JP2002359279A - ウエハ支持部材及びその製造方法 - Google Patents

ウエハ支持部材及びその製造方法

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JP2002359279A JP2001165747A JP2001165747A JP2002359279A JP 2002359279 A JP2002359279 A JP 2002359279A JP 2001165747 A JP2001165747 A JP 2001165747A JP 2001165747 A JP2001165747 A JP 2001165747A JP 2002359279 A JP2002359279 A JP 2002359279A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウエハ支持部材を形成するセラミック板状体と
筒状体とを接合するロウ材層がハロゲン系腐食性ガスに
よって腐食し、ガスリークが発生することを防止する。 【解決手段】セラミック板状体3の載置面4と反対側の
表面にロウ材層12を介して筒状体を接合したウエハ支
持部材2において、少なくとも上記ロウ材層12の外側
露出部を覆うように微小な空孔を有するセラミック多孔
質膜13を被着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体や液晶の製
造装置において、半導体ウエハや液晶用ガラス等のウエ
ハを支持するのに用いるウエハ支持部材及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエハに成膜を施すPVD
装置やCVD装置等の成膜装置、あるいは半導体ウエハ
に微細加工処理を施すエッチング装置等の半導体製造装
置では、チャンバー内で半導体ウエハを支持するため、
サセプターや静電チャックと呼ばれるウエハ支持部材が
用いられている。
【0003】図3に一般的な半導体製造装置の概略断面
図を示すように、この半導体製造装置50は、サセプタ
ーと呼ばれるウエハ支持部材51をチャンバー63内に
設置したもので、上記ウエハ支持部材51は、セラミッ
ク板状体52の一方の主面(最も広い面)を、半導体ウ
エハWを載せる載置面53とし、上記セラミック板状体
52中に発熱抵抗体54を有するとともに、上記セラミ
ック板状体52の他方の主面55に、金属製筒状体58
の一方端側に備えるフランジ部59をロウ材層61を介
して気密接合したもので、金属製筒状体58の他方端側
に備えるフランジ部60をOリング62を介してチャン
バー63の底面に気密接合することにより、ウエハ支持
部材51をチャンバー63内に設置するとともに、チャ
ンバー63内の気密性を維持するようになっている。
【0004】また、セラミック板状体52の他方の主面
55には、発熱抵抗体54への通電端子57や温度検出
素子56を取着してあり、これらの導線が金属製筒状体
58の内側を通ってチャンバー63の外側に導出される
ようになっている。
【0005】そして、この半導体製造装置50を用い
て、半導体ウエハWに成膜加工やエッチング加工を施す
には、半導体ウエハWをウエハ支持部材51の載置面5
3に載せた後、チャンバー63内を例えば10 11Pa
以下程度の真空とし、抵抗発熱体54に通電してセラミ
ック板状体52を発熱させ、温度検出素子56により得
られる温度を基に半導体ウエハWを各種加工温度に加熱
した状態でチャンバー63内に成膜用ガスやエッチング
用ガスを供給することにより、半導体ウエハWに各種加
工を施すようになっている。
【0006】また、この時、ウエハ支持部材51は、チ
ャンバー63と気密に接合してあるため、セラミック板
状体52に備える通電端子57や温度検出素子56が成
膜用ガスやエッチング用ガス中に含まれている塩素系や
