JP2002359453A - 回路基板及びその製造方法 - Google Patents
回路基板及びその製造方法Info
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- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】絶縁基板上に残る例えば導電性反応層等のエッ
チング残査を簡単に除去するようにして、外観上及び特
性的にも良好な回路基板を提供する。 【解決手段】金属板40に対して所定の回路パターンに
沿ってエッチング処理を施して回路36を形成する。そ
の後、金属板40に対してエッチング処理を施して、回
路36を形成する。その後、回路36を含む全面に対し
てサンドブラスト処理を行って、回路36の金属除去部
分36aに残存する導電性反応層70を除去する。これ
によって、回路36の金属除去部分36aから下層の絶
縁基板32が露出することになる。サンドブラスト処理
は、回路36の金属除去部分36aに残存する導電性反
応層70を除去した段階で、回路36上にNiメッキ層
38が残存する条件で行う。
チング残査を簡単に除去するようにして、外観上及び特
性的にも良好な回路基板を提供する。 【解決手段】金属板40に対して所定の回路パターンに
沿ってエッチング処理を施して回路36を形成する。そ
の後、金属板40に対してエッチング処理を施して、回
路36を形成する。その後、回路36を含む全面に対し
てサンドブラスト処理を行って、回路36の金属除去部
分36aに残存する導電性反応層70を除去する。これ
によって、回路36の金属除去部分36aから下層の絶
縁基板32が露出することになる。サンドブラスト処理
は、回路36の金属除去部分36aに残存する導電性反
応層70を除去した段階で、回路36上にNiメッキ層
38が残存する条件で行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁基板上に回路
を有する回路基板及びその製造方法に関し、例えば半導
体等で構成された電子回路チップを冷却するために使用
される回路基板に用いて好適な回路基板及びその製造方
法に関する。
を有する回路基板及びその製造方法に関し、例えば半導
体等で構成された電子回路チップを冷却するために使用
される回路基板に用いて好適な回路基板及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体装置が実装される回路基
板においては、半導体装置から発する熱を外部に効率よ
く伝達させることが肝要である。つまり、半導体装置に
とって熱は大敵であり、内部温度が最大許容接合温度を
超えないようにしなければならない。また、パワートラ
ンジスタや半導体整流素子等の半導体装置では、動作面
積当たりの消費電力が大きいため、半導体装置のケース
(パッケージ)やリードから放出される熱量だけでは、
発生熱量を放出しきれず、装置の内部温度が上昇して熱
破壊を引き起こすおそれがある。
板においては、半導体装置から発する熱を外部に効率よ
く伝達させることが肝要である。つまり、半導体装置に
とって熱は大敵であり、内部温度が最大許容接合温度を
超えないようにしなければならない。また、パワートラ
ンジスタや半導体整流素子等の半導体装置では、動作面
積当たりの消費電力が大きいため、半導体装置のケース
(パッケージ)やリードから放出される熱量だけでは、
発生熱量を放出しきれず、装置の内部温度が上昇して熱
破壊を引き起こすおそれがある。
【0003】この現象は、CPUを搭載した半導体装置
においても同じであり、クロック周波数の向上に伴って
動作時の発熱量が多くなり、放熱を考慮した熱設計が重
要な事項となってきている。
においても同じであり、クロック周波数の向上に伴って
動作時の発熱量が多くなり、放熱を考慮した熱設計が重
要な事項となってきている。
【0004】前記熱破壊の防止等を考慮した熱設計にお
いては、半導体装置のケース(パッケージ)に放熱面積
の大きいヒートシンクを固着することを前提にした回路
基板の設計や実装設計が行われている。
いては、半導体装置のケース(パッケージ)に放熱面積
の大きいヒートシンクを固着することを前提にした回路
基板の設計や実装設計が行われている。
【0005】ここで、熱対策を施した従来の回路基板2
00を図36を参照しながら説明する(例えば特開平1
1−307696号公報参照)。
00を図36を参照しながら説明する(例えば特開平1
1−307696号公報参照)。
【0006】この回路基板200は、図36に示すよう
に、半導体チップで発生する熱を放熱するための金属ベ
ース板202と、半導体チップ204を金属ベース板2
02から絶縁するためのセラミック板206と、該セラ
ミック板206の上面にろう材208を介して設けられ
た金属板224による回路210と、セラミック板20
6の下面にろう材212を介して設けられた下部電極板
214と、金属ベース板202とセラミック板206と
の間隔を広げるための金属スペーサ216と、金属ベー
ス板202に金属スペーサ216を固着するためのろう
材218と、回路210上に半導体チップ204を固着
するための半田層220と、金属スペーサ216上に下
部電極板214を固着するための半田層222とを有し
て構成されている。
に、半導体チップで発生する熱を放熱するための金属ベ
ース板202と、半導体チップ204を金属ベース板2
02から絶縁するためのセラミック板206と、該セラ
ミック板206の上面にろう材208を介して設けられ
た金属板224による回路210と、セラミック板20
6の下面にろう材212を介して設けられた下部電極板
214と、金属ベース板202とセラミック板206と
の間隔を広げるための金属スペーサ216と、金属ベー
ス板202に金属スペーサ216を固着するためのろう
材218と、回路210上に半導体チップ204を固着
するための半田層220と、金属スペーサ216上に下
部電極板214を固着するための半田層222とを有し
て構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図36に示
す従来の回路基板200において、セラミック板206
上に回路210を形成する場合、まず、セラミック板2
06上に金属板224をろう材208を介して接合し、
その後、金属板224を選択的にエッチング処理して所
定の回路パターンに沿った形状の回路210を形成する
ようにしている。金属板224をエッチング処理して回
路210を形成する手法については、例えば特開平8−
97554号公報、特開平9−181423号公報及び
特開平7−235750号公報等に開示されている。
す従来の回路基板200において、セラミック板206
上に回路210を形成する場合、まず、セラミック板2
06上に金属板224をろう材208を介して接合し、
その後、金属板224を選択的にエッチング処理して所
定の回路パターンに沿った形状の回路210を形成する
ようにしている。金属板224をエッチング処理して回
路210を形成する手法については、例えば特開平8−
97554号公報、特開平9−181423号公報及び
特開平7−235750号公報等に開示されている。
【0008】そして、セラミック板206上に金属板2
24を接合するろう材208として、活性金属を含むろ
う材を使用することが考えられる。この場合、セラミッ
ク板206と回路210との接合強度の向上を図ること
ができる。
24を接合するろう材208として、活性金属を含むろ
う材を使用することが考えられる。この場合、セラミッ
ク板206と回路210との接合強度の向上を図ること
ができる。
【0009】しかし、図36に示すように、セラミック
板206と金属板224とを前記ろう材208を介して
接合した際に、図37に示すように、セラミック板20
6と金属板224との間に導電性反応層226が形成さ
れる。この導電性反応層226は金属板224に対する
エッチング処理、即ち、銅をエッチングするために標準
的に用いられる塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液に
よるエッチング処理では除去することができず、セラミ
ック板206上に残存することとなる。セラミック板2
06上に導電性反応層226が残存すると、回路210
間で短絡現象が生じるおそれがある。
板206と金属板224とを前記ろう材208を介して
接合した際に、図37に示すように、セラミック板20
6と金属板224との間に導電性反応層226が形成さ
れる。この導電性反応層226は金属板224に対する
エッチング処理、即ち、銅をエッチングするために標準
的に用いられる塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液に
よるエッチング処理では除去することができず、セラミ
ック板206上に残存することとなる。セラミック板2
06上に導電性反応層226が残存すると、回路210
間で短絡現象が生じるおそれがある。
【0010】これを解決するために、上記の塩化第二鉄
水溶液や塩化第二銅水溶液による回路エッチングにおい
て残留する活性金属の窒化物層を含む不要ろう(エッチ
ング残査)を、その工程に続く別の酸処理で除去する方
法が提案されている。
水溶液や塩化第二銅水溶液による回路エッチングにおい
て残留する活性金属の窒化物層を含む不要ろう(エッチ
ング残査)を、その工程に続く別の酸処理で除去する方
法が提案されている。
【0011】例えば、特許第2594475号公報に
は、不要ろうを、ふっ酸単独、もしくは無機酸とふっ酸
の混酸で除去する方法が開示され、特開平4−3224
91号公報には、不要ろうをハロゲン化アンモニウムで
除去する方法が開示され、特開平5−13920号公報
には、不要ろうをハロゲン化水素かハロゲン化アンモニ
ウムで処理後、無機酸と過酸化水素で除去する方法が開
示されている。
は、不要ろうを、ふっ酸単独、もしくは無機酸とふっ酸
の混酸で除去する方法が開示され、特開平4−3224
91号公報には、不要ろうをハロゲン化アンモニウムで
除去する方法が開示され、特開平5−13920号公報
には、不要ろうをハロゲン化水素かハロゲン化アンモニ
ウムで処理後、無機酸と過酸化水素で除去する方法が開
示されている。
【0012】また、特開平7−235750号公報に
は、不要ろうをふっ素化合物と過酸化水素を含むが、無
機酸を含まない溶液で除去する方法が開示され、特開平
10−154866号公報には、不要ろうをふっ化アン
モニウム+過酸化水素で処理後、アルカリ+過酸化水素
の溶液で処理する工程で除去する方法が開示されてい
る。
は、不要ろうをふっ素化合物と過酸化水素を含むが、無
機酸を含まない溶液で除去する方法が開示され、特開平
10−154866号公報には、不要ろうをふっ化アン
モニウム+過酸化水素で処理後、アルカリ+過酸化水素
の溶液で処理する工程で除去する方法が開示されてい
る。
【0013】しかし、これらの手法では、ふっ酸系溶液
を使用するため、作業安全性への配慮が必要であること
など、工程管理が難しかったり、活性金属の窒化物層を
完全に除去できないなどの不都合がある。
を使用するため、作業安全性への配慮が必要であること
など、工程管理が難しかったり、活性金属の窒化物層を
完全に除去できないなどの不都合がある。
【0014】また、これらの不要ろうを、機械的に除去
する手法としては、ホーニング・レーザ加工にて除去す
る手法(例えば特開平7−99380号公報参照)が考
えられるが、装置構成が大きくなり、製造コスト的にも
不利になるおそれがある。
する手法としては、ホーニング・レーザ加工にて除去す
る手法(例えば特開平7−99380号公報参照)が考
えられるが、装置構成が大きくなり、製造コスト的にも
不利になるおそれがある。
【0015】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、絶縁基板上に残る例えば導電性反応層等
のエッチング残査を簡単に除去することができ、外観上
及び特性的にも良好な回路基板及びその製造方法を提供
することを目的とする。
たものであり、絶縁基板上に残る例えば導電性反応層等
のエッチング残査を簡単に除去することができ、外観上
及び特性的にも良好な回路基板及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0016】また、本発明の他の目的は、上述の条件に
加えて、金属製の冷却用フィン等を強固に固定すること
ができるように接合体全体の反りを制御することができ
る回路基板及びその製造方法を提供することにある。
加えて、金属製の冷却用フィン等を強固に固定すること
ができるように接合体全体の反りを制御することができ
る回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回路基板
は、絶縁基板上に回路を有する回路基板において、前記
回路を、前記絶縁基板上に接合された金属板に対するエ
ッチング処理とサンドブラスト処理により形成すること
を特徴とする。
は、絶縁基板上に回路を有する回路基板において、前記
回路を、前記絶縁基板上に接合された金属板に対するエ
ッチング処理とサンドブラスト処理により形成すること
を特徴とする。
【0018】また、本発明に係る回路基板は、絶縁基板
上に回路を有する回路基板において、前記回路は、前記
絶縁基板上に接合され、かつ、予め回路パターンが形成
された金属板に対するサンドブラスト処理により形成さ
れていることを特徴とする。
上に回路を有する回路基板において、前記回路は、前記
絶縁基板上に接合され、かつ、予め回路パターンが形成
された金属板に対するサンドブラスト処理により形成さ
れていることを特徴とする。
【0019】本発明者らは、各種材料にサンドブラスト
処理を行った場合において、銅、アルミ、銀ろう等の金
属材料と、窒化物、酸化物等の硬度の高い非金属材料の
除去速度が異なることに注目した。後者の除去速度は前
者の除去速度の数倍から数10倍であった。
処理を行った場合において、銅、アルミ、銀ろう等の金
属材料と、窒化物、酸化物等の硬度の高い非金属材料の
除去速度が異なることに注目した。後者の除去速度は前
者の除去速度の数倍から数10倍であった。
【0020】本発明者らは、活性金属ろうで絶縁基板に
銅板等の金属板を接合して、回路を形成した後、形成さ
れた回路間に金属材料の残留物を残さなければ、即ち、
絶縁基板(絶縁材料)上に形成された活性金属の窒化物
層のみを残すようにすれば、金属材料及び絶縁材料に対
して同一条件で全面にサンドブラスト処理を行っても、
上述したように、サンドブラスト処理における除去速度
の遅い金属材料による回路にほとんど影響を与えること
なく、サンドブラスト処理における除去速度の速い活性
金属の窒化物層のみを効果的に除去することができるこ
とを見出して本発明を完成させたものである。
銅板等の金属板を接合して、回路を形成した後、形成さ
れた回路間に金属材料の残留物を残さなければ、即ち、
絶縁基板(絶縁材料)上に形成された活性金属の窒化物
層のみを残すようにすれば、金属材料及び絶縁材料に対
して同一条件で全面にサンドブラスト処理を行っても、
上述したように、サンドブラスト処理における除去速度
の遅い金属材料による回路にほとんど影響を与えること
なく、サンドブラスト処理における除去速度の速い活性
金属の窒化物層のみを効果的に除去することができるこ
とを見出して本発明を完成させたものである。
【0021】金属板から回路を形成する手法としては、
上述したように、金属板に対するエッチング処理や金属
板に対するプレス加工等が挙げられる。また、前記金属
による回路上にメッキ層が積層されていてもよい。
上述したように、金属板に対するエッチング処理や金属
板に対するプレス加工等が挙げられる。また、前記金属
による回路上にメッキ層が積層されていてもよい。
【0022】この場合に、前記金属による回路の表面粗
さあるいは前記回路上におけるメッキ層の表面粗さがR
a=1以下であることが好ましい。Ra=1を超える
と、その後の配線工程において、例えばボンディングワ
イヤが密着しにくいという問題が生じるからである。
さあるいは前記回路上におけるメッキ層の表面粗さがR
a=1以下であることが好ましい。Ra=1を超える
と、その後の配線工程において、例えばボンディングワ
イヤが密着しにくいという問題が生じるからである。
【0023】そして、前記絶縁基板上に活性元素を含む
硬ろう材を介して前記金属による回路が接合されていて
もよい。この場合、硬ろう材の厚さは10μm以下であ
ることが好ましい。サンドブラスト処理にて除去する対
象物質は、前記絶縁基板と前記硬ろう材中の活性元素と
の反応によって生成される導電性反応層のうち、少なく
とも前記回路の金属除去部分に存在する導電性反応層で
ある。
硬ろう材を介して前記金属による回路が接合されていて
もよい。この場合、硬ろう材の厚さは10μm以下であ
ることが好ましい。サンドブラスト処理にて除去する対
象物質は、前記絶縁基板と前記硬ろう材中の活性元素と
の反応によって生成される導電性反応層のうち、少なく
とも前記回路の金属除去部分に存在する導電性反応層で
ある。
【0024】前記硬ろう材に含まれる活性元素として
は、周期律表第2A族、第3A族、第4A族、第5A族
又は第4B族のいずれかに属する元素の少なくとも1つ
を用いることができる。
は、周期律表第2A族、第3A族、第4A族、第5A族
又は第4B族のいずれかに属する元素の少なくとも1つ
を用いることができる。
【0025】また、絶縁基板の下部にヒートスプレッダ
材あるいはヒートシンク材を接合するようにしてもよ
い。この場合、ヒートスプレッダ材あるいはヒートシン
ク材としては、SiC、AlN、Si3N4、BeO、A
l2O3、Be2C、C、Cu、Cu合金、Al、Al合
金、Ag、Ag合金、Siからなる群から選択された少
なくとも1つを構成材料とすることが好ましい。特に、
ヒートスプレッダ材としては、SiC母材にCu又はC
u合金が含浸された複合材料、あるいはC母材にCu又
はCu合金が含浸された複合材料で構成されていること
が好ましい。なお、前記絶縁基板は、AlN又はSi3
N4で構成することができる。
材あるいはヒートシンク材を接合するようにしてもよ
い。この場合、ヒートスプレッダ材あるいはヒートシン
ク材としては、SiC、AlN、Si3N4、BeO、A
l2O3、Be2C、C、Cu、Cu合金、Al、Al合
金、Ag、Ag合金、Siからなる群から選択された少
なくとも1つを構成材料とすることが好ましい。特に、
ヒートスプレッダ材としては、SiC母材にCu又はC
u合金が含浸された複合材料、あるいはC母材にCu又
はCu合金が含浸された複合材料で構成されていること
が好ましい。なお、前記絶縁基板は、AlN又はSi3
N4で構成することができる。
【0026】絶縁基板の下部にヒートスプレッダ材を接
合した構成を採用した場合は、前記絶縁基板と前記ヒー
トスプレッダ材との間に金属による緩衝板をそれぞれ活
性元素を含む硬ろう材を介して接合し、前記金属による
回路と前記絶縁基板と前記緩衝板と前記ヒートスプレッ
ダ材による第1の接合体を有するようにしてもよい。
合した構成を採用した場合は、前記絶縁基板と前記ヒー
トスプレッダ材との間に金属による緩衝板をそれぞれ活
性元素を含む硬ろう材を介して接合し、前記金属による
回路と前記絶縁基板と前記緩衝板と前記ヒートスプレッ
ダ材による第1の接合体を有するようにしてもよい。
【0027】この場合、前記第1の接合体における前記
絶縁基板の熱膨張係数が、前記ヒートスプレッダ材に用
いられる材料の熱膨張係数より小さい場合には、前記金
属による回路の厚さが、前記緩衝板と前記ヒートスプレ
ッダ材あるいはヒートシンク材の合計との厚みの比が
1:0.5〜1:3であることが好ましい。これによ
り、前記第1の接合体が、前記金属板の下面側が外方に
向かって凸形状となるように反り、金属板の下面にヒー
トスプレッダ材を接合しあるいは固定する際にその接触
を良好に保つことができる。
絶縁基板の熱膨張係数が、前記ヒートスプレッダ材に用
いられる材料の熱膨張係数より小さい場合には、前記金
属による回路の厚さが、前記緩衝板と前記ヒートスプレ
ッダ材あるいはヒートシンク材の合計との厚みの比が
