JP2002371083A - シロキサン化合物含有ガスの精製方法および装置 - Google Patents
シロキサン化合物含有ガスの精製方法および装置Info
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- JP2002371083A JP2002371083A JP2001179069A JP2001179069A JP2002371083A JP 2002371083 A JP2002371083 A JP 2002371083A JP 2001179069 A JP2001179069 A JP 2001179069A JP 2001179069 A JP2001179069 A JP 2001179069A JP 2002371083 A JP2002371083 A JP 2002371083A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化
合物を安価に効率よく除去して精製ガスを得ることが可
能な、シロキサン化合物含有ガスの精製方法を提供す
る。 【解決手段】 シロキサン化合物含有ガスを、多孔質吸
着剤が充填された充填層に通過させて、前記多孔質吸着
剤に前記シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合
物を吸着させることにより、前記ガス中に含まれるシロ
キサン化合物を除去して精製ガスを得るシロキサン化合
物含有ガスの精製方法である。前記充填層を通過する前
記シロキサン化合物含有ガスの空塔速度は、0.2m/
s以下であることを特徴とする。前記充填層に充填され
る多孔質吸着剤は、500m2/g以上の比表面積を有
することが好ましく、10Å〜20Åの範囲の細孔の積
算容量が0.1cm3/g以上であることが好ましい。
合物を安価に効率よく除去して精製ガスを得ることが可
能な、シロキサン化合物含有ガスの精製方法を提供す
る。 【解決手段】 シロキサン化合物含有ガスを、多孔質吸
着剤が充填された充填層に通過させて、前記多孔質吸着
剤に前記シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合
物を吸着させることにより、前記ガス中に含まれるシロ
キサン化合物を除去して精製ガスを得るシロキサン化合
物含有ガスの精製方法である。前記充填層を通過する前
記シロキサン化合物含有ガスの空塔速度は、0.2m/
s以下であることを特徴とする。前記充填層に充填され
る多孔質吸着剤は、500m2/g以上の比表面積を有
することが好ましく、10Å〜20Åの範囲の細孔の積
算容量が0.1cm3/g以上であることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥消化ガ
ス、その他、有機シリコン等を扱う各種工場排ガス、空
調排ガスなどのシロキサン化合物を含有するガスの精製
方法および装置に関する。
ス、その他、有機シリコン等を扱う各種工場排ガス、空
調排ガスなどのシロキサン化合物を含有するガスの精製
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化防止対策のひとつとし
てCO2削減が推進されており、例えば、下水処理場に
おいては発電設備を設置して電力を自給・買電すること
により、エネルギーの効率的利用とCO2排出削減とを
図るケースが増加しつつある。
てCO2削減が推進されており、例えば、下水処理場に
おいては発電設備を設置して電力を自給・買電すること
により、エネルギーの効率的利用とCO2排出削減とを
図るケースが増加しつつある。
【0003】すなわち、下水処理施設では、集積した下
水を濃縮処理して各種有機物を含有する汚泥を得て、こ
れを微生物の作用により嫌気性消化する。この過程で得
られたメタンを主とする可燃性ガス(消化ガス)を、ガ
スエンジンおよびガスタービン等の発電設備に供して電
力を得る方式が主流となりつつある。
水を濃縮処理して各種有機物を含有する汚泥を得て、こ
れを微生物の作用により嫌気性消化する。この過程で得
られたメタンを主とする可燃性ガス(消化ガス)を、ガ
スエンジンおよびガスタービン等の発電設備に供して電
力を得る方式が主流となりつつある。
【0004】しかしながら、下水場の普及率向上や生活
形態の変化に伴なって、シャンプーやリンス等の頭髪仕
上げ剤、カーワックスなど撥水剤などの消費が増加し、
これらに含有されているシロキサン化合物が下水中に多
量に流下するようになってきた。
形態の変化に伴なって、シャンプーやリンス等の頭髪仕
上げ剤、カーワックスなど撥水剤などの消費が増加し、
これらに含有されているシロキサン化合物が下水中に多
量に流下するようになってきた。
【0005】なお、シロキサン化合物とは、シロキサン
結合(Si−O−Si)を基本骨格とした鎖状または環
状構造の化合物をさす。鎖状化合物としては、例えば、
メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロ
キサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメ
チルペンタシロキサン等が挙げられ、環状化合物として
は、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3
体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4
体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、
およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)
などが挙げられる。ここに列挙した化合物は、化合物中
の官能基がメチル基で構成されているが、メチル基に類
する炭化水素基で置換された化合物、または水素の代わ
りにフッ素、塩素等で置換された化合物も含まれ、さら
には分子量の大きい多重合化合物も存在する。
結合(Si−O−Si)を基本骨格とした鎖状または環
状構造の化合物をさす。鎖状化合物としては、例えば、
メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロ
キサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメ
チルペンタシロキサン等が挙げられ、環状化合物として
は、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3
体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4
体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、
およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)
などが挙げられる。ここに列挙した化合物は、化合物中
の官能基がメチル基で構成されているが、メチル基に類
する炭化水素基で置換された化合物、または水素の代わ
りにフッ素、塩素等で置換された化合物も含まれ、さら
には分子量の大きい多重合化合物も存在する。
【0006】シロキサン化合物は、その多くは水に不溶
であるため汚泥に吸着した形で下水中に存在するが、引
き続いて行なわれる消化過程で消化ガス側に揮散する。
すなわち、シロキサン化合物は、発電用の燃料ガスであ
るメタンとともに存在して、その後段のガスエンジンに
流入していた。ガスエンジンに流入したシロキサン化合
物は、エンジン内の燃焼室でシリカ(SiO2)となっ
て、エンジン内のシリンダーヘッドやその他各部品に付
着・析出する。その結果、エンジンを摩耗・劣化させて
しまうという不具合を生じていた。
