JP2002362405A - クローラ車輛のトランスミッション - Google Patents

クローラ車輛のトランスミッション

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JP2002362405A
JP2002362405A JP2001171470A JP2001171470A JP2002362405A JP 2002362405 A JP2002362405 A JP 2002362405A JP 2001171470 A JP2001171470 A JP 2001171470A JP 2001171470 A JP2001171470 A JP 2001171470A JP 2002362405 A JP2002362405 A JP 2002362405A
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turning
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brake
pivot
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JP2001171470A
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Masashi Kamoto
政司 嘉本
Shinjirou Nowaki
慎二郎 野脇
Kenichi Adachi
憲一 足立
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スムーズな旋回を可能にする遊星減速機を用
いたクローラ車輛のトランスミッションを提供する。 【解決手段】 搭載エンジンの回転駆動力を、各々遊星
歯車を介して個別に左右の走行部へ出力するクローラ車
輛のトランスミッションにおいて、回転駆動力を接続す
る信地旋回用旋回クラッチ26と、一対のクラッチ・ブ
レーキ28、29を備える。前記信地旋回用旋回クラッ
チ26をインチング制御して、クローラ車輛の進行方向
制御と旋回制御を行う。緩旋回用等の専用の旋回クラッ
チを設けることなく、進行方向制御やスムーズな旋回制
御が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業機械のコンバ
インやハーベスタ又は運搬機械等、クローラ走行部を備
えるクローラ車輛のトランスミッションに係り、詳しく
は、遊星歯車を用いたトランスミッションにおいて、信
地旋回用等の旋回クラッチを用いて緩旋回できるように
したクローラ車輛のトランスミッションに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンバインやハーベスタ又は運
搬機械等、クローラ走行部を有し自力走行する農業機械
では、圃場等で行う作業の種類や形態に応じて機体の走
行方向を様々に変化させる必要がある。このため、搭載
エンジンからの回転駆動力を左右のクローラ走行部に伝
達する駆動力伝達機構、つまり、トランスミッションに
旋回機能を含む各種の走行制御機能を持たせている。
【0003】例えば、圃場での穀稈列条の刈取り作業を
対象とするとき、該穀稈列条間を複数列毎に交互に往復
走行して数条づつの穀稈を同時に刈取る。この際には、
該穀稈列が必ずしも直線状に有るとは限らないことか
ら、トランスミッションに対して、常に穀稈列条に機体
を沿わせて進行させるための進行方向制御機能や、穀稈
列条の終端部で機体を一旦反転させて、次の穀稈列条に
向かわせるためのターン制御機能等が要求される。
【0004】前記進行方向制御機能は、所謂緩旋回に相
当し、旋回内側のドライブシャフトを減速して、即ち、
同方向に回転する一対のクローラに速度差を発生させ、
進行方向の微調整を行うものである。
【0005】前記ターン制御機能は、信地旋回及び超信
地旋回を含む旋回機能であり、信地旋回(所謂ブレーキ
ターン)は、一方のクローラを停止させた状態で、この
