JP2002360526A - 心機能評価機能付き血圧測定装置 - Google Patents
心機能評価機能付き血圧測定装置Info
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Abstract
着が容易となる心機能評価機能付き血圧測定装置を提供
する。 【解決手段】上腕部14に装着するカフ12の上流端に
圧脈波センサ28をそのカフ12に一体的に設け、カフ
12によって上腕部14が止血されているときにその圧
脈波センサ28により圧脈波を検出する。この圧脈波は
大動脈圧波形と同じ形状であることから、駆出時間決定
手段(心機能パラメータ算出手段)により、その圧脈波
の立ち上がり点とダイクロティックノッチとの時間差か
ら駆出時間ETを算出することができる。従って、駆出時
間ETを算出するためには、圧脈波センサ28を一体的に
備えたカフ12を上腕部14に装着するだけでよく、ま
た、血圧BPもそのカフを用いて測定できるので、心機能
および血圧を測定するための装置の装着が容易となる。
Description
備えた血圧測定装置に関するものである。
圧を測定することが一般的である。しかし、心臓は循環
器の一つではあるが、血圧だけでは心機能を評価は困難
である。そこで、血圧とともに心機能を評価することが
必要となる場合もある。
は、心臓から実際に血液が駆出されている時間である駆
出時間、心筋の活動開始から実際に血液が駆出されるま
での時間である前駆出時間、心臓の機械的な効率である
心機械効率などの心機能パラメータを算出することが行
われ、また、それら心機能パラメータは大動脈圧波形に
基づいて算出することができる。たとえば、駆出時間
は、大動脈圧波形の立ち上がり点からダイクロティック
ノッチまでの時間から算出することができ、また、前駆
出時間は心電図のQ波の発生時点から大動脈圧波形の立
ち上がり点が発生するまでの時間から算出することがで
きる。
出することが困難であることから、他の部位で動脈圧波
形を測定し、その測定した動脈圧波形から大動脈圧波形
を推定して、その推定した大動脈圧波形に基づいて前記
心機能パラメータを算出する心機能評価装置が提案され
ている。たとえば、本出願人が先に出願して公開された
特開平11−113860号公報、特開2000−33
910号公報、特開2000−333911号公報にそ
れぞれ記載された装置がそれである。これらの公報に記
載された装置では、手首で検出した橈骨動脈圧波形に基
づいて大動脈圧波形を推定し、その推定した大動脈圧波
形を用いて心機能パラメータを算出している。また、上
記公報に記載された装置では、心機能パラメータの算出
とともに血圧も測定することができる。
載された装置では、上腕にカフを装着し、圧脈波センサ
を内部に備えた圧脈波検出プローブを手首に装着し、生
体の所定部位に心電図検出用の複数の電極を貼着し、さ
らに心音マイクロホンを心臓の近傍に配置する必要があ
るので、それらを生体に装着することは比較的面倒であ
る。そのため、血圧を測定するとともに心機能を評価す
ることがより容易に行える装置が望まれている。特に現
在では在宅医療が重要となりつつあることから、家庭で
も簡便に血圧とともに心機能を測定できる装置が望まれ
ている。
ものであって、その目的とするところは、心機能および
血圧を測定するための装置の装着が容易となる心機能評
価機能付き血圧測定装置を提供することにある。
成するために種々検討を重ねた結果、以下の知見を見い
だした。すなわち、血圧測定に用いられるカフなどで上
腕部を止血しているときは、その止血部位の上流側で検
出される圧脈波は大動脈圧波形と同じ形状であることか
ら、カフが装着されたときにそのカフの上端に位置する
ように、圧脈波センサをそのカフに一体的に備え、カフ
によって上腕部が止血されているときにその圧脈波セン
サによって圧脈波を検出すれば、血圧を測定するカフを
装着すると同時に大動脈圧波形を検出するためのセンサ
を装着することができるとの知見を見いだした。本発明
はかかる知見に基づいて成されたものである。
項1に係る発明は、生体の上腕部への圧迫圧力を変化さ
