JP2002373339A - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

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JP2002373339A
JP2002373339A JP2001181399A JP2001181399A JP2002373339A JP 2002373339 A JP2002373339 A JP 2002373339A JP 2001181399 A JP2001181399 A JP 2001181399A JP 2001181399 A JP2001181399 A JP 2001181399A JP 2002373339 A JP2002373339 A JP 2002373339A
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Tetsujiro Kondo
哲二郎 近藤
Junichi Ishibashi
淳一 石橋
Takashi Sawao
貴志 沢尾
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Takahiro Nagano
隆浩 永野
Seiji Wada
成司 和田
Toru Miyake
徹 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景の画像と移動する物体の画像との混ざり
合い対応して画像を処理する。 【解決手段】 領域特定部103は、入力された画像の
画素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領
域のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、
または混合領域のいずれかに属するかを示す領域情報を
生成し、生成した領域情報を領域処理部3001に供給
する。領域処理部3001は、領域特定部103から供
給された領域情報を基に、前景領域、背景領域、または
混合領域毎に、入力画像を分割し、分割された入力画像
毎に画像処理を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、セ
ンサにより検出した信号と現実世界との違いを考慮した
画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
に関する。
【0002】
【従来の技術】入力画像を基に、より高解像度の画像を
生成する処理の1つとして、クラス分類適応処理があ
る。クラス分類適応処理の例として、空間方向に、より
高解像度の画像を生成する処理で使用される係数を予め
生成し、生成した係数を基に、空間方向に、より高解像
度の画像を生成する処理があげられる。
【0003】図1は、SD(Standard Definition(標準
精細度))画像からHD(High Definition(高精細
度))画像を生成するクラス分類適応処理において使用
される係数を生成する、従来の画像処理装置の構成を示
すブロック図である。
【0004】フレームメモリ11は、HD画像である入力
画像を、フレーム単位で記憶する。フレームメモリ11
は、記憶しているHD画像を加重平均部12および対応画
素取得部16に供給する。
【0005】加重平均部12は、フレームメモリ11に
記憶されているHD画像を4分の1加重平均して、SD画像
を生成し、生成したSD画像をフレームメモリ13に供給
する。
【0006】フレームメモリ13は、加重平均部12か
ら供給されたSD画像をフレーム単位で記憶し、記憶して
いるSD画像をクラス分類部14および予測タップ取得部
15に供給する。
【0007】クラス分類部14は、クラスタップ取得部
21および波形分類部22で構成され、フレームメモリ
13に記憶されているSD画像の、注目している画素であ
る注目画素をクラス分類する。クラスタップ取得部21
は、フレームメモリ13から、注目画素に対応するSD画
像の画素である、所定の数のクラスタップを取得し、取
得したクラスタップを波形分類部22に供給する。
【0008】図2は、クラスタップ取得部21が取得す
るクラスタップを説明する図である。クラスタップ取得
部21は、図2に示すように、所定の位置の11個のク
ラスタップを取得する。
【0009】波形分類部22は、クラスタップを基に、
注目画素を複数のクラスのうちの1つのクラスに分類
し、分類されたクラスに対応するクラス番号を予測タッ
プ取得部15に供給する。波形分類部22は、11個の
クラスタップを基に、注目画素を、2048のクラスの
うちの1つのクラスに分類する。
【0010】予測タップ取得部15は、クラス番号を基
に、フレームメモリ13から分類されたクラスに対応す
る、SD画像の画素である、所定の数の予測タップを取得
し、取得した予測タップおよびクラス番号を対応画素取
得部16に供給する。
【0011】図3は、予測タップ取得部15が取得する
予測タップを説明する図である。予測タップ取得部15
は、図3に示すように、所定の位置の9個の予測タップ
を取得する。
【0012】対応画素取得部16は、予測タップおよび
クラス番号を基に、フレームメモリ11から、予測すべ
き画素値に対応するHD画像の画素を取得し、予測タッ
プ、クラス番号、および取得した予測すべき画素値に対
応するHD画像の画素を正規方程式生成部17に供給す
る。
【0013】正規方程式生成部17は、予測タップ、ク
ラス番号、および取得した予測すべき画素値を基に、各
クラスに対応し、予測タップおよび予測すべき画素値の
関係に対応する正規方程式を生成し、各クラスに対応す
る、生成した正規方程式を係数計算部18に供給する。
【0014】係数計算部18は、正規方程式生成部17
から供給された正規方程式を解いて、各クラスに対応す
る係数セットを計算し、クラス番号と共に、計算した係
数セットを係数セットメモリ19に供給する。
【0015】係数セットメモリ19は、クラス番号を基
に、算出された係数セットをクラスに対応させて記憶す
る。
【0016】図4は、クラス分類適応処理の概略を説明
する図である。クラス分類適応処理において、HD画像で
ある教師画像から、4分の1加重平均の処理により、対
応するSD画像を生成する。生成されたSD画像は、生徒画
像と称する。
【0017】次に、HD画像である教師画像、および対応
するSD画像である生徒画像を基に、SD画像からHD画像を
生成するための係数セットが生成される。係数セット
は、線形予測などにより、SD画像からHD画像を生成する
ための係数で構成される。
【0018】このように生成された係数セットおよびSD
画像から、線形予測などにより、4倍密画像が生成され
る。係数セットおよび入力画像から、より高密度な画像
などを生成する処理をマッピングとも称する。
【0019】生成された4倍密画像、および対応するHD
画像を基に、SNRの比較、または目視による定性評価が
行われる。
【0020】特定の教師画像、および対応する生徒画像
から生成された係数セットは、特定の教師画像、および
対応する生徒画像のセルフの係数セットと称する。セル
フの係数セットを使用したマッピングは、セルフマッピ
ングと称する。複数の他の教師画像、および対応する生
徒画像から生成された係数セットは、クロスの係数セッ
トと称する。
【0021】一方、静止している所定の背景の前で移動
する前景である物体をビデオカメラで撮像して得られる
画像には、物体の移動速度が比較的速い場合、動きボケ
が生じ、背景と前景の混ざり合いが生ずる。
【0022】従来のクラス分類適応処理においては、図
5に示すように、前景、背景、並びに前景および背景の
混ざり合いが生じている部分の全てに対して、以上のよ
うな学習の処理により、1つの係数セットが生成され、
この係数セットを基に、マッピングの処理が実行され
る。
【0023】図6のフローチャートを参照して、SD画像
からHD画像を生成する処理において使用される係数を生
成する、従来の学習の処理を説明する。ステップS11
において、画像処理装置は、生徒画像に未処理の画素が
あるか否かを判定し、生徒画像に未処理の画素があると
判定された場合、ステップS12に進み、ラスタースキ
ャン順に、生徒画像から注目画素を取得する。
【0024】ステップS13において、クラス分類部1
4のクラスタップ取得部21は、フレームメモリ13に
記憶されている生徒画像から、注目画素に対応するクラ
スタップを取得する。ステップS14において、クラス
分類部14の波形分類部22は、クラスタップを基に、
注目画素をクラス分類する。ステップS15において、
予測タップ取得部15は、分類されたクラスを基に、フ
レームメモリ13に記憶されている生徒画像から、注目
画素に対応する予測タップを取得する。
【0025】ステップS16において、対応画素取得部
16は、分類されたクラスを基に、フレームメモリ11
に記憶されている教師画像から、予測すべき画素値に対
応する画素を取得する。
【0026】ステップS17において、正規方程式生成
部17は、分類されたクラスを基に、クラス毎の行列
に、予測タップおよび予測すべき画素値に対応する画素
の画素値を足し込み、ステップS11に戻り、画像処理
装置は、未処理の画素があるか否かの判定を繰り返す。
予測タップおよび予測すべき画素値に対応する画素の画
素値を足し込まれるクラス毎の行列は、クラス毎の係数
を計算するための正規方程式に対応する。
【0027】ステップS11において、生徒画像に未処
理の画素がないと判定された場合、ステップS18に進
み、正規方程式生成部17は、予測タップおよび予測す
べき画素値に対応する画素の画素値が設定された、クラ
ス毎の行列を係数計算部18に供給する。係数計算部1
8は、予測タップおよび予測すべき画素値に対応する画
素の画素値が設定された、クラス毎の行列を解いて、ク
ラス毎の係数セットを計算する。
【0028】ステップS19において、係数計算部18
は、計算されたクラス毎の係数を係数セットメモリ19
に出力する。係数セットメモリ19は、クラス毎に係数
セットを記憶し、処理は終了する。
【0029】図7は、クラス分類適応処理により、SD画
像からHD画像を生成する従来の画像処理装置の構成を示
すブロック図である。
【0030】フレームメモリ31は、SD画像である入力
画像を、フレーム単位で記憶する。フレームメモリ31
は、記憶しているSD画像をマッピング部32に供給す
る。
【0031】マッピング部32に入力されたSD画像は、
クラス分類部41および予測タップ取得部42に供給さ
れる。
【0032】クラス分類部41は、クラスタップ取得部
51および波形分類部52で構成され、フレームメモリ
31に記憶されているSD画像の、注目している画素であ
る、注目画素をクラス分類する。クラスタップ取得部5
1は、フレームメモリ31から注目画素に対応する、所
定の数のクラスタップを取得し、取得したクラスタップ
を波形分類部52に供給する。
【0033】波形分類部52は、クラスタップを基に、
所定の数のクラスのうちの、1つのクラスに注目画素を
分類し、分類されたクラスに対応するクラス番号を予測
タップ取得部42に供給する。
【0034】予測タップ取得部42は、クラス番号を基
に、フレームメモリ31に記憶されている入力画像か
ら、分類されたクラスに対応する、所定の数の予測タッ
プを取得し、取得した予測タップおよびクラス番号を予
測演算部43に供給する。
【0035】予測演算部43は、クラス番号を基に、係
数セットメモリ33に記憶されている係数セットから、
クラスに対応する係数セットを取得する。予測演算部4
3は、クラスに対応する係数セット、および予測タップ
を基に、線形予測により予測画像の画素値を予測する。
予測演算部43は、予測した画素値をフレームメモリ3
4に供給する。
【0036】フレームメモリ34は、予測演算部43か
ら供給された予測された画素値を記憶し、予測された画
素値が設定されたHD画像を出力する。
【0037】図8は、入力画像の画素値、およびクラス
分類適応処理により生成された出力画像の画素値を示す
図である。図8に示すように、クラス分類適応処理によ
り生成される画像は、SD画像の帯域制限で失われた波形
を含む。その意味で、クラス分類適応処理による、より
高解像度の画像の生成の処理は、解像度を創造している
と言える。
【0038】図9のフローチャートを参照して、クラス
分類適応処理を実行する画像処理装置による、SD画像か
らHD画像を生成する、従来の画像の創造の処理を説明す
る。
【0039】ステップS31において、画像処理装置
は、入力画像に未処理の画素があるか否かを判定し、入
力画像に未処理の画素があると判定された場合、ステッ
プS32に進み、マッピング部32は、係数セットメモ
リ33に記憶されている係数セットを取得する。ステッ
プS33において、画像処理装置は、ラスタースキャン
順に、入力画像から注目画素を取得する。
【0040】ステップS34において、クラス分類部4
1のクラスタップ取得部51は、フレームメモリ31に
記憶されている入力画像から、注目画素に対応するクラ
スタップを取得する。ステップS35において、クラス
分類部41の波形分類部52は、クラスタップを基に、
注目画素を1つのクラスにクラス分類する。
【0041】ステップS36において、予測タップ取得
部42は、分類されたクラスを基に、フレームメモリ3
1に記憶されている入力画像から、注目画素に対応する
予測タップを取得する。
【0042】ステップS37において、予測演算部43
は、分類されたクラスに対応する係数セット、および予
測タップを基に、線形予測により、予測画像の画素値を
予測する。
【0043】ステップS38において、予測演算部43
は、予測された画素値をフレームメモリ34に出力す
る。フレームメモリ34は、予測演算部43から供給さ
れた画素値を記憶する。手続きは、ステップS31に戻
り、未処理の画素があるか否かの判定を繰り返す。
【0044】ステップS31において、入力画像に未処
理の画素がないと判定された場合、ステップS39に進
み、フレームメモリ34は、予測値が設定された、記憶
している予測画像を出力して、処理は終了する。
【0045】また、入力画像をより解像度感を強調した
画像に変換するため、エッジ強調の処理が利用される。
エッジ強調の処理においても、以上で説明したクラス分
類適応処理と同様に、同一の処理が画面全体に対して実
行される。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】静止している背景の前
で物体が移動するとき、移動する物体の画像自身の混ざ
り合いによる動きボケのみならず、背景の画像と移動す
る物体の画像との混ざり合いが生じる。従来、背景の画
像と移動する物体の画像との混ざり合いに対応して画像
を処理することは、考えられていなかった。
【0047】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、背景の画像と移動する物体の画像との混ざ
り合いに対応して画像を処理することができるようにす
ることを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、入力画像データに基づいて、前景オブジェクトを構
成する前景オブジェクト成分、および背景オブジェクト
を構成する背景オブジェクト成分が混合されてなる混合
領域、並びに前景オブジェクト成分からなる前景領域、
および背景オブジェクトを構成する背景オブジェクト成
分からなる背景領域の一方により構成される非混合領域
のうちの、少なくとも一方を特定し、特定結果に対応す
る領域特定情報を出力する領域特定手段と、混合領域お
よび非混合領域のうちの、少なくとも一方の領域の画素
データを処理する処理手段とを含むことを特徴とする。
【0049】処理手段は、領域特定手段により特定され
る1つの領域を、他の領域の処理の方式と異なる方式で
処理するようにすることができる。
【0050】領域特定手段は、前景領域および背景領域
をさらに特定し、特定結果に対応する領域特定情報を出
力するようにすることができる。
【0051】領域特定手段は、カバードバックグラウン
ド領域およびアンカバードバックグラウンド領域をさら
に特定し、特定結果に対応する領域特定情報を出力する
ようにすることができる。
【0052】画像処理装置は、領域特定情報を基に、混
合領域の画素データを、前景オブジェクト成分と背景オ
ブジェクト成分とに分離する分離手段をさらに含み、処
理手段は、前景オブジェクト成分および背景オブジェク
ト成分のうちの、少なくとも一方を処理するようにする
ことができる。
【0053】本発明の画像処理方法は、入力画像データ
に基づいて、前景オブジェクトを構成する前景オブジェ
クト成分、および背景オブジェクトを構成する背景オブ
ジェクト成分が混合されてなる混合領域、並びに前景オ
ブジェクト成分からなる前景領域、および背景オブジェ
クトを構成する背景オブジェクト成分からなる背景領域
の一方により構成される非混合領域のうちの、少なくと
も一方を特定し、特定結果に対応する領域特定情報を出
力する領域特定ステップと、混合領域および非混合領域
のうちの、少なくとも一方の領域の画素データを処理す
る処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0054】処理ステップの処理は、領域特定ステップ
の処理により特定される1つの領域を、他の領域の処理
の方式と異なる方式で処理するようにすることができ
る。
【0055】領域特定ステップの処理は、前景領域およ
び背景領域をさらに特定し、特定結果に対応する領域特
定情報を出力するようにすることができる。
【0056】領域特定ステップの処理は、カバードバッ
クグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド
領域をさらに特定し、特定結果に対応する領域特定情報
を出力するようにすることができる。
【0057】画像処理方法は、領域特定情報を基に、混
合領域の画素データを、前景オブジェクト成分と背景オ
ブジェクト成分とに分離する分離ステップをさらに含
み、処理ステップの処理は、前景オブジェクト成分およ
び背景オブジェクト成分のうちの、少なくとも一方を処
理するようにすることができる。
【0058】本発明の記録媒体のプログラムは、入力画
像データに基づいて、前景オブジェクトを構成する前景
オブジェクト成分、および背景オブジェクトを構成する
背景オブジェクト成分が混合されてなる混合領域、並び
に前景オブジェクト成分からなる前景領域、および背景
オブジェクトを構成する背景オブジェクト成分からなる
背景領域の一方により構成される非混合領域のうちの、
少なくとも一方を特定し、特定結果に対応する領域特定
情報を出力する領域特定ステップと、混合領域および非
混合領域のうちの、少なくとも一方の領域の画素データ
を処理する処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0059】処理ステップの処理は、領域特定ステップ
の処理により特定される1つの領域を、他の領域の処理
の方式と異なる方式で処理するようにすることができ
る。
【0060】領域特定ステップの処理は、前景領域およ
び背景領域をさらに特定し、特定結果に対応する領域特
定情報を出力するようにすることができる。
【0061】領域特定ステップの処理は、カバードバッ
クグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド
領域をさらに特定し、特定結果に対応する領域特定情報
を出力するようにすることができる。
【0062】プログラムは、領域特定情報を基に、混合
領域の画素データを、前景オブジェクト成分と背景オブ
ジェクト成分とに分離する分離ステップをさらに含み、
処理ステップの処理は、前景オブジェクト成分および背
景オブジェクト成分のうちの、少なくとも一方を処理す
るようにすることができる。
【0063】本発明のプログラムは、入力画像データに
基づいて、前景オブジェクトを構成する前景オブジェク
ト成分、および背景オブジェクトを構成する背景オブジ
ェクト成分が混合されてなる混合領域、並びに前景オブ
ジェクト成分からなる前景領域、および背景オブジェク
トを構成する背景オブジェクト成分からなる背景領域の
一方により構成される非混合領域のうちの、少なくとも
一方を特定し、特定結果に対応する領域特定情報を出力
する領域特定ステップと、混合領域および非混合領域の
うちの、少なくとも一方の領域の画素データを処理する
処理ステップとをコンピュータに実行させることを特徴
とする。
【0064】処理ステップの処理は、領域特定ステップ
の処理により特定される1つの領域を、他の領域の処理
の方式と異なる方式で処理するようにすることができ
る。
【0065】領域特定ステップの処理は、前景領域およ
び背景領域をさらに特定し、特定結果に対応する領域特
定情報を出力するようにすることができる。
【0066】領域特定ステップの処理は、カバードバッ
クグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド
領域をさらに特定し、特定結果に対応する領域特定情報
を出力するようにすることができる。
【0067】領域特定情報を基に、混合領域の画素デー
タを、前景オブジェクト成分と背景オブジェクト成分と
に分離する分離ステップをさらに含み、処理ステップの
処理は、前景オブジェクト成分および背景オブジェクト
成分のうちの、少なくとも一方を処理するようにするこ
とができる。
【0068】本発明の画像処理装置および方法、記録媒
体、並びにプログラムにおいては、入力画像データに基
づいて、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト
成分、および背景オブジェクトを構成する背景オブジェ
クト成分が混合されてなる混合領域、並びに前景オブジ
ェクト成分からなる前景領域、および背景オブジェクト
を構成する背景オブジェクト成分からなる背景領域の一
方により構成される非混合領域のうちの、少なくとも一
方が特定され、特定結果に対応する領域特定情報が出力
され、混合領域および非混合領域のうちの、少なくとも
一方の領域の画素データが処理される。
【0069】
【発明の実施の形態】図10は、本発明に係る画像処理
装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。CP
U(Central Processing Unit)71は、ROM(Read Only
Memory)72、または記憶部78に記憶されているプ
ログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random
Access Memory)73には、CPU71が実行するプログラ
ムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU71、R
OM72、およびRAM73は、バス74により相互に接続
されている。
【0070】CPU71にはまた、バス74を介して入出
力インタフェース75が接続されている。入出力インタ
フェース75には、キーボード、マウス、マイクロホン
などよりなる入力部76、ディスプレイ、スピーカなど
よりなる出力部77が接続されている。CPU71は、入
力部76から入力される指令に対応して各種の処理を実
行する。そして、CPU71は、処理の結果得られた画像
や音声等を出力部77に出力する。
【0071】入出力インタフェース75に接続されてい
る記憶部78は、例えばハードディスクなどで構成さ
れ、CPU71が実行するプログラムや各種のデータを記
憶する。通信部79は、インターネット、その他のネッ
トワークを介して外部の装置と通信する。この例の場
合、通信部79はセンサの出力を取り込む取得部として
働く。
【0072】また、通信部79を介してプログラムを取
得し、記憶部78に記憶してもよい。
【0073】入出力インタフェース75に接続されてい
るドライブ80は、磁気ディスク91、光ディスク9
2、光磁気ディスク93、または半導体メモリ94など
が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されて
いるプログラムやデータなどを取得する。取得されたプ
ログラムやデータは、必要に応じて記憶部78に転送さ
れ、記憶される。
【0074】図11は、本発明に係る画像処理装置の機
能の構成を示すブロック図である。
【0075】なお、画像処理装置の各機能をハードウェ
アで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わな
い。つまり、本明細書の各ブロック図は、ハードウェア
のブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロ
ック図と考えても良い。
【0076】ここで、動きボケとは、撮像の対象とな
る、現実世界におけるオブジェクトの動きと、センサの
撮像の特性とにより生じる、動いているオブジェクトに
対応する画像に含まれている歪みをいう。
【0077】この明細書では、撮像の対象となる、現実
世界におけるオブジェクトに対応する画像を、画像オブ
ジェクトと称する。
【0078】画像処理装置に供給された入力画像は、オ
ブジェクト抽出部101、領域特定部103、混合比算
出部104、および前景背景分離部105に供給され
る。
【0079】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応
する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景の
オブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出す
る。
【0080】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに
対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0081】また、例えば、オブジェクト抽出部101
は、内部に設けられている背景メモリに記憶されている
背景の画像と、入力画像との差から、前景のオブジェク
トに対応する画像オブジェクト、および背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出するように
してもよい。
【0082】動き検出部102は、例えば、ブロックマ
ッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシ
ブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出
して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置
情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情
報)を領域特定部103に供給する。
【0083】動き検出部102が出力する動きベクトル
には、動き量vに対応する情報が含まれている。
【0084】また、例えば、動き検出部102は、画像
オブジェクトに画素を特定する画素位置情報と共に、画
像オブジェクト毎の動きベクトルを領域特定部103に
出力するようにしてもよい。
【0085】動き量vは、動いているオブジェクトに対
応する画像の位置の変化を画素間隔を単位として表す値
である。例えば、前景に対応するオブジェクトの画像
が、あるフレームを基準として次のフレームにおいて4
画素分離れた位置に表示されるように移動していると
き、前景に対応するオブジェクトの画像の動き量vは、
4とされる。
【0086】領域特定部103は、入力された画像の画
素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域
のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、ま
たは混合領域のいずれかに属するかを示す情報(以下、
領域情報と称する)を混合比算出部104、および前景
背景分離部105に供給する。前景領域、背景領域、ま
たは混合領域の詳細は、後述する。
【0087】混合比算出部104は、入力画像、および
領域特定部103から供給された領域情報を基に、混合
領域に含まれる画素に対応する混合比(以下、混合比α
と称する)を算出して、算出した混合比を前景背景分離
部105に供給する。
【0088】混合比αは、後述する式(3)に示される
ように、画素値における、背景のオブジェクトに対応す
る画像の成分(以下、背景の成分とも称する)の割合を
示す値である。
【0089】前景背景分離部105は、領域特定部10
3から供給された領域情報、および混合比算出部104
から供給された混合比αを基に、前景のオブジェクトに
対応する画像の成分(以下、前景の成分とも称する)の
みから成る前景成分画像と、背景の成分のみから成る背
景成分画像とに入力画像を分離して、前景成分画像およ
び背景成分画像を分離画像処理部106に供給する。
【0090】分離画像処理部106は、前景成分画像お
よび背景成分画像に、それぞれ異なる処理を適用する。
例えば、分離画像処理部106は、背景成分画像を基
に、より高解像度の画像を生成するクラス分類適応処理
で使用される係数を生成する。
【0091】例えば、分離画像処理部106は、背景成
分画像に、クラス分類適応処理を適用して、より高解像
度の画像を創造すると共に、前景成分画像に、線形補間
の処理を適用して、画素を生成する。
【0092】また、分離画像処理部106は、背景成分
画像にのみ、エッジ強調の処理を適用し、前景成分画像
をそのまま通過させる。
【0093】次に、図12乃至図27を参照して、画像
処理装置に供給される入力画像について説明する。
【0094】図12は、センサによる撮像を説明する図
である。センサは、例えば、固体撮像素子であるCCD(C
harge-Coupled Device)エリアセンサを備えたCCDビデ
オカメラなどで構成される。現実世界における、前景に
対応するオブジェクトは、現実世界における、背景に対
応するオブジェクトと、センサとの間を、例えば、図中
の左側から右側に水平に移動する。
【0095】センサは、前景に対応するオブジェクト
を、背景に対応するオブジェクトと共に撮像する。セン
サは、撮像した画像を1フレーム単位で出力する。例え
ば、センサは、1秒間に30フレームから成る画像を出
力する。センサの露光時間は、1/30秒とすることが
できる。露光時間は、センサが入力された光の電荷への
変換を開始してから、入力された光の電荷への変換を終
了するまでの期間である。以下、露光時間をシャッタ時
間とも称する。
【0096】図13は、画素の配置を説明する図であ
る。図13中において、A乃至Iは、個々の画素を示
す。画素は、画像に対応する平面上に配置されている。
1つの画素に対応する1つの検出素子は、センサ上に配
置されている。センサが画像を撮像するとき、1つの検
出素子は、画像を構成する1つの画素に対応する画素値
を出力する。例えば、検出素子のX方向の位置は、画像
上の横方向の位置に対応し、検出素子のY方向の位置
は、画像上の縦方向の位置に対応する。
【0097】図14に示すように、例えば、CCDである
検出素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力された
光を電荷に変換して、変換された電荷を蓄積する。電荷
の量は、入力された光の強さと、光が入力されている時
間にほぼ比例する。検出素子は、シャッタ時間に対応す
る期間において、入力された光から変換された電荷を、
既に蓄積されている電荷に加えていく。すなわち、検出
素子は、シャッタ時間に対応する期間、入力される光を
積分して、積分された光に対応する量の電荷を蓄積す
る。検出素子は、時間に対して、積分効果があるとも言
える。
【0098】検出素子に蓄積された電荷は、図示せぬ回
路により、電圧値に変換され、電圧値は更にデジタルデ
ータなどの画素値に変換されて出力される。従って、セ
ンサから出力される個々の画素値は、前景または背景に
対応するオブジェクトの空間的に広がりを有するある部
分を、シャッタ時間について積分した結果である、1次
元の空間に射影された値を有する。
【0099】画像処理装置は、このようなセンサの蓄積
の動作により、出力信号に埋もれてしまった有意な情
報、例えば、混合比αを抽出する。
【0100】図15は、動いている前景に対応するオブ
ジェクトと、静止している背景に対応するオブジェクト
とを撮像して得られる画像を説明する図である。図15
(A)は、動きを伴う前景に対応するオブジェクトと、
静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して
得られる画像を示している。図15(A)に示す例にお
いて、前景に対応するオブジェクトは、画面に対して水
平に左から右に動いている。
【0101】図15(B)は、図15(A)に示す画像
の1つのラインに対応する画素値を時間方向に展開した
モデル図である。図15(B)の横方向は、図15
(A)の空間方向Xに対応している。
【0102】背景領域の画素は、背景の成分、すなわ
ち、背景のオブジェクトに対応する画像の成分のみか
ら、その画素値が構成されている。前景領域の画素は、
前景の成分、すなわち、前景のオブジェクトに対応する
画像の成分のみから、その画素値が構成されている。
【0103】混合領域の画素は、背景の成分、および前
景の成分から、その画素値が構成されている。混合領域
は、背景の成分、および前景の成分から、その画素値が
構成されているので、歪み領域ともいえる。混合領域
は、更に、カバードバックグラウンド領域およびアンカ
バードバックグラウンド領域に分類される。
【0104】カバードバックグラウンド領域は、前景領
域に対して、前景のオブジェクトの進行方向の前端部に
対応する位置の混合領域であり、時間の経過に対応して
背景成分が前景に覆い隠される領域をいう。
【0105】これに対して、アンカバードバックグラウ
ンド領域は、前景領域に対して、前景のオブジェクトの
進行方向の後端部に対応する位置の混合領域であり、時
間の経過に対応して背景成分が現れる領域をいう。
【0106】このように、前景領域、背景領域、または
カバードバックグラウンド領域若しくはアンカバードバ
ックグラウンド領域を含む画像が、領域特定部103、
混合比算出部104、および前景背景分離部105に入
力画像として入力される。
【0107】図16は、以上のような、背景領域、前景
領域、混合領域、カバードバックグラウンド領域、およ
びアンカバードバックグラウンド領域を説明する図であ
る。図15に示す画像に対応する場合、背景領域は、静
止部分であり、前景領域は、動き部分であり、混合領域
のカバードバックグラウンド領域は、背景から前景に変
化する部分であり、混合領域のアンカバードバックグラ
ウンド領域は、前景から背景に変化する部分である。
【0108】図17は、静止している前景に対応するオ
ブジェクトおよび静止している背景に対応するオブジェ
クトを撮像した画像における、隣接して1列に並んでい
る画素の画素値を時間方向に展開したモデル図である。
例えば、隣接して1列に並んでいる画素として、画面の
1つのライン上に並んでいる画素を選択することができ
る。
【0109】図17に示すF01乃至F04の画素値は、静止
している前景のオブジェクトに対応する画素の画素値で
ある。図17に示すB01乃至B04の画素値は、静止してい
る背景のオブジェクトに対応する画素の画素値である。
【0110】図17における縦方向は、図中の上から下
に向かって時間が経過する。図17中の矩形の上辺の位
置は、センサが入力された光の電荷への変換を開始する
時刻に対応し、図17中の矩形の下辺の位置は、センサ
が入力された光の電荷への変換を終了する時刻に対応す
る。すなわち、図17中の矩形の上辺から下辺までの距
離は、シャッタ時間に対応する。
【0111】以下において、シャッタ時間とフレーム間
隔とが同一である場合を例に説明する。
【0112】図17における横方向は、図15で説明し
た空間方向Xに対応する。より具体的には、図17に示
す例において、図17中の”F01”と記載された矩形の
左辺から”B04”と記載された矩形の右辺までの距離
は、画素のピッチの8倍、すなわち、連続している8つ
の画素の間隔に対応する。
【0113】前景のオブジェクトおよび背景のオブジェ
クトが静止している場合、シャッタ時間に対応する期間
において、センサに入力される光は変化しない。
【0114】ここで、シャッタ時間に対応する期間を2
つ以上の同じ長さの期間に分割する。例えば、仮想分割
数を4とすると、図17に示すモデル図は、図18に示
すモデルとして表すことができる。仮想分割数は、前景
に対応するオブジェクトのシャッタ時間内での動き量v
などに対応して設定される。例えば、4である動き量v
に対応して、仮想分割数は、4とされ、シャッタ時間に
対応する期間は4つに分割される。
【0115】図中の最も上の行は、シャッタが開いて最
初の、分割された期間に対応する。図中の上から2番目
の行は、シャッタが開いて2番目の、分割された期間に
対応する。図中の上から3番目の行は、シャッタが開い
て3番目の、分割された期間に対応する。図中の上から
4番目の行は、シャッタが開いて4番目の、分割された
期間に対応する。
【0116】以下、動き量vに対応して分割されたシャ
ッタ時間をシャッタ時間/vとも称する。
【0117】前景に対応するオブジェクトが静止してい
るとき、センサに入力される光は変化しないので、前景
の成分F01/vは、画素値F01を仮想分割数で除した値に等
しい。同様に、前景に対応するオブジェクトが静止して
いるとき、前景の成分F02/vは、画素値F02を仮想分割数
で除した値に等しく、前景の成分F03/vは、画素値F03を
仮想分割数で除した値に等しく、前景の成分F04/vは、
画素値F04を仮想分割数で除した値に等しい。
【0118】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るとき、センサに入力される光は変化しないので、背景
の成分B01/vは、画素値B01を仮想分割数で除した値に等
しい。同様に、背景に対応するオブジェクトが静止して
いるとき、背景の成分B02/vは、画素値B02を仮想分割数
で除した値に等しく、B03/vは、画素値B03を仮想分割数
で除した値に等しく、B04/vは、画素値B04を仮想分割数
で除した値に等しい。
【0119】すなわち、前景に対応するオブジェクトが
静止している場合、シャッタ時間に対応する期間におい
て、センサに入力される前景のオブジェクトに対応する
光が変化しないので、シャッタが開いて最初の、シャッ
タ時間/vに対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開
いて2番目の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F0
1/vと、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに
対応する前景の成分F01/vと、シャッタが開いて4番目
の、シャッタ時間/vに対応する前景の成分F01/vとは、
同じ値となる。F02/v乃至F04/vも、F01/vと同様の関係
を有する。
【0120】背景に対応するオブジェクトが静止してい
る場合、シャッタ時間に対応する期間において、センサ
に入力される背景のオブジェクトに対応する光は変化し