クローラを中心として機体を旋回させるものである。
【0006】超信地旋回(所謂急旋回又はスピンター
ン)は、一方のドライブシャフトは正転のまま、他方の
ドライブシャフトを逆転させて、即ち、左右一対のクロ
ーラを互いに逆方向に回転させて、可及的に小さい旋回
半径で機体を旋回させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の操作を、遊星歯
車を用いて行うようにした例として、例えば、特許第2
935025号公報に開示されたコンバインが提案され
ている。このコンバインにおけるトランスミッション
は、第1の油圧ポンプと油圧モータ及び第2の油圧ポン
プと油圧モータを備えている。
【0008】そして、第1の油圧ポンプで駆動される第
1の油圧モータの出力を遊星減速機のサンギヤに伝達し
てクローラ車輛を走行させ、第2の油圧ポンプで駆動さ
れる第2の油圧モータの出力を遊星歯車のリングギヤに
伝達して、クローラ車輛の旋回操作を行ない、進路修正
を行っている。
【0009】このトランスミッションにおいては、第2
の油圧モータが作動して遊星歯車のリングギヤに回転を
伝える際、一方の遊星歯車のリングギヤに伝達される回
転速度が加速(減速)された分だけ、他方の遊星歯車の
リングギヤに伝達される回転数が減速(加速)される所
謂ディファレンシャルギヤを構成している。
【0010】このコンバインにおいては、動力の接続
(ON)と切断(OFF)をサイドクラッチで行ってい
るため、クラッチをOFFしたとき動力伝達が切れて急
に減速(停止)され、クラッチをONしたとき急に加速
(発進)される等、スムーズな運転ができない。
【0011】上記の事情に鑑み、本発明は、運転中の動
力の伝達を切ることなくスムーズな運転を可能にした遊
星歯車を用いたクローラ車輛のトランスミッションを提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1は、駆動源(19)と、該駆動源
(19)の回転駆動力を入力する入力軸(22)と、第
1の要素(30)、第2の要素(32)及び第3の要素
(33)で構成される左右一対の遊星歯車(24、2
5)と、前記両遊星歯車(24、25)の第1の要素
(30)と前記入力軸(22)を連結する第1の動力伝
達手段と、旋回クラッチ(26)と、左右一対のクラッ
チ・ブレーキ(28、29)と、前記入力軸(22)と
前記旋回クラッチ(26)を介して前記左右一対のクラ
ッチ・ブレーキ(28、29)の共通入力部(43)に
連結する第2の動力伝達手段と、前記左クラッチ・ブレ
ーキ(28)の出力部(44)と前記左遊星歯車(2
4)の第3の要素(33)に連結して左クローラ駆動軸
(23L)に出力する左駆動連結手段と、前記右クラッ
チ・ブレーキ(29)の出力部(45)と前記右遊星歯
車(25)の第3の要素(33)に連結して右クローラ
駆動軸(23R)に出力する右駆動連結手段と、を備
え、前記旋回クラッチ(26)をインチング制御して、
旋回クラッチ(26)から出力される断続回転を、前記
左右いずれか一方のクラッチ・ブレーキ(28、29)
のクラッチの接続に基づき前記左右いずれか一方の駆動
連結手段(23L、23R)に伝達して、クローラ車輛
を緩旋回させる、ことを特徴とする、クローラ車輛のト
ランスミッションにある。
【0013】また、本発明の請求項2は、前記旋回クラ
ッチは、ギヤ比の異なる前記第2の動力伝達手段を介し
て連結される信地旋回用旋回クラッチ(26)と、超信
地旋回用旋回クラッチ(27)と、を有し、前記信地旋
回用旋回クラッチ(26)を連続して接続し、該旋回ク
ラッチ(26)から出力される連続回転を、前記左右い
ずれか一方のクラッチ・ブレーキ(28、29)のクラ
ッチの接続に基づき前記左右いずれか一方の駆動連結手
段に伝達すると共に、前記他方のクラッチ・ブレーキ
(29、28)のブレーキを作動して、クローラ車輛を
信地旋回させる、ことを特徴とする、請求項1記載のク
ローラ車輛のトランスミッションにある。
