JP2002363544A - 球状投射材の製造方法及び投射材 - Google Patents
球状投射材の製造方法及び投射材Info
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Abstract
緻密で球状の非金属系投射材を安価に製造する方法、及
びその方法により製造された投射材を提供すること。 【解決手段】 酸化鉄粉と金属アルミニウムを30質量
%以上含む粉末とを混合して反応剤を製造するか、又
は、それらを混合した後に混合物を成形して反応剤を製
造する反応剤製造工程と、反応剤をそのまま着火させる
か、又は、MgO、ZrO2 、SiO2 、Al2 O3 のう
ちの1種、又は、2種以上の粉末を添加した反応剤を着
火させてテルミット反応を起こさせる反応工程と、テル
ミット反応により生成した溶融酸化物を球状に造粒する
造粒工程と、造粒した粒子を分級する分級工程からなる
球状投射材の製造方法。
Description
に使用される投射材を工業的に製造する方法,及びその
方法により製造された投射材に関するものである。
研削粒子を高速で被加工物表面に投射する加工方法で、
被加工物表面の鋳物砂、スケール、塗料などの異物の除
去、表面肌の梨地仕上げ、研掃、或いは疲労寿命向上な
どを目的として鋳物、鉄鋼、造船、自動車、航空機、電
気、電子などの広い産業分野で利用されている。ショッ
トブラストに用いられる投射材には金属系投射材と非金
属系投射材とがあり、仕上がり性能、所要コストなど特
性がそれぞれ著しく異なっている。従って、ショットブ
ラストに際しては、ショットブラストの目的、被加工物
の物理的、化学的特性、要求される仕上がり性能及びコ
ストなどの観点から最適な材質及び粒度の投射材が選択
される。
ンレススチール系、アルミニウム系或いは亜鉛系などが
ある。これらの金属系投射材はいずれも投射材として最
適な化学組成に調整し、必要に応じ熱処理を施して繰り
返し使用に耐え得るもので広く使用されている。しかし
ながら、金属系投射材は投射により損耗して僅かな微粉
が発生し、この微粉が被加工物に付着、残留すると被加
工物の仕上がり性能に問題が生ずることがあった。この
ような恐れのある場合には通常は被加工物と同一材質の
金属系投射材を使用するが、同一材質のものがない場合
には非金属系投射材が用いられてきた。
ドなどの天然鉱石系のものと、アルミナ、スラグなどの
人造のものがあるが、これら非金属系投射材は、金属系
投射材では不具合が生ずる恐れのある場合や投射材を繰
り返し使用しないなどの理由によりコストを優先する場
合に使用される。ショットブラストはサンドブラストと
も呼ばれるように元々は天然鉱石系の投射材が用いられ
ていたが、天然鉱石系投射材は衝撃に対して非常に脆い
ために投射材の消耗が激しく、ショットブラストをした
時に大量の廃棄物が発生するという問題があった。さら
には、遊離珪酸を含む珪砂などの天然鉱石系投射材には
珪肺を引き起こす等の問題もあって、その使用量は近年
急激に減少している。
射材は、ボーキサイトを原料としたアルミナを溶融し固
化後に粉砕して製造されているが、アルミナの溶融、精
製工程において多大なエネルギーを必要とするために製
造コストが高くなるという欠点がある。また、そもそも
アルミナ系投射材は、工業的には研削砥石用砥粒を主目
的として製造されたものの一部が投射材として使用され
ているものであって、投射材として繰り返し使用に耐え
るに必要な耐衝撃性に劣り、また、製造時の粉砕工程に
おいて発生したクラックを内部に多量内蔵していること
もあって、消耗が激しいという欠点を有している。
るために非金属系投射材の中では最も多く使用されてい
るものであり、これには銅スラグ、ニッケルスラグ、フ
ェロニッケルスラグ、フェロクロムスラグ、製鉄スラグ
などがある。これらのスラグ系投射材はいずれも金属精
錬時に発生する溶融スラグを水砕又は風砕処理すること
により製造されており、これらはあくまでも副産物であ
るために投射材は比較的安価ではあるが、その化学組成
