JP2002500761A - 車両タイヤの圧力低下検出方法 - Google Patents

車両タイヤの圧力低下検出方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、車両タイヤの圧力低下を検出するための方法に関する。この場合、複数の車輪の車輪回転速度を示す(ステップ101)信号、特に時間測定値から、基準値が求められ(ステップ103)、今決定された基準値を少なくとも1つの比較値と比較することによって、今決定された基準値が比較値を上回っているかまたは下回っているときに(ステップ105)、圧力低下が推測される。車両タイヤの圧力低下の検出が少なくとも1つの基準値を用いて行われ、この基準値が、車輪回転速度を示す各々2つの信号の合計を割算することによって求められる。

Description

【発明の詳細な説明】 車両タイヤの圧力低下検出方法 本発明は、複数の車輪の車輪回転速度を示す信号から基準値が求められ、今決 定された基準値を少なくとも1つの比較値と比較することによって、今決定され た基準値が比較値を上回っているかまたは下回っているときに、圧力低下が推測 される、車両タイヤの圧力低下を検出するための方法に関する。 WO95/12498の番号の公開された出願により、車両の個々のタイヤに ついて、第1の相の間、個々の車輪の直径の差を補償する補正係数を学習するこ とが知られている。そして、連続運転で、検出された車輪回転速度がその都度学 習された補正係数に掛け算される。それによって、車輪回転速度から車両速度を 決定することができる。その際、走行中、補正係数もそのときに決定される。今 決定された補正係数が、この車輪について学習相で決定された補正係数に対して 、所定の閾値よりも大きくずれていると、車両タイヤの圧力低下が検出される。 その際、補正係数が走行状況に依存して検出されるので、縦方向加速度または横 方向加速度あるいはカーブ走行およびそれに関連する車両のオーバーステアまた はアンダーステアあるいは異なる摩擦係数に基づく、道路の左側と右側の異なる スリップ値のために、車輪回転速度偏差の作用が考慮される。 更に、米国特許第4,876,528号明細書と同第5,192,929号明 細書により、斜めの車輪の回転速度を合計し、この合計の差を決定することによ り、車両のタイヤの圧力低下を検出することが知られている。この差が両合計値 の0.05〜0.6%であると、各々の車輪の回転速度は、4個すべての車輪の 平均速度に対して最大で0.1%だけずれる。大きなずれの場合、圧力低下が信 号で表される。その際、車両が少なくともほぼ直線走行中のときにのみ、圧力低 下の監視が行われる。他方では、差は、カーブ走行時の車両のアンダーステアま たはオーバーステアの状態のために、大きすぎる値を有する。 これに対して、本発明の課題は、できるだけ簡単に、それにもかかわらずでき るだけ確実に、タイヤの圧力低下を検出することができる方法を提供することで ある。 この課題は本発明に従い、車両タイヤの圧力低下の検出が少なくとも1つの基 準値を用いて行われ、この基準値が、車輪回転速度を示す各々2つの信号の合計 を割算することによって求められることにより解決される。 基準値は例えば次のようにして求めることができる。 Ref1=(Tv1+Thr)/((Tvr+Th1) Ref2=(Tv1+Tvr)/((Thr+Th1) Ref3=(Tv1+Th1)/((Tvr+Thr) この量Tは車輪の回転速度を示す信号であり、その添字iは次の意味を有する。 v1=前方左側車輪、vrは前方右側車輪、h1は後方左側車輪、hrは後方右 側車輪を意味する。この場合、両Tiが車輪の回転速度を示す信号して、請求項 2記載の方法の実施形によって定められると特に有利である。 請求項1記載の本発明による方法によって、基準値を定めるときの数値的な問 題が最小限に抑えられるという利点がある。技術水準では先ず最初にその都度、 ほとんど同じ値の2つの量が加算される。従って、10分の1の数倍(零点幾つ )のときに初めて差が生じる。これから、第1の問題が生じる。技術水準の場合 、他のステップで、この両合計の差が求められる。既に述べたように、両合計は ほとんど同じ値である。この両合計の偏差はどんな場合でも或る程度の誤差を有 する。