であるため汚泥に吸着した形で下水中に存在するが、引
き続いて行なわれる消化過程で消化ガス側に揮散する。
すなわち、シロキサン化合物は、発電用の燃料ガスであ
るメタンとともに存在して、その後段のガスエンジンに
流入していた。ガスエンジンに流入したシロキサン化合
物は、エンジン内の燃焼室でシリカ(SiO2)となっ
て、エンジン内のシリンダーヘッドやその他各部品に付
着・析出する。その結果、エンジンを摩耗・劣化させて
しまうという不具合を生じていた。
【0007】また、さらにガスエンジン等の発電設備を
経たエンジン排ガスは、例えば窒素酸化物処理のため、
脱硝触媒塔に導入されて処理されるが、この排ガス中に
シリカ(SiO2)が含まれているために、触媒の表面
に排ガス中の粉体状シリカ(SiO2)が析出する。粉
体状シリカは、こうして触媒の表面を覆い、その一部は
触媒の内部まで浸透してしまうため、触媒活性が劣化し
て所望の窒素酸化物除去が達成されないという不具合も
生じていた。
経たエンジン排ガスは、例えば窒素酸化物処理のため、
脱硝触媒塔に導入されて処理されるが、この排ガス中に
シリカ(SiO2)が含まれているために、触媒の表面
に排ガス中の粉体状シリカ(SiO2)が析出する。粉
体状シリカは、こうして触媒の表面を覆い、その一部は
触媒の内部まで浸透してしまうため、触媒活性が劣化し
て所望の窒素酸化物除去が達成されないという不具合も
生じていた。
【0008】従来は、上述したシロキサン化合物に起因
して生じる問題を直接回避する有効な手段を実施せず
に、別途、エンジンの保守点検頻度、脱硝触媒の交換頻
度を多くすることによって対応していたのが現状であ
る。
して生じる問題を直接回避する有効な手段を実施せず
に、別途、エンジンの保守点検頻度、脱硝触媒の交換頻
度を多くすることによって対応していたのが現状であ
る。
【0009】なお、下水中のみならず、有機溶剤や有機
シリコンを扱う印刷工場など各種工場における排ガスや
空調排ガスなどにも、シロキサン化合物は含まれてい
る。この場合には、例えば、燃焼による除去方法、溶媒
吸収方法などを行なってシロキサン化合物の除去を図っ
ていた。
シリコンを扱う印刷工場など各種工場における排ガスや
空調排ガスなどにも、シロキサン化合物は含まれてい
る。この場合には、例えば、燃焼による除去方法、溶媒
吸収方法などを行なってシロキサン化合物の除去を図っ
ていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、下水
処理場の消化過程から発生するシロキサン化合物を含有
する消化ガスは、後段のガスエンジンでの燃焼過程にお
いてエンジン内でシリカ(SiO2)を発生させるの
で、エンジンの各部品の摩耗・劣化が生じる。さらに後
段の脱硝触媒においても、シリカ(SiO2)は触媒表
面を覆って脱硝性能を劣化させるという不具合を生じて
いた。
処理場の消化過程から発生するシロキサン化合物を含有
する消化ガスは、後段のガスエンジンでの燃焼過程にお
いてエンジン内でシリカ(SiO2)を発生させるの
で、エンジンの各部品の摩耗・劣化が生じる。さらに後
段の脱硝触媒においても、シリカ(SiO2)は触媒表
面を覆って脱硝性能を劣化させるという不具合を生じて
いた。
【0011】また一方、有機溶剤や有機シリコンを扱う
印刷工場など各種工場における排ガスや空調排ガスなど
にも、シロキサン化合物が含まれており、こうしたシロ
キサン化合物を除去するために、燃焼手段、溶媒吸収法
などが実施されていた。しかしながら、シロキサン化合
物が低濃度であるために完全燃焼することが困難であ
り、燃焼による手段では十分に除去することができな
い。また一方、溶媒吸収法では、シロキサン化合物を吸
収させるための溶媒が別途必要とされ、しかも吸収済み
の溶媒処理が煩雑でコストが甚大であるという問題を生
じていた。
印刷工場など各種工場における排ガスや空調排ガスなど
にも、シロキサン化合物が含まれており、こうしたシロ
キサン化合物を除去するために、燃焼手段、溶媒吸収法
などが実施されていた。しかしながら、シロキサン化合
物が低濃度であるために完全燃焼することが困難であ
り、燃焼による手段では十分に除去することができな
い。また一方、溶媒吸収法では、シロキサン化合物を吸
収させるための溶媒が別途必要とされ、しかも吸収済み
の溶媒処理が煩雑でコストが甚大であるという問題を生
じていた。
【0012】本発明は、シロキサン化合物含有ガス中の
シロキサン化合物を安価に効率よく除去して精製ガスを
得ることが可能な、シロキサン化合物含有ガスの精製方
法および精製装置を提供することを目的とする。
シロキサン化合物を安価に効率よく除去して精製ガスを
得ることが可能な、シロキサン化合物含有ガスの精製方
法および精製装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、シロキサン化合物含有ガスを、多孔質吸
着剤が充填された充填層に通過させて、前記多孔質吸着
剤に前記シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合
物を吸着させることにより、前記ガス中に含まれるシロ
キサン化合物を除去して精製ガスを得るシロキサン化合
物含有ガスの精製方法であって、前記充填層を通過する
前記シロキサン化合物含有ガスの空塔速度は、0.2m
/s以下であることを特徴とするシロキサン化合物含有
ガスの精製方法を提供する。
に、本発明は、シロキサン化合物含有ガスを、多孔質吸
着剤が充填された充填層に通過させて、前記多孔質吸着
剤に前記シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合
物を吸着させることにより、前記ガス中に含まれるシロ
キサン化合物を除去して精製ガスを得るシロキサン化合
物含有ガスの精製方法であって、前記充填層を通過する
前記シロキサン化合物含有ガスの空塔速度は、0.2m
/s以下であることを特徴とするシロキサン化合物含有
ガスの精製方法を提供する。
【0014】また本発明は、シロキサン化合物含有ガス
の精製装置であって、前記シロキサン化合物を吸着する
多孔質吸着剤が充填され、前記シロキサン化合物含有ガ
スが0.2m/s以下の空塔速度でその内部を通過する
充填層からなることを特徴とする精製装置を提供する。
の精製装置であって、前記シロキサン化合物を吸着する
多孔質吸着剤が充填され、前記シロキサン化合物含有ガ
スが0.2m/s以下の空塔速度でその内部を通過する
充填層からなることを特徴とする精製装置を提供する。
【0015】本発明を用いてシロキサン化合物が除去さ
れ精製されたガスは、引き続いて行なわれるプロセスに
おいて、シロキサン化合物に起因した各種の不具合を回
避することが可能となる。
れ精製されたガスは、引き続いて行なわれるプロセスに
おいて、シロキサン化合物に起因した各種の不具合を回
避することが可能となる。
【0016】本発明においては、多孔質吸着剤を収容す
る充填層に流通するガスの空塔速度(線速度、ろ過速
度)を0.2m/s以下と規定しているので、シロキサ
ン化合物の高い吸着効率(除去率、精製効率)が得られ
るとともに、より長期にわたり安定した吸着処理が可能
となる。
る充填層に流通するガスの空塔速度(線速度、ろ過速
度)を0.2m/s以下と規定しているので、シロキサ
ン化合物の高い吸着効率(除去率、精製効率)が得られ
るとともに、より長期にわたり安定した吸着処理が可能
となる。
【0017】空塔速度が例えば0.3m/sの場合に
は、初期においてはシロキサン化合物の吸着は十分にな
されるが、長期の連続通ガス処理では、所望の吸着量に
達する以前(平衡吸着量に達する以前)に吸着剤が破過
してしまう。すなわち、不所望の時期にシロキサン化合
物の除去率が著しく低下し、シロキサン化合物を排出し
てしまう。このため、より長期にわたってシロキサン化
合物の精製を実施しようとすれば、吸着剤の充填層嵩を
