JP2002374686A - 振動アクチュエータの制御装置 - Google Patents

振動アクチュエータの制御装置

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JP2002374686A
JP2002374686A JP2001179556A JP2001179556A JP2002374686A JP 2002374686 A JP2002374686 A JP 2002374686A JP 2001179556 A JP2001179556 A JP 2001179556A JP 2001179556 A JP2001179556 A JP 2001179556A JP 2002374686 A JP2002374686 A JP 2002374686A
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control device
motion
vibration actuator
speed
frequency
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JP2001179556A
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Inventor
Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような形態の振動アクチュエータであっ
ても、加速時と減速時とで、高精度な位置決めをするこ
とができる振動アクチュエータの制御装置を提供する。 【解決手段】 振動体と移動子(相対運動部材)との間
の相対運動による変位及び速度を検出する検出部の検出
結果から、目標速度と実速度との比較を行い(S6)、
周波数の掃引方向を決定し(S7)、周波数を下げる場
合(加速する場合)と周波数を上げる場合(減速する場
合)とで、操作量の算出の基とする周波数−速度線図を
変えて超音波モータを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波モータ等の
振動アクチュエータの駆動を制御する振動アクチュエー
タの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動アクチュエータの中で、広く使用さ
れている超音波モータは、例えば、特公平1−1735
4等に記載されているように、圧電体の伸縮を利用して
弾性体の駆動面に進行波を発生させ、この進行波によっ
て駆動面上には楕円運動が生じており、楕円運動の波頭
に加圧接触した移動子を駆動する。このような超音波モ
−タの速度を変える場合には、例えば特開昭62−20
3575号等に記載されているように、共振周波数より
も高周波側で周波数を上下させて速度を制御する方法が
一般的である。例えば、速度を大きくする場合には、現
在の駆動信号の周波数よりも低くし、速度を小さくする
場合には、駆動信号の周波数を高くする。また、このよ
うな超音波モ−タを使用して高精度な位置制御を行う場
合について、例えば特開平1−298069号に開示さ
れているように、移動子の位置情報と速度情報を得て、
これらの情報から駆動信号の周波数を適宜変更し所望の
位置に移動子を位置決めするといった方法がある。この
ような従来の位置制御の方法では、周波数に対する速度
の関係(周波数−速度線図)が常に一定の関係にあること
を前提としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、超音波
モータの汎用化が進み、低コスト化が進む中で、周波数
−速度線図が、超音波モータの状態によって変わってし
まう場合が生じるようになってきた。例えば、従来の超
音波モータは、金属面の駆動面を持つ振動体に接触する
移動子の摺動面には、エンジニアプラスチック等の高価
格な材料により形成された摺動材が接着等により設けら
れていたが、低コスト化のため、移動子には金属系の表
面処理が施され、摺動材の代替とすることが進められて
いる。この場合、振動体と移動子とは金属系同士といっ
た硬いもの同士の摺動となるが、このようにすると周波
数−速度線図が、速度を上昇させる場合(高周波側から
低周波側へ変化させる場合)と、速度を降下させる場合
(低周波側から高周波側へ変化させる場合)とで、ズレが
生じることが本願出願人の実験により得られている。
【0004】図5は、振動体の駆動面と移動子の摺動面
を、どちらも金属とした場合の、周波数−速度線図であ
る。周波数を高い側から掃引した場合の線図Aと、周波
数を低い方から掃引した場合の線図Bとを比較すると、
低速度領域において線図に差が生じており、周波数を高
い側から掃引した線図Aの速度の方が小さくなってい
る。
【0005】この原因は、低振幅域において、周波数と
振幅とにヒステリシスがあり、それが現れているものと
推測される。従来のプラスチック等によって形成された
摺動材を貼った移動子では、摺動材の弾性率が小さいた
め、進行波の波に摺動材が食い込むような状態となって
いて、進行波の波頭だけではなく波底にも接触するた
め、進行波の振幅がある程度大きくなり、摺動材の波底
