JP2002362005A - 画像記録媒体 - Google Patents

画像記録媒体

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JP2002362005A
JP2002362005A JP2001162314A JP2001162314A JP2002362005A JP 2002362005 A JP2002362005 A JP 2002362005A JP 2001162314 A JP2001162314 A JP 2001162314A JP 2001162314 A JP2001162314 A JP 2001162314A JP 2002362005 A JP2002362005 A JP 2002362005A
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Yasuyuki Takeda
康之 武田
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3M Innovative Properties Co
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料インク印刷と顔料インク印刷の両方にお
いて、黄変(色調シフト)がなく、目立つにじみも発生
しない良好な画像品質が得られる、画像記録媒体を提供
する。 【解決手段】 通気性微細孔を含んでなり、表面および
前記微細孔に親水性が付与されている支持体と、その支
持体の表面に配置され、バインダーと凝集剤とを含有す
るインク受容層とを備えている画像記録媒体において、
前記インク受容層に含まれる前記凝集剤として、分子内
にカチオン性官能基を有するカチオン性有機オリゴマー
または分子内にカチオン性官能基を有するカチオン性ポ
リマー用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット印
刷等の印刷方法により、インク像(ink-image:画像)
を記録するために用いられる画像記録媒体に関する。特
に、顔料インク及び染料インクの両方に適応することが
でき、高品質画像の記録(形成)が可能な画像記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、インクジェット記録紙等の画
像記録媒体として、通気性微細孔を含んだ(すなわち、
多孔質の)支持体であって、その表面および微細孔が親
水性を付与されている支持体を備えている画像記録媒体
が有用であることが知られている。この様な画像記録媒
体は、米国特許5,605,750号、国際公開公報WO
99/03685号、国際公開公報WO01/1065
0号等に開示されている。
【0003】たとえば、国際公開公報WO99/036
85号には、多孔質フィルムを含んでなる支持体の微細
孔内に、界面活性剤と多価金属塩とを含有する画像記録
媒体が開示されている。多価金属塩は、支持体の微細孔
内壁(内面)を界面活性剤により処理して親水化した
後、多価金属塩を含む液体を塗布することにより、微細
孔内に固定される。インクはこの支持体表面に定着する
様に印刷(記録)される。
【0004】支持体上にインク受容層を配置することも
できる。これにより、インクに含まれる顔料を定着面に
留まらせ、孔内にまで移行するのを効果的に防止でき、
発色性や速乾性の改善が可能である。前掲の国際公開公
報WO01/10650号(特開2001−47734
号公報に対応)には、通気性微細孔を含んでなる支持体
の上に設けられたインク受容層として、水溶性塩類と有
機バインダーとを含有する層を用いることが提案されて
いる。水溶性塩類は凝集剤として機能し、媒体表面(イ
ンク受容層表面)にインクが適用(印刷等)された時、
顔料をすばやくインク受容層の表面で凝集(定着)させ
る。したがって、顔料が媒体内部の孔内まで移行するこ
とを効果的に防止し、速乾性を高めることができる。有
機バインダーは、凝集剤をインク受容層内に効果的に固
定(結着)する機能を有する。これにより、水溶性塩類
の凝集作用と、バインダーの結着作用との相乗効果によ
り、定着インク画像の耐水性を効果的に高めることがで
きる。なお、凝集剤の含有量は、バインダーポリマー1
00質量部に対して、通常1〜70質量部の範囲であ
る。
【0005】一方、表面および微細孔が親水性を付与さ
れている支持体を備えた画像記録媒体では無いが、特開
平10−86505号公報には、特定のカチオン性ウレ
タンオリゴマーからなるインクジェット記録紙用耐水化
剤を、普通紙や塗工紙に塗工して形成されたインクジェ
ット記録紙が開示されている。インクジェット記録媒体
として紙を用いた場合、記録後の水付着により染料がに
じみ出るなどの問題が生じ、そのため耐水化剤の使用が
検討されている。耐水化剤として、ジシアンジアミド縮
合物、ポリアミン及びポリエチレンイミン等のカチオン
性樹脂が知られているが、耐水性の不足、色調の変化、
白紙部分の黄変、及びインクにじみ等の問題を生じてい
た。上記カチオン性ウレタンオリゴマーは、染料インク
を用いて紙に印刷した場合に、記録画像の耐水性を向上
