JP2002363580A - 消化ガスの吸着貯蔵方法 - Google Patents
消化ガスの吸着貯蔵方法Info
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- JP2002363580A JP2002363580A JP2001174087A JP2001174087A JP2002363580A JP 2002363580 A JP2002363580 A JP 2002363580A JP 2001174087 A JP2001174087 A JP 2001174087A JP 2001174087 A JP2001174087 A JP 2001174087A JP 2002363580 A JP2002363580 A JP 2002363580A
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- Y02C20/40—Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
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- Drying Of Gases (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 消化ガスをエネルギー源として有効に利用で
きるよう、消化ガスを効率よく吸着貯蔵する方法の提
供。 【解決手段】 生物学的処理に際し発生する消化ガスか
ら、硫化水素を除去し、次いで二酸化炭素を水洗浄で除
去した後、さらに水分を除去して、吸着貯蔵することを
特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法。
きるよう、消化ガスを効率よく吸着貯蔵する方法の提
供。 【解決手段】 生物学的処理に際し発生する消化ガスか
ら、硫化水素を除去し、次いで二酸化炭素を水洗浄で除
去した後、さらに水分を除去して、吸着貯蔵することを
特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物学的処理に際
し発生する消化ガスをエネルギー源として有効に利用す
るための、消化ガスの貯蔵方法に関する。
し発生する消化ガスをエネルギー源として有効に利用す
るための、消化ガスの貯蔵方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】下水処理場、食品工場、ビール製造工
場、家畜の飼育場等で生じる有機性廃棄物を生物学的に
処理すると、メタン、二酸化炭素、硫化水素等からなる
消化ガスが発生する。近年、かかる消化ガスをエネルギ
ー源として有効利用するために、例えば、生物学的処理
に際し発生する消化ガスを吸着貯蔵する消化ガスの貯蔵
方法等の技術が研究されている。
場、家畜の飼育場等で生じる有機性廃棄物を生物学的に
処理すると、メタン、二酸化炭素、硫化水素等からなる
消化ガスが発生する。近年、かかる消化ガスをエネルギ
ー源として有効利用するために、例えば、生物学的処理
に際し発生する消化ガスを吸着貯蔵する消化ガスの貯蔵
方法等の技術が研究されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術では、消化ガスをそのまま吸着貯蔵した場合、または
各ガス成分に分離してから吸着貯蔵した場合のいずれ
も、吸着効率が徐々に低下するため、消化ガスの大量処
理には適さないという問題を有している。
術では、消化ガスをそのまま吸着貯蔵した場合、または
各ガス成分に分離してから吸着貯蔵した場合のいずれ
も、吸着効率が徐々に低下するため、消化ガスの大量処
理には適さないという問題を有している。
【０００４】したがって、本発明は、消化ガスをエネル
ギー源として有効に利用できるよう、消化ガスを効率よ
く吸着貯蔵する方法を提供することを目的とする。
ギー源として有効に利用できるよう、消化ガスを効率よ
く吸着貯蔵する方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、消化ガスが有する二酸化
炭素及び水分に着目した。そして、二酸化炭素は水に対
する溶解性が他の気体より高いため、消化ガスを水で洗
浄すれば効率よく二酸化炭素を除去できること、二酸化
