JP2002359004A - リチウム二次電池およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池およびその製造方法

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JP2002359004A
JP2002359004A JP2001162604A JP2001162604A JP2002359004A JP 2002359004 A JP2002359004 A JP 2002359004A JP 2001162604 A JP2001162604 A JP 2001162604A JP 2001162604 A JP2001162604 A JP 2001162604A JP 2002359004 A JP2002359004 A JP 2002359004A
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battery
electrolyte
meth
acrylate
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Soubun Okumura
壮文 奥村
Shin Nishimura
西村  伸
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能に優れ且つ生産性の高いリチウム二次電
池を実現する。 【解決手段】 正極、負極、電解質とを備えたリチウム
二次電池において、電解質が、一般式(1)で表わされ
る(メタ)アクリル酸エステルと、一般式(2)で表わ
されるビニル化合物と、電解質塩と、(メタ)アクリル
酸エステル、ビニル化合物および電解質塩を溶解する溶
媒とを含み、(メタ)アクリル酸エステルとビニル化合
物の成分が重合している。 【化22】 【化23】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基、Rは−C
2n+1(n=1〜16)、−C2n−OH
(n=1〜4)、Xはm価の有機基を表わす(m=2〜
6))

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル状高分子電解
質を具備するリチウム二次電池およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のリチウム二次電池においては、電
解質として液状の電解液が用いれられてきた。しかし、
液状の電解質では、液漏れを防ぐために容器を完全密閉
しなければならず、外装材に一定の厚みが必要であっ
た。このため、最近特に要求の高いデバイスの薄型化を
困難にしている。
【0003】そこで、液漏れを防止し、外装材の薄型化
を可能にするために、ゲル状高分子電解質が開発されて
いる。従来のゲル状高分子電解質としては、ポリエチレ
ンオキサイドを高分子骨格に用い、これにリチウム塩お
よび有機溶媒からなる電解液を加えたゲル状高分子電解
質が最も広く検討されてきた。特開2000−1496
58号公報で公開されているように、ポリアルキレング
リコール系モノマーをゲル状高分子電解質の高分子骨格
に用い、モノマーユニットを規定することにより、現在
までに液状電解質に匹敵する1×10−3S/cmオー
ダーのリチウムイオン伝導度を実現しており、このゲル
状電解質を用いたリチウム電池は、ほぼ実用化レベルに
至っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ゲル状電
解質を用いたリチウム電池の中でポリエチレンオキサイ
ドを用いたリチウム電池は、低率放電時には充分な電池
性能を示すが、高率放電時には、ポリエチレンオキサイ
ドがリチウムイオンを拘束する性質を持つため、電池性
能を充分なレベルに保持することが困難であるという問
題点があった。また、電解質塩及び電解質を溶解し得る
非水系溶媒(以下、電解液と称する)に、このポリアル
キレングリコール系モノマーを溶解させるため、溶液粘
度が高い。そのため、支持体を介して正極及び負極を対
向させ溶液を注液し熱重合する際、注液性に時間がかか
り生産性が低い。さらには、各電極及び支持体への浸透
性に欠け、電極の実効的な表面積が低下し、電池容量、
高率放電特性が低下する問題がある。
【0005】一方で、上記ゲル状電解質を用いたリチウ
ム電池の中でポリエチレンオキサイドを用いないリチウ
ム電池の例として、アクリロニトリル共重合体を用いた
方法が提案されている(例えば、特開平7−32078
1号公報、特開平10−261315号公報)。いずれ
も、共重合体作成後、電解液を含浸させることでゲル化
し、ゲル電解質を得る方法が採られているが、この方法
ではリチウム電池作成中にゲル電解質からの非水系溶液
の揮発が生じる問題があり、生産性は低い。
【0006】本発明の課題は、優れた性能を有し且つ生
産性の高いリチウム二次電池、およびその製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、リチウムを可逆的に吸蔵放出する正極お
よび負極と、支持体に含浸された電解質とを備えたリチ
ウム二次電池において、電解質が、下記一般式(1)で
表わされる(メタ)アクリル酸エステルと、下記一般式
(2)で表わされるビニル化合物と、電解質塩と、(メ
タ)アクリル酸エステル、ビニル化合物、および電解質
塩を溶解する溶媒とを含み、(メタ)アクリル酸エステ
ルとビニル化合物の成分が重合していることを特徴とし
ている。
【0008】
【化11】
【0009】
【化12】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
は−C2n+1(n=1〜16)、−C2n
OH(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
(m=2〜6))
【0010】上記構成によれば、リチウムイオンがトラ
ップされにくくなり、電池性能が向上する。また、従来
技術に比べて分子量が小さくなるので、注入する液体の
粘度が低くなり、生産性を向上させることはできる。
【0011】上記構成のリチウム二次電池において、配
合比は、(メタ)アクリル酸エステルが100重量部、
ビニル化合物が1〜25重量部、電解質塩が0.25〜
1.5mol/dm、溶媒が60〜12500重量部
であることを特徴としている。
【0012】また、上記一般式(2)で表わされる第1
のビニル化合物に加えて、下記一般式(3)で表される
第2のビニル化合物を含んでいても良い。この場合は、
溶媒は、(メタ)アクリル酸エステル、第1・第2のビ
ニル化合物および電解質塩を溶解する溶媒であり、また
(メタ)アクリル酸エステルと第1・第2のビニル化合
物の成分が重合している。
【0013】
【化13】 (ただし、Rは−C、−C−CH、−
OCOCH、−CN、−CONHを表わす)
【0014】上記構成のリチウム二次電池において、配
合比は、(メタ)アクリル酸エステルと第2のビニル化
合物の混合物が100重量部(ただし、各成分は少なく
とも10重量部以上)、第1のビニル化合物が1〜25
重量部、電解質塩が0.25〜1.5 mol/dm
溶媒が60〜12500重量部である。
【0015】また、本発明は、リチウムを可逆的に吸蔵
放出する正極および負極と、支持体に含浸された電解質
とを備えたリチウム二次電池の製造方法において、正
極、支持体、および負極を積層する工程と、積層した電
極群に、下記一般式(1)で表わされる(メタ)アクリ
ル酸エステル、下記一般式(2)で表わされるビニル化
合物、電解質塩、および(メタ)アクリル酸エステル、
ビニル化合物、電解質塩を溶解する溶媒の各成分を注入
する工程と、(メタ)アクリル酸エステルとビニル化合
物の成分を熱重合させる工程と、を含んでなることを特
徴としている。
【0016】
【化14】
【0017】
【化15】 ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
−C2n+1(n=1〜16)、−C2n−O
H(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
(m=2〜6))
【0018】また、上記溶媒を注入する工程において、
一般式(2)で表わされる第1のビニル化合物に加え
て、下記一般式(3)で表される第2のビニル化合物が
含まれていても良い。この場合、熱重合させる工程にお
いては、(メタ)アクリル酸エステルと第1・第2のビ
ニル化合物の成分を熱重合させる。
【0019】
【化16】 (ただし、Rは−C、−C−CH、−
OCOCH、−CN、−CONHを表わす)
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。一般にリチウム二次電池は、リチウムを可
逆的に吸蔵放出する正極および負極と、支持体に含浸さ
れた電解質とを備えている。そして、本発明の実施の形
態1によるリチウム二次電池においては、電解質が、
(a)下記一般式(1)で表わされる(メタ)アクリル
酸エステルと、(b)下記一般式(2)で表わされるビ
ニル化合物と、(c)電解質塩と、(d)前述の(メ
タ)アクリル酸エステル、ビニル化合物および電解質塩
