JP2018176657A - 記録媒体、及び記録媒体の製造方法 - Google Patents

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昌也 浅尾
長瀬 好幸
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好幸 長瀬
オリフィア ヘルランバン
Herlambang Olivia
オリフィア ヘルランバン
岳志 太田
Takashi Ota
岳志 太田
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Abstract

【課題】インク受容層の耐候性、耐水性及びインク吸収性に十分優れた記録媒体を提供する。【解決手段】要件(1)を満たす基材と、基材上に、要件(2)を満たすインク受容層を設けた記録媒体:(1)基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂及びアクリル樹脂から選択される樹脂層を有する非吸収性基材であり、非吸収性基材のインク受容層が形成される面は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基及びアクリル基のいずれかと、−O−Si−O−構造とを有する化合物で被覆され、該化合物の被覆率が50〜100%である。(2)インク受容層は、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ及び湿式シリカから選択される少なくとも1種の無機粒子とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、記録媒体、及び記録媒体の製造方法に関する。
近年、インクジェット方式の画像記録方法を用いて、記録媒体に画像を記録した記録物を、屋外に掲示する場合がある。屋外掲示用途で用いられる記録媒体は、従来の記録媒体と同等のインク吸収性を維持しつつも、従来の記録媒体以上に、インク受容層の耐候性が高いことが求められる。
従来、インク受容層の耐候性を改善する技術として、アクリル樹脂やウレタン樹脂などの水不溶性樹脂をインク受容層に含有させた記録媒体が知られている(特許文献1及び2)。特許文献1には、シリカと水不溶性分散型カチオン性アクリル樹脂とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性が改善することが記載されている。特許文献2には、樹脂フィルム上に、非晶質シリカと水不溶性樹脂と水溶性樹脂とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性及び強度が改善することが記載されている。
インク受容層との密着性を向上させる目的で、樹脂フィルム上にプライマー層を設けたものも提案されている(特許文献3〜6)。特許文献3〜5には、熱可塑性樹脂フィルム上に窒素含有アクリル樹脂を含有するプライマー層を設け、その上にカチオン樹脂と水不溶性樹脂と顔料を含有するインク受容層を設けてなるインクジェット記録用シートによって、耐水性や耐擦過性が改善することが記載されている。特許文献6には、二軸延伸ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、変性ポリエステル、変性ポリウレタン及びシランカップリング剤より選ばれた1種又は2種以上からなるプライマー被覆層を設け、該被覆層表面にポリエステル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂よりなる接着層を設け、該接着層表面にポリビニルアセタール樹脂よりなるインク受容層をさらに設けてなるインクジェット用記録シートにおいて、耐水性が改善することが記載されている。
特開2001−001629号公報 特開平10−272832号公報 特開2005−7675号公報 特開2004−181935号公報 特開平10−119428号公報 特開平7−314884号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1〜6に記載の記録媒体では、インク受容層の耐候性は改善されるものの、本発明で求めるレベルには達していないのが現状である。
したがって、本発明の目的は、インク受容層の耐候性、耐水性、及びインクの吸収性に十分優れた記録媒体を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、下記要件(1)を満たす基材と、該基材上に、下記要件(2)を満たすインク受容層を設けた記録媒体である:
(1)基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材であり、該非吸収性基材のインク受容層が形成される面は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかと、−O−Si−O−構造とを有する化合物で被覆され、かつ、該化合物の被覆率が50〜100%である。
(2)インク受容層は、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含む。
また、本発明は、基材と、該基材上に、インク受容層を設けた記録媒体の製造方法であって、前記基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材であり、下記工程(1)及び(2)を有することを特徴とする記録媒体の製造方法である:
(1)アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤で、基材のインク受容層が形成される面を表面処理する工程。
(2)前記基材上に、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含むインク受容層を形成する工程。
本発明によれば、インク受容層の耐候性、耐水性、及びインクの吸収性に十分優れた記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
<記録媒体>
本発明の記録媒体は、下記要件(1)を満たす基材と、該基材上に、下記要件(2)を満たすインク受容層を設けた記録媒体である。
(1)基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材であり、該非吸収性基材のインク受容層が形成される面は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかと、−O−Si−O−構造とを有する化合物で被覆され、かつ、該化合物の被覆率が50〜100%である。