炭素除去後水分を除去し、その後吸着貯蔵すれば、吸着
効率が低下することなく、消化ガスを大量に処理するこ
とができることを見出し、本発明を完成した。
達成すべく鋭意研究した結果、消化ガスが有する二酸化
炭素及び水分に着目した。そして、二酸化炭素は水に対
する溶解性が他の気体より高いため、消化ガスを水で洗
浄すれば効率よく二酸化炭素を除去できること、二酸化
炭素除去後水分を除去し、その後吸着貯蔵すれば、吸着
効率が低下することなく、消化ガスを大量に処理するこ
とができることを見出し、本発明を完成した。
【０００６】すなわち、本発明は、生物学的処理に際し
発生する消化ガスから、硫化水素を除去し、次いで二酸
化炭素を水洗浄で除去した後、さらに水分を除去して、
吸着貯蔵することを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法
を提供するものである。本発明はまた、上記消化ガスの
吸着貯蔵方法において、水洗浄用の水として、下水処理
水を利用することを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法
を提供するものである。本発明はまた、上記消化ガスの
吸着貯蔵方法において、水分除去を、冷凍除湿により行
うことを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法を提供する
ものである。本発明はまた、上記消化ガスの吸着貯蔵方
法において、水分除去を、潮解方式の除湿により行うこ
とを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法を提供するもの
である。本発明はまた、上記消化ガスの吸着貯蔵方法に
おいて、吸着貯蔵を、水分を除去しながら行うことを特
徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法を提供するものであ
る。本発明はまた、上記消化ガスの吸着貯蔵方法におい
て、吸着貯蔵を行う吸着槽中で吸着されていない消化ガ
スの一部を、水分除去を行う除湿器に還流することによ
り、水分を除去することを特徴とする消化ガスの吸着貯
蔵方法を提供するものである。本発明はまた、上記消化
ガスの吸着貯蔵方法において、吸着槽が可搬式である消
化ガスの吸着貯蔵方法を提供するものである。本発明は
また、上記消化ガスの吸着貯蔵方法において、吸着槽を
１個又は複数個用いることを特徴とする消化ガスの吸着
貯蔵方法を提供するものである。本発明はまた、上記消
化ガスの吸着貯蔵方法において、硫化水素を除去した
後、二酸化炭素及び水分を除去する前に、消化ガスに含
まれるメタンガスを水素に改質することを特徴とする消
化ガスの吸着貯蔵方法を提供するものである。本発明は
また、上記消化ガスの吸着貯蔵方法において、水分を除
去する前に消化ガスを加圧することを特徴とする消化ガ
ス吸着貯蔵方法を提供するものである。本発明はまた、
上記消化ガスの吸着貯蔵方法において、吸着槽内に、消
化ガス吸着時に発生する熱を保存する保温材が設けられ
ていることを特徴とする消化ガス吸着貯蔵方法を提供す
るものである。
発生する消化ガスから、硫化水素を除去し、次いで二酸
化炭素を水洗浄で除去した後、さらに水分を除去して、
吸着貯蔵することを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法
を提供するものである。本発明はまた、上記消化ガスの
吸着貯蔵方法において、水洗浄用の水として、下水処理
水を利用することを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法
を提供するものである。本発明はまた、上記消化ガスの
吸着貯蔵方法において、水分除去を、冷凍除湿により行
うことを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法を提供する
ものである。本発明はまた、上記消化ガスの吸着貯蔵方
法において、水分除去を、潮解方式の除湿により行うこ
とを特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法を提供するもの
である。本発明はまた、上記消化ガスの吸着貯蔵方法に
