JP2002501008A - 金属含有化合物を使用して微生物の増殖を制限する方法 - Google Patents

金属含有化合物を使用して微生物の増殖を制限する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ウイルス、細菌および真菌などの微生物の増殖または複製を阻害するための抗微生物剤として一般構造(I)を有する化合物の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、微生物学の分野、特にウイルスを不活化するおよび/または細菌お
よび真菌の増殖を制限する方法に関する。
【0002】 ウイルスは小さな(直径約20〜300ナノメートル(nm))絶対寄生生物
であり、細菌などの単細胞生物、ならびに全ての高等植物および動物に感染する
ことができる。ウイルスコアは、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAのいず
れか一方を含有し、タンパク質コアに囲まれている。外皮ウイルスは、更に糖タ
ンパク質が散在する細胞に由来する脂質膜に囲まれている。ウイルスは動物およ
びヒトにおいて疾患を生じる。ウイルスおよび/またはウイルスが感染した細胞
を破壊すると、ウイルス感染に伴う疾患過程から生じる宿主の生理学的変化が防
止および/抑制される。
【0003】 細菌は原核単細胞微生物である。細菌には3つの基本的構造形態、桿状(桿菌
)、球状(球菌)、およびらせん状(らせん菌)で存在する。更なる高次構造は
、ブドウ(staph)、双(diplo)、および連鎖(strepto)で
表され、ブドウ球細菌では、ここの球が葡萄の房の様に一緒になって束を形成す
ることを示し、双球菌では、対になった球菌を示し、そして連鎖桿菌では、桿状
体は鎖状構造に関与する。細菌は細胞表面にコロニーを形成して感染し、身体の
通気的および嫌気的場所で複製することができる。
【0004】 真菌は、単細胞生物である酵母および多細胞生物であるカビを含む真核生物で
ある。また、真菌も疾患を引き起こし、病原性続発症を生じ得る。
【0005】 ウイルス、細菌および真菌は、さまざまな手段を介し、ウイルスあるいは細菌
または真菌によっては他よりも一般的な特定の播種経路で広がる。例えば、ウイ
ルス、細菌および真菌は、特定のウイルス、細菌または真菌に感染した生存して
いる生物への接触あるいは暴露などの感染源への物理的接触あるいは暴露によっ
て広がる。空気、水または表面などの媒介物を介してもウイルス、細菌および真
菌は広がる可能性がある。ウイルス、細菌および真菌は宿主から宿主へと通過し
、特定の細菌あるいは特定の細菌または真菌が関連する病原性続発症は、微生物
の機能および感染されたかまたは該微生物の複製を支持する特定の宿主の能力の
機能である。
【0006】 多くの物理的および化学的方法によって、微生物を死滅または静的にさせるこ
とができる。物理的方法としては、熱および放射線が上げられる。例えば、16
0℃で2時間の乾式加熱を使用して、細菌タンパク質の酸化および細胞質の枯渇
が生じる。100℃で2時間の湿式加熱による処理はタンパク質の変性を引き起
こす。放射線(紫外線または電離放射線)は細菌および真菌のDNAならびにウ
イルスの核酸(DNAまたはRNAのいずれか一方)を変性することができ、そ
れによって適切な宿主におけるそれらの複製を制限する。
【0007】 ウイルス、真菌および細菌の増殖を制限するために使用されている多くの化学
物質がある。アルコール(通常、70%のエチルまたはイソプロピルアルコール
水溶液として)は細菌におけるタンパク質変性剤として作用し、外皮ウイルスの
脂質二重層を破壊する。フェノール(石炭酸)およびヘキサクロロフェンなどの
フェノール誘導体は細菌およびウイルスキャプシドのタンパク質を変性する。ホ
ルムアルデヒド(グルタルアルデヒドもまた)核酸塩基のアミノ置換基と反応し
てウイルスのDNAおよびRNAならびに細菌および真菌のDNAを架橋する。
エチレンオキシドガスはウイルスおよび細菌のアミノ基をアルキル化するため、
乾燥表面を消毒するために使用される。エーテルは外皮ウイルスの脂質エンベロ
ープを破壊する。非外皮ウイルスはエーテルによる不活性化を受け難い。界面活
性剤もまた、外皮ウイルスの良好な不活化剤であり、細胞膜を破壊することによ
って細菌を死滅させる。グルコン酸クロルヘキシジンは細菌、真菌およびウイル
スの膜を破壊するため、広範な抗微生物活性を示す。
【0008】 銀、銅、および水銀などの重金属は、それらがタンパク質のスルフヒドリル基
に結合する能力による殺ウイルス剤および殺細菌剤である。マーキュロクロムは
水銀の有機化合物であり、皮膚上での使用には水銀元素より安全であるが、十分
に洗浄されていない皮膚上に残余有機化合物が混入するため、マーキュロクロム
は迅速に不活化される。過酸化水素、ヨウ素、次亜塩素酸塩、および塩素などの
酸化剤は、スルフヒドリル基を酸化し、微生物の増殖を制限する能力も有する。
【0009】 多くの抗ウイルス剤が知られている。これらには、アマンタジン(A型インフ
ルエンザウイルスの脱外皮を阻止する)および核酸の合成を妨害する様々なヌク
レオシドアナログが挙げられる。ヌクレオシドアナログの例としては、AZT、
アシクロビル、ガンシクロビル、およびビダラビンが挙げられる。これらの薬物
によりウイルスの複製が不活化される。ヌクレオシドアナログは副作用を引き起
こす可能性がある。何故なら、それらは宿主細胞の核酸合成もを妨害するからで
ある。多くは長時間有効ではない。何故なら、ウイルスが複製するとそれらは該
薬物を無効にする様式で変異するからである。
【0010】 抗生物質は伝統的に、細菌を死滅させる微生物によって作製される化学物質と
して規定される。細菌を死滅させる機序とは異なるウイルスにおける作用様式を
有する抗生物質のリファンピンを除いて、抗生物質は一般にウイルスに対して効
果を有さない。バシトラシン、セファロスポリン系薬剤、サイクロセリン、ペニ
シリン系薬剤、およびバンコマイシンは、すべて細胞壁の合成を阻害することに
よって細菌細胞の増殖を崩壊または停止する抗生物質である。セファロスポリン
系薬剤およびペニシリン系薬剤はβラクタム系化合物であり、サイクロセリンは
イソオキサゾリジンオンであり、バンコマイシンは糖ペプチドである。細胞膜の
機能を妨害する抗生物質としては、ポリエン類(アンホテリシンBなど)および
ポリミキシン類が挙げられる。
【0011】 クロラムフェニコール、エリスロマイシン系薬剤、テトラサイクリン系薬剤な
らびにアミノグリコシド系薬剤(ストレプトマイシン、ネオマイシン、およびゲ
ンタマイシン)は細菌のリボソームに結合してタンパク質合成を阻害する。クロ
ラムフェニコールは主に静菌性であるため、薬物を中止すると細菌の増殖が再び
始まる。エリスロマイシン系薬剤は、ペンダントアミノ糖部分を含有するマクロ
ライド環構造である。テトラサイクリン系薬剤は4個の鎖状縮合環から成る。ス
ルホンアミド系薬剤は、p−アミノ安息香酸(PABA)の代わりに葉酸(およ
び最終的には核酸)の合成経路に進入することによって作用する。スルホンアミ
ド系薬剤の化学構造はPABAに類似している。核酸の合成を阻害するもう1つ
の薬物はリファンピンであり、細菌のRNAポリメラーゼを阻害し、それ故、m
RNAの合成を防止する。抗生物質に対する耐性は一般的であり、特定の薬物に
対する感受性を制御する座位の染色体DNAの変異によって発生し得るか、また
は該薬物を破壊する酵素をコードする染色体外(例えば、プラスミド)DNAか
ら生じ得る。
【0012】 病原性細菌、ウイルスおよび真菌が唾液、涙液、血液、およびリンパなどの生
物学的液体中に存在する可能性は、医療従事者および患者の主な関心事である。
細菌、ウイルスおよび真菌が混入した表面は感染の伝播を容易にし得る。この理
由のため、家、病院、およびデイケアセンターにおける病原体の伝染は重要であ
る。更に、貴重な食物および産業製品の有用性は、細菌およびウイルスの存在に
よって破壊され得る。多くの抗微生物剤は非常に毒性が高いか、非常に高価であ
るかまたはそうでなければ一般の消毒用化合物としては実用的ではない。いくつ
かの抗微生物剤は不安定で経時的に不活性となり、または微生物は該抗微生物剤
に対して耐性を生じる。その結果、ウイルスを不活化し、細菌および真菌の増殖
を制限するための簡便、代替的、効果的方法が求められている。
【0013】 国際特許出願WO 95/16348は、チャコールまたは様々な染料などの
「不活化剤」を含有するカラムを介して、体液への通過に関与する体液中のウイ
ルスを不活化する方法を開示している。
【0014】 ウイルスの光不活化については、いくつかのシステムにおいて記載されている
。米国特許第5,418,130号は、ポルフィリンおよびプソラーレンを用い
る血液中のウイルスの光不活化について開示している。米国特許第4,775,
625号は、メロシアニン染料と光とを組み合わせて使用するウイルス不活化の
ための連続流装置を開示している。染料と光とを組み合わせて使用するウイルス
不活化について考察しているほとんどの報告は、1つ例外があるが、外皮ウイル
スを不活化するための染料および光の使用を制限している。ヒトライノウイルス
型5(RV−5)、非外皮ピコルナウイルスはフタロシアニン染料存在下での照
射によって不活化された(J.Photochem.Photobiol.B.
