JP2002369469A - 単相誘導電動機 - Google Patents
単相誘導電動機Info
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Abstract
電動機を提供することを目的とする。 【解決手段】 複数のティース9と各ティース9間に形
成された複数のスロット11を有する固定子1と、前記
ティース9の各々に集中して巻回された固定子巻線と、
複数のスロットと該スロット内を通るかご型の2次導体
を有し前記固定子1から発生した磁束により回転する回
転子とを備え、前記固定子1のスロット11を前記ティ
ース9の先端部のみ所定角度θsスキューして形成し、
前記回転子のスロットを前記固定子1のスロット11と
傾斜方向が異なるようにスキューして形成した。
Description
に関し、詳しくは、高調波トルクを抑制する固定子及び
回転子のスキュー形状に関するものである。
位相差、起磁力差等があり、固定子と回転子との空隙中
に大きな高調波磁場を形成する。これに加えて、スロッ
トパーミアンスの脈動による高調波磁場等があり、上記
空隙中の高調波磁場が大きくなって高調波トルクが多く
含まれてトルク特性に大きな影響を与えている。かかる
高調波を低減するために、固定子または回転子のスロッ
トを軸方向に対してある角度ひねってスキューを形成す
ることが知られている。一般に、スキューは、巻線を装
着する固定子に形成することが困難なことが多く、巻線
のないかご型回転子のみに形成されている。
し、巻線の成形を簡単にするために、特開平11−28
5212号公報に記載されているように、固定子の各テ
ィースに一つの巻線を集中して巻回する、いわゆる集中
巻き固定子が採用されている。
にスキューが形成されていても、スキュー角が適当な値
でなければ、トルク特性が悪化したり、回転子のスロッ
ト高調波を充分に改善できなかったりするという問題点
があった。
子と比較して大きい高調波磁場が固定子と回転子との空
隙中に発生することになる。この高調波磁場は、回転子
および固定子に電磁加振力として作用し、振動、騒音等
の悪影響を及ぼすという問題点があった。特に、換気扇
等の家電製品に用いる誘導電動機にあっては、振動、騒
音は大きな問題であった。
されたもので、回転子スキュー及び固定子のスキューを
適切な形状にすることにより、高調波による電磁加振力
を軽減する単相誘導電動機を提供することを目的とす
る。
電動機は、複数のティースと各ティース間に形成された
複数のスロットを有する固定子と、前記ティースの各々
に集中して巻回された固定子巻線と、複数のスロットと
該スロット内を通るかご型の2次導体を有し前記固定子
から発生した磁束により回転する回転子とを備え、前記
固定子のスロットを前記ティースの先端部のみ所定角度
スキューして形成し、前記回転子のスロットを前記固定
子のスロットと傾斜方向が異なるようにスキューして形
成したものである。
ける幅が付け根部における幅より狭くなるように形成し
たものである。
軸方向の中央付近で折れ曲がるV形状とし、前記回転子
のスロットのスキューを軸方向の中央付近で前記固定子
のスキューとは異なる方向に折れ曲がるV形状としたも
のである。
転子のスキュー角の合計をほぼ前記固定子のスロットピ
ッチ角にしたものである。
形態を図1乃至図5によって説明する。図1は、単相誘
導電動機の固定子の正面図、図2は単相誘導電動機の固
定子及び回転子の正面図、図3は固定子の分解斜視図、
図4は回転子の分解斜視図、図5は回転子の固定子対向
面の部分展開図である。
は、固定子1と回転子20とから成り、固定子1は、複
数枚の珪素鋼板を積層して形成された固定子コア3と、
この固定子コア3のスロット11内に納められた主巻線
6a及び補助巻線6bとで構成されている。固定子コア
3は、筒状に形成された外径部7と、外径部7の内周側
から軸中心に向かって延出した8個のティース9とで形
成されている。すなわち、隣り合うティース9とティー
ス9との間に、8個の固定子スロット11が形成され、
固定子スロット11内に、輪状に巻回された4個の主巻
線6aおよび4個の補助巻線6bが交互に納められ、い
わゆる集中巻き固定子を形成している。
板を積層して形成されて外周部に14個の回転子スロッ
ト22が配列された回転子コア24と、回転子スロット
22内を通る導電部26aと回転子コア24の両端面に
配設されるエンドリング26bからなる2次導体26と
で構成され、回転子コア24の中央部にはシャフトが取
り付けられる孔30が設けられている。
ー角θs〔度〕から成る固定子スキュー3aがスロット
ピッチα〔度〕で形成されている。ここで、スキュー角
θsは、固定子1の上面における中心点Oと固定子スロ
ット11の開口部の上端Sとを結ぶ線分と、固定子1の
上面における中心点Oと固定子スロット11の開口部の
下端を固定子1の上面へ投影した点S’とを結ぶ線分の
なす角度であり、スロットピッチαは、固定子1の中心
点Oから見た角度である。
の先端部のみに形成されている。すなわち、積層された
珪素鋼板の1枚1枚は、ティース9の巻線を巻く部分は