おいて、吸着貯蔵を、水分を除去しながら行うことを特
徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法を提供するものであ
る。本発明はまた、上記消化ガスの吸着貯蔵方法におい
て、吸着貯蔵を行う吸着槽中で吸着されていない消化ガ
スの一部を、水分除去を行う除湿器に還流することによ
り、水分を除去することを特徴とする消化ガスの吸着貯
蔵方法を提供するものである。本発明はまた、上記消化
ガスの吸着貯蔵方法において、吸着槽が可搬式である消
化ガスの吸着貯蔵方法を提供するものである。本発明は
また、上記消化ガスの吸着貯蔵方法において、吸着槽を
１個又は複数個用いることを特徴とする消化ガスの吸着
貯蔵方法を提供するものである。本発明はまた、上記消
化ガスの吸着貯蔵方法において、硫化水素を除去した
後、二酸化炭素及び水分を除去する前に、消化ガスに含
まれるメタンガスを水素に改質することを特徴とする消
化ガスの吸着貯蔵方法を提供するものである。本発明は
また、上記消化ガスの吸着貯蔵方法において、水分を除
去する前に消化ガスを加圧することを特徴とする消化ガ
ス吸着貯蔵方法を提供するものである。本発明はまた、
上記消化ガスの吸着貯蔵方法において、吸着槽内に、消
化ガス吸着時に発生する熱を保存する保温材が設けられ
ていることを特徴とする消化ガス吸着貯蔵方法を提供す
るものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】通常の燃料用ガスからメタンやエ
タンを吸着貯蔵する技術は知られていたが、かかる技術
を消化ガスにそのまま応用しても、吸着貯蔵効率は向上
しなかった。通常の燃料用ガスには水分がほとんど含ま
れていないため、燃料用ガスから水分を除去するという
技術思想は存在しなかった。また、消化ガスから二酸化
炭素を効率的に除去する技術は知られていなかった。し
かるところ、本発明は、水洗浄により消化ガスから二酸
化炭素を効率的に除去し、さらに水分を除去することに
よって消化ガスの吸着効率を向上させることを可能にし
たものである。このように、消化ガスから二酸化炭素を
水洗浄で除去し、水分を除去することによって消化ガス
の吸着効率が向上することは、当業者といえども全く想
到し得ないことであった。
タンを吸着貯蔵する技術は知られていたが、かかる技術
を消化ガスにそのまま応用しても、吸着貯蔵効率は向上
しなかった。通常の燃料用ガスには水分がほとんど含ま
れていないため、燃料用ガスから水分を除去するという
技術思想は存在しなかった。また、消化ガスから二酸化
炭素を効率的に除去する技術は知られていなかった。し
かるところ、本発明は、水洗浄により消化ガスから二酸
化炭素を効率的に除去し、さらに水分を除去することに
よって消化ガスの吸着効率を向上させることを可能にし
たものである。このように、消化ガスから二酸化炭素を
水洗浄で除去し、水分を除去することによって消化ガス
の吸着効率が向上することは、当業者といえども全く想
到し得ないことであった。
【０００８】本発明において、消化ガスは、下水処理
場、食品工場、ビール製造工場、家畜の飼育場等で生じ
る廃棄物を生物学的に処理したものであれば、廃棄物の
内容、生物学的処理の方法等に特に制限はない。消化ガ
スの組成は、一般にメタンを主成分とし、二酸化炭素、
水素、窒素、硫化水素等からなる。
場、食品工場、ビール製造工場、家畜の飼育場等で生じ
る廃棄物を生物学的に処理したものであれば、廃棄物の
内容、生物学的処理の方法等に特に制限はない。消化ガ
スの組成は、一般にメタンを主成分とし、二酸化炭素、
水素、窒素、硫化水素等からなる。
【０００９】本発明の消化ガスの吸着貯蔵方法は、まず
消化ガスから硫化水素を除去する。脱硫化水素の手段と
しては、乾式脱硫法と湿式脱硫法がある。乾式脱硫法に
は成形脱硫剤式が多く使用されている。成形脱硫剤式
は、鉄粉、粘土等でペレット状にした成形脱硫剤を脱硫
塔内に充填し、消化ガスと接触させるものであり、取り
出した使用済みの脱硫剤は処分する。湿式脱硫法には、
水洗浄式、アルカリ洗浄式及び薬液再生式がある。この
うち、水洗浄式は、下水処理の場合は下水処理水、その
他の処理場の場合は井戸水、工業用水又は水道水と、消
化ガスとを向流接触させるものである。脱硫時の温度及
び圧力は、消化ガス発生状態そのままでもよく、特に制