(2)インク受容層は、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含む。
非吸収性基材として樹脂フィルム基材を用いる場合、一般的に、その樹脂フィルム層の表面に、ゼラチン又はポリビニルアルコールなどによるアンカー層を設けた後に、インク受容層が形成される。しかし、このような記録媒体を屋外に掲示した場合には、インク受容層中へ水が浸入したり、光によりバインダー樹脂成分が酸化したりするために、インク受容層の強度が弱くなり、インク受容層が非吸収性基材から剥離することがある。また、バインダー量を増やすことにより、インク受容層の強度低下を抑制することもできるが、バインダー量を増やすと、インクの吸収性が低下するため、印刷時にブリードなどが発生しやすくなり好ましくない。
本発明においては、非吸収性基材上に、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含むインク受容層を形成することにより、インク受容層中への水の浸入を抑制することができる。
具体的には、まず、非吸収性基材のインク受容層が形成される面に、コロナ放電処理等の表面酸化処理を施し、非吸収性基材表面の分子鎖を切断して酸素官能基を形成させる。次いで、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤を用いて、非吸収性基材のインク受容層が形成される面を表面処理する。表面処理を行うことにより、表面酸化処理によって形成された酸素官能基とシランカップリング剤のシラノール基とが化学結合し、強固に密着する。また、シランカップリング剤が有する有機官能基(アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アクリル基)が、バインダー(アクリル樹脂、ウレタン樹脂)と結合して、基材とインク受容層との密着性を向上させることができる。このように、本発明においては、バインダー量を増やすことなく、インク受容層の耐候性及び耐水性を向上させることができる。
本発明の記録媒体は、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
[基材]
本発明に用いられる基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材である。非吸収性基材としては、例えば、ポリプロピレンを延伸し、特殊加工を施したユポ(登録商標、ユポ・コーポレーション社製)に代表されるいわゆる合成紙や、パルプ等の吸収性基材を非吸収性樹脂で被覆して得られる非吸収性樹脂被覆シートが挙げられる。
非吸収性基材の膜厚は、50μm以上400μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることがより好ましい。なお、本発明において、基材の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基材の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基材の膜厚とする。なお、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
また、非吸収性基材は、不透明度や白色度、色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤、群青等のブルーイング剤などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上させることができる点から、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。非吸収性基材中の白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。白色顔料の含有量が25質量%以下であれば、十分な白色顔料の分散安定性を得ることができる。
本発明において、非吸収性基材のインク受容層が形成される面は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかと、−O−Si−O−構造とを有する化合物で被覆されている。該化合物は、非吸収性基材のインク受容層が形成される面を、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤で表面処理することにより形成される。また、非吸収性基材における該化合物の被覆率は、50〜100%である。被覆率が50%よりも低いと、非吸収性基材とインク受容層との密着性が低下し、十分な耐候性と耐水性が得られない。なお、被覆率は、下式より求めた値である。
被覆率(%)={(シランカップリング剤の塗工量(g)×シランカップリング剤の最小被覆面積(m/g))/シランカップリング剤を塗布した非吸収性基材の表面積(m)}×100
ここで、シランカップリング剤の最小被覆面積とは、シランカップリング剤を非吸収性基材表面に1層コーティングしたときの単位グラム当たりの面積(m/g)を表す。なお、上記式より求めた被覆率が100%を超える場合は、被覆率は100%であるものとする。
(表面処理)
以下、表面処理について説明する。まず、非吸収性基材のインク受容層が形成される面を、シランカップリング剤で処理する。具体的には、水または水とアルコールの混合液に、ホモミキサー、アジテーター、ボールミル、超音波分散機等で攪拌しながら、徐々にシランカップリング剤を添加し、シランカップリング剤を加水分解、縮合させて、シランオリゴマーを形成させる。このようにして、シランカップリング剤の濃度が1〜50質量%である、シランカップリング剤を加水分解した水溶液を調製する。
表面処理に用いられるシランカップリング剤は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有し、以下の一般式で表される。
一般式 RSiX4−p
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Xは加水分解基を表し、pは1以上3以下の整数を表す。ただし、少なくとも1つのRは、置換基を有する炭化水素基であり、pが2又は3の場合に複数存在するRは、互いに同一でも異なっていてもよい。)
