JP2002371630A - プレハブ式建物 - Google Patents

プレハブ式建物

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JP2002371630A JP2001178748A JP2001178748A JP2002371630A JP 2002371630 A JP2002371630 A JP 2002371630A JP 2001178748 A JP2001178748 A JP 2001178748A JP 2001178748 A JP2001178748 A JP 2001178748A JP 2002371630 A JP2002371630 A JP 2002371630A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の屋根部の構造を簡単化するとともに、
屋根部の重量を軽量化し、組み立て作業の容易化を図る
ことのできるプレハブ式建物を提供する。 【解決手段】 プレハブ式建物10は、複数の箱形建物
ユニット11,12を連結して構成された居室部15
と、この居室部15の上面に配置されるとともに複数の
木質パネルを組み合わせて構成された屋根部20とを有
している。そのため、建物の屋根部の構造が簡単化され
るとともに、木質パネルは釘打ち等で組み立てられるの
で、組み立て作業の容易化を図れる。また、屋根部が木
質パネルを組み合わて構成されているので、屋根部の軽
量化を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレハブ式建物に
係り、さらに詳しくは、予め工場で生産される複数の箱
形建物ユニットおよび木質パネルを用いて建てられるプ
レハブ式建物に関する。
【0002】
【背景技術】従来、住宅等の建物として、柱や壁、屋根
等の部材を予め工場で生産し、現場で組立てるプレハブ
式建物が普及している。このようなプレハブ式建物とし
ては、例えば、軽量鉄骨を主材として鉄骨フレームを形
成した箱形の建物ユニットを積層する箱形ユニット方
式、あるいは、木材・集成材を骨組みとし、合板パネル
等を用いて床、天井および壁面等を形成した木質パネル
を、建設現場で組立てて建てる木質パネル方式などが多
用されている。これらの方式のうち、木質パネル方式
は、床や天井等が面状要素の状態で搬送されるため、建
築現場への搬送作業が効率的で容易であるが、居室内の
造作や設備等を工場で施行することはできない。一方、
箱形ユニット方式では、予め工場で所定容積の立体を構
成するため、什器備品の多い居室部分の製作には有効で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、箱形ユニッ
ト方式でも、屋根部分は内部造作が不要なので、工場で
立体化する利点が少ない。そのため、立体的なユニット
ではなく、束を立設するとともに、その束に屋根パネル
を支持させる屋根構造も用いられている。しかし、箱形
ユニット方式では、鉄骨構造が基本となるため、束も鉄
骨系となり、屋根パネルにも鉄骨フレームが用いられ
る。束は、固定プレートに束部材を立設して構成され、
取付けに際しては、固定プレートを例えば梁の所定位置
に、シノ等を利用して位置決めをした後、ボルトで止め
て固定している。また、束はブレース等で補強されてお
り、さらに、屋根パネルを取付けるための屋根パネル取
付金具も複数個必要となる等、必要以上に構造が複雑化
するとともに、重量化するという問題が生じる。その結
果、組立て作業が繁雑となり、多くの手間がかかってい
る。
【0004】本発明の目的は、建物の屋根部の構造を簡
単化するとともに、重量を軽量化し、組立て作業の容易
化を図ることのできるプレハブ式建物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、図面を参照して説明すると、図1に示すように、複
数の箱形建物ユニット11,12を連結して構成された
居室部15と、この居室部15の上面に配置されるとと
もに複数の木質パネルを組合わせて構成された屋根部2
0と、を有することを特徴とするプレハブ式建物10で
ある。
【0006】このような本発明では、プレハブ式建物の