同一形状で固定子スロット11の開口部付近で形状が異
なるものであり、ティース9の巻線を巻く部分が斜めに
ならないように真っ直ぐ積み重ねることにより、固定子
スロット11の開口部が円周方向に少しずつずれ、全体
としてティース9の先端部のみ所定角度スキューされる
ことになるのである。
に、固定子スキュー3aと傾斜方向が異なってクロス状
に交じり合うようにスキュー角θr〔度〕から成る回転
子スキュー22aが形成されている。このスキュー角θ
rは、回転子20の上面における中心点O’と回転子ス
ロット22の開口部の上端Rとを結ぶ線分と、回転子2
0の上面における中心点O’と回転子スロット22の開
口部の下端を回転子20の上面へ投影した点R’とを結
ぶ線分のなす角度である。
ューを形成した理由について説明する。高調波トルク
は、固定子スロット11の高調波や起磁力高調波および
これらにより2次導体26に発生する渦電流が固定子1
と回転子20との空隙中に作る磁場の相互作用によって
発生している。このため、固定子スロット11の高調波
による高調波トルクを抑制するには、固定子スロットピ
ッチα付近で回転子20にスキュー22aを形成すると
よい。特に、集中巻き固定子の場合、分布巻固定子と比
較して空間高調波次数が小さい高調波磁場が大きくなる
ため、スキュー角を大きくとる必要がある。
で、固定子スロットピッチα付近までスキュー22aを
形成するのが困難なことが多く、形成できても、図5に
示すように回転子スキュー22aの角度が大きくなり、
回転子20のスロット開口幅Lが等価的にLaの如く狭
くなって、漏れ磁束が増加するという問題や、等価的に
2次導体が長くなって、2次抵抗が増加して損失が増大
するという問題、また、2次導体であるアルミニウムを
ダイカストしにくいという問題等がある。特に、例えば
換気扇等に用いる直径60mm程度の小型の単層誘導電
動機においては、回転子20のスロット開口幅Lが狭い
ため、スキュー角を大きくすると、スロット開口部に面
する積層鋼板の端部が接触してしまう恐れが大きく、形
成できるスキュー角には限界がある。
回転子スキュー22aの角度を小さくできるようにした
のである。また、固定子スキューの傾斜方向が回転子ス
キューと同じでは、必要なスキュー角を得るために回転
子スキュー角を大きくしなければならない場合があるた
め、固定子スキューと回転子スキューの傾斜方向は異な
るように形成した。
合、一般には同一形状の積層鋼板を積層時にスキュー角
だけ少しずつ回して積んでスキューを形成するため、巻
線を巻く部分も斜めになってしまい、巻線長が長くなっ
て銅損が増加したり、高密度巻線が難しくなったりする
問題がある。そのため、上述のように固定子スキュー3
aをティース9の先端部のみに形成することによって、
巻線長を短くして銅損を減らすとともに、高密度に巻線
できるようにしたのである。
形成する場合、固定子スキュー角θsの範囲は下式とな
る。下式において、βは固定子の巻線部分における先端
幅の成す角〔度〕、γは固定子におけるスロット開口幅
が成す角〔度〕であり、それぞれ、固定子1の中心点O
から見た角度である。
角を固定子スキュー角及び回転子スキュー角の合計で形
成すると、回転子スキュー角θrと固定子のスロットピ
ッチ角αとの間に下式が成立する。
あれば、回転子スキュー角θrが非常に大きくなるが、
最大でも固定子スロットピッチ角αまでしかスキューが
得られないことを意味している。
ち、θs=α−β−γにすると、回転子スキュー角は最
小となる。すなわち、回転子スキュー角及び固定子スキ
ュー角の合計が固定子スロットピッチαとすれば、下式
となる。
る。 β+γ≦θr<α・・・・・(4)
22aと傾斜が異なり交じり合うように固定子スキュー
3aを形成することにより、小さい回転子スキュー角θ
rで全体として最適なスキュー角が得られる。このた
め、高調波トルクの発生を軽減すると共に、回転子20
のスロット開口幅を大きくし等価的な2次導体の長さを
短くして2次抵抗を小さくすることができ、損失を少な
くすることができる。しかも、2次導体26であるアル
ミニウムをダイカストし易くなり、アルミニウムの量も
減らすことができる。また、回転子スキュー角θr及び
固定子スキュー角θsの合計を固定子スロットピッチα
付近とすることにより、固定子スロット11の高調波に
よる高調波トルクを効果的に抑制し、振動、騒音をより
低減することができる。
観点から、スキュー角度と振動騒音あるいはトルク特性
の関係について説明する。まず、固定子スロット数をN
s、極対数をpとすると、固定子スロット11の高調波
による空隙磁束密度高調波はNsKs±p次の空間高調
波となる(Ksは任意の整数)。また、固定子起磁力高
調波は4pKp±p次の空間高調波となる(Kpは任意
の整数)。したがって、回転子スロット数をNrとする
と、空隙における電磁力波の空間高調波次数は下式とな
る。
意の整数)
すれば、下式となる。
波を考慮し、該起磁力高調波は、固定子スロット11の
高調波および固定子起磁力高調波と等しい次数であるた
め、上記(5)式を書き換える下式となる。
