JP2002363557A - 酸化防止剤 - Google Patents

酸化防止剤

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JP2002363557A
JP2002363557A JP2001307188A JP2001307188A JP2002363557A JP 2002363557 A JP2002363557 A JP 2002363557A JP 2001307188 A JP2001307188 A JP 2001307188A JP 2001307188 A JP2001307188 A JP 2001307188A JP 2002363557 A JP2002363557 A JP 2002363557A
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antioxidant
red
pigment
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molecular weight
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Hirotsugu Kido
浩胤 城戸
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ローズマリー抽出物から得られる優れた酸化防
止剤を提供する。 【解決手段】特定条件でクロマト分析した際のロスマリ
ン酸基準のリテンションタイム(以下「T」と略記す
る)が−15.5±1分であり且つ分子量が198の成
分の面積百分率で表される割合(以下「割合」と略記す
る)が1%以下であり、Tが−2.6±1分であり且つ
分子量が478の成分とTが0.8±1分であり且つ分
子量が462の成分の割合の合計量が4%以上である酸
化防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化防止剤に関
し、詳しくは、特に活性酸素を除去して酸化による色素
の変色や退色を防止するのに有用な酸化防止剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、色素は、食品、飲料、化粧
品、医薬品、医薬部外品、飼料などに広く使用されてい
る。ところで、色素は酸化により変色や退色することが
知られている。
【0003】色素の変色や退色を防ぐために種々の対策
が検討されている。ローズマリー抽出物は、天然物由来
の抗酸化剤として知られ、また、飲料などの色素退色防
止剤として使用されている。斯かるローズマリー抽出物
は、例えば三菱化学フーズ(株)製の商品「RM−2
1」シリーズとして入手することが出来る。
【0004】ところで、ローズマリー抽出物は、ロスマ
リン酸の他に数多くの成分を含み、これらの成分の同定
は困難である。それ故に、ローズマリー抽出物中の如何
なる成分が色素退色防止剤の有効成分であるかは明らか
ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、ローズマリー抽
出物から得られる優れた酸化防止剤を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、下記条件でクロマト分析した際のロスマリン酸基準
のリテンションタイム(以下「T」と略記する)が−1
5.5±1分であり且つ分子量が198の成分の面積百
分率で表される割合(以下「割合」と略記する)が1%
以下であり、Tが−2.6±1分であり且つ分子量が4
78の成分とTが0.8±1分であり且つ分子量が46
2の成分の割合の合計量が4%以上であることを特徴と
する酸化防止剤に存する。
【0007】
【表2】<クロマト分離条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.D.×2
50mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
ル 流量 :1mL/min 波長 :280nm 注入量:25μL Gradient: 0分(A90Vol%、B10Vol%)→30分(A60Vol%、
B40Vol%)→35分(A60Vol%、B40Vol%)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酸化防止剤は、例えば、ローズマリー抽出物を