【0014】また、本発明の請求項3は、前記超信地旋
回用旋回クラッチ(27)を連続して接続し、該旋回ク
ラッチ(27)から出力される連続回転を、前記左右い
ずれか一方のクラッチ・ブレーキ(28又は29)のク
ラッチの接続に基づき前記左右いずれか一方の駆動連結
手段に伝達すると共に、前記他方のクラッチ・ブレーキ
(29又は28)のブレーキを作動して、クローラ車輛
を超信地旋回させる、ことを特徴とする、請求項2記載
のクローラ車輛のトランスミッションにある。
【0015】また、本発明の請求項4は、前記第1の動
力伝達手段と第2の動力伝達手段は、前記第1の動力伝
達手段の、前記入力軸(22)と左右一対の遊星歯車
(24、25)との間、及び前記第2の動力伝達手段
の、前記入力軸(22)と旋回クラッチ(26、27)
との間に共通の副変速機(51)を有し、この副変速機
(51)の下流で、前記第1の動力伝達手段で伝達され
る直進系の動力と、第2の動力伝達手段により伝達され
る旋回系の動力に分ける、ことを特徴とする、請求項1
ないし3のいずれか記載のクローラ車輛のトランスミッ
ションにある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るクローラ車輛
のトランスミッションの実施形態を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1は、本発明によるトランスミッション
を用いるクローラ車輛の一例としてのコンバインの外観
を示す斜視図、図2は、運転操作部における機器類の配
置関係を示す説明図である。
【0018】同図において、コンバイン11は、機体1
2に、自走用の一対のクローラ13R(Right)、
13L(Left)(図1の場合、コンバイン11の進
行方向右側のクローラ13Rのみを示し、左側のクロー
ラ13Lについては図示していないが、説明の便宜上対
応する符号を付す)を備えている。
【0019】該機体12の上部位置を占める運転席14
の操作パネル部15には、コンバイン11の走行、旋回
を指示する運転操作レバー(マルチステアリングレバ
ー)16と、旋回時における旋回モード(通常旋回モー
ドと超信地旋回モード)を選択する切替えスイッチ17
が配置されている。
【0020】また、コンバイン11の前方には、穀稈を
刈取るための昇降自在な前処理部18が設けられてい
る。なお、コンバイン11自体は、搭載したエンジン1
9の出力で各クローラ13R、13Lを回転させ、自力
で走行する。
【0021】図3は、運転操作レバーを示す正面図であ
る。この運転操作レバー16は、その操作量を検出する
ポテンショメータ20を備えている。そして、ポテンシ
ョメータ20は、運転操作レバー16が、中立位置、中
立位置の左右に設定された操作位置A、Bのどの位置へ
操作されたかを検出し、その結果を出力する。
【0022】図4は、本発明によるトランスミッション
の伝動系統図である。同図において、トランスミッショ
ン21は、エンジン19の動力を受け入れる入力軸22
と、出力軸としての左右一対のクローラ駆動軸23L、
23Rを備えている。また、入力軸22の動力を各クロ
ーラ駆動軸23L、23Rに伝達するための左右一対の
遊星歯車24、25と、信地旋回用旋回クラッチ26
と、超信地旋回用旋回クラッチ27と、左右一対のクラ
ッチ・ブレーキ28、29とを備えている。
【0023】各遊星歯車24、25は、それぞれサンギ
ヤ30(第1の要素)と、このサンギヤ30と噛み合う
複数のプラネタリピニオン31を回転可能に支持し、左
クローラ駆動軸23L(又は、右クローラ駆動軸23
R)に結合されるキャリヤ32(第2の要素)と、プラ
ネタリピニオン31に噛み合うリングギヤ33(第3の
要素)とを備えている。また、リングギヤ33の外周に
は、動力伝達用のギヤ34が設けられている。
【0024】一方、各遊星歯車24、25のサンギヤ3
0は、中央部に歯車35を固定したサンギヤ軸36で一
体に連結されている。従って、歯車35が回転すると、
