JP2002370332A - カード及びその製造方法 - Google Patents

カード及びその製造方法

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JP2002370332A
JP2002370332A JP2001184555A JP2001184555A JP2002370332A JP 2002370332 A JP2002370332 A JP 2002370332A JP 2001184555 A JP2001184555 A JP 2001184555A JP 2001184555 A JP2001184555 A JP 2001184555A JP 2002370332 A JP2002370332 A JP 2002370332A
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polycarbonate
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Toshifumi Imai
敏文 今井
Yasushi Oba
泰 大場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】45度の立て掛け変形試験時に90℃以上にお
いて変形を示さない耐熱性の高い、エンボス加工による
カードにカールを生じない、かつ、エンボス割れも起こ
さない、更には使用後焼却された際に塩化水素の問題や
ダイオキシンの問題がなく、廃棄処理を考慮したカード
を提案する。 【解決手段】非晶性のポリエチレンテレフタレート層1
の少なくとも片面に、非晶性ポリエチレンテレフタレー
ト及び/又はポリカーボネート及び/またはポリアリレ
ートからなるシート層2,3を積層した後、転写法にて
隠蔽層6及び/または絵柄印刷層7を積層してなる、9
0℃以上において変形を示さない高耐熱性を有するカー
ド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばキャッシュ
カードやクレジットカード、IDカード(身分証明
書)、会員証、プリペイドカード等に用いられる情報記
録媒体に関するもので、さらに詳しくは、高温中で使用
もしくは保管する可能性のある車載用途やコンピュータ
等の家電製品内等で高温に晒される場合でもカード形状
の変形や材質が変性しないと同時に、磁気記録層の隠蔽
カードとして意匠性は高くエンボス適性を持った、更に
は、これらのカードが使用済みとなった場合に廃棄しや
すいようにしたカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、キャッシュカード、クレジッ
トカード及びIDカード等の分野において、磁気記録媒
体形式のカードが広く利用されており、その素材として
は主にポリ塩化ビニル(PVC)樹脂やポリ塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体が用いられており、特にポリ塩化
ビニル樹脂が一般的である。ポリ塩化ビニル樹脂は物理
的な機械特性や文字部のエンボス適性などが優れてお
り、カード素材としては申し分なく最適な素材として現
在も広く用いられている。
【0003】しかし、近年、カードの利用範囲は、上記
キャッシュカードやクレジットカード、IDカード等の
分野に留まらず、多様な分野に広がり、その機能も磁気
記録媒体以外に接触式のICモジュールをカード基材に
埋め込んだICカード、磁気ストライプ付きICカード
や、アンテナとICモジュールを組み込んだアンテナと
ICモジュールを組み込んだ非接触ICカード、磁気ス
トライプ付き非接触ICカード、さらに可逆性感熱記録
材料を情報記録層として組み込んだ可逆性感熱記録カー
ド、又はそれらを任意に組み合わせたカード、或いは全
てを持ち合わせたカードなど種々ある。また、アプリケ
ーションとしては、電子財布や定期券、テレホンカー
ド、免許証、車載カードなどがあげられ、このようなカ
ードに用いる素材には、従来のカード素材以上に屈曲
性、スクラッチ強度、引っ張り強度などの強度や、保存
特性、耐熱性、耐薬品性等の耐性を含めた高い信頼性が
求められている。