の接触がなくならないと移動子が駆動しないものと考え
られる。一方、金属同士といった硬いもの同士の接触で
は、金属の弾性係数が大きいため、進行波の振幅が小さ
くても波頭のみの接触で駆動されるため、低振幅域で起
きたヒステリシス現象が現れてしまっていると考えられ
る。
【0006】図5に示すように周波数−速度線図が、速
度上昇側(加速時)と速度低下側(減速時)とで異なっ
てしまうと、目標速度と現速度との差を基にした速度制
御を行って位置決めを行おうとした場合に、速度制御の
精度を上げることができず、それにともない位置誤差が
大きくなってしまい、高精度な位置決めができないとい
う問題があった。
【0007】本発明の課題は、どのような形態の振動ア
クチュエータであっても、加速時と減速時とで、高精度
な位置決めをすることができる振動アクチュエータの制
御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1の発明は、駆動信号を発生する発振部
(20)と、前記駆動信号により励振される電気機械変
換素子(2)、及び、前記電気機械変換素子に接合さ
れ、前記励振により駆動面(1a)に振動波を発生する
弾性体(1)を有する振動体と、前記振動波によって前
記振動体に対して相対運動を行う相対運動部材(7)
と、を備えた振動アクチュエータの駆動を制御する制御
装置であって、前記相対運動が加速運動である場合と減
速運動である場合とで、異なる制御方法によって前記駆
動信号を制御する制御部(60)を備えること、を特徴
とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の振動
アクチュエータの制御装置において、前記異なる制御方
法は、加速時と減速時の駆動特性の違いに基づいている
こと、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置であ
る。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の振動アクチュエータの制御装置において、前記
制御部(60)は、前記相対運動部材の相対運動が低速
の場合に前記異なる制御方法によって前記駆動信号を制
御すること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装
置である。
【0011】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御
装置において、前記振動体(1,2)と前記相対運動部
材(7)との間の相対運動による変位及び/又は速度を
検出する検出部(50)を備え、前記制御部(60)
は、前記検出部の検出結果に基づいて前記相対運動が加
速運動であるか減速運動であるかを判断すること、を特
徴とする振動アクチュエータの制御装置である。
【0012】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御
装置において、前記制御部(60)は、前記駆動信号を
制御する制御パラメータの変更量の算出方法が、前記相
対運動が加速運動である場合と減速運動である場合とで
異なること、を特徴とする振動アクチュエータの制御装
置である。
【0013】請求項6の発明は、請求項2から請求項5
までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御
装置において、前記制御部(60)は、現時点の実相対
速度と、所定時間後の目標相対速度との差によって、前
記相対運動が加速運動であるか減速運動であるかを判断
する(S6,S7)こと、を特徴とする振動アクチュエ
ータの制御装置である。
【0014】請求項7の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御
装置において、前記制御部(60)は、前記駆動信号を
発生する前に予め演算した時間に到達しているか否かに
よって、前記相対運動が加速運動であるか減速運動であ
るかを判断する(S27)こと、を特徴とする振動アク
チュエータの制御装置である。
【0015】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御
装置において、前記弾性体(1)の駆動面(1a)と前
記相対運動部材(7)との接触は、弾性係数の大きな材
料同士の接触であること、を特徴とする振動アクチュエ
ータの制御装置である。
【0016】請求項9の発明は、請求項1から請求項8
までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータの制御
装置において、前記弾性体(1)の前記駆動面(1a)
と前記相対運動部材(7)の前記接触面(7a)との少
なくとも一方は、表面処理により硬度を増加しているこ
と、を特徴とする振動アクチュエータの制御装置であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照しながら、本
発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。 (第1実施形態)図1は、第1実施形態における超音波