(Switzerland),31;(3);159−62,Dec.1995
)。
【0015】 細菌の光感受性についてもいくつかのシステムにおいて記載されている。例え
ば、Malikら(Photodynamic Therapy: basic
principles and clinical application
s、Narbara W.HendersonおよびThomas J.Dou
gherty編、出版:Marcel Dekker,Inc.、98頁、19
92)は、ヘマトポルフィリンによる光感受性に対して、グラム陽性細菌は感受
性であるがグラム陰性細菌は耐性であると記載した。Minnockら(J.P
hotochem. and Photobiol.32:159−164,1
996)は、グラム陽性およびグラム陰性細菌を死滅させるための水溶性亜鉛フ
タロシアニン染料および光の使用について記載した。Okamotoら(Las
.Surg.Med.,12:450−458,1992)S.sobrinu
sに対し、チアジン、オキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジンまたは
フェニルメタン染料と組み合わせた光の殺細菌効果について記載した。かれらの
研究では、アゾ染料はS.sobrinusの殺傷に対して効果がなかった。
【0016】 いくつかのアゾ染料は、ウイルスおよび細菌を不活化するために使用されてい
る。国際特許出願WO 92/22610は、ウイルスの非光誘導性不活化のた
めのビスアゾ染料について開示している。更に、Palら(AIDS Res.
Hu. Retroviruses,7(6):537−543,1991)は
、エバンスブルーまたはトリパンブルーの存在下でHIV−1によるCD4細胞
のin vitroでの感染力が阻害されることを実証している。新規の光誘導
性化合物が必要とされており、特に、1種または1ファミリーを超える微生物の
増殖を阻害することが可能な新規の抗微生物化合物および方法が依然として求め
られている。
【0017】 従って、本発明により、ウイルス、細菌および真菌の増殖および/または存在
を制限するための方法であって、ウイルス、細菌または真菌と、以下の式
【化5】 ここで、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して5〜14員環原子を有するアレン核を表し
、 G1およびG2はそれぞれ独立して金属連結基を表し、ここで、G1およびG
2はZ1およびZ2のうち少なくとも1つ内に含有され得るかまたはZ1および
Z2のうち少なくとも1つからペンダントし得る、 Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、
スルホンアミド基、アリール基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基
、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルスルホキシル基、アリールスルホキシル基、アリールオキシル
基、水酸基、チオアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、
アシル基、ウレイド基、アリールオキシカルボニル基、シリル基、またはスルホ
アルコキシ基を表し、 L1は、R1またはR2あるいはR1およびR2の両方で置換された窒素ヘテ
ロ環を表し、 R1およびR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子(ヨウ素、塩素もしく
は臭素原子など)、ビニル基、ヒドロキシアルキル基などを含むアルキル基、ア
シルアミノ基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アリール基、アルキルチオ基
、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリルスルホ
ニル基(alylsulfonyl group)、アルキルスルホキシル基、
アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、ホルミル基、アシル基、
シリル基、またはスルホアルコキシ基を表し、 L2は、単座または多座(例えば、二座)配位子を表し、 Xは窒素またはメチン(CH)基を表し、 Mは二価または多価の遷移金属イオンであって、ここで、配位数は少なくとも
4であり、 k、m、およびnは3以下の整数である、 を有する金属含有化合物とを接触させる工程を含む方法が提供される。
【0018】 置換基を記載するのに用語「基」または「核」を使用する場合、置換基に対す
る置換が予想される。例えば、アルキル基として、ビニル基、エーテル基(例え
ば、CH3−CH2−CH2−O−CH2−)、ハロアルキル、ニトロアルキル、カ
ルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルなどが挙げられる。同様に、用語「アレ
ン核」は、例えば、フェニルだけではなく、クロロフェニル、エチルフェニル、
およびナフチルも指す。
【0019】 本発明の本局面の1つの実施態様において、本方法は、組成物を少なくとも1
回光に暴露する工程を更に含む。1つの実施態様において、金属含有化合物は化
合物1であり、好ましくは金属含有化合物は、化合物1B、1A、1Hおよび1
Fから成る群より選択される。1つの実施態様において、微生物はウイルス、例
えば、HIVなどの外皮ウイルス、ヘルペスウイルス群のメンバー、またはイン
フルエンザウイルスである。もう1つの実施態様において、微生物はグラム陽性
細菌またはグラム陰性細菌などの細菌である。更にもう1つの実施態様において
、微生物は真菌、1つの例として酵母である。
【0020】 本方法の好ましい実施態様において、接触工程は表面と組成物とを接触させる
ことを更に含む。1つの実施態様において、接触工程の組成物は、液体において
金属含有化合物を含むか、または該組成物を液体に添加することができる。もう
1つの実施態様において、接触工程は、金属含有化合物を固体に添加することを
更に含む。
【0021】 好ましい実施態様において、微生物の複製が接触工程によって阻害されるかま
たは該微生物は該接触工程によって死滅される。金属含有化合物は、該接触工程
の間、液体かまたは固体のいずれか一方である。本発明の方法において使用され
る組成物は、少なくとも1つの他の抗微生物化合物を含むことができる。
【0022】 1つの実施態様において、表面上または液体中の金属含有化合物が1回を超え
て光に暴露される。
【0023】 本発明は、表面を消毒する方法であって、金属含有化合物を含む組成物を表面
に適用する工程を含み、該金属含有化合物は一般構造
【化6】 ここで、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して5〜14員環原子を有するアレン核を表し
、 G1およびG2はそれぞれ独立して金属連結基を表し、ここで、G1およびG
2はZ1およびZ2のうち少なくとも1つ内に含有され得るかまたはZ1および
Z2のうち少なくとも1つからペンダントし得る、 Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、
スルホンアミド基、アリール基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基
、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルスルホキシル基、アリールスルホキシル基、アリールオキシル
基、水酸基、チオアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、
アシル基、ウレイド基、アリールオキシカルボニル基、シリル基、またはスルホ
アルコキシ基を表し、 L1は、R1またはR2あるいはR1およびR2の両方で置換された窒素ヘテ
ロ環を表し、 R1およびR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子、ビニル基、ヒドロキ
シアルキル基などを含むアルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、スルホン
アミド基、アリール基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシル基、ア
ルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、ホルミル基、アシル基、シ
リル基、またはスルホアルコキシ基を表し、 L2は、単座または多座(例えば、二座)配位子を表し、 Xは窒素またはメチン(CH)基を表し、 Mは二価または多価の遷移金属イオンであって、ここで、配位数は少なくとも
4であり、そしてk、m、およびnは3以下の整数である、を有する。本実施態
様の更なるもう1つの局面において、該組成物は、もう1つの抗微生物剤を更に
含む。
【0024】 本発明はまた、一般構造
【化7】 ここで、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して5〜14員環原子を有するアレン核を表し
、 G1およびG2はそれぞれ独立して金属連結基を表し、ここで、G1およびG
2はZ1およびZ2のうち少なくとも1つ内に含有され得るかまたはZ1および
Z2のうち少なくとも1つからペンダントし得る、 Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、
スルホンアミド基、アリール基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基