更に、この両値から差が求められるときに、誤差がかなり増大するので、 検出された差は事情によっては数値としてもはや使用不可能である。 本発明は車輪回転速度を示すその都度2つの信号の合計が基準値によって求め られる。この場合、この2つの合計はその都度割算される。その際、数値的な問 題は最小限に抑えられる。というのは、本発明による方法により、次のステップ でほとんど同じ2つの値を合計し、合計を減算する必要がないからである。 請求項2,3,4記載の方法の場合には、個々の車輪の時間測定が、共通のス タート信号の後で、当該の車輪の次の各々の信号エッジによって個別的にスター トし、すべての車輪のために設定された車輪回転数の全部または一部を経過した 後、各々の車輪について個別的に終了することにより、個々の車輪の車輪回転速 度を示す信号が得られる。信号のエッジの数と走査インターバルあたりの最後の 信号エッジの時間だけが得られるシステムの場合には好ましくは、測定距離の端 部に対応する信号エッジに関して内挿(補間)が行われる。 どれくらいの信号エッジが予め定めた時間ウインドウ内に通過したかを観察す る、車輪回転速度を測定するための方法と比べて、それ以上の誤差が回避される 。すなわち、この上記方法の場合には、時間ウインドウの始端と終端で誤差が生 じ、この位置にセンサホイールが最後の信号エッジ通過に関連して設けられる。 すなわち、最後の信号エッジ通過がちょうど生じるかあるいは次の信号エッジの 通過が差し迫るずっと前から、最後の信号エッジ通過が起こる。これは、センサ ホイールがセンサホイールの2つの歯の間の空間内でセンサに対してどの位置に あるかに依存する。 請求項2記載の本発明による方法では、センサホイールの位置が測定の開始時 と終了時にセンサに対して正確に検出されることによって、誤差が最小限に抑え られる。48個の歯を有するセンサホイールの場合には、これは測定の開始時と 終了時にその都度1/48回転を行う。 請求項3記載の方法の倍には、車輪回転数は車速に依存して定められる。 これは例えば、車輪回転数を車速に比例して変化させることによって行うこと ができる。それによって、例えば、車輪回転速度を示す信号を検出する測定時間 がほぼ一定に保たれる。 その際、車輪回転数は整数である。同様に、整数でない車輪回転数を設定する こともできる。そして、測定は他の歯またはと測定を開始した歯のエッジ(側面 )によって終了する。測定をエッジによって正確に開始し、他の歯のエッジによ って正確に終わらされることができるようにするために、もはや完了しない回転 の一部を、センサホイールの歯の数に対応させて定める必要がある。 この方法の他の実施形では、各々のエッジで時間情報を検出しないで、個々の エッジで走査インターバルが開閉するように採寸された走査インターバルを有す るセンサにおいて、その都度走査インターバル内にあるエッジの数と、走査イン ターバルの開始時間と終了時間が記憶され、場合によっては所定のエッジが走査 インターバルの端部に印をつけないで、この所定のエッジで内挿が行われる。内 挿は例えば、走査インターバル内で速度が一定であることを仮定して行うことが できる。 その際、測定は個々の車輪について個別的に行うことができる。一般的なスタ ート信号から出発する。センサホイールの歯の対応するエッジが検出されている ときには、このスタート信号の後で、各々の車輪について、測定が個別的にスタ ートする。例えば歯の所定のエッジを検出することができる。というのは、セン サホイールの1個所に歯溝が設けられているからである。それによって、センサ ホイールの絶対的な角度位置を検出することができる。従って、この歯溝から出 発して、検出された歯は“一緒に数えられれ”、個々に検出可能である。しかし 、場合によっては、センサホイールの個々の歯を検出および割り当てるための他 の方法を用いることができる。 請求項4記載の方法の場合には、基準値の散乱の品質度が所定の値を上回らな いときおよびまたは基準値の決定された最大値と最小値が基準値の平均値から、 所定の値よりも大きくない値だけずれているときに、基準値の平均値にオフセッ トを加算または基準値の平均値から減算することにより、少なくとも1つの比較 値を予め定めることが可能である。 その際好ましくは、検出されたデータに基づいて、基準値の小さな変動だけし か発生しないようにするときに、比較値が定められる。