JP2002358916A - 蛍光表示管及びその製造方法並びに導電性ペースト - Google Patents

蛍光表示管及びその製造方法並びに導電性ペースト

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JP2002358916A
JP2002358916A JP2001163950A JP2001163950A JP2002358916A JP 2002358916 A JP2002358916 A JP 2002358916A JP 2001163950 A JP2001163950 A JP 2001163950A JP 2001163950 A JP2001163950 A JP 2001163950A JP 2002358916 A JP2002358916 A JP 2002358916A
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anode
conductive
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Hitoshi Tsuji
斉 辻
Tomoji Okada
智司 岡田
Hitomi Kitamura
仁美 北村
Tomoji Shoji
友司 正治
Kazutami Chin
和民 陳
Hidenori Oshima
英紀 大島
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Noritake Itron Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム配線と陽極の間の導通不良をな
くす。 【解決手段】 陽極4を形成する工程において、蛍光体
層5を構成する蛍光体と反応しない第1の導電性粒子4
aと、印刷圧力により配線2の酸化被膜を貫く硬度を有
する第2の導電性粒子4bとを含む導電性ペーストを開
口部3aを含む絶縁層3上に所定パターンで印刷した
後、焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光表示管に係わ
り、特に陽極とアルミニウムを主成分とする配線との電
気的接続に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光表示管は、少なくとも一方が透明な
真空容器の中で、陰極から放出される電子を蛍光体に衝
突発光させ、所望のパターンを表示する電子管である。
一般的な蛍光表示管は、真空に保持した外囲器内に蛍光
体層を被着形成した陽極と、この陽極上に張架されたフ
ィラメント陰極と、陽極とフィラメント陰極との間に設
けられたグリッド電極(制御電極)とを備えており、フ
ィラメント陰極から放射される熱電子をグリッド電極に
より制御し、蛍光体層の表面に衝突させることによって
励起発光を行っている。
【0003】このような蛍光表示管において、従来の陽
極は、カーボン(黒鉛)とフリットガラス若しくは水ガ
ラスとを含むカーボンペーストを焼成して形成してい
た。しかしながら、この方法には蛍光体層を形成すると
きに行う焼成により陽極に含まれるガラス成分中のPb
O若しくはアルカリ金属で蛍光体が汚染され、蛍光体層
の発光効率が著しく低下するという問題があった。この
ため、ガラス成分を含まないカーボンペーストを用いて
陽極を形成した蛍光表示管が提案されている。
【0004】図2は、このような蛍光表示管の構成を示
す断面図であり、(a)が全体の構成を示し、(b)が
拡大して模式的に表した陽極基板の一部を示し、(c)
が拡大して模式的に表した配線と陽極の界面を示す。こ
の蛍光表示管の構成について説明すると、ガラス基板1
上にアルミニウムを主成分とする配線2が形成され、配
線2上には絶縁層3が形成されている。絶縁層3上の所
定位置には陽極4が形成されており、この陽極4は絶縁
層3に設けられた開口部3aを介して配線2に接続され
ている。陽極4上には蛍光体層5が形成されている。蛍
光体層5の上方には所定距離離間してグリッド電極6が