、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルスルホキシル基、アリールスルホキシル基、アリールオキシル
基、水酸基、チオアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、
アシル基、ウレイド基、アリールオキシカルボニル基、シリル基、またはスルホ
アルコキシ基を表し、 L1は、R1またはR2あるいはR1およびR2の両方で置換された窒素ヘテ
ロ環を表し、 R1およびR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子、ビニル基、ヒドロキ
シアルキル基などを含むアルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、スルホン
アミド基、アリール基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシル基、ア
ルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、ホルミル基、アシル基、シ
リル基、またはスルホアルコキシ基を表し、 L2は、単座または多座(例えば、二座)配位子を表し、 Xは窒素またはメチン基を表し、 Mは二価または多価の遷移金属イオンであって、ここで、配位数は少なくとも
4であり、そしてk、m、およびnは3以下の整数である、を有する金属含有化
合物を含む第1の抗微生物剤、ならびに第2の抗微生物剤を含む組成物に関する
。1つの実施態様において、該第2の抗微生物剤は、抗ウイルス剤、抗細菌剤お
よび抗真菌剤から成る群より選択される。
【0025】 本発明のもう1つの局面において、本発明は、ウイルス、細菌および/または
真菌の増殖および/または存在を制限するための方法であって、ウイルス、細菌
および/または真菌と、以下の式
【化8】 ここで、R1およびR2は、それぞれ独立してH、CH2OH、CHCH2および
CH2CH3から成る群より選択され、Zはメチン(CH)基であり、MはPtで
ある、を有する金属含有化合物とを接触させる工程を含む前記方法に関する。好
ましい実施態様において、R1またはR2のうち少なくとも1つはHである。
【0026】 本発明のもう1つの局面において、本発明は、一般構造
【化9】 ここで、R1はCH2OHまたはCH2CH3であり、R2はHであり、Zはメチ ン(CH)基であり、MはPtである、を有する金属含有化合物に関する。
【0027】 本発明の目的のために、本明細書で使用される用語「ウイルスの阻害」および
「殺ウイルス活性」は、本発明の金属含有化合物に接触したサンプル中に存在す
るウイルス量の減少を指す。1つの実施態様において、該用語は、検出されるウ
イルス量の少なくとも50%の減少、好ましくは本発明の方法に従って処理され
る表面、物質または生成物上または内で検出されるウイルス量の少なくとも75
%の減少を指す。
【0028】 本発明の目的のために、本明細書で使用される用語「ウイルス、細菌および真
菌の増殖および/または存在を制限する」は、本発明に記載の化合物に暴露され
る表面、物質または生成物上に存在するウイルス、細菌または真菌を死滅させる
か、それらの複製を防止するか、あるいはそれらの数を減少するために本発明に
記載の化合物を使用する方法を指す。実験目的では、本発明の化合物に暴露され
る時に特定の細菌または真菌に対して増殖を阻害するかまたは死滅させる場合、
細菌または真菌の増殖は制限されるとする。例えば、本発明の化合物を含有する
溶液で湿らせたディスクが、細菌または真菌を含有する表面上で増殖阻害の可視
可能なゾーンを形成する場合、細菌または真菌の増殖は本発明の化合物によって
制限される。
【0029】 本明細書の方法において使用される用語「接触させる」には、本発明の化合物
とウイルス、細菌または真菌との物理的接触、またはウイルス、細菌または真菌
の本発明の化合物への暴露のいずれかが含まれる。本発明の範囲を制限すること
を意図することなく、本発明の化合物のいくつかは、ウイルス、細菌または真菌
に対して抗微生物効果を仲介する一重項酸素などの拡散性物質を形成し得る。従
って、物理的接触は必要でない場合もある。
【0030】 本発明の化合物のいくつかの抗微生物特性は、該化合物を光に暴露すると増強
される。酸素濃度が高く、還元剤が存在しない場合の条件下で、一重項酸素は微
生物阻害剤であり得る。一重項酸素はアミノ酸、ヌクレオチド、および脂質膜に
おける脂肪酸の二重結合と反応する。三重項酸素から一重項酸素の生成では、基
底状態からの再生を伴う。本発明の範囲を制限することを意図せず、細菌、ウイ
ルス、および真菌の増殖を阻害する本発明の化合物の作用機構については十分に
解明されていないが、現在利用可能なデータは、微生物の崩壊を生じるための一
重項酸素などの反応種の形成において触媒(即ち、金属含有化合物は消費されな
い)として作用する本発明の金属含有化合物に適合する。関与する機構にかかわ
らず、本発明の方法において使用される金属含有化合物は、ウイルスの増殖を阻
害し、細菌および真菌の増殖を阻害することが可能である。好都合なことに、光
感受性金属含有化合物は抗微生物剤として再利用可能である。即ち、好ましくは
、それらの抗微生物活性は、光暴露中に増強され、抗微生物活性は光への再暴露
中に再初期化され得る。
【0031】 用語「静菌性」は、本明細書において、細菌の増殖を阻害するが必ずしも細菌
を死滅させない特性を指す。「殺細菌剤」は細菌を死滅させる。静真菌剤は、真
菌の複製を阻害し、殺真菌剤は真菌を死滅させる。本発明の化合物は、静細菌剤
または殺細菌剤、静真菌剤または殺真菌剤であり得る。細菌および真菌の成長お
よび/または存在を制限する方法には、「静」(即ち、阻害する)および「殺」
(即ち、死滅させる)活性が含まれる。
【0032】 本発明は、ウイルス、細菌または真菌の増殖および/または存在を制限して、
宿主におけるそれらのコロニー化、感染および/または複製を防止する方法を提
供する。該方法は、ウイルス、細菌または真菌と、以下の式
【化10】 ここで、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して5〜14員環原子を有するアレン核を表し
、 G1およびG2はZ1およびZ2のうち少なくとも1つ内に含有され得るかま
たはZ1およびZ2のうち少なくとも1つからペンダントし得るように、G1お
よびG2はそれぞれ独立して金属連結基を表し、 Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、
スルホンアミド基、アリール基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基
、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルスルホキシル基、アリールスルホキシル基、アリールオキシル
基、水酸基、チオアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、
アシル基、ウレイド基、アリールオキシカルボニル基、シリル基、またはスルホ
アルコキシ基を表し、 L1は、R1またはR2あるいはR1およびR2の両方で置換された窒素ヘテ
ロ環を表し、 R1およびR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子(ヨウ素、塩素もしく
は臭素など)、ビニル基、ヒドロキシアルキル基などを含むアルキル基、アシル
アミノ基、アルコキシ基、スルホンアミド基、アリール基、アルキルチオ基、ア
ルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリールスルホニ
ル基、アルキルスルホキシル基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルファモ
イル基、ホルミル基、アシル基、シリル基、またはスルホアルコキシル基を表し
、 L2は、単座または多座(例えば、二座)配位子を表し、 Xは窒素またはメチン(CH)基を表し、 Mは二価または多価の遷移金属イオンであって、ここで、配位数は少なくとも
4であり、 k、m、およびnは3以下の整数である、を有する金属含有化合物とを接触さ
せることを含み、ここで、該方法は該組み合わせを光に暴露することを更に含む
【0033】 置換基を記載するのに用語「基」または「核」を使用する場合、置換基に対す
る置換が予想される。例えば、アルキル基として、ビニル基、エーテル基(例え
ば、CH3−CH2−CH2−O−CH2−)、ハロアルキル、ニトロアルキル、カ
ルボキシアルキル、ヒドロキシアルキルなどが挙げられる。同様に、用語「アレ
ン核」は、例えば、フェニルだけではなく、クロロフェニル、エチルフェニル、
およびナフチルも指す。
【0034】 本発明のもう1つの実施態様において、本発明は金属含有化合物ならびにウイ
ルス、細菌または真菌と、以下の式
【化11】 ここで、Zは窒素原子またはCH基であり、R1は水素原子、ハロゲン(例えば
、ヨウ素、塩素もしくは臭素)、ビニル基、または8個未満の炭素原子を含むア
ルキル基であり、R2は水素原子、ハロゲン(例えば、ヨウ素、塩素もしくは臭
素)、または8個未満の炭素原子を含むアルキル基であり、そしてMは白金原子
、パラジウム原子、またはニッケル原子である、を有する金属含有化合物とを接
触させることによってウイルス、細菌または真菌の増殖および/または存在を制
限するための方法に関する。好ましくは、R1およびR2のうち少なくとも1つ
はCH2OHまたはCH2CH3である。上記の式を有する金属含有化合物の好ま しい実施態様において、好ましくはR1はCH2OHまたはCH2CH3であり、 R2はHであり、Zはメチン(CH)基であり、MはPtである。