が精錬する金属に制約されて調整ができない。従って、
スラグ系投射材は、化学組成を投射材に適したものとす
るのが困難であって、そのために耐衝撃性に劣り消耗が
激しく廃棄物が大量に発生するという問題がある。
の発生が多いという共通した大きな問題があるが、特に
近年は埋め立て処分場の逼迫から繰り返し使用に耐える
長寿命であって、廃棄物の発生が少なく、且つ安価な非
金属系投射材が強く求められている。一般に投射材の形
状は、不規則形に尖っているよりも球状の方が欠けたり
せずに長寿命であって、最適な化学組成に調整した溶融
酸化物により気泡がなく緻密で球状の非金属系投射材を
製造することができれば、上記したような従来の投射材
の有する問題点を解決することができる。しかしなが
ら、従来は高融点の酸化物を溶融させるのに多大なエネ
ルギーを必要としたために、寿命の長い非金属系投射材
を安価に製造することは甚だ困難なことであった。
用に耐え、廃棄物の発生の少ない緻密で球状の非金属系
投射材を安価に製造する方法、及びその方法により製造
した投射材を提供することを課題とする。
めになされた請求項1に記載の発明は、酸化鉄粉と金属
アルミニウムを含む粉末を混合して反応剤を製造する
か、又は、酸化鉄粉と金属アルミニウムを含む粉末を混
合した後に混合物を成形して反応剤を製造する反応剤製
造工程と、前記反応剤を着火させることによりテルミッ
ト反応を生じさせるか、又は、MgO、 ZrO2 、Si
O2 、Al2 O3 のうちの1種、又は、2種以上の粉末
を添加した前記反応剤を着火させることによりテルミッ
ト反応を生じさせる反応工程と、テルミット反応により
生成した溶融酸化物を球状に造粒する造粒工程と、造粒
した粒子を分級することにより所望の粒径の粒子を回収
する分級工程からなることを特徴とするものである。
シリコンを含む粉末を混合して反応剤を製造するか、又
は、酸化鉄粉と金属シリコンを含む粉末を混合した後に
混合物を成形して反応剤を製造する反応剤製造工程と、
前記反応剤を着火させることによりテルミット反応を生
じさせるか、又は、MgO、 ZrO2 、SiO2 、Al2
O3 のうちの1種、又は、2種以上の粉末を添加した前
記反応剤を着火させることによりテルミット反応を生じ
させる反応工程と、テルミット反応により生成した溶融
酸化物を球状に造粒する造粒工程と、造粒した粒子を分
級することにより所望の粒径の粒子を回収する分級工程
からなることを特徴とするものである。
の発明において、金属アルミニウムを含む粉末が、金属
アルミニウムを30質量%以上含有し、且つ、粒子の円
相当径が10mm以下であることを特徴とするものであ
る。なお、粒子の円相当径とは、棒状、楕円体状、リボ
ン状、針状等の非球状粒子を同一の体積の球状粒子とみ
なした時の直径のことをいう。
の発明において、金属シリコンを含む粉末が、金属シリ
コンを30質量%以上含有し、且つ、粒子の円相当径が
10mm以下であることを特徴とするものである。
何れかに記載の発明において、テルミット反応により生
成した溶融酸化物を球状に造粒する方法が風砕であるこ
とを特徴とするものである。
量%で、Al2 O3 :80〜20%、SiO2 :80〜
10%であって、MgO、 CaO、 MnO、 FeO、 F
e2 O3 、Cr2 O3 、ZrO2 、TiO2 、Na2 O及び
K2 Oの合計が20%以下であり、粒径が0. 05〜
2. 80mmの間であって、請求項1〜5の何れかに記
載の球状投射材の製造方法で製造されたことを特徴とす
る球状投射材である。
量%で、MgO:70〜10%、SiO2 :70%以
下、Al2 O3 :70%以下であって、CaO、 Mn
O、 FeO、 Fe2 O3 、Cr2 O3 、ZrO2 、TiO
2 、Na2 O及びK2 Oの合計が20%以下であり、粒
径が0. 05〜2. 80mmの間であって、請求項1〜
5の何れかに記載の球状投射材の製造方法で製造された
ことを特徴とする球状投射材である。
量%で、ZrO2 :70〜10%の間、SiO2 :70
%以下、Al2 O3 :70%以下であって、MgO、 C