せるカフを備え、該カフの圧迫圧力を所定の徐速変化速
度で変化させて該生体の血圧値を測定する形式の血圧測
定装置であって、(a)前記カフにより前記上腕部を止血
させる止血手段と、(b)前記カフによって止血される部
位よりも上流側で発生する圧脈波が検出可能なように該
カフに一体的に設けられた圧脈波センサと、(c)前記止
血手段により前記カフが前記上腕部を止血している状態
において該圧脈波センサによって検出される圧脈波に基
づいて、前記生体の心機能に関連する心機能パラメータ
を算出する心機能パラメータ算出手段とを含むことを特
徴とする。
フによって上腕部が止血される部位よりも上流側で発生
する圧脈波を検出することから、止血手段によりカフが
上腕部を止血している状態で圧脈波センサにより検出さ
れる圧脈波の波形は、大動脈圧波形と同じ波形である。
従って、心機能パラメータ算出手段により、その圧脈波
に基づいて心機能パラメータを算出することができる。
また、血圧も上腕部に装着されたカフを用いて測定でき
る。従って、心機能パラメータおよび血圧を測定するた
めに生体に装着する装置が少なくなるのでその装着が容
易になる。
に係る発明は、前記心機能パラメータ算出手段は、前記
圧脈波センサによって検出される圧脈波の立ち上がり点
とダイクロティックノッチとの時間差から駆出時間を算
出するものであることを特徴とする。
的に設けられた圧脈波センサによって検出される圧脈波
のみから算出でき、圧脈波以外の生体信号を検出するた
めに他のセンサを装着する必要がないので、心機能パラ
メータを測定するための装置の装着が容易になる。
に係る発明は、前記生体の所定部位に装着される複数の
電極を備え、その電極を介して心筋の活動電位を示す心
電信号を検出する心電計をさらに備え、前記心機能パラ
メータ算出手段は、その心電計によって心電図のQ波が
検出された時間と、前記圧脈波センサによって圧脈波の
立ち上がり点が検出された時間との時間差を前駆出時間
として算出するものであることを特徴とする。
記載された装置では、駆出時間を測定するためには、カ
フ、圧脈波センサおよび心音マイクロホンを生体に装着
することを必要とし、前駆出時間を測定するためには、
さらに心電計に備えられた複数の電極を生体に装着する
必要があったが、この発明によれば、駆出時間および前
駆出時間を測定するために生体に装着する装置は、カフ
および複数の電極だけでよい。
フの圧迫圧力を上腕部が止血できる圧力として予め設定
された止血圧力まで急速に昇圧させた後、その止血圧力
を所定時間維持し、続いて、カフの圧迫圧力を前記徐速
変化速度で徐速降圧させるものである。このようにすれ
ば、カフの圧迫圧力が止血圧力に維持されている間に前
記圧脈波センサに検出される圧脈波に基づいて前記心機
能パラメータを算出することができ、且つ、カフの圧迫
圧力が徐速降圧させられる過程で血圧値を測定すること
ができるので、カフの圧迫圧力を一度昇圧するだけで血
圧値と心機能パラメータが算出できる。
について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、心
機能評価機能付き血圧測定装置10の構成を示すブロッ
ク図である。
ば患者の右腕の上腕部14に巻回される。上記カフ12
は、そのカフ12の展開図である図2に示すように、帯
状の腕帯袋16によって全体が覆われている。この腕帯
袋16は、伸展性がなく且つ比較的剛性の高い布製であ
り、長手方向長さは上腕の血圧測定に用いられる一般的
なカフと同じ長さであり、幅方向長さは上記一般的なカ
フよりも後述する小カフ20の幅方向長さ分だけ長くさ
れている。
14の周囲長と略同程度の長さ(たとえば24cm)とさ
れた大カフ18および小カフ20が設けられている。こ
れら大カフ18および小カフ20は、ゴム製の袋であ
る。大カフ18は血圧測定用であり、大カフ18の幅方
向長さは、上腕の血圧測定に用いられる一般的なカフに
備えられたゴム嚢と同じ大きさとされている。小カフ2
0は後述する圧脈波センサ28を上腕部14に適当な押
圧力で押圧するためのものであり、小カフ20の幅方向
長さは、大カフ18の幅方向長さよりも短く、例えば2