各遊星歯車24、25のサンギヤ30が同方向に回転
し、プラネタリピニオン31、キャリヤ32を介してク
ローラ駆動軸23L、23Rを同方向に回転させて、コ
ンバイン11を直進させる。
【0025】前記信地旋回用旋回クラッチ26と、超信
地旋回用旋回クラッチ27は、中央部に歯車37が固定
された中間軸38の両端に配置されている。信地旋回用
旋回クラッチ26は、中間軸38に回転可能に挿着され
る歯車39を備え、超信地旋回用旋回クラッチ27は中
間軸38に回転可能に挿着される歯車40を備えてい
る。
【0026】左クラッチ・ブレーキ28と右クラッチ・
ブレーキ29は、歯車37と噛み合う歯車41を回転可
能に挿着した軸42の両端に配置されている。歯車41
は、軸42に外嵌する中間軸43に固定されている。ま
た、左クラッチ・ブレーキ28は、左遊星歯車24のギ
ヤ34と噛み合う歯車44を備え、右クラッチ・ブレー
キ29は右遊星歯車25のギヤ34と噛み合う歯車45
を備えている。
【0027】エンジン19の動力は、エンジン19の出
力軸46からプーリ47、ベルト48、プーリ49を介
して走行HST50の入力軸22に伝達される。走行H
ST50の出力は、出力軸63に固定された歯車64
と、この歯車64と噛み合う歯車65を固定した回転可
能な中間軸67に伝達される。この中間軸67の回転
は、中間軸67に固定された歯車66を介して副変速機
51に伝達される。
【0028】副変速機51は、その入力軸52と出力軸
53を備えている。入力軸52には、前記歯車66と噛
み合うように固定された歯車54と、所定の間隔で回転
可能に支持された3個の変速用の歯車55、56、57
を備えている。また、入力軸52には、これら歯車5
5、56、57と入力軸52を接離するためのクラッチ
58、59が配置されている。また、出力軸53には、
前記各歯車55、56、57と個別に噛み合う歯車6
0、61、62が固定されている。
【0029】副変速機51の出力軸53の回転は、中間
軸68に回転可能に支持され、前記歯車60と前記サン
ギヤ軸36に固定された歯車35とに噛み合う歯車69
を介して前記一対の遊星歯車24、25のサンギヤ30
に伝達される。
【0030】前記走行HST50から、副変速機51、
歯車69、歯車35及びサンギヤ軸36で、入力軸22
に入力された動力を各遊星歯車24、25に伝達する第
1の動力伝達手段を構成し、各遊星歯車24、25を介
して各クローラ駆動軸23L、23Rに直進系動力とし
て伝達する。
【0031】中間軸70には、前記副変速機51の歯車
60と噛み合う歯車71が回転可能に支持されている。
歯車71と噛み合う歯車72を固定した中間軸73に
は、信地旋回用旋回クラッチ26の歯車39と噛み合う
歯車74と、超信地旋回用旋回クラッチ27の歯車40
と噛み合う歯車75が固定されている。
【0032】そして、歯車74と歯車39のギヤ比は、
各遊星歯車24、25のリングギヤ33を、プラネタリ
ピニオン31がその場で回転し、キャリア32が回転し
ない速度で回転させるように設定されている。一方、歯
車75と歯車40のギヤ比は、各遊星歯車24、25の
リングギヤ33を、プラネタリピニオン33がサンギヤ
30の回転方向とは逆の方向に転動し、キャリヤ32を
サンギヤ30とは逆の方向に回転させるように設定され
ている。
【0033】前記走行HST50、副変速機51、歯車
71、歯車72、歯車74及び歯車75で入力軸22に
入力された動力を前記信地旋回用旋回クラッチ26と超
信地旋回用旋回クラッチ27に伝達する第2の動力伝達
手段を構成する。なお、前記走行HST50と副変速機
51は、前記第1の動力伝達手段と共用している。
【0034】信地旋回用旋回クラッチ26又は超信地旋
回用旋回クラッチ27のONによる中間軸38の回転
は、歯車37、歯車41、中間軸43及び左ブレーキ・
クラッチ28のクラッチONにより、歯車44を介して
左遊星歯車24のギヤ34(リングギヤ33)に、旋回
系の動力として伝達される。即ち、中間軸38、歯車3