Rで表される炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基及びアリール基等を挙げることができる。なお、該炭化水素基中の炭素原子が窒素原子または酸素原子に置き換わった構造を有していてもよい。Rで表される炭化水素基が有する置換基は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかである。これらの官能基は、インク受容層に含まれるアクリル樹脂及びウレタン樹脂との接着力に優れているため、基材とインク受容層との密着性を向上させることができる。該アミノ基は置換アミノ基であってもよく、該置換基としては、アミノ基を有する炭素数1以上6以下のアルキル基等が挙げられる。また、該イミノ基は置換イミノ基であってもよく、該置換基としては、炭素数1以上6以下のアルキル基等が挙げられる。Rが含む炭素数は、1以上10以下が好ましい。
Xで表される加水分解基としては、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基を挙げることができる。
上記一般式で表されるシランカップリング剤としては、具体的に、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
水と混合して用いるアルコールは、特に限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。また、アルコールの水との混合割合も特に限定されないが、アルコールの混合比(アルコール/水、体積比)が0.01〜0.5であることが好ましい。
なお、必要に応じて、有機酸等を添加してpHを調整し、シランカップリング剤の加水分解や縮合反応の進行を制御してもよい。
次いで、シランカップリング剤を加水分解した水溶液を非吸収性基材上に塗布する。該水溶液の非吸収性基材への塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、トランスファーコーター、ダイコーター、キスコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、エクストルージョン方式を利用したコーター、スライドホッパー方式を利用したコーターなどを用いることができる。
また、該水溶液の塗工量(シランカップリング剤の塗工量)は、乾燥固形分換算で、0.001g/m以上0.1g/m以下が好ましい。乾燥後の塗工量が0.001g/m以上であれば、塗工液が均一に塗布されて、耐候性がより向上する。また、乾燥後の塗工量が0.1g/m以下であれば、乾燥時間が過度に長くなることがなく、生産性の低下を抑制することができる。
なお、非吸収性基材の表面のアミノ基、イミノ基、エポキシ基、アクリル基、及び−O−Si−O−構造の存在の有無は、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)分析やX線光電子分光(XPS)によって確認することができる。
[インク受容層]
本発明において、インク受容層は単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。また、インク受容層は、上記非吸収性基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。すなわち、本発明において、基材のインク受容層が形成される面とは、基材の片面または両面を意味する。
非吸収性基材の片面におけるインク受容層の膜厚は、15μm以上60μm以下であることが好ましく、25μm以上50μm以下であることがより好ましい。また、インク受容層用塗工液の塗工量は、乾燥固形分換算で、5g/m以上40g/m以下であることが好ましい。乾燥後の塗工量が5g/m以上であれば、インク吸収性の向上効果を十分に得ることができる。また、乾燥後の塗工量が40g/m以下であれば、塗工液の塗工安定性が得やすくなる。
以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層は、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子を含有する。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができる点から、シリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化ケイ素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を得る方法が知られている。本発明においては、湿式法により得られるシリカ(以下、「湿式シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。湿式シリカとしては、沈降法シリカやゲル法シリカが挙げられる。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態でインク受容層用塗工液に用いられてもよい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、1μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上9μm以下がより好ましい。なお、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、レーザー回折法によって測定される体積平均二次粒子径である。
本発明において、インク受容層中の無機粒子の含有量は、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
(バインダー)
本発明において、インク受容層は、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーを含有する。なお、本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。アクリル樹脂及びウレタン樹脂は、インク受容層用塗工液において樹脂粒子の状態(エマルションの状態)で用いられることが好ましい。
本発明においては、インク吸収性、耐候性及び耐水性の観点から、インク受容層中のバインダーの含有量が、無機粒子の含有量100質量%に対して、50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。バインダーの含有量が50質量%以上であれば、十分な強度が得られ、耐水性と耐候性がより向上する。また、バインダーの含有量が100質量%以下であれば、インク吸収性の低下を抑制することができる。
以下、インク受容層に含有される各バインダーについて、説明する。
(1)アクリル樹脂