1:0.5〜1:3であることが好ましい。これによ
り、前記第1の接合体が、前記金属板の下面側が外方に
向かって凸形状となるように反り、金属板の下面にヒー
トスプレッダ材を接合しあるいは固定する際にその接触
を良好に保つことができる。
【0028】また、前記ヒートスプレッダ材の下面にヒ
ートシンク材を活性元素を含む硬ろう材を介して接合
し、あるいはヒートシンク材と接合するための金属板を
活性元素を含む硬ろう材を介して接合し、前記金属によ
る回路と前記絶縁基板と前記緩衝板と前記ヒートスプレ
ッダ材ならびにヒートシンク材、あるいは前記金属板と
ヒートシンク材による第2の接合体を有するようにして
もよい。この場合、前記ヒートシンク材がフィン形状に
形成されていてもよい。
ートシンク材を活性元素を含む硬ろう材を介して接合
し、あるいはヒートシンク材と接合するための金属板を
活性元素を含む硬ろう材を介して接合し、前記金属によ
る回路と前記絶縁基板と前記緩衝板と前記ヒートスプレ
ッダ材ならびにヒートシンク材、あるいは前記金属板と
ヒートシンク材による第2の接合体を有するようにして
もよい。この場合、前記ヒートシンク材がフィン形状に
形成されていてもよい。
【0029】前記緩衝板の厚みを適宜変更することで、
第1の接合体あるいは第2の接合体の反り状態を制御す
ることができるが、該緩衝板の厚みとしては、0.03
〜0.5mmであることが好ましい。
第1の接合体あるいは第2の接合体の反り状態を制御す
ることができるが、該緩衝板の厚みとしては、0.03
〜0.5mmであることが好ましい。
【0030】また、絶縁基板の厚みを適宜変更すること
で、第1の接合体あるいは第2の接合体の熱衝撃特性並
びに熱伝導率を制御することができるが、特に、前記絶
縁基板がSi3N4で構成される場合に、該絶縁基板の厚
みが0.5mm以下であることが好ましい。なお、前記
第1又は第2の接合体としての熱伝導率は200W/m
以上であることが好ましい。
で、第1の接合体あるいは第2の接合体の熱衝撃特性並
びに熱伝導率を制御することができるが、特に、前記絶
縁基板がSi3N4で構成される場合に、該絶縁基板の厚
みが0.5mm以下であることが好ましい。なお、前記
第1又は第2の接合体としての熱伝導率は200W/m
以上であることが好ましい。
【0031】前記硬ろう材としては、融点が700℃以
下である材料やAg−Cu−In−Tiにて構成されて
いるものを使用することが好ましい。
下である材料やAg−Cu−In−Tiにて構成されて
いるものを使用することが好ましい。
【0032】少なくとも前記金属による回路と絶縁基板
との接合に用いられる前記硬ろう材に含まれる活性元素
の量は0.05〜2%であることが好ましい。
との接合に用いられる前記硬ろう材に含まれる活性元素
の量は0.05〜2%であることが好ましい。
【0033】前記緩衝板と前記ヒートスプレッダ材ある
いはヒートシンク材との接合に用いられる前記硬ろう材
に含まれる活性元素の量は、0.5〜10%であること
が好ましい。
いはヒートシンク材との接合に用いられる前記硬ろう材
に含まれる活性元素の量は、0.5〜10%であること
が好ましい。
【0034】前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシ
ンク材と前記緩衝板との接合に用いられる硬ろう材の厚
み又は前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材
と前記金属板の接合に用いられる硬ろう材の厚みは、前
記緩衝板厚みの25%以下であることが好ましい。これ
により、第1の接合体あるいは第2の接合体の剥離強度
を高めることができる。
ンク材と前記緩衝板との接合に用いられる硬ろう材の厚
み又は前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材
と前記金属板の接合に用いられる硬ろう材の厚みは、前
記緩衝板厚みの25%以下であることが好ましい。これ
により、第1の接合体あるいは第2の接合体の剥離強度
を高めることができる。
【0035】前記絶縁基板と前記金属による回路との接
合に用いられる硬ろう材の厚み又は前記絶縁基板と前記
緩衝板の接合に用いられる硬ろう材の厚みは、前記緩衝
板の厚みの10%以下であることが好ましい。例えば前
記硬ろう材の厚みは10μm以下であることが好まし
い。これにより、接合時にろう材が大量にはみ出すなど
の不具合を防止することができると共に、回路の汚染
(合金化)を抑えることができる。これは、その後の工
程の簡略化につながり、歩留まりの向上並びに製造コス
トの低廉化に有利となる。
合に用いられる硬ろう材の厚み又は前記絶縁基板と前記
緩衝板の接合に用いられる硬ろう材の厚みは、前記緩衝
板の厚みの10%以下であることが好ましい。例えば前
記硬ろう材の厚みは10μm以下であることが好まし
い。これにより、接合時にろう材が大量にはみ出すなど
の不具合を防止することができると共に、回路の汚染
(合金化)を抑えることができる。これは、その後の工
程の簡略化につながり、歩留まりの向上並びに製造コス
トの低廉化に有利となる。
【0036】次に、本発明に係る回路基板の製造方法
(第1の製造方法)は、絶縁基板上に金属板を活性金属
を含む硬ろう材を介して接合する第1の工程と、前記金
属板をエッチング処理して前記絶縁基板上に回路パター
ンを形成する第2の工程と、少なくとも前記回路パター
ンの金属除去部分から露出する導電性反応層を除去して
前記絶縁基板を露出させて、前記絶縁基板上に回路を有
する回路基板とする第3の工程とを有することを特徴と
する。
(第1の製造方法)は、絶縁基板上に金属板を活性金属
を含む硬ろう材を介して接合する第1の工程と、前記金
属板をエッチング処理して前記絶縁基板上に回路パター
ンを形成する第2の工程と、少なくとも前記回路パター
ンの金属除去部分から露出する導電性反応層を除去して
前記絶縁基板を露出させて、前記絶縁基板上に回路を有
する回路基板とする第3の工程とを有することを特徴と
する。
【0037】また、本発明に係る回路基板の製造方法
(第2の製造方法)は、金属板に対して回路パターンを
形成する第1の工程と、絶縁基板上に前記金属板を活性
金属を含む硬ろう材を介して接合する第2の工程と、少
なくとも前記回路パターンの金属除去部分を通じて露出
する導電性反応層を除去して前記絶縁基板を露出させ
て、前記絶縁基板上に回路を有する回路基板とする第3
の工程を有することを特徴とする。
(第2の製造方法)は、金属板に対して回路パターンを
形成する第1の工程と、絶縁基板上に前記金属板を活性
金属を含む硬ろう材を介して接合する第2の工程と、少
なくとも前記回路パターンの金属除去部分を通じて露出
する導電性反応層を除去して前記絶縁基板を露出させ
て、前記絶縁基板上に回路を有する回路基板とする第3
の工程を有することを特徴とする。
【0038】前記第2の製造方法において、前記第1の
工程は、金属板に対してプレス加工を行って、該金属板
に回路パターンを成形する処理を含むようにしてもよ
い。この場合、前記回路間を連結するブリッジも併せて
成形し、前記絶縁基板上に前記金属板を接合した後に、
前記ブリッジを切断する処理を含めるようにしてもよ
い。ここで、前記ブリッジは、前記金属板に対する半抜
き加工によって成形されるようにしてもよいし、前記金
属板に対するエッチング加工によって形成されるように
してもよい。
工程は、金属板に対してプレス加工を行って、該金属板
に回路パターンを成形する処理を含むようにしてもよ
い。この場合、前記回路間を連結するブリッジも併せて
成形し、前記絶縁基板上に前記金属板を接合した後に、
前記ブリッジを切断する処理を含めるようにしてもよ
い。ここで、前記ブリッジは、前記金属板に対する半抜
き加工によって成形されるようにしてもよいし、前記金
属板に対するエッチング加工によって形成されるように
してもよい。
【0039】前記絶縁基板上への金属板の接合は、前記
硬ろう材の液相線以上の温度で接合してもよいが、前記
硬ろう材の固相線以上、液相線以下の温度で接合しても
よい。どちらの方法を採用しても熱衝撃特性並びに熱伝
導率に影響はない。
硬ろう材の液相線以上の温度で接合してもよいが、前記
硬ろう材の固相線以上、液相線以下の温度で接合しても
よい。どちらの方法を採用しても熱衝撃特性並びに熱伝
導率に影響はない。
【0040】これらの製造方法においては、絶縁基板上
のうち、回路の金属除去部分に残る例えば導電性反応層
等を除去するようにしているため、外観上及び特性的に
も良好な回路基板を得ることができる。
のうち、回路の金属除去部分に残る例えば導電性反応層
等を除去するようにしているため、外観上及び特性的に
も良好な回路基板を得ることができる。
【0041】特に、第1及び第2の製造方法における前
記第3の工程において、前記回路パターンを含む全面に
対してサンドブラスト処理を行って前記回路パターンの
金属除去部分から露出する導電性反応層を除去して絶縁
基板を露出させるようにすれば、絶縁基板上に残る例え
ば導電性反応層等のエッチング残査を簡単に除去するこ
とができ、外観上及び特性的にも良好な回路基板を得る
ことができる。
記第3の工程において、前記回路パターンを含む全面に
対してサンドブラスト処理を行って前記回路パターンの
金属除去部分から露出する導電性反応層を除去して絶縁
基板を露出させるようにすれば、絶縁基板上に残る例え
ば導電性反応層等のエッチング残査を簡単に除去するこ
とができ、外観上及び特性的にも良好な回路基板を得る
ことができる。
【0042】また、前記第3の工程においては、マスク
を通じて選択的にサンドブラスト処理を行って前記回路
パターンの金属除去部分から露出する導電性反応層を除
去して絶縁基板を露出させるようにしてもよい。あるい
は、複数のマスクを使用し、それぞれマスクを通じて選
択的にサンドブラスト処理を行った後、使用しているマ
スクの窓から露出し、かつ、前記回路パターンの金属除
去部分から露出する導電性反応層を除去する処理を、複
数のマスクについて繰り返し行うようにしてもよい。
を通じて選択的にサンドブラスト処理を行って前記回路
パターンの金属除去部分から露出する導電性反応層を除
去して絶縁基板を露出させるようにしてもよい。あるい
は、複数のマスクを使用し、それぞれマスクを通じて選
択的にサンドブラスト処理を行った後、使用しているマ
スクの窓から露出し、かつ、前記回路パターンの金属除
去部分から露出する導電性反応層を除去する処理を、複
数のマスクについて繰り返し行うようにしてもよい。
【0043】マスクを使用することで、回路パターンの
表面がブラスト砥粒によって削られることがないため、
回路パターンの表面を鏡面に維持することができ、その
後の配線工程で例えばボンディングワイヤを良好に接合
させることができる。
表面がブラスト砥粒によって削られることがないため、
回路パターンの表面を鏡面に維持することができ、その
後の配線工程で例えばボンディングワイヤを良好に接合
させることができる。
【0044】前記金属板は、Cu、Cu合金、Al又は
Al合金にて構成するようにしてもよい。また、前記金
属板上にメッキ層を形成するようにしてもよい。この場
合、回路上に実装される例えば半導体装置などを半田付
けする場合に、該半田層の濡れ性が良好となり、半導体
装置を回路上に確実に実装させることができる。前記メ
ッキ層としてはNiメッキ層が好ましい。
Al合金にて構成するようにしてもよい。また、前記金
属板上にメッキ層を形成するようにしてもよい。この場
合、回路上に実装される例えば半導体装置などを半田付
けする場合に、該半田層の濡れ性が良好となり、半導体
装置を回路上に確実に実装させることができる。前記メ
ッキ層としてはNiメッキ層が好ましい。
【0045】また、第1及び第2の製造方法における前
記第1の工程において、前記絶縁基板上に活性元素を含
む硬ろう材を介して前記金属板を接合するが、この場
合、前記活性元素は、周期律表第2A族、第3A族、第
4A族、第5A族又は第4B族のいずれかに属する元素
の少なくとも1つを選ぶことができる。
記第1の工程において、前記絶縁基板上に活性元素を含
む硬ろう材を介して前記金属板を接合するが、この場
合、前記活性元素は、周期律表第2A族、第3A族、第
4A族、第5A族又は第4B族のいずれかに属する元素
の少なくとも1つを選ぶことができる。
【0046】前記第3の工程におけるサンドブラスト処
理は、前記絶縁基板が露出された段階で、前記絶縁基板
上に少なくとも前記回路パターンが残存する条件で行う
ことが好ましい。また、前記回路上にメッキ層が形成さ
れている場合に、前記第3の工程におけるサンドブラス
ト処理は、前記絶縁基板が露出された段階で、前記回路
パターン上にメッキ層が残存する条件で行うことが好ま
しい。
理は、前記絶縁基板が露出された段階で、前記絶縁基板
上に少なくとも前記回路パターンが残存する条件で行う
ことが好ましい。また、前記回路上にメッキ層が形成さ
れている場合に、前記第3の工程におけるサンドブラス
ト処理は、前記絶縁基板が露出された段階で、前記回路
パターン上にメッキ層が残存する条件で行うことが好ま
しい。
【0047】また、前記第3の工程において、前記絶縁
基板と前記硬ろう材中の活性元素との反応によって生成
される導電性反応層のうち、前記回路パターンの金属除
去部分に対応する導電性反応層をサンドブラスト処理に
て除去することが必要である。この場合、前記回路パタ
ーンの金属除去部分における導電性反応層を除去した段
階で、前記絶縁基板上に少なくとも前記回路パターンが
残存する条件で行うことが好ましく、前記回路パターン
上にメッキ層が形成されている場合においては、前記回
路パターンの金属除去部分における導電性反応層を除去
した段階で、前記回路パターン上にメッキ層が残存する
条件で行うことが好ましい。
基板と前記硬ろう材中の活性元素との反応によって生成
される導電性反応層のうち、前記回路パターンの金属除
去部分に対応する導電性反応層をサンドブラスト処理に
て除去することが必要である。この場合、前記回路パタ
ーンの金属除去部分における導電性反応層を除去した段
階で、前記絶縁基板上に少なくとも前記回路パターンが
残存する条件で行うことが好ましく、前記回路パターン
上にメッキ層が形成されている場合においては、前記回
路パターンの金属除去部分における導電性反応層を除去
した段階で、前記回路パターン上にメッキ層が残存する
条件で行うことが好ましい。
【0048】前記サンドブラスト処理は、メッシュ#1
80より小さい粒子を用いることが好ましく、前記粒子
は、Al2O3あるいはSiCであることが好ましい。ま
た、サンドブラスト処理でのエア圧力は、0.1MPa
〜0.25MPaであることが好ましい。
80より小さい粒子を用いることが好ましく、前記粒子
は、Al2O3あるいはSiCであることが好ましい。ま
た、サンドブラスト処理でのエア圧力は、0.1MPa
〜0.25MPaであることが好ましい。
【0049】形成された例えば銅の回路パターン間に金
属材料の残留物を残さないためには、銅をエッチングす
る場合に標準的に用いられる塩化第二鉄水溶液や塩化第
二銅水溶液によるエッチングを行った後、ろう材成分を
効果的にエッチングする溶液により処理することが好ま
しい。
属材料の残留物を残さないためには、銅をエッチングす
る場合に標準的に用いられる塩化第二鉄水溶液や塩化第
二銅水溶液によるエッチングを行った後、ろう材成分を
効果的にエッチングする溶液により処理することが好ま
しい。
【0050】この接合においては、Agを主成分とし、
活性元素を含む硬ろう材、あるいはAgを主成分とした
ろう材を活性金属の箔と共に、好適に用いることができ
るので、これらの場合においては、Agをエッチングす
るための硝酸第二鉄水溶液による処理が好ましい。
活性元素を含む硬ろう材、あるいはAgを主成分とした
ろう材を活性金属の箔と共に、好適に用いることができ
るので、これらの場合においては、Agをエッチングす
るための硝酸第二鉄水溶液による処理が好ましい。
【0051】また、このろう材屑を薄く管理することは
処理上重要である。加圧下での接合を行うこと等でこれ
らの厚さを10μm以下、より好ましくは5μm以下に
制御することは、上記のろう材成分の除去工程を省くこ
とができるので好ましい。
処理上重要である。加圧下での接合を行うこと等でこれ
らの厚さを10μm以下、より好ましくは5μm以下に
制御することは、上記のろう材成分の除去工程を省くこ
とができるので好ましい。
【0052】接合時に加圧を行うのであれば、ろう材溶
融時に被接合物の平坦性を保つと共に、余剰のろう材を
外部に押し出すのに足る応力をかけてやればよい。絶縁
材を破壊させない配慮から0.1MPa〜20MPa、
より好ましくは0.5MPa〜10MPaの応力下での
接合が適切である。
融時に被接合物の平坦性を保つと共に、余剰のろう材を
外部に押し出すのに足る応力をかけてやればよい。絶縁
材を破壊させない配慮から0.1MPa〜20MPa、
より好ましくは0.5MPa〜10MPaの応力下での
接合が適切である。
【0053】ろう材成分と銅回路成分はブラスト処理に
おける除去速度は近似であるが、前記以下の厚さであれ
ば、ろう材屑は塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液に
よるエッチングで残留していても、銅回路が必要以上に
除去されることはなく、当該ろう材成分層と活性金属の
窒化物層を除去することが可能である。
おける除去速度は近似であるが、前記以下の厚さであれ
ば、ろう材屑は塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液に
よるエッチングで残留していても、銅回路が必要以上に
除去されることはなく、当該ろう材成分層と活性金属の
窒化物層を除去することが可能である。
【0054】また、この金属板の回路上には、メッキ層
を積層してもよいが、この場合においても当該メッキ層
の厚さを上記の残余のろう材屑と活性金属の窒化物層を
除去するために必要なブラスト処理で失われない厚さに
制御すれば、同様の処理でメッキ層をもった銅回路を形
成することが可能である。
を積層してもよいが、この場合においても当該メッキ層
の厚さを上記の残余のろう材屑と活性金属の窒化物層を
除去するために必要なブラスト処理で失われない厚さに
制御すれば、同様の処理でメッキ層をもった銅回路を形
成することが可能である。
【0055】Niメッキを行う場合は、上記のろう材の
残留を勘案して、2μm以上、より好ましくは5μm以
上の厚さが好ましい。
残留を勘案して、2μm以上、より好ましくは5μm以
上の厚さが好ましい。
【0056】また、この接合においてCuを主成分と
し、活性金属を含む硬ろう材、あるいはCuを主成分と
したろう材を活性金属の箔と共に用いることができ、こ
の場合には、上記の塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶
液によるエッチングのみで硬ろう材成分を残すことなく
エッチングが可能である。
し、活性金属を含む硬ろう材、あるいはCuを主成分と
したろう材を活性金属の箔と共に用いることができ、こ
の場合には、上記の塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶
液によるエッチングのみで硬ろう材成分を残すことなく
エッチングが可能である。
【0057】なお、絶縁基板の下部にヒートスプレッダ
材あるいはヒートシンク材を接合するようにしてもよ
い。この場合、前記絶縁基板の下面に硬ろう材を介して
金属による緩衝板を接合し、該緩衝板下面に硬ろう材を
介して前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材
を接合するようにしてもよい。更に、前記ヒートスプレ
ッダ材あるいはヒートシンク材の下面に硬ろう材を介し
て金属板を接合するようにしてもよい。
材あるいはヒートシンク材を接合するようにしてもよ
い。この場合、前記絶縁基板の下面に硬ろう材を介して
金属による緩衝板を接合し、該緩衝板下面に硬ろう材を
介して前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材