配置され、グリッド電極6の上方に離間して通電加熱に
より熱電子放出を行うフィラメント陰極7が配置されて
いる。
【0005】フィラメント陰極7の上方にはガラス基板
1に対向して透明なフロントガラス8が配置され、枠状
のスペーサガラス9によりガラス基板1から所定の間隔
に保持されている。ガラス基板1とフロントガラス8と
スペーサガラス9とは低融点のフリットガラス10によ
り封着され、真空容器となる外囲器が形成されて10 -3
〜10-5Paの真空に保持されている。また、配線2、
グリッド電極6及びフィラメント陰極7へ外部から電気
信号を供給するための複数のリード(図示せず)がガラ
ス基板1とスペーサガラス9の接触部を貫通して設けら
れている。ここで、配線2は真空蒸着法などにより成膜
されたアルミニウム膜で構成されており、絶縁層3はス
クリーン印刷法により塗布された低融点ガラスを主成分
とするガラスペーストを焼成した絶縁膜で構成されてい
る。陽極4はガラス成分を含まないカーボン層で構成さ
れており、蛍光体層5は例えばZnO:Zn蛍光体のよ
うな低速電子線励起発光蛍光体で構成されている。
【0006】この場合、陽極4はブチルカルビトールの
ような有機溶剤にエチルセルロースのような有機バイン
ダーを溶解したビヒクルに導電材として蛍光体と反応し
ないカーボン(黒鉛粉末)と印刷性を向上させるための
二酸化ケイ素(SiO2)又はアルミナ(Al23)な
どからなるフィラー材とを混合し、練和・分散させたカ
ーボンペーストをスクリーン印刷した後、加熱・焼成し
て形成する。この蛍光表示管は、ガラス成分を含まない
カーボン層で陽極4を構成したので、蛍光体層5がPb
Oの汚染がなくなるため、蛍光体層5の発光輝度が向上
し、蛍光表示管の発光特性を大幅に向上させることがで
きるという極めて優れた効果が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
蛍光表示管は、配線表面の酸化被膜と反応し、配線内部
のアルミニウム膜部分にまでカーボンが入り込めるよう
にしていたフリットガラスを欠いているので、図2
(c)に示すように、カーボン4aが絶縁層3形成時の
焼成により形成された30nm程度の厚さを有する酸化
被膜2bに阻止されて配線2内部のアルミニウム膜2a
に接触できず、陽極4と配線2の接触抵抗が高くなり導
通不良が発生するという問題があった。
【0008】この酸化被膜2bは、50V以上の電圧を
印加すると絶縁破壊を起こすため、陽極電圧が50V以
上で使用される場合は特に問題とはならないが、50V
未満で使用される場合は、製造工程のエージング工程中
に50V以上の陽極電圧を印加して駆動し、酸化被膜の
絶縁破壊を行う必要があった。本発明は、以上のような
問題点を解消するためになされたものであり、アルミニ
ウムを主成分とする配線と陽極との間の接触抵抗を低く
抑え、導通不良のない蛍光表示管とその製造方法並びに
これに用いる導電性ペーストを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、絶縁性基板と、この絶縁性基板上に
形成されたアルミニウムを主成分とする配線と、この配
線を覆いかつ配線上の所定位置に開口部を有する絶縁層
と、印刷により開口部内の配線上を含む絶縁層上に形成
された陽極と、この陽極上に形成された蛍光体層とから
なる陽極基板を有する蛍光表示管において、陽極は第1
の導電性粒子と第2の導電性粒子とを有し、第1の導電
性粒子は蛍光体層を構成する蛍光体と反応しない導電性
粒子であり、第2の導電性粒子は印刷圧力により配線の
酸化被膜を貫く硬度を有する導電性粒子であることによ
って特徴づけられる。この蛍光表示管の一構成例は、第
1の導電性粒子がカーボンであり、第2の導電性粒子が
酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化スズの中の少なくと
も1つからなる。この場合、第2の導電性粒子の構成例
は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化イン