本発明において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして用いるのであれば、単重合体でも、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。また、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと共重合することができるその他のモノマーとしては、ビニル系モノマーが挙げられる。具体的に、ビニル系モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、スチレンスルホン酸などのスチレン類及びその誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾン、ビニルスルホン酸などのビニルエーテル類及びその誘導体が挙げられる。
本発明において、アクリル樹脂は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、又は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体であることが好ましい。中でも、ガラス転移点が比較的高いメタクリル酸エステルと、ガラス転移点が比較的低いアクリル酸エステルとの共重合体は、最終的に得られるアクリル樹脂のガラス転移点を、その共重合比率によって制御することができるためより好ましい。
本発明において、アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は、−10℃以上20℃以下であることが好ましい。なお、樹脂のガラス転移点は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定することができる。
本発明において、アクリル樹脂は、カチオン性アクリル樹脂及びノニオン性アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。特に、得られる画像の発色性の観点からは、カチオン性アクリル樹脂が好ましく、インク受容層用塗工液の塗工安定性の観点からは、ノニオン性アクリル樹脂が好ましい。
(2)ウレタン樹脂(ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、ポリエーテル変性ウレタン樹脂)
本発明において、ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂を意味する。本発明において、バインダーがウレタン樹脂を少なくとも1種含む場合、該ウレタン樹脂は、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。以下、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂をまとめて、単に「ウレタン樹脂」ともいう。
ウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールと鎖延長剤とを反応させることによって得られる化合物であることが好ましい。
具体的に、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどの脂環式イソシアネートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとして、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオールを用いることにより、ポリエーテル変性ウレタン樹脂が得られる。また、ポリオールとして、ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネート系ポリオールを用いることにより、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂が得られる。これらのポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鎖延長剤としては、エチレングリコールなどの低分子グリコールや、低分子ジアミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素原子を含有する化合物を使用することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ウレタン樹脂は、カチオン性ウレタン樹脂及びノニオン性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、ウレタン樹脂のガラス転移点は、−60℃以上0℃以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、上記以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、架橋剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、インク定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
中でも、インク定着剤として、上記アクリル樹脂やウレタン樹脂以外のカチオン性樹脂や、多価金属塩を含有することが好ましい。カチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物などが挙げられる。多価金属塩としては、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。これらの中でも、カルシウム化合物が好ましく、硝酸カルシウム四水和物がより好ましい。
<記録媒体の製造方法>
本発明に係る記録媒体の製造方法は、少なくとも下記工程(1)及び(2)を有する。
(1)アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤で、基材のインク受容層が形成される面を表面処理する工程。
(2)前記基材上に、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含むインク受容層を形成する工程。
また、本発明に係る記録媒体の製造方法は、少なくとも上記工程(1)の前に下記工程(3)を有することが好ましい。
(3)前記基材のインク受容層が形成される面を表面酸化処理する工程。
以下、記録媒体の製造方法について説明する。