ないので、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vに
対応する背景の成分B01/vと、シャッタが開いて2番目
の、シャッタ時間/vに対応する背景の成分B01/vと、シ
ャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vに対応する背
景の成分B01/vと、シャッタが開いて4番目の、シャッ
タ時間/vに対応する背景の成分B01/vとは、同じ値とな
る。B02/v乃至B04/vも、同様の関係を有する。
【0121】次に、前景に対応するオブジェクトが移動
し、背景に対応するオブジェクトが静止している場合に
ついて説明する。
【0122】図19は、前景に対応するオブジェクトが
図中の右側に向かって移動する場合の、カバードバック
グラウンド領域を含む、1つのライン上の画素の画素値
を時間方向に展開したモデル図である。図19におい
て、前景の動き量vは、4である。1フレームは短い時
間なので、前景に対応するオブジェクトが剛体であり、
等速で移動していると仮定することができる。図19に
おいて、前景に対応するオブジェクトの画像は、あるフ
レームを基準として次のフレームにおいて4画素分右側
に表示されるように移動する。
【0123】図19において、最も左側の画素乃至左か
ら4番目の画素は、前景領域に属する。図19におい
て、左から5番目乃至左から7番目の画素は、カバード
バックグラウンド領域である混合領域に属する。図19
において、最も右側の画素は、背景領域に属する。
【0124】前景に対応するオブジェクトが時間の経過
と共に背景に対応するオブジェクトを覆い隠すように移
動しているので、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対応
する期間のある時点で、背景の成分から、前景の成分に
替わる。
【0125】例えば、図19中に太線枠を付した画素値
Mは、式(1)で表される。
【0126】 M=B02/v+B02/v+F07/v+F06/v (1)
【0127】例えば、左から5番目の画素は、1つのシ
ャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、3つのシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5
番目の画素の混合比αは、1/4である。左から6番目の
画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を
含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含
むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2であ
る。左から7番目の画素は、3つのシャッタ時間/vに対
応する背景の成分を含み、1つのシャッタ時間/vに対応
する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合
比αは、3/4である。
【0128】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図19中の左から4番目の画素の、シャッタが開い
て最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F07/vは、図1
9中の左から5番目の画素の、シャッタが開いて2番目
のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F07/vは、図19中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図19中の左から7番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0129】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図19中の左から3番目の画素の、シャッタが開い
て最初のシャッタ時間/vの前景の成分F06/vは、図19
中の左から4番目の画素の、シャッタが開いて2番目の
シャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F06/vは、図19中の左から5番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図19中の左から6番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0130】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図19中の左から2番目の画素の、シャッタが開い
て最初のシャッタ時間/vの前景の成分F05/vは、図19
中の左から3番目の画素の、シャッタが開いて2番目の
シャッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様
に、前景の成分F05/vは、図19中の左から4番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図19中の左から5番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0131】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、前景の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表
示されるように等速で移動すると仮定できるので、例え
ば、図19中の最も左側の画素の、シャッタが開いて最
初のシャッタ時間/vの前景の成分F04/vは、図19中の
左から2番目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分に等しい。同様に、前
景の成分F04/vは、図19中の左から3番目の画素の、
シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分と、図19中の左から4番目の画素の、シャッ
タが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成
分とに、それぞれ等しい。
【0132】動いているオブジェクトに対応する前景の
領域は、このように動きボケを含むので、歪み領域とも
言える。
【0133】図20は、前景が図中の右側に向かって移
動する場合の、アンカバードバックグラウンド領域を含
む、1つのライン上の画素の画素値を時間方向に展開し
たモデル図である。図20において、前景の動き量v
は、4である。1フレームは短い時間なので、前景に対
応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動している
と仮定することができる。図20において、前景に対応
するオブジェクトの画像は、あるフレームを基準として
次のフレームにおいて4画素分右側に移動する。
【0134】図20において、最も左側の画素乃至左か
ら4番目の画素は、背景領域に属する。図20におい
て、左から5番目乃至左から7番目の画素は、アンカバ
ードバックグラウンドである混合領域に属する。図20
において、最も右側の画素は、前景領域に属する。
【0135】背景に対応するオブジェクトを覆っていた
前景に対応するオブジェクトが時間の経過と共に背景に
対応するオブジェクトの前から取り除かれるように移動
しているので、アンカバードバックグラウンド領域に属
する画素の画素値に含まれる成分は、シャッタ時間に対
応する期間のある時点で、前景の成分から、背景の成分
に替わる。
【0136】例えば、図20中に太線枠を付した画素値
M'は、式(2)で表される。
【0137】 M'=F02/v+F01/v+B26/v+B26/v (2)
【0138】例えば、左から5番目の画素は、3つのシ
ャッタ時間/vに対応する背景の成分を含み、1つのシャ
ッタ時間/vに対応する前景の成分を含むので、左から5
番目の画素の混合比αは、3/4である。左から6番目の
画素は、2つのシャッタ時間/vに対応する背景の成分を
含み、2つのシャッタ時間/vに対応する前景の成分を含
むので、左から6番目の画素の混合比αは、1/2であ
る。左から7番目の画素は、1つのシャッタ時間/vに対
応する背景の成分を含み、3つのシャッタ時間/vに対応
する前景の成分を含むので、左から7番目の画素の混合
比αは、1/4である。
【0139】式(1)および式(2)をより一般化する
と、画素値Mは、式(3)で表される。
【0140】
【数1】 ここで、αは、混合比である。Bは、背景の画素値であ
り、Fi/vは、前景の成分である。
【0141】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4である
ので、例えば、図20中の左から5番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F01/
vは、図20中の左から6番目の画素の、シャッタが開
いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等
しい。同様に、F01/vは、図20中の左から7番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vに対応
する前景の成分と、図20中の左から8番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vに対応する前
景の成分とに、それぞれ等しい。
【0142】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、仮想分割数が4であ
るので、例えば、図20中の左から6番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F0
2/vは、図20中の左から7番目の画素の、シャッタが
開いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に
等しい。同様に、前景の成分F02/vは、図20中の左か
ら8番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ
時間/vに対応する前景の成分に等しい。
【0143】前景に対応するオブジェクトが剛体であ
り、等速で動くと仮定でき、かつ、動き量vが4である
ので、例えば、図20中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景の成分F03/
vは、図20中の左から8番目の画素の、シャッタが開
いて2番目のシャッタ時間/vに対応する前景の成分に等
しい。
【0144】図18乃至図20の説明において、仮想分
割数は、4であるとして説明したが、仮想分割数は、動
き量vに対応する。動き量vは、一般に、前景に対応する
オブジェクトの移動速度に対応する。例えば、前景に対
応するオブジェクトが、あるフレームを基準として次の
フレームにおいて4画素分右側に表示されるように移動
しているとき、動き量vは、4とされる。動き量vに対応
し、仮想分割数は、4とされる。同様に、例えば、前景
に対応するオブジェクトが、あるフレームを基準として
次のフレームにおいて6画素分左側に表示されるように
移動しているとき、動き量vは、6とされ、仮想分割数
は、6とされる。
【0145】図21および図22に、以上で説明した、
前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域若
しくはアンカバードバックグラウンド領域から成る混合
領域と、分割されたシャッタ時間に対応する前景の成分
および背景の成分との関係を示す。
【0146】図21は、静止している背景の前を移動し
ているオブジェクトに対応する前景を含む画像から、前
景領域、背景領域、および混合領域の画素を抽出した例
を示す。図21に示す例において、前景に対応するオブ
ジェクトは、画面に対して水平に移動している。
【0147】フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレー
ムであり、フレーム#n+2は、フレーム#n+1の次のフレー
ムである。
【0148】フレーム#n乃至フレーム#n+2のいずれかか
ら抽出した、前景領域、背景領域、および混合領域の画
素を抽出して、動き量vを4として、抽出された画素の
画素値を時間方向に展開したモデルを図22に示す。
【0149】前景領域の画素値は、前景に対応するオブ
ジェクトが移動するので、シャッタ時間/vの期間に対応
する、4つの異なる前景の成分から構成される。例え
ば、図22に示す前景領域の画素のうち最も左側に位置
する画素は、F01/v,F02/v,F03/v、およびF04/vから構成
される。すなわち、前景領域の画素は、動きボケを含ん
でいる。
【0150】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、シャッタ時間に対応する期間において、センサ
に入力される背景に対応する光は変化しない。この場
合、背景領域の画素値は、動きボケを含まない。
【0151】カバードバックグラウンド領域若しくはア
ンカバードバックグラウンド領域から成る混合領域に属
する画素の画素値は、前景の成分と、背景の成分とから
構成される。
【0152】次に、オブジェクトに対応する画像が動い
ているとき、複数のフレームにおける、隣接して1列に
並んでいる画素であって、フレーム上で同一の位置の画
素の画素値を時間方向に展開したモデルについて説明す
る。例えば、オブジェクトに対応する画像が画面に対し
て水平に動いているとき、隣接して1列に並んでいる画
素として、画面の1つのライン上に並んでいる画素を選
択することができる。
【0153】図23は、静止している背景に対応するオ
ブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接し
て1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一の
位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図であ
る。フレーム#nは、フレーム#n-1の次のフレームであ
り、フレーム#n+1は、フレーム#nの次のフレームであ
る。他のフレームも同様に称する。
【0154】図23に示すB01乃至B12の画素値は、静止
している背景のオブジェクトに対応する画素の画素値で
ある。背景に対応するオブジェクトが静止しているの
で、フレーム#n-1乃至フレームn+1において、対応する
画素の画素値は、変化しない。例えば、フレーム#n-1に
おけるB05の画素値を有する画素の位置に対応する、フ
レーム#nにおける画素、およびフレーム#n+1における画
素は、それぞれ、B05の画素値を有する。
【0155】図24は、静止している背景に対応するオ
ブジェクトと共に図中の右側に移動する前景に対応する
オブジェクトを撮像した画像の3つのフレームの、隣接
して1列に並んでいる画素であって、フレーム上で同一
の位置の画素の画素値を時間方向に展開したモデル図で
ある。図24に示すモデルは、カバードバックグラウン
ド領域を含む。
【0156】図24において、前景に対応するオブジェ
クトが、剛体であり、等速で移動すると仮定でき、前景
の画像が次のフレームにおいて4画素右側に表示される
ように移動するので、前景の動き量vは、4であり、仮
想分割数は、4である。
【0157】例えば、図24中のフレーム#n-1の最も左
側の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの
前景の成分は、F12/vとなり、図24中の左から2番目
の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの
前景の成分も、F12/vとなる。図24中の左から3番目
の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの
前景の成分、および図24中の左から4番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなる。
【0158】図24中のフレーム#n-1の最も左側の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F11/vとなり、図24中の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F11/vとなる。図24中の左から3番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F11/vとなる。
【0159】図24中のフレーム#n-1の最も左側の画素
の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F10/vとなり、図24中の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F10/vとなる。図24中のフレーム#n-1の最も
左側の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間
/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0160】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図24中のフレーム#n-1の左から2番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成
分は、B01/vとなる。図24中のフレーム#n-1の左から
3番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目の
シャッタ時間/vの背景の成分は、B02/vとなる。図24
中のフレーム#n-1の左から4番目の画素の、シャッタが
開いて最初乃至3番目のシャッタ時間/vの背景の成分
は、B03/vとなる。
【0161】図24中のフレーム#n-1において、最も左
側の画素は、前景領域に属し、左側から2番目乃至4番
目の画素は、カバードバックグラウンド領域である混合
領域に属する。
【0162】図24中のフレーム#n-1の左から5番目の
画素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、その画素
値は、それぞれ、B04乃至B11となる。
【0163】図24中のフレーム#nの左から1番目の画
素乃至5番目の画素は、前景領域に属する。フレーム#n
の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分は、
F05/v乃至F12/vのいずれかである。
【0164】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図24中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、
F12/vとなり、図24中の左から6番目の画素の、シャ
ッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、
F12/vとなる。図24中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、お
よび図24中の左から8番目の画素の、シャッタが開い
て4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F12/vとな
る。
【0165】図24中のフレーム#nの左から5番目の画
素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F11/vとなり、図24中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F11/vとなる。図24中の左から7番目の画
素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F11/vとなる。
【0166】図24中のフレーム#nの左から5番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F10/vとなり、図24中の左から6番目の画
素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F10/vとなる。図24中のフレーム#nの左か
ら5番目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ
時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0167】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図24中のフレーム#nの左から6番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の成
分は、B05/vとなる。図24中のフレーム#nの左から7
番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番目のシ
ャッタ時間/vの背景の成分は、B06/vとなる。図24中
のフレーム#nの左から8番目の画素の、シャッタが開い
て最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、
B07/vとなる。
【0168】図24中のフレーム#nにおいて、左側から
6番目乃至8番目の画素は、カバードバックグラウンド
領域である混合領域に属する。
【0169】図24中のフレーム#nの左から9番目の画
素乃至12番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、
それぞれ、B08乃至B11となる。
【0170】図24中のフレーム#n+1の左から1番目の
画素乃至9番目の画素は、前景領域に属する。フレーム
#n+1の前景領域における、シャッタ時間/vの前景の成分
は、F01/v乃至F12/vのいずれかである。
【0171】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図24中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、
シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなり、図24中の左から10番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F12/vとなる。図24中の左から11番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分、および図24中の左から12番目の画素の、シ
ャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F12/vとなる。
【0172】図24中のフレーム#n+1の左から9番目の
画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの期
間の前景の成分は、F11/vとなり、図24中の左から1
0番目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時
間/vの前景の成分も、F11/vとなる。図24中の左から
11番目の画素の、シャッタが開いて4番目の、シャッ
タ時間/vの前景の成分は、F11/vとなる。
【0173】図24中のフレーム#n+1の左から9番目の
画素の、シャッタが開いて3番目の、シャッタ時間/vの
前景の成分は、F10/vとなり、図24中の左から10番
目の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/v
の前景の成分も、F10/vとなる。図24中のフレーム#n+
1の左から9番目の画素の、シャッタが開いて4番目の
シャッタ時間/vの前景の成分は、F09/vとなる。
【0174】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図24中のフレーム#n+1の左から10番目の画
素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの背景の
成分は、B09/vとなる。図24中のフレーム#n+1の左か
ら11番目の画素の、シャッタが開いて最初および2番
目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B10/vとなる。図
24中のフレーム#n+1の左から12番目の画素の、シャ
ッタが開いて最初乃至3番目の、シャッタ時間/vの背景
の成分は、B11/vとなる。
【0175】図24中のフレーム#n+1において、左側か
ら10番目乃至12番目の画素は、カバードバックグラ
ウンド領域である混合領域に対応する。
【0176】図25は、図24に示す画素値から前景の
成分を抽出した画像のモデル図である。
【0177】図26は、静止している背景と共に図中の
右側に移動するオブジェクトに対応する前景を撮像した
画像の3つのフレームの、隣接して1列に並んでいる画
素であって、フレーム上で同一の位置の画素の画素値を
時間方向に展開したモデル図である。図26において、
アンカバードバックグラウンド領域が含まれている。
【0178】図26において、前景に対応するオブジェ
クトは、剛体であり、かつ等速で移動していると仮定で
きる。前景に対応するオブジェクトが、次のフレームに
おいて4画素分右側に表示されるように移動しているの
で、動き量vは、4である。
【0179】例えば、図26中のフレーム#n-1の最も左
側の画素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/v
の前景の成分は、F13/vとなり、図26中の左から2番
目の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/v
の前景の成分も、F13/vとなる。図26中の左から3番
目の画素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/v
の前景の成分、および図26中の左から4番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F13/vとなる。
【0180】図26中のフレーム#n-1の左から2番目の
画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景
の成分は、F14/vとなり、図26中の左から3番目の画
素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景
の成分も、F14/vとなる。図26中の左から3番目の画
素の、シャッタが開いて最初の、シャッタ時間/vの前景
の成分は、F15/vとなる。
【0181】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図26中のフレーム#n-1の最も左側の画素の、
シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時間/v
の背景の成分は、B25/vとなる。図26中のフレーム#n-
1の左から2番目の画素の、シャッタが開いて3番目お
よび4番目の、シャッタ時間/vの背景の成分は、B26/v
となる。図26中のフレーム#n-1の左から3番目の画素
の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の
成分は、B27/vとなる。
【0182】図26中のフレーム#n-1において、最も左
側の画素乃至3番目の画素は、アンカバードバックグラ
ウンド領域である混合領域に属する。
【0183】図26中のフレーム#n-1の左から4番目の
画素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレー
ムの前景の成分は、F13/v乃至F24/vのいずれかである。
【0184】図26中のフレーム#nの最も左側の画素乃
至左から4番目の画素は、背景領域に属し、画素値は、
それぞれ、B25乃至B28となる。
【0185】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図26中のフレーム#nの左から5番目の画素の、シ
ャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分は、
F13/vとなり、図26中の左から6番目の画素の、シャ
ッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の成分も、
F13/vとなる。図26中の左から7番目の画素の、シャ
ッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景の成分、お
よび図26中の左から8番目の画素の、シャッタが開い
て4番目のシャッタ時間/vの前景の成分は、F13/vとな
る。
【0186】図26中のフレーム#nの左から6番目の画
素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の
成分は、F14/vとなり、図26中の左から7番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F14/vとなる。図26中の左から8番目の画素
の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成
分は、F15/vとなる。
【0187】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図26中のフレーム#nの左から5番目の画素
の、シャッタが開いて2番目乃至4番目のシャッタ時間
/vの背景の成分は、B29/vとなる。図26中のフレーム#
nの左から6番目の画素の、シャッタが開いて3番目お
よび4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B30/vと
なる。図26中のフレーム#nの左から7番目の画素の、
シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの背景の成分
は、B31/vとなる。
【0188】図26中のフレーム#nにおいて、左から5
番目の画素乃至7番目の画素は、アンカバードバックグ
ラウンド領域である混合領域に属する。
【0189】図26中のフレーム#nの左から8番目の画
素乃至12番目の画素は、前景領域に属する。フレーム
#nの前景領域における、シャッタ時間/vの期間に対応す
る値は、F13/v乃至F20/vのいずれかである。
【0190】図26中のフレーム#n+1の最も左側の画素
乃至左から8番目の画素は、背景領域に属し、画素値
は、それぞれ、B25乃至B32となる。
【0191】前景に対応するオブジェクトが、剛体であ
り、等速で移動すると仮定でき、前景の画像が次のフレ
ームにおいて4画素右側に表示されるように移動するの
で、図26中のフレーム#n+1の左から9番目の画素の、
シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F13/vとなり、図26中の左から10番目の画素
の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの前景の
成分も、F13/vとなる。図26中の左から11番目の画
素の、シャッタが開いて3番目のシャッタ時間/vの前景
の成分、および図26中の左から12番目の画素の、シ
ャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの前景の成分
は、F13/vとなる。
【0192】図26中のフレーム#n+1の左から10番目
の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの前
景の成分は、F14/vとなり、図26中の左から11番目
の画素の、シャッタが開いて2番目のシャッタ時間/vの
前景の成分も、F14/vとなる。図26中の左から12番
目の画素の、シャッタが開いて最初のシャッタ時間/vの
前景の成分は、F15/vとなる。
【0193】背景に対応するオブジェクトが静止してい
るので、図26中のフレーム#n+1の左から9番目の画素
の、シャッタが開いて2番目乃至4番目の、シャッタ時
間/vの背景の成分は、B33/vとなる。図26中のフレー
ム#n+1の左から10番目の画素の、シャッタが開いて3
番目および4番目のシャッタ時間/vの背景の成分は、B3
4/vとなる。図26中のフレーム#n+1の左から11番目
の画素の、シャッタが開いて4番目のシャッタ時間/vの
背景の成分は、B35/vとなる。
【0194】図26中のフレーム#n+1において、左から
9番目の画素乃至11番目の画素は、アンカバードバッ
クグラウンド領域である混合領域に属する。
【0195】図26中のフレーム#n+1の左から12番目
の画素は、前景領域に属する。フレーム#n+1の前景領域
における、シャッタ時間/vの前景の成分は、F13/v乃至F
16/vのいずれかである。
【0196】図27は、図26に示す画素値から前景の
成分を抽出した画像のモデル図である。
【0197】図28は、前景領域、背景領域、カバード
バックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素毎に分割された画像と、画素の
画素値を時間方向に展開したモデル図との対応を示す図
である。
【0198】図28に示すように、領域特定部103
は、入力画像の前景領域、背景領域、カバードバックグ
ラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領
域を特定する。
【0199】図29は、前景領域の画像、背景領域の画
像、カバードバックグラウンド領域の前景成分画像、カ
バードバックグラウンド領域の背景の成分、アンカバー
ドバックグラウンド領域の前景の成分、およびアンカバ
ードバックグラウンド領域の背景の成分に分離された入
力画像と、画素の画素値を時間方向に展開したモデル図
との対応を示す図である。
【0200】図29に示すように、入力画像は、領域特
定部103により、前景領域、背景領域、カバードバッ
クグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウン
ド領域を特定される。入力画像は、前景背景分離部10
5により、特定された前景領域、背景領域、カバードバ
ックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウ
ンド領域、および混合比算出部104により検出された
混合比αを基に、前景領域の画像、カバードバックグラ
ウンド領域の前景の成分、およびアンカバードバックグ
ラウンド領域の前景の成分からなる前景成分画像、並び
に背景領域の画像、カバードバックグラウンド領域の背
景の成分、およびアンカバードバックグラウンド領域の
背景の成分からなる背景成分画像に分離される。
【0201】分離された前景成分画像、および背景成分
画像は、それぞれの画像毎に、処理される。
【0202】図30は、前景領域、背景領域、および混
合領域に分割された画像の例を示す図である。領域特定
部103は、入力画像の、前景領域、背景領域、および
混合領域を特定する。画像処理装置は、前景領域、背景
領域、および混合領域を示す領域情報を基に、入力画像
を、前景領域の画像、背景領域の画像、および混合領域
の画像に分割することができる。
【0203】図31に示すように、前景背景分離部10
5は、領域特定部103から供給された領域情報、およ
び混合比算出部104から供給された混合比αを基に、
混合領域の画像を、混合領域の前景成分画像および混合
領域の背景成分画像に分離する。
【0204】図32は、本発明に係る画像処理装置の画
像の処理を説明するフローチャートである。
【0205】ステップS101において、領域特定部1
03は、動き検出部102から供給された動きベクトル
およびその位置情報、並びに入力画像を基に、入力画像
の前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領
域、およびアンカバードバックグラウンド領域を特定す
る。領域特定の処理の詳細は、後述する。
【0206】ステップS102において、混合比算出部
104は、領域特定部103から供給された領域情報お
よび入力画像を基に、混合比αを算出する。混合比算出
部104の混合比αを算出する処理の詳細は、後述す
る。
【0207】ステップS103において、前景背景分離
部105は、領域特定部103から供給された領域情
報、および混合比算出部104から供給された混合比α
を基に、入力画像を、前景の成分からなる前景成分画
像、および背景の成分からなる背景成分画像に分離す
る。前景背景分離部105の画像の分離の処理の詳細
は、後述する。
【0208】ステップS104において、分離画像処理
部106は、前景成分画像、および背景成分画像毎に、
画像の処理を実行して、処理は終了する。分離画像処理
部106が実行する画像処理の詳細は、後述する。
【0209】このように、本発明に係る画像処理装置
は、入力画像を、前景成分画像および背景成分画像に分
離し、分離された前景成分画像、および背景成分画像毎
に画像処理を実行する。
【0210】以下、領域特定部103、混合比算出部1
04、前景背景分離部105、および分離画像処理部1
06のそれぞれの構成について説明する。
【0211】図33は、領域特定部103の構成の一例
を示すブロック図である。図33に構成を示す領域特定
部103は、動きベクトルを利用しない。フレームメモ
リ201は、入力された画像をフレーム単位で記憶す
る。フレームメモリ201は、処理の対象がフレーム#n
であるとき、フレーム#nの2つ前のフレームであるフレ
ーム#n-2、フレーム#nの1つ前のフレームであるフレー
ム#n-1、フレーム#n、フレーム#nの1つ後のフレームで
あるフレーム#n+1、およびフレーム#nの2つ後のフレー
ムであるフレーム#n+2を記憶する。
【0212】静動判定部202−1は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n+2の画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n+1の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、読み出した画素値の差の絶対値を
算出する。静動判定部202−1は、フレーム#n+2の画
素値とフレーム#n+1の画素値との差の絶対値が、予め設
定している閾値Thより大きいか否かを判定し、差の絶対
値が閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−1に供給する。フレーム#n
+2の画素の画素値とフレーム#n+1の画素の画素値との差
の絶対値が閾値Th以下であると判定された場合、静動判