ジウム・スズ(ITO、Indium Tin Oxide)のいずれか
1つからなる。
【0010】また、本発明の製造方法は、絶縁性基板
と、この絶縁性基板上に形成されたアルミニウムを主成
分とする配線と、この配線を覆いかつ配線上の所定位置
に開口部を有する絶縁層と、印刷により開口部内の配線
上を含む絶縁層上に形成された陽極と、この陽極上に形
成された蛍光体層とからなる陽極基板を有する蛍光表示
管の製造方法であって、陽極を形成する工程は蛍光体層
を構成する蛍光体と反応しない第1の導電性粒子と、印
刷圧力により配線の酸化被膜を貫く硬度を有する第2の
導電性粒子とを含む導電性ペーストを開口部を含む絶縁
層上に所定パターンで印刷した後、焼成することによっ
て特徴づけられる。この蛍光表示管の製造方法の一例
は、第1の導電性粒子がカーボンであり、第2の導電性
粒子が酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化スズの中の少
なくとも1つからなる。この場合、第2の導電性粒子の
構成例は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸
化インジウム・スズ(ITO、Indium Tin Oxide)のい
ずれか1つからなる。
【0011】また、本発明の導電性ペーストは、厚膜印
刷に用いる導電性ペーストであって、有機溶剤中に有機
バインダーが溶解されているビヒクルと、蛍光体と反応
しない第1の導電性粒子と、印刷圧力によりアルミニウ
ムの酸化被膜を貫く硬度を有する第2の導電性粒子とか
らなることによって特徴づけられる。この導電性ペース
トの一構成例は、印刷性を向上させるためのフィラー材
を含み、このフィラー材と第2の導電性粒子と第1の導
電性粒子との比率は、重量比でフィラー材が10〜50
%であり、第2の導電性粒子が1〜20%であり、残り
が第1の導電性粒子である。この場合、第1の導電性粒
子がカーボンであり、第2の導電性粒子が酸化インジウ
ム、酸化亜鉛及び酸化スズの中の少なくとも1つからな
る。ここで、第2の導電性粒子の一構成例は、酸化イン
ジウム、酸化亜鉛、酸化スズ及び酸化インジウム・スズ
(ITO、Indium Tin Oxide)のいずれか1つからな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。 [第1の実施の形態]図1は、本発明の実施の形態にか
かる蛍光表示管の構成を示す断面図であり、(a)が全
体の構成を示し、(b)が拡大して模式的に表した陽極
基板の一部を示し、(c)が拡大して模式的に表した配
線と陽極の界面を示す。なお、図2と同一符号は同一部
分を示す。同図において、この蛍光表示管は、ガラス基
板1と、このガラス基板1上に形成された配線2と、こ
の配線2を覆い、かつ配線2上の所定位置に開口部3a
を有する絶縁層3と、開口部3a内の配線2上を含む絶
縁層3上に形成された陽極4と、この陽極4上に形成さ
れた蛍光体層5とからなる陽極基板を有している。
【0013】陽極基板の蛍光体層5の上方には所定距離
離間してグリッド電極6が配置され、グリッド電極6の
上方に離間して通電加熱により熱電子放出を行うフィラ
メント陰極7が配置されている。フィラメント陰極7の
上方にはガラス基板1に対向して透明なフロントガラス
8が配置され、枠状のスペーサガラス9によりガラス基
板1から所定の間隔に保持されている。ガラス基板1と
フロントガラス8とスペーサガラス9とは低融点のフリ
ットガラス10により封着され、真空容器となる外囲器
が形成されて10-3〜10-5Paの真空に保持されてい
る。また、配線2、グリッド電極6及びフィラメント陰
極7へ外部から電気信号を供給するための複数のリード
(図示せず)がガラス基板1とスペーサガラス9の接触
部を貫通して設けられている。
【0014】ここで、図1(c)に示すように、配線2
は厚さ1μmのアルミニウム膜2aであり、このアルミ
ニウム膜2aの表面には厚さ30nm程度の酸化被膜2