させ、色調変化をほとんど無くし、白紙部の黄変もほと
んど無くすることができる。
【0006】上記カチオン性ウレタンオリゴマーは、下
記(A),(B)及び(C)の化合物をイソシアネート
重付加反応させて得られるポリウレタン分子中の3級ア
ミノ基の一部または全部を、酸で中和するかまたは4級
化剤で4級化することにより得られる。 (A)イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を少
なくとも2個有し、重量平均分子量が300〜5,00
0であるポリオール; (B)3級アミノ基を有し、重量平均分子量が300未
満であるジオール、トリオール、ジアミンまたはトリア
ミン化合物; (C)少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機
イソシアネート。なお、この公報の具体的な開示によれ
ば、この様なカチオン性ウレタンオリゴマーの重量平均
分子量は、10,000未満(約1,000〜8,00
0)である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、大判
インクジェットプリンターにおいて、ワンタッチで顔料
インクと染料インクとの切り替えが可能な製品も販売さ
れている。したがって、この様なプリンターのユーザー
が、画像記録媒体の種類を交換することなく、両方のイ
ンクで印刷できることを望むのは当然のことである。と
ころが、これまでの画像記録媒体では、染料インク印刷
と顔料インク印刷の両方において、良好な画像品質を得
ることは困難であった。たとえば、前述の水溶性塩類と
有機バインダーとを含有するインク受容層の場合、顔料
インク印刷においては良好な画像品質が得られるが、染
料インク印刷の場合には、色調変化が生じやすく、カラ
ー画像が黄色側にシフトする傾向があった。
【0008】一方、カチオン性ウレタンオリゴマーを使
用したインクジェット記録紙は、染料インク印刷におい
てその効果を発揮するが、顔料インク印刷の場合は、印
刷部のにじみが目立つ傾向があった。これは、インク中
の着色成分(顔料)が、媒体内部の孔まで移行しやすい
ことが一因であると考えられた。
【0009】したがって、本発明の目的は、画像記録媒
体の種類を交換することなく、染料インクと顔料インク
の両方で印刷できることを望むユーザーの要望に応える
ことが可能な画像記録媒体を提供することにある。より
具体的には、本発明の目的は、染料インク印刷と顔料イ
ンク印刷の両方において、黄変(色調シフト)がなく、
目立つにじみも発生しない良好な画像品質が得られる、
画像記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するために、(i)通気性微細孔を含んで
なり、表面および前記微細孔に親水性が付与されている
支持体と、(ii)その支持体の表面に配置され、バイン
ダーと凝集剤とを含有するインク受容層、とを備えてい
る画像記録媒体において、前記インク受容層が、前記凝
集剤として、分子内にカチオン性官能基を有するカチオ
ン性有機オリゴマーまたは分子内にカチオン性官能基を
有するカチオン性ポリマーを含有することを特徴とす
る、画像記録媒体を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】[作用]本発明の画像記録媒体
は、表面および微細孔に親水性が付与されている多孔質
の支持体と、その支持体の表面に、バインダーと凝集剤
としてのカチオン性有機オリゴマーまたはカチオン性ポ
リマーとを含有するインク受容層とを備えている。これ
により、染料インク印刷と顔料インク印刷の両方におい
て、黄変(色調シフト)がなく、目立つにじみも発生し
ない良好な画像品質が得られる。したがって、染料イン
クと顔料インクの両方で印刷できることを望むユーザー
の要望に応えることが可能な画像記録媒体を提供するこ
とができる。
【0012】前述の様に、水溶性塩類を凝集剤として用
いた場合、染料インク印刷の場合には、色調変化が生じ
ていた。一方、特開平10−86505号公報に開示さ
れている様に、カチオン性有機オリゴマーは、染料イン
クを用いて形成した画像品質を良好にするための耐水化
剤としてすぐれている。しかしながら、カチオン性有機
オリゴマーは、前述の様な水溶性塩系の凝集剤に比べ
て、単独での凝集作用は低かった。すなわち、媒体表面
にインクが印刷された時、顔料をすばやくインク受容層
の表面で凝集(定着)させ、顔料が媒体内部の孔内まで
移行することを効果的に防止するには、さらなる改良を
要していた。本発明によれば、顔料インク印刷の場合に
現れるカチオン性有機オリゴマーの弱点を補うために、
支持体として表面および前記微細孔が親水性を付与され
ているものを用いることで、顔料インク適性を高めるこ
とができる。
【0013】これらの相乗作用の詳細について明らかで
はないが、次の様に考えられる。一般に凝集作用を高め
るには、水溶性塩類の様に、イオン解離性の高い低分子
量化合物が有利である。化合物の分子量は、インク受容
層単位体積あたりの解離可能なイオン数に影響する。し