【0035】 用語「アルキル基」はまた、置換されていないアルキル基(例えば、メチル、
エチル、ヘキシル、イソペンチル、シクロヘキシルなど)だけではなく、置換さ
れたアルキル基を指し、該置換されたアルキル基として、ヒドロキシメチル、ヒ
ドロキシエチル、ω−クロロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されず
、更にぺルフルオロアルキル(例えば、ぺルフルオロメチル、ペルフルオロエチ
ル、ペルフルオロヘキシル、ペルフルオロシクロヘキシル、ペルフルオロイソオ
クチルなど)が挙げられるが、アミノメチルは除く。該方法は、金属化化合物を
光に暴露することをさらに含む。
【0036】 本発明の化合物を約0.001μg/mLのみの少ない用量かまたは光と組み
合わせて、好ましくは、少なくとも約0.1μg/mLのみかまたは光と組み合
わせて使用すると、DNAおよびRNAウイルス(RNAレトロウイルスを含む
)の両方が不活化され、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、および真菌の増殖が
制限される。本発明の1以上の化合物の「有効量」は、ウイルス、細菌または真
菌の増殖および/または存在を制限するのに十分な化合物の量を指す。
【0037】 本発明の方法を使用して不活化され得るさまざまなウイルスが存在する。これ
らのウイルスとしては、一本鎖または二本鎖核酸ゲノムを有するウイルス、DN
AまたはRNAウイルスが含まれ、更に外皮ウイルスおよびいくつかの非外皮ウ
イルスが含まれる。本発明の化合物を使用して不活化される好ましいウイルスは
外皮ウイルスである。様々な構造、サイズおよびゲノムを表す多くのウイルスが
、本発明の方法を用いて試験されている。(下記の)実施例は、特定のタイプの
ウイルス、真菌または細菌が、光への暴露を伴いまたは伴わずに本発明の金属含
有化合物によって阻害されるかどうかを決定するための具体的な例示方法を提供
している。微生物学の当業者であれば、本発明にしたがって本発明の特定の化合
物がウイルス、細菌または真菌の増殖および/または存在を制限するかどうかを
、過度の実験を行わずに生物学の観点から決定することができるであろう。
【0038】 ネガティブ一本鎖RNAゲノムを含むウイルスとしては、オルソミクソウイル
ス科、ラブドウイルス科、パラミクソウイルス科、ブンヤウイルス科、およびフ
ィロウイルス科のウイルスが挙げられる。これらは外皮ウイルスである。オルソ
ミクソウイルス科にはインフルエンザウイルスA、B、およびC型が含まれる。
ラブドウイルス科には狂犬病ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルスが含まれる。
パラミクソウイルス科には哺乳動物のパラインフルエンザウイルス(流行性耳下
腺炎ウイルスを含む)および肺炎ウイルス(ヒトおよびウシの呼吸器合胞体ウイ
ルス)が含まれる。ブンヤウイルス科には朝鮮出血熱およびハンタウイルス肺症
候群が含まれる。フィロウイルス科にはマルブルクウイルスおよびエボラウイル
スが含まれる。
【0039】 ポジティブ一本鎖RNAゲノムを含むウイルスとしては、ピコルナウイルス科
(非外皮)、レトロウイルス科、およびトガウイルス科が挙げられる。ピコルナ
ウイルス科には、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎ウイルス、
およびライノウイルスが含まれる。レトロウイルス科には、例えば、ヒト免疫不
全ウイルス(HIV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、およびウマ伝染性貧
血ウイルス(EIAV)が含まれる。トガウイルス科には、セムリキ森林ウイル
ス、黄熱ウイルス、デングウイルス、ダニ媒介ウイルス、および風疹ウイルスが
含まれる。パルボウイルスは主にネコおよびイヌに感染する。
【0040】 他のすべてのDNAウイルスは二本鎖である。二本鎖ウイルスとしては、パポ
ーバウイルス科、アデノウイルス科、ヘルペスウイルス科、ポックスウイルス科
、およびヘパドナウイルス科が挙げられる。ヘルペスウイルス科を除いて、これ
らは非外皮ウイルスである。パポーバウイルス科には、いぼおよび腫瘍を引き起
こすパピローマウイルスが含まれる。アデノウイルス科には、マストアデノウイ
ルスおよび気道に感染し得る様々なウイルスが含まれる。ヘルペスウイルス科に
は、単純ヘルペスウイルス1および2、水痘−帯状疱疹ウイルス、サイトメガロ
ウイルス、エプスタイン−バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、およびヒト
ヘルペスウイルス7が含まれる。ポックスウイルス科には、痘瘡ウイルス、およ
び他の痘疹を誘発するウイルスが含まれる。ヘパドナウイルス科には、ヒトB型
肝炎ウイルスが含まれる。
【0041】 様々な細菌の増殖が光と組み合わせた本発明の金属含有化合物によって阻害さ
れる。これらには、Proteus vulgaris、Enterococc
us faecalis、Escherichia coli、Klebsie
lla pneumoniae、Staphylococcus epider
midisおよびSalmonella種が挙げられるが、それらに限定されな
い。随意に、本発明の少なくともいくつかの金属含有化合物を使用して、光を伴
わずに抗微生物活性を与えることができる。
【0042】 本発明の金属含有化合物の存在下で増殖阻害について試験され得る他の細菌と
しては、Staphylococcus、Streptococcus、Cor
ynebacterium、およびListeria(グラム陽性細菌)、Ne
isseria、Enterobacteriaceae(大腸菌とも呼ばれ、
Escherichia属、Salmonella属、Shigella属を含
む)、Campylobacter、ならびにLegionella(グラム陰
性細菌)が挙げられるが、これらに限定されない。大腸菌は、ヒトおよび他の動
物の腸管にコロニーを形成するグラム陰性桿状菌(桿菌)である。これらの細菌
は疾患に関連する。これらおよび他の細菌が混入した表面および液体は、それら
の病原可能性を制限するために、本発明の化合物に暴露され得る。
【0043】 口腔カンジダ症として知られる口腔の酵母感染および外陰部膣炎として知られ
る女性生殖管の感染を引き起こすCandida albicansを含むいく
つかの病原性種が存在する。Candida albicansは、感染および
病原性続発症を引き起こす因子として増加的に一般的となっている。本生物は、
本発明の目的のための真菌の代表である。微生物学の当業者はであれば、実施例
を考慮して、本発明の化合物に対する感受性について他の真菌を試験し得る。
【0044】 本発明の化合物は、実施例に記載の対応するo,o’−ジヒドロキシアゾ化合
物ジア ニオンから、必要とされるテトラクロロメタル酸塩において3つの塩素を置き換
え、続いて窒素ヘテロ環の置換と同時に残りの塩素を消失することによって合成
することができる。本発明の金属含有化合物を合成するための方法については、
米国特許第5,180,705号および同第5,314,998号に記載されて
いる。
【0045】 合成された化合物は、液体または粉末の形で使用することができる。1つの実
施態様において、本発明の金属含有化合物を液体として使用し、ジメチルスルホ
キシドなどの適切な溶媒に溶解することができる。使用され得る他の溶媒として
は、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、綿実油などのオイル、メタノ
ール、クロロホルム、ジクロロメタンなど、ならびに水およびジメチルスルホキ
シド、エタノール、メタノール、またはN,N−ジメチルホルムアミドを含有す
る溶媒混合物が挙げられる。溶解される化合物、または本発明の化合物の混合物
、または本発明の1以上の化合物単独あるいは1以上の殺ウイルス剤、殺細菌剤
または静ウイルス剤、静細菌剤、および/または殺真菌剤あるいは静真菌剤(ポ
リミキシン、もう1つの抗生物質、殺ウイルス剤および/または殺真菌剤など)
との組み合わせを表面に適用するかまたは固体もしくは液体として使用し、固体
もしくは液体に適用して増殖を制限するかあるいはウイルスまたは細菌または真
菌の混入を防止する。あるいは、本発明の1以上の化合物単独または1以上の殺
ウイルス剤、殺細菌剤または静ウイルス剤、静細菌剤および/または殺真菌剤あ
るいは静真菌剤との組み合わせを、ウイルスを含むか細菌を含むかまたは真菌が
混入した固体または液体に直接添加することができる。
【0046】 本発明の化合物は極めて光および熱安定性である。金属含有化合物の溶液は、
DMSO中、約400nm〜約700nmの間の金属含有化合物の最大吸収波長
で約1.0の吸光度で調製することができる。この方法で調製された溶液は、室
内光での6ヶ月の保存後も実質的な吸収スペクトル(光学密度を含む)の変化を
示さない。金属含有化合物も少なくとも200℃の温度で安定である。
【0047】 本発明の1つの局面では、本発明の化合物を光に暴露して、該化合物が微生物
の増殖を阻害する能力を促進することができる。本発明の化合物は光の存在に独
立して活性であるものもあれば、光の存在下で活性なものもある。
【0048】 光暴露は、直接光源または周囲光からの暴露を含み得る。好ましくは、本発明
の化合物は少なくとも約200ナノメートル(nm)および約900nm未満の
波長の光に暴露される。より好ましくは、光は、少なくとも約400nmおよび
約850nm未満の波長を有する。簡便かつ十分な光源は、実験室および事務室