を接合するようにしてもよい。更に、前記ヒートスプレ
ッダ材あるいはヒートシンク材の下面に硬ろう材を介し
て金属板を接合するようにしてもよい。
【0058】絶縁基板の下部に緩衝板ヒートスプレッダ
材あるいはヒートシンク材並びに金属板それぞれ硬ろう
材を介して接合する場合においては、硬ろう材としてA
g−Cu−In−Tiを使用する場合、合金化による回
路の汚染を抑止するためにろう材量を低減させることが
望ましいが、その際に接合に必要なTiの絶対量が不足
する場合がある。この場合は必要量に応じてTi箔を混
入させ、Ti濃度を上げて接合することがより望まし
い。これにより、剥離強度をTi箔を混入させない場合
よりも向上させることができる。必要なTi濃度は、接
合される材料にもよるが、本発明のCuとAlNあるい
はSi3N4の接合では、0.05mg/cm2以上、
CuとSiC母材にCu又はCu合金が含浸された複合
材料、あるいはC母材にCu又はCu合金が含浸された
複合材料を接合する際には、1.5mg/cm2以上の
濃度とすることが望ましい。
材あるいはヒートシンク材並びに金属板それぞれ硬ろう
材を介して接合する場合においては、硬ろう材としてA
g−Cu−In−Tiを使用する場合、合金化による回
路の汚染を抑止するためにろう材量を低減させることが
望ましいが、その際に接合に必要なTiの絶対量が不足
する場合がある。この場合は必要量に応じてTi箔を混
入させ、Ti濃度を上げて接合することがより望まし
い。これにより、剥離強度をTi箔を混入させない場合
よりも向上させることができる。必要なTi濃度は、接
合される材料にもよるが、本発明のCuとAlNあるい
はSi3N4の接合では、0.05mg/cm2以上、
CuとSiC母材にCu又はCu合金が含浸された複合
材料、あるいはC母材にCu又はCu合金が含浸された
複合材料を接合する際には、1.5mg/cm2以上の
濃度とすることが望ましい。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回路基板及び
その製造方法の実施の形態例を図1〜図35を参照しな
がら説明する。
その製造方法の実施の形態例を図1〜図35を参照しな
がら説明する。
【0060】まず、第1の実施の形態に係る回路基板1
0Aを有する電子部品12Aは、図1に示すように、第
1の実施の形態に係る回路基板10Aに半田層14を介
して半導体装置16が実装され、更に、回路基板10A
の下面に金属板18を介してヒートシンク材20が固定
されて構成されている。
0Aを有する電子部品12Aは、図1に示すように、第
1の実施の形態に係る回路基板10Aに半田層14を介
して半導体装置16が実装され、更に、回路基板10A
の下面に金属板18を介してヒートシンク材20が固定
されて構成されている。
【0061】そして、第1の実施の形態に係る回路基板
10Aは、ヒートスプレッダ材22上に熱伝導層24を
有して構成されている。
10Aは、ヒートスプレッダ材22上に熱伝導層24を
有して構成されている。
【0062】熱伝導層24は、ヒートスプレッダ材22
上に活性元素を含む第1のろう材26を介して接合され
た金属製の緩衝板(Cu等)28と、該緩衝板28上に
活性元素を含む第2のろう材30を介して接合された絶
縁基板32と、該絶縁基板32上に活性元素を含む第3
のろう材34を介して接合された回路用金属板40によ
る回路36とを有して構成されている。また、ヒートス
プレッダ材22の下面には第4のろう材100を介して
前記金属板18(Cu等)が接合される。
上に活性元素を含む第1のろう材26を介して接合され
た金属製の緩衝板(Cu等)28と、該緩衝板28上に
活性元素を含む第2のろう材30を介して接合された絶
縁基板32と、該絶縁基板32上に活性元素を含む第3
のろう材34を介して接合された回路用金属板40によ
る回路36とを有して構成されている。また、ヒートス
プレッダ材22の下面には第4のろう材100を介して
前記金属板18(Cu等)が接合される。
【0063】ここで、回路36は、上面にNiメッキ層
38が形成されたCu又はAl等から構成される回路用
金属板40を所定の回路パターンに沿ってエッチング処
理、あるいはプレス加工によって作製される。
38が形成されたCu又はAl等から構成される回路用
金属板40を所定の回路パターンに沿ってエッチング処
理、あるいはプレス加工によって作製される。
【0064】また、絶縁基板32は、AlN層又はSi
3N4層を用いることができる。絶縁基板32としてAl
N層を用いた場合、該AlN層の熱膨張率は、AlとN
のモル組成比に依存して変化するが、概ね3.0×10
-6〜1.0×10-5/Kの範囲内である。従って、ヒー
トスプレッダ材22の熱膨張率は、3.0×10-6〜
1.0×10-5/Kであることが好ましい。例えば、絶
縁基板32の熱膨張率が3.0×10-6/Kであり、か
つヒートスプレッダ材22の熱膨張率が1.0×10-5
/Kを超える熱膨張率を有するものである場合には、電
子部品12Aが使用されることに伴って該電子部品12
Aの温度が上昇した際、ヒートスプレッダ材22と絶縁
基板32とが互いに剥離するおそれがあるからである。
3N4層を用いることができる。絶縁基板32としてAl
N層を用いた場合、該AlN層の熱膨張率は、AlとN
のモル組成比に依存して変化するが、概ね3.0×10
-6〜1.0×10-5/Kの範囲内である。従って、ヒー
トスプレッダ材22の熱膨張率は、3.0×10-6〜
1.0×10-5/Kであることが好ましい。例えば、絶
縁基板32の熱膨張率が3.0×10-6/Kであり、か
つヒートスプレッダ材22の熱膨張率が1.0×10-5
/Kを超える熱膨張率を有するものである場合には、電
子部品12Aが使用されることに伴って該電子部品12
Aの温度が上昇した際、ヒートスプレッダ材22と絶縁
基板32とが互いに剥離するおそれがあるからである。
【0065】絶縁基板32におけるAlとNとのモル組
成比は、Al:N=0.8:1.2〜1.2:0.8で
あることが好ましい。この場合、絶縁基板32は、確実
に3.0×10-6〜1.0×10-5/Kの熱膨張率と1
50W/mK以上の熱伝導率を示すからである。
成比は、Al:N=0.8:1.2〜1.2:0.8で
あることが好ましい。この場合、絶縁基板32は、確実
に3.0×10-6〜1.0×10-5/Kの熱膨張率と1
50W/mK以上の熱伝導率を示すからである。
【0066】また、ヒートスプレッダ材22の熱伝導率
は、150W/mK以上であることが好ましい。150
W/mK未満であると、電子部品12Aが使用されるこ
とに伴って半導体装置16が発した熱を電子部品12A
の外部へと伝達させる速度が遅くなるので、該電子部品
12Aの温度を一定に保持する効果に乏しくなるからで
ある。
は、150W/mK以上であることが好ましい。150
W/mK未満であると、電子部品12Aが使用されるこ
とに伴って半導体装置16が発した熱を電子部品12A
の外部へと伝達させる速度が遅くなるので、該電子部品
12Aの温度を一定に保持する効果に乏しくなるからで
ある。
【0067】ヒートスプレッダ材22の構成材料は、熱
伝導率や熱膨張率が上記した範囲内となるようなもので
あれば特に限定されないが、SiC、AlN、Si
3N4、BeO、Al2O3、Be2C、C、Cu、Cu合
金、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Siからなる群
から選択された少なくとも1つを好適な例として挙げる
ことができる。即ち、ヒートスプレッダ材22は、これ
らの中から選定された単体または2つ以上からなる複合
材から構成することができる。複合材としては、SiC
/Cu複合材22A(図2参照)やC/Cu複合材22
B(図3参照)を例示することができる。
伝導率や熱膨張率が上記した範囲内となるようなもので
あれば特に限定されないが、SiC、AlN、Si
3N4、BeO、Al2O3、Be2C、C、Cu、Cu合
金、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Siからなる群
から選択された少なくとも1つを好適な例として挙げる
ことができる。即ち、ヒートスプレッダ材22は、これ
らの中から選定された単体または2つ以上からなる複合
材から構成することができる。複合材としては、SiC
/Cu複合材22A(図2参照)やC/Cu複合材22
B(図3参照)を例示することができる。
【0068】SiC/Cu複合材22Aは、図2に示す
ように、SiCで構成された多孔質焼結体50の開気孔
52内に溶融したCu又はCu合金54を含浸し、次い
で、このCu又はCu合金54を固化することにより得
られる。
ように、SiCで構成された多孔質焼結体50の開気孔
52内に溶融したCu又はCu合金54を含浸し、次い
で、このCu又はCu合金54を固化することにより得
られる。
【0069】C/Cu複合材22Bは、図3に示すよう
に、カーボン又はその同素体を予備焼成してネットワー
ク化することによって得られる多孔質焼結体60の開気
孔62内に溶融したCu又はCu合金64を含浸し、次
いで、このCu又はCu合金64を固化することにより
得られるものであって、例えば特願2000−8083
3号に示される部材である。
に、カーボン又はその同素体を予備焼成してネットワー
ク化することによって得られる多孔質焼結体60の開気
孔62内に溶融したCu又はCu合金64を含浸し、次
いで、このCu又はCu合金64を固化することにより
得られるものであって、例えば特願2000−8083
3号に示される部材である。
【0070】ヒートシンク材22が上述した複合材料や
合金からなる場合、熱膨張率や熱伝導率は、構成成分の
組成比を設定することにより、上記した範囲内(熱膨張
率3.0×10-6〜1.0×10-5/K:、熱伝導率:
150W/mK以上)に制御することができる。
合金からなる場合、熱膨張率や熱伝導率は、構成成分の
組成比を設定することにより、上記した範囲内(熱膨張
率3.0×10-6〜1.0×10-5/K:、熱伝導率:
150W/mK以上)に制御することができる。
【0071】第1〜第4のろう材26、30、34及び
100は、活性元素を含む硬ろう材であることが好まし
い。この場合、活性元素は、Mg、Sr、Ca、Ba、
Be等の周期律表第2A族、Ce等の第3A族、Ti、
Zr、Hf等の第4A族、又は、Nb、Ta等の第5A
族、B、Si等の第4B族に属する元素の少なくとも1
つを使用することができる。第1の実施の形態では、前
記第1〜第3のろう材26、30及び34として、Ag
−Cu−Tiの硬ろう材又はAg−Cu−In−Ti又
はCu−Al−Si−Tiの硬ろう材を使用した。この
場合、活性元素はTiである。
100は、活性元素を含む硬ろう材であることが好まし
い。この場合、活性元素は、Mg、Sr、Ca、Ba、
Be等の周期律表第2A族、Ce等の第3A族、Ti、
Zr、Hf等の第4A族、又は、Nb、Ta等の第5A
族、B、Si等の第4B族に属する元素の少なくとも1
つを使用することができる。第1の実施の形態では、前
記第1〜第3のろう材26、30及び34として、Ag
−Cu−Tiの硬ろう材又はAg−Cu−In−Ti又
はCu−Al−Si−Tiの硬ろう材を使用した。この
場合、活性元素はTiである。
【0072】そして、第1の実施の形態に係る回路基板
10Aを使用する場合は、金属板18の下面に、例えば
AlやCuで構成されたヒートシンク材20が例えばネ
ジ止め(図示せず)によって固定されることとなる。ヒ
ートシンク材20は、冷却フィンを設けることが一般的
であり、水冷もしくは空冷により熱を放散する部材であ
る。
10Aを使用する場合は、金属板18の下面に、例えば
AlやCuで構成されたヒートシンク材20が例えばネ
ジ止め(図示せず)によって固定されることとなる。ヒ
ートシンク材20は、冷却フィンを設けることが一般的
であり、水冷もしくは空冷により熱を放散する部材であ
る。
【0073】そして、この第1の実施の形態に係る回路
基板10Aにおいては、図4の拡大図に示すように、回
路36が、以下の2種類の方法で形成されている。即
ち、第1の方法は、絶縁基板32上に第3のろう材34
を介して接合された回路用金属板40に対するエッチン
グ処理とサンドブラスト処理により回路36を形成す
る。第2の方法は、予め回路パターン(回路36以外の
金属部分が完全に除去されたものではなく、後に回路3
6となる部分がパターンとして表出されていることを示
す)が形成された回路用金属板40を第3のろう材34
を介して絶縁基板32上に接合した後、該回路用金属板
40に対してサンドブラスト処理を行って回路36を形
成する。
基板10Aにおいては、図4の拡大図に示すように、回
路36が、以下の2種類の方法で形成されている。即
ち、第1の方法は、絶縁基板32上に第3のろう材34
を介して接合された回路用金属板40に対するエッチン
グ処理とサンドブラスト処理により回路36を形成す
る。第2の方法は、予め回路パターン(回路36以外の
金属部分が完全に除去されたものではなく、後に回路3
6となる部分がパターンとして表出されていることを示
す)が形成された回路用金属板40を第3のろう材34
を介して絶縁基板32上に接合した後、該回路用金属板
40に対してサンドブラスト処理を行って回路36を形
成する。
【0074】前記回路36のうち、金属除去部分36a
は、下層の絶縁基板32が露出されて構成されている。
なお、絶縁基板32と回路36間には、互いの接合によ
り、第3のろう材34と絶縁基板32との反応によって
導電性反応層70が生成されることになる。従って、図
4においては、第3のろう材を示す符号34をカッコ書
きで示す。
は、下層の絶縁基板32が露出されて構成されている。
なお、絶縁基板32と回路36間には、互いの接合によ
り、第3のろう材34と絶縁基板32との反応によって
導電性反応層70が生成されることになる。従って、図
4においては、第3のろう材を示す符号34をカッコ書
きで示す。
【0075】ここで、第1の実施の形態に係る回路基板
10Aのいくつかの製造方法について図5A〜図14D
を参照しながら説明する。
10Aのいくつかの製造方法について図5A〜図14D
を参照しながら説明する。
【0076】まず、第1の製造方法は、図5Aに示すセ
ッティング工程において、治具72上に、金属板18、
第4のろう材100、ヒートスプレッダ材22、第1の
ろう材26、緩衝板28、第2のろう材30、絶縁基板
32、第3のろう材34及び上面にNiメッキ層38が
形成された回路用金属板40の順に載置(セッティン
グ)し、治具72上に固定する。このセッティングは、
例えば大気中で行われる。
ッティング工程において、治具72上に、金属板18、
第4のろう材100、ヒートスプレッダ材22、第1の
ろう材26、緩衝板28、第2のろう材30、絶縁基板
32、第3のろう材34及び上面にNiメッキ層38が
形成された回路用金属板40の順に載置(セッティン
グ)し、治具72上に固定する。このセッティングは、
例えば大気中で行われる。
【0077】次に、図5Bに示す接合工程において、治
具72上に固定された金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び回路用金属板40を、例えば1.0×10-5
Torr以下の真空中にて、上方から加圧を行いなが
ら、昇温・降温を行って接合する。この接合処理によっ
て、回路用金属板40、絶縁基板32、緩衝板26、ヒ
ートスプレッダ材22及び金属板が一体化された接合体
が得られる。
具72上に固定された金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び回路用金属板40を、例えば1.0×10-5
Torr以下の真空中にて、上方から加圧を行いなが
ら、昇温・降温を行って接合する。この接合処理によっ
て、回路用金属板40、絶縁基板32、緩衝板26、ヒ
ートスプレッダ材22及び金属板が一体化された接合体
が得られる。
【0078】前記接合工程での加圧は、0.1MPa以
上、20MPa以下、より好ましくは、0.5MPa以
上、10MPa以下の力で加圧することが好ましい。こ
の応力以下の場合、ろう材層が残留して、エッチングで
除去する際の障害となることがあり、また、この応力以
上の場合は、絶縁基板32に多大な荷重がかかるおそれ
があるからである。また、この接合時においては、特
に、例えば図6Aに示すように、第3のろう材34の活
性金属(この場合、Ti)と絶縁基板32(AlNやS
i3N4)との反応によって、金属板40と絶縁基板32
との間に導電性反応層70(TiN層)が生成される。
上、20MPa以下、より好ましくは、0.5MPa以
上、10MPa以下の力で加圧することが好ましい。こ
の応力以下の場合、ろう材層が残留して、エッチングで
除去する際の障害となることがあり、また、この応力以
上の場合は、絶縁基板32に多大な荷重がかかるおそれ
があるからである。また、この接合時においては、特
に、例えば図6Aに示すように、第3のろう材34の活
性金属(この場合、Ti)と絶縁基板32(AlNやS
i3N4)との反応によって、金属板40と絶縁基板32
との間に導電性反応層70(TiN層)が生成される。
【0079】その後、図6A及び図6Bに示すように、
回路用金属板40に対して所定の回路パターンに沿って
エッチング処理を施して回路36を形成する。具体的に
は、図6Aに示すように、回路用金属板40の全面に回
路形成用のレジスト80を印刷し、該レジスト80に対
してエッチングしない部分のみを選択的に硬化した後、
非硬化部分を除去して窓80aを形成する(レジスト形
成工程)。このレジスト80が残った部分が回路パター
ンとなる。
回路用金属板40に対して所定の回路パターンに沿って
エッチング処理を施して回路36を形成する。具体的に
は、図6Aに示すように、回路用金属板40の全面に回
路形成用のレジスト80を印刷し、該レジスト80に対
してエッチングしない部分のみを選択的に硬化した後、
非硬化部分を除去して窓80aを形成する(レジスト形
成工程)。このレジスト80が残った部分が回路パター
ンとなる。
【0080】その後、図6Bに示すように、金属板40
の上面に形成されたNiメッキ層38のうち、レジスト
80の窓80aから露出した部分であるNiめっき38
並びに金属板40を塩化第二鉄水溶液もしくは塩化第二
銅水溶液でエッチング処理して、回路36を形成する。
その後、Agを主成分とするろう材を使用している場合
には、硝酸第二鉄水溶液でエッチングすることは、回路
36間に残留するろう材を完全に除去する上で好ましい
(エッチング処理工程)。
の上面に形成されたNiメッキ層38のうち、レジスト
80の窓80aから露出した部分であるNiめっき38
並びに金属板40を塩化第二鉄水溶液もしくは塩化第二
銅水溶液でエッチング処理して、回路36を形成する。
その後、Agを主成分とするろう材を使用している場合
には、硝酸第二鉄水溶液でエッチングすることは、回路
36間に残留するろう材を完全に除去する上で好ましい
(エッチング処理工程)。
【0081】その後、図7に示すように、回路36上の
レジスト80を除去した後、回路36を含む全面に対し
てサンドブラスト処理を行って、回路36の金属除去部
分36aに残存する導電性反応層70を除去する。これ
によって、回路36の金属除去部分36aから下層の絶
縁基板32が露出することになる。
レジスト80を除去した後、回路36を含む全面に対し
てサンドブラスト処理を行って、回路36の金属除去部
分36aに残存する導電性反応層70を除去する。これ
によって、回路36の金属除去部分36aから下層の絶
縁基板32が露出することになる。
【0082】この場合、前記サンドブラスト処理は、回
路36の金属除去部分36aに残存する導電性反応層7
0を除去した段階で、回路36上にNiメッキ層38が
残存する条件で行うことが好ましい。
路36の金属除去部分36aに残存する導電性反応層7
0を除去した段階で、回路36上にNiメッキ層38が
残存する条件で行うことが好ましい。
【0083】この実施の形態では、サンドブラスト処理
として、メッシュ#180より細かいAl2O3あるいは
SiCの粒子を用い、エア圧力は、0.1MPa〜0.