たがって、通常、イオン解離性の低いカチオン性有機オ
リゴマー単独では、凝集作用は高められない。一方、染
料インク印刷の場合の黄変は、解離可能なイオンが多い
場合ほど起こりやすい。これは、染料がイオンと反応
し、錯体または錯体の様なものを形成し、光の吸収波長
がシフトするためと思われる。したがって、黄変防止の
観点からは、水溶性塩類よりも、上記カチオン性有機オ
リゴマーの方が有利である。カチオン性有機オリゴマー
の凝集作用における弱点は、親水性多孔支持体で補うこ
とができる。カチオン性有機オリゴマーは、水溶性塩類
に比べて、顔料との相互作用が弱く、印刷部位にインク
の分散媒が過度に長く残っていると、顔料凝集反応が遅
くなる。親水性多孔支持体は印刷インクの分散媒をいち
早く吸収し、印刷部位の速乾性を高め、顔料凝集反応を
早くする様に作用するものと考えられる。
【0014】前記インク受容層は、バインダーポリマー
と、カチオン性ポリマー(またはオリゴマー)とを混合
して含む単層から形成されても良いが、好適には、次の
様にして2層を積層した構造であるのが良い。すなわ
ち、(ii-1)前記支持体表面に向けて配置された裏面
とその裏面に対向する表面とを有し、前記バインダーを
含有する基層と、(ii-2)前記基層表面近傍に局在化
する様に一部または全部が前記基層に含浸された前記凝
集剤を含有する上層とを備え、前記凝集剤を含有する上
層とを含んでなる、インク受容層である。この様なイン
ク受容層を用いれば、染料インク印刷と顔料インク印刷
の両方において、黄変防止作用及びにじみ防止作用がい
っそう効果的に高められる。この様にインク受容層が2
層構造を有する場合、インク受容層のバインダーは、イ
オン変性ポリマーを含むのが好ましい。
【0015】(凝集剤)凝集剤は、分子内にカチオン性
官能基を有するカチオン性有機オリゴマー(カチオン性
オリゴマー)または、分子内にカチオン性官能基を有す
るカチオン性有機ポリマー(カチオン性ポリマー)であ
る。カチオン性オリゴマーは、水溶性塩類の様な低分子
量凝集剤と、ポリマーとの中間の分子量を有する。カチ
オン性オリゴマーの重量平均分子量は、通常500〜1
0,000である。また、カチオン性ポリマーの重量平
均分子量は、通常10,000〜1,000,000で
ある。
【0016】カチオン性ポリマーまたはオリゴマーは、
含窒素カチオン性官能基、スルホニウム塩(たとえば、
−SR・X;Rはメチルまたは水素、Xはハロゲンイ
オン)及びホスホニウム塩(−PR・X;Rはメチル
または水素、Xはハロゲンイオン)からなる群から選ば
れた少なくとも1種のカチオン性官能基を分子内に有す
る。含窒素カチオン性官能基は、アミン塩、4級アンモ
ニウム塩(たとえば、−N R・X;Rはメチルまたは
水素、Xはハロゲンイオン)、ピリジニウム塩(たとえ
ば、−NCH・X、Xはハロゲンイオン)及びポリ
エチレンポリアミン(たとえば、−NH(CHNH)H;
mは2〜4)からなる群から選ばれた少なくとも1種か
らなる。
【0017】インク受容層にバインダーポリマーと混合
して添加される場合、カチオン性ポリマーまたはカチオ
ン性オリゴマーは、分子内にスルホニウム塩、ホスホニ
ウム塩、4級アンモニウム塩及びピリジニウム塩からな
る群から選ばれた少なくとも1種のカチオン塩官能基を
有するのが好ましい。これらのカチオン塩官能基は、適
度なイオン解離性を有するので黄変防止に有利であり、
また、親水性多孔支持体の助けを借りて、顔料インク印
刷におけるにじみ等を防止可能な様に凝集作用を発揮で
きる。また、インク受容層のバインダーがイオン変性ポ
リマー(特にアニオン性官能基を含むポリマー)を含む
場合、インク受容層形成用の塗料中でバインダーポリマ
ーと相互作用して、カチオン性ポリマーが凝集体を形成
することなく、安定に分散または溶解した状態を保持可
能である。この様な観点から特に好適には、分子内に4
級アンモニウム塩基を有するポリマーまたはオリゴマー
である。
【0018】カチオン性ポリマーとして、たとえば、そ
れぞれ分子内にカチオン性官能基を含有する、ポリアミ
ン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、または
ポリオキシアルキレンエーテルを主体とする分子主鎖を
有するポリマーが使用できる。カチオン性オリゴマーも
同様に、たとえば、それぞれ分子内にカチオン性官能基
を含有する、ポリアミン、ポリウレタン、ポリウレア、
ポリエステル、またはポリオキシアルキレンエーテルを
主体とする分子主鎖を有するオリゴマーが使用できる。
【0019】本発明で使用可能なカチオン性ポリウレタ
ンは、ポリウレタン合成のための常法に従って調製でき
る。たとえば、ポリイソシアネートと、第4級アンモニ
ウム基等のカチオン性官能基を有するポリオールを含有
するポリオール混合物との反応で調製できる。また、カ
チオン性官能基が4級アンモニウム塩基である場合、
活性水素と第3級アミノ基とを分子内に有する化合物と
ポリオールとの混合物と、ポリイソシアネートとの反
応で得た前駆体を、4級化して調製できる。この様な反
応は、たとえば次の様にして行う。