屋根部が複数の木質パネルを組合わせて構成される。従
って、鉄骨系の束構造のような複雑な構造および煩雑な
取付け作業が不要となるので、建物の屋根部の構造が簡
単化されるとともに、木質パネルは釘打ち等で組立てら
れるので、組立て作業の容易化を図れる。また、屋根部
が木質パネルを組み合わて構成されているので、屋根部
の軽量化を図れる。
【0007】以上の本発明において、プレハブ式建物の
箱形建物ユニットは、鉄骨製の柱、梁からなる骨組みを
有する建物ユニットに限らず、木質パネルで形成した床
や壁等を組立てて形成した建物ユニットでもよい。ま
た、居室部とは、箱形建物ユニットの内部空間をいう。
さらに、屋根部の形状は限定されず、例えば、切妻型、
寄せ棟型等どのような形式のものであってもよい。ま
た、屋根部の内部は小屋裏居室として利用されることが
好ましい。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項lに記載
のプレハブ式建物において、図1に示すように、前記木
質パネルは、前記箱形建物ユニット11,12上面に載
置される屋根床パネル21と、この屋根床パネル21上
に傾斜支持される屋根パネル22と、を有することを特
徴とするものである。
【0009】このような本発明では、箱形建物ユニット
上に屋根床パネルが載せられ、その屋根床パネル上に屋
根部が設けられる。屋根床パネルを設けることによっ
て、居室部と屋根部とが区分けされるので、両者の境界
処理が容易である。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のプレハブ式建物において、図2,3に示すように、前
記箱形建物ユニット11,12は、柱2、梁3を組合わ
せて構成される骨組み5を有し、この骨組み5の柱頭に
は、隣接する前記箱形建物ユニット12同士を連結する
連結プレート16が設けられ、前記木質パネルの一部は
前記連結プレート16およびボルト34で連結する構造
を利用して固定されることを特徴とするものである。
【0011】このような本発明では、屋根部を構成する
木質パネルの一部は、建物ユニット同士を連結する連結
プレートを利用して固定される。必ず使用される部材を
兼用することができるので、木質パネルの固定用に新た
な固定部材を用いなくてもよくなり、部材点数を減少す
ることができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のプレハブ式建物において、図3に示すように、前記連
結プレート16にはガイドピン18が立設され、前記屋
根床パネル21は前記連結プレート16上に前記ガイド
ピン18にガイドされて載置されることを特徴とするも
のである。このような本発明では、屋根床パネルはガイ
ドピンにガイドされて連結プレート上に載置される。従
って、屋根床パネルの取付け時の位置決めが容易とな
り、また、屋根床パネル同士の連結強度も確保できる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のプレハブ式建物において、図3,5,6に示すよう
に、前記箱形建物ユニット12上面の前記連結プレート
16のない部分には、前記連結プレート16の上面と略
面一となる厚み調整部材19が設けられていることを特
徴とするものである。
【0014】このような本発明では、連結プレートのな
い部分に厚み調整部材が設けられているので、屋根床パ
ネルが箱形建物ユニット上面の連結プレート上に載置さ
れる際、厚み調整部材の幅全面で支持される。従って、
屋根床パネルが連結プレートのない部分で撓むことがな
くなるので、屋根床パネルの安定した固定が得られる。
以上の発明において、厚み調整部材は、連結プレート間
に連続するものであってもよく、あるいは、所定の大き
さのものを断続的に配置するものであってもよい。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項2ないし
請求項5のいずれかに記載のプレハブ式建物において、
図5に示すように、前記屋根床パネル21は一部が前記
居室部15を構成する前記建物ユニット12の外壁13
から外側に突出していることを特徴とするものである。
【0016】このような本発明では、建物ユニットの外
