胞の数の僅かな増加が認められた(この数は、1
%から6%になった)。生細胞の数を考慮した場合、13%の保護が観察された
(77%から90%になった)。
【0137】 活性成分L11に関して、FasAbのみによって誘発された効果と比較すると
死細胞の数の増加が観察される(1%から9%になった)。成分L11は、生細胞
の数に関しては重要な効果を誘発しないものの、細胞死の相乗作用物として作用
するのであろう。
【0138】 L11の活性を最適化するために、下記の実験を行った。
【0139】 上記と同一に培養して、 > 1回目の実験では、(上記に特定したEuromedexが出している)
FasAb50ng/mlのみを、 > 2回目の実験では、生成物L110.5mg/mlと同時に、同一量の同一
のFasAbを、および > 3回目の実験では、生成物L110.5mg/mlを、次に24時間後に同
一のFasAb50ng/mlを、 投与した。
【0140】 18時間の培養の後に得られた結果を、以下にFasAbもL11も加えられな
かった対照の培養で観察されたものと比較し、生細胞の数を考慮すると: ・FasAbのみを加えた場合:生細胞の数は、3.6%減少し、 ・FasAbおよびL11を同時に加えた場合、生細胞の数は6.4%減少し、お
よび ・FasAbおよびL11を別々に加えた場合、生細胞の数は、13.7%減少す
る。
【0141】 L11が、FasAbの前に投与されたとき、L11ははるかに活発であるという
結果になる。
【0142】 上記に特定したFasAbを他から出されているFasAb、すなわちAle
xis Corporation(米国、サンディエゴ)が製造し、Coger SA(パリ)が販売しているものと替えても同様の結果が得られることが示さ
れる。
【0143】 前述の実験結果の検討からは、生成物L11を主成分とした薬剤は、アポトーシ
スを強化することができるように見える。従って自己免疫型病または癌の治療に
使用することを考慮できる。
【0144】 この他の実験では、一方では、弱度のFasアポトーシスが誘発されたリンパ
球培養で、他方では、強度のFasアポトーシスが誘発されたリンパ球培養で、
生成物I9を投与したことによって生じた効果を確認することができた。
【0145】 弱度のFasアポトーシスは、Euromedexの出しているFasAbを
使用して誘発され得る。この様なアポトーシスは、3から10%であり得る。
【0146】 強度のFasアポトーシスは、Alexis Corporationの出し
ているFasAbを使用して誘発され得る。この様なアポトーシスは、20から
50%であり得る。
【0147】 0.2mg/mlの生成物I9を使用して行った実験は、記録された効果、す なわち、FasAb(濃度50から200ng/ml)のみによって誘発される
アポトーシスの強さ(%で表現した)に応じたアポトーシスの増進かあるいは抑
制(%)を示す図14に表されている。
【0148】 図14は、 ・a、b、c、d、e、f、g、h、i点によって横軸に図示した3から10%
の弱度のアポトーシスの場合、I9の投与は、FasAbのみによって誘発され るアポトーシスに比較してアポトーシスの強化20から40%を惹起する、およ
び ・l、m、n、p、q点によって横軸に図示した20から50%の強度のアポト
ーシスの場合、同一量のI9の投与はFasAbのみによって生じるアポトーシ スに比較してアポトーシスの抑制5から20%を惹起する、 ことを示している。
【0149】 一定の患者はリンパ球で誘発されたアポトーシスを測定することが可能なこと
が判っているので、前記アポトーシスの確認された強度に応じて、I9を主成分 とする薬剤をこの患者に投与することによって、強化する方向または抑制する方
向で、アポトーシスを調整することができる。
【0150】 この薬剤は、従って、患者が弱いアポトーシスに対応する癌または自己免疫疾
患を罹っている場合、アポトーシスを増強する方向に、また患者が強いアポトー
シスに対応する免疫不全症候群の疾患を罹っている場合、抑制する方向にアポト
ーシスを修正することが可能になる。
【0151】 このため、前述の実験を受ける培養中に存在するTリンパ球Jurkat型は
、腫瘍抑制遺伝子p53またはp53たんぱく質(Bing An et al
.,1998,“Cell Death and Differentiati