7、歯車41、中間軸43及び左クラッチ・ブレーキ2
8は、左駆動連結手段を構成している。
【0035】信地旋回用旋回クラッチ26又は超信地旋
回用旋回クラッチ27のONによる中間軸38の回転
は、歯車37、歯車41、中間軸43及び右ブレーキ・
クラッチ29のクラッチONにより、歯車45を介して
右遊星歯車25のギヤ34(リングギヤ33)に、旋回
系の動力として伝達される。即ち、中間軸38、歯車3
7、歯車41、中間軸43及び右クラッチ・ブレーキ2
9は、右動力連結手段を構成している。なお、左動力連
結手段と右動力連結手段は、中間軸38、歯車37、歯
車41、中間軸43を共用する形で構成されている。
【0036】図5は、運転操作時における信地旋回用旋
回クラッチ26、超信地旋回用旋回クラッチ27、左右
のクラッチ・ブレーキ28、29の作動状態を示す説明
図である。
【0037】運転操作レバー16が中立位置(左右の遊
び領域を含む)にある時には、図5の「中立(直進)」
に示すように、信地旋回用旋回クラッチ26及び超信地
旋回用旋回クラッチ27は、OFF。左クラッチ・ブレ
ーキ28と右クラッチ・ブレーキ29は、それぞれクラ
ッチがOFF、ブレーキがONの状態に設定される。
【0038】副変速機51の出力は、歯車60から歯車
69、歯車35を介して、サンギヤ軸36に伝達され、
各遊星歯車24、25のサンギヤ30を回転させる。こ
のとき、各遊星歯車24、25のギヤ34と噛み合う左
クラッチ・ブレーキ28の歯車44と右クラッチ・ブレ
ーキ29の歯車45は、各クラッチ・ブレーキ28、2
9のブレーキがONになっているため、その回転が拘束
され静止状態にある。従って、歯車44と歯車45に噛
み合う各遊星歯車24、25のギヤ34も静止状態で拘
束され、リングギヤ33も静止状態が維持される。
【0039】この状態では、各遊星歯車24、25のサ
ンギヤ30が回転すると、プラネタリピニオン31がサ
ンギヤ30の周囲を、サンギヤ30の回転方向と同方向
に転動しキャリヤ32を回転させる。このキャリヤ32
の回転は、クローラ駆動軸23L、23Rに伝達され、
コンバイン11を直進走行させる。
【0040】運転操作レバー16を、図3で左側(又は
右側、以下、操作レバー16が右側に操作された場合に
対応する構成要素を括弧内に示す)の操作位置Aに倒し
た場合を、図5の「操作位置A」に示す。
【0041】信地旋回用旋回クラッチ26は、ON(イ
ンチング)。超信地旋回用旋回クラッチ27は、OF
F。左クラッチ・ブレーキ28(右クラッチブレーキ2
9)は、クラッチをON、ブレーキをOFF。また、右
クラッチ・ブレーキ29(左クラッチ・ブレーキ28)
は、クラッチをOFF、ブレーキをONにした状態に設
定される。このとき、右クローラ駆動軸23R(左クロ
ーラ駆動軸23L)は直進走行と同じ速度で回転してい
る。
【0042】信地旋回用旋回クラッチ26が、断続を繰
り返すインチング動作をしているので、歯車39の回転
が中間軸38、歯車37及び歯車41を介して中間軸4
3に断続した状態で伝達される。この中間軸43に伝達
された断続回転は、左クラッチ・ブレーキ28(右クラ
ッチ・ブレーキ29)のクラッチがONされているので
歯車44(歯車45)に伝達される。
【0043】さらに、歯車44(歯車45)から左遊星
歯車24(右遊星歯車25)のギヤ34へ伝達されて、
左遊星歯車24(右遊星歯車25)のリングギヤ33
を、サンギヤ30の回転方向とは反対の方向に断続回転
する。このため、プラネタリギヤ31のサンギヤ30に
対する転動速度が遅くなり、キャリア32の回転速度も
低下する。
【0044】従って、左遊星歯車24(右遊星歯車2
5)のキャリア32に連結された左クローラ駆動軸23
L(右クローラ駆動軸23R)の回転が遅くなり、この
左クローラ駆動軸23L(右クローラ駆動軸23R)に
よって駆動されるクローラ13L(13R)の回転も遅
くなる。従って、コンバイン11は、クローラ13L
(13R)を内側として曲線を描いて旋回(所謂緩旋