壁から外側に突出した屋根床パネルの一部が、プレハブ
式建物の軒天部を兼用することができ、新たに軒天部を
形成しなくてもよいので、その分の手間および部材点数
の減少を図れる。また、例えば、シャッターボックス等
の建物の付属部品を突出部の内側に収容できるので、シ
ャッターボックス等が風雨に晒されず、それらの長寿命
化を図れる。以上の発明において、屋根床パネルの突出
部は、建物の妻側または桁側のいずれでもよく、あるい
は両方に設けられていてもよい。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のプレハブ式建物において、図1に示すように、前記屋
根部20は切妻型屋根に構成され、前記突出側は妻面側
であることを特徴とするものである。このような本発明
では、居室部の上面に切妻型屋根からなる屋根部を容易
に設けることができ、また、建物の妻側面に軒天部が形
成されるので、桁側のみに軒天部を形成すればよく、軒
天部を設ける手間が少なくてすむ。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1には、プレハブ式建物10
が示されている。図1では、木質パネルで構成される屋
根部20の屋根パネル22の一部が剥がされた状態とな
っている。プレハブ式建物10は、複数の箱形下階建物
ユニット11、およびそれらの下階建物ユニット11の
上に載置される複数の箱形上階建物ユニット12とで構
成される居室部15と、この居室部15の上面に設けら
れる切妻屋根となった前記屋根部20とを備えて構成さ
れている。
【0019】下階建物ユニット11および上階建物ユニ
ット12は、図2にも示すように、それぞれ長さ寸法の
異なる2種類の建物ユニット11A,11B、12A,
12Bを含んでいる。そして、このような建物ユニット
11A,11B、12A,12Bは、図3に示すような
構成となっている。すなわち、建物ユニット11,12
は、四隅に立設される4本の柱2と、これらの柱2の上
端間同士および下端間同士を結合する各4本の天井梁
3、床梁4とで構成された骨組み5を備えている。天井
梁3の長辺梁間には、複数本の天井小梁6が架けわたさ
れ、これらの天井小梁6の下面には、天井面材7が設け
られている。また、床梁4の長辺梁間には、複数本の根
太8が架けわたされ、これらの根太8の上面には、床面
材9が設けられている。そして、骨組み5の柱2には、
適宜、外壁13が取付けられるようになっている。
【0020】このような、上階建物ユニット12同士
は、図3に示すように、連結用プレート16で連結され
ている。この連結用プレート16は、第1〜第3プレー
ト16A,16B,16Cの3種類で構成されており、
第1プレート16Aは、プレハブ式建物10における外
側の建物ユニット12A,12Bの最も外側の四隅に設
けられ、第2プレート16Bは、上記外側の建物ユニッ
ト12A同士、建物ユニット12B同士および建物ユニ
ット12A,12Bの境界部に設けられ、第3プレート
16Cは、建物ユニット12A,12Bの角部が4つ集
まる部位に設けられている。なお、下階建物ユニット1
1同士の連結も上述と同じように行われている。
【0021】第1プレート16Aは、ほぼ四角形に形成
されるとともに、建物ユニット12A,12Bの柱の上
面に立設された1本のガイドピン18にガイドされて設
けられ、この第1プレート16Aには1個のボルト挿通
穴17があけられている。第2プレート16Bは、第1
プレート16Aを横方向に2枚並べたのとほぼ同じ大き
さに形成され、隣接する建物ユニット12A,12B等
の隣り合う柱の上面に立設された2本のガイドピン18
にガイドされて設けられ、この第2プレート16Bに
は、2個のボルト挿通穴17があけられている。第3プ
レート16Cは、第2プレート16Bを横方向に2枚並
べたとほぼ同じ大きさに形成されるとともに、隣り合う
4本の柱の上面に立設された4本のガイドピン18にガ
イドされて設けられ、この第3プレート16Cには、4
個のボルト挿通穴17があけられている。
【0022】建物ユニット12A,12Bの上面、か
つ、第1プレート16Aと第2プレート16B、および
第2プレート16Bと第3プレート16Cとの間には、
厚み調整部材である調整プレート19が設けられてい