理想的な場合には、加速 しないで直線走行する際、基準値は1に等しい。すなわち、基準値が所定の閾値 よりも大きく値1からずれていないかどうか検査可能である。 散乱の品質度は、ろ波された値とろ波されていない値によって計算可能であり 、例えば標準偏差である。 その際一方では、ろ波された値を個々に考慮することにより、大きな偏差を有 する回転速度の個々の測定値または負数の測定値を検出可能である。この偏差が 変換器の信号ノイズによるものではないということは比較的に確実である。とい うのは、ノイズの作用が低域ろ波によってろ波されているからでる。その際、好 ましくは、第1のオーダーの低域フィルタである。この大きな偏差を検出するこ とにより、比較値を求める値において大きすぎる差が存在するときに、比較値を 求める必要がなくなる。それによって、走行条件に起因して車輪の回転速度が、 例えばカーブ走行時の場合と異なる値を有するときには、比較値を求めることが 抑制される。 ろ波されていない値を考慮することによって(好ましくは複数の値を1つの平 均値にまとめることと、品質度、例えば標準偏差を決定することによって)測定 値を得た時間にわたって、車輪回転速度がどの位変化したかを決めることができ る。 請求項5記載の方法の場合には、測定値の第1のセットと測定値の第2のセッ トが求められ、測定値の両セットにおいて両セットの基準値の最大値、基準値の 最小値および基準値の各々の数学的平均値が、予め設定されたそれぞれの値より も大きくない値だけ互いにずれているときおよび散乱の品質度が所定の値を上回 らないときに、比較値が基準値の最大値と最小値に依存して求められる。 この方法は好ましくは、請求項4記載の比較値の決定が不可能であるように大 きな変化が持続的に生じるときに使用される。請求項5記載の方法によって、基 準値の変化の程度に比較値が適応させられる。換言すると、請求項5記載の方法 によって、高いレベルの基準値の変化が安定しているかどうかが検査される。そ して、比較値は変化に依存して定められる。 それによって、製作誤差や走行条件に基づく偏差に、製作精度要求を徐々に適 合させることができる。その際、オフセットの値は0.5パーミルである。その 際、設定された値は0.1パーミルのオーダーでもよいし、設定された他の値は 同様に0.1パーミルのオーダーでもよい。その際、品質度の複数倍は好ましく は品質度の4倍である。 このようにして上側と下側の限界値が固定されると、圧力低下のチェックはこ の値によって行われる。上側と下側の限界値はこれらの値のリセットまで維持さ れる。 測定値の第2のセットにおいて、比較値の決定がうまくゆかなったときには、 この方法が繰り返される。この場合、次の試みにおいて、測定値の第2のセット の値が比較のために用いられる。 請求項6記載の方法の場合には、比較値は車軸に依存して決定される。 これは特に基準値Ref2を単独でまたは組み合わせて使用する際に有利であ ることが判った。両車軸の圧力低下を検出すべきときには、圧力低下限界の変更 を、問題となっているそれぞれの車軸について許容することができる。駆動され る車軸の車輪の場合には、圧力低下は、駆動されない車軸の車輪の場合よりも車 輪回転速度の偏差が小さくなる。その結果、駆動される車軸の車輪の場合には、 圧力低下を検出する限界は、駆動されない車輪の場合よりも小さく設定される。 請求項7記載の方法の場合は、比較値は速度に依存して定められる。 その際、例えば30〜50km/hの段階で比較値をサポートとして定めると 有利であることが判った。そして、連続運転中、例えば次のような比較値を使用 することができる。すなわち、その速度が今の速度に最も近いかあるいは次に小 さな速度と次に大きな速度の2つの比較値の間で間挿が行われるるような比較値 を使用することができる。 請求項8記載の方法の場合には、走行中断時に、検出された値が記憶され、走 行を再スタートした後で再び読み出される。 その際、車両停止時に走行を再び開始した後すぐに、ゆっくりした圧力低下が 検出可能であると有利であることが判った。更に、車両タイヤの空気圧に関する 情報は、走行を再び開始するときに直ちに供される。その際、記憶された値は少 なくとも比較値である。 請求項9記載の方法の場合には、車輪交換時にリセットキーが操作される。 車輪交換する際、タイヤ内の空気圧力はその前に組み立てられていた車輪と全 く異なる。