精製することによって得ることが出来る。
【0009】ローズマリー抽出物は、シソ科の常緑低木
であるマンネンロウ(Rosmarinusofficinalis Lin
ne)の乾燥葉などから、水やアルコール等の極性溶
媒、ヘキサン等の非極性溶媒を使用して得られる抽出物
であり、α−ピネン、カンフェン、シネオール、カンフ
ァー、ボルネオール、ボルニル・アセテート、ウルソー
ル酸、ローズマリー酸、タンニン及び/又はフラボノイ
ドを含む混合物である。抽出液は、必要に応じ、ケイ酸
カラム、活性炭などを使用して精製される(特開昭55
−18435号公報、特開昭55−102508号公
報、特開平8−67874号公報など)。そして、ロー
ズマリー抽出物としては、抽出溶媒や抽出液の処理方法
により、水溶性または非水溶性のものが得られる。
【0010】本発明において、ローズマリー抽出物とし
ては、水溶性抽出物を使用するのが好ましい。ローズマ
リー水溶性抽出物は、例えば、含水率40〜60Vol%
のエタノールを使用して得られる抽出液に水を加えて非
水溶性成分を析出させ、必要に応じ、活性炭処理して得
た濾液から溶媒を留去乾燥することにより得られる(特
開昭55−18437号公報参照)。抽出には、ローズ
マリーの全草、または、その葉、根、茎、花、果実、種
子の何れを使用してもよいが、好ましくは葉を使用す
る。ローズマリーを刻んでから抽出した方が抽出効率が
高くて好ましい。
【0011】本発明の酸化防止剤は、上記ローズマリー
水溶性抽出物を、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体から成る合成吸着剤に吸着させた後、エタノー
ル水溶液で脱着する方法により精製し、製造することが
出来る。合成吸着剤としては、特に限定されないが、例
えば、比表面積約が300〜1500m2/g程度、細
孔容積が0.3〜2.5mL/g程度、最頻度半径が2
0〜700Å程度が好ましい。このような合成樹脂の具
体例としては、ダイヤイオンTMHP20SS、HP2
0、HP21等のHP樹脂、セパビーズTMSP825、
SP850、SP207等のSP樹脂(以上、三菱化学
(株)製)、アンバーライトXAD−2、XAD−4、
XAD−16(以上、ロームアンドハース社製)等のス
チレン−ジビニルベンゼン系樹脂;ダイアイオンTMHP
2MG(三菱化学(株)製)、アンバーライトXAD−
7、XAD−8(以上、ロームアンドハース社製)等の
アクリル系樹脂等が挙げられる。中でも、三菱化学
(株)製「ダイヤイオンHP20」が好適に使用され
る。
【0012】合成吸着剤は、通常カラムに充填される。
カラムの形状は特に制限無いが、通常円筒型のカラムが
用いられる。合成吸着剤は、カラムに充填後、通常、エ
タノール、水で順次洗浄してから、抽出物の分画に使用
される。合成吸着剤に抽出物溶液を通液して、抽出物中
の抗酸化成分を吸着剤に吸着させる。吸着剤処理に供す
る1回あたりの抽出物溶液量は任意だが、用いる合成吸
着剤量に対して抽出物溶液量が少ないと1回あたりの処
理量が少なくなり、非効率的であるし、多すぎると抽出
物中の抗酸化成分の合成吸着剤への吸着が飽和し、吸着
できない分が生じ、目的抗酸化成分のロスが大きくな
る。よって、抽出物溶液中の目的抗酸化成分の樹脂への
吸着が完全に飽和しない程度の量の抽出物溶液を処理す
るのが効率的で好ましい。例えば、合成吸着剤100m
Lに対し、乾燥重量で1〜10重量%の抽出物を含む水
溶液50〜500mLを通液させる。
【0013】溶出成分の組成は、溶離液のエタノール濃
度によって異なる。通常、上記合成吸着剤をカラムに充
填し、これにローズマリー水溶性抽出物を吸着させ、吸
着しなかった成分を水で追い出す。次いで、溶離液のエ
タノール濃度を低濃度から高濃度へ変化させ、10〜4
0体積%のエタノール水溶液で脱着したものを集める。
好ましくは20〜40体積%、更に好ましくは30体積
%で脱着したものを集める。溶離液のエタノール濃度
は、連続的に変化させても良いが好ましくは10重量%
ごと段階的に上げていくのが好ましい。溶離液のエタノ
ール濃度を10体積%ずつ段階的上げていく場合は、各
エタノール濃度の溶離液は、通常、合成樹脂100mL
に対し、50〜500mL、好ましくは100〜300
mL通液する。カラムの通液速度としては、通常、SV
(1時間当たりの通液量/樹脂の見掛け体積)で0.1
〜20、好ましくは0.5〜10、更に好ましくは1〜