を溶解する非水系の溶媒とを含み、(メタ)アクリル酸
エステルとビニル化合物の成分が重合している。
【0021】
【化17】
【0022】
【化18】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
は−C2n+1(n=1〜16)、−C2n
OH(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
(m=2〜6))
【0023】また、電解質が、上記一般式(2)で表わ
されるビニル化合物に加えて、他のビニル化合物を含ん
でいても良い。すなわち、本発明の実施の形態2による
リチウム二次電池においては、電解質が、(a)下記一
般式(1)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル
と、(b)下記一般式(2)で表わされる第1のビニル
化合物と、(c)下記一般式(3)で表される第2のビ
ニル化合物と、(d)電解質塩と、(e)前述の(メ
タ)アクリル酸エステル、第1・第2のビニル化合物、
および電解質塩を溶解する非水系の溶媒とを含み、(メ
タ)アクリル酸エステルと第1・第2のビニル化合物の
成分が重合している。
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
は−C2n+1(n=1〜16)、−C2n
OH(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
(m=2〜6))
【0026】
【化21】 (ただし、Rは−C、−C−CH、−
OCOCH、−CN、−CONHを表わす)
【0027】上記一般式(1)で表わされる(メタ)ア
クリル酸エステルおよび上記一般式(3)で表わされる
化合物を以下“単官能モノマー”と称する。一般式
(1)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプ
ロピルである。また一般式(3)の具体例としては、ス
チレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ルである。
【0028】また、一般式(2)で表わされるビニル化
合物を以下“多官能モノマー”と称するが、具体的に
は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリ
ゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロー
ルメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、1,2,6-ヘキサントリアクリ
レート、ソルビトールペンタメタクリレートがある。
【0029】単官能モノマー100重量部に対する多官
能モノマー配合比は、1重量部以上25重量部以下であ
る。1重量部未満の場合、単官能モノマーの割合が多す
ぎ強度が低下し、ゲル化を起こさないため、好ましくな
い。また、25重量部を越えると、熱硬化後も不飽和二
重結合が残り電池の充放電中に電極と反応する問題があ
るため、好ましくない。
【0030】単官能モノマー100重量部に対する非水
系の溶媒の配合比は、60重量部以上、12500重量
部以下である。比率が60重量部未満である場合は溶媒
の保持が困難となって液漏れが発生し、比率が1250
0重量部を越えた場合はイオン伝導度が低下して電池出
力が低下する問題がある。
【0031】実施の形態1の(a)(b)(c)(d)
成分の混合物、または実施の形態2の(a)(b)
(c)(d)(e)成分の混合物は、粘度が10cP以
下、好ましくは5cP以下である。10cPを越える
と、粘度が高く注液しづらくなり、電池の生産性が低下
するため好ましくない。
【0032】付加重合の際の加熱温度は、40℃以上1
00℃以下であり、好ましくは60℃以上80℃以下で
ある。60℃未満では、反応速度が遅く、80℃を越え
ると、電解液の揮発が生じるため好ましくない。
【0033】反応に際して、ラジカル重合開始剤を用い
るが、主な化合物として有機過酸化物とアゾ化合物が挙
げられる。具体的には、有機過酸化物としては、ケトン
パーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオ
キサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオ
キサイド、パーオキシエステル等が用いられ、これらを
列挙すれば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオ
キシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート等が挙げられる。また、ア
ゾ化合物としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合
物、アゾアミジン化合物等が用いられ、これらを列挙す
れば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニ
トリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジ
メチル−バレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチ
ル−N−フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,
2'−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メ
チルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス
[N−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンア
ミジン]二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−メチル−N
−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、
2,2'−アゾビス[2メチル−N−(2−プロペニル)
プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2
−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾ
ビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロ
ピオンアミジン]二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−
(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−アゾビ
ス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−
ジアゼピン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−
アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジ
ン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−アゾビス
[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ
ピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'−
アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−
イミダゾリン−2−イル]プロパン}]二塩酸塩、2,
2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン]、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−
[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ
エチル]プロピオンアミド}、2,2'−アゾビス{2メ
チル−N−[1、1−ビス(ヒドロキシメチル)エチ
ル]プロピオンアミド}、2,2'−アゾビス[2−メチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド]、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ド)ジハイドレート、2,2'−アゾビス(2,4,4−ト
リメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプ
ロパン)、ジメチル、2,2'−アゾビスイソブチレー
ト、4、4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'
−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリ
ル]等が挙げられる。ラジカル重合開始剤配合比は、通