25MPaである。また、Niメッキ層38の厚みとし
ては2μm以上の厚さである。なお、メッシュ#180
に対応する粒子の径は、メッシュ#180を通過する最
大粒子径で表すことができ、この場合、85μmであ
る。従って、粒子径が85μm以下の粒子を使用するこ
とが好ましい。
として、メッシュ#180より細かいAl2O3あるいは
SiCの粒子を用い、エア圧力は、0.1MPa〜0.
25MPaである。また、Niメッキ層38の厚みとし
ては2μm以上の厚さである。なお、メッシュ#180
に対応する粒子の径は、メッシュ#180を通過する最
大粒子径で表すことができ、この場合、85μmであ
る。従って、粒子径が85μm以下の粒子を使用するこ
とが好ましい。
【0084】ここで、具体的に、サンドブラスト処理の
各種材料に対するエッチングレートについて説明する。
まず、サンドブラスト処理に用いる粒子としてメッシュ
#240の細かさを有するAl2O3の粒子を使用し、エ
ア圧力として0.1MPa及び0.25MPaとしたと
きのエッチングレートを測定すると、図8に示すような
結果となった。
各種材料に対するエッチングレートについて説明する。
まず、サンドブラスト処理に用いる粒子としてメッシュ
#240の細かさを有するAl2O3の粒子を使用し、エ
ア圧力として0.1MPa及び0.25MPaとしたと
きのエッチングレートを測定すると、図8に示すような
結果となった。
【0085】つまり、エア圧力を0.25MPaとした
場合、絶縁基板32の構成材料であるAlNに対するエ
ッチングレートは13μm/secであり、同じく絶縁
基板32の構成材料であるSi3N4は2.7μm/se
cであった。同様に、回路36の構成材料であるCuに
対するエッチングレートは1.5μm/secであり、
回路36上のNiメッキ層38の構成材料であるNiは
2μm/secであり、ろう材であるAg−Cu−Ti
は1.6μmであり、導電性反応層70の構成材料であ
るTiNは10μm/secであった。
場合、絶縁基板32の構成材料であるAlNに対するエ
ッチングレートは13μm/secであり、同じく絶縁
基板32の構成材料であるSi3N4は2.7μm/se
cであった。同様に、回路36の構成材料であるCuに
対するエッチングレートは1.5μm/secであり、
回路36上のNiメッキ層38の構成材料であるNiは
2μm/secであり、ろう材であるAg−Cu−Ti
は1.6μmであり、導電性反応層70の構成材料であ
るTiNは10μm/secであった。
【0086】金属板40と絶縁基板32との間に生成さ
れる導電性反応層70の厚みとしては、せいぜい2〜5
μm程度であるから、金属板40上のNiメッキ層38
として2μm以上の厚みをもたせれば、1秒間のサンド
ブラスト処理によって、回路36の金属除去部分36a
に残存する導電性反応層70を確実に除去できると共
に、回路36上にNiメッキ層38を残すことができ
る。作業安定性を勘案してNiメッキ層38の厚みを5
μm以上とすることが好ましい。
れる導電性反応層70の厚みとしては、せいぜい2〜5
μm程度であるから、金属板40上のNiメッキ層38
として2μm以上の厚みをもたせれば、1秒間のサンド
ブラスト処理によって、回路36の金属除去部分36a
に残存する導電性反応層70を確実に除去できると共
に、回路36上にNiメッキ層38を残すことができ
る。作業安定性を勘案してNiメッキ層38の厚みを5
μm以上とすることが好ましい。
【0087】同様に、エア圧力を0.1MPaとした場
合、絶縁基板32の構成材料であるAlNに対するエッ
チングレートは4.8μm/secであり、同じく絶縁
基板32の構成材料であるSi3N4は1.4μm/se
cであった。同様に、回路36の構成材料であるCuに
対するエッチングレートは0.8μm/secであり、
回路36上のNiメッキ層38の構成材料であるNiは
1.2μm/secであり、ろう材であるAg−Cu−
Tiは0.9μmであり、導電性反応層70の構成材料
であるTiNは3μm/secであった。
合、絶縁基板32の構成材料であるAlNに対するエッ
チングレートは4.8μm/secであり、同じく絶縁
基板32の構成材料であるSi3N4は1.4μm/se
cであった。同様に、回路36の構成材料であるCuに
対するエッチングレートは0.8μm/secであり、
回路36上のNiメッキ層38の構成材料であるNiは
1.2μm/secであり、ろう材であるAg−Cu−
Tiは0.9μmであり、導電性反応層70の構成材料
であるTiNは3μm/secであった。
【0088】この場合も、2秒程度のサンドブラスト処
理にて、回路36の金属除去部分36aに残存する導電
性反応層70を確実に除去できると共に、回路36上に
Niメッキ層38を残すことができる。
理にて、回路36の金属除去部分36aに残存する導電
性反応層70を確実に除去できると共に、回路36上に
Niメッキ層38を残すことができる。
【0089】もちろん、図9に示すように、回路36上
にマスク82を設置し、該マスク82を通して露出する
部分、即ち、回路36の金属除去部分36aに残存する
導電性反応層70をサンドブラスト処理にて除去するよ
うにしてもよい。
にマスク82を設置し、該マスク82を通して露出する
部分、即ち、回路36の金属除去部分36aに残存する
導電性反応層70をサンドブラスト処理にて除去するよ
うにしてもよい。
【0090】この場合、例えば図10A及び図10Bに
示すように、複数のマスク82A及び82Bを使用し、
それぞれマスク82A及び82Bを通じて選択的にサン
ドブラスト処理を行うようにしてもよい。図10Aの第
1のマスク82Aは、例えば横罫に沿った窓83aを有
し、図10Bの第2のマスク82Bは、例えば縦罫に沿
った窓83bを有する。
示すように、複数のマスク82A及び82Bを使用し、
それぞれマスク82A及び82Bを通じて選択的にサン
ドブラスト処理を行うようにしてもよい。図10Aの第
1のマスク82Aは、例えば横罫に沿った窓83aを有
し、図10Bの第2のマスク82Bは、例えば縦罫に沿
った窓83bを有する。
【0091】具体的に説明すると、エッチング処理後の
回路36の平面パターンとして図11Aに示すパターン
を想定する。この図11Aにおいて、斜線で示す領域
は、導電性反応層70が露出している領域を示す。
回路36の平面パターンとして図11Aに示すパターン
を想定する。この図11Aにおいて、斜線で示す領域
は、導電性反応層70が露出している領域を示す。
【0092】そして、まず、図10Aの第1のマスク8
2Aを使用してサンドブラスト処理を行う。この処理に
よって、図11Bに示すように、前記露出する導電性反
応層70のうち、例えば第1のマスク82Aの窓83a
に対応する部分が除去される。このとき、回路36の部
分への粒子(サンドブラスト処理で使用される粒子)の
衝突は第1のマスク82Aによって遮られる。
2Aを使用してサンドブラスト処理を行う。この処理に
よって、図11Bに示すように、前記露出する導電性反
応層70のうち、例えば第1のマスク82Aの窓83a
に対応する部分が除去される。このとき、回路36の部
分への粒子(サンドブラスト処理で使用される粒子)の
衝突は第1のマスク82Aによって遮られる。
【0093】その後、図10Bの第2のマスク82Bを
使用してサンドブラスト処理を行うことによって、第2
のマスク82Bの窓83bに対応する部分が除去され
る。即ち、図11Cに示すように、回路36の金属除去
部分36aから露出していた導電性反応層70がすべて
除去され、回路36の金属除去部分36aから絶縁基板
が露出することになる。この場合も、回路36の部分へ
の粒子(サンドブラスト処理で使用される粒子)の衝突
は第2のマスク82Bによって遮られる。
使用してサンドブラスト処理を行うことによって、第2
のマスク82Bの窓83bに対応する部分が除去され
る。即ち、図11Cに示すように、回路36の金属除去
部分36aから露出していた導電性反応層70がすべて
除去され、回路36の金属除去部分36aから絶縁基板
が露出することになる。この場合も、回路36の部分へ
の粒子(サンドブラスト処理で使用される粒子)の衝突
は第2のマスク82Bによって遮られる。
【0094】第1及び第2のマスク82A及び82B
は、その材質として、例えばステンレスが好ましく、厚
みは、0.3〜1.0mmであることが好ましい。これ
により、第1及び第2のマスク82A及び82Bは、サ
ンドブラスト処理が終了した時点でも当初の平面形状を
維持し、サンドブラスト用のマスクとして十分機能させ
ることができる。
は、その材質として、例えばステンレスが好ましく、厚
みは、0.3〜1.0mmであることが好ましい。これ
により、第1及び第2のマスク82A及び82Bは、サ
ンドブラスト処理が終了した時点でも当初の平面形状を
維持し、サンドブラスト用のマスクとして十分機能させ
ることができる。
【0095】このようにマスクを使用してサンドブラス
ト処理を行うことで、回路36の金属除去部分36aに
残存する導電性反応層70を確実に除去できると共に、
回路36上のNiメッキ層38にはサンドブラスト処理
の影響を与えずにその表面粗さを維持することができ
る。
ト処理を行うことで、回路36の金属除去部分36aに
残存する導電性反応層70を確実に除去できると共に、
回路36上のNiメッキ層38にはサンドブラスト処理
の影響を与えずにその表面粗さを維持することができ
る。
【0096】次いで、図1に示すように、回路36上に
半田層14を介して半導体装置16を実装することによ
って、電子部品12Aを得る。この第1の実施の形態で
は、市販の例えばシリコン系IGBT(パワー半導体素
子)を低温半田により接合した。更に、図示しないが、
ワイヤボンディングにより、半導体装置16の端子に金
属ワイヤ(ボンディングワイヤ)を電気的に接続すると
共に、回路36にも同様に金属ワイヤを接続した。
半田層14を介して半導体装置16を実装することによ
って、電子部品12Aを得る。この第1の実施の形態で
は、市販の例えばシリコン系IGBT(パワー半導体素
子)を低温半田により接合した。更に、図示しないが、
ワイヤボンディングにより、半導体装置16の端子に金
属ワイヤ(ボンディングワイヤ)を電気的に接続すると
共に、回路36にも同様に金属ワイヤを接続した。
【0097】その後、前記半導体装置16が接合された
回路基板10Aをパッケージ内に収容し、該パッケージ
の内部に、市販のポッティング用シリコーンゲルを注入
し、硬化した。これにより、前記回路基板10Aの電気
的絶縁性が高められ、機械的信頼性が確保されることに
なる。
回路基板10Aをパッケージ内に収容し、該パッケージ
の内部に、市販のポッティング用シリコーンゲルを注入
し、硬化した。これにより、前記回路基板10Aの電気
的絶縁性が高められ、機械的信頼性が確保されることに
なる。
【0098】次に、第2の製造方法について図12A〜
図14Dを参照しながら説明する。この第2の製造方法
は、絶縁基板32上に予め回路パターンが形成された回
路用金属板40を接合する点で上述の第1の製造方法と
異なる。回路用金属板40に予め回路パターンを形成す
る方法としては、プレス成形による方法とエッチングに
よる方法がある。なお、図12A〜図14Dでは、回路
用金属板40上に形成されるメッキ層38の表示を省略
する。
図14Dを参照しながら説明する。この第2の製造方法
は、絶縁基板32上に予め回路パターンが形成された回
路用金属板40を接合する点で上述の第1の製造方法と
異なる。回路用金属板40に予め回路パターンを形成す
る方法としては、プレス成形による方法とエッチングに
よる方法がある。なお、図12A〜図14Dでは、回路
用金属板40上に形成されるメッキ層38の表示を省略
する。
【0099】最初に、プレス成形による方法について説
明すると、図12Aに示すように、回路用金属板40を
用意した後、図12Bに示すように、前記回路用金属板
40に対して半抜き加工を行うことによって、回路パタ
ーン102を形成すると共に、後に回路となる部分10
4の間を連結する円弧状のブリッジ106を成形する。
明すると、図12Aに示すように、回路用金属板40を
用意した後、図12Bに示すように、前記回路用金属板
40に対して半抜き加工を行うことによって、回路パタ
ーン102を形成すると共に、後に回路となる部分10
4の間を連結する円弧状のブリッジ106を成形する。
【0100】この際、図12Bに示すように、回路用金
属板40のうち、後に回路となる部分の下面にろう材3
4を塗布しておいてもよい。この際にろう材の塗布は、
ろう材のペーストを塗布してもよいし、接着材によって
板状もしくは粉体状のろう材を塗布もしくは貼付したも
のであってもよい。
属板40のうち、後に回路となる部分の下面にろう材3
4を塗布しておいてもよい。この際にろう材の塗布は、
ろう材のペーストを塗布してもよいし、接着材によって
板状もしくは粉体状のろう材を塗布もしくは貼付したも
のであってもよい。
【0101】その後、図12Cに示すように(図5A参
照)、治具72上に、金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び回路用金属板40の順に載置(セッティン
グ)し、治具上に固定する。
照)、治具72上に、金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び回路用金属板40の順に載置(セッティン
グ)し、治具上に固定する。
【0102】この際に、図12Bのように、後に回路と
なる部分の下面にろう材34を塗布してある場合は、図
12Cのように、あらためて第3のろう材34を用意す
る必要はなく、直接絶縁基板32上に下面にろう材34
を塗布した回路用金属板40を載置すればよい。
なる部分の下面にろう材34を塗布してある場合は、図
12Cのように、あらためて第3のろう材34を用意す
る必要はなく、直接絶縁基板32上に下面にろう材34
を塗布した回路用金属板40を載置すればよい。
【0103】図12Cでは、絶縁基板32上に第3のろ
う材34を介して、後に回路となる部分の下面にろう材
34を塗布していない回路用金属板40を載置固定した
状態を示す。
う材34を介して、後に回路となる部分の下面にろう材
34を塗布していない回路用金属板40を載置固定した
状態を示す。
【0104】その後、回路用金属板40の上にブリッジ
106を保護するための治具110(保護用治具)を載
置する。この保護用治具110は、平面的に回路用金属
板40を覆う程度の面積を有する例えば直方体あるいは
立方体の形状を有する。そして、円弧状のブリッジ10
6に対応した個所に下面開口の凹部112を有し、か
つ、凹部112以外の部分114が回路となる部分10
4に接する形状とされている。
106を保護するための治具110(保護用治具)を載
置する。この保護用治具110は、平面的に回路用金属
板40を覆う程度の面積を有する例えば直方体あるいは
立方体の形状を有する。そして、円弧状のブリッジ10
6に対応した個所に下面開口の凹部112を有し、か
つ、凹部112以外の部分114が回路となる部分10
4に接する形状とされている。
【0105】その後、治具72(図5参照)上に固定さ
れた金属板18、第4のろう材100、ヒートスプレッ
ダ材22、第1のろう材26、緩衝板28、第2のろう
材30、絶縁基板32、第3のろう材34及び回路用金
属板40を、例えば1.0×10-5Torr以下の真空
中にて、上方から加圧を行いながら、昇温・降温を行っ
て接合する。このとき、回路用金属板40上に保護用治
具110をかぶせるようにしたので、加圧時において、
ブリッジ106が変形、切断するということがなく、回
路用金属板40を絶縁基板32に確実に密着させるとと
もに、回路用金属板40で後に回路となる各部分の位置
ずれの発生を防止することができる。
れた金属板18、第4のろう材100、ヒートスプレッ
ダ材22、第1のろう材26、緩衝板28、第2のろう
材30、絶縁基板32、第3のろう材34及び回路用金
属板40を、例えば1.0×10-5Torr以下の真空
中にて、上方から加圧を行いながら、昇温・降温を行っ
て接合する。このとき、回路用金属板40上に保護用治
具110をかぶせるようにしたので、加圧時において、
ブリッジ106が変形、切断するということがなく、回
路用金属板40を絶縁基板32に確実に密着させるとと
もに、回路用金属板40で後に回路となる各部分の位置
ずれの発生を防止することができる。
【0106】その後、図12Dに示すように、保護用治
具110を取り外した後、図12Eに示すように、ブリ
ッジ106を例えばニッパー等を用いて切断除去するこ
とで、絶縁基板32上には回路用金属板40による回路
36が形成されることになる。上記の目的を達するため
には、ブリッジ106は、回路用金属板40で後に回路
となる各部分の位置ずれが起こらない必要部位に設けて
おけばよく、後に回路となる各部分以外の全ての部位が
当該ブリッジ形状でなくてもよいことは言うまでもな
い。
具110を取り外した後、図12Eに示すように、ブリ
ッジ106を例えばニッパー等を用いて切断除去するこ
とで、絶縁基板32上には回路用金属板40による回路