on”5,1062−1075)が変異しており、そのため不活性である細胞で
あることが明確に述べられる。
【0152】 本発明に従って使用された生成物,特にI9およびL11によって観察された効 果は、従って、おそらくp53と関連がない。換言すれば,生成物I9およびL1 1 は、単に存在することによって、かつ活性化p53遺伝子の存在または不在と は無関係に、アポトーシスの増進または抑制を強化することが可能である。
【0153】 しかるにヒトの癌の大部分では(Hollstein et al.,199
4,“Nucl. Acid Res.”,22,3551参照)、p53たん
ぱく質は、変異しており、従って不活性である。本発明の生成物の一つ、特にI 9 およびL11を主成分とする薬剤の使用は、p53たんぱく質の機能異常を直し 、癌および自己免疫疾患を治療することを可能にする。
【0154】 従って本発明は、当該疾患を、患者の変異した細胞の染色体中に正常のp53
遺伝子を再導入することを特に目的とする原則に基づく遺伝子治療と根本的に異
なり、より簡易な方法によって治療することを可能にする。
【0155】 大部分の癌細胞は、FasAbアポトーシスに対する感受性を失っており、ま
た現在使用されている大部分の抗癌剤は、それ自体がFasAbシステムに対し
て積極的に作用するp53遺伝子を活性化させて作用することが知られている。
しかしながら、これらのシステムは、p53が変異している場合は、もはや機能
しない(Muller et al.1998,J.Exp.Med.188,
2033−2043)。
【0156】 最近の観察では,FasAbシステムは、免疫系により、または抗癌剤の活性
により、癌細胞を破壊することができ;それにより、本発明に従って使用された
生成物、特にI9およびL11は、p53と無関係に前記癌細胞のアポトーシスを 調整するという事実は、とても重要であり、新しい世代の薬剤、特に抗癌剤の開
発が可能となる。
【0157】 (実施例3) 生成物I9は、上述の通り、オリゴ−イオタ−カラゲナンの混合物から組成さ れる。
【0158】 この混合物の様々な成分、特にフラクションDP2、DP3、DP4、DP5
およびDP7によって誘発される効果を検査した。
【0159】 同様にI9の原料となるポリマーおよびKIK(カッパ−イオタ−カッパ型の 六糖類)という名称の生成物も検査した。
【0160】 この実験に関して、一方で前記I9のフラクションのそれぞれを0.2mg/ mlおよび、他方でEuromedexの出しているFasAb100ng/m
lを同時に導入して、実施例1で示した通りに実行した。
【0161】 24時間の培養の後、下記に要約する確認を行った。
【0162】 フラクションDP2、DP3、DP4およびDP5は、不活性であり、Eur
omedexが出している、それ自体が18時間の培養の後に6%の細胞死を誘
発する、FasAbの少量(100ng/ml)によって誘発されるアポトーシ
スを増進しない。
【0163】 これに反してフラクションDP7(50%)に対して、および生成物I9(7 0%)によって非常に強い増進効果が得られ、このことは、混合物I9の活性組 成物の一つが、フラクションDP7からなり得ることを示している。さらに、生
成物KIKは、活性がない。
【0164】 最後に、イオターゼ酵素(enzyme iotase)による断片化以前に
9を製造する原料を構成するポリマーも、活性であり、弱度のFasアポトー シスを増進する。これに反してイオターゼ酵素自体は、50単位の割合で使用さ
れるが、細胞と培養されるときは、活性がない。
【0165】 結果として内在するアポトーシス活性がない活性成分I9は、弱度のFasA bアポトーシスの場合非常に強い増進を誘発する。
【0166】 (実施例4) 図14に表した結果を確認するさらなる実験が行われた。
【0167】 Fasによって誘発されるアポトーシス現象の場合、第一の活性化カスパーゼ
カスケードカスパーゼは、カスパーゼ8である。
【0168】 FasAbのみ、およびI9と同時にFasAbで処理した、または処理しな いJurkat細胞の溶解後に、たんぱく質分解酵素であるこのカスパーゼ8の
活性処置を行った。
【0169】 このために、 ・FasAbおよびI9不在下で、Jurkat細胞培養の第一フラクション中 のカスパーゼ8の活性;この培養中、生細胞の割合は93%である; ・Euromedexが出しているFasAb(上述の通り、13%の弱いアポ