回)する。
【0045】なお、上記の説明では、信地旋回用旋回ク
ラッチ26をインチング制御してコンバイン11を緩旋
回させる場合について説明したが、超信地旋回用旋回ク
ラッチ27をインチング制御しても、コンバイン11を
緩旋回させることができる。
【0046】切換スイッチ17を通常旋回位置に入れ、
運転操作レバー16を図3の左(右)側の操作位置Bへ
倒した場合を、図5の「通常旋回モード」の「操作位置
B」に示す。
【0047】信地旋回用旋回クラッチ26は、ON。超
信地旋回用旋回クラッチ27は、OFF。左クラッチ・
ブレーキ28(右クラッチ・ブレーキ29)は、クラッ
チをON、ブレーキをOFF。右クラッチ・ブレーキ2
9(左クラッチ・ブレーキ28)は、クラッチをOF
F、ブレーキをONした状態に設定される。このとき、
右クローラ駆動軸23R(左クローラ駆動軸23L)は
直進走行と同じ速度で回転している。
【0048】信地旋回用旋回クラッチ26が連続した状
態でONされることにより、歯車39の回転が中間軸3
8、歯車37及び歯車41を介して中間軸43に伝達さ
れる。この中間軸43に伝達された回転は、左クラッチ
・ブレーキ28(右クラッチ・ブレーキ29)のクラッ
チがONされているので、歯車44(歯車45)に伝達
される。さらに、歯車44(歯車45)から左遊星歯車
24(右遊星歯車25)のギヤ34へ伝達されて、左遊
星歯車24(右遊星歯車25)のリングギヤ33をサン
ギヤ30の回転方向とは反対の方向に回転させる。
【0049】このとき、前述のように、信地旋回用旋回
クラッチ26に回転を伝達する歯車74と歯車39のギ
ヤ比が、リングギヤ33を、プラネタリピニオン31が
一定の位置で回転しキャリヤ32が回転しない速度で回
転させるギヤ比に設定されているので、左遊星歯車24
(右遊星歯車25)のキャリヤ32の回転は停止する。
【0050】従って、キャリヤ32に連結された左クロ
ーラ駆動軸23L(右クローラ駆動軸23R)の回転が
停止し、クローラ13L(13R)の回転も停止する。
すると、コンバイン11は、クローラ13R(13L)
が走行している状態で、クローラ13L(13R)が停
止することになり、クローラ13L(13R)を中心と
して旋回(信地旋回)する。
【0051】切換スイッチ17を超信地旋回位置に入
れ、運転操作レバー16を図3の左(右)側の操作位置
Bへ倒した場合、図5の「超信地旋回モード」の「操作
位置B」に示す。
【0052】信地旋回用旋回クラッチ26は、OFF。
超信地旋回用旋回クラッチ27は、ON。左クラッチ・
ブレーキ28(右クラッチ・ブレーキ29)は、クラッ
チをON、ブレーキをOFF。右クラッチ・ブレーキ2
9(左クラッチ・ブレーキ28)は、クラッチをOF
F、ブレーキをONした状態に設定する。このとき、右
クローラ駆動軸23R(左クローラ駆動軸23L)は直
進走行と同じ速度で回転している。
【0053】超信地旋回用旋回クラッチ27が連続した
状態でONされることにより、歯車40の回転が中間軸
38、歯車37及び歯車41を介して中間軸43に伝達
される。この中間軸43に伝達された回転は、左クラッ
チ・ブレーキ28(右クラッチ・ブレーキ29)のクラ
ッチがONされているので、左クラッチ・ブレーキ28
(右クラッチ・ブレーキ29)の歯車44(歯車45)
に伝達される。さらに、歯車44(歯車45)から左遊
星歯車24(右遊星歯車25)のギヤ34へ伝達され
て、左遊星歯車24(右遊星歯車25)のリングギヤ3
3をサンギヤ50の回転方向とは反対の方向に回転させ
る。
【0054】このとき、前述のように、超信地旋回用旋
回クラッチ27に回転を伝達する歯車75と歯車40ギ
ヤ比が、リングギヤ33を、プラネタリピニオン31が
サンギヤ30の回転方向とは反対の方向に転動させるギ
ヤ比に設定されているので、左遊星歯車24(右遊星歯
車25)のキャリヤ32がサンギヤ30の回転方向とは
反対方向に回転し、左クローラ駆動軸23L(右クロー
ラ駆動軸23R)を直進走行時とは逆の方向に回転させ