36が形成されることになる。上記の目的を達するため
には、ブリッジ106は、回路用金属板40で後に回路
となる各部分の位置ずれが起こらない必要部位に設けて
おけばよく、後に回路となる各部分以外の全ての部位が
当該ブリッジ形状でなくてもよいことは言うまでもな
い。
【0107】その後は、上述した第1の製造方法と同様
に、回路36を含む全面に対して、あるいはマスク82
を通してサンドブラスト処理を行うことにより、回路3
6の金属除去部分36aから露出する導電性反応層70
を除去する。
に、回路36を含む全面に対して、あるいはマスク82
を通してサンドブラスト処理を行うことにより、回路3
6の金属除去部分36aから露出する導電性反応層70
を除去する。
【0108】次に、上述した第2の製造方法についての
いくつかの変形例を図13A〜図14Dを参照しながら
説明する。
いくつかの変形例を図13A〜図14Dを参照しながら
説明する。
【0109】まず、第1の変形例に係る製造方法は、図
13Aに示すように、回路用金属板40を用意した後、
図13Bに示すように、回路用金属板40に対するプレ
ス加工によって回路を成形する際に、まず、前記回路用
金属板40に対して半抜き加工を行う。この半抜き加工
によって回路パターン102が形成されると共に、後に
回路となる部分104の間を連結するブリッジ106が
成形される。図13Bの例では、ブリッジ106が回路
となる部分104よりも上方に浮いた状態となってい
る。その後、回路用金属板のうち、後に回路となる部分
の下面に接着剤を塗布する。
13Aに示すように、回路用金属板40を用意した後、
図13Bに示すように、回路用金属板40に対するプレ
ス加工によって回路を成形する際に、まず、前記回路用
金属板40に対して半抜き加工を行う。この半抜き加工
によって回路パターン102が形成されると共に、後に
回路となる部分104の間を連結するブリッジ106が
成形される。図13Bの例では、ブリッジ106が回路
となる部分104よりも上方に浮いた状態となってい
る。その後、回路用金属板のうち、後に回路となる部分
の下面に接着剤を塗布する。
【0110】次いで、図13Cに示すように(図5A参
照)、治具72上に、金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び上面にNiメッキ層38が形成された回路用
金属板40の順に載置(セッティング)し、治具72上
に固定する。このとき、回路用金属板40のうち、後に
回路となる部分104の下面が第3のろう材34上に貼
着される。図13Cでは、絶縁基板32上に第3のろう
材34を介して、回路用金属板40を載置固定した状態
を示す。
照)、治具72上に、金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び上面にNiメッキ層38が形成された回路用
金属板40の順に載置(セッティング)し、治具72上
に固定する。このとき、回路用金属板40のうち、後に
回路となる部分104の下面が第3のろう材34上に貼
着される。図13Cでは、絶縁基板32上に第3のろう
材34を介して、回路用金属板40を載置固定した状態
を示す。
【0111】その後、図13Dに示すように(図5B参
照)、例えば下面が平坦に形成されたパンチ(図示せ
ず)で回路用金属板40の上方から押圧する。このと
き、ブリッジ106が前記パンチの押圧よって下方に移
動し、これにより、ブリッジ106はせん断されること
になる。せん断されたブリッジ106は、前記パンチに
よる押圧によってせん断される位置まで押し下げられる
が、図13Dに示すように、完全にろう材34に接触す
るまで押し下げられても、接着されることはない。
照)、例えば下面が平坦に形成されたパンチ(図示せ
ず)で回路用金属板40の上方から押圧する。このと
き、ブリッジ106が前記パンチの押圧よって下方に移
動し、これにより、ブリッジ106はせん断されること
になる。せん断されたブリッジ106は、前記パンチに
よる押圧によってせん断される位置まで押し下げられる
が、図13Dに示すように、完全にろう材34に接触す
るまで押し下げられても、接着されることはない。
【0112】その後、図13Eに示すように、第3のろ
う材34上に載置されていたブリッジ106を外部に排
出する。排出は当該ブリッジに接着材を塗布したテープ
等を押し付けて抜き取る手法、機械的に挟んで抜き取る
手法等のいずれを行ってもよい。これにより、絶縁基板
32上には回路用金属板40による回路36が形成され
ることになる。
う材34上に載置されていたブリッジ106を外部に排
出する。排出は当該ブリッジに接着材を塗布したテープ
等を押し付けて抜き取る手法、機械的に挟んで抜き取る
手法等のいずれを行ってもよい。これにより、絶縁基板
32上には回路用金属板40による回路36が形成され
ることになる。
【0113】その後、図5Bに示すように、治具72上
に固定された金属板18、第4のろう材100、ヒート
スプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝板28、第
2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう材34及び
回路用金属板40を、例えば1.0×10-5Torr以
下の真空中にて、上方から加圧を行いながら、昇温・降
温を行って接合する。
に固定された金属板18、第4のろう材100、ヒート
スプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝板28、第
2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう材34及び
回路用金属板40を、例えば1.0×10-5Torr以
下の真空中にて、上方から加圧を行いながら、昇温・降
温を行って接合する。
【0114】その後は、上述した第1の製造方法と同様
に、回路36を含む全面に対して、あるいはマスク82
を通してサンドブラスト処理を行うことにより、回路3
6の金属除去部分36aから露出する導電性反応層70
を除去する。
に、回路36を含む全面に対して、あるいはマスク82
を通してサンドブラスト処理を行うことにより、回路3
6の金属除去部分36aから露出する導電性反応層70
を除去する。
【0115】次に、第2の変形例に係る製造方法は、図
14Aに示すように、回路用金属板40を用意した後、
図14Bに示すように、前記回路用金属板40に対して
後に回路となる部分104以外の部分をエッチングし
て、該部分の厚みを薄くする。この段階で、回路用金属
板40にエッチング処理による回路パターン102が形
成される。
14Aに示すように、回路用金属板40を用意した後、
図14Bに示すように、前記回路用金属板40に対して
後に回路となる部分104以外の部分をエッチングし
て、該部分の厚みを薄くする。この段階で、回路用金属
板40にエッチング処理による回路パターン102が形
成される。
【0116】その後、図14Cに示すように(図5A参
照)、治具72上に、金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び回路用金属板40の順に載置(セッティン
グ)し、治具72上に固定する。このとき、回路用金属
板40は、エッチングによって凸凹になった面を第3の
ろう材34に対向させて載置固定する。これにより、回
路用金属板40のうち、厚みの薄い部分が回路間を連結
するブリッジ106として機能する。
照)、治具72上に、金属板18、第4のろう材10
0、ヒートスプレッダ材22、第1のろう材26、緩衝
板28、第2のろう材30、絶縁基板32、第3のろう
材34及び回路用金属板40の順に載置(セッティン
グ)し、治具72上に固定する。このとき、回路用金属
板40は、エッチングによって凸凹になった面を第3の
ろう材34に対向させて載置固定する。これにより、回
路用金属板40のうち、厚みの薄い部分が回路間を連結
するブリッジ106として機能する。
【0117】その後、治具72(図5B参照)上に固定
された金属板18、第4のろう材100、ヒートスプレ
ッダ材22、第1のろう材26、緩衝板28、第2のろ
う材30、絶縁基板32、第3のろう材34及び回路用
金属板40を、例えば1.0×10-5Torr以下の真
空中にて、上方から加圧を行いながら、昇温・降温を行
って接合する。
された金属板18、第4のろう材100、ヒートスプレ
ッダ材22、第1のろう材26、緩衝板28、第2のろ
う材30、絶縁基板32、第3のろう材34及び回路用
金属板40を、例えば1.0×10-5Torr以下の真
空中にて、上方から加圧を行いながら、昇温・降温を行
って接合する。
【0118】その後、図14Dに示すように、ブリッジ
106を例えばニッパー等を用いて切断除去すること
で、絶縁基板32上には回路用金属板40による回路3
6が形成されることになる。この際、ブリッジ106
は、回路用金属板40で後に回路となる各部分の位置ず
れが起こらない必要部位に設けられていればよく、後に
回路となる各部分以外の全ての部位が当該ブリッジ形状
でなくてよいことはいうまでもないことは前例と同様で
ある。
106を例えばニッパー等を用いて切断除去すること
で、絶縁基板32上には回路用金属板40による回路3
6が形成されることになる。この際、ブリッジ106
は、回路用金属板40で後に回路となる各部分の位置ず
れが起こらない必要部位に設けられていればよく、後に
回路となる各部分以外の全ての部位が当該ブリッジ形状
でなくてよいことはいうまでもないことは前例と同様で
ある。
【0119】その後は、上述した製造方法と同様に、回
路36を含む全面に対して、あるいはマスク82を通し
てサンドブラスト処理を行うことにより、回路36の金
属除去部分36aから露出する導電性反応層70を除去
する。
路36を含む全面に対して、あるいはマスク82を通し
てサンドブラスト処理を行うことにより、回路36の金
属除去部分36aから露出する導電性反応層70を除去
する。
【0120】ここで、第1の実施の形態に係る回路基板
10Aの好ましい具体的態様について以下に説明する。
10Aの好ましい具体的態様について以下に説明する。
【0121】まず、図1に示すように、絶縁基板32と
ヒートシンク材22との間に緩衝板28があることが好
ましい。この緩衝板28の存在により、回路基板10A
の熱サイクル特性を改善することができる。
ヒートシンク材22との間に緩衝板28があることが好
ましい。この緩衝板28の存在により、回路基板10A
の熱サイクル特性を改善することができる。
【0122】ここで、第1の実験例を示す。この第1の
実験例は、比較例1と実施例1〜3について、熱サイク
ル試験を行ったものである。比較例1は、第1の実施の
形態に係る回路基板10Aにおいて緩衝板28を省略し
た構造を有し、実施例1〜3は、第1の実施の形態に係
る回路基板10Aとほぼ同様の構成を有する。具体的な
接合構造を図15に示す。
実験例は、比較例1と実施例1〜3について、熱サイク
ル試験を行ったものである。比較例1は、第1の実施の
形態に係る回路基板10Aにおいて緩衝板28を省略し
た構造を有し、実施例1〜3は、第1の実施の形態に係
る回路基板10Aとほぼ同様の構成を有する。具体的な
接合構造を図15に示す。
【0123】そして、この熱サイクル試験における1サ
イクルの熱衝撃条件は、温度−65℃を15分間かけた
後、温度150℃を15分間かけるというものである
(USAのMIL規格、MIL−STD−833C 1
010.6Cの試験条件に準拠する)。この第1の実験
例では、比較例1と実施例1〜3について、500サイ
クルと3000サイクルの熱サイクル試験を行い、それ
ぞれの接合構造の剥離状態を見た。
イクルの熱衝撃条件は、温度−65℃を15分間かけた
後、温度150℃を15分間かけるというものである
(USAのMIL規格、MIL−STD−833C 1
010.6Cの試験条件に準拠する)。この第1の実験
例では、比較例1と実施例1〜3について、500サイ
クルと3000サイクルの熱サイクル試験を行い、それ
ぞれの接合構造の剥離状態を見た。
【0124】実験結果を図15に示す。比較例1では、
500サイクルの段階ですでに絶縁基板32とヒートシ
ンク材22との間で剥離が生じていたが、実施例1〜3
は、3000サイクル後でも剥離していないことがわか
った。
500サイクルの段階ですでに絶縁基板32とヒートシ
ンク材22との間で剥離が生じていたが、実施例1〜3
は、3000サイクル後でも剥離していないことがわか
った。
【0125】緩衝板28の厚みとしては0.03mm以
上あることが好ましい。0.03mm未満であると、上
述した緩衝板28としての機能を発揮できなくなるおそ
れがあるからである。
上あることが好ましい。0.03mm未満であると、上
述した緩衝板28としての機能を発揮できなくなるおそ
れがあるからである。
【0126】次に、絶縁基板32については、該絶縁基
板32がSi3N4で構成される場合、該絶縁基板32の
厚みは0.3mm以下であることが好ましい。これによ
り、絶縁基板32自体の熱伝導率が40W/mKと低く
ても、回路基板10Aとした場合に該回路基板10Aの
熱伝導率を200W/mK以上にすることができる。
板32がSi3N4で構成される場合、該絶縁基板32の
厚みは0.3mm以下であることが好ましい。これによ
り、絶縁基板32自体の熱伝導率が40W/mKと低く
ても、回路基板10Aとした場合に該回路基板10Aの
熱伝導率を200W/mK以上にすることができる。
【0127】ここで、第2及び第3の実験例を示す。第
2の実験例は、比較例2〜4及び実施例4について、絶
縁基板32(Si3N4)の熱伝導率(40W/mK、6
0W/mK、80W/mK、100W/mK)による回
路基板10Aの熱伝導率の変化をみたものである。実施
例2は絶縁基板32の厚みが0.3mm、比較例2は絶
縁基板32の厚みが0.6mm、比較例3は絶縁基板3
2の厚みが0.9mm、比較例4は絶縁基板32の厚み
が1.2mmである。実験結果を図16〜図19に示
す。
2の実験例は、比較例2〜4及び実施例4について、絶
縁基板32(Si3N4)の熱伝導率(40W/mK、6
0W/mK、80W/mK、100W/mK)による回
路基板10Aの熱伝導率の変化をみたものである。実施
例2は絶縁基板32の厚みが0.3mm、比較例2は絶
縁基板32の厚みが0.6mm、比較例3は絶縁基板3
2の厚みが0.9mm、比較例4は絶縁基板32の厚み
が1.2mmである。実験結果を図16〜図19に示
す。
【0128】これら図16〜図19において、実施例4
の結果を図16で示し、比較例2の結果を図17に示
し、比較例3の結果を図18に示し、比較例4の結果を
図19に示す。
の結果を図16で示し、比較例2の結果を図17に示
し、比較例3の結果を図18に示し、比較例4の結果を
図19に示す。
【0129】これらの結果から、実施例2は、絶縁基板
32自体の熱伝達率が40W/mKと低い場合でも、回
路基板10Aとした場合の熱伝達率が221.5W/m
Kと高くなっていることがわかる。
32自体の熱伝達率が40W/mKと低い場合でも、回
路基板10Aとした場合の熱伝達率が221.5W/m
Kと高くなっていることがわかる。
【0130】一方、第3の実験例は、比較例5と実施例
3〜6について、熱サイクル、回路基板10Aの熱伝導
率及び絶縁基板32の絶縁性をみたものである。使用し
た絶縁基板32はいずれも熱伝導率が100W/mKで
ある。
3〜6について、熱サイクル、回路基板10Aの熱伝導
率及び絶縁基板32の絶縁性をみたものである。使用し
た絶縁基板32はいずれも熱伝導率が100W/mKで
ある。
【0131】そして、比較例5は第1の実施の形態に係
る回路基板10Aにおいて絶縁基板32の厚みを0.6
35mmとした構造を有し、実施例5〜8は第1の実施
の形態に係る回路基板10Aにおいて絶縁基板32の厚
みをそれぞれ0.3mm、0.15mm、0.10mm
及び0.07mmとした構造を有する。具体的な接合構
造と実験結果を図20に示す。
る回路基板10Aにおいて絶縁基板32の厚みを0.6
35mmとした構造を有し、実施例5〜8は第1の実施
の形態に係る回路基板10Aにおいて絶縁基板32の厚
みをそれぞれ0.3mm、0.15mm、0.10mm
及び0.07mmとした構造を有する。具体的な接合構
造と実験結果を図20に示す。
【0132】比較例5並びに実施例5〜8は、3000
サイクルの熱サイクル試験においては、共に剥離はなか
った。また、絶縁性も良好であった。熱伝導率に関して
は、実施例5〜8が290W/mK、308W/mK、
325W/mK、340W/mKというように、比較例
5の250W/mKよりも大幅に高くなっていることが
わかる。
サイクルの熱サイクル試験においては、共に剥離はなか
った。また、絶縁性も良好であった。熱伝導率に関して
は、実施例5〜8が290W/mK、308W/mK、
325W/mK、340W/mKというように、比較例
5の250W/mKよりも大幅に高くなっていることが
わかる。
【0133】特に、絶縁基板(Si3N4)の厚みを0.