常、前記単官能モノマー100重量部に対し、0.01
〜5.0重量部の範囲から選択される。
【0034】また、電解質塩としては、その化学式がL
iClO、LiBF 、LiASF、LiCF
SO、LiPF、LiI、LiBr、LiSCN、
Li 10Cl10、LiCFCO、低級脂肪族
カルボン酸リチウムで表記される化合物またはそれらの
混合物を用いることができる。電解質濃度は0.25〜
1.5mol/dmの範囲から選択される。電解質濃
度が0.25未満または1.5mol/dmを越えた範
囲では、リチウムイオン伝導度が1×10−3S/cm
以下となり、実用化されている液状電解質と比べリチウ
ムイオン伝導度が低いため、実用上好ましくない。
【0035】さらに、非水系の溶媒としては、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メ
チルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、
2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホ
ルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキ
ソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−
2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1,2−
ジエトキシエタンのうち1種類以上の溶媒からなる有機
溶媒、または有機溶媒分子内の水素の一部をハロゲンへ
置換した誘導体、または有機溶媒分子内の水素の一部を
アルキル基、アルケン基、アルキン基、芳香族基へ置換
した誘導体が挙げられる。また、これらの混合物も使用
することができる。
【0036】さらに、本発明におけるリチウムを可逆的
に吸蔵放出する正極としては、コバルト酸リチウム(L
iCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)な
どの層状化合物、あるいは一種以上の遷移金属を置換し
たもの、あるいはマンガン酸リチウム(Li1+xMn
2−x(ただしx=0〜0.33)、LiMn
、LiMn、LiMnO)、銅−リチウム
酸化物(LiCuO)、あるいはLiV、L
iFe、V、Cuなどのバナジ
ウム酸化物、あるいは化学式LiNi1−x
(ただし、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、M
g、B、Gaであり、x=0.01〜0.3)で表わされ
るNiサイト置換型ニッケル酸リチウム、あるいは化学
式LiMn2−x (ただし、M=Co、Ni、
Fe、Cr、Zn、Taであり、x=0.01〜0.1)
または化学式LiMnMO(ただし、M=Fe、
Co、Ni、Cu、Zn)で表わされるマンガン複合酸
リチウムまたは化学式Liの一部をアルカリ土類金属イ
オンで置換したLiMn、ジスルフィド化合物、
あるいはFe(MoOなどを含む混合物が挙げ
られる。
【0037】また、本発明におけるリチウムを可逆的に
吸蔵放出する負極としては、天然黒鉛、石油コークスあ
るいは石炭ピッチコークス等から得られる易黒鉛化材料
を2500℃以上の高温で熱処理したもの、メソフェー
ズカーボン或いは非晶質炭素などを含む混合物が挙げら
れる。
【0038】本発明のリチウム二次電池の用途は、特に
限定されないが、例えばICカード、パーソナルコンピ
ュータ、大型電子計算機、ノート型パソコン、ペン入力
パソコン、ノート型ワープロ、携帯電話、携帯カード、
腕時計、カメラ、電気シェーバ、コードレス電話、ファ
ックス、ビデオ、ビデオカメラ、電子手帳、電卓、通信
機能付き電子手帳、携帯コピー機、液晶テレビ、電動工
具、掃除機、バーチャルリアリティ等の機能を有するゲ
ーム機器、玩具、電動式自転車、医療介護用歩行補助
機、医療介護用車椅子、医療介護用移動式ベッド、エス
カレータ、エレベータ、フォークリフト、ゴルフカー
ト、非常用電源、ロードコンディショナ、電力貯蔵シス
テムなどの電源として使用することが出来る。また、民
生用のほか、軍需用、宇宙用としても用いることができ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0040】1.電極の作製例 <Mn系正極>Li1.08Mn1.92はLi
COとMnOを所定割合で混合し、空気中800℃
/24時間焼成し、除冷することで得た。次に、Li
1.08Mn1.92、SP270(日本黒鉛社製
黒鉛)及びKF1120(呉羽化学工業社製ポリフッ化
ビニリデン)とを80:10:10重量%の割合で混合
し、N−メチル−2−ピロリドンに投入混合して、スラ
リー状の溶液を作製した。このスラリーを厚さ20μm
のアルミニウム箔にドクターブレード法で塗布し、乾燥
した。合剤塗布量は、150g/mであった。合剤か
さ密度が3.0g/cmになるようにプレスし、1c
m×1cmに切断して正極を作製した。
【0041】<Co系正極>セルシード(日本化学工業
社製コバルト酸リチウム)、SP270(日本黒鉛社製
黒鉛)及びKF1120(呉羽化学工業社製ポリフッ化
ビニリデン)とを80:10:10重量%の割合で混合
し、N−メチル−2−ピロリドンに投入混合して、スラ
リー状の溶液を作製した。このスラリーを厚さ20μm
のアルミニウム箔にドクターブレード法で塗布し、乾燥
した。合剤塗布量は、150g/mであった。合剤か
さ密度が3.0g/cmになるようにプレスし、1c
m×1cmに切断して正極を作製した。
【0042】<PIC系負極>カーボトロンPE呉羽化
学工業社製非晶性カーボン)及びKF1120(呉羽化
学工業社製ポリフッ化ビニリデン)とを90:10重量
%の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドンに投入
混合して、スラリー状の溶液を作製した。このスラリー
を厚さ20μmの銅箔にドクターブレード法で塗布し、
乾燥した。合剤塗布量は、70g/mであった。合剤
かさ密度が1.0g/cmになるようにプレスし、1.
2cm×1.2cmに切断して負極を作製した。
【0043】<グラファイト系負極>グラファイト及び
KF1120(呉羽化学工業社製ポリフッ化ビニリデ
ン)とを90:10重量%の割合で混合し、N−メチル
−2−ピロリドンに投入混合して、スラリー状の溶液を
作製した。このスラリーを厚さ20μmの銅箔にドクタ
ーブレード法で塗布し、乾燥した。合剤塗布量は、70
g/mであった。合剤かさ密度が1.0g/cm
なるようにプレスし、1.2cm×1.2cmに切断して
負極を作製した。
【0044】2.評価方法 <イオン伝導度>イオン伝導度の測定は、25℃におい
て高分子電解質をステンレス鋼電極で挟み込むことで電
気化学セルを構成し、電極間に交流を印加して抵抗成分
を測定する交流インピーダンス法を用いて行い、コール
・コールプロットの実数インピーダンス切片から計算し
た。
【0045】<電池充放電条件>充放電器(東洋システ
ム社製TOSCAT3000)を用い、25℃において
電流密度0.5mA/cmで充放電を行った。4.2V
まで定電流充電を行い、電圧が4.2Vに達した後、1
2時間定電圧充電を行った。さらに放電終止電圧3.5
Vに至るまで定電流放電を行った。最初の放電で得られ
た容量を、初回放電容量とした。上記条件での充電・放
電を1サイクルとして、初回放電容量の70%以下に至
るまで充放電を繰り返し、その回数をサイクル寿命とし
た。また、電流密度 1mA/cmで4.2Vまで定電
流充電を行い、電圧が4.2Vに達した後、12時間定
電圧充電を行った。さらに放電終止電圧3.5Vに至る
まで定電流放電を行った。得られた容量と、前述の充放
電サイクルで得られた初回サイクル容量と比較して、そ
の比率を高率放電特性とした。
【0046】<注液時間>真空注液機を用い、空の缶を
真空引きし、内径が0.8cmのチューブを経由して電
解質前駆体を1cm注液した。注液が終了するまでの
時間を注液時間と定義する。
【0047】(実施例1)溶媒としてエチレンカーボネ
ートおよびプロピレンカーボネートを重量比で1:1に
混合し溶媒Aを形成した。次に単官能モノマーとしてア
クリル酸エチルおよびアクリル酸n−ブチルを、さらに
多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタ
アクリレートをそれぞれ重量比で2:2:1に混合し、
モノマー溶液Aを形成した。溶媒Aとモノマー溶液A、
さらに過酸化ベンゾイルを重量比で1:4:0.04に
混合し、電解質塩としてLiPFを1mol/dm
となるよう調整し電解質前駆体組成物Aを形成した。続
いて、この電解質前駆体組成物Aをバーコーダーでガラ
ス上に塗布し、80℃に加熱し15時間保持することで
ゲル状高分子電解質A(厚さ100μm)を得た。
【0048】このようにして得られた電解質の膜を直径
1cmの円盤状に切り抜き、これを一対のステンレス電
極に挟み込んだのち、25℃で前記記載のイオン伝導度
測定法によりイオン伝導度を求めた。イオン伝導度は
0.02mS/cmであり、後述する溶媒含有量が等し
い比較例1に比べて高いイオン伝導度が得られた。ま