る。この調整プレート19の板厚は、第1プレート16
A等の板厚とほぼ同じ寸法に仕上げられ、従って、第
1、第2、第3プレート16A,16B,16Cと調整
プレート19との上面は、ほぼ面一となっている。
【0023】前記屋根部20は、前述のように切妻屋根
となっており、それぞれ木質パネルで形成される複数枚
の屋根床パネル21と、複数枚の屋根パネル22と、木
質パネルを含み形成される妻側屋根外壁23と、桁側屋
根外壁24とを備えて構成されている。また、屋根部2
0の内部は小屋裏居室55(図6参照)となっている。
【0024】屋根床パネル21は、図2に示すように、
上階建物ユニット12Aに対応する第1床パネル21A
と、上階建物ユニット12Bに対応する第2床パネル2
1Bとの長さの異なる2種類で形成されている。屋根床
パネル21A,21Bは、図5に示すように、枠体26
と、当該枠体26に張付けられたパネル部材27とを含
み形成され、各床パネル21A,21Bの対向する端部
同士は接触するとともに、他端部は、建物ユニット12
A,12Bにおける短辺方向の外壁から外側に突出して
おり、オーバーハング構造となっている。
【0025】屋根床パネル21の突出した部位の下面外
側には、図6に示すように、軒部材30が設けられてい
る。この軒部材30は、枠体30Aと、当該枠体30A
の外側面に張り付けられた面材30Bと、枠体30A内
に詰め込まれた断熱材30Cとを含み構成されている。
また、このような軒部材30と前記外壁13との間、か
つ、屋根床パネル21の下面の部位には、別の断熱材3
1が設けられ、さらに、枠体30Aの下端には、外壁1
3側に延びた軒天井32が設けられている。
【0026】このような屋根床パネル21は、前記第
1、第2、第3プレート16A,16B,16Cおよび
調整プレート19の上面に、前記ガイドピン18にガイ
ドされて載置されるようになっている。そのため、屋根
床パネル21には、ガイドピン18に対応する挿通穴2
8があけられている。
【0027】屋根床パネル21の上階建物ユニット12
A等への取付けは、屋根床パネル21の第1、第2パネ
ル21A,21Bを、対応する建物ユニット12A等の
第1、第2、第3プレート16A,16B,16Cの上
面に、ガイドピン18にガイドさせて載せ、ボルト34
を屋根床パネル21の挿通穴29から各プレート16
A,16B,16Cのボルト挿通穴17に差し込み、建
物ユニット12A等における天井梁3側の図示しない取
付け部のねじ穴に螺合させて取付けるようになってい
る。
【0028】前記屋根パネル22は、図6に示すよう
に、枠体22Aに屋根面材22Bを張付けて形成され、
所定の面積を有する矩形状となっており、複数枚の屋根
パネル22が、建物10の棟から軒先に向かって下がる
方向に傾斜して設けられている。屋根パネル22は、屋
根の傾斜方向に2枚並設されるようになっている。
【0029】妻側屋根外壁23は、図4に示すように、
前記屋根床パネル21上面に取付けられる外壁用パネル
36と、図5に示すように、その一面に設けられる屋根
外壁部材43とを備えて構成されている。外壁用パネル
36は、屋根床パネル21の幅寸法と同じ幅寸法に形成
された中央パネル37と、その両側に外側パネル38
と、これらの外側パネル38の外側に設けられる三角形
状の最外側パネル39と、中央パネル37および外側パ
ネル38の上部に設けられる三角形状の上部パネル40
とを備え形成されている。
【0030】中央パネル37は、図6に示すように、枠
体37Aと、当該枠体37Aの室内側面に取付けられた
内側面材37Bと、外側面に取付けられた外側面材37
Cと、これらの面材37B,37Cの間に詰め込まれた
断熱材37Dとを含み構成されている。外側パネル38
等、他の各パネル38〜40の構造は、図示しないが、
中央パネル37の上記構造とほぼ同じとなっている。そ
して、各パネル37〜40を組合わせたとき、その底辺
長さが、3枚の前記屋根床パネル21の幅分とほぼ等し
い三角形状となるように構成されている。このような外
壁用パネル36の外側には、前記軒部材30に取付部材
42を介して前記外壁部材43が固定され、これによ
り、全体三角形状の前記妻側屋根外壁23が構成されて
いる。