フッ素系の腐食性ガスに曝されることがない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、成膜加工や
エッチング加工を行う半導体製造装置50では、半導体
ウエハWを100〜300℃、さらには600℃程度の
高温に加熱することが多く、ウエハ支持部材51には、
常温から上記加工温度の間での熱サイクルが加わること
になる。
【0008】そして、この熱サイクルによる繰り返し応
力は、強度的に弱い金属製筒状体58のフランジ部59
とセラミック板状体52との接合部に集中して発生し、
図4(a)(b)に示すように、金属製筒状体58のフ
ランジ部59がクリープ変形を起こして接合部に剥離が
発生し、数サイクルから数十サイクルの使用で、チャン
バー63内の成膜用ガスやエッチング用ガスが金属製筒
状体58内にガスリークが発生し、半導体製造装置に要
求される高真空状態を維持できなくなるとともに、成膜
用ガスやエッチング用ガス中に含まれている腐食性ガス
によって通電端子57や温度検出素子56が腐食したり
破損するといった課題があった。
【0009】そこで、このような問題点を解決するた
め、金属製筒状体58をセラミックス製板状体52の材
質に近い熱膨張係数を有する金属により形成すること
で、両者間の熱膨張差を小さくし、接合部に集中する熱
応力を緩和したり、セラミック板状体52と金属製筒状
体58のフランジ部59とを接合するロウ材層61とし
て低ヤング率のロウを用いることで、接合部に集中する
熱応力を吸収したり、金属製筒状体58のフランジ部5
9の下面に、セラミック板状体52と同種のセラミック
スからなる応力緩和リングをロウ付けし、フランジ部を
セラミック板状体52と応力緩和リングで挟み込むこと
で接合部に集中する熱応力を緩和し、接合部の剥離を防
止することが提案されている(特開平9−213775
号公報、特開平9−262734号公報参照)。
【0010】しかしながら、これらの手段を用いたとし
ても、チャンバー63内には成膜用ガスやエッチング用
ガス中に含まれている腐食性ガスが存在し、この腐食性
ガスの存在によってロウ材層61が腐食を受け、さらに
熱サイクルによって繰り返し加わる熱応力によってロウ
材層61とセラミック板状体52や金属製筒状体58の
フランジ部59との間の気密性が損なわれ、或いは金属
製筒状体58自身が破損し50サイクル程度の使用でガ
スリークが発生するといった課題があり、未だ十分に満
足できるものは得られていなかった。
【0011】さらに、この種のウエハ支持部材51に
は、載置面53に載せる半導体ウエハWの温度分布を均
一にすることが要求されており、セラミック板状体52
の熱が金属製筒状体58を伝って逃げることにより、半
導体ウエハWの均熱化が阻害されることを防止するた
め、金属製筒状体58の厚みを0.1〜2mm程度と薄
くし、セラミック板状体52からの熱引けを抑えること
が行われているが、このような薄肉の金属製筒状体58
では、腐食性ガスによる腐食や熱サイクルによって繰り
返し加わる熱応力によって疲労が蓄積され、破壊すると
いった恐れもあった。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、セラミック板状体の一方の主面を、ウエハを
載せる載置面とするとともに、セラミック板状体の他方
の主面にロウ材層を介して筒状体を接合したウエハ支持
部材において、少なくとも上記ロウ材層の外側露出部を
覆うように微小な空孔を有するセラミック多孔質膜を被
着したことを特徴とする。
【0013】上記セラミック多孔質膜は、その気孔率が
3〜7%でかつ厚みが0.2〜0.5mmであるものが
良く、また、好ましくはセラミック板状体を窒化物系セ
ラミック焼結体により形成するとともに、筒状体をFe
−Co−Ni合金又は窒化物系セラミック焼結体により
形成し、かつ上記セラミック多孔質膜をアルミナにより
形成したものが良い。
【0014】また、このようなウエハ保持部材は、一方