cm程度とされている。それら大カフ18と小カフ20と
は、長手方向の一辺が互いに接するように配置されてお
り、カフ12が上腕部14に巻回された状態では小カフ
20はカフ12の巻き軸方向上端に位置する。また、大
カフ18および小カフ20は、それらの内部へ空気を導
入するための配管22、24とそれぞれ連通させられて
いる。
14に巻回されたときに内周面となる側であって、カフ
12が上腕部14に巻回されたときに小カフ20によっ
て圧迫される位置に、幅方向長さが小カフ20と略同じ
可撓性基板26が固設されている。さらに、その可撓性
基板26には、4つの圧脈波センサ28がカフ12の長
手方向に一直線上に固定されている。また、それら圧脈
波センサ28の間の隙間は比較的狭く、たとえば、0.9m
mとされている。このようにカフ12に圧脈波センサ2
8が一体的に備えられているので、カフ12を上腕部1
4に装着すれば、圧脈波センサ28が同時に上腕部14
に装着される。また、圧脈波センサ28は、カフ12の
内周面において小カフ20によって圧迫される位置に設
けられており、小カフ20は大カフ18よりも上流側に
位置するので、大カフ18によって上腕部14が止血さ
れた状態では、圧脈波センサ28には止血部位よりも上
流側で発生する圧脈波が検出される。
ある。圧脈波センサ28の押圧面30は、単結晶シリコ
ンなどから成る半導体チップによって形成され、カフ1
2の長手方向(図3の横方向)における長さが、たとえ
ば13mm程度とされている。その押圧面30には、多数
の半導体感圧素子(すなわち圧力検出素子)32が一定
の間隔でカフ12の長手方向に一直線上に配列されてお
り、本実施例の圧脈波センサ28では、15個の半導体
感圧素子32が0.2mm間隔で配列されている。
を介して、圧力センサ34、排気制御弁36、および空
気ポンプ38がそれぞれ接続されている。排気制御弁3
6は、大カフ18内への圧力の供給を許容する圧力供給
状態、大カフ18内を徐々に排圧する徐速排圧状態、大
カフ18内を急速に排圧する急速排圧状態、および大カ
フ18内の圧力を維持する圧力維持状態の4つの状態に
切り換えられるように構成されている。
1を検出してその圧力PK1を表す第1圧力信号SP1を図示
しない増幅器を介してローパスフィルタ40およびハイ
パスフィルタ42へそれぞれ供給する。上記ローパスフ
ィルタ40は圧力信号SP1に含まれる定常的な圧力すな
わち大カフ18の圧迫圧力を表すカフ圧信号SK1を弁別
してそのカフ圧信号SK1をA/D変換器44を介して演算制
御装置46へ供給する。一方、ハイパスフィルタ42に
供給された第1圧力信号SP1は、たとえば0.8Hz以上の周
波数成分のみが通過させられて図示しない増幅器を介し
てローパスフィルタ48に供給される。ローパスフィル
タ48は、たとえば10.8Hz以下の周波数成分のみを通過
させる。ローパスフィルタ48を通過させられた信号
は、圧力信号SP1の振動成分であるカフ脈波信号SWを表
し、このカフ脈波信号SWはA/D変換器50を介して演算
制御装置46へ供給される。
54、および空気ポンプ56が配管24を介してそれぞ
れ接続されている。圧力センサ52は小カフ20内の圧
力PK2を表す第2圧力信号SP2をA/D変換器58を介して
演算制御装置46へ供給する。調圧弁54は、空気ポン
プ56からの圧力空気を演算制御装置46からの信号に
従って調圧して小カフ20へ供給する。
からの切替信号SCに従って、4つの圧脈波センサ28に
それぞれ15個ずつ合計60個備えられた半導体感圧素
子32から出力される圧脈波信号SMを、所定の時間ずつ
順次、増幅器62へ出力する。EPROM(erasable program
mable ROM)64には、上記60個の半導体感圧素子32
の相互のセンサ感度差をなくすための補正信号が半導体
感圧素子32毎に記憶されており、上記切替信号SCに従
うことによってマルチプレクサ60に同期させられて、
マルチプレクサ60によって読み込まれた圧脈波信号SM
を出力している半導体感圧素子32に対応する上記補正
信号をD/A変換器68に出力する。
信号SMとともに上記D/A変換器68によってアナログ信