トーシスを誘発する)500ng/mlで培養した18時間後の同一の培養の第
二フラクション中のカスパーゼ8の活性;この培養中生細胞の割合は80%であ
る; ・Euromedexが出しているFasAb500ng/mlおよびI90. 2mg/mlで培養した18時間後の同一の培養の第三フラクション中のカスパ
ーゼ8の活性;この培養中生細胞の割合は、50%である; ・Alexisが出しているFasAb(上述の通り、40%の強いアポトーシ
スを誘発する)25ng/mlで培養した18時間後の同一の培養の第四フラク
ション中のカスパーゼ8の活性;この培養中生細胞の割合は53%である; Alexisが出しているFasAb25ng/mlおよびI90.2mg/m lで培養した18時間後の同一の培養の第五フラクション中のカスパーゼ8の活
性、この培養中生細胞の割合は、59%である、 を測定した。
【0170】 カスパーゼの活性の測定は、毎回Ozyme社が“Apo Alert Fl
ice Fluor”No.K2028−2という名称で販売しているキットを
使用して行った。
【0171】 これらの測定の結果は、図15のヒストグラムに集められている。
【0172】 このヒストグラムを検査すると、 > カスパーゼ8の活性は、Euromedex FasAbのみによって僅
かに増進され(相関係数facteur vicinity1.37)、I9と の同時投与は、強い増進を誘発する(相関係数3.93)、 > カスパーゼ8の活性は、Alexis FasAbのみによって強度に増
進され(相関係数4.96)、I9がAlexis FasAbと同時に導入さ れるときは、この強い増進は緩和される(相関係数4.05)、 ことが示される。
【0173】 従って、アポトーシスとカスパーゼ8の活性の間には明らかな相関関係が存在
する。
【0174】 生成物I9は、従ってカスパーゼ8の活性を調整できる生成物を表す。
【0175】 この酵素がFasによって誘発されたアポトーシスの生化学的経路にとって大
変重要であること(Juo et al.,Curr.Biol.8,1001
−1008,1998)を示すことによって、カスパーゼなどの標的酵素に対す
るオリゴ糖を主成分とする新規な薬剤を考慮することを可能となる。
【0176】 従って、この生成物は、カスパーゼ8(カスパーゼ8の“自殺基質”)によっ
て認識される数列を有するペプチドに基づく治療の代替案を表している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月29日(2000.3.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、nは1から50、好適には5から10までの整数を表し、式中分枝数は
、一反復単位当たり0から3までの範囲で変化する) を満足する少なくとも一つのオリゴ糖の有効量を活性成分として含むことを特徴
とする薬剤。
【化2】 (式中、nは1から50、好適には1から20である整数を表し、式(II)の
反復二糖のうち少なくともあるものは、一つ以上の硫酸基を含み得る) を満足する少なくとも一つの反復二糖の有効量を活性成分として含むことを特徴
とする薬剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ヴァレリー・デカン フランス・F−29680・ロスコフ・リュ・ ヤン・ダルジェン・22 (72)発明者 クリストフ・リシャール フランス・F−29400・プローゴーヴェス ト・ケルヌヴェ(番地なし) (72)発明者 ヴェスナ・ティバル フランス・F−69002・リヨン・リュ・ジ ェンティル・5 (72)発明者 パトリック・アリゴ フランス・F−74930・ペル−ジュスィ・ ジュスィ(番地なし) (72)発明者 ベルナール・クローレック フランス・F−29250・サン・ポル・ド ゥ・レオン・リュ・ドゥ・ラ・リヴ・81 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 EA03 EA24 MA01 MA04 NA14 ZB26 4C090 AA09 BA64 BB13 BB32 BB33 BB35 BB36 BB55 BB62 BB63 BC04 DA23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アポトーシス異常を調整することができ、かつ任意で、硫酸