定部202−1は、静止を示す静動判定を領域判定部2
03−1に供給する。
【0213】静動判定部202−2は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n+1の画素の画素値、およびフレーム#nの
対象となる画素の画素値をフレームメモリ201から読
み出して、画素値の差の絶対値を算出する。静動判定部
202−2は、フレーム#n+1の画素値とフレーム#nの画
素値との差の絶対値が、予め設定している閾値Thより大
きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値が、閾値Thよ
り大きいと判定された場合、動きを示す静動判定を領域
判定部203−1および領域判定部203−2に供給す
る。フレーム#n+1の画素の画素値とフレーム#nの画素の
画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であると判定され
た場合、静動判定部202−2は、静止を示す静動判定
を領域判定部203−1および領域判定部203−2に
供給する。
【0214】静動判定部202−3は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n-1の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。
静動判定部202−3は、フレーム#nの画素値とフレー
ム#n-1の画素値との差の絶対値が、予め設定している閾
値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値
が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−2および領域判定部203
−3に供給する。フレーム#nの画素の画素値とフレーム
#n-1の画素の画素値との差の絶対値が、閾値Th以下であ
ると判定された場合、静動判定部202−3は、静止を
示す静動判定を領域判定部203−2および領域判定部
203−3に供給する。
【0215】静動判定部202−4は、フレーム#nの領
域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置に
あるフレーム#n-1の画素の画素値、およびフレーム#nの
領域特定の対象である画素の画像上の位置と同一の位置
にあるフレーム#n-2の画素の画素値をフレームメモリ2
01から読み出して、画素値の差の絶対値を算出する。
静動判定部202−4は、フレーム#n-1の画素値とフレ
ーム#n-2の画素値との差の絶対値が、予め設定している
閾値Thより大きいか否かを判定し、画素値の差の絶対値
が、閾値Thより大きいと判定された場合、動きを示す静
動判定を領域判定部203−3に供給する。フレーム#n
-1の画素の画素値とフレーム#n-2の画素の画素値との差
の絶対値が、閾値Th以下であると判定された場合、静動
判定部202−4は、静止を示す静動判定を領域判定部
203−3に供給する。
【0216】領域判定部203−1は、静動判定部20
2−1から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静
動判定部202−2から供給された静動判定が動きを示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素がアンカバードバックグラウンド領域に属すると
判定し、領域の判定される画素に対応するアンカバード
バックグラウンド領域判定フラグに、アンカバードバッ
クグラウンド領域に属することを示す”1”を設定す
る。
【0217】領域判定部203−1は、静動判定部20
2−1から供給された静動判定が動きを示すか、また
は、静動判定部202−2から供給された静動判定が静
止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素がアンカバードバックグラウンド領域に属
しないと判定し、領域の判定される画素に対応するアン
カバードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバ
ードバックグラウンド領域に属しないことを示す”0”
を設定する。
【0218】領域判定部203−1は、このように”
1”または”0”が設定されたアンカバードバックグラ
ウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ
204に供給する。
【0219】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が静止を示し、かつ、静
動判定部202−3から供給された静動判定が静止を示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素が静止領域に属すると判定し、領域の判定される
画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領域に属す
ることを示す”1”を設定する。
【0220】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が動きを示すか、また
は、静動判定部202−3から供給された静動判定が動
きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素が静止領域に属しないと判定し、領域の判
定される画素に対応する静止領域判定フラグに、静止領
域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0221】領域判定部203−2は、このように”
1”または”0”が設定された静止領域判定フラグを判
定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0222】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静
動判定部202−3から供給された静動判定が動きを示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素が動き領域に属すると判定し、領域の判定される
画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領域に属す
ることを示す”1”を設定する。
【0223】領域判定部203−2は、静動判定部20
2−2から供給された静動判定が静止を示すか、また
は、静動判定部202−3から供給された静動判定が静
止を示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素が動き領域に属しないと判定し、領域の判
定される画素に対応する動き領域判定フラグに、動き領
域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0224】領域判定部203−2は、このように”
1”または”0”が設定された動き領域判定フラグを判
定フラグ格納フレームメモリ204に供給する。
【0225】領域判定部203−3は、静動判定部20
2−3から供給された静動判定が動きを示し、かつ、静
動判定部202−4から供給された静動判定が静止を示
しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対象であ
る画素がカバードバックグラウンド領域に属すると判定
し、領域の判定される画素に対応するカバードバックグ
ラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラウンド
領域に属することを示す”1”を設定する。
【0226】領域判定部203−3は、静動判定部20
2−3から供給された静動判定が静止を示すか、また
は、静動判定部202−4から供給された静動判定が動
きを示しているとき、フレーム#nにおける領域特定の対
象である画素がカバードバックグラウンド領域に属しな
いと判定し、領域の判定される画素に対応するカバード
バックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグ
ラウンド領域に属しないことを示す”0”を設定する。
【0227】領域判定部203−3は、このように”
1”または”0”が設定されたカバードバックグラウン
ド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ20
4に供給する。
【0228】判定フラグ格納フレームメモリ204は、
領域判定部203−1から供給されたアンカバードバッ
クグラウンド領域判定フラグ、領域判定部203−2か
ら供給された静止領域判定フラグ、領域判定部203−
2から供給された動き領域判定フラグ、および領域判定
部203−3から供給されたカバードバックグラウンド
領域判定フラグをそれぞれ記憶する。
【0229】判定フラグ格納フレームメモリ204は、
記憶しているアンカバードバックグラウンド領域判定フ
ラグ、静止領域判定フラグ、動き領域判定フラグ、およ
びカバードバックグラウンド領域判定フラグを合成部2
05に供給する。合成部205は、判定フラグ格納フレ
ームメモリ204から供給された、アンカバードバック
グラウンド領域判定フラグ、静止領域判定フラグ、動き
領域判定フラグ、およびカバードバックグラウンド領域
判定フラグを基に、各画素が、アンカバードバックグラ
ウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバードバッ
クグラウンド領域のいずれかに属することを示す領域情
報を生成し、判定フラグ格納フレームメモリ206に供
給する。
【0230】判定フラグ格納フレームメモリ206は、
合成部205から供給された領域情報を記憶すると共
に、記憶している領域情報を出力する。
【0231】次に、領域特定部103の処理の例を図3
4乃至図38を参照して説明する。
【0232】前景に対応するオブジェクトが移動してい
るとき、オブジェクトに対応する画像の画面上の位置
は、フレーム毎に変化する。図34に示すように、フレ
ーム#nにおいて、Yn(x,y)で示される位置に位置するオ
ブジェクトに対応する画像は、次のフレームであるフレ
ーム#n+1において、Yn+1(x,y)に位置する。
【0233】前景のオブジェクトに対応する画像の動き
方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展
開したモデル図を図37に示す。例えば、前景のオブジ
ェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水平で
あるとき、図35におけるモデル図は、1つのライン上
の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデルを
示す。
【0234】図35において、フレーム#nにおけるライ
ンは、フレーム#n+1におけるラインと同一である。
【0235】フレーム#nにおいて、左から2番目の画素
乃至13番目の画素に含まれているオブジェクトに対応
する前景の成分は、フレーム#n+1において、左から6番
目乃至17番目の画素に含まれる。
【0236】フレーム#nにおいて、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13番
目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域に
属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素である。
フレーム#n+1において、カバードバックグラウンド領域
に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素で
あり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素
は、左から6番目乃至8番目の画素である。
【0237】図35に示す例において、フレーム#nに含
まれる前景の成分が、フレーム#n+1において4画素移動
しているので、動き量vは、4である。仮想分割数は、
動き量vに対応し、4である。
【0238】次に、注目しているフレームの前後におけ
る混合領域に属する画素の画素値の変化について説明す
る。
【0239】図36に示す、背景が静止し、前景の動き
量vが4であるフレーム#nにおいて、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、左から15番目乃至17
番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ前の
フレーム#n-1において、左から15番目乃至17番目の
画素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。ま
た、更に1つ前のフレーム#n-2において、左から15番
目乃至17番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景
領域に属する。
【0240】ここで、背景に対応するオブジェクトが静
止しているので、フレーム#n-1の左から15番目の画素
の画素値は、フレーム#n-2の左から15番目の画素の画
素値から変化しない。同様に、フレーム#n-1の左から1
6番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から16番
目の画素の画素値から変化せず、フレーム#n-1の左から
17番目の画素の画素値は、フレーム#n-2の左から17
番目の画素の画素値から変化しない。
【0241】すなわち、フレーム#nにおけるカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレーム
#n-1およびフレーム#n-2の画素は、背景の成分のみから
成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値は、ほ
ぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混合領域
に属する画素に対応する、フレーム#n-1およびフレーム
#n-2の画素に対する静動判定は、静動判定部202−4
により、静止と判定される。
【0242】フレーム#nにおけるカバードバックグラウ
ンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、フレ
ーム#n-1における背景の成分のみから成る場合と、画素
値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域に属
する画素、および対応するフレーム#n-1の画素に対する
静動判定は、静動判定部202−3により、動きと判定
される。
【0243】このように、領域判定部203−3は、静
動判定部202−3から動きを示す静動判定の結果が供
給され、静動判定部202−4から静止を示す静動判定
の結果が供給されたとき、対応する画素がカバードバッ
クグラウンド領域に属すると判定する。
【0244】図37に示す、背景が静止し、前景の動き
量vが4であるフレーム#nにおいて、アンカバードバッ
クグラウンド領域に含まれる画素は、左から2番目乃至
4番目の画素である。動き量vが4であるので、1つ後
のフレーム#n+1において、左から2番目乃至4番目の画
素は、背景の成分のみを含み、背景領域に属する。ま
た、更に1つ後のフレーム#n+2において、左から2番目
乃至4番目の画素は、背景の成分のみを含み、背景領域
に属する。
【0245】ここで、背景に対応するオブジェクトが静
止しているので、フレーム#n+2の左から2番目の画素の
画素値は、フレーム#n+1の左から2番目の画素の画素値
から変化しない。同様に、フレーム#n+2の左から3番目
の画素の画素値は、フレーム#n+1の左から3番目の画素
の画素値から変化せず、フレーム#n+2の左から4番目の
画素の画素値は、フレーム#n+1の左から4番目の画素の
画素値から変化しない。
【0246】すなわち、フレーム#nにおけるアンカバー
ドバックグラウンド領域に属する画素に対応する、フレ
ーム#n+1およびフレーム#n+2の画素は、背景の成分のみ
から成り、画素値が変化しないので、その差の絶対値
は、ほぼ0の値となる。従って、フレーム#nにおける混
合領域に属する画素に対応する、フレーム#n+1およびフ
レーム#n+2の画素に対する静動判定は、静動判定部20
2−1により、静止と判定される。
【0247】フレーム#nにおけるアンカバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、前景の成分を含むので、
フレーム#n+1における背景の成分のみから成る場合と、
画素値が異なる。従って、フレーム#nにおける混合領域
に属する画素、および対応するフレーム#n+1の画素に対
する静動判定は、静動判定部202−2により、動きと
判定される。
【0248】このように、領域判定部203−1は、静
動判定部202−2から動きを示す静動判定の結果が供
給され、静動判定部202−1から静止を示す静動判定
の結果が供給されたとき、対応する画素がアンカバード
バックグラウンド領域に属すると判定する。
【0249】図38は、フレーム#nにおける領域特定部
103の判定条件を示す図である。フレーム#nの判定の
対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレ
ーム#n-2の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画素
の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素
とが静止と判定され、フレーム#nの判定の対象となる画
素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画
素と、フレーム#nの画素とが動きと判定されたとき、領
域特定部103は、フレーム#nの判定の対象となる画素
がカバードバックグラウンド領域に属すると判定する。
【0250】フレーム#nの判定の対象となる画素の画像
上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フ
レーム#nの画素とが静止と判定され、フレーム#nの画素
と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置
と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが静止と判定
されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の
対象となる画素が静止領域に属すると判定する。
【0251】フレーム#nの判定の対象となる画素の画像
上の位置と同一の位置にあるフレーム#n-1の画素と、フ
レーム#nの画素とが動きと判定され、フレーム#nの画素
と、フレーム#nの判定の対象となる画素の画像上の位置
と同一の位置にあるフレーム#n+1の画素とが動きと判定
されたとき、領域特定部103は、フレーム#nの判定の
対象となる画素が動き領域に属すると判定する。
【0252】フレーム#nの画素と、フレーム#nの判定の
対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフレ
ーム#n+1の画素とが動きと判定され、フレーム#nの判定
の対象となる画素の画像上の位置と同一の位置にあるフ
レーム#n+1の画素と、フレーム#nの判定の対象となる画
素の画像上の位置と同一の位置にあるフレーム#n+2の画
素とが静止と判定されたとき、領域特定部103は、フ
レーム#nの判定の対象となる画素がアンカバードバック
グラウンド領域に属すると判定する。
【0253】図39は、領域特定部103の領域の特定
の結果の例を示す図である。図39(A)において、カ
バードバックグラウンド領域に属すると判定された画素
は、白で表示されている。図39(B)において、アン
カバードバックグラウンド領域に属すると判定された画
素は、白で表示されている。
【0254】図39(C)において、動き領域に属する
と判定された画素は、白で表示されている。図39
(D)において、静止領域に属すると判定された画素
は、白で表示されている。
【0255】図40は、判定フラグ格納フレームメモリ
206が出力する領域情報の内、混合領域を示す領域情
報を画像として示す図である。図40において、カバー
ドバックグラウンド領域またはアンカバードバックグラ
ウンド領域に属すると判定された画素、すなわち混合領
域に属すると判定された画素は、白で表示されている。
判定フラグ格納フレームメモリ206が出力する混合領
域を示す領域情報は、混合領域、および前景領域内のテ
クスチャの無い部分に囲まれたテクスチャの有る部分を
示す。
【0256】次に、図41のフローチャートを参照し
て、領域特定部103の領域特定の処理を説明する。ス
テップS201において、フレームメモリ201は、判
定の対象となるフレーム#nを含むフレーム#n-2乃至フレ
ーム#n+2の画像を取得する。
【0257】ステップS202において、静動判定部2
02−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位
置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定された
場合、ステップS203に進み、静動判定部202−2
は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素
とで、静止か否かを判定する。
【0258】ステップS203において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、ステップS204に進み、領域判定部20
3−2は、領域の判定される画素に対応する静止領域判
定フラグに、静止領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−2は、静止領域判定フラグを
判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続き
は、ステップS205に進む。
【0259】ステップS202において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、または、ステップS203において、フレ
ーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動
きと判定された場合、フレーム#nの画素が静止領域には
属さないので、ステップS204の処理はスキップさ
れ、手続きは、ステップS205に進む。
【0260】ステップS205において、静動判定部2
02−3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位
置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された
場合、ステップS206に進み、静動判定部202−2
は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素
とで、動きか否かを判定する。
【0261】ステップS206において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、ステップS207に進み、領域判定部20
3−2は、領域の判定される画素に対応する動き領域判
定フラグに、動き領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−2は、動き領域判定フラグを
判定フラグ格納フレームメモリ204に供給し、手続き
は、ステップS208に進む。
【0262】ステップS205において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、または、ステップS206において、フレ
ーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静
止と判定された場合、フレーム#nの画素が動き領域には
属さないので、ステップS207の処理はスキップさ
れ、手続きは、ステップS208に進む。
【0263】ステップS208において、静動判定部2
02−4は、フレーム#n-2の画素とフレーム#n-1の同一
位置の画素とで、静止か否かを判定し、静止と判定され
た場合、ステップS209に進み、静動判定部202−
3は、フレーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画
素とで、動きか否かを判定する。
【0264】ステップS209において、フレーム#n-1
の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、動きと判定
された場合、ステップS210に進み、領域判定部20
3−3は、領域の判定される画素に対応するカバードバ
ックグラウンド領域判定フラグに、カバードバックグラ
ウンド領域に属することを示す”1”を設定する。領域
判定部203−3は、カバードバックグラウンド領域判
定フラグを判定フラグ格納フレームメモリ204に供給
し、手続きは、ステップS211に進む。
【0265】ステップS208において、フレーム#n-2
の画素とフレーム#n-1の同一位置の画素とで、動きと判
定された場合、または、ステップS209において、フ
レーム#n-1の画素とフレーム#nの同一位置の画素とで、
静止と判定された場合、フレーム#nの画素がカバードバ
ックグラウンド領域には属さないので、ステップS21
0の処理はスキップされ、手続きは、ステップS211
に進む。
【0266】ステップS211において、静動判定部2
02−2は、フレーム#nの画素とフレーム#n+1の同一位
置の画素とで、動きか否かを判定し、動きと判定された
場合、ステップS212に進み、静動判定部202−1
は、フレーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画
素とで、静止か否かを判定する。
【0267】ステップS212において、フレーム#n+1
の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、静止と判
定された場合、ステップS213に進み、領域判定部2
03−1は、領域の判定される画素に対応するアンカバ
ードバックグラウンド領域判定フラグに、アンカバード
バックグラウンド領域に属することを示す”1”を設定
する。領域判定部203−1は、アンカバードバックグ
ラウンド領域判定フラグを判定フラグ格納フレームメモ
リ204に供給し、手続きは、ステップS214に進
む。
【0268】ステップS211において、フレーム#nの
画素とフレーム#n+1の同一位置の画素とで、静止と判定
された場合、または、ステップS212において、フレ
ーム#n+1の画素とフレーム#n+2の同一位置の画素とで、
動きと判定された場合、フレーム#nの画素がアンカバー
ドバックグラウンド領域には属さないので、ステップS
213の処理はスキップされ、手続きは、ステップS2
14に進む。
【0269】ステップS214において、領域特定部1
03は、フレーム#nの全ての画素について領域を特定し
たか否かを判定し、フレーム#nの全ての画素について領
域を特定していないと判定された場合、手続きは、ステ
ップS202に戻り、他の画素について、領域特定の処
理を繰り返す。
【0270】ステップS214において、フレーム#nの
全ての画素について領域を特定したと判定された場合、
ステップS215に進み、合成部205は、判定フラグ
格納フレームメモリ204に記憶されているアンカバー
ドバックグラウンド領域判定フラグ、およびカバードバ
ックグラウンド領域判定フラグを基に、混合領域を示す
領域情報を生成し、更に、各画素が、アンカバードバッ
クグラウンド領域、静止領域、動き領域、およびカバー
ドバックグラウンド領域のいずれかに属することを示す
領域情報を生成し、生成した領域情報を判定フラグ格納
フレームメモリ206に設定し、処理は終了する。
【0271】このように、領域特定部103は、フレー
ムに含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、
静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、または
カバードバックグラウンド領域に属することを示す領域
情報を生成することができる。
【0272】なお、領域特定部103は、アンカバード
バックグラウンド領域およびカバードバックグラウンド
領域に対応する領域情報に論理和を適用することによ
り、混合領域に対応する領域情報を生成して、フレーム
に含まれている画素のそれぞれについて、動き領域、静
止領域、または混合領域に属することを示すフラグから
成る領域情報を生成するようにしてもよい。
【0273】前景に対応するオブジェクトがテクスチャ
を有す場合、領域特定部103は、より正確に動き領域
を特定することができる。
【0274】領域特定部103は、動き領域を示す領域
情報を前景領域を示す領域情報として、また、静止領域
を示す領域情報を背景領域を示す領域情報として出力す
ることができる。
【0275】なお、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した領域を特定する処理を適用
することができる。例えば、背景領域に対応する画像が
一様に動いているとき、領域特定部103は、この動き
に対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応するオブ
ジェクトが静止している場合と同様に処理する。また、
背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを含んで
いるとき、領域特定部103は、動きに対応した画素を
選択して、上述の処理を実行する。
【0276】図42は、領域特定部103の構成の他の
例を示すブロック図である。図42に示す領域特定部1
03は、動きベクトルを使用しない。背景画像生成部3
01は、入力画像に対応する背景画像を生成し、生成し
た背景画像を2値オブジェクト画像抽出部302に供給
する。背景画像生成部301は、例えば、入力画像に含
まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェクト
を抽出して、背景画像を生成する。
【0277】前景のオブジェクトに対応する画像の動き
方向に隣接して1列に並ぶ画素の画素値を時間方向に展
開したモデル図の例を図43に示す。例えば、前景のオ
ブジェクトに対応する画像の動き方向が画面に対して水
平であるとき、図43におけるモデル図は、1つのライ
ン上の隣接する画素の画素値を時間方向に展開したモデ
ルを示す。
【0278】図43において、フレーム#nにおけるライ
ンは、フレーム#n-1およびフレーム#n+1におけるライン
と同一である。
【0279】フレーム#nにおいて、左から6番目の画素
乃至17番目の画素に含まれているオブジェクトに対応
する前景の成分は、フレーム#n-1において、左から2番
目乃至13番目の画素に含まれ、フレーム#n+1におい
て、左から10番目乃至21番目の画素に含まれる。
【0280】フレーム#n-1において、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素は、左から11番目乃至13
番目の画素であり、アンカバードバックグラウンド領域
に属する画素は、左から2番目乃至4番目の画素であ
る。フレーム#nにおいて、カバードバックグラウンド領
域に属する画素は、左から15番目乃至17番目の画素
であり、アンカバードバックグラウンド領域に属する画
素は、左から6番目乃至8番目の画素である。フレーム
#n+1において、カバードバックグラウンド領域に属する
画素は、左から19番目乃至21番目の画素であり、ア
ンカバードバックグラウンド領域に属する画素は、左か
ら10番目乃至12番目の画素である。
【0281】フレーム#n-1において、背景領域に属する
画素は、左から1番目の画素、および左から14番目乃
至21番目の画素である。フレーム#nにおいて、背景領
域に属する画素は、左から1番目乃至5番目の画素、お
よび左から18番目乃至21番目の画素である。フレー
ム#n+1において、背景領域に属する画素は、左から1番
目乃至9番目の画素である。
【0282】背景画像生成部301が生成する、図43
の例に対応する背景画像の例を図44に示す。背景画像
は、背景のオブジェクトに対応する画素から構成され、
前景のオブジェクトに対応する画像の成分を含まない。
【0283】2値オブジェクト画像抽出部302は、背
景画像および入力画像の相関を基に、2値オブジェクト
画像を生成し、生成した2値オブジェクト画像を時間変
化検出部303に供給する。
【0284】図45は、2値オブジェクト画像抽出部3
02の構成を示すブロック図である。相関値演算部32
1は、背景画像生成部301から供給された背景画像お
よび入力画像の相関を演算し、相関値を生成して、生成
した相関値をしきい値処理部322に供給する。
【0285】相関値演算部321は、例えば、図46
(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背景画
像の中のブロックと、図46(B)に示すように、背景
画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3×3
の入力画像の中のブロックに、式(4)を適用して、Y
4に対応する相関値を算出する。
【0286】
【数2】
【数3】
【数4】
【0287】相関値演算部321は、このように各画素
に対応して算出された相関値をしきい値処理部322に
供給する。
【0288】また、相関値演算部321は、例えば、図
47(A)に示すように、X4を中心とした3×3の背
景画像の中のブロックと、図47(B)に示すように、
背景画像の中のブロックに対応するY4を中心とした3
×3の入力画像の中のブロックに、式(7)を適用し
て、Y4に対応する差分絶対値を算出するようにしても
よい。
【0289】
【数5】
【0290】相関値演算部321は、このように算出さ
れた差分絶対値を相関値として、しきい値処理部322
に供給する。
【0291】しきい値処理部322は、相関画像の画素
値としきい値th0とを比較して、相関値がしきい値th0以
下である場合、2値オブジェクト画像の画素値に1を設
定し、相関値がしきい値th0より大きい場合、2値オブ
ジェクト画像の画素値に0を設定して、0または1が画素
値に設定された2値オブジェクト画像を出力する。しき
い値処理部322は、しきい値th0を予め記憶するよう
にしてもよく、または、外部から入力されたしきい値th
0を使用するようにしてもよい。
【0292】図48は、図43に示す入力画像のモデル
に対応する2値オブジェクト画像の例を示す図である。
2値オブジェクト画像において、背景画像と相関の高い
画素には、画素値に0が設定される。
【0293】図49は、時間変化検出部303の構成を
示すブロック図である。フレームメモリ341は、フレ
ーム#nの画素について領域を判定するとき、2値オブジ
ェクト画像抽出部302から供給された、フレーム#n-
1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブジェク
ト画像を記憶する。
【0294】領域判定部342は、フレームメモリ34
1に記憶されているフレーム#n-1、フレーム#n、および
フレーム#n+1の2値オブジェクト画像を基に、フレーム
#nの各画素について領域を判定して、領域情報を生成
し、生成した領域情報を出力する。
【0295】図50は、領域判定部342の判定を説明
する図である。フレーム#nの2値オブジェクト画像の注
目している画素が0であるとき、領域判定部342は、
フレーム#nの注目している画素が背景領域に属すると判
定する。
【0296】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が1であり、フレーム#n+1の2
値オブジェクト画像の対応する画素が1であるとき、領
域判定部342は、フレーム#nの注目している画素が前
景領域に属すると判定する。
【0297】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部3
42は、フレーム#nの注目している画素がカバードバッ
クグラウンド領域に属すると判定する。
【0298】フレーム#nの2値オブジェクト画像の注目
している画素が1であり、フレーム#n+1の2値オブジェ
クト画像の対応する画素が0であるとき、領域判定部3
42は、フレーム#nの注目している画素がアンカバード
バックグラウンド領域に属すると判定する。
【0299】図51は、図43に示す入力画像のモデル
に対応する2値オブジェクト画像について、時間変化検
出部303の判定した例を示す図である。時間変化検出
部303は、2値オブジェクト画像のフレーム#nの対応
する画素が0なので、フレーム#nの左から1番目乃至5
番目の画素を背景領域に属すると判定する。
【0300】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n+1の
対応する画素が0なので、左から6番目乃至9番目の画
素をアンカバードバックグラウンド領域に属すると判定
する。
【0301】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の
対応する画素が1であり、フレーム#n+1の対応する画素
が1なので、左から10番目乃至13番目の画素を前景
領域に属すると判定する。
【0302】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの画素が1であり、フレーム#n-1の
対応する画素が0なので、左から14番目乃至17番目
の画素をカバードバックグラウンド領域に属すると判定
する。
【0303】時間変化検出部303は、2値オブジェク
ト画像のフレーム#nの対応する画素が0なので、左から
18番目乃至21番目の画素を背景領域に属すると判定
する。
【0304】次に、図52のフローチャートを参照し
て、領域判定部103の領域特定の処理を説明する。ス
テップS301において、領域判定部103の背景画像
生成部301は、入力画像を基に、例えば、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを抽出して背景画像を生成し、生成した背景画像を2
値オブジェクト画像抽出部302に供給する。
【0305】ステップS302において、2値オブジェ
クト画像抽出部302は、例えば、図46を参照して説
明した演算により、入力画像と背景画像生成部301か
ら供給された背景画像との相関値を演算する。ステップ
S303において、2値オブジェクト画像抽出部302
は、例えば、相関値としきい値th0とを比較することに
より、相関値およびしきい値th0から2値オブジェクト
画像を演算する。
【0306】ステップS304において、時間変化検出
部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了す