の主面をウエハを載せる載置面としたセラミック板状体
の他方の主面に筒状体をロウ材層を介して接合した後、
少なくとも上記ロウ材層の外側露出部を覆うように溶射
法にて微小な空孔を有するセラミック多孔質膜を被着し
て製造することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0016】図1は本発明に係るウエハ支持部材を備え
る半導体製造装置を示す概略断面図である。図2は図1
のA部を拡大した断面図である。
【0017】この半導体製造装置1は、サセプターと呼
ばれるウエハ支持部材2をチャンバー14内に設置した
もので、上記ウエハ支持部材2は、セラミック板状体3
の一方の主面(最も広い面)を半導体ウエハWを載せる
載置面4とし、上記セラミック板状体3中に発熱抵抗体
5を有するとともに、上記セラミック板状体3の他方の
主面6に、筒状体9の一方端側に備えるフランジ部10
をロウ材層12を介して気密接合したもので、筒状体9
の他方端側に備えるフランジ部11をOリング15を介
してチャンバー14の底面に気密接合することにより、
ウエハ支持部材2をチャンバー14内に設置するととも
に、チャンバー14内の気密性を維持するようにしてあ
る。
【0018】また、セラミック板状体3の他方の主面6
には、発熱抵抗体5への通電端子8や温度検出素子7を
取着してあり、これらの導線は筒状体9の内側を通って
チャンバー14の外側に取り出すようになっている。
【0019】さらに、本発明のウエハ支持部材2は、少
なくともセラミック板状体3と筒状体9のフランジ部1
0を接合するロウ材層12の外側露出部を覆うように微
少な空孔を有するセラミック多孔質膜13を被着したこ
とを特徴とし、図1ではロウ材層12の外側露出部を覆
うように、セラミック板状体3の他方の主面6から筒状
体9の外側面全体にセラミック多孔質膜13を被着して
ある。
【0020】また、図1に示すウエハ支持部材2では、
繰り返し加わる熱サイクルによって、セラミック板状体
3と筒状体9のフランジ部10との接合部における剥離
を防ぐため、筒状体9のフランジ部10の下面に、セラ
ミック板状体3と同種のセラミックスからなる応力緩和
リング16をロウ材層17を介して接合してあり、この
ように、筒状体9のフランジ部10を、セラミック板状
体3と応力緩和リング16で挟むことによりフランジ部
10の変形を防止し、また、セラミック板状体3と応力
緩和リング16とは同種のセラミックスからなり、熱膨
張係数が近似しているため、セラミック板状体3と筒状
体9のフランジ部10との接合部に作用する熱応力を緩
和することができ、気密性を高めることができる。
【0021】そして、この半導体製造装置1を用いて、
半導体ウエハWに成膜加工やエッチング加工を施すに
は、半導体ウエハWをウエハ支持部材2の載置面4に載
せた後、チャンバー14内を例えば10 11Pa以下程
度の真空とし、発熱抵抗体5に通電してセラミック板状
体3を発熱させ、温度検出素子7により得られる温度を
基に半導体ウエハWを各種加工温度に加熱した状態でチ
ャンバー14内に成膜用ガスやエッチング用ガスを供給
することにより、半導体ウエハWに各種加工を施すこと
ができる。
【0022】また、チャンバー14内には成膜用ガスや
エッチング用ガスとともに、腐食性ガスが存在するが、
本発明のウエハ支持部材は、腐食性ガスによる腐食を受
け易いロウ材層12、ロウ材層17の外側露出部を覆う
ように、セラミック板状体3の他方の主面6から筒状体
9の外側面全体にセラミック多孔質膜13を被着してあ
るため、ロウ材層12やロウ材層17の外側露出部が腐
食性ガスに曝されず、ロウ材層12の腐食を防止するこ
とができる。その為、ロウ材層12やロウ材層17によ
る本来の耐久性を維持することができ、過酷な条件下で
はあるものの、寿命の長いウエハ支持部材とすることが
できる。
【0023】その為、本発明のウエハ支持部材を用いれ