不所望に高くしなければならず、吸着剤の使用量が相対
的に多くなること、装置の設置スペースが相対的に大き
くなることなどの一部の問題点が生じる。こうした問題
点は、シロキサン化合物を吸着除去する際の被処理ガス
の空塔速度を0.2m/s以下とすることによって、事
実上回避することができる。
は、初期においてはシロキサン化合物の吸着は十分にな
されるが、長期の連続通ガス処理では、所望の吸着量に
達する以前(平衡吸着量に達する以前)に吸着剤が破過
してしまう。すなわち、不所望の時期にシロキサン化合
物の除去率が著しく低下し、シロキサン化合物を排出し
てしまう。このため、より長期にわたってシロキサン化
合物の精製を実施しようとすれば、吸着剤の充填層嵩を
不所望に高くしなければならず、吸着剤の使用量が相対
的に多くなること、装置の設置スペースが相対的に大き
くなることなどの一部の問題点が生じる。こうした問題
点は、シロキサン化合物を吸着除去する際の被処理ガス
の空塔速度を0.2m/s以下とすることによって、事
実上回避することができる。
【0018】したがって、本発明においては、シロキサ
ン化合物含有ガスを多孔質吸着剤に接触させる際の空塔
速度は、0.2m/sまたはこれ以下に規定される。こ
のように空塔速度を規定することによって、上述した問
題点を回避し、多孔質吸着剤が有するシロキサン化合物
吸着能を充分に発揮でき、ほぼ平衡吸着に達すると算定
される時期まで長期にわたり効率よくシロキサン化合物
含有ガスを精製することが可能となる。空塔速度の下限
値は特に限定されないが、所定量のガスを処理する際に
空塔速度を極端に小さくすると、平衡吸着(または破
過)に達する期間は長くとることはできるものの、空塔
速度に反比例して吸着剤の初期充填量が多く必要とされ
る。したがって実用上は、0.1m/s〜0.2m/s
の範囲に空塔速度を設定することが望まれる。
ン化合物含有ガスを多孔質吸着剤に接触させる際の空塔
速度は、0.2m/sまたはこれ以下に規定される。こ
のように空塔速度を規定することによって、上述した問
題点を回避し、多孔質吸着剤が有するシロキサン化合物
吸着能を充分に発揮でき、ほぼ平衡吸着に達すると算定
される時期まで長期にわたり効率よくシロキサン化合物
含有ガスを精製することが可能となる。空塔速度の下限
値は特に限定されないが、所定量のガスを処理する際に
空塔速度を極端に小さくすると、平衡吸着(または破
過)に達する期間は長くとることはできるものの、空塔
速度に反比例して吸着剤の初期充填量が多く必要とされ
る。したがって実用上は、0.1m/s〜0.2m/s
の範囲に空塔速度を設定することが望まれる。
【0019】本発明に用いられる多孔質吸着剤は、50
0m2/g以上の比表面積を有すること、および/また
は10Å〜20Åの範囲の細孔径を有する細孔の積算容
量が0.1cm3/g以上であることが好ましい。
0m2/g以上の比表面積を有すること、および/また
は10Å〜20Åの範囲の細孔径を有する細孔の積算容
量が0.1cm3/g以上であることが好ましい。
【0020】比表面積が500m2/g以上の多孔質吸
着剤を用いることによって、シロキサン化合物の平衡吸
着量を高めることができるので、より効率よくシロキサ
ン化合物を吸着除去することができる。多孔質吸着剤の
比表面積が500m2/g未満の場合には、平衡吸着量
が少なくなるので、本発明の効果を充分に得ることが困
難になる。
着剤を用いることによって、シロキサン化合物の平衡吸
着量を高めることができるので、より効率よくシロキサ
ン化合物を吸着除去することができる。多孔質吸着剤の
比表面積が500m2/g未満の場合には、平衡吸着量
が少なくなるので、本発明の効果を充分に得ることが困
難になる。
【0021】また、10Å〜20Åの範囲の細孔径を有
する細孔の積算容量が0.1cm3/g以上である多孔
質吸着剤を用いることによって、特異的にシロキサン化
合物を吸着除去でき、シロキサン化合物が脱離するおそ
れが低く、より効率よくシロキサン化合物を吸着除去で
きる。このとき、比表面積が500m2/g以上であれ
ば、さらに高い効果が得られる。
する細孔の積算容量が0.1cm3/g以上である多孔
質吸着剤を用いることによって、特異的にシロキサン化
合物を吸着除去でき、シロキサン化合物が脱離するおそ
れが低く、より効率よくシロキサン化合物を吸着除去で
きる。このとき、比表面積が500m2/g以上であれ
ば、さらに高い効果が得られる。
【0022】本発明における前記シロキサン化合物含有
ガスは、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデ
カメチルシクロペンタシロキサンから選択される少なく
とも1種を含有する下水汚泥消化ガスとすることができ
る。
ガスは、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデ
カメチルシクロペンタシロキサンから選択される少なく
とも1種を含有する下水汚泥消化ガスとすることができ
る。
【0023】下水汚泥消化ガスには、下水由来のシロキ
サン化合物、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンが含有され
ている。このため、消化ガスを用いて発電する際には、
ガスエンジン内部でシリカ(SiO2)析出に起因した
エンジン部品の摩耗・劣化、さらには脱硝触媒の劣化と
いった不具合が避けられなかった。本発明により、消化
ガス中のシロキサン化合物を効率よく吸着除去してエン
ジンに投入される前に精製されるので、エンジンの保守
点検頻度および脱硝触媒の交換頻度を低減することが可
能となる。
サン化合物、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンが含有され
ている。このため、消化ガスを用いて発電する際には、
ガスエンジン内部でシリカ(SiO2)析出に起因した
エンジン部品の摩耗・劣化、さらには脱硝触媒の劣化と
いった不具合が避けられなかった。本発明により、消化
ガス中のシロキサン化合物を効率よく吸着除去してエン
ジンに投入される前に精製されるので、エンジンの保守
点検頻度および脱硝触媒の交換頻度を低減することが可
能となる。
【0024】しかも本発明においては、0.2m/s以
下の空塔速度で被処理ガスを充填層内の多孔質吸着剤に
接触させるので、シロキサン化合物の高い吸着効率(除
去率、精製効率)が得られるとともに、より長期にわた
り安定した吸着処理が可能となる。
下の空塔速度で被処理ガスを充填層内の多孔質吸着剤に
接触させるので、シロキサン化合物の高い吸着効率(除
去率、精製効率)が得られるとともに、より長期にわた
り安定した吸着処理が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0026】図1は、本発明のシロキサン化合物含有ガ
スの精製方法を説明するための概略図である。
スの精製方法を説明するための概略図である。
【0027】図示するように、プロセス装置1からは、
シロキサン化合物含有ガスGsが発生されて、このガス
は多孔質吸着剤が充填された充填層2に導入される。シ
ロキサン化合物含有ガスGsが充填層2を通過・接触す
る過程で、ガス中のシロキサン化合物が多孔質吸着剤に
吸着除去され、ここで得られた精製ガスGpが後段のプ
ロセス装置3に導入される。
シロキサン化合物含有ガスGsが発生されて、このガス
は多孔質吸着剤が充填された充填層2に導入される。シ
ロキサン化合物含有ガスGsが充填層2を通過・接触す
る過程で、ガス中のシロキサン化合物が多孔質吸着剤に
吸着除去され、ここで得られた精製ガスGpが後段のプ
ロセス装置3に導入される。
【0028】プロセス装置1は、シロキサン化合物を含
有するガスGsを発生させる装置またはプロセスであれ
ば特に限定されず、例えば、下水汚泥消化ガス製造装置