5の範囲である。また、その際の温度としては、通常5
〜40℃で実施される。上記の溶出成分の完全な同定分
析は極めて困難である。そこで、本発明においては、ク
ロマト分析を利用し、既知物質であるロスマリン酸を基
準としたリテンションタイム(以下「T」と略記する)
と分子量により成分を特定する。本発明においてクロマ
ト分析は次の条件で行われる。
【0014】
【表3】<クロマト分析条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.D.×2
50mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
ル 流量 :1mL/min 波長 :280nm 注入量:25μL Gradient: 0分(A90Vol%、B10Vol%)→30分(A60Vol%、
B40Vol%)→35分(A60Vol%、B40Vol%)
【0015】上記の「Gradient」は、徐々に移動相(溶
離液)の組成を変える勾配(Gradient)溶出法における
溶離液の組成変化を表し、0分(初発)から30分に到
るまではGradientを掛け、30分以降はGradientを掛け
ないことを意味する。
【0016】上記の分子量は、クロマト分析によって得
られる各成分を分取し、MS分析により求めることが出
来る。
【0017】本発明の酸化防止剤は、Tが−2.6±1
分であり且つ分子量が478の成分(以下「M478成
分」という)とTが0.8±1分であり且つ分子量が4
62の成分(以下「M462成分」という)とを必須成
分として含む。これらの割合は、上記の分析で得られる
クロマトグラムにおいて面積百分率で表される割合(以
下、割合と略記する)として、合計量で4%以上であ
り、好ましくは10%以上である。
【0018】一方、クロマト分析によって得られる各成
分のうち、−15.5±1分であり且つ分子量が198
の成分(以下「M198成分」という)は酸化防止を阻
害する作用を有する。従って、本発明において、M19
8成分の割合は少ない方が好ましく1%以下、好ましく
は0.5%以下に制限される。上記のM462成分は、
下記式(1)の構造を有すると考えられる。この化合物
は、ルテオリン配糖体であり、抗酸化性能を有する化合
物として知られている。
【0019】
【化1】
【0020】一方、M478成分は、分子式C2222
12の化合物であり、下記式(2)の構造を有すると考え
られる。
【0021】
【化2】
【0022】(上記式中、R1とR2の何れか一方がメチ
ル基であり、他方はC6115の糖である。) M198成分は、下記式(3)の構造を有すると考えら
れる。
【0023】
【化3】
【0024】本発明の酸化防止剤の形態は、特に制限さ
れず、例えば、粉末状、顆粒状、液状、錠剤状、液状、
乳液状、ベースト状の何れの形態であってもよい。
【0025】本発明の酸化防止剤は、各種の成分の酸化
防止に使用し得るが、高い活性酸素除去能を活かし、特
に色素の酸化防止(すなわち色素の変色防止や退色防
止)に効果的である。
【0026】色素変色防止用または色素退色防止用とし
て本発明の酸化防止剤が適用出来る色素としては、ター
ル系色素、天然色素誘導体または天然系合成色素などの
合成色素、カロチノイド系色素、アントシアニン系色
素、キノン系色素、フラボノイド系色素、ベタイン系色
素、モナスカス色素その他の天然物を起源とする色素が
挙げられる。
【0027】食用タール系色素としては、食用赤色2
号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102
号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色1
06号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、
食用青色2号、食用赤色2号アルミニウムレーキ、食用
赤色3号アルミニウムレーキ、食用赤色40号アルミニ
ウムレーキ、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄
色5号アルミニウムレーキ、食用青色1号アルミニウム
レーキ、食用青色2号アルミニウムレーキ等が挙げられ
る。
【0028】医薬品、医薬部外品または化粧品用タール
色素としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤
色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、
黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、上記色素の
アルミニウムレーキ、赤色201号、赤色202号、赤
色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206
号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色
214号、赤色215号、赤色218号、赤色219
号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色
223号、赤色225号、赤色226号、赤色227
号、赤色228号、赤色230号、赤色231号、赤色
232号、だいだい色201号、だいだい色203号、
だいだい色204号、だいだい色205号、だいだい色
206号、だいだい色207号、黄色201号、黄色2
02号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203
号、黄色204号、黄色205号、緑色201号、緑色
202号、緑色204号、緑色205号、青色201
号、青色202号、青色203号、青色204号、青色
205号、かっ色201号、紫色201号、赤色401
号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色
502号、赤色503号、赤色504号、赤色505
号、赤色506号、紫色401号、黒色401号、上記
色素のレーキ色素などが挙げられる。
【0029】天然色素誘導体としては、銅クロロフィ
ル、銅クロロフィリンナトリウム、ノルビキシンナトリ
ウム、ノルビキシンカリウムが挙げられ、天然系合成色
素としては、β−カロテン、カンタキサンチン、アスタ
キサンチン、リボフラビンが挙げられる。
【0030】カロチノイド系色素としては、アナトー色
素、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ色素、カニ色
素、イモ、デュナリエラ、ニンジン又はパーム油から抽
出した抽出カロチン色素、トマト色素、パプリカ色素、
ファフィア色素、ヘマトコッカス色素、マリーゴールド
色素の他、動物、植物または微生物由来のカロチノイド
色素など挙げられる。
【0031】アントシアニン色素としては、赤キャベツ
色素、赤米色素、エルダーベリー色素、カウベリー色
素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモンベ
リー色素、シソ色素、スィムブルーベリー色素、ストロ
ーベリー色素、ダークスイートチェリー色素、チェリー
色素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブドウ果
汁色素、ブドウ果皮色素、ブラックカーラント色素、ブ
ラックベリー色素、ブルーベリー色素、プラム色素、ホ
ワートルベリー色素、ボイセンベリー色素、マルベリー
色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素、
ムラサキヤマイモ色素、ラズベリー色素、レッドカーラ
ント色素、ローガンベリー色素、アントシアニン色素な
どが挙げられる。
【0032】キノン系色素としては、コチニール色素、
シコン色素、ラック色素、アカネ色素などが挙げらる。
フラボノイド系色素としては、カキ色素、カロブ色素、
カンゾウ色素、シタン色素、スオウ色素、ベニバナ赤色
素、ベニバナ黄色素なとが挙げられる。ベタイン系色素
としてはビートレッド色素などが挙げられる。モナスカ
ス色素としては、ベニコウジ色素、ベニコウジ黄色素な
どが挙げられる。その他、ウコン色素、クサギ色素、ク
チナシ赤色素、クチナシ黄色素、スピルリナ青色素など
が挙げられる。
【0033】上記の色素は、食品、飲料、化粧品、医薬
品、医薬部外品、飼料などに添加して使用されるため、
本発明の酸化防止剤は、これらに添加されて、色素の変
色防止および/または退色防止効果を発揮する。
【0034】上記の食品および飲料としては、うどん、
そば等の麺類、蒲鉾、竹輪、はんぺん等の水産練り製
品、ガム類、菓子類、乳飲料、清涼飲料などが挙げられ
る。上記の化粧品としては、石鹸、ボディーシャンプ
ー、洗顔クリーム等の洗浄用化粧品、化粧水、クリーム