の蛍光照明装置に典型的に使用される光源ならびに発光ダイオード(LED)源
、発熱光源、日光およびレーザーである。本発明の個々の化合物は、光の特定の
波長で随意に活性化され得る。本発明の範囲を制限することを意図することなく
、光源のスペクトル出力は、おそらく、化合物を投与するために使用される溶媒
中で測定される金属含有化合物の吸収スペクトルに重複する。1つの実施態様に
おいて、該化合物は、該化合物を少なくとも約270μW/cm2の放射度に約 5分間暴露することによって活性化されるが、当業者であれば、より明るい光源
によって照明時間の期間を短縮することができることを容易に理解するであろう
【0049】 光活性化は、光への継続的、脈動的、または定期的暴露によって生じ得る。当
業者であれば、最適な活性化は、光の強度および期間に依存するが、光暴露のあ
る範囲の強度および期間を使用して、本発明の光応答性化合物を活性化すること
ができることを認識するであろう。
【0050】 化合物の濃度および光源、光源の強度、放射度、スペクトル特性、ならびに照
明期間は、光応答性化合物の性能に影響し得る。当業者であれば、過度の実験を
行うことなく、本明細書を参考にして、濃度、光の強度などを最適化することが
できることを理解するであろう。好ましい技術および形式のための実施例では、
これらの化合物の増殖阻害特性を最適化するための方法が提供されている。他の
試験手順書についても、特に実施例全体を通して提供される指針ならびに臨床検
査標準書およびマニュアルを参考にして当業者により容易に作成され得る。化合
物の好ましい濃度は、用途に依存して変動する。化合物の好ましい濃度範囲は、
約0.01μg/mL〜約10mg/mLであるが、多くの化合物は低い方の濃
度で活性である。
【0051】 本発明のもう1つの実施態様において、化合物または本発明の化合物の混合物
、あるいは本発明の1以上の化合物は、1以上の殺ウイルス剤、殺細菌剤、また
は殺真菌剤(ポリミキシンまたはもう1つの抗生物質)と組み合わせることがで
きる。
【0052】 本発明の化合物は、単独でまたは他の抗微生物化合物と組み合わせて、固体ま
たは孔表面に適用されるか、被覆されるか、噴霧されるか、乾燥されるか、浸漬
として使用されるか、含浸されるか、または複合され得るか、あるいは液体に添
加され得る。本発明の化合物を固体表面に適用し、微生物因子の増殖を制限する
ことができる。化合物を織布もしくは不織布に適用するか、またはヒドロキシア
パタイト、シリカ、もしくはガラスなどの無機材料などの様々な固体と組み合わ
せて、ウイルス、細菌、または真菌の混入を阻害、制限、減少および/または防
止することができる。本発明の化合物を、紙、ティッシュペーパー、綿球、外科
用衣服、掛け布などの使い捨て表面に適用することができ、また様々な吸収およ
び非吸収材料に適用することができる。
【0053】 本発明の化合物を布または多孔性ポリマに取り込ませると、布または材料内、
例えば、空気もしくは水フィルター内の濾過されていないかあるいは隔離されて
いる細菌もしくは真菌を死滅させ得る。
【0054】 本発明の化合物は、抗微生物拭き取りとしての用途のための布に取り込ませる
ことができる。同様に、該化合物を、玩具、装置、医療機器および作業表面を清
浄するために、例えば、家、デイケア、産業および病院施設において表面滅菌す
るために使用することができる。本発明の化合物を使用して、縫合糸および包帯
、皮下針および容器などの様々な装置、使い捨て用具、機器を滅菌することがで
きる。
【0055】 化合物の調製ならびにウイルスの不活化、ウイルス複製の阻害および細菌およ
び真菌の増殖または存在の制限における本発明の化合物の性能について、以下の
実施例において実証する。すべての参考文献および出版物は、参考として本開示
物に援用される。
【0056】 実施例1 金属含有化合物の合成 化学合成のための試薬は、他に示さない限りAldrich(Milwauk
ee,WI)より入手した。米国特許第5,180,705号および同第5,3
14,998号に開示されている手順に従って、化合物1A〜1I、1Lおよび
3〜19を合成した。化合物20は、Aldrich,Milwaukee,W
Iより購入し、化合物21はTCI−America,Portland,OR
より入手可能である。
【0057】 化合物1Jの合成 2−サリチリデンアミノフェノール(0.320g、1.5mmol、TCI
−America,Portland,OR)のジメチルスルホキシド(15m
L)中溶液(100℃)をテトラクロロ白金酸カリウム(0.685g、1.6
5mmol)のジメチルスルホキシド(15mL)中溶液(100℃)に添加し
た。次に、炭酸カリウム(0.600g)を添加し、得られる混合物を150℃
で10分間加熱した。反応混合物を100℃まで冷却し、次いで4−ビニルピリ
ジン(0.600mL)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反
応混合物を水(50mL)に注ぎ、次いで、ジエチルエーテル(150mL)で
1回およびクロロホルム(150mL)で1回抽出した。ジエチルエーテルおよ
びクロロホルム抽出物を合わせた。合わせた抽出物を3N塩酸(2回、50mL
)、水(2回、100mL)、およびNaCl飽和水溶液で1回連続的に洗浄し
た。
【0058】 有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して橙色の固体を得
た。固体を最小量のクロロホルムに溶かし、シリカゲルのカラム(20×5cm
)に通過させ、クロロホルム(250mL)でカラムから溶出させた。再び溶出
物を濃縮し、橙色の固体を得た。固体をエタノールから再結晶化し、橙色の固体
として0.068gの化合物1Jを得た;1H NMR(500MHz;CDC
l3):d5.70(d,1H,J=10.8Hz);6.14(d,1H,J
=17.6Hz);6.70−6.82(m,3H);7.10−7.17(m
,2H);7.26−7.28(m,1H);7.46−7.51(m,3H)
;7.66(dd,1H,J1=7.9Hz,J2=1.6Hz);7.81(
d,1H,J=8.3Hz);8.65(s,1H);9.16(dd,1H,
J1=5.4Hz,J2=1.6Hz);13C{1H}NMR(125MHz
;CDCl3):d114.21,115.23,116.08,117.77
,121.14,121.56,121.67,128.16,132.34,
133.04,133.25,140.00,142.77,146.45,1
49.26,161.75,167.01。
【0059】 化合物1Kの合成 2−サリチリデンアミノフェノール(0.320g、1.5mmol、TCI
−America,Portland,OR)のジメチルスルホキシド(15m
L)中溶液(100℃)をテトラクロロ白金酸カリウム(0.685g、1.6
5mmol)のジメチルスルホキシド(15mL)中溶液(100℃)に添加し
た。次に、炭酸カリウム(0.600g)を添加し、得られる混合物を150℃
で10分間加熱した。反応混合物を100℃まで冷却し、次いで4−ピリジンカ
ルビノール(0.607g)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した
。反応混合物を水(50mL)に注ぎ、次いで、ジエチルエーテル(150mL
)で1回およびクロロホルム(150mL)で1回抽出した。ジエチルエーテル
およびクロロホルム抽出物を合わせた。合わせた抽出物を3N塩酸(2回、50
mL)、水(2回、100mL)、およびNaCl飽和水溶液で1回連続的に洗
浄した。有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して橙色の固
体を得た。固体をエタノールから再結晶化し、暗褐色の固体として0.080g
の1Kを得た;1H NMR(500MHz;d6−DMSO):d4.70(
d,2H,J=5.6Hz);5.67(t,1H,J=5.6Hz);6.6
7(dt,1H,J1=7.3Hz,J2=1.6Hz);6.78(t,1H
,J=7.3Hz);7.00−7.08(m,2H);7.21(d,1H,
J=8.3Hz);7.47(dt,1H,J1=7.7Hz,J2=1.7H
z);7.66(d,2H,J=6.6Hz);7.88(dd,1H,J1=
8.1Hz,J2=1.7Hz);8.09(d,1H,J=8.4Hz)。
【0060】 化合物2の合成 A.リガンドの合成 2−アミノフェノール(0.545g、5.0mmol)、水(5mL)およ
び濃塩酸(1.25mL)を1.5時間還流加熱した。溶液を5℃まで冷却し、
次いで亜硝酸ナトリウム(0.348g、5.05mmol)水溶液(3mL)
を添加した。20分後、得られる溶液をジメドン(0.700g、5.0mmo
l)水溶液(10mL)およびピリジン(10mL)(5℃)に添加した。得ら
れる混合物を室温で18時間維持した。反応混合物を濾過し、残査を少量の水で
洗浄した。固体をエタノールから再結晶化し、橙色結晶固体として0.597g
(収率46%)の前駆体化合物を得た;融点221〜223℃;1H NMR(
500MHz;CDCl3):d1.14(s,6H);2.59(s,2H)
;2.62(s,2H);6.91(dt,1H,J1=7.5Hz,J2=1
.5Hz);7.04−7.11(m,2H);7.14(dt,1H,J1=
7.2Hz,J2=1.5Hz);10.29(bs,1H);15.41(b
s,1H);13C{1H}NMR(125Mz;CDCl3):d28.47
,30.98,51.81,52.15,118.99,119.02,119
.99,125.47,127.16,128.21,149.72,191.