【0020】まず、窒素置換した反応容器に、分子主鎖
を形成する原料オリゴマーとして、イソシアネート基と
反応し得る活性水素原子を少なくとも2個有するポリオ
ールと、活性水素を持たない溶媒を投入する。ポリオー
ルの重量平均分子量は、通常300〜5,000であ
る。次に、少なくとも2個のイソシアネート基を有する
ポリイソシアネートとを加え、60℃以上に数時間加熱
し、上記原料オリゴマーと反応させる。この反応で得た
生成物を50℃以下に冷却し、その生成物に、活性水素
と3級アミノ基とを有するアミノ基含有化合物とを添加
してから、さらに60℃以上に加熱して数時間反応させ
る。これにより、カチオン性オリゴマー前駆体であるウ
レタンプレポリマーが得られる。アミノ基含有化合物と
しては、それぞれ分子内に活性水素と3級アミノ基とを
有する、ジオール、トリオール、ジアミンまたはトリア
ミン化合物である。これらの化合物の重量平均分子量
は、通常300未満である。この様にして得たウレタン
プレポリマーと酸とを反応させ、上記3級アミノ基を4
級化する。最後に未反応イソシアネート基をつぶすため
に、過剰量の水を加えて、さらに50℃程度で数時間反
応させ、目的のカチオン性オリゴマー(カチオン性ポリ
ウレタンオリゴマー)を含有する水溶液を得ることがで
きる。
【0021】上記ポリオールとしては、たとえば、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA・プロ
ピレンオキサイドの付加重合物、ビスフェノールS・プ
ロピレンオキサイドの付加重合物、アジピン酸系ポリエ
ステル、イソフタル酸系ポリエステル等が使用できる。
上記アミノ基含有化合物としては、たとえば、N−メチ
ル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−
ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、メチルイミノビ
スプロピルアミン、ブチルイミノビスプロピルアミン、
トリ(2−アミノエチル)アミン等が挙げられる。上記
ポリイソシアネートとしては、通常のポリウレタン合成
に用いられるものが使用できる。たとえば、テトラメチ
レンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソ
シアネートが挙げられる。
【0022】また、本発明で使用できるカチオン性ポリ
マーの具体例として、たとえば、日華化学株式会社から
入手可能な4級アンモニウム塩基含有カチオン性ポリア
ミンである、ネオフィックス(商標)IJ−450、日
本PMC株式会社から入手可能なカチオン性ポリアミド
樹脂である、WSシリーズ(商標)等を挙げることがで
きる。また、本発明で使用できるカチオン性オリゴマー
の具体例として、たとえば、日華化学株式会社から入手
可能な4級アンモニウム塩基含有カチオン性ポリウレタ
ンである、ネオフィックス(商標)IJ−150、Witc
o Chemical 社から入手可能な4級アンモニウム塩基含
有有機オリゴマーである、Emcol(商標)CC−
9、Emcol(商標)CC−36、Emcol(商
標)CC−42等を挙げることができる。
【0023】凝集剤としてインク受容層に含まれるカチ
オン性オリゴマーまたはポリマーの量は、バインダーポ
リマー100質量部に対して、通常1〜40質量部、好
適には3〜35質量部、特に好適には5〜30質量部で
ある。含有量が少なすぎると凝集力が低下し、顔料イン
ク印刷においてインク像のにじみが発生するおそれがあ
り、反対に多すぎると、染料インク印刷において黄変が
生じるおそれがある。
【0024】また、本発明の効果を損なわない限り、カ
チオン性オリゴマーまたはポリマーと、アニオン性有機
オリゴマーとを併用することもできる。アニオン性有機
オリゴマーは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステ
ル、またはポリオキシアルキレンエーテルを主体とする
分子主鎖と、アニオン性官能基とを有するオリゴマーで
ある。アニオン性官能基としては、たとえば、カルボン
酸塩系、スルホン酸塩系、燐酸エステル塩系等が挙げら
れる。また、ベタイン系、スルホベタイン系等の両イオ
ン性のオリゴマーも併用できる。これら、カチオン性オ
リゴマーまたはポリマーと併用可能なオリゴマーの重量
平均分子量は、通常500〜8,000である。
【0025】(支持体)支持体は、通気性微細孔を含ん
でなるフィルムまたはシート(以下、「多孔質フィル
ム」と総称する。)から形成でき、その表面及び微細孔
に親水性が付与されている。多孔質フィルムは、上記の
様な効果を奏するものであれば特に限定されず、従来か
ら画像記録媒体に使用されているものが使用できる。た
とえば、PPGインダストリーズ社の多孔性延伸樹脂フィ
ルム、Teslin(商標)多孔質フィルムなど、延伸樹脂フ
ィルムが好適である。
【0026】多孔質フィルムの通気性は、ガレー透気度
を用いてそれを規定すれば、通常10〜3,000秒/
100ml、好適には50〜2,500秒/100m
l、特に好適には100〜2,000秒/100mlの