(消化槽)、有機溶剤・有機シリコンを扱う印刷工場等
の各種工業での各種プロセス、有機溶剤・有機シリコン
を各種工場で扱う過程で生じる雰囲気ガス、および空調
ガスの発生プロセス等が挙げられる。
有するガスGsを発生させる装置またはプロセスであれ
ば特に限定されず、例えば、下水汚泥消化ガス製造装置
(消化槽)、有機溶剤・有機シリコンを扱う印刷工場等
の各種工業での各種プロセス、有機溶剤・有機シリコン
を各種工場で扱う過程で生じる雰囲気ガス、および空調
ガスの発生プロセス等が挙げられる。
【0029】一方、プロセス装置3は、ガス中のシロキ
サン化合物が除去された後のプロセスであり、例えば、
ガスタービンおよびガスエンジン等の発電設備、脱硝塔
などの有害ガス除去設備などが挙げられる。あるいは、
単に大気開放へと連なる排気設備であってもよい。
サン化合物が除去された後のプロセスであり、例えば、
ガスタービンおよびガスエンジン等の発電設備、脱硝塔
などの有害ガス除去設備などが挙げられる。あるいは、
単に大気開放へと連なる排気設備であってもよい。
【0030】プロセス装置1で生じるガスGs中に含有
されるシロキサン化合物とは、シロキサン結合(Si−
O−Si)を基本骨格とした鎖状または環状構造の化合
物をさす。鎖状化合物としては、例えば、メトキシトリ
メチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチ
ルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメ
チルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロ
キサンが挙げられ、環状化合物としては、例えばヘキサ
メチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチル
シクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン(D5体)、およびドデカメチルシク
ロヘキサシロキサン(D6体)が挙げられる。なお、シ
ロキサン化合物中の官能基はメチル基で構成される必要
はなく、メチル基に類する炭化水素基で置換されていて
もよい。あるいは、水素の代わりにフッ素、塩素等で置
換されたシロキサン化合物も含まれ、さらには分子量の
大きい多重合化合物も含まれる。
されるシロキサン化合物とは、シロキサン結合(Si−
O−Si)を基本骨格とした鎖状または環状構造の化合
物をさす。鎖状化合物としては、例えば、メトキシトリ
メチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチ
ルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメ
チルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロ
キサンが挙げられ、環状化合物としては、例えばヘキサ
メチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチル
シクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン(D5体)、およびドデカメチルシク
ロヘキサシロキサン(D6体)が挙げられる。なお、シ
ロキサン化合物中の官能基はメチル基で構成される必要
はなく、メチル基に類する炭化水素基で置換されていて
もよい。あるいは、水素の代わりにフッ素、塩素等で置
換されたシロキサン化合物も含まれ、さらには分子量の
大きい多重合化合物も含まれる。
【0031】こうしたシロキサン化合物を含有するガス
Gsは、多孔質吸着剤が充填された充填層2に導入され
る。この充填層2は、被処理ガスが内部を通過する際の
空塔速度(線速度、ろ過速度)が0.2m/s以下の所
定値となるように接触断面の大きさが設計され、多孔質
吸着剤の性能(平衡吸着量)が取り替え頻度に応じた必
要量の吸着剤が充填されている。
Gsは、多孔質吸着剤が充填された充填層2に導入され
る。この充填層2は、被処理ガスが内部を通過する際の
空塔速度(線速度、ろ過速度)が0.2m/s以下の所
定値となるように接触断面の大きさが設計され、多孔質
吸着剤の性能(平衡吸着量)が取り替え頻度に応じた必
要量の吸着剤が充填されている。
【0032】本発明においては、シロキサン化合物含有
ガスの通過速度、すなわち空塔速度(線速度、ろ過速
度)を0.2m/s以下としているので、長期の連続通
ガス処理で所望の吸着量に達する以前に吸着剤が破過し
てしまう問題点、すなわち、不所望の時期にシロキサン
化合物の除去率が著しく低下し、シロキサン化合物を排
出してしまうといった問題点を回避することができる。
ガスの通過速度、すなわち空塔速度(線速度、ろ過速
度)を0.2m/s以下としているので、長期の連続通
ガス処理で所望の吸着量に達する以前に吸着剤が破過し
てしまう問題点、すなわち、不所望の時期にシロキサン
化合物の除去率が著しく低下し、シロキサン化合物を排
出してしまうといった問題点を回避することができる。
【0033】このことは、本発明者らの研究調査結果の
一例である図2のグラフにより裏付けられる。図2は、
多孔質吸着剤の充填層のおける被処理ガスの空塔速度と
シロキサン化合物除去率との関係を示す。図2中、シロ
キサン化合物の除去率は、初期除去率ではなく、平衡吸
着に達する到達率が50%となったときの除去率であ
る。このため、図中各プロットの測定時期および多孔質
吸着剤充填量は必ずしも同一ではない。図2に示される
ように、空塔速度が0.2m/sを越えると、シロキサ
ン化合物の除去率が低下していることが確認される。す
なわち、空塔速度を0.2m/sより高い値にて長期通
ガス処理を行なう場合には、所定の平衡吸着量に達する
以前(この場合は到達率50%)にシロキサン化合物除
去率が低下してしまうことが確認できる。よって、空塔
速度は0.2m/sまたはこれ以下であることが望まし
い。
一例である図2のグラフにより裏付けられる。図2は、
多孔質吸着剤の充填層のおける被処理ガスの空塔速度と
シロキサン化合物除去率との関係を示す。図2中、シロ
キサン化合物の除去率は、初期除去率ではなく、平衡吸
着に達する到達率が50%となったときの除去率であ
る。このため、図中各プロットの測定時期および多孔質
吸着剤充填量は必ずしも同一ではない。図2に示される
ように、空塔速度が0.2m/sを越えると、シロキサ
ン化合物の除去率が低下していることが確認される。す
なわち、空塔速度を0.2m/sより高い値にて長期通
ガス処理を行なう場合には、所定の平衡吸着量に達する
以前(この場合は到達率50%)にシロキサン化合物除
去率が低下してしまうことが確認できる。よって、空塔
速度は0.2m/sまたはこれ以下であることが望まし
い。
【0034】次に、充填層2に充填される多孔質吸着剤
について、詳細に説明する。
について、詳細に説明する。
【0035】本発明において用いられる多孔質吸着剤
は、比表面積が500m2/g以上であることが望まし
い。
は、比表面積が500m2/g以上であることが望まし
い。
【0036】比表面積が500m2/g以上の多孔質吸
着剤を用いることによって、シロキサン化合物の平衡吸
着量を高めることができ、より効率よくシロキサン化合
物を吸着除去することが可能となる。このため、本発明
の効果をより確実に得ることができる。比表面積が50
0m2/g未満の場合には、平衡吸着量が少なくなるの
で、本発明の効果を充分に得ることが困難となる。
着剤を用いることによって、シロキサン化合物の平衡吸
着量を高めることができ、より効率よくシロキサン化合
物を吸着除去することが可能となる。このため、本発明
の効果をより確実に得ることができる。比表面積が50
0m2/g未満の場合には、平衡吸着量が少なくなるの