【0004】更に、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)は、
使用後の廃棄において、特に焼却時の塩化水素ガスを発
生させ焼却炉を傷めて寿命を縮める等の問題を有してい
る。また、ダイオキシンとの関連性は明確にされてはい
ないものの、この点でドイツや北欧などをはじめとする
各国で脱PVCの動きが活発になってきており、国内で
も建材分野や産業資材分野でその流れにある。
【0005】一般的な磁気カードの製造方法は、白色の
塩化ビニル(PVC)基材にオフセット印刷、グラビア
印刷、スクリーン印刷等公知の印刷方法で印刷を施し、
その両面に透明性の高いPVCシートを積層した後、磁
気テープを転写し、加熱プレス機で熱融着を行い、PV
C基材積層品と磁気テープを一体化させ、所定サイズの
金型で打ち抜いてカード形状にする。熱転写タイプの磁
気テープ(磁気ストライプ)は転写後にはカード表面よ
り浮き出て段差を生じているが、加熱プレス機での熱融
着によって埋め込まれ、カード表面と面一になるように
作製される。
【0006】磁気カードにおける磁気テープの役割は、
個人の持っている固有データを記録し、使用時に固有デ
ータの読み取りや書き込みをすることである。従って、
この磁気テープがカード表面と面一になっていないと、
カード携帯時や、リーダ/ライターによる繰り返し使用
で、磁気テープのエッジ部が破損、または欠損し、磁気
テープの持つ役割をしない使用不可能な磁気カードとな
ってしまう恐れがある。このため、磁気テープ加工時に
カード表面と磁気テープ面が面一となる物性を備えた材
料であることが条件である。
【0007】ところで、欧州や米国では白色のコア材に
印刷を施し、後に透明シートをプレスする構成をとって
いるが、しかし日本国内では、これら諸外国と同様の構
成のカードの他に、透明シートをプレス接着した後に、
表面にデザイン等の絵柄印刷を施す構成のカードも使用
されている。これは、日本国内のみで通用するJIS規
格の磁気テープがカード表面に付与されているためであ
る。すなわち、諸外国ではカード表面に磁気テープがな
いため、印刷はシートの内側でかまわないが、日本では
カード表面にJIS規格磁気テープを使用し、磁気情報
の記録消去を行う必要があるため、この磁気テープが基
材の最表層付近になければならず、結果として透明シー
トの外側に磁気テープを設けることになる。したがっ
て、一般的には暗褐色又は黒色の磁気テープがカードデ
ザインを大きく崩すことになるので、この磁気テープを
隠蔽するための印刷を透明シートの外側に施してカード
の一面全てをデザインに使うことができることになるの
である。この透明シートの外側に印刷を施すカードをオ
ーバープリントカード(以下、OPカード)と呼ぶこと
にする。
【0008】ここで、現在までカード素材として一般的
に用いられているポリ塩化ビニル樹脂の物性の欠点とし
て耐熱性の低いことがあげられる。一般的にポリ塩化ビ
ニル樹脂は約60℃で軟化し、変形するため高温域での
アプリケーション、例えば家電用途、車載用途などには
適さないと考えられる。更に、廃棄時の問題や脱PVC
活動の流れから、ポリ塩化ビニル樹脂以外のカード素材
が求められる。そこで、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリアクリル樹脂等のハロゲンを含まない熱可塑性樹脂
をカード素材として利用する考えがある。これらの樹脂
を単体で用いて、ポリ塩化ビニル樹脂同様にカード化す
ることは可能であるが、カードとしての物性、とくにJ
IS規格におけるカードの規定される規定値において、
ポリ塩化ビニル樹脂に劣るため、規格を満たす物性を有
するカード素材が必要となってくる。また、耐熱性を考
慮したプラスチック材料、例えばポリカーボネートをカ
ード素材に用いると、カードにエンボス(浮き文字)加
工すると、エンボス部分の周りもエンボス部分の変形に
引っ張られて変形し、カードがカールしてしまう問題を
有していた。
【0009】そこで、発明者らはカード基材としてポリ
塩化ビニル樹脂の代わりに、非晶性のポリエチレンテレ
フタレート樹脂基材の少なくとも片面に、非晶性ポリエ
チレンテレフタレート及び/又はポリカーボネート及び
/またはポリアリレートからなる高耐熱性を有する耐熱