ば、チャンバー14との気密性を長期間にわたって維持
することができるとともに、セラミック板状体3に備え
る通電端子8や温度検出素子7が成膜用ガスやエッチン
グ用ガス中に含まれている塩素系やフッ素系の腐食性ガ
スに曝されるようなことがない。
【0024】ところで、このような効果を奏するために
は、上述したように、少なくともロウ材層12やロウ材
層17の外側露出部に被着する膜としては緻密なセラミ
ック膜ではなく、セラミック多孔質膜13であることが
重要である。
【0025】なぜなら、緻密なセラミック膜は、通常、
CVD法やPVD法、スパッタリング法等の膜形成手段
によって成膜されるのであるが、このような成膜手段に
よって被着されたセラミック緻密質膜では、膜そのもの
の剛性が大きいため、熱によってロウ材層12、ロウ材
層17や筒状体9が変形しようとする力を吸収すること
ができず、繰り返し熱応力が作用すると膜の剥離が発生
するからである。
【0026】また、膜厚みを薄くして変形し易くするこ
とも考えられるが、この場合、セラミック膜の膜厚みを
1μm程度にまで薄くする必要がある。しかしながら、
ロウ材層12やロウ材層17の外側露出部はその表面粗
さが算術平均線粗さ(Ra)で約2μm程度と粗く、こ
のような表面を完全に覆うように膜厚みが1μmのセラ
ミック膜を被着することは困難であった。
【0027】これに対し、本件発明者は種々の研究の結
果、セラミック多孔質膜13を用いれば、熱応力が繰り
返し作用しても十分な密着力が得られ、しかも気孔率と
厚みを調整すれば腐食性ガスの侵入を十分に抑えること
ができることを見出したのである。
【0028】即ち、セラミック多孔質膜13には微小な
空孔が多数存在するため、緻密なセラミック膜と比較し
て剛性が小さいため、熱によってロウ材層12、ロウ材
層17や筒状体9が変形しようとする力が働くと、セラ
ミック多孔質膜13も変形し、ロウ材層12、ロウ材層
17や筒状体9との間に作用する熱応力を吸収すること
ができるため、剥離することなく、十分な密着力を得る
ことができる。そして、セラミック多孔質膜13であれ
ば、ある程度厚みを厚くしても剥がれ難いため、微小な
空孔を有するものの、腐食性ガスの侵入を防止すること
ができる。
【0029】そして、このようなロウ材層12、ロウ材
層17や筒状体9との密着性と腐食性ガスの侵入を効果
的に防止するには、セラミック多孔質膜13の気孔率を
3〜7%とするとともに、その厚みtを0.2〜0.5
mmとすることが好ましい。
【0030】即ち、セラミック多孔質膜13の気孔率が
7%を超えると、腐食性ガスがセラミック多孔質膜13
中を通過し易くなり、ロウ材層12、ロウ材層17を腐
食させるとともに、セラミック多孔質膜13の強度も低
下し、熱応力によって破損する恐れがあるからで、逆に
セラミック多孔質膜13の気孔率が3%未満となると、
膜剛性が高くなり、繰り返し加わる熱応力によって膜の
剥離が発生する確率が高くなるからである。
【0031】また、セラミック多孔質膜13の膜厚みt
が0.5mmを越えると、セラミック板状体3との間の
熱膨張差あるいは筒状体9との間の熱膨張差による熱応
力がセラミック多孔質膜13の密着強度より大きくな
り、膜の剥離が発生し易くなり、逆にセラミック多孔質
膜13の膜厚みtが0.2mm未満となると、腐食性ガ
スがセラミック多孔質膜13中を通過し易くなり、ロウ
材層12、ロウ材層17を腐食させるからである。
【0032】なお、好ましいセラミック多孔質膜13の
気孔率は3〜5%が良く、また、好ましい膜厚みtは
0.2〜0.4mmが良い。また、セラミック多孔質膜
15の変形を阻害しない程度に微小な空孔を埋める封孔
処理を行えばより効果的である。
【0033】また、セラミック多孔質膜13を形成する
材質としては、セラミック板状体3や筒状体9との熱膨
張差ができるだけ近似しており、かつ塩素系やフッ素系
等のハロゲン系腐食性ガスに対する耐食性に優れたもの