aO、 MnO、 FeO、 Fe2 O3 、Cr2 O3 、TiO
2 、Na2 O及びK2 Oの合計が20%以下であり、粒
径が0. 05〜2. 80mmの間であって、請求項1〜
5の何れかに記載の球状投射材の製造方法で製造された
ことを特徴とする球状投射材である。
O4 及びFe2 O3 の3種類があり、これらの形態の酸
化鉄は金属アルミニウムとそれぞれ次式のように反応す
る。
造工程は、酸化鉄粉と酸化鉄粉の形態に応じた所定量の
金属アルミニウムを含む粉末を混合することにより、テ
ルミット反応により生成する酸化物の組成が投射材原料
として最適となる反応剤を作製するものである。テルミ
ット反応では酸化鉄に対する金属アルミニウムの理論配
合率が酸化鉄の形態によって異なるが、いずれの形態に
おいても金属アルミニウムの配合率が理論量より多い場
合には過剰な金属アルミニウムが鉄中に残留し、逆に金
属アルミニウムの配合率が理論量より少ない場合には過
剰の酸化鉄がAl2 O3 中に残留することになる。
酸化物を用いて投射材を製造しようとするもので鉄中に
残留するアルミニウムは何ら差し障りはないが、反応に
より生成するAl2 O3 中の酸化鉄量を投射材の品質に
悪影響を及ぼさない範囲に留めることが必要となる。こ
の理由から酸化鉄粉に対する金属アルミニウムを含む粉
末の配合率は、粉末中の金属アルミニウムの重量で、酸
化鉄の形態別にFeOの重量1に対して0. 24倍〜
0. 33倍、Fe3 O4 の重量1に対して0. 29倍〜
0. 40倍及びFe2 O3 の重量1に対して0. 32倍
〜0. 44倍とするのが好ましい。酸化鉄粉が複数形態
の酸化鉄からなる場合には、金属アルミニウムを含む粉
末の配合率は酸化鉄の形態ごとの前記配合率を基準とし
て容易に求めることができる。
同様にシリコテルミット反応と呼ばれる次のような反応
を生じるため、金属アルミニウムを含む粉末の一部ある
いは全量を金属シリコンを含有する粉末、例えば、粒子
の円相当径10mm以下の金属シリコン粉末、又は、フ
ェロシリコン粉末に代えて反応剤を作製することも可能
である。
産された原材料を用いることは勿論可能であるが、本発
明の安価な投射材を提供するという目的からは製造コス
ト的に有利となる安価な原料、特に廃棄物あるいは屑を
用いることが好ましい。安価な酸化鉄粉としては、製鋼
・製錬、熱処理、鍛造及びショットブラストなどの工程
から廃棄物として発生している酸化鉄を用いることがで
きる。熱処理あるいは鍛造工程で発生するスケールなど
粗いものでも、そのまま反応剤の原料とすることができ
るが、予め0. 2mm以下に粉砕して用いるのが好まし
い。
は、アルミダライなどのアルミニウム屑及びアルミ・シ
ョットブラストで発生する集塵ダストやアルミ研磨粉な
どの廃棄物を用いることができる。一般的に、アルミニ
ウム屑にはAl2 O3 などの酸化物以外に金属シリコ
ン、マグネシウム、銅あるいはマンガンなどの金属が含
まれているが、テルミット反応生成物であるAl2 O3
は勿論、これらの金属も投射材の品質に影響を及ぼすこ
とはない。金属アルミニウム中の金属シリコン及びマグ
ネシウムは、金属アルミニウムと同様に酸化鉄粉と反応
して酸化物となりAl2 O3 中に残留して投射材の成分
を構成する。また、マンガンなど鉄との酸化物の生成標
準自由エネルギー差が比較的小さいか、又は、銅のよう
に還元されやすい金属は、そのままテルミット反応で生
成した鉄中に残留する。従って、本発明の金属アルミニ
ウムを含む粉末としては、金属アルミニウムが30重量
%以上含まれてさえいれば、反応剤の原料として問題な
く使用できる。反応剤に適した粉末の粒子の円相当径は
10mm以下であり、アルミニウム屑、又は、廃棄物の
粒子の円相当径が10mmを上回る場合には、予め粉砕
などにより10mm以下の円相当径に調整して用いるの
が好ましい。
とするために反応工程においてテルミット反応に直接関
与しない添加剤を反応剤に加える場合がある。添加剤が
多量に存在すると、粉末状の反応剤ではテルミット反応