る。
【0307】図53のフローチャートを参照して、ステ
ップS304に対応する領域判定の処理の詳細を説明す
る。ステップS321において、時間変化検出部303
の領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶さ
れているフレーム#nにおいて、注目する画素が0である
か否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が
0であると判定された場合、ステップS322に進み、
フレーム#nの注目する画素が背景領域に属すると設定し
て、処理は終了する。
【0308】ステップS321において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が1であると判定された場合、ス
テップS323に進み、時間変化検出部303の領域判
定部342は、フレームメモリ341に記憶されている
フレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、かつ、
フレーム#n-1において、対応する画素が0であるか否か
を判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が1であ
り、かつ、フレーム#n-1において、対応する画素が0で
あると判定された場合、ステップS324に進み、フレ
ーム#nの注目する画素がカバードバックグラウンド領域
に属すると設定して、処理は終了する。
【0309】ステップS323において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#
n-1において、対応する画素が1であると判定された場
合、ステップS325に進み、時間変化検出部303の
領域判定部342は、フレームメモリ341に記憶され
ているフレーム#nにおいて、注目する画素が1であり、
かつ、フレーム#n+1において、対応する画素が0である
か否かを判定し、フレーム#nにおいて、注目する画素が
1であり、かつ、フレーム#n+1において、対応する画素
が0であると判定された場合、ステップS326に進
み、フレーム#nの注目する画素がアンカバードバックグ
ラウンド領域に属すると設定して、処理は終了する。
【0310】ステップS325において、フレーム#nに
おいて、注目する画素が0であるか、または、フレーム#
n+1において、対応する画素が1であると判定された場
合、ステップS327に進み、時間変化検出部303の
領域判定部342は、フレーム#nの注目する画素を前景
領域と設定して、処理は終了する。
【0311】このように、領域特定部103は、入力さ
れた画像と対応する背景画像との相関値を基に、入力画
像の画素が前景領域、背景領域、カバードバックグラウ
ンド領域、およびアンカバードバックグラウンド領域の
いずれかに属するかを特定して、特定した結果に対応す
る領域情報を生成することができる。
【0312】図54は、領域特定部103の他の構成を
示すブロック図である。図54に示す領域特定部103
は、動き検出部102から供給される動きベクトルとそ
の位置情報を使用する。図42に示す場合と同様の部分
には、同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0313】ロバスト化部361は、2値オブジェクト
画像抽出部302から供給された、N個のフレームの2
値オブジェクト画像を基に、ロバスト化された2値オブ
ジェクト画像を生成して、時間変化検出部303に出力
する。
【0314】図55は、ロバスト化部361の構成を説
明するブロック図である。動き補償部381は、動き検
出部102から供給された動きベクトルとその位置情報
を基に、N個のフレームの2値オブジェクト画像の動き
を補償して、動きが補償された2値オブジェクト画像を
スイッチ382に出力する。
【0315】図56および図57の例を参照して、動き
補償部381の動き補償について説明する。例えば、フ
レーム#nの領域を判定するとき、図56に例を示すフレ
ーム#n-1、フレーム#n、およびフレーム#n+1の2値オブ
ジェクト画像が入力された場合、動き補償部381は、
動き検出部102から供給された動きベクトルを基に、
図57に例を示すように、フレーム#n-1の2値オブジェ
クト画像、およびフレーム#n+1の2値オブジェクト画像
を動き補償して、動き補償された2値オブジェクト画像
をスイッチ382に供給する。
【0316】スイッチ382は、1番目のフレームの動
き補償された2値オブジェクト画像をフレームメモリ3
83−1に出力し、2番目のフレームの動き補償された
2値オブジェクト画像をフレームメモリ383−2に出
力する。同様に、スイッチ382は、3番目乃至N−1
番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像
のそれぞれをフレームメモリ383−3乃至フレームメ
モリ383−(N−1)のいずれかに出力し、N番目の
フレームの動き補償された2値オブジェクト画像をフレ
ームメモリ383−Nに出力する。
【0317】フレームメモリ383−1は、1番目のフ
レームの動き補償された2値オブジェクト画像を記憶
し、記憶されている2値オブジェクト画像を重み付け部
384−1に出力する。フレームメモリ383−2は、
2番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画
像を記憶し、記憶されている2値オブジェクト画像を重
み付け部384−2に出力する。
【0318】同様に、フレームメモリ383−3乃至フ
レームメモリ383−(N−1)のそれぞれは、3番目
のフレーム乃至N−1番目のフレームの動き補償された
2値オブジェクト画像のいずれかを記憶し、記憶されて
いる2値オブジェクト画像を重み付け部384−3乃至
重み付け部384−(N−1)のいずれかに出力する。
フレームメモリ383−Nは、N番目のフレームの動き
補償された2値オブジェクト画像を記憶し、記憶されて
いる2値オブジェクト画像を重み付け部384−Nに出
力する。
【0319】重み付け部384−1は、フレームメモリ
383−1から供給された1番目のフレームの動き補償
された2値オブジェクト画像の画素値に予め定めた重み
w1を乗じて、積算部385に供給する。重み付け部38
4−2は、フレームメモリ383−2から供給された2
番目のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像
の画素値に予め定めた重みw2を乗じて、積算部385に
供給する。
【0320】同様に、重み付け部384−3乃至重み付
け部384−(N−1)のそれぞれは、フレームメモリ
383−3乃至フレームメモリ383−(N−1)のい
ずれかから供給された3番目乃至N−1番目のいずれか
のフレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画
素値に予め定めた重みw3乃至重みw(N-1)のいずれかを乗
じて、積算部385に供給する。重み付け部384−N
は、フレームメモリ383−Nから供給されたN番目の
フレームの動き補償された2値オブジェクト画像の画素
値に予め定めた重みwNを乗じて、積算部385に供給す
る。
【0321】積算部385は、1乃至N番目のフレーム
の動き補償され、それぞれ重みw1乃至wNのいずれかが乗
じられた、2値オブジェクト画像の対応する画素値を積
算して、積算された画素値を予め定めたしきい値th0と
比較することにより2値オブジェクト画像を生成する。
【0322】このように、ロバスト化部361は、N個
の2値オブジェクト画像からロバスト化された2値オブ
ジェト画像を生成して、時間変化検出部303に供給す
るので、図54に構成を示す領域特定部103は、入力
画像にノイズが含まれていても、図42に示す場合に比
較して、より正確に領域を特定することができる。
【0323】次に、図54に構成を示す領域特定部10
3の領域特定の処理について、図58のフローチャート
を参照して説明する。ステップS341乃至ステップS
343の処理は、図52のフローチャートで説明したス
テップS301乃至ステップS303とそれぞれ同様な
のでその説明は省略する。
【0324】ステップS344において、ロバスト化部
361は、ロバスト化の処理を実行する。
【0325】ステップS345において、時間変化検出
部303は、領域判定の処理を実行して、処理は終了す
る。ステップS345の処理の詳細は、図53のフロー
チャートを参照して説明した処理と同様なのでその説明
は省略する。
【0326】次に、図59のフローチャートを参照し
て、図58のステップS344の処理に対応する、ロバ
スト化の処理の詳細について説明する。ステップS36
1において、動き補償部381は、動き検出部102か
ら供給される動きベクトルとその位置情報を基に、入力
された2値オブジェクト画像の動き補償の処理を実行す
る。ステップS362において、フレームメモリ383
−1乃至383−Nのいずれかは、スイッチ382を介
して供給された動き補償された2値オブジェクト画像を
記憶する。
【0327】ステップS363において、ロバスト化部
361は、N個の2値オブジェクト画像が記憶されたか
否かを判定し、N個の2値オブジェクト画像が記憶され
ていないと判定された場合、ステップS361に戻り、
2値オブジェクト画像の動き補償の処理および2値オブ
ジェクト画像の記憶の処理を繰り返す。
【0328】ステップS363において、N個の2値オ
ブジェクト画像が記憶されたと判定された場合、ステッ
プS364に進み、重み付け部384−1乃至384−
Nのそれぞれは、N個の2値オブジェクト画像のそれぞ
れにw1乃至wNのいずれかの重みを乗じて、重み付けす
る。
【0329】ステップS365において、積算部385
は、重み付けされたN個の2値オブジェクト画像を積算
する。
【0330】ステップS366において、積算部385
は、例えば、予め定められたしきい値th1との比較など
により、積算された画像から2値オブジェクト画像を生
成して、処理は終了する。
【0331】このように、図54に構成を示す領域特定
部103は、ロバスト化された2値オブジェクト画像を
基に、領域情報を生成することができる。
【0332】以上のように、領域特定部103は、フレ
ームに含まれている画素のそれぞれについて、動き領
域、静止領域、アンカバードバックグラウンド領域、ま
たはカバードバックグラウンド領域に属することを示す
領域情報を生成することができる。
【0333】図60は、混合比算出部104の構成の一
例を示すブロック図である。推定混合比処理部401
は、入力画像を基に、カバードバックグラウンド領域の
モデルに対応する演算により、画素毎に推定混合比を算
出して、算出した推定混合比を混合比決定部403に供
給する。
【0334】推定混合比処理部402は、入力画像を基
に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応
する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を混合比決定部403に供給する。
【0335】前景に対応するオブジェクトがシャッタ時
間内に等速で動いていると仮定できるので、混合領域に
属する画素の混合比αは、以下の性質を有する。すなわ
ち、混合比αは、画素の位置の変化に対応して、直線的
に変化する。画素の位置の変化を1次元とすれば、混合
比αの変化は、直線で表現することができ、画素の位置
の変化を2次元とすれば、混合比αの変化は、平面で表
現することができる。
【0336】なお、1フレームの期間は短いので、前景
に対応するオブジェクトが剛体であり、等速で移動して
いると仮定が成り立つ。
【0337】この場合、混合比αの傾きは、前景のシャ
ッタ時間内での動き量vの逆比となる。
【0338】理想的な混合比αの例を図61に示す。理
想的な混合比αの混合領域における傾きlは、動き量vの
逆数として表すことができる。
【0339】図61に示すように、理想的な混合比α
は、背景領域において、1の値を有し、前景領域におい
て、0の値を有し、混合領域において、0を越え1未満
の値を有する。
【0340】図62の例において、フレーム#nの左から
7番目の画素の画素値C06は、フレーム#n-1の左から7
番目の画素の画素値P06を用いて、式(8)で表すこと
ができる。
【0341】
【数6】
【0342】式(8)において、画素値C06を混合領域
の画素の画素値Mと、画素値P06を背景領域の画素の画素
値Bと表現する。すなわち、混合領域の画素の画素値Mお
よび背景領域の画素の画素値Bは、それぞれ、式(9)
および式(10)のように表現することができる。
【0343】 M=C06 (9) B=P06 (10)
【0344】式(8)中の2/vは、混合比αに対応す
る。動き量vが4なので、フレーム#nの左から7番目の
画素の混合比αは、0.5となる。
【0345】以上のように、注目しているフレーム#nの
画素値Cを混合領域の画素値と見なし、フレーム#nの前
のフレーム#n-1の画素値Pを背景領域の画素値と見なす
ことで、混合比αを示す式(3)は、式(11)のよう
に書き換えられる。
【0346】 C=α・P+f (11) 式(11)のfは、注目している画素に含まれる前景の
成分の和ΣiFi/vである。式(11)に含まれる変数
は、混合比αおよび前景の成分の和fの2つである。
【0347】同様に、アンカバードバックグラウンド領
域における、動き量vが4であり、時間方向の仮想分割
数が4である、画素値を時間方向に展開したモデルを図
63に示す。
【0348】アンカバードバックグラウンド領域におい
て、上述したカバードバックグラウンド領域における表
現と同様に、注目しているフレーム#nの画素値Cを混合
領域の画素値と見なし、フレーム#nの後のフレーム#n+1
の画素値Nを背景領域の画素値と見なすことで、混合比
αを示す式(3)は、式(12)のように表現すること
ができる。
【0349】 C=α・N+f (12)
【0350】なお、背景のオブジェクトが静止している
として説明したが、背景のオブジェクトが動いている場
合においても、背景の動き量vに対応させた位置の画素
の画素値を利用することにより、式(8)乃至式(1
2)を適用することができる。例えば、図62におい
て、背景に対応するオブジェクトの動き量vが2であ
り、仮想分割数が2であるとき、背景に対応するオブジ
ェクトが図中の右側に動いているとき、式(10)にお
ける背景領域の画素の画素値Bは、画素値P04とされる。
【0351】式(11)および式(12)は、それぞれ
2つの変数を含むので、そのままでは混合比αを求める
ことができない。ここで、画像は一般的に空間的に相関
が強いので近接する画素同士でほぼ同じ画素値となる。
【0352】そこで、前景成分は、空間的に相関が強い
ので、前景の成分の和fを前または後のフレームから導
き出せるように式を変形して、混合比αを求める。
【0353】図64のフレーム#nの左から7番目の画素
の画素値Mcは、式(13)で表すことができる。
【0354】
【数7】 式(13)の右辺第1項の2/vは、混合比αに相当す
る。式(13)の右辺第2項は、後のフレーム#n+1の画
素値を利用して、式(14)のように表すこととする。
【0355】
【数8】
【0356】ここで、前景の成分の空間相関を利用し
て、式(15)が成立するとする。
【0357】 F=F05=F06=F07=F08=F09=F10=F11=F12 (15) 式(14)は、式(15)を利用して、式(16)のよ
うに置き換えることができる。
【0358】
【数9】
【0359】結果として、βは、式(17)で表すこと
ができる。
【0360】 β=2/4 (17)
【0361】一般的に、式(15)に示すように混合領
域に関係する前景の成分が等しいと仮定すると、混合領
域の全ての画素について、内分比の関係から式(18)
が成立する。
【0362】 β=1-α (18)
【0363】式(18)が成立するとすれば、式(1
1)は、式(19)に示すように展開することができ
る。
【0364】
【数10】
【0365】同様に、式(18)が成立するとすれば、
式(12)は、式(20)に示すように展開することが
できる。
【0366】
【数11】
【0367】式(19)および式(20)において、
C,N、およびPは、既知の画素値なので、式(19)お
よび式(20)に含まれる変数は、混合比αのみであ
る。式(19)および式(20)における、C,N、およ
びPの関係を図65に示す。Cは、混合比αを算出する、
フレーム#nの注目している画素の画素値である。Nは、
注目している画素と空間方向の位置が対応する、フレー
ム#n+1の画素の画素値である。Pは、注目している画素
と空間方向の位置が対応する、フレーム#n-1の画素の画
素値である。
【0368】従って、式(19)および式(20)のそ
れぞれに1つの変数が含まれることとなるので、3つの
フレームの画素の画素値を利用して、混合比αを算出す
ることができる。式(19)および式(20)を解くこ
とにより、正しい混合比αが算出されるための条件は、
混合領域に関係する前景の成分が等しい、すなわち、前
景のオブジェクトが静止しているとき撮像された前景の
画像オブジェクトにおいて、前景のオブジェクトの動き
の方向に対応する、画像オブジェクトの境界に位置する
画素であって、動き量vの2倍の数の連続している画素
の画素値が、一定であることである。
【0369】以上のように、カバードバックグラウンド
領域に属する画素の混合比αは、式(21)により算出
され、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素
の混合比αは、式(22)により算出される。
【0370】 α=(C-N)/(P-N) (21) α=(C-P)/(N-P) (22)
【0371】図66は、推定混合比処理部401の構成
を示すブロック図である。フレームメモリ421は、入
力された画像をフレーム単位で記憶し、入力画像として
入力されているフレームから1つ後のフレームをフレー
ムメモリ422および混合比演算部423に供給する。
【0372】フレームメモリ422は、入力された画像
をフレーム単位で記憶し、フレームメモリ421から供
給されているフレームから1つ後のフレームを混合比演
算部423に供給する。
【0373】従って、入力画像としてフレーム#n+1が混
合比演算部423に入力されているとき、フレームメモ
リ421は、フレーム#nを混合比演算部423に供給
し、フレームメモリ422は、フレーム#n-1を混合比演
算部423に供給する。
【0374】混合比演算部423は、式(21)に示す
演算により、フレーム#nの注目している画素の画素値
C、注目している画素と空間的位置が対応する、フレー
ム#n+1の画素の画素値N、および注目している画素と空
間的位置が対応する、フレーム#n-1の画素の画素値Pを
基に、注目している画素の推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を出力する。例えば、背景が静止してい
るとき、混合比演算部423は、フレーム#nの注目して
いる画素の画素値C、注目している画素とフレーム内の
位置が同じ、フレーム#n+1の画素の画素値N、および注
目している画素とフレーム内の位置が同じ、フレーム#n
-1の画素の画素値Pを基に、注目している画素の推定混
合比を算出して、算出した推定混合比を出力する。
【0375】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を算出して、混合比決定部
403に供給することができる。
【0376】なお、推定混合比処理部402は、推定混
合比処理部401が式(21)に示す演算により、注目
している画素の推定混合比を算出するのに対して、式
(22)に示す演算により、注目している画素の推定混
合比を算出する部分が異なることを除き、推定混合比処
理部401と同様なので、その説明は省略する。
【0377】図67は、推定混合比処理部401により
算出された推定混合比の例を示す図である。図67に示
す推定混合比は、等速で動いているオブジェクトに対応
する前景の動き量vが11である場合の結果を、1ライ
ンに対して示すものである。
【0378】推定混合比は、混合領域において、図61
に示すように、ほぼ直線的に変化していることがわか
る。
【0379】図60に戻り、混合比決定部403は、領
域特定部103から供給された、混合比αの算出の対象
となる画素が、前景領域、背景領域、カバードバックグ
ラウンド領域、またはアンカバードバックグラウンド領
域のいずれかに属するかを示す領域情報を基に、混合比
αを設定する。混合比決定部403は、対象となる画素
が前景領域に属する場合、0を混合比αに設定し、対象
となる画素が背景領域に属する場合、1を混合比αに設
定し、対象となる画素がカバードバックグラウンド領域
に属する場合、推定混合比処理部401から供給された
推定混合比を混合比αに設定し、対象となる画素がアン
カバードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合
比処理部402から供給された推定混合比を混合比αに
設定する。混合比決定部403は、領域情報を基に設定
した混合比αを出力する。
【0380】図68は、混合比算出部104の他の構成
を示すブロック図である。選択部441は、領域特定部
103から供給された領域情報を基に、カバードバック
グラウンド領域に属する画素および、これに対応する前
および後のフレームの画素を推定混合比処理部442に
供給する。選択部441は、領域特定部103から供給
された領域情報を基に、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素および、これに対応する前および後の
フレームの画素を推定混合比処理部443に供給する。
【0381】推定混合比処理部442は、選択部441
から入力された画素値を基に、式(21)に示す演算に
より、カバードバックグラウンド領域に属する、注目し
ている画素の推定混合比を算出して、算出した推定混合
比を選択部444に供給する。
【0382】推定混合比処理部443は、選択部441
から入力された画素値を基に、式(22)に示す演算に
より、アンカバードバックグラウンド領域に属する、注
目している画素の推定混合比を算出して、算出した推定
混合比を選択部444に供給する。
【0383】選択部444は、領域特定部103から供
給された領域情報を基に、対象となる画素が前景領域に
属する場合、0である推定混合比を選択して、混合比α
に設定し、対象となる画素が背景領域に属する場合、1
である推定混合比を選択して、混合比αに設定する。選
択部444は、対象となる画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属する場合、推定混合比処理部442から供
給された推定混合比を選択して混合比αに設定し、対象
となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
る場合、推定混合比処理部443から供給された推定混
合比を選択して混合比αに設定する。選択部444は、
領域情報を基に選択して設定した混合比αを出力する。
【0384】このように、図68に示す他の構成を有す
る混合比算出部104は、画像の含まれる画素毎に混合
比αを算出して、算出した混合比αを出力することがで
きる。
【0385】図69のフローチャートを参照して、図6
0に構成を示す混合比算出部104の混合比αの算出の
処理を説明する。ステップS401において、混合比算
出部104は、領域特定部103から供給された領域情
報を取得する。ステップS402において、推定混合比
処理部401は、カバードバックグラウンド領域に対応
するモデルにより推定混合比の演算の処理を実行し、算
出した推定混合比を混合比決定部403に供給する。混
合比推定の演算の処理の詳細は、図70のフローチャー
トを参照して、後述する。
【0386】ステップS403において、推定混合比処
理部402は、アンカバードバックグラウンド領域に対
応するモデルにより推定混合比の演算の処理を実行し、
算出した推定混合比を混合比決定部403に供給する。
【0387】ステップS404において、混合比算出部
104は、フレーム全体について、混合比αを推定した
か否かを判定し、フレーム全体について、混合比αを推
定していないと判定された場合、ステップS402に戻
り、次の画素について混合比αを推定する処理を実行す
る。
【0388】ステップS404において、フレーム全体
について、混合比αを推定したと判定された場合、ステ
ップS405に進み、混合比決定部403は、画素が、
前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、
またはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに
属するかを示す、領域特定部103から供給された領域
情報を基に、混合比αを設定する。混合比決定部403
は、対象となる画素が前景領域に属する場合、0を混合
比αに設定し、対象となる画素が背景領域に属する場
合、1を混合比αに設定し、対象となる画素がカバード
バックグラウンド領域に属する場合、推定混合比処理部
401から供給された推定混合比を混合比αに設定し、
対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領域に
属する場合、推定混合比処理部402から供給された推
定混合比を混合比αに設定し、処理は終了する。
【0389】このように、混合比算出部104は、領域
特定部103から供給された領域情報、および入力画像
を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出
することができる。
【0390】図68に構成を示す混合比算出部104の
混合比αの算出の処理は、図69のフローチャートで説
明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0391】次に、図69のステップS402に対応す
る、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに
よる混合比推定の処理を図70のフローチャートを参照
して説明する。
【0392】ステップS421において、混合比演算部
423は、フレームメモリ421から、フレーム#nの注
目画素の画素値Cを取得する。
【0393】ステップS422において、混合比演算部
423は、フレームメモリ422から、注目画素に対応
する、フレーム#n-1の画素の画素値Pを取得する。
【0394】ステップS423において、混合比演算部
423は、入力画像に含まれる注目画素に対応する、フ
レーム#n+1の画素の画素値Nを取得する。
【0395】ステップS424において、混合比演算部
423は、フレーム#nの注目画素の画素値C、フレーム#
n-1の画素の画素値P、およびフレーム#n+1の画素の画素
値Nを基に、推定混合比を演算する。
【0396】ステップS425において、混合比演算部
423は、フレーム全体について、推定混合比を演算す
る処理を終了したか否かを判定し、フレーム全体につい
て、推定混合比を演算する処理を終了していないと判定
された場合、ステップS421に戻り、次の画素につい
て推定混合比を算出する処理を繰り返す。
【0397】ステップS425において、フレーム全体
について、推定混合比を演算する処理を終了したと判定
された場合、処理は終了する。
【0398】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を演算することができる。
【0399】図69のステップS403におけるアンカ
バードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混
合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域
のモデルに対応する式を利用した、図70のフローチャ
ートに示す処理と同様なので、その説明は省略する。
【0400】なお、図68に示す推定混合比処理部44
2および推定混合比処理部443は、図70に示すフロ
ーチャートと同様の処理を実行して推定混合比を演算す
るので、その説明は省略する。
【0401】また、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した混合比αを求める処理を適
用することができる。例えば、背景領域に対応する画像
が一様に動いているとき、推定混合比処理部401は、
背景の動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対
応するオブジェクトが静止している場合と同様に処理す
る。また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる背
景の動きを含んでいるとき、推定混合比処理部401
は、混合領域に属する画素に対応する画素として、背景
の動きに対応した画素を選択して、上述の処理を実行す
る。
【0402】また、混合比算出部104は、全ての画素
について、カバードバックグラウンド領域に対応するモ
デルによる混合比推定の処理のみを実行して、算出され
た推定混合比を混合比αとして出力するようにしてもよ
い。この場合において、混合比αは、カバードバックグ
ラウンド領域に属する画素について、背景の成分の割合
を示し、アンカバードバックグラウンド領域に属する画
素について、前景の成分の割合を示す。アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素について、このように
算出された混合比αと1との差分の絶対値を算出して、
算出した絶対値を混合比αに設定すれば、信号処理装置
は、アンカバードバックグラウンド領域に属する画素に
ついて、背景の成分の割合を示す混合比αを求めること
ができる。
【0403】なお、同様に、混合比算出部104は、全
ての画素について、アンカバードバックグラウンド領域
に対応するモデルによる混合比推定の処理のみを実行し
て、算出された推定混合比を混合比αとして出力するよ
うにしてもよい。
【0404】次に、混合比算出部104の他の処理につ
いて説明する。
【0405】シャッタ時間内において、前景に対応する
オブジェクトが等速で動くことによる、画素の位置の変
化に対応して、混合比αが直線的に変化する性質を利用
して、空間方向に、混合比αと前景の成分の和fとを近
似した式を立てることができる。混合領域に属する画素
の画素値および背景領域に属する画素の画素値の組の複
数を利用して、混合比αと前景の成分の和fとを近似し
た式を解くことにより、混合比αを算出する。
【0406】混合比αの変化を、直線として近似する
と、混合比αは、式(23)で表される。
【0407】 α=il+p (23) 式(23)において、iは、注目している画素の位置を
0とした空間方向のインデックスである。lは、混合比
αの直線の傾きである。pは、混合比αの直線の切片で
ある共に、注目している画素の混合比αである。式(2
3)において、インデックスiは、既知であるが、傾きl
および切片pは、未知である。
【0408】インデックスi、傾きl、および切片pの関
係を図71に示す。
【0409】混合比αを式(23)のように近似するこ
とにより、複数の画素に対して複数の異なる混合比α
は、2つの変数で表現される。図71に示す例におい
て、5つの画素に対する5つの混合比は、2つの変数で
ある傾きlおよび切片pにより表現される。
【0410】図72に示す平面で混合比αを近似する
と、画像の水平方向および垂直方向の2つの方向に対応
する動きvを考慮したとき、式(23)を平面に拡張し
て、混合比αは、式(24)で表される。
【0411】α=jm+kq+p (24) 式(24)において、jは、注目している画素の位置を
0とした水平方向のインデックスであり、kは、垂直方
向のインデックスである。mは、混合比αの面の水平方
向の傾きであり、qは、混合比αの面の垂直方向の傾き
である。pは、混合比αの面の切片である。
【0412】例えば、図62に示すフレーム#nにおい
て、C05乃至C07について、それぞれ、式(25)乃至式
(27)が成立する。
【0413】 C05=α05・B05/v+f05 (25) C06=α06・B06/v+f06 (26) C07=α07・B07/v+f07 (27)
【0414】前景の成分が近傍で一致する、すなわち、
F01乃至F03が等しいとして、F01乃至F03をFcに置き換え
ると式(28)が成立する。
【0415】 f(x)=(1-α(x))・Fc (28) 式(28)において、xは、空間方向の位置を表す。
【0416】α(x)を式(24)で置き換えると、式
(28)は、式(29)として表すことができる。
【0417】 f(x)=(1-(jm+kq+p))・Fc =j ・(-m・Fc)+k・(-q・Fc)+((1-p)・Fc) =js+kt+u (29)
【0418】式(29)において、(-m・Fc)、(-q・
Fc)、および(1-p)・Fcは、式(30)乃至式(32)
に示すように置き換えられている。
【0419】 s=-m・Fc (30) t=-q・Fc (31) u=(1-p)・Fc (32)
【0420】式(29)において、jは、注目している
画素の位置を0とした水平方向のインデックスであり、
kは、垂直方向のインデックスである。
【0421】このように、前景に対応するオブジェクト
がシャッタ時間内において等速に移動し、前景に対応す
る成分が近傍において一定であるという仮定が成立する
ので、前景の成分の和は、式(29)で近似される。
【0422】なお、混合比αを直線で近似する場合、前
景の成分の和は、式(33)で表すことができる。
【0423】 f(x)=is+u (33)
【0424】式(13)の混合比αおよび前景成分の和
を、式(24)および式(29)を利用して置き換える
と、画素値Mは、式(34)で表される。
【0425】 M=(jm+kq+p)・B+js+kt+u =jB・m+kB・q+B・p+j・s+k・t+u (34)
【0426】式(34)において、未知の変数は、混合
比αの面の水平方向の傾きm、混合比αの面の垂直方向
の傾きq、混合比αの面の切片p、s、t、およびuの6つ
である。
【0427】注目している画素の近傍の画素に対応させ
て、式(34)に示す正規方程式に、画素値Mまたは画
素値Bを設定し、画素値Mまたは画素値Bが設定された複
数の正規方程式を最小自乗法で解いて、混合比αを算出
する。
【0428】例えば、注目している画素の水平方向のイ
ンデックスjを0とし、垂直方向のインデックスkを0と
し、注目している画素の近傍の3×3の画素について、
式(34)に示す正規方程式に画素値Mまたは画素値Bを
設定すると、式(35)乃至式(43)を得る。 M-1,-1=(-1)・B-1,-1・m+(-1)・B-1,-1・q+B-1,-1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (35) M0,-1=(0)・B0,-1・m+(-1)・B0,-1・q+B0,-1・p+(0)・s+(-1)・t+u (36) M+1,-1=(+1)・B+1,-1・m+(-1)・B+1,-1・q+B+1,-1・p+(+1)・s+(-1)・t+u (37) M-1,0=(-1)・B-1,0・m+(0)・B-1,0・q+B-1,0・p+(-1)・s+(0)・t+u (38) M0,0=(0)・B0,0・m+(0)・B0,0・q+B0,0・p+(0)・s+(0)・t+u (39) M+1,0=(+1)・B+1,0・m+(0)・B+1,0・q+B+1,0・p+(+1)・s+(0)・t+u (40) M-1,+1=(-1)・B-1,+1・m+(+1)・B-1,+1・q+B-1,+1・p+(-1)・s+(+1)・t+u (41) M0,+1=(0)・B0,+1・m+(+1)・B0,+1・q+B0,+1・p+(0)・s+(+1)・t+u (42) M+1,+1=(+1)・B+1,+1・m+(+1)・B+1,+1・q+B+1,+1・p+(+1)・s+(+1)・t+u (43)
【0429】注目している画素の水平方向のインデック
スjが0であり、垂直方向のインデックスkが0であるの
で、注目している画素の混合比αは、式(24)より、
j=0およびk=0のときの値、すなわち、切片pに等しい。
【0430】従って、式(35)乃至式(43)の9つ
の式を基に、最小自乗法により、水平方向の傾きm、垂
直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuのそれぞれの値
を算出し、切片pを混合比αとして出力すればよい。
【0431】次に、最小自乗法を適用して混合比αを算
出するより具体的な手順を説明する。
【0432】インデックスiおよびインデックスkを1つ
のインデックスxで表現すると、インデックスi、インデ
ックスk、およびインデックスxの関係は、式(44)で
表される。
【0433】 x=(j+1)・3+(k+1) (44)
【0434】水平方向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片
p、s、t、およびuをそれぞれ変数w0,w1,w2,w3,w4、およ
びW5と表現し、jB,kB,B,j,k、および1をそれぞれa0,a1,
a2,a3,a4、およびa5と表現する。誤差exを考慮すると、
式(35)乃至式(43)は、式(45)に書き換える
ことができる。
【0435】
【数12】 式(45)において、xは、0乃至8の整数のいずれか
の値である。
【0436】式(45)から、式(46)を導くことが
できる。
【0437】
【数13】
【0438】ここで、最小自乗法を適用するため、誤差
の自乗和Eを式(47)に示すようにに定義する。
【0439】
【数14】
【0440】誤差が最小になるためには、誤差の自乗和
Eに対する、変数Wvの偏微分が0になればよい。ここ
で、vは、0乃至5の整数のいずれかの値である。従っ
て、式(48)を満たすようにwyを求める。
【0441】
【数15】
【0442】式(48)に式(46)を代入すると、式
(49)を得る。
【0443】
【数16】
【0444】式(49)のvに0乃至5の整数のいずれ
か1つを代入して得られる6つの式に、例えば、掃き出
し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用して、wyを算
出する。上述したように、w0は水平方向の傾きmであ
り、w1は垂直方向の傾きqであり、w2は切片pであり、w3
はsであり、w4はtであり、w5はuである。
【0445】以上のように、画素値Mおよび画素値Bを設
定した式に、最小自乗法を適用することにより、水平方
向の傾きm、垂直方向の傾きq、切片p、s、t、およびuを
求めることができる。
【0446】式(35)乃至式(43)に対応する説明
において、混合領域に含まれる画素の画素値をMとし、
背景領域に含まれる画素の画素値をBとして説明した
が、注目している画素が、カバードバックグラウンド領
域に含まれる場合、またはアンカバードバックグラウン
ド領域に含まれる場合のそれぞれに対して、正規方程式
を立てる必要がある。
【0447】例えば、図62に示す、フレーム#nのカバ
ードバックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを
求める場合、フレーム#nの画素のC04乃至C08、およびフ
レーム#n-1の画素の画素値P04乃至P08が、正規方程式に
設定される。
【0448】図63に示す、フレーム#nのアンカバード
バックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを求め
る場合、フレーム#nの画素のC28乃至C32、およびフレー
ム#n+1の画素の画素値N28乃至N32が、正規方程式に設定
される。
【0449】また、例えば、図73に示す、カバードバ
ックグラウンド領域に含まれる画素の混合比αを算出す
るとき、以下の式(50)乃至式(58)が立てられ
る。混合比αを算出する画素の画素値は、Mc5である。 Mc1=(-1)・Bc1・m+(-1)・Bc1・q+Bc1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (50) Mc2=(0)・Bc2・m+(-1)・Bc2・q+Bc2・p+(0)・s+(-1)・t+u (51) Mc3=(+1)・Bc3・m+(-1)・Bc3・q+Bc3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (52) Mc4=(-1)・Bc4・m+(0)・Bc4・q+Bc4・p+(-1)・s+(0)・t+u (53) Mc5=(0)・Bc5・m+(0)・Bc5・q+Bc5・p+(0)・s+(0)・t+u (54) Mc6=(+1)・Bc6・m+(0)・Bc6・q+Bc6・p+(+1)・s+(0)・t+u (55) Mc7=(-1)・Bc7・m+(+1)・Bc7・q+Bc7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (56) Mc8=(0)・Bc8・m+(+1)・Bc8・q+Bc8・p+(0)・s+(+1)・t+u (57) Mc9=(+1)・Bc9・m+(+1)・Bc9・q+Bc9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (58)
【0450】フレーム#nのカバードバックグラウンド領
域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式(5
0)乃至式(58)において、フレーム#nの画素に対応
する、フレーム#n-1の画素の背景領域の画素の画素値Bc
1乃至Bc9が使用される。
【0451】図73に示す、アンカバードバックグラウ
ンド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、以
下の式(59)乃至式(67)が立てられる。混合比α
を算出する画素の画素値は、Mu5である。 Mu1=(-1)・Bu1・m+(-1)・Bu1・q+Bu1・p+(-1)・s+(-1)・t+u (59) Mu2=(0)・Bu2・m+(-1)・Bu2・q+Bu2・p+(0)・s+(-1)・t+u (60) Mu3=(+1)・Bu3・m+(-1)・Bu3・q+Bu3・p+(+1)・s+(-1)・t+u (61) Mu4=(-1)・Bu4・m+(0)・Bu4・q+Bu4・p+(-1)・s+(0)・t+u (62) Mu5=(0)・Bu5・m+(0)・Bu5・q+Bu5・p+(0)・s+(0)・t+u (63) Mu6=(+1)・Bu6・m+(0)・Bu6・q+Bu6・p+(+1)・s+(0)・t+u (64) Mu7=(-1)・Bu7・m+(+1)・Bu7・q+Bu7・p+(-1)・s+(+1)・t+u (65) Mu8=(0)・Bu8・m+(+1)・Bu8・q+Bu8・p+(0)・s+(+1)・t+u (66) Mu9=(+1)・Bu9・m+(+1)・Bu9・q+Bu9・p+(+1)・s+(+1)・t+u (67)
【0452】フレーム#nのアンカバードバックグラウン
ド領域に含まれる画素の混合比αを算出するとき、式
(59)乃至式(67)において、フレーム#nの画素に
対応する、フレーム#n+1の画素の背景領域の画素の画素
値Bu1乃至Bu9が使用される。
【0453】図74は、推定混合比処理部401の構成
を示すブロック図である。推定混合比処理部401に入
力された画像は、遅延部501および足し込み部502
に供給される。
【0454】遅延回路221は、入力画像を1フレーム
遅延させ、足し込み部502に供給する。足し込み部5
02に、入力画像としてフレーム#nが入力されていると
き、遅延回路221は、フレーム#n-1を足し込み部50
2に供給する。
【0455】足し込み部502は、混合比αを算出する
画素の近傍の画素の画素値、およびフレーム#n-1の画素
値を、正規方程式に設定する。例えば、足し込み部50
2は、式(50)乃至式(58)に基づいて、正規方程
式に画素値Mc1乃至Mc9および画素値Bc1乃至Bc9を設定す
る。足し込み部502は、画素値が設定された正規方程
式を演算部503に供給する。
【0456】演算部503は、足し込み部502から供
給された正規方程式を掃き出し法などにより解いて推定
混合比を求め、求められた推定混合比を出力する。
【0457】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を算出して、混合比決定部
403に供給することができる。
【0458】なお、推定混合比処理部402は、推定混
合比処理部401と同様の構成を有するので、その説明
は省略する。
【0459】図75は、推定混合比処理部401により
算出された推定混合比の例を示す図である。図75に示
す推定混合比は、等速で動いているオブジェクトに対応
する前景の動きvが11であり、7×7画素のブロック
を単位として方程式を生成して算出された結果を、1ラ
インに対して示すものである。
【0460】推定混合比は、混合領域において、図61
に示すように、ほぼ直線的に変化していることがわか
る。
【0461】混合比決定部403は、領域特定部101
から供給された、混合比が算出される画素が、前景領
域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、または
アンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属する
かを示す領域情報を基に、混合比を設定する。混合比決
定部403は、対象となる画素が前景領域に属する場
合、0を混合比に設定し、対象となる画素が背景領域に
属する場合、1を混合比に設定し、対象となる画素がカ
バードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合比
処理部401から供給された推定混合比を混合比に設定
し、対象となる画素がアンカバードバックグラウンド領
域に属する場合、推定混合比処理部402から供給され
た推定混合比を混合比に設定する。混合比決定部403
は、領域情報を基に設定した混合比を出力する。
【0462】図76のフローチャートを参照して、推定
混合比処理部401が図74に示す構成を有する場合に
おける、混合比算出部102の混合比の算出の処理を説
明する。ステップS501において、混合比算出部10
2は、領域特定部101から供給された領域情報を取得
する。ステップS502において、推定混合比処理部4
01は、カバードバックグラウンド領域に対応するモデ
ルによる混合比推定の処理を実行し、推定混合比を混合
比決定部403に供給する。混合比推定の処理の詳細
は、図77のフローチャートを参照して、後述する。
【0463】ステップS503において、推定混合比処
理部402は、アンカバードバックグラウンド領域に対
応するモデルによる混合比推定の処理を実行し、推定混
合比を混合比決定部403に供給する。
【0464】ステップS504において、混合比算出部
102は、フレーム全体について、混合比を推定したか
否かを判定し、フレーム全体について、混合比を推定し
ていないと判定された場合、ステップS502に戻り、
次の画素について混合比を推定する処理を実行する。
【0465】ステップS504において、フレーム全体
について、混合比を推定したと判定された場合、ステッ
プS505に進み、混合比決定部403は、領域特定部
101から供給された、混合比が算出される画素が、前
景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、ま
たはアンカバードバックグラウンド領域のいずれかに属
するかを示す領域情報を基に、混合比を設定する。混合
比決定部403は、対象となる画素が前景領域に属する
場合、0を混合比に設定し、対象となる画素が背景領域
に属する場合、1を混合比に設定し、対象となる画素が
カバードバックグラウンド領域に属する場合、推定混合
比処理部401から供給された推定混合比を混合比に設
定し、対象となる画素がアンカバードバックグラウンド
領域に属する場合、推定混合比処理部402から供給さ
れた推定混合比を混合比に設定し、処理は終了する。
【0466】このように、混合比算出部102は、領域
特定部101から供給された領域情報、および入力画像
を基に、各画素に対応する特徴量である混合比αを算出
することができる。
【0467】混合比αを利用することにより、動いてい
るオブジェクトに対応する画像に含まれる動きボケの情
報を残したままで、画素値に含まれる前景の成分と背景
の成分とを分離することが可能になる。
【0468】また、混合比αに基づいて画像を合成すれ
ば、実世界を実際に撮影し直したような動いているオブ
ジェクトのスピードに合わせた正しい動きボケを含む画
像を作ることが可能になる。
【0469】次に、図76のステップS502に対応す
る、カバードバックグラウンド領域に対応するモデルに
よる混合比推定の処理を図77のフローチャートを参照
して説明する。
【0470】ステップS521において、足し込み部5
02は、入力された画像に含まれる画素値、および遅延
回路221から供給される画像に含まれる画素値を、カ
バードバックグラウンド領域のモデルに対応する正規方
程式に設定する。
【0471】ステップS522において、推定混合比処
理部401は、対象となる画素についての設定が終了し
たか否かを判定し、対象となる画素についての設定が終
了していないと判定された場合、ステップS521に戻
り、正規方程式への画素値の設定の処理を繰り返す。
【0472】ステップS522において、対象となる画
素についての画素値の設定が終了したと判定された場
合、ステップS523に進み、演算部173は、画素値
が設定された正規方程式を基に、推定混合比を演算し
て、求められた推定混合比を出力する。
【0473】このように、推定混合比処理部401は、
入力画像を基に、推定混合比を演算することができる。
【0474】図76のステップS153におけるアンカ
バードバックグラウンド領域に対応するモデルによる混
合比推定の処理は、アンカバードバックグラウンド領域
のモデルに対応する正規方程式を利用した、図77のフ
ローチャートに示す処理と同様なので、その説明は省略
する。
【0475】なお、背景に対応するオブジェクトが静止
しているとして説明したが、背景領域に対応する画像が
動きを含んでいても上述した混合比を求める処理を適用
することができる。例えば、背景領域に対応する画像が
一様に動いているとき、推定混合比処理部401は、こ
の動きに対応して画像全体をシフトさせ、背景に対応す
るオブジェクトが静止している場合と同様に処理する。
また、背景領域に対応する画像が局所毎に異なる動きを
含んでいるとき、推定混合比処理部401は、混合領域
に属する画素に対応する画素として、動きに対応した画
素を選択して、上述の処理を実行する。
【0476】次に、前景背景分離部105について説明
する。図78は、前景背景分離部105の構成の一例を
示すブロック図である。前景背景分離部105に供給さ
れた入力画像は、分離部601、スイッチ602、およ
びスイッチ604に供給される。カバードバックグラウ
ンド領域を示す情報、およびアンカバードバックグラウ
ンド領域を示す、領域特定部103から供給された領域
情報は、分離部601に供給される。前景領域を示す領
域情報は、スイッチ602に供給される。背景領域を示
す領域情報は、スイッチ604に供給される。
【0477】混合比算出部104から供給された混合比
αは、分離部601に供給される。
【0478】分離部601は、カバードバックグラウン
ド領域を示す領域情報、アンカバードバックグラウンド
領域を示す領域情報、および混合比αを基に、入力画像
から前景の成分を分離して、分離した前景の成分を合成
部603に供給するとともに、入力画像から背景の成分
を分離して、分離した背景の成分を合成部605に供給
する。
【0479】スイッチ602は、前景領域を示す領域情
報を基に、前景に対応する画素が入力されたとき、閉じ
られ、入力画像に含まれる前景に対応する画素のみを合
成部603に供給する。
【0480】スイッチ604は、背景領域を示す領域情
報を基に、背景に対応する画素が入力されたとき、閉じ
られ、入力画像に含まれる背景に対応する画素のみを合
成部605に供給する。
【0481】合成部603は、分離部601から供給さ
れた前景に対応する成分、スイッチ602から供給され
た前景に対応する画素を基に、前景成分画像を合成し、
合成した前景成分画像を出力する。前景領域と混合領域
とは重複しないので、合成部603は、例えば、前景に
対応する成分と、前景に対応する画素とに論理和の演算
を適用して、前景成分画像を合成する。
【0482】合成部603は、前景成分画像の合成の処
理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵して
いるフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格
納し、前景成分画像の合成の処理において、前景成分画
像を格納(上書き)する。従って、合成部603が出力
する前景成分画像の内、背景領域に対応する画素には、
画素値として0が格納されている。
【0483】合成部605は、分離部601から供給さ
れた背景に対応する成分、スイッチ604から供給され
た背景に対応する画素を基に、背景成分画像を合成し
て、合成した背景成分画像を出力する。背景領域と混合
領域とは重複しないので、合成部605は、例えば、背
景に対応する成分と、背景に対応する画素とに論理和の
演算を適用して、背景成分画像を合成する。
【0484】合成部605は、背景成分画像の合成の処
理の最初に実行される初期化の処理において、内蔵して
いるフレームメモリに全ての画素値が0である画像を格
納し、背景成分画像の合成の処理において、背景成分画
像を格納(上書き)する。従って、合成部605が出力
する背景成分画像の内、前景領域に対応する画素には、
画素値として0が格納されている。
【0485】図79は、前景背景分離部105に入力さ
れる入力画像、並びに前景背景分離部105から出力さ
れる前景成分画像および背景成分画像を示す図である。
【0486】図79(A)は、表示される画像の模式図
であり、図79(B)は、図79(A)に対応する前景
領域に属する画素、背景領域に属する画素、および混合
領域に属する画素を含む1ラインの画素を時間方向に展
開したモデル図を示す。
【0487】図79(A)および図79(B)に示すよ
うに、前景背景分離部105から出力される背景成分画
像は、背景領域に属する画素、および混合領域の画素に
含まれる背景の成分から構成される。
【0488】図79(A)および図79(B)に示すよ
うに、前景背景分離部105から出力される前景成分画
像は、前景領域に属する画素、および混合領域の画素に
含まれる前景の成分から構成される。
【0489】混合領域の画素の画素値は、前景背景分離
部105により、背景の成分と、前景の成分とに分離さ
れる。分離された背景の成分は、背景領域に属する画素
と共に、背景成分画像を構成する。分離された前景の成
分は、前景領域に属する画素と共に、前景成分画像を構
成する。
【0490】このように、前景成分画像は、背景領域に
対応する画素の画素値が0とされ、前景領域に対応する
画素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値
が設定される。同様に、背景成分画像は、前景領域に対
応する画素の画素値が0とされ、背景領域に対応する画
素および混合領域に対応する画素に意味のある画素値が
設定される。
【0491】次に、分離部601が実行する、混合領域
に属する画素から前景の成分、および背景の成分を分離
する処理について説明する。
【0492】図80は、図中の左から右に移動するオブ
ジェクトに対応する前景を含む、2つのフレームの前景
の成分および背景の成分を示す画像のモデルである。図
80に示す画像のモデルにおいて、前景の動き量vは4
であり、仮想分割数は、4とされている。
【0493】フレーム#nにおいて、最も左の画素、およ
び左から14番目乃至18番目の画素は、背景の成分の
みから成り、背景領域に属する。フレーム#nにおいて、
左から2番目乃至4番目の画素は、背景の成分および前
景の成分を含み、アンカバードバックグラウンド領域に
属する。フレーム#nにおいて、左から11番目乃至13
番目の画素は、背景の成分および前景の成分を含み、カ
バードバックグラウンド領域に属する。フレーム#nにお
いて、左から5番目乃至10番目の画素は、前景の成分
のみから成り、前景領域に属する。
【0494】フレーム#n+1において、左から1番目乃至
5番目の画素、および左から18番目の画素は、背景の
成分のみから成り、背景領域に属する。フレーム#n+1に
おいて、左から6番目乃至8番目の画素は、背景の成分
および前景の成分を含み、アンカバードバックグラウン
ド領域に属する。フレーム#n+1において、左から15番
目乃至17番目の画素は、背景の成分および前景の成分
を含み、カバードバックグラウンド領域に属する。フレ
ーム#n+1において、左から9番目乃至14番目の画素
は、前景の成分のみから成り、前景領域に属する。
【0495】図81は、カバードバックグラウンド領域
に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明する
図である。図81において、α1乃至α18は、フレー
ム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比である。
図81において、左から15番目乃至17番目の画素
は、カバードバックグラウンド領域に属する。
【0496】フレーム#nの左から15番目の画素の画素
値C15は、式(68)で表される。
【0497】 C15=B15/v+F09/v+F08/v+F07/v =α15・B15+F09/v+F08/v+F07/v =α15・P15+F09/v+F08/v+F07/v (68) ここで、α15は、フレーム#nの左から15番目の画素の
混合比である。P15は、フレーム#n-1の左から15番目
の画素の画素値である。
【0498】式(68)を基に、フレーム#nの左から1
5番目の画素の前景の成分の和f15は、式(69)で表
される。
【0499】 f15=F09/v+F08/v+F07/v =C15-α15・P15 (69)
【0500】同様に、フレーム#nの左から16番目の画
素の前景の成分の和f16は、式(70)で表され、フレ
ーム#nの左から17番目の画素の前景の成分の和f17
は、式(71)で表される。
【0501】 f16=C16-α16・P16 (70) f17=C17-α17・P17 (71)
【0502】このように、カバードバックグラウンド領
域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fcは、
式(72)で計算される。
【0503】 fc=C-α・P (72) Pは、1つ前のフレームの、対応する画素の画素値であ
る。
【0504】図82は、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素から前景の成分を分離する処理を説明
する図である。図82において、α1乃至α18は、フ
レーム#nにおける画素のぞれぞれに対応する混合比であ
る。図82において、左から2番目乃至4番目の画素
は、アンカバードバックグラウンド領域に属する。
【0505】フレーム#nの左から2番目の画素の画素値
C02は、式(73)で表される。
【0506】 C02=B02/v+B02/v+B02/v+F01/v =α2・B02+F01/v =α2・N02+F01/v (73) ここで、α2は、フレーム#nの左から2番目の画素の混
合比である。N02は、フレーム#n+1の左から2番目の画
素の画素値である。
【0507】式(73)を基に、フレーム#nの左から2
番目の画素の前景の成分の和f02は、式(74)で表さ
れる。
【0508】 f02=F01/v =C02-α2・N02 (74)
【0509】同様に、フレーム#nの左から3番目の画素
の前景の成分の和f03は、式(75)で表され、フレー
ム#nの左から4番目の画素の前景の成分の和f04は、式
(76)で表される。
【0510】 f03=C03-α3・N03 (75) f04=C04-α4・N04 (76)
【0511】このように、アンカバードバックグラウン
ド領域に属する画素の画素値Cに含まれる前景の成分fu
は、式(77)で計算される。
【0512】 fu=C-α・N (77) Nは、1つ後のフレームの、対応する画素の画素値であ
る。
【0513】このように、分離部601は、領域情報に
含まれる、カバードバックグラウンド領域を示す情報、
およびアンカバードバックグラウンド領域を示す情報、
並びに画素毎の混合比αを基に、混合領域に属する画素
から前景の成分、および背景の成分を分離することがで
きる。
【0514】図83は、以上で説明した処理を実行する
分離部601の構成の一例を示すブロック図である。分
離部601に入力された画像は、フレームメモリ621
に供給され、混合比算出部104から供給されたカバー
ドバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラ
ウンド領域を示す領域情報、並びに混合比αは、分離処
理ブロック622に入力される。
【0515】フレームメモリ621は、入力された画像
をフレーム単位で記憶する。フレームメモリ621は、
処理の対象がフレーム#nであるとき、フレーム#nの1つ
前のフレームであるフレーム#n-1、フレーム#n、および
フレーム#nの1つ後のフレームであるフレーム#n+1を記
憶する。
【0516】フレームメモリ621は、フレーム#n-1、
フレーム#n、およびフレーム#n+1の対応する画素を分離
処理ブロック622に供給する。
【0517】分離処理ブロック622は、カバードバッ
クグラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド
領域を示す領域情報、並びに混合比αを基に、フレーム
メモリ621から供給されたフレーム#n-1、フレーム#
n、およびフレーム#n+1の対応する画素の画素値に図8
1および図82を参照して説明した演算を適用して、フ
レーム#nの混合領域に属する画素から前景の成分および
背景の成分を分離して、フレームメモリ623に供給す
る。
【0518】分離処理ブロック622は、アンカバード
領域処理部631、カバード領域処理部632、合成部
633、および合成部634で構成されている。
【0519】アンカバード領域処理部631の乗算器6
41は、混合比αを、フレームメモリ621から供給さ
れたフレーム#n+1の画素の画素値に乗じて、スイッチ6
42に出力する。スイッチ642は、フレームメモリ6
21から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n+1の
画素に対応する)がアンカバードバックグラウンド領域
であるとき、閉じられ、乗算器641から供給された混
合比αを乗じた画素値を演算器643および合成部63
4に供給する。スイッチ642から出力されるフレーム
#n+1の画素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム
#nの対応する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0520】演算器643は、フレームメモリ621か
ら供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ
642から供給された背景の成分を減じて、前景の成分
を求める。演算器643は、アンカバードバックグラウ
ンド領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合
成部633に供給する。
【0521】カバード領域処理部632の乗算器651
は、混合比αを、フレームメモリ621から供給された
フレーム#n-1の画素の画素値に乗じて、スイッチ652
に出力する。スイッチ652は、フレームメモリ621
から供給されたフレーム#nの画素(フレーム#n-1の画素
に対応する)がカバードバックグラウンド領域であると
き、閉じられ、乗算器651から供給された混合比αを
乗じた画素値を演算器653および合成部634に供給
する。スイッチ652から出力されるフレーム#n-1の画
素の画素値に混合比αを乗じた値は、フレーム#nの対応
する画素の画素値の背景の成分に等しい。
【0522】演算器653は、フレームメモリ621か
ら供給されたフレーム#nの画素の画素値から、スイッチ
652から供給された背景の成分を減じて、前景の成分
を求める。演算器653は、カバードバックグラウンド
領域に属する、フレーム#nの画素の前景の成分を合成部
633に供給する。
【0523】合成部633は、フレーム#nの、演算器6
43から供給された、アンカバードバックグラウンド領
域に属する画素の前景の成分、および演算器653から
供給された、カバードバックグラウンド領域に属する画
素の前景の成分を合成して、フレームメモリ623に供
給する。
【0524】合成部634は、フレーム#nの、スイッチ
642から供給された、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素の背景の成分、およびスイッチ652
から供給された、カバードバックグラウンド領域に属す
る画素の背景の成分を合成して、フレームメモリ623
に供給する。
【0525】フレームメモリ623は、分離処理ブロッ
ク622から供給された、フレーム#nの混合領域の画素
の前景の成分と、背景の成分とをそれぞれに記憶する。
【0526】フレームメモリ623は、記憶しているフ
レーム#nの混合領域の画素の前景の成分、および記憶し
ているフレーム#nの混合領域の画素の背景の成分を出力
する。
【0527】特徴量である混合比αを利用することによ
り、画素値に含まれる前景の成分と背景の成分とを完全
に分離することが可能になる。
【0528】合成部603は、分離部601から出力さ
れた、フレーム#nの混合領域の画素の前景の成分と、前
景領域に属する画素とを合成して前景成分画像を生成す
る。合成部605は、分離部601から出力された、フ
レーム#nの混合領域の画素の背景の成分と、背景領域に
属する画素とを合成して背景成分画像を生成する。
【0529】図84は、図80のフレーム#nに対応す
る、前景成分画像の例と、背景成分画像の例を示す図で
ある。
【0530】図84(A)は、図80のフレーム#nに対
応する、前景成分画像の例を示す。最も左の画素、およ
び左から14番目の画素は、前景と背景が分離される前
において、背景の成分のみから成っていたので、画素値
が0とされる。
【0531】左から2番目乃至4番目の画素は、前景と
背景とが分離される前において、アンカバードバックグ
ラウンド領域に属し、背景の成分が0とされ、前景の成
分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番
目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カ
バードバックグラウンド領域に属し、背景の成分が0と
され、前景の成分がそのまま残されている。左から5番
目乃至10番目の画素は、前景の成分のみから成るの
で、そのまま残される。
【0532】図84(B)は、図80のフレーム#nに対
応する、背景成分画像の例を示す。最も左の画素、およ
び左から14番目の画素は、前景と背景とが分離される
前において、背景の成分のみから成っていたので、その
まま残される。
【0533】左から2番目乃至4番目の画素は、前景と
背景とが分離される前において、アンカバードバックグ
ラウンド領域に属し、前景の成分が0とされ、背景の成
分がそのまま残されている。左から11番目乃至13番
目の画素は、前景と背景とが分離される前において、カ
バードバックグラウンド領域に属し、前景の成分が0と
され、背景の成分がそのまま残されている。左から5番
目乃至10番目の画素は、前景と背景とが分離される前
において、前景の成分のみから成っていたので、画素値
が0とされる。
【0534】次に、図85に示すフローチャートを参照
して、前景背景分離部105による前景と背景との分離
の処理を説明する。ステップS601において、分離部
601のフレームメモリ621は、入力画像を取得し、
前景と背景との分離の対象となるフレーム#nを、その前
のフレーム#n-1およびその後のフレーム#n+1と共に記憶
する。
【0535】ステップS602において、分離部601
の分離処理ブロック622は、混合比算出部104から
供給された領域情報を取得する。ステップS603にお
いて、分離部601の分離処理ブロック622は、混合
比算出部104から供給された混合比αを取得する。
【0536】ステップS604において、アンカバード
領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、
フレームメモリ621から供給された、アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素の画素値から、背景の
成分を抽出する。
【0537】ステップS605において、アンカバード
領域処理部631は、領域情報および混合比αを基に、
フレームメモリ621から供給された、アンカバードバ
ックグラウンド領域に属する画素の画素値から、前景の
成分を抽出する。
【0538】ステップS606において、カバード領域
処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレ
ームメモリ621から供給された、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の画素値から、背景の成分を抽
出する。
【0539】ステップS607において、カバード領域
処理部632は、領域情報および混合比αを基に、フレ
ームメモリ621から供給された、カバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の画素値から、前景の成分を抽
出する。
【0540】ステップS608において、合成部633
は、ステップS605の処理で抽出されたアンカバード
バックグラウンド領域に属する画素の前景の成分と、ス
テップS607の処理で抽出されたカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の前景の成分とを合成する。合
成された前景の成分は、合成部603に供給される。更
に、合成部603は、スイッチ602を介して供給され
た前景領域に属する画素と、分離部601から供給され
た前景の成分とを合成して、前景成分画像を生成する。
【0541】ステップS609において、合成部634
は、ステップS604の処理で抽出されたアンカバード
バックグラウンド領域に属する画素の背景の成分と、ス
テップS606の処理で抽出されたカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素の背景の成分とを合成する。合
成された背景の成分は、合成部605に供給される。更
に、合成部605は、スイッチ604を介して供給され
た背景領域に属する画素と、分離部601から供給され
た背景の成分とを合成して、背景成分画像を生成する。
【0542】ステップS610において、合成部603
は、前景成分画像を出力する。ステップS611におい
て、合成部605は、背景成分画像を出力し、処理は終
了する。
【0543】このように、前景背景分離部105は、領
域情報および混合比αを基に、入力画像から前景の成分
と、背景の成分とを分離し、前景の成分のみから成る前
景成分画像、および背景の成分のみから成る背景成分画
像を出力することができる。
【0544】図86は、背景成分画像に対応する、空間
方向に、より高解像度な画像を生成するクラス分類適応
処理において使用される係数セットを生成する分離画像
処理部106の構成を示すブロック図である。例えば、
図86に構成を示す分離画像処理部106は、入力され
たHD画像を基に、背景成分画像に対応し、SD画像からHD
画像を生成するクラス分類適応処理において使用される
係数セットを生成する。
【0545】図86に構成を示す分離画像処理部106
は、前景成分画像を使用しない。
【0546】教師画像フレームメモリ701は、前景背
景分離部105から供給された背景成分画像を記憶す
る。教師画像フレームメモリ701は、記憶している背
景成分画像、すなわち教師画像を加重平均部702およ
び学習部704に供給する。
【0547】加重平均部702は、教師画像フレームメ
モリ701から供給された、例えば、教師画像である、
HD画像の背景成分画像を4分の1加重平均して、生徒画
像であるSD画像を生成し、生成したSD画像を生徒画像フ
レームメモリ703に供給する。
【0548】例えば、加重平均部702は、図87に示
すように、教師画像の2×2(横×縦)の4つの画素
(同図において、白丸で示す部分)を1単位とし、各単
位の4つの画素の画素値を加算して、加算された結果を
4で除算する。加重平均部702は、このように、4分
の1加重平均された結果を、各単位の中心に位置する生
徒画像の画素(同図において、黒丸で示す部分)に設定
する。
【0549】生徒画像フレームメモリ703は、加重平
均部702から供給された、教師画像である背景成分画
像に対応する、生徒画像を記憶する。生徒画像フレーム
メモリ703は、記憶している生徒画像を学習部704
に供給する。
【0550】学習部704は、教師画像フレームメモリ
701から供給された教師画像である背景成分画像、お
よび生徒画像フレームメモリ703から供給された、背
景成分画像に対応する生徒画像を基に、背景成分画像に
対応する係数セットを生成し、生成した係数セットを係
数セットメモリ705に供給する。
【0551】係数セットメモリ705は、学習部704
から供給された背景成分画像に対応する係数セットを記
憶する。
【0552】図88は、学習部704の構成を示すブロ
ック図である。
【0553】クラス分類部721は、クラスタップ取得
部731および波形分類部732で構成され、入力され
た生徒画像の、注目している画素である、注目画素をク
ラス分類する。クラスタップ取得部731は、注目画素
に対応する、生徒画像の画素である、所定の数のクラス
タップを取得し、取得したクラスタップを波形分類部7
32に供給する。
【0554】例えば、図87において、上からi番目
で、左からj番目の生徒画像の画素(図中、黒丸で示す
部分)をXijと表すとすると、クラスタップ取得部73
1は、注目画素Xijの左上、上、右上、左、右、左下、
下、右下に隣接する8つの画素X(i-1)(j-1)
(i-1)j,X(i-1)(j+1),Xi(j-1),Xi(j+1),X
(i-1)(j-1),X(i-1)j,X(i+1)(j+1)に、自身を含め、
合計9画素で構成されるクラスタップを取得する。この
クラスタップは、波形分類部732に供給される。
【0555】なお、この場合、クラスタップは、3×3
画素でなる正方形状のブロックで構成されることとなる
が、クラス分類用ブロックの形状は、正方形である必要
はなく、その他、例えば、長方形や、十文字形、その他
の任意な形とすることが可能である。また、クラスタッ
プを構成する画素数も、3×3の9画素に限定されるも
のではない。
【0556】波形分類部732は、入力信号を、その特
徴に基づいていくつかのクラスに分類する、クラス分類
処理を実行して、クラスタップを基に、注目画素を1つ
のクラスに分類する。波形分類部732は、例えば、注
目画素を512のクラスのうちの1つのクラスに分類
し、分類されたクラスに対応するクラス番号を予測タッ
プ取得部722に供給する。
【0557】ここで、クラス分類処理について簡単に説
明する。
【0558】いま、例えば、図89(A)に示すよう
に、ある注目画素と、それに隣接する3つの画素によ
り、2×2画素でなるクラスタップを構成し、また、各
画素は、1ビットで表現される(0または1のうちのい
ずれかのレベルをとる)ものとする。この場合、注目画
素を含む2×2の4画素のブロックは、各画素のレベル
分布により、図89(B)に示すように、16(=(2
14)パターンに分類することができる。従って、いま
の場合、注目画素は、16のパターンに分類することが
でき、このようなパターン分けが、クラス分類処理であ
り、クラス分類部721において行われる。
【0559】なお、クラス分類処理は、画像(クラスタ
ップ)のアクティビティ(画像の複雑さ)(変化の激し
さ)などをも考慮して行うようにすることが可能であ
る。
【0560】ここで、通常、各画素には、例えば8ビッ
ト程度が割り当てられる。また、本実施の形態において
は、上述したように、クラスタップは、3×3の9画素
で構成される。従って、このようなクラスタップを対象
にクラス分類処理を行ったのでは、(289という膨大
な数のクラスに分類されることになる。
【0561】そこで、本実施の形態においては、波形分
類部732において、クラスタップに対して、ADRC
処理が施され、これにより、クラスタップを構成する画
素のビット数を小さくすることで、クラス数を削減す
る。
【0562】説明を簡単にするため、図90(A)に示
すように、直線上に並んだ4画素で構成されるクラスタ
ップを考えると、ADRC処理においては、その画素値
の最大値MAXと最小値MINが検出される。そして、
DR=MAX−MINを、クラスタップで構成されるブ
ロックの局所的なダイナミックレンジとし、このダイナ
ミックレンジDRに基づいて、クラスタップのブロック
を構成する画素の画素値がKビットに再量子化される。
【0563】即ち、ブロック内の各画素値から、最小値
MINを減算し、その減算値をDR/2Kで除算する。
そして、その結果得られる除算値に対応するコード(A
DRCコード)に変換される。具体的には、例えば、K
=2とした場合、図90(B)に示すように、除算値
が、ダイナミックレンジDRを4(=22)等分して得
られるいずれの範囲に属するかが判定され、除算値が、
最も下のレベルの範囲、下から2番目のレベルの範囲、
下から3番目のレベルの範囲、または最も上のレベルの
範囲に属する場合には、それぞれ、例えば、00B,0
1B,10B、または11Bなどの2ビットにコード化
される(Bは2進数であることを表す)。そして、復号
側においては、ADRCコード00B,01B,10
B、または11Bは、ダイナミックレンジDRを4等分