が良く、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼
素、サイアロン、窒化珪素等を用いることができ、セラ
ミック板状体3や筒状体9を形成する材質に合わせて適
宜選択して用いれば良いが、これらの中でもハロゲン系
腐食性ガスに対し、極めて優れた耐食性を有するアルミ
ナからなるセラミック多孔質膜13を用いることが好ま
しい。
【0034】なお、セラミック多孔質膜13を被着する
方法としては、CVD法やPVD法を用いることもでき
るが、好ましくは溶射法により成膜することが良い。
【0035】溶射法は気孔率を調整した多孔質のセラミ
ック膜を三次元的に複雑な形状を有する部分にも容易に
成膜でき、比較的短時間で厚みの厚い膜を形成すること
ができる。例えば、気孔率が3〜7%のセラミック多孔
質膜13を得るには、膜原料として平均粒径が10〜4
5μmのセラミック原料を用い、プラズマ電力を30k
W、被投射物との距離を100〜150mmとすれば良
い。
【0036】一方、セラミック板状体3や応力緩和リン
グ16を形成するセラミックスとしては、Al23、A
lN、ZrO2、SiC、Si34等を主成分とするセ
ラミック焼結体を用いることができ、これらの中でも特
にハロゲン系腐食性ガスに対する耐食性に優れるアルミ
ナ質焼結体あるいは窒化アルミニウム質焼結体を用いる
ことが良く、例えば、アルミナ質焼結体の場合、Al2
3含有量99重量%以上に対し、SiO2、MgO、C
aO等の焼結助剤を含有したものを用いれば良く、ま
た、窒化アルミニウム質焼結体の場合、AlNを主成分
とし、周期律表2a族元素酸化物や周期律表3a族元素
酸化物を0.5〜20重量%の範囲で含有したもの、あ
るいはAlNを99重量%以上含有したものを用いれば
良い。
【0037】また、筒状体9は、室温から600℃の間
で加わる熱サイクルによってセラミック板状体3との接
合部にクラックが発生することを防止するため、セラミ
ック板状体3と同程度の熱膨張を有するとともに、ハロ
ゲン系腐食性ガスに対する耐食性を有する金属又はセラ
ミック焼結体により形成したものが良く、具体的にはセ
ラミック板状体3との熱膨張率差が6×10 6/℃以
下であるものが良く、金属の場合、Mo、Fe−Ni−
Co合金、Fe−Ni合金等を用いることができ、また
セラミック焼結体の場合、セラミック板状体3と同種の
セラミック焼結体により形成すれば良い。なお、セラミ
ック板状体3と同種のセラミック焼結体とは、セラミッ
ク板状体3と主成分が同じセラミック焼結体からなるこ
とを言う。
【0038】さらに、セラミック板状体3や応力緩和リ
ング16と筒状体9とを接合するロウ材層12,17の
材質としては、Ag−Cu系ロウ、Ti−Cu−Ag系
ロウ、Au−Cu系ロウ、Ti−Cu−Au系ロウを使
用温度に応じて適宜選択して用いれば良い。
【0039】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明は前述した実施形態に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更できる
ことは言うまでもない。
【0040】
【実施例】(実施例1)ここで、セラミック多孔質膜を
有する本発明のウエハ支持部材と、セラミック多孔質膜
を持たない従来のウエハ支持部材を用意し、気密性につ
いて調べる実験を行った。
【0041】本実験で使用するウエハ支持部材は、セラ
ミック板状体3を直径8インチ(約200mm)、厚み
10mmの円板状体とし、AlN含有量99重量%の高
純度窒化アルミニウム質焼結体により形成したものを用
い、上記セラミック板状体中には、モリブデンコイルか
らなる抵抗発熱体を埋設したものを用いた。
【0042】なお、セラミック板状体を形成する窒化ア
ルミニウム質焼結体の比重は3.2、熱膨張率は5×1
6/℃であった。