限はない。
消化ガスから硫化水素を除去する。脱硫化水素の手段と
しては、乾式脱硫法と湿式脱硫法がある。乾式脱硫法に
は成形脱硫剤式が多く使用されている。成形脱硫剤式
は、鉄粉、粘土等でペレット状にした成形脱硫剤を脱硫
塔内に充填し、消化ガスと接触させるものであり、取り
出した使用済みの脱硫剤は処分する。湿式脱硫法には、
水洗浄式、アルカリ洗浄式及び薬液再生式がある。この
うち、水洗浄式は、下水処理の場合は下水処理水、その
他の処理場の場合は井戸水、工業用水又は水道水と、消
化ガスとを向流接触させるものである。脱硫時の温度及
び圧力は、消化ガス発生状態そのままでもよく、特に制
限はない。
【００１０】硫化水素を除去した後、二酸化炭素を水洗
浄により除去する。二酸化炭素は水に対する溶解性が他
の気体より高いことから、消化ガスを水洗浄することに
より、二酸化炭素を効率的に除去することができる。洗
浄の方法に特に制限はないが、例えば図２に示すよう
に、水洗浄槽の上部から水をシャワー状に放水し、消化
ガスを水洗浄槽に下部から入れて、水と接触させ、上部
から排出させる方法が好ましい。このとき、水と消化ガ
スが効率よく接触するように、消化ガス流量、水流量、
シャワー噴霧口形状等を適宜選定することができる。
浄により除去する。二酸化炭素は水に対する溶解性が他
の気体より高いことから、消化ガスを水洗浄することに
より、二酸化炭素を効率的に除去することができる。洗
浄の方法に特に制限はないが、例えば図２に示すよう
に、水洗浄槽の上部から水をシャワー状に放水し、消化
ガスを水洗浄槽に下部から入れて、水と接触させ、上部
から排出させる方法が好ましい。このとき、水と消化ガ
スが効率よく接触するように、消化ガス流量、水流量、
シャワー噴霧口形状等を適宜選定することができる。
【００１１】ここで、水洗浄用の水は、下水処理水を用
いることが好ましい。下水処理水は、下水処理場で処理
された水であって、一律排水基準や下水道法で定められ
た基準を満たす水質のものであり、河川、湖沼または海
に放流しても環境汚染が少ないものである。かかる下水
処理水を用いることにより、下水処理水の有効利用を図
ることができ、経済性に優れ、また効率よく消化ガスを
吸着することができる。
いることが好ましい。下水処理水は、下水処理場で処理
された水であって、一律排水基準や下水道法で定められ
た基準を満たす水質のものであり、河川、湖沼または海
に放流しても環境汚染が少ないものである。かかる下水
処理水を用いることにより、下水処理水の有効利用を図
ることができ、経済性に優れ、また効率よく消化ガスを
吸着することができる。
【００１２】次いで、消化ガスから水分を除去する。水
分の除去は、消化ガスを加圧して行うことが好ましい。
具体的には、脱硫時の圧力そのままで、又は消化ガスを
コンプレッサー等で吸着貯蔵させようとする圧力に調整
して水分を除去することが好ましい。水分除去の方法と
しては、例えば吸着材により水分を吸着させる方法、機
械的に除湿する方法、潮解方式で除湿する方法等が挙げ
られる。このうち、水分除去効率向上の観点から、機械
的除湿方法が好ましく、冷凍雰囲気下で除湿する方法が
特に好ましい。また、潮解方式で除湿する方法が特に好
ましい。潮解方式の除湿方法によれば、水分を含む消化
ガスを、潮解性の塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、粗製塩化ナトリウムなどと接触させ、ガス中
の水分を選択的に除去する。この種の潮解方式によれ
ば、電動機を必要としないので、機械的除湿に比べてラ
ンニングコストが非常に安価になる利点がある。また、
ガスに引火する危険性がなく、可燃ガスを取り扱う防爆
地域でも使用することができる。さらに、粗製塩化ナト
リウムのような安全な天然物吸湿剤を用いることによっ
て、水分を吸着して潮解した塩の廃棄あるいは再利用を
簡単に行うことができる。
分の除去は、消化ガスを加圧して行うことが好ましい。
具体的には、脱硫時の圧力そのままで、又は消化ガスを
コンプレッサー等で吸着貯蔵させようとする圧力に調整
して水分を除去することが好ましい。水分除去の方法と
しては、例えば吸着材により水分を吸着させる方法、機
械的に除湿する方法、潮解方式で除湿する方法等が挙げ
られる。このうち、水分除去効率向上の観点から、機械