範囲である。なお、ここで言うガレー透気度は、JIS
P−8117−1980に準拠し、ガレー(Gurley)
透気度試験機を用いて測定した値であり、通常100m
lの体積の空気が通過するのに要する時間(秒)で表わ
される。
【0027】多孔質フィルムの材料の具体例としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−
1、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、スチレン・ブタジエン・アクリルニトリル共重合
体、ナイロン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリ
エステル、共重合ポリエステル等の樹脂が挙げられる。
これらは2種以上混合して用いることができる。これら
の中でも、耐水性、コスト面からは、汎用樹脂であるポ
リプロピレン、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン
が好適である。
【0028】多孔質フィルムの空隙率を高める目的で、
無機微細粉末を含有させるのが良い。無機微細粉末とし
ては、炭酸カルシウム、アルミナ、焼成クレイ、シリカ
等が使用できる。微細粉末の粒径は、通常0.3〜10
μm、好適には0.8〜5μmである。また、その他の
添加剤、たとえば、熱安定剤、紫外線吸収剤、分散剤、
帯電防止剤、酸化防止剤、オイル(鉱油等)などを配合
することもできる。
【0029】多孔質フィルムは、上記樹脂、および必要
に応じ添加される無機微細粉末や添加剤を含んだ樹脂組
成物を延伸して作製できる。フィルムの延伸に用いられ
る延伸装置の具体例としては、インフレーションフィル
ム成形装置、内部マンドレルを備えたインフレーション
フィルム成形装置、テンターまたは縦延伸ロール群とテ
ンターを備えたT−ダイフィルム成形装置を挙げること
ができる。延伸方向は、一軸方向でも二軸方向でもよ
い。
【0030】多孔質フィルムの空隙率(フィルム全体の
体積に占める空隙の体積)は、通常10〜90体積%、
好適には20〜80体積%である。空隙率が小さすぎる
と、乾燥性が低下するおそれがあり、反対に大きすぎる
と、支持体の腰(機械的強度)が低下し、記録媒体の供
給、排出が滑らかに行えないおそれがある。また、フィ
ルムの肉厚断面方向に垂直(延伸フィルムの水平方向)
に切断して測定される孔の径は、通常0.01〜3μ
m、好適には0.02〜2μm、特に好適には0.03
〜1μmである。
【0031】支持体全体の厚さは、30〜1,000μ
m、好ましくは50〜500μmである。厚みが薄すぎ
ると、インク乾燥性が低下するおそれがあり、反対に厚
すぎると、記録媒体の取り扱いに不便が生じるおそれが
ある。媒体が厚すぎると、使用できないタイプのプリン
ターが出てくるおそれがあるが、本発明の画像記録媒体
は、種々のタイプのインクジェットプリンター等の印刷
装置で好適に使用できる。
【0032】本発明の好適な1つの形態では、支持体の
表面および微細孔は、界面活性剤により親水化処理さ
れ、表面および微細孔に親水性が付与される。親水化処
理は、インク受容層を形成するための塗料に界面活性剤
を添加し、その塗料を支持体表面に塗布し、インク受容
層の形成と同時に行もこともできる。しかしながら、親
水化処理を受容層形成前に行うのが好適である。すなわ
ち、まず、支持体の表面に界面活性剤を含む液体を塗布
し、または支持体をその液体に含浸し、親水化処理を行
った後、親水化処理された支持体の表面に、バインダー
ポリマーとカチオン性オリゴマーとを含む液体を塗布す
る等により、インク受容層を形成するのが良い。後者の
方法は、速乾性の高い画像記録媒体を、いっそう容易に
製造できる。
【0033】界面活性剤としては、アニオン性、カチオ
ン性、両性およびノニオン性のいずれもが使用できる。
アニオン性のものとしては、たとえば、カルボン酸塩
系、スルホン酸塩系、燐酸エステル塩系等が使用でき
る。カチオン性のものとしては、たとえば、アミン塩
系、四級アンモニウム塩系等が使用できる。両性のもの
としては、たとえば、ベタイン系、スルホベタイン系等
が使用できる。ノニオン性のものとしては、たとえば、
ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレン系、
ソルビタン系、ソルビトール系等が使用できる。
【0034】親水化処理を、界面活性剤を含む液体を塗
布、乾燥して行う場合、溶媒として、水や、エタノール
等のアルコールを用いるのが好適である。界面活性剤を
含む液体中の界面活性剤濃度は、通常1〜30質量%、
好適には5〜25質量%である。また、塗布装置には、
通常のコータ、たとえば、バーコータ、ナイフコータ、
ロールコータ、ダイコータ等が使用できる。
【0035】また、多孔質フィルム全体、または表面近
傍部分が、比較的多量のアモルファスシリカ粒子を含
み、それにより親水性が付与されている場合、界面活性
剤による親水化処理を省略することができる。シリカ粒
子の粒径は、通常0.3〜10μm、好適には0.8〜
5μmである。また、シリカ粒子の含有量は、多孔質フ