【0031】桁側屋根外壁24は、図4に示すように、
第1床パネル21Aおよび第2床パネル21Bの長さ方
向に沿い、かつ、各パネル21A,21Bの長さに対応
して形成され、各パネル21A,21Bの上面に取付け
られるようになっている。各床パネル21A,21B
は、図6に示すように、所定高さに形成された枠体24
Aと、当該枠体24Aの室内側面に取付けられた内側面
材24Bと、枠体24Aの外側面に取付けられた外側面
材24Bと、これらの面材24A,24Bの間に詰め込
まれた断熱材24Dとを含み構成され、枠体24Aの上
面には、屋根パネル22を取付けるための結合桁24E
が設けられている。なお、外側面材24Bの下端は屋根
床パネル21の側面途中まで延び、側面一部を覆ってい
る。また、桁側屋根外壁24の内側面材24B側には、
結合桁54を介して、例えば小屋裏居室55用の天井5
6が設けられている。
【0032】以上のような妻側屋根外壁23および桁側
屋根外壁24は、前記屋根床パネル21に取付けられる
ようになっている。すなわち、妻側屋根外壁23の取付
けは、図5に示すように、屋根床パネル21を上階建物
ユニット12の上面に載置した後、妻側屋根外壁23の
外壁用パネル36の底面を屋根床パネル21に載せると
ともに、外壁用パネル36の例えば中央パネル37の内
側面材37Bにあけられた開口を利用して、胴差しボル
ト45を枠体37Aのボルト挿通穴から屋根床パネル2
1の枠体26のボルト穴に差し込み、胴差しボルト45
の先端ねじ部にナット46を螺合させて固定する。その
後、外壁用パネル36に前記屋根外壁部材43が取付け
られ、これにより、妻側屋根外壁23と屋根床パネル2
1とが一体的に連結される。
【0033】桁側屋根外壁24の取付けは、図6に示す
ように、屋根床パネル21を上階建物ユニット12の上
面に載置した後、桁側屋根外壁24の底面を屋根床パネ
ル21に載せるとともに、桁側屋根外壁24の例えば内
側面材24Cにあけられた開口を利用して、胴差しボル
ト45を桁側屋根外壁24の枠体24Aのボルト挿通穴
から屋根床パネル21の枠体26のボルト穴に差し込
み、建物ユニット12の天井梁3の上フランジ部3Aの
ボルト穴を貫通させ、ナット46を螺合させて固定す
る。これにより、桁側屋根外壁24と屋根床パネル21
と上階建物ユニット12とが一体的に連結されている。
なお、桁側屋根外壁24の軒先側には、一端が屋根パネ
ル22の枠体22Aに固定された吊り部材33を介して
軒天井35が設けられている。
【0034】また、屋根床パネル21の上面には、妻側
屋根外壁23、桁側屋根外壁24の他に、図7に示すよ
うに、屋根部20の強度を確保するために、例えば2枚
の内部体力壁47が設けられている。内部体力壁47の
取付けは、図示しないが、内部体力壁47を構成する枠
部材から屋根床パネル21の枠体26に釘打ちする等し
て行われる。
【0035】図8に示すように、妻側屋根外壁23、桁
側屋根外壁24および内部体力壁47間には、屋根パネ
ル22を取付けるために、木材からなる第1母屋梁48
と第2母屋梁49とが設けられている。第1母屋梁48
は屋根の棟部に設けられ、第2母屋梁49は棟部と軒先
部とのほぼ中間位置に設けられている。
【0036】屋根パネル22の取付けは、妻側端部にお
いては、所定の屋根パネル22を妻側屋根外壁23、桁
側屋根外壁24、第1母屋梁48、第2母屋梁49上に
載せ、桁側屋根外壁24に設けられている結合桁24
E、第1母屋梁48、第2母屋梁49等から適宜釘打ち
する等して取付ける。両妻側間においては、所定の屋根
パネル22を桁側屋根外壁24、第1母屋梁48、第2
母屋梁49上に載せ、前記結合桁24E、第1母屋梁4
8、第2母屋梁49等から適宜釘打ちする等して取付け
る。なお、屋根パネル22は、一方の妻側屋根外壁23
側から順次取付け、最後に他方の妻側屋根外壁23側に
取付けられることが好ましい。
【0037】屋根パネル22同士は、パネルの枠体22
A同士を釘打ち等により結合して行われ、特に、屋根の
傾斜方向の結合は、釘打ち等の結合の他に、図9に示す
ように、ほぼ直交する2面を有する固定金具51を、1
面を第2母屋梁49の上面に設けられた結合桁53に釘
打ちで取付けておいて、他の面を棟側の屋根パネル22
の枠体22A端部に押し付け釘打ちして固定されてい
