JP2002363720A - 耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき鋼管 - Google Patents
耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき鋼管Info
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Abstract
Mg−Siめっき鋼管に関するものである。 【解決手段】 重量%で、Al:3〜20wt%、Mg:0.1〜10w
t%、Si:0.01〜2wt%、残部Zn及び不可避的不純物とか
らなるめっき層を有する耐食性に優れた溶融Zn−Al
−Mg−Si合金めっき鋼管であり、さらに、無機系化
合物から成る無機皮膜、或いは有機樹脂から構成される
有機樹脂皮膜を、被覆することで、或いは造管時のビー
ド部のアップセット量を板厚の5〜80%とすることで、
さらに耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Si合金
めっき鋼管とする事が出来る。
Description
融Zn−Al−Mg−Siめっき鋼管に関するものであ
る。
めっき鋼管はめっき鋼板を鋼管に成型するプレめっき鋼
管と、鋼管に成型後に溶融めっきを施す、ポストめっき
鋼管とがある。特に前者は造管時のコストが後者に比べ
良好であることから使用が広まってきている。プレめっ
き鋼管には、Znめっき鋼管、Zn−5%Alめっき鋼
管、55%Al−Zn−1.6%Siめっき鋼管、Al
めっき鋼管等がある。溶接ビード部近傍を切削し、ここ
に、Zn、或いはZn−Al系の溶射を行うビード補修
溶射も一般的に行われている。しかし、ビード溶射を施
したとしても、溶射層は、気孔が多く、耐食性が良好で
ないことから、特開2000−239818号公報では
めっき層にMgを適量添加させ、保護性の高いMg含有
Zn系腐食生成物にて、溶接部を保護被覆させるととも
に、Alを含有させることにより溶接部近傍のめっき層
の耐食性を向上させたプレめっき鋼管の技術が開示され
ている。しかしながら、ビード近傍の熱影響部におい
て、Fe−Zn、Fe−Alの合金化が進行することに
よる、めっき密着性や耐食性の劣化、また、特に高強度
化の際に母材部の脆化割れが生じる恐れがあった。
造管安定性と耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−S
i合金プレめっき鋼管および、その製造方法を提供する
ことを課題とするものである。
の製造安定性及び耐食性を向上させるため、鋼成分、溶
融めっき成分、造管条件について研究し、特定鋼成分と
特定のめっき組成、製造条件により、耐食性の優れた合
金めっき鋼管が得られることを知見した。本発明はこの
知見により完成されたものであって、発明の要旨は次の
通りである。
〜10wt%、Si:0.01〜2.0wt%、残部Zn及び不可避的不
純物とからなるめっき層を有する耐食性に優れた溶融Z
n−Al−Mg−Si合金めっき鋼管。 (2)重量%で、Al:3〜20wt%、Mg:0.1〜10wt%、Si:
0.01〜2wt%、さらに、Ti、Sn、Ni、Crを1種又は2種以
上を0.01〜2%含有し、残部Znおよび不可避的不純物とか
らなるめっき層を有する耐食性に優れた溶融Zn−Al
−Mg−Si合金めっき鋼管。 (3)前記(1)又は(2)のめっき層の下層にNi層
を0.1〜10g/m2有する耐食性に優れた溶融Zn−Al−
Mg−Si合金めっき鋼管。 (4)重量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.001〜1.0%、M
n:0.01〜2.5%、P:0.001〜0.04%、S:0.001〜0.05%、A
l:0.005〜0.1%、N:0.001〜0.1%、或いは更にNbを0.01
〜0.1%、残部Fe及び不可避的不純物とからなる鋼板の表
面に(1)又は(2)又は(3)記載のめっき層を有す
る耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Siめっき鋼
管。 (5)前記(1)、又は(2)、又は(3)、又は
(4)記載のめっき鋼管の造管時に、Zn又はZn−A
l系の金属溶射を行った耐食性に優れた溶融Zn−Al
−Mg−Si合金めっき鋼管。 (6)前記(1)、又は(2)、又は(3)、又は
(4)、又は(5)記載のめっき鋼管のめっき層上に、
さらに、無機系化合物から成る無機皮膜を、70mg/m2〜2
000mg/m2有することを特徴とする耐食性に優れた溶融Z
n−Al−Mg−Si合金めっき鋼管。 (7)前記(1)、又は(2)、又は(3)、又は
(4)、又は(5)、又は(6)記載のめっき鋼管のめ
っき層上に、さらに、有機樹脂から構成される有機樹脂
皮膜を、100mg/m2〜2000mg/m2有することを特徴とする
耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき
鋼管。 (8)前記(1)、又は(2)、又は(3)、又は
(4)、又は(5)、又は(6)、又は(7)記載のめ
っき鋼管の造管時のビード部のアップセット量を板厚の
5〜80%とすることを特徴とする耐食性に優れた溶融
Zn−Al−Mg−Si合金めっき鋼管。
ついて説明する。めっき層中のMgは、耐食性を向上さ
せる効果があり、0.1%未満では、その効果が得られ
ず、一方10%を超えると、めっき浴が大気接触により
酸化が進行し、黒色酸化物(ドロス)を生成し、めっき
製造が困難となるので、0.1〜10%とした。
形成し、耐食性を向上させる効果を有する。その効果を
発揮させるためには3%以上のAlが必要であるが、2
0%を超えると溶接時に、ビード部近傍のめっき層と鋼
素地との界面に局部的にFe−Al金属間化合物が生成
し、めっき密着性を阻害する。このためAlは3〜20
%とした。
である。めっき鋼板を用いてめっき鋼管を造管する際に
は、一般的に抵抗溶接を行うことが多い。この際、溶接
部分は局所的に溶融し、その部分のめっきは蒸発し、鋼
は酸化する。この酸化部近傍のめっき層は溶融し、地鉄
との反応や酸化が生じる。Siが0.01%未満である
と、(1)地鉄−めっきとの反応が進行し、めっき密着
性が劣化すること、(2)Fe−Al、Fe−Zn合金
の生成、酸化により耐食性が劣化すること、(3)ま
た、高強度鋼管を造管すると、熱影響部から溶融亜鉛脆
化割れを生じる恐れがあること、(4)さらにめっき後
溶射した場合に、溶射部近傍のめっき層が局部的に溶解
・合金化し、密着性および耐食性の劣化を招くこと、な
どのように様々な、欠点が生じ、高耐食性めっき鋼管が
安定的に得られない。また、(5)耐食性の観点からは
SiがMgと共にZn腐食生成物中に混入及びMg-Si化
合物の形で溶接部或いは溶射部に流れ出し、その表面を
覆い下地を保護する効果があり、0.01%以上の添加
が必要である。一方、Siが2%を越えると、この効果
が飽和し、めっき鋼材製造上、めっき浴ドロスも多くな
るため、0.01〜2.0%とした。
に応じて1種或いは2種以上添加されるものである。
0.01%未満では耐食性向上効果がなく、2.0%を
越えると、耐食性向上効果が飽和するので、0.01〜
2.0%とする。
向上のために必要に応じて設けるものであり、0.1g
/m2未満では、めっき密着性が優れず、10g/m2を
越えると添加効果が飽和する。
を確保するために必要な元素である。0.01%未満で
は、必要とする強度が得られず、脱炭コストが上昇す
る。また0.2%を超えると加工性が劣化するとともに
造管後の脆化割れが起こりやすくなるため、0.01〜
0.2%とした。
り、固溶強化元素として鋼の強度化に有効であるが、熱
間圧延時のスケール疵の要因となり、1%を越えると冷
延後の表面の品質にも悪影響を及ぼし、また、0.00
1%未満にすることは経済的に困難であるから、0.0
01〜1.0%とした。
有効であるほか、Sによる熱間脆性防止のために添加さ
れるが、0.01%未満では効果がなく、また2.5%
超ではコスト高の原因となることから0.01%〜2.