bが形成されている。陽極4は、蛍光体層5を構成する
蛍光体と反応しない第1の導電性粒子4aと印刷圧力に
より配線2表面の酸化被膜2bを貫く硬度を有する第2
の導電性粒子4bとフィラー材4cとから構成されてお
り、第2の導電性粒子4bが配線2表面の酸化被膜2b
を貫いてアルミニウム膜2aに接触している。
【0015】ここで、第1の導電性粒子4aはカーボン
であり、第2の導電性粒子4bは酸化インジウム(In
23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化スズ(SnO2
の中の少なくとも1つからなる。フィラー材4cは、陽
極4の形成に用いる導電ペーストの印刷性を向上させる
ために導電ペーストに加えられたものであり、例えば二
酸化ケイ素(SiO2)やアルミナ(Al23)の粒子
が用いられる。この実施の形態では、第1の導電性粒子
4aは平均粒径5μmのカーボンであり、第2の導電性
粒子4bは平均粒径0.1μmの酸化インジウムであ
る。フィラー材4cには、平均粒径1μmのアルミナを
用いた。また、陽極4におけるカーボンと酸化インジウ
ムとアルミナの組成比は、重量比でカーボンが60%、
酸化インジウムが2%、アルミナが38%である。
【0016】陽極4における第1の導電性粒子4aと第
2の導電性粒子4bとフィラー材4cの組成比は上述の
値に限られるものではなく、重量比でフィラー材4cが
10〜50%、第2の導電性粒子4bが1〜20%、残
りが第1の導電性粒子4aとなる比率であればよい。こ
れは、フィラー材4cが10%未満の場合は十分な印刷
特性が得られず、50%を超えると陽極の抵抗が高くな
りすぎ電圧降下や陽極電流の減少が無視できなくなるた
めである。また、第2の導電性粒子4bが1%未満の場
合は導電性の十分な改善が得られず、20%を超えると
陽極4の黒色度が薄れ蛍光体のコントラスト低下が無視
できなくなるためである。
【0017】次に、この実施の形態にかかる導電性ペー
ストについて説明する。この導電性ペーストは、厚膜印
刷に用いる導電性ペーストであって、有機溶剤中に有機
バインダーが溶解されているビヒクルと、蛍光体と反応
しない第1の導電性粒子と、印刷圧力によりアルミニウ
ム表面の酸化被膜を貫く硬度を有する第2の導電性粒子
と、印刷性を向上させるためのフィラー材とから構成さ
れている。この実施の形態の導電性ペーストは、第1の
導電性粒子となるカーボンと、第2の導電性粒子となる
酸化インジウムと、フィラー材となるアルミナとを混合
した後、エチルセルロースのような有機バインダーをブ
チルカルビトールのような有機溶剤に溶解したビヒクル
に混合してペースト化したものである。
【0018】ここで、ビヒクルは、重量比で95%のブ
チルカルビトールと5%のエチルセルロースとから構成
されており、このビヒクルには、カーボンと酸化インジ
ウムとアルミナとを混合した粉体が、重量比でこの粉体
が70%でビヒクルが30%となるように混合されてい
る。この粉体は、平均粒径5μmのカーボンと平均粒径
0.1μmの酸化インジウムと平均粒径1μmのアルミ
ナとが重量比でカーボン60%、酸化インジウム2%、
アルミナ38%の割合で含まれている。なお、導電性ペ
ーストに含まれるカーボンには、一般的に黒鉛が使用さ
れている。
【0019】このように、この導電性ペーストは酸化イ
ンジウムを含むので、印刷圧力により酸化インジウムが
配線2表面の酸化被膜2bを貫いてアルミニウム膜2a
に接触する。酸化インジウムは導電性を有するので、配
線2と陽極4の間の接触抵抗を低下させることができ
る。なお、この導電性ペーストのカーボンと酸化インジ
ウムとアルミナの割合は、これに限られるものではな
く、陽極4におけるカーボンと酸化インジウムとアルミ
ナの組成比が、重量比でアルミナが10〜50%、酸化
インジウムが1〜20%、残りがカーボンとなる比率で
あればよい。
【0020】次に、この実施の形態にかかる蛍光表示管
の製造方法について説明する。まず、ガラス基板1の一
面上にスパッタ法で厚さ1μmのアルミニウム薄膜を成