すなわち、車輪交換が行われているときに、比較値が新たに定められ ると有利である。 場合によっては、これは、タイヤの空気圧を検査するときにも行うことができ る。これは弁の保護キャップを取り外すことによって検出可能である。 請求項10記載の方法の場合には、手動操作可能なリセットキーが設けられて いる。 それによって、例えばタイヤの空気圧がチェックされ、それに相応して補充さ れるときに、運転者が比較値の新しい決定を惹起することができる。それによっ て、スイッチまたはセンサに関するコストが低減される。車輪を交換したときま たは空気を補充したときに、初期値設定を行うことは自動車の使用者の責務であ る。 請求項11記載の方法の場合には、縦方向加速度、横方向加速度およびまたは 車輪加速度の所定の閾値を上回るときに、基準値を求めることが中断される。 この量によって、車輪回転速度信号が、例えばカーブ走行時のような走行条件 に起因する大きな偏差を示すかどうかを検査することができる。このカーブ走行 の場合には、少なくともカーブ外側の車輪の車輪回転速度がカーブ内側の車輪の 車輪回転速度からずれている。車両が更に、オーバーステアまたはアンダーステ アのカーブ走行状態を示すと、カーブ走行時に、それに起因して、前車軸と後車 軸の車輪の回転速度の偏差が生じる。駆動されない車輪の回転速度からの駆動さ れる車輪の回転速度の偏差を考慮すべきであるかどうかは、縦方向の加速度から 求めることができる。この偏差は加速度に起因する。車両が場合によっては地面 の窪みを通過し、個々の車輪が空転し、それによってこの車輪の回転速度の偏差 が生じるかどうかは、車輪加速度から読み取ることができる。これらのすべての 場合、測定データのピックアップを中断すると有利である。 請求項12記載の方法の場合には、ブレーキ介入が行われるときに、基準値を 求めることが中断される。 それによって、ブレーキスリップによって車輪の回転速度が異なるときに、値 の検出が中断される。この車輪速度はブレーキングに起因する。ブレーキ介入は 例えば、ABSシステムが応答するかあるいはトラクションコントロールシステ ムの場合にはアクティブブレーキ介入が行われるときに検出可能である。同様に 、制動灯から推測することができる。この制動灯は車輪スリップが非常に小さい ときにもブレーキングに応答する。 すなわち、本発明による方法の場合は、1つまたは複数の比較値は、それが重 要であることが、検出された測定値から推測可能であるときにのみ、決定可能で ある。絶えず新たに決定されるかまたは場合によっては拒否される他の公知の方 法に比べて、変化したタイヤ圧力に基づいて既に精度が低下している車輪回転速 度はもはや、比較値に算入されないという利点がある。この公知の方法の場合既 に圧力低下した車輪の回転速度も、比較値を求めるために一緒に算入されること により、エラーを含む車輪回転速度が比較値に影響を与える。この車輪はこの比 較値によってエラーを含むものとして認識される。公知の方法の場合には、比較 値は連続して新たに決定されるので、エラーを含む車輪回転速度はエラーを含む 比較値を生じることになる。圧力低下の検出は時間的に遅れて可能である。これ に対して、本発明の方法の場合には、基準値が前もって検出された比較値と比較 されるので、遅れることなく圧力低下を検出することができる。 圧力低下が検出されると、光またはおよび音の警報信号を発することができる 。 本発明の実施の形態が図に詳しく示してある。 図1は比較値を決めるための方法のフローチャート、 図2は比較値を決めるための方法のフローチャート、 図3は決められた値のリセットを示す図である。 図1に示すように、先ず最初に、ステップ101で個々の車輪の車輪回転速度 信号が集積される。 ステップ102では、基準値を求めるために不適当であると思われる走行条件 が存在するかどうかを検査することができる。このような走行条件は例えば、車 両の縦方向加速度、車両の横方向加速度およびまたは車両の少なくとも1個の車 輪加速度が、所定の閾値を上回ることである。 このような走行条件は、ブレーキ介入が行われていることでもよい。これは例 えば、アンチロックコントロールシステムの応答、ブレーキを介入するトラクシ ョンコントロールシステムの応答およびまたは制動灯スイッチの評価によって認 識可能である。これは同様に、例えばセンサエラーのようなシステム故障の認識 時にも行うことができる。 