5%とした。Pは、強度及び加工性に影響を与える元素
であるが、0.04%を超えると脆性、及び加工性が顕
著に劣化し、また0.001%未満ではさしたる影響も
ないことから、0.001〜0.04%とした。
0.05%を超えると熱間脆化のため表面が劣化し、ま
た0.001%未満ではその影響も小さく脱硫コストも
増大することから0.001〜0.05%とした。Al
は脱酸、脱窒のために添加されるが、0.005%未満
では添加効果がなく、一方、0.1%を超えると製鋼工
程でのノズル閉塞の恐れがあり、また製品の表面性状が
劣化するため0.005〜0.1%とした。
ンの原因となり、表面性状が劣化するため少ない方が望
ましく、0.1%を超えるとその影響が顕著となる。し
かし、0.001%未満にすることは工業上困難である
ことから0.001〜0.1%とした。
する。添加する場合、少なくとも0.01%以上とする必要
がある。0.1%を越えると脆化割れが起こりやすくなるの
で、0.01〜0.1%とした。
法や、熱間圧延、及び酸洗は通常の方法で行ってよく、
熱延酸洗材、冷延材、更に電気清浄をした材料を使用し
ても勿論問題ない。めっきは、ゼンジミアタイプ、フラ
ックスタイプ、プレめっきタイプ等の製造方法に依ら
ず、本技術は適用可能である。このようにして出来ため
っき鋼板上に水系、有機系後処理を施しても特に問題な
い。これは、造管前に行っても、造管後に行っても、ま
た双方行ってもかまわない。
Zr、Mo、Ce、Ca、V、Tiの酸化物から選ばれ
る少なくとも1種以上の無機酸化物を被覆させることに
より、耐食性をさらに向上させることが出来る。この場
合、例えば硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、アンモニウム塩等
の複合酸化物とすることも何ら問題ない。これらの合計
が、70mg/m2未満であると、耐食性向上効果が小さい。
これらの合計が2000mg/m2を越えると、耐食性向上効果
が飽和するので70mg/m2〜2000mg/m2の範囲とする。
せることによっても耐食性向上を図ることが出来る。こ
の皮膜の付着量が100mg/m2未満では、この効果が少な
く、2000mg/m2を越えると耐食性向上効果が飽和するの
で100mg/m2〜2000mg/m2の範囲とする。有機樹脂として
は、水系樹脂、溶剤系樹脂、粉体系樹脂、無溶剤系樹脂
のどのような形態でもよい。ここで言う水系樹脂とは水
溶性樹脂のほか、本来水不溶性でありながらエマルジョ
ンやサスペンジョンのように水不溶性樹脂が水中に微分
散された状態になりうるもの(水分散性樹脂)を含めて
言う。有機樹脂として使用できる樹脂としては、特に制
限はないが、ポリオレフィン系樹脂、アクリルオレフィ
ン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系
樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、その他の加
熱硬化型の樹脂などを例示でき、架橋可能であることが
より好ましい。有機樹脂は2種類以上を混合してあるい
は共重合して使用してもよい。また、必要により各種メ
ラミン樹脂、アミノ樹脂等の架橋剤を添加してもよい。
有機樹脂に加えて微粒シリカや潤滑剤の若干の添加も問
題ない。もちろん各種クロメート処理を行うことも問題
ない。これらの処理により耐傷つき性、摺動性は向上す
る。
させるための塗布方法としては、スプレー、カーテン、
フローコーター、ロールコーター、バーコーター、刷毛
塗り、浸漬およびエアナイフ絞り等のいずれの方法を用
いても良い。また、到達焼き付け温度は80〜250℃
とするのが望ましい。80℃未満では、塗料中の水が完
全に揮発しづらいため耐食性が低下し、250℃を越え
ると有機物である樹脂のアルキル部分が熱分解等の変性
を起こしたり、皮膜の硬化が進みすぎて耐食性や加工性
が低下したりするため好ましくない。70〜160℃が
より好ましい。また、乾燥設備については特に規制する
ものではないが、熱風吹き付けによる方法や、ヒーター
による間接加熱方法、赤外線による方法、誘導加熱によ
る方法、並びにこれらを併用する方法が採用できる。ま