る。軒側の屋根パネル22の端部も同様に、固定金具5
2(固定金具51と勝手違い)を用いて固定されてい
る。
【0038】次に、このようなプレハブ式建物10の施
工方法を説明する。予め工場で生産された複数の下階お
よび上階建物ユニット11,12、屋根床パネル21、
妻側屋根外壁23、桁側屋根外壁24、内部体力壁47
等をトラックで建設現場に搬送する。基礎上に下階建物
ユニット11を順次載置、固定するとともに、隣り合う
建物ユニット11同士を連結プレートで連結する。1階
建物ユニット11の上に上階建物ユニット12を載置す
るとともに、接合ピン等で互いを連結し、また、上階建
物ユニット12同士を連結プレート16により連結す
る。
【0039】その後、上階建物ユニット12上の所定位
置に、屋根床パネル21を順次載置固定する。この際、
所定の屋根床パネル21A等を、連結プレート16のガ
イドピン18にガイドさせてプレート16上に載せた
後、ボルト34で屋根床パネル21と建物ユニット12
の天井梁3とを連結固定する。なお、屋根床パネル21
において建物の妻側端部は、上階建物ユニット12の外
壁13から突出させ、オーバーハング構造を構成する。
【0040】すべての屋根床パネル21が取付けられた
ら、一方の妻側屋根外壁23を胴差しボルト45等で固
定し、順次、内部体力壁47、桁側屋根外壁24を取付
け固定し、最後に他方の妻側屋根外壁23を取付け固定
する。次いで、両妻側屋根外壁23、内部体力壁47間
に、第1、第2母屋梁48,49を架けわたし、これら
の妻側屋根外壁23、桁側屋根外壁24、内部体力壁4
7、第1、第2母屋梁48,49に支持させて、屋根パ
ネル22を取付け、その後、内部、外部の所定の仕上げ
処理を行って、プレハブ式建物10を完成させる。
【0041】このような実施形態によれば、次のような
効果がある。 (1) プレハブ式建物10の屋根部20が、複数の木質パ
ネルからなる屋根床パネル21や、屋根パネル22等を
組合わせて構成される。従って、鉄骨系の束構造のよう
な複雑な構造および煩雑な取付け作業が不要となるの
で、屋根部20の構造が簡単化されるとともに、屋根パ
ネル22等は釘打ち等で組立てられるので、組立て作業
の容易化を図れる。
【0042】(2) 屋根部20が、前述のように、木質パ
ネルからなる屋根床パネル21、屋根パネル22等を組
合わせて構成されるので、屋根部20の軽量化を図れ
る。 (3) 上階建物ユニット12上に屋根床パネル21が載せ
られ、その屋根床パネル21上に屋根部20の屋根床パ
ネル21が設けられるので、屋根床パネル21を設ける
だけで居室部15と屋根部20とが区分けされ、両者の
境界処理が容易となる。
【0043】(4) 屋根床パネル21は、上階建物ユニッ
ト12同士を連結する連結プレート16を利用して固定
されるので、必ず使用される部材を兼用することがで
き、これにより、木質パネルの固定用に新たな固定部材
を用いなくてもよくなり、部材点数を減少することがで
きる。 (5) 桁側屋根外壁24は、屋根床パネル21上に載せる
とともに、胴差しボルト45で建物ユニット12等の天
井梁3に一体的に連結固定されるので、桁側屋根外壁2
4と屋根床パネル21との取付け、屋根床パネル21と
天井梁3との取付けを同時に行え、その結果、取付けの
手間が少なくてすむ。
【0044】(6) 屋根床パネル21は、ガイドピン18
にガイドされて連結プレート16上に載置されるので、
屋根床パネル21の取付け時の位置決めが容易となり、
また、屋根床パネル21同士の連結強度も確保できる。 (7) 上階建物ユニット12上において、連結プレート1
6がない部分には厚み調整部材としての調整プレート1
9が設けられているので、屋根床パネル21が上階建物
ユニット12上面の連結プレート16上に載置される
際、調整プレート19の幅全面で支持される。従って、
屋根床パネル21が連結プレート16のない部分で撓む
ことがなくなり、屋根床パネル21の安定した固定が得
られる。
【0045】(8) 屋根床パネル21の一部は、上階建物
ユニット12の外壁13から外側に突出しているので、
その部分で、プレハブ式建物10の軒天部を兼用するこ
とができる。従って、新たに軒天部を形成しなくてもよ