1mmとした場合における回路基板10Aの熱伝達率の
変化は、図21の実験結果(第4の実験例)から、ほと
んど変化がないことがわかる。この第4の実験例は、回
路36の厚みを0.3mm、緩衝板28の厚みを0.2
5mm、ヒートシンク材22の厚みを3.0mmとし、
絶縁基板32自体の熱伝導率を40W/mK(実施例
9)、60W/mK(実施例10)、80W/mK(実
施例11)、100W/mK(実施例12)とした際の
回路基板10Aの熱伝達率の変化をみたものである。
1mmとした場合における回路基板10Aの熱伝達率の
変化は、図21の実験結果(第4の実験例)から、ほと
んど変化がないことがわかる。この第4の実験例は、回
路36の厚みを0.3mm、緩衝板28の厚みを0.2
5mm、ヒートシンク材22の厚みを3.0mmとし、
絶縁基板32自体の熱伝導率を40W/mK(実施例
9)、60W/mK(実施例10)、80W/mK(実
施例11)、100W/mK(実施例12)とした際の
回路基板10Aの熱伝達率の変化をみたものである。
【0134】また、第1の実施の形態に係る回路基板1
0Aは、回路36の緩衝板28とヒートスプレッダ材2
2と金属板18の合計の厚みとの比が1:0.5〜1:
3であることが好ましい。これにより、金属板18の下
面側が外方に向かって凸形状となるように反り、金属板
18の下面に例えばヒートスプレッダ材22を接合しあ
るいは固定する場合に、その密着性を高めることができ
る。
0Aは、回路36の緩衝板28とヒートスプレッダ材2
2と金属板18の合計の厚みとの比が1:0.5〜1:
3であることが好ましい。これにより、金属板18の下
面側が外方に向かって凸形状となるように反り、金属板
18の下面に例えばヒートスプレッダ材22を接合しあ
るいは固定する場合に、その密着性を高めることができ
る。
【0135】ここで、回路36、緩衝板28及び金属板
18の厚みによる回路基板10Aの反りに関する実験例
(第5〜第8の実験例)ついて説明する。
18の厚みによる回路基板10Aの反りに関する実験例
(第5〜第8の実験例)ついて説明する。
【0136】まず、第5の実験例は、回路36の厚みに
よる回路基板10Aの反り量の変化をみたものである。
絶縁基板32(Si3N4)の厚みを0.3mm、緩衝板
28の厚みを0.3mm、ヒートスプレッダ材22の厚
みを3.0mm、金属板18の厚みを0.3mmとし、
そして、回路36の厚みを0.3mm(比較例6)、
1.0mm(比較例7)、3.0mm(実施例13)及
び10.0mm(実施例14)とした場合の回路基板1
0Aの反り量を測定した。測定機は、株式会社キーエン
ス製のレーザフォーカス変位計(LT−8110)を用
いた。
よる回路基板10Aの反り量の変化をみたものである。
絶縁基板32(Si3N4)の厚みを0.3mm、緩衝板
28の厚みを0.3mm、ヒートスプレッダ材22の厚
みを3.0mm、金属板18の厚みを0.3mmとし、
そして、回路36の厚みを0.3mm(比較例6)、
1.0mm(比較例7)、3.0mm(実施例13)及
び10.0mm(実施例14)とした場合の回路基板1
0Aの反り量を測定した。測定機は、株式会社キーエン
ス製のレーザフォーカス変位計(LT−8110)を用
いた。
【0137】実験結果を図22及び図23に示す。図2
3において、比較例6のプロットを○、比較例6のプロ
ットを△、実施例13のプロットを●、実施例14のプ
ロットを▲で示す。
3において、比較例6のプロットを○、比較例6のプロ
ットを△、実施例13のプロットを●、実施例14のプ
ロットを▲で示す。
【0138】これらの結果から、比較例6及び7は共に
回路36の表面側を凸(金属板18の下面を凹)とする
反りとなっているが、実施例13及び14は共に回路3
6の表面側を凹(金属板18の下面側を凸)とする反り
となっている。しかも、これらの反り量は、図23の仮
想線m(比較例6、7並びに実施例13、14のプロッ
トに対して最小二乗法にて近似させて描いた直線)に示
すように、回路36の厚みを変えることで制御できるこ
とがわかる。また、回路36の厚みを制御することで反
り量を0にすることも可能である。
回路36の表面側を凸(金属板18の下面を凹)とする
反りとなっているが、実施例13及び14は共に回路3
6の表面側を凹(金属板18の下面側を凸)とする反り
となっている。しかも、これらの反り量は、図23の仮
想線m(比較例6、7並びに実施例13、14のプロッ
トに対して最小二乗法にて近似させて描いた直線)に示
すように、回路36の厚みを変えることで制御できるこ
とがわかる。また、回路36の厚みを制御することで反
り量を0にすることも可能である。
【0139】次に、第6の実験例は、緩衝板28の厚み
による回路基板10Aの反り量の変化をみたものであ
る。この第6の実験例では、回路36の厚みを0.3m
m、絶縁基板32の厚みを0.3mm、ヒートスプレッ
ダ材22の厚みを3.0mm、金属板18の厚みを0m
m(金属板18の形成を省略)、接合圧力を2.5kg
f/cm2とした。そして、実施例15〜26につい
て、絶縁基板32の種類と緩衝板28の厚みを変えて回
路基板10Aの反り量を測定した。実験結果を図24及
び図25に示す。
による回路基板10Aの反り量の変化をみたものであ
る。この第6の実験例では、回路36の厚みを0.3m
m、絶縁基板32の厚みを0.3mm、ヒートスプレッ
ダ材22の厚みを3.0mm、金属板18の厚みを0m
m(金属板18の形成を省略)、接合圧力を2.5kg
f/cm2とした。そして、実施例15〜26につい
て、絶縁基板32の種類と緩衝板28の厚みを変えて回
路基板10Aの反り量を測定した。実験結果を図24及
び図25に示す。
【0140】この結果から、絶縁基板32としてAlN
を用いた実施例15及び16が、回路36の表面側を凹
(ヒートシンク材22の下面側を凸)とする反りとなっ
ている。一方、絶縁基板32としてSi3N4を用いた実
施例17〜26が、回路36の表面側を凸(ヒートシン
ク材22の下面側を凹)とする反りとなっている。
を用いた実施例15及び16が、回路36の表面側を凹
(ヒートシンク材22の下面側を凸)とする反りとなっ
ている。一方、絶縁基板32としてSi3N4を用いた実
施例17〜26が、回路36の表面側を凸(ヒートシン
ク材22の下面側を凹)とする反りとなっている。
【0141】特に、図25は、絶縁基板32としてAl
Nを用いた実施例15及び16のプロットに対して最小
二乗法にて近似させて描いた直線n1と、実施例17〜
26のプロットに対して最小二乗法にて近似させて描い
た直線n2を示す。
Nを用いた実施例15及び16のプロットに対して最小
二乗法にて近似させて描いた直線n1と、実施例17〜
26のプロットに対して最小二乗法にて近似させて描い
た直線n2を示す。
【0142】そして、実施例15及び16の結果から、
緩衝板28の厚みを大きくするにつれて、回路36の表
面側を凹とする反り量が徐々に小さくなっており、ま
た、実施例17〜26の結果から、緩衝板28の厚みを
大きくするにつれて、回路36の表面側を凸とする反り
量が徐々に大きくなっている。
緩衝板28の厚みを大きくするにつれて、回路36の表
面側を凹とする反り量が徐々に小さくなっており、ま
た、実施例17〜26の結果から、緩衝板28の厚みを
大きくするにつれて、回路36の表面側を凸とする反り
量が徐々に大きくなっている。
【0143】このことから、緩衝板28の厚みを変える
ことによっても、回路基板10Aの反り量を制御できる
ことがわかる。但し、緩衝板28の厚みを0.5mmよ
りも超えた厚みにすると、絶縁基板32としてAlNを
用いた場合は、回路基板10Aにおける回路36の表面
側を凹とする反り量がほとんどなくなり、金属板18の
下面に冷却フィンを密着させることが困難になるおそれ
がある。このようなことから、緩衝板28の厚みは、
0.03〜0.5mmであることが好ましい。
ことによっても、回路基板10Aの反り量を制御できる
ことがわかる。但し、緩衝板28の厚みを0.5mmよ
りも超えた厚みにすると、絶縁基板32としてAlNを
用いた場合は、回路基板10Aにおける回路36の表面
側を凹とする反り量がほとんどなくなり、金属板18の
下面に冷却フィンを密着させることが困難になるおそれ
がある。このようなことから、緩衝板28の厚みは、
0.03〜0.5mmであることが好ましい。
【0144】なお、緩衝板28の厚みを変えた場合の回
路基板10Aの熱伝達率の変化は、図26の実験結果
(第7の実験例)から、ほとんど変化がないことがわか
る。この第7の実験例は、絶縁基板32(Si3N4)自
体の熱伝導率を90W/mKとし、緩衝板28の厚みを
0.1mm(実施例27)、0.3mm(実施例2
8)、0.6mm(実施例29)、0.9mm(実施例
30)とした際の回路基板10Aの熱伝達率の変化をみ
たものである。ちなみに回路36の厚みは0.3mm、
絶縁基板32の厚みは0.3mm、ヒートスプレッダ材
22の厚みは3.0mmである。
路基板10Aの熱伝達率の変化は、図26の実験結果
(第7の実験例)から、ほとんど変化がないことがわか
る。この第7の実験例は、絶縁基板32(Si3N4)自
体の熱伝導率を90W/mKとし、緩衝板28の厚みを
0.1mm(実施例27)、0.3mm(実施例2
8)、0.6mm(実施例29)、0.9mm(実施例
30)とした際の回路基板10Aの熱伝達率の変化をみ
たものである。ちなみに回路36の厚みは0.3mm、
絶縁基板32の厚みは0.3mm、ヒートスプレッダ材
22の厚みは3.0mmである。
【0145】次に、第8の実験例は、金属板18の厚み
による回路基板10Aの反り量の変化をみたものであ
る。この第8の実験例では、回路36の厚みを0.3m
m、緩衝板28の厚みを0.3mm、ヒートスプレッダ
材22の厚みを3.0mmとした。そして、実施例31
〜33について、金属板18の厚みを変えて回路基板1
0Aの反り量を測定した。実施例31は、絶縁基板32
(Si3N4)の厚みを0.3mmとした場合であり、実
施例32は、絶縁基板32(AlN)の厚みを0.3m
mとした場合であり、実施例33は、絶縁基板32(A
lN)の厚みを0.5mmとした場合である。
による回路基板10Aの反り量の変化をみたものであ
る。この第8の実験例では、回路36の厚みを0.3m
m、緩衝板28の厚みを0.3mm、ヒートスプレッダ
材22の厚みを3.0mmとした。そして、実施例31
〜33について、金属板18の厚みを変えて回路基板1
0Aの反り量を測定した。実施例31は、絶縁基板32
(Si3N4)の厚みを0.3mmとした場合であり、実
施例32は、絶縁基板32(AlN)の厚みを0.3m
mとした場合であり、実施例33は、絶縁基板32(A
lN)の厚みを0.5mmとした場合である。
【0146】実験結果を図27に示す。図27におい
て、実施例31を実線D31で示し、実施例32を実線
D32で示し、実施例33を実線D33で示す。
て、実施例31を実線D31で示し、実施例32を実線
D32で示し、実施例33を実線D33で示す。
【0147】実施例31においては、金属板18の厚み
が0mm〜0.5mmにわたって、回路36の表面側を
凸(金属板18の下面側を凹)とする反りとなってお
り、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36の
表面側を凸とする反り量も徐々に大きくなっている。
が0mm〜0.5mmにわたって、回路36の表面側を
凸(金属板18の下面側を凹)とする反りとなってお
り、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36の
表面側を凸とする反り量も徐々に大きくなっている。
【0148】実施例32においては、金属板18の厚み
が0mm〜0.12mmにわたって、回路36の表面側
を凹(金属板18の下面側を凸)とする反りとなってお
り、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36の
表面側を凹とする反り量が徐々に小さくなっている。ま
た、この実施例32においては、金属板18の厚みが
0.12mm〜0.5mmにわたって、回路36の表面
側を凸(金属板18の下面側を凹)とする反りとなって
おり、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36
の表面側を凸とする反り量も徐々に大きくなっている。
が0mm〜0.12mmにわたって、回路36の表面側
を凹(金属板18の下面側を凸)とする反りとなってお
り、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36の
表面側を凹とする反り量が徐々に小さくなっている。ま
た、この実施例32においては、金属板18の厚みが
0.12mm〜0.5mmにわたって、回路36の表面
側を凸(金属板18の下面側を凹)とする反りとなって
おり、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36
の表面側を凸とする反り量も徐々に大きくなっている。
【0149】実施例33においては、金属板18の厚み
が0mm〜0.19mmにわたって、回路36の表面側
を凹(金属板18の下面側を凸)とする反りとなってお
り、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36の
表面側を凹とする反り量が徐々に小さくなっている。ま
た、この実施例33においては、金属板18の厚みが
0.19mm〜0.5mmにわたって、回路36の表面
側を凸(金属板18の下面側を凹)とする反りとなって
おり、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36
の表面側を凸とする反り量も徐々に大きくなっている。
が0mm〜0.19mmにわたって、回路36の表面側
を凹(金属板18の下面側を凸)とする反りとなってお
り、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36の
表面側を凹とする反り量が徐々に小さくなっている。ま
た、この実施例33においては、金属板18の厚みが
0.19mm〜0.5mmにわたって、回路36の表面
側を凸(金属板18の下面側を凹)とする反りとなって
おり、金属板18の厚みを大きくするにつれて回路36
の表面側を凸とする反り量も徐々に大きくなっている。
【0150】このことから、金属板18の厚みを変える
ことによっても、回路基板10Aの反り量を制御できる
ことがわかる。
ことによっても、回路基板10Aの反り量を制御できる
ことがわかる。
【0151】更に、この第1の実施の形態に係る回路基
板10Aにおいては、第1〜第4のろう材26、30、
34及び100として、組成がAg−Cu−In−Ti
の硬ろう材を用いることが好ましい。また、第2及び第
3のろう材30及び34に含まれる活性元素(Ti)の
量が0.05〜2%であることが好ましく、第1及び第
4のろう材26及び100に含まれる活性元素(Ti)
の量が0.5〜10%であることが好ましい。
板10Aにおいては、第1〜第4のろう材26、30、
34及び100として、組成がAg−Cu−In−Ti
の硬ろう材を用いることが好ましい。また、第2及び第
3のろう材30及び34に含まれる活性元素(Ti)の
量が0.05〜2%であることが好ましく、第1及び第
4のろう材26及び100に含まれる活性元素(Ti)
の量が0.5〜10%であることが好ましい。
【0152】また、第2及び第3のろう材30及び34
の厚みは、緩衝板28の厚みの10%以下であることが
好ましく、具体的には、10μm以下であることが好ま
しい。一方、第1及び第4のろう材26及び100の厚
みは、緩衝板28の厚みの25%以下であることが好ま
しい。
の厚みは、緩衝板28の厚みの10%以下であることが
好ましく、具体的には、10μm以下であることが好ま
しい。一方、第1及び第4のろう材26及び100の厚
みは、緩衝板28の厚みの25%以下であることが好ま
しい。
【0153】次に、第1〜第4のろう材26、30、3
4及び100に関する実験例(第9〜第11の実験例)
について説明する。
4及び100に関する実験例(第9〜第11の実験例)
について説明する。
【0154】まず、第9の実験例は、実施例34〜36
について、接合温度による熱サイクル及び熱伝導率の違
いをみたものである。ここで、実施例34〜36は、共
に第1〜第4のろう材26、30、34及び100とし
て、以下の組成及び性質を有するろう材を使用し、厚み
50μmとした。
について、接合温度による熱サイクル及び熱伝導率の違
いをみたものである。ここで、実施例34〜36は、共
に第1〜第4のろう材26、30、34及び100とし
て、以下の組成及び性質を有するろう材を使用し、厚み
50μmとした。
【0155】 組成:Ag(59)-Cu(27.25)-In(12.5)-Ti(1.25) 融点(液相):715℃ 融点(固相):605℃ 熱伝導:70W/mK 比重:9.7g/cm3 また、実施例34及び35は、接合温度と接合時間をそ
れぞれ680℃(固相と液相の間の温度)及び10分と
し、実施例36は、接合温度と接合時間をそれぞれ78
0℃(液相以上の温度)及び10分とした。
れぞれ680℃(固相と液相の間の温度)及び10分と
し、実施例36は、接合温度と接合時間をそれぞれ78
0℃(液相以上の温度)及び10分とした。
【0156】実験結果を図28に示す。この実験結果か
らわかることは、接合温度を固相と液相の間の温度に設
定しても、熱サイクル試験並びに熱伝導率の結果は、接
合温度を液相以上の温度に設定した場合とほとんど変わ
らないことである。つまり、第1〜第4のろう材26、
30、34及び100を液状にしなくても、回路36、
絶縁基板32、緩衝板28、ヒートシンク材22及び金
属板18を強固に接合することができ、回路基板10A
の熱伝導率も良好なものとなっている。
らわかることは、接合温度を固相と液相の間の温度に設
定しても、熱サイクル試験並びに熱伝導率の結果は、接
合温度を液相以上の温度に設定した場合とほとんど変わ
らないことである。つまり、第1〜第4のろう材26、
30、34及び100を液状にしなくても、回路36、
絶縁基板32、緩衝板28、ヒートシンク材22及び金
属板18を強固に接合することができ、回路基板10A
の熱伝導率も良好なものとなっている。
【0157】なお、接合温度をろう材の固相と液相の間
の温度に設定した場合、回路基板10Aにはろう材が残
留することになる。しかし、回路基板10Aに残留する
ろう材の厚みを変えても熱伝導率に違いはほとんどない
ことが、以下に示す第10の実験例によってわかった。
この第10の実験例は、実施例37〜40について、第
1及び第2のろう材26及び30の残留厚みによる回路
基板10Aの熱伝導率の違いをみたものである。実施例
37は第1及び第2のろう材26及び30の残留厚みを
150μmとし、実施例38は残留厚みを50μm、実
施例39は10μm、実施例40は1μmとしたもので
ある。また、絶縁基板32(Si3N4)の熱伝導率を9
0W/mKとした。この実験結果を図29に示す。
の温度に設定した場合、回路基板10Aにはろう材が残
留することになる。しかし、回路基板10Aに残留する
ろう材の厚みを変えても熱伝導率に違いはほとんどない
ことが、以下に示す第10の実験例によってわかった。
この第10の実験例は、実施例37〜40について、第
1及び第2のろう材26及び30の残留厚みによる回路
基板10Aの熱伝導率の違いをみたものである。実施例
37は第1及び第2のろう材26及び30の残留厚みを
150μmとし、実施例38は残留厚みを50μm、実
施例39は10μm、実施例40は1μmとしたもので
ある。また、絶縁基板32(Si3N4)の熱伝導率を9
0W/mKとした。この実験結果を図29に示す。
【0158】この実験結果から、第1及び第2のろう材
26及び30の残留厚みを1μm〜150μmに変化さ
せても、回路基板10Aの熱伝導率はほとんど変化はな
いことがわかる。
26及び30の残留厚みを1μm〜150μmに変化さ
せても、回路基板10Aの熱伝導率はほとんど変化はな
いことがわかる。
【0159】次に、第11の実験例は、比較例8〜10
及び実施例41〜43について、第1〜第4のろう材2
6、30、34及び100の厚みによる回路36の汚染
状態、剥離強度、熱サイクル及び熱伝導率の違いをみた
ものである。実験結果を図30に示す。この図30にお
いて、「ろう材厚み」は、第2及び第3のろう材30
及び34の厚みを示し、「ろう材厚み」は、第1及び
第4のろう材26及び100の厚みを示す。
及び実施例41〜43について、第1〜第4のろう材2
6、30、34及び100の厚みによる回路36の汚染
状態、剥離強度、熱サイクル及び熱伝導率の違いをみた
ものである。実験結果を図30に示す。この図30にお
いて、「ろう材厚み」は、第2及び第3のろう材30
及び34の厚みを示し、「ろう材厚み」は、第1及び
第4のろう材26及び100の厚みを示す。
【0160】実験で用いた第1〜第4のろう材26、3
0、34及び100の組成は、Ag(59)−Cu(2
7.25)−In(12.5)−Ti(1.25)であ
り、接合温度は780℃、接合時間は10分とした。
0、34及び100の組成は、Ag(59)−Cu(2
7.25)−In(12.5)−Ti(1.25)であ
り、接合温度は780℃、接合時間は10分とした。
【0161】また、回路36の厚みを0.3mm、絶縁
基板32(Si3N4)の厚みを0.3mm、緩衝板28
の厚みを0.3mm、ヒートシンク材22の厚みを2.