た、使用する有機樹脂の種類によっては、紫外線や電子
線などのエネルギー線によって硬化させることもでき
る。また、調質圧延を行ってもかまわない。
接などの電気抵抗溶接やアーク溶接、また、レーザー溶
接などが適用できる。造管時にアップセット量を板厚の
5〜80%とすることは、造管時のめっき脆化割れを防
止する上で重要であり、アップセット量が5%未満、或
いは80%を越えても安定的な造管が出来なくなる。
は、本発明の効果をさらに、向上させる。すなわち、通
常のめっきでは、溶射部の溶射が不均一なため、特にプ
レめっき層との境界付近のめっき密着性と耐食性が十分
でないが、本発明のめっき層では、めっき層中に含まれ
るSiが地鉄とめっきとの過度の合金化を抑制し、Mgの
耐食性向上効果とあいまって優れた耐食性を発現する。
溶射金属としては、Zn、Zn−Al系など、従来使用
されているものが使用できる。特にめっき層中のAl含
有量(3%Al〜20%Al)と同様な溶射ワイヤーが特に耐食
性を向上させる。
処理を行うことも、全く問題なく、耐食性を向上させ
る。
通常の方法で、めっき鋼板を製造した。表2〜5に水準
を示した。鋼種Noは表1の鋼Noを示している。めっき
は、ゼンジミアタイプの連続溶融めっきラインにて、焼
鈍、めっきを行った。板厚は、1mmから3.2mmである。焼
鈍雰囲気は、10%水素、残窒素ガスであり、露点を-2
0℃とした。焼鈍温度は720℃、焼鈍時間は3〜5分であ
る。めっき浴組成は表2〜5に示した。めっき付着量
は、80g/m2とした。めっき後の後処理は、表2〜5に示
す、クロメート処理、無機系後処理、有機系後処理を必
要に応じて実施した。鋼管への造管は、高周波溶接であ
り、外径は、28.6〜54mmとし、アップセット量を40%と
した。なお、アップセット量は、板厚に対する造管直後
のめっき溶融部の山の高さの比で表現する。溶射は、必
要に応じて行った。溶射合金はZn-Al系合金である。
記載されているへん平試験を行い、溶接部近傍のめっき
剥離を目視で観察して行った。○は、めっき剥離がな
く、合格である。×は、剥離の発生を示し不合格であ
る。外観は、目視で、鋼管表面にキズがないかを調査し
た。○は外観上問題なく、合格である。×は、外観が悪
く、不合格である。耐食性は、複合腐食試験を行った。
サイクルは、(1)塩水噴霧(JIS Z 2371準拠:5%
NaCl、35℃)3時間、(2)乾燥(60℃、相対湿度30%)
3時間、(3)湿潤(50℃、相対湿度98%)3時間を1サ
イクルとする試験である。鋼管試験片は130mm長さずつ
切り出し、両側端面を塗装シールした。試験片は、JIS
H 8502に準拠し、サンプルを鉛直方向に対して20度傾
け、溶接部を横向きにして試験した。これを100サイク
ル行い、それぞれの板厚・管径の、めっき層にSiのない
試験片と溶接部近傍の赤錆発生面積率を比較することに
よって行った。×は、その基準となる試験片であり、そ
れぞれ、めっき密着性が悪いことや、めっき合金化の影
響で赤錆発生が多い比較例である。△は、赤錆発生面積
率が基準のものに比べ、50%を越えるものである。○
は、30%を越え50%以下であるもの、◎は、10%を越え30%
以下であるもの、◎◎は、10%未満であるものであり、
○、◎、◎◎が合格である。
り、No1からNo64が本発明例である。No65からNo70は比
較例である。No65はめっき層中のAlが高すぎて、溶接時
にFe-Al金属間化合物が生成し、造管後のめっき密着性
が劣化するため、耐食性が悪い。No66はめっき層中のMg
が高すぎて、ドロス状物質がめっきに付着し、造管後の
外観が顕著に悪い。No67はめっき層中のSiが高すぎてド
ロス状物質がめっきに付着し、造管後の外観が悪い。No
68からNo70は、めっき層中にSiがなく、造管後の溶接部
近傍のめっき密着性が悪く、耐食性が劣る。
り、No71からNo141までが本発明例である。No142からNo
145まではめっき層中にSiがなく、造管後の溶接部近傍
のめっき密着性が悪く、耐食性が劣る。
て通常の方法で、めっき鋼板を製造した。試験水準を表
6〜9に示した。鋼種Noは表1の鋼Noを示している。め
っきは、プレメッキタイプの連続酸洗・溶融めっきライ