で、本発明の効果を充分に得ることが困難となる。
【0037】このことは、本発明者らの研究調査結果の
一例である図3により裏付けられる。図3のグラフにお
いて、曲線aは、多孔質吸着剤の比表面積とシロキサン
化合物除去率との関係を表わし、曲線bは、多孔質吸着
剤の比表面積と平衡吸着量との関係を表わしている。図
3のグラフから、比表面積が500m2/g未満の多孔
質吸着剤を用いた場合には、一定時間後のシロキサン化
合物の除去水準(除去率および平衡吸着量)が極端に低
いことが判明している。したがって、多孔質吸着剤の比
表面積は500m2/g以上であることが望ましく、1
000m2/g以上であることがより望ましい。
一例である図3により裏付けられる。図3のグラフにお
いて、曲線aは、多孔質吸着剤の比表面積とシロキサン
化合物除去率との関係を表わし、曲線bは、多孔質吸着
剤の比表面積と平衡吸着量との関係を表わしている。図
3のグラフから、比表面積が500m2/g未満の多孔
質吸着剤を用いた場合には、一定時間後のシロキサン化
合物の除去水準(除去率および平衡吸着量)が極端に低
いことが判明している。したがって、多孔質吸着剤の比
表面積は500m2/g以上であることが望ましく、1
000m2/g以上であることがより望ましい。
【0038】ここで、多孔質吸着剤の比表面積は、窒素
ガス吸着によるBET法、あるいはこれに準ずる方法に
より測定された値を採用する。
ガス吸着によるBET法、あるいはこれに準ずる方法に
より測定された値を採用する。
【0039】さらに、充填層2に充填される多孔質吸着
剤は、10Å〜20Åの範囲の細孔径を有する細孔の積
算容量が0.1cm3/g以上であることが好ましい。
剤は、10Å〜20Åの範囲の細孔径を有する細孔の積
算容量が0.1cm3/g以上であることが好ましい。
【0040】10Å〜20Åの範囲の細孔径を有する細
孔の積算容量が0.1cm3/g以上である多孔質吸着
剤を用いることによって、シロキサン化合物を特異的に
吸着除去でき、シロキサン化合物が脱離するおそれが低
く、より効率よくシロキサン化合物を吸着除去すること
が可能となる。よって、本発明の効果をより確実に得る
ことができる。このとき、多孔質吸着剤の比表面積が5
00m2/g以上であれば、さらに高い効果が得られ
る。
孔の積算容量が0.1cm3/g以上である多孔質吸着
剤を用いることによって、シロキサン化合物を特異的に
吸着除去でき、シロキサン化合物が脱離するおそれが低
く、より効率よくシロキサン化合物を吸着除去すること
が可能となる。よって、本発明の効果をより確実に得る
ことができる。このとき、多孔質吸着剤の比表面積が5
00m2/g以上であれば、さらに高い効果が得られ
る。
【0041】このことは、本発明者らの研究調査結果の
一例である図4のグラフにより裏付けられる。図4のグ
ラフにおいて、曲線cは、10Å〜20Åの範囲の細孔
容積と、シロキサン化合物除去率との関係を表わし、曲
線dは10Å〜20Åの範囲の細孔容積と平衡吸着量と
の関係を表わしている。図4のグラフから、10Å〜2
0Åの範囲の細孔径を有する細孔の積算容量が0.1c
m3/g未満である多孔質吸着剤を用いた場合には、一
定時間後のシロキサン化合物の除去水準(除去率および
平衡吸着量)が極端に低いことが判明している。したが
って、10Å〜20Åの範囲の細孔の積算容量が0.1
cm3/g以上である多孔質吸着剤を用いることが、相
対的に好ましい。
一例である図4のグラフにより裏付けられる。図4のグ
ラフにおいて、曲線cは、10Å〜20Åの範囲の細孔
容積と、シロキサン化合物除去率との関係を表わし、曲
線dは10Å〜20Åの範囲の細孔容積と平衡吸着量と
の関係を表わしている。図4のグラフから、10Å〜2
0Åの範囲の細孔径を有する細孔の積算容量が0.1c
m3/g未満である多孔質吸着剤を用いた場合には、一
定時間後のシロキサン化合物の除去水準(除去率および
平衡吸着量)が極端に低いことが判明している。したが
って、10Å〜20Åの範囲の細孔の積算容量が0.1
cm3/g以上である多孔質吸着剤を用いることが、相
対的に好ましい。
【0042】ここで、多孔質吸着剤の細孔分布は、例え
ば、N2ガス吸着法、アルゴンガス吸着法、および水銀
圧入法などにより測定することができるが、比較的精度
がよく、汎用な手法であるN2ガス吸着法を用いること
が好ましい。但し、これに準ずる方法であれば採用でき
る。
ば、N2ガス吸着法、アルゴンガス吸着法、および水銀
圧入法などにより測定することができるが、比較的精度
がよく、汎用な手法であるN2ガス吸着法を用いること
が好ましい。但し、これに準ずる方法であれば採用でき
る。
【0043】次に、本発明のシロキサン化合物含有ガス
の精製装置を具備した下水汚泥消化ガス発電システムに
ついて、図5を用いて説明する。図5は、この概略フロ
ー図であり、詳細機器については記述を省略してある。
の精製装置を具備した下水汚泥消化ガス発電システムに
ついて、図5を用いて説明する。図5は、この概略フロ
ー図であり、詳細機器については記述を省略してある。
【0044】下水処理場にて集積した下水は、濃縮その
他の処理が施され、ここで得られた各種有機物を含む汚
泥は、微生物の作用により床ガス発生装置(消化槽な
ど、図示せず)にて嫌気性消化される。この過程で得ら
れたメタンを主とする可燃性ガス(消化ガス)は、脱硫
処理、ミスト除去処理等が施された後、消化ガスタンク
4に貯留される。
他の処理が施され、ここで得られた各種有機物を含む汚
泥は、微生物の作用により床ガス発生装置(消化槽な
ど、図示せず)にて嫌気性消化される。この過程で得ら
れたメタンを主とする可燃性ガス(消化ガス)は、脱硫
処理、ミスト除去処理等が施された後、消化ガスタンク
4に貯留される。
【0045】消化ガスタンク4に貯留された消化ガスに
は、下水由来のシロキサン化合物が、例えば10〜20
0mg/m3の濃度で含まれており、この消化ガスをシ
ロキサン化合物含有ガスと称する。消化ガスタンク4に
貯留されたシロキサン化合物含有ガスは、続いて、図示
しないブースター(ガス圧縮機)、冷却器(チラー)、
ミストセパレーター等を経て、多孔質吸着剤が充填され
た充填層2に導入される。この充填層2は、シロキサン
化合物含有ガスの精製装置として作用し、ここで消化ガ
ス中のシロキサン化合物が吸着除去されて、精製ガスが
後段のガスエンジン5に導入される。
は、下水由来のシロキサン化合物が、例えば10〜20
0mg/m3の濃度で含まれており、この消化ガスをシ
ロキサン化合物含有ガスと称する。消化ガスタンク4に
貯留されたシロキサン化合物含有ガスは、続いて、図示
しないブースター(ガス圧縮機)、冷却器(チラー)、
ミストセパレーター等を経て、多孔質吸着剤が充填され
た充填層2に導入される。この充填層2は、シロキサン
化合物含有ガスの精製装置として作用し、ここで消化ガ
ス中のシロキサン化合物が吸着除去されて、精製ガスが
後段のガスエンジン5に導入される。
【0046】ガスエンジン5で燃焼過程を経た排ガス
は、脱硝触媒塔6に導入され、排ガス中の窒素化合物が
除去された後、煙突7を介して大気放散される。
は、脱硝触媒塔6に導入され、排ガス中の窒素化合物が
除去された後、煙突7を介して大気放散される。
【0047】ガスエンジン5に導入された消化ガスは、
充填層2を通過したことによりシロキサン化合物を実質
的に含有しないので、ガスエンジン内部にシリカ(Si
O2)を析出させることはない。したがって、従来のよ
うなエンジン部品の摩耗・劣化を避けることができる。
さらに、脱硝触媒塔6中の触媒の劣化といった不具合
も、ガス中のシロキサン化合物が除去されたことによ
り、未然に回避することが可能となる。その結果、ガス
エンジン5の保守点検頻度および脱硝触媒塔6の触媒の
交換頻度を、著しく低減することが可能となる。
充填層2を通過したことによりシロキサン化合物を実質