モータ10を回転中心付近で切断して示した断面図であ
る。第1実施形態における超音波モータ10は、弾性体
1,圧電体2,不織布3,加圧板4,加圧部材5,下板
6,移動子7,振動吸収部材8,駆動伝達部材9等を備
えており、弾性体1及び圧電体2を有する振動子を固定
して、相対運動部材である移動子7を駆動するモータで
ある。
【0018】弾性体1は、圧電体に接合されている円環
形状の部材であり、共振先鋭度が大きな金属材料から成
り、本実施形態ではステンレス鋼SUS304とした
(Hv=300)。弾性体1の圧電体2が接合される面
と反対側の駆動面1aには、溝1bが多数切ってあり、
突起部分(溝1bがない箇所)の先端面が移動子7と接
触する駆動面1aとなり、加圧部材5によって移動子7
に加圧接触されている。溝1bを切る理由は、進行波の
中立面をできる限り圧電体2側に近づけ、これにより駆
動面1aの進行波の振幅を増幅させるためである。
【0019】圧電体2は、圧電素子や電歪素子等の電気
機械変換素子であって、円周方向に沿って2つの相(A
相、B相)に分かれており、各相においては、1/2波
長毎に分極が交互となった要素が並べられていて、A相
とB相との間には1/4波長分間隔が空くようになって
いる。圧電体2の下(図1において下)には、不織布
3,加圧板4,加圧部材5,下板6が配置されている。
弾性体1及び圧電体2によって、本実施形態における超
音波モータの振動子が形成されている。
【0020】不織布3は、圧電体2と加圧板4との間に
設けられており、振動体の振動を加圧板や加圧部に伝え
ないようにするシート状の部材であり、本実施形態で
は、フェルトを使用している。
【0021】加圧板4は、加圧部材5から受けた加圧力
を均等に伝えるための板部材であり、不織布3と加圧部
材5との間に設けられている。
【0022】加圧部材5は、加圧板4と下板6との間に
配置された皿ばねであり、加圧力を発生するものであ
る。本実施形態では、加圧部材5を皿ばねとしたが、皿
ばねでなくともコイルばねやウェーブばねでもよい。
【0023】移動子7は、アルミニウム等の軽金属によ
り形成さた相対運動部材であり、摺動面7aの表面に
は、耐摩耗性向上のため、アルマイトの表面処理が成さ
れている(Hv=350)。移動子7の摺動面7aと反
対側の面上には、移動子7の縦方向の振動を吸収するた
めに、ゴム等の振動吸収部材8が配置され、この振動吸
収部材8を挟んで駆動伝達部材9が配置されている。
【0024】駆動伝達部材9は、移動子7と回転方向に
係合するようにされており(不図示)、移動子7の回転
運動を受けて回転するようになっている。
【0025】図2は、第1実施形態における超音波モ−
タ10の制御装置を説明するブロック図である。本実施
形態における超音波モータの制御装置は、発振部20,
移相部30,増幅部40A,40B,検出部50,制御
部60等を備えている。
【0026】発振部20は、制御部60の指令により所
望の周波数の駆動信号を発生し、この駆動信号を位相部
30へ送る部分である。
【0027】移相部30は、発振器20が発生した駆動
信号を90゜位相の異なる2つの駆動信号に分け、これ
ら2つの駆動信号を増幅部40A,40Bに送る部分で
ある。
【0028】増幅部40A,40Bは、移相部30によ
って分けられた2つの駆動信号をそれぞれ所望の電圧に
増幅(昇圧)する部分である。増幅部40A,40Bに
よって増幅された駆動信号は、超音波モ−タ10に伝達
され、この駆動信号の印加により振動体(弾性体1,圧
電体2)に進行波が発生し、移動子が駆動される。
【0029】検出部50は、光学式リニアエンコーダ等
により構成され、移動子7の駆動によって駆動された被
駆動体(不図示)の位置や速度を検出する部分である。
【0030】制御部60は、検出部50からの検出信号
を受け、その値を基に、位置情報と速度情報を得て、目
標位置に位置決めされるように発振部20が発生する駆
動信号の周波数を制御する部分である。
【0031】次に、本実施形態における超音波モータの
制御装置の動作について説明する。尚、本実施形態にお
ける超音波モータは、振動体が9波の進行波を発生する
ので、この場合について説明するが、進行波の形態は、
これに限るものではない。まず、制御部60に目標位置
が外部から伝達されると、これに応じて発振部20は、
駆動信号を発生する。この駆動信号は、位相部30によ
り90゜位相の異なる2つの駆動信号に分割され、増幅
部40A,40Bにより所望の電圧に増幅される。増幅
された駆動信号は、超音波モ−タ10の圧電体2に印加
される。これにより圧電体2が励振されて、弾性体1に
9次の曲げ振動が発生する。
【0032】圧電体2は、A相とB相とに分けられてお
り、駆動信号は、それぞれA相とB相に印加される。A
相から発生する9次曲げ振動とB相から発生する9次曲
げ振動とは位置的な位相が1/4波長ずれるようになっ
ており、また、A相駆動信号とB相駆動信号とは、90
゜位相がずれているため、2つの曲げ振動が合成され
て、9波の進行波となる。
【0033】進行波の波頭には、楕円運動が生じてい
る。従って、駆動面1aに加圧接触された移動子7は、
この楕円運動によって摩擦的に駆動される。移動子7の