して得られる最も下のレベルの範囲の中心値L00、下か
ら2番目のレベルの範囲の中心値L01、下から3番目の
レベルの範囲の中心値L10、または最も上のレベルの範
囲の中心値L11に変換され、その値に、最小値MINが
加算されることで復号が行われる。
【0564】ここで、このようなADRC処理はノンエ
ッジマッチングと呼ばれる。
【0565】なお、ADRC処理については、本件出願
人が先に出願した、例えば、特開平3−53778号公
報などに、その詳細が開示されている。
【0566】クラスタップを構成する画素に割り当てら
れているビット数より少ないビット数で再量子化を行う
ADRC処理を施すことにより、上述したように、クラ
ス数を削減することができ、このようなADRC処理
が、波形分類部732において行われる。
【0567】なお、本実施の形態では、波形分類部73
2において、ADRCコードに基づいて、クラス分類処
理が行われるが、クラス分類処理は、その他、例えば、
DPCM(予測符号化)や、BTC(Block Truncation
Coding)、VQ(ベクトル量子化)、DCT(離散コ
サイン変換)、アダマール変換などを施したデータを対
象に行うようにすることも可能である。
【0568】予測タップ取得部722は、クラス番号を
基に、生徒画像の画素から、クラスに対応し、元の画像
(教師画像)の予測値を計算するための単位である、予
測タップを取得し、取得した予測タップおよびクラス番
号を対応画素取得部723に供給する。
【0569】例えば、図87において、生徒画像の画素
ij(図中、黒丸で示す部分)を中心とする、元の画像
(教師画像)における2×2の9画素の画素値を、その
最も左から右方向、かつ上から下方向に、Yij(1),
ij(2),Yij(3),Y ij(4)と表すとすると、
画素Yij(1)乃至Yij(4)の予測値の計算に必要な
係数を算出するために、予測タップ取得部722は、例
えば、生徒画像の画素Xijを中心とする3×3の9画素
(i-1)(j-1),X(i-1)j,X(i-1)(j+1),Xi( j-1),X
ij,Xi(j+1),X(i+1)(j-1),X(i+1)j,X(i+1)(j+1)
で構成される正方形状の予測タップを取得する。
【0570】具体的には、例えば、図87において四角
形で囲む、教師画像における画素Y 33(1)乃至Y
33(4)の4画素の予測値の計算に必要な係数を算出す
るには、画素X22,X23,X24,X32,X33,X34,X
42,X43,X44により、予測タップが構成される(この
場合の注目画素は、X33となる)。
【0571】対応画素取得部723は、予測タップおよ
びクラス番号を基に、予測すべき画素値に対応する教師
画像の画素の画素値を取得し、予測タップ、クラス番
号、および取得した予測すべき画素値に対応する教師画
像の画素の画素値を正規方程式生成部724に供給す
る。
【0572】例えば、対応画素取得部723は、教師画
像における画素Y33(1)乃至Y33(4)の4画素の予
測値の計算に必要な係数を算出するとき、予測すべき画
素値に対応する教師画像の画素として、画素Y33(1)
乃至Y33(4)の画素値を取得する。
【0573】正規方程式生成部724は、予測タップ、
クラス番号、および取得した予測すべき画素値を基に、
予測タップおよび予測すべき画素値の関係に対応する、
適応処理において使用される係数セットを算出するため
の正規方程式を生成し、クラス番号と共に、生成した正
規方程式を係数計算部725に供給する。
【0574】係数計算部725は、正規方程式生成部7
24から供給された正規方程式を解いて、分類されたク
ラスに対応する、適応処理において使用される係数セッ
トを計算する。係数計算部725は、クラス番号と共
に、計算した係数セットを係数セットメモリ705に供
給する。
【0575】正規方程式生成部724は、このような正
規方程式に対応する行列を生成し、係数計算部725
は、生成された行列を基に、係数セットを計算するよう
にしてもよい。
【0576】ここで、適応処理について説明する。
【0577】例えば、いま、教師画像の画素値yの予測
値E[y]を、その周辺の幾つかの画素の画素値(以
下、適宜、生徒データという)x1,x2,・・・と、所
定の予測係数w1,w2,・・・の線形結合により規定さ
れる線形1次結合モデルにより求めることを考える。こ
の場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0578】 E[y]=w11+w22+・・・ (78)
【0579】そこで、一般化するために、予測係数wの
集合でなる行列W、生徒データの集合でなる行列X、お
よび予測値E[y]の集合でなる行列Y’を、
【数17】 で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0580】 XW=Y’ (79)
【0581】そして、この観測方程式に最小自乗法を適
用して、元の画像の画素値yに近い予測値E[y]を求
めることを考える。この場合、元の画像の画素値(以
下、適宜、教師データという)yの集合でなる行列Y、
および元の画像の画素値yに対する予測値E[y]の残
差eの集合でなる行列Eを、
【数18】 で定義すると、式(79)から、次のような残差方程式
が成立する。
【0582】 XW=Y+E (80)
【0583】この場合、元の画像の画素値yに近い予測
値E[y]を求めるための予測係数wiは、自乗誤差
【数19】 を最小にすることで求めることができる。
【0584】従って、上述の自乗誤差を予測係数wi
微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たす予測
係数wiが、元の画像の画素値yに近い予測値E[y]
を求めるため最適値ということになる。
【0585】
【数20】
【0586】そこで、まず、式(80)を、予測係数w
iで微分することにより、次式が成立する。
【0587】
【数21】
【0588】式(81)および(82)より、式(8
3)が得られる。
【0589】
【数22】
【0590】さらに、式(80)の残差方程式における
生徒データx、予測係数w、教師データy、および残差
eの関係を考慮すると、式(83)から、次のような正
規方程式を得ることができる。
【0591】
【数23】
【0592】式(84)の正規方程式は、求めるべき予
測係数wの数と同じ数だけたてることができ、従って、
式(84)を解くことで、最適な予測係数wを求めるこ
とができる。なお、式(84)を解くにあたっては、例
えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを適用
することが可能である。
【0593】以上のようにして、クラスごとに最適な予
測係数wを求め、さらに、その予測係数wを用い、式
(78)により、教師画像の画素値yに近い予測値E
[y]を求めるのが適応処理である。
【0594】正規方程式生成部724は、クラスごとに
最適な予測係数wを算出するための正規方程式を生成
し、係数計算部725は、生成された正規方程式を基
に、予測係数wを算出する。
【0595】なお、適応処理は、間引かれた画像には含
まれていない、元の画像に含まれる成分が再現される点
で、補間処理とは異なる。即ち、適応処理は、式(7
8)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いて
の補間処理と同一であるが、その補間フィルタのタップ
係数に相当する予測係数wが、教師データyを用いて
の、いわば学習により求められるため、元の画像に含ま
れる成分を再現することができる。このことから、適応
処理は、いわば画像の創造作用がある処理ということが
できる。
【0596】また、適応処理は、空間方向により解像度
の高い画像を創造する処理に限らず、例えば、画像の解
像度をそのままに、ノイズをより低減した画像を創造す
るようにすることもできる。
【0597】図91のフローチャートを参照して、図8
6に構成を示す分離画像処理部106による、クラス分
類適応処理による画素値の予測に使用される係数セット
を生成する学習の処理を説明する。
【0598】ステップS701において、加重平均部7
02は、教師画像フレームメモリ701に記憶されてい
る、教師画像である背景成分画像を、例えば、4分の1
加重平均して、教師画像である背景成分画像に対応する
生徒画像を生成する。
【0599】ステップS702において、学習部704
は、教師画像フレームメモリ701に記憶されている教
師画像である背景成分画像、および生徒画像フレームメ
モリ703に記憶されている、背景成分画像に対応する
生徒画像を基に、背景成分画像に対応する係数セットを
生成し、生成した係数セットを係数セットメモリ705
に供給する。係数セットメモリ705は、背景成分画像
に対応する係数セットを記憶して、処理は終了する。ス
テップS702における係数セットの生成の処理の詳細
は、図92のフローチャートを参照して後述する。
【0600】このように、図86に構成を示す分離画像
処理部106は、背景成分画像に対応する係数セットを
生成することができる。
【0601】次に、図92のフローチャートを参照し
て、ステップS702の処理に対応する、学習部704
が実行する背景成分画像に対応する係数セットの生成の
処理を説明する。
【0602】ステップS721において、学習部704
は、背景成分画像に対応する生徒画像に未処理の画素が
あるか否かを判定し、背景成分画像に対応する生徒画像
に未処理の画素があると判定された場合、ステップS7
22に進み、ラスタースキャン順に、背景成分画像に対
応する生徒画像から注目画素を取得する。
【0603】ステップS723において、クラス分類部
721のクラスタップ取得部731は、生徒画像フレー
ムメモリ703に記憶されている生徒画像から、注目画
素に対応するクラスタップを取得する。ステップS72
4において、クラス分類部721の波形分類部732
は、クラスタップに対して、ADRC処理を適用し、こ
れにより、クラスタップを構成する画素のビット数を小
さくして、注目画素をクラス分類する。ステップS72
5において、予測タップ取得部722は、分類されたク
ラスを基に、生徒画像フレームメモリ703に記憶され
ている生徒画像から、注目画素に対応する予測タップを
取得する。
【0604】ステップS726において、対応画素取得
部723は、分類されたクラスを基に、教師画像フレー
ムメモリ701に記憶されている教師画像である背景成
分画像から、予測すべき画素値に対応する画素を取得す
る。
【0605】ステップS727において、正規方程式生
成部724は、分類されたクラスを基に、クラス毎の行
列に、予測タップおよび予測すべき画素値に対応する画
素の画素値を足し込み、ステップS721に戻り、学習
部704は、未処理の画素があるか否かの判定を繰り返
す。予測タップおよび予測すべき画素値に対応する画素
の画素値を足し込まれるクラス毎の行列は、クラス毎の
係数セットを計算するための正規方程式に対応してい
る。
【0606】ステップS721において、生徒画像に未
処理の画素がないと判定された場合、ステップS728
に進み、正規方程式生成部724は、予測タップおよび
予測すべき画素値に対応する画素の画素値が設定され
た、クラス毎の行列を係数計算部725に供給する。係
数計算部725は、予測タップおよび予測すべき画素値
に対応する画素の画素値が設定された、クラス毎の行列
を解いて、背景成分画像に対応する、クラス毎の係数セ
ットを計算する。
【0607】なお、係数計算部725は、線形予測によ
り画素値を予測するための係数セットに限らず、非線形
予測により画素値を予測するための係数セットを計算す
るようにしてもよい。
【0608】ステップS729において、係数計算部7
25は、背景成分画像に対応する、クラス毎の係数セッ
トを係数セットメモリ705に出力し、処理は終了す
る。
【0609】このように、学習部704は、背景成分画
像に対応する係数セットを生成することができる。
【0610】このように、図86に構成を示す分離画像
処理部106は、背景成分画像に対応する係数セットを
生成することができる。
【0611】図93は、背景成分画像に、クラス分類適
応処理を実行して、空間方向に、より高解像度な画像を
生成し、前景成分画像を線形補間する分離画像処理部1
06の構成を示すブロック図である。例えば、図93に
構成を示す分離画像処理部106は、SD画像である入力
画像の背景成分画像に、クラス分類適応処理を適用し、
SD画像である入力画像の前景成分画像に、線形補間の処
理を適用し、HD画像を生成する。
【0612】フレームメモリ801は、分離画像処理部
105から供給された背景成分画像を記憶する。フレー
ムメモリ801は、記憶している背景成分画像をマッピ
ング部802に供給する。
【0613】マッピング部802は、係数セットメモリ
803に記憶されている、背景成分画像に対応する係数
セットを基に、クラス分類適応処理により、フレームメ
モリ801に記憶されている背景成分画像に対応する予
測画像を生成する。マッピング部802は、生成した予
測画像をフレームメモリ804に供給する。
【0614】フレームメモリ804は、記憶している背
景成分画像に対応する予測画像を記憶し、記憶している
予測画像を合成部808に供給する。
【0615】フレームメモリ805は、分離画像処理部
105から供給された前景成分画像を記憶する。フレー
ムメモリ805は、記憶している前景成分画像を線形補
間処理部806に供給する。
【0616】線形補間処理部806は、線形補間の処理
により、フレームメモリ805に記憶されている前景成
分画像に対応する補間された画像を生成する。
【0617】例えば、図87において四角形で囲む、補
間される画像における画素Y33(1)の画素値を算出す
るとき、線形補間処理部806は、画素X22,X23,X
24,X32,X33,X34,X42,X43,X44のそれぞれ
に、対応する所定の重みを乗算して、乗算された結果の
和を画素Y33(1)の画素値とする。同様に、補間され
る画像における画素Y33(2)の画素値を算出すると
き、線形補間処理部806は、画素X22,X23,X24
32,X33,X34,X42,X43,X44のそれぞれに、画
素Y33(1)の画素値を算出する場合と異なる、所定の
重みを乗算して、乗算された結果の和を画素Y33(2)
の画素値とする。
【0618】線形補間処理部806は、同様の補間の処
理で、画素X22,X23,X24,X32,X33,X34
42,X43,X44を基に、画素Y33(3)および画素Y
33(4)の画素値を算出する。
【0619】線形補間処理部806は、補間した画像を
フレームメモリ807に供給する。
【0620】フレームメモリ807は、前景成分画像を
基に補間された画像を記憶し、記憶している画像を合成
部808に供給する。
【0621】合成部808は、フレームメモリ804か
ら供給された、背景成分画像に対応する予測画像、およ
びフレームメモリ807から供給された、前景成分画像
を基に補間された画像を合成し、合成した画像を出力画
像として出力する。
【0622】図94は、マッピング部802の構成を示
すブロック図である。
【0623】マッピング処理部821は、クラス分類処
理を実行するクラス分類部831、並びに適応処理を実
行する予測タップ取得部832および予測演算部833
で構成されている。
【0624】クラス分類部831は、クラスタップ取得
部851および波形分類部852で構成され、背景成分
画像の注目している画素である、注目画素をクラス分類
する。
【0625】クラスタップ取得部851は、入力画像の
注目画素に対応する、所定の数のクラスタップを取得
し、取得したクラスタップを波形分類部852に供給す
る。例えば、クラスタップ取得部851は、9個のクラ
スタップを取得し、取得したクラスタップを波形分類部
852に供給する。
【0626】波形分類部852は、クラスタップに対し
て、ADRC処理を適用し、これにより、クラスタップ
を構成する画素のビット数を小さくして、注目画素を所
定の数のクラスのうちの1つのクラスに分類し、分類さ
れたクラスに対応するクラス番号を予測タップ取得部8
32に供給する。例えば、波形分類部852は、注目画
素を512のクラスのうちの1つのクラスに分類し、分
類されたクラスに対応するクラス番号を予測タップ取得
部832に供給する。
【0627】予測タップ取得部832は、クラス番号を
基に、入力画像から、クラスに対応する、所定の数の予
測タップを取得し、取得した予測タップおよびクラス番
号を予測演算部833に供給する。
【0628】予測演算部833は、クラス番号を基に、
係数セットメモリ803に記憶されている背景成分画像
に対応する係数セットから、クラスに対応する係数セッ
トを取得する。予測演算部833は、クラスに対応する
係数セット、および予測タップを基に、線形予測により
予測画像の画素値を予測する。予測演算部833は、予
測した画素値をフレームメモリ822に供給する。
【0629】なお、予測演算部833は、非線形予測に
より予測画像の画素値を予測するようしてもよい。
【0630】フレームメモリ822は、マッピング処理
部821から供給された、予測された画素値を記憶し、
予測された画素値からなる画像を出力する。
【0631】図95は、図93に構成を示す分離画像処
理部106の処理を説明する図である。
【0632】図95に示すように、入力画像は、領域に
分割され、前景の成分と背景の成分とに分離される。分
離された入力画像は、前景成分画像および背景成分画像
に合成される。
【0633】分離画像処理部106により、分離された
背景成分画像には、クラス分類適応処理が適用される。
分離画像処理部106により、分離された前景成分画像
には、線形補間処理が適用される。
【0634】次に、図96のフローチャートを参照し
て、図93に構成を示す分離画像処理部106の画像の
創造の処理を説明する。
【0635】ステップS801において、マッピング部
802は、係数セットメモリ803に記憶されている、
背景成分画像に対応する係数セットを基に、クラス分類
適応処理により、フレームメモリ801に記憶されてい
る背景成分画像に対応する画像を予測する。背景成分画
像に対応する画像の予測の処理の詳細は、図97のフロ
ーチャートを参照して後述する。
【0636】マッピング部802は、背景成分画像に対
応する予測された画像をフレームメモリ804に供給す
る。フレームメモリ804は、背景成分画像に対応する
予測された画像を記憶し、記憶している予測された画像
を合成部808に供給する。
【0637】ステップS802において、線形補間処理
部806は、フレームメモリ805に記憶されている前
景成分画像を線形補間する。線形補間処理部806は、
線形補間された画像をフレームメモリ807に供給す
る。フレームメモリ807は、線形補間された画像を記
憶し、記憶している線形補間された画像を合成部808
に供給する。
【0638】ステップS803において、合成部808
は、背景成分画像に対応する予測画像、および前景成分
画像を線形補間した画像を合成する。合成部808は、
記憶している、合成された画像を出力し、処理は終了す
る。
【0639】このように、図93に構成を示す分離画像
処理部106を有する画像処理装置は、背景成分画像に
対応する予測画像を生成し、前景成分画像に対応する線
形補間された画像を個々に生成し、生成された画像を合
成して出力することができる。
【0640】なお、ステップS801およびステップS
802の処理を、シリアルに実行しても、パラレルに実
行しても良いことは勿論である。
【0641】図97のフローチャートを参照して、ステ
ップS801に対応する、マッピング部802による背
景成分画像に対応する画像の予測の処理を説明する。
【0642】ステップS821において、マッピング部
802は、背景成分画像に未処理の画素があるか否かを
判定し、背景成分画像に未処理の画素があると判定され
た場合、ステップS822に進み、マッピング処理部8
21は、係数セットメモリ803に記憶されている、背
景成分画像に対応する係数セットを取得する。ステップ
S823において、マッピング処理部821は、ラスタ
ースキャン順に、フレームメモリ801に記憶されてい
る背景成分画像から注目画素を取得する。
【0643】ステップS824において、クラス分類部
831のクラスタップ取得部851は、フレームメモリ
801に記憶されている背景成分画像から、注目画素に
対応するクラスタップを取得する。ステップS825に
おいて、クラス分類部831の波形分類部852は、ク
ラスタップに対して、ADRC処理を適用し、これによ
り、クラスタップを構成する画素のビット数を小さくし
て、注目画素をクラス分類する。ステップS826にお
いて、予測タップ取得部832は、分類されたクラスを
基に、フレームメモリ801に記憶されている背景成分
画像から、注目画素に対応する予測タップを取得する。
【0644】ステップS827において、予測演算部8
33は、背景成分画像および分類されたクラスに対応す
る係数セット、および予測タップを基に、線形予測によ
り、予測画像の画素値を予測する。
【0645】なお、予測演算部833は、線形予測に限
らず、非線形予測により予測画像の画素値を予測するよ
うにしてもよい。
【0646】ステップS828において、予測演算部8
33は、予測された画素値をフレームメモリ822に出
力する。フレームメモリ822は、予測演算部833か
ら供給された画素値を記憶する。手続きは、ステップS
821に戻り、未処理の画素があるか否かの判定を繰り
返す。
【0647】ステップS821において、背景成分画像
に未処理の画素がないと判定された場合、ステップS8
29に進み、フレームメモリ822は、記憶されている
背景成分画像に対応する予測画像を出力して、処理は終
了する。
【0648】このように、マッピング部802は、背景
成分画像を基に、背景成分画像に対応する画像を予測す
ることができる。
【0649】このように、図93に構成を示す分離画像
処理部106は、背景成分画像に対応する予測画像を生
成し、前景成分画像を線形補間することができるので、
動きボケを含む前景成分画像に不自然な画像の劣化を発
生させることなく、空間方向の解像度を増加させた画像
を生成することができる。
【0650】図98は、背景成分画像にエッジ強調の処
理を適用する分離画像処理部106の他の構成を示すブ
ロック図である。図98に構成を示す分離画像処理部1
06は、背景成分画像にエッジ強調の処理を適用し、そ
のままの前景成分画像と、エッジ強調の処理が適用され
た背景成分画像とを合成する。
【0651】前景背景分離部105から供給された背景
成分画像は、エッジ強調部901に入力され、前景背景
分離部105から供給された前景成分画像は、合成部9
02に入力される。
【0652】エッジ強調部901は、前景背景分離部1
05から供給された背景成分画像に、背景成分画像に適
したエッジ強調の処理を適用して、エッジ強調した背景
成分画像を合成部902に供給する。
【0653】例えば、エッジ強調部901は、静止して
いる画像である背景成分画像に、エッジをより強調する
エッジ強調の処理を実行する。このようにすることで、
動いている画像にエッジ強調の処理を適用したときの不
自然な画像の劣化を発生させることなく、背景成分画像
の解像度感をより増加させることができる。
【0654】また、例えば、背景が動いているとき、エ
ッジ強調部901は、背景成分画像に、背景が静止して
いる場合に比較して、エッジ強調の度合いの少ないエッ
ジ強調の処理を実行する。このようにすることで、動い
ている画像にエッジ強調の処理を適用したときの不自然
な画像の劣化を発生させることなく、背景成分画像の解
像度感をより増加させることができる。
【0655】合成部902は、エッジ強調部901から
供給された、エッジ強調された背景成分画像、および前
景背景分離部105から供給された前景成分画像を合成
し、合成された画像を出力する。
【0656】このように、図98に構成を示す分離画像
処理部106は、そのままの前景成分画像と、背景成分
画像の性質に対応したエッジ強調の処理が適用された背
景成分画像とを合成するので、画像を不自然に劣化させ
ることなく、画像の解像度感を増すことができる。
【0657】図99は、エッジ強調部901の構成を示
すブロック図である。領域毎に分割された入力画像は、
ハイパスフィルタ921および加算部923に入力され
る。
【0658】ハイパスフィルタ921は、入力されたフ
ィルタ係数を基に、入力画像から、画素位置に対して画
素値が急激に変化している、いわゆる画像の周波数の高
い成分を抽出し、画素位置に対して画素値の変化が少な
い、いわゆる画像の周波数の低い成分を除去して、エッ
ジ画像を生成する。
【0659】例えば、ハイパスフィルタ921は、図1
00(A)に示す画像が入力されたとき、図100
(B)に示すエッジ画像を生成する。
【0660】入力されるフィルタ係数が変化したとき、
ハイパスフィルタ921は、抽出する画像の周波数、除
去する画像の周波数、および抽出する画像のゲインを変
化させる。
【0661】図101乃至図104を参照して、フィル
タ係数とエッジ画像との関係を説明する。
【0662】図101は、フィルタ係数の第1の例を示
す図である。図101において、Eは、10の階乗を示
す。例えば、E-04は、10-4を示し、E-02は、10-2を示
す。
【0663】例えば、ハイパスフィルタ921は、入力
画像の、注目している画素である注目画素の画素値、注
目画素を基準として、空間方向Yの所定の方向に1画素
乃至15画素の距離だけ離れている画素の画素値、およ
び注目画素を基準として、空間方向Yの他の方向に1画
素乃至15画素の距離だけ離れている画素の画素値のそ
れぞれに、図101に示すフィルタ係数のうち、対応す
る係数を乗算する。ハイパスフィルタ921は、それぞ
れの画素の画素値に対応する係数を乗算して得られた結
果の総和を算出して、算出された総和を注目画素の画素
値に設定する。
【0664】例えば、図101に示すフィルタ係数を使
用するとき、ハイパスフィルタ921は、注目画素の画
素値に1.2169396を乗算し、注目画素から画面の上方向
に1画素の距離だけ離れている画素の画素値に-0.52530
356を乗算し、注目画素から画面の上方向に2画素の距
離だけ離れている画素の画素値に-0.22739914を乗算す
る。
【0665】図101に示すフィルタ係数を使用すると
き、ハイパスフィルタ921は、同様に、注目画素から
画面の上方向に3画素乃至13画素の距離だけ離れてい
る画素に対応する係数を乗算し、注目画素から画面の上
方向に14画素の距離だけ離れている画素の画素値に-
0.00022540586を乗算し、注目画素から画面の上方向に
15画素の距離だけ離れている画素の画素値に-0.00039
273163を乗算する。
【0666】図101に示すフィルタ係数を使用すると
き、ハイパスフィルタ921は、注目画素から画面の下
方向に1画素乃至15画素の距離だけ離れている画素に
同様に対応する係数を乗算する。
【0667】ハイパスフィルタ921は、注目画素の画
素値、注目画素から画面の上方向に1画素乃至15画素
の距離だけ離れている画素の画素値、および注目画素か
ら画面の下方向に1画素乃至15画素の距離だけ離れて
いる画素の画素値のそれぞれに、対応する係数を乗算し
て得られた結果の総和を算出する。ハイパスフィルタ9
21は、算出された総和を注目画素の画素値に設定す
る。
【0668】ハイパスフィルタ921は、注目画素の位
置を空間方向Xに順次移動させて、上述した処理を繰り
返し、画面全体の画素について、画素値を算出する。
【0669】次に、ハイパスフィルタ921は、上述の
ように係数を基に画素値が算出された画像の、注目して
いる画素である注目画素の画素値、注目画素を基準とし
て、空間方向Xの所定の方向に1画素乃至15画素の距
離だけ離れている画素の画素値、および注目画素を基準
として、空間方向Xの他の方向に1画素乃至15画素の
距離だけ離れている画素の画素値のそれぞれに、図10
1に示すフィルタ係数のうち、対応する係数を乗算す
る。ハイパスフィルタ921は、それぞれの画素の画素
値に対応する係数を乗算して得られた結果の総和を算出
して、算出された総和を注目画素の画素値に設定する。
【0670】ハイパスフィルタ921は、注目画素の位
置を空間方向Yに順次移動させて、上述した処理を繰り
返し、画面全体の画素について、画素値を算出する。
【0671】すなわち、この例において、ハイパスフィ
ルタ921は、図101に示す係数を使用する、いわゆ
る1次元フィルタである。
【0672】図102は、図101の係数を使用すると
きのハイパスフィルタ921の動作を示す図である。図
102に示すように、図101の係数を使用するとき、
ハイパスフィルタ921における、抽出される画像成分
の最大のゲインは、1である。
【0673】図103は、フィルタ係数の第2の例を示
す図である。
【0674】図104は、図101に示すフィルタ係数
を使用した処理と同様の処理を、図103の係数を使用
して実行したときのハイパスフィルタ921の動作を示
す図である。図104に示すように、図103の係数を
使用するとき、ハイパスフィルタ921における、抽出
される画像成分の最大のゲインは、1.5である。
【0675】このように、ハイパスフィルタ921は、
供給されるフィルタ係数により、抽出する画像成分のゲ
インを変化させる。
【0676】例えば、図99に構成を示すエッジ強調部
901は、背景が静止しているとき、図103に示す係
数を使用して、エッジ強調の度合いのより強いエッジ強
調処理を、背景成分画像に適用する。図99に構成を示
すエッジ強調部901は、背景が動いているとき、図1
01に示す係数を使用して、エッジ強調の度合いの比較
的弱いエッジ強調処理を、背景成分画像に適用する。
【0677】ここでは例示しないが、同様に、異なるフ
ィルタ係数が供給されたとき、ハイパスフィルタ921
は、抽出する画像の周波数、および除去する画像の周波
数を変化させることができる。
【0678】図99に戻り、ハイパスフィルタ921
は、生成したエッジ画像をゲイン調整部922に供給す
る。
【0679】ゲイン調整部922は、入力されたゲイン
調整係数を基に、ハイパスフィルタ921から供給され
たエッジ画像を増幅するか、または減衰する。入力され
るゲイン調整係数が変化したとき、ゲイン調整部922
は、エッジ画像の増幅率(減衰率)を変化させる。例え
ば、ゲイン調整部922は、1以上の増幅率を指定する
ゲイン調整係数が入力されたとき、エッジ画像を増幅
し、1未満の増幅率を指定するゲイン調整係数が入力さ
れたとき、エッジ画像を減衰する。
【0680】ゲイン調整部922は、ゲインが調整され
たエッジ画像を加算部923に供給する。
【0681】加算部923は、分割された入力画像と、
ゲイン調整部922から供給された、ゲインが調整され
たエッジ画像とを加算して、加算された画像を出力す
る。
【0682】例えば、加算部923は、図100(A)
に示す入力画像が入力され、図100(B)に示すエッ
ジ画像がハイパスフィルタ921から供給されたとき、
図100(A)の入力画像と図100(B)のエッジ画
像とを加算して、図100(C)に示す画像を出力す
る。
【0683】このように、エッジ強調部901は、分割
された画像にエッジ強調の処理を適用する。
【0684】図105は、エッジ強調部901の他の構
成を示すブロック図である。図105に示す例におい
て、エッジ強調部901は、フィルタ741から構成さ
れている。
【0685】フィルタ741は、入力されたフィルタ係
数を基に、入力画像の、画素位置に対して画素値が急激
に変化している、いわゆる画像の周波数の高い成分を増
幅して、エッジ強調画像を生成する。
【0686】例えば、フィルタ741は、図106に例
を示す係数が供給されたとき、図106に例を示す係数
を基に、ハイパスフィルタ921で説明した処理と同様
の処理を実行する。
【0687】図107は、図106の係数を使用すると
きのフィルタ741の動作を示す図である。図107に
示すように、図106の係数を使用するとき、フィルタ
741は、画像の周波数の高い成分を2倍に増幅し、画
像の周波数の低い成分をそのまま通過させて、エッジ強
調画像を生成する。
【0688】図106の係数を使用するときのフィルタ
741は、図101の係数を利用し、ゲイン調整部92
2のゲインが1であるときの、図99に構成を示すエッ
ジ強調部901の出力画像と同一の出力画像を出力す
る。
【0689】図108は、フィルタ741に供給される
フィルタ係数の第2の例を示す図である。
【0690】図109は、図108の係数を使用すると
きのフィルタ741の動作を示す図である。図109に
示すように、図108の係数を使用するとき、フィルタ
741は、画像の周波数の高い成分を2.5倍に増幅
し、画像の周波数の低い成分をそのまま通過させて、エ
ッジ強調画像を生成する。
【0691】図108の係数を使用するときのフィルタ
741は、図103の係数を利用し、ゲイン調整部92
2のゲインが1であるときの、図99に構成を示すエッ
ジ強調部901の出力画像と同一の出力画像を出力す
る。
【0692】このように、図105に構成を示すエッジ
強調部901は、入力されるフィルタ係数により、画像
の高周波成分のゲインを変化させて、画像のエッジの強
調の度合いを変更することができる。
【0693】以上のように、エッジ強調部901は、例
えば、異なるフィルタ係数またはゲイン調整係数を基
に、分割された画像の性質に対応したエッジ強調の処理
を実行する。
【0694】図110は、図98に構成を示す分離画像
処理部106の処理を説明する図である。
【0695】図110に示すように、入力画像は、領域
に分割され、前景の成分と背景の成分とに分離される。
分離された入力画像は、前景成分画像および背景成分画
像に合成される。
【0696】分離画像処理部106により、分離された
背景成分画像には、エッジ強調の処理が適用され、エッ
ジ強調された背景成分画像が出力される。分離された前
景成分画像は、そのまま出力される。
【0697】次に、図111のフローチャートを参照し
て、図98に構成を示す分離画像処理部106の処理を
説明する。
【0698】ステップS901において、エッジ強調部
901は、背景成分画像にエッジ強調の処理を適用す
る。エッジ強調部901は、エッジ強調された背景成分
画像を合成部902に供給する。
【0699】ステップS902において、合成部902
は、エッジ強調された背景成分画像と、前景背景分離部
105から供給された前景成分画像とを合成し、合成さ
れた画像を出力し、処理は終了する。
【0700】このように、図98に構成を示す分離画像
処理部106を有する画像処理装置は、背景成分画像を
エッジ強調し、エッジ強調された背景成分画像と、その
ままの前景成分画像とを合成して、合成された画像を出
力することができるので、動きボケを含む前景成分画像
に不自然な画像の劣化を発生させることなく、解像度感
を増加させた画像を生成することができる。
【0701】図112は、画像処理装置の機能の他の構
成を示すブロック図である。図11に示す画像処理装置
が領域特定と混合比αの算出を順番に行うのに対して、
図112に示す画像処理装置は、領域特定と混合比αの
算出を並行して行う。
【0702】図11のブロック図に示す機能と同様の部
分には同一の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0703】入力画像は、オブジェクト抽出部101、
領域特定部103、混合比算出部1001、および前景
背景分離部1002に供給される。
【0704】混合比算出部1001は、入力画像を基
に、画素がカバードバックグラウンド領域に属すると仮
定した場合における推定混合比、および画素がアンカバ
ードバックグラウンド領域に属すると仮定した場合にお
ける推定混合比を、入力画像に含まれる画素のそれぞれ
に対して算出し、算出した画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、
および画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
ると仮定した場合における推定混合比を前景背景分離部
1002に供給する。
【0705】図113は、混合比算出部1001の構成
の一例を示すブロック図である。
【0706】図113に示す推定混合比処理部401
は、図60に示す推定混合比処理部401と同じであ
る。図113に示す推定混合比処理部402は、図60
に示す推定混合比処理部402と同じである。
【0707】推定混合比処理部401は、入力画像を基
に、カバードバックグラウンド領域のモデルに対応する
演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出した
推定混合比を出力する。
【0708】推定混合比処理部402は、入力画像を基
に、アンカバードバックグラウンド領域のモデルに対応
する演算により、画素毎に推定混合比を算出して、算出
した推定混合比を出力する。
【0709】前景背景分離部1002は、混合比算出部
1001から供給された、画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、
および画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
ると仮定した場合における推定混合比、並びに領域特定
部103から供給された領域情報を基に、入力画像を、
背景成分画像、および前景成分画像に分離し、分離され
た画像を分離画像処理部106に供給する。
【0710】図114は、前景背景分離部1002の構
成の一例を示すブロック図である。
【0711】図78に示す前景背景分離部105と同様
の部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略す
る。
【0712】選択部1021は、領域特定部103から
供給された領域情報を基に、混合比算出部1001から
供給された、画素がカバードバックグラウンド領域に属
すると仮定した場合における推定混合比、および画素が
アンカバードバックグラウンド領域に属すると仮定した
場合における推定混合比のいずれか一方を選択して、選
択した推定混合比を混合比αとして分離部601に供給
する。
【0713】分離部601は、選択部1021から供給
された混合比αおよび領域情報を基に、混合領域に属す
る画素の画素値から前景の成分および背景の成分を抽出
し、アンカバードバックグラウンド領域の背景の成分、
アンカバードバックグラウンド領域の前景の成分、カバ
ードバックグラウンド領域の背景の成分、およびカバー
ドバックグラウンド領域の前景の成分に分離する。
【0714】分離部601は、図83に示す構成と同じ
構成とすることができる。
【0715】このように、図112に構成を示す画像処
理装置は、背景成分画像、および前景成分画像毎に、そ
れぞれの性質に対応して処理を実行することができる。
【0716】以上のように、本発明の画像処理装置にお
いては、背景成分画像および前景成分画像に入力画像が
分離され、分離された画像に適した処理が実行されるの
で、例えば、不自然な画像を生成することなく、より解
像度の高い画像が生成される。
【0717】図115は、本発明に係る画像処理装置の
機能の他の構成を示すブロック図である。
【0718】図11に示す場合と同様の部分には、同一
の番号を付してあり、その説明は省略する。
【0719】前景背景分離部105は、領域特定部10