【0043】また、セラミック板状体に接合する筒状体
は、直径190mm、厚み0.5mmの円筒状体とし、
その両端側に厚みが0.5mmのフランジ部を備え、F
e−Ni−Co合金により形成したものを用いた。な
お、筒状体を形成するFe−Ni−Co合金の熱膨張率
は4.8×10-6/℃であった。
【0044】さらに、応力緩和リング16は、セラミッ
ク板状体11と同じ窒化アルミニウム質焼結体からなる
もので、外径が190mm、幅が5mm、厚みが5mm
のリング状体をしたものを用いた。
【0045】そして、セラミック板状体11と応力緩和
リング16の接合面にCu−Ag−Ti系ロウ材を用
い、800℃の温度でメタライズ層を形成し、さらにN
iメッキを施すとともに、筒状体9のフランジ部10に
おける接合面にはNiメッキを施した。
【0046】そして、セラミック板状体の接合面にAg
−Cu系ロウ材を塗布し、筒状体のフランジ部は押し付
けた後、筒状体のフランジ部にAg−Cu系ロウ材を塗
布し、応力緩和リングを押し付け、しかる後、850℃
の真空中でロウ付け処理を行った。
【0047】そして、本発明のウエハ支持部材において
は、Ag−Cu系ロウ材からなるロウ材層の外側露出部
を覆うように、セラミック板状体の接合面、ロウ材層の
外側露出部、筒状体の外側面に容射法にてアルミナ、窒
化珪素、窒化アルミニウムの3種類のセラミック多孔質
膜をそれぞれ被着し、また、従来例のウエハ支持部材と
してセラミック多孔質膜を被着しないものを用いた。な
お、セラミック多孔質膜を被着したものにあっては、気
孔率を4%、膜厚みを0.3mmとした。
【0048】そして、これらのウエハ支持部材はCVD
装置のチャンバー内にセットし、チャバー内にハロゲン
ガスを導入しプラズマを発生させた状態で、ウエハ支持
部材を発熱、冷却させ、常温から550℃の熱サイクル
を200サイクル加えた後のセラミック板状体と筒状体
との間の接合部におけるガスリークの有無について調べ
る実験を行った。
【0049】なお、ガスリークの測定は、ヘリウムリー
クテスターを使い測定した。ガスリークレートが1×1
-12Pa・m3/sec以下をガスリークなしとして、
ガスリークレートが1×10-12Pa・m3/secを超
えるものはガスリークありとした。
【0050】結果は表1に示す通りである。
【0051】
【表1】
【0052】この結果、セラミック多孔質膜を持たない
従来のウエハ支持部材は、200サイクルの試験におい
て全く気密性を維持することができなかったのに対し、
セラミック多孔質膜を被着した本発明のウエハ支持部材
は、200サイクルの試験後においてもガスリークが見
られず、気密性を維持することができた。 (実施例2)そこで、本発明のウエハ支持部材2におい
て、セラミック多孔質膜13の厚みを異ならせ、実施例
1と同様の条件にて実験を行ない、セラミック板状体3
と筒状体9との間の接合部におけるガスリークの有無及
びセラミック多孔質膜の剥離の有無について調べる実験
を行った。なお、セラミック多孔質膜の気孔率はいずれ
も5%とした。
【0053】それぞれの結果は表2,3に示す通りであ
る。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】この結果、セラミック多孔質膜の膜厚みが
0.1mmでは、ヘリウムガスの侵入を抑えることがで
きず、ロウ材層が腐食してガスリークが発生し、セラミ
ック多孔質膜の膜厚みが0.6mmでは、膜の剥離が見
られ、その結果、ロウ材層が腐食してガスリークが発生
した。
【0057】これに対し、セラミック多孔質膜の膜厚み
が0.2〜0.5mmの範囲にあるものは、アルミナ、
窒化珪素、窒化アルミニウムのいずれにおいても膜の剥
離は見られず、また、ガスリークの発生もなかった。
【0058】この結果、セラミック多孔質膜の膜厚みは
0.2〜0.5mmとすることが良いことが判る。 (実施例3)次に、セラミック多孔質膜の膜厚みを0.