的に含有しないので、ガスエンジン内部にシリカ(Si
O2)を析出させることはない。したがって、従来のよ
うなエンジン部品の摩耗・劣化を避けることができる。
さらに、脱硝触媒塔6中の触媒の劣化といった不具合
も、ガス中のシロキサン化合物が除去されたことによ
り、未然に回避することが可能となる。その結果、ガス
エンジン5の保守点検頻度および脱硝触媒塔6の触媒の
交換頻度を、著しく低減することが可能となる。
【0048】これと同時に、本発明においては0.2m
/s以下の空塔速度で被処理ガスを、充填層2中の多孔
質吸着剤に接触させるので、シロキサン化合物の高い吸
着除去(除去率、精製効率)が得られるとともに、より
長期にわたって安定した吸着処理が可能となる。
/s以下の空塔速度で被処理ガスを、充填層2中の多孔
質吸着剤に接触させるので、シロキサン化合物の高い吸
着除去(除去率、精製効率)が得られるとともに、より
長期にわたって安定した吸着処理が可能となる。
【0049】下水汚泥消化ガスに含まれるシロキサン化
合物は、すでに説明したものと同様であるが、特に、環
状構造であるオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4体)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(D5
体)が支配的に多く検知されることが本発明者らの調査
により判明した。すなわち、これらの化合物を選択的あ
るいは優先的に吸着除去することによって、上述した効
果を確実に得ることができるのである。
合物は、すでに説明したものと同様であるが、特に、環
状構造であるオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4体)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(D5
体)が支配的に多く検知されることが本発明者らの調査
により判明した。すなわち、これらの化合物を選択的あ
るいは優先的に吸着除去することによって、上述した効
果を確実に得ることができるのである。
【0050】これを達成するために、本発明者らは鋭意
検討の結果、上述したような化合物の分子径、すなわ
ち、D4体:約10Å、D5体:約12Åを推定し、こ
れに相当しかつ吸着効果が大きいと帰結した吸着剤の細
孔径を、10〜20Åと結論するに至った。また本発明
者らは、多孔質吸着剤の比表面積が500m2/g以
上、より好ましくは1000m2/g以上であることが
有効であること、さらに、長期にわたる吸着効率を効果
的に維持するために、充填層を通過する空塔速度を0.
2m/s以下とすることが有効であると帰結したのであ
る。このように構成とすることによって、多孔質吸着剤
におけるD4体およびD5体の平衡吸着量を、例えば2
0〜60℃の条件下で、0.15〜0.5g/gと大き
くすることが可能となる。したがって、シロキサン化合
物の除去水準を、通ガス初期時は当然ながら高く維持で
き、さらに多孔質吸着剤の平衡吸着にほぼ到達する長期
に至るまで、高い除去水準を維持することが可能となっ
た。
検討の結果、上述したような化合物の分子径、すなわ
ち、D4体:約10Å、D5体:約12Åを推定し、こ
れに相当しかつ吸着効果が大きいと帰結した吸着剤の細
孔径を、10〜20Åと結論するに至った。また本発明
者らは、多孔質吸着剤の比表面積が500m2/g以
上、より好ましくは1000m2/g以上であることが
有効であること、さらに、長期にわたる吸着効率を効果
的に維持するために、充填層を通過する空塔速度を0.
2m/s以下とすることが有効であると帰結したのであ
る。このように構成とすることによって、多孔質吸着剤
におけるD4体およびD5体の平衡吸着量を、例えば2
0〜60℃の条件下で、0.15〜0.5g/gと大き
くすることが可能となる。したがって、シロキサン化合
物の除去水準を、通ガス初期時は当然ながら高く維持で
き、さらに多孔質吸着剤の平衡吸着にほぼ到達する長期
に至るまで、高い除去水準を維持することが可能となっ
た。
【0051】図5に示したフローにおいて、シロキサン
化合物含有ガスの精製装置としての充填層2はブースタ
ー、冷却器(チラー)の後に設置されているが、その配
置は限定されるものではない。例えば、ブースターと冷
却器との間とすることができ、ブースターの前に設置し
てもよい。装置の配置および運転の都合等に応じて、充
填層2の設置場所を適宜採択することができる。
化合物含有ガスの精製装置としての充填層2はブースタ
ー、冷却器(チラー)の後に設置されているが、その配
置は限定されるものではない。例えば、ブースターと冷
却器との間とすることができ、ブースターの前に設置し
てもよい。装置の配置および運転の都合等に応じて、充
填層2の設置場所を適宜採択することができる。
【0052】本発明のシロキサン化合物含有ガスの精製
装置である充填層2は、多孔質吸着剤を充填でき、被処
理ガスであるシロキサン化合物含有ガスを流通できる密
閉式の構造であれば、その形式は特に限定されない。例
えば、固定床式、移動床式、流動床式、または多段式と
することができ、並列または直列に複数塔設置すること
が可能である。また、塔内のガス流れは、上向流、下降
流および水平流のいずれであっても同等の効果が得られ
る。移動床式の場合は、充填剤(多孔質吸着剤)の連続
(あるいは間欠)供給装置と排出装置とを密閉性よく設
置することはいうまでもない。また、プロセス停止時に
充填層2内の消化ガスをパージできるように、別途パー
ジライン、窒素供給ライン等を設けることも必要に応じ
てなされる。また、必要に応じて、充填層2の充填剤
(多孔質吸着剤)は、水蒸気加熱、減圧処理などの再生
処理がなされるが限定するものではない。
装置である充填層2は、多孔質吸着剤を充填でき、被処
理ガスであるシロキサン化合物含有ガスを流通できる密
閉式の構造であれば、その形式は特に限定されない。例
えば、固定床式、移動床式、流動床式、または多段式と
することができ、並列または直列に複数塔設置すること
が可能である。また、塔内のガス流れは、上向流、下降
流および水平流のいずれであっても同等の効果が得られ
る。移動床式の場合は、充填剤(多孔質吸着剤)の連続
(あるいは間欠)供給装置と排出装置とを密閉性よく設
置することはいうまでもない。また、プロセス停止時に
充填層2内の消化ガスをパージできるように、別途パー
ジライン、窒素供給ライン等を設けることも必要に応じ
てなされる。また、必要に応じて、充填層2の充填剤
(多孔質吸着剤)は、水蒸気加熱、減圧処理などの再生
処理がなされるが限定するものではない。
【0053】充填層2に充填される多孔質吸着剤は、す
でに述べたように、比表面積が500m2/g以上であ
ることが好ましく、10Å〜20Åの範囲の細孔の積算
容積が0.1cm3/g以上となる細孔分布を有するこ
とが望ましい。
でに述べたように、比表面積が500m2/g以上であ
ることが好ましく、10Å〜20Åの範囲の細孔の積算
容積が0.1cm3/g以上となる細孔分布を有するこ
とが望ましい。
【0054】多孔質吸着剤の材質は特に限定するもので
はないが、例えば、活性炭、ゼオライト、アルミナ、モ
レキュラーシーブス、その他の材質が用いられる。ま
た、充填層に充填する際の飛散防止のため、粒状、成形
状、あるいはペレット状として用いることが実用上簡便
であるが、これに限らずフィルタ等を併設して粉体のま
ま採用することもできる。
はないが、例えば、活性炭、ゼオライト、アルミナ、モ
レキュラーシーブス、その他の材質が用いられる。ま
た、充填層に充填する際の飛散防止のため、粒状、成形
状、あるいはペレット状として用いることが実用上簡便
であるが、これに限らずフィルタ等を併設して粉体のま
ま採用することもできる。
【0055】充填層2に充填される多孔質吸着剤の充填