このような走行条件が存在することが認識されると、方法の現在のサイクルが 終了する。 そうでない場合には、ステップ103に移行する。このステップ103では、 測定された時間から、少なくとも基準値Ref1,Ref2,Ref3が求めら れる。この基準値は例えば次のように求めることができる。 Ref1=(Tv1+Thr)/((Tvr+Th1) Ref2=(Tv1+Tvr)/((Thr+Th1) Ref3=(Tv1+Th1)/((Tvr+Thr) その際、量Tは車輪の回転速度を示す信号であり、その添字は次の意味を有する 。v1=前方左側車輪、vrは前方右側車輪、h1は後方左側車輪、hrは後方 右側車輪を意味する。回転速度を示す信号として好ましくは、所定の車輪回転数 のために必要な持続時間が用いられる。 他の方法では、この基準値の1つ以上を組み合わせて使用することができる。 車輪の回転速度を示す信号は好ましくは、請求項2,3および明細書の冒頭部 分に記載したように、時間測定によって精度を改善して得られる。本願のこの構 成部分の繰り返しは差し控える。というのは、これらを参照することによって、 この方法が充分に明らかになるからである。 その際、その都度、ろ波されない値が決められ、この値の1つは低域フィルタ のろ波を受ける値である。この低域フィルタは好ましくは第1のオーダーの低域 フィルタである。 このステップ103では更に、今決定されろ波された基準値が、ろ波された基 準値の今まで決定された最大値よりも大きいかどうかが検査される。大きいと、 今決定されろ波された基準値がろ波された基準値の最大値として記憶される。 このステップ103では同様に、今決定されろ波された基準値がろ波された基 準値の今まで決定された最小値よりも小さいかどうかが検査される。小さいと、 今決定されろ波された基準値がろ波された基準値の最小値として記憶される。 このステップ103では、ろ波されていない基準値から、ろ波されていない基 準値の平均値と、それに関連する品質度(クオリティ・ゲージ)が連続して決定 される。 そして、ステップ104への移行が行われる。このステップでは、所定の数の 基準値が既に決まったかどうかが検査される。 決まっていない場合には、方法の他のサイクルにおいて所定の数に一致する数 の基準値が決まるまで、方法は差し当たり終了する。 ステップ104において、所定の数の基準値が決まったことが確認されると、 ステップ105への移行が行われる。 このステップ105では、ステップ103で決まった、ろ波された基準値の最 大値と最小値の差が、第1の閾値よりも小さいかどうかが検査される。更に、ろ 波された基準値の品質度が第2の閾値よりも小さいかどうかが検査される。 小さくないと、対応する値が消される(平均値、品質度、最大値および最小値 )。偏差が大きすぎると、これは不所望な走行条件(加速度、カーブ走行)によ るものであるかもしれない。そして更に、比較値を決定するための条件を満たす 基準値を決める試みがなされる。 ステップ105での検査が効果的であるときには、ステップ106への移行が 行われる。このステップでは、基準値の平均を求めることと、オフセットの加算 または減算とによって、比較値が決められる。 図2は、比較値を決めるための方法のフローチャートである。その際、この方 法の第1のステップは図1のステップと同一である。 ステップ201では先ず最初に、個々の車輪の車輪回転速度信号が集積される 。 ステップ202では、基準値を求めるために不適当であると思われる走行条件 が存在するかどうかを検査することができる。このような走行条件は例えば、車 両の縦方向加速度、車両の横方向加速度およびまたは車両の少なくとも1個の車 輪加速度が、所定の閾値を上回ることである。 このような走行条件は、ブレーキ介入が行われていることでもよい。これは例 えば、アンチロックコントロールシステムの応答、ブレーキを介入するトラクシ ョンコントロールシステムの応答およびまたは制動灯スイッチの評価によって認 識可能である。これは同様に、例えばセンサエラーのようなシステム故障の認識 時にも行うことができる。 このような走行条件が存在することが認識されると、方法の現在のサイクルが 終了する。 そうでない場合には、ステップ203に移行する。