が遅くなるか、又は、反応そのものが生じ難くなる場合
があるが、その対策には反応剤を塊状に成形するのが効
果的である。成形した反応剤の形状はブリケット状、ペ
レット状あるいは棒状などいずれの形態でもよく、ま
た、その成形も一般的な造粒機、例えばブリケッティン
グ・マシーンなどを用いて行うことができる。
応工程は、投射材に適した化学組成の溶融酸化物を得る
工程で、溶融鉄及び溶融酸化物に浸食され難い耐火材で
ライニングした反応容器内に反応剤、又は、反応剤と添
加剤を装填し、電気的スパークなどの常法の手段により
反応剤を着火させることによりテルミット反応を起こさ
せる。添加剤としては、投射材の構成成分として好まし
いMgO粉、 ZrO2 粉、 SiO2 粉、 Al2 O3 粉な
どの粉末あるいはそれらの混合組成からなる粉末を用い
る。なお、添加剤であるSiO2 粉の一部又は全部に代
えて、予めそのSi量に相当する量の金属シリコン粉、
又は、フェロシリコン粉を金属アルミニウムを含む粉末
に代えて反応剤を作製することにより、SiO2 粉添加
と同一化学組成の溶融酸化物を得ることも可能である。
度が得られるが、添加剤の量が多いためにテルミット反
応熱だけでは熱量が不足し次の造粒工程での造粒に支障
が生じる恐れがある場合には、着火前に予めLPGガス
あるいは重油などの燃料を用いて予熱を行うのが好まし
い。着火後は短時間で、テルミット反応及びその反応熱
により反応容器下部に溶鉄層、その上部に溶融酸化物層
が分離形成される。反応終了後には、添加剤はテルミッ
ト反応熱で溶融し、反応中に生じる突沸現象により溶融
酸化物層中に均一に混ざった状態となる。この工程で用
いる添加剤の原料は工業的に生産された原料に限定され
ず、溶解炉の廃ライニング材、廃セラミックス又は投射
材の再生処理で発生する微細廃砂などを必要に応じて粉
砕したものも使用することができ、添加剤の原料として
このような廃棄物を使用すれば製造コストの大幅な低減
が可能となる。なお、もし添加剤として用いる廃棄物中
にテルミット反応に関与する成分、例えば酸化鉄などが
1質量%以上含まれる場合には、その成分及び含有量に
対応する量のアルミニウム粉末を、予め反応剤に追加し
ておくか又は添加剤に混ぜるのが好ましい。
応剤原料として用いるが、一般的に廃棄物として発生す
る酸化鉄粉はその発生工程特有の成分を含んでいる。例
えば、製鋼ダストにはZnO、 PbO、 CdO、 Ca
O、 SiO2 、Cr2 O3 、MnOなどが含まれている。
通常、製鋼ダストは有害成分である鉛及びカドミニウム
の溶出量が埋立基準を越えるため、無害化処理を施した
後に埋め立て処分されるか、又は、亜鉛、鉛及びカドミ
ニウムの回収処理が行われる。回収処理後の残滓は、残
存Zn及びCr量の少ないものに限り製鉄原料とされる
が、大部分は製鉄原料とすることができず埋立処分され
ている。本発明においては、製鋼ダスト中に含まれるZ
nO、 PbO及びCdOはテルミット反応及びその反応
熱により還元気化し、その後、空気に触れて再酸化し粉
末状態で集塵機に回収される。回収されたZnO、 Pb
O及びCdOからなる集塵ダストは、そのまま亜鉛の精
錬原料とすることができる。酸化鉄粉中に含まれるその
他のCr2 O3 、MnO、 NiOなどの金属酸化物はテ
ルミット反応時に還元されて溶鉄中に回収される。この
ように本発明は、廃棄物として発生する有害な成分を含
む酸化鉄粉を使用できるだけでなく、同時に貴重な金属
資源の回収をも可能とするものである。
粒工程は、投射材粒子に適した粒径に溶融酸化物を造粒
する工程で、溶融酸化物流に対して衝撃エネルギーを与
えることにより溶融酸化物流を液滴に破砕し、この液滴
が表面張力により球状となる性質を利用して行うもので
ある。この工程の原理は溶融金属の噴霧と基本的には同
じであり、この造粒工程には球状金属粉末の製造に用い
られている種々の噴霧法を用いることが可能である。な
お、溶融酸化物の造粒に種々の噴霧法が適用可能である
とはいえ、非球状粒子の発生を防ぐために、破砕された
液滴が球状化する前に凝固を起こし易い水など冷却能の