ィルム全体に対して、通常30〜60質量%、好適には
35〜55質量%である。
【0036】(インク受容層)インク受容層のバインダ
ーポリマーとしては、ポリウレタン、ポリオレフィン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、
スチレン・ブタジエン・アクリルニトリル共重合体、ポ
リアミド、アクリル系ポリマー、ポリエステル等が使用
できる。好適には、イオン変性ポリマーである。イオン
変性ポリマーは、カチオン性オリゴマーまたはカチオン
性ポリマーと共同して、顔料や染料を印刷部位に留めて
おき、にじみ防止効果を高める様に作用する。この様な
観点からは、イオン変性ポリマーとカチオン性ポリマー
との組合せが好ましい。なお、イオン変性ポリマーは、
通常、水分散性のものを使用する。
【0037】本発明において好適に使用できるイオン変
性ポリマーは、たとえば、カチオン変性ポリウレタン、
カチオン変性ポリエステル等のカチオン変性ポリマーで
ある。この様なカチオン変性ポリマーを含むインク受容
層は、特にインクジェット印刷された画像の耐水性を高
めるのに有利である。
【0038】イオン変性ポリマーの具体例として、特開
平10−181189号公報に開示されている、分子内
にスルホン酸基を含有するポリウレタンと、エピクロル
ヒドリンポリアミドとの混合物からなるイオン変性ポリ
ウレタンを挙げることができる。エピクロルヒドリンポ
リアミドは、たとえば、アジピン酸とジエチレントリア
ミンの脱水重縮合により得ることができる。分子内にス
ルホン酸基を含有するポリウレタンは、たとえば、分子
内にスルホン酸基を含有する第1のジオールと、分子内
にスルホン酸基を含まない第2のジオールと、ジイソシ
アネートとの重合反応により得ることができる。上記第
1のジオールは、たとえば、ジメチルソジウムスルホイ
ソフタレートとジオールとのエステル交換により得るこ
とができる。
【0039】イオン変性ポリマーの市販の具体例とし
て、大日本インキ化学工業(株)社から市販されてい
る、パテラコール(商標)IJ−170(カチオン変性
ポリウレタンと無機微粉末とを含有する塗料)、パテラ
コール(商標)IJ−21(無機微粉末を含有しない、
カチオン変性ポリウレタン含有塗料)等を挙げることが
できる。
【0040】インク受容層には、インク受容層の多孔性
を高めてインク乾燥性をさらに改良するために、無機微
細粉末を含有させるのが好ましい。無機微細粉末として
は、炭酸カルシウム、アルミナ、焼成クレイ、シリカ
(アモルファスシリカを含む)、珪藻土、タルク、酸化
チタン、硫酸バリウム等が使用できる。微細粉末の粒径
は、通常0.3〜10μm、好適には0.8〜5μmで
ある。無機微細粉末の添加量は、バインダー100質量
部に対して、15〜65質量部、好適には25〜55質
量部である。無機微細粉末の含有量が少なすぎる場合、
インク乾燥性を改良する効果が高められないおそれがあ
り、反対に多すぎる場合は、インク受容層の機械的強度
が不十分になるおそれがある。また、インク受容層に、
その他の添加剤、たとえば、熱安定剤、紫外線吸収剤、
分散剤、帯電防止剤、酸化防止剤などを配合することも
できる。
【0041】インク受容層は、たとえば、カチオン性オ
リゴマーおよびバインダーポリマーを含む液体を、前記
支持体の親水性表面に塗布、乾燥して形成する。その場
合の溶媒として、水やアルコールを用いるのが好適であ
る。また、バインダーを含有する層をまず形成した後
に、カチオン性ポリマー等の凝集剤を含有する塗料を塗
布、乾燥させてインク受容層を形成することもできる。
特に凝集剤がカチオン性ポリマーの様な成膜性が高い材
料である場合、基層用バインダーポリマーを含有する基
層を形成し、その基層の上に凝集剤を含有する塗料を塗
布、乾燥させて凝集剤を含有する上層を形成し、その上
層が基層の表面近傍に局在化する様に、上層の一部また
は全部が基層に含浸された構造のインク受容層を形成す
ることが容易である。この様に、バインダーを含有する
層(基層)を形成した後、その層の表面に凝集剤を含む
塗料を塗布する場合、凝集剤は、インクが適用されるイ
ンク受容層表面に局在するので、凝集剤の効果を高める
のに有利である。なお、この場合、基層に無機微細粉末
を含有させ、上層の一部または全部が含浸しやすい様に
するのが好ましい。
【0042】インク受容層を形成する塗料を塗布する塗
布装置には、通常のコータ、たとえば、バーコータ、ナ
イフコータ、ロールコータ、ダイコータ等が使用でき
る。なお、上層用塗料に含まれるカチオン性ポリマー
(またはオリゴマー)の濃度は、通常0.5〜30質量
%、好適には1〜25質量%である。
【0043】インク受容層(全体)の厚さは広い範囲に
わたって変更することができるが、インク像のにじみを
容易に防止するには比較的厚い方が好適である。一方、
インクの着色材の沈み込みによる発色の低下を効果的に
抑えるには、インク受容層の厚さは薄い方が良い。この
様な観点から、受容層の厚さは、通常5〜100μm、
好適には10〜50μmである。また、インク受容層が
基層と上層とを含む場合、基層の厚さは、通常4.7〜