ンにて、焼鈍、めっきを行った。板厚は、1.6mmから8.5
mmの熱延材である。焼鈍雰囲気は、1%水素、残窒素ガ
スであり、露点を-20℃とした。焼鈍温度は450℃、焼鈍
時間は3〜5分である。めっき浴組成は表6〜9に示し
た。めっき付着量は、80g/m2とした。めっき後の後処理
は、表6〜9に示す、クロメート処理、無機系後処理、
有機系後処理を必要に応じて実施した。鋼管への造管
は、高周波溶接であり、外径は、25.4〜114.3mmとし、
アップセット量を50%とした。なお、アップセット量
は、板厚に対する造管直後のめっき溶融部の山の高さの
比で表現する。溶射は、必要に応じて行った。溶射合金
はZn-Al系合金である。
記載されているへん平試験を行い、溶接部近傍のめっき
剥離を目視で観察して行った。○は、めっき剥離がな
く、合格である。×は、剥離が発生し不合格である。外
観は、目視で、鋼管表面にキズがないかを調査した。○
は外観上問題なく、合格である。×は、外観が悪く、不
合格である。耐食性は、複合腐食試験を行った。サイク
ルは、(1)塩水噴霧(JIS Z 2371準拠:5%NaCl、
35℃)3時間、(2)乾燥(60℃、相対湿度30%)3時
間、(3)湿潤(50℃、相対湿度98%)3時間を1サイク
ルとする試験である。鋼管試験片は130mm長さずつ切り
出し、両側端面を塗装シールした。試験片は、JIS H
8502に準拠し、サンプルを鉛直方向に対して20度傾け、
溶接部を横向きにして試験した。これを100サイクル
行い、それぞれの板厚・管径の、めっき層にSiのない試
験片と溶接部近傍の赤錆発生面積率を比較することによ
って行った。×は、その基準となる試験片であり、それ
ぞれ、めっき密着性が悪いことや、めっき合金化の影響
で赤錆発生が多い比較例である。△は、赤錆発生面積率
が基準のものに比べ、50%を越えるものである。○は、3
0%を越え50%以下であるもの、◎は、10%を越え30%以下
であるもの、◎◎は、10%未満であるものであり、○、
◎、◎◎が合格である。
り、No146からNo209までが本発明例である。No210からN
o220までは比較例である。No210はめっき層中のAlが高
すぎて、溶接時にFe-Al金属間化合物が生成し、造管後
のめっき密着性が劣化するため、耐食性が悪い。No211
はめっき層中のMgが高すぎて、ドロス状物質がめっきに
付着し、造管後の外観が顕著に悪い。No212はめっき層
中のSiが高すぎてドロス状物質がめっきに付着し、造管
後の外観が悪い。No213、No215、No217、No219は、めっ
き層中にSiがなく、造管後の溶接部近傍のめっき密着性
が悪く、耐食性が劣る。No214、No216、No218はめっき
層の下層のNiめっき厚みが薄すぎて造管後のめっき密着
性が悪い。
り、No221からNo289までが本発明例である。No290からN
o300までは比較例である。No290はめっき層中のAlが高
すぎて、溶接時にFe-Al金属間化合物が生成し、造管後
のめっき密着性が劣化するため、耐食性が悪い。No291
はめっき層中のMgが高すぎて、ドロス状物質がめっきに
付着し、造管後の外観が顕著に悪い。No292はめっき層
中のSiが高すぎてドロス状物質がめっきに付着し、造管
後の外観が悪い。No293、No295、No297、No299は、めっ
き層中にSiがなく、造管後の溶接部近傍のめっき密着性
が悪く、耐食性が劣る。No294、No296、No298、No300は
めっき層の下層のNiめっき厚みが薄すぎて造管後のめっ
き密着性が悪い。
通常の方法で、めっき鋼板・鋼管を製造した。試験水準
を表10、11に示した。鋼種Noは表1の鋼Noを示して
いる。めっきは、ゼンジミアタイプ又はプレメッキタイ
プの連続溶融めっきラインにて、焼鈍、めっきを行っ
た。板厚は、2.3mmの熱延材である。焼鈍雰囲気は、ゼ
ンジミアタイプは、10%水素、残窒素ガス雰囲気であ
り、プレメッキタイプは1%水素、残窒素ガスであり、
露点をそれぞれ-30℃とした。焼鈍温度はゼンジミアタ
イプは730℃、プレメッキタイプは450℃、焼鈍時間はそ
れぞれ3〜5分である。めっき付着量は、80g/m2とした。