    、メチルおよびアセチル基を含む群の少なくとも一つの置換基を各単位の少なく
    ともあるものにおいて含む、少なくとも一つのオリゴ糖物質の有効量を、活性成
    分として含み、該物質は、 − 酵素または化学的方法によって、任意で(1→6)−β−分枝を含 む(1→3)−β−グルカンを含む群のポリマーから得られたオリゴ糖、および − 酵素または化学的方法によって、硫酸ガラクタン、特にカラゲナン 、寒天およびポルフィランから抽出されたオリゴ糖、を含む群から選択されるこ
    とを特徴とする薬剤。
  2. 【請求項2】 アポトーシス異常を調整することができ、式: 【化1】 (式中、nは1から50、好適には5から10までの整数を表し、式中分枝数は
    、一反復単位当たり0から3までの範囲で変化する) を満足する少なくとも一つのオリゴ糖の有効量を活性成分として含むことを特徴
    とする薬剤。
  3. 【請求項3】 アポトーシス異常を調整することができ、式: 【化2】 (式中、nは1から50、好適には1から20である整数を表し、式(II)の
    反復二糖のうち少なくともあるものは、一つ以上の硫酸基を含み得る) を満足する少なくとも一つの反復二糖の有効量を活性成分として含むことを特徴
    とする薬剤。
  4. 【請求項4】 少なくとも部分的にアポトーシスを抑制することができ、か
    つイオタ−カラゲネートナトリウムから加水分解によって得られる生成物の有効
    量を活性成分として含み、この生成物は、I9によって示されるオリゴ−イオタ −カラゲナンの混合物からなり、(チルマンスおよびフィリッピによって測定さ
    れた)全単糖類の濃度が62%であり、またザブラキスおよびペレツによりポリ
    アクリルアミド電気泳動で概算された大きさによる分布概要は、 イオタ−ネオカラテトラオス (DP2) 8〜12% イオタ−ネオカラヘキサオス (DP3) 23〜27% イオタ−ネオカラオクタオス (DP4) 18〜22% イオタ−ネオカラデカオス (DP5) 13〜17% イオタ−ネオカラドデカオス (DP6) 8〜12% オリゴ−イオタカラゲナン (DP7) 3〜 7% 8から15の反復二糖からなるオリゴ− イオタカラゲナン (DP8〜15) 13〜17% であることを特徴とする薬剤。
  5. 【請求項5】 アポトーシス異常を活性化することができ、褐色海藻、特に
    ラミナリア・デジタータと呼ばれる褐色の海藻から酸性水抽出によって得られた
    生成物の有効量を活性成分として含み、この生成物は、L11と示されるオリゴ−
    (1→3)β−グルカンの混合物からなり、かつ糖質単位1から50、好適には
    20から30を含み、当該の前記生成物は図1に示されるRMNスペクトルを呈
    することを特徴とする薬剤。
  6. 【請求項6】 アポトーシス異常を活性化することができ、かつ生成物I9 のフラクションDP7からなる生成物の有効量を活性成分として含むことを特徴
    とする薬剤。
  7. 【請求項7】 アポトーシス異常の治療用薬剤の製造方法であって、請求項
    1から6の少なくとも一つの薬剤の活性成分の少なくとも一つを薬学的組成物に 含ませることを特徴とする製造方法。
  8. 【請求項8】 各単位の少なくともあるものに、硫酸、メチルおよびアセチ
    ル基を含む群の少なくとも一つの置換基を任意で含む、少なくとも一つのオリゴ
    糖物質であって、アポトーシス異常を調整することができ、 − 酵素または化学的方法によって、任意に(1→6)−β−分枝を含む(1→
    3)−β−グルカンを含む群のポリマーから得られたオリゴ糖、および − 酵素または化学的方法によって、硫酸ガラクタン、特にカラゲナン、寒天お
    よびポルフィランから抽出されたオリゴ糖、 を含む群から選択される前記物質の、アポトーシス異常の治療用薬剤製造のため
    の使用。
  9. 【請求項9】 式(I)のオリゴ糖および式(II)のオリゴ糖の、アポト
    ーシス異常の治療用薬剤製造のための使用。
  10. 【請求項10】 I9およびL11で示される生成物並びに生成物I9のフラク
    ションDP7からなる生成物の、アポトーシス異常の治療用薬剤製造のための使
    用。
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