3から供給された領域情報、および混合比算出部104
から供給された混合比αを基に、前景のオブジェクトに
対応する画像の成分のみから成る前景成分画像と、背景
の成分のみから成る背景成分画像とに入力画像を分離し
て、前景成分画像を動きボケ除去部2001に供給し、
背景成分画像を補正部2002に供給する。
【0720】動きボケ除去部2001は、動きベクトル
からわかる動き量vおよび領域情報を基に、前景成分画
像に含まれる1以上の画素を示す処理単位を決定する。
処理単位は、動きボケの量の調整の処理の対象となる1
群の画素を指定するデータである。
【0721】動きボケ除去部2001は、前景背景分離
部105から供給された前景成分画像、動き検出部10
2から供給された動きベクトルおよびその位置情報、並
びに処理単位を基に、前景成分画像に含まれる動きボケ
を除去して、動きボケを除去した前景成分画像を動きボ
ケ除去画像処理部2003に出力する。
【0722】補正部2002は、背景成分画像におけ
る、混合領域に対応する画素の画素値を補正する。背景
成分画像の混合領域に対応する画素の画素値は、分離さ
れる前の混合領域の画素の画素値から、前景の成分が除
去されることにより、算出される。従って、背景成分画
像の混合領域に対応する画素の画素値は、隣接する背景
領域の画素の画素値に比較し、混合比αに対応して、減
少している。
【0723】補正部2002は、このような、背景成分
画像における、混合領域に対応する画素の画素値の混合
比αに対応するゲインの低下を補正し、補正した背景成
分画像を動きボケ除去画像処理部2003に供給する。
【0724】背景成分画像の補正について説明する。
【0725】図116は、背景成分画像のモデルの例を
示す図である。
【0726】図116に示すように、前景の成分が除去
されているので、元の入力画像の混合領域に対応する、
背景成分画像の画素の画素値は、元の入力画像の背景領
域に対応する画素に比較して、混合比αに対応して、少
ない数の背景の成分により構成されている。
【0727】例えば、図116に例を示す背景成分画像
において、画素値C01は、4つの背景の成分B02/Vで構成
され、画素値C02は、3つの背景の成分B03/Vで構成さ
れ、画素値C03は、2つの背景の成分B04/Vで構成され、
画素値C04は、1つの背景の成分B05/Vで構成される。
【0728】また、図116に例を示す背景成分画像に
おいて、画素値C09は、1つの背景の成分B10/Vで構成さ
れ、画素値C10は、2つの背景の成分B11/Vで構成され、
画素値C11は、3つの背景の成分B12/Vで構成され、画素
値C12は、4つの背景の成分B13/Vで構成される。
【0729】このように、元の入力画像の混合領域に対
応する、画素の画素値が、元の入力画像の背景領域に対
応する画素に比較して、少ない数の背景の成分により構
成されているので、前景成分画像の混合領域に対応する
画像は、背景領域の画像に比較して、例えば、暗い画像
となる。
【0730】補正部2002は、このような、背景成分
画像の混合領域に対応する画素の画素値のそれぞれに、
混合比αに対応する定数を乗じて、背景成分画像の混合
領域に対応する画素の画素値を補正する。
【0731】例えば、図116に示す背景成分画像が入
力されたとき、補正部2002は、画素値C01に5/4を乗
算し、画素値C02に5/3を乗算し、画素値C11に5/3を乗算
し、画素値C12に5/4を乗算する。動きボケが除去された
前景成分画像との画素の位置を整合させるために、補正
部2002は、画素値C03乃至C11の画素値を0とする。
【0732】このように、補正部2002は、図117
に示すように、背景成分画像の混合領域に対応する画素
の画素値を補正すると共に、動きボケが除去された前景
成分画像との画素の位置を整合させる。
【0733】動きボケ除去画像処理部2003は、動き
ボケが除去された前景成分画像、および補正された背景
成分画像を個々に処理する。
【0734】例えば、動きボケ除去画像処理部2003
は、動きボケが除去された前景成分画像を基に、ノイズ
を除去するクラス分類適応処理で使用される係数を生成
する。
【0735】例えば、動きボケ除去画像処理部2003
は、動きボケが除去された前景成分画像にクラス分類適
応処理を適用して、前景成分画像からノイズを除去する
と共に、補正された背景成分画像にエッジ強調の処理を
適用する。
【0736】図118および図119は、図115の画
像処理装置の処理を説明する図である。
【0737】図118に示すように、分離された背景成
分画像は、混合領域の画素値が補正され、分離された前
景成分画像は、動きボケが除去される。
【0738】図119に示すように、入力画像は、領域
に分割され、前景の成分と背景の成分とに分離される。
分離された入力画像は、前景成分画像および背景成分画
像に合成される。
【0739】前景成分画像に含まれる動きボケは、除去
される。背景成分画像は、混合領域に対応する画素値が
補正される。
【0740】動きボケが除去された前景成分画像、およ
び補正された背景成分画像は、個々に処理される。
【0741】図120は、図115に構成を示す、本発
明に係る画像処理装置の画像の処理を説明するフローチ
ャートである。
【0742】ステップS2001において、領域特定部
103は、動き検出部102から供給された動きベクト
ルおよびその位置情報、並びに入力画像を基に、入力画
像の前景領域、背景領域、カバードバックグラウンド領
域、およびアンカバードバックグラウンド領域を特定す
る。
【0743】ステップS2002において、混合比算出
部104は、領域特定部103から供給された領域情報
および入力画像を基に、混合比αを算出する。
【0744】ステップS2003において、前景背景分
離部105は、領域特定部103から供給された領域情
報、および混合比算出部104から供給された混合比α
を基に、入力画像を、前景領域の画像、背景領域の画
像、カバードバックグラウンド領域の前景成分画像、カ
バードバックグラウンド領域の背景成分画像、アンカバ
ードバックグラウンド領域の前景成分画像、およびアン
カバードバックグラウンド領域の背景成分画像に分離す
る。
【0745】ステップS2004において、動きボケ除
去部2001は、動き検出部102から供給された動き
ベクトルおよびその位置情報、並びに領域特定部103
から供給された領域情報を基に、前景背景分離部105
から供給された前景成分画像の動きボケを除去する。動
きボケを除去する処理の詳細は、後述する。
【0746】ステップS2005において、補正部20
02は、前景背景分離部105から供給された背景成分
画像の混合領域に対応する画素値を補正する。
【0747】ステップS2006において、動きボケ除
去画像処理部2003は、動きボケが除去された前景成
分画像、および補正された背景成分画像毎に、画像の処
理を実行して、処理は終了する。動きボケ除去画像処理
部2003が実行する画像処理の詳細は、後述する。
【0748】このように、本発明に係る画像処理装置
は、入力画像を、前景成分画像および背景成分画像に分
離し、前景成分画像から動きボケを除去して、動きボケ
が除去された前景成分画像、および背景成分画像毎に画
像処理を実行する。
【0749】図121は、動きボケ除去部2001の構
成の一例を示すブロック図である。動き検出部102か
ら供給された動きベクトルとその位置情報、および領域
特定部103から供給された領域情報は、処理単位決定
部2101およびモデル化部2102に供給される。前
景背景分離部105から供給された前景成分画像は、足
し込み部2104に供給される。
【0750】処理単位決定部2101は、動きベクトル
とその位置情報、および領域情報を基に、動きベクトル
と共に、生成した処理単位をモデル化部2102に供給
する。処理単位決定部2101は、生成した処理単位を
足し込み部2104に供給する。
【0751】処理単位決定部2101が生成する処理単
位は、図122に例を示すように、前景成分画像のカバ
ードバックグラウンド領域に対応する画素から始まり、
アンカバードバックグラウンド領域に対応する画素まで
の動き方向に並ぶ連続する画素、またはアンカバードバ
ックグラウンド領域に対応する画素から始まり、カバー
ドバックグラウンド領域に対応する画素までの動き方向
に並ぶ連続する画素を示す。処理単位は、例えば、左上
点(処理単位で指定される画素であって、画像上で最も
左または最も上に位置する画素の位置)および右下点の
2つのデータから成る。
【0752】モデル化部2102は、動きベクトルおよ
び入力された処理単位を基に、モデル化を実行する。よ
り具体的には、例えば、モデル化部2102は、処理単
位に含まれる画素の数、画素値の時間方向の仮想分割
数、および画素毎の前景の成分の数に対応する複数のモ
デルを予め記憶しておき、処理単位、および画素値の時
間方向の仮想分割数を基に、図123に示すような、画
素値と前景の成分との対応を指定するモデルを選択する
ようにしても良い。
【0753】例えば、処理単位に対応する画素の数が1
2でありシャッタ時間内の動き量vが5であるときにお
いては、モデル化部2102は、仮想分割数を5とし、
最も左に位置する画素が1つの前景の成分を含み、左か
ら2番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から3番
目の画素が3つの前景の成分を含み、左から4番目の画
素が4つの前景の成分を含み、左から5番目の画素が5
つの前景の成分を含み、左から6番目の画素が5つの前
景の成分を含み、左から7番目の画素が5つの前景の成
分を含み、左から8番目の画素が5つの前景の成分を含
み、左から9番目の画素が4つの前景の成分を含み、左
から10番目の画素が3つの前景の成分を含み、左から
11番目の画素が2つの前景の成分を含み、左から12
番目の画素が1つの前景の成分を含み、全体として8つ
の前景の成分から成るモデルを選択する。
【0754】なお、モデル化部2102は、予め記憶し
てあるモデルから選択するのではなく、動きベクトル、
および処理単位が供給されたとき、動きベクトル、およ
び処理単位を基に、モデルを生成するようにしてもよ
い。
【0755】モデル化部2102は、選択したモデルを
方程式生成部2103に供給する。
【0756】方程式生成部2103は、モデル化部21
02から供給されたモデルを基に、方程式を生成する。
図123に示す前景成分画像のモデルを参照して、前景
の成分の数が8であり、処理単位に対応する画素の数が
12であり、動き量vが5であり、仮想分割数が5であ
るときの、方程式生成部2103が生成する方程式につ
いて説明する。
【0757】前景成分画像に含まれるシャッタ時間/vに
対応する前景成分がF01/v乃至F08/vであるとき、F01/v
乃至F08/vと画素値C01乃至C12との関係は、式(85)
乃至式(96)で表される。
【0758】 C01=F01/v (85) C02=F02/v+F01/v (86) C03=F03/v+F02/v+F01/v (87) C04=F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (88) C05=F05/v+F04/v+F03/v+F02/v+F01/v (89) C06=F06/v+F05/v+F04/v+F03/v+F02/v (90) C07=F07/v+F06/v+F05/v+F04/v+F03/v (91) C08=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v+F04/v (92) C09=F08/v+F07/v+F06/v+F05/v (93) C10=F08/v+F07/v+F06/v (94) C11=F08/v+F07/v (95) C12=F08/v (96)
【0759】方程式生成部2103は、生成した方程式
を変形して方程式を生成する。方程式生成部2103が
生成する方程式を、式(97)乃至式(108)に示
す。 C01=1・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (97) C02=1・F01/v+1・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (98) C03=1・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (99) C04=1・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (100) C05=1・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (101) C06=0・F01/v+1・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+0・F07/v+0・F08/v (102) C07=0・F01/v+0・F02/v+1・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+0・F08/v (103) C08=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+1・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (104) C09=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+1・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (105) C10=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +1・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (106) C11=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+1・F07/v+1・F08/v (107) C12=0・F01/v+0・F02/v+0・F03/v+0・F04/v+0・F05/v +0・F06/v+0・F07/v+1・F08/v (108)
【0760】式(97)乃至式(108)は、式(10
9)として表すこともできる。
【0761】
【数24】 式(109)において、jは、画素の位置を示す。この
例において、jは、1乃至12のいずれか1つの値を有
する。また、iは、前景値の位置を示す。この例におい
て、iは、1乃至8のいずれか1つの値を有する。aij
は、iおよびjの値に対応して、0または1の値を有す
る。
【0762】誤差を考慮して表現すると、式(109)
は、式(110)のように表すことができる。
【0763】
【数25】 式(110)において、ejは、注目画素Cjに含まれる誤
差である。
【0764】式(110)は、式(111)に書き換え
ることができる。
【0765】
【数26】
【0766】ここで、最小自乗法を適用するため、誤差
の自乗和Eを式(112)に示すように定義する。
【0767】
【数27】
【0768】誤差が最小になるためには、誤差の自乗和
Eに対する、変数Fkによる偏微分の値が0になればよ
い。式(113)を満たすようにFkを求める。
【0769】
【数28】
【0770】式(113)において、動き量vは固定値
であるから、式(114)を導くことができる。
【0771】
【数29】
【0772】式(114)を展開して、移項すると、式
(115)を得る。
【0773】
【数30】
【0774】式(115)のkに1乃至8の整数のいず
れか1つを代入して得られる8つの式に展開する。得ら
れた8つの式を、行列により1つの式により表すことが
できる。この式を正規方程式と呼ぶ。
【0775】このような最小自乗法に基づく、方程式生
成部2103が生成する正規方程式の例を式(116)
に示す。
【0776】
【数31】
【0777】式(116)をA・F=v・Cと表すと、C,A,vが
既知であり、Fは未知である。また、A,vは、モデル化の
時点で既知だが、Cは、足し込み動作において画素値を
入力することで既知となる。
【0778】最小自乗法に基づく正規方程式により前景
成分を算出することにより、画素Cに含まれている誤差
を分散させることができる。
【0779】方程式生成部2103は、このように生成
された正規方程式を足し込み部2104に供給する。
【0780】足し込み部2104は、処理単位決定部2
101から供給された処理単位を基に、前景成分画像に
含まれる画素値Cを、方程式生成部2103から供給さ
れた行列の式に設定する。足し込み部2104は、画素
値Cを設定した行列を演算部2105に供給する。
【0781】演算部2105は、掃き出し法(Gauss-Jo
rdanの消去法)などの解法に基づく処理により、動きボ
ケが除去された前景成分Fi/vを算出して、動きボケが除
去された前景の画素値である、0乃至8の整数のいずれ
かのiに対応するFiを算出して、図124に例を示す、
動きボケが除去された画素値であるFiから成る、動きボ
ケが除去された前景成分画像を出力する。
【0782】なお、図124に示す動きボケが除去され
た前景成分画像において、C03乃至C10のそれぞれにF01
乃至F08のそれぞれが設定されているのは、画面に対す
る前景成分画像の位置を変化させないためであり、任意
の位置に対応させることができる。
【0783】また、例えば、図125に示すように、処
理単位に対応する画素の数が8であり、動き量vが4で
あるとき、動きボケ除去部2001は、式(117)に
示す行列の式を生成する。
【0784】
【数32】
【0785】動きボケ除去部2001は、このように処
理単位の長さに対応した数の式を立てて、動きボケの量
が調整された画素値であるFiを算出する。同様に、例え
ば、処理単位に含まれる画素の数が100あるとき、1
00個の画素に対応する式を生成して、Fiを算出する。
【0786】以上のように、動きボケ除去部2001
は、動き量vおよび処理単位に対応して、式を生成し、
生成した式に前景成分画像の画素値を設定して、動きボ
ケが除去された前景成分画像を算出する。
【0787】次に、図126のフローチャートを参照し
て、動きボケ除去部2001による前景成分画像に含ま
れる動きボケの除去の処理を説明する。
【0788】ステップS2101において、動きボケ除
去部2001の処理単位決定部2101は、動きベクト
ルおよび領域情報を基に、処理単位を生成し、生成した
処理単位をモデル化部2102に供給する。
【0789】ステップS2102において、動きボケ除
去部2001のモデル化部2102は、動き量vおよび
処理単位に対応して、モデルの選択や生成を行う。ステ
ップS2103において、方程式生成部2103は、選
択されたモデルを基に、正規方程式を作成する。
【0790】ステップS2104において、足し込み部
2104は、作成された正規方程式に前景成分画像の画
素値を設定する。ステップS2105において、足し込
み部2104は、処理単位に対応する全ての画素の画素
値の設定を行ったか否かを判定し、処理単位に対応する
全ての画素の画素値の設定を行っていないと判定された
場合、ステップS2104に戻り、正規方程式への画素
値の設定の処理を繰り返す。
【0791】ステップS2105において、処理単位の
全ての画素の画素値の設定を行ったと判定された場合、
ステップS2106に進み、演算部2105は、足し込
み部2104から供給された画素値が設定された正規方
程式を基に、動きボケを除去した前景の画素値を算出し
て、処理は終了する。
【0792】このように、動きボケ除去部2001は、
動きベクトルおよび領域情報を基に、動きボケを含む前
景成分画像から動きボケを除去することができる。
【0793】すなわち、サンプルデータである画素値に
含まれる動きボケを除去することができる。
【0794】図127は、動きボケが除去された前景成
分画像に対応する、ノイズを除去するクラス分類適応処
理において使用される係数セットを生成するボケ除去画
像処理部2003の構成を示すブロック図である。
【0795】図127に構成を示すボケ除去画像処理部
2003は、補正された背景成分画像を使用しない。
【0796】教師画像フレームメモリ2201は、動き
ボケ除去部2001から供給された、動きボケが除去さ
れた前景成分画像を記憶する。教師画像フレームメモリ
2201は、記憶している教師画像である、動きボケが
除去された前景成分画像をノイズ付加部2202および
学習部2204に供給する。
【0797】ノイズ付加部2202は、乱数を生成し
て、教師画像フレームメモリ2201から供給された前
景成分画像の各画素値に乱数を加算して、前景成分画像
にノイズを付加する。ノイズ付加部2202は、ノイズ
が付加された前景成分画像を生徒画像フレームメモリ2
203に供給する。
【0798】生徒画像フレームメモリ2203は、ノイ
ズ付加部2202から供給された、ノイズが付加された
前景成分画像である生徒画像を記憶する。生徒画像フレ
ームメモリ2203は、記憶している生徒画像を学習部
2204に供給する。
【0799】学習部2204は、教師画像フレームメモ
リ2201から供給された前景成分画像である教師画
像、および生徒画像フレームメモリ2203から供給さ
れた、ノイズが付加された前景成分画像である生徒画像
を基に、ノイズが付加された前景成分画像に対応する係
数セットを生成し、生成した係数セットを係数セットメ
モリ2205に供給する。
【0800】係数セットメモリ2205は、学習部22
04から供給された背景成分画像に対応する係数セット
を記憶する。
【0801】図128のフローチャートを参照して、図
127に構成を示すボケ除去画像処理部2003によ
る、ノイズを除去するクラス分類適応処理に使用される
係数セットを生成する学習の処理を説明する。
【0802】ステップS2201において、ノイズ付加
部2202は、教師画像フレームメモリ2201に記憶
されている、教師画像である前景成分画像の画素値に乱
数を加算して、教師画像である前景成分画像に対応する
生徒画像を生成する。
【0803】ステップS2202において、学習部22
04は、教師画像フレームメモリ2201に記憶されて
いる前景成分画像である教師画像、および生徒画像フレ
ームメモリ2203に記憶されている、ノイズが付加さ
れた前景成分画像である生徒画像を基に、ノイズが付加
された前景成分画像に対応する係数セットを生成し、生
成した係数セットを係数セットメモリ2205に供給す
る。係数セットを生成する処理の詳細は、図92のフロ
ーチャートを参照して説明した処理と同様なので、その
説明は省略する。
【0804】係数セットメモリ2205は、ノイズが付
加された前景成分画像に対応する係数セットを記憶し
て、処理は終了する。
【0805】このように、図127に構成を示すボケ除
去画像処理部2003は、ノイズが付加された前景成分
画像に対応する係数セットを生成することができる。
【0806】図129は、動きボケが除去された前景成
分画像に、クラス分類適応処理を実行して、ノイズを除
去し、背景成分画像をエッジ強調するボケ除去画像処理
部2003の構成を示すブロック図である。
【0807】フレームメモリ2301は、動きボケ除去
部2001から供給された、動きボケが除去された前景
成分画像を記憶する。フレームメモリ2301は、記憶
している、動きボケが除去された前景成分画像をマッピ
ング部2302に供給する。
【0808】マッピング部2302は、係数セットメモ
リ2303に記憶されている、前景成分画像に対応する
係数セットを基に、クラス分類適応処理により、フレー
ムメモリ2301に記憶されている前景成分画像に対応
する、ノイズが除去された予測画像を生成する。マッピ
ング部2302は、生成した予測画像をフレームメモリ
2304に供給する。
【0809】フレームメモリ2304は、ノイズが除去
された予測画像を記憶し、記憶している予測画像を合成
部2308に供給する。
【0810】フレームメモリ2305は、補正部200
2から供給された背景成分画像を記憶する。フレームメ
モリ2305は、記憶している背景成分画像をエッジ強
調部2306に供給する。
【0811】エッジ強調部2306は、エッジ強調の処
理により、フレームメモリ2305に記憶されている背
景成分画像のエッジを強調し、エッジ強調した背景成分
画像をフレームメモリ2307に供給する。
【0812】フレームメモリ2307は、エッジ強調さ
れた背景成分画像を記憶し、記憶している背景成分画像
を合成部2308に供給する。
【0813】合成部2308は、フレームメモリ230
4から供給された、前景成分画像に対応する、ノイズが
除去された予測画像、およびフレームメモリ2307か
ら供給された、エッジ強調された背景成分画像を合成
し、合成した画像を出力画像として出力する。
【0814】図130は、ボケ除去画像処理部2003
の処理を説明する図である。
【0815】図130に示すように、入力画像は、領域
に分割され、前景の成分と背景の成分とに分離される。
分離された入力画像は、前景成分画像および背景成分画
像に合成される。
【0816】前景成分画像に含まれる動きボケは、除去
される。背景成分画像は、混合領域に対応する画素値が
補正される。
【0817】動きボケが除去された前景成分画像は、ボ
ケ除去画像処理部2003により、クラス分類適応処理
が適用されて、ノイズが除去され、補正された背景成分
画像は、ボケ除去画像処理部2003により、エッジが
強調される。
【0818】次に、図131のフローチャートを参照し
て、図129に構成を示すボケ除去画像処理部2003
の画像の創造の処理を説明する。
【0819】ステップS2301において、マッピング
部2302は、係数セットメモリ2303に記憶されて
いる、前景成分画像に対応する係数セットを基に、クラ
ス分類適応処理により、フレームメモリ801に記憶さ
れている前景成分画像からノイズを除去した画像を予測
する。画像の予測の処理の詳細は、図97のフローチャ
ートを参照して説明した処理と同様なので、その説明は
省略する。
【0820】マッピング部2302は、前景成分画像か
らノイズが除去された画像をフレームメモリ2304に
供給する。フレームメモリ2304は、前景成分画像に
対応する、ノイズが除去された予測画像を記憶し、記憶
している予測画像を合成部2308に供給する。
【0821】ステップS2302において、エッジ強調
部2306は、フレームメモリ2305に記憶されてい
る背景成分画像をエッジ強調する。エッジ強調部230
6は、エッジ強調された画像をフレームメモリ2307
に供給する。フレームメモリ2307は、エッジ強調さ
れた画像を記憶し、記憶しているエッジ強調された画像
を合成部2308に供給する。
【0822】ステップS2303において、合成部23
08は、前景成分画像に対応する、ノイズが除去された
予測画像、およびエッジ強調された背景成分画像を合成
する。合成部2308は、記憶している、合成された画
像を出力し、処理は終了する。
【0823】このように、図129に構成を示すボケ除
去画像処理部2003を有する画像処理装置は、前景成
分画像に対応する、ノイズが除去された予測画像を生成
し、背景成分画像をエッジ強調し、ノイズが除去された
予測画像およびエッジ強調された背景成分画像を合成し
て出力することができるので、動きボケの除去の処理に
よる前景成分画像のノイズを低減させると共に、画像全
体の解像度感を増加させることができる。
【0824】なお、ステップS2301およびステップ
S2302の処理を、シリアルに実行しても、パラレル
に実行しても良いことは勿論である。
【0825】図132は、画像処理装置の機能の他の構
成を示すブロック図である。図115に示す画像処理装
置が領域特定と混合比αの算出を順番に行うのに対し
て、図132に示す画像処理装置は、領域特定と混合比
αの算出を並行して行う。
【0826】図115のブロック図に示す機能と同様の
部分には同一の番号を付してあり、その説明は省略す
る。
【0827】入力画像は、オブジェクト抽出部101、
領域特定部103、混合比算出部1001、および前景
背景分離部1002に供給される。
【0828】混合比算出部1001は、入力画像を基
に、画素がカバードバックグラウンド領域に属すると仮
定した場合における推定混合比、および画素がアンカバ
ードバックグラウンド領域に属すると仮定した場合にお
ける推定混合比を、入力画像に含まれる画素のそれぞれ
に対して算出し、算出した画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、
および画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
ると仮定した場合における推定混合比を前景背景分離部
1002に供給する。
【0829】前景背景分離部1002は、混合比算出部
1001から供給された、画素がカバードバックグラウ
ンド領域に属すると仮定した場合における推定混合比、
および画素がアンカバードバックグラウンド領域に属す
ると仮定した場合における推定混合比、並びに領域特定
部103から供給された領域情報を基に、入力画像を、
背景成分画像、および前景成分画像に分離し、分離され
た画像を動きボケ除去部2001に供給する。
【0830】このように、図132に構成を示す画像処
理装置は、背景成分画像、および前景成分画像毎に、そ
れぞれの性質に対応して処理を実行することができる。
【0831】図133は、画像処理装置の機能のさらに
他の構成を示すブロック図である。
【0832】図133に示す画像処理装置に供給された
入力画像は、オブジェクト抽出部101、領域特定部1
03、および領域処理部3001に供給される。
【0833】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる前景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像に含まれる前景のオブジェクトに対応
する画像オブジェクトの輪郭を検出することで、前景の
オブジェクトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出す
る。
【0834】オブジェクト抽出部101は、入力画像に
含まれる背景のオブジェクトに対応する画像オブジェク
トを粗く抽出して、抽出した画像オブジェクトを動き検
出部102に供給する。オブジェクト抽出部101は、
例えば、入力画像と、抽出された前景のオブジェクトに
対応する画像オブジェクトとの差から、背景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトを粗く抽出する。
【0835】動き検出部102は、例えば、ブロックマ
ッチング法、勾配法、位相相関法、およびペルリカーシ
ブ法などの手法により、粗く抽出された前景のオブジェ
クトに対応する画像オブジェクトの動きベクトルを算出
して、算出した動きベクトルおよび動きベクトルの位置
情報(動きベクトルに対応する画素の位置を特定する情
報)を領域特定部103に供給する。
【0836】領域特定部103は、入力された画像の画
素のそれぞれを、前景領域、背景領域、または混合領域
のいずれかに特定し、画素毎に前景領域、背景領域、ま
たは混合領域のいずれかに属するかを示す領域情報を領
域処理部3001に供給する。
【0837】領域処理部3001は、領域特定部103
から供給された領域情報を基に、前景領域、背景領域、
または混合領域毎に、入力画像を分割し、分割された入
力画像毎に画像処理を実行する。例えば、領域処理部3
001は、前景領域、背景領域、または混合領域毎に、
入力画像を分割し、分割された前景領域、および背景領
域のそれぞれに対応する、ノイズを除去するクラス分類
適応処理で使用される係数を生成する。
【0838】例えば、領域処理部3001は、前景領
域、背景領域、または混合領域毎に、入力画像を分割
し、分割された前景領域、または背景領域にクラス分類
適応処理を適用して、ノイズが除去された画像を創造す
るとともに、分割された混合領域をそのまま通過させ
る。
【0839】図134は、図133に示す画像処理装置
の処理を説明する図である。
【0840】図134に示すように、入力画像は、前景
領域、背景領域、および混合領域が特定され、特定され
た前景領域、背景領域、および混合領域毎の画像に分割
される。
【0841】分割された前景領域の画像、および背景領
域の画像は、それぞれに、例えば、係数の生成の処理、
またはノイズ除去の処理などが適用される。
【0842】図135は、図133に構成を示す、本発
明に係る画像処理装置の画像の処理を説明するフローチ
ャートである。
【0843】ステップS3001において、領域特定部
103は、動き検出部102から供給された動きベクト
ルおよびその位置情報を基に、入力画像の前景領域、背
景領域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカ
バードバックグラウンド領域を特定する。
【0844】ステップS3002において、領域処理部
3001は、入力画像を、特定された前景領域、背景領
域、カバードバックグラウンド領域、およびアンカバー
ドバックグラウンド領域に分割して、分割された、前景
領域、背景領域、カバードバックグラウンド領域、およ
びアンカバードバックグラウンド領域毎に、画像の処理
を実行して、処理は終了する。
【0845】このように、本発明に係る画像処理装置
は、入力画像を、前景領域、背景領域、カバードバック
グラウンド領域、およびアンカバードバックグラウンド
領域に分割し、分割された、前景領域、背景領域、カバ
ードバックグラウンド領域、およびアンカバードバック
グラウンド領域毎に画像処理を実行する。
【0846】図136は、ノイズを除去するクラス分類
適応処理において使用される係数セットを生成する領域
処理部3001の構成を示すブロック図である。教師画
像フレームメモリ3101は、入力画像をフレーム単位
で記憶する。教師画像フレームメモリ3101は、記憶
している入力画像を領域分割部3102に供給する。
【0847】領域分割部3102は、領域特定部103
から供給された領域情報を基に、背景領域、または前景
領域に、入力画像である教師画像を分割する。
【0848】図136に構成を示す領域処理部3001
は、アンカバードバックグラウンド領域の画像、および
カバードバックグラウンド領域の画像を使用しない。
【0849】領域分割部3102は、分割された教師画
像である、教師画像の背景領域の画像を背景領域教師画
像フレームメモリ3103に供給し、教師画像の前景領
域の画像を前景領域教師画像フレームメモリ3104に
供給する。
【0850】背景領域教師画像フレームメモリ3103
は、領域分割部3102から供給された、教師画像の背
景領域の画像を記憶する。背景領域教師画像フレームメ
モリ3103は、記憶している教師画像の背景領域の画
像をノイズ付加部3105−1および学習部3108−
1に供給する。
【0851】前景領域教師画像フレームメモリ3104
は、領域分割部3102から供給された、教師画像の前
景領域の画像を記憶する。前景領域教師画像フレームメ
モリ3104は、記憶している教師画像の前景領域の画
像をノイズ付加部3105−2および学習部3108−
2に供給する。
【0852】ノイズ付加部3105−1は、例えば、乱
数を生成して、背景領域教師画像フレームメモリ310
3から供給された、教師画像の背景領域の画像の画素値
に乱数を加算して、背景領域の画像にノイズを付加す
る。ノイズ付加部3105−1は、ノイズを付加した背
景領域の画像を背景領域生徒画像フレームメモリ310
6に供給する。
【0853】背景領域生徒画像フレームメモリ3106
は、ノイズ付加部3105−1から供給された、ノイズ
が付加された背景領域の画像を、生徒画像として記憶す
る。背景領域生徒画像フレームメモリ3106は、記憶
している、教師画像の背景領域の画像に対応する生徒画
像を学習部3108−1に供給する。
【0854】ノイズ付加部3105−2は、例えば、乱
数を生成して、前景領域教師画像フレームメモリ310
4から供給された、教師画像の前景領域の画像の画素値
に乱数を加算して、前景領域の画像にノイズを付加す
る。ノイズ付加部3105−2は、ノイズを付加した前
景領域の画像を前景領域生徒画像フレームメモリ310
7に供給する。
【0855】前景領域生徒画像フレームメモリ3107
は、ノイズ付加部3105−2から供給された、ノイズ
が付加された前景領域の画像を、生徒画像として記憶す
る。前景領域生徒画像フレームメモリ3107は、記憶
している、教師画像の前景領域の画像に対応する生徒画
像を学習部3108−2に供給する。
【0856】学習部3108−1は、背景領域教師画像
フレームメモリ3103から供給されたの背景領域の画
像である教師画像、および背景領域生徒画像フレームメ
モリ3106から供給された、ノイズが付加されている
生徒画像を基に、背景領域に対応する係数セットを生成
し、生成した係数セットを係数セットメモリ3109に
供給する。
【0857】学習部3108−2は、前景領域教師画像
フレームメモリ3104から供給された前景領域の画像
である教師画像、および前景領域生徒画像フレームメモ
リ3107から供給された、ノイズが付加されている生
徒画像を基に、前景領域に対応する係数セットを生成
し、生成した係数セットを係数セットメモリ3109に
供給する。
【0858】係数セットメモリ3109は、学習部31
08−1から供給された背景領域に対応する係数セッ
ト、および学習部3108−2から供給された前景領域
に対応する係数セットを記憶する。
【0859】図137は、図136に構成を示す領域処
理部3001が生成する係数セットを説明する図であ
る。領域処理部3001は、背景領域に対応する係数セ
ット、および前景領域に対応する係数セットを個々に算
出する。領域処理部3001は、アンカバードバックグ
ラウンド領域またはカバードバックグラウンド領域に対
応する係数セットを生成しない。
【0860】すなわち、領域分割部3102は、入力画
像を、背景領域の画像、アンカバードバックグラウンド
領域に属する画素からなる画像、カバードバックグラウ
ンド領域に属する画素からなる画像、および前景領域の
画像に分割する。
【0861】学習部3108−1は、分割された背景領
域の画像を基に、背景領域に対応する係数セットを算出
し、学習部3108−2は、分割された前景領域の画像
を基に、前景領域に対応する係数セットを算出する。
【0862】背景領域に対応する係数セットは、ノイズ
が除去された画素値を予測するクラス分類適応処理にお
いて、背景領域の画素値の予測に使用される。前景領域
に対応する係数セットは、ノイズが除去された画素値を
予測するクラス分類適応処理において、前景領域の画素
値の予測に使用される。
【0863】背景領域の画像に対応する予測画像、アン
カバードバックグラウンド領域に対応する画像、カバー
ドバックグラウンド領域に対応する画像、および前景領
域の画像に対応する予測画像は、合成され、1つの画像
とされる。
【0864】図138のフローチャートを参照して、図
136に構成を示す領域処理部3001による、クラス
分類適応処理による画素値の予測に使用される係数セッ
トを生成する学習の処理を説明する。
【0865】ステップS3101において、領域分割部
3102は、領域特定部103から供給された領域情報
を基に、教師画像フレームメモリ3101に記憶されて