71,196.98;IR(KBr):3180,1650,1616,159
3,1466,1389,1326,1299,1222,759cm−1;H
RMS:(cal)260.1155,(exp)260.1159。
【0061】 B.金属錯体の合成 前駆体化合物(0.390g、1.5mmol)のジメチルスルホキシド(1
5mL)中溶液(100℃)をテトラクロロ白金酸カリウム(0.685g、1
.65mmol)のジメチルスルホキシド(15mL)中溶液(100℃)に添
加した。次に、炭酸カリウム(0.600g)を添加し、得られる混合物を15
0℃で10分間加熱した。反応混合物を100℃まで冷却し、次いで新たに希釈
した4−ビニルピリジン(0.600mL)を添加した。反応混合物を室温で1
8時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)に注いだ。混合物を氷浴中で冷却
し、次いで、濾過した。残査をジクロロメタン(25mL)に溶解した。溶液を
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して暗橙色の固体を得た。固体を
エタノールから再結晶化し、暗褐色結晶固体として0.407g(収率49.0
%)の化合物2を得た;1H NMR(400Mz;CDCl3):d1.13
(s,6H);2.42(s,2H);2.60(s,2H);5.74(d,
1H,J=10.6Hz);6.17(d,1H,J=17.6Hz);6.7
0−6.80(m,2H);7.14−7.20(m,2H),7.51(d,
2H,J=6.6Hz),8.27(dd,1H,J1=8.3Hz,J2=1
.3Hz);8.96(d,2H,J=6.2Hz);13C{1H}NMR(
125Mz;CDCl3):d28.20,30.36,48.58,51.8
5,116.54,117.05,117.81,122.09,122.24
,130.34,133.21,133.94,146.80,147.70,
149.39,167.20,167.55,194.64;IR(KBr):
1662,1620,1592,1476,1440,1418,1382,1
312,1274,1107,749,511cm−1;HRMS:(cal)
558.1225,(exp)558.1222。
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【0062】 実施例2 ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)に対する殺ウイルス活性のための金属含有
化合物の試験 EIAVを使用して、上記の化合物(化合物1A〜ILおよび2〜21)を殺
ウイルス活性について試験した。ウマ皮膚(ED)細胞(ATCC CCL57
,American Type Culture Collection,Ro
ckville,MD)を使用して、EIAV感染力の低下について試験した。
使用した手順は以下の通りである。
【0063】 ED細胞を、6ウェル組織培養プレート(Corning Co.,#258
10)上、20%ウシ胎児血清(GibcoBRL Co.,#26140−0
38)を有するDulbecco改変Eagle培地中にウェルあたり5×10 5 細胞で播種した。該細胞を37℃で24時間(空気中5〜10%CO2下)イン
キュベートした。
【0064】 以下の通り、ウイルスを金属含有化合物で処置した。特に示さない限り、すべ
ての実験操作は環境光下で行った。ジメチルスルホキシド中金属含有化合物のス
トック溶液(1mg/mL)の10μリットル(μl)を使用して試験溶液を調
製した。これを、2%ウシ胎児血清を有し、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシ
ウムを含有しない1.0 mLのハンクス緩衝液(HBSS,Sigma Ch
emical Co.,#H2387)中104感染単位のEIAVに添加した 。サンプルを、二重の24ウェル組織培養プレート(Corning,#258
20)の個々のウェルに置いた。一方のプレートをアルミホイルで覆い、暗所コ
ントロールとした。他方のプレートをベンチトップ上に置き、蛍光室光(放射度
=272μW/cm2)に室温で30分間(以下に記載の場合を除く)暴露した 。
【0065】 6ウェルプレート中のED細胞に、最終濃度8μl/mLのポリブレン(Si
gma Chemical Co.,#P4515)および金属含有化合物を含
有する10μlまたは10μlのいずれか一方の試験溶液(上記)を接種した。
細胞を、暗所、37℃で5日間インキュベートした。実験7日目に、以下に提供
されるフォーカス形成アッセイを用いてウイルスの存在についてサンプルを試験
した。
【0066】 培地をウェルから吸引し、3mLのTNF(10mM Tris(pH 7.
5)、150mM NaCl、1%ウシ胎児血清)で1回濯ぎ、100%メタノ
ールで5分間固定化した。細胞を3mLのTNFで2回濯ぎ、30分間、0.5
mLのウマ抗EIAV血清(HBSS中1:800希釈の回復期患者の血清)と
共に振盪しながらインキュベートした。細胞を3mLのTNFで3回濯ぎ、30
分間、0.5 mLの抗ウマHRP抗体(Cappel/Organon Te
knika Corp.,Lot #35426)と共に振盪しながらインキュ
ベートした。この工程の後、細胞を3mLのTN(FBSを含まない)で3回濯
ぎ、2mLの0.05 M酢酸ナトリウム/N,N−ジメチルホルムアミド(S
igma Chemical Co.,#D8654)緩衝液中AEC基質(S
igma Chemical Co.,#A6926)と共に20分間暗所でイ
ンキュベートした。細胞を上流水で濯ぎ、そして乾燥させた。感染された細胞の
陽性フォーカスを顕微鏡を用いて計数し、接種物mLあたりのフォーカス形成単
位(FFU)の数を算出した。可能性のある殺ウイルス剤および光で処置したサ
ンプルのFFUを、暗所で保ったサンプルのFFUと比較した。10μg/mL
の化合物濃度で試験した場合のコントロールと比較して、約75%を超えるレベ
ルでウイルス力価の有意な減少が最初に認められた実験(化合物1L、2、20
、および21を除く)でのみ暗所コントロールを実施した。
【0067】 もう1つの実験において、109pfu(プラーク形成単位)でのphiX1 74バクテリオファージの5mLサンプルを、金属含有化合物1Lで被覆した5
0mm直径プレフィルター(Nalgene catalog # 281−5
000, Nalge Products,Rochester,NY)を介し
て濾過した。E.coliに対するウイルスの感染力の減少は認められなかった
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】 結果は、化合物1A、1B、および1F〜1Lがウマ皮膚細胞において感染性
EIAV粒子の産生を少なくとも75%だけ減少したことを示した。化合物20
および21は、本研究では有効ではなかった。驚くべきことに、本発明の化合物
(化合物20および21も組み入れて)は、金属およびN−ヘテロ環部分を組み
合わせた場合、抗微生物活性を示した。
【0071】 化合物はまた、殺ウイルス活性に対する光暴露時間の長さの効果について試験
した。例えば、化合物1Aの10μg/mL溶液を5分間光に暴露した場合、ウ
イルス力価の減少が認められた。光暴露を15分間まで延長すると、ウイルス力
価が更に減少した。これらの実験は、照射時間がより短くてもウイルス力価の減
少をもたらすことが可能であるが、光への暴露が長い方が化合物の殺ウイルス効
果を更に増強することができることを示す。
【0072】 実施例3 ヒト免疫不全症ウイルス1型(HIV−1)および単純ヘルペスウイルス1型(
HSV−1)に対する殺ウイルス活性のための化合物の試験 0.1mLの濃縮HIV/RF(超遠心分離によって調製され、5%ウシ胎児
血清(NIAID,Bethesda,MD)を有する5%RPMI 60/4
0培地で再懸濁された)を24ウェルプレート中の0.9mLの化合物1A、1
B、1Hおよび1KのDMSO溶液に添加した。プレートを研究室のベンチトッ
プにおける一般の蛍光照明総装置下に30分間設置した。次いで、化合物の10
倍の系列希釈を調製し、これらを使用して104細胞/ウェルでMT2細胞(N IAIDカタログ番号237)に接種した。プレートを37℃で7日間、空気中
5%CO2下でインキュベートした。ウイルスは、ウイルス細胞病理学のフォー カスを観察することによって計数した。結果は、ウイルス力価の対数現象として
以下に示す。
【0073】 化合物は、HSVに対するそれらの活性についても試験した。プロトコルは、
Vero細胞(American Type Culture Collect
ion,Rockville,MD,#CCL81)に、化合物1Aと共にイン
キュベートしたHSV−1を接種し、プラークアッセイによってウイルスを定量
したことを除いて、HIV試験のプロトコルと本質的に同一である。
【0074】
【表3】
【0075】 結果は、本発明の化合物がRNAレトロウイルスであるHIV−1およびDN
AウイルスであるHSV−1を不活化するのに有効であることを示した。
【0076】 実施例4 細菌の増殖の防止のための化合物の試験 グラム陽性およびグラム陰性細菌の増殖の防止について、化合物のジメチルス
ルホキシド溶液としていくつかの濃度で、上記化合物を試験した。使用した手順
は以下の通りである。
【0077】 Todd Hewittブロス(DIFCO,Detroit,MIより購入
した)において37℃で1晩増殖させた細菌を、VIS分光器を用い600nm
で光散乱することで測定したように、Todd Hewittブロスで約1×1