いので、その分の手間および部材点数の減少を図れる。
また、例えば、シャッターボックス等の建物の付属部品
を突出部の内側に収容できるので、シャッターボックス
等を収容した場合には、シャッターボックス等が風雨に
晒されず、それらの長寿命化を図れる。
【0046】(9) 傾斜方向の屋根パネル22同士は、そ
れぞれの端部が、第2母屋梁49に取付けた固定金具5
1,52により結合されているので、屋根パネル22が
強固に取付けられ、これにより、屋根パネル22が風雨
等によりあおられるおそれがなくなる。
【0047】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できるものであれ
ば、次のような変形形態でもよいものである。例えば、
前記実施形態では、プレハブ式建物10を構成する下階
および上階建物ユニット11,12は、長さ寸法の異な
る2種類の建物ユニット11A,11B、12A,12
Bをそれぞれ複数個組合わせて建てられているが、同じ
種類のもの同士を組合わせるものであってもよい。この
場合、屋根床パネルは1種類の建物ユニットに対応する
1種類の屋根床パネルを使用すればよい。
【0048】また、前記実施形態では、屋根床パネル2
1の妻側端部を上階建物ユニット12の外壁13から突
出させたオーバーハング構造としたが、これに限らず、
上階建物ユニット12の桁側端部を外壁13から突出さ
せたオーバーハング構造としてもよい。あるいは、妻
側、桁側の両方に突出させてもよい。
【0049】さらに、前記実施形態では、調整プレート
19を、上階建物ユニット12の上面に設けた連結プレ
ート16間に連続して架けわたしてあるが、これに限ら
ず、細切れのプレートを複数枚、断続的に配置するもの
であってもよい。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1の発明
によれば、プレハブ式建物の屋根部が複数の木質パネル
を組合わせて構成される。従って、鉄骨系の束構造のよ
うな複雑な構造および煩雑な取付け作業が不要となるの
で、建物の屋根部の構造が簡単化されるとともに、木質
パネルは釘打ち等で組立てられるので、組立て作業の容
易化を図れる。また、屋根部が木質パネルを組合わせて
構成されているので、屋根部の重量の軽量化を図れる。
【0051】請求項2の発明によれば、箱形建物ユニッ
ト上に屋根床パネルが載せられ、その屋根床パネル上に
屋根部が設けられる。屋根床パネルを設けることによっ
て、居室部と屋根部とが区分けされるので、両者の境界
処理が容易である。
【0052】請求項3の発明によれば、屋根部を構成す
る木質パネルの一部は、建物ユニット同士を連結する連
結プレートを利用して固定される。必ず使用される部材
を兼用することができるので、木質パネルの固定用に新
たな固定部材を用いなくてもよくなり、部材点数を減少
することができる。
【0053】請求項4の発明によれば、屋根床パネルは
ガイドピンにガイドされて連結プレート上に載置され
る。従って、屋根床パネルの取付け時の位置決めが容易
となり、また、屋根床パネル同士の連結強度も確保でき
る。
【0054】請求項5の発明によれば、連結プレートの
ない部分に厚み調整部材が設けられているので、屋根床
パネルが箱形建物ユニット上面の連結プレート上に載置
される際、厚み調整部材の幅全面で支持される。従っ
て、屋根床パネルが連結プレートのない部分で撓むこと
がなくなるので、屋根床パネルの安定した固定が得られ
る。
【0055】請求項6の発明によれば、建物ユニットの
外壁から外側に突出した屋根床パネルの一部が、プレハ
ブ式建物の軒天部を兼用することができ、新たに軒天部
を形成しなくてもよいので、その分の手間および部材点
数の減少を図れる。また、例えば、シャッターボックス
等の建物の付属部品を突出部の内側に収容できるので、
シャッターボックス等が風雨に晒されず、それらの長寿
命化を図れる。
【0056】請求項7の発明によれば、居室部の上面に
切妻型屋根からなる屋根部を容易に設けることができ、
また、建物の妻側面に軒天部が形成されるので、桁側の
みに軒天部を形成すればよく、軒天部を設ける手間が少
なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレハブ式建物の一実施形態を示