る。
【0055】即ち、左クローラ駆動軸23L(右クロー
ラ駆動軸23R)を、右クローラ駆動軸23R(左クロ
ーラ駆動軸23L)とは逆方向に回転させる。すると、
コンバイン11は、クローラ13R(13L)が直進方
向に回転している状態で、クローラ13L(13R)が
逆方向に回転することになり、クローラ13Lとクロー
ラ13Rの間を中心として旋回(超信地旋回)する。
【0056】上述のように、上記実施形態によれば、信
地旋回(ブレーキ旋回)用旋回クラッチ26と、超信地
旋回(急旋回)用旋回クラッチ27、左右のクラッチ・
ブレーキ28、29を設け、信地旋回用旋回クラッチ2
6のON(インチング)、ON、OFF、超信地旋回用
旋回クラッチ27のON、OFFを制御することによ
り、緩旋回用の旋回クラッチ等専用の旋回クラッチを設
けることなく、クラッチ旋回、緩旋回、信地旋回及び超
信地旋回を行うことができる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1に
よれば、旋回クラッチと、左右一対のクラッチ・ブレー
キと、前記旋回クラッチと前記一方のクラッチ・ブレー
キを介して一方の遊星歯車に連結する動力伝達手段と、
前記旋回クラッチと他方のクラッチ・ブレーキを介して
他方の遊星歯車に連結する動力伝達手段と、左右一対の
遊星歯車にそれぞれ連結しているクローラ駆動軸とを備
え、前記旋回クラッチをインチング制御して、旋回クラ
ッチから出力される断続回転を、前記動力伝達手段を介
して前記遊星歯車の一方に伝達するようにしているの
で、方向制御用の旋回クラッチや緩旋回用の旋回クラッ
チ等、専用の旋回クラッチを設けることなく、クローラ
車輛の方向制御や緩旋回を行わせることができる。ま
た、クローラ車輛のスムーズな運転操作を行うことがで
きる。
【0058】また、本発明の請求項2、請求項3によれ
ば、前記旋回クラッチは、前記第2の動力伝達手段を介
して連結される信地旋回用旋回クラッチと超信地旋回用
旋回クラッチを有し、前記信地旋回用旋回クラッチもし
くは超信地旋回用旋回クラッチを連続して接続し、該旋
回クラッチから出力される連続回転を、前記左右いずれ
か一方のクラッチ・ブレーキのクラッチの接続に基づき
前記左右いずれか一方の駆動連結手段に伝達すると共
に、前記他方のクラッチ・ブレーキのブレーキを作動し
て、クローラ車輛を信地旋回もしくは超信地旋回させる
ことができ、運転操作を容易にすることができる。
【0059】また、本発明の請求項4によれば、前記第
1の動力伝達手段と第2の動力伝達手段は、前記入力軸
と左右一対の遊星歯車との間、前記入力軸と各旋回クラ
ッチとの間に共通の副変速機を有し、この副変速機の下
流で、前記第1の動力伝達手段で伝達される直進系の動
力と、第2の動力伝達手段により伝達される旋回系の動
力に分けるようにしたので、いずれの副変速位置でも各
クラッチの旋回モードを同一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトランスミッションを用いるクロ
ーラ車輛の一例としてのコンバインの外観を示す斜視図
である。
【図2】図1におけるコンバインの運転操作部における
操作機器の配置関係を示す説明図である。
【図3】図2における運転操作レバーとその操作範囲を
示す正面図である。
【図4】本発明によるトランスミッションの伝動系統図
である。
【図5】運転操作レバーの操作位置と各クラッチ及びク
ラッチ・ブレーキの動作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
19…駆動源(エンジン) 22…入力軸 23L…左クローラ駆動軸 23R…右クローラ駆動軸 24…左遊星歯車 25…右遊星歯車 26…信地旋回用旋回クラッチ 27…超信地旋回用旋回クラッチ 28…左クラッチ・ブレーキ 29…右クラッチ・ブレーキ 30…第1の要素(サンギヤ) 32…第2の要素(キャリヤ) 33…第3の要素(リングギヤ) 51…副変速機