8コロニー形成単位(CFU)/mLの濃度に希釈した。続いて、1.0mL の細菌含有ブロスを、ブレインハートインフュージョン寒天(DiMed Co
rp.,St.Paul,MN)を含有するペトリプレートに移し、寒天表面上
で均等に広げ、室温で30分間乾燥させた。7ミリメートル(mm)の直径のペ
ーパーフィルターディスクを寒天プレート上の細菌の頂部に置いた。それぞれの
ディスクを、陰性コントロールとしてのジメチルスルホキシド、0.12%グル
コン酸クロルヘキシジン水溶液(陽性コントロール)、または(少なくとも3つ
の異なる濃度の各試験化合物を用いて)本発明の化合物のジメチルスルホキシド
溶液のいずれかの5.0μLで処置した。プレートを暗所(コントロール)で保
つかまたは37℃で24時間のインキュベート前もしくは中のいずれかに光に暴
露した。(以下にそれぞれの実験について具体的に記載している)。すべての場
合において、嫌気性細菌および通性嫌気性生物を、嫌気的大気気密容器(空気中
4〜10%CO2;H2と組み合わせてH2Oを形成することによってO2を除去し
た、Gas Pak Plus,Benton Dickinson,Cock
eysville,MD)中に置いた。
【0078】 24時間のインキュベーション後、プレートをインキュベーターから取り出し
、7mmフィルターディスクの周囲を澄明にしている領域について調べた。それ
ぞれの澄明領域の直径を測定し、記録しそしてコントロールと比較した。
【0079】 30分間光暴露を用いた細菌の増殖阻害のための化合物1Hの試験 本実験において、プレートの2分の1の一方を、暗所で24時間インキュベー
ションする直前に、室温で30分間、光下で、実験室ベンチに置いた。該サンプ
ルの2分の1の他方を、光への暴露を伴わずに、24時間暗所インキュベーター
内に置いた。Streptococcus gordonii、Strepto
coccus sobrinus、Streptococcus mutans
、Actinomyces viscosus、およびActinomyces
naeslundiiの単層をDMSO中の化合物1H、DMSO単独、また
は陽性コントロール(グルコン酸クロルヘキシジン(chlorhexidri
ne gluconate))に暴露した。
【0080】 用語「直径%(暗)」は、暗所に保たれた化合物の増殖阻害のゾーンの直径を
、暗所に保たれたグルコン酸クロルヘキシジンコントロールの増殖阻害のゾーン
と比較した百分率を示す。
【0081】 用語「直径%(明)」は、暗所でインキュベーションする前に30分間周囲光
へ暴露した化合物の増殖阻害のゾーンの直径を、同じ方法で処置したグルコン酸
クロルヘキシジンコントロールの阻害ゾーンと比較した百分率を示す。
【0082】
【表4】
【0083】 結果は、暗所でのインキュベーションの30分前に1Hを光へ暴露した場合、
該化合物は、試験したDMSO中化合物の濃度で細菌の増殖を阻害した。更に、
暗所でのインキュベーションの前に光下に置いた場合、および暗所で保った場合
の両方において、1Hは、DMSO中のActinomycesの増殖を阻害し
た。DMSOのみで処置した培養物は増殖阻害を示さなかった。
【0084】 実施例5 連続光暴露を使用する増殖阻害 米国特許第5,180,705号および同第5,314,998号に開示され
た手順に従って、化合物22(上記で提供された構造)を調製した。残りの化合
物は先に記載の通りに調製した。
【0085】 これらの実験において、細菌ローン(bacterial lawn)を、表
示された化合物で湿らせた7mm直径のペーパーフィルターディスクに暴露した
。すべてのプレートを、インキュベーター内部のランプ(Sylvania F
15Y8−W蛍光電球)より16インチ下に置き、実験中(24時間)連続的に
照射した。DMSO中100μg/mLおよび0.1μg/mLの化合物につい
て増殖阻害を試験した。0.12%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液コントロ
ール実験および適切なDMSOコントロールも含めた。試験された細菌は、Pr
oteus vulgaris、Enterococcus faecalis
、Escherichia coli、Klebsiella pneumon
iae、Staphylococcus epidermidis、およびSa
lmonella種を含んだ。用語「直径%(明)」は、試験した化合物の増殖
阻害のゾーンの直径を、同じ方法で処置したグルコン酸クロルヘキシジンコント
ロールの阻害ゾーンと比較した百分率を示す。表5において、「*」は、本試験
において試験されなかったデータポイントを指す。
【0086】
【表5】
【表6】
【0087】 結果は、1Gが試験された両濃度でS.epidermidis細菌の増殖を
阻害し、1Hが試験された高い方の濃度でE.faecalisの増殖を阻害し
、1Lが試験された高い方の濃度でE.coliの増殖を阻害し、化合物8が試
験された高い方の濃度でE.faecalis、E.coli、およびS.ep
idermidisの増殖を防止し、そして化合物22が試験されたいずれの細
菌の増殖も阻害しなかったことを示した。DMSOコントロールは増殖阻害を示
した(P.vulgarisおよびK.pneumoniaeに対して10%未
満の阻害;従って、K.pneumoniaeに関するデータは本発明の化合物
による増殖の阻害を表していない)。
【0088】 もう1つの組の実験(表6に要約されている)において、すべてのプレートを
、インキュベーター内部のランプ(Sylvania F15Y8−W蛍光電球
)より16インチ下に置き、実験中(24時間)連続的に照射した。暗所コント
ロール実験は行わなかった。DMSO中10μg/mLおよび0.1μg/mL
の化合物を試験した。適切なDMSOコントロールである0.12%グルコン酸
クロルヘキシジン水溶液コントロール実験を行った。Streptococcu
s mutans、Enterococcus faecalis、Esche
richia coli、およびSalmonella種に対する化合物1F、
1Hおよび8について細菌阻害を試験した。
【0089】 用語「直径%(明)」は、試験した金属含有化合物の増殖阻害のゾーンの直径
を、同じ方法で処置したグルコン酸クロルヘキシジンコントロールの阻害ゾーン
と比較した百分率を示す。
【0090】
【表7】
【0091】 結果は、10.0mg/mLの濃度で試験した3種のすべての化合物を使用し
た2つのグラム陽性細菌および2つのグラム陰性細菌の細菌増殖に対する有効な
阻害を示した。更に、2つのグラム陽性細菌の増殖の防止が、0.1mg/mL
の濃度ですべての化合物について認められ、0.1mg/mlの化合物1Hおよ
び8によってE.coliが阻害された。重要なことに、これらの化合物は、光
応答性機構を介してグラム陰性細菌を死滅させ得る。
【0092】 実施例6 高強度の光を使用する細菌増殖の阻害の実証 2つのペトリ皿のトリピカーゼ(trypicase)ダイズ寒天上でE.c
oliをプレート化した。DMSO中10mg/mLの化合物1Bを飽和させた
6mmペーパーディスクをE.coliローン上に置いた。更に、DMSOのみ
を有するディスクをそれぞれのプレートに添加した。一方のプレートを暗所で1
晩保ち、他方のプレートを、2つのパイレックス皿(1つは0.5インチの水を
含んでいた)を介して38mW/cm2の明るい光で連続的に、室温で1晩照射 した。
【0093】 暗所でインキュベートしたプレート上でDMSOのみまたは化合物1Bを含有
するディスクのいずれにも阻害のゾーンは認められなかった。光下でインキュベ
ートした化合物1Bを含むディスクの周囲には19mmの阻害ゾーンが存在した
(これに対し、光下でインキュベートしたDMSOのみのディスクでは阻害のゾ
ーンは認められなかった)ことから、連続的な光強度の光を使用したグラム陰性
細菌の阻害が実証された。
【0094】 実施例7 表面上の殺細菌活性についての金属含有化合物の試験 本実験では、それぞれの化合物について3つのヒドロキシアパタイトディスク
を、ジクロロメタン中10.0mg/mLの1Lまたは10.0mg/mLの1
Fのいずれかの溶液で湿らせた。6つのディスク、および6つの(化合物を含ま
ない)ディスクをそれぞれ、結合緩衝液(2mM K3PO4、50mM KCl
、1mM CaCl2、pH6.8)中に600nmで1.0の光学密度に対応 する濃度でE.faecalis細菌を含有するウェルに置いた。デスクランプ
からの一定の光暴露を伴い、37℃で24時間、インキュベーター中でディスク
を穏やかに撹拌した。次いで、ディスクを結合緩衝液で濯ぎ、Todd Hew
ettブロス中に置いて細菌の潜在的な増殖を可能にした。ブロスをインキュベ
ーター中で1晩インキュベートした後、それぞれのブロスから0.1mLのサン
プルを取りBHI寒天上に個別に置き、その後、プレートを同じインキュベータ
ー内に置いた。
【0095】 表面上の細菌の増殖の防止についての試験化合物1Lおよび1Fの結果 2つのコントロールディスクの組および化合物1Lで湿らせたディスクは、「
計数レベルに対して過剰に多く」細菌の増殖を可能にした。化合物1Lで湿らせ
たディスクでは、ディスク上またはブロス内での細菌の増殖の証拠は認められず
、1LはE.faecalisに対して殺細菌性であることが示された。
【0096】 実施例8 真菌の増殖阻害についての金属含有化合物の試験 本実験では、TSA(トリピカーゼダイズ寒天)プレートを真菌のCandi
da albicansで画線した。化合物を湿らせた(DMSO中10mg/
mLの化合物)7mmフィルターペーパーディスクをそれぞれの画線プレート上