7mm、金属板18の厚みを0.3mmとした。
基板32(Si3N4)の厚みを0.3mm、緩衝板28
の厚みを0.3mm、ヒートシンク材22の厚みを2.
7mm、金属板18の厚みを0.3mmとした。
【0162】この実験結果から、第2及び第3のろう材
30及び34の厚みを30μm以上に設定すると、比較
例8、比較例9及び実施例41に示すように、回路3
6、絶縁基板32、緩衝板28、ヒートスプレッダ材2
2及び金属板18の接合時に第2及び第3のろう材30
及び34の不要部分が外方に流出し、回路36を汚染す
るという現象が生じている。特に、比較例8及び比較例
9のように、第2及び第3のろう材30及び34の厚み
を50μmに設定すると、前記接合時にろう材30及び
34の不要部分が大量にはみ出し、回路36の汚染状態
が激しいものとなっている。
30及び34の厚みを30μm以上に設定すると、比較
例8、比較例9及び実施例41に示すように、回路3
6、絶縁基板32、緩衝板28、ヒートスプレッダ材2
2及び金属板18の接合時に第2及び第3のろう材30
及び34の不要部分が外方に流出し、回路36を汚染す
るという現象が生じている。特に、比較例8及び比較例
9のように、第2及び第3のろう材30及び34の厚み
を50μmに設定すると、前記接合時にろう材30及び
34の不要部分が大量にはみ出し、回路36の汚染状態
が激しいものとなっている。
【0163】一方、実施例42、43及び比較例10に
示すように、第2及び第3のろう材30及び34の厚み
を10μmに設定すると、回路36の汚染はほとんどな
いことがわかった。
示すように、第2及び第3のろう材30及び34の厚み
を10μmに設定すると、回路36の汚染はほとんどな
いことがわかった。
【0164】次に、比較例8及び実施例43のように、
第1及び第4のろう材26及び100の厚みを50μm
に設定すると、回路基板10Aの剥離強度は85kgf
/cm2や90kgf/cm2であり、実施例41及び4
2のように、第1及び第4のろう材26及び100の厚
みを30μmに設定すると、回路基板10Aの剥離強度
は52kgf/cm2や55kgf/cm2であった。ま
た、比較例9及び10のように、第1及び第4のろう材
26及び100の厚みを10μmに設定すると、回路基
板10Aの剥離強度は32kgf/cm2や30kgf
/cm2であった。
第1及び第4のろう材26及び100の厚みを50μm
に設定すると、回路基板10Aの剥離強度は85kgf
/cm2や90kgf/cm2であり、実施例41及び4
2のように、第1及び第4のろう材26及び100の厚
みを30μmに設定すると、回路基板10Aの剥離強度
は52kgf/cm2や55kgf/cm2であった。ま
た、比較例9及び10のように、第1及び第4のろう材
26及び100の厚みを10μmに設定すると、回路基
板10Aの剥離強度は32kgf/cm2や30kgf
/cm2であった。
【0165】つまり、第1及び第4のろう材26及び1
00の厚みを薄くすると、回路基板10Aの剥離強度が
低下することがわかった。なお、500サイクルの熱サ
イクル試験では比較例8〜10及び実施例41〜43の
いずれについても剥離はなかった。また、熱伝導率に関
しても、比較例8〜10及び実施例41〜43について
大きな変化はなかった。
00の厚みを薄くすると、回路基板10Aの剥離強度が
低下することがわかった。なお、500サイクルの熱サ
イクル試験では比較例8〜10及び実施例41〜43の
いずれについても剥離はなかった。また、熱伝導率に関
しても、比較例8〜10及び実施例41〜43について
大きな変化はなかった。
【0166】このようなことから、実施例41〜43に
示すように、第2及び第3のろう材30及び34の厚み
を30μm以下、第1及び第4のろう材26及び100
の厚みを30μm以上にすることが好ましい。
示すように、第2及び第3のろう材30及び34の厚み
を30μm以下、第1及び第4のろう材26及び100
の厚みを30μm以上にすることが好ましい。
【0167】次に、第12の実験例は、比較例11及び
実施例44〜46について、第1及び第4のろう材26
及び100の活性元素(Ti)の量による剥離強度、熱
サイクル及び熱伝導率の違いをみたものである。実験結
果を図30に示す。
実施例44〜46について、第1及び第4のろう材26
及び100の活性元素(Ti)の量による剥離強度、熱
サイクル及び熱伝導率の違いをみたものである。実験結
果を図30に示す。
【0168】実験で用いた第2及び第3のろう材30及
び34は、その組成をAg(59)−Cu(27.2
5)−In(12.5)−Ti(1.25)とし、その
厚みを10μmとした。また、第1及び第4のろう材2
6及び100は、その組成をAg(59)−Cu(2
7.25)−In(12.5)−Ti(1.25+a)
とし、第2及び第3のろう材30及び34と同じ組成の
ろう材箔にTi箔を組み合わせたものを使用した。従っ
て、厚みは10μm(ろう材箔の厚み)+Ti箔の厚み
となる。なお、接合温度は780℃、接合時間は10分
とした。
び34は、その組成をAg(59)−Cu(27.2
5)−In(12.5)−Ti(1.25)とし、その
厚みを10μmとした。また、第1及び第4のろう材2
6及び100は、その組成をAg(59)−Cu(2
7.25)−In(12.5)−Ti(1.25+a)
とし、第2及び第3のろう材30及び34と同じ組成の
ろう材箔にTi箔を組み合わせたものを使用した。従っ
て、厚みは10μm(ろう材箔の厚み)+Ti箔の厚み
となる。なお、接合温度は780℃、接合時間は10分
とした。
【0169】そして、比較例11並びに実施例44〜4
6は、第1及び第4のろう材26及び100について、
ろう材箔の厚みとTi箔の厚みの比率を変えたものであ
る。具体的には、図31に示すように、比較例11は、
ろう材箔の厚み:Ti箔の厚み=10(μm):0(μ
m)とし、実施例44は、ろう材箔の厚み:Ti箔の厚
み=10(μm):0.7(μm)とし、実施例45
は、ろう材箔の厚み:Ti箔の厚み=10(μm):1
(μm)とし、実施例46は、ろう材箔の厚み:Ti箔
の厚み=10(μm):2(μm)とした。
6は、第1及び第4のろう材26及び100について、
ろう材箔の厚みとTi箔の厚みの比率を変えたものであ
る。具体的には、図31に示すように、比較例11は、
ろう材箔の厚み:Ti箔の厚み=10(μm):0(μ
m)とし、実施例44は、ろう材箔の厚み:Ti箔の厚
み=10(μm):0.7(μm)とし、実施例45
は、ろう材箔の厚み:Ti箔の厚み=10(μm):1
(μm)とし、実施例46は、ろう材箔の厚み:Ti箔
の厚み=10(μm):2(μm)とした。
【0170】この実験結果を図31に示す。この図31
から第1及び第4のろう材26及び100についてTi
箔を組み合わせない場合、即ち、Tiの量を増やさない
場合は、回路基板10Aの剥離強度が32kgf/cm
2と低い。一方、実施例44〜46のように、Ti箔の
厚みを0.7μm、1μm及び2μmと増やしていく
と、回路基板10Aの剥離強度も、65kgf/c
m2、90kgf/cm2及び115kgf/cm2と増
加していることがわかる。
から第1及び第4のろう材26及び100についてTi
箔を組み合わせない場合、即ち、Tiの量を増やさない
場合は、回路基板10Aの剥離強度が32kgf/cm
2と低い。一方、実施例44〜46のように、Ti箔の
厚みを0.7μm、1μm及び2μmと増やしていく
と、回路基板10Aの剥離強度も、65kgf/c
m2、90kgf/cm2及び115kgf/cm2と増
加していることがわかる。
【0171】なお、500サイクルの熱サイクル試験で
は比較例11及び実施例44〜46のいずれについても
剥離はなかった。また、熱伝導率に関しても、比較例1
1及び実施例44〜46について大きな変化はなかっ
た。
は比較例11及び実施例44〜46のいずれについても
剥離はなかった。また、熱伝導率に関しても、比較例1
1及び実施例44〜46について大きな変化はなかっ
た。
【0172】また、この第1の実施の形態に係る回路基
板10Aの製造方法においては、回路36の金属除去部
分から露出する導電性反応層70を除去することを目的
として行われるサンドブラスト処理をマスク82を介し
て行うことが好ましい。
板10Aの製造方法においては、回路36の金属除去部
分から露出する導電性反応層70を除去することを目的
として行われるサンドブラスト処理をマスク82を介し
て行うことが好ましい。
【0173】これにより、回路36の表面(回路36又
はメッキ層38の表面)をサンドブラスト処理用の粒子
で削ることがないため、鏡面光沢度を、回路36を形成
した段階あるいはメッキ層38を形成した段階の鏡面光
沢度に維持させることができる。
はメッキ層38の表面)をサンドブラスト処理用の粒子
で削ることがないため、鏡面光沢度を、回路36を形成
した段階あるいはメッキ層38を形成した段階の鏡面光
沢度に維持させることができる。
【0174】従って、その後の回路36(又はメッキ層
38)に対する例えばワイヤボンディング処理におい
て、回路36(又はメッキ層38)に対するボンディン
グワイヤの密着度を低下させることがない。
38)に対する例えばワイヤボンディング処理におい
て、回路36(又はメッキ層38)に対するボンディン
グワイヤの密着度を低下させることがない。
【0175】ここで、回路36の表面状態(鏡面光沢
度)とワイヤボンド性(ボンディングワイヤの密着性)
についての関係をみた第13の実験例を説明する。
度)とワイヤボンド性(ボンディングワイヤの密着性)
についての関係をみた第13の実験例を説明する。
【0176】この第13の実験例は、比較例12並びに
実施例47〜53について、回路36(又はメッキ層3
8)の鏡面光沢度による回路36(又はメッキ層38)
に対するボンディングワイヤの密着性の違いをみたもの
であり、その結果を図32に示す。この図32におい
て、ボンダー出力は、ボンディングワイヤの密着性が良
好(合格率100%)であるときの出力を示す。
実施例47〜53について、回路36(又はメッキ層3
8)の鏡面光沢度による回路36(又はメッキ層38)
に対するボンディングワイヤの密着性の違いをみたもの
であり、その結果を図32に示す。この図32におい
て、ボンダー出力は、ボンディングワイヤの密着性が良
好(合格率100%)であるときの出力を示す。
【0177】比較例12は、回路36の金属除去部から
露出する導電性反応層70をサンドブラスト処理で除去
する際に、回路36(又はメッキ層38)の表面に直接
サンドブラスト処理を施したものである。また、実施例
47〜53はマスク82を介してサンドブラスト処理を
行ったものであって、それぞれ表面の鏡面光沢度を変え
たものである。
露出する導電性反応層70をサンドブラスト処理で除去
する際に、回路36(又はメッキ層38)の表面に直接
サンドブラスト処理を施したものである。また、実施例
47〜53はマスク82を介してサンドブラスト処理を
行ったものであって、それぞれ表面の鏡面光沢度を変え
たものである。
【0178】図32から、回路36(又はメッキ層3
8)の鏡面光沢度が高いほど、ボンダー出力が低くても
ボンディングワイヤの密着性は良好となり、回路36
(又はメッキ層38)の鏡面光沢度が低いほど、ボンデ
ィングワイヤの密着性は悪くなっていることがわかっ
た。実用的には、回路36(又はメッキ層38)の表面
粗さをRa=1以下に設定することが好ましい。
8)の鏡面光沢度が高いほど、ボンダー出力が低くても
ボンディングワイヤの密着性は良好となり、回路36
(又はメッキ層38)の鏡面光沢度が低いほど、ボンデ
ィングワイヤの密着性は悪くなっていることがわかっ
た。実用的には、回路36(又はメッキ層38)の表面
粗さをRa=1以下に設定することが好ましい。
【0179】このように、第1の実施の形態に係る回路
基板10Aにおいては、絶縁基板32上に活性元素を有
する第3のろう材34を介して接合された金属板40に
対してエッチング処理とサンドブラスト処理を施して回
路36を作製する、あるいは予め回路パターン102が
形成された回路用金属板40を絶縁基板32上に第3の
ろう材34を介して接合し、その後、サンドブラスト処
理を施すようにしたので、絶縁基板32上に残る例えば
導電性反応層70等のエッチング残査を簡単に除去する
ことができ、外観上及び特性的にも良好な回路基板10
Aを得ることができる。
基板10Aにおいては、絶縁基板32上に活性元素を有
する第3のろう材34を介して接合された金属板40に
対してエッチング処理とサンドブラスト処理を施して回
路36を作製する、あるいは予め回路パターン102が
形成された回路用金属板40を絶縁基板32上に第3の
ろう材34を介して接合し、その後、サンドブラスト処
理を施すようにしたので、絶縁基板32上に残る例えば
導電性反応層70等のエッチング残査を簡単に除去する
ことができ、外観上及び特性的にも良好な回路基板10
Aを得ることができる。
【0180】特に、回路36上にNiメッキ層38を残
すようにしているため、回路36上に形成される半田層
14の濡れ性が良好となり、半導体装置16を回路36
上に確実に実装させることができる。
すようにしているため、回路36上に形成される半田層
14の濡れ性が良好となり、半導体装置16を回路36
上に確実に実装させることができる。
【0181】次に、第2の実施の形態に係る回路基板1
0B並びに該回路基板10Bを用いた電子部品12Bに
ついて図33を参照しながら説明する。
0B並びに該回路基板10Bを用いた電子部品12Bに
ついて図33を参照しながら説明する。
【0182】この電子部品12Bは、上述した電子部品
12Aと同様に、第2の実施の形態に係る回路基板10
Bに半田層14を介して半導体装置16が実装され、更
に、回路基板10Bの下面に金属層18を介してヒート
シンク材20が固定されて構成されている。
12Aと同様に、第2の実施の形態に係る回路基板10
Bに半田層14を介して半導体装置16が実装され、更
に、回路基板10Bの下面に金属層18を介してヒート
シンク材20が固定されて構成されている。
【0183】そして、この第2の実施の形態に係る回路
基板10Bは、上述した第1の実施の形態に係る回路基
板10Aとほぼ同様の構成を有するが、金属板40とし
て、上面にNiメッキ層38が形成されていないものを
使用している点で異なる。
基板10Bは、上述した第1の実施の形態に係る回路基
板10Aとほぼ同様の構成を有するが、金属板40とし
て、上面にNiメッキ層38が形成されていないものを
使用している点で異なる。
【0184】従って、この第2の実施の形態に係る回路
基板10Bを製造する方法は、金属板40上にレジスト
80を形成した後、金属板40のうち、レジスト80の
窓80aから露出する部分を塩化第二鉄水溶液もしくは
塩化第二銅水溶液でエッチング処理して、回路36を形
成すること以外は、上述した第1の実施の形態に係る回
路基板10Aの製造方法と同様である。
基板10Bを製造する方法は、金属板40上にレジスト
80を形成した後、金属板40のうち、レジスト80の
窓80aから露出する部分を塩化第二鉄水溶液もしくは
塩化第二銅水溶液でエッチング処理して、回路36を形
成すること以外は、上述した第1の実施の形態に係る回
路基板10Aの製造方法と同様である。
【0185】この場合、回路基板10Bに対するサンド
ブラスト処理は、回路36の金属除去部分36aに残存
する導電性反応層70を除去した段階で、絶縁基板32
上に回路36が残存する条件で行うことが好ましい。
ブラスト処理は、回路36の金属除去部分36aに残存
する導電性反応層70を除去した段階で、絶縁基板32
上に回路36が残存する条件で行うことが好ましい。
【0186】上述の例では、ヒートスプレッダ材22の
下面に接合した金属板18として平板を用いた例を示し
たが、その他、図34に示すように、金属板18を介さ
ずにフィン形状を有するヒートシンク材20を接合する
ようにしてもよいし、あるいは、図35に示すように、
ヒートスプレッダ材22自体をフィン形状に形成してヒ
ートシンク材として用いるようにしてもよい。
下面に接合した金属板18として平板を用いた例を示し
たが、その他、図34に示すように、金属板18を介さ
ずにフィン形状を有するヒートシンク材20を接合する
ようにしてもよいし、あるいは、図35に示すように、
ヒートスプレッダ材22自体をフィン形状に形成してヒ
ートシンク材として用いるようにしてもよい。
【0187】なお、この発明に係る回路基板及びその製
造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨
を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもち
ろんである。
造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨
を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもち
ろんである。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る回路
基板及びその製造方法によれば、絶縁基板上に残る例え
ば導電性反応層等のエッチング残査を簡単に除去するこ
とができ、外観上及び特性的にも良好となる。
基板及びその製造方法によれば、絶縁基板上に残る例え
ば導電性反応層等のエッチング残査を簡単に除去するこ
とができ、外観上及び特性的にも良好となる。
【0189】また、金属製の冷却用フィン等を強固に固
定することができるように、接合体全体の反りを制御す
ることができる。
定することができるように、接合体全体の反りを制御す
ることができる。
【図1】第1の実施の形態に係る回路基板並びに該回路
基板を用いた電子部品を示す縦断面図である。
基板を用いた電子部品を示す縦断面図である。
【図2】ヒートスプレッダ材の構成材料の一例であるS
iC/Cu複合材を示す拡大図である。
iC/Cu複合材を示す拡大図である。
【図3】ヒートスプレッダ材の構成材料の他の例である
C/Cu複合材を示す拡大図である。
C/Cu複合材を示す拡大図である。
【図4】第1の実施の形態に係る回路基板における絶縁
基板と回路の部分を示す拡大断面図である。
基板と回路の部分を示す拡大断面図である。
【図5】図5Aはセッティング工程を示す説明図であ
り、図5Bは接合工程を示す説明図である。
り、図5Bは接合工程を示す説明図である。
【図6】図6Aはレジスト形成工程を示す説明図であ
り、図6Bはエッチング処理工程を示す説明図である。
り、図6Bはエッチング処理工程を示す説明図である。
【図7】サンドブラスト処理工程を示す説明図である。
【図8】サンドブラスト処理の各種材料に対するエッチ
ングレートを示す表図である。
ングレートを示す表図である。
【図9】サンドブラスト処理工程の他の例を示す説明図
である。
である。
【図10】図10Aは第1のマスクを示す平面図であ
り、図10Bは第2のマスクを示す平面図である。
り、図10Bは第2のマスクを示す平面図である。
【図11】図11Aはエッチング処理後の回路の平面パ
ターンの一例を示す図であり、図11Bは第1のマスク
を介してサンドブラスト処理を行った後の回路の平面パ
ターンを示す図であり、図11Cは第2のマスクを介し
てサンドブラスト処理を行った後の回路の平面パターン
を示す図である。
ターンの一例を示す図であり、図11Bは第1のマスク
を介してサンドブラスト処理を行った後の回路の平面パ
ターンを示す図であり、図11Cは第2のマスクを介し
てサンドブラスト処理を行った後の回路の平面パターン
を示す図である。
【図12】図12A〜図12Eは第2の製造方法のプレ
ス成形による方法の一例を示す工程図である。
ス成形による方法の一例を示す工程図である。
【図13】図13A〜図13Eは第2の製造方法のプレ
ス成形による方法の他の例を示す工程図である。
ス成形による方法の他の例を示す工程図である。
【図14】図14A〜図14Dは第2の製造方法のエッ
チングによる方法の一例を示す工程図である。
チングによる方法の一例を示す工程図である。
【図15】第1の実験例(比較例1と実施例1〜3につ
いての熱サイクル試験)の結果を示す表図である。
いての熱サイクル試験)の結果を示す表図である。
【図16】第2の実験例(絶縁基板の熱伝導率による回
路基板の熱伝導率の変化をみた実験例)における実施例
4の結果を示す特性図である。
路基板の熱伝導率の変化をみた実験例)における実施例
4の結果を示す特性図である。
【図17】第2の実験例における比較例2の結果を示す
特性図である。
特性図である。
【図18】第2の実験例における比較例3の結果を示す
特性図である。
特性図である。
【図19】第2の実験例における比較例4の結果を示す
特性図である。
特性図である。
【図20】第3の実験例(比較例5と実施例5〜8につ
いて、熱サイクル、回路基板の熱伝導率及び絶縁基板の
絶縁性をみた実験例)の結果を示す表図である。
いて、熱サイクル、回路基板の熱伝導率及び絶縁基板の
絶縁性をみた実験例)の結果を示す表図である。
【図21】第4の実験例(絶縁基板自体の熱伝導率によ
る回路基板の熱伝達率の変化をみた実験例)の結果を示
す特性図である。
る回路基板の熱伝達率の変化をみた実験例)の結果を示
す特性図である。
【図22】第5の実験例(回路の厚みによる回路基板の
反り量の変化をみた実験例)の結果を示す表図である。