た、図1および図2に示すように、上述の方法で作製し
たMn系正極1およびPIC系負極3の間に不織布2を
挟み込み、0.1MPaの荷重をかけて張り合わせた。
次いで、正極1および負極3にステンレス端子5,6を
取り付け、袋状のアルミラミネートフィルム4に挿入し
た。さらに、前記前駆体組成物Aを注液し、端部を熱融
着し密閉した。注液時間は5分であり、後述する比較例
1に比べて注液時間が短く生産性が向上した。次に、8
0℃の恒温槽内で15時間保持することで電池Aを作製
した。作製した電池Aの初回放電容量は0.2mAhで
あり、サイクル寿命は30回であった。また、高率放電
特性は40%であり、後述する比較例1に比べて高性能
な電池が得られた。ゲル状高分子電解質Aおよび電池A
の性能を表1に示す。また、作製した電池のアルミラミ
ネートフィルムを剥がした結果、電池内部での電解液の
流動性は見られなかった。
【0049】(実施例2)実施例1記載の溶媒Aとモノ
マー溶液A、さらに過酸化ベンゾイルの重量比を1:
1:0.2にする以外は実施例1と全く同様に作製し、
ゲル状高分子電解質B(厚さ100μm)及び電池Bを
得た。注液時間は5分であり、後述する比較例2に比べ
て注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解
質Bのイオン伝導度は0.1mS/cmであり、実施例
1に比べモノマー溶液に対する溶媒含有度を増加させる
ことで高いイオン伝導度が得られた。また、後述する溶
媒含有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度が
得られた。作製した電池Bの初回放電容量は0.6mA
hであり、サイクル寿命は100回であった。高率放電
特性は40%であり、実施例1に比べ初回放電容量が高
く、かつサイクル寿命が長い電池が得られた。また、後
述する比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル
状高分子電解質Bおよび電池Bの性能を表1に示す。ま
た、作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がし
た結果、電池内部での電解液の流動性は見られなかっ
た。
【0050】(実施例3)Mn系正極の代わりにCo系
正極、およびPIC系負極の代わりにグラファイト系負
極を用いる以外は実施例2と全く同様に、ゲル状高分子
電解質B(厚さ100μm)及び電池Cを得た。注液時
間は5分であり、後述する比較例2に比べて注液時間が
短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質Bのイオン
伝導度は0.1mS/cmであり、後述する溶媒含有度
が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度が得られ
た。作製した電池Cの初回放電容量は0.7mAhであ
り、サイクル寿命は35回であった。高率放電特性は4
5%であり、実施例2に比べ初回放電容量が高く、かつ
高率放電特性に優れた電池が得られた。また、後述する
溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電池が得
られた。ゲル状高分子電解質Bおよび電池Cの性能を表
1に示す。また、作製した電池のアルミラミネートフィ
ルムを剥がした結果、電池内部での電解液の流動性は見
られなかった。
【0051】(実施例4)グラファイト系負極の代わり
にPIC系負極、電解質塩としてLiPFの代わりに
LiBFを用いる以外は実施例3と全く同様に、ゲル
状高分子電解質C(厚さ100μm)及び電池Dを得
た。注液時間は5分であり、後述する比較例2に比べて
注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質
Cのイオン伝導度は0.1mS/cmであり、後述する
溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度
が得られた。作製した電池Dの初回放電容量は0.7m
Ahであり、サイクル寿命は40回であった。高率放電
特性は50%であり、実施例3に比べサイクル寿命が長
く、かつ高率放電特性に優れた電池が得られた。また、
後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高性能な
電池が得られた。ゲル状高分子電解質Cおよび電池Dの
性能を表1に示す。また、作製した電池のアルミラミネ
ートフィルムを剥がした結果、電池内部での電解液の流
動性は見られなかった。
【0052】(実施例5)電解質塩としてLiBF
代わりにLiCFSOを用いる以外は実施例4と全
く同様に、ゲル状高分子電解質D(厚さ100μm)及
び電池Eを得た。注液時間は5分であり、後述する比較
例2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状
高分子電解質Dのイオン伝導度は0.1mS/cmであ
り、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高い
イオン伝導度が得られた。作製した電池Dの初回放電容
量は0.7mAhであり、サイクル寿命は40回であっ
た。高率放電特性は50%であり、実施例4と同等の性
能を持つ電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が
等しい比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル
状高分子電解質Dおよび電池Eの性能を表1に示す。ま
た、作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がし
た結果、電池内部での電解液の流動性は見られなかっ
た。
【0053】(実施例6)テトラメチロールプロパント
リメタクリレートの代わりにエチレングリコールジメタ
クリレートを用い、さらに電解質塩としてLiCF
の代わりにLiPFを用いる以外は実施例5と全
く同様に、ゲル状高分子電解質E(厚さ100μm)及
び電池Fを得た。注液時間は5分であり、後述する比較
例2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状
高分子電解質Eのイオン伝導度は0.1mS/cmであ
り、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高い
イオン伝導度が得られた。作製した電池Fの初回放電容
量は0.7mAhであり、サイクル寿命は40回であっ
た。高率放電特性は50%であり、実施例5と同様な性
能の電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等し
い比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状高
分子電解質Eおよび電池Fの性能を表1に示す。また、
作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結
果、電池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0054】(実施例7)エチレングリコールジメタク
リレートの代わりにソルビトールペンタメタクリレート
を用いる以外は実施例6と全く同様に、ゲル状高分子電
解質F(厚さ100μm)及び電池Gを得た。注液時間
は5分であり、後述する比較例2に比べて注液時間が短
く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質Fのイオン伝
導度は0.1mS/cmであり、後述する溶媒含有度が
等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度が得られた。
作製した電池Gの初回放電容量は0.8mAhであり、
サイクル寿命は45回であった。高率放電特性は55%
であり、実施例6に比べ初回放電容量が高く、サイクル
寿命が長く、かつ高率放電特性に優れた電池が得られ
た。また、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べ
て高性能な電池が得られた。ゲル状高分子電解質Fおよ
び電池Gの性能を表1に示す。また、作製した電池のア
ルミラミネートフィルムを剥がした結果、電池内部での
電解液の流動性は見られなかった。
【0055】(実施例8)ソルビトールペンタメタクリ
レートの代わりにトリメチロールプロパントリメタクリ
レートを用いる以外は実施例7と全く同様に、ゲル状高
分子電解質G(厚さ100μm)及び電池Hを得た。注
液時間は5分であり、後述する比較例2に比べて注液時
間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質Gのイ
オン伝導度は0.1mS/cmであり、後述する溶媒含
有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度が得ら
れた。作製した電池Hの初回放電容量は0.8mAhで
あり、サイクル寿命は45回であった。高率放電特性は
55%であり、実施例7と同等の性能を持つ電池が得ら