駆動により駆動された被駆動体(不図示)には、光学式
エンコ−ダである検出部50が配置されていて、そこか
ら、電気パルスが発生し、制御部60に伝達される。制
御部60は、この信号を基に、現在の位置と現在の速度
を得ることが可能となり、これらの位置情報、速度情報
及び目標位置情報を基に、発振部20の駆動周波数が制
御される。
【0034】次に本実施形態における制御部60が行う
制御の流れについて説明する。図3は、制御部60が行
う制御動作を示すフローチャートである。ステップ(以
下、Sとする)1では、まず、外部の上位機器から制御
部60に目標位置が伝達される。
【0035】S2では、被駆動体の位置情報を検出部5
0より得て、現位置と目標位置との差を算出し、この差
が位置決めの許容範囲内ならS11に進み終了し、位置
決めの許容範囲外ならば、S3に進む。
【0036】S3では、現位置と目標位置との差より、
どのような時間−速度の関係(目標速度線図)を描けば
目標位置に到達するかを算出する。図4は、目標速度線
図の一例を示す図である。t1時点まで移動子7を加速
し、t1時点からt2時点間では等速とし、t2時点か
らt3時点まで減速して、t3時点に速度0となる。移
動子7が速度0となり、止まった位置が目標位置となる
ように速度線図は算出される。
【0037】S4では、目標速度線図が得られたところ
で、移動子7の駆動を開始する。S5では、現時間をカ
ウントし、速度制御終了時間(t3)に達しているか否
かを判断する。t3に達していなければ、S6に進み、
t3に達しているときには、S11に進み終了する。
【0038】S6では、被駆動体の速度情報を検出部5
0より得て、t時点における目標速度と実速度とを比較
する。
【0039】S7では、S6において比較した結果を基
に、周波数の掃引方向を決定する。例えば現在の速度が
目標速度より遅い場合には、周波数を下げる方向に決定
されて、S8に進み、現在の速度が目標速度より速い場
合には、周波数を上げる方向に決定されて、S9に進
む。
【0040】S8及びS9では、速度差情報から操作量
(周波数の変更量、すなわち、制御パラメータの変更
量)を決めるが、本実施形態では、実験結果を基に、2
つの周波数−速度線図を基に操作量を決めるようにし
た。つまり、操作量の算出方法をS8とS9とで変更し
ている。図5は、先にも示したが、振動体の駆動面と移
動子の摺動面を、どちらも金属とした本実施形態におけ
る超音波モータ10の、周波数−速度線図である。図5
に示した周波数−速度線図は、実験結果によって得られ
た図であり、実際の超音波モータ10の挙動を表してい
るので、この周波数−速度線図に従って操作量を決定す
る。
【0041】図5に示すように、超音波モータ10は、
周波数を高い方から掃引した場合の周波数と速度の関係
は、線図Aの関係であるが、周波数を低い方から掃引し
た場合には、線図Bの関係であった。中高速域において
は、線図AとBとの差はないが、低速域において、同周
波数における速度の差が生じていることがわかる。従っ
て、周波数−速度の関係のみを基に、現速度を検出し周
波数を制御する従来の方法では、低速域において同周波
数における速度の差があると適正な位置に被駆動体を止
めることができず、最終的な位置誤差が大きくなった
り、何回も駆動と停止とが繰り返されることにより、位
置決め完了までに時間がかかったすることとなる。
【0042】このように、低速域における加速時と減速
時とで差があるので、本実施形態では、実際の挙動に合
うように、周波数を下げる場合には、線図Aの関係を基
に操作量を決めるようにし(S8)、周波数を上げる場
合には、線図Bの関係を基に操作量を決めるようにした
(S9)。上述のように、線図Aと線図Bとにおいて線
図の差が生じている部分は、周波数に対する速度の傾き
が違うので、操作量を算出する方法をS8とS9とで変
えている。S8の場合(線図Aを選択した場合)には、
周波数に対する速度の傾きが大きいため、伝達関数のゲ
インを大きくするようにしている。S9の場合(線図B
を選択した場合)には、周波数に対する速度の傾きが線
図Aよりは小さいため、伝達関数のゲインを線図Aを選
択した場合より小さくするようにした。
【0043】S10では、決められた操作量を発振部2
0へ出力し、発振部20の駆動周波数が変更される。
【0044】本実施形態によれば、周波数の掃引方向に
より、操作量(周波数の変更量)を決めるための周波数
−速度線図を変えたため、速度制御の精度を向上させる
ことができる。従って、最終的な位置誤差を小さくする
ことができ、高精度な位置決めを行うことができる。
【0045】(第2実施形態)第2実施形態では、操作
量を決めるための線図A又はBの選択を、時間により判
断している。尚、超音波モ−タ10や駆動回路の構成
は、第1実施形態と同一のため、重複する説明は省略す
る。図6は、第2実施形態における制御部60が行う制
御動作を示すフローチャートである。
【0046】S21では、まず、外部の上位機器から制
御部60に目標位置が伝達される。
【0047】S22では、被駆動体の位置情報を検出部
50より得て、現位置と目標位置との差を算出し、この
差が位置決めの許容範囲内ならS31に進み終了し、位
置決めの許容範囲外ならば、S23に進む。