大きい噴霧媒体を用いる方法よりも、冷却能の小さい気
体を噴霧媒体とした方法、例えば風砕などが好ましい。
級工程は、造粒した球状粒子を分級することにより投射
材に適した粒径0. 05〜2. 80mmの球状粒子を回
収するもので、分級は篩など一般的な方法により行うこ
とができる。なお、この工程で発生する投射材に適さな
い粒度の球状粒子は、そのまま、又は、粉砕して反応工
程での添加剤として再使用することができるが、破砕す
ることにより鋭利なエッジを有する不規則形状粒子とす
ることもできる。このような不規則形状の粒子は、球状
粒子に比較して耐衝撃性は劣るが、研削性能を重要視す
るショットブラスト用の投射材として適用することがで
きる。
に発生したスケールを粉砕した熱間鍛造スケール、アル
ミ缶再生工程で発生した金属アルミニウムを含む粉末及
び添加剤として砂再生処理工程で発生した集塵ダストを
用いた。熱間鍛造スケールの化学組成を表1に、金属ア
ルミニウムを含む粉末の化学組成を表2に、及び集塵ダ
ストの化学組成を表3に示す。
アルミニウムを含む粉末370gをファインミキサーに
より混合して反応剤を作製した。この反応剤に対して砂
再生処理集塵ダスト150gを加えて黒鉛ルツボに装填
した後に、アセチレントーチで加熱発火させた発熱保温
スリーブ片を黒鉛ルツボ内に投入して反応剤を着火させ
た。テルミット反応終了後、直ちに0. 5MPaの圧縮
空気を用いて黒鉛ルツボ内の溶融酸化物の造粒を行っ
た。粒子が常温まで冷却した後に、網目0. 05mm及
び3. 35mmの篩を用いて分級した結果、化学組成が
Al2 O3 :59. 8%、SiO2 :33. 7%で残部
がMgO、 CaO、 MnO、 FeO、 Fe2 O3 、Cr
2 O3 、ZrO2 、TiO2 、Na2 O及びK2 Oの混合
物であって、粒径0. 05〜2. 80mmの緻密な球状
投射材を得た。この球状投射材の衝撃強さ(破砕までの
平均投射回数)をアービン式ライフテスターを用いて投
射速度32m/秒の条件にて比較調査したところ、破砕
までの平均投射回数は天然鉱石系投射材である珪砂の1
20倍であった。
鋼製造のショットブラスト工程で発生した集塵ダスト、
アルミダライの焙焼工程で発生した集塵ダスト及び純度
99%の金属金属シリコンを粒度2mm以下に粉砕した
粉末を用い、造粒バインダーとして澱粉及び水を用い
た。添加剤としては、MgO純度98%の廃マグネシア
炉材を粒度100μm以下に粉砕した粉末を用いた。シ
ョットブラスト集塵ダストの化学組成を表4に、アルミ
ダライ焙焼集塵ダストの化学組成を表5に示す。
ミダライ焙焼集塵ダスト125g、金属金属シリコン粉
末150g、水100g及び澱粉20gをファインミキ
サーにより混合し、ブリケッティング・マシーンを用い
てブリケットに成形して反応剤を作製した後、自然乾燥
させた。この自然乾燥させた反応剤に対してマグネシア
廃炉材粉末700gを加えて黒鉛ルツボに装填した後、
黒鉛ルツボを1000℃に保持したシリコニット炉内に
挿入して30分間加熱した。加熱後に、実施例1と同様
な方法にて着火、造粒及び分級を行い、MgO:55.
4%、SiO2 :25.7%、Al2 O3 :13. 2%
で、残部がCaO、 MnO、 FeO、 Fe2 O3 、Cr
2 O3 、ZrO2 、TiO2 、Na2 O及びK2 Oの混合
物からなる化学組成で、粒径0. 05〜2. 80mmの
緻密な球状投射材を得た。
と同一の原料を用い、添加剤としてZrO2 純度95%
の廃ジルコニアノズルを粒度100μm以下に粉砕した
粉末を用いた。ショットブラスト集塵ダスト1Kg、ア
ルミダライ焙焼集塵ダスト140g、金属シリコン粉末
140g、水100g及び澱粉20gを用い、実施例2
と同様な方法にて反応剤を作製した。廃ジルコニアノズ
ル粉末500gを自然乾燥させた反応剤に加えた後、実
施例2と同様な方法にて黒鉛ルツボに装填及び加熱後、
実施例1と同様な方法にて造粒及び分級を行い、ZrO
2 :45.2%、SiO2 :31. 0%、Al2 O3 :