鋼管への造管は、高周波溶接であり、外径は、42.7mmと
し、アップセット量を3〜85%とした。
いるへん平試験を行い、溶接部近傍の母材割れを目視で
観察して行った。○は、母材割れがなく、合格である。
×は、母材割れの発生を示し、不合格である。外観は、
目視で、鋼管表面にキズがないかを調査した。○は外観
上問題なく、合格である。×は、外観が悪く、不合格で
ある。
割れ、外観も良好である。No341からNo345はアップセッ
ト量が低すぎて、正常な溶接が出来ていない。No346か
らNo350は、アップセット量が大きすぎて脆化割れを起
こしている。No351はC量が高すぎて、脆化割れを生じ
ている。No352は、Siが高すぎてスケールキズが造管後
も残り、外観が悪い。No353はMnが高すぎて脆化割れを
生じている。No354はPが高すぎて、脆化割れを生じてい
る。No355はSが高すぎて脆化割れを生じている。No356
はAlが低すぎ、Nが高くなり、造管時に表面欠陥が生じ
る。No357はNbが高すぎて、脆化割れを生じている。
管は、看板支柱や道路標識支柱、防風柵、角パイプ、樹
脂被覆鋼管などの土木、建築用資材や、ビニールハウス
やフロアダクト、電線管などの住宅用途や、或いは、マ
フラー、下回り部材などの自動車部材として有用であ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 重量%で、Al:3〜20wt%、Mg:0.1〜10w
t%、Si:0.01〜2wt%、残部Zn及び不可避的不純物とか
らなるめっき層を有する耐食性に優れた溶融Zn−Al
−Mg−Si合金めっき鋼管。 - 【請求項2】 重量%で、Al:3〜20wt%、Mg:0.1〜10w
t%、Si:0.01〜2wt%、さらに、Ti、Sn、Ni、Crを1種又
は2種以上を0.01〜2%含有し、残部Znおよび不可避的不
純物とからなるめっき層を有する耐食性に優れた溶融Z
n−Al−Mg−Si合金めっき鋼管。 - 【請求項3】 請求項1又は2のめっき層の下層にNi
層を0.1〜10g/m2有する耐食性に優れた溶融Zn−Al
−Mg−Si合金めっき鋼管。 - 【請求項4】 重量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.001〜1
%、Mn:0.01〜2.5%、P:0.001〜0.04%、S:0.001〜0.05
%、Al:0.005〜0.1%、N:0.001〜0.1%、或いはさらにN
b:0.01〜0.1%、残部Fe及び不可避的不純物とからなる鋼
板の表面に請求項1又は2、又は3記載のめっき層を有
する耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Siめっき
鋼管。 - 【請求項5】 請求項1、又は2、又は3、又は4記載
のめっき鋼管の造管時に、Zn又はZn−Al系の金属
溶射を行った耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−S
i合金めっき鋼管。 - 【請求項6】 請求項1、又は2、又は3、又は4、又
は5記載のめっき鋼管のめっき層上に、さらに、無機系
化合物から成る無機皮膜を、70mg/m2〜2000mg/m2有する
ことを特徴とする耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg
−Si合金めっき鋼管。 - 【請求項7】 請求項1、又は2、又は3、又は4、又
は5、又は6記載のめっき鋼管のめっき層上に、さら
に、有機樹脂から構成される有機樹脂皮膜を、100mg/m2
〜2000mg/m2有することを特徴とする耐食性に優れた溶
融Zn−Al−Mg−Si合金めっき鋼管。 - 【請求項8】 請求項1、又は2、又は3、又は4、又
は5、又は6、又は7記載のめっき鋼管の造管時のビー
ド部のアップセット量を板厚の5〜80%とすることを
特徴とする耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg−Si
合金めっき鋼管。
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