量は、例えば、同吸着剤の平衡吸着量、吸着帯長さ、お
よび被処理ガスのシロキサン化合物濃度を事前に特定し
たうえで、所望の交換頻度を考慮して、安全係数を乗じ
て決定する。また、吸着剤の交換頻度は、ガス中のシロ
キサン化合物濃度を定期的に測定し、吸着剤の破過を調
査して交換頻度を決定してもよい。これらは特に限定さ
れるものではなく、一般的なエンジニアリング手法が用
いられる。
量は、例えば、同吸着剤の平衡吸着量、吸着帯長さ、お
よび被処理ガスのシロキサン化合物濃度を事前に特定し
たうえで、所望の交換頻度を考慮して、安全係数を乗じ
て決定する。また、吸着剤の交換頻度は、ガス中のシロ
キサン化合物濃度を定期的に測定し、吸着剤の破過を調
査して交換頻度を決定してもよい。これらは特に限定さ
れるものではなく、一般的なエンジニアリング手法が用
いられる。
【0056】図5に示されるガスエンジン5は、発電設
備の例示であり、ガスタービン、燃焼ボイラ等のその他
の発電設備であっても同等である。
備の例示であり、ガスタービン、燃焼ボイラ等のその他
の発電設備であっても同等である。
【0057】また、脱硝触媒塔6は、発電設備の後段に
通常設置されるが、希薄燃焼その他の工夫により、窒素
酸化物濃度が低い場合には設置を省略される場合があ
る。
通常設置されるが、希薄燃焼その他の工夫により、窒素
酸化物濃度が低い場合には設置を省略される場合があ
る。
【0058】
【実施例】(実施例)図5に示した下水汚泥消化ガス発
電システムと同等の施設において、多孔質吸着剤と未接
触の被処理ガスを一部分岐して、実証実験を行なった。
電システムと同等の施設において、多孔質吸着剤と未接
触の被処理ガスを一部分岐して、実証実験を行なった。
【0059】試験条件は次のとおりとした。多孔質吸着
剤としては、平衡吸着量(別途実験室にて調査)が0.
4g/gの活性炭系の成型炭を用いて、充填層に所定量
充填した。こうして準備された充填層に、下記表1に示
す3種類の空塔速度の条件にて、3ヶ月まで通ガス試験
を実施した。なお、ここでの試験の目的は、空塔速度の
影響を調べることを主としたので、吸着剤の充填量は実
用する場合より少な目に設定して加速試験とした。
剤としては、平衡吸着量(別途実験室にて調査)が0.
4g/gの活性炭系の成型炭を用いて、充填層に所定量
充填した。こうして準備された充填層に、下記表1に示
す3種類の空塔速度の条件にて、3ヶ月まで通ガス試験
を実施した。なお、ここでの試験の目的は、空塔速度の
影響を調べることを主としたので、吸着剤の充填量は実
用する場合より少な目に設定して加速試験とした。
【0060】下記表1に、初期、1ヶ月後、2ヶ月後、
および3ヶ月後のそれぞれにおける除去率を示した。除
去率は、未処理ガス(充填層入口)および処理ガス(充
填層出口)のシロキサン化合物濃度を各々数点測定し
て、算定した。シロキサン化合物は、D3体、D4体、
D5体、およびD6体の合計濃度の測定とした。なお、
空塔速度に応じて吸着剤充填量を多くしたのは、空塔速
度が大きくなると処理ガス量が多くなるためであり、吸
着剤の吸着負荷を同一となして比較するためである。
および3ヶ月後のそれぞれにおける除去率を示した。除
去率は、未処理ガス(充填層入口)および処理ガス(充
填層出口)のシロキサン化合物濃度を各々数点測定し
て、算定した。シロキサン化合物は、D3体、D4体、
D5体、およびD6体の合計濃度の測定とした。なお、
空塔速度に応じて吸着剤充填量を多くしたのは、空塔速
度が大きくなると処理ガス量が多くなるためであり、吸
着剤の吸着負荷を同一となして比較するためである。
【0061】
【表1】
【0062】ただし、表1中、被処理ガス(入口)のシ
ロキサン化合物(D3、D4、D5、D6体の合計)の
濃度は、50〜100mg/m3であった。平衡吸着へ
の到達率は、入口濃度を75mg/m3としたときの計
算値で実施例、比較例1、2のいずれも同一の値とな
る。除去率は、処理前の濃度と処理後の濃度とから算出
し、数回の測定値から得られる除去率範囲を記載した。
除去率における「>95%」の表示は、処理後濃度が定
量下限値程度または下限以下となったため、「100
%」の記載を避け「>95%」とした。
ロキサン化合物(D3、D4、D5、D6体の合計)の
濃度は、50〜100mg/m3であった。平衡吸着へ
の到達率は、入口濃度を75mg/m3としたときの計
算値で実施例、比較例1、2のいずれも同一の値とな
る。除去率は、処理前の濃度と処理後の濃度とから算出
し、数回の測定値から得られる除去率範囲を記載した。
除去率における「>95%」の表示は、処理後濃度が定
量下限値程度または下限以下となったため、「100
%」の記載を避け「>95%」とした。
【0063】上記表1に示されるように、空塔速度を
0.2m/sと小さくした本発明(実施例)は、0.3
m/sとした比較例1および0.6m/sとした比較例
2と比較して、より長期にわたり高い水準でシロキサン
化合物を除去することができた。吸着破過を除去率90
%程度で開始するものと定義すると、実施例は略3ヶ月
後、比較例1は略2ヶ月後、比較例2は略1ヶ月後と、
破過に至る時間が空塔速度の上昇に対して短くなった。
すなわち、空塔速度が0.2m/sより大きい値で吸着
剤と接触(通ガス)させると、平衡吸着への到達率が5
0%程度と算定される短い期間にもかかわらず、比較例
1は除去率が低下(破過)し、比較例2の場合は到達率
が30%程度とより短い期間にて除去率が低下(破過)
した。つまり、多孔質吸着剤のシロキサン化合物吸着能
が多く残っている期間に、除去率が低下してしまうとい
う不具合が、空塔速度を0.2m/sより大きい値とし
たときに発生したことが確認された。
0.2m/sと小さくした本発明(実施例)は、0.3
m/sとした比較例1および0.6m/sとした比較例
2と比較して、より長期にわたり高い水準でシロキサン
化合物を除去することができた。吸着破過を除去率90
%程度で開始するものと定義すると、実施例は略3ヶ月
後、比較例1は略2ヶ月後、比較例2は略1ヶ月後と、
破過に至る時間が空塔速度の上昇に対して短くなった。
すなわち、空塔速度が0.2m/sより大きい値で吸着
剤と接触(通ガス)させると、平衡吸着への到達率が5
0%程度と算定される短い期間にもかかわらず、比較例
1は除去率が低下(破過)し、比較例2の場合は到達率
が30%程度とより短い期間にて除去率が低下(破過)
した。つまり、多孔質吸着剤のシロキサン化合物吸着能
が多く残っている期間に、除去率が低下してしまうとい
う不具合が、空塔速度を0.2m/sより大きい値とし
たときに発生したことが確認された。
【0064】また、初期除去率を比較すると、比較例2
は空塔速度0.5m/s以上の0.6m/sと高い値で
あったため、初期においても高い水準の除去率は得られ
なかったが、0.5m/s以下の0.3m/sとした比
較例1では初期除去率は充分であった。
は空塔速度0.5m/s以上の0.6m/sと高い値で
あったため、初期においても高い水準の除去率は得られ
なかったが、0.5m/s以下の0.3m/sとした比
較例1では初期除去率は充分であった。
【0065】なお、0.2m/s以下の空塔速度にて同
様の試験を実施したところ、実施例と同等以上の結果が
得られた。
様の試験を実施したところ、実施例と同等以上の結果が
得られた。
【0066】このように、空塔速度を0.2m/sまた
はこれ以下として、シロキサン化合物含有ガスを多孔質
吸着剤に接触させることにより、長期にわたって高い水
準のシロキサン化合物含有ガスの精製(シロキサン化合
物の吸着除去)を達成できることが判明した。
はこれ以下として、シロキサン化合物含有ガスを多孔質
吸着剤に接触させることにより、長期にわたって高い水
準のシロキサン化合物含有ガスの精製(シロキサン化合
物の吸着除去)を達成できることが判明した。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合物を安価に