【0048】S23では、現位置と目標位置との差よ
り、どのような時間−速度の関係(目標速度線図)を描
けば目標位置に到達するかを算出する。ここで、本実施
形態でも、第1実施形態と同様な図4に示した目標速度
線図を例にして説明する。
【0049】S24では、目標速度線図が得られたとこ
ろで、移動子7の駆動を開始する。
【0050】S25では、現時間をカウントし、速度制
御終了時間(t3)に達しているか否かを判断する。t
3に達していなければ、S26に進み、t3に達してい
るときには、S31に進み終了する。
【0051】S26では、被駆動体の速度情報を検出部
50より得て、t時点における目標速度と実速度とを比
較する。
【0052】S27では、現時間がt2に達しているか
否かを判断し、t2に達していなければ、S28に進
み、t3に達しているときには、S29に進む。
【0053】S28では、速度差情報から操作量(周波
数の変更量)を決めるが、時間がt2より小さいので、
加速過程又は等速過程であると判断でき、図5の線図A
の関係を基に操作量を決めるようにする。
【0054】S29では、時間がt2より大きいので、
減速過程であると判断でき、図5の線図Bの関係を基に
操作量を決めるようにする。
【0055】S10では、決められた操作量を発振部2
0へ出力し、発振部20の駆動周波数が変更される。
【0056】本発明の実施形態によれば、加速過程と減
速過程の操作量(周波数の変更量)の算出方法を変えた
ため、速度制御の精度を向上させることができた。その
ために、最終的な位置誤差を小さくすることができ、高
精度な位置決めを行うことができる。
【0057】(変形形態)以上説明した実施形態に限定
されることなく、種々の変形や変更が可能であって、そ
れらも本発明の均等の範囲内である。 (1)各実施形態において、超音波モ−タ10の弾性体
1の材料をSUS304(Hv=300)、移動子7の
材料をアルミニウムにアルマイトの表面処理(Hv=3
50)とし、この面同士を接触して駆動させるようにし
たが、図5に示した低速域の周波数掃引方向による速度
差は、移動子をステンレス鋼にニッケル系メッキの表面
処理(Hv=500)とした場合にも確認されており、
後者の組み合わせでも本発明の制御方法により同様な効
果が得られる。
【0058】(2)各実施形態において、弾性体1に9
波の進行波が発生する進行波型超音波モ−タを実施形態
として説明したが、他の波数の進行型超音波モ−タでも
構わない。また、進行波型超音波モ−タ以外でも、超音
波振動を用いたモ−タ/アクチュエ−タなら、同様な構
成・動作で同様な効果が得られる。例えば、縦1次モ−
ド振動と曲げ4次モ−ド振動を利用したモ−ド縮退型振
動子、縦1次モ−ド振動とねじり2次振動を利用したモ
−ド縮退型振動子であってもよく、または他の振動波モ
−タ/アクチュエ−タであってもよい。
【0059】(3)各実施形態において、速度の絶対値
を参照せずに、加速しているか、減速しているかのみ
で、操作量を算出する方法を変えた例を示したが、これ
に限らず、線図Aと線図Bとにおいて線図の差が生じて
いる部分のみ、周波数に対する速度の傾きが違うので、
例えば、この速度域にあるか否かの判断を加えて、この
速度域にある場合にのみ操作量を算出する方法を変えて
もよい
【0060】(4)各実施形態において、移動子7は、
弾性体1に直接接触している例を示したが、これに限ら
ず、例えば、移動子と弾性体との間に、摺動材が設けら
れていてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、相対運動が加速運動である場合と減速運
動である場合とで、異なる制御方法によって駆動信号を
制御する制御部を備えるので、正確な位置決めを行うこ
とができる。
【0062】請求項2の発明によれば、異なる制御方法
は、加速時と減速時の駆動特性の違いに基づいているの
で、加速時及び減速時それぞれの駆動特性に最適な制御
を行うことができる。
【0063】請求項3の発明によれば、制御部は、相対
運動部材の相対運動が低速の場合に異なる制御方法によ
って駆動信号を制御するので、加速時と減速時との差が
生じやすい低速時の制御を正確に行うことができる。
【0064】請求項4の発明によれば、制御部は、検出
部の検出結果に基づいて相対運動が加速運動であるか減
速運動であるかを判断するので、より正確な判断を行う
ことができる。
【0065】請求項5の発明によれば、制御部は、駆動
信号を制御する制御パラメータの変更量の算出方法が、
相対運動が加速運動である場合と減速運動である場合と
で異なるので、複雑な演算を行わなくとも、正確な位置
決めを行うことができる。
【0066】請求項6の発明によれば、制御部は、現時
点の実相対速度と、所定時間後の目標相対速度との差に
よって、相対運動が加速運動であるか減速運動であるか
を判断するので、正確に判断を行うことができる。
【0067】請求項7の発明によれば、制御部は、駆動
信号を発生する前に予め演算した時間に到達しているか
否かによって、相対運動が加速運動であるか減速運動で
あるかを判断するので、簡単に判断を行うことができ
る。
【0068】請求項8の発明によれば、弾性体の駆動面