号に変換された補正信号が増幅器70に供給されること
によって、圧脈波信号SMは一定のセンサ感度によって検
出されたものに補正される。そして、その補正された圧
脈波信号SMはA/D変換器72を介して演算制御装置46
の図示しないI/Oポートに供給される。
生体の心臓を挟むように位置する部位に貼り付けられる
複数の電極76を備え、その電極76を介して心筋の活
動電位を検出し、その心筋の活動電位を表す心電信号SE
をA/D変換器78を介して演算制御装置46へ供給す
る。
RAM84等を備えた所謂マイクロコンピュータであり、C
PU80はROM82に記憶されたプログラムに従いつつRAM
84の記憶機能を利用して信号処理を実行することによ
り、血圧測定のための排気制御弁36および空気ポンプ
38の制御、圧脈波信号SM検出のための調圧弁54およ
び空気ポンプ56の制御、血圧値BPの決定、心機能パラ
メータの算出などを行い、その決定した血圧値BPや心機
能パラメータを表示器86に表示する。
の要部を説明する機能ブロック線図である。図4におい
て、止血手段としても機能する大カフ圧制御手段90
は、排気制御弁36および空気ポンプ38を制御して、
大カフ18の圧迫圧力を上腕部14が完全に止血できる
圧力として予め設定された止血圧力PM1(たとえば180mm
/Hg程度)まで急速に昇圧した後、その圧迫圧力を止血
圧力PM1にて一拍乃至数拍分程度の時間維持し、続いて
その圧迫圧力を2〜3mmHg/sec程度の速度で徐速降圧さ
せ、次述する血圧値決定手段92によって血圧値BPが決
定された後にその圧迫圧力を大気圧まで排圧する。
段90によって大カフ18の圧迫圧力が徐速降圧させら
れる過程で得られたカフ脈波信号SWの変化に基づいて、
よく知られたオシロメトリック法によって生体の最高血
圧値BP(SYS)、平均血圧値BP(MEAN)、最低血圧値BP(DIA)
を決定し、その決定した最高血圧値BP(SYS)等を表示器
86に表示する。
からの第2圧力信号SP2に従って調圧弁54および空気
ポンプ56を制御して、小カフ20内の圧力PK2を予め
設定された所定の目標圧力PM2にまで昇圧し、その圧力
を維持する。上記目標圧力PM2は、圧脈波センサ28に
よって圧脈波が感度良く検出される圧迫圧力として実験
に基づいて決定される。なお、小カフ圧制御手段94に
よる小カフ20の圧力PK2の制御は、大カフ18の圧迫
圧力が前記大カフ圧制御手段90によって制御されて上
腕部14が止血させられているときに実行される。
ンサ28に備えられた60個の半導体感圧素子32か
ら、圧脈波を検出するのに最も適した半導体感圧素子3
2(以下、これを最適検出素子Aという)を一つ決定す
る。図5は、カフ12が上腕部14に巻回された状態を
示す断面図であるが、図5に示すように、各圧脈波セン
サ28の押圧面30に備えられている半導体感圧素子3
2と上腕部14内の上腕動脈98との距離は半導体感圧
素子32毎に異なるので、上腕動脈98に近い半導体感
圧素子32すなわち上腕動脈98の真上あるいはその付
近に位置する半導体感圧素子32を、最も感度良く圧脈
波を検出できる最適検出素子Aに決定することが好まし
い。図6は、各半導体感圧素子32と、その半導体感圧
素子32によって検出された圧脈波信号SMの振幅の大き
さとの関係を例示する図である。なお、図6において横
軸の半導体感圧素子番号とは、一直線上に配列された半
導体感圧素子32の一方の端からの順番である。相対的
に上腕動脈98に近い半導体感圧素子32によって検出
される圧脈波信号SMの振幅は、相対的に上腕動脈98か
ら遠い半導体感圧素子32によって検出される圧脈波信
号SMに比較して大きくなるので、最適素子決定手段96
は、たとえば、図6に示す関係において相対的に振幅の
大きい圧脈波信号SMを検出した半導体感圧素子32、特
に好ましくは最大振幅を検出した半導体感圧素子32を
最適検出素子Aに決定する。
手段90によって大カフ18の圧迫圧力が前記止血圧力
PM1に制御されているとき、すなわち、大カフ18によ
って上腕部14が止血されているときに、上記最適検出
素子Aによって検出される圧脈波に基づいて、左心室か