的除湿方法が好ましく、冷凍雰囲気下で除湿する方法が
特に好ましい。また、潮解方式で除湿する方法が特に好
ましい。潮解方式の除湿方法によれば、水分を含む消化
ガスを、潮解性の塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、粗製塩化ナトリウムなどと接触させ、ガス中
の水分を選択的に除去する。この種の潮解方式によれ
ば、電動機を必要としないので、機械的除湿に比べてラ
ンニングコストが非常に安価になる利点がある。また、
ガスに引火する危険性がなく、可燃ガスを取り扱う防爆
地域でも使用することができる。さらに、粗製塩化ナト
リウムのような安全な天然物吸湿剤を用いることによっ
て、水分を吸着して潮解した塩の廃棄あるいは再利用を
簡単に行うことができる。
【００１３】水分除去により、消化ガス中の水蒸気圧
は、吸着させようとする圧力において露点１０℃以下相
当の９．２ｍｍＨｇ、特に０℃以下相当の４．６ｍｍＨ
ｇが好ましい。露点０℃以下とすることにより、消化ガ
スの吸着効率がさらに向上する。水蒸気圧は、除湿機に
導入する消化ガスの流量によってコントロールすること
ができる。
は、吸着させようとする圧力において露点１０℃以下相
当の９．２ｍｍＨｇ、特に０℃以下相当の４．６ｍｍＨ
ｇが好ましい。露点０℃以下とすることにより、消化ガ
スの吸着効率がさらに向上する。水蒸気圧は、除湿機に
導入する消化ガスの流量によってコントロールすること
ができる。
【００１４】次いで、硫化水素、二酸化炭素、水分を除
去した消化ガスを吸着貯蔵する。吸着貯蔵の方法に特に
制限はないが、例えば吸着材が充填された吸着槽に消化
ガスを通し、吸着させ、貯蔵する方法等が挙げられる。
吸着材としては、例えば活性炭、人工ゼオライト、天然
ゼオライト、シリカゲル、有機金属錯体（フマル酸銅、
テレフタル酸銅等）が挙げられ、これらを１種又は２種
以上用いることができる。吸着材として活性炭等を用い
る場合、通常ガス処理に用いられる比表面積１０００ｍ
2／ｇ程度、細孔径２０Å以下、細孔容積０．２〜１．
０ｍｌ／ｇが好ましい。吸着時の温度、圧力に特に制限
はないが、温度は好ましくは外気温以下がよい。圧力は
常圧以上、特に常圧〜２Ｍｐａが好ましい。
去した消化ガスを吸着貯蔵する。吸着貯蔵の方法に特に
制限はないが、例えば吸着材が充填された吸着槽に消化
ガスを通し、吸着させ、貯蔵する方法等が挙げられる。
吸着材としては、例えば活性炭、人工ゼオライト、天然
ゼオライト、シリカゲル、有機金属錯体（フマル酸銅、
テレフタル酸銅等）が挙げられ、これらを１種又は２種
以上用いることができる。吸着材として活性炭等を用い
る場合、通常ガス処理に用いられる比表面積１０００ｍ
2／ｇ程度、細孔径２０Å以下、細孔容積０．２〜１．
０ｍｌ／ｇが好ましい。吸着時の温度、圧力に特に制限
はないが、温度は好ましくは外気温以下がよい。圧力は
常圧以上、特に常圧〜２Ｍｐａが好ましい。
【００１５】活性炭等は、雰囲気の相対湿度が４０％を
超えると、急速に水分を吸収し、これが消化ガスの吸着
の妨げとなる。また、任意圧力下で水分を含む消化ガス
を吸着した吸着材は、大気圧開放又は減圧されて吸着物
質の大部分を脱離した後も、水分をほとんど脱離しない
ため、その後の吸着操作の際は水分が吸着されず、吸着
材の周囲に取り残され、結露の原因となる。結露した水
は、吸着材の表面を覆い、吸着性を著しく低下させる。
したがって、消化ガスの吸着は、水分を除去しながら行
うことが好ましい。水分を除去する方法としては、吸着
貯蔵を行う吸着槽中で吸着されていない消化ガスの一部
を、コンプレッサー等を用いて水分除去を行う除湿器に
還流し、除湿器で水分を除去する方法が特に好ましい。
水分を除去された消化ガスは、再び吸着槽に送られ吸着
される。このときの水分除去は、上記と同様に、冷凍除
湿により行うことが特に好ましい。
超えると、急速に水分を吸収し、これが消化ガスの吸着
の妨げとなる。また、任意圧力下で水分を含む消化ガス
を吸着した吸着材は、大気圧開放又は減圧されて吸着物
質の大部分を脱離した後も、水分をほとんど脱離しない
ため、その後の吸着操作の際は水分が吸着されず、吸着
材の周囲に取り残され、結露の原因となる。結露した水
は、吸着材の表面を覆い、吸着性を著しく低下させる。
したがって、消化ガスの吸着は、水分を除去しながら行