膜した後、フォトリソグラフィーとエッチングを行い、
所定パターンの配線2を形成する。次に、この配線2を
覆いかつ配線2上の所定位置に開口部3aを有するよう
に、絶縁ペーストをスクリーン印刷した後、加熱・焼成
し絶縁層3を形成する。次に、前述の導電性ペーストを
開口部3a内の配線2上を含む絶縁層3上に所定の表示
パターンでスクリーン印刷した後、加熱・焼成し陽極4
を形成する。この際、導電性ペースト中の酸化インジウ
ムが印刷圧力により配線2表面の酸化被膜2bを貫いて
アルミニウム膜2aに接触する。なお、印刷圧力は、従
来と同じままでよい。
【0021】次に、陽極4上に蛍光体ペーストをスクリ
ーン印刷により塗布した後、加熱・焼成し蛍光体層5を
形成する。このようにして所定の表示パターンに対応し
た陽極4と蛍光体層5が形成されたガラス基板1(陽極
基板という)を製造する。次に、前述した陽極基板と、
グリッド電極6やリードとなるフレームと、フィラメン
ト陰極7を張ったフレームと、スペーサガラス9と、フ
ロントガラス8とを組み立てて、フリットガラス10で
接着固定して真空容器を形成し、これを真空ポンプで排
気して真空容器内を10-3〜10-5Paの真空度にして
封止切り、真空管とする。この実施の形態にかかる製造
方法は、前述したこの実施の形態にかかる導電性ペース
トを用いる以外は、従来の製造方法と同じであるので、
新たな製造設備や製造工程を加える必要がない。
【0022】このようにして製造した蛍光表示管(以
後、実施形態1と記す)について配線2の絶縁破壊電圧
を測定した結果、絶縁破壊電圧は4Vであった。ここ
で、配線2の絶縁破壊電圧とは、配線2と陽極4との間
で導通が得られるようになる陽極電圧である。この結果
が示すように、実施形態1は配線2の絶縁破壊電圧が十
分低いため、陽極を12〜15V程度の低電圧で駆動す
るスタティック駆動においても配線2と陽極4の間の導
通不良が生じない。
【0023】一方、導電性ペーストの粉体を平均粒径5
μmのカーボンと平均粒径1μmのアルミナとが重量比
でカーボン60%、アルミナ40%の割合で含まれてい
るものとした以外は、実施形態1と同じ構成、同じ製造
方法の蛍光表示管(以後、比較例と記す)では、配線2
の絶縁破壊電圧が70Vであった。これにより、導電性
ペースト中に酸化インジウムを適量加えた場合の効果が
確かめられた。
【0024】さらに、実施形態1と比較例について、蛍
光体のコントラストを測定した。この場合、蛍光体のコ
ントラストは、比較例を1としたときに実施形態1は
0.98であった。これらの結果が示すように、実施形
態1によれば、蛍光体のコントラストにあまり影響を与
えることなく、配線2と陽極4の間の導通不良をなくす
ことができる。よって、従来エージング工程中で行って
いた50V以上の陽極電圧を印加しての駆動が不要とな
り、製造工程が簡略化される効果が得られる。
【0025】[第2の実施の形態]次に、第2の実施の
形態について説明する。この実施の形態にかかる蛍光表
示管は、第1の実施の形態で説明した蛍光表示管の第2
の導電性粒子を平均粒径0.1μmの酸化亜鉛(Zn
O)に置き換えたものである。ここでは、酸化亜鉛が配
線2表面の酸化被膜2bを貫いてアルミニウム膜2aに
接触している。この場合、陽極4におけるカーボンと酸
化亜鉛とアルミナの組成比は、重量比でカーボンが60
%、酸化亜鉛が8%、アルミナが32%である。なお、
陽極4におけるカーボンと酸化亜鉛とアルミナの組成比
は、これに限られるものではなく、第1の実施の形態で
説明したように重量比でアルミナが10〜50%、酸化
亜鉛が1〜20%、残りがカーボンとなる比率であれば
よい。
【0026】また、この実施の形態にかかる導電性ペー
ストは、第1の実施の形態で説明した導電性ペーストの
第2の導電性粒子を平均粒径0.1μmの酸化亜鉛に置
き換えたものである。この導電性ペーストは酸化亜鉛を
含むので、印刷圧力により酸化亜鉛が配線2表面の酸化
被膜2bを貫いてアルミニウム膜2aに接触する。酸化
亜鉛は導電性を有するので、配線2と陽極4の間の接触