ら血液が駆出されている駆出時間ET(Ejection Time)を
算出する。大カフ18によって上腕部14が止血されて
いる状態では、その大カフ18よりも上流側に装着され
ている圧脈波センサ28に検出される圧脈波は、大動脈
圧波と考えることができる。また、図7の大動脈、左心
房および左心室の圧力と心電図とを概略的に示す図にも
示すように、駆出時間ETは、大動脈圧波形の立ち上がり
点の発生時間とダイクロティックノッチの発生時間との
時間差から算出することができる。従って、大カフ18
によって上腕部14が止血されているときに最適検出素
子Aによって検出される圧脈波に基づいて駆出時間ETが
算出できる。なお、駆出時間ET は心機能パラメータで
あることから、駆出時間算出手段100は心機能パラメ
ータ算出手段として機能する。
によって上腕部14が止血されているときに前記最適検
出素子Aによって検出される圧脈波および心電計74か
ら供給される心電信号SEを用い、上記圧脈波において立
ち上がり点が発生した時間と上記心電信号SEが表す心電
図においてQ波が発生した時間との時間差を、左心室の
心筋の収縮開始から左心室から血液が駆出するまでの前
駆出時間PEPとして算出する。なお、前駆出時間PEPも心
機能パラメータであることから、前駆出時間算出手段1
02も心機能パラメータ算出手段として機能する。
エラスタンスEaと左心室収縮末期エラスタンスEesとの
比として定義される心機械効率Ea/Eesを算出する。上記
心機械効率Ea/Eesは、特開平11−113860号公報
に詳しく記載されているように、式1から算出すること
ができる。従って、心機械効率算出手段104は、式1
に示す関係式に、前駆出時間算出手段102によって算
出された前駆出時間PEP、および駆出時間算出手段10
0によって算出された駆出時間ETを代入して心機械効率
Ea/Eesを算出する。 (式1) Ea/Ees=PEP/ET
演算制御装置46の制御作動をさらに具体的に説明する
ためのフローチャートである。
ステップを省略する。)では、空気ポンプ38が起動さ
せられ、排気制御弁36が圧力供給状態に切り替えられ
ることによって大カフ18の急速昇圧が開始されるとと
もに、空気ポンプ56が起動させられることにより小カ
フ20の昇圧が開始される。
0〜30mmHg程度に設定された目標圧力PM2以上となったか
否かが判断される。この判断が否定されるうちは、この
S2の判断が繰り返し実行され、その間に大カフ18お
よび小カフ20の昇圧が継続される。一方、肯定された
場合には、続くS3において、調圧弁54が制御される
ことにより小カフ20のカフ圧PK2がその圧力に維持さ
れる。
80mmHgに設定された止血圧力PM1以上となったか否かが
判断される。この判断が否定されるうちは、このS4の
判断が繰り返し実行され、その間に大カフ18の昇圧が
継続される。一方、肯定された場合には、続くS5にお
いて、排気制御弁36が圧力維持状態に切り替えられる
ことにより、大カフ18のカフ圧PK1がその圧力に維持
される。
入力される。そして、続くS7では、マルチプレクサ6
0およびEPROM64を脈拍周期よりも十分に短い周期で
切り替えさせるための切替信号SCが出力され、続くS8
では、マルチプレクサ60から供給される圧脈波信号SM
が読み込まれる。さらに、続くS9では、心電計74か
ら供給される心電信号SEが読み込まれる。
され、続くS11では、タイマtが予め設定された読み
込み周期T以上となったか否かが判断される。この読み
込み周期Tは、たとえば一般的な脈拍周期の一拍分に設
定される。このS11の判断が否定された場合には前記
S7以下が繰り返される。従って、S7〜S11の繰り
返しにより一拍分の圧脈波信号SMおよび心電信号SEが読
み込まれる。また、前記S7において切替信号SCが出力
されると、EPROM64からは60個の半導体感圧素子3
2によって検出された圧脈波信号SMが順次出力されるの
で、S7〜S11の繰り返しにおけるS8では、それら
60個の半導体感圧素子32によって検出された圧脈波
信号SMが順次読み込まれる。