うことが好ましい。水分を除去する方法としては、吸着
貯蔵を行う吸着槽中で吸着されていない消化ガスの一部
を、コンプレッサー等を用いて水分除去を行う除湿器に
還流し、除湿器で水分を除去する方法が特に好ましい。
水分を除去された消化ガスは、再び吸着槽に送られ吸着
される。このときの水分除去は、上記と同様に、冷凍除
湿により行うことが特に好ましい。
【００１６】吸着された消化ガスは、例えば消化ガスを
発生させる消化槽の加温に用いられる。しかしこの場
合、気候や消化処理される廃棄物の性質によっては、消
化槽の加温に消化ガスの全発生量を必要とせず、消化ガ
スが余剰となるという問題がある。また、吸着された消
化ガスは、パイプラインによって燃料消費地へ移送され
る場合がある。しかし、消化ガス発生場所からのパイプ
ライン移送が経済的に採算がとれない場合もある。した
がって、消化ガスを吸着する消化槽は、可搬式、すなわ
ち吸着槽のガス配管や架台がシステムから着脱可能であ
り、吸着槽が燃料需要地の所在にかかわらず効率的に輸
送でき、かつ販売できるるものであることが好ましい。
可搬式吸着槽は、トラック等の輸送車両によって搬送可
能であれば、形状に特に制限はない。
発生させる消化槽の加温に用いられる。しかしこの場
合、気候や消化処理される廃棄物の性質によっては、消
化槽の加温に消化ガスの全発生量を必要とせず、消化ガ
スが余剰となるという問題がある。また、吸着された消
化ガスは、パイプラインによって燃料消費地へ移送され
る場合がある。しかし、消化ガス発生場所からのパイプ
ライン移送が経済的に採算がとれない場合もある。した
がって、消化ガスを吸着する消化槽は、可搬式、すなわ
ち吸着槽のガス配管や架台がシステムから着脱可能であ
り、吸着槽が燃料需要地の所在にかかわらず効率的に輸
送でき、かつ販売できるるものであることが好ましい。
可搬式吸着槽は、トラック等の輸送車両によって搬送可
能であれば、形状に特に制限はない。
【００１７】また、目的量の消化ガスを吸着貯蔵するた
めに、吸着槽は、小容量のものを複数使用するか、目的
量を満たす容量のものを１つ使用するか、いずれでもよ
い。前者の場合、吸着槽を規格品にすることによりコス
トダウンが可能となり、また小型であるため可搬式にし
やすく、利用者によるメンテナンスの負担が軽い等の利
点がある。後者の場合、設置面積が少なくてすむという
利点がある。消化ガスを吸着する一連の工程を図１に示
す。
めに、吸着槽は、小容量のものを複数使用するか、目的
量を満たす容量のものを１つ使用するか、いずれでもよ
い。前者の場合、吸着槽を規格品にすることによりコス
トダウンが可能となり、また小型であるため可搬式にし
やすく、利用者によるメンテナンスの負担が軽い等の利
点がある。後者の場合、設置面積が少なくてすむという
利点がある。消化ガスを吸着する一連の工程を図１に示
す。
【００１８】図１は、本発明の方法を実施するための装
置の一例を示すものである。消化ガスは脱硫槽２で脱硫
された後、貯蔵タンク３に貯蔵される。次いで、水洗浄
槽４に送られ、下水処理水によって脱二酸化炭素され
る。その後、ガス圧縮機５で圧縮された消化ガスは、除
湿器６で除湿された後、吸着槽７に吸着される。この吸
着設備は、図１では３個からなっており、可搬式であ
る。各吸着槽は、１個ずつ独立に搬出することができ、
消費地に容易に輸送することができる。吸着槽７中で吸
着されない消化ガスの一部は、コンプレッサー等により
除湿器６に還流され、水分が除去されて、再び吸着槽７
に送られる。
置の一例を示すものである。消化ガスは脱硫槽２で脱硫
された後、貯蔵タンク３に貯蔵される。次いで、水洗浄
槽４に送られ、下水処理水によって脱二酸化炭素され
る。その後、ガス圧縮機５で圧縮された消化ガスは、除
湿器６で除湿された後、吸着槽７に吸着される。この吸
着設備は、図１では３個からなっており、可搬式であ
る。各吸着槽は、１個ずつ独立に搬出することができ、
消費地に容易に輸送することができる。吸着槽７中で吸
着されない消化ガスの一部は、コンプレッサー等により
除湿器６に還流され、水分が除去されて、再び吸着槽７
に送られる。
【００１９】なお、吸着槽内には、消化ガス吸着時に発
生する熱を保存する保温材が設けられていることが好ま
しい。消化ガス吸着時には、吸着熱が発生するが、これ