シート層を積層することで、45度立て掛け変形試験時
に90℃以上において変形を示さない耐熱性の高い、エ
ンボス加工によるカードにカールを生じない、更には使
用後焼却された際に塩化水素の問題やダイオキシンの問
題がなく、廃棄処理を考慮したカードが作れることを見
いだし、この構成を提案した。
【0010】ところが、非晶性のポリエステル樹脂は一
般的には耐溶剤性が悪く、特に非晶性ポリエチレンテレ
フタレート及び/又はポリカーボネート及び/またはポ
リアリレート上に有機溶剤を用いたグラビア印刷やスク
リーン印刷を直接施してOPカードを作ろうとすると、
インキ中の溶剤が基材表面を侵しクラック等を発生せし
め、カード化後のエンボス加工時にはその衝撃により、
いわゆるエンボス割れを生じるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に着目してなされたもので、カード用基材として
ポリ塩化ビニル樹脂の代わりに、非晶性のポリエチレン
テレフタレート樹脂基材の少なくとも片面に、非晶性ポ
リエチレンテレフタレート及び/又はポリカーボネート
及び/またはポリアリレートからなる高耐熱性を有する
耐熱シート層を積層し、45度の立て掛け変形試験時に
90℃以上において変形を示さない耐熱性の高い、エン
ボス加工によるカードにカールを生じない、かつ、エン
ボス割れも起こさない、更には使用後焼却された際に塩
化水素の問題やダイオキシンの問題がなく、廃棄処理を
考慮したカードを提案するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、非晶性の
ポリエチレンテレフタレート層に、非晶性ポリエチレン
テレフタレート及び/又はポリカーボネート及び/また
はポリアリレートからなる高耐熱性を有する耐熱シート
層を積層した後、転写法にて隠蔽層及び/または絵柄印
刷層を積層してなる、90℃以上において変形を示さな
い高耐熱性を有することを特徴とするカード及びその製
造方法である。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載のカー
ドであって、非晶性のポリエチレンテレフタレート層と
前記耐熱シート層を積層した基材上に磁気記録層を積層
後隠蔽層及び/または絵柄印刷層を積層し、更にはIC
モジュール、可逆性感熱記録層の少なくとも一つからな
る情報記録手段を有することを特徴とするカード及びそ
の製造方法である。
【0014】請求項3の発明は、請求項1に記載のカー
ドとその製造方法であって、非晶性ポリエチレンテレフ
タレート層は、テレフタル酸と、シクロヘキサンジメタ
ノール及びエチレングリコールとの共重合体、又はその
共重合体とポリカーボネートとのポリマーアロイ、又は
その共重合体とポリアリレートとのポリマーアロイ、ま
たはその共重合体とポリカーボネート及びポリアリレー
トとのポリマーアロイであることを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項4の発明は、請求項1に記載のカー
ドとその製造方法であって、非晶性ポリエチレンテレフ
タレート層は、テレフタル酸とイソフタル酸との共重合
体、又はその共重合体とポリカーボネートとのポリマー
アロイ、又はその共重合体とポリアリレートとのポリマ
ーアロイ、またはその共重合体とポリカーボネート及び
ポリアリレートとのポリマーアロイであることを特徴と
するものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項1に記載のカー
ドとその製造方法であって、前記非晶性ポリエステルシ
ート層は、ガラス転移温度が80度以上であることを特
徴とするものである。とくに、ガラス転移温度が80度
以下の場合には、カードの耐熱性が低下するため、好ま
しくない。
【0017】請求項6の発明は、請求項1に記載のカー
ドとその製造方法であって、非晶性の共重合ポリエチレ
ンテレフタレート及び前記耐熱シート層は各々押し出し
法またはカレンダーロール法によりシート化したことを
特徴とするものである。
【0018】請求項7の発明は、非晶性のポリエチレン
テレフタレート層の少なくとも片面に、非晶性ポリエチ
レンテレフタレート及び/又はポリカーボネート及び/