20. 1%で、残部がMgO、 CaO、 MnO、 Fe
O、 Fe2 O3 、Cr2 O3 、TiO2 、Na2 O及びK
2 Oの混合物からなる化学組成で、粒径0. 05〜2.
80mmの緻密な球状投射材を得た。
をテルミット反応を利用して高温度の溶融状態から製造
するため、緻密で気孔がなく寿命の長い球状の非金属系
投射材を製造することができる。また、必要とされる化
学組成に投射材の成分を調整することが可能で、広範囲
のショットブラストに適用可能な投射材を提供すること
が可能となる。更に、本発明は原料として廃棄物、エネ
ルギーとしてテルミット反応熱を用いるため、投射材を
極めて経済的に製造することを可能とするのみならず、
廃棄物中に含まれる金属資源の回収をも同時に可能とす
るもので、資源の有効利用の観点においても社会への貢
献が大なるものである。
Claims (8)
- 【請求項1】 酸化鉄粉と金属アルミニウムを含む粉末
を混合して反応剤を製造するか、又は、酸化鉄粉と金属
アルミニウムを含む粉末を混合した後に混合物を成形し
て反応剤を製造する反応剤製造工程と、前記反応剤を着
火させることによりテルミット反応を生じさせるか、又
は、MgO、 ZrO2 、SiO2 、Al2 O3 のうちの1
種、又は、2種以上の粉末を添加した前記反応剤を着火
させることによりテルミット反応を生じさせる反応工程
と、テルミット反応により生成した溶融酸化物を球状に
造粒する造粒工程と、造粒した粒子を分級することによ
り所望の粒径の粒子を回収する分級工程からなることを
特徴とする球状投射材の製造方法。 - 【請求項2】 酸化鉄粉と金属シリコンを含む粉末を混
合して反応剤を製造するか、又は、酸化鉄粉と金属シリ
コンを含む粉末を混合した後に混合物を成形して反応剤
を製造する反応剤製造工程と、前記反応剤を着火させる
ことによりテルミット反応を生じさせるか、又は、Mg
O、 ZrO2 、SiO2 、Al2 O3 のうちの1種、又
は、2種以上の粉末を添加した前記反応剤を着火させる
ことによりテルミット反応を生じさせる反応工程と、テ
ルミット反応により生成した溶融酸化物を球状に造粒す
る造粒工程と、造粒した粒子を分級することにより所望
の粒径の粒子を回収する分級工程からなることを特徴と
する球状投射材の製造方法。 - 【請求項3】 金属アルミニウムを含む粉末が、金属ア
ルミニウムを30質量%以上含有し、且つ、粒子の円相
当径が10mm以下であることを特徴とする請求項1に
記載の球状投射材の製造方法。 - 【請求項4】 金属シリコンを含む粉末が、金属シリコ
ンを30質量%以上含有し、且つ、粒子の円相当径が1
0mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の球
状投射材の製造方法。 - 【請求項5】 溶融酸化物を球状に造粒する方法が風砕
であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
球状投射材の製造方法。 - 【請求項6】 化学組成が、質量%で、Al2 O3 :8
0〜20%、SiO2 :80〜10%であって、Mg
O、 CaO、 MnO、 FeO、 Fe2 O3 、Cr2 O3 、
ZrO2 、TiO2 、Na2 O及びK2 Oの合計が20%
以下であり、粒径が0. 05〜2. 80mmの間であっ
て、請求項1〜5の何れかに記載の球状投射材の製造方
法で製造されたことを特徴とする球状投射材。 - 【請求項7】 化学組成が、質量%で、MgO:70〜
10%、SiO2 :70%以下、Al2 O3 :70%以
下であって、CaO、 MnO、 FeO、 Fe2 O3 、C
r2 O3 、ZrO2 、TiO2 、Na2 O及びK2 Oの合
計が20%以下であり、粒径が0. 05〜2. 80mm
の間であって、請求項1〜5の何れかに記載の球状投射
材の製造方法で製造されたことを特徴とする球状投射
材。 - 【請求項8】 化学組成が、質量%で、ZrO2 :70
〜10%の間、SiO2 :70%以下、Al2 O3 :7
0%以下であって、MgO、 CaO、 MnO、 FeO、
Fe2 O3 、Cr2 O3 、TiO2 、Na2 O及びK2 O
の合計が20%以下であり、粒径が0. 05〜2. 80
mmの間であって、請求項1〜5の何れかに記載の球状
投射材の製造方法で製造されたことを特徴とする球状投
射材。
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---|---|---|---|
JP2001168304A JP2002363544A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 球状投射材の製造方法及び投射材 |
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