99μm、好適には9.5〜49μmである。上層の厚
さは、基層の厚さが上記範囲にあり、インク受容層全体
の厚さが、前述の範囲にある様に選択されるのが良い。
たとえば、基層に含浸された部分も含めて上層全体で、
通常0.3〜40μmである。なお、上層の厚さは、通
常は基層の厚さよりも薄い。
【0044】(記録媒体の使用方法)本発明の記録媒体
は、インクジェットプリンタ等の印刷装置により、イン
ク像を記録するために用いられる。インクは、通常、顔
料または染料を含有する着色材と、水、アルコール等の
溶媒とを含んでなる。本発明の記録媒体は、水性インク
(溶媒は水)を用いたインクジェットプリンターによる
記録において、特に効果を発揮し、速乾性と、耐水性と
がともに効果的に高められる。なお、プリンタ条件は、
通常の記録紙の場合と同様であってよい。この様に、特
に特殊な条件での印刷を必要としない点でも、本発明の
記録媒体はすぐれている。
【0045】本発明の記録媒体は、装飾用接着シートの
構成材料として用いることができる。たとえば、支持体
のインク定着面とは反対側の面に、粘着剤等の接着剤を
含む接着層を配置し、接着層の接着面を保護するライナ
ーを配置し、記録媒体、粘着層およびライナーからなる
積層体を形成する。この積層体を、記録媒体単体の場合
と同様にしてプリンターにかけ、記録媒体(インク受容
層の表面)のインク定着面に装飾用の印刷を施し、装飾
用接着シートを作製する。本発明による接着シートは、
通常の装飾用接着シートと同様にして、壁、看板、標
識、車両ボディ、ガラス窓等の被着体表面に接着し、被
着体を装飾することができる。
【0046】
【実施例】実施例1 支持体として、厚さ350μm、空隙率65体積%、孔
径0.01〜1μmの、アモルファスシリカ含有多孔質
フィルムを用いた。この多孔質フィルムは、PPGイン
ダストリーズ社製のTeslin(商標)SP1400であっ
た。この支持体の他方の面に、次の組成の塗料をバーコ
ータにて塗布、乾燥し、インク受容層を形成し、本例の
記録媒体(装飾用接着シートの構成材料となり得る形
態)を得た。なお、塗布層の乾燥は、100℃、3分間
の条件で行い、受容層の厚さは17μmであった。
【0047】 [受容層形成用塗料の組成] ・バインダー:パテラコール(商標)IJ−170 100質量部 ・凝集剤: ネオフィックス(商標)IJ−150 13質量部 ここで、パテラコール(商標)IJ−170は、水分散
性のカチオン変性ポリウレタン(約50質量%のシリカ
粒子含有)を含有するコーティング剤として、大日本イ
ンキ化学工業(株)社から入手可能なものである。ま
た、ネオフィックス(商標)IJ−150は、第4級ア
ンモニウム塩基を分子内に有するカチオン性有機オリゴ
マーを含有するコーティング剤として、日華化学(株)
社から入手可能なものである。なお、受容層用塗料中の
凝集剤成分(カチオン性有機オリゴマー)の量は、バイ
ンダーポリマー100質量部に対して、20質量部であ
った。
【0048】実施例2 本例は、インク受容層が上層及び基層からなる局在化構
造を有する例である。まず、凝集剤を含まない以外は実
施例1と同様にして、インク受容層の基層形成用塗料を
調製し、支持体上に基層を形成した。次に、凝集剤を含
む上層形成用塗料を、基層表面に塗布、乾燥してインク
受容層を形成した。本例で用いた凝集剤は、第4級アン
モニウム塩基を有するカチオン性ポリマーで、ネオフィ
ックス(商標)IJ−450(カチオン性ポリマー濃度
が60質量%のコーティング剤で、上層形成用塗料中の
カチオン性ポリマー濃度を3質量%になる様に希釈し
た。)であった。また、上層の塗布には、バーコータを
用い、上層の乾燥は、100℃、3分間の条件で行い、
インク受容層全体の厚さは18μmであった。
【0049】実施例3 上層の凝集剤を次のものに換えた以外は、実施例2と同
様にして本例の記録媒体を作製した。 凝集剤:WS535(日本PMC株式会社から入手可能
なカチオン性ポリアミド樹脂) なお、WS535はカチオン性ポリマー濃度が35質量
%のコーティング剤で、上層形成用塗料中のカチオン性
ポリマー濃度は5質量%であった。
【0050】比較例1 受容層形成用塗料に凝集剤を添加しなかった以外は、実
施例1と同様にして本例の記録媒体を作製した。比較例2 凝集剤を、硫酸アルミニウム14〜18水和物に換えた
以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗料を調製
し、本例の記録媒体を作製した。なお、硫酸アルミニウ
ムの含有量は、バインダーポリマー100質量部に対し
て15質量部であった。比較例3 支持体を、非多孔質フィルムに換えた以外は、実施例1
と同様にして本例の記録媒体を作製した。この非多孔質
フィルムは、厚さ75μmの白色PETフィルム(東洋
紡績(株)社製のCrysper(商標)K1211)
であった。
【0051】以上の様にして得た各例の画像記録媒体の
インク受容層表面(定着面)に、以下に説明する条件に
おいて印刷を行い、以下に説明する方法で印刷特性を評
価した。評価結果を表1及び2に示す。