またはポリアリレートからなる耐熱シート層を積層した
後、該耐熱シート上に、転写法にて隠蔽層及び/または
絵柄印刷層を積層することを特徴とするカードの製造方
法である。
【0019】本発明によれば、磁気記録層を隠蔽するO
Pカードにおいて、非晶性ポリエチレンテレフタレート
及び/又はポリカーボネート及び/またはポリアリレー
ト上に有機溶剤を用いたグラビア印刷やスクリーン印刷
を直接施してOPカードを作ろうとすると、インキ中の
溶剤が基材表面を侵しクラック等を発生せしめ、カード
化後のエンボス加工時にはその衝撃により、いわゆるエ
ンボス割れを生じるという問題があったのを有機溶剤を
含まない転写法にて磁気隠蔽層を設けたことで、その問
題を解決することになった。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明のカードの構成の一例を概略断面図
を示す。(1)はポリエチレンテレフタレート、又はポ
リエチレンテレフタレートとポリカードネートとのポリ
マーアロイ、又はポリエチレンテレフタレートとポリア
リレートとのポリマーアロイ、またはポリエチレンテレ
フタレートとポリカーボネート及びポリアリレートとの
ポリマーアロイである。ポリエチレンテレフタレートは
エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールをテ
レフタル酸と共重合させて製造する。また、エチレング
リコールとシクロヘキサンジメタノールの配合比を変え
ることで、結晶性及びガラス転移温度を制御することが
可能になる。更に、テレフタル酸とイソフタル酸を共重
合させても製造することができる。
【0021】本発明における耐熱シート層(2、3)
は、非晶性ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリ
カーボネート及び/またはポリアリレートからなる高耐
熱性を有するポリエステルシートである。ポリアリレー
トは、曲げ回復ロス(ヒステリシスロス)が小さく、歪
み率が大きくなってもその特性は失われないという歪み
回復特性を持つポリマーである。すなわち、カード形状
とした場合にエンボス加工を施すと、エンボス文字部分
は永久歪みとして残るものの、その文字の周囲は回復ロ
スが少ないので、エンボス後に発生しやすい文字の回り
の回復によるカード全体のカールが生じることがない。
【0022】本発明における非晶性ポリエチレンテレフ
タレートシート及び耐熱シート層は各々押し出し法また
はカレンダーロール法によりシート化することができ
る。
【0023】かかるカード基材として、非晶性のポリエ
チレンテレフタレートからなるコア基材(1)の両面に薄
い耐熱シート層(2,3)を積層し、一方の耐熱シート
層(2)上に磁気テープ(5)を貼着し熱プレスして面一に
した磁気シートにおいて、例えば、磁気テープ上及び/
又はその周辺に着色隠蔽層(6)を溶融転写方式にて設
けた後、絵柄層(7)、且つ該両層上に保護層(8)を直接
印刷方式で設け、一回り大きい鏡面板で挟み込み、その
後加熱溶融プレスして表面を面一に形成して、磁気テー
プを隠蔽するのである。
【0024】この時に用いる鏡面板は、ニッケル−クロ
ムメッキした銅板、表面を研磨したステンレス板、表面
を研磨したアルミ板などを用いることができる。また、
直接印刷方法は、紙やプラスチックフィルムの場合と同
じ方法、すなわち、オフセット印刷法、スクリーン印刷
法、グラビア印刷法等の公知の印刷法で文字或いは絵柄
を印刷することができる。
【0025】図2は、カード基材として、非晶性のポリ
エチレンテレフタレートからなるコア基材(11)の両面
に薄い耐熱シート層(12,13)を積層し、一方の耐
熱シート層(12)上に磁気テープ(15)を貼着し熱プレ
スして面一にした磁気シートにおいて、磁気テープ上及
び/又はその周辺に、溶融転写方式にて着色隠蔽・絵柄
印刷・保護層(16)を一度に設ける方法である。
【0026】溶融ラミネート後、カード素材を鏡面板か
ら剥がし、片刃またはオスーメスの金型による打ち抜き
でカード形状に打ち抜き、カード基材とする。このカー
ド基材には、上述の様に、カード基材の片面あるいは両
面に、従来から用いられている熱転写タイプの磁気テー
プを転写することもできるし、カード基材に直接磁気記