効率よく除去して精製ガスを得ることが可能な、シロキ
サン化合物含有ガスの精製方法および精製装置が提供さ
れる。本発明により、シロキサン化合物に起因した各種
の不具合を回避することが可能であり、シロキサン化合
物の高い吸着効率(除去率、精製効率)が得られるとと
もに、より長期にわたり安定した吸着処理が可能とな
る。
ロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合物を安価に
効率よく除去して精製ガスを得ることが可能な、シロキ
サン化合物含有ガスの精製方法および精製装置が提供さ
れる。本発明により、シロキサン化合物に起因した各種
の不具合を回避することが可能であり、シロキサン化合
物の高い吸着効率(除去率、精製効率)が得られるとと
もに、より長期にわたり安定した吸着処理が可能とな
る。
【0068】本発明を下水汚泥消化ガス発電設備に適用
した場合には、このガス中のシロキサン化合物が効率よ
く吸着除去されるので、後段プロセスのガスエンジンや
脱硝触媒におけるシリカ(SiO2)の析出量を大幅に
削減することができる。それによって、ガスエンジンの
保守点検頻度を小さくすることができ、長期にわたって
脱硝触媒の活性を維持することが可能となる。
した場合には、このガス中のシロキサン化合物が効率よ
く吸着除去されるので、後段プロセスのガスエンジンや
脱硝触媒におけるシリカ(SiO2)の析出量を大幅に
削減することができる。それによって、ガスエンジンの
保守点検頻度を小さくすることができ、長期にわたって
脱硝触媒の活性を維持することが可能となる。
【0069】本発明を用いることにより、下水汚泥消化
ガスのみならず、有機シリコン等を取り扱う各種工場排
ガス、および空調排ガスなどのシロキサン化合物含有ガ
スからシロキサン化合物を容易に効率除去することが可
能であり、その工業的価値は大きい。
ガスのみならず、有機シリコン等を取り扱う各種工場排
ガス、および空調排ガスなどのシロキサン化合物含有ガ
スからシロキサン化合物を容易に効率除去することが可
能であり、その工業的価値は大きい。
【図1】本発明のシロキサン化合物含有ガスの精製方法
を説明する概略図。
を説明する概略図。
【図2】シロキサン化合物含有ガスの空塔速度とシロキ
サン化合物除去率との関係を表わすグラフ図。
サン化合物除去率との関係を表わすグラフ図。
【図3】本発明に用いられる多孔質吸着剤の比表面積
と、シロキサン化合物除去率および平衡吸着量との関係
を表わすグラフ図。
と、シロキサン化合物除去率および平衡吸着量との関係
を表わすグラフ図。
【図4】本発明に用いられる多孔質吸着剤の10〜20
Åの細孔容積と、シロキサン化合物除去率および平衡吸
着量との関係を表わすグラフ図。
Åの細孔容積と、シロキサン化合物除去率および平衡吸
着量との関係を表わすグラフ図。
【図5】本発明に係るシロキサン化合物含有ガス精製装
置を含む下水汚泥消化ガス発電システムの一例の構成を
表す概略図。
置を含む下水汚泥消化ガス発電システムの一例の構成を
表す概略図。
1…プロセス装置 2…充填層 3…プロセス装置 4…消化ガスタンク 5…ガスエンジン(発電設備) 6…脱硝触媒塔 7…煙突 Gs…シロキサン化合物含有ガス Gp…精製ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 清水 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA26 AC07 AC10 BA04 CA07 CA08 CA09 DA41 DA45 DA46 GA01 GB01 GB12 4G066 AA05B BA23 BA25 BA26 CA31 DA02 4H049 VN01 VP04 VP05 VQ02 VQ86 VR22 VR42 VW02 VW08
Claims (4)
- 【請求項1】 シロキサン化合物含有ガスを、多孔質吸
着剤が充填された充填層に通過させて、前記多孔質吸着
剤に前記シロキサン化合物含有ガス中のシロキサン化合
物を吸着させることにより、前記ガス中に含まれるシロ
キサン化合物を除去して精製ガスを得るシロキサン化合
物含有ガスの精製方法であって、前記充填層を通過する
前記シロキサン化合物含有ガスの空塔速度は、0.2m
/s以下であることを特徴とするシロキサン化合物含有
ガスの精製方法。 - 【請求項2】 前記多孔質吸着剤は、500m2/g以
上の比表面積を有する、および/または10Å〜20Å
の範囲の細孔径を有する細孔の積算容量が0.1cm3
/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のシロ
キサン化合物含有ガスの精製方法。 - 【請求項3】 前記シロキサン化合物含有ガスは、オク
タメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシク
ロペンタシロキサンから選択される少なくとも1種を含
有する下水汚泥消化ガスであることを特徴とする請求項
1または2に記載のシロキサン化合物含有ガスの精製方
法。 - 【請求項4】 シロキサン化合物含有ガスの精製装置で
あって、前記シロキサン化合物を吸着する多孔質吸着剤
が充填され、前記シロキサン化合物含有ガスが0.2m
/s以下の空塔速度でその内部を通過する充填層からな
ることを特徴とする精製装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001179069A JP2002371083A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | シロキサン化合物含有ガスの精製方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001179069A JP2002371083A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | シロキサン化合物含有ガスの精製方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002371083A true JP2002371083A (ja) | 2002-12-26 |
Family
ID=19019680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001179069A Pending JP2002371083A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | シロキサン化合物含有ガスの精製方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002371083A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006199954A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-08-03 | Sanzo Kankyo Engineering Kk | 消化ガス精製装置 |
-
2001
- 2001-06-13 JP JP2001179069A patent/JP2002371083A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006199954A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-08-03 | Sanzo Kankyo Engineering Kk | 消化ガス精製装置 |
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