は任意の整数)
る各Ks,Kp,Ks’,Kp’の値が存在すれば高調
波トルクが発生していることになる。
回転子20の起磁力高調波に関する任意の整数であり、
この起磁力高調波が発生するには、固定子スロット11
の高調波および起磁力高調波による渦電流が回転子20
の2次導体26に発生する必要がある。固定子スロット
11の高調波は、空間高調波次数がNs±p次(Ks=
1の最も大きい高調波)で、固定子スロットピッチ付近
でスキューを形成すれば、大きく軽減できるのである。
る固定子のティースを示す正面図である。上記実施の形
態1においては、固定子1のティース9をまっすぐにし
た場合について記載したが、図5に示すようにティース
9の巻線部9bの先端9aを細く、ティース9の根元9
cを太くした台形状に形成しても良い。このように形成
すれば、固定子スロット11の大きさを変えることなく
固定子スキュー3aの角θsを大きくとることができる
ので、その分、回転子スキュー角θrを小さくすること
ができる。
スロット漏れ磁束の影響で固定子1のティース9の巻線
部9bでは、根元9cの磁気飽和が最も大きく先端9a
が小さいため、根元9cを太くしておくことにより磁気
飽和による悪影響を軽減できる。
スキュー角θr及び固定子スキュー角θsの合計を固定
子スロットピッチα付近とすることにより、固定子スロ
ット11の高調波による高調波トルクを効果的に抑制
し、振動、騒音をより低減することができる。
形態3における回転子20の斜視図である。図に示すよ
うに回転子スキュー22aを軸方向の中央で折れ曲がる
V形状に形成し、固定子スキュー3a(図示せず)も、
回転子スキュー22aと傾斜が異なり交わるように、す
なわち軸方向の中央で回転子スキュー22aとは異なる
方向に折れ曲がるV形状に形成しても良い。このように
形成すれば、スキュー22aによる軸方向のスラスト力
を低減できる。
した場合には、回転子20の厚さの半分で必要なスキュ
ー角を得なければならないため、スキューの軸方向の角
度が非常に急激になってしまい実現が難しいが、固定子
1側にもスキューを形成することにより、回転子スキュ
ー22aの軸方向の角度を緩やかにしながら軸方向のス
ラスト力を低減でき、しかも、高調波による電磁加振力
をも軽減できる。
スキュー角θr及び固定子スキュー角θsの合計を固定
子スロットピッチα付近とすることにより、固定子スロ
ット11の高調波による高調波トルクを効果的に抑制
し、振動、騒音をより低減することができる。
振力を軽減し、振動、騒音を低減できるとともに、回転
子の2次抵抗による損失を少なくすることができ、更に
回転子の2次導体をダイカストし易くなる。
振動、騒音を低減できるとともに、固定子のティースに
おける巻線部分の磁気飽和を軽減できる。
振動、騒音を低減できるとともに、軸方向のスラスト力
を低減できる。
に軽減し、振動、騒音をより低減できる。
子の正面図である。
子及び回転子の正面図である。
子の分解斜視図である。
子の分解斜視図である。
子の固定子対向面の部分展開図である。
子のティースを示す正面図である。
子の分解斜視図である。
1 固定子スロット、20 回転子、22 回転子スロ
ット、22a 回転子スキュー、22v Vスキュー、
26 2次導体。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数のティースと各ティース間に形成さ
れた複数のスロットを有する固定子と、前記ティースの
各々に集中して巻回された固定子巻線と、複数のスロッ
トと該スロット内を通るかご型の2次導体を有し前記固
定子から発生した磁束により回転する回転子とを備え、
前記固定子のスロットは前記ティースの先端部のみ所定
角度スキューされて形成され、前記回転子のスロットは
前記固定子のスロットと傾斜方向が異なるようにスキュ
ーされて形成されていることを特徴とする単相誘導電動
機。 - 【請求項2】 前記固定子のティースの先端部における
幅が付け根部における幅より狭く形成されていることを
特徴とする請求項1記載の単相誘導電動機。 - 【請求項3】 前記固定子のスロットのスキューは軸方
向の中央付近で折れ曲がるV形状であり、前記回転子の
スロットのスキューは軸方向の中央付近で前記固定子の
スキューとは異なる方向に折れ曲がるV形状であること
を特徴とする請求項1記載の単相誘導電動機。 - 【請求項4】 前記固定子のスキュー角と前記回転子の
スキュー角の合計がほぼ前記固定子のスロットピッチ角
であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れ
かに記載の単相誘導電動機。
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JP2001174347A JP4595249B2 (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 単相誘導電動機 |
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