れた。また、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比
べて高性能な電池が得られた。ゲル状高分子電解質Gお
よび電池Hの性能を表1に示す。また、作製した電池の
アルミラミネートフィルムを剥がした結果、電池内部で
の電解液の流動性は見られなかった。
【0056】(実施例9)溶媒としてガンマブチロラク
トンと実施例1のモノマー溶液A、さらに過酸化ベンゾ
イルを重量比で1:1:0.01に混合し、電解質塩と
してLiPFを1mol/dmとなるよう調整する
こと以外は実施例8と全く同様に、ゲル状高分子電解質
H(厚さ100μm)及び電池Iを得た。注液時間は4
分であり、後述する比較例2に比べて注液時間が短く生
産性が向上した。ゲル状高分子電解質Hのイオン伝導度
は0.5mS/cmであり、溶媒をガンマブチロラクト
ンに変更することで、実施例8に比べ高いイオン伝導度
が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比較例
2に比べて高いイオン伝導度が得られた。作製した電池
Hの初回放電容量は0.8mAhであり、サイクル寿命
は45回であった。高率放電特性は60%であり、実施
例8に比べ高率放電特性に優れた電池が得られた。ま
た、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高性
能な電池が得られた。ゲル状高分子電解質Hおよび電池
Iの性能を表1に示す。また、作製した電池のアルミラ
ミネートフィルムを剥がした結果、電池内部での電解液
の流動性は見られなかった。
【0057】(実施例10)ガンマブチロラクトンの代
わりに、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネートの混合溶媒(重量混合比1:
1:1)を用いる以外は実施例9と全く同様に、ゲル状
高分子電解質I(厚さ100μm)及び電池Jを得た。
注液時間は4分であり、後述する比較例2に比べて注液
時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質Iの
イオン伝導度は0.5mS/cmであり、後述する比較
例2に比べて高いイオン伝導度が得られた。作製した電
池Jの初回放電容量は0.9mAhであり、サイクル寿
命は50回であった。高率放電特性は60%であり、実
施例9に比べ初回放電容量が高く、かつサイクル寿命が
長い電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等し
い比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状高
分子電解質Iおよび電池Jの性能を表1に示す。また、
作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結
果、電池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0058】(実施例11)エチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネートの混合溶媒
(重量混合比1:1:1)の代わりに、溶媒としてエチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート及びジエチ
ルカーボネートを重量比で1:1:1に混合した溶媒B
を用いる以外は、実施例10と全く同様に、ゲル状高分
子電解質J(厚さ100μm)及び電池Kを得た。注液
時間は4分であり、後述する比較例2に比べて注液時間
が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質Jのイオ
ン伝導度は0.5mS/cmであり、後述する比較例2
に比べて高いイオン伝導度が得られた。作製した電池K
の初回放電容量は0.9mAhであり、サイクル寿命は
50回であった。高率放電特性は60%であり、実施例
10と同等の性能を持つ電池が得られた。また、後述す
る溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電池が
得られた。ゲル状高分子電解質Jおよび電池Kの性能を
表1に示す。また、作製した電池のアルミラミネートフ
ィルムを剥がした結果、電池内部での電解液の流動性は
見られなかった。
【0059】(実施例12)単官能モノマーとしてアク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸
メチル重量比で1:1:1に混合し、さらに多官能モノ
マーとしてトリメチロールプロパントリメタアクリレー
トを単官能モノマーと多官能モノマーの重量比が4:1
になるよう混合し、モノマー溶液Bを形成した。実施例
11記載の溶媒Bとモノマー溶液B、さらに過酸化ベン
ゾイルを重量比で1:1:0.01に混合し、電解質塩
としてLiPFを1mol/dmとなるよう調整し
電解質前駆体組成物Bを形成した。続いて、この電解質
前駆体組成物Bをバーコーダーでガラス上に塗布し、8
0℃に加熱し15時間保持することでゲル状高分子電解
質K(厚さ100μm)を得た。
【0060】このようにして得られた電解質の膜を直径
1cmの円盤状に切り抜き、これを一対のステンレス電
極に挟み込んだのち、25℃で前記記載のイオン伝導度
測定法によりイオン伝導度を求めた。イオン伝導度は
1.2mS/cmであり、単官能モノマーとしてアクリ
ル酸メチルを添加することで、実施例11に比べ高いイ
オン伝導度が得られた。また、後述する溶媒含有度が等
しい比較例2に比べて高いイオン伝導度が得られた。ま
た、図1および図2に示すように、前記記載の方法で作
製したCo系正極1およびPIC系負極3の間に不織布
2を挟み込み、0.1MPaの荷重をかけて張り合わせ
た。次いで、正極1および負極3にステンレス端子5,
6を取り付け、袋状のアルミラミネートフィルム4に挿
入した。さらに、前記前駆体組成物Bを注ぎ、端部を熱
融着し密閉した。注液時間は4分であり、後述する比較
例2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。次に、
80℃の恒温槽内で15時間保持することで電池Lを作
製した。作製した電池Lの初回放電容量は1.4mAh
であり、サイクル寿命は60回であった。高率放電特性
は70%であり、実施例11に比べ初回放電容量が高
く、サイクル寿命が長く、かつ高率放電特性に優れた電
池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比較
例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状高分子電
解質Kおよび電池Lの性能を表1に示す。また、作製し
た電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結果、電
池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0061】(実施例13)アクリル酸メチルの代わり
にメタクリル酸n−ヘキシルを用いる以外は実施例12
と全く同様に、ゲル状高分子電解質L(厚さ100μ
m)及び電池Mを得た。注液時間は3分であり、後述す
る比較例2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。
ゲル状高分子電解質Lのイオン伝導度は1.2mS/c
mであり、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べ
て高いイオン伝導度が得られた。作製した電池Mの初回
放電容量は1.4mAhであり、サイクル寿命は70回
であった。高率放電特性は70%であり、実施例12に
比べサイクル寿命が長い電池が得られた。また、後述す
る溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電池が
得られた。ゲル状高分子電解質Lおよび電池Mの性能を
表1に示す。また、作製した電池のアルミラミネートフ
ィルムを剥がした結果、電池内部での電解液の流動性は
見られなかった。
【0062】(実施例14)メタクリル酸n−ヘキシル
の代わりにメタクリル酸ラウリルを用いる以外は実施例
13と全く同様に、ゲル状高分子電解質M(厚さ100
μm)及び電池Nを得た。注液時間は3分であり、後述
する比較例2に比べて注液時間が短く生産性が向上し
た。ゲル状高分子電解質Lのイオン伝導度は1.2mS
/cmであり、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に
比べて高いイオン伝導度が得られた。作製した電池Nの
初回放電容量は1.4mAhであり、サイクル寿命は8
0回であった。高率放電特性は70%であり、実施例1
3に比べサイクル寿命が長い電池が得られた。また、後
述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電
池が得られた。ゲル状高分子電解質Mおよび電池Nの性
能を表1に示す。また、作製した電池のアルミラミネー
トフィルムを剥がした結果、電池内部での電解液の流動