抵抗を低下させることができる。
【0027】この場合、導電性ペーストの粉体は、平均
粒径5μmのカーボンと平均粒径0.1μmの酸化亜鉛
と平均粒径1μmのアルミナとが重量比でカーボン60
%、酸化亜鉛8%、アルミナ32%の割合で含まれてい
る。なお、この導電性ペーストのカーボンと酸化亜鉛と
アルミナの割合は、これに限られるものではなく、陽極
4におけるカーボンと酸化亜鉛とアルミナの組成比が、
重量比でアルミナが10〜50%、酸化亜鉛が1〜20
%、残りがカーボンとなる比率であればよい。
【0028】また、この実施の形態にかかる蛍光表示管
の製造方法は、導電性ペーストを上述したこの実施の形
態にかかる導電性ペーストとした以外は、第1の実施の
形態で説明した製造方法と同じである。この場合、陽極
形成工程でこの実施の形態にかかる導電性ペースト中の
酸化亜鉛が印刷圧力により配線2表面の酸化被膜2bを
貫いてアルミニウム膜2aに接触する。
【0029】次に、このようにして製造した蛍光表示管
(以後、実施形態2と記す)について配線2の絶縁破壊
電圧と蛍光体のコントラストを測定した結果を示す。測
定の結果、配線2の絶縁破壊電圧は2Vであった。ま
た、蛍光体のコントラストは、先に説明した比較例を1
としたときに実施形態2は0.96であった。すなわ
ち、この実施の形態によっても第1の実施の形態と同様
の効果が得られる。
【0030】[第3の実施の形態]次に、第3の実施の
形態について説明する。この実施の形態にかかる蛍光表
示管は、第1の実施の形態で説明した蛍光表示管の第2
の導電性粒子を平均粒径0.1μmの酸化スズ(SnO
2)に置き換えたものである。ここでは、酸化スズが配
線2表面の酸化被膜2bを貫いてアルミニウム膜2aに
接触している。この場合、陽極4におけるカーボンと酸
化スズとアルミナの組成比は、重量比でカーボンが60
%、酸化スズが20%、アルミナが20%である。な
お、陽極4におけるカーボンと酸化スズとアルミナの組
成比は、これに限られるものではなく、重量比でアルミ
ナが10〜50%、酸化スズが1〜20%、残りがカー
ボンとなる比率であればよい。
【0031】また、この実施の形態にかかる導電性ペー
ストは、第1の実施の形態で説明した導電性ペーストの
第2の導電性粒子を平均粒径0.1μmの酸化スズに置
き換えたものである。この導電性ペーストは酸化スズを
含むので、印刷圧力により酸化スズが配線2表面の酸化
被膜2bを貫いてアルミニウム膜2aに接触する。酸化
スズは導電性を有するので、配線2と陽極4の間の接触
抵抗を低下させることができる。
【0032】この場合、導電性ペーストの粉体は平均粒
径5μmのカーボンと平均粒径0.1μmの酸化スズと
平均粒径1μmのアルミナとが重量比でカーボン60
%、酸化スズ20%、アルミナ20%の割合で含まれて
いる。なお、この導電性ペーストのカーボンと酸化スズ
とアルミナの割合は、これに限られるものではなく、陽
極4におけるカーボンと酸化スズとアルミナの組成比
が、重量比でアルミナが10〜50%、酸化スズが1〜
20%、残りがカーボンとなる比率であればよい。
【0033】また、この実施の形態にかかる蛍光表示管
の製造方法は、導電性ペーストを上述したこの実施の形
態にかかる導電性ペーストとした以外は、第1の実施の
形態で説明した製造方法と同じである。この場合、陽極
形成工程でこの実施の形態にかかる導電性ペースト中の
酸化スズが印刷圧力により配線2表面の酸化被膜2bを
貫いてアルミニウム膜2aに接触する。
【0034】次に、このようにして製造した蛍光表示管
(以後、実施形態3と記す)について配線2の絶縁破壊
電圧と蛍光体のコントラストを測定した結果を示す。測
定の結果、配線2の絶縁破壊電圧は2Vであった。ま
た、蛍光体のコントラストは、先に説明した比較例を1
としたときに実施形態3は0.94であった。すなわ
ち、この実施の形態によっても第1の実施の形態と同様
の効果が得られる。
【0035】以上、第1〜第3の実施の形態について説
明したが、本発明にかかる蛍光表示管及びその製造方法