いる教師画像を領域分割する。すなわち、領域分割部3
102は、領域分割された教師画像である、教師画像の
背景領域の画像を背景領域教師画像フレームメモリ31
03に供給する。領域分割部3102は、領域分割され
た教師画像である、教師画像の前景領域の画像を前景領
域教師画像フレームメモリ3104に供給する。
【0866】ステップS3102において、ノイズ付加
部3105−1および3105−2は、背景領域、およ
び前景領域それぞれの生徒画像を生成する。すなわち、
例えば、ノイズ付加部3105−1は、乱数を生成し
て、背景領域教師画像フレームメモリ3103に記憶さ
れている、背景領域の画像の画素値に乱数を加算して、
背景領域の画像にノイズを付加する。ノイズ付加部31
05−2は、乱数を生成して、前景領域教師画像フレー
ムメモリ3104に記憶されている、前景領域の画像の
画素値に乱数を加算して、前景領域の画像にノイズを付
加する。
【0867】ステップS3103において、学習部31
08−1は、背景領域教師画像フレームメモリ3103
に記憶されている、背景領域の画像である教師画像、お
よび背景領域生徒画像フレームメモリ3106に記憶さ
れている、ノイズが付加された生徒画像を基に、背景領
域に対応する係数セットを生成する。係数セットの生成
の処理の詳細は、図92のフローチャートを参照して説
明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0868】ステップS3104において、学習部31
08−2は、前景領域教師画像フレームメモリ3104
に記憶されている、前景領域の画像である教師画像、お
よび前景領域生徒画像フレームメモリ3107に記憶さ
れている、ノイズが付加された生徒画像を基に、前景領
域に対応する係数セットを生成する。係数セットの生成
の処理の詳細は、図92のフローチャートを参照して説
明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0869】ステップS3105において、学習部31
08−1および3108−2は、それぞれ、背景領域に
対応する係数セット、または前景領域に対応する係数セ
ットを係数セットメモリ3109に供給する。係数セッ
トメモリ3109は、背景領域、または前景領域のそれ
ぞれに対応する係数セットを記憶して、処理は終了す
る。
【0870】このように、図136に構成を示す領域処
理部3001は、背景領域に対応する係数セット、およ
び前景領域に対応する係数セットを生成することができ
る。
【0871】なお、ステップS3103およびステップ
S3104の処理を、シリアルに実行しても、パラレル
に実行しても良いことは勿論である。
【0872】図139は、クラス分類適応処理を実行し
て、ノイズを除去した画像を生成する領域処理部300
1の構成を示すブロック図である。フレームメモリ32
01は、入力画像をフレーム単位で記憶する。フレーム
メモリ3201は、記憶している入力画像を領域分割部
3202に供給する。
【0873】領域分割部3202は、領域特定部103
から供給された領域情報を基に、背景領域、および前景
領域、カバードバックグラウンド領域、またはアンカバ
ードバックグラウンド領域毎に入力画像を分割する。す
なわち、領域分割部3202は、分割された入力画像で
ある、背景領域の画像を背景領域フレームメモリ320
3に供給し、前景領域の画像を前景領域フレームメモリ
3204に供給する。
【0874】領域分割部3202は、分割された入力画
像である、カバードバックグラウンド領域、およびアン
カバードバックグラウンド領域の画像を、合成部320
7に供給する。
【0875】背景領域フレームメモリ3203は、領域
分割部3202から供給された、背景領域に属する画素
からなる背景領域の画像を記憶する。背景領域フレーム
メモリ3203は、記憶している背景領域の画像をマッ
ピング部3205−1に供給する。
【0876】前景領域フレームメモリ3204は、領域
分割部3202から供給された、前景領域に属する画素
からなる前景領域の画像を記憶する。前景領域入力画像
フレームメモリ506は、記憶している前景領域の画像
をマッピング部3205−2に供給する。
【0877】マッピング部3205−1は、係数セット
メモリ3206に記憶されている、背景領域に対応する
係数セットを基に、クラス分類適応処理により、背景領
域フレームメモリ3203に記憶されている背景領域の
画像に対応する、ノイズを除去した予測画像を生成す
る。マッピング部3205−1は、生成した予測画像を
合成部3207に供給する。
【0878】マッピング部3205−2は、係数セット
メモリ3206に記憶されている、前景領域に対応する
係数セットを基に、クラス分類適応処理により、前景領
域フレームメモリ3204に記憶されている前景領域の
画像に対応する、ノイズを除去した予測画像を生成す
る。マッピング部3205−2は、生成した予測画像を
合成部3207に供給する。
【0879】合成部3207は、マッピング部3205
−1から供給された背景領域の画像に対応する予測画
像、マッピング部3205−2から供給された前景領域
の画像に対応する予測画像、並びに領域分割部3202
から供給されたカバードバックグラウンド領域、および
アンカバードバックグラウンド領域の画像を合成し、合
成された画像をフレームメモリ3208に供給する。
【0880】フレームメモリ3208は、合成部320
7から供給された画像を記憶すると共に、記憶している
画像を出力画像として出力する。
【0881】次に、図140のフローチャートを参照し
て、図139に構成を示す領域処理部3001の画像の
創造の処理を説明する。
【0882】ステップS3201において、領域分割部
3202は、領域特定部103から供給された領域情報
を基に、背景領域、前景領域、カバードバックグラウン
ド領域、またはアンカバードバックグラウンド領域に入
力画像を分割する。すなわち、領域分割部3202は、
分割された入力画像である、背景領域に属する画素から
なる背景領域の画像を背景領域フレームメモリ3203
に供給し、前景領域に属する画素からなる前景領域の画
像を前景領域フレームメモリ3204に供給する。領域
分割部3202は、アンカバードバックグラウンド領域
に属する画素からなる画像、およびカバードバックグラ
ウンド領域に属する画素を合成部3207に供給する。
【0883】ステップS3202において、マッピング
部3205−1は、係数セットメモリ3206に記憶さ
れている、背景領域に対応する係数セットを基に、クラ
ス分類適応処理により、背景領域フレームメモリ320
3に記憶されている背景領域の画像に対応する、ノイズ
を除去した画像を予測する。ノイズを除去した画像の予
測の処理の詳細は、図97のフローチャートを参照して
説明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0884】ステップS3203において、マッピング
部3205−2は、係数セットメモリ3206に記憶さ
れている、前景領域に対応する係数セットを基に、クラ
ス分類適応処理により、前景領域フレームメモリ320
4に記憶されている前景領域の画像に対応する、ノイズ
を除去した画像を予測する。ノイズを除去した画像の予
測の処理の詳細は、図97のフローチャートを参照して
説明した処理と同様なので、その説明は省略する。
【0885】ステップS3204において、合成部32
07は、背景領域の画像に対応する予測画像、および前
景領域に対応する予測画像、並びにアンカバードバック
グラウンド領域の画像、およびカバードバックグラウン
ド領域の画像を合成する。合成部3207は、合成され
た画像をフレームメモリ3208に供給する。フレーム
メモリ3208は、合成部3207から供給された画像
を記憶する。
【0886】ステップS3205において、フレームメ
モリ3208は、記憶している、合成された画像を出力
し、処理は終了する。
【0887】このように、図139に構成を示す領域処
理部3001を有する画像処理装置は、背景領域、アン
カバードバックグラウンド領域、カバードバックグラウ
ンド領域、および前景領域毎に、入力画像を分割し、分
割された背景領域の画像、および前景領域の画像毎に予
測画像を生成し、生成した予測画像を、アンカバードバ
ックグラウンド領域、およびカバードバックグラウンド
領域の画像と合成することができるので、混合領域にお
いて、不自然な画像の劣化を発生させることなく、画像
全体のノイズを低減させることができる。
【0888】なお、ステップS3202およびステップ
S3203の処理を、シリアルに実行しても、パラレル
に実行しても良いことは勿論である。
【0889】また、本発明において、画像処理は、その
まま画像を通過させる処理を含む。
【0890】なお、前景となるオブジェクトの動きの方
向は左から右として説明したが、その方向に限定されな
いことは勿論である。
【0891】また、クラス分類適応処理は、所定の情報
から係数を生成して、生成した係数を基に実行するよう
にしてもよい。
【0892】以上においては、3次元空間と時間軸情報
を有する現実空間の画像をビデオカメラを用いて2次元
空間と時間軸情報を有する時空間への射影を行った場合
を例としたが、本発明は、この例に限らず、より多くの
第1の次元の第1の情報を、より少ない第2の次元の第
2の情報に射影した場合に適応することが可能である。
【0893】なお、センサは、CCDに限らす、固体撮像
素子である、例えば、BBD(Bucket Brigade Device)、
CID(Charge Injection Device)、またはCPD(Charge
Priming Device)などのセンサでもよく、また、検出素
子がマトリックス状に配置されているセンサに限らず、
検出素子が1列に並んでいるセンサでもよい。
【0894】本発明の信号処理を行うプログラムを記録
した記録媒体は、図10に示すように、コンピュータと
は別に、ユーザにプログラムを提供するために配布され
る、プログラムが記録されている磁気ディスク91(フ
ロッピ(登録商標)ディスクを含む)、光ディスク92
(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digita
l Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク93(M
D(Mini-Disc)(商標)を含む)、もしくは半導体メ
モリ94などよりなるパッケージメディアにより構成さ
れるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態
でユーザに提供される、プログラムが記録されているRO
M72や、記憶部78に含まれるハードディスクなどで
構成される。
【0895】なお、本明細書において、記録媒体に記録
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
【0896】
【発明の効果】本発明の画像処理装置および方法、記録
媒体、並びにプログラムによれば、入力画像データに基
づいて、前景オブジェクトを構成する前景オブジェクト
成分、および背景オブジェクトを構成する背景オブジェ
クト成分が混合されてなる混合領域、並びに前景オブジ
ェクト成分からなる前景領域、および背景オブジェクト
を構成する背景オブジェクト成分からなる背景領域の一
方により構成される非混合領域のうちの、少なくとも一
方が特定され、特定結果に対応する領域特定情報が出力
され、混合領域および非混合領域のうちの、少なくとも
一方の領域の画素データが処理されるようにしたので、
背景の画像と移動する物体の画像との混ざり合い対応し
て画像を処理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の画像処理装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】クラスタップを説明する図である。
【図3】予測タップを説明する図である。
【図4】クラス分類適応処理の概略を説明する図であ
る。
【図5】従来の係数セットを説明する図である。
【図6】従来の学習の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図7】従来の画像処理装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図8】入力画像の画素値、およびクラス分類適応処理
により生成された出力画像の画素値を示す図である。
【図9】従来の画像の創造の処理を説明するフローチャ
ートである。
【図10】本発明に係る画像処理装置の一実施の形態の
構成を示すブロック図である。
【図11】画像処理装置の機能の構成を示すブロック図
である。
【図12】センサによる撮像を説明する図である。
【図13】画素の配置を説明する図である。
【図14】検出素子の動作を説明する図である。
【図15】動いている前景に対応するオブジェクトと、
静止している背景に対応するオブジェクトとを撮像して
得られる画像を説明する図である。
【図16】背景領域、前景領域、混合領域、カバードバ
ックグラウンド領域、およびアンカバードバックグラウ
ンド領域を説明する図である。
【図17】静止している前景に対応するオブジェクトお
よび静止している背景に対応するオブジェクトを撮像し
た画像における、隣接して1列に並んでいる画素の画素
値を時間方向に展開したモデル図である。
【図18】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図19】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図20】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図21】前景領域、背景領域、および混合領域の画素
を抽出した例を示す図である。
【図22】画素と画素値を時間方向に展開したモデルと
の対応を示す図である。
【図23】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図24】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図25】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図26】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図27】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図28】分割された画像と、画素の画素値を時間方向
に展開したモデル図との対応を示す図である。
【図29】分離された画像と、画素の画素値を時間方向
に展開したモデル図との対応を示す図である。
【図30】分割された画像の例を示す図である。
【図31】分離された画像の例を示す図である。
【図32】本発明に係る画像処理装置の画像の処理を説
明するフローチャートである。
【図33】領域特定部103の構成の一例を示すブロッ
ク図である。
【図34】前景に対応するオブジェクトが移動している
ときの画像を説明する図である。
【図35】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図36】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図37】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図38】領域判定の条件を説明する図である。
【図39】領域特定部103の領域の特定の結果の例を
示す図である。
【図40】領域特定部103の領域の特定の結果の例を
示す図である。
【図41】領域特定の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図42】領域特定部103の構成の他の一例を示すブ
ロック図である。
【図43】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図44】背景画像の例を示す図である。
【図45】2値オブジェクト画像抽出部302の構成を
示すブロック図である。
【図46】相関値の算出を説明する図である。
【図47】相関値の算出を説明する図である。
【図48】2値オブジェクト画像の例を示す図である。
【図49】時間変化検出部303の構成を示すブロック
図である。
【図50】領域判定部342の判定を説明する図であ
る。
【図51】時間変化検出部303の判定の例を示す図で
ある。
【図52】領域判定部103の領域特定の処理を説明す
るフローチャートである。
【図53】領域判定の処理の詳細を説明するフローチャ
ートである。
【図54】領域特定部103のさらに他の構成を示すブ
ロック図である。
【図55】ロバスト化部361の構成を説明するブロッ
ク図である。
【図56】動き補償部381の動き補償を説明する図で
ある。
【図57】動き補償部381の動き補償を説明する図で
ある。
【図58】領域特定の処理を説明するフローチャートで
ある。
【図59】ロバスト化の処理の詳細を説明するフローチ
ャートである。
【図60】混合比算出部104の構成の一例を示すブロ
ック図である。
【図61】理想的な混合比αの例を示す図である。
【図62】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図63】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図64】前景の成分の相関を利用した近似を説明する
図である。
【図65】C,N、およびPの関係を説明する図である。
【図66】推定混合比処理部401の構成を示すブロッ
ク図である。
【図67】推定混合比の例を示す図である。
【図68】混合比算出部104の他の構成を示すブロッ
ク図である。
【図69】混合比の算出の処理を説明するフローチャー
トである。
【図70】推定混合比の演算の処理を説明するフローチ
ャートである。
【図71】混合比αを近似する直線を説明する図であ
る。
【図72】混合比αを近似する平面を説明する図であ
る。
【図73】混合比αを算出するときの複数のフレームの
画素の対応を説明する図である。
【図74】混合比推定処理部401の他の構成を示すブ
ロック図である。
【図75】推定混合比の例を示す図である。
【図76】混合比の算出の処理を説明するフローチャー
トである。
【図77】カバードバックグラウンド領域に対応するモ
デルによる混合比推定の処理を説明するフローチャート
である。
【図78】前景背景分離部105の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図79】入力画像、前景成分画像、および背景成分画
像を示す図である。
【図80】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図81】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図82】画素値を時間方向に展開し、シャッタ時間に
対応する期間を分割したモデル図である。
【図83】分離部601の構成の一例を示すブロック図
である。
【図84】分離された前景成分画像、および背景成分画
像の例を示す図である。
【図85】前景と背景との分離の処理を説明するフロー
チャートである。
【図86】係数セットを生成する分離画像処理部106
の構成を示すブロック図である。
【図87】教師画像と生徒画像との関係を説明する図で
ある。
【図88】学習部704の構成を示すブロック図であ
る。
【図89】クラス分類処理を説明する図である。
【図90】ADRC処理を説明する図である。
【図91】分離画像処理部106による、係数セットを
生成する学習の処理を説明するフローチャートである。
【図92】背景成分画像に対応する係数セットの生成の
処理を説明するフローチャートである。
【図93】背景成分画像にクラス分類適応処理を適応し
て、空間方向に、より高解像度な画像を生成すると共
に、前景成分画像を線形補間する分離画像処理部106
の構成を示すブロック図である。
【図94】マッピング部802の構成を示すブロック図
である。
【図95】図93に構成を示す分離画像処理部106の
処理を説明する図である。
【図96】図93の分離画像処理部106の処理を説明
するフローチャートである。
【図97】背景成分画像に対応する画像の予測の処理を
説明するフローチャートである。
【図98】背景成分画像にのみエッジ強調処理を適用す
る分離画像処理部106の構成を示すブロック図であ
る。
【図99】エッジ強調部901の構成を示すブロック図
である。
【図100】エッジ強調の処理を説明する図である。
【図101】フィルタ係数を示す図である。
【図102】ハイパスフィルタ921の動作を説明する
図である。
【図103】フィルタ係数を示す図である。
【図104】ハイパスフィルタ921の動作を説明する
図である。
【図105】エッジ強調部901の他の構成を示すブロ
ック図である。
【図106】フィルタ係数を示す図である。
【図107】フィルタ741の動作を説明する図であ
る。
【図108】フィルタ係数を示す図である。
【図109】フィルタ741の動作を説明する図であ
る。
【図110】図98に構成を示す分離画像処理部106
の処理を説明する図である。
【図111】図98に構成を示す分離画像処理部106
の処理を説明するフローチャートである。
【図112】画像処理装置の機能の他の構成を示すブロ
ック図である。
【図113】混合比算出部1001の構成の一例を示す
ブロック図である。
【図114】前景背景分離部1002の構成の一例を示
すブロック図である。
【図115】本発明に係る画像処理装置の機能の他の構
成を示すブロック図である。
【図116】背景成分画像のモデルの例を示す図であ
る。
【図117】補正された背景成分画像のモデルの例を示
す図である。
【図118】図115の画像処理装置の処理を説明する
図である。
【図119】図115の画像処理装置の処理を説明する
図である。
【図120】図115に構成を示す、本発明に係る画像
処理装置の画像の処理を説明するフローチャートであ
る。
【図121】動きボケ除去部2001の構成の一例を示
すブロック図である。
【図122】処理単位を説明する図である。
【図123】前景成分画像の画素値を時間方向に展開
し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図で
ある。
【図124】前景成分画像の画素値を時間方向に展開
し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図で
ある。
【図125】前景成分画像の画素値を時間方向に展開
し、シャッタ時間に対応する期間を分割したモデル図で
ある。
【図126】前景成分画像に含まれる動きボケの除去の
処理を説明するフローチャートである。
【図127】係数セットを生成するボケ除去画像処理部
2003の構成を示すブロック図である。
【図128】ノイズを除去するクラス分類適応処理に使
用される係数セットを生成する学習の処理を説明するフ
ローチャートである。
【図129】ボケ除去画像処理部2003の構成を示す
ブロック図である。
【図130】ボケ除去画像処理部2003の処理を説明
する図である。
【図131】図129に構成を示すボケ除去画像処理部
2003の画像の処理を説明するフローチャートであ
る。
【図132】画像処理装置の機能の他の構成を示すブロ
ック図である。
【図133】画像処理装置の機能のさらに他の構成を示
すブロック図である。
【図134】図133に示す画像処理装置の処理を説明
する図である。
【図135】図133に構成を示す、本発明に係る画像
処理装置の画像の処理を説明するフローチャートであ
る。
【図136】係数セットを生成する領域処理部3001
の構成を示すブロック図である。
【図137】図136に構成を示す領域処理部3001
が生成する係数セットを説明する図である。
【図138】係数セットを生成する学習の処理を説明す
るフローチャートである。
【図139】ノイズが除去された画像を生成する領域処
理部3001の構成を示すブロック図である。
【図140】図139に構成を示す領域処理部3001
の画像の創造の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
71 CPU, 72 ROM, 73 RAM, 76 入力
部, 77 出力部,78 記憶部, 79 通信部,
91 磁気ディスク, 92 光ディスク, 93
光磁気ディスク, 94 半導体メモリ, 101 オ
ブジェクト抽出部, 102 動き検出部, 103
領域特定部, 104 混合比算出部, 105 前景
背景分離部, 106 分離画像処理部, 201 フ
レームメモリ, 202−1乃至202−4 静動判定
部, 203−1乃至203−3 領域判定部, 20
4 判定フラグ格納フレームメモリ, 205 合成
部, 206 判定フラグ格納フレームメモリ, 30
1 背景画像生成部, 302 2値オブジェクト画像
抽出部, 303 時間変化検出部, 321 相関値
演算部, 322 しきい値処理部, 341 フレー
ムメモリ, 342領域判定部, 361 ロバスト化
部, 381 動き補償部, 382 スイッチ, 3
83−1乃至383−N フレームメモリ、 384−
1乃至384−N 重み付け部, 385 積算部,
401 推定混合比処理部, 402 推定混合比処理
部, 403 混合比決定部, 421 フレームメモ
リ,422 フレームメモリ, 423 混合比演算
部, 441 選択部, 442 推定混合比処理部,
443 推定混合比処理部, 444 選択部,50
1 遅延回路, 502 足し込み部, 503 演算
部, 601 分離部, 602 スイッチ, 603
合成部, 604 スイッチ, 605合成部, 6
21 フレームメモリ, 622 分離処理ブロック,
623フレームメモリ, 631 アンカバード領域
処理部, 632 カバード領域処理部, 633 合
成部, 634 合成部, 701 教師画像フレーム
メモリ, 702 加重平均部, 703 生徒画像フ
レームメモリ, 704学習部, 705 係数セット
メモリ, 721 クラス分類部, 722 予測タッ
プ取得部, 723 対応画素取得部, 724 正規
方程式生成部,725 係数計算部, 731 クラス
タップ取得部, 732 波形分類部,802 マッピ
ング部, 803 係数セットメモリ, 806 線形
補間処理部, 808 合成部, 821 マッピング
処理部, 831 クラス分類部, 832 予測タッ
プ取得部, 833 予測演算部, 851 クラスタ
ップ取得部, 852 波形分類部, 901 エッジ
強調部, 902 合成部, 921 ハイパスフィル
タ, 922 ゲイン調整部, 923 加算部, 9
41 フィルタ, 1001 混合比算出部, 100
2 前景背景分離部, 1021 選択部, 2001
動きボケ除去部, 2002 補正部,2003 ボ
ケ除去画像処理部, 2101 処理単位決定部, 2
102モデル化部, 2103 方程式生成部, 21
04 足し込み部, 2105演算部, 2201 教
師画像フレームメモリ, 2202 ノイズ付加部,2
203 生徒画像フレームメモリ, 2204 学習
部, 2205 係数セットメモリ, 2302 マッ
ピング部, 2303 係数セットメモリ,2306
エッジ強調部, 2308 合成部, 3001 領域
処理部, 3102 領域分割部, 3103 背景領
域教師画像フレームメモリ, 3104 前景領域教師
画像フレームメモリ, 3105−1および3105−
2 ノイズ付加部, 3106 背景領域生徒画像フレ
ームメモリ, 3107 前景領域生徒画像フレームメ
モリ, 3108−1および3108−2 学習部,3
109 係数セットメモリ, 3202 領域分割部,
3203 背景領域フレームメモリ, 3204 前
景領域フレームメモリ, 3205−1および3205
−2 マッピング部, 3206 係数セットメモリ,
3207 合成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢尾 貴志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 藤原 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 永野 隆浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 和田 成司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 三宅 徹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B057 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CC02 CE03 CE04 CE06 CH18 DA08 DB02 DB09 DC16 DC32 DC40 5C021 PA66 RA01 RB06 YB03 YC13 ZA01 5L096 CA04 EA39 EA43 FA06 FA34 GA08 GA11 GA12 GA32 HA02 JA03 LA05

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる入力画像データを処理する画像処理装置におい
    て、 前記入力画像データに基づいて、前景オブジェクトを構
    成する前景オブジェクト成分、および背景オブジェクト
    を構成する背景オブジェクト成分が混合されてなる混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分からなる前景領
    域、および前記背景オブジェクトを構成する背景オブジ
    ェクト成分からなる背景領域の一方により構成される非
    混合領域のうちの、少なくとも一方を特定し、特定結果
    に対応する領域特定情報を出力する領域特定手段と、 前記混合領域および前記非混合領域のうちの、少なくと
    も一方の領域の前記画素データを処理する処理手段とを
    含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記処理手段は、前記領域特定手段によ
    り特定される1つの領域を、他の領域の処理の方式と異
    なる方式で処理することを特徴とする請求項1に記載の
    画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記領域特定手段は、前記前景領域およ
    び前記背景領域をさらに特定し、特定結果に対応する前
    記領域特定情報を出力することを特徴とする請求項1に
    記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記領域特定手段は、カバードバックグ
    ラウンド領域およびアンカバードバックグラウンド領域
    をさらに特定し、特定結果に対応する前記領域特定情報
    を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理
    装置。
  5. 【請求項5】 前記領域特定情報を基に、前記混合領域
    の前記画素データを、前記前景オブジェクト成分と前記
    背景オブジェクト成分とに分離する分離手段をさらに含
    み、 前記処理手段は、前記前景オブジェクト成分および前記
    背景オブジェクト成分のうちの、少なくとも一方を処理
    することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 時間積分効果を有する所定数の画素を有
    する撮像素子によって取得された所定数の画素データか
    らなる入力画像データを処理する画像処理方法におい
    て、 前記入力画像データに基づいて、前景オブジェクトを構
    成する前景オブジェクト成分、および背景オブジェクト
    を構成する背景オブジェクト成分が混合されてなる混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分からなる前景領
    域、および前記背景オブジェクトを構成する背景オブジ
    ェクト成分からなる背景領域の一方により構成される非
    混合領域のうちの、少なくとも一方を特定し、特定結果
    に対応する領域特定情報を出力する領域特定ステップ
    と、 前記混合領域および前記非混合領域のうちの、少なくと
    も一方の領域の前記画素データを処理する処理ステップ
    とを含むことを特徴とする画像処理方法。
  7. 【請求項7】 前記処理ステップにおいて、前記領域特
    定ステップの処理により特定される1つの領域が、他の
    領域の処理の方式と異なる方式で処理されることを特徴
    とする請求項6に記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 前記領域特定ステップにおいて、前記前
    景領域および前記背景領域がさらに特定され、特定結果
    に対応する前記領域特定情報が出力されることを特徴と
    する請求項6に記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】 前記領域特定ステップにおいて、カバー
    ドバックグラウンド領域およびアンカバードバックグラ
    ウンド領域がさらに特定され、特定結果に対応する前記
    領域特定情報が出力されることを特徴とする請求項6に
    記載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】 前記領域特定情報を基に、前記混合領
    域の前記画素データを、前記前景オブジェクト成分と前
    記背景オブジェクト成分とに分離する分離ステップをさ
    らに含み、 前記処理ステップにおいて、前記前景オブジェクト成分
    および前記背景オブジェクト成分のうちの、少なくとも
    一方が処理されることを特徴とする請求項6に記載の画
    像処理方法。
  11. 【請求項11】 時間積分効果を有する所定数の画素を
    有する撮像素子によって取得された所定数の画素データ
    からなる入力画像データを処理する画像処理用のプログ
    ラムであって、 前記入力画像データに基づいて、前景オブジェクトを構
    成する前景オブジェクト成分、および背景オブジェクト
    を構成する背景オブジェクト成分が混合されてなる混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分からなる前景領
    域、および前記背景オブジェクトを構成する背景オブジ
    ェクト成分からなる背景領域の一方により構成される非
    混合領域のうちの、少なくとも一方を特定し、特定結果
    に対応する領域特定情報を出力する領域特定ステップ
    と、 前記混合領域および前記非混合領域のうちの、少なくと
    も一方の領域の前記画素データを処理する処理ステップ
    とを含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能
    なプログラムが記録されている記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記処理ステップにおいて、前記領域
    特定ステップの処理により特定される1つの領域が、他
    の領域の処理の方式と異なる方式で処理されることを特
    徴とする請求項11に記載の記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記領域特定ステップにおいて、前記
    前景領域および前記背景領域がさらに特定され、特定結
    果に対応する前記領域特定情報が出力されることを特徴
    とする請求項11に記載の記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記領域特定ステップにおいて、カバ
    ードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグ
    ラウンド領域がさらに特定され、特定結果に対応する前
    記領域特定情報が出力されることを特徴とする請求項1
    1に記載の記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記プログラムは、前記領域特定情報
    を基に、前記混合領域の前記画素データを、前記前景オ
    ブジェクト成分と前記背景オブジェクト成分とに分離す
    る分離ステップをさらに含み、 前記処理ステップにおいて、前記前景オブジェクト成分
    および前記背景オブジェクト成分のうちの、少なくとも
    一方が処理されることを特徴とする請求項11に記載の
    記録媒体。
  16. 【請求項16】 時間積分効果を有する所定数の画素を
    有する撮像素子によって取得された所定数の画素データ
    からなる入力画像データを処理するコンピュータに、 前記入力画像データに基づいて、前景オブジェクトを構
    成する前景オブジェクト成分、および背景オブジェクト
    を構成する背景オブジェクト成分が混合されてなる混合
    領域、並びに前記前景オブジェクト成分からなる前景領
    域、および前記背景オブジェクトを構成する背景オブジ
    ェクト成分からなる背景領域の一方により構成される非
    混合領域のうちの、少なくとも一方を特定し、特定結果
    に対応する領域特定情報を出力する領域特定ステップ
    と、 前記混合領域および前記非混合領域のうちの、少なくと
    も一方の領域の前記画素データを処理する処理ステップ
    とを実行させるプログラム。
  17. 【請求項17】 前記処理ステップにおいて、前記領域
    特定ステップの処理により特定される1つの領域が、他
    の領域の処理の方式と異なる方式で処理されることを特
    徴とする請求項16に記載のプログラム。
  18. 【請求項18】 前記領域特定ステップにおいて、前記
    前景領域および前記背景領域がさらに特定され、特定結
    果に対応する前記領域特定情報が出力されることを特徴
    とする請求項16に記載のプログラム。
  19. 【請求項19】 前記領域特定ステップにおいて、カバ
    ードバックグラウンド領域およびアンカバードバックグ
    ラウンド領域がさらに特定され、特定結果に対応する前
    記領域特定情報が出力されることを特徴とする請求項1
    6に記載のプログラム。
  20. 【請求項20】 前記領域特定情報を基に、前記混合領
    域の前記画素データを、前記前景オブジェクト成分と前
    記背景オブジェクト成分とに分離する分離ステップをさ
    らに含み、 前記処理ステップにおいて、前記前景オブジェクト成分
    および前記背景オブジェクト成分のうちの、少なくとも
    一方が処理されることを特徴とする請求項16に記載の
    プログラム。
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