・乳液、パック等の基礎化粧品;ファンデーション等の
ベースメークアップ化粧品、口紅、ほほ紅、アイシャド
ー、アイライナー、マスカラ等の眉目化粧品、マニキュ
ア等のメークアップ化粧品;シャンプー、ヘアリンス、
ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、セットロ
ーション、ブロースタイリングローション、ヘアスプレ
ー、スタイリング剤、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘ
アクリーム、育毛剤、養毛剤、染毛剤、整髪料などの毛
髪化粧品;香水、オー・デ・コロン等の芳香性化粧品な
どが挙げられる。医薬品としては、各種錠剤、カプセル
剤、液剤、ドリンク剤、トローチ剤、うがい薬などが挙
げられる。医薬部外品としては、歯磨き剤、口中清涼
剤、口臭予防剤などが挙げられる。医薬品としては、各
種錠剤、カプセル剤、液剤、ドリンク剤、トローチ剤、
うがい薬などが挙げられる。医薬部外品としては、歯磨
き剤、口中清涼剤、口臭予防剤などが挙げられる。
【0035】本発明の酸化防止剤は、人為的に食品およ
び飲料に添加された色素の他、これらに本来含まれる色
素に対しても効果がある。従って、本発明の酸化防止剤
は、食品および飲料、特に飲料への使用に適している。
また、本発明の酸化防止剤は、特に活性酸素除去能に優
れるため、体内に取り込まれる食品、医薬品、医薬部外
品に使用した場合、体内の活性酸素が除去され、人体の
健康の維持に効果的である。特に飲食品に添加して健康
飲食品として効果的である。更に、本発明の酸化防止剤
は、皮膚や毛髪の活性酸素も除去するため、皮膚および
毛髪の健康維持に効果的である。従って、本発明の酸化
防止剤は、基礎化粧品、メークアップ化粧品などの皮膚
化粧品、および、毛髪化粧品への使用に適しており、特
に、毛髪化粧品への使用に適している。
【0036】本発明の酸化防止剤の使用量は、対象物の
種類、それの含有成分、色素の含有量などによって適宜
選択される。例えば、対象物が食品の場合には0.00
01〜1重量%となる様に添加する。食品への添加方法
は特に制限されないが、色素の添加に先立って酸化防止
剤を添加するのが好ましい。
【0037】次に、ローズマリー抽出物の精製物の活性
酸素除去能の試験結果について説明する。
【0038】<ローズマリー水溶性抽出物(RM21A
base)の調製方法>ローズマリー1kgに50Vo
l%含水エタノール10Lを加えて3時間加熱還流し、温
時に濾過して濾液を得た。残渣を50Vol%含水エタ
ノール6Lで同様に抽出処理する操作を更に二回繰り返
して濾液を得た。これらの濾液を合わせ、これに水5L
を加えて沈殿を析出させて濾過した。得られた濾液に活
性炭100gを加えて1時間攪拌し、一夜冷所保存に放
置した後、濾過して濾液を得た。これを減圧濃縮し、1
20gのローズマリー水溶性抽出物を得た。
【0039】<ローズマリー水溶液抽出物の精製>合成
吸着剤(三菱化学社製「ダイアイオンHP20」)の充
填カラム(直径17mm、高さ800mm、充填量16
0ml)に上記の水溶性抽出物(RM21Abase)
の5重量%水溶液を320ml通液した。次いで、吸着
しなかった成分を水で押出した。次いで、後述の表4に
示すエタノール(EtOH)濃度のエタノール水溶液
(溶離液)を濃度の低い順に320mlずつ通液して各
溶離液で脱着した。そのときの通液速度はSV=3であ
った。吸着成分の全量を各々回収した後、減圧濃縮し
た。そして、得られた各試料について以下の方法で活性
酸素除去能を測定した。
【0040】<活性酸素除去能の測定方法>キサンチン
−キサンチンオキシダーゼ系を使用し、次の方法で活性
酸素消去能を測定した。すなわち、試験管に0.05m
ol/LのNa2CO3緩衝液(pH10.2)2.4m
lを採り、更に3mmol/Lのキサンチン水溶液、3
mmol/Lのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水
溶液、0.75mmol/Lのニトロブルーテトラゾリ
ウム水溶液を各0.1mlずつ加えた。これに、測定試
料の水溶液0.1ml(濃度0.001、0.003、
0.01、0.03、0.1重量%)を加え、25℃で
10分間放置後、キサンチンオキシダーゼ水溶液0.1
ml加え、手早く攪拌し、25℃でインキュベートを開
始した。20分後に6mmol/LのCuCl2水溶液