は、これらの実施の形態に限られるものではなく、アル
ミニウム配線上にカーボン厚膜電極のような導電性ペー
ストを印刷・焼成して形成する電極を用いる周知の蛍光
表示管に適用できることは言うまでもない。また、これ
らの実施の形態では、配線を形成する絶縁性基板として
ガラス基板を用いたが、ガラス基板に限られるものでは
なく、例えばセラミック基板や表面が絶縁体で覆われた
金属基板など、絶縁性を有する基板であればよい。
【0036】また、導電性ペーストにフィラー材として
アルミナを混入したが、フィラー材はアルミナに限られ
るものではなく、例えば二酸化ケイ素(SiO2)を用
いてもよい。また、第2の導電性粒子として、酸化イン
ジウム、酸化亜鉛及び酸化スズのいずれか1つからなる
粒子を使用した例について説明したが、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛及び酸化スズの中の2つ以上を含む粒子で
あってもよい。このような粒子としては、例えば酸化イ
ンジウム・スズ(ITO、Indium Tin Oxide)からなる
粒子がある。また、酸化インジウムからなる粒子、酸化
亜鉛からなる粒子、酸化スズからなる粒子及び酸化イン
ジウム、酸化亜鉛及び酸化スズの中の2つ以上を含む粒
子からなる群の中の2つ以上を混合して用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蛍光表示
管は、陽極を蛍光体と反応しない第1の導電性粒子と、
印刷圧力により配線の酸化被膜を貫く硬度を有する第2
の導電性粒子とから構成したので、第2の導電性粒子が
配線の酸化被膜を貫いてアルミニウム膜と接触するため
配線と陽極の間の接触抵抗を下げることができ、導通不
良をなくする効果が得られる。
【0038】また、本発明の蛍光表示管の製造方法によ
れば、陽極を形成する工程において、蛍光体と反応しな
い第1の導電性粒子と、印刷圧力により配線の酸化被膜
を貫く硬度を有する第2の導電性粒子とを含む導電性ペ
ーストを印刷した後、焼成するので、第2の導電性粒子
が配線の酸化被膜を貫いてアルミニウム膜と接触するた
め配線と陽極の間の接触抵抗が低く導通不良のない蛍光
表示管を製造することができる。
【0039】また、本発明の導電性ペーストは、印刷圧
力によりアルミニウムの酸化被膜を貫く硬度を有する導
電性粒子を含むので、従来のガラス成分を含まない導電
性ペーストと同様に印刷するだけでアルミニウム配線と
の接触抵抗を小さくすることができ、導通不良をなくす
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる蛍光表示管の構
成を示す断面図である。
【図2】 従来の一般的な蛍光表示管の構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…配線、2a…アルミニウム膜、2
b…酸化皮膜、3…絶縁層、3a…開口部、4…陽極、
4a…第1の導電性粒子、4b…第2の導電性粒子、4
c…フィラー材、5…蛍光体層、6…グリッド電極、7
…フィラメント陰極、8…フロントガラス、9…スペー
サガラス、10…フリットガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 仁美 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊勢 電子工業株式会社内 (72)発明者 正治 友司 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊勢 電子工業株式会社内 (72)発明者 陳 和民 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊勢 電子工業株式会社内 (72)発明者 大島 英紀 三重県伊勢市上野町字和田700番地 伊勢 電子工業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 BB04 BB08 5C036 EE07 EE14 EF02 EF05 EG26 EG28 EH11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、この絶縁性基板上に形成