本発明においては、まず、基材としての、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材のインク受容層が形成される面に、表面酸化処理を施す。これにより、非吸収性基材表面の分子鎖を切断して酸素官能基を形成させる。次いで、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤を用いて、非吸収性基材のインク受容層が形成される面を表面処理する。これにより、表面酸化処理によって形成された酸素官能基とシランカップリング剤のシラノール基とが化学結合し、強固に密着する。また、シランカップリング剤が有する有機官能基(アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アクリル基)がバインダー(アクリル樹脂、ウレタン樹脂)と結合して、基材とインク受容層の密着性を向上させることができる。そのため、本発明においては、バインダー量を増やすことなく、インク受容層の耐候性を向上できる。
[非吸収性基材を表面酸化処理する工程]
表面酸化処理としては、具体的に、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、フレーム処理などが挙げられる。これらの中でも、工業的には、コロナ放電処理が好ましい。表面酸化処理は、非吸収性基材表面のJIS R 3257 静滴法に準じて測定した蒸留水との接触角が60°以下になるように処理条件を設定して行うことが好ましい。
例えば、コロナ放電処理を行う場合、処理量は、10〜200W・分/mが好ましく、20〜150W・分/mがより好ましい。処理量が10W・分/m以上であれば、コロナ放電処理の効果を十分に得ることができる。また、200W・分/mを超える処理量においては、処理の効果が頭打ちとなる。
[非吸収性基材をシランカップリング剤で表面処理する工程]
次に、非吸収性基材をシランカップリング剤で表面処理する工程においては、前述したように、シランカップリング剤を加水分解した水溶液を調製し、該水溶液を非吸収性基材上に塗布する。
[非吸収性基材上にインク受容層を形成する工程]
非吸収性基材上にインク受容層を形成する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。まず、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子を含むインク受容層用塗工液を調製する。そして、非吸収性基材上に該塗工液を塗工し、乾燥することにより、本発明の記録媒体を得ることができる。
インク受容層用塗工液の塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、トランスファーコーター、ダイコーター、キスコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、エクストルージョン方式を利用したコーター、スライドホッパー方式を利用したコーターなどを用いることができる。なお、塗工時に、塗工液を加温してもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<記録媒体の作製>
[基材の用意]
(基材1の作製)
以下の手順に従って基材を作製した。まず、純水とイソプロピルアルコール(IPA)の混合水溶液を95g調製した。なお、純水とIPAの比率(IPA/純水、体積比)は0.1とした。さらに、この混合水溶液に、シランカップリング剤として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM−602、最小被覆面積:380m/g、信越化学工業社製)5gを徐々に添加した。その後、1時間攪拌して、シランカップリング剤を加水分解した水溶液を調製した。
次に、ポリプロピレン合成紙(商品名:南亞BJEAA、紙厚:180μm、南亞プラスチック社製)のインク受容層を形成する面(片面)にコロナ放電処理(50W・分/m)を施した。その後、上記のシランカップリング剤を加水分解した水溶液を、合成紙のコロナ放電処理を施した面に、乾燥後固形分が0.006g/mとなるように、汲み上げロール式塗布装置を用いて塗布し、80℃で乾燥して、表面処理したポリプロピレン合成紙を得た。これを基材1とした。
なお、基材1の表面にアミノ基と−O−Si−O−構造とを有する化合物が存在することは、XPSにより確認した。また、下式より計算した該化合物の被覆率は100%であった。
被覆率(%)={(シランカップリング剤の塗工量(g)×シランカップリング剤の最小被覆面積(m/g))/シランカップリング剤を塗布した基材の表面積(m)}×100
(基材2〜8、12〜14の作製)
表1に示す非吸収性基材及びシランカップリング剤を用いたこと以外は、基材1の作製と同様の手順で基材の表面処理を行い、基材2〜8、12〜14を得た。なお、アミノ基またはイミノ基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤を用いた表面処理においては、シランカップリング剤の加水分解を促進させるために、酢酸を用いて混合水溶液のpHを4に調整した。また、各基材の作製に使用した非吸収性基材及びシランカップリング剤の商品名及び製造元を以下に示す。
(非吸収性基材)
・ポリプロピレン合成紙(商品名:南亞PL−100、紙厚:100μm、南亞プラスチック社製)
・白色PETフィルム(商品名:メリネックス339、紙厚:125μm、帝人デュポンフィルム社製)
・塩化ビニルフィルム(商品名:LLJET 光沢塩ビグレー糊EX LLSPEX133、紙厚:130μm、桜井社製)
(シランカップリング剤)
・N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−603、最小被覆面積:351m/g、信越化学工業社製)
・3−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−903、最小被覆面積:353m/g、信越化学工業社製)
・3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(商品名:KBE−9103、最小被覆面積:258m/g、信越化学工業社製)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、最小被覆面積:330m/g、信越化学工業社製)
・3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−5103、最小被覆面積:333m/g、信越化学工業社製)
・ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1003、最小被覆面積:515m/g、信越化学工業社製)