に置き、該プレートをインキュベーターの暗所で1晩保つか、15分間室内光に
置き、次いで1晩インキュベーター内に置くか、または室内光下のベンチトップ
上に1晩放置した。DMSOを含有する3つのコントロールディスクを、化合物
を湿らせたディスクと共に処置した。化合物1A、1B、1F、1Hおよび1L
を使用して三重で実験を実施した。
【0097】 試験を行ったいずれの条件下でも、DMSOコントロールでは増殖阻害は認め
られなかった。暗所で保った化合物は、本実験条件下では真菌の増殖を阻害しな
かった。結果は、24時間光へ暴露した場合、化合物1Fが7.5mmの阻害ゾ
ーンを生じたことを示した。染料1Bは9mmの阻害ゾーンを生じ、化合物1A
、1H、および1Lは、15分間の光への暴露後、7.5mmの阻害ゾーンを生
じた。1晩光へ暴露させた化合物では、化合物1Bおよび1Hは9mmの阻害ゾ
ーンを生じ、化合物1Aは8mmの阻害ゾーンを生じ、そして化合物1Lは7.
5mmの阻害ゾーンを生じた。従って、実験は本発明の化合物が真菌の増殖を阻
害することを示す。
【0098】 当業者であれば、本発明の方法が、ウイルス含有、細菌含有もしくは真菌含有
液体、表面、生成物、または材料において微生物の増殖を阻害することが可能で
あることを理解するであろう。
【0099】 過度の実験を行うことなく、本発明の方法を使用して、他のウイルス、細菌、
および真菌についても同様に試験することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 15/00 C07F 15/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 スミス,テランス ピー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 (72)発明者 キュニー,グレゴリー ディー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427, セント ポール,ピー.オー.ボックス 33427 Fターム(参考) 4H011 AA02 AA03 AA04 BB16 4H050 AA01 AA03 AB03 WB13 WB14 WB15 WB16 WB21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を、以下の化学構造 【化1】 ここで、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して5〜14員環原子を有するアレン核を表し
    、 G1およびG2はそれぞれ独立して金属連結基を表し、ここで、G1およびG
    2はZ1およびZ2のうち少なくとも1つ内に含有され得るかまたはZ1および
    Z2のうち少なくとも1つからペンダントし得る、 Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、
    スルホンアミド基、アリール基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基
    、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
    アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
    ニル基、アルキルスルホキシル基、アリールスルホキシル基、アリールオキシル
    基、水酸基、チオアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、
    アシル基、ウレイド基、アリールオキシカルボニル基、シリル基、またはスルホ
    アルコキシ基を表し、 L1は、R1またはR2あるいはR1およびR2の両方で置換された窒素ヘテ
    ロ環を表し、 R1およびR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子、ビニル基、ヒドロキ
    シアルキル基などを含むアルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、スルホン
    アミド基、アリール基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボ
    ニル基、アシルオキシ基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシル基、ア
    ルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、ホルミル基、アシル基、シ
    リル基、またはスルホアルコキシ基を表し、 L2は、単座または多座(例えば、二座)配位子を表し、 Xは窒素またはメチン(CH)基を表し、 Mは二価または多価の遷移金属イオンであって、ここで、配位数は少なくとも
    4であり、 k、m、およびnは3以下の整数である、 を有する金属含有化合物を含む有効量の組成物に暴露する工程を含む、微生物の
    増殖を制限する方法。
  2. 【請求項2】 前記組成物を少なくとも1回光に暴露する工程を更に含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記金属含有化合物が化合物1である、請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の工程を含む表面を消毒する方法。
  5. 【請求項5】 前記表面を光に暴露する工程を更に含む、請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記組成物が第2の抗微生物剤を更に含む、請求項4に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の抗微生物剤は、抗ウイルス剤、抗細菌剤および抗
    真菌剤から成る群より選択される、請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ウイルス、細菌または真菌を、以下の式 【化2】 ここで、R1およびR2はH、CH2OH、CHCH2およびCH2CH3から成る
    群よりそれぞれ独立して選択され、Zはメチン(CH)基であり、MはPtであ
    る、 を有する金属含有化合物を含む組成物に接触させる工程を含む、ウイルス、細菌
    および/または真菌を制限する方法。
  9. 【請求項9】 以下の一般構造 【化3】 ここで、 Z1およびZ2はそれぞれ独立して5〜14員環原子を有するアレン核を表し
    、 G1およびG2はそれぞれ独立して金属連結基を表し、ここで、G1およびG
    2はZ1およびZ2のうち少なくとも1つ内に含有され得るかまたはZ1および
    Z2のうち少なくとも1つからペンダントし得る、 Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、
    スルホンアミド基、アリール基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基
    、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、
    アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
    ニル基、アルキルスルホキシル基、アリールスルホキシル基、アリールオキシル
    基、水酸基、チオアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、
    アシル基、ウレイド基、アリールオキシカルボニル基、シリル基、またはスルホ
    アルコキシ基を表し、 L1は、R1またはR2あるいはR1およびR2の両方で置換された窒素ヘテ
    ロ環を表し、 R1およびR2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン原子、ビニル基、ヒドロキ
    シアルキル基などを含むアルキル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、スルホン
    アミド基、アリール基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボ
    ニル基、アシルオキシ基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシル基、ア
    ルキルカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、ホルミル基、アシル基、シ
    リル基、またはスルホアルコキシ基を表し、 L2は、単座または多座(例えば、二座)配位子を表し、 Xは窒素またはメチン(CH)基を表し、 Mは二価または多価の遷移金属イオンであって、ここで、配位数は少なくとも
    4であり、 k、m、およびnは3以下の整数である、 を有する金属含有化合物を含む第1の抗微生物剤ならびに第2の抗微生物剤を含
    む組成物。
  10. 【請求項10】 一般式 【化4】 ここで、R1はCH2OHまたはCH2CH3であり、R2はHであり、Zはメチ ン(CH)基であり、MはPtである を有する金属含有化合物。
JP2000528160A 1998-01-09 1998-05-08 金属含有化合物を使用して微生物の増殖を制限する方法 Pending JP2002501008A (ja)

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