フロントページの続き (72)発明者 足立 憲一 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 Fターム(参考) 2B043 AA03 AB08 BA02 BA05 BB14 DB07 DC01 2B076 AA03 CC02 DA03 DB06 DB08 DB09 3D052 AA05 BB11 DD03 EE01 FF02 GG04 JJ14 JJ20 JJ23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源と、 該駆動源の回転駆動力を入力する入力軸と、 第1の要素、第2の要素及び第3の要素で構成される左
    右一対の遊星歯車と、 前記両遊星歯車の第1の要素と前記入力軸を連結する第
    1の動力伝達手段と、 旋回クラッチと、 左右一対のクラッチ・ブレーキと、 前記入力軸と前記旋回クラッチを介して前記左右一対の
    クラッチ・ブレーキの共通入力部に連結する第2の動力
    伝達手段と、 前記左クラッチ・ブレーキの出力部と前記左遊星歯車の
    第3の要素に連結して左クローラ駆動軸に出力する左駆
    動連結手段と、 前記右クラッチ・ブレーキの出力部と前記右遊星歯車の
    第3の要素に連結して右クローラ駆動軸に出力する右駆
    動連結手段と、を備え、 前記旋回クラッチをインチング制御して、該旋回クラッ
    チから出力される断続回転を、前記左右いずれか一方の
    クラッチ・ブレーキのクラッチの接続に基づき前記左右
    いずれか一方の駆動連結手段に伝達して、クローラ車輛
    を緩旋回させる、 ことを特徴とする、クローラ車輛のトランスミッショ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記旋回クラッチは、ギヤ比の異なる前
    記第2の動力伝達手段を介して連結される信地旋回用旋
    回クラッチと、超信地旋回用旋回クラッチと、を有し、 前記信地旋回用旋回クラッチを連続して接続し、該旋回
    クラッチから出力される連続回転を、前記左右いずれか
    一方のクラッチ・ブレーキのクラッチの接続に基づき前
    記左右いずれか一方の駆動連結手段に伝達すると共に、
    前記他方のクラッチ・ブレーキのブレーキを作動して、
    クローラ車輛を信地旋回させる、 ことを特徴とする、請求項1記載のクローラ車輛のトラ
    ンスミッション。
  3. 【請求項3】 前記超信地旋回用旋回クラッチを連続し
    て接続し、該旋回クラッチから出力される連続回転を、
    前記左右いずれか一方のクラッチ・ブレーキのクラッチ
    の接続に基づき前記左右いずれか一方の駆動連結手段に
    伝達すると共に、前記他方のクラッチ・ブレーキのブレ
    ーキを作動して、クローラ車輛を超信地旋回させる、 ことを特徴とする、請求項2記載のクローラ車輛のトラ
    ンスミッション。
  4. 【請求項4】 前記第1の動力伝達手段と第2の動力伝
    達手段は、前記第1の動力伝達手段の、前記入力軸と左
    右一対の遊星歯車との間、及び前記第2の動力伝達手段
    の、前記入力軸と旋回クラッチとの間に共通の副変速機
    を有し、 この副変速機の下流で、前記第1の動力伝達手段で伝達
    される直進系の動力と、第2の動力伝達手段により伝達
    される旋回系の動力に分ける、 ことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載の
    クローラ車輛のトランスミッション。
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JP4638901B2 (ja) * 2007-09-26 2011-02-23 株式会社クボタ 作業車の走行伝動構造

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