・3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−803、最小被覆面積:398m/g、信越化学工業社製)
・3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−9007、最小被覆面積:315m/g、信越化学工業社製)
(基材9〜11の作製)
基材1の作製において、シランカップリング剤の塗工量を減らして、アミノ基と、−O−Si−O−構造とを有する化合物の被覆率を50%としたものを基材9とし、被覆率を40%としたものを基材11とした。また、基材1においてコロナ放電処理を施さなかったものを基材10とした。
(基材15の作製)
特許文献3の実施例1に記載の方法で、四級窒素含有アクリル系樹脂を含むプライマー層用塗料を調製した。次に、ポリプロピレン合成紙(商品名:南亞BJEAA、紙厚:180μm、南亞プラスチック社製)に、上記のプライマー層用塗料を、乾燥後固形分が0.1g/mとなるように、バーコーターを用いて塗布した後、80℃で乾燥した。これを基材15とした。
(基材16〜20の作製)
シランカップリング剤による表面処理を行っていないポリプロピレン合成紙:南亞BJEAAと南亞PL−100を、それぞれ基材16及び17とした。また、アクリル樹脂でプライマー処理されたポリプロピレン合成紙(商品名:南亞BJET5、紙厚:180μm、南亞プラスチック社製)を基材18とし、シランカップリング剤による表面処理を行っていない白色PETフィルムと塩化ビニルフィルムを、それぞれ基材19及び20とした。
作製した基材を表1に示す。なお、基材11〜20は、比較例用の基材である。
Figure 2018176657
[無機粒子分散液の調製]
(湿式シリカ分散液の調製)
純水中に、無機粒子として湿式シリカ(商品名:ミズカシルP−50、水澤化学工業社製)を添加した後、ミキサーで30分間撹拌し、固形分濃度が20質量%である無機粒子分散液Aを調製した。
(気相法シリカ分散液の調製)
純水78.5部に対して、カチオン性ポリマーとしてポリジアリルジメチルアミン塩酸塩(商品名:シャロールDC902P、固形分濃度:50質量%、第一工業製薬社製)を1.11部(気相法シリカ100部に対して、固形分換算で3部)、添加した。この水溶液を、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型、特殊機化工業社製)を用いて3,000rpmの回転条件で攪拌しながら、気相法シリカ(商品名:アエロジル(登録商標)300、日本アエロジル社製)18.5部を少量ずつ添加した。さらに、CLEARMIX(商品名、エム・テクニック社製)を用いて10000rpmの回転条件で30分間処理を行い、固形分濃度が20質量%である無機粒子分散液Bを調製した。
(アルミナ水和物分散液の調製)
純水79.2部に、解膠酸として70%メタンスルホン酸0.4部を添加してメタンスルホン酸水溶液とした。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型、特殊機化工業社製)を用いて3,000rpmの回転条件で攪拌しながら、アルミナ水和物(商品名:DISPERAL HP14、含水率2%、サソール製)20.4部を少量ずつ添加した。添加終了後、30分間攪拌して、固形分濃度が20質量%である無機粒子分散液Cを調製した。
[記録媒体の作製]
以下の方法により各記録媒体を作製した。
(実施例1:記録媒体1の作製)
カチオン性アクリル樹脂:モビニール7820(商品名、固形分濃度:45%、日本合成化学工業社製)15.56部、硝酸カルシウム四水和物1部、無機粒子分散液A60部、及び純水23.44部を配合して、固形分20質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、30μmのインク受容層を有する記録媒体1を得た。
(実施例2:記録媒体2の作製)
ポリカーボネート変性ウレタン樹脂:ハイドランWLS210(商品名、固形分濃度:35%、DIC製)20部、硝酸カルシウム四水和物1部、無機粒子分散液A60部、純水19部を配合して、固形分20質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材2の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体2を得た。
(実施例3:記録媒体3の作製)
ポリカーボネート変性ウレタン樹脂に変えて、ポリエーテル変性ウレタン樹脂:ハイドランWLS201(商品名、固形分濃度:35%、DIC製)を用いた以外は、実施例2と同様にしてインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材3の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体3を得た。
(実施例4:記録媒体4の作製)
実施例1と同様にしてインク受容層用塗工液を調製し、上記基材4の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体4を得た。
(実施例5:記録媒体5の作製)
無機粒子分散液Aに変えて、無機粒子分散液Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材5の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体5を得た。
(実施例6:記録媒体6の作製)
無機粒子分散液Aに変えて、無機粒子分散液Cを用いた以外は、実施例1と同様にしてインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材6の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体6を得た。
(実施例7〜10:記録媒体7〜10の作製)
実施例1と同様にしてインク受容層用塗工液を調製し、それぞれ上記基材7〜10の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体7〜10を得た。
(実施例11〜14:記録媒体11〜14の作製)
カチオン性アクリル樹脂と無機粒子の比率(バインダー/無機粒子)を、それぞれ表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして記録媒体11〜14を得た。
(比較例1〜10:記録媒体15〜24の作製)