2mmとし、気孔率を異ならせ、実施例1と同様の条件
にて実験を行ない、セラミック板状体と筒状体との間の
接合部におけるガスリークの有無について調べる実験を
行った。
【0059】結果は表4に示す通りである。
【0060】
【表4】
【0061】この結果、セラミック多孔質膜の気孔率が
7%を超えたものは、ロウ材層のガスにより腐食してガ
スリークが発生したが、気孔率を3〜7%としたものは
ロウ材層の腐食が見られず、ガスリークの発生がなかっ
た。セラミック多孔質膜の気孔率が2%のものは熱サイ
クルにより膜にクラックが見られ、ガスリークが発生し
た。
【0062】この結果、セラミック多孔質膜の気孔率は
3〜7%の範囲することが良いことが判る。 (実施例4)そこで、セラミック多孔質膜の膜厚みを
0.2mm、気孔率を4%とし、熱サイクル回数を40
0回として実施例1と同様の実験を行った。
【0063】結果は表5に示す通りである。
【0064】
【表5】
【0065】この結果、セラミック多孔質膜にアルミナ
を用いたもののみが400回の熱サイクルにも耐え、ガ
スリークの発生が見られなかった。そこで、セラミック
多孔質膜の状態について観察したところ、アルミナから
なるセラミック多孔質膜が他の材料と比較して腐食が少
なく、ロウ材層の腐食を抑えることができたものと思わ
れる。
【0066】この結果、セラミック多孔質膜としてアル
ミナを用いることが最も好ましかった。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック板状体の一方の主面を、ウエハを載せる載置面とす
るとともに、セラミック板状体の他方の主面にロウ材層
を介して筒状体を接合したウエハ支持部材において、少
なくとも上記ロウ材層の外側露出部を覆うように微小な
空孔を有するセラミック多孔質膜を被着したことから、
ロウ材層がハロゲン系腐食性ガスに曝されることを防
ぎ、セラミック板状体と筒状体との接合部からのガスリ
ークの発生を長期間にわたって防止することができるた
め、寿命の長いウエハ支持部材を提供することができ
る。
【0068】また、セラミック多孔質膜にアルミナを用
いれば、ウエハ支持部材の寿命をさらに向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウエハ支持部材を備えた半導体製
造装置を示す概略断面図である。
【図2】図1のA部を拡大した断面図である。
【図3】従来のウエハ支持部材を備えた半導体製造装置
を示す概略断面図である。
【図4】(a)(b)は従来のウエハ支持部材における
セラミック板状体と筒状体との接合部における剥離状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1、50:半導体製造装置 2、51:ウエハ支持部材 3、52:セラミック板状体 4、53:載置面 5、54:抵抗発熱体 6、55:セラミック板状体の他方の主面 7、56:温度検出素子 8、57:通電端子 9、58:筒状体 10,11、59、60:フランジ部 12,17、61:ロウ材層 13:セラミック多孔質膜 14、63:チャンバー 15、62:Oリング 16:応力緩和リング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック板状体の一方の主面を、ウエハ
    を載せる載置面とするとともに、上記セラミック板状体
    の他方の主面にロウ材層を介して筒状体を接合したウエ
    ハ支持部材において、少なくとも上記ロウ材層の外側露
    出部を覆うように微小な空孔を有するセラミック多孔質
    膜を被着したことを特徴とするウエハ支持部材。
  2. 【請求項2】上記セラミック多孔質膜は、その気孔率が
    3〜7%でかつ厚みが0.2〜0.5mmであることを
    特徴とする請求項1に記載のウエハ支持部材。
  3. 【請求項3】上記セラミック板状体が窒化物系セラミッ
    ク焼結体からなり、かつ上記筒状体がFe−Co−Ni
    合金又は窒化物系セラミック焼結体よりなり、上記セラ
    ミック多孔質膜がアルミナからなることを特徴とする請
    求項1又は請求項2のいずれかに記載のウエハ支持部
    材。
  4. 【請求項4】一方の主面をウエハを載せる載置面とした
    セラミック板状体の他方の主面に筒状体をロウ材層を介
    して接合した後、少なくとも上記ロウ材層の外側露出部
    を覆うように溶射法にて微小な空孔を有するセラミック
    多孔質膜を被着することを特徴とするウエハ支持部材の
    製造方法。
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