このステップ203では、 測定された車輪回転速度から、少なくとも基準値Ref1,Ref2,Ref3 が求められる。この基準値は例えば次のように求めることができる。 Ref1=(Tv1+Thr)/((Tvr+Th1) Ref2=(Tv1+Tvr)/((Thr+Th1) Ref3=(Tv1+Th1)/((Tvr+Thr) その際、量Tは車輪の回転速度を示す信号であり、そのの添字は次の意味を有す る。v1=前方左側車輪、vrは前方右側車輪、h1は後方左側車輪、hrは後 方右側車輪を意味する。 他の方法では、この基準値の1つ以上を組み合わせて使用することができる。 車輪の回転速度を示す信号は好ましくは、請求項2,3および明細書の冒頭部 分に記載したように、精度を改善して得られる。 その際、その都度、ろ波されない値が決められ、この値の1つは低域フィルタ のろ波を受ける値である。この低域フィルタは好ましくは第1のオーダーの低域 フィルタである。 このステップ203では更に、今決定されろ波された基準値が、ろ波された基 準値の今まで決定された最大値よりも大きいかどうかが検査される。大きいと、 今決定されろ波された基準値がろ波された基準値の最大値として記憶される。 このステップ203では同様に、今決定されろ波された基準値がろ波された基 準値の今まで決定された最小値よりも小さいかどうかが検査される。小さいと、 今決定されろ波された基準値がろ波された基準値の最小値として記憶される。 このステップ203では、ろ波されていない基準値から、ろ波されていない基 準値の平均値と、それに関連する品質度が連続して決定される。 そして、ステップ204への移行が行われる。このステップでは、所定の数の たの基準値が既に決まったかどうか、すなわち基準値の完全なサンプルが集積さ れたかどうかが検査される。 決まっていない場合には、方法の今のサイクルが終了する。 決まっている場合には、ステップ205への移行が行われる。このステップ2 05では、今集積されたサンプルのろ波された基準値の最大値が、最後に記憶さ れたサンプルのろ波された基準値の最大値に対して、所定の量よりも多くない量 だけずれているかどうか検査される。このステップ205では更に、今集積され たサンプルのろ波された基準値の最小値が、最後に記憶されたサンプルのろ波さ れた基準値の最小値に対して、所定の量よりも多くない量だけずれているかどう か検査される。 そうである場合には、ステップ206に移行する。このステップ206では、 今のサンプルのろ波されていない基準値の最小値が、最後に記憶されたサンプル のろ波されていない基準値の最小値に対して、所定の量よりも多くない量だけず れているかどうか検査される。このステップ206では更に、今のサンプルのろ 波されていない基準値の最小値が、品質度の複数倍を加算しておよび減算して、 上側の限界値と下側の限界値によって与えられる限界内にあるかどうかが検査さ れる。その際、この複数倍は例えば4倍である。 この検査が効果的に終了すると、ステップ207において、今のサンプルのろ 波された基準値の最大値に、オフセット値を加算することにより、上側の限界値 が設定される。下側の限界値は、今のサンプルのろ波された基準値の最小値から 、オフセット値を減算することによって設定される。 そして、圧力低下のその後の検査の際に、基準値が比較値を示す下側の限界値 と上側の限界値の間にあるかとうかが検査される。 ステッ205,206において1つの検査から、今のサンプルの場合に値の偏 差が大きすぎることが判明すると、ステップ208に移行する。このステップで は、今のサンプルの対応する値(平均値、ろ波されていない基準値の品質度、今 のサンプルのろ波された基準値の最大値と最小値)が、その後で集積されるサン プルとの比較のために記憶される。 図2に示した方法は、図1の方法が成果があがらないところで使用されると有 利である。図2の方法によって、図1による方法に従って比較値の設定を防止す る基準値の偏差が、図2の方法に従って比較値の設定を行うことができる程度に 安定しているかどうかが検査される。 図3は対応する値のリセットの検査を示している。これは例えば、車輪を交換 するときまたは空気を補充するときに行われる。これは、適当なスイッチまたは センサによって監視可能である。同様に、手動で操作されるリセットスイッチ( リセットキー)を設けることができる。 ステップ301において、リセットを行うべきであることが検査によって判明 すると、ステップ302に移行する。このステップではリセットが行われる。そ の際、記憶されたすべての値(上側と下側の限界値、比較値、品質度、最大値お よび最小値)が0にセットされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グリーサー・マルティーン ドイツ連邦共和国、D―65760 エシュボ ルン、アン・デン・クラウトゲルテン、23