す斜視図である。
【図2】前記実施形態の箱形建物ユニットと屋根床パネ
ルとの関係を示す分解斜視図である。
【図3】前記実施形態のプレハブ式建物を構成する箱形
建物ユニットを示す斜視図である。
【図4】前記実施形態の屋根床パネルと妻側屋根外壁お
よび桁側屋根外壁の関係を示す分解斜視図である。
【図5】前記実施形態の妻側屋根外壁の端部を示す縦断
面図である。
【図6】前記実施形態の桁側屋根外壁の端部を示す縦断
面図である。
【図7】前記実施形態の屋根部に内部体力壁が設けられ
た状態を示す斜視図である。
【図8】前記実施形態の屋根パネルがない状態の屋根部
を示す斜視図である。
【図9】前記実施形態の屋根パネルの傾斜方向の接続状
態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 プレハブ式建物 11 箱形建物ユニットである下階建物ユニット 12 箱形建物ユニットである上階建物ユニット 15 居室部 16 連結プレート 19 厚さ調整部材である調整プレート 20 屋根部 21 屋根床パネル 22 屋根パネル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の箱形建物ユニットを連結して構成
    された居室部と、この居室部の上面に配置されるととも
    に複数の木質パネルを組合わせて構成された屋根部と、
    を有することを特徴とするプレハブ式建物。
  2. 【請求項2】 請求項lに記載のプレハブ式建物におい
    て、 前記木質パネルは、前記箱形建物ユニット上面に載置さ
    れる屋根床パネルと、この屋根床パネル上に傾斜支持さ
    れる屋根パネルと、を有することを特徴とするプレハブ
    式建物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のプレハブ式建物におい
    て、 前記箱形建物ユニットは、柱、梁を組合わせて構成され
    る骨組みを有し、この骨組みの柱頭には、隣接する前記
    箱形建物ユニット同士を連結する連結プレートが設けら
    れ、前記木質パネルの一部は前記連結プレートおよびボ
    ルトで連結する構造を利用して固定されることを特徴と
    するプレハブ式建物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のプレハブ式建物におい
    て、 前記連結プレートにはガイドピンが立設され、前記屋根
    床パネルは前記連結プレート上に前記ガイドピンにガイ
    ドされて載置されることを特徴とするプレハブ式建物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のプレハブ式建物におい
    て、 前記箱形建物ユニット上面の前記連結プレートのない部
    分には、前記連結プレートの上面と略面一となる厚み調
    整部材が設けられていることを特徴とするプレハブ式建
    物。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項5のいずれかに記
    載のプレハブ式建物において、 前記屋根床パネルは一部が前記居室部を構成する前記建
    物ユニットの外壁から外側に突出していることを特徴と
    するプレハブ式建物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプレハブ式建物におい
    て、 前記屋根部は切妻型屋根に構成され、前記突出側は妻面
    側であることを特徴とするプレハブ式建物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021152278A (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 ミサワホーム株式会社 木質パネル間の目地構造
JP2023021451A (ja) * 2019-03-27 2023-02-10 ミサワホーム株式会社 屋根用木質パネルの取付構造

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