実施例1と同様にしてインク受容層用塗工液を調製し、それぞれ上記基材11〜20の表面処理を施した面に、乾燥塗工量が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥して、記録媒体15〜24を得た。
作製した記録媒体を表2に示す。
<評価>
得られた記録媒体1〜24を用いて、以下の手順で、耐候性試験、耐水性試験、及び吸収性試験を行った。なお、本発明においては、下記の耐候性試験と耐水性試験の評価基準は、3以上を好ましいレベル、4以上をより好ましいレベルとし、2以下を許容できないレベルとした。また、吸収性試験の評価基準は、2以上を好ましいレベル、3以上をより好ましいレベルとし、1を許容できないレベルとした。結果を表2に示す。
(耐候性試験)
得られた記録媒体に対して、キセノンフェザーメーター(型式:XL−750、スガ試験機社製)を用いて、キセノン暴露試験を行った。
・試験条件
積算照射:11000KLX
試験槽内温湿度条件:23℃、50%RH
・耐キセノン性の評価方法
記録媒体の表面に、黒紙ニューカラーR(商品名、リンテック社製)を、75g/cmの荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER(商品名、テスター産業社製)にて20回往復させた。インク受容層表面と接触しない黒紙の部分とインク受容層表面と接触した黒紙の部分の光学濃度(OD)を、光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定し、膜強度を以下の計算式で表した。
膜強度(%)=(インク受容層表面と接触した黒紙のOD/インク受容層表面と接触しない黒紙のOD)×100
耐候性は、以下の基準で評価した。なお、試験前の記録媒体の膜強度が95%以上であることが前提である。
5:試験後の膜強度が97%以上である
4:試験後の膜強度が85%以上97%未満である
3:試験後の膜強度が80%以上85%未満である
2:試験後の膜強度が70%以上80%未満である
1:試験後の膜強度が70%未満である
(耐水性試験)
流水試験前後の膜強度によって耐水性を評価した。得られた記録媒体の表面に80℃の温水を48時間流して、一晩乾燥させた。記録媒体の表面に、黒紙ニューカラーR(商品名、リンテック社製)を75g/cmの荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER(商品名、テスター産業社製)にて20回往復させた。インク受容層表面と接触しない黒紙の部分とインク受容層表面と接触した黒紙の部分のODを、光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定し、膜強度を以下の計算式で表した。
膜強度(%)=(インク受容層表面と接触した黒紙のOD/インク受容層表面と接触しない黒紙のOD)×100
耐水性は、以下の基準で評価した。なお、試験前の記録媒体の膜強度が95%以上であることが前提である。
5:試験後の膜強度が97%以上である
4:試験後の膜強度が85%以上97%未満である
3:試験後の膜強度が80%以上85%未満である
2:試験後の膜強度が70%以上80%未満である
1:試験後の膜強度が70%未満である
(吸収性試験)
得られた記録媒体に、インクジェット記録装置(商品名:imadePROGRAF iPF6400、キヤノン社製)を用いて、印字モード合成紙(糊なし)標準モードでシアンインクのベタ画像を記録し、印字直後のインクの乾き具合及び得られた画像におけるインクの溢れを目視で観察した。なお、記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。インク吸収性は、以下の基準で評価した。
4:印字直後のインク乾き具合が非常に良好で、溢れもまったく見られなかった
3:印字直後のインクの乾き具合が低下し、印字後5秒超え、8秒以内に乾き、溢れも殆ど見られなかった
2:印字直後のインクの乾き具合が低下し、印字後8秒超え、10秒以内に乾き、溢れは僅かに見られた
1:印字直後のインクの乾き具合が悪く、印字後10秒を超えても乾かず、溢れも顕著に見られた
Figure 2018176657

Claims (6)

  1. 下記要件(1)を満たす基材と、該基材上に、下記要件(2)を満たすインク受容層を設けた記録媒体:
    (1)基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材であり、該非吸収性基材のインク受容層が形成される面は、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかと、−O−Si−O−構造とを有する化合物で被覆され、かつ、該化合物の被覆率が50〜100%である。
    (2)インク受容層は、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含む。
  2. 前記インク受容層中のバインダーの含有量は、無機粒子の含有量100質量%に対して、50質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の記録媒体。
  3. 基材と、該基材上に、インク受容層を設けた記録媒体の製造方法であって、前記基材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択される樹脂層を有する非吸収性基材であり、下記工程(1)及び(2)を有することを特徴とする記録媒体の製造方法:
    (1)アミノ基、イミノ基、エポキシ基、及びアクリル基のいずれかを有するシランカップリング剤で、基材のインク受容層が形成される面を表面処理する工程。
    (2)前記基材上に、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダーと、アルミナ水和物、気相法シリカ、及び湿式シリカからなる群より選択される少なくとも1種の無機粒子とを含むインク受容層を形成する工程。
  4. 前記工程(1)の前に下記工程(3)を有する、請求項3に記載の記録媒体の製造方法:
    (3)前記基材のインク受容層が形成される面を表面酸化処理する工程。
  5. 前記表面酸化処理がコロナ放電処理である、請求項4に記載の記録媒体の製造方法。
  6. 前記シランカップリング剤の塗工量が、乾燥固形分換算で、0.001g/m以上0.1g/m以下である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。
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