【0052】印刷条件及び評価条件 (A)染料インク印刷 ・使用プリンター:Canon BJ F8500 ・使用インク:BCI-8C(Cyan),BCI-8M(Magent
a),BCI-8Y(Yellow),BCI-8PC(Photo Cyan),BCI
-8PM(Photo Magenta),BCI-8PBK(Photo Black) ・印刷条件: 印刷モード:最高品位モード;用紙選択:高品位専用紙
【0053】・印刷品質評価:ISO標準画像のN2
(カフェテリア画像)を上記条件にて印刷し、発色性お
よびにじみを観察した。 ・色濃度:Cyan, Magenta, Yellow及びBlackの各単色の
パターンを印刷し、X−Rite社の色濃度測定装置Spectro
densitometer(商標)で印刷画像の色濃度を測定した。 ・色変化:Cyan, Magenta, Yellow及びBlackの各単色の
パターンを印刷し、比較例1(凝集剤なし)の印刷画像
の各色を基準として、実施例1〜3及び比較例2の印刷
画像のそれぞれ対応する各色における色差(ΔE)を測
定した。
【0054】・乾燥時間:Cyan, Magenta, Yellow及びB
lack4色が全部混ざった部分(400%)の印刷部分
が、表面光沢を失うまでの時間を測定した。 ・耐水性評価 Cyan, Magenta, Yellow及びBlackの各単色のパターンを
印刷し、20℃の水に1時間浸漬後の画像の色濃度を測
定し、浸漬前に対する色濃度の低下を評価した。また、
浸漬後にインクのにじみの有無や状態を観察した。
【0055】(B)顔料インク印刷 ・使用プリンター:Novajet III(Encad製) ・使用インク:3M社製顔料インク、(品番)8550
シリーズ ・印刷条件: 噴射レート:5000Hz;印刷方向:単方向;パス
数:4パス ・印刷品質評価:プリンターに内蔵されているテストパ
ターンを上記条件にて印刷し、ブリーディング(境界に
じみ)、フェザリング(単独にじみ)の状態を観察し
た。 ・耐水性評価:Cyan, Magenta, Yellow及びBlackの各単
色のパターンを印刷し、40℃の水に1時間浸漬後の画
像の色濃度を測定し、浸漬前に対する色濃度の低下を評
価した。また、浸漬後にインクのにじみの有無や状態を
観察した。色濃度及び乾燥時間の測定は、上記染料イン
クの場合と同様にして行った。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)通気性微細孔を含んでなり、表面
    および前記微細孔に親水性が付与されている支持体と、
    (ii)その支持体の表面に配置され、バインダーと凝集
    剤とを含有するインク受容層、とを備えている画像記録
    媒体において、 前記インク受容層が、前記凝集剤として、分子内にカチ
    オン性官能基を有するカチオン性有機オリゴマーまたは
    分子内にカチオン性官能基を有するカチオン性ポリマー
    を含有することを特徴とする、画像記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性有機オリゴマーまたはカ
    チオン性ポリマーのカチオン性官能基が、スルホニウム
    塩、ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩及びピリジニ
    ウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオ
    ン塩官能基である請求項1に記載の画像記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記支持体がアモルファスシリカ粒子を
    含有し、これにより前記支持体表面および前記微細孔に
    親水性が付与されている、請求項1に記載の画像記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 (i)通気性微細孔を含んでなり、表面
    および前記微細孔に親水性が付与されている支持体と、
    (ii)その支持体の表面に配置され、バインダーと凝集
    剤とを含有するインク受容層、とを備えている画像記録
    媒体において、 前記インク受容層は、 (ii-1)前記支持体表面に向けて配置された裏面とそ
    の裏面に対向する表面とを有し、前記バインダーを含有
    する基層と、(ii-2)前記基層表面近傍に局在化する
    様に一部または全部が前記基層に含浸された前記凝集剤
    を含有する上層とを備え、 前記上層は、前記凝集剤として、分子内にカチオン性官
    能基を有するカチオン性有機オリゴマーまたは分子内に
    カチオン性官能基を有するカチオン性ポリマーを含有す
    ることを特徴とする、画像記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記インク受容層のバインダーがイオン
    変性ポリマーを含んでなる、請求項4の画像記録媒体。
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