性は見られなかった。
【0063】(実施例15)メタクリル酸ラウリルの代
わりにアクリルアミドを用いる以外は実施例14と全く
同様に、ゲル状高分子電解質N(厚さ100μm)及び
電池Oを得た。注液時間は3分であり、後述する比較例
2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高
分子電解質Lのイオン伝導度は1.2mS/cmであ
り、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高い
イオン伝導度が得られた。作製した電池Oの初回放電容
量は1.4mAhであり、サイクル寿命は90回であっ
た。高率放電特性は70%であり、実施例14に比べサ
イクル寿命が長い電池が得られた。また、後述する溶媒
含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電池が得られ
た。ゲル状高分子電解質Nおよび電池Oの性能を表1に
示す。また、作製した電池のアルミラミネートフィルム
を剥がした結果、電池内部での電解液の流動性は見られ
なかった。
【0064】(実施例16)アクリルアミドの代わりに
スチレンを用いる以外は実施例15と全く同様に、ゲル
状高分子電解質O(厚さ100μm)及び電池Pを得
た。注液時間は3分であり、後述する比較例2に比べて
注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質
Lのイオン伝導度は1.2mS/cmであり、後述する
溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度
が得られた。作製した電池Pの初回放電容量は1.4m
Ahであり、サイクル寿命は100回であった。高率放
電特性は70%であり、実施例15に比べサイクル寿命
が長い電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等
しい比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状
高分子電解質Oおよび電池Pの性能を表1に示す。ま
た、作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がし
た結果、電池内部での電解液の流動性は見られなかっ
た。
【0065】(実施例17)スチレンの代わりにビニル
トルエンを用いる以外は実施例16と全く同様に、ゲル
状高分子電解質P(厚さ100μm)及び電池Qを得
た。注液時間は3分であり、後述する比較例2に比べて
注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質
Lのイオン伝導度は1.2mS/cmであり、後述する
溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度
が得られた。作製した電池Qの初回放電容量は1.4m
Ahであり、サイクル寿命は150回であった。高率放
電特性は70%であり、実施例16に比べサイクル寿命
が長い電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等
しい比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状
高分子電解質Pおよび電池Qの性能を表1に示す。ま
た、作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がし
た結果、電池内部での電解液の流動性は見られなかっ
た。
【0066】(実施例18)アクリル酸メチルの代わり
にメタクリル酸を用いる以外は実施例17と全く同様
に、ゲル状高分子電解質Q(厚さ100μm)及び電池
Rを得た。注液時間は3分であり、後述する比較例2に
比べて注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子
電解質Lのイオン伝導度は1.2mS/cmであり、後
述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高いイオン
伝導度が得られた。作製した電池Rの初回放電容量は
1.4mAhであり、サイクル寿命は200回であっ
た。高率放電特性は70%であり、実施例17に比べサ
イクル寿命が長い電池が得られた。また、後述する溶媒
含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電池が得られ
た。ゲル状高分子電解質Qおよび電池Rの性能を表1に
示す。また、作製した電池のアルミラミネートフィルム
を剥がした結果、電池内部での電解液の流動性は見られ
なかった。
【0067】(実施例19)メタクリル酸の代わりに酢
酸ビニルを用いる以外は実施例18と全く同様に、ゲル
状高分子電解質R(厚さ100μm)及び電池Sを得
た。注液時間は3分であり、後述する比較例2に比べて
注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質
Rのイオン伝導度は1.3mS/cmであり、後述する
溶媒含有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度
が得られた。作製した電池Sの初回放電容量は1.4m
Ahであり、サイクル寿命は200回であった。高率放
電特性は75%であり、実施例18に比べ高率放電特性
に優れた電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が
等しい比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル
状高分子電解質Rおよび電池Sの性能を表1に示す。ま
た、作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がし
た結果、電池内部での電解液の流動性は見られなかっ
た。
【0068】(実施例20)酢酸ビニルの代わりにアク
リル酸を用いる以外は実施例19と全く同様に、ゲル状
高分子電解質S(厚さ100μm)及び電池Tを得た。
注液時間は2分であり、後述する比較例2に比べて注液
時間が短く生産性が向上した。ゲル状高分子電解質Sの
イオン伝導度は1.5mS/cmであり、単官能モノマ
ーとしてアクリル酸を添加することで、実施例19に比
べ高いイオン伝導度が得られた。また、後述する溶媒含
有度が等しい比較例2に比べて高いイオン伝導度が得ら
れた。作製した電池Tの初回放電容量は1.5mAhで
あり、サイクル寿命は200回であった。高率放電特性
は75%であり、実施例19に比べ初回放電容量が高い
電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比
較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状高分子
電解質Sおよび電池Tの性能を表1に示す。また、作製
した電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結果、
電池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0069】(実施例21)酢酸ビニルの代わりにアク
リル酸2−ヒドロキシエチルを用いる以外は実施例20
と全く同様に、ゲル状高分子電解質T(厚さ100μ
m)及び電池Uを得た。注液時間は2分であり、後述す
る比較例2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。
ゲル状高分子電解質Tのイオン伝導度は1.5mS/c
mであり、後述する溶媒含有度が等しい比較例2に比べ
て高いイオン伝導度が得られた。作製した電池Uの初回
放電容量は1.5mAhであり、サイクル寿命は200
回であった。高率放電特性は75%であり、実施例21
と同等の性能を持つ電池が得られた。また、後述する溶
媒含有度が等しい比較例2に比べて高性能な電池が得ら
れた。ゲル状高分子電解質Tおよび電池Uの性能を表1
に示す。また、作製した電池のアルミラミネートフィル
ムを剥がした結果、電池内部での電解液の流動性は見ら
れなかった。
【0070】(実施例22)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチルの代わりにアクリロニトリルを用いる以外は実施
例21と全く同様に、ゲル状高分子電解質U(厚さ10
0μm)及び電池Vを得た。注液時間は2分であり、後
述する比較例2に比べて注液時間が短く生産性が向上し
た。ゲル状高分子電解質Uのイオン伝導度は1.7mS
/cmであり、単官能モノマーとしてアクリロニトリル
を添加することで、実施例21に比べ高いイオン伝導度
が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比較例
2に比べて高いイオン伝導度が得られた。作製した電池
Qの初回放電容量は1.6mAhであり、サイクル寿命
は250回であった。高率放電特性は75%であり、実
施例21に比べ初回放電容量が高く、サイクル寿命が長