心機能パラメータの算出に必要な信号が読み込まれたの
で、続くS12において、空気ポンプ56が停止させら
れ且つ調圧弁54が制御されることにより、小カフ20
内が排圧させられる。図8のフローチャートでは、S1
〜S3およびS12が小カフ圧制御手段94に相当す
る。そして、続くS13では、空気ポンプ38が停止さ
せられ、且つ排気制御弁36が徐速排圧状態に切り替え
られて、大カフ18のカフ圧PK1の徐速降圧が開始され
る。
4において血圧値決定アルゴリズムが実行される。すな
わち、大カフ18の徐速降圧過程においてローパスフィ
ルタ48から逐次供給される脈波信号SWが表すカフ脈波
の振幅が一拍毎に決定され、その振幅の変化に基づい
て、最高血圧値BP(SYS)、平均血圧値BP(MEAN)および最
低血圧値BP(DIA)を決定するためのよく知られたオシロ
メトリック方式の血圧値決定アルゴリズムが実行され
る。
たか否かが判断される。最高血圧値BP(SYS)、平均血圧
値BP(MEAN)、最低血圧値BP(DIA)のうちで最低血圧値BP
(DIA)が最後に決定されるので、S15では、最低血圧
値BP(DIA)が決定されたか否かが判断される。当初は、
このS15の判断が否定されるので、前記S14以降が
繰り返し実行される。
S16において、排気制御弁36が急速排圧状態に切り
替えられることによって、大カフ18内の空気が急速に
排気されて圧迫が解放される。図8のフローチャートで
は、S1、S4〜S6、S11、S13およびS16が
大カフ圧制御手段90に相当する。そして、続くS17
では、上記S14において決定された最高血圧値BP(SY
S)、平均血圧値BP(MEAN)、最低血圧値BP(DIA)が表示器
86に表示される。
18〜S19が実行される。まず、S18では、前記S
7〜S11の繰り返しにおいて読み込まれた各圧脈波信
号SMの振幅の大きさがそれぞれ決定され、続くS19で
は、上記S18で決定された振幅から最大振幅が決定さ
れ、その最大振幅を検出した半導体感圧素子32が最適
検出素子Aに決定される。
S20が実行される。S20では、前記S7〜S11の
繰り返しによって読み込まれた圧脈波信号SMのうち、上
記S19で決定された最適検出素子Aによって検出され
た圧脈波信号SMが解析され、その圧脈波信号SMが表す圧
脈波において立ち上がり点およびダイクロティックノッ
チが発生した時間が決定され、ダイクロティックノッチ
の発生時間と立ち上がり点の発生時間との時間差が駆出
時間ETとして算出される。そして、その算出された駆出
時間ETが表示器86に表示される。なお、立ち上がり点
には、圧脈波の振幅の増加率が最も大きくなる点、圧脈
波を微分した微分波形が最大値を示す点、脈圧の1/5
を示す点などでが用いられる。これは、脈波の最小点は
ノイズが多く、その発生時点の決定精度が低いためであ
る。
るS21が実行される。S21では、前記S7〜S11
の繰り返しによって読み込まれた心電信号SEが解析さ
れ、その心電信号SEが表す心電図においてQ波が発生し
た時間が決定され、上記S20で決定された圧脈波の立
ち上がり点の発生時間とそのQ波の発生時間との時間差
が前駆出時間PEPとして算出される。そして、その算出
された前駆出時間PEPが表示器86に表示される。
るS22が実行される。すなわち、S22では、前記S
21で算出された前駆出時間PEPが、前記S20で算出
された駆出時間ETで割られることにより、心機械効率Ea
/Eesが算出され、且つ、その算出された心機械効率Ea/E
esが表示器86に表示される。
は、大カフ18によって上腕部14が止血される部位よ
りも上流側で発生する圧脈波を検出することから、S5
(大カフ圧制御手段90すなわち止血手段)において大
カフ18が上腕部14を止血している状態で圧脈波セン
サ28により検出される圧脈波の波形は、大動脈圧波形
と同じ波形である。従って、S20(駆出時間算出手段
100)、S21(前駆出時間算出手段102)、S2
2(心機械効率算出手段104)において、その圧脈波
に基づいて心機能パラメータすなわち駆出時間ET、前駆
出時間PEPおよび心機械効率Ea/Eesを算出することがで