を保存しておけば、消化ガスを脱離させるときの熱源と
して用いることができ、経済性に優れるという利点を有
する。
生する熱を保存する保温材が設けられていることが好ま
しい。消化ガス吸着時には、吸着熱が発生するが、これ
を保存しておけば、消化ガスを脱離させるときの熱源と
して用いることができ、経済性に優れるという利点を有
する。
【００２０】本発明においては、硫化水素を除去した
後、二酸化炭素及び水分を除去する前に、消化ガスに含
まれるメタンガスを水素に改質することもできる。改質
を行うことにより、一酸化炭素と水素が効率よく製造さ
れるため、得られた吸着貯蔵消化ガスは、燃料電池用原
料として有用である。改質は、熱改質、触媒改質等の常
法にしたがって行うことができる。
後、二酸化炭素及び水分を除去する前に、消化ガスに含
まれるメタンガスを水素に改質することもできる。改質
を行うことにより、一酸化炭素と水素が効率よく製造さ
れるため、得られた吸着貯蔵消化ガスは、燃料電池用原
料として有用である。改質は、熱改質、触媒改質等の常
法にしたがって行うことができる。
【００２１】
【発明の効果】本発明の方法は、消化ガスから二酸化炭
素を水洗浄で除去した後、水分を除去するという全く新
しい消化ガスの吸着貯蔵方法であり、消化ガスを効率よ
く貯蔵することが可能となり、生物学的処理設備の規模
に無関係に、消化ガス中の有効成分をほぼ全量利用し得
ることが可能となった。水分の除去は、加圧して、冷凍
除湿により行うとより効果的である。また、吸着中にも
水分除去を行うこと、特に吸着槽中で吸着されていない
消化ガスを除湿器に還流して水分除去を行うと、さらに
効果的である。また、水洗浄用として下水処理水を用い
ると、下水処理水の有効利用を図ることができ、経済性
に優れ、また効率よく消化ガスを吸着することができ
る。さらに、水分等除去の前に、消化ガスに含まれるメ
タンガスを改質処理すると、貯蔵消化ガスは、燃料電池
用原料として用いることができる。
素を水洗浄で除去した後、水分を除去するという全く新
しい消化ガスの吸着貯蔵方法であり、消化ガスを効率よ
く貯蔵することが可能となり、生物学的処理設備の規模
に無関係に、消化ガス中の有効成分をほぼ全量利用し得
ることが可能となった。水分の除去は、加圧して、冷凍
除湿により行うとより効果的である。また、吸着中にも
水分除去を行うこと、特に吸着槽中で吸着されていない
消化ガスを除湿器に還流して水分除去を行うと、さらに
効果的である。また、水洗浄用として下水処理水を用い
ると、下水処理水の有効利用を図ることができ、経済性
に優れ、また効率よく消化ガスを吸着することができ
る。さらに、水分等除去の前に、消化ガスに含まれるメ
タンガスを改質処理すると、貯蔵消化ガスは、燃料電池
用原料として用いることができる。
【図１】 本発明の消化ガス吸着貯蔵方法を実施するた
めの装置の一例である。
めの装置の一例である。
【図２】 二酸化炭素を水洗浄により除去するための方
法を模式的に示したものである。
法を模式的に示したものである。
１：消化ガス吸着装置 ２：脱硫槽 ３：消化ガス貯蔵タンク ４：水洗浄槽 ５：消化ガス圧縮機 ６：除湿器 ７：吸着槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西口 和正 東京都中央区佃２丁目17番15号 月島機械 株式会社内 Ｆターム(参考） 4D020 AA03 AA04 BA01 BA04 BA23 BB01 BB03 CA05 4D052 AA02 BA00 CE00 HA11 HA12 HA13
Claims (11)
- 【請求項１】 生物学的処理に際し発生する消化ガスか
ら、硫化水素を除去し、次いで二酸化炭素を水洗浄で除
去した後、さらに水分を除去して、吸着貯蔵することを
特徴とする消化ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項２】 水洗浄用の水として、下水処理水を利用
することを特徴とする請求項１記載の消化ガスの吸着貯
蔵方法。 - 【請求項３】 水分除去を、冷凍除湿により行うことを
特徴とする請求項１又は２記載の消化ガスの吸着貯蔵方
法。 - 【請求項４】 水分除去を、潮解方式の除湿により行う
ことを特徴とする請求項１又は２記載の消化ガスの吸着
貯蔵方法。 - 【請求項５】 吸着貯蔵を、水分を除去しながら行うこ