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.複数の車輪の車輪回転速度を示す信号から基準値が求められ、今決定された 基準値を少なくとも1つの比較値と比較することによって、今決定された基準 値が比較値を上回っているかまたは下回っているときに、圧力低下が推測され る、車両タイヤの圧力低下を検出するための方法において、車両タイヤの圧力 低下の検出が少なくとも1つの基準値(Ref1,Ref2,Ref3)を用 いて行われ、この基準値が、車輪回転速度を示す各々2つの信号(Ti)の合 計を割算することによって求められる(103,203)ことを特徴とする方 法。 2.車輪回転速度を示す信号(Ti)が予め設定された整数のまたは整数でない 車輪回転数のための時間であることを特徴とする請求項1記載の方法。 3.個々の車輪の時間測定が、共通のスタート信号の後で、当該の車輪の次の各 々の信号エッジによって個別的にスタートし、すべての車輪のために設定され た車輪回転数を経過した後、各々の車輪について個別的に終了することを特徴 とする請求項2記載の方法。 4.走査インターバルあたり、信号エッジの数と最後の信号エッジの時間だけが 得られるシステムにおいて、測定距離の端部に対応する信号エッジに関して内 挿が行われることを特徴とする請求項2または3記載の方法。 5.車輪回転数が車速に依存して設定されることを特徴とする請求項1〜4のい ずれか一つまたは複数に記載の方法。 6.基準値(Ref1,Ref2,Ref3)の散乱の品質度が所定の値を上回 らないときおよびまたは基準値の決定された最大値と最小値が基準値の平均値 から、所定の値よりも大きくない値だけずれているときに(104,105) 、基準値の平均値にオフセットを加算または基準値の平均値から減算すること により(106)、少なくとも1つの比較値を予め定めることが可能であるこ とを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つまたは複数に記載の方法。 7.測定値の第1のセットと測定値の第2のセットが求められ、測定値の両セッ トにおいて両セットの基準値の最大値、基準値の最小値および基準値の各々の 数学的平均値が、予め設定されたそれぞれの値よりも大きくない値だけ互いに ずれているときおよび散乱の品質度が所定の値を上回らないときに(205) 、比較値が基準値の最大値と最小値に依存して求められる(207)ことを特 徴とする請求項1〜6のいずれか一つまたは複数に記載の方法。 8.比較値が車軸に依存して定められることを特徴とする請求項1〜7のいずれ か一つまたは複数に記載の方法。 9.比較値が速度に依存して定められることを特徴とする請求項1〜6のいずれ か一つまたは複数に記載の方法。 10.走行中断時に検出された値が記憶され、走行を再スタートした後で再び読み 出されること特徴とする請求項1〜7のいずれか一つまたは複数に記載の方法 。 11.車輪交換時にリセットキーが操作される(301)ことを特徴とする請求項 1〜10のいずれか一つまたは複数に記載の方法。 12.手動操作可能なリセットキーが設けられている(301)ことを特徴とする 請求項1〜11のいずれか一つまたは複数に記載の方法。 13.縦方向加速度、横方向加速度およびまたは車輪加速度の所定の閾値を上回る ときに、基準値を求めることが中断される(102,202)ことを特徴とす る請求項1〜12のいずれか一つまたは複数に記載の方法。 14.ブレーキ介入時に、基準値を求めることが中断される(102,202)こ とを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つまたは複数に記載の方法。
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