きる。また、血圧BPも上腕部14に装着された大カフ1
8を用いて測定できる。従って、心機能パラメータおよ
び血圧BPを測定するために生体に装着する装置が少なく
なるので、その装着が容易になる。
は圧脈波センサ28によって検出される圧脈波の立ち上
がり点とダイクロティックノッチとの時間差から算出さ
れ、前駆出時間PEPは圧脈波センサ28によって圧脈波
の立ち上がり点が検出された時間と、心電計74によっ
て心電図のQ波が検出された時間との時間差から算出さ
れるので、駆出時間ETおよび前駆出時間PEPを測定する
ために生体に装着する装置は、カフ12および電極76
だけでよい。
の圧迫圧力が止血圧力PM1に維持されている間に圧脈波
センサ28に検出される圧脈波に基づいて心機能パラメ
ータ(駆出時間ET、前駆出時間PEP、心機械効率Ea/Ee
s)が算出され、且つ、大カフ18の圧迫圧力が徐速降
圧させられる過程で血圧値BPが測定されるので、大カフ
18の圧迫圧力を一度昇圧するだけで血圧値BPと心機能
パラメータが算出できる。
詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適
用される。
機能パラメータとして、駆出時間ET、前駆出時間PEPお
よび心機械効率Ea/Eesを算出していたが、駆出時間ETだ
けを算出してもよい。駆出時間ETのみを算出する場合に
は、圧脈波以外の生体信号を検出するために電極76等
の他のセンサを装着する必要がないので、心機能パラメ
ータを測定するための装置の装着が一層容易になる。
パラメータとして駆出時間ET、前駆出時間PEP、および
心機械効率Ea/Eesを算出していたが、左心室収縮末期エ
ラスタンスEes、大動脈実効エラスタンスEa等の他の心
機能パラメータを算出してもよい。
シロメトリック方式で血圧を測定するように構成されて
いたが、コロトコフ音の発生時および消滅時のカフ圧を
最高血圧値および最低血圧値として決定する所謂K音方
式により血圧測定するものであってもよい。
においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
ク図である。
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
ある。
って検出された圧脈波信号SMの振幅の大きさとの関係を
例示する図である。
を概略的に示す図である。
の制御作動をさらに具体的に説明するためのフローチャ
ートである。
段) 102:前駆出時間算出手段(心機能パラメータ算出手
段) 104:心機械効率算出手段(心機能パラメータ算出手
段)
Claims (3)
- 【請求項1】 生体の上腕部への圧迫圧力を変化させる
カフを備え、該カフの圧迫圧力を所定の徐速変化速度で
変化させて該生体の血圧値を測定する形式の血圧測定装
置であって、 前記カフにより前記上腕部を止血させる止血手段と、 前記カフによって止血される部位よりも上流側で発生す
る圧脈波が検出可能なように該カフに一体的に設けられ
た圧脈波センサと、 前記止血手段により前記カフが前記上腕部を止血してい
る状態において該圧脈波センサによって検出される圧脈
波に基づいて、前記生体の心機能に関連する心機能パラ
メータを算出する心機能パラメータ算出手段とを含むこ
とを特徴とする血圧測定装置。 - 【請求項2】 前記心機能パラメータ算出手段は、前記
圧脈波センサによって検出される圧脈波の立ち上がり点
とダイクロティックノッチとの時間差から駆出時間を算
出するものであることを特徴とする請求項1に記載の血
圧測定装置。 - 【請求項3】 前記生体の所定部位に装着される複数の
電極を備え、該電極を介して心筋の活動電位を示す心電
信号を検出する心電計をさらに備え、 前記心機能パラメータ算出手段は、該心電計によって心
電図のQ波が検出された時間と、前記圧脈波センサによ
って圧脈波の立ち上がり点が検出された時間との時間差
を前駆出時間として算出するものであることを特徴とす
る請求項2に記載の血圧測定装置。
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