い電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい
比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状高分
子電解質Uおよび電池Vの性能を表1に示す。また、作
製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結
果、電池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0071】(実施例23)単官能モノマーとしてアク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸
メチルの重量比1:1:1の混合溶液の代わりに、アク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチルおよびアクリロニトリルの重量比1:
1:1:1の混合溶液を用いる以外は実施例12と全く
同様に、ゲル状高分子電解質V(厚さ100μm)及び
電池Wを得た。注液時間は2分であり、後述する比較例
2に比べて注液時間が短く生産性が向上した。ゲル状高
分子電解質Vのイオン伝導度は1.8mS/cmであ
り、単官能モノマーとしてアクリル酸2−ヒドロキシエ
チルを添加することで、実施例22に比べ高いイオン伝
導度が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比
較例2に比べて高いイオン伝導度が得られた。作製した
電池Wの初回放電容量は1.7mAhであり、サイクル
寿命は250回であった。高率放電特性は80%であ
り、実施例23に比べ初回放電容量が高く、高率放電特
性に優れた電池が得られた。また、後述する溶媒含有度
が等しい比較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲ
ル状高分子電解質Vおよび電池Wの性能を表1に示す。
また、作製した電池のアルミラミネートフィルムを剥が
した結果、電池内部での電解液の流動性は見られなかっ
た。
【0072】(実施例24)単官能モノマーとしてアク
リル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチルおよびアクリロニトリルを重量比で
1:1:1:1に混合し、さらに多官能モノマーとして
トリメチロールプロパントリメタアクリレートを単官能
モノマーと多官能モノマーの重量比が4:1になるよう
混合し、モノマー溶液Cを形成した。実施例11記載の
溶媒Bとモノマー溶液B、さらに過酸化ベンゾイルを重
量比で9:1:0.2に混合し、電解質塩としてLiP
を1mol/dmとなるよう調整し電解質前駆体
組成物Cを形成した。続いて、この電解質前駆体組成物
Cをバーコーダーでガラス上に塗布し、80℃に加熱し
15時間保持することでゲル状高分子電解質W(厚さ1
00μm)を得た。
【0073】このようにして得られた電解質の膜を直径
1cmの円盤状に切り抜き、これを一対のステンレス電
極に挟み込んだのち、25℃で前記記載のイオン伝導度
測定法によりイオン伝導度を求めた。イオン伝導度は
1.8mS/cmであり、実施例23に比べモノマー溶
液に対する溶媒含有度を増加させることで高いイオン伝
導度が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比
較例3に比べて高いイオン伝導度が得られた。また、図
1および図2に示すように、前記記載の方法で作製した
Co系正極1およびPIC系負極3の間に不織布2を挟
み込み、0.1MPaの荷重をかけて張り合わせた。次
いで、正極1および負極3にステンレス端子5,6を取
り付け、袋状のアルミラミネートフィルム4に挿入し
た。さらに、前記前駆体組成物Cを注ぎ、端部を熱融着
し密閉した。注液時間は2分であり、後述する比較例2
に比べて注液時間が短く生産性が向上した。次に、80
℃の恒温槽内で15時間保持することで電池Xを作製し
た。作製した電池Xの初回放電容量は1.6mAhであ
り、サイクル寿命は250回であった。高率放電特性は
90%であり、実施例23に比べ高率放電特性に優れた
電池が得られた。また、後述する溶媒含有度が等しい比
較例2に比べて高性能な電池が得られた。ゲル状高分子
電解質Wおよび電池Xの性能を表1に示す。また、作製
した電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結果、
電池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0074】(比較例1)単官能モノマーとしてテトラ
エチレングリコールモノアクリレート(エチレングリコ
ールユニット数4)を、さらに多官能モノマーとしてト
リメチロールプロパントリメタアクリレートをそれぞれ
重量比で4:1に混合し、モノマー溶液Dを形成した。
実施例11記載の溶媒Bとモノマー溶液D、さらに過酸
化ベンゾイルを重量比で1:4:0.04に混合し、電
解質塩としてLiPFを1mol/dmとなるよう
調整し電解質前駆体組成物Dを形成した。続いて、この
電解質前駆体組成物Dをバーコーダーでガラス上に塗布
し、80℃に加熱し15時間保持することでゲル状高分
子電解質S(厚さ100μm)を得た。
【0075】このようにして得られた電解質の膜を直径
1cmの円盤状に切り抜き、これを一対のステンレス電
極に挟み込んだのち、25℃で前記記載のイオン伝導度
測定法によりイオン伝導度を求めた。イオン伝導度は
0.001mS/cmである。また、図1および図2に
示したように、上述の方法で作製した正極1および負極
3の間に不織布2を挟み込み、0.1MPaの荷重をか
けて張り合わせた。次いで、正極1および負極3にステ
ンレス端子5,6を取り付け、袋状のアルミラミネート
フィルム4に挿入した。さらに、前記前駆体組成物Dを
注ぎ、端部を熱融着し密閉した。注液時間は20分以上
であり、全量を注液することはできなかった。次に、8
0℃の恒温槽内で15時間保持することで電池Tを作製
した。作製した電池Tの、初回放電容量は0.03mA
hであり、サイクル寿命は10回であった。また、高率
放電特性は10%であった。ゲル状高分子電解質Sおよ
び電池Tの性能を表1に示す。また、作製した電池のア
ルミラミネートフィルムを剥がした結果、電池内部での
電解液の流動性は見られなかった。
【0076】(比較例2)溶媒としてエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート及びジエチルカーボネー
トを重量比で1:1:1に混合し溶媒Bを形成した。次
に単官能モノマーとしてテトラエチレングリコールモノ
アクリレート(エチレングリコールユニット数4)を、
さらに多官能モノマーとしてトリメチロールプロパント
リメタアクリレートをそれぞれ重量比で4:1に混合
し、モノマー溶液Eを形成した。溶媒Eとモノマー溶液
E、さらに過酸化ベンゾイルを重量比で1:1:0.0
1に混合し、電解質塩としてLiPFを1mol/d
となるよう調整し電解質前駆体組成物Dを形成し
た。続いて、この電解質前駆体組成物Eをバーコーダー
でガラス上に塗布し、80℃に加熱し15時間保持する
ことでゲル状高分子電解質T(厚さ100μm)を得
た。
【0077】このようにして得られた電解質の膜を直径
1cmの円盤状に切り抜き、これを一対のステンレス電
極に挟み込んだのち、25℃で前記記載のイオン伝導度
測定法によりイオン伝導度を求めた。イオン伝導度は
0.003mS/cmである。また、図1および図2に
示したように、上述の方法で作製した正極1および負極
3の間に不織布2を挟み込み、0.1MPaの荷重をか
けて張り合わせた。次いで、正極1および負極3にステ
ンレス端子5,6を取り付け、袋状のアルミラミネート
フィルム4に挿入した。さらに、前記前駆体組成物Eを
注ぎ、端部を熱融着し密閉した。注液時間は15分だっ
た。次に、80℃の恒温槽内で15時間保持することで
電池Uを作製した。作製した電池Uの、初回放電容量は
0.09mAhであり、サイクル寿命は30回であっ
た。また、高率放電特性は30%であった。ゲル状高分
子電解質Tおよび電池Uの性能を表1に示す。また、作
製した電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結
果、電池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0078】(比較例3)溶媒としてエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート及びジエチルカーボネー
トを重量比で1:1:1に混合し溶媒Bを形成した。次
に単官能モノマーとしてテトラエチレングリコールモノ
アクリレート(エチレングリコールユニット数4)を、
さらに多官能モノマーとしてトリメチロールプロパント
リメタアクリレートをそれぞれ重量比で4:1に混合
し、モノマー溶液Eを形成した。溶媒Eとモノマー溶液
E、さらに過酸化ベンゾイルを重量比で9:1:0.0
1に混合し、電解質塩としてLiPFを1mol/d
となるよう調整し電解質前駆体組成物Fを形成し
た。続いて、この電解質前駆体組成物Fをバーコーダー
でガラス上に塗布し、80℃に加熱し15時間保持する