と相対運動部材との接触は、弾性係数の大きな材料同士
の接触であるので、安価な振動アクチュエータであって
も、正確な位置決めを行うことができる。
【0069】請求項9の発明によれば、弾性体の駆動面
と相対運動部材の接触面との少なくとも一方は、表面処
理により硬度を増加しているので、簡単な構造で安価な
振動アクチュエータであっても、正確な位置決めを行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における超音波モータ10を回転
中心付近で切断して示した断面図である。
【図2】第1実施形態における超音波モ−タ10の制御
装置を説明するブロック図である。
【図3】制御部60が行う制御動作を示すフローチャー
トである。
【図4】目標速度線図の一例を示す図である。
【図5】振動体の駆動面と移動子の摺動面を、どちらも
金属とした本実施形態における超音波モータ10の、周
波数−速度線図である。
【図6】第2実施形態における制御部60が行う制御動
作を示すフローチャートである。
【符号の説明】 1 弾性体 2 圧電体 3 不織布 4 加圧板 5 加圧部材 6 下板 7 移動子 8 振動吸収部材 9 駆動伝達部材 10 超音波モータ 20 発振部 30 移相部 40A,40B 増幅部 50 検出部 60 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA05 BB03 BB16 CC02 CC07 DD01 DD03 DD15 DD23 DD53 DD57 DD66 DD73 DD75 DD87 DD92 DD99 EE21 EE22 EE23 FF17 FF24 FF25 FF30 FF33 GG11 GG25 GG27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号を発生する発振部と、 前記駆動信号により励振される電気機械変換素子、及
    び、前記電気機械変換素子に接合され、前記励振により
    駆動面に振動波を発生する弾性体を有する振動体と、 前記振動波によって前記振動体に対して相対運動を行う
    相対運動部材と、 を備えた振動アクチュエータの駆動を制御する制御装置
    であって、 前記相対運動が加速運動である場合と減速運動である場
    合とで、異なる制御方法によって前記駆動信号を制御す
    る制御部を備えること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の振動アクチュエータの
    制御装置において、前記異なる制御方法は、加速時と減
    速時の駆動特性の違いに基づいていること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の振動アク
    チュエータの制御装置において、 前記制御部は、前記相対運動部材の相対運動が低速の場
    合に前記異なる制御方法によって前記駆動信号を制御す
    ること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、 前記振動体と前記相対運動部材との間の相対運動による
    変位及び/又は速度を検出する検出部を備え、 前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記相
    対運動が加速運動であるか減速運動であるかを判断する
    こと、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、 前記制御部は、前記駆動信号を制御する制御パラメータ
    の変更量の算出方法が、前記相対運動が加速運動である
    場合と減速運動である場合とで異なること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2から請求項5までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、 前記制御部は、現時点の実相対速度と、所定時間後の目
    標相対速度との差によって、前記相対運動が加速運動で
    あるか減速運動であるかを判断すること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、 前記制御部は、前記駆動信号を発生する前に予め演算し
    た時間に到達しているか否かによって、前記相対運動が
    加速運動であるか減速運動であるかを判断すること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、 前記弾性体の駆動面と前記相対運動部材との接触は、弾
    性係数の大きな材料同士の接触であること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータの制御装置において、 前記弾性体の前記駆動面と前記相対運動部材の前記接触
    面との少なくとも一方は、表面処理により硬度を増加し
    ていること、 を特徴とする振動アクチュエータの制御装置。
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