録層を印刷する方法が用いられる。通常、打ち抜いてカ
ード形状になった後は、エンコーダーにより磁気記録を
行ったり、エンボッサーにより浮き文字をエンボスし、
その文字の上に例えば黒色や銀色等の熱転写箔によりテ
ィッピングして色付けしたり、場合によっては顔写真や
バーコード等を転写しカードを仕上げる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例により、本発明を具体
的に説明する。 〈実施例1〉図1は実施例1のカードの断面図を示した
ものである。厚み560μmの白色PETGシート
(1)(三菱樹脂(株)製、ディアフィクス)に、磁気
テープ(5)を転写したPETとポリカーボネートとポ
リアリレートシートからなる厚み100μmの透明耐熱
シート層(2)と、同じくPETとポリカーボネートと
ポリアリレートシートからなる厚み100μmの透明耐
熱シート層(3)を両面に重ねた後、表面を平滑にした
ステンレス板で挟み込み、120℃で20分間圧着熱融
着させて冷却固化させて、磁気隠蔽印刷用シートを得
た。その後、磁気テープの隠蔽のために磁気テープが貼
着している側にAl粉を高分子樹脂に分散させた転写箔に
て熱転写層(6)を2μmの厚みで形成した。そして更
に文字、絵柄印刷層をオフセット印刷、スクリーン印
刷、グラビア印刷等公知の印刷方法にて絵柄印刷層
(7)を施し、磁気ヘッドによる読みとりの耐久性を上
げるために透明な保護層(8)を設けた。しかる後、カ
ード形状に打ち抜いて前述の通りのカードを作製した。
【0028】〈実施例2〉図2は実施例2のカードの断
面図を示したものである。磁気テープ付き印刷シートを
得るまでは実施例1と同様だが、その後、磁気テープの
隠蔽のために磁気テープが貼着している側に、Al粉を高
分子樹脂に分散させた隠蔽層、絵柄印刷層、保護層、ベ
ース基材が順次形成されてなる転写箔にて熱転写層(1
6)を形成した。しかる後、カード形状に打ち抜いて前
述の通り実施例2のカードを作製した。
【0029】〈比較例1〉Al粉を高分子樹脂に分散させ
た転写箔にて熱転写層(6)を形成する代わりに、スク
リーン印刷法にて、磁気テープ隠蔽用にAl粉を高分子樹
脂に分散させた銀インキにて着色隠蔽層(26)を乾燥
時2μmの厚みで直接印刷した以外は実施例1と同様に
比較例1のカードを作製した。このとき希釈溶剤として
はシクロヘキサノンを用いて粘度調整を行った。
【0030】かかる比較例1のカードはカードに要求さ
れる耐光性、耐薬品性、耐熱性などは実施例1、2と同
様であったが、エンボッサー(米データカード社:DC
9000)でエンボス(浮き文字加工)を行うと実施例
1、2のものは何ら異常は見られず文字をエンボスでき
るが、比較例1のものでは印刷インキ中の溶剤(シクロ
ヘキサノン等)が基材をアタックし、クラックを生じさ
せ文字の頂点での割れ(エンボス割れ)を多数生じ、磁
気カードとしては使用に耐えうるものでなかった。
【0031】以上のように比較例1のカードは表面の基
材自体に耐溶剤性を有していないため磁気テープを隠蔽
させようと印刷方式で絵柄の印刷を行うと、印刷インキ
中の溶剤(シクロヘキサノン等)が基材をアタックし、
クラックを生じさせ文字の頂点での割れ(エンボス割
れ)を多数生じさせるという問題点を有していた。これ
に対して実施例1、2の磁気カードでは、磁気テープを
隠蔽させるために溶剤を含まない転写箔を用いたため、
エンボス加工を施してもエンボス割れを生じない、耐熱
性に優れた、さらに塩化ビニル樹脂を用いていないた
め、用済み後焼却したとしても極めて廃棄性に優れたカ
ードといえることができる。
【0032】なお、本実施例では、磁気テープを使用し
た磁気記録媒体としたが、これに加えて接触式のICカ
ード、非接触式のICカード、可逆性感熱記録媒体とし
てもよい。
【0033】
【発明の効果】以上、本発明のカードは、高耐熱性を有
することにより高温環境でカード形状が変形することな
く、使用することができ、またエンボス加工によるカー
ドにエンボス割れを生じることがなく、現在使用される
カードを代替することができるものである。さらに使用
済みとなり焼却された際に塩化水素の問題やダイオキシ