反り量の変化をみた実験例)の結果を示す表図である。
【図23】第5の実験例の結果を示す特性図である。
【図24】第6の実験例(緩衝板の厚みによる回路基板
の反り量の変化をみた実験例)の結果を示す表図であ
る。
の反り量の変化をみた実験例)の結果を示す表図であ
る。
【図25】第6の実験例の結果を示す特性図である。
【図26】第7の実験例(緩衝板の厚みを変えた場合の
回路基板の熱伝達率の変化をみた実験例)の結果を示す
特性図である。
回路基板の熱伝達率の変化をみた実験例)の結果を示す
特性図である。
【図27】第8の実験例(金属板の厚みによる回路基板
の反り量の変化をみた実験例)の結果を示す特性図であ
る。
の反り量の変化をみた実験例)の結果を示す特性図であ
る。
【図28】第9の実験例(実施例34〜36について、
接合温度による熱サイクル及び熱伝導率の違いをみた実
験例)の結果を示す特性図である。
接合温度による熱サイクル及び熱伝導率の違いをみた実
験例)の結果を示す特性図である。
【図29】第10の実験例(実施例37〜40につい
て、第1及び第2のろう材の残留厚みによる回路基板の
熱伝導率の違いをみた実験例)の結果を示す特性図であ
る。
て、第1及び第2のろう材の残留厚みによる回路基板の
熱伝導率の違いをみた実験例)の結果を示す特性図であ
る。
【図30】第11の実験例(比較例8〜10及び実施例
41〜43について、第1〜第4のろう材の厚みによる
回路の汚染状態、剥離強度、熱サイクル及び熱伝導率の
違いをみた実験例)の結果を示す表図である。
41〜43について、第1〜第4のろう材の厚みによる
回路の汚染状態、剥離強度、熱サイクル及び熱伝導率の
違いをみた実験例)の結果を示す表図である。
【図31】第12の実験例(比較例11及び実施例44
〜46について、第1及び第4のろう材の活性元素の量
による剥離強度、熱サイクル及び熱伝導率の違いをみた
実験例)の結果を示す表図である。
〜46について、第1及び第4のろう材の活性元素の量
による剥離強度、熱サイクル及び熱伝導率の違いをみた
実験例)の結果を示す表図である。
【図32】第13の実験例(比較例12並びに実施例4
7〜53について、回路(又はメッキ層)の鏡面光沢度
による回路(又はメッキ層)に対するボンディングワイ
ヤの密着性の違いをみた実験例)の結果を示す表図であ
る。
7〜53について、回路(又はメッキ層)の鏡面光沢度
による回路(又はメッキ層)に対するボンディングワイ
ヤの密着性の違いをみた実験例)の結果を示す表図であ
る。
【図33】第2の実施の形態に係る回路基板並びに該回
路基板を用いた電子部品を示す縦断面図である。
路基板を用いた電子部品を示す縦断面図である。
【図34】ヒートスプレッダ材の下面にフィン形状を有
するヒートシンク材を接合した構成を示す回路基板を示
す断面図である。
するヒートシンク材を接合した構成を示す回路基板を示
す断面図である。
【図35】ヒートシンク材自体をフィン形状にした回路
基板を示す断面図である。
基板を示す断面図である。
【図36】従来例に係る回路基板を示す縦断面図であ
る。
る。
【図37】従来例に係る回路基板における絶縁基板と回
路の部分を示す拡大断面図である。
路の部分を示す拡大断面図である。
10A、10B…回路基板 12A、12B…電子
部品 14…半田層 16…半導体装置 20…ヒートシンク材 22…ヒートスプレッ
ダ材 24…熱伝導層 32…絶縁基板 34…第3のろう材 36…回路 38…Niメッキ層 40…金属板 70…導電性反応層 82…マスク 82A…第1のマスク 82B…第2のマスク 100…第4のろう材 102…回路パターン
部品 14…半田層 16…半導体装置 20…ヒートシンク材 22…ヒートスプレッ
ダ材 24…熱伝導層 32…絶縁基板 34…第3のろう材 36…回路 38…Niメッキ層 40…金属板 70…導電性反応層 82…マスク 82A…第1のマスク 82B…第2のマスク 100…第4のろう材 102…回路パターン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/26 H05K 3/38 E 3/38 3/04 D // H05K 3/04 H01L 23/36 C (72)発明者 石川 修平 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 中山 信亮 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 5E338 AA01 AA18 CC08 CD23 EE02 5E339 AB06 AD01 BC02 BC03 BD11 BE13 CG01 GG02 5E343 AA02 AA23 BB16 BB24 BB28 BB67 CC01 DD62 EE33 FF21 FF23 5F036 AA01 BA04 BA26 BB05 BB08 BC33 BD01
Claims (51)
- 【請求項1】絶縁基板上に回路を有する回路基板におい
て、 前記回路は、前記絶縁基板上に接合された金属板に対す
るエッチング処理とサンドブラスト処理により形成され
ていることを特徴とする回路基板。 - 【請求項2】絶縁基板上に回路を有する回路基板におい
て、 前記回路は、前記絶縁基板上に接合され、かつ、予め回
路パターンが形成された金属板に対するサンドブラスト
処理により形成されていることを特徴とする回路基板。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の回路基板において、 前記絶縁基板上に活性元素を含む硬ろう材を介して前記
金属による回路が接合されていることを特徴とする回路
基板。 - 【請求項4】請求項3記載の回路基板において、 前記絶縁基板上に前記金属による回路が接合されている
場合の前記硬ろう材の厚さが10μm以下であることを
特徴とする回路基板。 - 【請求項5】請求項3記載の回路基板において、 前記絶縁基板と前記硬ろう材中の活性元素との反応によ
って生成される導電性反応層のうち、前記回路の金属除
去部分に対応する導電性反応層がサンドブラスト処理に
て除去されていることを特徴とする回路基板。 - 【請求項6】請求項3〜5のいずれか1項に記載の回路
基板において、 前記活性元素は、周期律表第2A族、第3A族、第4A
族、第5A族又は第4B族のいずれかに属する元素の少
なくとも1つであることを特徴とする回路基板。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の回路
基板において、 前記金属による回路上にメッキ層が積層されていること
を特徴とする回路基板。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の回路
基板において、 前記金属による回路の表面粗さあるいは前記回路上にお
けるメッキ層の表面粗さがRa=1.0μm以下である
ことを特徴とする回路基板。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の回路
基板において、 前記絶縁基板の下部にヒートスプレッダ材あるいはヒー
トシンク材が接合されていることを特徴とする回路基
板。 - 【請求項10】請求項9記載の回路基板において、 前記絶縁基板と前記ヒートスプレッダ材あるいはヒート
シンク材との間に金属による緩衝板がそれぞれ活性元素
を含む硬ろう材を介して接合され、 前記金属による回路と前記絶縁基板と前記緩衝板と前記
前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材による
第1の接合体を有することを特徴とする回路基板。 - 【請求項11】請求項10記載の回路基板において、 前記ヒートシンク材がフィン形状に形成されていること
を特徴とする回路基板。 - 【請求項12】請求項10記載の回路基板において、 前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材の下面
に金属板が活性元素を含む硬ろう材を介して接合され、 前記金属による回路と前記絶縁基板と前記緩衝板と前記
ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材と前記金属
板による第2の接合体を有することを特徴とする回路基
板。 - 【請求項13】請求項12記載の回路基板において、 前記第2の接合体における前記絶縁基板の熱膨張係数
が、前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材に
用いられる材料の熱膨張係数より小さい場合に、前記金
属による回路の厚さと、前記緩衝板と前記ヒートスプレ
ッダ材あるいはヒートシンク材の合計との厚みの比が
1:0.5〜1:3であることを特徴とする回路基板。 - 【請求項14】請求項12又は13記載の回路基板にお
いて、 前記第2の接合体が、前記金属板の下面側が外方に向か
って凸形状となるように反っていることを特徴とする回
路基板。 - 【請求項15】請求項12記載の回路基板において、 前記金属板がフィン形状に形成されていることを特徴と
する回路基板。 - 【請求項16】請求項10〜15のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記緩衝板は、その厚みが0.03〜0.5mmである
ことを特徴とする回路基板。 - 【請求項17】請求項10〜16のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記絶縁基板がSi3N4で構成される場合に、該絶縁基
板の厚みが0.6mm以下であることを特徴とする回路
基板。 - 【請求項18】請求項10〜17のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記第1又は第2の接合体としての熱伝導率が200W
/m以上であることを特徴とする回路基板。 - 【請求項19】請求項10〜18のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記硬ろう材の融点が700℃以下であることを特徴と
する回路基板。 - 【請求項20】請求項10〜19のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記硬ろう材がAg−Cu−In−Tiにて構成されて
いることを特徴とする回路基板。 - 【請求項21】請求項10〜20のいずれか1項に記載
の回路基板において、 少なくとも前記金属による回路と絶縁基板との接合に用
いられる前記硬ろう材に含まれる活性元素の量が0.0
5〜2%であることを特徴とする回路基板。 - 【請求項22】請求項10〜21のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記緩衝板と前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシ
ンク材との接合に用いられる前記硬ろう材に含まれる活
性元素の量が0.5〜10%であることを特徴とする回
路基板。 - 【請求項23】請求項10〜22のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材と前記
緩衝板との接合に用いられる硬ろう材の厚み又は前記ヒ
ートスプレッダ材あるいはヒートシンク材と前記金属板
との接合に用いられる硬ろう材の厚みは、前記緩衝板の
厚みの25%以下であることを特徴とする回路基板。 - 【請求項24】請求項10〜23のいずれか1項に記載
の回路基板において、 前記絶縁基板と前記金属による回路との接合に用いられ
る硬ろう材の厚み又は前記絶縁基板と前記緩衝板との接
合に用いられる硬ろう材の厚みは、前記緩衝板の厚みの
10%以下であることを特徴とする回路基板。 - 【請求項25】請求項24記載の回路基板において、 前記硬ろう材の厚みは30μm以下であることを特徴と
する回路基板。 - 【請求項26】請求項9〜15のいずれか1項に記載の
回路基板において、 前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材は、S
iC、AlN、Si3N4、BeO、Al2O3、Be
2C、C、Cu、Cu合金、Al、Al合金、Ag、A
g合金、Siからなる群から選択された少なくとも1つ
を構成材料とすることを特徴とする回路基板。 - 【請求項27】請求項26記載の回路基板において、 前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材は、S
iC母材にCu又はCu合金が含浸された複合材料で構
成されていることを特徴とする回路基板。 - 【請求項28】請求項27記載の回路基板において、 前記ヒートスプレッダ材あるいはヒートシンク材は、C
母材にCu又はCu合金が含浸された複合材料で構成さ
れていることを特徴とする回路基板。 - 【請求項29】請求項1〜28のいずれか1項に記載の
回路基板において、 前記絶縁基板は、AlN又はSi3N4で構成されている
ことを特徴とする回路基板。 - 【請求項30】絶縁基板上に金属板を活性金属を含む硬
ろう材を介して接合する第1の工程と、 前記金属板をエッチング処理して前記絶縁基板上に回路
パターンを形成する第2の工程と、 少なくとも前記回路パターンの金属除去部分から露出す
る導電性反応層を除去して前記絶縁基板を露出させて、
前記絶縁基板上に回路を有する回路基板とする第3の工
程とを有することを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項31】金属板に対して回路パターンを形成する
第1の工程と、 絶縁基板上に前記金属板を活性金属を含む硬ろう材を介
して接合する第2の工程と、 少なくとも前記回路パターンの金属除去部分を通じて露
出する導電性反応層を除去して前記絶縁基板を露出させ
て、前記絶縁基板上に回路を有する回路基板とする第3
の工程を有することを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項32】請求項31記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記第1の工程は、金属板に対してプレス加工を行っ
て、該金属板に回路パターンを成形する処理を含むこと
を特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項33】請求項32記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記金属板に対するプレス加工によって回路を成形する
場合に、前記回路間を連結するブリッジも成形し、 前記絶縁基板上に前記金属板を接合した後に、前記ブリ
ッジを切断することを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項34】請求項33記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記ブリッジは、前記金属板に対する半抜き加工によっ
て成形されることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項35】請求項33記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記ブリッジは、前記金属板に対するエッチング加工に
よって形成されることを特徴とする回路基板の製造方
法。 - 【請求項36】請求項30〜35のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記絶縁基板上への金属板の接合は、前記硬ろう材の固
相線以上、液相線以下の温度で接合することを特徴とす
る回路基板の製造方法。 - 【請求項37】請求項30〜36のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記第3の工程は、前記回路パターンを含む全面に対し
てサンドブラスト処理を行って前記回路パターンの金属
除去部分から露出する導電性反応層を除去して絶縁基板
を露出させることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項38】請求項30〜36のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記第3の工程は、マスクを通じて選択的にサンドブラ
スト処理を行って前記回路パターンの金属除去部分から
露出する導電性反応層を除去して絶縁基板を露出させる
ことを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項39】請求項38記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記第3の工程は、複数のマスクを使用し、それぞれマ
スクを通じて選択的にサンドブラスト処理を行った後、
使用しているマスクの窓から露出し、かつ、前記回路パ
ターンの金属除去部分から露出する導電性反応層を除去
する処理を、複数のマスクについて繰り返し行うことを
特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項40】請求項30〜39のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記金属板は、Cu、Cu合金、Al又はAl合金にて
構成されていることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項41】請求項30〜40のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記金属板として、上面にメッキ層が形成された金属板
を使用することを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項42】請求項41記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記メッキ層は、Niメッキ層であることを特徴とする
回路基板の製造方法。 - 【請求項43】請求項30〜42のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記活性元素は、周期律表第2A族、第3A族、第4A
族、第5A族又は第4B族のいずれかに属する元素の少
なくとも1つであることを特徴とする回路基板の製造方
法。 - 【請求項44】請求項30〜43のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記第3の工程におけるサンドブラスト処理は、前記絶
縁基板が露出された段階で、前記絶縁基板上に少なくと
も前記回路パターンが残存する条件で行うことを特徴と
する回路基板の製造方法。 - 【請求項45】請求項44記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記回路上にメッキ層が形成されている場合に、 前記第3の工程におけるサンドブラスト処理は、前記絶
縁基板が露出された段階で、前記回路パターン上にメッ
キ層が残存する条件で行うことを特徴とする回路基板の
製造方法。 - 【請求項46】請求項30〜45のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記第3の工程は、前記絶縁基板と前記硬ろう材中の活
性元素との反応によって生成される導電性反応層のう
ち、前記回路パターンの金属除去部分に対応する導電性
反応層をサンドブラスト処理にて除去することを特徴と
する回路基板の製造方法。 - 【請求項47】請求項46記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記第3の工程におけるサンドブラスト処理は、前記回
路の金属除去部分における導電性反応層を除去した段階
で、前記絶縁基板上に少なくとも前記回路が残存する条
件で行うことを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項48】請求項47記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記回路上にメッキ層が形成されている場合に、 前記第3の工程におけるサンドブラスト処理は、前記回
路の金属除去部分における導電性反応層を除去した段階
で、前記回路上にメッキ層が残存する条件で行うことを
特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項49】請求項30〜48のいずれか1項に記載
の回路基板の製造方法において、 前記サンドブラスト処理は、メッシュ#180より細か
い粒子を用いることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項50】請求項49記載の回路基板の製造方法に
おいて、 前記粒子は、Al2O3あるいはSiCであることを特徴
とする回路基板の製造方法。 - 【請求項51】請求項49又は50記載の回路基板の製
造方法において、 前記サンドブラスト処理でのエア圧力は、0.1MPa
〜0.25MPaであることを特徴とする回路基板の製
造方法。
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