    されたアルミニウムを主成分とする配線と、この配線を
    覆いかつ前記配線上の所定位置に開口部を有する絶縁層
    と、印刷により前記開口部内の前記配線上を含む前記絶
    縁層上に形成された陽極と、この陽極上に形成された蛍
    光体層とからなる陽極基板を有する蛍光表示管におい
    て、 前記陽極は、第1の導電性粒子と第2の導電性粒子とを
    有し、 第1の導電性粒子は、前記蛍光体層を構成する蛍光体と
    反応しない導電性粒子であり、 第2の導電性粒子は、印刷圧力により前記配線の酸化被
    膜を貫く硬度を有する導電性粒子であることを特徴とす
    る蛍光表示管。
  2. 【請求項2】 前記第1の導電性粒子はカーボンであ
    り、 前記第2の導電性粒子は酸化インジウム、酸化亜鉛及び
    酸化スズの中の少なくとも1つからなることを特徴とす
    る請求項1記載の蛍光表示管。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板と、この絶縁性基板上に形成
    されたアルミニウムを主成分とする配線と、この配線を
    覆いかつ前記配線上の所定位置に開口部を有する絶縁層
    と、印刷により前記開口部内の前記配線上を含む前記絶
    縁層上に形成された陽極と、この陽極上に形成された蛍
    光体層とからなる陽極基板を有する蛍光表示管の製造方
    法であって、 前記陽極を形成する工程は、前記蛍光体層を構成する蛍
    光体と反応しない第1の導電性粒子と、印刷圧力により
    前記配線の酸化被膜を貫く硬度を有する第2の導電性粒
    子とを含む導電性ペーストを開口部を含む絶縁層上に所
    定パターンで印刷した後、焼成することを特徴とする蛍
    光表示管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の導電性粒子はカーボンであ
    り、 前記第2の導電性粒子は酸化インジウム、酸化亜鉛及び
    酸化スズの中の少なくとも1つからなることを特徴とす
    る請求項3記載の蛍光表示管の製造方法。
  5. 【請求項5】 厚膜印刷に用いる導電性ペーストであっ
    て、 有機溶剤中に有機バインダーが溶解されているビヒクル
    と、 蛍光体と反応しない第1の導電性粒子と、 印刷圧力によりアルミニウムの酸化被膜を貫く硬度を有
    する第2の導電性粒子とからなることを特徴とする導電
    性ペースト。
  6. 【請求項6】 印刷性を向上させるためのフィラー材を
    含み、このフィラー材と前記第2の導電性粒子と前記第
    1の導電性粒子との比率は、重量比で前記フィラー材が
    10〜50%であり、前記第2の導電性粒子が1〜20
    %であり、残りが前記第1の導電性粒子であることを特
    徴とする請求項5記載の導電性ペースト。
  7. 【請求項7】 前記第1の導電性粒子はカーボンであ
    り、前記第2の導電性粒子は酸化インジウム、酸化亜鉛
    及び酸化スズの中の少なくとも1つからなることを特徴
    とする請求項5又は請求項6記載の導電性ペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107068515A (zh) * 2015-09-10 2017-08-18 双叶电子工业株式会社 制造荧光显示器的方法及荧光显示器
US10455696B2 (en) 2013-09-06 2019-10-22 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Electrically conducting assemblies

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