ンの問題がない、廃棄処理を考慮したカードとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施例2を示す概略断面図である。
【図3】本発明の比較例1を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、11、21・・・・非晶性ポリエステルシート 2、3、12、13、22、23・・・・耐熱シート層 5、15、25・・・・磁気記録層 4、14、 24・・・・文字印刷層 6、26…着色隠蔽層 7、27…絵柄印刷層 16・・・・着色隠蔽・絵柄印刷・保護層 8、28…保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B42D 15/10 521 B42D 15/10 521 G06K 19/077 G06K 19/00 K Fターム(参考) 2C005 HA21 HB01 HB04 HB09 JA08 JA15 JB02 JC02 KA08 KA15 KA25 KA40 KA52 LA09 LA11 LA14 LA18 LA26 LA29 4F100 AK41A AK41B AK43A AK43B AK45A AK45B AL01A AL05A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D EC03 EC04C GB71 HB31D JA05A JA12A JA12B JG06E JJ03 JN02C YY00A 5B035 BA03 BB09 CA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶性のポリエチレンテレフタレート層の
    少なくとも片面に、非晶性ポリエチレンテレフタレート
    及び/又はポリカーボネート及び/またはポリアリレー
    トからなるシート層を積層した後、転写法にて隠蔽層及
    び/または絵柄印刷層を積層してなる、90℃以上にお
    いて変形を示さない高耐熱性を有することを特徴とする
    カード。
  2. 【請求項2】前記非晶性のポリエチレンテレフタレート
    層と前記耐熱シート層を積層した基材上に磁気記録層を
    積層後隠蔽層及び/または絵柄印刷層を積層し、更には
    ICモジュール、可逆性感熱記録層の少なくとも一つか
    らなる情報記録手段を有することを特徴とする請求項1
    記載のカード。
  3. 【請求項3】前記非晶性のポリエチレンテレフタレート
    層は、テレフタル酸と、シクロヘキサンジメタノール及
    びエチレングリコールとの共重合体、又はその共重合体
    とポリカーボネートとのポリマーアロイ、又はその共重
    合体とポリアリレートとのポリマーアロイ、またはその
    共重合体とポリカーボネート及びポリアリレートとのポ
    リマーアロイであることを特徴とする請求項1記載のカ
    ード。
  4. 【請求項4】前記非晶性のポリエチレンテレフタレート
    層は、テレフタル酸とイソフタル酸との共重合体、又は
    その共重合体とポリカーボネートとのポリマーアロイ、
    又はその共重合体とポリアリレートとのポリマーアロ
    イ、またはその共重合体とポリカーボネート及びポリア
    リレートとのポリマーアロイであることを特徴とする請
    求項1記載のカード。
  5. 【請求項5】前記非晶性のポリエチレンテレフタレート
    層は、ガラス転移温度が80度以上であることを特徴と
    する請求項1記載のカード。
  6. 【請求項6】前記非晶性の共重合ポリエチレンテレフタ
    レート及び前記耐熱シート層は各々押し出し法またはカ
    レンダーロール法によりシート化したことを特徴とする
    請求項1記載のカード。
  7. 【請求項7】非晶性のポリエチレンテレフタレート層の
    少なくとも片面に、非晶性ポリエチレンテレフタレート
    及び/又はポリカーボネート及び/またはポリアリレー
    トからなる耐熱シート層を積層した後、該耐熱シート上
    に、転写法にて隠蔽層及び/または絵柄印刷層を積層す
    ることを特徴とするカードの製造方法。
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