0.1mlを加えて反応を停止させ、560nmで吸光度
を測定した。ブランクは抗酸化剤の代わりに蒸留水を使
用したものを上記の様に操作した。なお、キサンチンオ
キシダーゼ水溶液は、ブランク試験において、吸光度が
0.20〜0.23の範囲に入る様に濃度調節したもの
である。
【0041】各濃度から得られる酵素阻害活性をプロッ
トし、カーブフィッティングし、濃度を対数で取ったと
きに、濃度と酵素阻害活性が直線関係が成立するところ
の直線の関数(一次式)を使用して酵素阻害活性50%
になるときの試料濃度(IC50)を算出した。その結
果を表4に示す。なお、酵素阻害活性は次の式で計算し
た。
【0042】
【数1】酵素阻害活性(%)=100−抗酸化剤を入れ
た場合の吸光度(ブランクの吸光度を100とした場合
の換算値)
【0043】
【表4】
【0044】表4の結果より、M198成分が1%以下
であり、M478成分とM462成分の割合の合計量が
4%以上である場合は、優れた酸化防止作用が得られる
ことが分かる。
【0045】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、広範囲の
色素に対して優れた変色防止効果や退色防止効果を発揮
することが出来る天然物由来の成分から成る酸化防止剤
が提供されるが、本発明の酸化防止剤は、活性酸素除去
能に優れるため、食品や飲料に適用した場合は体内の活
性酸素を除去して人体の健康維持にも役立つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 E 4H025 31/192 31/192 31/352 31/352 31/7048 31/7048 35/78 35/78 Q A61P 39/06 A61P 39/06 Fターム(参考) 4B018 MC04 MD66 ME06 MF01 4C083 AA111 AC231 AC841 AD201 BB47 EE03 4C086 AA02 AA03 BA08 EA11 MA03 MA04 ZC80 4C088 AB38 BA09 BA23 BA32 MA07 ZC80 4C206 AA02 AA03 DA21 KA01 KA18 MA03 MA04 MA13 MA28 ZC80 4H025 AC04 BA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記条件でクロマト分析した際のロスマ
    リン酸基準のリテンションタイム(以下「T」と略記す
    る)が−15.5±1分であり且つ分子量が198の成
    分の面積百分率で表される割合(以下「割合」と略記す
    る)が1%以下であり、Tが−2.6±1分であり且つ
    分子量が478の成分とTが0.8±1分であり且つ分
    子量が462の成分の割合の合計量が4%以上であるこ
    とを特徴とする酸化防止剤。 【表1】<クロマト分析条件> カラム:Inertsil ODS 80A(5μm 4.6mm I.D.×2
    50mm,GL SciencesInc.) カラム温度:40℃ 移動相:A−4重量%リン酸水溶液、B−アセトニトリ
    ル 流量 :1mL/min 波長 :280nm 注入量:25μL Gradient: 0分(A90Vol%、B10Vol%)→30分(A60Vol%、
    B40Vol%)→35分(A60Vol%、B40Vol%)
  2. 【請求項2】 ローズマリー水溶性抽出物である請求項
    1に記載の酸化防止剤。
  3. 【請求項3】 色素の変色防止または退色防止に使用さ
    れる請求項1又は2に記載の酸化防止剤。
  4. 【請求項4】 活性酸素の除去に使用される請求項1又
    は2に記載の酸化防止剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の酸化防止
    剤を含有する食品、化粧品または医薬品。
  6. 【請求項6】 ローズマリー水溶性抽出物を合成吸着剤
    に吸着させた後、溶離液としてエタノール水溶液を使用
    して脱着させる酸化防止剤の製造方法であって、溶離液
    のエタノール濃度を低濃度から高濃度に変化させ、10
    〜40体積%のエタノール水溶液で脱着したものを集め
    ることを特徴とする酸化防止剤の製造方法。
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