ことでゲル状高分子電解質U(厚さ100μm)を得
た。
【0079】このようにして得られた電解質の膜を直径
1cmの円盤状に切り抜き、これを一対のステンレス電
極に挟み込んだのち、25℃で前記記載のイオン伝導度
測定法によりイオン伝導度を求めた。イオン伝導度は
0.01mS/cmである。また、図1および図2に示
したように、上述の方法で作製した正極1および負極3
の間に不織布2を挟み込み、0.1MPaの荷重をかけ
て張り合わせた。次いで、正極1および負極3にステン
レス端子5,6を取り付け、袋状のアルミラミネートフ
ィルム4に挿入した。さらに、前記前駆体組成物Fを注
ぎ、端部を熱融着し密閉した。注液時間は10分だっ
た。次に、80℃の恒温槽内で15時間保持することで
電池Vを作製した。作製した電池Vの、初回放電容量は
0.3mAhであり、サイクル寿命は60回であった。
また、高率放電特性は60%であった。ゲル状高分子電
解質Uおよび電池Vの性能を表1に示す。また、作製し
た電池のアルミラミネートフィルムを剥がした結果、電
池内部での電解液の流動性は見られなかった。
【0080】
【表1】
【0081】次に、図3は本発明のリチウム二次電池を
搭載したノート型のパーソナルコンピュータを示してい
る。図3に示すように、本発明のリチウム二次電池を液
晶表示部7の裏側に搭載した。本発明のリチウム二次電
池を搭載したことにより、ノート型のパーソナルコンピ
ュータの厚さを薄くすることができた。図4は図3のA
−A’断面を示しており、従来の金属缶を外装材に用い
たリチウム二次電池を搭載した場合(図5)に比べ、リ
チウム二次電池の厚みで20%の薄型化が可能となっ
た。なお、図4および図5において、9は本発明のリチ
ウム二次電池を、10は従来のリチウム二次電池をそれ
ぞれ示している。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
性能に優れ且つ生産性の高いリチウム二次電池を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のリチウム二次電池で、
電池容器であるアルミラミネートフィルムを開いた状態
を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態のリチウム二次電池の上
面図である。
【図3】リチウム二次電池が搭載されたパーソナルコン
ピュータの斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態のリチウム二次電池が搭
載された場合の、図3におけるA−A’断面図である。
【図5】従来の金属缶を外装材に用いたリチウム二次電
池が搭載された場合の、図3におけるA−A’断面図で
ある。
【符号の説明】
1 正極 2 不織布 3 負極 4 アルミラミネートフィルム 5,6 端子 7 液晶表示部 8 キーボード 9 本発明のリチウム二次電池 10 従来のリチウム二次電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 伸 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ01 AJ14 AK03 AL07 AM03 AM07 CJ11 CJ13 HJ01 HJ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを可逆的に吸蔵放出する正極お
    よび負極と、支持体に含浸された電解質とを備えたリチ
    ウム二次電池において、 前記電解質が、下記一般式(1)で表わされる(メタ)
    アクリル酸エステルと、下記一般式(2)で表わされる
    ビニル化合物と、電解質塩と、前記(メタ)アクリル酸
    エステル、前記ビニル化合物、および前記電解質塩を溶
    解する溶媒とを含み、 前記(メタ)アクリル酸エステルと前記ビニル化合物の
    成分が重合していることを特徴とするリチウム二次電
    池。 【化1】 【化2】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
    は−C2n+1(n=1〜16)、−C2n
    OH(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
    (m=2〜6))
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリチウム二次電池にお
    いて、 配合比は、前記(メタ)アクリル酸エステルが100重
    量部、前記ビニル化合物が1〜25重量部、前記電解質
    塩が0.25〜1.5 mol/dm、前記溶媒が60
    〜12500重量部であることを特徴とするリチウム二
    次電池。
  3. 【請求項3】 リチウムを可逆的に吸蔵放出する正極お
    よび負極と、支持体に含浸された電解質とを備えたリチ
    ウム二次電池において、 前記電解質が、下記一般式(1)で表わされる(メタ)
    アクリル酸エステルと、下記一般式(2)で表わされる
    第1のビニル化合物と、下記一般式(3)で表される第
    2のビニル化合物と、電解質塩と、前記(メタ)アクリ
    ル酸エステル、前記第1・第2のビニル化合物、および
    前記電解質塩を溶解する溶媒とを含み、 前記(メタ)アクリル酸エステルと前記第1・第2のビ
    ニル化合物の成分が重合していることを特徴とするリチ
    ウム二次電池。 【化3】 【化4】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
    は−C2n+1(n=1〜16)、−C2n
    OH(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
    (m=2〜6)) 【化5】 (ただし、Rは−C、−C−CH、−
    OCOCH、−CN、−CONHを表わす)
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のリチウム二次電池にお
    いて、 配合比は、前記(メタ)アクリル酸エステルと前記第2
    のビニル化合物の混合物が100重量部(ただし、各成
    分は少なくとも10重量部以上)、前記第1のビニル化
    合物が1〜25重量部、前記電解質塩が0.25〜1.5
    mol/dm 、前記溶媒が60〜12500重量部
    であることを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 リチウムを可逆的に吸蔵放出する正極お
    よび負極と、支持体に含浸された電解質とを備えたリチ
    ウム二次電池の製造方法において、 前記正極、支持体、および負極を積層する工程と、 前記積層した電極群に、下記一般式(1)で表わされる
    (メタ)アクリル酸エステル、下記一般式(2)で表わ
    されるビニル化合物、電解質塩、および前記(メタ)ア
    クリル酸エステル、前記ビニル化合物、前記電解質塩を
    溶解する溶媒の各成分を注入する工程と、 前記(メタ)アクリル酸エステルと前記ビニル化合物の
    成分を熱重合させる工程と、を含んでなることを特徴と
    するリチウム二次電池の製造方法。 【化6】 【化7】 (ただし、Rは水素原子またはメチル基であり、R
    は−C2n+1(n=1〜16)、−C2n
    OH(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
    (m=2〜6))
  6. 【請求項6】 リチウムを可逆的に吸蔵放出する正極お
    よび負極と、支持体に含浸された電解質とを備えたリチ
    ウム二次電池の製造方法において、 前記正極、支持体、および負極を積層する工程と、 前記積層した電極群に、下記一般式(1)で表わされる
    (メタ)アクリル酸エステル、下記一般式(2)で表わ
    される第1のビニル化合物、下記一般式(3)で表され
    る第2のビニル化合物、電解質塩、および前記(メタ)
    アクリル酸エステル、前記第1・第2のビニル化合物、
    前記電解質塩を溶解する溶媒の各成分を注入する工程
    と、 前記(メタ)アクリル酸エステルと前記第1・第2のビ
    ニル化合物の成分を熱重合させる工程と、を含んでなる
    ことを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 【化8】 【化9】 (ただしRは水素原子またはメチル基であり、R
    −C2n+1(n=1〜16)、−C2n−O
    H(n=1〜4)であり、Xはm価の有機基を表わす
    (m=2〜6)) 【化10】 (ただし、Rは−C、−C−CH、−
    OCOCH、−CN、−CONHを表わす)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1332473C (zh) * 2003-04-09 2007-08-15 索尼株式会社 电池

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