とを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の消
化ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項６】 吸着貯蔵を行う吸着槽中で吸着されてい
ない消化ガスの一部を、水分除去を行う除湿器に還流す
ることにより、水分を除去することを特徴とする請求項
５記載の消化ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項７】 吸着槽が可搬式である請求項６記載の消
化ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項８】 吸着槽を１個又は複数個用いることを特
徴とする請求項６又は７に記載の消化ガスの吸着貯蔵方
法。 - 【請求項９】 硫化水素を除去した後、二酸化炭素及び
水分を除去する前に、消化ガスに含まれるメタンガスを
水素に改質することを特徴とする請求項１〜８のいずれ
か１項に記載の消化ガスの吸着貯蔵方法。 - 【請求項１０】 水分を除去する前に消化ガスを加圧す
ることを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載
の消化ガス吸着貯蔵方法。 - 【請求項１１】 吸着槽内に、消化ガス吸着時に発生す
る熱を保存する保温材が設けられていることを特徴とす
る請求項６〜１０のいずれか１項に記載の消化ガスの吸
着貯蔵方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001174087A JP2002363580A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 消化ガスの吸着貯蔵方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001174087A JP2002363580A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 消化ガスの吸着貯蔵方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002363580A true JP2002363580A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19015423
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001174087A Pending JP2002363580A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 消化ガスの吸着貯蔵方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002363580A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010106098A (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-13 | Osaka Prefecture | ガス精製方法及びガス精製装置 |
| JP2010174167A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd | ガス精製装置 |
-
2001
- 2001-06-08 JP JP2001174087A patent/JP2002363580A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010106098A (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-13 | Osaka Prefecture | ガス精製方法及びガス精製装置 |
| JP2010174167A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd | ガス精製装置 |
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